第1 過去問と答案を探すときの入口
司法試験の過去問を復習するときは,まず公式の問題文を取り出し,自分で答案を書いた後に,出題の趣旨・採点実感と参考答案を照合する。
このページは,山中弁護士ブログで公開している主要7科目の平成29年~令和8年と,選択科目8科目の令和元年~令和8年について,年度別の一覧記事への入口をまとめたものである。
短答式の問題と正解,それ以前の年度及び予備試験の公式資料は,第5の資料案内から探すことができる。
試験制度から調べたい場合は,司法試験とは―受験資格・受験期間・試験科目・合格判定・合格後の流れを先に参照されたい。
1 公式資料とブログの答案を区別する
法務省が公表する問題,出題の趣旨及び採点実感と,このブログが独自に作成した答案・評価項目は別の資料である。ブログの「模範解答」という題名も,法務省の公式答案又は唯一の正解という意味ではない。
令和8年の一覧は参考答案と予想される評価項目を扱う。各記事の出典欄で,公式資料を読んだ範囲,問題文・法令・判例から予想した範囲及び確認時点を確かめてから使う必要がある。
2 年度と科目から2段階で探す
第2又は第3で年度を選び,リンク先の科目一覧から個別記事へ進む。個別記事では問題の概要,評価項目,答案,解説及び出典を確認できる。
一覧に掲載していない年度・科目について,記事がないことや未作成であることを一律に示すものではない。ここでは,下表の公開一覧を案内する。
第2 主要7科目の年度別一覧
主要7科目は,憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法である。年度別一覧から,必要な科目の答案と解説へ進むことができる。
| 年度 | ブログ内の案内 | 一覧の位置付け |
|---|---|---|
| 令和8年 | 主要7科目の一覧 | 参考答案・予想評価項目 |
| 令和7年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和6年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和5年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和4年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和3年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和2年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和元年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 平成30年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 平成29年 | 主要7科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
平成29年司法試験民事系第3問(民事訴訟法)の模範解答と評価項目
公法系第1問は憲法,第2問は行政法,民事系第1問は民法,第2問は商法,第3問は民事訴訟法,刑事系第1問は刑法,第2問は刑事訴訟法に対応する。
過去問を年度順に解く場合も,苦手な科目を複数年度で比べる場合も,個別記事の冒頭で対象年度と問題番号を確認する。
第3 選択科目8科目の年度別一覧
各年度の一覧は,倒産法,租税法,経済法,知的財産法,労働法,環境法,国際関係法(公法系)及び国際関係法(私法系)をまとめている。
国際関係法(公法系・国際公法)を年度別・論点別に探す場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。国際私法との違いや法源から確認する場合は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項に進める。
| 年度 | ブログ内の案内 | 一覧の位置付け |
|---|---|---|
| 令和8年 | 選択科目8科目の一覧 | 参考答案・予想評価項目 |
| 令和7年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和6年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和5年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和4年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和3年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和2年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
| 令和元年 | 選択科目8科目の一覧 | 模範解答・評価項目 |
主要7科目の一覧には選択科目の答案は含まれないため,選択科目はこの表から探す。選択科目の学習に使うときは,各科目の第1問・第2問と設問ごとの指定を確認する。
評価項目数や重みの合計は,科目選択の有利不利又は学習時間を示す数値ではない。
第4 参考答案を使った復習方法
1 読む前に自分の答案又は構成を書き残す
公式問題文だけを読んで,指定された立場,検討対象,除外事項及び設問ごとの結論を整理する。時間を測って答案を書いた場合は所要時間を,構成だけを作った場合はその範囲を記録する。
最初から参考答案の順序をなぞると,自分で論点や事実を選べたのかを確認しにくくなる。比較するために,修正前の答案は残しておく。
2 設問への応答,理由付け,当てはめを分けて点検する
最初に設問へ直接答えているかを確認し,次に法的な判断枠組み,問題文の事実の評価及び結論への接続を確認する。結論が参考答案と異なる場合も,立場,理由付け及び事実評価が整合しているかを読む。
公式の採点実感が指摘する誤りと,自分の答案のどの記載が対応するかを具体的に記録し,「論点を知っていた」という評価だけで終わらせない。
3 5段階の重みを得点に換算しない
各記事の重み1~5は独自の復習用の目安であり,公式配点ではない。必須事項,高評価事項,負例及び条件付きの許容分岐は,同じ答案にすべて累積して要求されるものではない。
採用した構成に必要な事項を点検し,重みの単純合計を自己採点の点数又は合格可能性へ換算しない。詳しい読み方は,司法試験論文式の予想評価項目の読み方で説明している。
4 不足した一段落を書き直す
