第1 最初に登録区分を選ぶ
1 全員が同じフォームを使うわけではない
mintsのアカウントは誰でも登録できるが,登録届出の入口,本人確認資料及び氏名欄の入力方法は利用者の立場によって異なる。個人,法人及び士業者の区分を誤ると,本人確認又は事件との関連付けをやり直すことになるため,最初に自分がどの名義で裁判手続を行うかを決める必要がある。
| 利用者 | 使用する主な公式ガイド | 登録上の要点 |
|---|---|---|
| 一般個人・個人事業主 | 一般個人編 | 窓口又は郵送で本人確認する |
| 弁護士・司法書士・弁理士 | 士業者編 | 所属団体の会員専用フォームから届け出る |
| その他の士業者 | 一般個人編 | 士業者用フォームの対象外である |
| 法人代表者 | 法人編 | 代表権者名義で法人アカウントを作る |
| 商業登記された支配人 | 支配人編 | 支配人の資格証明書が必要である |
| 国・地方公共団体等の指定代理人 | 指定代理人編 | 所属機関の登録経路を用いる |
| 事務員・従業員等の補助者 | 親ユーザに対応するガイド | 補助者単独ではなく親アカウントへ結び付ける |
2 共通して準備するもの
各区分に共通するのは,①本人又は担当者が管理するメールアドレス,②二段階認証に使う電話番号,③区分ごとの本人・資格確認資料である。メーリングリスト等は利用できず,電話番号は携帯電話のほか固定電話でもよい。
メールアドレスはサインインに使い,サインアップ後に付与される14桁のmints IDは,別事件で利用するとき又は補助者を親アカウントへ設定するときに使う。1事件ごとにアカウントを作る必要はなく,一つのアカウントを複数事件で利用できる。
第2 登録に共通する四つの段階
1 メールアドレスの届出
一般個人又は法人は,最寄りの地方裁判所・簡易裁判所の窓口又は裁判所の登録届出フォーム案内からメールアドレスを届け出る。事件が既に係属している場合は,係属裁判所へ届け出ることもできる。
弁護士,司法書士及び弁理士並びにその補助者は,一般向けの登録届出フォームではなく,各士業者団体の会員専用サイトに掲載されたフォームを使う。国・地方公共団体等の指定代理人も,所属機関向けの登録経路を確認する。
2 招待メールからサインアップする
裁判所の`[email protected]`から招待メールが届いたら,記載されたURLからmintsへ入り,「サインイン」を押した後,「今すぐサインアップ」を選ぶ。利用者登録画面には,招待メールを受け取ったものと同じメールアドレスを入力し,180秒以内にメール確認コードを入力する。
パスワードは,英大文字,英小文字,数字及び記号の4種類をすべて含む10文字以上64文字以下で作成する。電話番号を登録し,SMS又は自動音声通話による二段階認証を完了すると,サインアップが完了する。招待メール,確認コード,二段階認証又は登録後のサインインで止まった場合は,mintsにログインできない場合の対処法を参照されたい。
3 本人・資格確認を受ける
サインアップだけでは全機能を利用できない。区分ごとの本人又は資格確認資料を窓口で提示し,又は指定された資料をmintsへアップロードした上で原本を郵送し,裁判所の審査を受ける。本人確認が完了すると,新規申立て,事件一覧,手数料納付情報一覧及び招待キー入力等が利用できる状態になる。
4 本人確認完了後に事件を関連付ける
原告として新規申立てをする場合は,新規申立一覧から手続を開始する。被告又は既に係属する事件へ参加する当事者は,裁判所から交付された12桁の招待キーを入力して事件とアカウントを関連付ける。アカウント登録の招待メールと,個別事件の招待キーは別の段階である。被告本人が紙の訴状を受け取った後の期限確認,招待キー及び答弁書の提出は,mintsで被告になった本人の対応を参照されたい。
第3 一般個人の登録
1 窓口で本人確認する場合
一般個人は,パスポート,マイナンバーカード,運転免許証等の顔写真付本人確認資料を,最寄り又は事件係属の地方裁判所・簡易裁判所へ持参する。本人確認資料に住所の記載がない場合は,住民票の写しも必要となる。
マイナンバーカードは窓口で提示する資料であり,mintsへ画像をアップロードしてはならない。裁判所は,誤ってアップロードした場合には直ちに最寄りの裁判所へ連絡するよう明記している。
2 郵送で本人確認する場合
郵送の場合は,発行日から3か月以内の印鑑登録証明書と,登録印を押した所定の届出書を用意する。まず両書面をPDF化してmintsのアカウント設定画面の所定欄へアップロードし,その原本を最寄り又は係属裁判所へ郵送する。
アップロードだけ又は原本の郵送だけで手続が完結するものではない。送付先,担当部署及び原本到着後の審査状況は,届け出た裁判所へ確認する。
3 入力事項
氏名,生年月日及び住所は,本人確認資料で確認できる内容を入力する。住所は100文字以内の全角で入力し,送達場所として使用する場合は公式ガイドが示す表記を確認する。氏名,生年月日及び住所は登録後に利用者自身で変更できないため,入力誤りに気付いた場合は本人確認をする裁判所へ知らせる。
第4 弁護士・司法書士・弁理士の登録
1 士業者用フォーム
士業者編の対象は,訴訟代理人となり得る弁護士,司法書士及び弁理士である。各団体の会員専用サイトに掲載された士業者アカウント登録フォームから届け出る。社会保険労務士,行政書士その他の士業者がmintsを利用する場合は,一般個人編に従う。
裁判所の公式ガイドは,届出から招待メールまで3開庁日程度,資格確認資料の提出から登録完了まで3開庁日程度を目安としている。これは一律の完了期限ではないため,直近の提出期限がある事件では余裕をもって手続を始める必要がある。
