その他裁判所関係

令和2年度実務協議会(冬季)

1 令和3年2月5日に開催された,令和2年度実務協議会(冬季)の資料を以下のとおり分割掲載しています。
① 出席者名簿
② 日程表
③ 民事・行政事件の現状と課題
④ 刑事裁判の現状と課題
⑤ 参考統計表
⑥ 裁判員裁判の実施状況について(制度施行~令和2年10月末・速報)
⑦ 家庭裁判所の現状と課題
⑧ 最高裁判所経理局作成資料
⑨ 裁判所職員総合研修所の概要

2 実務協議会というのは,新たに地方裁判所長,家庭裁判所長又は高等裁判所事務局長を命ぜられた者を対象に,年に2回開催されている研修です(「裁判官研修実施計画」参照)。

3 最高裁判所人事局が作成した資料はなぜかありません。

4 令和2年度実務協議会(冬季)に関する資料として一本化しています。

5 過年度の実務協議会に関する資料は「歴代の最高裁判所事務総長」に掲載しています。

外務省国際法局長経験のある最高裁判所判事

目次
第1 外務省国際法局長経験のある,歴代の最高裁判所判事(新しい順)
9 長嶺安政最高裁判所判事(令和3年2月8日任命・令和6年4月15日限り定年退官予定)
8 林景一最高裁判所判事(平成29年4月10日任命・令和3年2月7日限り定年退官)
7 竹内行夫最高裁判所判事(平成20年10月21日任命・平成25年7月19日限り定年退官)
6 福田博最高裁判所判事(平成7年9月4日任命・平成17年8月1日限り定年退官)
5 中島敏次郎最高裁判所判事(平成2年1月24日任命・平成7年9月1日限り定年退官)
4 高島益郎最高裁判所判事(昭和59年12月17日任命・昭和63年5月2日死亡退官)
3 藤崎萬里最高裁判所判事(昭和52年4月5日任命・昭和59年12月15日限り定年退官)
2 下田武三最高裁判所判事(昭和46年1月12日任命・昭和52年4月2日限り定年退官)
1 栗山茂最高裁判所判事(昭和22年8月4日任命・昭和31年10月5日限り定年退官)
第2 2012年以降の外務省国際法局長(着任順)
1 兼原信克(昭和56年入省)
2 石井正文(昭和55年入省)
3 秋葉剛男(昭和57年入省)
4 斎木尚子(昭和57年入省)
5 三上正裕(昭和61年入省)
6 岡野正敬(昭和62年入省)
第3 外務省国際法局長経験者枠での次の最高裁判所判事
第4 外務省国際法局の組織
第5 関連記事その他

第1 外務省国際法局長経験のある,歴代の最高裁判所判事(新しい順)

・ 外務省国際法局長経験のある最高裁判所判事は,着任日の新しい順に以下のとおりです。
9 長嶺安政最高裁判所判事(令和3年2月8日任命・令和6年4月15日限り定年退官予定)
・ 昭和52年に外務省に入省し,平成22年8月20日から平成24年9月10日までの間,外務省国際法局長をしていました。
・ 最高裁判所判事に任命される直前は駐英大使をしていました。
8 林景一最高裁判所判事(平成29年4月10日任命・令和3年2月7日限り定年退官)
・ 昭和49年に外務省に入省し,平成14年9月20日から平成17年8月2日までの間,外務省国際法局長(ただし,平成16年7月31日までは外務省条約局長)をしていました。
・ 最高裁判所判事に任命される直前は駐英大使をしていました。
7 竹内行夫最高裁判所判事(平成20年10月21日任命・平成25年7月19日限り定年退官)
・ 昭和42年に外務省に入省し,平成9年8月1日から平成10年7月28日までの間,外務省条約局長をしていました。
・ 平成17年1月4日に外務事務次官を退任した後,最高裁判所判事に任命される直前は政策研究大学院大学連携教授をしていました。
6 福田博最高裁判所判事(平成7年9月4日任命・平成17年8月1日限り定年退官)
・ 昭和35年に外務省に入省し,平成元年1月27日から平成2年8月31日までの間,外務省条約局長をしていました。
・ 最高裁判所判事に任命される直前は外務審議官(政務担当)をしていました。
・ 中島敏次郎最高裁判所判事の後任は,外務省条約局長経験者である小和田恒国連大使(昭和30年入省。当時の皇太子妃雅子の父親)であると報道されたことがあります
5 中島敏次郎最高裁判所判事(平成2年1月24日任命・平成7年9月1日限り定年退官)
・ 昭和23年に外務省に入省し,昭和51年1月22日から昭和52年9月15日までの間,外務省条約局長をしていました。
・ 最高裁判所判事に任命される直前は駐中国大使をしていました。
4 高島益郎最高裁判所判事(昭和59年12月17日任命・昭和63年5月2日死亡退官)
・ 昭和16年に外務省に入省し,昭和47年1月18日から昭和48年8月7日までの間,外務省条約局長をしていました。
・ 太平洋戦争中,陸軍に召集され,終戦後に北朝鮮で捕虜となり,そのままソ連で抑留生活を送った結果,極寒のために凍傷にかかり,足の小指を失いました。
・ 最高裁判所判事に任命される直前は駐ソ連大使をしていました。
3 藤崎萬里最高裁判所判事(昭和52年4月5日任命・昭和59年12月15日限り定年退官)
・ 昭和12年に外務省に入省し,昭和39年3月19日から昭和42年12月26日までの間,外務省条約局長をしていました。
・ 駐オランダ大使及び駐タイ大使を経験し,最高裁判所判事に任命される直前は海洋開発審議会委員をしていました。
2 下田武三最高裁判所判事(昭和46年1月12日任命・昭和52年4月2日限り定年退官)
・ 昭和6年に外務省に入省し,昭和27年5月30日から昭和32年1月23日までの間,外務省条約局長をしていました。
・ 最高裁判所判事に任命される直前は駐米大使をしていました。
1 栗山茂最高裁判所判事(昭和22年8月4日任命・昭和31年10月5日限り定年退官)
・ 昭和2年8月13日から同年11月25日までの間,外務省条約局長(心得)をしていました。

第2 2012年以降の外務省国際法局長(着任順)
1 兼原信克(昭和56年入省)
・ 平成24年9月から同年12月まで外務省国際法局長をしていました。
・ その後の役人としてのキャリアは内閣官房副長官補(H24.12~)→内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長(H26.1~)→退官(R1.10)です。
2 石井正文(昭和55年入省)
・ 平成25年1月から平成26年7月まで外務省国際法局長をしていました。
・ その後の外務省でのキャリアは,駐ベルギー大使(H26.7.29~)→駐インドネシア大使(H29.3.3~)→退官(R2.10)です。
3 秋葉剛男(昭和57年入省)
・ 平成26年7月から平成27年10月5日まで外務省国際法局長をしていました。
・ その後の外務省でのキャリアは,総合外交政策局長→外務審議官(政務担当)(H28.6.7~)→外務事務次官(H30.1.19~)です。
4 斎木尚子(昭和57年入省)
・ 平成27年10月6日から平成29年7月まで外務省国際法局長をしていました。
・ 日刊ゲンダイに「事務次官の妻を局長に 安倍官邸「外務省人事」に大ブーイング」(2015年9月28日公開)が載っています。
・ その後の外務省でのキャリアは外務省研修所長(H29.7~)→退官(H31.1)です。
5 三上正裕(昭和61年入省)
・ 平成29年7月から令和元年7月まで外務省国際法局長をしていました。
・ その後の外務省でのキャリアは駐カンボジア大使(R2.8~)です。
6 岡野正敬(昭和62年入省)
・ 令和元年7月から外務省国際法局長をしています。

第3 外務省国際法局長経験者枠での次の最高裁判所判事
1 1977年4月に外務省に入省し,2012年9月10日まで外務省国際法局長をしていた長嶺安政(1954.4.16生)は,2021年2月8日に最高裁判所判事となりました。
2(1) 長嶺安政最高裁判所判事が定年退官する2024年4月時点でいえば,秋葉剛男(1958.12.19生),斎木尚子(1958.10.11生),三上正裕(1962.7.10生)及び岡野正敬(1964.6.15生)の4人が外務省国際法局長経験者枠で最高裁判所判事に任命される可能性があることとなります。
(2) 最高裁判所判事としての任期で考えた場合,三上正裕及び岡野正敬は長すぎますから,長嶺安政の後任にはならないと思います。

第4 外務省国際法局の組織
1 外務省組織令12条によれば,外務省国際法局の所掌事務は以下のとおりです。
① 国際法に係る外交政策に関すること。
② 条約その他の国際約束の締結に関すること。
③ 条約その他の国際約束及び確立された国際法規の解釈及び実施に関すること。
④ 日本国政府として処理する必要のある渉外法律事項に関すること。
⑤ 国際司法裁判所、常設仲裁裁判所、国際法委員会及びアジア・アフリカ法律諮問委員会に関すること。
⑥ 第三号及び第五号に掲げるもののほか、条約その他の国際約束(経済の分野に係る事項に関するものに限る。)に基づく紛争解決の処理に関すること。
⑦ 第二号から前号までに掲げるもののほか、条約その他の国際約束及び確立された国際法規並びに日本国政府として処理する必要のある渉外法律事項に関する対外関係事務の処理及び総括に関すること。
2 令和3年4月現在,外務省国際法局には,国際法課,条約課,経済条約課及び経済紛争処理課並びに社会条約官が置かれています(外務省組織令78条)。
3 外務省国際法局に経済紛争処理課が設置されたのは令和2年8月3日です(新日本法規HPの「外務省組織令の一部改正(令和2年7月31日政令第232号 令和2年8月3日から施行)」参照)。
4 外務省国際法局研究序説-政軍関係への影響に注目して-が参考になります。

第5 関連記事その他
1 立命館大学HPに「戦後日本における外務官僚のキャリアパス―誰が幹部になるのか?―」(立命館法学2011年3号)が載っています。
2 以下の記事も参照してください。
 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
 最高裁判所長官任命の閣議書
 高輪1期以降の,裁判官出身の最高裁判所判事

池田知子裁判官(49期)の経歴

生年月日 S44.11.12
出身大学 不明
定年退官発令予定日 R16.11.12
R2.4.1 ~ 京都地裁6民部総括
H31.4.1 ~ R2.3.31 東京高裁11民判事
H27.4.1 ~ H31.3.31 司研民裁教官
H24.4.1 ~ H27.3.31 宇都宮家地裁足利支部判事
H22.4.1 ~ H24.3.31 東京地裁4民判事
H19.3.22 ~ H22.3.31 総研書研部教官
H18.4.1 ~ H19.3.21 札幌家地裁判事補
H16.4.1 ~ H18.3.31 札幌法務局訟務部付
H14.4.1 ~ H16.3.31 さいたま家地裁川越支部判事補
H13.7.18 ~ H14.3.31 さいたま家地裁判事
H11.4.1 ~ H13.7.17 前橋地家裁高崎支部判事補
H9.4.10 ~ H11.3.31 東京地裁判事補

江口和伸裁判官(50期)の経歴

生年月日 S46.8.5
出身大学 不明
定年退官発令予定日 R18.8.5
R3.4.1 ~ 東京高裁8刑判事
H30.4.1 ~ R3.3.31 仙台地裁2刑部総括
H26.4.1 ~ H30.3.31 司研刑裁教官
H23.4.1 ~ H26.3.31 福岡地裁3刑判事
H21.8.1 ~ H23.3.31 東京高裁9刑判事
H17.4.1 ~ H21.7.31 法務省刑事局付
H14.4.1 ~ H17.3.31 水戸地家裁判事補
H13.4.1 ~ H14.3.31 東京地裁判事補
H12.4.1 ~ H13.3.31 本田技研工業(研修)
H10.4.12 ~ H12.3.31 東京地裁判事補

