目次
第1 記事の対象と結論1 令和8年9月9日現在の公開資料による整理2 三つは同じ種類の区分ではない第2 できることの比較1 比較表2 調達資料の表を読む際の注意第3 GビズIDメンバー1 組織に所属する職員のためのアカウントである2 共用アカウントにしない3 広いシステム権限と訴訟代理権は別である第4 サポーター1 提出操作を補助する事件単位の役割である2 サポーターであるだけでは送達受取人にならない第5 システム送達受取人1 システム送達を受けるための役割である2 送達の効力発生時期を管理する第6 サポーター兼システム送達受取人1 提出と送達受領を兼ねるが,常時閲覧とは別である第7 登録前に決めること1 後からGビズID利用へ切り替えられないとの改修方針がある2 二つの台帳を分けて管理する第8 先行導入と再確認事項1 名古屋での先行導入予定2 導入時に再確認する事項第9 関連記事第10 出典1 法令及び裁判所規則2 裁判所の制度・調達資料3 GビズIDの公式資料4 職能団体及び一般公開の解説
第1 記事の対象と結論
1 令和8年9月9日現在の公開資料による整理
本記事は,令和8年9月9日現在に公表されている民事訴訟法,民事訴訟規則,裁判所の調達資料,GビズIDの公式資料及び一般公開の解説を基礎に,TreeeSで法律事務所の事務職員が行える操作を整理するものである。
TreeeSの最終的な利用者向け操作マニュアル及び本番環境の権限表は一般公開資料から確認できていないため,調達資料に記載された設計又は改修方針を,完成済みの確定仕様として扱うものではない。
2 三つは同じ種類の区分ではない
結論として,GビズIDメンバー,サポーター及びシステム送達受取人は,同列の三択ではない。
GビズIDメンバーは,GビズIDプライムを保有する組織の職員について作成する組織・認証上のアカウント区分であるのに対し,サポーター及びシステム送達受取人は,TreeeS上の事件への関与方法又は役割を示す区分である。
したがって,事務職員の登録方法を決めるときは,①どのアカウントで本人確認及びログインを行うか,②どの事件に関連付けるか,③提出,事件記録の常時閲覧及びシステム送達の受領のうち何を担当させるかを分けて検討する必要がある。
アカウントの種類だけを決めても,事件単位の権限設計が終わったことにはならない。
第2 できることの比較
1 比較表
区分GビズIDメンバーをTreeeSと連携する場合サポーターシステム送達受取人サポーター兼システム送達受取人制度上の位置付け組織の職員向けの認証アカウント事件単位の提出補助の役割事件単位の送達受領の役割二つの事件上の役割を兼ねる区分書面のオンライン提出一般公開の解説では可能可能その役割だけでは不可可能事件記録の常時閲覧一般公開の解説では可能不可不可不可システム送達の受領一般公開の解説では可能サポーターであるだけでは受取人にならない可能可能確認上の留意点最終的な裁判所公式権限表の確認が必要送達も担当させる場合は別の指定が必要送達対象文書の閲覧と事件記録の常時閲覧は別である常時閲覧が必要なら別の構成を検討する
上表のうち,GビズIDと連携した事務職員が弁護士と同じシステム権限の範囲で操作できるとの部分及び兼任区分の詳細は,法会労メルマガ第662号の一般公開記事による説明である。
この点を直接定める裁判所の最終利用者向けマニュアルは確認できていないため,導入時には裁判所の公式権限表及び実際の登録画面で再確認する必要がある。
2 調達資料の表を読む際の注意
最高裁判所の令和7年7月2日付調達資料62頁は,外部ユーザを当事者・代理人,サポーター,送達受取人及び第三者に分け,サポーターの例として司法書士及び法律事務所事務員等を挙げている。
同頁の注記は,サポーターにはオンライン提出が必要である一方,事件記録を閲覧できず,サポーターであることから直ちに受送達者となるものではないとしている。
同資料はシステム対応の観点から作られた調達資料であり,最終的な運用マニュアルではない。
特に,表中の技術的な利用可能性と,事件上の役割として当然に付与される権限を混同しないことが重要である。
第3 GビズIDメンバー
1 組織に所属する職員のためのアカウントである
GビズID利用規約は,GビズIDメンバーを,GビズIDプライムを保有する利用者が自己に所属する職員に登録させることができるGビズIDアカウントと定義している。
GビズIDメンバーは,TreeeSの個別事件における肩書そのものではなく,組織との結び付き及び認証方法を管理するための区分である。
GビズIDメンバー編クイックマニュアル令和8年7月版によれば,メンバーアカウントはGビズIDプライム又は管理者権限を持つGビズIDメンバーが作成する。
作成後は,管理者が当該メンバーについて「利用可能なサービス」を選択して保存しなければ,選択した行政サービスを利用できない。
2 共用アカウントにしない
GビズID利用規約は,一つのGビズIDアカウントを複数人が共用する行為を禁止し,プライム及びメンバーの有効期間を発行日から2年3か月としている。
有効期限機能の導入前に発行されたアカウントについては,令和8年7月9日を起算日とする経過措置がある。
したがって,事務職員ごとにアカウント,認証端末,利用可能サービス,有効期限及び退職・異動時の停止担当者を記録する必要がある。
(続きを読む...)TreeeSで事務職員ができること-GビズIDメンバー,サポーター及びシステム送達受取人の違い(AI作成)