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裁判所職員等の職務・採用・研修

調停委員の叙勲・褒章―瑞宝章・藍綬褒章の授与基準,推薦手続及び受章者数(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と要点1 対象とする栄典と資料2 要点第2 瑞宝章(叙勲)1 勲章の授与基準上の位置付け2 瑞宝章の等級の決め方3 推薦の流れと年齢4 受章者名簿に見る調停委員功労第3 藍綬褒章1 褒章条例と内閣府の説明2 選考の手続3 受章者名簿に見る調停委員功績4 藍綬褒章と叙勲の関係第4 裁判所の表彰との違い1 根拠,決定者及び時期2 推薦事務の事務連絡第5 委嘱年数・件数の目安の扱い第6 出典・関連記事1 法令及び内閣府の資料2 裁判所の資料3 関連記事
第1 この記事の対象と要点
1 対象とする栄典と資料

本記事は,民事調停委員及び家事調停委員(以下「調停委員」という。)が対象となる国の栄典のうち,勲章の瑞宝章と褒章の藍綬褒章について,授与の基準,推薦の流れ及び近年の受章者数を整理するものである。
根拠には,内閣府賞勲局が公表している閣議決定・閣議了解・内閣総理大臣決定,褒章条例,制度説明及び春秋叙勲・春秋褒章の受章者名簿を用い,基準日は令和8年10月18日とする。

最高裁判所長官表彰,高等裁判所長官表彰並びに地方裁判所長表彰及び家庭裁判所長表彰は,裁判所内部の表彰であり,国の栄典とは別の制度である。
裁判所内部の表彰の基準は民事・家事調停委員の表彰制度―最高裁・高裁・地家裁の基準と名簿(AIリライト)で,最高裁判所長官表彰の年度別の名簿は調停委員に対する最高裁判所長官表彰の被表彰者名簿で扱っている。

2 要点

① 勲章の授与基準(平成15年5月20日閣議決定)は,瑞宝章の対象となる公共的な業務の例として,調停委員の業務を明記している。
② 内閣府の制度説明は,藍綬褒章の対象となる公共の事務の例として,調停委員の事務を明記している。
③ 春秋叙勲候補者推薦要綱及び褒章受章者の選考手続は,内閣総理大臣に候補者を推薦する者の一つとして最高裁判所長官を掲げている。
④ 令和6年秋から令和8年春までの4回の受章者名簿では,功労概要欄に「調停委員功労」とある叙勲の受章者が毎回26人から40人,功績概要欄に「調停委員功績」とある藍綬褒章の受章者が毎回17人から28人であった。
⑤ 調停委員としての委嘱年数や取扱件数によって叙勲又は褒章が決まる数値基準は,公開資料では確認できない。

第2 瑞宝章(叙勲)
1 勲章の授与基準上の位置付け

勲章の授与基準は,旭日章を「功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者」に,瑞宝章を公務等に長年従事して成績を挙げた者に授与するという二つの系統を定めている。
同基準第一の3は,「瑞宝章は、国及び地方公共団体の公務又は次の各号に掲げる公共的な業務に長年にわたり従事して功労を積み重ね、成績を挙げた者を表彰する場合に授与するものとする。」と定め,その(4)として「調停委員、保護司、民生委員など国又は地方公共団体から委嘱される業務」を掲げている。
したがって,調停委員としての功労は,勲章の授与基準の文言上,瑞宝章の系統に位置付けられている。

同基準第一の4は,旭日章と瑞宝章のいずれを授与するかを主たる功労がいずれに当たるかによって決めるとしている。
また,前記の公共的な業務に長年従事した者が,その業務に継続して,又はその業務に関連して旭日章の対象となる顕著な功績を挙げた場合も,瑞宝章を授与するとしている。

2 瑞宝章の等級の決め方

同基準第二の2(1)は,瑞宝大綬章から瑞宝単光章までの6等級のうち,果たした職務の複雑度,困難度及び責任の程度等を評価して授与する勲章を決めるとしている。
特に重要と認められる職務を果たした者は瑞宝重光章以上,重要と認められる職務を果たした者は瑞宝小綬章以上,その他の職務を果たした者は瑞宝単光章以上とされている。

同基準第二の2(2)は,「瑞宝章の授与は、形式的な職務歴により等しく行うものではなく、他の模範となる成績を挙げた者に対象を限り行うものとする。」と定めている。
同(5)も,「勲章の授与に必要とされる職務従事期間は、その職務の重要度等を考慮し、適正に調整するものとする。」と定めるにとどまる。
調停委員について,委嘱年数や担当件数の具体的な基準を定めた公開の閣議決定は確認できない。

3 推薦の流れと年齢

春秋叙勲候補者推薦要綱(平成15年5月16日内閣総理大臣決定,平成28年9月16日一部改正)によれば,最高裁判所長官,内閣総理大臣,各省大臣等の「各省各庁の長」及び各都道府県知事が,国家又は公共に対する功労のある者を選考し,春又は秋の叙勲候補者として内閣総理大臣に推薦する。
推薦の対象は,「70歳以上の者」,又は55歳以上の者のうち「精神的又は肉体的に著しく労苦の多い環境において業務に精励した者」若しくは「人目に付きにくい分野にあって多年にわたり業務に精励した者」である。
推薦に当たっては,あらかじめ文書で内閣府賞勲局に協議し,その書類は,春の叙勲では前年の12月26日までに,秋の叙勲ではその年の6月30日までに提出する。

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調停委員がおかしい・偏っていると感じたら―苦情の伝え方と変更・除斥(AI作成)

目次

第1 まず問題となっている事柄を分ける1 結論への不満と手続上の問題2 「味方かどうか」だけで判断しない第2 どこへ,どのように伝えるか1 担当書記官などの裁判所職員に伝える2 口頭と書面を使い分ける第3 苦情・要望の整理と上申書の記載例1 事実,受け止め及び希望を分ける2 進行についての上申内容の例3 書面に記載する情報の扱い第4 調停委員を変更できるか―除斥・回避・忌避の違い1 担当変更の相談と除斥の申立て2 調停委員に裁判官と同じ忌避制度はない3 回避と解任も別の仕組みである第5 苦情への対応と事件の進行を分けて確認する1 納得できない条件と合意の有無を明確にする2 期日,提出期限及び裁判書の取扱いを確認する3 安全面の問題は具体的に伝える第6 よくある質問1 調停委員への苦情は誰に言えばよいか2 調停委員を変更してもらえるか3 調停委員に言われた条件には従わなければならないか第7 出典・関連記事
第1 まず問題となっている事柄を分ける

調停委員の言動や進行に問題があると感じたときは,担当の裁判所書記官などの裁判所職員に,具体的な経過と希望する対応を伝える方法がある。
ただし,不満の申出,担当の変更を求める相談,法律上の除斥の申立ては,それぞれ目的と要件が異なる。

本記事は,裁判所の民事調停・家事調停を対象として,令和8年10月17日現在の法令と公表資料から対応を整理するものである。
自治体や労働局等の調停では,担当機関と適用法令が異なる。

1 結論への不満と手続上の問題

不利な提案を受けたことと,発言の機会が与えられない,説明と異なる前提で話が進む,威圧的な言動があったなどの問題は分けて整理する。
提案の内容に納得できない場合は,どの前提事実,計算又は条件が違うのかを示すと,検討すべき点が明確になる。

気になること確認する点伝える希望の例話を聴いてもらえないどの事項を,いつ伝えようとしたか事実と資料を説明する時間を設けてほしい法律の説明に疑問がある委員個人の説明か,裁判官と評議した見解か裁判官の現時点の見解を確認したい相手との関係が気になる関係の内容と,それを知った根拠関係を確認し,担当継続の適否を検討してほしい威圧や安全上の不安がある実際の発言・行動,発生日時,具体的な危険進行方法と安全への配慮を相談したい
2 「味方かどうか」だけで判断しない

裁判所の調停は,当事者双方の話合いによる解決を目指す手続である。
調停委員に一方の味方になることを求めるより,説明の正確さ,発言の機会,提案の根拠及び合意するかを判断するための情報に着目する方が,問題点を伝えやすい。

家事調停の基本的な仕組みは,裁判所「調停手続一般」に掲載されている。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_03/index.html

第2 どこへ,どのように伝えるか
1 担当書記官などの裁判所職員に伝える

期日で話せなかった事情や進行上の要望は,事件番号と担当部を確認した上で,担当書記官などの裁判所職員に伝える。
その際には,事件の主張を補充したいのか,調停委員の言動への対応を求めたいのか,安全面の配慮を相談したいのかを明らかにする。

令和2年4月16日の参議院法務委員会では,最高裁判所の答弁として,裁判所職員に調停委員への不満の申出があった場合には,内容に応じて裁判所内で情報を共有し,必要な指導などの対応を行っていると説明されている。
これは苦情を裁判所に伝える経路についての説明であり,申出どおりの変更や処分を保障するものではない。
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120115206X00720200416/14

2 口頭と書面を使い分ける

二弁フロンティア2021年12月号「家庭裁判所から見た離婚や面会交流等の調停実務」は,当事者の不満や要望を,上申書又は書記官への口頭で伝える方法を紹介している。
法律的な見解に疑問がある場合には,裁判官の現時点の意見を確認したいと申し出る方法も説明されている。
https://niben.jp/niben/books/frontier/backnumber/202112/post-363.html

急いで知らせるべき事情はまず担当部署に連絡し,日時や発言の経過が複雑な場合は,短い書面に整理すると伝達内容を確認しやすい。
提出方法,提出先及び相手方用の写しの要否は,担当部署に確認する。

第3 苦情・要望の整理と上申書の記載例
1 事実,受け止め及び希望を分ける

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裁判所職員総合研修所の入所試験(CE試験)―受験資格・科目・免除と年度の読み方(AI作成)

目次

第1 総研の入所試験は職員採用試験とは別である第2 第一部・第二部の受験資格1 職員であることと課程別の資格を分ける2 第二部の年齢・在職要件を第一部へ広げない第3 筆記試験・口述試験・勤務評定1 試験の方法と筆記科目2 六法を使えることと使用条件は別である第4 総合職採用者の筆記試験免除第5 入所年度と試験実施年の読み方1 令和8年度CE-77は令和7年に実施された2 予定人員・成績通知・入所辞退の取扱い第6 原資料と関連記事
第1 総研の入所試験は職員採用試験とは別である

裁判所職員総合研修所の入所試験は,裁判所書記官養成課程の第一部又は第二部に入所させる職員を選ぶための試験であり,CE試験とも呼ばれる。
一般の受験者が裁判所職員になるための採用試験と,採用後の職員が書記官養成課程へ進むための入所試験を区別する必要がある。

本記事は,令和8年10月17日に確認した入所試験規程と,令和8年度入所試験(CE-77)の実施要領を中心に,制度と資料の読み方を整理する。
CE-77は令和7年に試験が実施された過去の例であり,その日程・資格基準日を令和9年度以降の試験へ流用することはできない。

採用前の受験資格・試験区分・日程は,裁判所職員採用試験とは,書記官の仕事内容と任命までの全体像は,裁判所書記官とは,総研の組織・養成課程・研修期間は,裁判所職員総合研修所を参照されたい。

第2 第一部・第二部の受験資格
1 職員であることと課程別の資格を分ける

入所試験規程4条は,家庭裁判所調査官補,裁判所事務官,裁判所速記官又は裁判所技官の職にある者で,最高裁判所が別に定める資格を有する者を受験対象としている。
したがって,大学の学部名だけで受験できるわけではなく,在職する官職と,当該年度の課程別の資格を合わせて確認する必要がある。

CE-77の実施要領は,第一部について法学部等の卒業者のほか,所定の法律科目の履修,大学院での専攻・修了又は所定の採用試験による任命に関する区分を列挙している。
「法学部以外は全員第二部」と単純化せず,卒業した学部・学科,履修単位,大学院及び採用区分を実施要領へ照合することが重要である。

確認項目CE-77実施要領における取扱い第一部の主な区分法学部等の卒業者,所定単位を履修した他学部等の卒業者,法学・法律学を専攻した修士課程等の修了者,所定の総合職等の採用試験に基づき任命された者など他学部等の履修単位による区分憲法4単位,民法12単位,刑法4単位,民事訴訟法4単位又は刑事訴訟法4単位を履修し,当該学部又は学科を卒業した者第二部第一部の受験資格を有しない者で,令和8年3月31日現在の通算在職期間が月計算で1年以上,かつ同年4月1日現在の年齢が23歳以上などの要件を満たす者

この表は令和8年度CE-77の要約であり,受験資格の全文や将来年度の条件を示すものではない。
特定の学部・学科の取扱い,対象となる職の通算及び証明書類は,実施要領の原文と所属庁の人事担当へ確認する必要がある。

2 第二部の年齢・在職要件を第一部へ広げない

CE-77の第二部には,上記の年齢及び在職期間の要件が記載されている。
この要件を第一部にも一律に当てはめたり,採用後に必ず同じ年数を待つ制度と説明したりすることはできない。

実施要領にある「現在」という表現は,その日付を基準に条件を判定する趣旨である。
試験実施日,入所予定年度,在職期間の基準日及び年齢の基準日を別々に確認する必要がある。

第3 筆記試験・口述試験・勤務評定
1 試験の方法と筆記科目

入所試験規程3条は,試験方法として筆記試験,口述試験及び勤務評定を定めている。
同規程6条は口述試験を人物考査を主な目的とする試験としており,筆記の法律知識だけで全てが決まる制度ではない。

区分筆記試験の基本科目CE-77の実施例第一部憲法,民法,刑法,民事訴訟法又は刑事訴訟法大学卒業程度の論文式。各科目2時間第二部憲法,民法,刑法短期大学卒業程度の論文式。各科目2時間

第一部の民事訴訟法又は刑事訴訟法は,CE-77ではあらかじめ選択する科目とされている。
第二部の民法・刑法には実施要領で出題分野が示されており,学習範囲を第一部と同一と考えてはならない。
入所試験規程5条3項には他の科目を課す余地もあるため,実際の準備では当該年度の実施要領を確認する必要がある。

2 六法を使えることと使用条件は別である

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裁判所職員採用試験の合格倍率の推移―平成16年度以降と難易度の変化(AI作成)

目次

第1 長期的には一般職の合格競争が緩和している1 平成16年度と直近年度の比較2 5年度ずつ比較しても低下しているか第2 一般職・大卒程度の倍率―平成16年度以降の全年度1 受験者数・最終合格者数と倍率の推移2 受験者の減少と最終合格者の増加第3 一般職・高卒者の倍率―平成16年度以降の全年度1 受験者数・最終合格者数と倍率の推移2 高卒者区分には大きな年ごとの波がある第4 旧Ⅰ種・総合職の倍率も全年度で確認する1 平成16~23年度の旧Ⅰ種試験2 平成24年度以降の総合職・裁判所事務官3 平成24年度以降の総合職・家庭裁判所調査官補第5 倍率と難易度に関するよくある疑問1 倍率が下がれば,合格しやすくなったといえるか2 全国倍率と高裁別倍率はどう使い分けるか3 一次・二次倍率と最終倍率はどう違うか4 裁判所事務官は何割取れば合格するか5 最終合格倍率から採用率や辞退率も分かるか第6 出典と関連記事1 年度別の出典と計算方法2 受験準備と職員制度の関連記事
第1 長期的には一般職の合格競争が緩和している
1 平成16年度と直近年度の比較

裁判所職員採用試験の合格倍率は,一般職を中心に長期的に低下している。
裁判所事務官の一般職・大卒程度に対応する区分は,平成16年度の20.9倍から令和8年度の4.5倍へ,高卒者に対応する区分は,平成16年度の52.2倍から令和7年度の9.1倍へ下がった。
「最終合格者1人に対して何人の受験者がいたか」という競争の厳しさは,当時より明らかに緩和している。

比較する区分平成16年度直近の確定年度倍率の低下幅一般職・大卒程度に対応する区分20.9倍令和8年度4.5倍約78.6%低下一般職・高卒者に対応する区分52.2倍令和7年度9.1倍約82.6%低下

低下幅は,丸める前の「受験者数÷最終合格者数」を比較して計算した。
旧制度との対応関係と全年度の人数・倍率を以下に掲載し,途中で倍率が上がった年度も省略しない。
令和8年10月16日現在,高卒者区分の令和8年度最終結果は公表前であるため,直近の確定年度を令和7年度とする。

2 5年度ずつ比較しても低下しているか

特定の年度だけで判断しないため,始めの5年度と直近の5年度について,受験者数の合計を最終合格者数の合計で割ると,次のようになる。
これは各年度倍率の単純平均ではなく,5年度を合計した人数比である。