所長等就任記者会見,及び記者会見実施上の一般的な留意事項(最高裁判所の広報ハンドブックからの抜粋)

目次
第1 所長等就任記者会見
第2 記者会見実施上の一般的な留意事項
第3 関連記事

第1 所長等就任記者会見
・ 最高裁判所の広報ハンドブック(平成25年4月)4-4には,「所長等就任記者会見」として以下の記載があります。
    長官や所長が新たに就任した際に,地元報道機関が「人物欄」等に取り上げることがある。これは,地元の人々に裁判所を身近に感じてもらう良い機会でもある。就任記者会見の要請があった場合には,特段の事情のない限り応じるようにすべきである。その準備等において,特に留意すべきと思われる事項等については,次のとおりである。
1 人事の報道発表後,記者クラブの幹事社等と事前に連絡調整をして,できるだけ各社の記者が出席しやすい日時に会見を設定する。場合によっては,所長等がまだ着任しないうちに調整しなければならないこともあることから,所長等ともよく連絡し合う必要がある。
2 所長等の参考にするため,これまでの就任記事を準備したり,直近の話題事項等, 予想される質問事項を用意する。必要に応じて,記者から質問事項を出してもらう。
3 会見のカメラ取材の在り方について,取材要領を作成する。カメラ撮影と録音の要領は,従来の例を参考に検討することになるが,最初の1ないし2問,就任の感想や抱負等に関する応答の間に限る扱いもある。
4 所長の略歴等についての簡潔な資料を用意して,会見開始までに記者に配布する。


第2 記者会見実施上の一般的な留意事項
・ 最高裁判所の広報ハンドブック(平成25年4月)4-5には,「所長等就任記者会見」として以下の記載があります。 
    所長等の就任記者会見(4-4参照)を除き,裁判所においては,一般に記者会見を行うことは多くない。報道機関への情報提供は,資料等の投げ込み,記者レクでほとんどまかなうことができるからである。それだけに記者会見を行うに際しては,その必要性を含め,十分な検討,準備等が必要である。その準備等において,特に留意すべきと思われる事項等については,次のとおりである。また,会見は,裁判所の公式見解等を示す場であることから,所長が行うのが原則であり,必要に応じて,局長,次長等が陪席し,司会進行は,総務課長等が行うのが通常であろう(裁判所内では,裁判所主催で記者会見を行うことが一般的である。)。
    なお,会見の在り方等によっては,大きく報道されることがあり得るので,会見実施に当たっては,上級庁に事前に情報提供等されたい。
1 記者会見の心得
    一般的に記者会見の心得と言われているものを参考に挙げる。これは,広報事務担当者の日常の報道対応の心得にも通じる。
(1) 明確な表現をとる。どちらとも取れるような不明確な表現をとらない。表現が不適切なことから誤報を招くことがある。
(2) 感情的な対応は避ける。感情を害するような質間をされても,これに呼応して感情的な応答をしない。
(3) 責任があることが明らかになった場合には,率直に陳謝するべきである。ただし,責任がない場合やー部しか責任がない場合には,責任回避と受け取られないように注意する必要はあるが,その点を明確に伝えるべきでもある。なお,事実関係の調査中で,裁判所側に責任があるか否かが明らかでない段階で,「事実であるならば」 といった仮定を前提として,陳謝するようなことは,慎むべきである。
(4) 関係者の人権,プライバシーを念頭に置く。特に会見の中で関係者のプライバシー に不用意に触れたりすることのないように注意する。
(5) オフレコは難しい。オフレコは発言を記録せず,公表もしないことである。記者との合意によって成立するが,相当の信頼関係がないと困難である。内容によっては,オフレコにしてほしいと言うこと自体が報道の自由に対する圧力ではないかと受け取られることもある。
(6) 記者会見を行うタイミングを計る。責任者が会見を避けているという印象を与えてはならない。また,記者側の締切時間にも配慮が必要である。
2 記者会見の準備
(1) 多数の記者が参加することやカメラ機材の搬入もあることから,記者会見場所は,会議室等,裁判事務その他の事務に影響を与えない場所に設定する必要がある。
(2) カメラ取材の在り方について,取材要領を作成し,事前に会見参加記者等に周知するようにする。
(3) 会見の趣旨に見合った基本説明を用意し,会見参加記者にそのペーパーを配布することも検討する。
(4) その他,ー般的に会見では,記者から,①全体的な事実経過(時系列),②問題点(原因や背景)についての分析,③過去の同種事例,④裁判所としての対応(改善策や関係者の処分等),⑤所長コメント等を求められることが多いので,これに対する必要な準備を行う。


第3 関連記事
・ 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
・ 最高裁判所判事任命の閣議書
・ 高等裁判所長官任命の閣議書
・ 高裁長官人事のスケジュール

憲法週間及び「法の日」週間

目次
1 総論
2 憲法週間実施経過
3 「法の日」制定経過

1 総論
(1) 憲法週間
ア 5月1日から7日までです。
イ 憲法の精神や司法の機能を国民に理解してもらうため,裁判所が法務省,検察庁及び弁護士会の協力を得るなどして,全国で各種の行事を実施しています。
(2) 「法の日」週間
ア 10月1日(法の日)から7日までです。
イ 裁判所,法務省, 検察庁及び弁護士会が協力するなどして,法の支配の重要性を国民に理解してもらうことを目的として,全国で各種の行事を実施しています。
(3) 広報企画の例
・ いずれの週間についても,出張講義,法廷傍聴,模擬裁判,ビデオ上映,資料展示などを伴う庁舎見学会などがあります。

2 憲法週間実施経過
・ 最高裁の広報ハンドブック(平成25年4月版)2-4によれば以下のとおりです。
昭22.5. 3 日本国憲法施行
昭24.5. 1 憲法普及月間
昭25.5. 1 憲法記念週間(以後,毎年1日から7日まで)
(昭和27年までは,衆・参両院,内閣,最高裁など政府関係機関が協議の上,行事内容について打合せをしてきた。昭和28年からは最高裁において憲法記念週間を定め,法務省,検察庁,弁護士会の協力を得て記念行事を実施することになった。)
昭和31.5. 1 憲法週間(この年から名称を改める。以後,毎年I日から7日まで

3 「法の日」制定経過
・ 最高裁の広報ハンドブック(平成25年4月版)2-4によれば以下のとおりです。
(司法記念日制定の経緯)
昭和3.10.1 陪審法施行
昭和4.10.1 司法記念日(前年に陪審法が施行され,この日に天皇陛下が東京の三裁判所を行幸されたことを記念し,司法省が司法記念日を定めた。)
昭和14.11.1 司法記念日(この日に裁判所構成法施行五十周年記念行事を行い,天皇陛下の行幸を仰いだことから,以後司法省がこの日を司法記念日にすることを決めた。)
(「法の日」制定の経緯)
昭和22.11.1 司法週間(最高裁が定める。)
昭和32.10.1 最高裁発足十周年記念行事実施(天皇陛下の行幸を仰ぐ。なお,10月1日にした理由は,その日が最高裁発足後,最高裁で初めて法廷が開かれた日に当たるため。)
昭和34.10.3 裁判所,検察庁,弁護士会の三者協議会において,10月I日を「法の日」と定めることを提唱することが決議された。
昭和35.6.24 「法の日」創設について閣議了解
昭和35.8.17 「法の日」週間の広報についての依命通達
昭和35.10.1 第1回「法の日」
「法の日」週間(1日から7日まで)

裁判所の司法行政部門及び裁判部門において,管理職員等となる裁判所職員の範囲

裁判所の司法行政部門及び裁判部門において,管理職員等となる裁判所職員の範囲は以下のとおりです。

1 最高裁判所
(1) 司法行政部門
   事務総長,事務次長,審議官,家庭審議官,局長,課長,室長,職員管理官,厚生管理官,参事官,首席技官,次席技官,課長補佐(総括),課長補佐(管理),人事係長,予算係長,文書係長,庁舎係長,宿舎係長,秘書,人事係員,労働係員,守衛長
(2) 裁判部門
   大法廷首席書記官,小法廷首席書記官,訟廷首席書記官,裁判所書記官(最高裁判所が別に定めるものに限る。)

2 司法研修所
   所長,事務局長,事務局次長,総務課長,経理課長,課長補佐(総括)(総務課に置くものに限る。)

3 裁判所職員総合研修所
   所長,事務局長,事務局次長,総務課長,経理課長,課長補佐(総括)(総務課に置くものに限る。)

4 最高裁判所図書館
   館長,副館長,総務課長,課長補佐(総括)(総務課に置くものに限る。)

5 高等裁判所
(1) 司法行政部門
   事務局長,知的財産高等裁判所事務局監査役長,事務局次長,総括企画官,課長,文書企画官,企画官,首席技官,課長補佐(管理),人事係長,守衛長(最高裁判所の四愛知する高等裁判所に置くものに限る。)
(2) 裁判部門
   首席書記官,知的財産高等裁判所首席書記官,次席書記官,主任書記官(最高裁判所が別に定めるものに限る。),訟廷管理官,訟廷副管理官

6 地方裁判所
(1) 司法行政部門
   事務局長,事務局次長,課長,文書企画官,企画官,課長補佐(管理),人事係長,守衛長(最高裁判所の指定する地方裁判所に置くものに限る。)
(2) 裁判部門
   首席書記官,次席書記官,総括主任書記官,主任書記官(最高裁判所が別に定めるものに限る。),訟廷管理官,訟廷副管理官,裁判員調整官,速記管理官(最高裁判所の指定する地方裁判所に置くものに限る。)

7 家庭裁判所
(1) 司法行政部門
   事務局長,事務局次長,課長,課長補佐(管理),人事係長,守衛長(最高裁判所の指定する家庭裁判所に置くものに限る。)
(2) 裁判部門
   首席書記官,次席書記官,主任書記官(最高裁判所が別に定めるものに限る。),訟廷管理官,訟廷副管理官,首席家庭裁判所調査官,次席家庭裁判所調査官,総括主任家庭裁判所調査官,主任家庭裁判所調査官(最高裁判所が別に定めるものに限る。)

8 簡易裁判所
(1) 司法行政部門
   事務部長,課長(最高裁判所の指定する簡易裁判所に置くものに限る。)
(2) 裁判部門
   首席書記官,次席書記官,主任書記官(最高裁判所が別に定めるものに限る。),訟廷管理官,訟廷副管理官

9 検察審査会
   事務局長(最高裁判所の指定する検察審査会に置くものに限る。),総務課長(最高裁判所の指定する検察審査会に置くものに限る。)


*1 以下の記事も参照してください。
・ 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係
 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
 裁判所書記官の役職
 首席書記官の職務
 家庭裁判所調査官の役職
・ 総括企画官,文書企画官及び企画官
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達
 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 下級裁判所事務局の係の事務分掌
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
*2 以下の資料を掲載しています。
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則(昭和41年7月22日最高裁判所規則第6号)
 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則の運用について(昭和63年9月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)

令和2年度実務協議会(夏季)

1 令和2年7月17日に開催された,令和2年度実務協議会(夏季)の資料を以下のとおり分割掲載しています。
① 日程表
② 出席者名簿
③ 民事・行政事件の現状と課題
④ 刑事裁判の現状と課題
⑤ 参考統計表
⑥ 裁判員裁判の実施状況について(制度施行~令和2年2月末・速報)
⑦ 家庭裁判所の現状と課題
⑧ 最高裁判所経理局作成資料
⑨ 裁判所職員総合研修所の概要

