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解雇・退職・雇止め

採用内定取消し・試用期間・本採用拒否の判例法理―三菱樹脂事件,大日本印刷事件及び下級審裁判例の法律事務所への射程(AI作成)

第1 最初に区別すべき三つの段階1 採用選考中,採用内定後及び試用開始後を分ける2 この記事の結論第2 三菱樹脂事件が示した試用期間の法理1 本採用拒否は留保解約権の行使である2 客観的合理性と社会通念上の相当性が必要である3 思想・信条に関する判示と現在の採用実務を分ける第3 大日本印刷事件及びオプト事件が示す内定取消しの限界1 採用内定による契約成立は事実関係から判断する2 既に知っていた印象を後から取消事由にできない3 伝聞的な悪評だけで内定を取り消さない第4 神戸弘陵学園事件が示す有期契約と試用期間の区別1 適性評価のための期間は試用期間と解され得る2 契約書の名称だけで当然終了にはならない第5 下級審裁判例にみる能力・協調性評価1 EC委員会駐日代表部事件―具体的な成果物と指示対応2 ライトスタッフ事件―短い観察期間と使用者側の対応3 246設計事件―指示不足と改善経過4 三事件を比較した実務上の軸第6 法律事務所の採用評価への射程1 直接の法律事務所事案は確認できていない2 「自走性」は権限の境界を守る能力として評価する3 起案能力は完成物と修正過程の双方で見る4 協調性は異論の有無ではなく業務行動で見る第7 採用から本採用判断までの記録方法1 募集前に職務要件と評価尺度を決める2 内定前に確認できる事項を後回しにしない3 試用開始時に期待と支援を共有する4 事実,指導,本人の説明及び改善を一組で残す5 本採用拒否前により軽い対応を検討する第8 関連記事第9 出典・確認状況1 判例秘書で全文を確認した裁判例2 裁判所及び厚生労働省の公開資料3 法令4 調査範囲の限界
第1 最初に区別すべき三つの段階
1 採用選考中,採用内定後及び試用開始後を分ける

採用をめぐる紛争では,①労働契約が成立する前の不採用,②採用内定によって労働契約が成立した後の内定取消し,③試用を目的とする労働契約が始まった後の本採用拒否を分ける必要がある。
同じ「採用しない」という言葉が用いられても,契約締結前の選考と,成立済みの労働契約を終了させる行為とでは,法的な出発点が異なる。

採用内定によって労働契約が成立したかは,内定通知の名称だけでなく,募集,応募,採用通知,誓約書,入所予定日,労働条件及びその後に別の契約締結行為が予定されていたかによって判断される。
試用期間も,通常は労働契約が成立した後に適格性を観察する期間であり,本採用拒否を新規の不採用と同じように扱うことはできない。

2 この記事の結論

採用内定取消し又は本採用拒否の適法性は,「能力が足りない」,「協調性がない」,「自走できない」等の抽象的な人物評価だけでは決まらない。
採用時に何を職務要件として示したか,問題となる事実をいつ知ることができたか,実際にどの業務をどの程度観察したか,指示・教育・支援が十分であったか,本人に説明及び改善の機会を与えたか,より軽い対応が可能でなかったかを具体的に検討する必要がある。

判例秘書で全文を確認した裁判例を比較すると,職務上の成果物,誤り,報告,指示への対応及び改善経過が具体的に立証された事案と,短い観察期間,伝聞的な悪評又は使用者側の指示不足に依拠した事案との違いが重要である。
法律事務所でも,期限管理,起案,法令・判例調査,依頼者対応,守秘,所内連携等を観察可能な行動へ分解し,採用時の説明から試用期間中の記録まで一貫させる必要がある。

第2 三菱樹脂事件が示した試用期間の法理
1 本採用拒否は留保解約権の行使である

最高裁判所大法廷昭和48年12月12日判決(昭和43年(オ)第932号,民集27巻11号1536頁,三菱樹脂事件)は,当該事案の試用契約を,労働契約の成立と同時に雇用の効力が確定する一方,試用期間中に不適格と認めた場合の解約権を留保した労働契約と捉えた。
したがって,本採用拒否は,契約締結前の不採用ではなく,成立した労働契約について留保された解約権を行使する解雇に当たる。

試用の趣旨は,採否決定時には十分に調査できない資質,性格,能力その他の適格性を,採用後の調査又は観察によって判断することにある。
そのため,通常の解雇より広い範囲で解約権の行使が認められ得るが,無制限ではない。

2 客観的合理性と社会通念上の相当性が必要である

同判決は,採用後の調査又は試用期間中の勤務状態等により,当初知ることができず,又は知ることを期待できない事実を知った場合に,その事実に照らして引き続き雇用することが相当でないと判断することが,解約権留保の趣旨及び目的から客観的に相当と認められるときに解約権を行使できるとした。
判決は,留保解約権の行使について,客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当として是認できることを要求している。

法律事務所でいえば,採用前に確認できた単なる印象を後から言い換えるだけでは足りず,入所後のどの業務で,どのような事実が新たに分かり,職務又は依頼者への影響がどの程度であったかを示す必要がある。
もっとも,最高裁判決は本採用拒否を最終的に有効と確定したものではなく,原判決を破棄して東京高等裁判所へ差し戻した判決である。

3 思想・信条に関する判示と現在の採用実務を分ける

三菱樹脂事件は,学生運動歴等に関する身上書及び面接回答をめぐって,私企業の採用の自由,憲法の私人間効力及び労働基準法3条の適用範囲を判示した歴史的事件でもある。
しかし,昭和48年当時の判示を,現在の採用担当者が思想・信条その他の職務と関係のない情報を自由に収集できる根拠として用いるべきではない。

現在は,職業安定法5条の5により,求職者等の個人情報は業務目的の達成に必要な範囲内で目的を明らかにして収集することが原則とされ,厚生労働省は本人の適性及び能力に基づく公正な採用選考を求めている。
本籍,家族,宗教,支持政党,人生観,労働組合活動等を把握しないという現在の行政指針及び個別法上の差別禁止と,三菱樹脂事件の歴史的判示は,時間層を分けて理解する必要がある。

第3 大日本印刷事件及びオプト事件が示す内定取消しの限界
1 採用内定による契約成立は事実関係から判断する

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就業規則による定年制の新設――既存の従業員に適用できるか,労働契約法10条と合理性の判断要素(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 対象2 結論第2 定年制の新設と就業規則の拘束力1 秋北バス事件2 労働契約法との関係3 定年の新設は不利益といえるか第3 合理性の判断1 考慮要素2 定年制の新設に当てはめる場合3 個別の同意と,賃金・退職金に波及する場合第4 法令上の制約1 高年法2 男女で異なる定年第5 手続1 作成・届出と意見聴取2 過半数代表者の選出3 周知第6 定年制を新設する前に確認する事項第7 関連記事第8 出典1 法令(e-Gov法令検索)2 裁判例(裁判所HPの裁判例検索)3 行政通達・行政資料
第1 本記事の対象と結論
1 対象

