第1 本記事で扱う資料
1 資料の概要
本記事は,司法研修所事務局が令和7年5月15日に実施した令和7年度転入職員説明会の資料(全26頁)を読み,司法研修所事務局の組織と事務分掌,当時の裁判官研修部門の体制及び司法修習の事務の流れを整理するものである。
資料は,司法研修所事務局の転入者向け説明資料(令和7年5月15日実施の転入職員説明会)として掲載している。
資料は,次の4部分から成る。
① 総務課所管事項(PDF1頁~10頁):最高裁判所機構図・司法研修所機構図,裁判所法の抜粋,司法研修所規則,司法研修所規程及び「司法研修所事務分掌(令和7年4月1日実施)」
② 経理課の説明(PDF11頁~19頁):経理課の事務,案内図,最高裁判所和光庁舎・司法研修所別館の配置図,門扉の開放時間,駐車場・駐輪場の使用,休日の登庁及びIC式乗車カードの注意点
③ 企画第一課の概況(PDF20頁~24頁):別館の体制,配置図,令和7年度裁判官研修のイメージ,令和7年度裁判官研修実施計画カレンダー(令和7年1月23日時点)及びフロア図
④ 企画第二課の事務の概況(PDF25頁~26頁):企画第二課の構成と担当事務,第78期・第79期修習における資料配布等のスケジュール
2 読み方の注意
資料の多くの頁には「機密性2」の表示がある。
執務室等の鍵の管理場所,門扉の開放時間,休日に登庁する際の入構経路,配置図及びフロア図の内部は黒塗りであり,本記事もこれらに触れない。
資料は令和7年5月当時のものである。
最高裁判所の「司法研修所について」(令和8年10月5日閲覧)によれば,裁判官の研修部門は,平成25年8月に司法研修所別館へ移転した後,令和8年2月に司法研修所本館へ移転した。
したがって,資料に記載された別館の体制は移転前の状況であり,現在の配置を示すものではない。
事務分掌も年度ごとに改められ得るので,現在の窓口は,その時点の通知や案内で確かめる必要がある。
本記事では,資料の記載,最高裁判所ホームページ・e-Gov法令検索等の一次資料で確認した事項及び本記事の推論を区別して書く。
第2 司法研修所の法的位置付け
1 裁判所法上の位置付け
裁判所法14条は,裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所を置くと定めている。
同法55条は司法研修所教官を,同法56条は司法研修所長を定めており,司法研修所長は,司法研修所教官の中から最高裁判所が補し,最高裁判所長官の監督を受けて司法研修所の事務を掌理し,職員を指揮監督する(令和8年10月5日にe-Gov法令検索で現行条文を確認)。
資料の最高裁判所機構図は,司法行政部門(裁判官会議)の下に,事務総局,司法研修所,裁判所職員総合研修所及び最高裁判所図書館を置いている。
最高裁判所の「最高裁判所の組織」も,司法研修所,裁判所職員総合研修所及び最高裁判所図書館を附属機関として説明している。
2 司法研修所規則と事務局
資料に収録された司法研修所規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第11号)3条は,司法研修所の庶務を掌らせるため,司法研修所に事務局を置くと定めている。
事務局長及び事務局次長は,裁判所事務官の中から最高裁判所が補し,事務局長は,司法研修所長の命を受けて事務局の事務を掌理し,事務局の職員を指揮監督する。
事務局には課が置かれ,課長は裁判所事務官をもって充てられる。
同規則2条は,最高裁判所が,必要があると認めるときは,裁判官,検察官,弁護士又は学識経験のある者に司法研修所教官の事務の一部を嘱託すると定めている。
弁護士が務める民事弁護教官及び刑事弁護教官の嘱託と謝金は,司法研修所弁護教官の謝金の記事で扱っている。
同規則の全文は,司法研修所規則の記事にも掲載している。
3 司法研修所規程
資料に収録された司法研修所規程(昭和22年12月1日最高裁判所規程第6号)は,最高裁判所が公表している司法研修所規程と同じ内容である(平成29年3月1日最高裁判所規程第2号による改正まで)。
同規程2条は研修の方法を合同研修,個別研究及びその他の研修とし,3条は合同研修の組織を第一部(裁判官の研修)と第二部(司法修習生の修習)に分けている。
同規程4条は,第二部の研修の企画その他の重要な事項を定めるには教官会議の議を経なければならないとし,教官会議は第二部の研修を担当する司法研修所教官で組織し,司法研修所長が議長となると定めている。