区分期間受験者数等合計/最終合格者数合計合算倍率大卒程度に対応する区分平成16~20年度58,338人/4,428人13.2倍一般職・大卒程度令和4~8年度42,745人/9,874人4.3倍高卒者に対応する区分平成16~20年度20,855人/732人28.5倍一般職・高卒者令和3~7年度15,012人/1,039人14.4倍

この比較でも一般職の競争倍率は大きく下がっており,平成16年度と直近年度だけを選んだ結果ではない。
合格競争という意味での難易度が長期的に下がっていることは,以上の人数と倍率から客観的に読み取れる。
ただし,試験問題自体が易しくなったことや,合格者の能力が下がったことまで,この統計は証明しない。

第2 一般職・大卒程度の倍率―平成16年度以降の全年度
1 受験者数・最終合格者数と倍率の推移

平成16~23年度は裁判所事務官採用Ⅱ種試験,平成24~26年度は裁判所職員採用一般職試験(大卒程度試験),平成27年度以降は一般職試験(裁判所事務官,大卒程度区分)である。
制度・名称の変遷を含む対応区分の推移であり,全期間が同じ科目・受験資格・選抜方法の試験だったという意味ではない。

年度受験者数等最終合格者倍率平成16年度(2004)12,587人602人20.9倍平成17年度(2005)13,450人661人20.3倍平成18年度(2006)12,266人761人16.1倍平成19年度(2007)9,899人1,227人8.1倍平成20年度(2008)10,136人1,177人8.6倍平成21年度(2009)11,572人1,017人11.4倍平成22年度(2010)13,761人1,094人12.6倍平成23年度(2011)13,299人1,036人12.8倍平成24年度(2012)11,570人898人12.9倍平成25年度(2013)10,453人964人10.8倍平成26年度(2014)9,663人887人10.9倍平成27年度(2015)9,945人942人10.6倍平成28年度(2016)5,894人765人7.7倍平成29年度(2017)8,469人961人8.8倍平成30年度(2018)8,824人1,131人7.8倍令和元年度(2019)8,848人1,255人7.1倍令和2年度(2020)2,135人970人2.2倍令和3年度(2021)7,802人1,080人7.2倍令和4年度(2022)8,773人1,588人5.5倍令和5年度(2023)8,575人2,351人3.6倍令和6年度(2024)8,355人1,979人4.2倍令和7年度(2025)8,911人2,135人4.2倍令和8年度(2026)8,131人1,821人4.5倍

「受験者数等」は,平成16~26年度の開示資料では「受験者数」,平成27年度以降の資料では「有効受験者数」又は「第1次試験有効受験者数」と表示された人数である。
申込者数は用いていない。
倍率は掲載した人数から「受験者数等÷最終合格者数」で算出し,小数第2位を四捨五入した小数第1位の参考値である。
近年の実施結果の公式倍率と一致するが,古い資料に記載のない倍率を公式の公表値と呼ぶものではない。

平成27年度以降の一般職・大卒程度の原資料は,総合職試験の特例希望者を含む集計である。
平成16~26年度の開示表では,特例希望者の集計範囲について説明されていない。
このため,旧制度と現在の制度を厳密に同じ受験者集団とみなすことは避け,制度変更をまたぐ長期比較として読む必要がある。

2 受験者の減少と最終合格者の増加

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裁判所の夜間業務とは―宿日直・令状審査,女性職員への割当てと東京・大阪への集約(AI作成)

目次

第1 裁判所の夜間業務は何をする仕事か1 通常の窓口が閉まっていても必要な業務がある2 今回の報道と,資料の時点第2 裁判官・書記官・事務官の役割と宿日直1 令状の判断と,受付・事務処理を分ける2 宿直・日直と,通常の時間外勤務は同じか第3 女性職員への夜間業務の割当てはどう変わるか1 過去の規程と,今回報じられた方針2 免除・変更と,個別の勤務条件第4 夜間・休日の令状事務の集約は何を対象にするか1 電子令状と,事務を処理する場所の変更2 勾留などの対象外と,障害時の対応第5 夜間の書類受付と手続案内の利用方法1 東京簡裁・東京家裁の書類提出2 大阪簡裁の夜間調停手続案内第6 よくある質問1 裁判所の業務時間は?2 裁判所は土日休みですか?3 夜間に提出した書類は,その場で判断されますか?4 女性職員も夜間業務を担当しますか?第7 出典・関連記事
第1 裁判所の夜間業務は何をする仕事か
1 通常の窓口が閉まっていても必要な業務がある

裁判所の夜間業務には,令状に関する裁判事務や,書類の受付,外部との連絡,庁舎の保全などがある。
通常の窓口の受付時間が終わったことと,裁判所の全ての業務が止まることは同じではない。
ただし,夜間に取り扱う事務,担当者,受付場所及び処理の方法は,裁判所や事件の種類によって確認する必要がある。

例えば,東京高等裁判所・東京地方裁判所・東京家庭裁判所の当直規程及び実施細則は,勤務時間外の事務として,庁舎・設備・備品・書類等の保全,外部との連絡,文書の収受,庁舎内の監視及び裁判事務処理を挙げている(PDF1頁~2頁)。
これは平成22年の規程と,令和2年までの改正記載を含む実施細則の保存資料であり,現在の全国共通の当直態勢を示すものではない。

2 今回の報道と,資料の時点

令和8年10月14日の朝日新聞の報道は,東京と大阪の裁判所での夜間業務について,最高裁が性別を問わず職員に割り当てる方針を決めたと伝えている。
夜間・休日の令状事務の集約に伴う変更として報じられたものである。
本記事は,同日確認した報道,裁判所の公式案内,令和8年3月12日の公式議事録及び過去の当直規程を,それぞれの時点と対象を区別して説明する。

第2 裁判官・書記官・事務官の役割と宿日直
1 令状の判断と,受付・事務処理を分ける

令状を請求された際の審査・発付の判断と,その受付や関連書類の事務処理とは区別される。
前記の朝日新聞は,夜間にも裁判官が逮捕状等の審査・発付手続を担い,書記官・事務官ら職員が当番で補助する態勢を報じている。
職員が書類を受け付けたことだけで,裁判官の判断や発付が終わったと解することはできない。

東京の保存された当直規程では,当直員に裁判官以外の裁判所職員を充て,管理職員・書記官・その他の職員を区分している(5条,PDF2頁)。
この区分は,同規程が対象とする職員の配置を示すものであり,全ての職員が同じ仕事を担当するという意味ではない。
裁判所事務官の一般的な職務は,裁判所事務官とはでも説明している。

2 宿直・日直と,通常の時間外勤務は同じか

東京の保存された規程は,当直を宿直と日直に分け,日直を裁判所の休日に置くと定めている(4条,PDF2頁)。
同版には宿直を午後10時から翌朝午前8時30分まで,日直を午前8時30分から午後5時までとする記載があるが,これはその規程の時刻であり,全国の現在の夜間業務を一律に定義するものではない。
午後5時以降の全ての勤務を,同じ宿直の区分とみなすこともできない。

通常の勤務時間を超えて仕事をすること,当直を割り当てられること及び休日に必要な事務を担当することは,それぞれ勤務の根拠と内容を確認する必要がある。
1日7時間45分という採用案内だけから,当直の有無,担当頻度,勤務後の取扱いや手当まで判断することはできない。
働き方の公表資料は,裁判所事務官の勤務時間・残業・休暇を参照されたい。

第3 女性職員への夜間業務の割当てはどう変わるか
1 過去の規程と,今回報じられた方針

東京の保存された実施細則には,宿直を男性職員の中から命ずるという記載がある(実施細則2⑴,PDF6頁)。

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家庭裁判所調査官になるには―採用試験・難易度・養成・初任給と転勤(AI作成)

目次

第1 採用試験から家庭裁判所調査官になるまで1 調査官補として採用され,養成課程を経て任命される2 調査官はどのような仕事をするか第2 大学・大学院と受験資格1 院卒者区分と大卒程度区分2 心理学部や法学部の出身者に限られるか第3 試験科目・配点と令和8年度の日程1 基礎能力,専門記述,政策論文及び人物試験2 令和8年度の日程は終了済みの情報である第4 難易度と倍率の読み方1 令和8年度の倍率は院卒5.2倍,大卒程度7.3倍である2 家庭裁判所調査官は難しいですか?第5 最終合格後の採用と約2年間の養成1 最終合格と採用は別の段階である2 養成では行動科学と法律を学ぶ第6 初任給・転勤と「エリート」という表現1 採用時の給与は勤務場所と区分をそろえて確認する2 家庭裁判所調査官補として採用されると全国異動がある3 家庭裁判所の調査官はエリートですか?第7 出典・関連記事
第1 採用試験から家庭裁判所調査官になるまで
1 調査官補として採用され,養成課程を経て任命される

家庭裁判所調査官になるための通常の入口は,裁判所職員採用総合職試験(家庭裁判所調査官補)である。
最終合格後に採用されると家庭裁判所調査官補となり,約2年間の養成課程で必要な知識と技能を学び,修了後に家庭裁判所調査官に任命される。
採用試験の合格,調査官補としての採用及び養成課程修了後の調査官への任命は,それぞれ別の段階である。

本記事は,令和8年10月14日に確認した裁判所の公開資料を基に,採用試験,難易度の見方,養成課程,採用時の給与例及び異動を説明する。
受験資格,科目,日程及び実施結果の具体的な数字は,令和8年度の資料に基づく。
令和9年度以降の受験資格や日程は,受験する年度の正式な受験案内で確認する必要がある。

段階内容区別する点採用試験総合職試験の家庭裁判所調査官補区分を受験する裁判所事務官の試験とは職種と内容が異なる最終合格後採用候補者名簿に記載され,採用庁の決定等を経る最終合格者数と採用者数は同じ数字ではない採用・養成調査官補として採用され,約2年間学ぶ職員として採用された後の養成である修了後家庭裁判所調査官に任命され,調査を担当する試験に合格した時点で調査官になるわけではない
2 調査官はどのような仕事をするか

家庭裁判所調査官は,家事事件や少年事件について,家族関係,子どもの状況,生活環境及び非行の背景などを調べ,裁判官へ報告する専門職である。
裁判所の職務案内は,心理学,社会学,社会福祉学,教育学等の知識や技法を調査に活用することを説明している。
調査・報告を行う役割と,裁判官が事件を判断する役割を区別して理解する必要がある。

仕事内容は,家庭裁判所調査官とはを参照されたい。
家事事件の当事者が受ける調査官面接と,採用試験の人物試験は目的が異なり,当事者向けの基本的な説明は,家事事件での調査と面接を参照されたい。

第2 大学・大学院と受験資格
1 院卒者区分と大卒程度区分

令和8年度の総合職試験(家庭裁判所調査官補)には,院卒者区分と大卒程度区分がある。
大卒程度区分という名称だけから,すべての受験者に大学卒業が必要であると判断してはならない。
令和8年度受験案内2頁は,次のように生年月日と学歴等の条件を区別している。

区分・生年月日令和8年度の条件の概要院卒者区分:平成8年4月2日以降生まれ大学院の修士課程又は専門職大学院の課程を修了した者及び令和9年3月までの修了見込みの者,又は最高裁判所が同等と認める者大卒程度区分:平成8年4月2日~平成17年4月1日生まれこの生年月日の範囲について,学歴は受験資格の条件とされていない大卒程度区分:平成17年4月2日以降生まれ大学卒業及び令和9年3月までの卒業見込み,又は最高裁判所が同等と認める資格が必要

上の表は条件の概要であり,日本国籍や欠格事由等の受験できない者の定めは,受験案内2頁も併せて確認する必要がある。
大学院の修了見込みで院卒者区分に合格しても,結果として修了できなかった場合は,原則として採用されないと裁判所の採用Q&Aが説明している。
社会人としての勤務経験がある場合も,まず生年月日と該当する受験資格を確認することが必要である。

2 心理学部や法学部の出身者に限られるか

特定の学部を卒業したことだけが受験資格とされているわけではない。
裁判所の採用Q&Aは,家庭裁判所調査官補の専門試験では,法律学を選択せず,心理学,社会学,社会福祉学,教育学に関連する分野を選択して受験できると説明している。
出身学部の名称と,試験で選ぶ問題及び採用後に学ぶ科目は分けて考える必要がある。

令和8年度の専門試験は15題から任意の2題を選ぶ方式である。

(続きを読む...)家庭裁判所調査官になるには―採用試験・難易度・養成・初任給と転勤(AI作成)

家庭裁判所調査官の面接・家庭訪問―家事事件で聞かれることと準備(AI作成)

目次

第1 調査官の面接は何のために行われるか1 家族の事情と子どもの生活を確認する調査である2 当事者の主張を聞く場面と子どもの事情を調べる場面第2 面接でどのようなことを聞かれるか1 出来事の経過,生活状況及び希望する解決2 自分が確認した事実と推測を分ける第3 面接前の資料と連絡の準備1 資料の所在と説明する事項を対応させる2 日時,参加者及び提出方法を確認する第4 家庭訪問と子どもの面接1 家庭訪問は日常の生活状況を確認する方法の一つである2 親の希望と子どもの発言を混同しない第5 ウェブ調査と情報の保護1 ウェブ調査は裁判所の案内に従って準備する2 知られて困る情報は提出前に確認する第6 面接後の報告と内容の確認1 調査結果と調査官の意見を分けて読む2 説明の訂正と調査後の変化を区別する第7 出典・関連記事
第1 調査官の面接は何のために行われるか
1 家族の事情と子どもの生活を確認する調査である

家庭裁判所調査官の面接は,家事事件の解決に必要な家族関係,生活状況及び子どもの事情を調べるために行われる。
裁判所の職務案内は,当事者や子どもへの面接を通じて紛争の原因・背景と解決方法を検討し,裁判官に報告すると説明している。
調査官が調査して意見を述べることと,裁判官が事件を判断することは区別する必要がある。

本記事は,令和8年10月14日に確認した裁判所の公開案内と,平成20年3月の『家庭裁判所調査官執務必携』を基に,家事事件で面接や家庭訪問を受ける場合の準備を説明する。
同必携は調査方法を理解するための歴史資料として用い,そこに記載された旧法令や当時の内部運用を,現在の全事件に共通するルールとして扱わない。
少年事件の呼出しや面接については,少年事件の流れと保護者の対応を参照されたい。

2 当事者の主張を聞く場面と子どもの事情を調べる場面

裁判所の現職調査官による仕事の紹介では,親権や親子の交流,児童虐待,養子縁組など,子どもの福祉に関わる家事事件への関与が説明されている。
当事者や子どもへの面接に加え,家庭訪問,保育園・学校等からの聴取り,子どもの福祉に関するガイダンスや親子交流の援助が紹介されている。
この紹介は調査方法の例であり,個々の事件で同じ方法がすべて実施されることを意味しない。

調査官の仕事内容の全体像,調査報告書及び記録の閲覧の基本は,家庭裁判所調査官とはで説明している。
本記事では,調査の場面に備えて何を整理し,どの事項を担当者に確認するかを扱う。

第2 面接でどのようなことを聞かれるか
1 出来事の経過,生活状況及び希望する解決

面接で確認される事項は,事件の種類,争点及び裁判所が必要とする調査によって異なる。
すべての家事事件に共通する質問集や,決まった順番で質問される台本があると考えるのは適切ではない。
子どもの生活が問題になる事件では,日常の養育,通園・通学,健康,家族との関わり及び今後の生活について,具体的に説明できるよう整理しておくとよい。

説明の準備には,次のような区分が使える。
これは事実を明確に伝えるための整理例であり,裁判所が一律に要求する提出書類の一覧ではない。

整理する事項メモに書く内容の例確認する資料の例出来事の経過いつ,誰が,何をしたか。別居や生活の変更があった時期日付の分かる連絡記録,提出済みの書面現在の養育平日と休日の生活,送迎,食事,受診,支援者との分担生活予定表,園・学校からの連絡子どもの状況健康,通園・通学の様子,発言があった場面必要な範囲の連絡記録や医療資料希望する解決希望の内容,実施方法,子どもの生活への影響具体的な予定案,移動・連絡方法の案
2 自分が確認した事実と推測を分ける

「自分が見聞きしたこと」「他の人から聞いたこと」「自分の推測」を分けると,説明の根拠が伝わりやすい。
日時を覚えていない場合や,資料で確認できない場合は,その範囲を示して説明する。
相手方への評価だけを繰り返すより,問題となる出来事,その根拠及び現在の子どもへの影響を対応させる方が,調査で確認すべき事項を明確にできる。

説明が長くなる場合は,最初に主な争点と希望を示し,その後に時系列や資料を説明すると整理しやすい。
面接前に答えを暗記することより,提出済みの主張と資料を読み返し,どこまで確認できているかを把握しておくことが有用である。