本記事は,これまで定年の定めがなかった会社が,就業規則で定年制を新しく設け,既に働いている従業員にも適用しようとする場面を扱う。
常時10人以上の労働者を使用する使用者は,退職に関する事項について就業規則を作成して届け出なければならないが(労働基準法89条柱書・3号),それより小さな会社では,就業規則がなく,定年の定めもないまま年月が経っていることがある。
その会社が就業規則を初めて作り,あわせて定年を定める場合には,施行の時点で定年年齢に近い従業員や,既に定年年齢を超えている従業員がいることが少なくない。

本記事は,最高裁判例,労働契約法とその施行通達,高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年法」という。)及び厚生労働省の資料を,e-Gov法令検索,裁判所HPの裁判例検索及び厚生労働省の法令等データベースで確認して整理したものである。
基準日は2026年9月13日である。

2 結論

結論を先に示すと,次のとおりである。
①定年の定めがないことは終身雇用を保障するものではなく,就業規則で新たに定年を定めても既得権の侵害にはならない(最高裁大法廷昭和43年12月25日判決)。
②もっとも,既存の従業員に定年の定めを及ぼすには,その就業規則の条項が合理的なものであることを要し,就業規則が既にある会社で定年の条項を加える場合は労働契約法10条の問題となる。
③合理性は,不利益の程度,必要性,内容の相当性,経過措置や代償措置,労働組合等との交渉の経緯などを総合して判断され,施行後すぐに定年に達する者への配慮を欠いたり,特定の者を退職させる狙いがうかがわれたりすると,否定される方向に働くと考えられる。
④定年は60歳を下回ることができず(高年法8条),65歳未満の定年とする場合は65歳までの雇用確保措置が必要である(同法9条1項)。
⑤過半数代表者からの意見聴取と周知の手続も,合理性の判断で考慮され得る。

第2 定年制の新設と就業規則の拘束力
1 秋北バス事件
(1) 事案

最高裁大法廷昭和43年12月25日判決(昭和40年(オ)第145号,民集22巻13号3459頁,秋北バス事件)は,定年制の新設を正面から扱った最高裁判例である。
会社には一般の従業員について50歳の停年の定めがあったが,主任以上の職にある者には停年の定めが適用されていなかった。
会社は,昭和32年4月1日に就業規則を改正して主任以上の職にある者の停年を55歳と定め,既に55歳に達していた従業員に対し,同月25日付で解雇を通知した。

(2) 判断

同判決は,就業規則は合理的な労働条件を定めている限り法的規範としての性質を持つとした上で,次のように述べた。
「新たな就業規則の作成又は変更によつて、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないと解すべきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいつて、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されないと解すべきであり、これに対する不服は、団体交渉等の正当な手続による改善にまつほかはない。」
さらに,「新たな停年制の採用のごときについても、それが労働者にとつて不利益な変更といえるかどうかは暫くおき、その理を異にするものではない。」とした。

同判決は,定年の定めがないことの意味について,「労働契約に停年の定めがないということは、ただ、雇用期間の定めがないというだけのことで、労働者に対して終身雇用を保障したり、将来にわたつて停年制を採用しないことを意味するものではなく」と述べ,新たに停年を定めても既得権侵害の問題は生じないとした。
また,定年制は,人事の刷新や経営の改善等のために行われるものであって,「一般的にいつて、不合理な制度ということはできず」とした。
その上で,再雇用の特則が設けられて苛酷な結果を緩和する途が開かれていたこと,現にその従業員にも嘱託として再雇用する旨の意思表示がされていたこと等を総合して,改正後直ちに適用されて解雇される者との関係でも条項は不合理ではなく,信義則違反や権利濫用にも当たらないとした。
なお,同判決は,この条項を定年に達したことを理由とする解雇の定めと解し,これに基づく解雇は労働基準法20条の解雇の制限に服するとも述べている。

(3) 現在の目で読むときの注意

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退職勧奨の適法性と進め方―違法となる場合,諭旨退職・解雇との違い及び配転・降格との関係(AI作成)

目次第1 退職勧奨の法的性質1 退職勧奨とは何か2 本記事の対象第2 退職勧奨が違法となる場合1 裁判例が示した判断の枠組み2 下関商業高校事件の位置付け3 法令による制約第3 退職勧奨の進め方1 面談の前に決めておくこと2 面談での説明3 労働者が拒否した場合4 合意の成立と記録第4 諭旨退職・解雇・配転・降格との関係1 諭旨退職は懲戒処分であること2 解雇との違い3 配転・降格と同じ機会に行う場合第5 雇用保険の離職理由第6 関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典・参考資料1 法令2 裁判例

第1 退職勧奨の法的性質

1 退職勧奨とは何か

退職勧奨は,使用者が労働者に対し,合意による労働契約の終了(合意退職)又は労働者自身による退職を促す働きかけである。
使用者が一方的に労働契約を終了させる解雇とは異なり,退職勧奨に応じるかどうかは労働者の自由な意思に委ねられる。
解雇は,「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされている(労働契約法16条)が,同法には,退職勧奨それ自体の要件を定めた規定はない。

期間の定めのない雇用では,労働者はいつでも解約の申入れをすることができ,雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する(民法627条1項)。
退職勧奨に応じた労働者が退職届を提出した場合,それが労働者からの一方的な解約の申入れなのか,使用者の承諾によって成立する合意退職の申込みなのかによって,撤回できるかどうかが問題になることがある。
退職日や条件を明確にするためにも,後記第3の4のとおり,合意の内容を書面に残しておくことが考えられる。

2 本記事の対象

本記事は,民間企業の使用者が個々の労働者に退職を勧める場面を対象として,退職勧奨が違法となる場合,面談の進め方,諭旨退職・解雇・配転・降格との関係及び雇用保険上の扱いを説明する。
希望退職の募集や整理解雇は対象としない。
本記事の記載は,令和8年9月11日時点の法令及び公表資料に基づく。

第2 退職勧奨が違法となる場合

1 裁判例が示した判断の枠組み

東京地裁平成23年12月28日判決(日本アイ・ビー・エム退職勧奨事件)は,「退職勧奨は,勧奨対象となった労働者の自発的な退職意思の形成を働きかけるための説得活動であるが,これに応じるか否かは対象とされた労働者の自由な意思に委ねられるべきものである。」とした。
その上で,使用者は,説得活動の手段・方法が社会通念上相当と認められる範囲を逸脱しない限り,正当な業務行為として退職勧奨を行い得るとした。
他方,社会通念上相当と認められる限度を超えて,労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり,その名誉感情を不当に害するような言辞を用いたりすることによって,その自由な退職意思の形成を妨げるに足りる不当な行為ないし言動をした退職勧奨は,違法なものとして不法行為を構成するとした。

同判決は,退職勧奨の対象となった理由(業績不良の具体的事実等)を説明し,退職した場合の支援策を具体的に説明して再検討を求めることは,社会通念上相当と認められる範囲を逸脱した態様でない限り許容されるとした。
また,労働者が消極的な意思を表明しただけで直ちに説得活動を終了しなければならないものではないが,退職勧奨に応じない意思が堅固であり,面談に応じられないことを明確に表明し,上司にその旨を確実に認識させた段階で,それ以降の説得活動は社会通念上相当な範囲を逸脱した違法なものと評価されることがあり得るとした。