同規程6条の2は,司法研修所に参与を置くことができ,参与は第一部の研修に関し,求められた事項について意見を述べると定めている。
最高裁判所の「裁判官研修」によれば,参与の制度は平成29年4月から設けられた。
同規程7条は,司法研修所長が毎年3月末までに翌年度の研修計画の大綱を定め,最高裁判所長官に申し出ると定めている。
4 資料の裁判所法の抜粋で注意すべき点
資料の裁判所法の抜粋は,66条1項を「司法修習生は,司法試験に合格した者の中から,最高裁判所がこれを命ずる。」としている。
しかし,現行の同項には,司法試験法4条2項の規定により司法試験を受けて合格した者(法科大学院在学中の受験者)については,合格発表の日の属する年の4月1日以降に法科大学院の課程を修了したものに限るという括弧書きがある。
e-Gov法令検索の改正履歴によれば,この括弧書きは,令和元年法律第44号により令和4年10月1日から加わったものであり,令和7年5月の資料の抜粋は改正前の文言のままである。
説明資料の条文抜粋を引用するときは,現行条文と照合する必要がある。
第3 事務局の4課14係
1 組織図
資料の司法研修所機構図は,最高裁判所長官の下に司法研修所長を置き,司法研修所長の下に,第一部教官,教官会議と第二部教官(民事裁判教官,刑事裁判教官,検察教官,民事弁護教官及び刑事弁護教官)並びに事務局(事務局長・事務局次長)を置いている。
事務局は,総務課(4係),経理課(3係),企画第一課(2係)及び企画第二課(5係)の4課14係である。
この4課14係は,最高裁判所が公表している事務総長通達「最高裁判所事務総局等の組織について」(平成元年3月22日総一第84号,最終改正令和7年2月14日総一第94号)の別表に掲げられた司法研修所の課と係に一致する。
同通達は,各係の事務分掌を,当分の間,司法研修所長の定めるところによるとしている。
資料の「司法研修所事務分掌(令和7年4月1日実施)」は,この所長の定めに当たるものと考えられる。
2 事務分掌の一覧(令和7年4月1日実施)
資料の事務分掌を要約すると,次のとおりである(各係の分掌事項の文言は資料のとおりではなく,主なものを短く言い換えた)。
| 課 | 係 | 主な事務 |
|---|---|---|
| 総務課 | 庶務係 | 会議・協議会,所長・教官・事務局長・所付の庶務,機密,公印,文書の接受・発送・保管,文書の開示,司法修習生の考試,広報・渉外連絡,配車 |
| 総務課 | 人事係 | 職員の人事,給与簿,諸手当の認定,厚生・保健,証明書の発行,修習専念資金の貸与申請,修習給付金(基本・住居)の届出・認定 |
| 総務課 | 寮務係 | 合宿舎の運営・庶務・経理,司法修習生の合宿舎の使用の許可 |
| 総務課 | 図書係 | 図書室の運営,図書の収集・整理・閲覧・貸出し,最高裁判所事務総局刊行資料の配布 |
| 経理課 | 経理係 | 予算の要求・実行(庁費・研修費の実行を除く。),決算,旅費・諸謝金の支給,修習給付金(移転)の届出・認定 |
| 経理課 | 用度係 | 物品の整備・管理・出納,庁費・研修費の実行,郵便物の発送,共済組合 |
| 経理課 | 管理係 | 庁舎等の施設の維持・管理・安全保持,経理課の他の係に属さない事項 |
| 企画第一課 | 研修庶務係 | 裁判官の研修を担当する教官と企画第一課の庶務,事務局各課係・裁判所職員総合研修所との連絡調整,司法研修所参与,企画係に属しない裁判官の研修 |
| 企画第一課 | 企画係 | 第一部の研修(法律実務教育研究会を除く。)の企画立案・日程・招集・教材・講師・出欠,研修の制度・実態の調査,個別研究,その他の研修,行政事件裁判例集・労働事件裁判例集の編集・刊行 |
| 企画第二課 | 企画係 | 第二部の修習の企画立案・日程,講師・見学,司法修習生の出欠,外国旅行の承認,教室等の設営 |
| 企画第二課 | 調査係 | 修習の制度・実態の調査,司法修習生の招集,修習の開始・終了,実務修習の委託,身上の届出・兼業・非違行為,任職志望,成績,修習の結果の報告 |
| 企画第二課 | 資料係 | 研修・修習の資料の企画立案・印刷作成,修習記録等の配布・回収,法科大学院等への教材の提供,司法研究報告書・司法研修所論集の刊行,法律実務教育研究会の実施 |
| 企画第二課 | 教材第一係 | 民事の教材(新任簡易裁判所判事の研修,法律実務教育研究会,民事裁判・民事弁護の修習記録等,法科大学院向け) |
