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裁判所の組織・事務分配

名古屋高裁の裁判官会議議事録の読み方―令和8年6月26日の委員会改廃と事件分配(AI作成)

目次

第1 資料の対象と日付1 会議日と議事録作成日2 付議・承認・報告を区別する第2 委員会規程の改正と廃止1 常置委員会の構成員の追加2 判例委員会規程・広報委員会規程の廃止第3 民事事件の分配に関する変更1 第一審事件裁判書の頁数による区分2 改正後民事訴訟法が適用されない事件3 親権行使者の指定抗告事件の緊急処理区分第4 実務での確認方法と資料の限界1 当該時点の規程と個別事件の記録を分ける2 公開版の黒塗り部分から推測しない第5 出典・関連記事1 一次資料2 関連記事

名古屋高裁の令和8年6月26日の裁判官会議では,常置委員会規程の改正,判例委員会・広報委員会の規程の廃止,裁判官の配置等の変更が扱われた。添付資料には,民事控訴事件の分配基準を第一審事件裁判書の頁数で区分する変更も収録されている。

会議で決めた事項と,既に実施した事項の承認・報告を分け,それぞれの施行日を確認することが重要である。以下は,公開された議事録・添付資料の記載から読み取れる範囲を整理したものである。

第1 資料の対象と日付
1 会議日と議事録作成日

名古屋高裁の裁判官会議議事録(令和8年6月26日開催分)は,全63頁の公開版である。会議は令和8年6月26日午後3時30分から大会議室で,参集又はウェブ会議によって開催され,議事録には同年7月7日付の作成日が記載されている(PDF1~4頁)。

添付資料には,会議資料,常置委員会規程の改正・改正後の規程,委員会規程の廃止,裁判官配置・裁判事務分配等の定めが含まれる。日付を引用するときは,会議日,議事録作成日,個々の変更の施行日を区別する。

2 付議・承認・報告を区別する

議事録は,付議事項,承認事項,報告事項を分けて記載している。委員会規程の改廃等の付議事項は全員異議なく可決され,裁判官配置・裁判事務分配・司法行政事務の代理順序の変更についても全員異議なく承認されたとされる。他方,事件の回付,裁判官の職務代行等は報告事項に掲げられている(PDF1~2頁)。

高等裁判所の司法行政事務については,裁判所法20条が,裁判官会議の議によりこれを行い,高等裁判所長官が総括する仕組みを定める。ただし,今回の会議資料に載った事項を,すべて6月26日に初めて効力が生じた決定と読むことはできない。添付資料には4月1日や5月21日など,それ以前の変更日も記載されている。

第2 委員会規程の改正と廃止
1 常置委員会の構成員の追加

令和8年6月26日付の名古屋高裁規程第1号は,常置委員会規程2条1項に第5号を加え,「支部の部の事務を総括する裁判官」を構成員に加えるものである。施行日は同年7月1日である(PDF15~19頁)。

改正後の規程には,長官,本庁の部の事務を総括する裁判官,本庁の民事部・刑事部から互選する裁判官,支部長等の構成が記載されている。改正箇所を確認するには,議事録の議題だけでなく,改正文と改正後の規程の双方を読む必要がある。

2 判例委員会規程・広報委員会規程の廃止

名古屋高等裁判所判例委員会規程と,名古屋高等・地方・家庭裁判所広報委員会規程については,それぞれ令和8年6月26日限りで廃止する文書が添付されている(PDF20~21頁)。常置委員会規程の改正と,廃止の効力が生じる日付は同一ではない。

これらの文書から確認できるのは,当該規程の廃止である。判例に関する事務や広報の業務そのものが終了したこと,特定の部署へ移管されたこと,人員が削減されたことまでは,この公開資料だけでは分からない。業務の継続・承継先を論じるには,別の事務分掌や後続の規程等を確認する必要がある。

第3 民事事件の分配に関する変更
1 第一審事件裁判書の頁数による区分

令和8年5月21日付の変更では,民事控訴事件の分配について,第一審事件裁判書の頁数を用いる区分が記載されている(PDF13頁及び25頁)。頁数の区分は,40頁未満,40頁以上80頁未満,80頁以上200頁未満,200頁以上である。

200頁未満の各区分では,一般民事事件・労働関係事件・行政事件を分け,200頁以上の事件については,これらの事件の種類を通じて受付順の輪番とする定めになっている。控訴状が名古屋高裁に提出された事件についての別枠の輪番や,関連事件等の例外もある。頁数だけで担当部を特定できる仕組みではない。

2 改正後民事訴訟法が適用されない事件

同じ定めには,改正後民事訴訟法が適用されない事件について,第一審事件の記録重量を用いる区分が別に残されている。重量の境界は5キログラム,15キログラム,40キログラムである(PDF13頁及び25頁)。

したがって,令和8年5月21日以降の事件だから一律に裁判書頁数で分配される,とはいえない。担当部の決まり方を調べる際には,当該事件に適用される手続法と経過措置,事件の種類,関連事件の有無等を合わせて確認する必要がある。

3 親権行使者の指定抗告事件の緊急処理区分

令和8年4月1日付の変更には,「親権行使者の指定抗告事件(要緊急処理)」という区分がある。記録上,緊急に処理する必要があることが明らかなものを分けている(PDF12頁及び26頁)。

これは事件分配に関する定めの記載である。この区分があることだけから,特定の申立てが認められることや,処理日数の保証を導くことはできない。

第4 実務での確認方法と資料の限界
1 当該時点の規程と個別事件の記録を分ける

事件分配を検討する場合は,対象となる日付,裁判所・本庁又は支部,事件の種類,適用法,関連事件等の例外の順に確認する。資料の「令和8年度」という表題だけで,年度中のすべての時点に同じ定めが適用されていたとは判断しない。

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裁判長と陪席裁判官の役割―右陪席・左陪席,評議の多数決と判事補の職権の制限(AI作成)

目次

第1 裁判長と陪席裁判官とは1 合議体を構成する裁判官2 合議事件と単独事件3 右陪席と左陪席4 誰が裁判長になるか第2 法廷での裁判長と陪席裁判官1 訴訟指揮と法廷の秩序維持2 陪席裁判官の発問と尋問3 受命裁判官として行う手続第3 評議と判決1 評議は裁判長が開き,整理する2 陪席裁判官も意見を述べ,過半数で決まる3 評議の結果と判決第4 判事補と陪席裁判官1 判事補の職権の制限2 判事補が担当する陪席の仕事3 単独事件への判事補の参与第5 裁判官が代わった場合第6 高裁の陪席裁判官第7 関連記事第8 出典1 法令・規則2 公式資料・文献
第1 裁判長と陪席裁判官とは
1 合議体を構成する裁判官

複数の裁判官で事件を審理し,裁判をするときの裁判官の集まりを,合議体という。
裁判所法は,高等裁判所(18条2項),地方裁判所(26条3項)及び家庭裁判所(31条の4第3項)の合議体の裁判官の員数を3人とし,そのうち一人を裁判長とすると定めている。
高等裁判所では,内乱罪等の訴訟(同法16条4号)に限り5人の合議体とされている(同法18条2項ただし書)。

合議体のうち裁判長以外の裁判官を,陪席裁判官という。
民事訴訟法149条2項は「陪席裁判官」,刑事訴訟法304条1項は「陪席の裁判官」という語を用いている。
本記事は,令和8年10月17日にe-Gov法令検索及び裁判所ウェブサイトで確認した法令・規則に基づいて,裁判長と陪席裁判官の役割を説明する。

2 合議事件と単独事件

高等裁判所は,裁判官の合議体で事件を取り扱う(裁判所法18条1項)。
これに対し,地方裁判所は,原則として1人の裁判官で事件を取り扱う(同法26条1項)。
地方裁判所が合議体で取り扱うのは,合議体で審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件,死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪(強盗等の一部の罪を除く。)に係る事件,簡易裁判所の判決に対する控訴事件等である(同条2項)。
家庭裁判所も,原則として1人の裁判官で事件を取り扱う(同法31条の4第1項・2項)。

地方裁判所の大規模訴訟では5人の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をすることができ(民事訴訟法269条1項),特許権等に関する訴えの控訴事件でも,東京高等裁判所は5人の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をすることができる(同法310条の2)。

3 右陪席と左陪席

横浜地方裁判所の法廷見学の案内(裁判官席)は,合議事件のときには法壇の中央の席に裁判長が座り,裁判長から見て右側に右陪席裁判官,左側に左陪席裁判官が座ると説明している。
右と左は裁判長から見た向きなので,傍聴席から見ると左右が逆になる。
同じ案内によれば,刑事裁判の裁判員裁判のときには,右陪席裁判官及び左陪席裁判官のさらに外側に,3名ずつ裁判員が座る。

河合健司氏の講演録は,任官後に勤務した函館の刑事部では「左陪席」,その後の京都地裁の民事部では「右陪席」であったと述べている(「河合健司元仙台高裁長官講演会講演録 裁判官の実像」早稲田大学法務研究論叢第3号238頁)。
同じ講演録は,その後,東京高裁及び仙台高裁の刑事部にいずれも左陪席として勤務したと述べている(同239頁)。

4 誰が裁判長になるか

下級裁判所の合議体では,支部長又は部の事務を総括する裁判官(部総括判事)が裁判長となる(下級裁判所事務処理規則5条2項)。
これらの裁判官に差し支えがあるときは,裁判官会議の議により毎年あらかじめ定められた順序に従って,他の裁判官が裁判長となる(同条3項,6条1項)。
判事補は,裁判長となることができない(裁判所法27条2項)。
部総括判事の指名の手続や「部長」という呼び方は,部総括判事とはで説明している。

第2 法廷での裁判長と陪席裁判官
1 訴訟指揮と法廷の秩序維持

民事訴訟の口頭弁論は,裁判長が指揮する(民事訴訟法148条1項)。
刑事訴訟でも,公判期日における訴訟の指揮は,裁判長が行う(刑事訴訟法294条)。

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最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係(AI作成)

目次

第1 最高裁判所事務総局とは1 裁判部門と司法行政部門の違い2 裁判官会議・最高裁判所長官・事務総長との関係第2 事務総局の組織を見渡す1 7局と秘書課・広報課2 デジタル審議官と情報政策課の組織変更第3 7局はどのような仕事をするのか第4 人事や裁判の独立との関係1 局長・課長の職と裁判官としての経歴2 司法行政上の監督と個別事件の裁判は区別される第5 公式資料・名簿・議事録の調べ方1 規則・分課規程・組織通達を使い分ける2 所在地と問い合わせ先第6 主な根拠資料
第1 最高裁判所事務総局とは

最高裁判所事務総局は,最高裁判所の裁判官会議を補佐し,人事,予算,庁舎,裁判手続の制度整備などの面から裁判所の運営を支える司法行政の組織である。根拠は裁判所法13条であり,最高裁判所の庶務を担当するために設けられている。

「最高裁事務総局」と略されることもある。本記事では,令和8年10月11日に確認した裁判所の公式資料に基づき,その役割,組織と7局の仕事を説明する。具体的な局・課・係の構成を調べる際は,規則・分課規程・組織通達を併せて読む必要がある。

1 裁判部門と司法行政部門の違い

最高裁判所の裁判部門は,大法廷・小法廷で上告事件などを審理し,判決・決定をする。一方,事務総局は,人や設備,制度の面から裁判の運営を支える事務を扱う。例えば,裁判所職員の人事に関する事務と,個別事件の証拠を評価して判決をする仕事は区別される。

最高裁判所全体の構成については,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。

2 裁判官会議・最高裁判所長官・事務総長との関係

裁判所法12条は,最高裁判所が司法行政事務を行うのは裁判官会議の議によるものとし,最高裁判所長官がこれを総括すると定める。裁判官会議は最高裁判所の全裁判官で構成され,長官が議長となる。

事務総局を率いる最高裁判所事務総長は,長官の監督を受けて事務総局の事務を掌理し,職員を指揮監督する(裁判所法53条)。したがって,裁判官会議,長官,事務総長と事務総局は,同じ名称の機関ではなく,それぞれの役割を持っている。

裁判官会議を補佐する事務総局の位置付けと事務総長の職務の詳細は,司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長及び最高裁判所事務総長とはを参照されたい。

第2 事務総局の組織を見渡す
1 7局と秘書課・広報課

最高裁判所事務総局分課規程1条は,秘書課,広報課,総務局,人事局,経理局,民事局,刑事局,行政局及び家庭局を置くと定める。これが「7局」の基本的な構成である。同条には,サイバーセキュリティ管理官とデジタル基盤管理官も規定されている。

次の図は,組織の構成を読みやすくまとめたものであり,職員全員の配置や個々の職の上下関係を示すものではない。

最高裁判所事務総局
 事務総長/事務次長・審議官・デジタル審議官・家庭審議官等
 秘書課・広報課
 総務局・人事局・経理局
 民事局・刑事局・行政局・家庭局
 サイバーセキュリティ管理官・デジタル基盤管理官

秘書課は,裁判官会議・裁判官の庶務,文書事務,文書の開示,渉外連絡などを担当する(分課規程2条)。広報課は広報事務を担当する(同3条)。各課の過去の具体的な事務分掌は,秘書課の事務分掌及び広報課の事務分掌に掲載している。

2 デジタル審議官と情報政策課の組織変更

事務総局規則3条の2の2は,デジタル審議官について,デジタル化の推進,情報セキュリティ,情報システムの整備・管理,統計情報に関する重要事項の企画・立案に参画し,関係事務を総括整理する職と定める。

情報政策課は令和6年3月31日まで存在した組織であり,令和6年4月1日の組織変更後の現行分課規程では,同課に関する3条の2と3条の3が削除されている。古い組織図に情報政策課が掲載されていても,そのまま現在の組織とみなすことはできない。

役割と組織変更の詳細は,最高裁判所事務総局デジタル審議官及び最高裁判所事務総局情報政策課(平成17年1月1日~令和6年3月31日)を参照されたい。

第3 7局はどのような仕事をするのか

以下は,現行分課規程の所掌事務を局単位で要約した比較表である。右欄の事務分掌記事に掲載した開示資料は,それぞれの作成時点の具体的な課・係の仕事を示しており,現在の細部まで一致するとは限らない。

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高等裁判所とは―役割・地裁や最高裁との違い・全国8高裁と支部の一覧(AI作成)

目次

第1 高等裁判所は何をするところか第2 全国8つの高等裁判所と管轄地域1 本庁の一覧2 通常の6支部と知財高裁第3 地裁・最高裁との違いと三審制1 裁判所の種類と審級は同じではない2 簡裁から始まる民事と刑事で経路が違う第4 高裁が扱う事件と裁判官の合議体1 控訴・抗告・上告・第一審を区別する2 原則として裁判官3人で審理する第5 提出先・担当部・傍聴を調べる方法1 審理する裁判所と書類を提出する裁判所を分ける2 傍聴と庁舎見学は別に確認する第6 関連記事と出典
第1 高等裁判所は何をするところか

高等裁判所(高裁)は,地方裁判所や家庭裁判所などの裁判に対する不服申立てを審理する裁判所である。全国に8つの本庁と通常の6支部があり,東京高裁には特別の支部として知的財産高等裁判所が置かれている。

高裁は「控訴審の裁判所」と説明されることが多いが,控訴だけを扱うわけではない。決定・命令に対する抗告,簡裁から始まった通常民事訴訟の上告,一部の事件の第一審も扱う。利用する際は,裁判所の名称に加えて,事件の種類と不服申立ての手続を確認する必要がある。

裁判所法2条・16条・17条及び裁判所公式の下級裁判所の案内に基づき,高裁の役割,全国の配置,地裁・最高裁との違いを説明する。5種類の裁判所全体の比較は,裁判所とは―5種類の役割・三審制・管轄と利用方法を参照されたい。

第2 全国8つの高等裁判所と管轄地域
1 本庁の一覧

高裁の本庁は,札幌,仙台,東京,名古屋,大阪,広島,高松,福岡にある。裁判所公式の管轄区域表による管内の都道府県は次のとおりである。裁判所名のリンクから,各庁の所在地・窓口・裁判手続・見学や傍聴の案内を確認できる。

高等裁判所本庁の所在地管轄する都道府県札幌高等裁判所札幌市北海道仙台高等裁判所仙台市青森,岩手,宮城,秋田,山形,福島東京高等裁判所東京都茨城,栃木,群馬,埼玉,千葉,東京,神奈川,新潟,山梨,長野,静岡名古屋高等裁判所名古屋市富山,石川,福井,岐阜,愛知,三重大阪高等裁判所大阪市滋賀,京都,大阪,兵庫,奈良,和歌山広島高等裁判所広島市鳥取,島根,岡山,広島,山口高松高等裁判所高松市徳島,香川,愛媛,高知福岡高等裁判所福岡市福岡,佐賀,長崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島,沖縄

表は各高裁全体の管轄地域であり,管内の全事件を本庁で扱うという意味ではない。支部の担当区域や,事件によって本庁に留保される取扱いは,別に確認する必要がある。

2 通常の6支部と知財高裁

通常の高裁支部は,仙台高裁秋田支部,名古屋高裁金沢支部,広島高裁岡山支部・松江支部,福岡高裁宮崎支部・那覇支部の6つである。支部は,高裁の事務の一部を別の場所で取り扱う組織であり,独立した別種類の裁判所ではない(裁判所法22条)。

支部の担当区域は,県全体に限られない。県の一部が別の高裁支部の担当となる場合もあるため,県名だけで提出先を決めないようにする。6支部の担当区域,本庁で扱う事件,事務分配との関係は,高等裁判所支部とはで詳しく説明している。

知財高裁は,知的財産高等裁判所設置法2条による東京高裁の特別の支部である。全国8高裁とは別に第9の高裁が設置されたという意味ではなく,通常の6支部とも区別する。取扱事件,専属管轄,大合議の詳説は,知的財産高等裁判所とはを参照されたい。

第3 地裁・最高裁との違いと三審制
1 裁判所の種類と審級は同じではない
裁判所主な役割高裁との関係地方裁判所民事・刑事の第一審の多くを扱い,簡裁の民事判決に対する控訴も扱う地裁の第一審判決に対する控訴は高裁へ進む。地裁が第二審となる民事事件では,高裁への申立ては上告となる高等裁判所控訴・抗告・一定の上告,一部の第一審を扱う通常の第二審を担う場面が多いが,事件によって第一審又は第三審にもなる最高裁判所最上級の裁判所として,上告など法律が認める不服申立てを扱う高裁の判断に対する不服申立てでも,法律が定める理由・要件を満たす必要がある

「高等裁判所は必ず第二審」「地方裁判所は必ず第一審」とは限らない。裁判所公式の審級制度の説明と,裁判所法16条・24条,民事訴訟法311条を,事件の種類に即して読む必要がある。

2 簡裁から始まる民事と刑事で経路が違う

主な経路を示すと,次のとおりである。

① 地裁で始まる通常の民事訴訟:地裁の第一審 → 高裁への控訴 → 最高裁への上告。
② 簡裁で始まる通常の民事訴訟:簡裁の第一審 → 地裁への控訴 → 高裁への上告。
③ 簡裁で始まる刑事事件:簡裁の第一審 → 高裁への控訴 → 最高裁への上告。
④ 家裁で始まる離婚訴訟など:家裁の第一審 → 高裁への控訴 → 最高裁への上告。

