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(AI作成)mintsの実務解説 弁護士が抱きそうな疑問に答える

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※以下はAIが生成した要約です。内容の正確性は保証されません。本文をあわせてご確認ください。

本記事は、民事裁判書類電子提出システム「mints(ミンツ)」の実務上の疑問に答えることを目的として、最高裁判所事務総局が公表した「準備の手引」(令和8年5月15日版)・「mints Q&A」(令和8年6月10日版)・「操作マニュアル当事者ユーザ編」(2.2版)の3文書を横断的に整理したものである。制度と根拠条文は準備の手引、実務の疑問はQ&A、画面操作は操作マニュアルと役割を使い分けることが出発点として示されている。

mintsの適用範囲は2段階で広がる。令和8年5月から民事・行政訴訟事件等、令和10年6月から民事保全・破産・強制執行等が全面デジタル化される。弁護士には改正民事訴訟法第132条の11に基づく電子申立ての義務があり、書面提出が許されるのは裁判所側のシステム障害や大規模通信障害などの限られた例外事由に限られる。例外事由の立証責任は書面提出をする側にあり、代理人のPC故障等は原則として例外と認められない。

訴えの提起は新規申立てフォームから行い、被告の氏名・住所の入力、手数料の自動計算、ペイジーによる電子納付の流れをとる。収入印紙は例外事由がある場合を除き使えない。提出できるファイルは記録がPDF等、記録外のみがWord・Excelを受け付け、エクセルを訴訟記録として出すことは不可である。アップロードするPDFの用紙サイズはA4またはA3に限られる。

システム送達は、閲覧・ダウンロードのいずれか早い時点、または通知発出から1週間経過の時点で効力が生じる。補助者の閲覧・ダウンロードも弁護士本人の行為として扱われるため、送達期間や控訴期間の管理には特別の注意が要る。当事者間秘匿の申立ては原則として電子申立て可能だが、秘匿事項届出書面は紙媒体での提出が必須で、誤ってmintsにアップロードすると相手方に閲覧される危険がある。

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
「(AI作成)mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~の解説」も参照してください。

第1 本記事の前提と3つの文書の役割分担

1 本記事が依拠する3つの文書

本記事は,次の3つの文書を基にしている。いずれも最高裁判所が公表又は提供する一次資料である。役割が異なるので,まず各文書の性格を押さえておきたい。

(1) 準備の手引

正式名称は「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」である。最高裁判所事務総局民事局が作成した。令和8年5月15日版を用いる。全48頁。改正民訴法の全面施行後に,訴えの提起から執行までの手続がどう流れるかを,根拠条文とともに示している。いわば「制度と手続の地図」である。

(2) mints Q&A

mintsのトップ画面右下のチャットボットに登録された質問と回答を一覧にしたものである。令和8年6月10日にダウンロードした版を用いる。全15頁。現場でつまずきやすい点が具体的にまとめられている。旧法適用事件向けの回答には【旧】,新法適用事件向けの回答には【新】の表示がある。いわば「公式のFAQ集」である。

(3) 操作マニュアル(当事者ユーザ編)

正式名称は「民事裁判書類電子提出システム操作マニュアル〜当事者ユーザ編〜」である。2.2版(令和8年5月16日改訂)を用いる。本編92頁に別紙5種。サインアップから提出までの画面操作の手順を,図とともに説明している。いわば「画面操作の手順書」である。

2 3つの文書の役割分担

3つの文書は,問いの種類によって使い分けると分かりやすい。整理すると次のとおりである。

  • 「なぜ・いつ・どの条文に基づくのか」を知りたいときは,準備の手引を見る。制度趣旨と根拠条文が書いてある。
  • 「実務でこの場合どうするのか」を知りたいときは,Q&Aを見る。具体的な疑問への回答が並んでいる。
  • 「画面でどう操作するのか」を知りたいときは,操作マニュアルを見る。ボタンの位置や入力欄が示されている。

同じ事項でも,3つの文書は切り口が違う。例えばファイル形式の話題なら,準備の手引は制度上の位置づけ(28頁)を,Q&Aは可否の結論(7頁)を,操作マニュアルはアップロード画面の使い方(64頁以下)を説明する。本記事では,回答ごとにどの文書の何頁に基づくかを明示する。

3 本記事の役割(操作マニュアル解説記事との分担)

当ブログには,操作マニュアルそのものを章立てに沿って解説した記事が「(AI作成)mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~の解説」として存在する。そちらは画面操作の流れを追う記事である。
本記事は,それと役割を分ける。
本記事の主眼は,弁護士が実務で抱きそうな疑問への回答である。画面の操作手順は最小限にとどめ,3つの文書を横断して「結局どうなるのか」を示すことに重点を置く。


