目次
第1 会長選挙の選挙運動期間1 選挙運動期間2 選挙運動に当たるかどうか第2 選挙事務所に対する規制1 選挙事務所の数2 設置場所3 立候補届出前の事務所第3 文書による選挙運動1 認められる文書2 通数の上限3 責任者表示等4 ファクシミリの送信停止5 支持者間文書第4 ウェブサイト及びSNSによる選挙運動1 候補者の選挙運動用ウェブサイト2 候補者以外の会員第5 電子メールによる選挙運動1 令和7年改正2 送信停止3 表示事項4 送信先,回数及び容量5 公開質問状の回答の共有第6 禁止される選挙運動1 禁止事項2 弁護士会及び弁護士会連合会3 会員以外からの寄附4 令和7年に追加された禁止第7 選挙運動費用の管理と公表1 選挙運動費用責任者及び収支の範囲2 報告,公表及び保存第8 事前運動と政策提言団体の活動1 団体名では決まらないこと2 選管が問題とした事例3 判断要素4 会派の活動を確認する際の整理第9 選挙違反の調査,警告,異議申出及び選挙無効1 選挙管理委員会の調査2 警告書の掲載3 警告事例集の読み方4 異議申出5 当選決定の変更及び選挙無効6 規程違反,懲戒及び被選挙権制限の区別第10 会長直接選挙と選挙運動規制の改正経緯1 制度創設前の選挙制度大綱2 昭和49年の規程制定と直接選挙の開始3 推薦状制度の廃止と事前運動4 平成16年度から平成20年度までの検討5 平成22年度の選挙運動費用の検討6 平成23年改正7 平成27年改正8 平成29年改正9 令和3年改正10 令和5年改正11 令和6年度の検討と令和7年改正第11 公職選挙法との関係1 公職選挙法は直接適用されないこと2 公職選挙法上の選挙運動3 選挙運動期間等の制限と表現の自由第12 令和8年度同9年度日弁連会長選挙の結果第13 関連記事第14 出典
第1 会長選挙の選挙運動期間
1 選挙運動期間
日弁連会長選挙の選挙運動期間は,立候補届出が受理された時から投票日の前日までである(会長選挙規程53条)。候補者及びその他の会員が,この期間外に選挙運動をすることは禁止されている(同規程58条1項1号)。投票日が延期された場合の終期は,会長選挙規程27条の2第1項に規定する公示の日である(同規程53条)。
再投票又は再選挙が行われる場合には,最初の選挙の運動期間と,新たに公示される再投票又は再選挙の運動期間とを区別する必要がある。
2 選挙運動に当たるかどうか
会長選挙規程は,「選挙運動」の定義を置いていない。そのため,特定の行為が選挙運動に当たるかどうかは,その時期,目的,内容,対象者,数量,方法及び具体的な効果を踏まえて実質的に判断される。候補予定者の政策を紹介する行為,候補予定者への支持を求める行為又は投票を依頼する行為は,名称が「政策活動」「広報活動」「支持者間連絡」等であっても,実質によっては事前運動となり得る。
第2 選挙事務所に対する規制
1 選挙事務所の数
候補者は,選挙運動期間中,日弁連選挙管理委員会の承認を得て,2箇所以内の選挙事務所を設けることができる(会長選挙規程55条1項)。
2 設置場所
候補者は,選挙の公正を疑わせる場所その他弁護士の名誉又は品位を害するおそれのある場所に,選挙事務所を設置してはならない(会長選挙規程55条2項)。委員会は,同条1項又は2項に違反する選挙事務所があると認めるときは,直ちに閉鎖を命じる(同条3項)。
3 立候補届出前の事務所
立候補届出前に,特定の会員のための「選挙準備事務所」を設置し,そのことを広く発信した場合,事実上の立候補表明又は期間外の選挙運動と評価される可能性がある。単に政策提言団体の事務所という名称を用いたとしても,実態が特定候補予定者の選挙事務所である場合には,名称だけで会長選挙規程の適用を免れるものではない。
第3 文書による選挙運動
1 認められる文書
文書による選挙運動は,次の方法に限られる(会長選挙規程56条1項)。
① 郵便はがきの発送
② ファクシミリによる文書の送信
③ ポスターの掲示
ウェブサイトの画面を印刷して不特定多数の会員に配布した場合,ウェブサイトによる選挙運動ではなく,文書による選挙運動として規制される。
2 通数の上限
郵便はがきの枚数とファクシミリ送信文書の通数の合計は,候補者1人につき,選挙権を有する会員数の3倍以内である(会長選挙規程56条2項)。ポスターの規格,枚数及び掲示場所は,選挙管理委員会が定める。
3 責任者表示等
郵便はがき及びファクシミリ送信文書には文書責任者の法律事務所の所在場所又は住所及び氏名を記載する必要がある(会長選挙規程56条3項)。ポスターには掲示責任者の法律事務所の所在場所又は住所及び氏名を記載し,あらかじめ選挙管理委員会の証印を受ける必要がある。委員会は,同条2項又は3項に違反して掲示されたポスターの撤去を命じることができる(同条4項)。
4 ファクシミリの送信停止
ファクシミリ送信文書には,候補者又は文書責任者に対して送信停止を求めることができる旨を表示する必要がある(会長選挙規程56条5項)。会員から送信停止を求められた場合,その会員にファクシミリを送信してはならない。
5 支持者間文書
候補者,支援者及び運動員の間だけで用いる真の内部連絡文書は,不特定多数の会員に対する選挙運動文書とは異なる。もっとも,「支持者間文書」と表示していても,支持者以外への拡散を予定し,又は実際に不特定多数へ配布した場合には,文書による選挙運動として扱われる可能性がある。文書の名称ではなく,送付先,内容,数量及び拡散の指示を含む実態が重要である。
第4 ウェブサイト及びSNSによる選挙運動
(続きを読む...)日弁連会長選挙の選挙運動規制(AIリライト)