通常民事訴訟の上告先は,民事訴訟法311条が定めている。高裁が上告審としてした終局判決については,憲法違反を理由とする場合に限る特別上告の制度がある(同法327条)。どの事件でも同じ内容を無条件に3回審理してもらえるわけではない。

少額訴訟の終局判決には控訴ができず,同じ簡裁に異議を申し立てる仕組みがある。異議後の判決にも控訴はできない(同法377条・378条・380条)。また,家事審判等の決定に対する不服申立てへ,判決を前提とする上記の経路をそのまま当てはめることはできない。

第4 高裁が扱う事件と裁判官の合議体
1 控訴・抗告・上告・第一審を区別する

裁判所法16条・17条が定める役割と,裁判所公式の案内を整理すると,次のようになる。

区分主な対象・利用場面控訴地裁の第一審判決,家裁の判決,簡裁の刑事判決に対する不服申立て抗告地裁・家裁の決定や命令,簡裁の刑事の決定や命令に対する所定の不服申立て。法律上の例外がある上告地裁が第二審としてした民事判決に対する不服申立てなど第一審選挙に関する訴訟,内乱罪等に関する事件など,法律が高裁に第一審の裁判権を与える事件

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国地方係争処理と代執行訴訟―地方自治法の手続・高裁の専属管轄・出訴期間(AI作成)

目次

第1 国地方係争処理と代執行訴訟の違い第2 国地方係争処理委員会への審査申出1 対象となる国の関与と対象外の行為2 30日の申出期間と90日の審査期間第3 自治体側の訴え―地方自治法251条の51 取消しと国の不作為の違法確認2 出訴期間は起算点別に確認する第4 国側の不作為違法確認―地方自治法251条の7第5 代執行等―地方自治法245条の81 法定受託事務と三つの実体的要件2 勧告・指示・命令判決・代執行の順序3 上告と代執行後の処理第6 高裁の専属管轄と迅速な審理1 高裁が第一審となる2 提訴後の通知・15日以内の初回期日・理由書第7 辺野古裁判で見る手続の使い分け1 平成28年―国側の不作為違法確認2 令和2年―裁決と「国の関与」の区別3 令和5年9月―自治体側の是正指示取消訴訟4 令和5年12月―代執行のための承認命令第8 確認する文書と関連制度第9 関連記事第10 出典
第1 国地方係争処理と代執行訴訟の違い

国地方係争処理は,地方公共団体がその事務に関する国の関与を争うための制度である。
これに対し,地方自治法245条の8の代執行等は,法定受託事務の違法な処理等について,勧告,指示及び高等裁判所の命令を経て,所管大臣が都道府県知事に代わって必要な事項を行う制度である。
国が自治体の不作為の違法確認を求める同法251条の7の訴えもあるが,違法確認判決だけで大臣が知事に代わって処分する権限を得るわけではない。

以下では,令和8年10月9日に確認した地方自治法及び普通地方公共団体に対する国の関与等に関する訴訟規則に基づき,国の関与の取消し,国の不作為の違法確認,自治体の不作為の違法確認及び代執行のための命令請求を区別する。
辺野古をめぐる裁判例は,これらの手続が実際に使われた例として取り上げる。

手続誰が何を求めるか主な根拠・特徴国の関与の取消し・国の不作為の違法確認自治体の長等が,審査申出の相手方となった国の行政庁を被告にする。251条の5。委員会への審査申出を経る。自治体の区域を管轄する高裁の専属管轄。自治体の不作為の違法確認是正の要求・指示をした大臣が,措置を講じない自治体の行政庁を被告にする。251条の7。自治体側の申出・提訴期間が経過するまで提訴できない。代執行のための命令請求所管大臣が,知事に必要な事項を行うよう命じる判決を求める。245条の8第3項。法定受託事務が対象。勧告・指示を経て提訴し,命令不履行後に代執行できる。
第2 国地方係争処理委員会への審査申出
1 対象となる国の関与と対象外の行為

国地方係争処理委員会は,総務省に置かれ,国の行政機関による関与に関する審査申出を処理する機関である(地方自治法250条の7)。
同法250条の13第1項は,普通地方公共団体の長その他の執行機関が,担任する事務に関する是正の要求,許可の拒否その他の処分・公権力の行使に不服がある場合に,関与を行った国の行政庁を相手方として文書で審査を申し出ることができると定める。
国の不作為については同条2項,法令に基づく協議が調わない場合については同条3項の制度がある。

国が行った行為であれば全て対象になるわけではない。
地方自治法245条は,自治体が固有の資格において名宛人となる関与を定義し,支出金の交付・返還に係るものを除くほか,同条3号括弧書きで審査請求等に対する裁決等を除いている。
また,同法250条の13第1項各号は,代執行手続における同法245条の8第2項の指示や,同条8項に基づいて知事に代わって事項を行うこと等を審査申出の対象から除いている。

特に,同法245条の7の「是正の指示」と,同法245条の8第2項の代執行手続中の指示は,条文と不服の処理方法を分けて確認する必要がある。
後者についても前者と同じ委員会手続を必ず経る,という理解は正確ではない。

2 30日の申出期間と90日の審査期間

同法250条の13第1項の審査申出は,国の関与があった日から30日以内に行うのが原則である(同条4項)。
天災その他やむを得ない理由がある場合の例外,同理由がやんだ日から1週間以内という期間及び郵送等に要した日数の扱いは,同条4項ただし書から6項に定められている。
申出に先立って,相手方となる国の行政庁への通知も必要である(同条7項)。

委員会は,申出があった日から90日以内に審査及び勧告を行う(同法250条の14第5項)。
自治事務については違法性に加え,自治体の自主性・自立性を尊重する観点からの不当性を審査するのに対し,法定受託事務については違法性を審査する(同条1項・2項)。
委員会が勧告した場合,国の行政庁は勧告に示された期間内に必要な措置を講じ,委員会へ通知する(同法250条の18)。

第3 自治体側の訴え―地方自治法251条の5
1 取消しと国の不作為の違法確認

同法250条の13第1項又は2項による審査申出をした自治体の長等は,委員会の審査結果・勧告や国の措置に不服がある場合等に,高等裁判所へ訴えを提起できる(同法251条の5第1項)。
求めるのは,審査申出に係る違法な国の関与の取消し,又は審査申出に係る国の不作為の違法確認であり,委員会の判断それ自体を被告として争う制度ではない。
被告は原則として審査申出の相手方となった国の行政庁であり,権限の承継や被告とすべき行政庁がない場合の扱いも同項に定められている。

(続きを読む...)国地方係争処理と代執行訴訟―地方自治法の手続・高裁の専属管轄・出訴期間(AI作成)

行政事件訴訟の特定管轄裁判所とは―高裁支部所在地の扱い・取消訴訟の提訴先・移送(AI作成)

目次

第1 特定管轄裁判所とは何か1 国等を被告とする取消訴訟の提訴先を追加する制度2 裁判所の組織と訴訟法上の管轄を分ける第2 取消訴訟の管轄を定める四つの規定1 行政事件訴訟法12条1項~4項の比較2 原告の普通裁判籍と被告の範囲第3 高裁支部所在地が含まれないことの意味1 平成16年改正時の答弁2 沖縄に普通裁判籍がある場合の考え方第4 管轄があっても移送される場合がある1 12条5項の特則2 関連請求と一般の移送規定3 情報公開訴訟の移送特例第5 提訴前に確認する事項と具体例1 確認する順序2 労災保険と司法修習生の不服申立て第6 関連記事及び出典
第1 特定管轄裁判所とは何か
1 国等を被告とする取消訴訟の提訴先を追加する制度

特定管轄裁判所とは,行政事件訴訟法12条4項が定める,原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所である。
国,同項にいう独立行政法人又は別表に掲げる法人を被告とする取消訴訟は,この地裁にも提起できる。
原告が居住する地域のすべての地裁・支部へ自由に提起できるという制度ではない。

同項の高等裁判所の所在地には,高裁支部の所在地は含まれない。
ただし,支部所在地の地裁が同項による追加の提訴先ではないことと,同条1項~3項等の別の管轄原因によってその地裁に提起できることとは別である。

本記事は令和8年10月9日に確認した現行条文及び改正時の国会答弁に基づき,取消訴訟の提訴先と移送を整理する。
高裁支部の組織・一覧・担当区域は,高等裁判所支部で説明する。

2 裁判所の組織と訴訟法上の管轄を分ける

高裁支部が近くにあることは,控訴事件等をその地域で扱う仕組みがあることを示す。
それだけで,国を被告とする取消訴訟の第一審を同じ地域の地裁で起こせることにはならない。
支部の担当区域,第一審の土地管轄,地裁本庁・支部間の事務分配は,順に別の根拠を確認する必要がある。

第2 取消訴訟の管轄を定める四つの規定
1 行政事件訴訟法12条1項~4項の比較
根拠提起できる裁判所の基準確認する事項12条1項被告の普通裁判籍又は処分・裁決をした行政庁の所在地被告と処分庁・裁決庁を区別する12条2項所定の不動産又は特定の場所の所在地処分・裁決と場所との関係を確認する12条3項事案の処理に当たった下級行政機関の所在地その機関が当該処分・裁決の事案処理に当たったかを確認する12条4項原告の普通裁判籍を管轄する高裁の所在地を管轄する地裁被告が国等の同項の対象か,高裁本庁の所在地はどこかを確認する

2項~4項は,1項の管轄に加えて提起できる裁判所を定める。
特定管轄裁判所を使わなければならないという一律の専属管轄ではない。
例えば原告の住所地だけでなく,処分庁の所在地や,事案処理に当たった下級行政機関の所在地により,別の裁判所が候補になることがある。

2 原告の普通裁判籍と被告の範囲

4項は「原告の普通裁判籍の所在地」を基準とする。
自然人の住所を考える場面でも,普通裁判籍の具体的な認定を確認する必要があり,法人では個人の住所の説明をそのまま当てはめることはできない。

また,同項は地方公共団体を被告とするすべての取消訴訟に当然に適用されるわけではない。
被告が国,同項にいう独立行政法人又は別表法人であるかを,処分庁の名前だけでなく行政事件訴訟法11条及び12条4項に照らして確認する必要がある。

第3 高裁支部所在地が含まれないことの意味
1 平成16年改正時の答弁

平成16年5月12日の衆議院法務委員会答弁(発言74)は,高裁支部所在地の地裁は含まれないと説明した。
続く発言76では,裁判所の専門性を確保するための集中と,当事者の便宜との調和を理由として挙げている。

これは改正時の立法上の説明であり,高裁支部の担当区域を廃止する意味ではない。

(続きを読む...)行政事件訴訟の特定管轄裁判所とは―高裁支部所在地の扱い・取消訴訟の提訴先・移送(AI作成)

知的財産高等裁判所とは―東京高裁の特別の支部・取扱事件・専属管轄・大合議(AI作成)

目次

第1 知財高裁は東京高裁の特別の支部である1 独立した第9の高等裁判所ではない2 通常の高裁支部との違い第2 知財高裁が取り扱う事件1 審決取消訴訟は行政事件の第一審である2 民事控訴事件は権利の種類によって集中の仕組みが違う3 その他の専門的事件と併合事件第3 第一審の東京地裁・大阪地裁との関係1 民事訴訟法6条の特許権等に関する訴え2 移送に関する例外を見落とさない第4 裁判官3人の合議体と大合議1 通常は3人,大合議は所定の事件で5人2 すべての知財事件が大合議になるわけではない第5 所長,司法行政及び事件利用時の確認1 司法行政について独自の権限がある2 提出先を確認する順序第6 関連記事及び出典
第1 知財高裁は東京高裁の特別の支部である

高等裁判所全体の役割,全国8高裁と通常の6支部の配置,地裁・最高裁との違いは,高等裁判所とは―役割・地裁や最高裁との違い・全国8高裁と支部の一覧を参照されたい。本記事では,東京高裁の特別の支部である知財高裁の専門的な取扱いを説明する。

1 独立した第9の高等裁判所ではない

知的財産高等裁判所(知財高裁)は,知的財産に関する事件を専門的に取り扱う東京高等裁判所の特別の支部である。
知的財産高等裁判所設置法2条は,東京高裁の管轄に属する所定の事件を取り扱わせるために設けると定めている。
全国の8高裁とは別の第9の高裁が設置されたという意味ではない。

本記事は,令和8年10月9日に確認した現行法令及び知財高裁の公式案内に基づき,組織,取扱事件,管轄及び大合議を説明する。
特許が無効であることをどの手続で争うかは,特許無効を争う三つの手続で扱う。

2 通常の高裁支部との違い
比較項目通常の高裁支部知財高裁設置根拠裁判所法22条及び高裁支部設置規則知財高裁設置法2条主な役割担当区域の控訴・抗告等を取り扱う東京高裁の所定の知財事件を専門的に取り扱う長の名称支部長知的財産高等裁判所長裁判事務の分配等本庁の裁判官会議による定めを基本とする知財高裁に勤務する裁判官の会議による

知財高裁は,高裁支部設置規則の別表に掲げられる金沢・岡山・松江・宮崎・那覇・秋田の6支部とは別枠である。
通常の支部の一覧と担当区域は,高等裁判所支部を参照されたい。

第2 知財高裁が取り扱う事件
1 審決取消訴訟は行政事件の第一審である

知財高裁の取扱事件案内によれば,知財高裁が扱う事件には,行政事件の第一審としての審決取消訴訟と,民事事件の控訴審などがある。
高等裁判所という名称であっても,すべてが地方裁判所の判決に対する控訴ではない。

特許庁の審決に対する訴えについては,特許法178条1項が東京高裁の専属管轄を定め,知財高裁設置法2条2号により知財高裁が取り扱う。
実用新案法,意匠法及び商標法の同号に掲げる訴えも対象である。
行政不服申立てとしての審判と,裁判所での審決取消訴訟は別の手続である。

2 民事控訴事件は権利の種類によって集中の仕組みが違う
事件の種類控訴段階の基本的な扱い知財高裁との関係特許権・実用新案権・回路配置利用権・プログラムの著作物の著作者の権利に関する訴え東京高裁への集中が基本所定の控訴事件を知財高裁が扱う。移送に関する例外がある意匠権・商標権・プログラム以外の著作権・出版権・著作隣接権・育成者権・不正競争等第一審を扱った地裁に対応する高裁に控訴そのうち東京高裁の管轄に属し,設置法2条1号の要件を満たす事件を扱う特許庁の所定の審決に対する取消訴訟東京高裁の専属管轄知財高裁が第一審として扱う

「知財事件はすべて全国から知財高裁へ行く」と理解すると,商標・意匠・著作権等の控訴先を誤るおそれがある。
争っている権利の種類,原審裁判所及び移送の有無を確認する必要がある。

なお,設置法2条1号が挙げるのは,著作者の権利等に関する訴えや,不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴えについての控訴である。
著作物に当たらない成果物の模倣が一般不法行為として争われた控訴事件では,知財高裁ではなく東京高裁の通常の民事部が判断した例がある。
竜王戦の棋譜の無許諾配信をめぐる東京高裁令和8年3月12日判決(令和7年(ネ)第3343号)は東京高裁第4民事部の判決であり,著作物に当たらないバンドスコアの模倣をめぐる東京高裁令和6年6月19日判決(令和3年(ネ)第4643号,判例秘書の判例番号 L07920477)も,東京高裁の判決として判例秘書に収録されている(同判決は最高裁令和8年10月9日判決で確定)。
控訴後の係属先は,裁判所からの通知で確認する必要がある(第5の2)。

3 その他の専門的事件と併合事件

設置法2条3号は,前2号以外でも,主要な争点の審理に知財の専門的知見を要する事件を対象にする。

(続きを読む...)知的財産高等裁判所とは―東京高裁の特別の支部・取扱事件・専属管轄・大合議(AI作成)

高等裁判所支部の設置・廃止の歴史―函館支部・那覇支部と臨時司法制度調査会(AI作成)

目次

第1 高裁支部の歴史を読むための基本1 現在の6支部と,かつて存在した函館支部2 規則の日付,施行日及び開庁日を区別する第2 戦後の支部設置と取扱事務の変更1 遠方の当事者の不便を緩和するための制度2 主要な規則改正の施行日3 昭和26年改正と第一審事件第3 臨時司法制度調査会の廃止提言1 昭和39年の決議要目2 昭和42年の裁判所側の説明3 日弁連の反対第4 札幌高裁函館支部の廃止1 函館控訴院と戦後の函館支部は別の組織である2 昭和46年8月1日施行の廃止3 廃止理由の説明とその評価第5 那覇支部の設置と,その後の配置見直し1 沖縄復帰に伴う那覇支部の設置2 昭和50年の答弁3 昭和59年の答弁は臨司提言の直接実施を否定した第6 関連記事及び出典
第1 高裁支部の歴史を読むための基本

高等裁判所全体の役割と全国8高裁の配置は,高等裁判所とは―役割・地裁や最高裁との違い・全国8高裁と支部の一覧を参照されたい。本記事は支部の歴史を扱うものであり,現在の提出先は現行の担当区域・取扱事件の案内で確認する必要がある。

1 現在の6支部と,かつて存在した函館支部

高等裁判所支部の歴史は,戦後の設置,昭和39年の原則廃止の提言,函館支部の廃止,沖縄復帰に伴う那覇支部の設置を分けて読む必要がある。
廃止の提言があったからといって,全国の高裁支部が一斉に廃止されたわけではない。

令和8年10月9日現在,高等裁判所支部設置規則の別表には,金沢,岡山,松江,宮崎,那覇及び秋田の6支部が掲げられている。
札幌高裁函館支部は昭和46年8月1日施行の規則改正により廃止され,その翌年の沖縄復帰に際して福岡高裁那覇支部が設けられた。
現在の一覧,担当区域及び取扱事件は,高等裁判所支部を参照されたい。

2 規則の日付,施行日及び開庁日を区別する

高裁支部の設置根拠は,裁判所法22条及び高等裁判所支部設置規則である。
規則の制定・改正の日付と,その効力が生じる施行日は一致するとは限らない。
また,庁舎の完成や実際の開庁についての沿革資料は,法令上の設置とは別の出来事を記載する場合がある。

本記事では,高等裁判所支部設置規則の掲載PDFの本文・附則・別表と,国会答弁により経過を整理する。
昭和63年・平成2年の地家裁支部,簡易裁判所及び家裁出張所の再編は,別の記事で扱う。

第2 戦後の支部設置と取扱事務の変更
1 遠方の当事者の不便を緩和するための制度

平成11年3月23日の衆議院法務委員会答弁(発言20)は,戦後の高裁支部の設置を,当事者の利便との関係で説明している。
裁判所法の下で,簡易裁判所の刑事事件の控訴や,地方裁判所の執行・破産関係の判断に対する抗告などが高裁に向かうようになり,従前は県単位の地方裁判所で完結していた不服申立てについて,遠方の高裁本庁に出向く負担が生じたという説明である。

同答弁は,当時の交通事情・経済事情を考慮し,昭和23年から昭和24年にかけて金沢,岡山,松江,宮崎,秋田及び函館に支部を設けたと述べている。
これは制度成立の理由についての裁判所側の説明であり,各支部の現在の存置の必要性をそのまま評価したものではない。