| 企画第二課 | 教材第二係 | 刑事の教材(新任簡易裁判所判事の研修,法律実務教育研究会,刑事裁判・検察・刑事弁護の修習記録等,法科大学院向け) |
3 司法修習生から見た担当係
事務分掌によれば,司法修習生に関係する事務の担当係は,次のように分かれている。
① 修習給付金のうち基本給付金・住居給付金の届出・認定と,修習専念資金の貸与申請は,総務課人事係
② 修習給付金のうち移転給付金の届出・認定は,経理課経理係
③ 合宿舎(寮)の使用の許可は,総務課寮務係
④ 司法修習生の考試(二回試験)は,総務課庶務係
⑤ 出欠と外国旅行の承認は,企画第二課企画係
⑥ 招集,修習の開始・終了,実務修習の委託,身上の届出,兼業,非違行為,任職志望及び成績は,企画第二課調査係
同じ修習給付金でも,基本給付金・住居給付金と移転給付金とで担当の課が分かれている。
最高裁判所の「司法修習生の修習給付金について」(令和8年10月6日閲覧)も,問合せ先を,振込口座届出書及び移転給付金については経理課経理係,基本給付金及び住居給付金については総務課人事係としており,事務分掌と一致する。
もっとも,これは令和7年4月1日実施の内部の事務分掌であり,司法修習生への情報配信はTeamsで行われている(第6の4)から,個々の手続の提出先・問合せ先は,配信された通知や案内に従う必要がある。
個々の手続は,住居給付金の記事,移転給付金の記事,兼業・兼職の記事及び司法修習生の相談先の記事で扱っている。
第4 平成25年4月1日現在の事務分掌からの変化
1 総務課と経理課
平成25年4月1日現在の事務分掌と比べると,令和7年4月1日実施の事務分掌には,次の変化がある。
① 総務課庶務係に「文書の開示に関する事項」が加わった。
② 総務課人事係の「修習資金の貸与申請」が「修習専念資金の貸与申請」に改まり,「修習給付金(基本・住居)の届出及び認定」が加わった。
③ 経理課経理係に旅費の支給,諸謝金の支給及び修習給付金(移転)の届出・認定が加わり,前渡資金の事項がなくなった。
④ 共済組合の事務は,経理係から用度係へ移った。
⑤ 用度係から自動車の運行及び維持管理の事項がなくなり,管理係の事項は,庁務・文書の使走から施設の維持・管理・安全保持と経理課の他の係に属さない事項へ改まった。
e-Gov法令検索の改正履歴によれば,裁判所法の修習資金の貸与の規定は,平成29年法律第23号による改正で,修習給付金の支給(67条の2)と修習専念資金の貸与(67条の3)の規定に改まった(同年11月1日施行)。
②と③は,この改正に対応したものと考えられる。
2 企画第一課と企画第二課
企画第一課と企画第二課の間では,裁判官研修の一部の担当が入れ替わっている。
平成25年当時は,新任簡易裁判所判事研修と法律実務教育研究会の企画立案・日程・招集等を企画第二課企画係が担当し,企画第一課企画係の第一部の研修からこの二つが除かれていた。
令和7年の事務分掌では,企画第一課企画係の担当から除かれるのは法律実務教育研究会だけになり,法律実務教育研究会の企画立案・日程・招集等は企画第二課資料係の担当になった。
企画第二課企画係の担当は,第二部の修習だけになっている。
企画第一課では,研修庶務係に司法研修所参与に関する事項が加わった。
企画係では,平成25年の「司法研究の企画及び実施」に代わり,「個別研究の企画立案及び実施」と「その他の研修の企画立案及び実施」が置かれ,「行政事件裁判例集及び労働事件裁判例集の編集及び刊行」が加わった。
参与の事項は,平成29年の司法研修所規程の改正(6条の2の追加)に対応したものと考えられる。
個別研究とその他の研修は,司法研修所規程2条の研修の方法の名称に合わせたものと考えられる。
これらの変更が平成25年4月から令和7年4月までのどの時点で行われたかは,今回の資料からは分からない。
第5 裁判官研修部門の令和7年5月当時の体制
1 別館の体制と施設
資料の「企画第一課の概況について」によれば,令和7年5月当時,司法研修所別館には,一部教官室(教官(代行を含む。)6人,所付2人)と企画第一課(課長,補佐,研修庶務係3人,企画係10人)が置かれていた。
一部教官室は研修の企画及び実施を,企画第一課は研修の実施事務のうち特にロジ部分を担当するとされている。
施設としては,「最高裁判所和光庁舎・司法研修所別館研修棟」と「なごみ寮(宿泊棟)」が挙げられている。