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有期雇用契約における試用期間-設定と契約終了の法的整理(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象と基準日2 試用期間を置けば解雇しやすくなるわけではないこと第2 有期契約と試用期間の二つの組合せ1 有期契約の中に別の試用期間を置く場合2 有期契約そのものを適性判断の期間とする場合3 無期契約への移行条件を明確にすること第3 試用期間を設定するときに書面で分ける事項1 契約期間と試用期間を別々に記載すること2 終了場面まで区別して記載すること3 評価基準と運用を一致させること4 長さと延長を自動的に決めないこと第4 試用期間中に雇用を終了する場合1 労働契約法17条1項の「やむを得ない事由」2 試用契約における留保解約権の限界3 採用後14日以内は自由解雇期間ではないこと第5 試用結果を契約期間満了時に扱う場合1 期間満了と雇止めの制限2 更新申込み又は異議を遅らせないこと第6 紛争になったときに先に確認する資料1 共通して確認する資料2 使用者側と労働者側で確認する事実3 高負担の調査へ進む条件第7 関連記事第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 行政機関の解説及び掲載資料4 文献
第1 この記事の対象と結論
1 対象と基準日

本記事は,有期労働契約の契約期間内に別の試用期間を置く場合と,有期労働契約そのものを適性判断のために用いる場合を区別し,令和8年9月6日現在の法令及び裁判例に基づいて,設定時と契約終了時の問題を整理する。
有期労働契約の期間,更新,雇止め及び無期転換の一般的な制度は,有期労働契約の期間・更新・雇止め・無期転換ルール(AI作成)で別に扱っている。

2 試用期間を置けば解雇しやすくなるわけではないこと

試用期間の設定可否及び長さを一律に定める一般的な条文はなく,中央労働委員会サイトに掲載された令和7年度労使関係セミナー資料も,設定の可否及び長さ等について現行法上特別の規制はないと整理している。
もっとも,契約書に「試用期間」と書くだけで,契約期間途中の解雇又は期間満了時の雇止めが容易になるわけではない。

有期労働契約に試用期間を設けるときは,①契約の存続期間,②適格性を評価する期間,③試用期間中に雇用を終了する場合,④契約期間満了後の更新又は無期契約への移行を分けて設計する必要がある。
特に,試用期間中の解雇は有期労働契約の期間途中の解雇であるから,少なくとも労働契約法17条1項の「やむを得ない事由」が必要となる。

第2 有期契約と試用期間の二つの組合せ
1 有期契約の中に別の試用期間を置く場合

例えば,契約期間を令和8年4月1日から令和9年3月31日までの1年間とし,そのうち最初の3か月を試用期間とする設計がある。
この場合,試用期間の満了は1年間の労働契約の満了ではなく,試用期間を通過した後も同じ有期労働契約が残りの期間について続くのが基本である。

試用期間満了後に無期契約又は別の職種へ移行させる予定がある場合は,同じ有期契約が続く場面と,新しい契約を締結する場面を区別しなければならない。
「本採用」という一語だけでは,試用終了後も同じ有期契約が続くのか,無期契約又は正社員契約へ切り替わるのかが明らかにならない。

2 有期契約そのものを適性判断の期間とする場合

「まず6か月の有期契約を締結し,適性があれば無期契約へ移行する」という設計では,6か月が契約の存続期間なのか,無期契約に付された試用期間なのかが問題となり得る。
最高裁平成2年6月5日第三小法廷判決(平成元年(オ)第854号,民集44巻4号668頁,神戸弘陵学園事件)は,新規採用の際に設けた期間の趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断することにある場合,期間満了によって契約が当然に終了する旨の明確な合意等の特段の事情がない限り,その期間を契約の存続期間ではなく試用期間と解するのが相当であるとした。

同判決では,契約期間が「一応」1年と説明されたこと,長期勤務を期待させる発言があったこと,1年で当然に終了すると記載した契約書への署名が就労開始後であったこと等が問題となり,原判決が破棄されて更に審理するため差し戻された。
したがって,契約書の名称だけでなく,募集時及び面接時の説明,契約締結の時期,期間を定めた業務上の理由,無期契約への移行手続並びに実際の運用を整合させることが重要となる。

3 無期契約への移行条件を明確にすること

最高裁平成28年12月1日第一小法廷判決(平成27年(受)第589号,福原学園事件)は,1年の有期労働契約を締結し,更新限度を3年とした事案を扱った。
同事件の規程は,勤務成績を考慮して使用者が任用を必要と認め,かつ,労働者が希望した場合に無期の職種へ異動できると定めており,最高裁は,3年の経過だけで当然に無期労働契約へ移行したとする原審の判断を破棄した。

同判決は,期間満了後の無期契約への移行が自動であるのか,使用者の判断及び労働者の希望を要するのかを,規程と契約締結時の認識から区別したものである。
もっとも,この判断は,更新に関する労働契約法19条の適用を一般に否定するものではなく,契約の更新と無期契約への移行は別の問題である。

第3 試用期間を設定するときに書面で分ける事項
1 契約期間と試用期間を別々に記載すること

労働基準法15条及び労働基準法施行規則5条により,使用者は,労働契約の締結時に,契約期間,更新する場合があるときの基準,更新上限がある場合の内容,賃金,労働時間,就業場所及び業務並びに退職に関する事項等を明示しなければならない。
試用期間中に賃金,職務又は勤務場所を異ならせる場合は,その労働条件も明確にする必要がある。

労働契約法4条2項は,期間の定めに関する事項を含む労働契約の内容について,労働者と使用者ができる限り書面で確認するものとしている。
本記事では,有期契約に試用期間を置く場合,法令上の明示事項と同じ書面又は相互に参照できる書面に,契約期間と試用期間を別々に記載することを基本形とする。

2 終了場面まで区別して記載すること

設定時に区別する事項は,①有期契約の開始日と満了日,②試用期間の開始日と満了日,③評価の目的・項目・時期,④試用期間中の労働条件,⑤試用期間満了後も同じ有期契約が続くのか,⑥有期契約を更新する可能性及び判断基準,⑦無期契約又は正社員契約への移行制度がある場合の申込み・判断・契約締結の手続である。
「試用期間中又は満了時に不適格と判断したときは契約を終了する」とだけ定めても,期間途中の解雇に関する労働契約法17条1項を排除することはできない。

3 評価基準と運用を一致させること

適格性の評価は,担当業務と採用時に示した職務要件に結び付け,評価者,中間面談,指導又は支援,説明の機会及び最終判断日をあらかじめ設計することが考えられる。
評価記録には「能力がない」「協調性に欠ける」という結論だけでなく,いつ,どの業務について,何を求め,どのような行動と結果があり,本人がどのように説明したかを残すことが有用である。

評価資料は解雇を正当化するためだけの記録ではない。
契約内容との不一致,教育又は情報の不足,評価者ごとの基準の違いを早期に発見し,契約を続けられるかを判断する資料でもある。