2 主要な規則改正の施行日
規則の日付施行日主な経過昭和23年2月20日・規則第1号昭和23年3月1日支部設置規則の制定。松江支部・函館支部の設置昭和23年5月10日・規則第5号昭和23年5月15日金沢支部の設置昭和23年8月31日・規則第18号昭和23年9月1日宮崎支部の設置昭和23年9月18日・規則第19号昭和23年10月1日岡山支部の設置昭和24年3月5日・規則第4号昭和24年3月10日秋田支部の設置昭和26年5月15日・規則第5号昭和26年6月1日支部の取扱事務を定める規定の改正昭和46年6月28日・規則第10号昭和46年8月1日函館支部の廃止昭和47年5月2日・規則第2号昭和47年5月15日沖縄復帰に伴う那覇支部の設置平成17年2月14日・規則第7号平成17年4月1日知財高裁に対応し,本則を第1条とし,第2条を追加

施行日は,前記規則PDFの附則による。
例えば金沢支部に関する規則の日付は昭和23年5月10日であるが,附則が定める施行日は同月15日である。
日付を引用するときは,何の日付かも併記する必要がある。

3 昭和26年改正と第一審事件

現在の同規則1条2項は,裁判所法16条3号及び4号に掲げる事項を除く事務を支部で取り扱うと定めている。
同項には昭和26年規則第5号による全部改正の注記があり,同改正の附則には,施行時に本庁で取り扱っていた事項を引き続き本庁で取り扱う経過措置がある。

したがって,高裁支部を単に「控訴だけを扱う裁判所」と理解するのは適切ではない。

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裁判所支部の機能拡充と地域司法アクセス―新設・弁護士偏在・デジタル化の課題(AI作成)

目次

第1 裁判所支部の機能拡充とは何か1 支部の数と利用できる機能は別である2 現在の組織数と取扱事件第2 支部新設と人員配置に関する裁判所側の説明1 新設・復活は人口だけで決まらない2 非常駐庁は近隣庁からの出張で対応するという説明3 高裁支部の出張開廷を求める地域の要望第3 家裁支部・家裁出張所での課題1 家裁調査官の配置と出張による対応2 受付出張所でも出張調停等が行われる3 日弁連が求める人的・物的基盤の充実第4 弁護士ゼロ・ワン支部と司法アクセス1 ゼロ・ワン支部の意味と最新の地図2 人数の改善だけではアクセスの充足を判断できない第5 民事裁判のデジタル化は何を改善し,何を残すか1 民事訴訟のデジタル化と他の手続の区別2 機動的審理運営と地域司法への影響3 対面の必要性と利用支援第6 地域の利用環境を確認する観点第7 関連記事と出典1 関連記事2 出典
第1 裁判所支部の機能拡充とは何か
1 支部の数と利用できる機能は別である

裁判所支部の機能拡充とは,支部を新設することだけでなく,既存支部で取り扱える事件,裁判官・調査官の配置,開廷や相談の機会,設備及び手続利用の支援を充実させることである。
支部が近くにあっても,必要な事件を本庁でしか扱わず,開廷日が限られ,必要な調査が別の庁からの出張に依存する場合には,地域住民の利用に負担が残る。

他方,専門的な事件を特定の庁で取り扱うことには,人員と経験を確保する意義もある。
身近な場所で利用できることと,適切な事件処理を行う体制をどう両立するかが,地域司法アクセスの課題である。

2 現在の組織数と取扱事件

裁判所データブック20261頁によれば,地裁支部・家裁支部は各203庁である。
このうち合議事件を扱う支部は地裁・家裁ともに63庁,少年保護事件の審判事務を扱う家裁支部は102庁である。
支部の存在と,すべての事件類型を支部で扱うこととは一致しない。

全国の支部名と権限は,地方裁判所支部及び家庭裁判所支部を参照されたい。
個々の事件での提出先・本庁集約・開廷頻度は,全国の地方裁判所支部における本庁集約と開廷頻度で扱っている。

第2 支部新設と人員配置に関する裁判所側の説明
1 新設・復活は人口だけで決まらない

平成27年5月22日の衆議院法務委員会答弁は,支部を含む裁判所の配置について,人口動態,交通事情,事件数の動向,IT技術の進展等を考慮し,アクセスと司法サービスの質を総合して,国民の利便性を確保する見地から検討するものと説明した。
当時,複数地域に設置要望があることを認識しつつ,直ちに新設・復活が必要な状況とは考えていないと答弁し,必要があれば新設・統廃合を含めて見直すとしている。

これは平成27年当時の答弁であり,個々の地域の現在の人口,交通事情,事件動向についての判断を示すものではない。
支部新設の必要性を検討するには,最新の地域資料を基に,実際に司法サービスを利用する人の負担まで確認する必要がある。

2 非常駐庁は近隣庁からの出張で対応するという説明

令和7年4月10日の参議院法務委員会答弁は,裁判官又は家裁調査官が常駐していない庁では,近隣庁に配置された職員が実情に応じて出向き,事件を担当する体制を取っていると説明した。
全支部への裁判官常駐については,国の予算で運営する公的機関として,業務量に見合った配置を考える必要があるとの立場を述べている。

この説明から,裁判所側が業務量を配置判断の要素にしていることは分かる。
しかし,個別支部の必要人数,出張の十分性,利用者が希望する時期に手続を利用できるかは,この答弁だけでは判断できない。
定員,実際の在籍人数,担当裁判官,開廷日割を区別して調べる必要がある。
下級裁判所の裁判官の配置定員も参照されたい。

3 高裁支部の出張開廷を求める地域の要望

鹿児島県弁護士会の平成18年3月2日付け申入書は,福岡高裁宮崎支部が扱う鹿児島地裁管内の民事控訴事件について,鹿児島地裁での出張開廷等の対策を求めた。
当時の移動負担に加え,名瀬支部を第一審とする事件では離島からの移動が控訴の利用を妨げかねないことを理由としている。
同書が引用する平成15年の地域司法計画は,鹿児島への高裁支部の新設又は移転と,宮崎支部の裁判官が鹿児島で審理する方式とを別の案として述べている。

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裁判所支部・簡易裁判所・家裁出張所の統廃合史―昭和63年・平成2年の再編と支部新設(AI作成)

目次

第1 裁判所の統廃合を読む際の区別1 支部,簡易裁判所,家裁出張所は別の組織である2 廃止と事務移転,決定と開庁を区別する第2 昭和63年の簡易裁判所・家裁出張所の再編1 昭和62年法律第90号による簡易裁判所の統合2 併置された家裁出張所37庁の統合第3 平成2年4月の地家裁支部41庁の廃止1 併設簡易裁判所は存続した2 20か所で家裁出張所を設置した3 最高裁側の説明と日弁連のコメント第4 苫小牧支部・相模原支部の新設1 新設の決定と実際の開庁2 再編の主な経過第5 現在の裁判所配置へどうつながるか1 令和8年の組織数2 出張所の名称だけでは審理場所は決まらない第6 関連記事と出典1 関連記事2 出典
第1 裁判所の統廃合を読む際の区別
1 支部,簡易裁判所,家裁出張所は別の組織である

昭和63年の簡易裁判所等の統合と,平成2年の地方裁判所・家庭裁判所支部の統合は,別の再編である。
同じ庁舎に地裁支部,家裁支部及び簡易裁判所が置かれていても,支部だけが廃止され,簡易裁判所が残ることがある。
旧家裁支部の所在地に家裁出張所が設置される場合もあり,「裁判所がなくなった」という表現だけでは,何が廃止され,何が存続したのか分からない。

制度の違いは,裁判所支部とは―本庁・支部・出張所の違いと管轄・提出先の調べ方で整理している。
本記事は,昭和63年・平成2年の再編と,その前後の支部新設について,法令・国会答弁等から確認できる経過を説明するものである。

2 廃止と事務移転,決定と開庁を区別する

法令上の組織を廃止することと,組織を残したまま他庁で事務を取り扱うことは,区別する必要がある。
支部新設についても,方針を決定した年,規則を改正した時点,庁舎を整備して実際に開庁した年が一致するとは限らない。
沿革資料を読むときは,日付がどの段階を指すのかを確認することが重要である。

本記事が扱う地家裁支部・簡裁・家裁出張所の再編と,高裁支部の設置・廃止は別の経過である。臨時司法制度調査会の高裁支部原則廃止の提言,函館支部の廃止及び那覇支部の設置は,高等裁判所支部の設置・廃止の歴史で整理している。提言と実施,対象となる組織を区別して読む必要がある。

第2 昭和63年の簡易裁判所・家裁出張所の再編
1 昭和62年法律第90号による簡易裁判所の統合

下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律は,昭和62年9月11日法律第90号である。
同法は,簡易裁判所の設立・管轄に関する別表を改め,廃止庁の事件について受入簡易裁判所への引継ぎ等の経過措置を定めた。

昭和62年8月21日の衆議院法務委員会では,小規模独立簡易裁判所101庁の統合について説明が行われた。
最高裁側の答弁によれば,事件数と交通事情だけで一律に決めたのではなく,人口の動向,管内の交通事情,今後の事件増加の見込み等を考慮し,対象候補から統合を見送った庁もあった。

この再編は昭和63年5月に実施された。
平成2年3月29日の参議院法務委員会でも,昭和63年5月1日付けで廃止された簡易裁判所の職員の再配置が説明されている。
「101庁」という小規模独立簡裁の数字を,事務移転庁,大都市の簡裁の集約等まで含む全期間・全区分の廃止総数と読み替えてはならない。

2 併置された家裁出張所37庁の統合

同日の国会答弁では,統合対象の簡易裁判所101庁のうち,家裁出張所が併置されている庁が37庁であり,簡易裁判所の統合に合わせて家裁出張所も統合することが説明された。
当時の説明は,家裁出張所が,利用者の地理的な利便のため,既存の簡易裁判所の庁舎や人員を活用して出張処理をする仕組みであることを前提としていた。

簡易裁判所の再編は,簡易裁判所の事件だけでなく,同じ場所で提供されていた家事手続へのアクセスにも影響したのである。
ただし,出張所の統合と,後に説明する地家裁支部41庁の廃止とは,対象も時期も異なる。

第3 平成2年4月の地家裁支部41庁の廃止
1 併設簡易裁判所は存続した

平成2年3月27日衆議院法務委員会の答弁は,同年4月1日からの支部の適正配置により41支部を廃止する一方,その支部に併設されていた簡易裁判所は存続すると説明している。

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裁判所の本庁と支部の回付―移送との違い・合意管轄条項・不服申立て(AI作成)

目次

第1 本庁と支部の「回付」とは1 同じ地方裁判所の内部で担当を変える措置2 支部の設置と事務分配の根拠3 高裁支部と家庭裁判所支部の事務分配第2 最高裁昭和44年3月25日決定1 事件と判断の対象2 回付に対する訴訟法上の不服申立て第3 民事訴訟の移送との違い1 移送決定には民事訴訟法の規定が適用される2 「回付」という名称だけで判断しない第4 合意管轄条項で本庁での審理は確保できるか1 裁判所を合意することと内部の審理場所は別である2 専属的な合意があっても移送の問題は残る第5 本庁での審理を希望する場合の実務1 上申書についての公表された説明2 伝えるべき事情と確認事項第6 関連記事と出典1 関連記事2 出典
第1 本庁と支部の「回付」とは
1 同じ地方裁判所の内部で担当を変える措置

本庁から支部へ,支部から本庁へ,又は同じ地方裁判所の支部相互間で事件を回すことは,一般に「回付」と呼ばれる。
地方裁判所の支部は,本庁とは別個の地方裁判所ではない。
同じ地方裁判所の内部で,どの庁・部が事件を取り扱うかという事務分配の問題である。

例えば,東京地方裁判所本庁と立川支部との間の回付と,東京地方裁判所から横浜地方裁判所への移送とは,法的な仕組みが異なる。
裁判所から事件を別の場所に回す旨の連絡を受けたときは,移動先の庁名だけでなく,「回付」か「移送決定」かを確認する必要がある。

2 支部の設置と事務分配の根拠

裁判所法31条1項は,地方裁判所の事務の一部を取り扱わせるため,最高裁判所がその管轄区域内に支部又は出張所を設けることができると定めている。
家庭裁判所については,同法31条の5がこの規定を準用する。
下級裁判所事務処理規則6条1項は,地家裁等における裁判事務の分配,裁判官の配置及び代理順序を,毎年あらかじめ当該裁判所の裁判官会議の議によって定めるとしている。

支部の一覧と事件別の取扱いは,地方裁判所支部及び家庭裁判所支部を参照されたい。
地図上の支部管轄だけでは,合議事件,裁判員裁判,労働審判,執行事件等の提出先が決まらない場合がある。

3 高裁支部と家庭裁判所支部の事務分配

高裁支部の設置は裁判所法22条によるが,どの地域・事件を担当するかは,下級裁判所事務処理規則6条の事務分配の問題でもある。高裁の本庁・支部間の内部的担当と,別の裁判所への訴訟法上の移送は区別する必要がある。高裁6支部の一覧と取扱事件を参照されたい。
名古屋高裁昭和29年11月25日決定(昭和29年(ラ)第42号)の裁判要旨は,家裁支部係属事件について,本庁への送付を促すことはできても管轄移送の申立てはできないとする。これは家庭裁判所支部の事件についての判断であり,高裁支部についての判決そのものではない。以下の昭和44年最高裁決定も,地方裁判所支部を対象とした判断として読む必要がある。

第2 最高裁昭和44年3月25日決定
1 事件と判断の対象

最高裁判所昭和44年3月25日第三小法廷決定は,事件を回付する決定に対する抗告棄却決定についての特別抗告事件である。
事件番号は昭和44年(し)第3号,掲載誌は刑集23巻3号212頁であり,最高裁は抗告を棄却した。

争点は,事件回付の措置を,訴訟法に基づく不服申立ての対象にできるかという点であった。
最高裁は,地方裁判所の支部は,原則として独立の司法行政権を与えられず,外部に対しては本庁と一体をなすとした。
支部の権限と管轄区域は,裁判所内部の事務分配の基準であると判断したのである。

2 回付に対する訴訟法上の不服申立て

同決定は,本庁と支部間又は支部相互間の事件回付は訴訟法上の手続ではないため,当事者は,回付の措置に対して訴訟法に準拠する不服申立てをすることができないとした。
回付について訴訟法上の抗告を認めた東京高裁昭和42年7月14日決定を,明示的に変更している。

この判断は,地域の支部で審理を受けることの政策的価値を否定したものではない。
法律上の管轄と,内部の事務分配に伴う住民の利便とを区別し,回付について訴訟法上の不服申立てを認めないという判断である。
移動の負担や審理の必要性を担当裁判所へ具体的に伝えることまで無意味になるわけではない。

第3 民事訴訟の移送との違い
1 移送決定には民事訴訟法の規定が適用される

(続きを読む...)裁判所の本庁と支部の回付―移送との違い・合意管轄条項・不服申立て(AI作成)

裁判所支部とは―本庁・支部・出張所の違いと管轄・提出先の調べ方(AI作成)

目次

第1 裁判所支部とは1 本庁の事務の一部を取り扱う組織である2 高裁・地裁・家裁の支部を区別する第2 本庁・支部・出張所・簡易裁判所の違い1 名称が似ていても同じ組織ではない2 家裁出張所では受付場所と審理場所が異なることがある第3 全国の裁判所支部の数と一覧1 地裁と家裁にはそれぞれ203支部がある2 一覧・住所・電話番号は目的に応じて調べる第4 支部の管轄区域と事件の提出先は一致するとは限らない1 管轄区域表の注意書きまで読む2 本庁だけでなく別の支部に集約される場合もある第5 管轄・提出先を調べる手順1 手続名,管轄,取扱庁の順に確認する2 提出先と納付先・期日参加方法を別に確認する第6 よくある疑問1 近くに支部があれば,そこへ申し立てればよいか2 裁判所支部がある地域には,高裁支部もあるか3 昔使った提出先を,次回も使ってよいか第7 出典・参考資料1 法令・全国の組織資料2 管轄・提出先・窓口案内
第1 裁判所支部とは
1 本庁の事務の一部を取り扱う組織である

裁判所支部とは,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所の事務の一部を,その裁判所の管轄区域内の別の場所で取り扱うために設けられる組織である。
裁判所法は,下級裁判所の種類を高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所としている。「支部」は,これらと並ぶ第五の種類の裁判所ではない。

最高裁・高裁・地裁・家裁・簡裁の5種類の役割と三審制は,裁判所とは―5種類の役割・三審制・管轄と利用方法で整理している。裁判所の種類を確かめた上で,本記事の本庁・支部・出張所の区別へ進むと,提出先を調べやすい。

支部を利用するときに重要なのは,支部が存在することと,その支部が目的の手続を取り扱うことを分けて確認することである。
自宅に近い支部の庁舎があっても,事件の種類によっては本庁又は別の支部へ申立てる必要がある。所在地だけで提出先を決めることはできない。

2 高裁・地裁・家裁の支部を区別する

地方裁判所そのものの役割と取扱事件は,地方裁判所とは―扱う事件・他の裁判所との違い・管轄の調べ方で説明している。まず裁判所の種類を選び,次に本記事で本庁・支部の取扱いと実際の提出先を確認するとよい。

裁判所法22条は高等裁判所の支部を,31条は地方裁判所の支部又は出張所を設けることができると定めている。家庭裁判所には,31条の5により地方裁判所の支部・出張所に関する規定が準用される。
したがって,「○○支部」という地名だけでなく,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所のどの支部かを確認する必要がある。同じ地域の地裁支部と家裁支部でも,扱う事件は同じではない。

本庁・支部の事務分配や回付の法的な位置付けを詳しく調べる場合は,地方裁判所支部・家庭裁判所支部の権限と一覧を参照されたい。

第2 本庁・支部・出張所・簡易裁判所の違い
1 名称が似ていても同じ組織ではない

本庁・支部・出張所の区別は,一つの裁判所の組織と事務の取扱場所に関する区別である。これに対し,簡易裁判所は,裁判所法が定める別の種類の下級裁判所である。
地方裁判所支部と簡易裁判所が同じ庁舎に置かれていても,申立書の宛名を一括して「○○裁判所」としてよいことにはならない。

名称位置付け利用前に確認すること本庁支部等との対比で用いられる裁判所の本体の庁本庁へ集約された手続か,担当部はどこか高裁・地裁・家裁の支部当該裁判所の事務の一部を取り扱う組織裁判所の種類,担当区域,事件類型ごとの取扱い家庭裁判所出張所家庭裁判所の事務を地域で取り扱う組織受付だけか,審理等も行うか,対象手続は何か簡易裁判所地裁や家裁とは別の種類の下級裁判所簡裁に申し立てる手続か,その簡裁の管轄はどこか
2 家裁出張所では受付場所と審理場所が異なることがある

家庭裁判所出張所の取扱いは一律ではない。裁判所の宮崎県内の管轄区域表も,一部の出張所では受付と出張による家事審判・家事調停に関する事務だけを取り扱うと注意している。

具体例として,福岡家庭裁判所の窓口案内は,甘木出張所では調停・審判の申立ての受付に関する事務のみを取り扱い,受付後の審理等は福岡家裁本庁で行うと説明している。同出張所を管轄区域とする調停・審判は,本庁に申し立てることもできるとされている。
これは甘木出張所についての案内であり,全国の出張所が同じ運用であることを意味しない。出張所の名称だけから,そこで全手続が完結すると考えないことが重要である。

