目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象2 結論の要旨第2 開示の申出と苦情の申出の流れ第3 早期退職が認められなかった裁判官の人数(令和6年~令和7年)1 開示の申出の内容2 最高裁判所の判断と理由説明書3 答申(令和7年度(最情)答申第24号)4 読み方第4 応募手続の問合せに使用しているマニュアル(令和2年~令和3年)1 開示の申出と不開示2 理由説明書3 答申(令和2年度(最情)答申第57号)第5 裁判官の辞表の書式(令和2年~令和3年)1 開示の申出と不開示2 答申(令和3年度(最情)答申第20号)3 読み方第6 早期退職した裁判官のうち公証人になった人数(令和元年~令和2年)1 開示の申出と不開示2 理由説明書3 答申(令和2年度(最情)答申第11号)4 同じ日の答申第12号・第13号第7 4件に共通する読み方第8 関連記事第9 出典1 法令2 開示関係文書3 裁判所HPに掲載された答申書4 募集実施要項5 内閣人事局の資料
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象
本記事は,裁判官の早期退職と依願退官に関して,最高裁判所に司法行政文書の開示を申し出た次の4件について,不開示通知書,理由説明書,答申書及び苦情対応通知の内容を整理するものである。
①早期退職が認められなかった裁判官の人数が年度別に分かる文書(令和6年~令和7年)
②早期退職への応募を考えている裁判官又は職員から手続の問合せがあった場合の受け答えに使用しているマニュアル(令和2年~令和3年)
③裁判官の辞表の書式を定めた文書(令和2年~令和3年)
④早期退職した裁判官のうち公証人に就いている人数が分かる文書(令和元年~令和2年)
いずれの文書も,当ブログに掲載しているPDF(第9の2)又は裁判所HPに掲載された答申書(第9の3)で確認したものである。
早期退職の制度そのものは,裁判官の早期退職とは―50歳以上(簡易裁判所判事は55歳以上)の募集,応募と認定,退職手当の割増し及び関係資料で整理している。
2 結論の要旨
4件とも,最高裁判所は「作成又は取得していない」ことを理由に不開示とし,苦情の申出を受けて諮問された情報公開・個人情報保護審査委員会も,いずれも不開示の判断を妥当とした。
不存在とされた理由は,①は作成又は取得を要する事情がないこと,②は問合せには個別に対応しており,募集実施要項に手続が詳細に記載されていること,③は退官を願い出る際の書式は定められていないこと,④は退官後に公証人に任命された者の人数を最高裁判所が把握する必要がないことである。
そのため,早期退職を希望したのに認められなかった裁判官の人数は,最高裁判所の開示文書からは分からない。
第2 開示の申出と苦情の申出の流れ
裁判所の保有する司法行政文書の開示は,「裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱」(以下「取扱要綱」という。)に基づいて行われている。
各答申書は,開示の申出が取扱要綱記第2に定めるものであり,不開示の判断に対して取扱要綱記第11の1に定める苦情が申し出られ,最高裁判所事務総長から情報公開・個人情報保護審査委員会に諮問がされたという形で事案を説明している。
本記事の4件では,次の順で手続が進んでいる。
①開示の申出に対する最高裁判所事務総長の不開示通知
②苦情の申出を受けた最高裁判所の諮問と,同委員会からの諮問番号の通知及び理由説明書の写しの送付
③同委員会の答申と答申書の写しの送付
④答申を踏まえた最高裁判所事務総長の苦情対応通知
第3 早期退職が認められなかった裁判官の人数(令和6年~令和7年)
1 開示の申出の内容
令和6年11月20日付の開示の申出の対象は,次の文書である。
「早期退職を希望したものの、『引き続き職務に従事することが公務の能率的運営を確保し、又は長期的な人事管理を計画的に推進するために特に必要であると認める場合』に該当するとして早期退職が認められなかった裁判官の人数が年度別に分かる文書(平成25年度以降のもの)」
かぎ括弧内の文言は,裁判官向けの募集実施要項(令和8年4月28日付のものでは6項(2)エ)が掲げる不認定の事由の一つであり,国家公務員退職手当法8条の2第5項4号の「応募者を引き続き職務に従事させることが公務の能率的運営を確保し、又は長期的な人事管理を計画的に推進するために特に必要であると認める場合」に対応する。
2 最高裁判所の判断と理由説明書
最高裁判所事務総長は,令和6年12月20日付で,1の文書は作成又は取得していないとして不開示とした。
苦情の申出(令和6年12月27日受付)を受けて,最高裁判所は令和7年1月27日に諮問し,同委員会は令和6年度(最情)諮問第51号として受理した。
(続きを読む...)裁判官の早期退職に関する最高裁の情報公開―不認定の人数,辞表の書式,応募手続のマニュアル及び公証人になった人数(AI作成)