4 長さと延長を自動的に決めないこと

中央労働委員会サイト掲載の前記セミナー資料は,採用後3か月から6か月程度を試用期間とすることが企業実務では一般に行われていると説明する一方,適格性の評価に必要な期間を超えて労働者を長期間不安定な状態に置くことは適当でないと整理している。
3か月又は6か月であれば当然に有効となるわけではなく,職務内容,採用時に確認できた事項,実際の観察機会及び有期契約全体の長さに照らして設定する必要がある。

延長についても,判断を先送りするために自動的に行うのではなく,就業規則又は契約上の根拠,採用時に予見できなかった事情,観察できなかった項目,延長期間及び延長後の判断日を確認することが考えられる。
延長が有期契約の満了日を越える場合は,試用期間の延長だけでは処理できず,契約更新又は新しい契約の問題となる。

第4 試用期間中に雇用を終了する場合

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定年後再雇用の更新時に勤務日数・賃金を引き下げられるか(AI作成)

第1 条件変更を断っただけで契約終了になるわけではない第2 契約途中の変更・更新拒絶・変更への同意を分ける1 契約途中では勤務表だけを変えても足りない2 更新時には労働契約法19条の要件を確認する3 署名があっても同意の経緯を確認する第3 結論が分かれた西田通商事件と東光高岳事件1 西田通商事件――週5日から週3日への変更と雇止め無効2 東光高岳事件――更新期待を認めた上で更新拒絶を有効とした例3 二つの判決から確認できる比較の視点第4 65歳までの雇用確保と同一労働同一賃金との関係1 65歳までの雇用確保は旧賃金の当然の保障とは異なる2 本人の前年との比較と通常の労働者との比較は別である第5 労働者が更新前に行う確認と記録1 旧条件での更新希望と就労意思を伝える2 手元の資料を先にそろえ,説明を求める3 就労を拒まれた期間の賃金と時効を確認する第6 会社側の提案準備と,交渉・手続へ進む判断第7 出典・参考資料1 法令・告示2 裁判例3 所管行政機関のQ&A・改正案内4 法律事務所の事件紹介
第1 条件変更を断っただけで契約終了になるわけではない

定年後再雇用の契約更新時に,会社が勤務日数や賃金を引き下げる条件を提案することは,一律に禁止されていない。
しかし,労働者がその提案に同意しなかったという理由だけで,会社が従前の条件による更新を自由に拒絶できるわけではない。
変更の合意が成立するかという問題と,労働契約法19条によって雇止めが制限されるかという問題を分けて考える必要がある。

週5日勤務を週3日に減らし,月給を日数に比例して減らす場合も,日給・時給が変わらないことだけでは結論は決まらない。
西田通商事件では,このような変更を拒否した労働者の雇止めが無効とされた一方,東光高岳事件では,事情の異なる条件変更の提案について更新拒絶が有効とされている。

本記事は,令和8年8月31日現在の法令と確認できた裁判例に基づき,民間企業の定年後の有期再雇用契約を更新する場面を扱う。
定年直後に初めて再雇用契約を結ぶ場面や,勤務日数の最低保証がない変動シフトについては前提が異なるため,まず契約上の日数・時間・賃金を確認する。

第2 契約途中の変更・更新拒絶・変更への同意を分ける
1 契約途中では勤務表だけを変えても足りない

労働契約法8条は,労使の合意による労働条件の変更を認めている。
契約上,週5日勤務と月給が定められている場合に,会社が勤務表を週3日に書き換えただけで,契約上の日数と賃金も当然に変更されたことにはならない。

同意のない就業規則による不利益変更は,同法9条の原則と10条の例外に従って判断する。
10条では,変更後の就業規則の周知に加え,不利益の程度,変更の必要性,内容の相当性,労働組合等との交渉状況その他の事情に照らした合理性が問題となる。
就業規則の変更によっては変更しないと個別に合意した条件には,同条ただし書の検討も残る。

また,同法12条により,就業規則の基準に達しない条件を定めた個別契約は,その部分について無効となり,就業規則の基準による。
したがって,会社と本人が合意したかだけでなく,適用される再雇用規程・賃金規程との関係も確認する。

2 更新時には労働契約法19条の要件を確認する

更新時に新条件で合意できなかった場合は,労働者の旧条件による更新申込みを会社が拒絶してよいかが問題となる。
労働契約法19条による保護を検討する順序は,次のとおりである。

①反復更新の実態から雇止めを無期契約の解雇と社会通念上同視できる場合(1号),又は更新への期待に合理的な理由がある場合(2号)に当たるか。
②労働者が,契約満了日までに更新を申し込み,又は満了後遅滞なく有期契約の締結を申し込んだか。
③会社の拒絶が,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないか。

これらの要件を満たすと,会社は「従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす」とされる。
更新期待があるだけで旧条件の更新が決まるわけではないが,新条件を提示しただけで同条の適用を避けられるわけでもない。
更新期待・不更新条項・無期転換の一般的な説明は,有期労働契約の期間・更新・雇止め・無期転換ルールを参照されたい。

3 署名があっても同意の経緯を確認する

最高裁平成28年2月19日第二小法廷判決(平成25年(受)第2595号,山梨県民信用組合事件)は,不利益変更への同意について,労働者の自由意思に基づくと認めるに足りる客観的に合理的な理由があるかを慎重に判断すべきであるとした。
不利益の内容・程度,同意に至る経緯,事前の情報提供や説明等が問題となる。

これは退職金の変更に関する破棄差戻し判決であり,再雇用契約への署名を一律に無効としたものではない。
再雇用の更新でも,署名の有無に加え,変更後の勤務日数・年収・賞与が説明されたか,検討の機会があったか,異議や留保をどのように伝えたかを確認することが考えられる。

第3 結論が分かれた西田通商事件と東光高岳事件
1 西田通商事件――週5日から週3日への変更と雇止め無効

横浜地裁令和6年6月27日判決(令和4年(ワ)第1403号,労働判例1346号17頁)は,定年後の再雇用者に対し,週5日・基本賃金月額20万0998円から,週3日・月額12万0599円への変更が提案された事案である。
労働者は旧条件での更新を求めたが,会社は契約を更新しなかった。
裁判所HP未掲載であり,判例秘書で判決本文を確認した。

裁判所は,再雇用に関する規程,契約内容,更新の経過等から,雇用継続への合理的期待を認めた。
契約書に,更新時には個別合意の上で労働条件を変更することがあると記載されていても,合意できなければ当然に契約が終了するとは扱わなかった。

日給・時間給に換算した賃金単価は変わらなかったが,裁判所は,月額約12万円で家計を維持することや,空いた曜日に別の仕事を確保することの難しさを考慮した。
会社の業績悪化についても,雇止め後に別の労働者を再雇用し,役員報酬を増額した事情や,本人が売上げに直結しない業務にも従事していた事情を検討し,提示条件を不合理と判断した。

結論として,雇止めを無効とし,旧条件による契約の更新を認め,労働者の地位確認及び未払賃金の請求を認容した。
ただし,鈴悠法律事務所の事件紹介には控訴後和解と記載されており,本判決の判断がそのまま確定したと扱うことはできない。