家裁出張所の沿革や受付出張所については,家庭裁判所の出張所及び受付出張所を参照されたい。

第3 全国の裁判所支部の数と一覧
1 地裁と家裁にはそれぞれ203支部がある

裁判所データブック2026の組織表によれば,高等裁判所は本庁8庁・支部6庁,地方裁判所は本庁50庁・支部203庁,家庭裁判所は本庁50庁・支部203庁・出張所77庁である。
高裁6支部のほか,東京高等裁判所には特別の支部として知的財産高等裁判所が置かれている。

この数は裁判所の組織数である。同じ庁舎に複数の裁判所が置かれる場合があるため,地裁支部203庁と家裁支部203庁を足して,庁舎が406か所あると読むものではない。
また,支部数は裁判官の人数や開廷日数を示す数字でもない。

2 一覧・住所・電話番号は目的に応じて調べる

(続きを読む...)裁判所支部とは―本庁・支部・出張所の違いと管轄・提出先の調べ方(AI作成)

最高裁判所の小法廷への裁判官配置・代理順序・事件分配―仕組みと年別資料(AI作成)

目次

第1 毎年の裁判官会議で定める事項1 制度を定める規則と年別の決定2 裁判官の配置と主任裁判官の違い第2 令和8年分の裁判官の代理順序第3 令和8年分の事件分配比率と調整1 基本比率は10対9対102 定年退官前及び新任直後の調整第4 再審・差戻し・関連事件等の分配1 再審事件及び差戻し後の上告事件2 除斥・忌避等及び裁判に関する損害賠償事件3 関連事件及び未済事件第5 令和8年分の開廷日割り及び夏期の要急事件1 通常の開廷日割り2 夏期の要急事件は期間別に担当する第6 配置・代理順序・裁判事務分配の年別資料第7 関連記事及び出典1 関連記事2 直接参照した資料

最高裁判所の三つの小法廷に誰を配置し,欠員時に誰が代理し,事件をどの小法廷へ分配するかは,裁判官会議が毎年12月に翌年分を定める。
本記事は,最高裁判所裁判事務処理規則と公開された年別資料を分けて整理し,令和8年分の資料を例に,事件分配比率,特別な事件の取扱い,開廷日割り及び夏期の要急事件を説明する。

本記事では,小法廷の裁判官配置,代理順序及び事件分配を,制度を定める規則と年ごとの決定に分けて整理する。令和8年の分配比率や代理順序は当該年の資料の内容であり,すべての年度に共通する固定値ではない。大法廷・小法廷の位置付けと最高裁判所全体の役割は,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。

第1 毎年の裁判官会議で定める事項

現職の最高裁判所裁判官の氏名・経歴を調べる場合は,最高裁判所裁判官の現職15人の一覧を参照されたい。
本記事は,小法廷への配置,代理順序及び事件分配の制度と年別資料を扱う。裁判官の仕事や種類全体の説明は,裁判官とはで確認できる。

1 制度を定める規則と年別の決定

最高裁判所裁判事務処理規則4条は,各小法廷の裁判官の配置,裁判官に差し支えがあるときの代理順序及び各小法廷に対する事務の分配について,毎年12月の裁判官会議で翌年分を定めるとしている。
規則が制度の枠組みを定め,年別資料が具体的な配置や分配方法を示すという関係にある。

同規則5条によれば,いったん定めた配置,代理順序及び分配は,一つの小法廷の事務が多過ぎる場合や,裁判官の退官,疾病その他の事由による継続的な欠勤等の場合を除き,一年間変更しない。
したがって,年初の資料に記載された裁判官名が,その年の全期間を通じて実際の構成員と一致するとは限らない。

2 裁判官の配置と主任裁判官の違い

同規則1条・2条は,第一小法廷,第二小法廷及び第三小法廷を置き,各小法廷の裁判官の員数を5人とし,3人以上の出席で審理及び裁判ができると定める。
同規則6条は,各事件について主任裁判官を定めるとしている。

小法廷への裁判官の配置は裁判体の構成に関する事項であり,主任裁判官の指定は個別事件に関する事項である。
年別の配置表だけから,個別事件の主任裁判官や裁判官の意見を確定することはできない。

第2 令和8年分の裁判官の代理順序

令和8年分の配置・代理順序・裁判事務分配資料の第2によれば,小法廷の裁判官に差し支えがあるときは,次の小法廷の裁判官が順次代理する。

差し支えがある裁判官の所属代理する裁判官の所属と順序第一小法廷第二小法廷(最高裁判所長官を除く。)又は第三小法廷第二小法廷第三小法廷又は第一小法廷第三小法廷第一小法廷又は第二小法廷(最高裁判所長官を除く。)

同資料は,大法廷において最高裁判所長官に差し支えがあるときは,他の裁判官が席次の順序に従って代理すると定める。
上記は令和8年分の資料の説明であり,別の年についてはその年の決定を確認する必要がある。

第3 令和8年分の事件分配比率と調整
1 基本比率は10対9対10

同資料第3の1によれば,事件は種類ごとに,第一小法廷10,第二小法廷9,第三小法廷10の比率により,順次分配する。
これは資料上の基本比率であり,年間の実際の処理件数が必ずこの比率になるという意味ではない。

2 定年退官前及び新任直後の調整

最高裁判所長官以外の裁判官が定年により退官する場合は,退官日の2箇月前から後任裁判官の配置まで,当該裁判官が配置されている小法廷の事件分配比率を2減ずる。
また,最高裁判所長官以外の裁判官が新たに就任する場合は,就任日から1箇月間,当該裁判官が配置される小法廷の比率を2減ずる。

いずれも,小法廷の基本比率を調整する規定である。

(続きを読む...)最高裁判所の小法廷への裁判官配置・代理順序・事件分配―仕組みと年別資料(AI作成)

高裁の差戻・再審事件の担当部―民事部への刑事事件配分と裁判官の代理(令和8年度)(AI作成)

目次第1 差戻と再審では担当部の決め方が違う1 通常の新件の輪番だけでは分からない2 対象資料と日付の範囲第2 刑事事件を民事部が扱う例1 札幌高裁の刑事差戻事件2 広島高裁の異議と民事控訴事件の減配3 福岡高裁宮崎支部の異議第3 差戻事件の配分にある特則1 仙台高裁は新件・差戻・再審を分ける2 大阪高裁は集中部の差戻を別に定める3 知財高裁の差戻は通常控訴の配分へ繰り入れる第4 再審は「原裁判をした部」だけでは読み切れない1 原裁判部への配分と福岡高裁の除外条件2 東京高裁の第7・第9刑事部に関する附則第5 事件の分配替えと裁判官の代理は別である1 部を変えるのか,裁判官を補うのか2 長官の代理順序では担当合議体を決められない第6 担当部を確認する順序第7 関連記事第8 出典
第1 差戻と再審では担当部の決め方が違う
1 通常の新件の輪番だけでは分からない

高等裁判所の担当部を調べるときは,通常の控訴・抗告事件の配分に加え,差戻事件,再審事件,異議申立事件及び裁判官に差し支えがあるときの代理を分けて確認する必要がある。
令和8年度の事務分配の文書を見ると,札幌高裁では刑事差戻事件を民事部に配分し,仙台高裁では第1刑事部の裁判の差戻事件を第2刑事部に配分する一方,再審事件は原裁判をした部に配分している。
したがって,「刑事事件は刑事部」「原裁判をした部が再び担当する」「差戻と再審は同じ配分」と一律に考えることはできない。

本記事は,部への事件の配分を説明するものである。
特定の裁判官が個別事件に関与できるか,個々の合議体の構成が適法かという問題は,事件記録と適用法令に基づいて別に検討する必要がある。

2 対象資料と日付の範囲

本記事では,本ブログで「令和8年4月15日現在」の資料として公開している8高裁及び知財高裁の裁判官配置等の文書のうち,差戻・再審・異議・代理に関する記載を取り上げる。
PDFの頁数は,ファイルの先頭を1頁として数えた通し頁であり,文書に印刷された頁番号とは異なる場合がある。

公開ファイル名の日付,規程の施行日及び配置表の日付は同じではない。
例えば,大阪の文書には4月7日施行,札幌の文書には4月8日施行の附則があるが,これらの文書だけで4月15日までの全改定・別規程の収録や,実際の配分を確認したものではない。
文書全体の比較は,高等裁判所の事務分配の比較(令和8年度)を参照されたい。

第2 刑事事件を民事部が扱う例
1 札幌高裁の刑事差戻事件

札幌高裁の規程第2の1(10)は,刑事差戻事件を,受付順に第2民事部及び第3民事部へ順次分配する事件の一つとして掲げている。
同じ項目には,刑事部の裁判官・書記官に関する除斥・忌避・回避の申立事件と,刑事訴訟法428条2項の異議申立事件もある。
刑事部の分担を定める第3では,これらの事件を通常の刑事部の配分対象から除いている(札幌高裁の文書2頁~3頁)。

他方,民事差戻事件には別の定めがあり,第2民事部が原裁判をしたものは第3民事部,第3民事部が原裁判をしたものは第2民事部に配分する。
刑事差戻の二つの民事部への輪番と,民事差戻の二部間の交替は,異なる規定である。

2 広島高裁の異議と民事控訴事件の減配

広島高裁の文書は,刑事訴訟法428条2項の異議申立事件について,原裁判をした部又は裁判官において異議を相当とする場合のほかは,本庁では第2部,第3部の順序で他の部に分配すると定める。
この二つは,通常の民事・行政事件を担当する部である。
松江支部については,本庁第1部を配分先としている(広島高裁の文書6頁)。

控訴棄却の決定に対する異議で,配分を受けた部が異議を相当とする決定をした場合は,その部が本案事件も取り扱う。
その本案事件の分配を受けたときは,本案1件につき,記録冊数4冊未満の民事控訴事件1件の割合で配分を減らす。
民事部が刑事の本案まで扱う場合に,その後の民事事件の配分を調整するという具体的な仕組みである。

3 福岡高裁宮崎支部の異議

福岡高裁の宮崎支部では,通常の刑事事件を刑事部に分配する定めのただし書として,刑事訴訟法428条の異議申立事件を民事部に分配すると定めている(福岡高裁の文書7頁)。

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高等裁判所の事務分配の比較(令和8年度)―集中部,記録の量による配点,兼務と同一名簿の部及び長官の代理順序(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と資料1 対象とした資料2 日付の読み方第2 部の構成1 9庁の部の構成2 兼務表示・同一名簿・新件配分停止の違い3 特別部第3 専門部・集中部1 東京高裁・大阪高裁の集中配分2 その他の高裁第4 配点の方法1 受理の順番による配点2 記録の量の量り方3 刑事控訴の「否認事件」第5 新しい事件類型への対応1 緊急を要する親権行使者の指定の抗告事件2 その他第6 支部と代行・填補の裁判官第7 長官に差し支えがあるときの代理順序1 9庁の代理順序2 東京高裁の代表常置委員・大阪高裁の上席裁判官との関係第8 実務上の留意点第9 関連記事第10 出典1 開示文書2 参照法令・公式資料
第1 本記事の対象と資料

高裁制度の基本,全国8高裁の配置,地裁・最高裁との違いは,高等裁判所とは―役割・地裁や最高裁との違い・全国8高裁と支部の一覧を参照されたい。本記事は,その各高裁の令和8年度の開示文書を比較する。比較対象の9庁には東京高裁の特別の支部である知財高裁を含めており,全国の高裁が9つあるという意味ではない。

部の構成を比較する場合は9庁の部の構成の表,専門部・集中部を探す場合は第3,事件配分の方法を調べる場合は第4,長官の代理順序は9庁の代理順序の表へ進める。

1 対象とした資料

本記事は,全国の高等裁判所8庁と知的財産高等裁判所が定めた令和8年度の裁判官の配置,事務分配,代理順序,開廷日割等を定めた文書を読み比べ,各高裁で控訴事件や抗告事件がどの部へどのように配られるのか,長官に差し支えがあるときに誰が代理するのかを整理するものである。
対象の文書は,司法行政文書の開示を受けたものであり,次のとおり本ブログに掲載している。
なお,大阪高裁の令和6年度の同種の文書には,「平成6年7月22日付け総一第182号に基づく報告」として,大阪高等裁判所長官から最高裁判所事務総局総務局長に送付した旨の送付書が付いていた。

東京高裁,知財高裁,大阪高裁,名古屋高裁,広島高裁
福岡高裁,仙台高裁,札幌高裁,高松高裁

本記事でいう部の構成は,配置表に記載された部の構成であり,同時に稼働する独立した合議体の数ではない。
配置表の掲載順,兼務表示,本文の分担・配分及び附則を併せて読む必要がある。

2 日付の読み方

本記事は,「令和8年4月15日現在」の資料として本ブログで公開している文書の記載を比較する。
公開ファイル名,規程の制定・改正日,附則の施行日及び配置表の日付は区別する必要がある。
知財高裁は東京高裁の特別の支部であり,本記事の「9庁」は比較対象の数である。
各文書の日付は,次のとおり庁ごとに違う。

高裁文書上の日付東京令和8年1月1日施行,同年3月22日施行の改正あり。配置表は令和8年4月1日現在知財令和8年1月1日施行。配置表は令和8年4月1日現在,所長の代理順序の指名は同年1月1日現在大阪令和7年12月19日決定,令和8年1月1日施行。改正の附則が10個あり,最後は同年4月7日施行名古屋施行日として令和8年1月1日から同年4月1日まで7つの日付を列挙広島令和7年12月12日決定。改正2回で,最後は令和8年4月1日施行福岡表題の右上に「(令和8.4.1)」とあるだけ仙台「(令和8年4月1日現在)」の時点版。附則なし札幌札幌高等裁判所規程第7号(令和7年12月12日)。令和8年3月13日付けの改正4本で,最後は同年4月8日施行高松令和7年12月15日決定。令和8年3月10日付けの改正3本で,最後は同年4月1日施行

最高裁判所ウェブサイト掲載の下級裁判所事務処理規則2条では,司法年度は1月1日から12月31日までとされ,7条には年度中の変更の例外が定められている。
配置表自身の日付と改正附則の施行日は別であり,最後の施行日を配置表の基準日と一律に置き換えることはできない。
開示決定通知,交付対象一覧及び4月15日までの追加改定・差替えをすべて確認したものではないため,同日の全規程や全人事異動,実際の配分実績を網羅したものではない。

第2 部の構成
1 9庁の部の構成

各高裁の部の構成は次のとおりである。

高裁本庁の部支部東京民事部20(第3・第6・第13・第18民事部は欠番),刑事部12,特別部5なし知財通常部4,特別部(いわゆる大合議)なし大阪民事部14,刑事部6,特別部なし名古屋民事部4,刑事部2,特別部金沢支部(民事・刑事の2部)広島第1部(刑事),第2部・第3部(民事),第4部,特別部岡山支部(2部),松江支部(部なし)福岡民事部5,刑事部3,特別部宮崎支部・那覇支部(各2部)仙台民事部3,刑事部2,特別部秋田支部札幌民事部3,刑事部1,特別部なし高松第1部(刑事),第2部・第4部(民事),第3部,特別部なし

刑事事件でも民事部へ配分する特則がある。
札幌高裁は刑事差戻事件を第2・第3民事部へ配分し,宮崎支部は刑事訴訟法428条の異議申立事件を民事部へ配分する。
仙台高裁は第1刑事部の裁判の差戻事件を第2刑事部へ配分する一方,再審事件は原裁判をした部へ配分する。
部の数や名称だけでは,これらの例外は分からない(札幌高裁の文書2頁,福岡高裁の文書7頁,仙台高裁の文書7頁)。

2 兼務表示・同一名簿・新件配分停止の違い

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司法研修所事務局の4課14係と事務分掌―令和7年度転入職員説明会の資料で読む組織,裁判官研修及び修習事務(AI作成)

目次第1 本記事で扱う資料1 資料の概要2 読み方の注意第2 司法研修所の法的位置付け1 裁判所法上の位置付け2 司法研修所規則と事務局3 司法研修所規程4 資料の裁判所法の抜粋で注意すべき点第3 事務局の4課14係1 組織図2 事務分掌の一覧(令和7年4月1日実施)3 司法修習生から見た担当係第4 平成25年4月1日現在の事務分掌からの変化1 総務課と経理課2 企画第一課と企画第二課第5 裁判官研修部門の令和7年5月当時の体制1 別館の体制と施設2 令和7年度裁判官研修のイメージ第6 企画第二課と司法修習の事務1 企画第二課の構成と担当事務2 修習事務の年間の流れ3 修習生の人数4 司法修習生との連絡と基本資料第7 経理課の説明と公開されなかった部分1 経理課の事務と施設の利用2 黒塗りとされた部分第8 関連記事第9 出典
第1 本記事で扱う資料
1 資料の概要

本記事は,司法研修所事務局が令和7年5月15日に実施した令和7年度転入職員説明会の資料(全26頁)を読み,司法研修所事務局の組織と事務分掌,当時の裁判官研修部門の体制及び司法修習の事務の流れを整理するものである。
資料は,司法研修所事務局の転入者向け説明資料(令和7年5月15日実施の転入職員説明会)として掲載している。

資料は,次の4部分から成る。
① 総務課所管事項(PDF1頁~10頁):最高裁判所機構図・司法研修所機構図,裁判所法の抜粋,司法研修所規則,司法研修所規程及び「司法研修所事務分掌(令和7年4月1日実施)」
② 経理課の説明(PDF11頁~19頁):経理課の事務,案内図,最高裁判所和光庁舎・司法研修所別館の配置図,門扉の開放時間,駐車場・駐輪場の使用,休日の登庁及びIC式乗車カードの注意点
③ 企画第一課の概況(PDF20頁~24頁):別館の体制,配置図,令和7年度裁判官研修のイメージ,令和7年度裁判官研修実施計画カレンダー(令和7年1月23日時点)及びフロア図
④ 企画第二課の事務の概況(PDF25頁~26頁):企画第二課の構成と担当事務,第78期・第79期修習における資料配布等のスケジュール

2 読み方の注意

資料の多くの頁には「機密性2」の表示がある。
執務室等の鍵の管理場所,門扉の開放時間,休日に登庁する際の入構経路,配置図及びフロア図の内部は黒塗りであり,本記事もこれらに触れない。

資料は令和7年5月当時のものである。
最高裁判所の「司法研修所について」(令和8年10月5日閲覧)によれば,裁判官の研修部門は,平成25年8月に司法研修所別館へ移転した後,令和8年2月に司法研修所本館へ移転した。
したがって,資料に記載された別館の体制は移転前の状況であり,現在の配置を示すものではない。
事務分掌も年度ごとに改められ得るので,現在の窓口は,その時点の通知や案内で確かめる必要がある。

本記事では,資料の記載,最高裁判所ホームページ・e-Gov法令検索等の一次資料で確認した事項及び本記事の推論を区別して書く。

第2 司法研修所の法的位置付け
1 裁判所法上の位置付け

裁判所法14条は,裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所を置くと定めている。
同法55条は司法研修所教官を,同法56条は司法研修所長を定めており,司法研修所長は,司法研修所教官の中から最高裁判所が補し,最高裁判所長官の監督を受けて司法研修所の事務を掌理し,職員を指揮監督する(令和8年10月5日にe-Gov法令検索で現行条文を確認)。

資料の最高裁判所機構図は,司法行政部門(裁判官会議)の下に,事務総局,司法研修所,裁判所職員総合研修所及び最高裁判所図書館を置いている。
最高裁判所の「最高裁判所の組織」も,司法研修所,裁判所職員総合研修所及び最高裁判所図書館を附属機関として説明している。