第2 mintsの基本と適用範囲

1 mintsとは何か

mintsは「民事裁判書類電子提出システム」である。「ミンツ」と読む(Q&A15頁)。根拠は民訴法第132条の10である(操作マニュアル1頁)。従来,書面の提出は持参・郵便・ファクシミリで行ってきた。mintsは,これをインターネットによるオンライン提出に切り替える基盤である。裁判所職員と当事者・代理人が,同一の電磁的訴訟記録を共有する(操作マニュアル1頁)。

2 全面デジタル化の時期

改正民訴法の全面施行に合わせて,手続が段階的にデジタル化される。全面施行日は令和8年5月21日である。時期は2段階に分かれる(準備の手引45頁)。

(1) 令和8年5月21日に始まる手続

令和8年5月21日から,次の手続が全面デジタル化される。民事・行政訴訟事件(控訴・上告等を含む),督促事件,手形・小切手事件,少額訴訟事件,再審事件,人身保護事件である。加えて民事雑事件(移送,除斥又は忌避,訴訟救助,閲覧等制限・秘匿,文書提出命令,証拠保全の各申立て等)も対象となる(準備の手引45頁)。利用できる裁判所は,全ての高等裁判所・地方裁判所・簡易裁判所である。家庭裁判所では利用できない(Q&A14頁)。

(2) 令和10年6月から始まる手続

遅くとも令和10年6月から,次の手続が全面デジタル化される。民事保全事件,破産・再生・更生事件,不動産・債権・動産等の強制執行・担保権実行事件,非訟事件,調停事件,発信者情報開示命令事件,仲裁関係事件,労働審判事件,DV保護命令申立て事件等である(準備の手引45頁)。

3 旧法適用事件と新法適用事件の区別

(1) 区別の基準

新法適用事件か旧法適用事件かは,「訴えの提起・事件の開始の日」で区別する(準備の手引42頁)。新法適用事件とは,施行日以後に提起された訴えに係る事件,又は施行日以後に開始される民事訴訟に関する事件である。旧法適用事件は,その施行日前の版である。電子申立ての義務が課されるかどうかが変わるので,最初に区別を確認したい。

(2) みなし提起の注意点

注意したいのは,「みなし提起」の場合である。判定は,現実の訴え提起がいつかで行う。例を2つ挙げる(準備の手引42頁)。

ア 施行前に支払督促を申し立て,施行後に督促異議があった場合である。みなし提起の時点(督促申立て時)が施行前なので,旧法適用となる(民訴法第395条)。

イ 施行前に民事調停を申し立て,施行後に不成立となり,2週間以内に訴えを提起した場合である。現実の訴え提起が施行後なので,新法適用となる(民事調停法第19条)。

(3) 併合・反訴の扱い

施行前に提起された旧法事件と,施行後の新法事件を弁論併合すると,併合時から事件全体が旧法適用となる(準備の手引44頁)。また,旧法適用事件への反訴・独立当事者参加は,要件を満たす限り,その提起時から旧法適用事件となる。この場合は書面による申立てが必要である。手数料は収入印紙で納付し,郵便費用を予納する(準備の手引44頁)。


第3 利用を始める前の準備

1 利用環境

mintsを安定して使うには,一定の環境が必要である。OSはWindows 10又はWindows 11である。ブラウザはMicrosoft Edge 110以上又はGoogle Chrome 110以上である。Internet Explorerは対象外である。通信はTLS1.2以上が必須である。電子証明書の取得は不要である(以上,操作マニュアル2頁)。本人確認は二要素認証で行う。

利用時間にも注意したい。原則は24時間365日である。ただし毎月最終土曜の午前2時から午前10時までは,定期メンテナンスで使えない場合がある(mintsトップ画面,操作マニュアル5頁,Q&A15頁)。

2 アカウント登録と本人確認

(1) 識別符号と暗証符号

サインインにはアカウントが必要である。アカウントは,識別符号と暗証符号で構成される。識別符号はサインイン用のメールアドレスである。暗証符号はサインイン用のパスワードである(識別符号規則第1条から第3条まで,改正民訴規則第52条の9第2項。準備の手引7頁)。

(2) 士業者の本人確認資料

士業者のアカウント取得には,本人確認と士業者であることの証明が必要である(識別符号規則第1条第2項,第2条第1項)。

具体的には,アカウント設定画面からPDFで資料をアップロードする。資料は,所属する会(日弁連・単位会や日司連等)の身分証明書と,単位会発行の印鑑証明書である。審査が完了するとアカウントが付与される(以上,準備の手引8頁)。なお,本人確認資料その他をアップロードする際に,マイナンバーカードをmintsにアップロードしてはならない(mintsトップ画面の注意書き)。

なお,施行前に取得したアカウントは,施行後もそのまま使える。施行前は本人確認資料の提出を求めていない。そのため,施行前に早めに登録しておく方が簡便である(準備の手引7頁)。