2 東光高岳事件――更新期待を認めた上で更新拒絶を有効とした例

東京高裁令和6年10月17日判決(令和6年(ネ)第2731号,労働判例1323号5頁)は,定年後再雇用の契約満了と吸収合併が重なり,存続会社の制度に合わせた条件変更が提案された事案である。
提案には,週4日から週5日に勤務を増やしながら基本賃金を約15%減らす案と,週4日勤務のまま賃金を月額換算で約51%減らす案があり,業務内容を修正した案も提示された。
裁判所HP未掲載であり,判例秘書及び掲載誌の判決本文を確認した。

高裁は,労働契約法19条2号の更新期待は,同一条件での更新への期待に限らず,条件変更を伴う更新への期待も含むとした。
その上で,65歳までの継続雇用を原則とする規程等から更新期待を認め,労働者の旧条件による更新申込みを会社が拒絶したと判断した。

もっとも,高裁は,従前と同一の条件で更新されるとの期待に合理的理由があるとは認め難いとした。
被吸収会社の経営悪化,存続会社の再雇用者との条件統一の必要性,他の再雇用者の同意,担当事業からの撤退予定,事前説明と複数案の提示等を検討し,存続会社自体の業績が堅調であることや大幅な減額も考慮した上で,更新拒絶を有効として控訴を棄却した。

原審の東京地裁令和6年4月25日判決(令和4年(ワ)第6348号,労働判例1318号27頁。裁判所HP未掲載。判例秘書により確認)は,19条2号の更新期待を同一条件によるものに限定していたが,高裁はこの限定を採用していない。
また,高裁判決は約51%の減額を一般的に許容したものでも,低い条件の契約が本人の同意なしに成立するとしたものでもない。

3 二つの判決から確認できる比較の視点

本記事では,両判決の分岐を,次の資料を比較する際の視点として整理する。
いずれも個別の事情を組み合わせた判断であり,一つの事情があれば必ず有効・無効になるという基準ではない。

(続きを読む...)定年後再雇用の更新時に勤務日数・賃金を引き下げられるか(AI作成)

能力不足・協調性不足による普通解雇―改善指導・配置転換・解雇回避措置と裁判例(AI作成)

第1 能力不足・協調性不足による普通解雇の判断枠組み

1 本記事の対象

2 労働契約法16条と就業規則

3 回数・期間による安全基準はない

第2 雇用契約上の能力・職務・評価基準を確定する

1 一般職と職務限定・高度専門職

2 採用時資料と変更範囲の明示

3 相対評価だけでは足りない

第3 能力不足を具体的な事実と業務影響で示す

1 評価語を事実へ置き換える

2 業務への影響を確認する

3 使用者側の原因を切り分ける

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高年齢者雇用安定法の60歳・65歳・70歳ルールと制度の沿革(AIリライト)

第1 現行法の全体像1 この記事の対象と基準日2 60歳未満の定年は禁止される3 65歳までの雇用確保措置は義務である4 70歳までの就業確保措置は努力義務である第2 65歳までの高年齢者雇用確保措置1 三つの措置2 希望者全員を対象とする原則と例外3 継続雇用先の範囲4 契約期間・賃金・勤務時間5 行政上の措置と個別契約上の効果第3 70歳までの高年齢者就業確保措置1 五つの選択肢2 創業支援等措置の手続第4 制度の沿革1 60歳定年の努力義務から義務化まで2 65歳までの雇用確保措置3 希望者全員の継続雇用4 70歳までの就業機会第5 高年齢雇用継続給付1 制度の対象2 最大支給率3 賃金自体の保障とは別の制度である第6 継続雇用制度と個別の労働契約1 津田電気計器事件最高裁判決2 判決の射程第7 統計から見た企業の対応1 令和4年就労条件総合調査2 令和7年高年齢者雇用状況等報告3 二つの統計は分母が異なる第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 法定指針・基本方針4 行政資料5 統計
第1 現行法の全体像
1 この記事の対象と基準日

高年齢者雇用安定法は,正式には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」という。
本記事では,令和8年9月3日現在の法令等に基づき,定年を定める場合の最低年齢,65歳までの雇用確保義務,70歳までの就業確保の努力義務及び高年齢雇用継続給付を整理する。

同法は,船員職業安定法上の船員には適用されない。
また,国家公務員及び地方公務員には,定年の引上げ及び継続雇用制度等を定める同法第2章などが適用されない(同法7条)。

2 60歳未満の定年は禁止される

事業主が定年を定める場合,その年齢は原則として60歳を下回ることができない(高年齢者雇用安定法8条)。
これは60歳定年を義務付ける規定ではなく,定年を定めるならば原則として60歳以上にしなければならないという最低年齢の規定である。

3 65歳までの雇用確保措置は義務である

65歳未満の定年を定めている事業主は,①定年の引上げ,②継続雇用制度の導入,③定年の廃止のいずれかを講じなければならない(同法9条1項)。
この高年齢者雇用確保措置は企業規模にかかわらない法的義務であるが,直ちに65歳定年制を採用しなければならないという意味ではない。

4 70歳までの就業確保措置は努力義務である

65歳以上70歳未満の定年を定めている事業主又は70歳未満までの継続雇用制度を導入している事業主は,65歳から70歳までの就業機会を確保するよう努めなければならない(同法10条の2)。
65歳までの措置が雇用の確保を内容とする法的義務であるのに対し,70歳までの措置は雇用以外の選択肢も含む努力義務である。

第2 65歳までの高年齢者雇用確保措置
1 三つの措置

65歳未満定年の事業主が選択できる高年齢者雇用確保措置は,①定年を65歳まで引き上げること,②65歳までの継続雇用制度を導入すること,③定年制を廃止することである。
継続雇用制度には,定年後に改めて雇用契約を締結する再雇用制度と,同一の雇用契約を定年後も存続させる勤務延長制度が含まれる。

2 希望者全員を対象とする原則と例外

継続雇用制度を選ぶ場合,原則として定年後も働くことを希望する者全員を対象にしなければならない。
平成25年4月1日の改正法施行前に労使協定で設けた対象者基準を老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢に合わせて用いることができた経過措置は,令和7年3月31日に終了した。

もっとも,心身の故障により業務に堪えない場合又は勤務状況が著しく不良で職責を果たせない場合など,就業規則に定める解雇事由又は退職事由に該当するときは,継続雇用しないことができる。
この場合も,年齢に関する事由を用いることはできず,継続雇用しないことについて客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当であることを要する(厚生労働省「高年齢者雇用安定法Q&A」Q1-1)。

3 継続雇用先の範囲

65歳までの継続雇用制度には,自社で引き続き雇用する制度のほか,法令上の特殊関係事業主が引き続き雇用する制度も含まれる。
この仕組みを利用するには,元の事業主と特殊関係事業主との間で,定年後の雇用を約する契約を締結する必要がある(高年齢者雇用安定法9条2項)。

4 契約期間・賃金・勤務時間

継続雇用後の労働時間,賃金及び待遇は,定年前と同一でなければならないわけではなく,関係法令を守った上で労使が話し合って定めることになる。

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有期労働契約の期間・更新・雇止め・無期転換ルール(AI作成)