2 司法研修所規則と事務局

資料に収録された司法研修所規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第11号)3条は,司法研修所の庶務を掌らせるため,司法研修所に事務局を置くと定めている。
事務局長及び事務局次長は,裁判所事務官の中から最高裁判所が補し,事務局長は,司法研修所長の命を受けて事務局の事務を掌理し,事務局の職員を指揮監督する。
事務局には課が置かれ,課長は裁判所事務官をもって充てられる。

同規則2条は,最高裁判所が,必要があると認めるときは,裁判官,検察官,弁護士又は学識経験のある者に司法研修所教官の事務の一部を嘱託すると定めている。
弁護士が務める民事弁護教官及び刑事弁護教官の嘱託と謝金は,司法研修所弁護教官の謝金の記事で扱っている。

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執行官に対する加害行為の防止と警察との連携―令和8年4月24日付け最高裁事務連絡,警察庁通知及び民事執行法6条の警察上の援助(AI作成)

目次第1 本記事の対象と資料1 対象とする文書2 契機となった事件第2 第三課長等事務連絡の内容1 裁判所の内部だけでは限界があるという認識2 警察署との連携の再確認3 都道府県警察本部との連携第3 警察庁通知の内容1 宛先と位置付け2 求められた対応第4 民事局参事官事務連絡の具体的取組1 庁として警察本部と連携する2 連携の具体的な内容3 監督官・監督補佐官による現場の実情把握4 警察上の援助要請の実情の把握5 今後の実施状況の照会第5 別添資料と民事執行法上の権限1 別添資料が説明する執行官の職務2 威力の使用と警察上の援助3 警察上の援助を受けるときの立会人4 建物明渡しの手続との関係第6 刑法による保護1 公務執行妨害罪2 強制執行行為妨害等3 執行補助者に対する暴行と裁判例4 事後の処罰と事前の備え第7 債権者側の代理人弁護士が確認しておくこと1 援助要請は執行官が判断する2 執行官に伝えておく事項3 現場に出向く関係者の安全第8 関連記事第9 出典1 提供資料2 法令及び規則3 裁判例4 公的資料5 報道
第1 本記事の対象と資料
1 対象とする文書

本記事は,本ブログに掲載した「加害行為の防止に関する警察との連携等について(令和8年4月24日付の最高裁民事局第三課長及び総務局参事官の事務連絡)」(PDF7頁)の内容を整理し,民事執行法6条の警察上の援助,執行官規則による監督及び刑法上の保護と併せて,強制執行の現場の安全確保を説明するものである。
基準日は令和8年10月6日であり,条文は同日にe-Gov法令検索で確認した。

このPDFには,表題の事務連絡だけでなく,次の4点の文書が綴じられている。
①最高裁判所事務総局民事局第三課長及び総務局参事官から地方裁判所事務局長宛ての事務連絡「加害行為の防止に関する警察との連携等について」(令和8年4月24日。PDF1頁~2頁)
②その別添として,警察庁生活安全局生活安全企画課長,警察庁長官官房参事官(教養・厚生・国際担当)及び警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策第一課長から警視庁の各部長及び各道府県警察本部長宛ての通知「民事執行法(昭和54年法律第4号)に基づいた執行官の職務の執行に関する裁判所との連携について」(警察庁丁生企発第242号,丁参人発第298号,丁組一発第315号,令和8年4月24日。PDF3頁)
③最高裁判所事務総局民事局参事官から地方裁判所(民事)首席書記官宛ての事務連絡「加害行為の防止に関する警察との連携等における具体的取組について」(令和8年4月24日。PDF4頁~6頁)
④③の別添資料「執行官の職務について」(○○地方裁判所名義の1枚もの。PDF7頁)

①と③の各頁には機密性2の表示があり,②には原議保存期間を1年(令和10年3月31日まで)とする表示がある。
以下では,①を「第三課長等事務連絡」,②を「警察庁通知」,③を「民事局参事官事務連絡」,④を「別添資料」と呼ぶ。

2 契機となった事件

警察庁通知は,「本年1月15日」に,民事執行法に基づく執行官の職務の執行に際して,執行官等が関係者に刃物で刺される事案が発生したことを受けて,裁判所から事務連絡が発出されたと記載している。
第三課長等事務連絡も,執行の現場において債務者の加害行為により執行官及び関係者が死傷する事案が発生したと記載している。

時事通信の令和8年1月15日付け配信記事によれば,同日午前10時頃,東京都杉並区のアパートで家賃滞納による住宅明渡しの強制執行のため訪問した東京地方裁判所の執行官と保証会社の社員が包丁で刺され,保証会社の社員が死亡し,住人の男が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。
共同通信の同年4月27日付け配信記事は,最高裁判所が全国の地方裁判所に対し,再発防止に向けて各地の警察本部と協議を行うなど連携強化を求める事務連絡を出したと報じている。
刑事事件の帰すうは本記事の対象外であり,報道を超える事実関係及び刑事責任は確定したものとして扱わない。

第2 第三課長等事務連絡の内容
1 裁判所の内部だけでは限界があるという認識

第三課長等事務連絡は,公務遂行に対する加害行為を防止し,裁判所の職員や利用者,関係者らの安全を確保するためには,まず裁判所内部で関係職員間の意思疎通を十分に図り,有効な対策を講じる必要があるとする。
その上で,裁判所の内部だけの対応では限界があり,特に執行の現場のような庁舎外での公務遂行の場面における安全の確保については,警察との連携が重要であると述べている。

2 警察署との連携の再確認

同事務連絡は,これまでも各庁が,対応する警察署との間で連絡態勢の整備,関連する情報の交換,訓練の実施等を通じて連携を図ってきたものと承知しているとした上で,この機会に警察署との連携の重要性を改めて確認し,加害行為の防止及び職員や利用者,関係者らの安全確保に特段の配慮をするよう求めている。

3 都道府県警察本部との連携

同事務連絡の中心は,連携の相手方を広げた点にある。
これまでは,主に裁判所敷地内での加害行為を念頭に,裁判所庁舎所在地を所轄する警察署との連携が中心であったと考えられるが,執行の現場のような庁舎外での公務遂行では,緊急事態が当該警察署の管外で生じ得る。
そこで同事務連絡は,各庁に対し,対応する都道府県警察本部との間でも打合せや協議を行うなどして連携を図るよう求めている。
また,同事務連絡は警察庁と協議済みであり,警察庁からも都道府県警察に対して別添の通知(警察庁通知)が送付されると記載している。

裁判所の敷地内での加害行為については,最高裁判所事務総局総務局参事官の平成28年8月23日付け事務連絡「裁判所の敷地内において加害行為が発生した際の留意点について」が既にある。

(続きを読む...)執行官に対する加害行為の防止と警察との連携―令和8年4月24日付け最高裁事務連絡,警察庁通知及び民事執行法6条の警察上の援助(AI作成)

執行事件の地裁本庁・拠点支部への集約-不動産執行,債権執行等の状況と理由(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 不動産執行だけを扱うものではない2 結論の要点第2 「本庁集約」の法的な意味1 法定管轄の変更とは限らない2 本庁だけでなく拠点支部への集約もある第3 執行事件の種類によって取扱庁が異なる1 裁判所が扱う主要な手続2 執行官が扱う現地執行第4 現在確認できる集約の五つの型1 主要四手続を本庁へ集約する型2 不動産執行だけを集約する型3 不動産執行と債権執行を集約する型4 本庁ではなく拠点支部へ集約する型5 裁判所取扱事件を原則として全部集約する型第5 近年も集約先は変わっている1 令和7年及び令和8年の変更例2 基準日を明示して申立先を確認する必要がある第6 裁判所が明示した集約理由1 専門部による迅速かつ効率的な処理2 改善効果の説明とその限界第7 集約の実質的な背景1 事件量と人的資源の配分2 専門知識と事務処理経験の蓄積3 経費削減や支部廃止を本音と断定できない第8 司法アクセス上の不利益1 記録閲覧,書面提出及び移動の負担2 地域に残る手続とデジタル化3 大阪地裁堺・岸和田両支部についての検討第9 申立先を確認する実務上の手順1 手続名を特定して公式表を確認する2 BITだけでは債権執行等の取扱いを確認できない3 関連する裁判所組織の記事第10 出典・参考資料1 規則及び司法行政資料2 裁判所の取扱庁及び変更告知3 統計資料4 職能団体・労働組合等の資料
第1 この記事の対象と結論
1 不動産執行だけを扱うものではない

地方裁判所全体の役割と他の裁判所との違いは,地方裁判所とは―扱う事件・他の裁判所との違い・管轄の調べ方で説明している。本記事では,執行事件の種類ごとに本庁・支部の取扱いと申立先を確認する。

民事執行には,不動産に対する強制執行・担保権実行だけでなく,預貯金・給与等を対象とする債権執行,自動車執行,財産開示手続,第三者からの情報取得手続,動産執行,建物明渡し等の執行がある。本記事は,裁判所の公式ウェブサイト,司法行政資料,司法統計及び弁護士会の正式な決議を基礎として,これらの執行事件が地方裁判所の本庁又は拠点となる支部へ集約されている状況と,その理由を整理するものである。
基本調査の基準日は令和8年9月24日であり,その後に確認した変更は本文に確認日を示している。
将来の予定として記載した措置は,その確認日を基準に読み,現在の申立先は裁判所の最新案内で確かめる必要がある。
集約の範囲は全国一律ではない。管轄区域が同じように支部の区域であっても,不動産執行だけを本庁で扱う地域,不動産執行と債権執行を集約する地域,財産開示手続及び第三者からの情報取得手続まで集約する地域,これらを本庁ではなく別の拠点支部へ集約する地域がある。

2 結論の要点

裁判所が明示している集約理由は,専門部による迅速かつ効率的な処理である。札幌地方裁判所委員会では,不動産競売事件及び債権執行事件を支部から本庁へ集約した理由として,専門部で迅速かつ効率的に処理することが説明され,集約後に売却率が改善し,処理期間も短縮したと報告されている。
これを全国の支部運営に関する司法行政資料と併せて読むと,集約の実質的な背景は,少数又は変動の大きい事件を各支部へ分散させるより,裁判官,書記官及び執行部門の知識・経験を本庁又は拠点支部へ集中し,担当体制を安定させることにあると考えられる。ただし,これは公開資料から導く分析であり,裁判所が秘密の目的を公表したという意味ではない。また,経費削減や支部廃止が主目的であると裏付ける一次資料は確認できない。

第2 「本庁集約」の法的な意味
1 法定管轄の変更とは限らない

地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則3条1項は,地方裁判所がその支部で取り扱う事務を自ら処理し,又は管内の他の支部で処理させることができる旨を定めている。したがって,支部区域内の事件を本庁又は別の支部で扱う集約は,法律による裁判所の管轄区域そのものの変更ではなく,同じ地方裁判所内部における事務分配として実施されることがある。
このため,申立人が民事執行法の管轄規定だけを読んでも,実際の提出先を確定できない場合がある。対象となる所在地の地方裁判所ウェブサイトにある「管轄区域表」,「民事執行事件の取扱い」又は最新のお知らせを,手続の種類ごとに確認する必要がある。

2 本庁だけでなく拠点支部への集約もある

集約先は必ずしも地方裁判所本庁ではない。広島地方裁判所尾道支部の区域では,不動産執行,債権執行,財産開示及び第三者からの情報取得を福山支部が扱い,熊本地方裁判所人吉支部の区域では不動産執行を八代支部が扱う。神戸地方裁判所豊岡支部で扱っていた不動産競売事件等も,令和8年4月1日から姫路支部へ集約された。
したがって,「本庁集約」という語は実務上便利な略称ではあるが,正確には「本庁又は拠点支部への集約」と捉えるべきである。地域単位ではなく,地方裁判所の管内全体で専門処理体制を組み替える現象だからである。

第3 執行事件の種類によって取扱庁が異なる
1 裁判所が扱う主要な手続

裁判所の民事執行案内は,金銭執行として不動産執行,動産執行,債権執行,自動車執行等を挙げるほか,財産開示手続及び第三者からの情報取得手続を案内している。不動産競売では物件の評価,現況調査,売却手続及び配当が連続する一方,債権執行では差押命令の発令,第三債務者への送達,取立て又は配当等が中心となるため,同じ「執行事件」であっても必要な事務は異なる。
財産開示手続は,債務者を裁判所へ呼び出して財産を陳述させる手続である。第三者からの情報取得手続は,登記所,金融機関等又は市町村等から一定の財産情報を取得する手続であり,取扱庁の表では債権執行と別項目にされることが多い。

2 執行官が扱う現地執行

動産執行,建物明渡し,土地明渡し等は,執行官への申立てによって現地で実施される。裁判所の管轄区域表では,裁判所が受け付ける不動産執行や債権執行等と,執行官が取り扱う事件とが区別されている。
裁判所部門の事件を本庁へ集約しても,執行官取扱事件を地域に残す例がある。令和8年10月1日から実施される青森地方裁判所及び福島地方裁判所相馬支部の集約告知も,執行官に申し立てる動産執行事件等を集約対象から除外している。この例外は,目的物の所在地で行う現地執行には,書面審査中心の事件とは異なる地理的制約があることを示している。

第4 現在確認できる集約の五つの型
1 主要四手続を本庁へ集約する型

北海道の一部の支部区域では,不動産執行,債権執行,財産開示及び第三者からの情報取得を札幌地方裁判所本庁等で扱い,その他の民事執行事件を区域の支部で扱う。千葉地方裁判所八日市場支部の区域でも,この四手続を本庁が扱い,その他の民事執行事件は八日市場支部が扱う。
この型では,裁判所内部の審査・管理を要する代表的な手続がまとめて集約される一方,すべての執行事件が本庁へ移るわけではない。「債権執行も集約されたか」だけでなく,財産開示及び第三者情報取得の欄も別に確認する必要がある。

2 不動産執行だけを集約する型

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全国の地方裁判所支部における本庁集約と開廷頻度―合議・裁判員・労働審判・民事執行の比較(AI作成)

目次第1 結論1 支部があることと事件をその支部で扱うことは別である2 全国比較の要点第2 調査対象と数え方1 確認した一次資料2 資料の対象範囲と裁判例との区別第3 行政事件・合議事件・裁判員裁判・労働審判の集約1 行政事件は地裁支部で取り扱わない2 合議事件を取り扱う支部は63支部である3 裁判員裁判対象事件を取り扱う支部は10支部である4 労働審判を取り扱う支部は5支部である第4 民事執行は手続ごとに提出先が異なる1 四つの主要手続を分ける2 本庁へ集約する例3 近隣の拠点支部へ集約する例第5 全国203支部の公表開廷日割1 176支部に少なくとも一つの「毎週」表示がある2 月1回等が明示される支部3 「随時」は低頻度の証明ではない第6 公表日割から分からないこと1 担当裁判官一覧は実際の開廷表ではない2 事件数・処理速度・常駐状況は推測できない第7 弁護士が申立前に確認すべき事項1 提出先確認の順序2 期日・移動負担の確認第8 確認済み事項・推論・未確認事項1 確認済み事項2 集計者による整理3 未確認事項第9 出典・参考資料1 法令・裁判所の全国資料2 開廷日割・提出先の例3 弁護士会連合会の資料
第1 結論

地方裁判所の役割や簡裁・家裁との違いから確認する場合は,地方裁判所とは―扱う事件・他の裁判所との違い・管轄の調べ方を参照されたい。本記事では,地裁支部の事件別の取扱いと開廷日割を比較する。

裁判所支部の制度自体を確認する場合は,裁判所支部とは―本庁・支部・出張所の違いと管轄・提出先の調べ方を参照されたい。本記事は,地裁支部の手続別の取扱いと公表日割を全国で比較するものであり,支部の定義や組織の一覧とは区別して読む必要がある。

1 支部があることと事件をその支部で扱うことは別である

地方裁判所には50の本庁と203の支部がある。しかし,住所地がある支部の管轄区域に含まれていても,すべての事件をその支部で取り扱うわけではない。
令和8年9月22日現在の裁判所の公開一次資料を比較すると,行政事件は地裁本庁に,労働審判は50本庁と5支部に,裁判員裁判対象事件は50本庁と10支部に集約されている。合議事件を取り扱う支部も63支部に限られ,140支部では取り扱わない。

民事執行はさらに複雑である。不動産競売,債権執行,財産開示,第三者からの情報取得という手続ごとに提出先が異なり,本庁へ集約する地域もあれば,近隣の拠点支部へ集約する地域もある。
したがって,申立て前には,①法令上の土地管轄,②本庁・支部間の事務分配,③事件類型ごとの提出先及び④個別事件の担当部を順に確認する必要がある。

2 全国比較の要点
比較項目本庁・支部の取扱い実務上の確認点行政事件確認した47都道府県分の公式提出先表では本庁のみ支部管内の住所であっても本庁へ提出する合議事件203支部中63支部で取扱い単独事件を扱う支部でも合議事件を扱うとは限らない裁判員裁判10支部で取扱い取扱支部が近隣支部管内の対象事件も扱う場合がある労働審判5支部で取扱い通常訴訟の提出先と労働審判の提出先が異なり得る民事執行地域・手続ごとに異なる「執行事件」と一括せず手続名ごとに確認する開廷日割203支部中176支部に少なくとも一つの「毎週」表示公表日割は実際の開廷件数又は処理期間ではない
第2 調査対象と数え方
1 確認した一次資料

本記事は,裁判所データブック2026,裁判所ウェブサイトの都道府県別「申立書提出先一覧」47資料及び全国50地裁の担当裁判官・開廷日割ページを確認して作成した。
担当裁判官ページからは203支部について民事,刑事,執行その他の係別表示735行を抽出し,「毎週」,月数回,隔週,随時その他の表示を比較した。

この集計の単位は事件数ではなく,裁判所が公表した係別の日割表示である。同じ支部でも民事係は毎週,刑事係は月数回ということがあり得るため,支部名だけでなく係別行を確認した。

2 資料の対象範囲と裁判例との区別

本記事の全国比較は,裁判所の組織,事務分配,提出先及び公表日割を対象とし,裁判所の公開一次資料に基づく。裁判例を網羅した比較ではなく,本庁・支部間の回付,管轄又は事務分配に関する裁判例の不存在を示すものでもない。

本庁と支部の法的関係及び回付に関する裁判例は,地方裁判所支部及び家庭裁判所支部(AIリライト)で別に整理している。

第3 行政事件・合議事件・裁判員裁判・労働審判の集約
1 行政事件は地裁支部で取り扱わない

地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則1条2項は,地方裁判所の支部では上訴事件及び行政事件訴訟に係る事件に関する事務を除き,地方裁判所の権限に属する事務を取り扱うと定める。
裁判所の47都道府県分の申立書提出先一覧も,行政事件について本庁へ提出すると表示している。

これは,行政事件に法定管轄がないという意味ではない。法令により管轄する地方裁判所を定めた上で,その地方裁判所の本庁が事件を取り扱うという関係である。

2 合議事件を取り扱う支部は63支部である

裁判所データブック2026によれば,合議事件を取り扱う地方裁判所支部は203支部中63支部であり,残る140支部では合議事件を取り扱わない。
支部に裁判官が1人勤務していること又は単独事件の開廷日が毎週表示されていることから,合議事件もその支部で扱うと推測することはできない。

