目次第1 名簿から読み取れる海外留学先の全体像1 対象期間と結論2 「命令行」は実際の渡航人数とは異なる第2 国別分布と年度別の変化1 国別の合計と令和7年度2 年度別の既知行と米国の行数3 研究期間の記載第3 大学・センター名の反復と表記上の注意1 繰り返し現れる研究先2 「ワシントン大学」を一括しない理由第4 令和7年度に読める研究先と黒塗り欄1 機関名を明記する12行2 黒塗り3欄を含めた比率の扱い第5 大学での研究と司法実務の研究は併存する1 名簿の記載粒度と活動内容を分ける2 大学と司法実務先を組み合わせる例第6 令和8年選考通知の派遣先との違い1 通知の年と派遣開始年2 「近年の主な派遣先」は固定リストではない第7 学位・研究言語・専門分野の読み方1 全員の修士号取得を意味しない2 派遣国の公用語と研究言語は同じとは限らない3 ルーベンの大学名だけで課程や滞在都市を決めない第8 人気・能力・昇進に関して名簿から分からないこと第9 資料を利用する際の確認事項と関連記事第10 出典1 年度別名簿・通知の該当頁2 研究先の機関説明と個人の経験
第1 名簿から読み取れる海外留学先の全体像
1 対象期間と結論
判事補の海外留学先には,米国の大学や司法実務先を中心に,英国,ドイツ,フランス,カナダ,オーストラリア及びベルギーが現れる。
本記事は,平成27年度から令和7年度までのうち名簿を確認できた10資料年度について,官職を判事補と読める海外研究の命令314行を集計したものである。
米国は190行で,国を判読できる行の60.5%を占めるが,大学名が明記されない行も多いため,完全な大学別ランキングにはならない。
集計の基準日は令和8年10月7日である。
制度・応募資格・予算・費用償還の全体像は,判事補の海外留学状況で説明し,本記事では国・研究先・予定期間と資料の読み方を扱う。
2 「命令行」は実際の渡航人数とは異なる
集計単位は名簿で判読できる海外研究の命令行であり,出国又は修了を確認した人数ではない。
複数年度を通じて同じ人を数え直していないことや,追加・変更命令を除いた全期間の人数を確認したものでもないため,314人の実渡航者がいたと読み替えてはならない。
黒塗り4欄は国・官職・期間等を確認できないものとして別に数え,国別・期間別集計には加えていない。
令和4年度の名簿にある「判事」1行は,判事補の集計から除いた。
令和3年度から令和6年度までの資料に含まれる一般職又は書記官の別表も対象外である。
令和2年度は対象文書を作成・取得していない旨の通知しか確認できず,派遣0人とする年ではない。
各資料は本ブログ掲載の文書写し・抜粋であり,公式ドメイン上の原本との同一性及び全命令の網羅性を独立に認証したものではない。
第2 国別分布と年度別の変化
1 国別の合計と令和7年度
次表の単位は命令行である。
割合の分母は国を判読できる314行とし,小数第2位を四捨五入して小数第1位まで示した。
令和7年度の黒塗り3欄は,右端の国別内訳には含めていない。
国10資料年度の行数既知行に占める割合令和7年度米国19060.5%13英国4414.0%3ドイツ258.0%3フランス123.8%2カナダ185.7%2オーストラリア154.8%1ベルギー103.2%1合計314100%25
米国が最も多いことは,開示済み命令の分布として確認できる。
しかし,この表には応募者の希望,選考倍率,受入枠又は辞退者の情報がなく,米国又は特定大学の人気や希望の通りやすさを示すものではない。
2 年度別の既知行と米国の行数
平成27年度から平成31年度までは既知行が35~38,令和3年度から令和7年度までは24~29である。
後の資料群の掲載行が少ないことは分かるが,資料範囲や非開示,追加・変更命令,実際の出国との違いがあるため,予算削減,希望者の減少又は感染症対策を原因として確定することはできない。
年度既知行黒塗り欄米国の行原資料平成2738023名簿平成2837022名簿平成2936022名簿平成3036022名簿平成3135020名簿令和2欠測不明不明通知令和324116名簿令和429017名簿令和528018名簿令和626017名簿令和725313名簿
3 研究期間の記載
予定期間を約1年と読める行は244,約2年と読める行は70である。