2 実務協議会というのは,新たに地方裁判所長,家庭裁判所長又は高等裁判所事務局長を命ぜられた者を対象に,年に2回開催されている研修です(「裁判官研修実施計画」参照)。

3 最高裁判所人事局が作成した資料はなぜかありません。

4 令和2年度実務協議会(夏季)に関する資料として一本化しています。

5 過年度の実務協議会に関する資料は「歴代の最高裁判所事務総長」に掲載しています。

新様式判決

目次
1 新様式判決の導入時の留意点
2 新様式判決導入時の経緯
3 新様式判決の具体的内容
4 「事案の概要」の記載に関する留意事項
5 「争点に対する判断」の記載に関する留意事項
6 新様式判決に関する共同提言の受け止め方
7 新様式判決に対する批判的意見
8 関連記事その他

1 新様式判決の導入時の留意点
(1) 判例タイムズ715号(平成2年2月25日付)4頁ないし35頁に,「民事判決書の新しい様式について」(東京高地裁民事判決書改善委員会、大阪高地裁民事判決書改善委員会の共同提言)が載っています(いわゆる「新様式判決」に関する記事です。)ところ,同号5頁によれば,特に以下の点に留意したと書いてあります(1,2,3及び4を①,②,③及び④に変えました。)。
① 当事者のための判決であることを重視し、事件における中心的争点を浮かび上がらせ、これに対する判断を平易簡明な文体を用い、分かりやすい文章で示すよう心掛ける。「窺知(きち)」、「爾余の点」のような難しい言葉や文語調の文章は避ける。
② 裁判官にとって、書きやすいものであることも念頭に置く。文体に習熟しなければ書けないようなものではなく、常識的な文章の起案能力があれば書ける判決書を目指す。
③ 判決書は、形式的な記載、重複記載等の無駄を省き、簡潔なものとなるように心掛ける。そのためには、事実及び理由を一括して記載することも合理的であろう。前の記述を後で繰り返したり、引用したりするよりも、できるだけ一括して記述することを工夫する。
④ 事実及び理由は、全体を通じて、主文が導かれる論理的過程が明瞭に読み取れる程度の記載で足りるものとする。ただし、中心的争点については、具体的な事実関係が明らかになるよう、主張と証拠を摘示しながら丁寧に記述するよう心掛ける。
(2) 「事実」については当事者の主張の全てを請求原因,抗弁,再抗弁等とその認否として整理して摘示し,「理由」については事実欄に摘示された論理的な構造に従って順次判断するという構造を採るという,司法研修所の「民事判決起案の手引」に従った様式の判決は在来様式の判決といわれます(「民事判決書の在り方についての一考察」末尾64頁)。


2 新様式判決導入時の経緯
(1) 一歩前へ出る司法116頁ないし118頁には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
    それまでの民事判決書は、当事者の主張について、請求の原因、これに対する認否、抗弁、これに対する認否、再抗弁、これに対する認否という順序で、立証責任の分配に従って分類整理して記載するというものです。しかも、実体法で要件とされる事実のみに絞り込み、取引経緯などの事情はぜい肉として切り落とすという考え方のものです。
    従来の判決書様式は、骸骨の裸踊りなどとからかわれることもありますが、法律要件を正確に押さえて無駄がないという点で優れていることは間違いありません。ただ、立証責任の分配、要件事実の絞り込みに、裁判官のエネルギーが取られ、判決が遅くなる一因にもなっておりました。
    私は、民事紛争で当事者が裁判所の判断を求める真の争点というものは、一つか二つに絞られるもので、判決もその争点にズバリ答えるという様式でもよいのではないかと思いました。
    しかし、民事局が様式の中身にまで口を出すべきではありません。現場の裁判官方のお考えに任せるべきです。そこで、東京高裁・地裁と大阪高裁・地裁に民事判決書改善委員会を作ってもらい、検討をお願いしようと考え、矢口長官にもご相談したのです。
    当時、矢口さんは、弁護士からの裁判官任官を進めようと考えていたのですが、なかなか任官者が現れません。弁護士会の中には、途中から裁判官になっても、今のように技術的な判決は書くことが難しいから、任官者が現れないのだとおっしゃる方もおられました。矢口さんは、判決書の様式を常識的な文書の起案能力があれば書けるものにすれば、弁護士からの任官者を増やすことができると考えられて、判決書の様式の見直しに賛成してくれました。動機が私とは異なるのですが、賛成していただいたのです。
    東京と大阪の民事判決書改善委員会は、それぞれに検討を重ねた上で、合同会議を開いて意見を交換し、一九九○年一月に「民事判決書の新しい様式について」という提言をまとめられました。提言は、「当事者のための判決であることを重視し、事件における中心的争点を浮かび上がらせ、これに対する判断を平易簡明な文体を用い、分かりやすい文書で示すよう心掛ける」等として、判決モデルも示すものです。今日では、ほとんどが新様式の判決書になっております。
(2) 「裁判官は劣化しているのか」(2019年2月23日出版)(著者は46期の岡口基一裁判官)119頁には以下の記載があります。
    新様式判決の導入は最高裁の民事局長が最高裁長官の賛同を得て始めたものであったことから、裁判所実務の現場では、裁判所当局への忠誠度を競い合うような様相になりました。従来様式の判決を使い続けることは、あたかも新様式判決の普及の音頭を取っている裁判所当局に逆らっていると思われかねなかったのです。そこで、そうは思われたくない裁判官らは、一気に判決を従来様式から新様式へと切り替え、まるで廃仏毀釈運動のように従来様式判決はなくなっていきました。
    その結果、従来様式判決を使うのは、その方が起案しやすい「欠席判決」など、使う理由を裁判所当局に説明できるものに限られ、多くの裁判官は、それ以外の判決については、全て新様式判決を使うようになっていったのです。


3 新様式判決の具体的内容
(1) 判例タイムズ715号(平成2年2月25日付)5頁及び6頁には,「第三 新しい様式の具体的内容」として以下の記載があります(項目部分を太字表記にしています。)。
    このような構想で作成する判決書の内容については、別添の判決モデル及びその説明に譲るが、概要は、以下のとおりである。
一 事件番号、事件名、標題、当事者、代理人等の表示
    従前のとおりとする。
二 主文
    従前のとおりとする。
三 事実及び理由
1 請求(申立て)
    従前のとおりとする。ただし、訴訟費用の負担の申立て、仮執行の宣言の申立て及び諭求の趣旨に対する答弁は、全面的に省略する。
2 事案の概要
    事案の概要は、当該事件がどのような類型の事件であって、どの点が中心的な争点であるのかを概説するものである。何が中心的争点であるかについては、適切な訴訟指揮によってあらかじめ当事者との間で確認しておく必要がある(この点は、調書上も明確にしておくことが望ましい。)。
    「事案の概要」の記載は、次の「争点に対する判断」の記載と総合して、主文が導かれる論理的過程を明らかにするものである。したがって、中心的争点以外の事実主張も、主文を導き出すのに必要不可欠なものである限り、概括的に記載しておかなければならない。
    具体的な記載方法は、事件の類型に応じて工夫されてよいが、争いのない事実と主要な争点とを簡潔に記載する方法が基本型になるものと考えられる。事案によっては、その変型や当事者双方の主張を対比させてその骨子を簡潔に記載する方法、あるいはこれらの混合方式などが適当な場合も考えられる。
    冒頭に事案の要旨を記載すると、事案の概要全体を理解するのに便利なこともある。「争点に対する判断」の記載自体から「事案の概要」が明らかになるときは、事案の要旨を記載するだけでよいこともあろう。
3 争点に対する判断
    中心的争点についての判断は、誕定事実とこれに関連する具体的証拠との結び付きをできるだけ明確にしながら、丁寧に記述する。これ以外の争点については、主文が導かれる論理的過程を明らかにするのに必要な限度で、概括的に判断が示されていれば足りる。
    証拠判断については、次のとおりとする。
(1) 書証の成立に関する判断は、それが重要な争点になっている場合を除き、記載しない。成立に争いがない旨の説示もしない。
(2) 証拠の評価が訴訟の勝敗を決するような場合には、証拠を採用する理由又はこれを排斥する理由を丁寧に説示する。
(3) (2)の場合を除き、反対証拠を採用しない旨又はそれが存在しない旨の断り書きはしない。
4 法律上の問題点についての説示
    裁判所が採用する見解とその論拠を簡潔に示せば足りる。
5 結論及び法律の適用の説示
    判決文の末尾に謂求に対する結論を記載することは不要である。
    訴訟費用の負担等に関する法律の適用の説示も省略する。
四 裁判所の表示及び裁判官の署名
    従前のとおりとする。
(2) 「法律上の問題点についての説示」が記載される場合,「争点に対する判断」の中で記載されると思います。

4 「事案の概要」の記載に関する留意事項
・ 判例タイムズ715号(平成2年2月25日付)7頁及び8頁には,「第四 事案の概要の記載について」として以下の記載があります。
一 「事案の概要」欄は、従来の判決書にはなかった欄であるだけに、どのような事項をどのような方法で記載すべきかについては、ある程度考え方に幅があり得るところである。この欄の記載の目的が、裁判の対象となった事案の内容を当事者に分かりやすく知らせることにあるという点に配慮して、具体的な記載方法を工夫すべきであろう。
    この「事案の概要」の記載は、後の「争点に対する判断」の記載と総合して主文が導かれる論理的過程を明らかにするという目的を持っているから、「争点に対する判断」の欄にどのような事項がどの程度記載されることとなるかとの関連で、この欄の記載事項の内容と記載方法が決まってくるという面をもっている。したがって、新様式による判決書の起案に当たっては、まず、「争点に対する判断」の欄の構想を整えた上で、その記載内容との関連に留意しながら、必要な事項を落とさないよう、また無用な重複を生じないよう、「事案の概要」欄に記載すべき内容を検討するという配慮も必要であろう。
    また、この欄の記載は、当該事件がどのような類型の事件であって、どの点が中心的な争点であるかを概説するという目的をもっている。したがって、当事者双方の事実主張から、以上の目的を達成するのに必要な①主文を導き出すのに必要不可欠な事実と②事案を説明するのに必要なその余の事実をそれぞれ選び出して、その概要を、当事者間で争いのない事実とそれ以外の事実とに分けて、記載しておく必要がある。
    なお、「事案の概要」欄の冒頭に、事件の類型が一見して分かるような事案の要旨を記載しておくことも、事案の把握のために便利な場合があろう(モデル2,3,4参照)。
二 この欄については、前記のような事項を「争いのない事実」と「争点」とに分けて記載する方法が基本型となる(モデル2,3,4,6,7,8,9参照)。
    ただ、事案によっては、中心的争点とはいえないがその前提となっており、しかも自白が成立していないため証拠によって認定する必要のある事実関係について、その認定判断の結果をこの欄に記載しておいた方がよい場合もある。そうすることによって、中心的争点を浮き彫りにし、「争点に対する判断」の欄の記載を中心的争点に関するもののみに限定できることとなるため、判決書の記載を分かりやすくすることができるからである(モデル1、5参照)。
    また、離婚事件のように、争いのない事実が訴訟法上意味を持たない事案では、当事者双方の主張を対比させて、その要点を記載するという方法をとらざるを得ないこととなろう(モデル10参照)。
三 従来の判決書では、まず事実欄で当事者の事実主張の内容を詳細に摘示した上で、理由欄でそれに対する判断を逐一説示する方式がとられていた。そのため、ややもすると事実欄の記載を理由欄で再度繰り返す形になり、その記載の重複によって判決書が長文化する弊害があった。
    新様式による判決書では、「争点に対する判断」の欄の記載から自ずから明らかになるような事実関係については、次のとおり、「事案の概要」の欄の記載をできるだけ省略し、あるいは簡略化することによって、このような重複記載を避ける配慮をしている。
    もっとも、「事案の概要」の欄の記載と、「争点に対する判断」の欄の記載とを総合すれば、主文を導き出すのに必要な要件事実の存否が漏れなく判断されていることが要求されることに留意する必要がある。
1 損害賠償請求事件における損害の具体的な内容、項目、金額等については、その点が争点となっている場合には、「争点に対する判断」の欄で具体的かつ詳細な判断が示されることとなるのであるから、「事案の概要」の欄ではその記載を省略して差し支えない場合が多いであろう(モデル2参照)。
2 借地法や借家法上の正当事由や信頼関係を破壊する事実の存否が争いとなっている事案では、正当事由等の存否を基礎付ける個々の具体的な事実については、「争点に対する判断」の欄でその存否等に対する詳細な判断が示きれることとなるから、「事案の概要」の欄では、せいぜいどのような類型の事由が正当事由等の存否を基礎付ける事由として主張されているかを記載しておけば足りるであろう(モデル6,8参照)。
3 表見代理の成否、詐欺による意思表示の取消しの成否等が争点となっている事案では、「事案の概要」の欄の記載としては、これらの主張を構成する要件事実を網羅的に記載するのではなく、極く概括的に「表見代理(民法110条の越権代理)」あるいは「詐欺による取消し」が主張されている旨を記載するにとどめ、個々の具体的な要件事実の存否に関しては、「争点に対する判断」の欄にその記載を譲るということで足りるであろう(モデル1、3、4、5参照)。
四 このような方式による事案の概要の記載が簡潔で分かりやすいものになるためには、その事件の中心的争点がどの点にあるかについて、裁判所と当事者の間でできるだけ突き詰めた認識の一致が得られていることが望ましい。この点に関して当事者と裁判所の間で一定の確認ができた場合には、その結果を調書上でも明確にしておくことも望ましいといえよう。
五 その他、言い換えによる略語の使用に当たっては、誤認を生ずるおそれのない場合には、煩雑な断り書きを付することを省略し(モデル1、3参照)、また、事案によっては図面を活用する(モデル2,8参照)等事案の概要の記載を簡潔で分かりやすいものとするための様々な工夫が行われるべきである。