第1 この記事が扱う有期労働契約1 契約期間の定めがある労働契約2 1回の契約期間の上限第2 締結時及び更新時に明示される事項1 令和6年4月から追加された明示事項2 更新上限を新設又は短縮する場合3 現行の雇止め基準第3 契約期間途中の解雇及び退職1 使用者による期間途中の解雇2 労働者による期間途中の退職第4 無期転換申込権1 発生要件及び申込みができる期間2 申込みの効果及び無期転換後の労働条件3 無契約期間による通算の中断4 申込権の事前放棄及び特例第5 雇止めを制限する労働契約法19条1 雇止め法理の適用要件2 更新期待の合理性を判断する事情3 更新上限及び不更新条項4 雇止め理由とは別の禁止規定第6 主要裁判例が示す区別1 雇止め法理の形成と法定化2 有期契約の更新と無期契約への移行3 期間途中の解雇と期間満了第7 待遇及び実務上の確認事項1 有期契約労働者の待遇2 使用者及び労働者が確認する資料第8 出典・参考資料1 法令・告示2 裁判例3 厚生労働省資料第1 この記事が扱う有期労働契約1 契約期間の定めがある労働契約

有期労働契約とは,契約の終了日が定められた労働契約である。「契約社員」「パート」「アルバイト」「嘱託」等の呼称ではなく,労働契約に期間の定めがあるかによって判断する。派遣労働者の場合,原則として労働契約上の使用者は派遣元であるため,派遣先との労働者派遣契約の終了と,派遣元との有期労働契約の終了を区別する必要がある。

本記事は,民間企業等における有期労働契約について,契約期間の上限,令和6年4月以降の労働条件明示,期間途中の解雇・退職,無期転換及び雇止めの順に,令和8年8月15日現在の制度を整理するものである。個別事案では契約書,就業規則,更新経過及び使用者の説明によって結論が変わるため,本記事は特定の事案に対する法的助言を目的とするものではない。

2 1回の契約期間の上限

労働基準法14条により,1回の有期労働契約の期間は原則として3年を超えることができない。高度の専門的知識等を有する労働者及び満60歳以上の労働者については5年までとすることができ,一定の事業の完了に必要な期間を定める契約については,その事業の完了に必要な期間を定めることができる。

この上限は1回の契約期間に関するものであり,更新後を含む通算契約期間の一般的上限ではない。1回の契約期間,更新回数又は通算契約期間について使用者が設ける更新上限,労働契約法18条の通算5年ルールは,それぞれ別の制度である。

第2 締結時及び更新時に明示される事項1 令和6年4月から追加された明示事項

労働基準法15条及び労働基準法施行規則5条により,使用者は,労働契約の締結時に賃金,労働時間,契約期間その他の労働条件を明示しなければならない。令和6年4月1日以降は,全ての労働者について,就業場所及び業務の「変更の範囲」を締結時と有期労働契約の更新時に明示する必要がある。

有期労働契約については,更新上限,すなわち通算契約期間又は更新回数の上限の有無及び内容を,契約締結時と更新時ごとに明示する必要がある。無期転換申込権が発生する契約の更新時には,無期転換を申し込むことができる旨及び無期転換後の労働条件を明示しなければならない。申込権を行使しない意向を労働者が示した場合も,申込権が発生する更新時ごとの明示が必要である。具体的な記載例は,厚生労働省の令和6年4月からの労働条件明示ルール変更案内及び改正労働基準法施行規則等に係るQ&Aで確認できる。

2 更新上限を新設又は短縮する場合

契約締結後,契約の変更又は更新に際して更新上限を新設し,又は従前の上限を短縮しようとする場合,使用者は,あらかじめその理由を労働者に説明しなければならない。説明方法は法令上限定されていないが,説明した内容及び時期を後から確認できるよう,書面等の記録を残すことが紛争防止に資する。

更新上限を労働条件通知書に記載しなかったことだけから,直ちに私法上の上限が存在しないという結論が生じるとは限らない。他方,明示又は説明を欠いたことは,労働基準法上の問題となるほか,更新上限に関する合意の有無や,後述する更新期待の合理性を判断する事情になり得る。

3 現行の雇止め基準

厚生労働大臣は労働基準法14条2項に基づき,有期労働契約の締結,更新,雇止め等に関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号)を定めている。令和6年4月1日以降の現行基準は,次の5項目で構成される。

①契約締結後に更新上限を新設し,又は短縮する場合の事前の理由説明,②3回以上更新した者又は雇入れから1年を超えて継続勤務した者に対する原則30日前までの雇止め予告,③労働者が請求した場合の雇止め理由証明書の遅滞ない交付,④1回以上更新し,かつ,1年を超えて継続勤務した者を更新する場合に契約期間をできる限り長くする努力義務,⑤無期転換後の労働条件を定める際に均衡を考慮した事項について説明する努力義務である。

30日前予告の対象からは,あらかじめ当該有期労働契約を更新しない旨が明示されているものが除かれる。雇止め理由証明書には,単なる「契約期間満了」ではなく,担当業務の終了,事業縮小,能力・勤務成績等,更新しなかった実質的な理由を記載することが求められる。これらの手続に違反したことだけで雇止めが当然に無効となるわけではないが,労働契約法19条による雇止めの審査とは別に履行すべき基準である。

第3 契約期間途中の解雇及び退職1 使用者による期間途中の解雇

労働契約法17条1項は,使用者が有期労働契約の期間途中に労働者を解雇するためには「やむを得ない事由」が必要であると定める。この要件は,期間の定めのない労働契約における労働契約法16条の解雇権濫用法理よりも厳格であり,使用者は,残りの契約期間を含めて雇用を継続することが困難な事情を具体的に示す必要がある。

同条2項は,使用者に対し,労働者を使用する目的に照らして必要以上に短い期間を定め,その契約を反復更新しないよう配慮することも求めている。有期契約であれば終了させやすいとは限らず,期間途中の解雇と期間満了時の雇止めでは要件が異なる。

有期労働契約に試用期間を設ける場合の契約設計,期間途中の解雇及び期間満了時の取扱いについては,有期雇用契約における試用期間-設定と契約終了の法的整理(AI作成)を参照されたい。

2 労働者による期間途中の退職

労働者側が期間途中に退職する場合は,労働契約法17条1項ではなく,民法628条が基本となる。同条は,当事者にやむを得ない事由がある場合,直ちに契約を解除できるとする一方,その事由が一方当事者の過失によって生じた場合の損害賠償も定めている。

もっとも,一定の1年を超える有期労働契約については,労働基準法137条により,契約開始から1年を経過した後,労働者は使用者に申し出ることによっていつでも退職できる。一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約及び労働基準法14条1項各号に該当する契約は,この取扱いから除かれる。

これらの法定解除とは別に,労使が合意すれば,契約期間中でも合意した日をもって退職できる。また,労働者が一定の予告により期間途中に退職できる旨の,労働者に有利な契約条項又は就業規則がある場合は,その適用を確認する。有期契約であることだけで,合意退職や約定に基づく中途退職まで否定されるものではない。

派遣労働者については,派遣元との労働契約の終了と,派遣元・派遣先間の個別派遣契約の終了は別である。退職後に派遣先へ入社する際の雇用制限,紹介手数料及び中途解約等の費用については,派遣社員の直接雇用-雇用禁止条項,紹介手数料及び紹介予定派遣(AI作成)を参照されたい。