反対に,常駐裁判官だけでは合議体を構成できない支部でも,本庁等から裁判官が出張して合議事件を取り扱う場合がある。取扱いの有無は,裁判官数だけでなく各地裁の現在の事務分配を確認すべきである。

3 裁判員裁判対象事件を取り扱う支部は10支部である

裁判員裁判対象事件を取り扱う支部は,東京地裁立川支部,横浜地裁小田原支部,静岡地裁沼津支部,同浜松支部,長野地裁松本支部,大阪地裁堺支部,神戸地裁姫路支部,名古屋地裁岡崎支部,福島地裁郡山支部及び福岡地裁小倉支部の10支部である。

(続きを読む...)全国の地方裁判所支部における本庁集約と開廷頻度―合議・裁判員・労働審判・民事執行の比較(AI作成)

地方裁判所支部の司法アクセス―稚内支部を例に,管轄・本庁集約・開廷頻度及び利用前の確認事項(AI作成)

目次第1 地方裁判所の「支部がある」だけでは取扱いは分からない1 この記事の対象と基準日2 確認すべき五つの層第2 支部の法的な位置付けと事件配点1 裁判所法31条は地方裁判所支部の設置を予定している2 管轄区域と事件配点を区別する第3 稚内支部の管轄と窓口1 稚内市等と天塩郡では家裁出張所等の表示が異なる2 稚内支部・家裁支部・簡裁の窓口は同じ電話番号で案内されている第4 本庁へ集約される事件1 一部の民事執行事件は旭川地裁本庁が取り扱う2 合議事件と少年事件も旭川と表示されている第5 担当裁判官と開廷頻度1 稚内支部の公表日割は月1回の連続開廷である2 開廷日割から個別事件の処理期間は計算できない第6 提出・保管金・期日参加で確認する事項1 保管金の取扱いも本庁と支部に分かれる2 オンライン参加は個別事件の指定を確認する第7 利用前の確認チェックリスト1 申立て前に確認する事項2 確認できない事項の扱い第8 出典・参考資料1 法令2 裁判所の公開資料
第1 地方裁判所の「支部がある」だけでは取扱いは分からない
1 この記事の対象と基準日

この記事は,令和8年9月22日現在の裁判所ウェブサイト及び裁判所法に基づき,地方裁判所の支部を利用するときに確認すべき事項を,旭川地方・家庭裁判所稚内支部を例に整理するものである。
ここでいう「司法アクセス」は,憲法上又は国際人権法上の法的評価を示す用語ではなく,利用者が裁判所へ事件を持ち込み,提出し,期日に参加し,保管金等を処理するまでの実務上の利用可能性を表す整理用語として用いる。

地方裁判所支部の機能は,①庁舎が存在すること,②その地域が支部の管轄に属すること,③当該事件類型を支部で取り扱うこと,④裁判官が常駐又は定期的に開廷すること及び⑤提出・納付・還付等を支部で完結できることに分けて確認する必要がある。
支部の所在地だけを確認しても,合議事件,少年事件,民事執行事件その他の事件が本庁へ集約されている場合があるためである。

2 確認すべき五つの層

支部を利用する前には,少なくとも次の五つの層を別々に確認する必要がある。
①組織:地方裁判所支部,家庭裁判所支部,簡易裁判所又は家庭裁判所出張所のいずれであるか。
②土地管轄:住所地,所在地その他の管轄原因からどの裁判所が管轄するか。
③事件配点:単独事件,合議事件,少年事件,執行事件等のうち,どの事件が支部又は本庁で処理されるか。
④開廷・担当:担当裁判官と開廷の日割がどのように公表されているか。
⑤手続運用:書類提出,保管金の納付・還付,期日参加及び問い合わせをどこで行うか。

このうち,裁判所ウェブサイトに表示された開廷の日割は公表時点の一般的な日割であり,個別事件の期日を示すものではない。
また,オンライン参加の可否は事件類型と個別事件の進行によって異なるため,支部に裁判官が常駐していないことから直ちにオンライン参加が認められると考えるべきではない。

なお,本記事は広域・低密度で移動距離が長い稚内支部管内を例に確認手順を示すものである。人口規模,市街地の密度,鉄道・バス網及び支部の事件処理体制が異なる大阪地裁堺・岸和田両支部へ,稚内支部についての結論をそのまま当てはめることはできない。大阪府南部については,市町村別の交通事情,BITの実際の売却日程及び現行事務分配を別に検討する必要があり,執行事件の地裁本庁・拠点支部への集約-不動産執行,債権執行等の状況と理由(AI作成)で整理している。

第2 支部の法的な位置付けと事件配点

本庁・支部・家裁出張所の違いと,全国共通の提出先の確認手順は,裁判所支部とは―本庁・支部・出張所の違いと管轄・提出先の調べ方を参照されたい。本庁・支部間の回付の法的な位置付けは,地方裁判所支部・家庭裁判所支部の位置付けで説明している。

1 裁判所法31条は地方裁判所支部の設置を予定している

裁判所法31条は,地方裁判所の事務の一部を取り扱わせるため,その管轄区域内に支部を設けることができる旨を定める。
したがって,支部は地方裁判所とは別個の種類の裁判所ではなく,本庁とともに一つの地方裁判所を構成し,定められた事務の一部を取り扱う組織である。

裁判所法上の「事務の一部」という構造からも,支部が地方裁判所のすべての事件を本庁と同じように取り扱うとは限らない。
実際の利用に当たっては,法令上の管轄だけでなく,裁判所ウェブサイトの管轄区域表,担当裁判官一覧,窓口案内及び本庁集約のお知らせを併せて確認する必要がある。

2 管轄区域と事件配点を区別する

ある市町村が支部の管轄区域に含まれていても,その地域から生じるすべての事件を当該支部が扱うとは限らない。
例えば,旭川地裁管内の管轄区域表は,稚内支部の地域について,合議事件,少年事件及び検察審査会を旭川と表示し,一部の民事執行事件も旭川地裁本庁で取り扱うと明記している。

したがって,「住所地が稚内支部管内である」という確認と,「申立てようとする事件を稚内支部が取り扱う」という確認は別である。
事件名が似ていても,地方裁判所事件,家庭裁判所事件及び簡易裁判所事件で提出先が異なることがあるため,裁判所名まで特定する必要がある。

第3 稚内支部の管轄と窓口

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東京地裁医療集中部とは-担当部,発足経緯,審理運営及び鑑定制度(AI作成)

目次第1 東京地裁医療集中部の概要1 医療集中部の意味2 本記事の基準時と資料の読み方第2 現在の担当部1 民事第14部,第30部,第34部及び第35部2 担当裁判官と担当部の確認第3 発足までの経緯1 平成10年から平成13年まで2 発足の目的第4 医療集中部の審理運営1 提訴前の調査と訴状2 診療経過と争点の可視化3 証人尋問の位置付け第5 医学的知見を審理へ取り入れる方法1 医学文献と協力医の意見書2 専門委員3 鑑定とカンファレンス方式第6 和解と統計の読み方1 和解の機能2 令和7年の全国統計第7 制度を利用する際の注意点1 集中部であることと立証責任2 古い運用資料と現在情報の区別第8 主な出典及び参考資料1 裁判所及び国会図書館の資料2 判例タイムズ掲載論文
第1 東京地裁医療集中部の概要
1 医療集中部の意味

東京地裁医療集中部とは,医療行為の当否が争点となり,審理に医学的知見を要する民事事件を集中的に担当する東京地方裁判所の民事部である。独立した裁判所又は特別な訴訟類型ではなく,専門性の高い事件について知識と審理運営の経験を蓄積するための事件配点上の仕組みである。
医療集中部に配点されたこと自体は,医療機関の過失,因果関係又は患者側の請求が認められることを意味しない。責任の有無は,各事件の主張及び証拠に基づいて判断される。

2 本記事の基準時と資料の読み方

本記事は,令和8年(2026年)9月22日現在の裁判所公開資料と,判例タイムズ1495号及び1497号に掲載された令和4年(2022年)のシンポジウム記録を区別して整理するものである。
シンポジウム記録にある件数,割合及び運用は,当時の実務報告であり,現在も同一であると断定できない。現在の担当部は最新の裁判所資料で確認し,個別事件の進行は担当部の指示に従う必要がある。

第2 現在の担当部
1 民事第14部,第30部,第34部及び第35部

東京地裁が公開している霞が関庁舎のダイヤルイン一覧では,民事第14部,第30部,第34部及び第35部に「通常・医療部」と表示されている。したがって,東京地裁本庁の医療事件を集中的に担当する部は,この4か部であると確認できる。
東京地裁霞が関庁舎のダイヤルイン一覧には各部の係別電話番号も掲載されている。ただし,問い合わせ先は事件の係属部及び担当係を確認した上で選ぶ必要がある。

2 担当裁判官と担当部の確認

東京地方裁判所の民事部担当裁判官一覧は,令和8年4月24日現在のものとして,民事第14部,第30部,第34部及び第35部の担当裁判官を掲載している。同一覧自体には各部が医療集中部であるとの表示がないため,医療部であることは前記ダイヤルイン一覧と突き合わせて確認するのが安全である。
裁判官の異動,部の担当事務及び電話番号は変更され得る。提出又は照会の直前に裁判所ウェブサイトの最新版を再確認すべきである。

第3 発足までの経緯
1 平成10年から平成13年まで

国立国会図書館の調査資料によれば,平成10年(1998年)に医療関係訴訟の運営に関する司法研究が始まり,平成11年(1999年)に東京地裁の委員会が医療事件の集中処理を提案した。東京地裁は平成12年(2000年)4月から民事第14部,第30部,第34部及び第35部で試行し,平成13年(2001年)4月に医療集中部を発足させた。
判例タイムズ1495号21頁のシンポジウム記録も,1年間の試行を経て平成13年4月に4か部が発足したと説明している。発足時には,裁判長が争点整理に主体的に関与できるよう配点を調整し,4か部で早期に共通の審理運営を形成することが意識されていた。

2 発足の目的

最高裁判所医事関係訴訟委員会の答申は,東京及び大阪の地方裁判所に平成13年4月から医療関係訴訟の集中部が設けられたとし,審理上のノウハウを蓄積するとともに,地域の医療界との連絡窓口として機能することが期待されると述べている。
したがって,集中部の意義は,単に事件を同じ部へ集める点だけにない。争点整理,医学的知見の獲得,鑑定人確保及び医療界との継続的な協議を一体として改善するところにある。

第4 医療集中部の審理運営
1 提訴前の調査と訴状

判例タイムズ1497号19頁から20頁では,医療事件では,提訴前に診療録に基づく診療経過の整理,医学文献の調査,協力医への相談及び医療機関への照会を行い,具体的な注意義務違反と因果関係を絞り込む必要性が繰り返し指摘されている。
集中部は当事者の調査又は立証を代行する制度ではない。争点を特定しないまま提訴すると,争点整理に長期間を要し,専門委員を早期に選任しても,当事者が負う主張立証の不足を当然に補えるわけではない。

2 診療経過と争点の可視化

判例タイムズ1495号21頁から22頁によれば,医療集中部の審理は,基本的書証を早期に提出し,診療経過一覧表によって時系列を共有し,当事者が参加して争点整理表を作成した上で,集中証拠調べへ進むという考え方を基礎としている。
同号25頁は,令和4年当時の取組として,訴え提起後2,3か月以内に実質的な答弁を踏まえた第1回期日を開くこと,ウェブ会議前に注意義務違反の内容等を記載したアジェンダを共有し,期日後に議論の到達点と次回までの準備事項を共有することを紹介している。これらは,期日間の準備を明確にし,争点整理を口頭議論だけで終わらせないための工夫である。

3 証人尋問の位置付け

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最高裁判所長官は裁判で一番強いのか-大法廷・小法廷,裁判官会議及び事務総局との関係(AI作成)

目次

第1 最高裁判所長官の一票は他の裁判官より重くない

1 この記事が扱う「強さ」の意味

2 裁判長であることと結論を決めることは別である

第2 大法廷・小法廷で長官が持つ権限

1 大法廷では長官が裁判長となる

2 小法廷では出席した場合に裁判長となる

3 裁判は過半数で決まり,長官も一票である

4 違憲判断にも長官の特別な拒否権はない

第3 長官は事件を単独で大法廷へ回付できない

1 大法廷で裁判すべき事件は法令と規則が定める

2 長官は回付の通知を受けるが,単独で決定しない

3 一裁判官だけでは判例変更のための回付を決められない

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名古屋高裁の裁判官会議議事録

名古屋高裁の裁判官会議議事録を以下のとおり掲載しています。

令和元年 6月21日,令和元年12月20日,令和2年 6月26日,
令和2年12月18日,令和3年 6月25日,令和3年12月17日,
令和4年 6月24日,令和4年12月16日,令和5年 6月23日,
令和5年12月25日,令和6年 6月28日,令和6年12月23日,
令和7年 6月27日,令和7年12月12日,
令和8年 6月26日,

今回の資料の解説:名古屋高裁の裁判官会議議事録の読み方―令和8年6月26日の委員会改廃と事件分配(AI作成)

大阪地裁,京都地裁及び神戸地裁の事務分配規程から見る共犯事件の配点(AI作成)

目次

第1 三地裁の違い

1 結論の比較
2 規程の比較だけでは実際の頻度は分からない

第2 事務分配と関連事件の法的な位置付け

1 配点は裁判所内部の司法行政事務である
2 「相関連する事件」は刑事訴訟法9条に接続する

第3 三地裁の規程の内容

1 大阪地裁は許容規定と内部準則を置く
2 京都地裁は同一被告人の集中と関連事件の事後集約を分ける
3 神戸地裁規程は関連事件の同一部配付を義務形で定める

第4 別起訴の共犯事件に規程を適用するときの問題

1 受付時に関連性を把握できることが前提となる
2 同じ庁でも別部係属が生じ得る理由は一つではない

第5 最初の配付,部間移動及び弁論の併合・分離

1 三つの段階は法的性質が異なる

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神戸地裁事務分配等規程における引用条文の改め忘れ――一時保護状導入による条番号のずれ(AI作成)

第1 対象と記事の射程
第2 条文引用のずれの内容

1 令和7年6月1日改正で新設された第28条
2 繰り下がった条番号と繰り下がらなかった引用
3 もう一つの誤り――第35条

第3 条文どおりに読んだ場合に生じる不整合
第4 民事編との対比
第5 令和8年度版でも修正されていない
第6 事務分配等規程の位置付けと入手方法
出典

第1 対象と記事の射程
神戸地方裁判所は,毎年度,本庁及び伊丹支部・尼崎支部・明石支部における事件の配点方法を定める「神戸地方裁判所事務分配等規程」を策定しており,山中弁護士のブログの別記事では令和2年度分から令和8年度分までの規程原本のPDFが掲載されている。この規程の刑事編について,令和5年度版から令和8年度版までの原本PDFを条文単位で照合したところ,令和7年6月1日に施行された改正児童福祉法(一時保護開始時の司法審査の導入)に対応して第28条が新設された結果,後続する条文の番号が1つずつ繰り下がったにもかかわらず,2箇所の引用条文が旧条番号である「第29条」のまま改められていないことが判明した。この状態は令和7年度版で生じ,令和8年度版(現行)でも修正されていない。

以下では,山中弁護士に開示された規程原本のPDFを比較する形で,条番号のずれの内容,これが生じた経緯及び民事編との違いを整理する。個別の事件における配点の帰結を論じるものではなく,神戸地裁の事務分配等規程という開示資料そのものを対象とする。
第2 条文引用のずれの内容
1 令和7年6月1日改正で新設された第28条
児童福祉法33条は,児童相談所長又は都道府県知事が児童の一時保護を開始する場合,原則として一時保護を開始した日から起算して7日以内に,これらの者の所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所,家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に一時保護状を請求しなければならないと定める(同条3項)。同条7項ただし書は,裁判官が一時保護状の請求を却下する裁判をした場合に,児童相談所長又は都道府県知事がその裁判の取消しを請求できる場合を定め,同条8項は「前項ただし書の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は,合議体で決定をしなければならない。」と定めている。

この一時保護開始時の司法審査の仕組みは,令和4年法律第66号による児童福祉法改正で設けられたものである。こども家庭庁が公表した資料は,「令和4年6月に成立した児童福祉法改正法において,一時保護の開始時の司法審査を導入(令和7年6月1日施行)。」としている。厚生労働省が公表した改正法の概要でも,この部分の施行期日は「公布後3年以内で政令で定める日」とされ,同じ改正法の他の多くの事項(原則令和6年4月1日施行)とは別に扱われていた。

神戸地裁の事務分配等規程(刑事編)は,この改正に対応して第28条を新設し,「児童福祉法に規定する一時保護状の請求却下の裁判に対する取消請求事件の配付については,本庁刑事部所属の裁判官の協議による。」と定めた。令和5年度版及び令和6年度版の規程原本には「一時保護」という語自体が1件も出現しないのに対し,令和7年度版(令和7年6月1日現在)及び令和8年度版(令和8年4月1日現在)ではこの第28条から一時保護状関係の記載が現れる。なお,神戸地裁の事務分配の原本PDFのうち,令和7年度版のみが「令和7年4月1日現在」ではなく「令和7年6月1日現在」という他の年度とは異なる基準日で山中弁護士に開示されており,この基準日は一時保護状関連規定の施行日と一致する。
2 繰り下がった条番号と繰り下がらなかった引用
第28条の新設により,旧規程で第28条以下であった各条は,令和7年度版及び令和8年度版でそれぞれ1つずつ後ろの番号に繰り下がった。次の表は,令和5年度版・令和6年度版(一時保護状導入前)と令和7年度版・令和8年度版(導入後,現行)の対応関係を,規程原本のPDFに基づいて整理したものである。

(続きを読む...)神戸地裁事務分配等規程における引用条文の改め忘れ――一時保護状導入による条番号のずれ(AI作成)

大阪地裁の裁判官会議議事録

1 大阪地裁の裁判官会議議事録を以下のとおり掲載しています(「大阪地裁の裁判官会議議事録(令和6年6月28日開催分)」といったファイル名です。)。
令和3年6月30日,令和3年12月15日,
令和4年6月30日,令和4年12月15日,
令和5年6月30日,令和5年12月15日,
令和6年6月28日,令和6年12月16日,
令和7年6月30日,令和7年12月15日,
令和8年6月30日,

2 日本の裁判所-司法行政の歴史的研究-110頁には以下の記載があります。
    大阪地方裁判所においては, この規則改正にもかかわらず,総括裁判官を全裁判官による選挙によって推薦し,裁判所長はこの選挙結果を尊重して最高裁判所へ意見具申するという慣行が長く続いていた. しかしこの慣行は, 1996年3月15日の裁判官会議で廃止されたという (小林克美「裾野から見た裁判官人事の問題点」月刊司法改革10号(2000年) 43頁)。

大阪地裁の部総括選挙制度を廃止したといわれている,平成8年3月15日の大阪地裁の裁判官会議議事録は存在しません。 pic.twitter.com/nclcUNxXyJ

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) July 2, 2022

大阪地裁の事務分配等

1 大阪地裁の事務分配を以下のとおり掲載しています。
令和2年4月15日,令和3年4月1日,
令和4年1月1日,令和4年4月15日,
令和5年1月1日,令和5年4月1日,
令和6年1月1日,令和6年4月1日,
令和7年4月1日,令和8年4月7日,