5 「争点に対する判断」の記載に関する留意事項
・ 判例タイムズ715号(平成2年2月25日付)8頁及び9頁には,「第五 争点に対する判断の記載について」として以下の記載があります。
一 新様式による判決書では、「争点に対する判断」の欄の記載が、判決書の中心部分を構成することとなる。したがって、この欄では、中心的争点に対する裁判所の判断内容を、分かりやすくしかも丁寧に記載しておく必要がある。
    この欄の記載を分かりやすいものとするため、判断事項ごとにその部分でどの争点に対する判断が示されているのかが一見して明らかとなるような見出しを付ける(モデル1、4,7参照)等各事案に即した記載方法を工夫する必要があろう。
二 この欄の記載の構成としては、最初に認定事実を一括して記載し、次いでこれを引きながら個々の争点についての判断を順次行っていく方法(モデル5,6参照)と、争点ごとに関係する認定事実とこれに基づく判断とをセットにして記載していく方法(モデル7参照)とが考えられる。
    前者の方法によった場合は、全体としての事実の流れは把握しやすいが、反面、事案によっては、どの認定事実がどの争点との関係で必要となるのかが不明確になるおそれもある。後者の方法によった場合には、これと丁度逆のことがいえよう。
    事案の内容、特徴に応じて、これらの方法を適宜使い分ける必要がある。
三 認定事実と証拠との関係については、関係証拠を認定事実の冒頭あるいは末尾にまとめて記載する方法と、小項目又は個々の事実ごとに関係証拠を挙示する方法とが考えられる。
    後者の方法によると、個々の認定事実と証拠との結び付きを明確にすることができるというメリットがある(モデル2,4,9参照)。
    しかし、事案によっては、全認定事実に共通する証拠が多いため、個々の認定事実ごとに関係証拠を挙示するとかえって煩雑になる場合もあろう。そのような場合には、前者の方法(モデル5,6参照)によるか、あるいは、全体に共通する証拠を最初にまとめて示し、その後に各誕定事実ごとに個別の証拠を挙示する方法(モデル7,8参照)が分かりやすいであろう。
四 書証の成立に関する判断は、原則として記載しないこととなるが、書証の成立の真否が実質的に争われている場合には、その成立に関する判断をできるだけ分かりやすく記載すべきである(モデル4参照)。
    証拠の挙示の仕方も、書証については単に「甲一」、「乙このような、また供述証拠についても「証人甲」、「原告」のような、簡略な記載方法を用いて差し支えないであろう。また、事案によっては、供述証拠の直接の関係部分を調書のページ数や項目番号で示しておくといった工夫も考えられてよいであろう(モデル1、4参照)。
五 従前の判決書において理由欄の末尾に付記されていた結論及び法令の適用に関する説示は、いずれも記載を省略することとなる。
    ただ、事案によっては、「事案の概要」の欄の記載と「争点に対する判断」の欄の記載とを対比しても、原告の請求のどの部分が認容されたのかが一見しただけでは分かりにくい場合がある。
    そのような場合には、結論的に請求認容部分を明らかにするための記載をしておいたほうが分かりやすいであろう(モデル1参照)。
    仮執行宣言の申立てを却下した場合にも、欠席判決などでは特にその旨の記載をしない扱いが、既に一部で行われている。新様式による判決書の記載も、その扱いによっている。


6 新様式判決に関する共同提言の受け止め方
・ 民裁教官室だより(10)(司法研修所民事裁判教官室編)2頁ないし4頁には以下の記載があります。
     民事判決書作成には、従来、多様な目的があると説明されてきた。すなわち、①訴訟当事者に対して、判決内容を知らせるとともに、上訴するかどうか考慮する機会を与えること、②上級審に対して、その再審査のために認定事実及び理由を明らかにすること、③一般国民に対して、具体的事件の判断を通じて法規範を明らかにし、裁判所の判断過程を示すことによって裁判の公正を保障すること、④判決をする裁判官が、自己の判断を客観視し、再検討の契機とすること等が民事判決書作成の目的である(七訂民事判決起案の手引一頁)。これは、従来判決害が果たしてきたと思われる機能を説明するものとして、現在でも基本的には妥当する。しかし、それらの目的のうちにも、おのずから優先順位があることは明らかであり、右目的のうち①が最優先のものであることは異論がないであろう。当事者のための判決害であることを第一義とすれば、分かりやすい判決が要請されることは当然のことである。したがって、判決書において、ことさらに一般に使われていない難解な用語(例えば、「爾余」、「窺知」、「措信」など)を使うのは避けた方がよい。この意味で、共同提言の考え方は適切である。
     判決書において、最も重要なものは、誤りなき判断である。判決書の体裁がいかに精緻を極めていたとしても、主要な争点についての判断に見落としがあったり、結論を誤っていては意味がない。すなわち、事件の筋がよくとらえられており、そのため争点が絞られていて、証拠調べもその争点に照準を合わせて実施され、その判断に落ちがなく、正しい結論が導かれていることが重要なのであって、判断の表現形式である判決書の様式が、一定のものでなければならない論理的必然性はないのである。そのことは、比較法的にみても、歴史的にみても、明らかなように思われる。例えば、西ドイツ(当時)、フランスなどの事実審における民事判決書を比較してみると、それぞれ工夫されてはいるが、判決書のスタイルはまちまちである(最高裁事務総局・外国の民事判決書に関する参考資料〔民裁資料一八一号〕参照)。また、わが国の実務においても、かつては、当事者ごとにその主張をまとめる当事者別連続摘示方式(この方式については、法律実務誰座5 六五頁)が多数であったが、現在では、事項別交互摘示方式(民事判決起案の手引による方式)が大勢を占めるに至っている。そのようなことを考えると、判決害の様式は、常に工夫が重ねられることが重要なのであるが、各人が自己流に陥ることを避けるために、一定の目安が必要であることもまた明らかである。
     以上にみたとおり、判決書の最も重要な機能に着目すれば、その実質を充実させることが必要であり、形式を整えるだけの記戦を省略してもよいとする考え方には、合理的な理由がある。共同提言にいう新様式の具体的内容も、さしあたり一定の目安とするに十分である。したがって、審理の充実のための方策(一①)が実施され、その中で的確な訴訟指揮が行われ、要件事実的思考に基づく主張分析と争点整理がされ、誤りのない判断が担保されるのであれば、その判断の表現方法である判決書について新たな様式によることは、適切なこととして支持することができる。