資料の「最高裁判所和光庁舎・司法研修所別館」の配置図は,次の建物と敷地面積を記載している。
① 研修棟:SRC造4階,建築面積3140.53平方メートル,延べ面積1万817.48平方メートル
② なごみ寮:RC造3階,建築面積1440.66平方メートル,延べ面積4211.28平方メートル
③ 資料棟:S造3階,建築面積1658.80平方メートル,延べ面積4982.16平方メートル
④ 敷地:1万8955.35平方メートル
また,フロア図は研修棟の4階に「(厚生課)」と付記している。
最高裁判所事務総局経理局厚生課が令和7年1月に当時の別館へ移転したことは,司法研修所別館の記事で説明しているとおりであり,令和7年5月当時は,同じ研修棟に厚生課と裁判官研修部門が置かれていたことになる。
2 令和7年度裁判官研修のイメージ
資料の「令和7年度裁判官研修のイメージ」は,裁判官研修を合同研修と派遣型研修に分けている。
合同研修のうち判事・判事補の研修は,裁判系(基礎・基本・実務・専門),導入系(年次・ポスト・役割)及び基盤系に分かれ,そのほかに簡易裁判所判事の研修(裁判系・導入系)と調停官の研修がある。
この分類は,最高裁判所の「裁判官研修」の説明と一致する。
派遣型研修は,判事補について民間企業長期研修,日本銀行長期研修及びシンクタンク長期研修,判事又は特例判事補について国際刑事司法短期研修(アジ研),判事について報道機関研修及び研究機関短期研修を挙げている。
資料の研修実施計画カレンダー(令和7年1月23日時点)は,国際刑事司法短期研修(アジ研)を令和7年5月上旬~6月上旬及び同年10月下旬~11月下旬としている。
年度別の研修計画は裁判官研修実施計画の記事に,民間企業長期研修等の受入先は受入先の一覧の記事に掲載している。
第6 企画第二課と司法修習の事務
1 企画第二課の構成と担当事務
資料の「企画第二課の事務の概況等について」(令和7年5月15日,企画第二課長)によれば,企画第二課は,西館1階の企画係・調査係(修習の実施事務,修習生の人事関係事務等)と,本館1階の資料係・教材第一係・教材第二係(資料,教材作成等)から成る。
担当事務は,次のように説明されている。
① 企画係:導入修習・選択型実務修習・集合修習の担当,教室の管理,Teamsの利用サポート等
② 調査係:分野別実務修習の担当,修習の成績,修習生の身上関係,修習日程の作成,任官任検事務,非違行為,情報セキュリティポリシー等
③ 資料係:修習で使用する起案要領等の各種資料の印刷・配布,司法研究報告書・司法研修所論集の刊行等
④ 教材第一係(民事関係担当)・教材第二係(刑事関係担当):裁判官研修資料の作成,修習記録その他の教材の作成,法科大学院のための教材作成等
教材・資料の作成と配布の実務は,教材・資料関係事務の記事と司法研修所論集と司法研究報告書の記事で扱っている。
2 修習事務の年間の流れ
資料の「第78・79期修習における資料配布等のスケジュール」は,第78期の日程を次のように記載している。
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 修習生人数内定 | 令和7年1月17日 |
| 導入修習 | 令和7年3月19日~4月10日 |
| 分野別実務修習 第1クール | 令和7年4月14日~6月8日 |
| 分野別実務修習 第2クール | 令和7年6月9日~7月30日 |
| 分野別実務修習 第3クール | 令和7年7月31日~9月24日 |
| 分野別実務修習 第4クール | 令和7年9月25日~11月18日 |
| A班 | 集合修習:令和7年11月21日~令和8年1月9日,選択型実務修習:同月13日~2月26日 |
| B班 | 選択型実務修習:令和7年11月19日~令和8年1月9日,集合修習:同月14日~2月26日 |
| 二回試験(考試) | 令和8年3月上旬 |
これらの日付は,第78期司法修習の日程の記事に掲載した日程と一致する。
同じ図は,第79期について,令和7年11月の合格発表,令和8年1月中旬頃の修習生人数内定と,第78期の二回試験の後に続く導入修習を示している。
資料の注記は,令和5年度司法試験から法科大学院在学中に受験できるようになったことにより,第77期から司法修習の開始時期が3月からになったと説明している。
3 修習生の人数
資料は,第77期は1830人,第78期は1556人でスタートしたと記載している。