第3 面接前の資料と連絡の準備

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裁判所事務官の勤務時間・残業・休暇―公表資料で分かる働き方(AI作成)

目次

第1 裁判所事務官は働きやすい職場か1 制度,実績及び自分の配属先を分けて読む2 事務官の仕事内容との関係第2 勤務時間と休日はどう案内されているか1 1日7時間45分と,始業・終業時刻の違い2 柔軟な勤務の取組と,利用条件3 裁判所事務官に夜間業務・当直はあるか第3 残業について公表資料から分かること1 超過勤務削減の方針と,実績の違い2 平均値や体験談を読む際の確認点第4 年次休暇の日数と取得実績1 年20日と,4月1日採用年の15日2 令和6年度公表実績は83.0%・16.6日3 年度の新しい計画を,新しい実績と混同しない第5 その他の休暇,育児・介護と異動1 制度の有無と個別の利用条件2 勤務地と異動を含めて生活との両立を考える第6 よくある疑問と確認資料1 よくある疑問2 公式資料と関連記事
第1 裁判所事務官は働きやすい職場か
1 制度,実績及び自分の配属先を分けて読む

裁判所事務官の働き方を考える際には,勤務時間・休日・休暇の制度と,残業や休暇取得の実績を分けて確認する必要がある。
裁判所の公式案内には,1日7時間45分の勤務時間,土・日曜日等の休日,年20日の年次休暇などが示されている。
一方,こうした制度があることだけで,どの職場でも残業がなく,希望する日に必ず休めると判断することはできない。
出典:裁判所「中途採用」の勤務時間・休暇等及び裁判所「採用Q&A」。

「ホワイト企業か」という疑問については,裁判所は会社ではないものの,勤務条件や働きやすさを知りたいという趣旨で考えることができる。
その判断には,制度の内容だけでなく,担当業務,勤務する庁,休暇取得の実績及び異動の条件も関係する。
本記事では,令和8年10月14日に確認した公表資料から,判断に使える情報と,その情報の範囲を説明する。

2 事務官の仕事内容との関係

裁判所事務官は,裁判部の裁判事務や,事務局の総務・人事・会計等の司法行政事務を担当する。
同じ職名であっても,具体的な担当は配属先によって異なるため,ある部署の紹介や職員一人の経験を,全員に共通する勤務の実態と解することはできない。
職務の全体像は,裁判所事務官とは及び裁判所の公式職種紹介を参照されたい。

第2 勤務時間と休日はどう案内されているか
1 1日7時間45分と,始業・終業時刻の違い

裁判所の中途採用の公式案内では,勤務時間を1日7時間45分としている。
これは勤務時間の長さの案内であり,全職員に共通する始業・終業時刻や,残業を含めた在庁時間を示すものではない。
募集要項や配属先の案内を読む際は,勤務時間,休憩,勤務時間の割振り及び超過勤務を区別する必要がある。

休日は,採用Q&Aでは土・日曜日及び祝日等,中途採用の案内では土・日曜日,祝日及び年末年始とされている。
ただし,この案内から,個別の職員が例外なく毎回その日に勤務しないことまで確定することはできない。
詳細は,自分に適用される募集要項と勤務条件で確認する必要がある。

2 柔軟な勤務の取組と,利用条件

令和8年4月24日付けの「裁判所における女性職員活躍と職員のワーク・ライフ・バランス推進のための取組計画」は,令和8年度から令和12年度末までを計画期間としている。
同計画は,フレックスタイム制や早出遅出勤務等の活用により,適切な公務運営を確保しつつ,柔軟な働き方を進めるとしている。
育児・介護等の事情のある職員の働く時間の柔軟化にも言及している。
出典:令和8年度取組計画第4の3(5頁)。

これは取組方針であり,どの部署でも本人の希望だけで自由に勤務時間を選べるという保証ではない。
制度を利用する場合の対象,手続及び勤務の割振りは,その時点の適用条件を確認する必要がある。

3 裁判所事務官に夜間業務・当直はあるか

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裁判所事務官の会計業務―会計課の仕事と裁判部との連携(AI作成)

目次

第1 裁判所事務官の会計業務は何を支える仕事か1 法廷の外から裁判所の運営を支える2 仕事の理解に使う資料と,現在の運用との区別第2 会計課の担当を仕事の目的から見る1 用度・管理・経理・共済の担当2 係名が違っても,担当と権限を確かめる第3 物品の調達は,購入の前後を通じた仕事である1 必要性の確認から契約まで2 納品後にも確認が必要となる第4 給与・旅費・保管金の仕事を混同しない1 給与の支払と,給与条件の決定は別である2 旅費と保管金は,根拠と資金の性質を確かめる第5 裁判部との連携と,採用後に学ぶこと1 裁判部にも会計事務との接点がある2 職務理解を志望動機につなげる第6 原資料と関連記事
第1 裁判所事務官の会計業務は何を支える仕事か
1 法廷の外から裁判所の運営を支える

裁判所事務官の会計業務には,物品やサービスの調達,庁舎・宿舎の管理,給与・旅費の支払,保管金の取扱いなどがある。
裁判所の公式職種紹介は,事務官が裁判部の裁判事務だけでなく,総務・人事・会計等の司法行政事務にも従事すると説明している。
会計業務は,裁判に必要な設備,物品及び資金の取扱いを通じて,裁判所の運営を支える仕事である。
出典:裁判所「裁判所の仕事について」。

事務官全体の仕事内容,書記官との違い及び採用後の進路は,裁判所事務官とはを参照されたい。
本記事では,会計の担当に配属されたときに,どのような事務を,誰と連携して進めるのかを説明する。

2 仕事の理解に使う資料と,現在の運用との区別

最高裁判所事務総局経理局の会計執務資料には,「裁判所の会計事務入門」「裁判所の会計事務の基礎知識」「新版会計事務提要」の三部作がある。
「基礎知識」は平成30年3月作成・平成31年2月補訂,「新版会計事務提要」は令和2年3月の資料であり,ここでは仕事の目的,担当の分担及び事務の流れを理解するために用いる。
資料にある金額基準,システム名,様式及び具体的な支払方法を,現在の全裁判所に共通する運用として扱うことはできない。

各資料の性格と使い分けは,裁判所の会計執務資料の三部作の解説で確認できる。
以下の係名は資料の整理に沿ったものであり,すべての庁で同じ課・係が設けられ,全職員がすべての業務を担当するという意味ではない。

第2 会計課の担当を仕事の目的から見る
1 用度・管理・経理・共済の担当

「裁判所の会計事務の基礎知識」は,所長併任庁の地方裁判所を想定して,会計課の仕事を用度,管理,経理及び共済組合の担当に分けて説明する。
同資料の印刷頁1~2(PDF16~17頁)は,各裁判所で係の構成が異なることにも注意を促している。

担当の整理主な仕事仕事の目的と確認すること用度物品・役務の調達,物品の管理,保管物の取扱い必要な物品等を確保し,契約内容,納品及び管理状況を確かめる管理庁舎・宿舎,国有財産,工事や維持管理に関する事務裁判所の施設を適切に使い,維持するための手続を進める経理歳入・歳出,給与・旅費の支払,保管金に関する事務支払の根拠,金額,相手方及び資金の区分を確認する共済組合組合員・被扶養者や給付等に関する事務職員の福利厚生に関わる手続を扱う

出典:裁判所の会計事務の基礎知識(課長補佐必携)印刷頁1~2。

2 係名が違っても,担当と権限を確かめる

大規模な裁判所では,会計関係の仕事が経理課,出納課,用度課などに分かれている例がある。
大規模庁の事務局に設置されている係は,掲載通達に基づく組織の例を調べる資料であり,現在の個別庁の配属先を確約するものではない。
担当別の事務分掌を詳しく読む場合は,下級裁判所事務局の係の事務分掌も参照されたい。

また,会計事務を担当する職員であることと,会計機関として意思決定する権限を持つこととは別である。
資料では,支出負担行為担当官,支出官,物品管理官等の権限を分けている。
担当者が資料を整える仕事と,権限を持つ者が決定する仕事を区別すると,決裁や確認の意味を理解しやすい。
出典:裁判所の会計事務入門シート1「会計機関」及び新版会計事務提要第1章。

第3 物品の調達は,購入の前後を通じた仕事である

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裁判所書記官の民事裁判での仕事―訴状審査,期日前準備,争点整理,和解と裁判官との協働(AI作成)

目次

第1 民事裁判で書記官は何をするのか1 記録の作成と裁判の進行を支える二つの側面2 平成12年の指針と現在の制度を読み分ける第2 裁判官と書記官はどのように協働するのか1 事件の情報と進行方針を共有する2 裁判の判断と,準備・記録の職務を区別する第3 訴状提出から第1回期日までの仕事1 訴状審査と補正の促し2 参考事項の聴取,送達と期日の準備第4 期日と期日の間に何をするのか1 提出状況の確認と,次回の課題に沿った準備2 書面の点検と裁判官への情報提供第5 争点整理と整理書面への関与1 何が争われ,何を証明するのかを把握する2 時系列表や主張対比表は,目的に応じて使う第6 和解の準備と期日への立会い1 和解条件の確認と条項案の点検2 立会いを次の準備と記録の作成につなげる第7 調書,供述録取と判決書の点検1 調書と,発言の文字起こしは同じではない2 判決書の点検と,裁判の判断を分ける第8 電子化後も必要な仕事と,変わった手段第9 裁判所へ連絡する当事者・代理人の確認事項第10 出典・参考資料1 民事立会部の指針と解説2 現在の職務と制度を確認する公式資料
第1 民事裁判で書記官は何をするのか
1 記録の作成と裁判の進行を支える二つの側面

裁判所書記官は,民事裁判において,調書などの記録を作成・保管するほか,訴状の不備の補正や期日に向けた準備を促し,裁判官と連携して事件の進行を支える専門職である。
法廷で発言を書き取る仕事だけを思い浮かべると,期日前や期日と期日の間に行う仕事を見落とす。
本記事は,民事立会部の仕事を,訴状の提出から判決までの流れに沿って説明する。

記録を作成して手続で行われたことを公に証明する側面を公証機能といい,準備や連絡・調整を通じて適正・迅速な裁判を支える側面はコートマネジメントの仕事として理解できる。
両者は別々に完結するものではなく,期日の内容を把握することが,必要な調書の作成と次の期日の準備の双方につながる。
裁判所書記官の身分,採用から養成・任命までの経路,事務官等との違いは,裁判所書記官とはを参照されたい。

2 平成12年の指針と現在の制度を読み分ける

具体的な仕事の説明には,最高裁判所事務総局の『民事立会部における書記官事務の指針』とその『解説』(いずれも平成12年5月)を用いる。
両資料は,裁判官との協働,第1回期日前の準備,争点整理への関与,供述録取及び判決書の点検をまとまった形で説明しており,民事立会部の職務を理解する資料として有用である。

ただし,平成12年当時の資料が,そのまま令和8年の全国一律の運用を示すわけではない。
資料中の電話・ファクシミリ,紙の書類や記録を前提とする説明は,当時の手段として読む必要がある。
現在の一般的な職務は裁判所の公式紹介を,電子提出・送達等は令和8年5月21日施行の制度についての公式説明を併せて確認した(令和8年10月14日確認)。

第2 裁判官と書記官はどのように協働するのか
1 事件の情報と進行方針を共有する

指針4頁・解説4頁~6頁は,書記官事務を裁判官との緊密な連携の下で行うことと,双方から情報を伝えることを,協働の基盤としている。
共有するのは次回の日時だけではなく,事件の内容,提出書面の状況,期日で確認すべき事項及びその後の準備である。

例えば,提出書面に不明な点があること,当事者から和解の意向が示されたこと,予定した準備に時間を要することは,次の期日を充実させるための情報になる。
指針は,ミーティングも意思疎通の手段として位置付け,開催自体を目的にしないよう注意している。

2 裁判の判断と,準備・記録の職務を区別する

裁判官が審理して裁判をすることと,書記官が準備・記録の事務に関与することは,役割が異なる。
書記官が提出書面を点検し,裁判官に疑問を伝えることは,書記官が当事者に代わって主張を作り,勝敗を決めることを意味しない。
当事者は,書記官からの補正や準備についての連絡を,自分の主張が認められるという予告として受け取るべきではない。

第3 訴状提出から第1回期日までの仕事
1 訴状審査と補正の促し

指針5頁~8頁・解説7頁~16頁は,訴状の記載事項と添付書類を確認し,不備があれば補正を促す仕事を説明している。
形式的な記載事項については事前に裁判官と打ち合わせた方針に基づき,実質的な記載事項の不備については個別に打ち合わせて対応する,という区別が示されている。

ここでいう確認は,単に書類がそろっているかを見ることに限られない。

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裁判所事務官の説明会・ワークショップ―開催情報の探し方,参加条件と質問の準備(AI作成)

目次

第1 説明会とワークショップで確認できること1 名称だけで内容を決め付けないこと2 事務官・書記官・調査官のどの仕事を知りたいか第2 開催情報と申込期限の探し方1 公式一覧から開催庁の案内へ進む2 開催日と申込期限を別々に確認する第3 参加条件,定員及び申込みの確認1 高校生・大学生・既卒者の扱いは企画ごとに見る2 先着順・抽選と通知方法を確かめる第4 対面とオンラインで異なる準備1 対面参加の持ち物,費用及び服装2 オンライン参加の接続と質問方法3 撮影・録音と情報の取扱い第5 職務理解を深める質問と参加後の整理1 事前に公式資料を読み,具体的な質問を用意する2 聞いた内容と自分の理解を分けて記録する第6 よくある疑問1 参加すると採用試験で有利になるのか2 高校生や法学部以外の学生も参加できるのか3 服装はスーツでなければならないのか第7 出典

裁判所事務官の仕事を知るには,裁判所が開催する業務説明会やワークショップが参考になる。
ただし,参加対象,申込期限,抽選の有無及び体験できる内容は,開催庁と企画によって異なる。
まず裁判所の採用情報にある公式一覧から開催庁の案内へ進み,開催日とは別に申込期間を確認することが大切である。

本記事は,令和8年10月13日に確認した公式案内に基づき,開催情報の探し方と参加準備を説明する。
個別の開催例は,案内の読み方を示すものであり,全国の募集中イベントを網羅する一覧ではない。
仕事内容の全体像は裁判所事務官とは,受験資格・試験科目は裁判所職員採用試験とはを参照されたい。

第1 説明会とワークショップで確認できること
1 名称だけで内容を決め付けないこと

裁判所の採用情報には,説明会・ワークショップ・インターンシップ情報の一覧がある。
この一覧から,各開催庁の具体的な案内を確認できる。
「説明会」「ワークショップ」という名称だけで,業務体験や職員への質問の時間が必ず設けられていると考えてはならない。

企画の例公式案内に示された内容選ぶ際の確認点オンライン業務説明会仙台高裁の令和8年10月の案内では,裁判所事務官・書記官・家庭裁判所調査官の業務説明とフリートーク希望する職種の説明があるか,質問方法と途中参加・退室の扱い事務局の事務官を扱うワークショップ福岡地裁の令和8年秋の案内では,事務局の仕事の説明と,対面参加者向けの業務体験・座談会裁判部と事務局のどちらを扱うか,対面とオンラインの内容の違い裁判事務を体験するワークショップ秋田地家裁の令和8年10月の事務官・書記官コースでは,民事・刑事の業務体験,庁舎・法廷見学,座談会コース,参加対象,定員及び受付が終了していないか

各例の出典は,仙台高裁の業務説明会,福岡地裁の秋のワークショップ及び秋田地家裁のワークショップである。
秋田の例は,令和8年10月13日時点で申込期限が終了している。

2 事務官・書記官・調査官のどの仕事を知りたいか

裁判所事務官について調べる場合は,裁判部の事務と,総務・人事・会計等の事務局の仕事を分けて考えるとよい。
例えば,福岡地裁の前記企画は「事務局の事務官編」として案内されている。
一つの企画で扱われた業務体験を,事務官のすべての配属先に共通する仕事として受け止めるべきではない。

秋田地家裁の前記案内は,「家庭裁判所調査官コース」と「裁判所事務官・書記官コース」を分けている。
自分が知りたい職種と申込先のコースを照合することが必要である。
職務と養成経路の違いは,裁判所事務官とは―書記官・調査官との違いでも確認できる。

第2 開催情報と申込期限の探し方
1 公式一覧から開催庁の案内へ進む

まず裁判所の公式イベント一覧を開き,関心のある地域や開催庁のリンクを確認する。
次に個別案内の本文と添付チラシを読み,対象職種,実施方法,参加条件及び申込方法を確認する。
申込先は,その公式案内に掲載されたフォーム等からたどるのが確実である。