7 新様式判決に対する批判的意見
(1) 裁判官からの批判的意見
ア 「最高裁の持ち廻り合議と例文判決について」(著者は5期の武藤春光弁護士(元広島高裁長官))には以下の記載があります(自由と正義1997年1月号90頁及び91頁)。
     新様式判決は、書き流しの物語方式で足り、主張事実の厳密な検討をしなくても書けるわけであるから、しばしば重要な主張事実とそれに対する判断を見落とす危険がある。そこで、この判決については、勝訴した非法律家の当事者だけは気持ちよく読みやすいという印象を持つかもしれないが、敗訴当事者は自己の主張が無視されたという不満を抱くことになり、上級審は事実整理を初めからやり直すという負担を負わされることになる。筆者は、比較的長く控訴審の裁判を担当した経験を有するが、新様式判決の上記の欠点は、時に眼に余るものがあった。
     確かに、少数の練達の裁判官にとっては、判決の様式など意に介するところではなく、現様式でも新様式でも的確な判決を書くことができるであろう。しかし、大多数の裁判官にとっては、書くのに多少の時間がかかっても、いわば誤判防止装置付きの現様式判決の方が望ましいはずである。新様式判決は、裁判の現場を知らない当時の当局者の思いつきによるものと言われ、いずれ消えていくものと考えられていたが、悪貨は良貨を駆逐するの譬えのとおり、むしろ盛んになっていく風潮も見られる。そして、この風潮は、上記の最高裁による判決様式の軽視によって支えられているように思われる。司法にとって何よりも大切な判決の適正を確保するために、例文判決も新様式判決も速やかに消えていくことが望ましい。
イ 東京大学法科大学院ローレビュー第10巻(2015年11月)の「民事判決書の在り方についての一考察」(著者は52期の家原尚秀裁判官では以下の問題点が指摘されています。
① 裁判官が,判決作成に当たって法律要件を正解せず,要件事実を十分に検討していないのではないかという指摘もされている。
② 当事者の準備書面の表現をそのまま写し,コピーアンドペーストを多用して長文化する傾向があるとの指摘もされている。
③ 「争点に対する判断」の冒頭に,物語方式で時系列的に事実を認定する方式の判決書が増えてきている。
ウ 「裁判官は劣化しているのか」(2019年2月23日出版)(著者は46期の岡口基一裁判官)120頁ないし123頁には以下の記載があります(1ないし7を①ないし⑦に変えています。)。
① 新様式判決は、当事者の主張については、単に争点に関する各当事者の主張を羅列するだけです。そのため、その裁判官が、請求の内容、個数、複数ある請求の関係について正確に把握できているのかは、判決書を見てもわかりません。請求原因、抗弁等の攻撃防御方法の全体像や個別の要件について正確に把握しているのかもわかりません。裁判官が間違って把握している可能性もありますが、そのことが判決書から検証できなくなったのです。
    代理人弁護士も、従来であれば、当該訴訟において、複数の請求の関係はどうであったのか、請求原因、抗弁等の攻撃防御方法の全体像がどうなっていたのか等について、判決書の「当事者の主張」欄を見ることで、その「正解」を知ることができたのですが、新様式判決では、それがわからないままになりました。
② 判決をする際には、弁論主義の第1テーゼの問題をクリアするため、必要な事実主張がされているか否かの確認作業が必要ですが、新様式判決では、その確認結果についての検証ができなくなりました。
③ 当事者の主張した事実が当該要件にあてはまるか否かという「あてはめ」についても、新様式判決では、それが「争点」になっていない限り、判決書で検証することができなくなりました。
④ 従来様式判決では、人間ルールブック化した裁判官が、当事者の事実主張について、法的に全く正しい記載をしており(動詞の過去形と現在形の使い分けなど)、判決書の「当事者の主張」欄において、それを確認することができたのですが、新様式判決では、争点に関する各当事者の主張を、裁判官が自らの言葉で表現すればよいことになったので、言葉遣いにこだわる必要もなくなりました。ルールブック人間は不要となり、ルールが口頭伝承されることもなくなりました(それは、そのルールの背後にある「智」の伝承が行われなくなったことをも意味します)。
⑤ 裁判長は、判事補を指導する際のシールとして従来様式判決の「当事者の主張」欄を使うことができなくなりました。これまでは、判事補に従来様式判決の「当事者の主張」欄を起案させていたので、それをたたき台とすることができました。判事補がどこを理解していないかは、判事補が起案した「当事者の主張」欄を見れば一目瞭然でしたし、人間ルールブックである裁判長は、法的な観点からより正しい事実摘示ができるように判事補にルールを口頭伝承することもできたのです。
⑥ 書証の成立についても、いかなるルールによって成立を認めたのか判決で検証することができなくなりました。それどころか、判決書にも口頭弁論期日調書にも書証の成否の記載を原則としてしなくなったことから、書証の成否の審理は、しないのが通常となりました。その運用が定着したことにより、書証の成否の審理の方法を十分に理解していない裁判官も現れています。書証の成立が争われているのにその審理をしていないのです。
⑦ 昔の裁判所実務では、要件事実を真実解明のためのツールとして使っていましたが、最近はそれも行われていません。若い裁判官において「たまねぎの皮むき理論」を知っている人はもはや一人もいません。その「智」は承継されなかったのです。
(2) 弁護士からの批判的意見
・ 弁護士村本道夫の山ある日々ブログ「裁判と事実認定を考える」には以下の記載があります。
    実際,代理人として判決を受け取ると,裁判官が主観的に設定した「争点」について,感情に流れ,バイアスに充ちた判断を繰り返す耐えがたい判決書が決して少なくない。要件事実に沿って判断していれば決してあり得ないことだし(私の修習生のときに裁判官から,判決を書く段階になって整理すると,ときにそれまで思っていた結論が変わることがあるという話を聞いて,要件事実に基づく判決をを見直したことがある。),要件事実が認定できないから請求が棄却されたというのであれば,さらなる立証を考えれば足りるのだが,主観的な思い込みを吐露されても是正しようがない。
    裁判官は弁護士の要件事実の無理解,主張,立証の不備を盛んに指摘したがるが,自分達の新様式「判決書」が,裁判制度の不安定さ,誤判率の高さや,その反面としての裁判官の権威主義的体質を招いているということに無自覚である。ここでは新様式の判決書が導入された当時の裁判官が修習生に及ぼす影響を危惧して書いた「指導方針」を読んでみよう(こちらに引用)。修習生を裁判官に置き替えてみればその危うさが良く分かる。


8 関連記事その他
(1) 「最高裁判所事務総局編 民事判決書の新しい様式について 」(平成2年5月20日第1版第1刷発行)の中身は,平成2年5月1日付の「まえがき」(財団法人法曹会)及び平成2年2月付の「はしがき」(最高裁判所事務総局民事局)を除き,判例タイムズ715号(平成2年2月25日付)4頁ないし35頁と全く同じです。
(2)  事実認定の根拠として判決に引用する文書が真正に成立したこと及びその理由は,判決書の必要的記載事項ではありません(最高裁平成9年5月30日判決)。
(3) 「簡易裁判所における交通損害賠償訴訟事件の審理・判決に関する研究」(2016年12月1日出版)がアマゾンで売っていますところ,当該書籍について,「裁判官は劣化しているのか」(2019年2月23日出版)129頁には以下の記載があります。
    裁判官向けのマニュアルは、今のところこの一冊だけであり、これ以外に作成されるとも思えません。裁判官がマニュアルに従って判決を書いているというのでは、判決の重みは失われ、そのイメージダウン、権威の失墜は避けられないからです。
(4) 以下の資料を掲載しています。
 判決書の書式等の標準的な設定について(平成29年7月24日付の最高裁判所総務局長等の書簡)
(5) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判文書及び司法行政文書がA4判・横書きとなった時期
 裁判文書の文書管理に関する規程及び通達
 司法行政文書に関する文書管理
 最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携

令和元年度実務協議会(冬季)

1 令和2年1月30日及び同月31日に開催された,令和元年度実務協議会(冬季)の資料を以下のとおり分割掲載しています。
① 日程表
② 出席者名簿
③ 民事・行政事件の現状と課題
④ 刑事事件の現状と課題
⑤ 参考統計表
⑥ 裁判員裁判の実施状況について(制度施行~令和元年10月末・速報)
⑦ 家庭裁判所の現状と課題
⑧ 最高裁判所経理局作成資料
⑨ 司法研修所関係資料
⑩ 裁判所職員総合研修所の概要

2 実務協議会というのは,新たに地方裁判所長,家庭裁判所長又は高等裁判所事務局長を命ぜられた者を対象に,年に2回開催されている研修です(「裁判官研修実施計画」参照)。

3 最高裁判所人事局が作成した資料はなぜかありません。

4 過年度の実務協議会に関する資料は「歴代の最高裁判所事務総長」に掲載しています。

判検事トップの月収と,行政機関の主な特別職の月収との比較

・ 判検事トップ及び行政機関の主な特別職の,令和2年1月7日現在の月収は以下のとおりであります(行政機関の特別職につき,内閣府HPの「主な特別職の職員の給与」参照)ところ,例えば,東京23区勤務の場合,地域手当として別途,月収の20%が加算されます。

1 最高裁判所長官(月収201万1000円)
・ 特別職である内閣総理大臣と同じです。

2 最高裁判所判事(月収146万6000円)
・ 特別職である国務大臣,会計検査院長及び人事院総裁と同じです。
・ 一般職である検事総長と同じです。

3 東京高等裁判所長官(月収140万6000円)
・ 特別職である内閣法制局長官,内閣官房副長官,副大臣,国家公務員倫理審査会の常勤の会長,公正取引委員会委員長,原子力規制委員会委員長及び宮内庁長官と同じです。
・ 立法府の特別職である衆参事務総長,衆参法制局長,国立国会図書館長と同じです。

4 その他の高等裁判所長官(月収130万2000円)
・ 一般職である東京高検検事長と同じです。

5 次長検事及び検事長(月収119万9000円)
・ 特別職である検査官,人事官,内閣危機管理監,内閣情報通信政策監,国家安全保障局長,大臣政務官,個人情報保護委員会委員長,カジノ管理委員会委員長,公害等調整委員会委員長,運輸安全委員会委員長及び侍従長と同じです。
・ 特別の事情がある場合における常勤の内閣総理大臣補佐官及び常勤の大臣補佐官と同じです(特別職給与法3条2項1号)。

*1 判事1号及び検事1号(月収117万5000円)は,①一般職である各省庁の事務次官,並びに②特別職である内閣官房副長官補,内閣広報官,内閣情報官,内閣総理大臣補佐官,大臣補佐官,国家公務員倫理審査会委員,公正取引委員会委員,原子力規制委員会委員及び式部官長に適用されている指定職俸給表8号棒と同じです。
*2 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿
・ 高裁長官人事のスケジュール
・ 高等裁判所長官を退官した後の政府機関ポストの実例
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
 裁判官の号別在職状況
・ 裁判官の昇給
 裁判官の給料と他の国家公務員の給料との整合性に関する答弁例
 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書

刑事事件の上告棄却決定に対する異議の申立て

目次
1 総論
2 異議の申立て期間及び申立て理由
3 異議の申立てを認容して決定を訂正した事例
4 刑事事件の上告棄却決定の確定時期
5 関連記事その他

1 総論
(1) 刑訴法414条・386条1項3号により上告を棄却した最高裁判所の決定に対しては,刑訴法414条・386条2項・385条2項前段・428条2項により異議の申立てをすることができます(最高裁大法廷昭和30年2月23日決定参照)。
(2) 最高裁大法廷昭和26年12月26日決定は,上告棄却決定に対する異議申立ては不適法としていたものの,3年余り後に出された最高裁大法廷昭和30年2月23日決定によって判例変更されました。

2 異議の申立て期間及び申立て理由
(1) 異議の申立て期間
・ 異議の申立ては,上告棄却決定が被告人本人に送達された日(刑訴法358条及び最高裁昭和32年5月29日決定)から3日以内に行う必要があります(刑訴法414条・386条2項・385条2項後段・422条)。
(2) 異議の申立て理由
ア 異議の申立ては,決定の内容に誤りのあることを発見した場合に限りできます(最高裁昭和36年7月5日決定)。
イ 上告棄却決定に対する異議の申立てについて,申立書自体には何ら具体的理由が付されてなく,異議申立て期間内に理由書の提出もないときは,刑訴法414条・386条2項・385条2項・426条1項により,決定で申立てを棄却されます(最高裁昭和42年9月25日決定)。

3 異議の申立てを認容して上告棄却決定を訂正した事例
・ 異議の申立てを認容して決定を訂正した事例としては以下のものがあります。
① 上告趣意書最終提出日の通知が適法にされていなかったのに,上告趣意書不提出として上告棄却決定をしていたため,同決定を取り消し,上告趣意書最終提出日を変更する旨の決定をしたもの(最高裁昭和33年2月4日決定
② 上告棄却決定前に被告人が死亡していたことが判明したため,同決定を取り消して公訴棄却の決定をしたもの(最高裁昭和42年5月17日決定
③ 刑の執行と競合する未決勾留日数を算入していたため,主文中の算入部分を削除するなどしたもの(最高裁昭和42年12月25日決定

4 刑事事件の上告棄却決定の確定時期
・ 刑事事件の上告棄却決定が確定するのは,3日間の異議申立期間が経過したとき,又はその期間内に異議の申立てがあった場合には,これに対する裁判が被告人に送達されたときとなるのであって,上告審判決の確定時期に関する刑訴法418条に準じた取扱いとなっています(逐条実務刑事訴訟法1167頁及び1168頁)。

5 関連記事その他
(1)ア 訂正の申立て(刑事訴訟法415条)は上告審判決に対してできるのであって,上告棄却決定に対してすることはできません(最高裁大法廷昭和30年2月23日決定)。
イ 訂正の申立て及び異議の申立ては,いずれも,本案事件の裁判に関するものであり,判決又は決定の内容に誤りのあることを発見した場合にのみ許される訂正を求める手続きです(最高裁昭和52年4月4日決定)。
(2) 最高裁判所のした保釈保証金没取決定に対しては刑訴法428条の準用により異議の申立てをすることができます(最高裁昭和52年4月4日決定)。
(3) 上告棄却決定に刑訴法436条1項各号所定の再審事由がある場合,再審請求ができます(最高裁大法廷昭和31年5月21日決定)。
(4) 以下の記事も参照してください。
 最高裁判所事件月表(令和元年5月以降)
・ 判決要旨の取扱い及び刑事上訴審の事件統計
・ 最高裁判所調査官
・ 最高裁判所判例解説