修習開始時点における司法修習生の人数の記事では,第78期の採用者数を1553人,配属現員等を1556人としており,資料の1556人は配属現員等の数と一致する。
第77期の1830人は,同記事の採用者数・配属現員等のいずれとも一致する。
4 司法修習生との連絡と基本資料
資料によれば,司法研修所は,司法修習生への情報伝達・連絡手段としてTeamsを活用しており,修習生にはTeamsで情報を配信している。
全国51庁(地裁本庁50庁と立川支部)の実務修習庁ともTeamsでのやり取りが始まっており,弁護士会が一部参加している外部用のチームもあるとされている。
司法修習に関する基本資料として司法修習ハンドブックが事務局の各係に1冊ずつ配布されていること,司法修習生への対応として一般的なルールやマナーの注意喚起と本館への立入り制限があることも記載されている。
資料の最後は,「各課の垣根を越えて」として「司法研修所一体の原則」を掲げている。
第7 経理課の説明と公開されなかった部分
1 経理課の事務と施設の利用
資料の「令和7年度転入職員説明会(経理課)」によれば,経理課(本館1階)の各係は,次の事務を担当している。
① 経理係:旅費関係事務,講師謝金・弁護教官謝金・修習給付金等の各種支給事務,予算の要求及び実行
② 用度係:備品の整備・消耗品の供給・備品の修理,IC式乗車カードの貸出し,自転車・ヘルメットの貸出し,共済組合の取次窓口
③ 管理係:庁舎等の維持管理,駐車場・駐輪場等の使用許可,防災訓練の実施,遺失物関係の事務
施設の利用については,図書館棟2階の食堂は11時30分~13時00分で,修習生参集期のみ営業とされ,同棟1階の書店は10時00分~16時00分で,修習生参集期は時間が変わることがあるとされている。
冷房期は概ね7月から9月まで,暖房期は概ね12月から3月までとされ,期間外でも運転可能であれば柔軟に対応するとされている。
駐車場・駐輪場の使用許可は会計年度ごとに申請するものとされ,第2駐車場(北門側)は和光市民に開放する運動施設の利用者専用とされている。
2 黒塗りとされた部分
資料のうち,執務室等の鍵の管理場所,本館及び別館の門扉の開放時間,休日に登庁する際の入構経路・入館手続の一部,配置図とフロア図の内部は黒塗りとされている。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の平成30年度(最情)答申第39号も,別館の施錠・解錠の方法,入構方法,各部屋の配置等の情報を不開示とした原判断を妥当としている(司法研修所別館の記事参照)。
司法研修所の庁舎について開示請求をする場合,施設の安全に関わる情報は不開示となることを前提に,組織,事務分掌,研修・修習の日程等を中心に請求対象を組み立てることが考えられる。
過去の門限と職員配置図は,司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限の記事に掲載している。
第8 関連記事
① 司法研修所とは―最高裁判所の附属機関としての役割,組織,司法修習及び裁判官研修
② 司法研修所事務局の事務分掌(平成25年4月1日現在)
③ 歴代の司法研修所事務局長
④ 歴代の司法研修所長
⑤ 司法研修所別館の研修東棟及びなごみ寮―最高裁判所和光庁舎への名称・利用変更
⑥ 裁判所職員総合研修所の組織,研修内容及び沿革
⑦ 裁判官研修に関する司法研修所参与との懇談会
第9 出典
① 司法研修所事務局「令和7年度転入職員説明会」資料(令和7年5月15日実施,全26頁)
② 裁判所法(昭和22年法律第59号)14条,55条,56条,66条,67条,67条の2及び67条の3並びに改正履歴(e-Gov法令検索,令和8年10月5日閲覧)
③ 最高裁判所「司法研修所規程」(昭和22年12月1日最高裁判所規程第6号)PDF1頁~2頁
④ 最高裁判所事務総長通達「最高裁判所事務総局等の組織について」(平成元年3月22日総一第84号,最終改正令和7年2月14日総一第94号)別表
⑤ 最高裁判所「司法研修所について」,「裁判官研修」及び「最高裁判所の組織」(令和8年10月5日閲覧)並びに「司法修習生の修習給付金について」(令和8年10月6日閲覧)
⑥ 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会「平成30年度(最情)答申第39号」(平成30年10月19日)