2(1) 大阪地裁の職員配置表を以下のとおり掲載しています。
令和2年4月1日,令和3年4月1日,
令和4年4月1日,令和5年4月1日,
令和6年4月1日,
(2) 大阪地裁の職員配席図(平成25年度)を掲載しています。
(3) 大阪簡裁の職員配置表を以下のとおり掲載しています。
令和5年5月29日,令和6年4月1日,

4 月刊大阪弁護士会(大阪弁護士会の広報誌です。)の以下の号に「裁判官評価情報の集計と分析」が載っています。
①2015年7月号,②2016年6月号
③2017年6月号,④2018年6月号
⑤2019年6月号,⑥2022年9月号
⑦2023年7月号,⑧2024年7月号

5 以下のとおりその他資料を掲載しています。
・ 裁判員等選任手続に関する裁判員係内引継書(大阪地方裁判所裁判員第一係・第二係の文書)(令和3年3月31日版)
・ 裁判員等選任手続に関する執務資料【大阪地裁事務処理要領加筆(令和3年3月)版】(平成21年3月の最高裁判所事務総局の文書)
・ 大阪地裁の民事調停委員名簿(令和5年7月1日現在)
・ 法廷内写真取材に関する申合せ(平成29年5月15日付の大阪地裁民事部の文書)
・ 法廷内写真取材に関する申合せ(平成29年5月15日付の大阪地裁刑事部の文書)
・ 大阪地方裁判所司法行政事務処理規程(平成16年9月15日大阪地方裁判所規程第1号)
・ 大阪地裁の沿革史(本庁)
・ 大阪地裁沿革小史

(続きを読む...)大阪地裁の事務分配等

京都地裁の事務分配等

1 京都地裁の事務分配を以下のとおり掲載しています。
平成31年4月15日,令和2年4月1日
令和3年1月6日,令和3年4月1日,令和3年9月3日,
令和4年4月1日,令和5年4月1日,令和6年4月1日,
令和7年4月1日,令和8年4月1日,

2 京都地裁の職員配置表を以下のとおり掲載しています。
令和5年9月1日,令和6年4月8日,

神戸地裁の事務分配等

1(1) 神戸地裁の事務分配を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和2年4月1日,令和3年4月1日,令和4年4月1日,
令和5年4月1日,令和6年4月1日,令和7年6月1日,
令和8年4月1日,
(平成時代)
平成26年4月1日,平成27年4月1日,平成28年4月1日
平成29年4月1日,平成30年4月1日,平成31年4月1日
(2) 掲載している神戸地裁の令和8年度事務分配につき,「令和8年4月30日施行(令和8年4月1日適用)」という記載の意味はよく分かりませんが,79条(所長の代理)記載の代理順序は,47期の大西直樹裁判官が依願退官した令和8年4月30日時点のものとなっています。

2 神戸地裁の職員配置表を以下のとおり掲載しています。
令和5年9月14日,令和6年4月1日,

神戸修習あるあるですが、
土地勘なく遠方から来られる方は裁判所の西の方に住む方が結構おられますね。もちろん好み次第なんてですが、よくもわるくも新開地あたりはなかなかにディープな街ですので、そこはお伝えしておきます♪

— 松田 昌明@神戸弁⚖ (@koben_mazda) October 18, 2022

スキャンしたPDFの場合,伊丹支部及び杜支部が読めなくなっています。
そのため,ペーパーを写真撮影した,神戸地方・家庭裁判所管内図(神戸地家裁の本庁,支部及び簡裁の管轄区域図)を改めて添付します。 https://t.co/pojTaIZ3o7 pic.twitter.com/RuIDDBtctY

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 27, 2023

最高裁判所の審査室会議の配布資料

1 審査室会議は,秘書課長が議長となり,各局課の課長等1名が出席する会議で,司法行政上の事項を議題としています。
    ただし,その設置や開催について定めた最高裁判所規程等の定めはなく,局課間の情報交換や出席者の認識の共通を図る機会として開催されているものですから,議事録は作成されていません(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。

2 審査室会議の資料を以下のとおり掲載しています(「令和5年の最高裁判所審査室会議の資料」といったファイル名です。)。
平成29年,平成30年,平成31年→令和元年
令和2年,令和3年,令和4年1/2・2/2,令和5年,
令和6年,令和7年,

最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿(Markdown形式)(AI作成)

資料の時点と現在の情報
本記事は,最高裁判所が作成した名簿を参照しやすい表に整理したものです。掲載している最新の原資料は令和7年9月10日現在の名簿であり,表はその資料時点を示します。正確な氏名・職名は各表に対応する原資料で確認してください。その後の人事異動を反映した現職一覧とは区別する必要があります。

現在の局長・課長の人事は,現職の最高裁判所事務総局局長・課長の一覧を参照してください。組織と各局の役割は,最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係で説明しています。

表の転記・整理に誤りが含まれる可能性があるため,正確な氏名・職名は各表に対応する原資料で確認してください。

* 「最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿」も参照してください。
令和 7年 9月10日現在の名簿

部署・分類
役職
氏名

最高裁判所長官
最高裁判所長官
今崎 幸彦

最高裁判所判事
最高裁判所判事
三浦 守

最高裁判所判事
林 道晴

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長官所長会同資料から見る裁判所組織運営の課題―現場負担・意思疎通・デジタル化(AI作成)

第1 この記事の対象と資料の読み方

1 令和元年度から令和8年度までの会同資料

2 長官所長会同の法的位置付け

3 意見要旨が示すものと示さないもの

第2 複数年度に現れた組織運営上の課題

1 目的及び終了条件が曖昧な「取組」

2 上席裁判官に集中する会議及び管理負担

3 現場との意思疎通及び情報の循環

4 デジタル化に伴う情報過多と新たな業務設計

第3 資料から直ちに導くことができない評価

1 全ての負担を事務総局に帰属させることはできないこと

2 意見要旨だけでは悪化又は改善の推移を測れないこと

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最高裁判所事務総局デジタル審議官―職務・組織・歴代人事と裁判所DX(AIリライト)

第1 デジタル審議官の概要

1 設置根拠と職務

2 新設の経緯

3 デジタル庁のデジタル審議官との違い

第2 歴代のデジタル審議官

1 清藤健一裁判官

2 榎本光宏裁判官

第3 デジタル審議官を支える職制

1 デジタル審議官付参事官

2 デジタル審議官付

3 デジタル審議官付審査官

第4 サイバーセキュリティ管理官及びデジタル基盤管理官

1 分課規程上は独立した職であること

(続きを読む...)最高裁判所事務総局デジタル審議官―職務・組織・歴代人事と裁判所DX(AIリライト)

特例判事補とは-指名の要件,判事との違い,高裁職務代行及び制度見直し(AIリライト)

目次

第1 特例判事補の意味と地家裁での職権1 指名に必要な経験年数と最高裁判所の判断2 地家裁の職権制限の解除と判事への任命第2 未特例判事補と少年事件の裁判第3 高裁判事の職務代行を行う要件と制限1 地家裁の特例指名に加えて必要となる措置2 特別の必要性と文書不存在に関する答申第4 職務代行の発令と判決裁判所の構成1 発令のない判事補が高裁の判決宣告に関与した事件2 判事の兼任・転補を扱った別の裁判例3 民事と刑事で異なる上訴の規定第5 昭和23年の制定と昭和32年の高裁職務代行の導入1 裁判官不足への当面の対応としての制定2 第一審強化と高裁職務代行の導入3 旧制度の控訴院判事の補職要件との比較第6 制度解消の提言と単独訴訟事件の担当時期の見直し1 昭和39年及び平成13年の提言2 平成15年の見直し方針と平成22年の説明第7 資料の基準日と集計対象から見る特例判事補の人数1 平成15年2月の全国配置と担当事件2 修習期別の公表表と人数を比較する際の限界第8 制度の周辺事項を調べるための関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公文書,国会会議録及び制度改革の提言4 統計・国会への提供資料5 裁判所史
第1 特例判事補の意味と地家裁での職権

特例判事補とは,判事補の職権の特例等に関する法律1条に基づく最高裁判所の指名により,判事補としての職権の制限を受けない判事補をいう。
判事補という官職のまま,地方裁判所・家庭裁判所で単独の裁判や裁判長の職務を行うことができる制度であり,判事への任命とは別である。

以下では,令和8年10月7日を基準に確認した法令に基づき,指名の要件と職権を説明する。
制度の制定・見直しに関する説明と人数は,各資料が対象とする時点を示して扱う。

1 指名に必要な経験年数と最高裁判所の判断
(1) 対象となる職歴の通算

年数要件は,裁判所法42条1項各号に掲げる職の一つ又は二つ以上にあった年数が,通算して5年以上となることである。
判事補の経験だけに限られず,簡易裁判所判事,検察官,弁護士など,同項に掲げる職歴も対象となる。
年数計算には同条2項から4項までが準用されるため,個々の職歴が算入できる期間は,これらの規定に従って確認することになる。

(2) 経験年数と指名の区別

5年以上の年数要件を満たしただけで,法律上当然に職権制限が解除されるわけではない。
法律1条は,年数要件を満たす者のうち最高裁判所が指名する者を対象としており,経験年数と指名は別の要件である。

(3) 当時の通常の経過と担当事件の配分

平成14年の裁判官の人事評価に関する研究会報告書は,5年経過すると職権特例判事補の指名を受けるという当時の通常の経過を説明している。
同じ報告書は,現実に地裁の訴訟事件を単独で担当するかどうかは,配置先の裁判官の構成にもよるとしており,指名と担当事件の配分も区別している。

2 地家裁の職権制限の解除と判事への任命
(1) 単独裁判,裁判長及び裁判官会議

裁判所法27条は,判事補について,他の法律に特別の定めがある場合を除き,一人で裁判をすることを制限する。
同条は,同時に二人以上の判事補が合議体に加わることと,判事補が裁判長となることも制限している。
法律1条は「当分の間」の特例として,特例指名を受けた判事補が,地家裁ではこれらの職権制限を受けないと定める。

法律1条は,裁判所法29条3項,31条の5の準用及び36条の適用について,所属する地裁又は家裁の判事の権限を認めている。
裁判官会議への参加や,地裁の管轄区域内の簡裁判事の職務を行う権限も,単独裁判の権限と併せて同条が定める事項である。

(2) 判事任命の10年要件との違い

特例指名を受けても,官職は判事補のままである。
判事への任命資格は,裁判所法42条が定める職歴の通算10年以上などの要件によって判断され,特例指名そのものが判事への任命を意味するものではない。

地家裁の特例指名と高裁での職務代行では,認められる職権の範囲が異なる。
高裁の職務代行には別の要件と措置が必要となり,地家裁で解除される合議体の制限の一部も高裁では残る。

場面単独裁判・合議体の扱い特例指名を受けていない判事補他の法律に特別の定めがある場合を除き単独裁判ができず,同時に二人以上合議体に加わること及び裁判長となることもできない。地家裁の特例判事補判事補としての上記職権制限を受けない。高裁の判事職務代行を行う特例判事補別の要件と最高裁判所の措置が必要であり,同時に二人以上合議体に加わること及び裁判長となることはできない。

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最高裁判所事務総局人事局の任用課長及び参事官(AIリライト)

目次

第1 任用課長の位置付け

1 人事局任用課の課長であること
2 司法行政の決定機関との関係
3 現在の任用課長

第2 任用課の現行職掌

1 現行の分課規程

(1) 裁判官人事に直接関係する事務
(2) 司法修習生等に関係する事務

2 人事局内の他部署との分担
3 任用課内の係

第3 裁判官人事案の作成過程

1 最高裁判所の公式説明
2 任用課長経験者による説明
3 書籍の記述を読む際の注意点

(1) 人事案の調整過程
(2) 任用課長の影響力と昇進に関する評価

第4 裁判官人事の評価資料

(続きを読む...)最高裁判所事務総局人事局の任用課長及び参事官(AIリライト)

最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達

目次

第1 最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達第2 最高裁判所事務総局の職員は本来,裁判所事務官又は裁判所技官であること第3 司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っていること等第4 最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違い第5 関連記事その他

事務総局の全体像と7局の仕事を知りたい場合は,最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係を参照してください。本記事は組織の法的根拠と資料の入口を案内するものです。

法令・規程・通達の制定年月日は,その資料の最終改正日とは異なります。令和8年10月11日に確認した公式掲載版では,事務総局規則は令和6年4月18日,分課規程は令和7年1月29日,組織通達は令和8年2月16日までの改正が反映されています。現行の局・課の所掌は分課規程,係の名称・構成は組織通達で確認してください。各班・各係の具体的な事務分掌は,組織通達2項により局課長等が定めるため,係名だけから旧資料と現在の業務分担が同一であるとは判断できません。

最高裁判所事務総局は,裁判官会議を補佐し,最高裁判所の庶務を担当する機関である。裁判部門は事件の審理・裁判を担当し,裁判官会議は司法行政を扱い,事務総局はその事務を支える。最高裁判所の公式組織案内でこの区別を確認できる。本記事は組織の根拠となる法令・規程・通達を案内する。全体像は,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。

第1 最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達
・ 最高裁判所事務総局規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第10号)
・ 最高裁判所事務総局分課規程(昭和22年12月1日最高裁判所規程第5号)
・ 最高裁判所事務総局等の組織について(平成元年3月22日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 最高裁判所事務総局等職制規程(昭和43年4月20日最高裁判所規程第2号)
・ 職制の実施について(平成4年7月20日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の標準的な官職を定める規則(平成21年3月31日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則(昭和25年1月20日最高裁判所規則第4号)

裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)別表です。

第2 最高裁判所事務総局の職員は本来,裁判所事務官又は裁判所技官であること
(1) 最高裁判所事務総局の職員(裁判所法53条2項)としての事務次長,審議官,デジタル審議官,家庭審議官,事務総局参事官,局長,課長,室長,課長に準ずる職,参事官,局付,課付及びデジタル審議官付は本来,裁判所事務官又は裁判所技官を以て充てることになっています(最高裁判所事務総局規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第10号)3条1項,3条の2第1項,3条の2の2第1項,3条の3第1項,3条の4第2項,4条1項,4条の2第2項,5条1項,6条2項,6条の2第3項,7条3項)。
(2) 平成30年度(最情)答申第82号には,当時の説明として,司法行政上の職務に関する規則(昭和25年1月17日最高裁判所規則第3号)1項に基づき裁判官会議の個別の転補等の議決によって,司法行政上の職に判事又は判事補を充てる運用が行われている旨が記されています(詳しくは第3参照)。
   現在の局長・課長等の氏名・配置は,現職の最高裁判所事務総局局長・課長の一覧や,作成日を明示した名簿で確認してください。過去の記事にある審議官の人数・出身職種等を,そのまま現在の配置として扱わないよう注意が必要です。
(3) 最高裁判所事務総長(裁判所法53条1項)は常に裁判所事務官です(平成30年度(最情)答申第83号(平成31年3月15日答申))。

第3 司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っていること等
(1)ア 「最高裁判所とともに」(著者は高輪1期の矢口洪一 元最高裁判所長官)180頁及び181頁には以下の記載があります。
   たとえば裁判所の中でも、司法行政に従事する有資格事務官と判事、判事補の格差の問題があったのです。裁判をするかどうか、で形式的に区分することとして発足したのですが、事務総局等司法行政事務部門で有資格者が不可欠である以上、事務官への任命により昨日までの判事の待遇を下回る給与とすることは実務上不可能で、昭和二四年六月には、最高裁判所調査官、研修所教官や司法行政上の職に、判事、判事補を、そのままの身分で充てることができるようにされています。
イ 昭和24年6月1日法律第177号は,「最高裁判所は、当分の間、特に必要があるときは、裁判官又は検察官を以て、司法研修所教官に、裁判官を以て、裁判所調査官に充てることができる。」と定める裁判所法附則3項を追加しましたところ,「司法行政上の職に、判事、判事補を、そのままの身分で充てる」根拠は,司法行政上の職務に関する規則(昭和25年1月17日最高裁判所規則第3号)1項であると思います。
(2) 裁判所法逐条解説上巻111頁には以下の記載があります。
   司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち、最高裁判所において指定するものは、判事または判事補をもってあてることができるものとされており(司法行政上の職務に関する規則)、事務次長、事務総局の各局長その他の職がこれに指定され、東京高等裁判所,東京地方裁判所または東京家庭裁判所の判事または判事補の相当数が、これらの職にあてられている。
(3) 平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申)には以下の記載があります。

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最高裁判所事務総局情報政策課(平成17年1月1日~令和6年3月31日)(AIリライト)

第1 情報政策課の位置付けと存続期間

1 平成17年の設置から令和6年の廃止まで

2 本記事で区別する三つの時点

第2 情報政策課設置の背景

1 司法制度改革と裁判所のIT導入方針

2 裁判事務処理システムの全国展開中止

3 情報政策課の設置と情報化戦略計画

第3 情報政策課の所掌事務と組織の変化

1 情報政策課が担った四つの機能

2 平成28年4月1日時点の59人体制

3 情報セキュリティ室の設置

4 デジタル推進室と最終期の事務分掌

(続きを読む...)最高裁判所事務総局情報政策課(平成17年1月1日~令和6年3月31日)(AIリライト)

最高裁,高裁及び地家裁の本庁及び支部ごとの裁判官数の分布表

1 最高裁,高裁及び地家裁の本庁及び支部ごとの裁判官数の分布表を以下のとおり掲載しています。
①   平成28年 8月5日時点
② 平成29年12月1日時点
③ 平成30年12月1日時点

2 数字が入っていない支部は,常駐している裁判官のいない非常駐支部となります。

3(1) 東京地家裁,横浜地家裁,大阪地家裁のように,地裁と家裁の両方の補職辞令を持っている裁判官がいない裁判所については,民事部,刑事部,家事部及び少年部に区別して集計しました。
それ以外の裁判所については,地裁裁判官と家裁裁判官を区別して集計できませんから,地裁判事,地家裁判事,家地裁判事,家裁判事として集計しました。
(2) 地家裁判事というのは,主として地裁の仕事をしている判事のことであり,家地裁判事というのは,主として家裁の仕事をしている判事のことです。

4 民間企業長期研修,海外留学,育児休業,介護休暇又は配偶者同行休業をしている裁判官は,裁判官としての身分を保有していますから,分布表の数字に含まれています。

5 「裁判所支部」も参照してください。

令和元年度以降の長官所長会同の資料及び議事概要

目次
第1 長官所長会同の資料
第2 長官所長会同の代わりに開催された高裁長官事務打合せ
第3 関連記事その他

第1 長官所長会同の資料
◯令和8年度長官所長会同の配布資料,会同係シナリオ,意見要旨,長官挨拶及び議事概要

・ テーマ等は以下のとおりでした。
(協議事項)
裁判所の紛争解決機能を全体として高めていくための司法行政上の方策について
1 近時のデジタル化の進展など裁判所を取り巻く社会情勢の変化、裁判官を含む裁判所職員の置かれた環境や働き方に関する意識の変化などを踏まえ、裁判所が質の高い司法サービスを持続可能な形で提供していくための方策について、継続的に議論がされてきたところである。
2 本年5月の民事訴訟手続の全面電子化(いわゆるフェーズ3)を皮切りに、刑事手続・少年事件、家事事件・民事非訟事件へと全事件分野にわたってデジタル化が進展し、デジタル基盤の整備も進むことにより裁判事務の在りようや執務環境が段階的に、また、急激に変化していくことが予想される。
3 このような変化が進む中で、裁判所は、デジタル化を始めとする各種中長期的施策を、組織全体として取り組みつつ、各庁において、様々な実情等を踏まえ具体的に進めていくことが求められる。
上記のような姿勢で様々な組織的課題に取り組むに当たり、裁判所は、組織全体として、どのような点に留意していくことが必要か、その中において、各庁は、どのような役割を果たしていくことが求められるか、このような役割を果たす上で、所長は、裁判官その他の職員、さらには上級庁との間で、どのようにして意思疎通を図っていくことが有益か。