検索結果に過年度の案内が表示された場合は,ページ名だけでなく,開催年と申込期間を確認する。
現在の日程を知りたいときは,過去のチラシに記載された日程を今年度の予定として読み替えてはならない。
案内本文とチラシの条件に食い違いがある場合は,案内に示された問い合わせ先へ確認した上で申し込むとよい。

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裁判所職員の採用者数―男女別・年度別の推移と最終合格者数との違い(AI作成)

目次

第1 採用者数を調べるときは名簿年度と集計時点を確かめる第2 裁判所事務官・一般職の男女別採用者数1 令和4~6年度名簿からの採用者数2 大卒程度区分と高卒者区分を分けた人数3 高裁管轄区域別の採用者数第3 裁判所事務官・総合職の男女別採用者数1 院卒者区分・大卒程度区分の合計2 試験区分別の人数第4 家庭裁判所調査官補の4月1日付採用者数第5 採用漏れ率や男女差をこの表だけから断定しない1 最終合格者数との差には複数の事情が含まれる2 採用者の男女比と受験者の合格率は異なる第6 過年度の採用者数の原資料第7 関連記事
第1 採用者数を調べるときは名簿年度と集計時点を確かめる

裁判所職員採用試験の最終合格者数と,実際に採用された人数は別の数字である。
本記事は,裁判所事務官の令和4~6年度名簿からの採用者数と,家庭裁判所調査官補の令和5~7年4月1日付採用者数を,原資料に基づいて整理する。
事務官の資料は「年度名簿からの採用者数」を翌年4月1日現在で集計したものであり,調査官補の資料は「4月1日付の採用者数」である。
表題と集計条件が異なるため,同じ年度名簿の数字として一括していない。
受験者数・最終合格者数・倍率は裁判所職員採用試験の年度別原資料・高裁別データ,合格後の手続は最終合格後の名簿・意向照会・採用漏れを参照されたい。

平成16年度以降の受験者数・最終合格者数と合格倍率の比較は,合格倍率の全年度推移を参照されたい。
最終合格倍率と実際の採用者数は区別して比較する必要がある。

数字確認すべき意味申込者数試験への申込み人数。試験を有効に受験した人数とは異なる。最終合格者数採用候補者名簿に記載される合格者の人数。実際の採用者数ではない。採用予定人数受験案内等に示される予定。実際の採用人数と同じとは限らない。採用者数資料の対象と集計時点までに採用された人数。名簿年度・採用日・試験区分を確認する。
第2 裁判所事務官・一般職の男女別採用者数
1 令和4~6年度名簿からの採用者数

次は一般職の大卒程度区分と高卒者区分の合計である。対象は各年度の名簿からの採用者で,集計時点は翌年4月1日現在である。

名簿年度集計時点計(人)男性(人)女性(人)令和6年度名簿令和7年4月1日608265343令和5年度名簿令和6年4月1日644263381令和4年度名簿令和5年4月1日468177291

出典:令和4年度名簿・一般職,令和5年度名簿・一般職及び令和6年度名簿・一般職の各1頁。
この3つの集計時点では,採用者の合計は468人,644人,608人であった。この増減だけで,受験する年度の募集人数や採用される確率を予測することはできない。

2 大卒程度区分と高卒者区分を分けた人数
名簿年度区分計(人)男性(人)女性(人)令和6年度大卒程度544228316令和6年度高卒者643727令和5年度大卒程度567222345令和5年度高卒者774136令和4年度大卒程度404149255令和4年度高卒者642836

「一般職」の合計を大卒程度区分だけの採用者数と読み替えてはならない。区分ごとの対象人数は,上記各年度の原資料の列を確認する必要がある。

3 高裁管轄区域別の採用者数

次は大卒程度・高卒者区分の合計である。各列の集計時点は,令和6年度名簿が令和7年4月1日,令和5年度名簿が令和6年4月1日,令和4年度名簿が令和5年4月1日である。

高裁管轄令和6年度名簿(人)令和5年度名簿(人)令和4年度名簿(人)東京230230148大阪769485名古屋505647広島433939福岡8510455仙台455837札幌433823高松362534合計608644468

原資料の高裁別集計であり,筆記試験の試験地別人数ではない。また,一つの管轄区域に所属する個別裁判所ごとの採用人数を示す表でもない。

第3 裁判所事務官・総合職の男女別採用者数
1 院卒者区分・大卒程度区分の合計
名簿年度集計時点計(人)男性(人)女性(人)令和6年度名簿令和7年4月1日1697令和5年度名簿令和6年4月1日21615令和4年度名簿令和5年4月1日1459

出典:令和4年度名簿・総合職,令和5年度名簿・総合職及び令和6年度名簿・総合職の各1頁。
総合職の資料も翌年4月1日現在の集計である。人数の少ない区分では,数人の違いで男女の比率が大きく変わり得るため,割合だけでなく実人数を併せて確認する必要がある。

2 試験区分別の人数
名簿年度区分計(人)男性(人)女性(人)令和6年度院卒者321令和6年度大卒程度1376令和5年度院卒者523令和5年度大卒程度16412令和4年度院卒者514令和4年度大卒程度945

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裁判所職員採用試験の合格最低点・合格最高点―高裁別・年度別の比較と標準点の読み方(AI作成)

目次

第1 合格最低点は筆記の正答数ではない第2 第1次試験の高裁別合格最低点・最高点第3 最終合格の高裁別合格最低点・最高点第4 標準点と合格者決定方法の読み方1 第1次試験と最終合格では合計する種目が異なる2 年度間の最低点の上下を正答数に直結させない第5 過年度の原資料第6 個人の成績通知・倍率・採用との関係
第1 合格最低点は筆記の正答数ではない

裁判所職員採用試験の「合格最低点」を調べる際には,種目ごとの素点の下限,標準点及び合格者の最低点を区別する必要がある。
本記事は,裁判所事務官の一般職・大卒程度区分について,令和6年度と令和7年度の高裁別の最低点・最高点を比較し,点数の意味を説明する。総合職・高卒者区分の数値をこの比較表に混ぜていない。
受験者数と倍率は裁判所職員採用試験の年度別データ,受験資格・科目・日程は裁判所職員採用試験の案内を参照されたい。

情報意味素点の下限各試験種目で最低限必要な得点。下限未満の種目があれば,他の種目の成績にかかわらず不合格となる。標準点筆記の素点や人物試験の判定を,平均点・標準偏差・配点比率等により換算した点。正答数そのものではない。第1次合格最低点第1次合格者を決める際の標準点合計の最低点。種目別の素点の下限とは異なる。最終合格最低点最終合格者を決める全試験種目の標準点合計の最低点。人物試験だけの点数ではない。

制度の説明は令和7年度一般職試験・大卒程度区分の合格者決定方法による。受験する年度の合格者決定方法及び実施結果も確認する必要がある。

(1) 裁判所事務官は何割で合格するか

裁判所事務官・一般職(大卒程度)は,「全体で何割取れば必ず合格」という固定の正答率では決まらない。
第1次合格は基礎能力・専門試験の素点がそれぞれ下限以上の者について標準点合計の順で決まり,最終合格は論文と人物試験の条件を満たす者について全種目の標準点合計の順で決まる。

(2) 令和8年度の素点の下限と比較表の年度

令和8年度の実施結果にある基礎能力11点・専門12点は,各30点満点の種目別の素点の下限であり,その点を取れば第1次又は最終合格になるという意味ではない。
予備校等が示す正答数の目安を利用する場合も,対象年度・管轄区域・試験段階と,公式の下限・標準点・合格最低点のどれを説明しているかを確認する必要がある。

出典は,現在案内されている合格者決定方法1頁3及び2頁5・6と,令和8年度実施結果1頁である。
以下の高裁別合格最低点・最高点の比較表は令和6・7年度のものであり,この令和8年度の種目別下限と混ぜて比較しない。

第2 第1次試験の高裁別合格最低点・最高点

次の表は,令和6年度及び令和7年度の開示資料の各2頁にある,一般職試験・大卒程度区分の第1次試験欄である。数値は原資料の小数第2位までをそのまま掲げる。

令和6年度

高裁管轄合格最低点合格最高点札幌87.90141.60仙台81.03143.73東京92.63149.85名古屋96.15147.25大阪106.54151.52広島95.22143.73高松101.16139.00福岡93.83142.06

令和7年度

高裁管轄合格最低点合格最高点札幌95.43137.06仙台82.86154.69東京97.75146.66名古屋103.46145.50大阪108.43143.60広島90.47139.38高松93.11142.85福岡92.05142.44

出典:令和6年度の高裁別合格最低点・合格最高点2頁及び令和7年度の同資料2頁。
令和7年度の第1次最低点は大阪108.43,仙台82.86など,管轄区域によって異なる。これは当該年度・区分の合格者の最低点であり,翌年度の必要正答数や個人の合格確率を示す数字ではない。

第3 最終合格の高裁別合格最低点・最高点

次は同じ資料の第2次試験欄である。一般職・大卒程度区分の最終合格判定に対応する数値であり,面接だけの点数と読み替えてはならない。

令和6年度

高裁管轄合格最低点合格最高点札幌141.71230.78仙台150.67233.72東京157.53244.76名古屋160.35241.19大阪184.19233.56広島163.23247.13高松152.60227.47福岡155.08236.73

令和7年度

高裁管轄合格最低点合格最高点札幌144.52227.95仙台149.84228.03東京156.05244.43名古屋161.97236.01大阪173.29241.63広島150.27232.38高松135.46219.17福岡155.46226.07

(続きを読む...)裁判所職員採用試験の合格最低点・合格最高点―高裁別・年度別の比較と標準点の読み方(AI作成)

高卒で裁判所事務官になるには―受験資格・試験科目・面接と採用後の進路(AI作成)

目次

第1 高卒で裁判所事務官を目指すときの確認順序第2 受験資格は卒業日と受験年度を照合する1 令和8年度の高校卒業者・卒業見込み者2 高校卒業以外の資格と,受験できない場合3 高卒者でも大卒程度区分を確認する場合第3 高卒者区分の試験科目と合格者の決め方1 基礎能力・作文・人物試験を分けて準備する2 配点比率と素点・標準点は同じではない第4 申込み・試験日程・面接で確認すること1 令和8年度の日程と,これから受験する人の確認先2 面接では,採用時の事務官の仕事を理解する第5 勤務地・採用・給与を確認する第6 高卒採用から書記官を目指す進路第7 出典・関連資料
第1 高卒で裁判所事務官を目指すときの確認順序

高校卒業見込みの人や卒業後間もない人は,裁判所職員採用一般職試験の高卒者区分を確認することになる。
ただし,「高卒」という最終学歴だけで受験資格は決まらない。
卒業日等の条件があり,高卒者区分の受験と,採用後に裁判所書記官を目指すための入所試験も別の制度である。

まず受験資格,次に試験科目と日程,その後に勤務希望地・給与・採用後の進路を確認すると,自分が選ぶ経路を整理しやすい。
本記事は,令和8年10月10日に確認した裁判所の公式案内を基に,高卒者区分を中心に説明する。
令和8年度の申込受付と第1次試験は既に終了している。

裁判所事務官の職務の全体像は,裁判所事務官とは―仕事内容,書記官との違い,採用と働き方を,試験区分全体の比較は,裁判所職員採用試験とはを参照されたい。

第2 受験資格は卒業日と受験年度を照合する
1 令和8年度の高校卒業者・卒業見込み者
(1) 卒業日と年度の基準日を確認する

令和8年度の受験案内2頁によれば,主な対象は,令和8年4月1日において,高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者と,令和9年3月までに卒業する見込みの者である。
同案内は,前者について令和6年4月1日以降の卒業者が該当すると説明する。

(2) 受験資格となる学歴と最終学歴を区別する

卒業後に進学又は就職した場合も,最終学歴の名称だけで判断せず,受験資格となる卒業日を確かめる必要がある。
案内9頁のフローチャートは,「受験資格となる学歴」と「最終学歴」を分けて示している。
例えば,令和7年3月に高校を卒業し,令和9年3月に専修学校専門課程を修了する見込みの例では,受験資格となる学歴は高校卒業,最終学歴は専門学校修了見込みとして扱われる。

高校卒業から何年も経過している人が,高卒という理由だけでこの区分を受験できるわけではない。
翌年度に受験する場合は,令和8年度の卒業日をそのまま使わず,当該年度の受験案内で確認する必要がある。

2 高校卒業以外の資格と,受験できない場合

最高裁判所が高校卒業者等に準ずると認める者にも資格がある。
令和8年度の案内は,中学校卒業後2年以上5年未満の者で主な卒業要件に該当しない者,高等専門学校の第3学年修了者等,専修学校の指定された高等課程の修了者等,高等学校卒業程度認定試験の合格者等の例を挙げる。
それぞれに基準日や修了・合格からの期間等の条件がある。

自分の学校・課程・修了時期が例に当てはまるか曖昧な場合は,受験資格の詳細資料と案内9頁のフローチャートを確認し,申込前に案内掲載の問合せ先へ確認すべきである。
高卒認定に合格した事実だけで,期間条件まで満たすとは限らない。

また,日本国籍を有しない者,国家公務員法38条の規定に該当する者は受験できないとされる。
学歴に関する条件とは別に確認する必要がある。

3 高卒者でも大卒程度区分を確認する場合

裁判所の採用Q&Aは,大卒程度区分の総合職・一般職について,試験年度の4月1日に21歳以上30歳未満であれば,学歴に関係なく受験できると説明する。

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裁判所事務官の過去問と勉強の進め方―公式問題・正答と科目別の準備(AI作成)

目次

第1 過去問を使う前に受験区分を決める第2 公式の問題と正答はどこで確認できるか1 問題一覧の試験名とPDFの表紙を照合する2 一般職の主な問題・正答への直接リンク3 掲載年度と省略された問題文に注意する第3 一般職・大卒程度の科目と学習の配分1 筆記だけでなく論文と人物試験も準備する2 選択科目は,現在の理解と他試験との関係で考える第4 過去問の復習は正誤の理由を残す1 最初の演習で,知識不足と時間不足を分ける2 法律科目では条文・判例の根拠を確認する3 反復するときは,説明できるかと所要時間を確認する第5 論文・作文と面接を並行して準備する第6 合格最低点と自分の正答数を混同しない第7 出典・関連資料
第1 過去問を使う前に受験区分を決める

裁判所事務官の受験準備は,受験する試験区分の最新の科目表を確認し,その区分の公式問題を時間を測って解き,誤答の理由を分けて復習する順序で進めると整理しやすい。
一般職の大卒程度・高卒者区分と総合職では,準備する種目が異なる。

本記事は,令和8年10月10日に確認した裁判所の受験案内と公式の試験問題一覧を基に,公式資料の探し方と学習の進め方を説明する。
科目・時間・配点等の制度説明と,学習方法の提案を区別し,個々の問題の正解解説や公式の採点基準を示すものではない。

受験資格,日程及び採用までの制度は,裁判所職員採用試験とはを参照されたい。

第2 公式の問題と正答はどこで確認できるか
1 問題一覧の試験名とPDFの表紙を照合する

裁判所「試験問題」には,総合職・一般職,職種,科目ごとの問題と,多肢選択式の正答番号へのリンクがある。
問題と正答は別に掲載されるため,同じ年度・試験・科目を対応させる必要がある。

受験する区分一覧で確認する資料一般職・事務官,大卒程度第1次の基礎能力・専門の多肢選択式問題と正答,第2次の論文試験(小論文)一般職・事務官,高卒者基礎能力の多肢選択式問題と正答,作文試験総合職・事務官共通する多肢選択式に加え,政策論文と専門記述式。院卒者区分の訴訟法の有無も確認

一般職大卒程度の第1次の問題は,一覧では総合職事務官と共通であると案内されている。
問題が共通でも,総合職の専門記述式や政策論文まで一般職の必須種目になるわけではない。

一覧の表示とリンク先を対応させ,PDFの表紙で年度・試験区分・種目を確認する。
令和8年度高卒者区分の正答への項目は,一覧上では「総合職試験」と表示されているが,リンク先の正答PDFは,一般職試験の裁判所事務官・高卒者区分を対象とすることを明記している。
リンクの見出しだけで対象を決めず,PDF本体を確認すべきである。

2 一般職の主な問題・正答への直接リンク

次の表は,確認時点で公式一覧に掲載されている一般職の主な資料への案内である。
年度が異なる問題と正答を組み合わせず,PDFの試験名と科目も確認して利用されたい。
論文・作文については,公式一覧に多肢選択式のような正答番号は掲げられていない。