第4 無期転換申込権1 発生要件及び申込みができる期間

労働契約法18条により,同一の使用者との間で二つ以上の有期労働契約が締結され,契約期間を通算して5年を超える場合,労働者は期間の定めのない労働契約の締結を申し込むことができる。通算対象となるのは,平成25年4月1日以後の日を契約期間の初日とする有期労働契約である。

申込権は,通算契約期間が5年を超えることになる契約の初日から発生する。例えば,1年契約を5回更新して6年目の契約を締結する場合,6年目の契約の初日から満了日まで申込みができる。5年を経過した日の翌日に自動的に無期契約へ変わる制度ではなく,労働者の申込みが必要である。申込みをしないままさらに更新した場合も,その後の更新ごとに申込権が発生する。

「同一の使用者」は原則として労働契約の当事者である法人又は個人事業主を単位として判断する。1回限りの完成事業型契約が5年を超えても,「二以上の有期労働契約」という要件を満たさないため,同条による申込権は発生しない。この点は厚生労働省の労働契約法施行通達にも明記されている。

2 申込みの効果及び無期転換後の労働条件

労働者が無期転換を申し込むと,使用者はその申込みを承諾したものとみなされ,拒否することはできない。ただし,申込み時の有期労働契約が直ちに無期契約へ変わるのではなく,その契約の満了日の翌日から無期労働契約が始まる。口頭による申込みが一律に排除されているわけではないが,申込日及び内容を確認できる書面又は電子メール等によることが望ましい。

無期転換後の労働条件は,契約期間を除き,原則として申込み時の有期労働契約と同一である。就業規則,労働協約又は個別合意に別段の定めがある場合はその定めが問題となるが,無期転換は当然に正社員化,昇給又は職務・勤務地限定の解除を意味しない。反対に,無期転換を理由として不合理に不利益な条件を設けることが当然に許されるわけでもなく,現行の雇止め基準5条は,他の労働者との均衡を考慮した事項について説明する努力義務を定めている。

3 無契約期間による通算の中断

有期労働契約の間に一定の無契約期間があると,その前の契約期間が通算されないことがある。直前までの通算契約期間が1年以上である場合は6か月以上の無契約期間が必要であり,1年未満の場合は次のとおりである。

直前までの通算契約期間通算を中断する無契約期間2か月以下1か月以上2か月超4か月以下2か月以上4か月超6か月以下3か月以上6か月超8か月以下4か月以上8か月超10か月以下5か月以上10か月超6か月以上

休職,育児休業その他の在籍したままの不就労期間は,労働契約が終了していないため,通常は無契約期間に当たらない。クーリング期間の計算例は,厚生労働省の無期転換ルールハンドブック2025で確認できる。

同一の使用者との間で引き続き有期労働契約を締結する場合,従前と異なる契約書を作成し,又は「更新」ではなく「新規契約」「再契約」と呼んだだけでは,通算契約期間が当然に中断するものではない。
通算から除外されるためには,労働契約法18条2項及び関係省令が定める無契約期間等を確認する必要がある。

更新上限後の再雇用をあらかじめ予定しながら,無期転換申込権の発生を避けるために形式的な無契約期間を設けた疑いがある場合は,使用者の同一性,業務の継続性,再雇用の約束及び制度の目的を含め,契約関係の実態を確認する必要がある。
厚生労働省の「無期転換ルールQ&A」も,契約更新上限を設けた上で形式的にクーリング期間を設定し,期間経過後の再雇用を約束して雇止めを行う場合,その雇止めが客観的に合理的な理由を欠くものとされる可能性があると説明している。

4 申込権の事前放棄及び特例

厚生労働省の労働契約法施行通達は,無期転換申込権が発生する前に,申込権を行使しないことを更新の条件とするなど,将来の申込権を放棄させる意思表示について,労働契約法18条の趣旨を没却し,公序良俗に反して無効と解されるとしている。申込権が発生した後の放棄についても,権利内容及び不利益を理解した自由な意思に基づくかを個別に確認する必要があり,定型書式への署名だけで一律に判断することはできない。

有期雇用特別措置法に基づく認定計画の対象となる高度専門職及び定年後継続雇用者には,通算契約期間の算定に関する特例がある。高度専門職については年収1,075万円以上等の要件があり,特定有期業務の期間中,最長10年まで無期転換申込権が発生しない。定年後継続雇用者についても,第二種計画の認定を受けた事業主等に定年後引き続いて雇用される期間が対象である。科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律15条の2又は大学教員任期法7条の対象となる研究者・教員等については,労働契約法18条1項の「5年」が「10年」と読み替えられるため,対象となる業務,大学等との関係及び任期に関する定めを個別に確認する必要がある。制度の対象と申請手続は,厚生労働省の無期転換ルール及び有期雇用特別措置法の案内で確認できる。

第5 雇止めを制限する労働契約法19条1 雇止め法理の適用要件

有期労働契約は原則として期間満了により終了するが,労働契約法19条は,一定の場合に使用者の雇止めを制限する。同条が対象とするのは,①過去に反復更新された契約について,雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できる場合,又は②契約期間満了時に更新されるものと労働者が期待することについて合理的な理由がある場合である。

労働者は,契約期間満了日までに更新を申し込むか,期間満了後遅滞なく有期労働契約の締結を申し込む必要がある。雇止めに異議を述べ,就労継続の意思を明らかにする行為も申込みと評価され得る。これらの要件を満たし,使用者の更新拒絶に客観的に合理的な理由がなく,社会通念上相当と認められない場合,使用者は従前の有期労働契約と同一の労働条件で申込みを承諾したものとみなされる。その効果は有期契約の更新であり,当然に無期契約又は正社員契約が成立するわけではない。

更新時に賃金又は所定労働日数を引き下げる条件が提示された場合は,変更後の条件についての合意の成否と,従前の条件による更新申込みに対する拒絶が労働契約法19条によって制限されるかを分けて検討する必要がある。単に条件が折り合わなかったというだけで契約終了と判断せず,同条の適用要件及び申込みの有無を確認する。新しい契約書が作成されている場合も,署名の有無と併せて,従前の条件による更新を求めた時期,異議又は留保の内容,説明・交渉の経過を確認することが有用である(労働契約法8条・19条)。

定年後再雇用における更新条件の切下げと雇止めの具体例,更新前の対応については,定年後再雇用の更新時に勤務日数・賃金を引き下げられるかを参照されたい。

定年後再雇用の制度については高年齢者雇用安定法に関するメモ書き,通常の労働者との待遇差については業務内容が変わらない定年後再雇用社員の賃金水準の目安も参照されたい。

2 更新期待の合理性を判断する事情

更新期待の合理性は,契約期間満了時を基準として,契約書の文言だけでなく,契約関係の全体から判断される。主な事情は,①業務が恒常的か臨時的か,②職務内容及び正社員との相違,③更新回数及び通算勤務期間,④更新手続が実質的な審査を伴っていたか又は形式化していたか,⑤採用時及び更新時の説明・言動,⑥同種労働者の更新・雇止め実績,⑦更新上限又は不更新条項の設定時期・内容・運用,⑧更新基準と実際の運用が一貫していたかである。