特例判事補

目次
1 地家裁における特例判事補
2 高等裁判所判事職務代行としての特例判事補
3 特例判事補制度制定時の国会答弁(令和3年2月7日追加)
4 臨時司法制度調査会意見書(昭和39年8月28日付)の記載
5 司法制度改革審議会意見書(平成13年6月12日付)の記載
6 平成15年2月当時の特例判事補の状況
7 平成15年2月当時,特例判事補制度を段階的に見直す方針であったこと
8 関連記事その他

1 地家裁における特例判事補
(1) 根拠法の条文
・ 「判事補は、他の法律に特別の定のある場合を除いて、一人で裁判をすることができない。」と定める裁判所法27条1項の例外としての,判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年法律7月12日第146号)1条は以下のとおりです。
① 判事補で裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第四十二条第一項各号に掲げる職の一又は二以上にあつてその年数を通算して五年以上になる者のうち、最高裁判所の指名する者は、当分の間、判事補としての職権の制限を受けないものとし、同法第二十九条第三項(同法第三十一条の五で準用する場合を含む。)及び第三十六条の規定の適用については、その属する地方裁判所又は家庭裁判所の判事の権限を有するものとする。
② 裁判所法第四十二条第二項から第四項までの規定は、前項の年数の計算に、これを準用する。
(2) 裁判所百年史の記載
・ 裁判所百年史(平成2年11月26日発行)207頁には,特例判事補に関して以下の記載があります。
   判事補は、司法修習生の修習を終えた者の中から任命される。なお、裁判所法上は、判事補は、原則として一人で裁判をすることができず、また、同時に二人以上合議体に加わることや裁判長となることもできないものとされているが、裁判事務繁忙の実情等にかんがみ、判事補の職権に関するこのような制限を臨時に緩和するため、昭和二三年七月一二日、判事補の職権の特例等に関する法律が公布され、判事補でその在職年数が五年以上になる者のうち、最高裁判所に指名された者は、右のような職権の制限を受けず、判事の権限を有するものとされることになった。



2 高等裁判所判事職務代行としての特例判事補

(1) 根拠法の条文
・ 「各高等裁判所は、高等裁判所長官及び相応な員数の判事でこれを構成する。」と定める裁判所法15条の例外としての,判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年法律7月12日第146号)1条の2(昭和32年5月1日法律第92号によって追加された条文です。)は以下のとおりです。
① 最高裁判所は、当分の間、高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるときは、その高等裁判所の管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事補で前条第一項の規定による指名を受けた者にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
② 前項の規定により判事補が高等裁判所の判事の職務を行う場合においては、判事補は、同時に二人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。
(2) 裁判所法逐条解説の記載
・ 裁判所法逐条解説(上巻)165頁及び166頁には,高等裁判所判事の職務を代行する特例判事補に関して以下の記載があります。
(165頁の記載)
   職権特例判事補が高等裁判所判事の職務代行を命ぜられるのは、「高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるとき」である。これは、本条(山中注:裁判所法19条のこと。)の場合と異なり、必ずしも、特定の高等裁判所におけるさし迫つた必要性のみに限らず、もう少し広い意味で、最高裁判所が全国的視野において、全国各裁判所の裁判事務をできる限り効率的に運営するという観点からする必要性もふくむ趣旨と解され、本条の場合に比し、その範囲(特定性),程度(急迫性)等において差があるものということができる。
(166頁の記載)
   この措置(山中注:特例判事補が高等裁判所判事の職務を代行するという措置)は,「当分の間」行われるものである。けだし,判事の定員が充足した後は,高等裁判所は,できる限り,判事のみの合議体で事件を処理するものとすることが望ましいし,また,判事補制度そのものについても,なお十分検討されるべき点が少くなく,右に述べた制度をもって恒久的なものとするには,多くの疑問が存するからである。
(3) 最高裁判所十年の回顧の記載等
ア 最高裁判所十年の回顧(三)には以下の記載がありますし(昭和32年12月発行の法曹時報9巻12号38頁),立法趣旨に関しては,昭和32年4月5日の衆議院法務委員会における位野木益雄(いのきますお)法務大臣官房調査課長の答弁も同趣旨のものとなっています。
   一方、立法の面における第一審強化方策として、第二十六国会を通過した「判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律」がある。この法律は本年五月一日から施行されているが、その趣旨とするところは、第一審の充実強化を円滑に行うため、当分の間の措置として、いわゆる職権特例判事補に高等裁判所の判事の職務を行わせることができるようになったことである。現在地方裁判所で単独事件を処理している職権特例判事補は二百名以上にも達しているが、これをできる限り判事と交替させることが望ましい。この判事の供給源は、さしあたりこれを高等裁判所に求めなければならない。そこで高等裁判所判事を地方裁判所に配置換えし、その後を職権特例の判事補でおぎない、高等裁判所の合議体の一員に加えようとするものである。これによって第一審の充実強化をはかるとともに、一面、高等裁判所にも清新の気を送り、あわせて人事の交流をはかろうとするものである。
   この法律の施行にともなって、最高裁判所は、裁判官の配置換えを行っているが、本年十一月二十日までに、すでに判事補八名が高等裁判所に送りこまれている。
イ 制定経緯からすれば,「高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるとき」というのは,「第一審強化のために地裁に配置換えされた高裁判事の欠員を埋めるために特に必要があるとき」といった意味合いになります。
(4) 控訴院判事の任命資格
・ 明治憲法時代,5年以上裁判官の経験があれば控訴院判事の任命資格を取得しました(裁判所構成法69条)。


3 特例判事補制度制定時の国会答弁
(1) 兼子一 法務調査意見長官は,昭和23年6月12日の衆議院司法委員会において以下の答弁をしています。
  ただいま議題となりました判事補の職権の特例等に関する法律案の提案理由を申し上げます。
  新憲法の施行によりまして、わが司法制度に画期的な改革が行われ、司法の職責のきわめて重大となりましたことは、いまさら申し上げるまでもないところでありまして、政府といたしましても、この重責を担う裁判所の機構の整備充実に、でき得る限りの力をいたしてまいつたのであります。しかしながら、終戰後のこの深刻多難な社会情勢のもとにおきましては、裁判所の機構の整備は、容易ならぬことでありまして、裁判所の廳舎、その他諸種の物的設備が十分に整わないことはもとより、人員の整備充実の点につきましても、困難を感じているのでありまして、本年三月末日現在の裁判官の欠員は三百六名に達し、特に判事の欠員は百八十二名の多きに達しているのであります。この裁判官不足の原因については、いろいろ考えられるのでありますが、そのおもなるものとしては、裁判官の待遇が、必ずしも十分でなかつたことと、その負担があまりに過重であることがあげられるのでありまして、このため裁判官の献身的な努力にもかかわらず、未済事件は増加の一途をたどり、現状のままに推移するときは、司法の運営に重大なる支障を來すおそれなしとしないのであります。このような事態に処する対策としては、裁判官の待遇を改善して、廣く有為の人材を吸收して欠員の補充をはかることと、裁判官を増員してその負担を軽くすることであります。裁判官の待遇につきましては、さきに提案して法律案によりまして、相当の改善をみることになつたのでありますが、これとて決して十分のものでなく、これのみでは今日ただちに裁判官不足の悩みを解消することは困難と存じますので、当面の措置といたしましては、現在活用し得る人材を、最も有効に活用いたしたく、その方策としては次の二つのことが考えられるのであります。第一は、判事補の活用であります。裁判所法によりまして、判事の地位は著しく高められ、判事に任命せられるには、司法修習生の修習を終え、考試に合格した後、裁判官、検察官または弁護士等として十年以上の経驗を積まねばならず、それまでは、判事補または簡易裁判所判事としてのみ、裁判官の職務を行ひ得るにすぎないのでありまして、判事補としては、原則としては一人で裁判をしたり、同時に二人以上会議体に加わり、または裁判長となることができないというような、職権の制限を受けておるのでありますが、判事補の中には実質上判事たるにふさわしい十分な力量と経驗とを有しながら、形式上の資格要件を欠くために、判事たり得ないものが少くなく、今日の情況にありましては、これらの人々を十分に活用してしかるべきことと存ずるのでありまして、判事補のうち、裁判官、検察官または弁護士としての経驗年数が五年以上にもなり、最高裁判所が、判事としての職務を行わしめるに適するものと認めた者には、判事として職務を行わせるようにすることが、この際きわめて適切であり、かつ必要であると信ずるのであります。
  次に第二の方策としては、裁判所法に規定せられておりまする裁判官の任命資格に関する経過規定の改正でありまして、現在これに関する規定としては、裁判所法施行令の第八條ないし第十條及び第一回國会を通過成立した裁判所法の一部を改正する法律(昭和二十三年法律第一号)の附則第二項ないし第四項等がありまして、裁判所構成法による判事もしくは検事の在職、これらの職につく資格を有する者等の朝鮮、台湾、関東州、南洋廳及び満州國における裁判官の在職、これらの外地もしくは満州國における検察官の在職または行政裁判所評定官、司法研究所指導官、司法書記官等の在職の年数は、これを裁判所法による判事、判事補、検察官、司法研修所教官または法務府事務官——現在の法務廳は、別に法案を提出して法務府と改称いたしたいと思いますが——等の在職の年数とみなすこと等が定められておりますが、この際これらの規定をさらに拡張して、内地、朝鮮、台湾、満州國または蒙古等で実質上右に述べた諸官職と同様な法律的の事務を取扱う職にあつた者についても、一定の條件のもとに、その在職年数をこれに算入することとし、なお、朝鮮、台湾及び関東州の弁護士の在職年数をも、弁護士法による弁護士の在職年数とみなすこととして、実質上十分なる知識と経驗とを有しながら、形式上の資格要件を欠くために、判事簡易裁判所判事、または判事補等となり得なかつた者に、それぞれその資格を與えて、これを十分に活用することが必要であり、かつ適当であると存ずるのであります。
  この法律案は、以上申しましたよな趣旨で立案提出いたしたのでありまして、第一條は、判事補で裁判所法第四十二條第一項各号に掲げる判事補、簡易裁判所判事、檢察官または弁護士等の職の一または二以上にあつて、その年数を通算して五年以上になる者のうち、最高裁判所の指名する者は、当分の間、判事補としての職権の制限を受けないものとし、またその属する地方裁判所の判所官会議の構成員となり、管内の簡易裁判官の職務を行う権限を有することを定め、第二條は、裁判所構成法による判事または檢事たる資格を有する者が、同條に掲げる内地、朝鮮、台湾、満州國及び蒙古連合自治政府等における各種の職にあつたときは、その在職年数は、裁判官の任命資格に関する裁判所法第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを判事、判事補、検察官、法務府事務官または法務府教官の在職年数とみなすこととし、第三條は、弁護士たる資格を有する者が、朝鮮、台湾、関東州等の外地弁護士の職にあつたときは、裁判所法第四十一條ないし第四十四條の規定の適用については、その在職の年数は、これを弁護士の在職の年数とみなし、外地弁護士の在職年数、もしくは外地弁護士及び弁護士令による弁護士試補として実務修習を終え考試を経たものは司法修習生の修習を終えたものとみなされることを定め、さらに附則では、この法律の施行に必要な規定を設けたのでありまして、その第四條は、この法律の施行期日を定め、第五條は、第一條に定める判事補の裁判官、検察官または弁護士等としての経驗年数の計算についての経過規定を定めたものでありまして、その内容は一應前に申しました裁判官の任命資格に関する経過規定にならつたのであります。また第六條は、さきに述べた裁判所法の一部を改正する法律の附則第二項ないし第四項が、この法案の成立によつて、その存在理由を失うことになりますので、これを削除することを定めたものであります。
  以上この法案について概略の御説明を申し上げましたが、なお詳細につきましては、御質問に應じてお答えいたしたいと存じます。何とぞ愼重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。
(2) 岡部常 参議院司法委員会理事は,昭和23年7月3日の参議院本会議において以下の答弁をしています。
  判事補の職権の特例等に関する法律案について申上げます。本案の内容は裁判所法で一人前の判事になるには、十年間、裁判官、検察官、弁護士等の職にあつたことを必要とするように定められておりますため、判事の不足が二百名に達する有様で、民事刑事の事件の処理に困難しておる現状であります。前に述べました在職十年経過の条件に満たざる者は、判事補として地方裁判所の限られた事件は、独りで処理できない等の制限があるのでありますが、当分の事態に対処いたしまする方便として、五年以上の経驗を持つ判事補の中、優秀な者を最高裁判所が指名して、当分の間、判事と同じような権限を與えて事件の処理に当らせるというのが第一條でありまして、第二條以下は、裁判所構成法当時の判事又は検事の資格のあつた者が、朝鮮、台湾、満州、蒙古の司法関係や、司法領事、南方の司政官等になつて、司法関係の仕事をした者や、特許局関係の審判事務に従事していた者の、その間の期間を、判事になる資格の十年の期間に参入し、又は現在又は将来衆議院、参議院の司法委員会の専門調査員、法制部の参事、副参事等に在職した期間も通算になるという規定であります。尤もこの中、満州関係の分は、第一國会で解決したのでありますが、この法律の中に取り入れて一本に纏めたものであります。
  委員会におきましては、時宜に適した適当な立法であることを認めまして、討論を省略し、全会一致可決すべきものと決定いたした次第でございます。