区分・科目問題PDF正答PDF大卒程度・基礎能力令和8年度令和8年度大卒程度・専門令和8年度令和8年度大卒程度・小論文令和8年度正答番号の掲載対象ではない高卒者・基礎能力令和7年度令和7年度高卒者・作文令和7年度正答番号の掲載対象ではない高卒者・基礎能力(令和8年度)確認時点の一覧には問題を未掲載令和8年度

専門試験の正答PDFには選択科目を含む全50題の番号が並ぶが,一般職大卒程度で解答するのは,憲法・民法の必須20題と,選択1科目の10題である。
正答表の項目数を,自分が解答すべき問題数と混同してはならない。
解答範囲と選んだ科目の問題番号を,受験案内と問題冊子で照合する必要がある。

3 掲載年度と省略された問題文に注意する
(1) 掲載年度と正答の公開を分けて確認する

確認時点の一覧は,大学卒業程度の基礎能力・専門等に令和8・7年度の問題を,高卒者区分の基礎能力・作文には令和7・6年度の問題を掲載している。
高卒者区分では令和8年度の基礎能力の正答番号が別途掲載されている。
正答が公開されたことと,その年度の全問題が一覧に掲載されたことは同じではない。

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家庭裁判所調査官の人員体制―令和8年度の10人増員,未配置支部90庁及び育休・病休・退職の人数(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と資料1 対象とする事項2 資料の性質第2 定員と増員の経緯1 令和7年度の定員は1,603人2 平成12年以降の増員は合計80人3 少年事件の減少と事務分担の見直し第3 令和7年度・8年度の増員分の使い方1 令和7年度の5人2 令和8年度の10人3 事件数の見込みは示されていない第4 支部への配置1 203支部のうち90庁には家裁調査官がいない2 配置されていない支部での対応3 家裁調査官の関与率と議員の指摘第5 育児休業・病気休暇・退職の人数1 人事局長が答弁した数字2 数字を比べるときの注意3 補充と配慮の方法第6 附帯決議第7 弁護士実務への示唆1 支部の事件では調査の日程を早めに確かめる2 子の意思の把握の方法を組み合わせる3 関係機関との「連携」を前提にしない第8 関連記事第9 出典
第1 本記事の対象と資料
1 対象とする事項

本記事は,家庭裁判所調査官(以下「家裁調査官」という。)の定員,増員の経緯,支部への配置及び育児休業・病気休暇・退職の人数を,国会会議録に基づいて整理するものである。
基準日は令和8年10月10日である。

令和8年4月1日に父母の離婚後の子の養育に関する改正民法等が施行され,家裁調査官が足りるのかが,同年の裁判所職員定員法の改正審議で繰り返し質問された。
家裁調査官の仕事の内容や調査報告書の読み方は,家庭裁判所調査官とは―仕事内容,家事・少年事件の調査と調査報告書で説明しているので,本記事は人数と配置に絞る。

2 資料の性質

主な資料は,次の三つの委員会の会議録である。
①令和7年3月14日の衆議院法務委員会(第217回国会第3号)
②令和8年4月14日の衆議院法務委員会(第221回国会第3号)
③令和8年4月23日の参議院法務委員会(第221回国会第7号)

数字は,最高裁判所事務総局の総務局長,人事局長又は家庭局長の答弁によるものと,質問した議員の発言にとどまるものとを区別して記載する。
③の委員会については,最高裁判所が作成した答弁資料が開示されており,裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等に掲載している。
答弁資料には委員会で質問されなかった問の答弁案も含まれているため,本記事では,会議録で答弁されたことを確認した部分と,答弁資料にとどまる部分を書き分ける。

第2 定員と増員の経緯
1 令和7年度の定員は1,603人

最高裁判所人事局長は,令和7年度の家庭裁判所調査官及び家庭裁判所調査官補の定員数は1,603人であると答弁した(②発言35)。
令和8年度には家裁調査官が10人増員されたので,単純に足せば1,613人となる。
この1,613人は本記事の計算であり,③の委員会で嘉田由紀子議員も「千六百三人が千六百十三人になる」と述べているが,最高裁判所が令和8年度の定員数として答弁した数字ではない(③発言85)。

裁判所職員定員法2条は,裁判官以外の裁判所の職員の員数を全体で2万1,540人と定めるだけで,職種ごとの員数を定めていない。
家裁調査官の人数は,最高裁判所の答弁や予算資料で確認するほかない。
予算資料での裁判所職員の人数の推移は,裁判所職員の予算定員の推移で整理している。

2 平成12年以降の増員は合計80人

最高裁判所が答弁した増員の経緯は,次のとおりである。

時期増員数答弁で説明された目的平成12年~平成18年68人家庭事件の複雑困難化等を踏まえた体制整備平成21年5人同上令和4年2人同上(答弁資料はワークライフバランス推進のための増員と説明)令和7年度5人改正家族法の円滑な施行に向けた検討・準備令和8年度10人改正家族法に関する調査事務の運用を全国に定着させるための支援

平成12年から令和4年までの数字は,令和7年3月14日の総務局長の答弁による(①発言13,104)。
同じ委員会で総務局長は一度「五十八人」と述べ,同じ答弁の最後に「六十八」と訂正している(①発言125)。
令和8年4月14日の総務局長の答弁は,これらを合わせて「平成十二年以降、合計八十人の増員」と説明している(②発言60)。
68人,5人,2人及び5人を足すと80人であり,令和8年度の10人はこの80人に含まれていない。

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裁判所事務官とは―仕事内容,書記官との違い,採用と働き方(AI作成)

目次

第1 裁判所事務官とは1 知りたいことから読む2 よくある疑問第2 裁判所事務官の仕事内容1 裁判部で裁判の進行を支える仕事2 事務局で組織を支える仕事3 正確な処理とチーム内の連携第3 裁判所書記官・家庭裁判所調査官との違い1 職務の比較2 書記官の仕事を事務官の仕事と混同しないこと3 家庭裁判所調査官は別の養成経路であること第4 裁判所事務官になるには1 総合職試験と一般職試験2 学歴・年齢の名称だけで受験資格を判断しないこと3 最終合格と採用は別の段階であること4 社会人経験者選考採用第5 採用後に裁判所書記官を目指す経路1 勤務,入所試験,養成課程を区別すること2 養成課程と研修期間第6 給与,勤務地及び働き方1 初任給と年収2 勤務希望地と採用後の異動3 勤務時間,休暇及び残業の見方第7 受験準備と関連する資料記事
第1 裁判所事務官とは

裁判所事務官は,裁判所の裁判部や事務局で働き,裁判の進行を支える事務や,総務・人事・会計等の司法行政事務を担当する裁判所職員である。裁判所書記官や家庭裁判所調査官とは,職務と養成の仕組みが異なる。
「裁判所事務官」を調べる際には,①仕事内容,②書記官等との違い,③採用試験と採用後の養成,④給与・勤務地・休暇の順に読むと,全体像をつかみやすい。本記事は,令和8年10月8日に確認した裁判所の採用案内及び法令に基づく。

配属先となる各裁判所の種類・役割と,裁判官や他の裁判所職員との関係は,裁判所とは―組織と職種の全体像を参照されたい。本記事では,事務官の職務と採用後の進路を中心に説明する。

裁判所法58条は,各裁判所に裁判所事務官を置き,上司の命を受けて裁判所の事務を担当することを定める。具体的な担当業務は配属先により異なるため,裁判部の事務官の仕事と,事務局の仕事を分けて理解する必要がある。

裁判所法:
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000059
裁判所「裁判所の仕事について」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/siritai/shigoto/index.html

1 知りたいことから読む

初めて調べる場合は,本記事の仕事内容と職種の違いから読むと,全体像をつかみやすい。
知りたいことが決まっている場合は,次の案内から必要な説明へ進むことができる。

知りたいこと読む場所・記事仕事内容と職種の違い第2 仕事内容/第3 書記官・調査官との違い採用試験の区分・受験資格・科目裁判所職員採用試験とは初任給・賞与・年収裁判所事務官の給料・年収勤務地・異動と勤務時間第6 給与,勤務地及び働き方高卒者区分と勉強の準備高卒で裁判所事務官になるには/過去問と勉強の進め方仕事を知る説明会・業務体験裁判所事務官の説明会・ワークショップ
2 よくある疑問

① 裁判所事務官は国家公務員か。
裁判所の採用Q&Aは,裁判所の採用試験に合格して採用されると国家公務員特別職となると説明している。
採用試験は人事院の国家公務員採用試験とは別に,裁判所が独立して実施する。

② 法学部出身者だけが採用されるのか。
裁判所の採用Q&Aは,法学部以外の様々な学部出身者も活躍しており,採用後の研修等で法律知識を習得する機会もあると説明している。
受験資格と試験科目は,自分が受験する年度・区分の案内で確認する必要がある。

③ 事務官として採用されれば自動的に書記官になるのか。
裁判所書記官になるには,養成課程入所試験に合格し,所定の研修を受ける必要がある。
勤務,入所試験,養成課程及び任命を区別し,第5の説明を参照されたい。

以上の疑問についての公式説明は,裁判所「採用Q&A」に掲載されている。

④ 裁判所事務官は難しいですか。
採用試験の難しさと,採用後の仕事を覚える難しさを分けて考える必要がある。
令和8年度の一般職・大卒程度区分の全国倍率は4.5倍であり,第1次試験の有効受験者数を最終合格者数で割った数字である。
倍率は個人の合格確率や採用率ではなく,試験区分・地域・年度によって異なる。
試験案内の倍率と配点を確認されたい。

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裁判所事務官の転勤・異動―勤務地,高裁管内,総合職と一般職の違い(AI作成)

目次

第1 転勤について公式案内から分かること第2 受験地,勤務地希望及び採用庁の違い1 筆記試験を受ける場所が勤務地を決めるわけではないこと2 申込時の勤務地希望と最終合格後の採用庁3 成績順位だけで意向照会の順序が決まるわけではないこと第3 採用後の異動と総合職・一般職の違い1 おおむね3年は目安であること2 総合職は高裁所在地と最高裁勤務の説明に注意すること3 家庭裁判所調査官補の異動と混同しないこと第4 勤務地を検討する際に確認しておくこと1 希望地域の広さと通勤条件2 確認先に伝える質問を具体化すること第5 よくある疑問と関連資料1 一般職なら地元だけで働けるのか2 最終合格すれば第一希望の裁判所に採用されるのか
第1 転勤について公式案内から分かること

裁判所事務官の採用後の異動について,裁判所の採用Q&Aは,総合職・一般職とも,希望する勤務地を管轄する高等裁判所の管轄区域内で勤務すること,異動のローテーションはおおむね3年を目安とすること,採用された裁判所の所在する都道府県内での異動が一般的であることを説明している。
ただし,上位ポストへの昇進に伴う県を越えた異動や,最高裁判所での勤務も案内されている。「一般職だから転勤がない」「希望する市町村から動かない」と保証する制度ではない。
本記事は,令和8年10月8日に確認した公式案内を基に,受験時の勤務地希望,採用庁の決定及び採用後の異動を区別して整理する。

裁判所「採用Q&A」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/siken/qa/index.html

第2 受験地,勤務地希望及び採用庁の違い
1 筆記試験を受ける場所が勤務地を決めるわけではないこと

裁判所事務官の総合職試験及び一般職試験では,第1次試験と第2次試験の筆記試験の試験地は,希望する勤務地にかかわらず,受験に便利な場所を選択できると案内されている。
他方,第2次試験の人物試験は,希望する勤務地を管轄する高等裁判所の管轄区域内の試験地で受験し,総合職の第3次試験の人物試験は東京都で受験するとされている。試験地,試験日及び選択方法は,受験する年度の受験案内で確認する必要がある。

令和8年度高卒者区分の受験案内3頁は,第1次試験地が希望する高裁管内にある場合,人物試験地を第1次と異なる場所にはできないと説明する。
筆記地を自由に選べるという説明だけで人物試験地まで選び直せると理解せず,受験区分の条件を確認する必要がある。
詳しくは,高卒で裁判所事務官になるにはを参照されたい。

2 申込時の勤務地希望と最終合格後の採用庁

公式案内では,受験申込みの受付後に,試験の種類,特例希望の有無,希望する勤務地を管轄する高等裁判所及び試験地を変更することは認められないとされる。申込前に,受験の便利さと勤務を希望する地域を分けて検討する必要がある。
最終合格後,裁判所事務官の総合職・一般職の採用庁は,希望する勤務地を管轄する高等裁判所の管轄区域内の裁判所から決められる。本人の希望だけでなく,各裁判所の欠員状況等も考慮されるため,特定の裁判所への採用を本人が自由に確定できるという意味ではない。

段階確認する事項混同しやすい点受験申込み希望勤務地の高裁管内と試験地筆記試験地と勤務地は別の情報である人物試験指定された試験地・日程筆記試験と同じ場所で受験するとは限らない最終合格後採用諾否の意向照会と採用庁最終合格と特定庁への採用確定は同じではない採用後配属先とその後の異動最初の勤務先が固定され続けるわけではない
3 成績順位だけで意向照会の順序が決まるわけではないこと

裁判所の採用Q&Aは,勤務地希望,成績及び欠員補充の緊急度等を考慮して採用候補者を推薦するため,第一希望の勤務地が異なる合格者の間では,採用候補者名簿の順番と異なる順序で意向照会をする場合があると説明する。
したがって,別の地域を希望する人に照会が来たという事実だけで,自分の採用の可否や希望庁への配置を判断することはできない。

第3 採用後の異動と総合職・一般職の違い
1 おおむね3年は目安であること

公式案内にいう「概ね3年を目安」は,一般的な異動のローテーションについての説明である。全員が必ず3年ごとに転居するという意味でも,3年間は異動しないという保証でもない。
採用された裁判所の所在する都道府県内での異動が一般的とされる一方,上位ポストへの昇進に伴い,県を異にする異動が行われる場合もある。都道府県内の異動であっても,具体的な勤務地と住居との距離によって通勤・転居の負担は異なる。

2 総合職は高裁所在地と最高裁勤務の説明に注意すること

裁判所の採用Q&Aは,総合職について,所属する高等裁判所の所在地での勤務が中心となり,多くの職員が最高裁判所での勤務も経験すると説明する。一般職でも,本人の希望状況等に応じて最高裁判所で勤務する場合がある。
これは,総合職の全員に同じ異動経路を約束した説明ではない。また,一般職には高裁管外での勤務が一切ないという説明でもない。生活設計を考える場合は,通常の勤務範囲に加え,昇進や最高裁勤務等の可能性も確認する必要がある。

3 家庭裁判所調査官補の異動と混同しないこと

家庭裁判所調査官補の総合職試験に最終合格して採用された場合は,全国の家庭裁判所等で勤務することになると案内されている。裁判所事務官についての高裁管内の説明を,家庭裁判所調査官補にもそのまま当てはめることはできない。

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裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れ(AI作成)

目次

第1 最終合格と採用は同じではない1 合格後も採用庁を決める手続が残る2 令和8年度合格者の採用時期第2 採用候補者名簿の順位と有効期間1 どの範囲の名簿に記載されるか2 有効期間は1年間第3 勤務地の希望と意向照会の順序1 勤務地の照会に期限内に答える2 名簿の順位と連絡の順序は一致するとは限らない3 希望勤務地と採用対象地域第4 官庁訪問は不要だが,意向照会への対応は必要である1 自分から訪問する制度と裁判所からの照会を区別する2 合格後に確認しておきたい事項第5 採用漏れと人数の読み方1 推薦・採用されない可能性は公式に説明されている2 最終合格者数から採用漏れ率を計算しない第6 採用後の研修と院卒者区分の注意点1 家庭裁判所調査官補の養成研修2 院卒者区分の修了見込みと採用第7 公式資料と関連記事
第1 最終合格と採用は同じではない
1 合格後も採用庁を決める手続が残る

裁判所職員採用試験に最終合格すると,採用候補者名簿に記載される。その後,勤務希望地や成績,各裁判所の欠員状況等を考慮した推薦,採用諾否の意向照会等を経て,採用庁が決まる。
最終合格の発表だけで,特定の裁判所への採用が確定するわけではない。

段階何が決まるか確認すること最終合格・名簿登載採用候補者として名簿に記載される合格通知書,名簿順位,今後の案内勤務希望地の照会・推薦希望,成績,欠員等を踏まえて手続が進む回答期限,希望条件,連絡先意向照会・内定推薦を受けた裁判所が採用諾否を確認する回答内容,面接等の指示,内定の通知採用裁判所職員として勤務を開始する採用日,配属,必要書類等の個別案内

合格後の一般的な流れは,裁判所「受験から採用までの流れ」の9~12で説明されている。
この記事はその公式説明を基礎としたものであり,個々の合格者への連絡時期や採用結果を予測するものではない。

受験資格,試験科目,日程及び倍率の全体像は,「裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用まで」を参照されたい。