2 資格確認資料
サインアップ後,所属する士業者団体が発行した身分証明書,印鑑証明書等で士業者登録番号が記載されたものを,本人・資格確認資料欄へアップロードする。資料は有効期限内であることが必要で,有効期限の定めがないものは発行日から6か月以内のものに限られる。
マイナンバーカードは士業者アカウントの資格確認資料ではない。士業者名,生年月日,事務所住所及び登録番号を資料と照合し,事務所名又は送達場所の入力方法は士業者編の指示に従う。
第5 法人及び支配人の登録
1 法人代表者
法人アカウントは,法人の代表権を有する者が代表者名で作成する。一人の代表者名で同じ法人のアカウントを複数作ることはできないが,代表権者が複数いる法人は各代表者名のアカウントを作成できる。代表者が交代した場合は,新しいアカウントを重ねて作るのではなく,登録された法人アカウントの氏名変更を申請する。
窓口本人確認では,代表者本人の顔写真付身分証に加え,発行日から3か月以内の登記事項証明書等,代表者資格を証明する書類を提示する。郵送では,法人の印鑑証明書と登録印を押した届出書のPDFをアップロードし,原本を郵送する。代表者個人の印鑑登録証明書ではない点に注意を要する。
サインアップ後は法人フラグを「あり」に変更し,法人商号,法人等連絡先及び法人等所在地を登録する。メールアドレスは法人代表者の地位に結び付いたもので,メーリングリスト等は利用できない。
2 支配人
法人の商業登記簿上に登記された支配人は,支配人編により登録する。窓口では本人の顔写真付身分証と支配人の資格証明書を提示し,郵送では発行日から3か月以内の本人の印鑑登録証明書,登録印を押した届出書及び法人の登記事項証明書等の支配人資格証明書を送付する。
一般の従業員は支配人アカウントではなく,法人代表者又は支配人の親アカウントに結び付く補助者アカウントを利用する。
第6 補助者アカウント
1 二つの上限を区別する
一つの士業者又は法人の親アカウントに設定できる補助者IDは最大5人である。他方,士業者事務所の一人の事務員は最大10個の補助者アカウントを取得できるが,各アカウントには別のメールアドレスが必要であり,一つの補助者アカウントを複数の親アカウントへ結び付けることはできない。
したがって,「補助者は5人まで」と「事務員は10アカウントまで」は矛盾しない。前者は一つの親アカウントに結び付けられる人数,後者は一人の事務員が異なる親ユーザのために取得できるアカウント数である。
2 登録と親アカウントへの設定
士業者の補助者は親である士業者が会員専用フォームから,法人の補助者は法人アカウントの登録経路から,補助者のメールアドレスを届け出る。補助者の本人確認資料は不要であるが,公式ガイド所定の氏名入力ルールに従わない場合は登録が完了しない。
補助者がサインアップして14桁のmints IDを取得した後,親ユーザがアカウント設定画面の補助者ID欄へ入力して関連付ける。補助者は親名義で事件情報の確認,新規申立て,ファイルのアップロード・閲覧・ダウンロード及び納付情報の確認を行えるが,補助者自身の事件のために親名義の機能を使うことはできない。
第7 登録後の情報変更と安全管理
1 自分で変更できない事項
氏名,住所及び生年月日は利用者自身で変更できず,裁判所への届出が必要である。事件係属中は係属裁判所へ問い合わせ,係属事件がない場合は裁判所ウェブサイトの親ユーザ用又は補助者ユーザ用変更登録申請フォームを利用する。変更内容によっては証明書類が必要となる。
電話番号,メールアドレスその他アカウント設定画面で編集できる項目を変更した場合も,二段階認証と通知先に影響するため,更新後にサインインと通知受信を確認する。共有メール,退職者の電話番号又は第三者の端末を登録したままにしないことが必要である。
2 登録と事件管理を分ける
アカウント登録完了は,個別事件の申立て又は関連付け完了を意味しない。原告は新規申立ての受付状況,被告その他の当事者は招待キー入力後の事件一覧を確認し,提出ファイルが記録へ反映されたかを別に確認する。具体的な画面操作は,mints操作マニュアル2.3版の解説を参照されたい。
出典・参考資料
1 規則・告示等
①最高裁判所「民事事件等に関する手続において用いる識別符号の付与等に関する規則」
②最高裁判所「民事事件等に関する手続において用いる識別符号の付与における本人確認方法に関する要綱」
2 裁判所資料
①最高裁判所「mintsについて」
②最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~一般個人編~」1頁~2頁
③最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~士業者編~」1頁~6頁
④最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~法人編~」1頁~7頁
⑤最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~支配人編~」1頁~7頁
⑥最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~指定代理人編~」1頁~6頁
⑦最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~アカウント情報変更編~」1頁~2頁
⑧最高裁判所「mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~2.3版」(令和8年7月15日改訂)8頁~26頁