4 臨時司法制度調査会意見書(昭和39年8月28日付)の記載
   臨時司法制度調査会意見書(昭和39年8月28日付)の決議要目には以下の記載があります。
第一 裁判官制度
 一 任用制度運用の改善
   弁護士、検察官等で裁判官となるにふさわしいものをできる限り多数裁判官に任用することができるよう法曹三者が協力すること。
 二 判事補制度の改善
  1 判事補は、原則として、地方裁判所及び家庭裁判所において、一人で判決をすることができないものとすること。
  2 判事補のうち在職三年に達しない者は、判決以外の裁判も、特に法律で定める軽易なものを除き、一人ですることができないものとすること。
  3 判事補の研修を充実強化すること。
 三 簡易裁判所判事制度の改善
  1 簡易裁判所判事には、できる限り、判事定年退官者等法曹有資格者を充てること。
  2 いわゆる選考任命の簡易裁判所判事は、各方面から人材を求めるとともに、その素質の向上を図ること。
  3 一定年数の経験を有する選考任命の簡易裁判所判事で一定の考試を経たものは、判事補に任命することができるものとすること。
 四 裁判官の増員
   裁判官の定員を相当程度増加すること。
 五 裁判官の補助機構
  1 裁判所調査官制度を次のとおり拡充すること。
   (一) 高等裁判所における裁判所調査官の制度を拡充し、これに一般事件の審理及び裁判に関する調査をもつかさどらせるようにすること。
   (二) 地方裁判所に、裁判官の命を受けて工業所有権関係事件等の特殊事件の審理及び裁判に関して必要な調査をつかさどる裁判所調査官を置くこと。
   (三) 地方裁判所に、裁判官の命を受けて一般事件の審理及び裁判に関して必要な調査をつかさどる裁判所調査官を置くことを検討すること。
  2 1のほか、裁判所の補助職員の充実整備を図ること。

5 司法制度改革審議会意見書(平成13年6月12日付)の記載
   司法制度改革審議会意見書(平成13年6月12日付)には以下の記載があります。
(1) 判事補制度の改革等

(中略)
イ 特例判事補制度の解消
 特例判事補制度については、裁判官数の不足に対応するための「当分の間」の措置であったことや、十全の権限を行使する判事となるためには10年の法律専門家としての経験を要求している裁判所法の趣旨にかんがみ、計画的かつ段階的に解消すべきである。裁判官の大幅増員の必要性については既に言及したところであるが、特例判事補制度の解消のためにも、判事を大幅に増員すべきであり、後記(2)の措置を講じること等により、判事の大幅増員に対応できるよう、弁護士等からの任官を推進すべきである。

6 平成15年2月当時の特例判事補の状況
・ 特例判事補制度の見直しについて(平成15年2月18日付の最高裁判所事務総局の文書)には「2 特例判事補の現状」として以下の記載があります。
○  特例判事補は,全国各地の裁判所で多様な事件を判事と同等に担当し,処理している。地裁・家裁の支部で勤務する特例判事補の数も多い。
・ 全国的な配置状況(資料1,2)
 現在,約400人の特例判事補が全国各地の裁判所で事件処理を担当し,そのうち,300人以上が,民事・刑事の訴訟事件などを単独で担当している。約130人の特例判事補が支部に配置されており,そのうち,約20人は,離島,遠隔地などのいわゆる1人配置支部に勤務している。
・ 事件処理の現況
 特例判事補は,地裁本庁等では,民事・刑事の単独事件を中心に担当している。支部等では,民事・刑事の単独事件のほか,執行事件,家事事件など多様な事件を同時に担当している。
* 例えば,新潟地家裁佐渡支部(佐渡),長崎地家裁福江支部(五島列島),厳原支部(対馬),鹿児島地家裁名瀬支部(奄美大島)などへ特例判事補が赴任し,夜間令状事件を含め24時間体制で地域の司法を担っている。
* 判事補任官後の5年間,民事・刑事の合議事件の左陪席や,少年事件などの経験を積むことを通じて,単独で訴訟事件を担当することができるように,その力量を培う。特例判事補となった後は,赴任庁の事件状況に応じて事務を担当するが,訴訟事件が増加傾向にあることから,単独事件の担当とすることが多い。また,特例判事補は,子どもの年齢がまだ低く,親の介護を要するに至っていない年代の者が多く,転勤の支障が比較的小さいことから,離島,遠隔地等に所在する裁判所への赴任候補者とすることが少なくない。

7 平成15年2月当時,特例判事補制度を段階的に見直す方針であったこと
・ 特例判事補制度の見直しについて(平成15年2月18日付の最高裁判所事務総局の文書)には「3 検討の方向性」として以下の記載があります。
○ 裁判所法が判事任命のための資格として判事補経験10年を要求している趣旨,特例判事補制度が「当分の間」の措置とされている趣旨に照らし,特例判事補制度を段階的に見直す方針である。
○ 当面は,後記の条件整備の状況を踏まえつつ,特例判事補が単独訴訟事件を担当する時期を,任官7年目ないし8年目へシフトすることを目標とし,その担当事務をこれまで以上に合議事件に振り向けるとともに,各種非訟事件等の多種多様な事件とすることを工夫するなどして,段階的な見直しを推進する予定である。
・ 特例判事補の果たしている役割及び弁護士任官の現状を考慮すれば,まず,任官6年目ないし7年目の特例判事補による単独事件の担当から見直す方策を検討したい。代替する判事の人数の確保及び支部勤務者の確保という観点から,都市部から見直しを始めていくことになろう。その上で,条件整備の状況を踏まえつつ更に見直しを進めていきたい。
・ 約400名の特例判事補の見直しのためには,これに代替する判事を確保することが必要不可欠である。また,これと並行して,審理の充実・迅速化,事件増加へ対応するため,判事による事件処理態勢の充実強化を図る必要がある。
・ 資質能力を備えた判事を確保する必要があることに変わりはなく,前記のような段階的な見直しとともに,特例判事補の担当事務の見直しを含む人事ローテーションの在り方を検討し,特例判事補への研修を一層充実強化する必要がある。
・ 例えば,これらの特例判事補の担当事務としては,地家裁の合議事件を中心として,各種非訟事件(破産,執行等),簡裁の訴訟事件,調停事件等が考えられるとともに,研修としても,裁判所外部の経験(海外留学,行政官庁への出向などに加え,弁護士事務所への派遣等)等の多様なものが考えられる。
・ 特例判事補を含む判事補の研さん態勢も一層充実させることを考えている。


8 関連記事その他
(1) 民事訴訟法312条2項1号は「法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。」を絶対的上告理由としていますところ,判事補の職権の特例等に関する法律に違反することは同号に該当すると思います。
(2) 京都弁護士会は,司法制度改革審議会に対し,判事補制度の廃止を求める意見書(2000年11月22日)を提出しました。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官の種類
・ 職務代行裁判官
・ 裁判官の号別在職状況
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置

家事事件に関する審判書・判決書記載例集(最高裁判所が作成したもの)

平成25年1月1日の家事事件手続法(平成23年5月25日法律第52号)施行後に作成されたと思われる,家事事件に関する審判書・判決書記載例集(最高裁判所が作成したもの)を以下のとおり掲載しています。

1 婚姻費用分担申立事件
・ 基本型
・ 収入認定が困難な事案(各種統計資料により認定・判断した事例)
・ 標準算定表額に特殊事情の考慮が主張される事案(標準算定方式における学校教育費相当額を超える学費負担を考慮した事例)
・ 標準算定表額に特殊事情の考慮が主張される事案(義務者による権利者居住居宅のローン負担を考慮した事例)
・ 標準算定表額に特殊事情の考慮が主張される事案(義務者による権利者居住居宅のローン負担を考慮しなかった事例)
・ 増額・減額申立事件(減額した場合)
2 養育費申立事件
・ 基本型
・ 子が4人以上の場合
・ 義務者も子を養育している場合
・ 義務者の収入が算定表の上限を超える場合
・ 収入の変動により減額する場合
・ 扶養家族の変動により減額する場合
・ 子の大学進学による教育費増加により養育費を増額する場合
3 面会交流申立事件
・ 給付を特定した形で直接交流(面会)を認めた事例
・ 給付を特定しないで直接交流(面会)を認めた事例
・ 直接交流(面会)を認めず,間接交流のみを認めた事例
・ 面会交流を認めなかった事例
4 監護者指定申立事件
・ 申立人を監護者に指定した事例
・ 相手方を監護者に指定した事例
・ 審判前の保全処分申立事件 保全の必要性なしとして却下した事例
5 親権者変更申立事件
・ 認容した事例
・ 親権者死亡後他の親へ変更した事例
・ 却下した事例
6 遺産分割申立事件
・ 基本型(現物分割,代物分割)
・ 換価分割,共有分割,現物分割
・ 却下事例
・ 特別受益を否定した事例
・ 特別受益を肯定し,具体的相続分を算定したうえ,遺産分割をした事例(特別受益否定,持戻し免除の意思表示も含む。)
・ 寄与分を否定した事例2件
・ 寄与分を一部肯定した事例
7 祭祀財産の承継者指定申立事件
8 特別縁故者に対する相続財産の分与申立事件
・ 全部分与
・ 一部分与・却下事例
9 推定相続人廃除申立事件
・ 認容した場合
10 相続放棄申述事件
・ 却下した事例