2 令和8年度合格者の採用時期

公式説明では,原則として試験を実施した翌年4月1日付で採用される。
したがって,令和8年度試験については原則として令和9年4月1日付の採用となる。ただし,実際の採用日や手続は,各裁判所からの個別の案内を確認する必要がある。

第2 採用候補者名簿の順位と有効期間
1 どの範囲の名簿に記載されるか

採用候補者名簿は,試験の種類ごとに最高裁判所が作成し,最終合格者を高点順に記載する。
裁判所事務官の総合職試験及び一般職試験では,各高等裁判所の管轄区域ごとに名簿が作成される。家庭裁判所調査官補の総合職試験では,推薦・採用の対象が全国の裁判所となる。

名簿の順位は合格通知書で知らせると説明されている。
試験別・地域別の枠組みがあるため,別の試験や別の高等裁判所管内の順位を,自分の順位と単純に比較してはならない。

2 有効期間は1年間

公式説明によれば,名簿の有効期間は1年間である。
また,希望勤務地又は各裁判所の欠員状況によっては,名簿の有効期間内に推薦・採用されない場合もあると明記されている。

名簿に登載されたことと,その有効期間内に必ず採用されることは異なる。
有効期間,手続の進行状況及び自分が回答した勤務希望の取扱いに疑問がある場合は,合格後の案内に記載された担当窓口に確認する必要がある。

第3 勤務地の希望と意向照会の順序
1 勤務地の照会に期限内に答える

一般職試験の最終合格者には,名簿登載後,各高等裁判所から勤務希望地について照会がある。
その回答に基づいて採用手続を進めるため,回答期限内に回答するよう公式に案内されている。

勤務地の希望を整理するときは,第一希望の地域だけでなく,通勤,転居及び家庭の事情を踏まえて,実際に勤務できる地域を確認しておきたい。
希望を広げれば必ず採用されるという保証はないため,勤務できない場所を安易に希望するのではなく,自分の条件を正確に伝えることが大切である。

2 名簿の順位と連絡の順序は一致するとは限らない

(続きを読む...)裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れ(AI作成)

裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用まで(AI作成)

目次

第1 裁判所職員採用試験で採用される職種1 最初に職種と試験区分を選ぶ2 裁判所書記官になるための試験との関係3 裁判所職員の一般職と総合職の違いは何か第2 受験資格―大卒程度という名称だけで判断しない1 令和8年度の大卒程度区分と院卒者区分2 令和8年度の高卒者区分3 社会人・法学部以外の出身者の確認事項第3 試験科目と配点―一般職,大卒程度区分を中心に1 裁判所事務官・一般職,大卒程度区分2 総合職・高卒者区分との違い3 併願と総合職の特例制度第4 令和8年度の日程と申込みの注意点1 令和8年10月8日時点の進行状況2 申込み完了と試験地の確認第5 倍率の見方と勉強・面接の準備1 倍率では分母と分子を確かめる2 裁判所職員採用試験の難易度は?第6 最終合格から採用までは別の手続である第7 公式資料と関連記事
第1 裁判所職員採用試験で採用される職種
1 最初に職種と試験区分を選ぶ

裁判所職員採用試験は,裁判所事務官又は家庭裁判所調査官補を採用するために,裁判所が独自に実施する試験である。
人事院が実施する国家公務員採用試験とは別の試験であり,申込み,試験日程,合格後の採用手続も裁判所の案内を確認する必要がある。

採用される職種試験の種類区分裁判所事務官総合職試験院卒者区分・大卒程度区分裁判所事務官一般職試験大卒程度区分・高卒者区分家庭裁判所調査官補総合職試験院卒者区分・大卒程度区分

「裁判所職員」という名称だけで勉強を始めるのではなく,①裁判所事務官と家庭裁判所調査官補のどちらを希望するか,②総合職と一般職のどちらを受験するか,③自分がどの受験資格を満たすか,の順に確認すると整理しやすい。
総合職は政策の企画立案に係る高い能力,一般職は的確な事務処理に係る能力を重視して行う試験である。

試験区分の公式説明は,裁判所「試験の概要」及び裁判所「採用Q&A」に掲載されている。

受験区分を選ぶ前に職務を確認したい場合は,裁判所事務官とはを参照されたい。
裁判部と事務局の仕事,給与・勤務地,採用後に書記官を目指す進路を合わせて確認できる。

職員の説明や業務体験から仕事を確かめたい場合は,裁判所事務官の説明会・ワークショップを参照されたい。
参加対象・申込方法は企画ごとに確認し,イベントへの申込みと採用試験への申込みを分けて準備する必要がある。

2 裁判所書記官になるための試験との関係

裁判所事務官の採用試験に合格して採用された時点で,直ちに裁判所書記官として任命されるわけではない。
裁判所書記官になるためには,裁判所職員として一定期間勤務した後,裁判所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程入所試験に合格し,所定の研修を受ける必要がある。総合職採用者については,採用初年度の入所試験に筆記試験の免除制度がある。

書記官を目指して受験する場合も,まずは本記事で採用試験の区分と受験資格を確認し,採用後の養成経路を分けて把握する必要がある。書記官の仕事内容,事務官との違い及び採用から任命までの流れは,裁判所書記官とは―採用から養成・任命までの経路で整理している。

家庭裁判所調査官補は,採用後,家庭裁判所調査官に任命されるための約2年間の養成研修を受ける。
仕事内容は「家庭裁判所調査官とは―仕事内容,家事・少年事件の調査と調査報告書」,研修制度は「裁判所職員総合研修所」を参照されたい。

採用後に受ける総研の入所試験について,第一部・第二部の資格,試験科目,免除及び年度の読み方を確認する場合は,裁判所職員総合研修所の入所試験(CE試験)を参照されたい。
採用試験の日程・科目と,入所試験の日程・科目を混同しないことが重要である。

3 裁判所職員の一般職と総合職の違いは何か

裁判所事務官の採用試験は,総合職2区分と一般職2区分を分けて確認すると,準備する試験の違いが分かりやすい。
次の表は令和8年度受験案内の試験種目を要約したものであり,受験資格のすべてを示す表ではない。

区分筆記試験の主な違い人物試験総合職・院卒者基礎能力・専門多肢選択,専門記述(憲法・民法・刑法・訴訟法),政策論文。特例希望者は小論文も必要第2次の個別面接,第3次の個別面接・集団討論総合職・大卒程度基礎能力・専門多肢選択,専門記述(憲法・民法・刑法),政策論文。特例希望者は小論文も必要第2次の個別面接,第3次の個別面接・集団討論一般職・大卒程度基礎能力・専門多肢選択,小論文。総合職の政策論文・専門記述は課されない第2次の個別面接一般職・高卒者基礎能力・作文。専門試験は課されない第2次の個別面接

大卒程度の基礎能力・専門多肢選択は総合職と一般職で共通問題を用いるが,その後の試験種目と配点比率は異なる。
総合職の特例制度と小論文の関係は第3の3,資格は第2,詳しい科目・配点は第3を参照されたい。
資料は令和8年度裁判所事務官の総合職・一般職大卒程度の受験案内3~5頁及び一般職高卒者区分の受験案内2頁である。

第2 受験資格―大卒程度という名称だけで判断しない
1 令和8年度の大卒程度区分と院卒者区分

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裁判所書記官とは―仕事内容,裁判所事務官との違い,なり方と役職(AI作成)

目次

第1 裁判所書記官とは1 裁判の記録と手続を担う専門職であること2 裁判官と協働するが,役割は異なること3 裁判所書記官は国家公務員か第2 裁判所書記官の仕事内容1 記録の作成・保管と手続上の事務2 裁判の準備と進行を支える仕事3 手続案内と,担当事件についての連絡4 公証機能とコートマネジメントとは何か第3 裁判所事務官等との違い1 裁判所事務官との違い2 裁判官,家庭裁判所調査官及び裁判所速記官との違い第4 裁判所書記官になるには1 どうすれば裁判所書記官になれるのか2 裁判所書記官になるには何年かかるか第5 役職と給与の調べ方1 書記官の官名と,首席・次席・主任等の役職2 裁判所書記官の年収はいくらか3 裁判所書記官は勝ち組か―進路を比較する視点第6 裁判所へ連絡するときの確認事項1 事件と用件を先に整理すること2 手続上の確認と,主張・立証の検討を分けること第7 出典・参考資料
第1 裁判所書記官とは
1 裁判の記録と手続を担う専門職であること

裁判所書記官は,事件記録の作成・保管や手続上の事務を担い,裁判官と協働して裁判の進行を支える専門職である。
裁判所事務官として採用された時点で直ちに書記官になるわけではなく,通常は採用後の勤務,総合研修所の入所試験及び養成課程を経て任命される。
仕事内容を知りたい方は第2,書記官を目指す方は第4,担当事件の連絡について確認したい方は第6を参照されたい。

裁判所書記官は,裁判所の事件に関する記録の作成・保管,法律で定められた手続上の事務及び裁判官の調査補助を担当する裁判所職員である。
法廷の発言を書き取るだけの職ではなく,手続法の知識を用いて,裁判が適正かつ円滑に進むよう支える職である。
本記事は,令和8年10月8日に確認した法令と裁判所の公表資料に基づき,仕事内容,近接する職種との違い,養成経路及び関連資料を整理する。
仕事内容,養成経路及び給与に関する説明資料は,同月10日に改めて確認した。
身分及び養成経路に関する裁判所の公式説明と総研規程は,同月13日に再確認した。

書記官が勤務する最高裁・高裁・地裁・家裁・簡裁の役割と,裁判官や他の職員との関係は,裁判所の組織と職種の全体像で整理している。職種の違いを確かめた上で,本記事の記録・手続に関する職務へ進むとよい。

裁判所法60条2項は,事件に関する記録その他の書類又は電磁的記録の作成・保管等を,書記官の事務として定めている。
同条3項は,裁判官の命を受けて,事件に関する法令・判例その他必要な事項の調査を補助することを定めている。
紙の書類だけを扱う職という説明では,現行法が対象とする電磁的記録を含む職務を十分に表せない。

2 裁判官と協働するが,役割は異なること

裁判所書記官は,その職務を行うについて裁判官の命令に従うが,裁判官と同じ職ではない(裁判所法60条4項)。
裁判の判断を担う裁判官に対し,書記官は記録と手続上の事務を担い,裁判運営を支える。

また,同条5項は,口述の書取等に関する裁判官の命令について,書記官が作成又は変更を正当でないと認める場合には,自己の意見を書き添え,又は併せて記録できることを定めている。
職務上の命令に従うことと,記録の作成等について法律が認める意見の記載を区別する必要がある。

3 裁判所書記官は国家公務員か

裁判所書記官は,特別職の国家公務員である。
裁判所の採用Q&Aは,裁判所の採用試験が人事院の国家公務員採用試験とは別に実施され,採用された職員は特別職の国家公務員になると説明している。
もっとも,裁判所職員臨時措置法により,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員には,給与,任免,服務等に関する一般職の国家公務員の法律が,所定の除外・読替えの下で準用される。
採用試験の「一般職」という区分と,国家公務員法上の身分区分を混同しないことが大切である。

第2 裁判所書記官の仕事内容
1 記録の作成・保管と手続上の事務

裁判所の裁判所書記官の紹介は,法廷でのやり取りを法律的に構成して必要事項を調書に記載することや,執行文を付与することを,具体的な仕事として挙げている。
調書は,手続で何が行われたかを証明するための文書であり,会話の文字起こしと同じ目的・構成で作るものではない。
個々の調書の記載事項や証明力は,民事・刑事・家事等の手続に応じて確認する必要がある。

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裁判所事務官の給料・年収―初任給,賞与,手当と昇給の見方(AI作成)

目次

第1 裁判所事務官の給料を見る際の前提第2 採用区分別の初任給1 東京都特別区内で勤務する場合の公表例2 「俸給月額」「給与月額」「手取り」を分けること第3 賞与と諸手当1 期末・勤勉手当2 通勤・住居・超過勤務に関する手当第4 年収の計算と比較の限界1 年収はその年の支給額を積み上げて確認すること2 職員全体の平均と事務官本人の年収は異なること第5 昇給,昇格及び採用区分との関係1 級別定数は個人の昇進予定表ではないこと2 総合職・一般職と社会人経験者採用第6 給与情報を確認する順序と関連資料
第1 裁判所事務官の給料を見る際の前提

裁判所事務官の初任給の公表例は,一般職・大卒程度区分で月額27万8400円,一般職・高卒者区分で月額24万360円である。
これは令和8年4月1日現在の東京都特別区内に勤務する場合の例であり,全国共通の給与額,手取り額又は年収を示すものではない。

給与を比較するときは,採用区分,勤務地,基準日及び諸手当の条件をそろえる必要がある。
本記事は裁判所の「採用Q&A」に掲載された初任給と諸手当を基に,給与月額,賞与及び年収の違いを整理する。
第2で4区分の初任給を比較し,第3で賞与・手当,第4で年収の計算と比較の限界を確認できる。
初任給の案内は令和8年10月13日に再確認した。

裁判所「採用Q&A」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/siken/qa/index.html

第2 採用区分別の初任給
1 東京都特別区内で勤務する場合の公表例

裁判所の公式案内は,次の額を「東京都特別区内に勤務する場合の例」として掲げている。大卒程度の一般職と総合職では,初任給の額だけでなく,行政職俸給表(一)の級・号俸も異なる。

採用試験の区分初任給の公表例級・号俸総合職・院卒者区分月額30万6720円2級11号俸総合職・大卒程度区分月額29万400円2級1号俸一般職・大卒程度区分月額27万8400円1級25号俸一般職・高卒者区分月額24万360円1級5号俸

この表の数字を,そのまま他の地域の勤務者や経験者採用者の月額に当てはめることはできない。また,給与から控除される税・共済掛金等を差し引いた手取り額を示す表ではない。

2 「俸給月額」「給与月額」「手取り」を分けること

級・号俸は,俸給表上の位置を示す情報である。他方,給与の比較には,地域や本人の事情に応じた手当も関係する。公表された初任給の例と,俸給表に掲げられた俸給月額とを,同じ数字だと決め付けるべきではない。
手取りを知りたい場合は,勤務予定地と本人に適用される手当,控除項目を確認する必要がある。住居手当や通勤手当の上限を初任給に一律加算して「誰でもこの額を受け取れる」と計算することは適切でない。

第3 賞与と諸手当
1 期末・勤勉手当

裁判所の採用Q&Aでは,期末・勤勉手当について,1年間に俸給月額などの約4.65か月分と案内されている。「俸給月額など」という算定の基礎と,初任給の公表例とは区別して読む必要がある。
この案内は,採用初年度を含む全員が,公表された月額に4.65を掛けた額を必ず受け取るという意味ではない。個人の年収を計算する際には,実際の支給対象期間及び支給額を確認する必要がある。

2 通勤・住居・超過勤務に関する手当
手当裁判所の公式案内比較する際の注意点通勤手当6か月定期券の価額等。1か月当たり最高15万円上限額が全員に支給されるわけではない住居手当月額最高2万8000円家賃が月額1万6000円を超える場合に支給され,有料の国家公務員宿舎を貸与されている職員は対象外である(一般職の職員の給与に関する法律11条の10。裁判所職員臨時措置法により準用)超過勤務手当等諸手当として案内されている固定額として全員の年収に加算することはできない

通勤手当は通勤費との関係で支給されるため,額の大きさだけで生活上の余裕を比較するのは適切でない。転居を伴う採用や異動を考える際には,家賃,通勤費,家族の生活条件も併せて検討する必要がある。

書記官への任命後の俸給調整と,事務官の初任給を区別すること
令和6年10月23日の第63回東京地方裁判所委員会議事概要メモ3頁では,同地裁の人事課長が,書記官には通常の俸給に加えて俸給の調整に当たる支給があり,書記官任命後のもので,新規採用時には付かない旨を説明している。したがって,本記事の事務官の初任給の表に,書記官任命後の俸給調整を当然に含めたり,一律に上乗せしたりすることはできない。
この議事概要メモは同日の説明を記録したものであり,令和8年の支給率,調整数又は個人の年収を示してはいない。書記官の役職・給与資料の区別は,裁判所書記官とは―役職と給与の調べ方も参照されたい。

第4 年収の計算と比較の限界
1 年収はその年の支給額を積み上げて確認すること

給与収入の年額を把握するには,各月の給与と,その年に支給された期末・勤勉手当等を積み上げる必要がある。毎月の給与が変わる場合や,年度途中の採用,異動,休業等がある場合に,初任給を12倍した額だけで実際の年収を表すことはできない。
例えば,一般職・大卒程度区分の公表例27万8400円を12倍すると334万800円になる。しかし,これは同じ月額を12か月分置いた算術上の小計であり,賞与や個別の諸手当を含む実際の年収,採用初年度の年収又は手取り額を示すものではない。

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家庭裁判所調査官とは―仕事内容,家事・少年事件の調査と調査報告書(AI作成)

目次

第1 家庭裁判所調査官とは―基本的な役割1 家庭裁判所の調査官とは何ですか?2 役職の説明と個別事件の調査の説明3 採用後の養成課程と調査官の専門性第2 家事事件における調査1 当事者や子どもの事情と関係機関との連携2 面接に向けた事実と資料の整理第3 少年事件における調査1 面接,訪問及び専門的な調査2 教育的な働き掛けと試験観察第4 家事事件等の調査報告書の調査結果と意見1 家事事件等の公表様式2 確認された事実と調査官の評価を分けて読む第5 家事事件の報告書の閲覧と情報の保護1 家事審判と家事調停では許可の基準が異なる2 非開示希望は提出すれば必ず認められる制度ではない第6 ウェブ調査の利用と資料の探し方1 ウェブ調査を利用できるかは裁判所が判断する2 職務の解説と執務資料の一覧第7 家庭裁判所調査官についてよくある質問1 家庭裁判所の調査官になるには?2 家庭裁判所調査官の難易度は?3 家庭裁判所調査官の給料はいくらですか?4 家庭裁判所の調査官はエリートですか?第8 出典
第1 家庭裁判所調査官とは―基本的な役割

家庭裁判所全体の役割と利用する手続は,家庭裁判所とはを参照されたい。
調査官の仕事・養成を知りたい場合は第1,家事事件で面接を受ける場合は第2,少年事件の調査については第3,報告書については第4を読むと,目的に合う説明を確認できる。
少年本人と保護者が送致後の流れを確認する場合は,呼出し・調査官面接・少年審判の流れも参照されたい。

1 家庭裁判所の調査官とは何ですか?