(事務的協議事項)
1 近時の社会経済情勢の変化やそれに伴う国民のニーズの変化等に適切に対応し、より質の高い裁判を迅速に行うため、裁判事務の合理化・効率化を進めていくことが重要である。裁判事務のデジタル化は、裁判事務を合理化・効率化するための基盤となるものであり、デジタルツールも活用した標準的・汎用的な事務処理も検討・模索しているところである。
2 そこで、このようなデジタル化を契機とした裁判事務の検討、とりわけ標準的・汎用的な事務処理を推進して、裁判事務を合理化・効率化していくために、裁判所は、組織全体として、どのようなことに配盧していく必要があるか、各庁(所長)において、どのような役割を果たすことが求められていくか。

・ 令和8年度長官所長会同に関する一件文書を掲載しています。

◯令和7年度長官所長会同の配布資料,会同係シナリオ,意見要旨,長官挨拶及び議事概要
・ テーマ等は以下のとおりでした。
(協議事項)
1 裁判所の紛争解決機能を全体として高めていくための司法行政上の方策について
(1) 裁判手続のデジタル化を見据え、また、裁判官を含む裁判所職員の置かれた環境や働き方に関する意識の変化を踏まえ、裁判官が、事件処理において感じる負担を軽減し、最も効果的にその能力を発揮し、充実した司法サービスを提供するための方策について、継続的に取組が進められてきた。具体的な状況は事件分野によっても異なる部分もあるが、それぞれ、審理運営改善を推し進め、様々な試みが実践に移されていくとともに、事件処理に関する知見の集積や継承の支援の充実も徐々に図られてきたところである。各事件分野において行われている取組について、裁判官が事件処理において感じる負担の軽減につながっているか、また、裁判所の紛争解決機能を高める好循環を生み出しているかといった観点から、どのように評価すべきか。これらの取組の実効性を高めるための課題・あい路として考えられるものは何か。
(2) 裁判所を取り巻く社会環境の変化が著しい中で、裁判所全体でスピード感をもって様々な組織的課題に対応していくためには、裁判所の将来を担う世代を含む裁判官・職員がその活力を最大限発揮していくことが不可欠であることは共通認識となっていると思われるが、そのためには組織内で円滑なコミュニケーションを図れていることが必要である。各庁、各部署の現状はどうか。将来を担う世代が意見を忌憚なく表明できる雰囲気や環境があるか、仮にそのような雰囲気や環境がいまだ十分に確保されていないとすると、その原因や改善策について、どのように考えるべきか。最高裁や高裁に何を期待するか。

(事務的協議事項)

(続きを読む...)令和元年度以降の長官所長会同の資料及び議事概要

最高裁判所裁判官会議の議事録

目次

第1 最高裁判所裁判官会議の議事録1 令和8年2 令和7年3 令和6年4 令和5年5 令和4年6 令和3年7 令和2年8 平成31年→令和元年9 平成30年10 平成29年11 平成28年12 平成27年13 平成26年14 平成25年15 平成24年第2 署名・印影の開示と対象文書の違い第3 夏期の裁判官会議及び閣議の開催状況1 毎年7月中下旬及び8月の裁判官会議の開催状況2 毎年8月中旬の閣議の開催状況第4 ロッキード事件に関する最高裁判所裁判官会議議事録の不開示に関する裁判例第5 最高裁判所各小法廷の裁判官の配置,代理順序及び裁判事務の分配等について第6 会議の意思決定と東電株主代表訴訟の議論第7 関連記事その他

第1 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録本文,及び裁判官会議付議人事関係事項(別添文書は除く。)を以下のとおり掲載しています
→ 「令和◯年◯月の,最高裁判所裁判官会議の議事録本文,及び裁判官会議付議人事関係事項(別添文書は除く。)」というファイル名です。
1 令和8年
1月分,2月分,3月分,4月分
2 令和7年
1月分,2月分,3月分1/2及び2/2
4月分,5月分,6月分
7月分,8月分,9月分
10月分,11月分,12月分
3 令和6年
1月分,2月分,3月分1/2及び2/2
4月分,5月分,6月分
7月分,8月分,9月分
10月分,11月分,12月分
4 令和5年
1月分,2月分,3月分1/2及び2/2
4月分,5月分,6月分
7月分,8月分,9月分
10月分,11月分,12月分
5 令和4年
1月分,2月分,3月分1/2及び2/2
4月分,5月分,6月分
7月分,8月分,9月分
10月分,11月分,12月分
6 令和3年
1月分,2月分,3月分1/2及び2/2
4月分,5月分,6月分

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長官所長会同(原則として毎年6月開催)―法的位置付け・運営・開催日(AIリライト)

第1 長官所長会同の位置付け

1 正式名称及び目的

2 裁判所法上の意思決定機関ではないこと

3 司法行政上の実際の影響

第2 近年の運営及び議論の実際

1 通常の二日間の進行

2 地家裁所長を中心とする発言

3 令和6年度から令和8年度までの主要課題

第3 開催の沿革及び開催日

1 戦後の開始

2 6月以外の開催及び不開催

3 平成20年度以降の開催日

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下級裁判所の部の数

1 下級裁判所の部の数については,下級裁判所の部の数を定める規程(昭和31年10月29日最高裁判所規程第10号)で定められています。

以下は同規程の部数の整理であり,各庁の現在の裁判官数,部ごとの事件数又は実際の開廷頻度を示すものではない。地裁203支部の事件類型別の本庁集約と公表開廷日割は,全国の地方裁判所支部における本庁集約と開廷頻度―合議・裁判員・労働審判・民事執行の比較(AI作成)参照。

2 高裁の部の数は以下のとおりです。
東京高裁:37部,知財高裁:5部
大阪高裁:21部
名古屋高裁:7部,名古屋高裁金沢支部:2部
広島高裁:5部,広島高裁岡山支部:2部
福岡高裁:9部,福岡高裁宮崎支部:2部,福岡高裁那覇支部:2部
仙台高裁:6部,札幌高裁:5部,高松高裁:5部

3 地裁の部の数は以下のとおりです。
東京地裁:71部,東京地裁立川支部:7部
横浜地裁:15部,横浜地裁川崎支部:2部,横浜地裁小田原支部:2部
さいたま地裁:11部,さいたま地裁川越支部:2部
千葉地裁:10部,千葉地裁松戸支部:2部
水戸地裁:3部
宇都宮地裁:3部
前橋地裁:4部
静岡地裁:4部,静岡地裁沼津支部:2部,静岡地裁浜松支部:2部
甲府地裁:3部
長野地裁:2部
新潟地裁:3部
大阪地裁:41部,大阪地裁堺支部:4部
京都地裁:10部
神戸地裁:10部,神戸地裁尼崎支部:3部,神戸地裁姫路支部:2部
奈良地裁:3部
大津地裁:2部
和歌山地裁:3部
名古屋地裁:16部,名古屋地裁岡崎支部:2部

(続きを読む...)下級裁判所の部の数

東京地裁民事第27部(交通部)―担当事件,新受件数,共通書式及び証拠提出(AIリライト)

東京地方裁判所民事第27部は,交通事故に関する民事訴訟を取り扱う専門部であり,通常「交通部」と呼ばれている。

本記事では,交通部の担当範囲,2026年4月現在の係構成,新受件数の推移,交通事件共通書式,民事訴訟のデジタル化後の証拠提出及び関係文献を整理する。

担当裁判官,書式及び提出方法は変更され得るため,実際の手続では東京地裁の交通部案内及び担当係の案内も確認する必要がある。

目次

第1 東京地裁民事第27部(交通部)の役割と現在の体制

1 担当する事件
2 現在の係構成と2021年時点の体制

第2 新受件数の推移と終局状況

1 確認できた主な新受件数
2 2017年当時に指摘された増加要因
3 2020年から2022年までの終局状況

第3 交通事件共通書式と一覧表を用いた審理

1 現行の交通事件共通書式
2 共通書式の目的と使用上の注意
3 2021年に導入された一覧表審理
4 共通書式を事件管理へつなげる方法

第4 証拠提出と民事訴訟のデジタル化

1 2026年5月21日以後に提起された事件

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地方裁判所の専門部及び集中部―意味と主要地裁の担当部(AIリライト)

第1 専門部及び集中部の意味

1 実務上の区別
2 年度と根拠資料を確認する必要
3 保全・倒産・執行を一律に除外できないこと

第2 東京地方裁判所の主な担当部

1 現在の公式案内
2 商事部・倒産部・執行部の区別
3 医療担当部と資料の日付

第3 大阪地方裁判所の主な担当部

1 現在の公式案内
2 租税・行政部と執行部

第4 京都・神戸の令和8年度事務分配

1 京都地方裁判所
2 神戸地方裁判所

第5 専門部・集中部の役割と国会答弁

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高等裁判所の集中部

目次
1 東京高裁の場合
2 大阪高裁の場合
3 その他の高裁の場合
4 関連記事

1 東京高裁の場合
(1) 家事抗告事件については,四つの部に集中して処理しています。
   従前は三つの部が担当していましたが,事件数が増加したため,平成18年1月からは4つの部が担当しています。
(2)ア 家事抗告事件の担当部は建制順に持ち回りであり,2年度ごとに二つの部が交代します。
イ 平成28年の担当部は,17民,19民,20民及び21民です。
ウ 東京高裁の各年度の定め(令和6年度,令和8年度)によれば,家事抗告事件等集中部は,令和6年度が12民,14民,15民及び16民,令和8年度が17民,19民,20民及び21民です。
(3) 平成17年4月1日以降,東京高裁管内の知財事件は,東京高裁の特別の支部である知的財産高等裁判所が担当しています。
(4) 東京高裁では,上告事件等集中部が,地方裁判所の第二審判決及び簡易裁判所の第一審判決に対する上告事件,地方裁判所の決定に対する再抗告事件等を担当しています(令和6年度は15民,令和8年度は17民)。
   また,令和8年度の定めでは,各種税法違反事件(関税ほ脱罪を含み,その他の関税法違反事件を除きます。)は第1刑事部に配付されます。

2 大阪高裁の場合
(1) 大阪高裁8民は知財集中部です。
   そのため,大阪高裁に対して意匠権及び商標権に関する事件を控訴した場合,大阪高裁8民に係属します。
   また,令和8年度の大阪高裁の事務分配では,民事上告事件も8民に配付されます。
(2)ア 大阪高裁第9民事部,大阪高裁第10民事部及び大阪高裁第12民事部は家事抗告集中部です(令和6年度及び令和8年度の大阪高裁の事務分配によります。)。
   令和8年度の規定では,家事抗告,保護命令抗告,子の返還抗告及び家庭裁判所を第一審とする執行抗告は,この三つの部への専属配付の対象です(大阪高裁の文書1頁~2頁)。なお,令和6年4月現在,第9民事部及び第10民事部の書記官室は同じ部屋にあります。
イ 平成13年に大阪高裁10民が家事抗告集中部となり,平成20年に大阪高裁9民が家事抗告集中部となりました(近弁連会報112号(令和2年11月発行)37頁)。
ウ 家事抗告審の場合,民事控訴審の場合と異なり,不利益変更禁止の原則は適用されません(家事事件手続法93条3項前段による民事訴訟法296条1項及び304条の準用除外)。
(3)ア 大阪高裁第11民事部は民事抗告集中部です。
   所定の執行抗告,倒産抗告,民事保全抗告,商事非訟抗告,借地非訟抗告,発信者情報開示命令の抗告等を担当します。ただし,家庭裁判所を第一審とする執行抗告は第9・第10・第12民事部の対象であり,第11民事部の一般的な説明から除いて読む必要があります(大阪高裁の文書1頁~2頁)。
イ 例えば,原発差止めの仮処分に対して保全異議審を経て保全抗告をした場合,大阪高裁11民に係属することとなります。
(4) その他の民事抗告については,忌避関係抗告事件及びこれを除く抗告事件とに区分した上で,1民から14民までの各部に順次,配分されます。

3 その他の高裁の場合

(続きを読む...)高等裁判所の集中部

最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)

資料の時点と現在の組織
本記事でまとめたPDFは,平成31年4月1日現在の各係の事務分掌です。他方,各局課の説明記事には平成26年・平成27年資料を用いたものもあります。資料相互の時点を区別して参照してください。現在の局・課の所掌は現行分課規程,係の名称・構成は令和8年組織通達で確認できます。同じ係名が残っていても,その業務分担が平成31年と同じであることまで証明するものではありません。

事務総局の全体像は,最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係を参照してください。現在の組織は,現行の最高裁判所事務総局分課規程及び令和8年までの改正を反映した組織通達で確認できます。

目次
1 最高裁判所事務総局の各係の事務分掌
2 関連記事

1 最高裁判所事務総局の各係の事務分掌
(1) 平成31年4月1日現在における,最高裁判所事務総局の各係の事務分掌を定めた文書を以下のとおり掲載しています。

① 最高裁判所事務総局秘書課の事務分掌

② 最高裁判所事務総局広報課の事務分掌

③ 最高裁判所事務総局情報政策課の事務分掌

④ 最高裁判所事務総局総務局の事務分掌

⑤ 最高裁判所事務総局人事局の事務分掌

⑥ 最高裁判所事務総局経理局の事務分掌

⑦ 最高裁判所事務総局民事局の事務分掌

⑧ 最高裁判所事務総局刑事局の事務分掌

⑨ 最高裁判所事務総局行政局の事務分掌

⑩ 最高裁判所事務総局家庭局の事務分掌

(続きを読む...)最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)

高等裁判所長官事務打合せ

目次
1 高等裁判所長官事務打合せ関係文書
2 高等裁判所長官事務打合せにおける人事の調整
3 関連記事

* 「高等裁判所事務局長事務打合せ」も参照してください。

1 高等裁判所長官事務打合せ関係文書
* 「令和6年11月25日開催の高等裁判所長官事務打合せに関する文書」といったファイル名です。
・ 令和7年度開催分
① 令和7年11月26日開催分
② 令和8年2月27日開催分
・ 令和6年度開催分
① 令和6年11月25日開催分
② 令和7年3月6日開催分
・ 令和5年度開催分
① 令和5年11月20日開催分
② 令和6年3月14日開催分
・ 令和4年度開催分
① 令和4年11月21日,同月22日及び同月24日開催分
② 令和5年3月9日開催分
・ 令和3年度開催分
① 令和3年11月18日及び同月19日開催分
② 令和4年3月10日開催分
・ 令和2年度開催分
① 令和2年7月15日開催分
② 令和2年11月19日及び同月20日開催分
③ 令和3年3月12日開催分
・ 令和元年度開催分
① 令和元年11月21日及び同月22日開催分

(続きを読む...)高等裁判所長官事務打合せ

高等裁判所事務局長事務打合せ

目次
1 高等裁判所事務局長事務打合せ関係文書
2 関連記事その他

* 「高等裁判所長官事務打合せ」も参照してください。

1 高等裁判所事務局長事務打合せ関係文書
* 「令和6年10月開催の高等裁判所事務局長事務打合せに関する文書」といったファイル名です。
令和7年度分
・ 令和7年10月 3日開催分
令和6年度分
・ 令和6年10月開催分
令和5年度分
・ 令和5年10月開催分
令和4年度分
・ 令和5年 3月開催分
・ 令和4年10月 7日開催分
令和3年度分
・ 令和4年 3月 3日開催分
・ 令和3年10月 1日開催分
令和2年度分
・ 令和3年 2月26日開催分
・ 令和2年10月 2日開催分
令和元年度分
・ 令和元年10月 4日開催分
平成30年度分
・ 平成30年 9月28日開催分
・ 平成31年 3月 7日開催分
平成29年度分
・ 平成29年10月 6日開催分

(続きを読む...)高等裁判所事務局長事務打合せ

司法研修所事務局の事務分掌(平成25年4月1日現在)

平成25年4月1日現在の,司法研修所事務局の事務分掌は以下のとおりです。
令和7年4月1日実施の事務分掌と,平成25年からの主な変化(文書の開示,修習給付金,法律実務教育研究会の担当替え等)は,司法研修所事務局の4課14係と事務分掌に整理しています。

1 総務課
(1) 庶務係
① 会議及び協議会に関する事項
② 所長,教官,事務局長及び所付の庶務に関する事項
③ 機密に関する事項
④ 公印の保管に関する事項
⑤ 文書の接受及び発送に関する事項(使走に関する事項を除く。)
⑥ 公文書類の編集,整理及び保管に関する事項
⑦ 司法修習生の考試に関する事項
⑧ 広報及び渉外連絡に関する事項
⑨ 配車に関する事項
⑩ 他の課又は総務課の他の係に属しない事項

(2) 人事係
① 職員の人事に関する事項
② 給与簿に関する事項
③ 諸手当の認定に関する事項
④ 厚生,保健及びレクリエーションに関する事項
⑤ 証明書の発行に関する事項
⑥ 修習資金の貸与申請に関する事項

(3) 寮務係
① 合宿舎の運営に関する事項
② 合宿舎の庶務及び経理に関する事項
③ 司法修習生の合宿舎の使用の許可に関する事項

(4) 図書係

(続きを読む...)司法研修所事務局の事務分掌(平成25年4月1日現在)

総括企画官,文書企画官及び企画官

目次
1 総論
2 総括企画官等の位置づけ
3 総括企画官等が設置されている裁判所
4 関連資料
5 関連記事

1 総論
(1) 総括企画官は,上司の命を受けて,事務局の事務のうち重要な事項の企画及び立案に参画し,関係事務を総括整理します。
(2) 文書企画官は,上司の命を受けて,課の事務のうち文書及び情報の管理に関する事項についての調査,企画,及び立案に関する事務をつかさどります。
(3) 企画官は,上司の命を受けて,課の事務のうち特定の事項についての調査,企画,及び立案に関する事務をつかさどります。
(4) 以上の職務内容は,下級裁判所の事務局等の組織について(平成6年7月29日付の最高裁判所事務総長通達)に書いてあります。

2 総括企画官等の位置づけ
・ 総括企画官及び文書企画官は課長と同じランクであり,企画官は課長補佐と同じランクです(裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長通達))。

3 総括企画官等が設置されている裁判所
・ 平成26年4月1日現在,以下のとおり,総括企画官,文書企画官及び企画官が設置されています(総括企画官,文書企画官及び企画官の設置について(平成6年7月29日付の最高裁判所人事局長通達))。
(高等裁判所に設置されているポスト)
① 東京高裁事務局
   総括企画官1人,文書企画官1人,企画官4人
② 大阪高裁事務局
   総括企画官1人,文書企画官1人,企画官4人
③ 名古屋高裁事務局
   総括企画官1人,文書企画官1人,企画官4人
④ 広島高裁事務局
   文書企画官1人,企画官2人
⑤ 福岡高裁事務局
   総括企画官1人,文書企画官1人,企画官3人
⑥ 仙台高裁事務局

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