11 氏の変更許可申立事件・名の変更許可申立事件・戸籍訂正許可申立事件
・ 氏の変更許可申立を却下した事案
・ 名の変更許可申立を却下した事案
・ 戸籍訂正許可申立事件(認容した事案)
12 性別の取扱いの変更申出書
・ 認容した事例2件
13 特別養子縁組申立事件
・ 第1段階の審判
・ 第2段階の審判
14 親権喪失申立事件・親権停止申立事件
・ 認容した事例
・ 審判前の保全処分(親権者の職務執行停止及び職務代行者の選任)を認めた事例
15 児童福祉法28条1項及び2項
・ 認容した事例
16-1 後見開始の審判申立事件
・ 基本型(親族後見人,鑑定実施)
・ 監督人選任
・ 複数後見人・権限分掌あり
・ 保佐からのバージョンアップ
・ 任意後見契約登記がある例
・ 任意後見監督人選任済みの審判
・ 却下例
16-2 保佐開始の審判申立事件
・ 開始するも代理権付与は同意なく却下
16-3 補助開始の審判申立事件
・ 同意なく却下
16-4 任意後見監督人選任申立事件
・ 法定後見と競合し認容した事例
・ 法定後見開始済みで却下した事例
16-5 後見開始の審判の取消申立事件
16-6 成年後見人解任事件
・ 報告懈怠等を理由に認容した事例
・ 横領等を理由に認容した事例
・ 却下した事例
16-7 相続財産管理人選任申立事件
・ 本人死亡後相続財産引渡しまでの処分
16-8 審判前の保全処分申立事件
・ 財産管理者選任・保佐命令
17 渉外事案 親権者変更申立事件
18 合意に相当する審判
・ 嫡出否認
・ 親子関係不存在確認
・ 認知申立事件
・ 協議離婚無効確認申立事件
19 調停に代わる審判
・ 夫婦関係調整調停申立事件(合意型)
・ 婚姻費用分担調停申立事件(欠席型)
・ 面会交流調停申立事件(不一致型)
・ 遺産分割申立事件(不出頭型)
・ 遺産分割申立事件(不一致型)
・ 遺産分割申立事件(合意型・渉外事件)
20 離婚請求事件
・ 基本型(離婚原因の存否,認容例)
・ 離婚原因の存否(棄却例)
・ 有責配偶者の抗弁の成否(請求棄却)
・ 有責配偶者の抗弁の成否(認容例)
21 離婚等請求事件
・ 財産分与(基本形)
・ 財産分与(基準日に争いがある事案)
・ 財産分与(特有財産部分に争いがある場合-不動産)
・ 財産分与(特有財産部分に争いがある場合-預貯金)
・ 財産分与(寄与度に争いがある事案)
・ 不動産の分与が問題となる事案(不動産ローンの引受けが問題とならない事案)
・ 不動産の分与が問題となる事案(不動産ローンの引受けが問題となる事案)

*1 一つのPDFファイルにしたものを,家事事件に関する審判書・判決書記載例集として掲載しています。
*2 「第3版 家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」432頁には以下の記載があります。
    判決書のように執行力を有しない債務名義は,裁判所書記官に対し執行文の付与の申立てをなし,執行文付与の有無や,執行力の存否を調査して付与されるところ(民執26条1項・2項),給付を命ずる家事審判は,執行力のある債務名義と同一の効力を有することから(家事法75条),審判書の正本は,それ自体で執行文の付された債務名義の正本と同視される。そのため,審判の告知の際に,審判書の正本を職権で作成・送達することは, 申立てを待たず,かつ,執行力の調査を行わずに債権者に執行文付与と同視されることを理解した運用が必要である。実務においては,審判の告知は審判書の謄本で行い,強制執行を実施する場合には,改めて審判書の正本の交付申請を行い,裁判所書記官による調査を経た上,正本の交付を受けることになる。なお,東京家庭裁判所家事5部では,調停に代わる審判,本審判とも便宜正本送達をしている。

弁護士任官に対する賛成論及び反対論

・ 臨時司法制度調査会意見書(昭和39年8月28日付)(略称は「臨司意見書」です。)において,「法曹一元の制度の長所と短所」のうち,弁護士任官に対する賛成論及び反対論として妥当するものは以下のとおりです(出典は昭和39年8月発行の法曹時報別冊33頁ないし38頁です。)。
   
1 裁判官任用制度の民主化からの側面
(賛成論)
① 現在の司法部が魅力に欠けている原因は,現在の裁判官の任用制度が国民的基盤の上に立っていない点にある。
   この弊を是正するためには,国民とより直接のつながりをもつ弁護士を(国民的基盤の上に直接立つような構成をもつ推薦機関の推薦によって)裁判官に選任する制度が有効である。
② 民主主義下においては,国民が司法を自分らのものと意識するようになることが必要であるが,弁護士はその職務自体から民衆の味方となっているものであるから,これから裁判官を選ぶことにすれば,国民との間に血の通った裁判が行われるようになる。
③ 司法に国民の意志を反映させ,民主主義の目的を達成するためには,その方策として,国民に近い弁護士から裁判官を選ぶことにするのが,賢明にして現実的な手段である。
④ 若い時から裁判所に閉じこもっているキャリアの裁判官より世間一般と接触している弁護士の方が民主的である。
⑤ キャリアの裁判官と異なり,弁護士は,社会からきびしい批判を受けることによって,社会的評価がおのずから定まっているので,弁護士の中から裁判官を選考すれば誤りがなく,裁判に対する国民の信頼を増大させることができる。
(反対論)
① 司法の民主化がはたして何を意味するかが明らかでない。また,弁護士が裁判官になれば民主的であるとする考え方の根拠が不明である。
   現在の弁護士が現在の裁判官より民主的であるという保障はどこにもない。
② 弁護士から裁判官を採用すれば,裁判に対する国民の信頼の問題が氷解するとは考えられない。
   要は,裁判官その人の教養と人格いかんにある。
③ 弁護士に対して社会一般が信頼を寄せているとは思えない。また,一般国民は,弁護士に親近感をもっていない。
   したがって,弁護士から裁判官を採用することが直ちに民意を反映することにはならず,国民はそのようには考えていない。
④ 司法の民主化のための手段としては,むしろ裁判官の公選,陪審,参審の制度を考慮すべきであり,決して法曹一元の制度の採用に限定されるものではない。しかも,制度を論ずる場合には,能率,安定性等個々の面からの利害得失を総合的に考える必要がある。
   したがって,司法の民主化が望ましいとすることから,直ちに法曹一元の制度を採用すべきであるとすることは,論理の飛躍である。
   
2 弁護士経験からの側面
(賛成論)
① 実社会に直接接触して,生きた社会の実態を知り,豊富な社会的経験を有する弁護士が裁判官となることにより,真相に適した裁判が行われるようになり,裁判の説得力と信頼性を増すことができる。
② 弁護士から裁判官を採用することにより,広い視野を有する裁判官を得ることができる。
③ 弁護士,検察官のような当事者活動を経ることにより,知識経験が豊かになり,人間の見方が錬成されて来る。
④ すぐれた裁判官となるためには,弁護士の経験がキャリアの経験にまさる。つまり弁護士の経験により,人権感覚を身に付けることができる。
   人権感覚とは,具体的なケースに現れた社会の要求に対し切実綿密に反応する感覚である。
⑤ 弁護士の経験は,依頼者に対する責任に裏付けられているから,キャリアの裁判官の経験と質的に異なるものがある。
(反対論)
① 弁護士のみが社会常識に富むとすることは独断であり,弁護士の経験のみが裁判官に必要な経験とは言えない。
   要は,その人個人の素質,生活態度,そしゃく能力のいかんによる。
② 弁護士の経験といえども,社会との直接の接触による直接的な経験ではなく,間接的なものにすぎない。
③ 弁護士の経験には,ともすれば裁判官に要請される廉潔,公正ということと矛盾する面がある。
④ 在野の苦労を経て社会の荒波をくぐってきたものでなければ裁判官となる資格がないとすることは,合理的な理由を欠く。
⑤ 社会的事象に対する知識,当事者の立場に立って物を考える能力は,弁護士を経験したからすぐれ,キャリアであるから劣るというものではない。
⑥ 当事者経験を強調することにも疑問がある。当事者経験があることによって訴訟指揮が適切に行なわれ,事実認定が的確に行われるためには,裁判所の訴訟活動と当事者の訴訟活動との間に大きな距離がないこと,対立がないことが前提であるが,現状では,弁護士の活動は,当事者の利益擁護に傾きすぎている。
⑦ 裁判官が弁護士の中から選ばれるという制度には弊害も伴い,このような制度がわが国の国民感情に適合するかどうか疑わしい。
⑧ 裁判官となるためには当事者としての経験が必要であるとしながら,法曹一元論のあるものが裁判官の給源を実務弁護士以外に拡大しようとしていることは,矛盾である。
⑨ 弁護士は,裁判官と異なり,必ずしも各種の事件を取り扱うとは限らないから,その当事者経験は,限られた分野のものにとどまる。
⑩ 裁判官と弁護士との間には,その職務の性質において,質的な相違があり,裁判官の職務は,双方の主張を聞いていずれが正しいかを判断するものであるのに対し,弁護士の職務は一方の当事者の利益のみを考えるものであるから,後者の経験をもって前者のそれに代えることはできない。
   両者には,それぞれ異なった性格,訓練が要求される。
⑪ 弁護士出身の裁判官には個性が強すぎるという批判があり,各事件を通じての安定性のある判断という要請が満たされないこととなる虞れがある。
   
3 その他からの側面
(賛成論)
① 法曹一元の制度が実現されれば,在野法曹が司法の運営に責任をもつということが制度的に明確になるので,そのことが訴訟指揮等の面にも現われ,円滑な能率的な司法の運営を期待しうるようになる。
② 司法の円滑な運営のためには,在朝在野の法曹の対立感の一掃,裁判所に対する法曹全体の協力体制が必要であるが,そのためには,法曹一元の制度を確立する必要がある。
③ 裁判官自身の努力のみによってその地位を向上させることは容易ではなく,そのためには,法曹全体がこれをもり立てて行かなければならない。
   そのような基盤を作るためにも,法曹一元の制度が有用である。
④ 法曹一元の制度が実現されれば,その制度の下における裁判官の給与は現在とは著しく異なるものとなるであろうから,現行制度の下において難問とされている裁判官の給与の問題が一挙に解決されうる。
(反対論)

① 英米における法曹一元の制度は,それぞれに特有な歴史的及び社会的背景の下に自然にできあがったものであって,一挙に法律で作ったものもでもなければ,また,作りうるものでもない。
② 英米の判例法主義の下に成立した制度は,わが国のような成文法主義の国で直ちにこれに追随することはできない。
③ 法曹中の長老が裁判をすることによる効果をあげるためには,法曹全体,ことに弁護士全体の中に一体感及び国民の信頼感が存在することが必要であるが,わが国の場合には,そのような社会的背景が欠けている。
   また,法曹一元の制度を採用するということは,司法の根幹に関する革命的な改革であるから,一般国民がこれを支持する熱意がないのに実行できるはずがない。

④ 裁判官の給与の問題を解決するために法曹一元の制度を考えるのは,本末を転倒した議論である。
   
*1 首相官邸HPに「法曹一元制度の長所と短所(臨時司法制度調査階意見書より)」が載っています。
*2 最高裁判所とともに(著者は高輪1期の矢口洪一 元最高裁判所長官)56頁には以下の記載があります。
   臨司では司法試験改革や裁判所の適正配置問題など、今日法曹界で論議されている司法制度の問題点があらかた取り上げられた。ただ、結果的に日の目を見たものはごく一部だったところから、「裁判所がいいところだけをつまみ食いした」などとの批判もあったが、毎回ほとんど全委員の出席を得て会議の議論は終始真剣そのものだったと思う。

*3 以下の記事も参照してください。

・ 法曹一元
・ 平成11年11月までの弁護士任官の状況
・ 平成13年2月当時の,弁護士任官に対する最高裁判所の考え方
・ 弁護士任官等に関する協議の取りまとめ(平成13年12月7日付)
・ 弁護士任官者研究会の資料