不足した事項について,どの事実を使い,どの規範の要件に結び付け,どの結論へ進めるのかを一段落で書き直す。その後,設問全体の分量と順序に戻して,前後の記載との重複や矛盾を確認する。
過去の問題を現行法の学習に使う場合は,当時の法令・判例と現在の法令・判例を分ける。過去の記事の出典欄にある法令の基準時を確認し,改正後の条文を当時の採点資料へ無条件に当てはめない。
5 旧司法試験の過去問は基礎を補うために選ぶ
旧司法試験の過去問は,現在の司法試験で必要な基礎知識や,事案から法律上の問題を取り出して説明する力を補う教材として使うことができる。
ただし,旧司法試験の全年度・全問題を解くことを一律の必須条件とする必要はなく,現在の問題で見つかった弱点に合う問題を選ぶ方法が考えられる。
基本事項の理解が十分でない段階では,旧問題で規範の意味や短い事案の処理を練習し,その後に現行試験の問題へ戻って確かめる。
旧問題にも,基礎知識に基づく事案の分析・解決を求めるものがある。
他方,令和7年の採点実感も,公法系第1問と民事系第1問について,基本的な知識を踏まえた具体的事実の分析や理由付けを重視している。
したがって,「旧試験は暗記だけ,現行試験は思考だけ」と分けず,問題ごとに何を説明できるようにするかを決めて使う。
法改正の影響を確かめる例として,平成14年度旧司法試験の答案・解説にある民法第1問は,親が18歳の子の法定代理人として土地を売却する設定である。
現在の民法4条では18歳で成年に達するため,同じ設定を現在の出来事として扱うと,親権に基づく代理の前提が変わる。
当時の問題をそのまま解く場合と,年齢・行為時点等を調整して現行法の練習にする場合を分け,問題文や当時の出題趣旨を無断で読み替えない。
年齢だけを変更すれば,他の法改正や判例の確認も済むという意味ではない。
6 周回数よりも現行問題での改善を確かめる
復習は,現在の司法試験の問題で弱点を把握し,対応する旧問題を選び,自力で答案又は構成を作り,出題趣旨・参考答案と照合し,不足した説明を書き直す,という順序で行う方法が考えられる。
照合するときは,知識不足,設問の読み違い,事実の拾い落とし,理由付けの不足など,どこで止まったかを記録する。
旧問題の答案を覚えたかだけで終わらせず,別の現行問題でも同じ知識を使って理由を説明できるかを確認する。
同じ問題を繰り返す回数に,一律の正解はない。
解説を閉じても,問題となる理由,判断枠組み,主要な事実の評価及び結論へのつながりを再現でき,別の問題でも使えるなら,次の課題へ進む目安となる。
結論や答案の文言だけを覚えている場合は,回数を増やすだけでなく,説明できない箇所を絞って書き直す。
旧問題の演習だけで,現在の行政法・選択科目を含む出題範囲や,本試験の分量・時間配分・操作への対応が済むわけではない。
令和8年司法試験は短答式・論文式ともCBTで実施されるため,旧問題を紙で練習する場合も,司法試験のCBTとオンライン手続から公式の操作説明・体験版を確認し,現行形式での演習を別に行う。
短答式の旧問題を使う場合は,知識の確認と形式への対応を分け,短答式刑法の旧試験と現行試験の比較も参照する。
第5 公式問題・短答式正解・出題趣旨・採点実感の探し方
1 法務省の資料を年度別に探す
法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在では,年度別の実施,結果,問題,出題の趣旨及び採点実感のページを案内している。試験問題の原文又は短答式の公式正解が必要な場合は,ブログの答案ではなく,この資料案内から法務省の当該年度の資料へ進む。
法務省の司法試験の入口も確認先となる。
2 制度と合格判定を確認する
①司法試験とは。
②司法試験の合格点・採点・成績通知。
③司法試験のCBTとオンライン手続。
④司法試験のCBT論文答案の分量・書式。
第6 出典及び確認範囲
第4の5・6の追加部分については,令和8年10月19日に,法務省の平成14年度旧司法試験論文式問題・出題趣旨(https://www.moj.go.jp/content/000049025.pdf#page=2)のPDF実頁2頁(民法第1問),令和7年司法試験の採点実感・公法系(https://www.moj.go.jp/content/001453798.pdf#page=1)のPDF実頁1頁(第1問),同・民事系(https://www.moj.go.jp/content/001453799.pdf#page=1)のPDF実頁1頁(第1問)を確認した。
これらは上記の各問についての資料であり,旧試験・現行試験の全科目の出題傾向を一律に示す根拠ではない。
成年年齢はe-Gov法令検索の民法(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)4条・818条・824条を,令和8年10月19日時点の施行法により確認した。
CBTの実施範囲は,法務省の司法試験・司法試験予備試験のデジタル化について(https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00238.html)を同日に確認した。
受験する年度の法令の基準時や操作方法は,当該年度の公式案内を改めて確認する必要がある。
旧問題の選び方,復習の順序及び次の課題へ進む目安は,これらの資料と既存の復習方法を踏まえた本ブログの学習上の提案であり,法務省が指定する学習方法又は合格効果の保証ではない。
旧司法試験の問題を何回解けば合格するかを示す実証的な基準として提示するものではない。
第2・第3の出典は,リンクした17本の年度別一覧記事である。
平成30年の主要7科目一覧は,令和8年10月26日に対象科目と7記事への案内を確認した。
従前の11本は令和8年10月11日に公開本文,対象科目及び個別記事へのリンクを確認し,追加した令和4年・令和5年の選択科目一覧は令和8年10月14日に公開を確認した。
令和3年の選択科目一覧も案内している。
令和2年の選択科目一覧は令和8年10月18日に公開本文及び16問へのリンクを確認した。
令和4年については,主要7科目の評価項目をまとめた一覧と,選択科目8科目の一覧を案内している。
このページは記事の所在と復習方法の案内であり,掲載答案の全論点を改めて独立に解答・採点したものではない。
各答案の根拠,公式資料の閲覧範囲及び確認時点は,年度別一覧と個別記事の出典欄を参照されたい。
公式資料の確認先は,法務省「司法試験」と,関連記事「法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在」である。