家庭裁判所調査官は,家事事件や少年事件について,家族関係,生活環境,子どもの状況などを調査し,裁判官の判断に必要な情報を報告する専門職である。
裁判所の家庭裁判所調査官の職務案内は,家事事件では紛争の原因や背景と解決方法を,少年事件では非行に至った事情と立ち直りに必要な方策を検討すると説明している。

家庭裁判所が扱う家事事件,人事訴訟及び少年の保護事件の位置付けは,5種類の裁判所の役割を参照されたい。裁判所が事件を判断する役割と,調査官が調査・報告を行う役割を分けて理解することが大切である。

裁判所法61条の2は,家庭裁判所調査官の職務を定め,その職務について裁判官の命令に従うとしている。
調査官が事情を調べて意見を述べることと,裁判官が審判等の判断をすることは区別する必要がある。

2 役職の説明と個別事件の調査の説明

首席,次席,総括主任及び主任という役職は,指導監督や組織運営を理解するための区分である。
個別事件でどのような面接や調査が行われ,その結果がどのように報告されるかは,別に確認する必要がある。
役職と家庭審議官の違いについては,家庭裁判所調査官の役職を参照されたい。

調査事務の監督や関係機関との連絡調整等を担う首席の役割は,首席家庭裁判所調査官の職務で説明している。
調査官一般の仕事内容と,首席による部門の指導監督・組織運営を区別して読むと,役割を整理しやすい。

本記事は,令和8年10月7日までに確認した法令及び裁判所の公開資料を基に,調査の基本的な役割,調査官補の採用と養成,調査報告書及び当事者が事情を伝える際の整理方法を扱う。
具体的な調査対象,方法及び日程は,各事件で確認する必要がある。

3 採用後の養成課程と調査官の専門性

裁判所の職務案内によれば,家庭裁判所調査官になるには,裁判所職員採用総合職試験(家庭裁判所調査官補)によって採用された後,養成課程で必要な知識と技能を修得する。
裁判所の養成課程の案内は,採用後約2年間,行動科学と法律の理論及び実務を学び,修了後に家庭裁判所調査官に任命されると説明している。

養成課程には,裁判所職員総合研修所での合同研修と,所属庁で指導を受けながら事件の調査に当たる実務修習がある。
採用試験の受験資格や日程は,受験年度の裁判所職員採用試験情報で確認されたい。
研修機関の組織と養成課程については,裁判所職員総合研修所の組織,研修内容及び沿革で,過去の採用広報資料については,採用案内パンフレット及び家庭裁判所調査官リーフレットで扱っている。

家庭裁判所調査官補の総合職試験について,院卒者区分・大卒程度区分の受験資格,専門科目及び日程は,裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用までを参照されたい。
最終合格後の名簿,勤務地の決定,採用及び採用後の養成の関係は,裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れで説明している。採用試験の合格と,養成課程修了後の家庭裁判所調査官への任命は別の段階である。

受験資格,専門記述の選択,令和8年度の倍率,初任給の例及び全国異動の説明は,家庭裁判所調査官になるにはを参照されたい。

第2 家事事件における調査
1 当事者や子どもの事情と関係機関との連携

裁判所の職務案内によれば,家事事件では,当事者や子どもとの面接により紛争の原因・背景を調べ,必要に応じて社会福祉・医療等の関係機関と連絡・調整を行いながら,解決方法を検討する。

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裁判所の退職準備等説明会―最高裁・大阪高裁等の不開示と答申,東京高裁の令和元年10月30日の配布資料(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象2 結論の要旨第2 最高裁判所に対する開示の申出(令和元年~令和2年)1 開示の申出と不開示2 理由説明書3 答申(令和2年度(最情)答申第32号)第3 下級裁判所に対する開示の申出(令和2年~令和4年)1 大阪地方裁判所と大阪高等裁判所2 大阪高等裁判所の不開示に対する苦情と理由説明書3 答申(令和4年度(情)答申第8号)4 東京高等裁判所第4 東京高等裁判所の令和元年10月30日の説明会の資料1 資料の構成2 早期退職募集制度の説明3 再任用と再就職規制の説明第5 資料を読む際の留意点第6 関連記事第7 出典1 法令2 開示関係文書3 説明会の資料4 裁判所HPに掲載された答申書
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象

本記事は,裁判所で退職を控えた職員向けに開かれる「退職準備等説明会」について,最高裁判所,大阪地方裁判所,大阪高等裁判所及び東京高等裁判所に対して配布資料の開示を申し出た経過と,当ブログに掲載している東京高等裁判所の令和元年10月30日の説明会の資料の内容を整理するものである。
いずれの文書も,当ブログに掲載しているPDF(第7の2・3)又は裁判所HPに掲載された答申書(第7の4)で確認したものである。

2 結論の要旨

①最高裁判所は,裁判官を対象とした退職準備等説明会は実施しておらず,最高裁判所では裁判官以外の職員を対象とした説明会も実施していないと説明し,情報公開・個人情報保護審査委員会もその説明を不合理とはいえないとした(令和2年度(最情)答申第32号)。
②同委員会は,裁判官の定年退職の日は生年月日により定まるもので,多くの者が一時に退職することは想定し難いことも踏まえて,裁判官を対象とした説明会を実施していないとの説明を不合理とはいえないとしている。
③大阪高等裁判所は,少なくとも直近の数年間は裁判官を含む裁判所職員を対象とした説明会を実施しておらず,それ以前の実施状況も不明であるとして,配付資料は存在しないとした(令和4年度(情)答申第8号で妥当)。
④説明会の実施の要否は各庁の判断に委ねられており,最高裁判所が概算要求で経費を要求していても,各庁で必ず実施されるものではないとされている。
⑤東京高等裁判所の令和元年10月30日の説明会の資料は,退職手当と税金,早期退職募集制度,再任用制度と再就職規制,資産運用,共済組合の医療保険と年金を内容としている。

第2 最高裁判所に対する開示の申出(令和元年~令和2年)
1 開示の申出と不開示

令和元年11月12日付で,次の2件の開示を申し出た。
①裁判官向けの,退職準備等説明会における配布資料(最新版)
②裁判所の一般職向けの,退職準備等説明会における配布資料(最新版)

最高裁判所事務総長は,令和元年12月5日付で,いずれも作成又は取得していないとして不開示とした。

2 理由説明書

苦情の申出(令和2年1月8日受付)について,最高裁判所は,令和2年2月7日付で,対応の準備等に時間を要しているため30日以内に諮問できないと通知した上,同年3月9日に情報公開・個人情報保護審査委員会に諮問した(令和元年度(最情)諮問第61号)。

同日付の理由説明書は,①を「裁判官を対象とした退職準備等説明会で配布した資料(最新版)」と整理し,裁判官を対象とした退職準備等説明会は実施していないので,対象文書は作成又は取得していないと説明している。
②については「裁判官以外の裁判所職員を対象とした退職準備等説明会で配布した資料(最新版)」と整理し,最高裁判所において裁判官以外の裁判所職員を対象とした退職準備等説明会は実施しておらず,下級裁判所における同説明会の配布資料も取得していないと説明している。

3 答申(令和2年度(最情)答申第32号)

同委員会は,令和2年11月26日,令和2年度(最情)答申第32号で,原判断を妥当とした。

①について,答申は,裁判官の定年退職の日は当該裁判官の生年月日により定まるものであることからも(日本国憲法79条5項,80条1項,裁判所法50条参照),多くの者が一時に退職することは想定し難いことも踏まえれば,裁判官を対象とした説明会は実施していないとの説明は不合理とはいえないとしている。
②について,答申は,同委員会の庶務を通じて確認した結果によれば,最高裁判所において退職する職員は多くないことが認められ,下級裁判所の同説明会の実施はそれぞれの下級裁判所に委ねられ,最高裁判所においてその状況を掌握する必要があるものとは推察されないとして,説明は不合理とはいえないとしている。

最高裁判所事務総長は,令和2年12月25日付の苦情対応通知で,この答申を受けたことを踏まえ,不開示の判断を相当と通知した。

第3 下級裁判所に対する開示の申出(令和2年~令和4年)
1 大阪地方裁判所と大阪高等裁判所

令和2年12月6日付で,大阪地方裁判所と大阪高等裁判所に対し,次の2件の開示を申し出た。
①裁判官を対象とした退職準備等説明会における配付資料(最新版)

(続きを読む...)裁判所の退職準備等説明会―最高裁・大阪高裁等の不開示と答申,東京高裁の令和元年10月30日の配布資料(AI作成)

最高裁判所の令和7年度自庁研修結果報告書―自庁研修,他省庁研修への派遣,民間のIT研修及び費用(AI作成)

目次第1 令和7年度自庁研修結果報告書の概要1 資料の性質と確認範囲2 局課等別の件数,延べ人数及び費用3 研修の法的な位置付け第2 最高裁判所が自ら実施した研修(自庁研修)1 7つの自庁研修2 研修目的の記載第3 他の機関の研修への派遣(委託研修)1 人事院公務員研修所の行政研修等2 人事院人材局のセミナー3 会計・予算・決算の研修4 デジタル庁,総務省統計研究研修所等の研修5 行政管理研究センター,人事行政研究所及び国立公文書館の研修6 税務大学校本科特別研修第4 経理局の研修1 安全運転管理者講習2 予算・決算・旅費のシステム研修3 施設担当職員の建築・設備研修第5 デジタル総合政策室の民間IT研修1 27件,約400万円2 研修の内容第6 裁判所職員総合研修所の民間セミナー受講1 13件の受講と活用目的2 研修目的の欄から分かること第7 最高裁判所図書館の研修第8 報告書から分かること・分からないこと1 分かること2 分からないこと第9 情報公開請求で入手・利用するときの注意第10 関連資料・関連記事1 過去の自庁研修結果報告書等2 関連記事第11 出典1 提供資料2 法令3 その他
第1 令和7年度自庁研修結果報告書の概要
1 資料の性質と確認範囲

本記事は,最高裁判所の「(別紙様式)令和7年度 自庁研修結果報告書(最高裁判所)」(全14頁)を読み,最高裁判所に勤務する職員が令和7年度(令和7年4月から令和8年3月まで)に受けた研修の内容,人数及び費用を整理するものである。
資料は,令和7年度自庁研修結果報告書(最高裁判所)として本ブログに掲載している。
各頁の右上には「【機密性2】」と表示されているが,14頁の全部を確認した範囲では,黒塗りの部分は見当たらない。
本記事の基準日は令和8年10月6日であり,法令の条文はe-Gov法令検索で同日に確認した。

報告書は表計算ソフトの様式を印刷したものであり,各頁の右上の「局課等」欄で,次の6つの区分に分かれている。
①最高裁判所(自庁研修)(1頁)
②最高裁判所(委託研修)(2頁~7頁)
③経理局(8頁~9頁)
④デジタル総合政策室(10頁~11頁)
⑤裁判所職員総合研修所(12頁~13頁)
⑥最高裁判所図書館(14頁)

各行には,研修名,研修目的,人数,実施月,期間,委託先,備考,諸謝金及び職員旅費の欄がある。
研修目的の欄の見出しには,赤字で「研修名から当該研修の目的が明確なものについては、記載を省略して差し支えない。」と注記されており,報告書が一定の様式に従って各局課等から集められたものであることがうかがわれる。

2 局課等別の件数,延べ人数及び費用

報告書には合計欄がない。
そこで,本記事では全147行を1行ずつ読み取り,局課等ごとに件数,人数,諸謝金及び職員旅費を合計した。
人数は研修ごとの参加人数を足したものであり,同じ職員が複数の研修に参加した場合も重複して数えている(延べ人数)。

区分(報告書の頁)件数延べ人数諸謝金職員旅費自庁研修(1頁)7件680人38,100円0円委託研修(2頁~7頁)68件1,683人166,900円1,147,258円経理局(8頁~9頁)25件37人873,643円274,394円デジタル総合政策室(10頁~11頁)27件47人3,998,500円29,986円裁判所職員総合研修所(12頁~13頁)13件13人626,100円0円最高裁判所図書館(14頁)7件28人0円0円合計147件2,488人5,703,243円1,451,638円

諸謝金と職員旅費を合わせると715万4881円である。
このうち約56%(399万8500円)はデジタル総合政策室の諸謝金であり,金額の面では,デジタル総合政策室が民間の研修会社に支払った受講料と見られるもの(第5)が最も大きい。
他方,人数の面では,人事院が主催するオンラインのセミナー(第3の2)と,最高裁判所が自ら行う研修(第2)が大部分を占める。
もっとも,これらの合計は本記事で集計した値であり,報告書自体に記載された数値ではない。

3 研修の法的な位置付け

裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の任免,能率等に関する事項については,裁判所職員臨時措置法により,国家公務員法の規定が準用されている。
その際,「人事院」及び「内閣総理大臣」は「最高裁判所」と読み替えられ,国家公務員法70条の6第1項の「研修(人事院にあつては第一号に掲げる観点から行う研修とし、内閣総理大臣にあつては第二号に掲げる観点から行う研修とし、関係庁の長にあつては第三号に掲げる観点から行う研修とする。)」は,単に「研修」と読み替えられている(同項各号は準用の対象から除かれている。)。

国家公務員法70条の5第1項は,研修の根本基準として,「研修は、職員に現在就いている官職又は将来就くことが見込まれる官職の職務の遂行に必要な知識及び技能を習得させ、並びに職員の能力及び資質を向上させることを目的とするものでなければならない。」と定めている。
同法70条の6第1項は,研修について計画を樹立し,その実施に努めなければならないとしている。

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最高裁判所のテレワーク試行要領―対象職員,試行場所,週1日程度の目途,職務専念義務及び費用負担(AI作成)

目次第1 本記事の対象と資料の性質1 対象とする資料2 作成日,黒塗り及び表示3 本記事での区別第2 要領の構成第3 試行の枠組み1 定義と職務命令2 対象職員3 試行場所4 検証事項と週1日程度の目途5 勤務環境と移動時間第4 試行の手続1 申請と承認2 開始・終了の報告と確認第5 業務管理1 職務専念義務2 上司による執務状況の把握3 超過勤務第6 情報の取扱い第7 給与と費用負担1 通勤手当2 通信費用等の本人負担と在宅勤務等手当3 テレワーク試行担当者第8 別紙の内容1 別紙1(検証事項)2 別紙2(チェックリスト)3 別紙3(申請・報告簿)第9 法務省・検察庁の定めとの比較第10 実務上の示唆1 裁判所職員と民間の労働者の違い2 民間企業のテレワーク規程を作るときに参考になる点第11 関連記事第12 出典
第1 本記事の対象と資料の性質
1 対象とする資料

本記事は,最高裁判所におけるテレワーク試行要領(令和8年8月の開示文書)(PDF7頁)を読み,法令その他の公表資料と照合した結果を整理するものである。
基準日は令和8年10月5日である。