初回の契約でも,採用時の具体的な説明等によっては更新期待が成立する余地がある。他方,更新回数が多いことだけで労働契約法19条の適用が決まるわけではなく,業務の性質,更新審査及び契約締結時からの説明を含む総合判断となる。

3 更新上限及び不更新条項

採用時から更新上限が明確に示され,実際にも一貫して運用されている場合,上限を超える更新期待は認められにくくなる。他方,長期間の反復更新によって更新期待が形成された後に上限を新設し,労働者が不更新条項のある契約書に署名した場合も,従前の更新期待が当然に消滅するわけではない。署名しなければ直近の更新を受けられない状況,説明内容,例外運用及び労働者が雇用継続を求めた経過等を併せて検討する必要がある。

福岡地裁令和2年3月17日判決(平成30年(ワ)第1904号)は,約30年間に29回更新された契約について,平成25年以降の契約書に5年後は更新しない旨が記載されていた事案を扱った。同判決は,不更新条項のある契約書への署名だけから契約終了の明確な意思を認定せず,従前の形骸化した更新,例外を含む制度及び雇用継続を求めた経過等を踏まえて合理的な更新期待を認め,一般的な人件費削減等の理由では雇止めの合理性を肯定するには不十分であると判断した。これは個別事案の判断であり,全ての更新上限又は雇止めを無効とするものではない。

無期転換申込権の発生を避ける動機があったことだけで,更新上限又は雇止めが直ちに無効になると断定することもできない。もっとも,厚生労働省は,無期転換ルールの適用を免れる意図で申込権発生前に雇止め等を行うことは労働契約法18条の趣旨に照らして望ましくなく,従前の更新実績等によっては雇止めが許されない場合があると説明している。

4 雇止め理由とは別の禁止規定

労働契約法19条の更新期待が認められない場合でも,妊娠・出産,育児休業,介護休業又は正当な労働組合活動等を理由とする不利益取扱いが許されるわけではない。雇止めの理由が男女雇用機会均等法,育児介護休業法又は労働組合法等の禁止規定に抵触しないかは,労働契約法19条とは別に検討する必要がある。

第6 主要裁判例が示す区別1 雇止め法理の形成と法定化

最高裁昭和49年7月22日第一小法廷判決(昭和45年(オ)第1175号,民集28巻5号927頁)は,反復更新された有期契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態にあった事案で,雇止めに解雇法理を類推した。最高裁昭和61年12月4日第一小法廷判決(昭和56年(オ)第225号,裁判集民事149号209頁)は,実質的に無期契約と同視できない場合でも,更新期待に合理性があるときは雇止めが制限され得ることを示した。労働契約法19条1号及び2号は,これらの判例法理を条文化したものである。

2 有期契約の更新と無期契約への移行

最高裁平成28年12月1日第一小法廷判決(平成27年(受)第589号)は,3年の更新限度後に無期契約へ移行できる制度について,規程の内容,本人の認識,職務の性質及び無期契約へ移行しなかった者の実績等を踏まえ,当然に無期契約へ移行したとはいえないとした。有期契約が更新される期待と,期間満了後に無期契約へ移行できる期待は同一ではなく,労働契約法18条の要件又は別の合意がないまま無期契約が成立するとは限らない。

3 期間途中の解雇と期間満了

最高裁令和元年11月7日第一小法廷判決(平成30年(受)第755号)は,有期労働契約の期間途中の解雇が労働契約法17条1項に反して無効であっても,その後に契約期間が満了した場合,契約が終了したかを別途判断しなければならないとした。期間途中の解雇が無効であることから,契約期間満了後も当然に地位が継続するわけではなく,満了後については更新の合意又は労働契約法19条の要件を検討する必要がある。

第7 待遇及び実務上の確認事項1 有期契約労働者の待遇

有期契約労働者と通常の労働者との待遇差については,短時間・有期雇用労働法8条の不合理な待遇差の禁止及び9条の差別的取扱いの禁止が中心となる。旧労働契約法20条は削除されているため,現在の待遇差を同条によって説明するのは適切でない。通常の労働者への転換措置及び説明義務を含む制度の詳細は,同一労働同一賃金で整理している。

無期転換後の労働者は,契約期間の定めがなくなるため,「有期雇用労働者」ではなくなる。もっとも,週の所定労働時間が通常の労働者より短ければ短時間労働者として同法の対象となり得るほか,労働契約法,就業規則の合理性その他の規制がなくなるわけではない。

2 使用者及び労働者が確認する資料

使用者側では,①契約開始日,更新日,通算契約期間及び無契約期間を記録すること,②契約書及び労働条件通知書に更新基準・更新上限・変更の範囲を明示すること,③申込権が発生する更新時に無期転換申込機会及び転換後の労働条件を明示すること,④更新上限を新設又は短縮する前に理由を説明すること,⑤雇止め前に更新期待,禁止される理由,30日前予告及び理由証明への対応を確認することが基本となる。労働条件の一般的な明示事項は,労働基準法に関するメモ書きも参照されたい。

労働者側では,契約書,労働条件通知書,就業規則,更新通知,評価資料及び更新に関する電子メール等を保存し,更新又は無期転換を希望する場合は,申込日と内容を確認できる方法で意思を表示することが有用である。雇止め後の申込みは「遅滞なく」行う必要があり,契約満了日が迫っている場合は,行政相談又は法律相談を含む早期の確認が必要となる。

第8 出典・参考資料1 法令・告示

①e-Gov法令検索「労働基準法」14条,15条及び137条

②e-Gov法令検索「労働契約法」8条及び16条~19条

③e-Gov法令検索「民法」628条

④e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」8条,9条,13条及び14条

⑤e-Gov法令検索「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」

⑥e-Gov法令検索「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」15条の2及びe-Gov法令検索「大学の教員等の任期に関する法律」7条

⑦厚生労働省「有期労働契約の締結,更新,雇止め等に関する基準」(平成15年厚生労働省告示第357号,令和5年厚生労働省告示第114号による改正後)

2 裁判例

①最高裁判所第一小法廷昭和49年7月22日判決(昭和45年(オ)第1175号,民集28巻5号927頁,裁判所ウェブサイト)

②最高裁判所第一小法廷昭和61年12月4日判決(昭和56年(オ)第225号,裁判集民事149号209頁,裁判所ウェブサイト)

③最高裁判所第一小法廷平成28年12月1日判決(平成27年(受)第589号,裁判所ウェブサイト)

④最高裁判所第一小法廷令和元年11月7日判決(平成30年(受)第755号,裁判所ウェブサイト)

⑤福岡地方裁判所令和2年3月17日判決(平成30年(ワ)第1904号,裁判所ウェブサイト)

3 厚生労働省資料

①厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが変わります」及び「令和6年4月施行の改正労働基準法施行規則等に係るQ&A」

②厚生労働省「有期契約労働者の無期転換サイト」及び「無期転換ルールハンドブック2025」

③厚生労働省「労働契約法の施行について」の一部改正について(平成30年12月28日基発1228第17号)

④厚生労働省「無期転換ルール及び有期雇用特別措置法」

⑤厚生労働省「無期転換ルールQ&A」