PDFの構成は,次のとおりである。
①1頁~4頁 本文(第1 目的~第6 その他)
②5頁 別紙1「最高裁テレワーク試行検証事項」
③6頁 別紙2「自宅等においてテレワークを行う際のチェックリスト」
④7頁 別紙3「テレワーク実施申請・報告簿」

2 作成日,黒塗り及び表示

要領には,作成日,施行日及び作成者の表示がない。
別紙3の記載例には「R6.4.8」,「R6.4.10」等の日付が入っているから,令和6年4月頃の運用を念頭に置いて作られた様式であると考えられる。
もっとも,記載例の日付から要領の制定日を特定することはできない。

本文第2の2の対象職員の定めのうち,職員が使う端末に入れるソフトウェアの名称に当たる部分(2か所)は黒塗りである。
本記事は,黒塗りの部分の内容を推測しない。
別紙1の右上には「機密性2」の表示がある。

3 本記事での区別

本記事では,次の三つを区別して書く。
①要領に書いてあること(頁又は項目を示す。)
②法令,人事院・厚生労働省の公表資料,法務省及び検察庁の開示文書で確認したこと(出典を示す。)
③それらを踏まえた本記事の評価(「考えられる」,「本記事では~と整理する」等と書く。)

本記事は,裁判例を取り上げていない。

第2 要領の構成
項目主な内容第1 目的最高裁判所におけるテレワークの試行及び運用に関する事項を定める第2 試行の枠組み等定義,対象職員,試行場所,検証事項と週1日程度の目途,環境整備,移動時間第3 試行手続前日までの申請,上司の承認,開始・終了の報告,通信障害時の連絡第4 業務管理等職務専念義務,上司による執務状況の把握,超過勤務(午後8時まで)第5 情報の取扱い等個人情報・情報セキュリティの定めの遵守,公衆回線の不使用,機密性2以上の情報の扱い,インシデントの連絡第6 その他通勤手当への影響,通信費用等の本人負担,テレワーク試行担当者別紙1~3検証事項,作業環境のチェックリスト,申請・報告簿
第3 試行の枠組み
1 定義と職務命令

要領は,テレワークを,職員がICTを活用して,試行場所(自宅等)において「通常の勤務官署における勤務と同等の職務を遂行する勤務形態」と定義している(第2の1(1)。1頁)。
テレワークは「職務命令に基づき試行する」ものであり(同(2)),勤務官署における勤務と「同等の質、量」が確保される必要があるとされる(同(3))。

2 対象職員

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裁判所職員総合研修所とは―養成課程・入所試験・寮・司法研修所との違い(AI作成)

目次

第1 裁判所職員総合研修所の位置付け1 裁判所職員総合研修所とは何か2 司法研修所との違い第2 総研が行う養成,研修及び研究1 裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の養成2 その他の職員研修及び専門研究第3 裁判所書記官養成課程1 書記官の養成には何年かかるか2 職員採用試験と総研入所試験は同じか3 教科目及び実務修習4 修了判定及び追試験第4 家庭裁判所調査官養成課程1 採用後約2年間の養成2 教科目及び実務修習第5 総研の組織及び施設1 三つの研修部2 事務局の五課3 所在地・施設・アクセス4 総研の寮費と司法修習生の入寮資料第6 裁判所職員総合研修所の沿革1 昭和25年の裁判所書記官研修所設置2 昭和32年の家庭裁判所調査官研修所設置3 平成16年の統合第7 統合の目的と専門性の維持1 職種間の相互理解及び連携2 専門性が弱まるとの懸念に対する制度上の回答3 統合後の共同研修と経費に関する国会答弁第8 創立20周年時点の規模及び関連記事1 令和6年4月時点の養成課程修了者2 歴代所長に関する資料第9 出典・参考資料1 法令・最高裁判所規程2 国会提出法案・国会会議録3 最高裁判所の公式説明・広報4 関連記事
第1 裁判所職員総合研修所の位置付け
1 裁判所職員総合研修所とは何か

裁判所職員総合研修所は,裁判官以外の裁判所職員の研究及び修養を担当するため,最高裁判所に置かれている研修機関である。
裁判所法14条の2が設置の根拠であり,裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の養成,その他の裁判所職員に対する研修並びに裁判所書記官実務及び家庭裁判所調査官実務に関する研究を行っている。

書記官を目指す経路と研修期間を調べる場合は,第3の1,採用試験と入所試験の違いは第3の2を参照されたい。
仕事内容や国家公務員としての身分から確認する場合は,裁判所書記官とはで全体像を確認できる。

同研修所は一般に「総研」と呼ばれ,英語名は「Training and Research Institute for Court Officials」である。
本記事では,令和8年8月28日現在の法令,最高裁判所規程,最高裁判所の公式説明及び国会会議録に基づき,総研の制度,養成課程及び沿革を整理する。

2 司法研修所との違い

裁判所法14条に基づく司法研修所は,裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習を担当する。
これに対し,裁判所法14条の2に基づく総研は,裁判官以外の裁判所職員を対象とするため,両者は法律上の対象者が異なる。

したがって,総研は司法修習生の修習を行う司法研修所とは別の機関である。
もっとも,両研修所は埼玉県和光市で隣接しており,裁判官,裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の連携を図る研修も行われてきた。

総研と司法研修所は,所在地が近接していても,対象者と担当する養成・研修が異なる。
書記官・家裁調査官の養成と,司法試験合格後の司法修習を同じ課程として扱うことはできない。

比較項目裁判所職員総合研修所司法研修所主な対象裁判官以外の裁判所職員裁判官及び司法修習生養成・修習書記官及び家庭裁判所調査官の養成等裁判官・検察官・弁護士となるための司法修習等寮の資料の確認職員向けの案内と,司法修習生に総研寮を割り当てた通知例を区別するいずみ寮・ひかり寮等の割当先と,対象期の入寮通知を確認する

司法修習生に総研寮が割り当てられた資料もあるため,機関の違いだけから宿泊者の範囲を断定することもできない。
具体的な寮と費用の読み分けは第5の4を参照されたい。

第2 総研が行う養成,研修及び研究
1 裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の養成

裁判所職員総合研修所規程は,裁判所書記官養成課程第一部,同第二部及び家庭裁判所調査官養成課程を定めている。
裁判所法14条の2は「研究及び修養」と規定しているが,平成16年の国会審議では,この表現が養成と研修を含む包括的な用語であると説明されており,最高裁判所規程は各養成課程の入所,期間,実務修習及び修了を具体化している。

総研への入所は,一般の大学又は専門学校への入学とは異なる。
裁判所書記官養成課程は裁判所職員の中から入所試験等を経て入所者が指定され,家庭裁判所調査官養成課程は家庭裁判所調査官補として採用された者を対象とする職員養成制度である。

裁判所職員として採用される前の受験資格,試験区分,科目及び日程は,裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用までを,最終合格から名簿登載,推薦及び採用に至る手続は,裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れを参照されたい。
職員採用試験と,採用後の総研入所試験・養成課程を区別して確認する必要がある。

2 その他の職員研修及び専門研究

最高裁判所の「養成及び研修・研究」によれば,総研は,全国の裁判所で勤務する裁判官以外の職員に対し,経験年数,役割又は担当分野に応じた研修を実施している。
研修方法には,受講者が総研等へ集まる集合型のほか,ウェブ会議等を利用するリモート型がある。

総研は,裁判所書記官実務及び家庭裁判所調査官実務に関する研究も行っている。

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非常勤裁判官(民事調停官及び家事調停官)―任命,権限及び調停委員との違い(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

第2 非常勤裁判官と調停委員の違い

第3 制度の沿革

1 平成15年改正による創設

2 家事調停官の根拠規定の移管

第4 任命資格,任命権者及び任期

第5 権限

1 民事調停官の権限

2 家事調停官の権限

3 独立してその職権を行う旨の規定

第6 身分保障並びに除斥及び忌避

第7 手当その他の給付

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家庭裁判所の参与員――役割,選任,権限及び裁判官との関係(AI作成)

第1 家庭裁判所の参与員とは

1 裁判官に意見を述べる非常勤の裁判所職員

2 家事審判と人事訴訟では関与の仕組みが異なる

第2 家事審判における参与員の役割

1 意見聴取,期日への立会い及び質問

2 実際に関与し得る事件

第3 人事訴訟における参与員の役割

1 離婚訴訟等の審理及び和解への関与

2 先行する家事調停の調停委員との関係

第4 参与員の選任,資格及び身分

1 候補者の選任と事件ごとの指定

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簡易裁判所の司法委員―役割,選任,忌避及び関連裁判例(AI作成)

目次第1 司法委員制度の位置付け1 司法委員とは何か2 裁判官との違い第2 候補者の選任,事件指定及び身分1 候補者の選任と事件ごとの指定2 資格,欠格事由及び候補者数基準の改正3 秘密保持と候補者名簿第3 司法委員の職務と実務上の関与方法1 和解の補助2 審理への立会いと直接の発問3 二つの活用方式第4 調停委員,専門委員及び鑑定人との違い1 制度ごとの役割2 当事者の関与と手続保障第5 候補者数と最新の利用統計1 候補者数2 令和7年の関与件数3 統計の読み方第6 忌避,非公開協議及び国籍要件1 司法委員に対する忌避2 意見聴取と非公開協議3 国籍要件をめぐる対立第7 和解関与に関する裁判例1 和解内容の了解が争われた事例2 法律相談の勧奨と消滅時効の援用3 訴訟代理人の和解権限が争われた事例第8 制度上の到達点と現在の課題1 国民参加と裁判官補助の両面2 令和9年改正とデジタル化第9 出典1 法令,規則及び立法資料2 裁判例3 司法行政資料及び統計4 書籍,論文及びウェブ資料
第1 司法委員制度の位置付け
1 司法委員とは何か

司法委員は,簡易裁判所の民事訴訟において,裁判所が和解を試みるために必要な補助をし,又は審理に立ち会って事件について意見を述べる者である。民事訴訟法279条1項は,「裁判所は,必要があると認めるときは,司法委員に和解を試みるについて必要な補助をさせ,又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。」と定めている。

司法委員制度は,国民の健全な良識,社会経験又は専門的知見を簡易裁判所の審理と和解に反映させる国民の司法参加制度である。昭和23年法律第149号により旧民事訴訟法358条ノ4及び358条ノ5として創設され,第2回国会では,民間人に和解を補助させ,審理に立ち会わせて意見を聴く新制度として説明された。

2 裁判官との違い

司法委員は裁判体の構成員ではなく,判決をする権限を持たない。司法委員の意見は裁判官の判断材料にはなるが,裁判所はその意見に拘束されず,専門家である司法委員の意見も鑑定意見として当然に証拠となるものではない。

また,司法委員を関与させるか,どの候補者を指定するかは裁判所が決める。現行法には,当事者が司法委員の関与を請求する権利,又は関与を一般的に拒否する権利を定めた明文はない。

第2 候補者の選任,事件指定及び身分
1 候補者の選任と事件ごとの指定

民事訴訟法279条2項及び3項によれば,各事件について一人以上の司法委員が指定され,指定は,地方裁判所が毎年あらかじめ選任した「司法委員となるべき者」の中から簡易裁判所が行う。地方裁判所による候補者の選任と,簡易裁判所による特定事件への指定は,別の段階である。

候補者名簿に載っただけの者は,まだ裁判所職員でも国家公務員でもない。特定事件について指定された時点で,その事件に限り非常勤の裁判所職員たる国家公務員となり,事件の終了によってその身分を失う。

2 資格,欠格事由及び候補者数基準の改正

司法委員規則1条は,候補者を「良識のある者その他適当と認められる者」から選任すると定める。法律実務家に限られず,会社員,家事従事者その他各界の者がなり得る一方,事件の性質に応じて弁護士,建築士等の専門家が指定されることもある。

同規則2条の欠格事由は,拘禁刑以上の刑に処せられた者,公務員として懲戒免職を受けてから2年未満の者,弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた裁判官及び弁護士として除名されてから3年未満の者である。地方裁判所は,選任に当たり,管内簡易裁判所の司法行政事務を掌理する裁判官の意見を聴かなければならない(同規則4条)。

令和8年12月31日までは,一つの簡易裁判所につき10人以上の候補者を選任するのが規則上の基準である。令和9年1月1日からは,地方裁判所の管轄区域内の年間民事事件数,指定実績その他の事情を考慮して最高裁判所が定める数以上とする実需連動型の基準に変わる(最高裁判所規則令和8年第6号)。

3 秘密保持と候補者名簿

事件について指定された司法委員は,国家公務員法100条の秘密を守る義務を負い,その義務は事件終了後も続く。最高裁判所事務総局『司法委員の手引』(令和5年11月)3頁~5頁は,記録,写し及び電子データを原則として庁外に持ち出さず,私物のパソコン等に記録しない取扱いを示している。

他方,令和4年度(最情)答申第17号は,候補者は事件指定前には裁判所職員の身分を持たないことを理由の一つとして,候補者名簿の氏名を不開示とする判断を妥当とした。候補者と,特定事件に指定された司法委員との身分の違いは,情報公開の場面でも実際上の意味を持つ。

第3 司法委員の職務と実務上の関与方法
1 和解の補助

司法委員は,当事者双方の話を聴き,意向を取り次ぎ,解決案や和解条項を検討するなどして和解を補助する。裁判官が基本方針を示した上で一時的に退席し,司法委員が当事者と話合いを進める運用もあるが,和解は当事者の自主的意思に基づくものであり,司法委員が威圧的又は強制的に説得することは許されない。

司法委員は,事実関係,証拠の評価,因果関係,損害額,過失相殺,法律問題,事件の結論又は和解条項について意見を述べ得る。もっとも,その役割は裁判官を補助することにあり,裁判官と異なる結論を述べても,裁判所を拘束しない。

2 審理への立会いと直接の発問

司法委員は審理に立ち会い,裁判官の許可を得て,証人,当事者本人又は鑑定人に直接問いを発することができる(民事訴訟規則172条)。これは司法委員に独立の尋問権を与えるものではなく,質問を許すかどうかは裁判官が判断する。

司法委員が審理に立ち会ったこと及び質問をしたことは調書に記載される。これに対し,司法委員が裁判官に述べた意見の内容は,通常,評議に類するものとして当事者のいないところで聴かれ,調書に記載されないと説明されている。

3 二つの活用方式

「開廷日立会方式」は,特定の開廷日に当たる候補者を指定し,その日の事件に立ち会わせて,必要な事件で直ちに和解を試みられるようにする方式である。「事件指定方式」は,専門知識を要する事件,交通損害賠償事件,労働事件又は少額訴訟等について,候補者の経験や専門性を考慮し,事件ごとに指定する方式である。

事件指定方式では,司法委員が事前に記録を検討し,裁判官と打合せをすることがある。このため,記録管理,事件との利害関係及び当事者から見た中立性の確保が重要となる。

第4 調停委員,専門委員及び鑑定人との違い

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調停委員とは―役割・資格・権限と裁判官・調停官との違い(AI作成)

第1 この記事の対象と調停委員の基本的な役割

1 この記事が扱う範囲

2 調停委員は判定者でも単なる聞き役でもないこと

3 調停委員は公務員ですか

4 調停委員の給与はいくらですか

5 調停委員になれる人はどのような人ですか

6 裁判官・調停官とは何が違いますか

第2 法的地位,任命及び調停委員会

1 任命資格,任期及び非常勤職員としての地位

2 民事調停と家事調停の委員会構成

3 除斥があり忌避申立てはないこと

第3 期日前の準備

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非常勤裁判官(民事調停官及び家事調停官)の名簿

目次
第1 平成28年度以降の名簿
1 民事調停官及び家事調停官の採用決定者名簿
2 民事調停官及び家事調停官の再任者名簿
第2 平成27年度までの名簿
1 民事調停官
2 家事調停官
第3 民事調停官又は家事調停官を退官した弁護士が再び採用を希望した場合の裁判所の対応が分かる文書は存在しないこと
第4 関連記事その他
第1 平成28年度以降の名簿
1 民事調停官及び家事調停官の採用決定者名簿
・ 調停官採用決定者名簿(令和 7年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(令和 6年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(令和 5年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(令和 4年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(令和 3年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(令和 2年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(令和 元年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(平成30年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(平成29年10月1日発令分)
・ 調停官採用決定者名簿(平成28年10月1日発令分)

民事・家事調停官採用選考申込書を添付しています。 pic.twitter.com/4y7mDBDz6M

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 8, 2020

2 民事調停官及び家事調停官の再任者名簿
・ 調停官再任者名簿(令和 7年10月1日発令分)
・ 調停官再任者名簿(令和 6年10月1日発令分)
・ 調停官再任者名簿(令和 5年10月1日発令分)
・ 調停官再任者名簿(令和 4年10月1日発令分)

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