(3) 登録後に変更できない項目

登録した氏名・生年月日・住所は,登録後に自分で編集できない(操作マニュアル11頁,Q&A3頁)。変更が必要なら,裁判所に本人確認の手続を改めて申し出る。初期入力のミスに注意したい。住所欄には,事務所の住所を入力する。末尾に「(送達場所)」と明記する。この情報は新規申立てフォームに自動反映される(操作マニュアル11頁,Q&A2頁,準備の手引12頁)。

3 二要素認証

サインインのたびに二要素認証を行う(Q&A3頁)。手順は2段階である。まず登録メールアドレスに確認コードが届く。確認コードの有効期限は発行後180秒である(操作マニュアル10頁)。次に電話認証を行う。SMSでのコード受信か,自動音声の電話着信かを選ぶ。国コードは「日本+81」のみで,海外からの受信拒否設定は解除しておく(操作マニュアル11頁・12頁)。固定電話も使える。IP電話は,シャープボタンの押下が求められる関係で,機種によって認証できないことがある(以上,Q&A2頁・3頁)。

4 補助者の設定

事務職員を「補助者」として設定できる。弁護士(親ユーザ)1人につき,最大5名まで登録できる(準備の手引9頁,Q&A13頁)。手順は次のとおりである。まず職員自身がサインアップする。次に,自分のアカウント設定画面に表示される14桁のIDを弁護士に伝える(mintsのIDは14桁である。Q&A4頁)。弁護士が,アカウント設定画面の補助者ID欄にそのIDを入力する(準備の手引9頁)。

補助者の操作は,法的には親ユーザである弁護士が行ったものとみなされる(準備の手引9頁)。ここに注意点がある。補助者が書類を閲覧・ダウンロードした場合も,弁護士本人が閲覧・ダウンロードしたものとして扱われる(Q&A12頁)。後述するとおり,これは送達の効力発生に直結する。補助者の登録名は,氏「補助者●●××」,名「弁護士△△○○」と登録する(準備の手引9頁)。


第4 弁護士の電子申立て義務

1 義務の内容と根拠

弁護士等の訴訟代理人には,電子申立ての義務がある(改正民訴法第132条の11第1項)。義務があるにもかかわらず書面で訴えを提起すると,その訴えは不適式な申立てとして却下されるのが原則である(以上,準備の手引10頁)。まずこの原則を押さえたい。

2 例外事由

(1) 例外が認められる場合

例外として書面提出が許されるのは,「裁判所の使用に係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由」がある場合である(改正民訴法第132条の11第3項)。書面で提出するときは,例外事由がある旨とその具体的内容を記載した書面を添付する(改正民訴規則第52条の14)。例外事由の立証責任は,書面提出をする側にある。

例外が認められる典型は2つある。1つは,専ら裁判所側の事情でシステムが使えない場合である。これは基本的に公知の事実として扱われる。もう1つは,大規模な通信障害である。この場合は,通信事業者に障害が発生したことと,代理人がその事業者を利用していることの立証が必要である(以上,準備の手引10頁)。

(2) 例外が否定される場合

例外が否定される典型は,代理人の側のPC・周辺機器の故障である。改正法は,代理人がPC等を準備・管理することを前提としている。そのため,他の端末・回線や裁判所設置端末の利用といった代替手段をとることが求められる。代替手段を尽くせる以上,例外が認められる場合は限られる(以上,準備の手引11頁)。

3 申立てができないときの代替手段

自分のPCで申立てができず,原因が分からないときがある。時効完成や控訴期間満了が迫る場合には,次の代替策を順に試す(準備の手引11頁)。

ア まず確認する。インターネット接続とサインインの可否を確認する。PC・ルーター等の設定を確認し,再起動で改善するかを見る。

イ 事務所内の他の端末・回線を使う。他のPCやタブレットを使う。スマートフォンのテザリングで接続する。

ウ 裁判所設置端末を使う(開庁時間中のみ)。訴状等を記録したUSBメモリを持参し,裁判所設置端末で電子申立てをする。

これらを尽くしてもできなかった場合は,その状況を陳述書等の証拠で裏付ける。サインインできない画面の動画やスクリーンショットが考えられる。そうすることで,例外事由が認められることもある(準備の手引11頁)。


第5 訴えの提起

1 新規申立てフォームの流れ

訴えの提起は,新規申立てフォームから行う(準備の手引3頁,操作マニュアル30頁)。「新規申立一覧」画面から「新規作成」を選ぶ。

フォームは,当事者・代理人情報,申立内容,添付書類,参考事項のタブで構成される。「申立内容」タブでは,申立ての趣旨(上限400字)と理由(上限10000字)を直接入力できるほか,これらを記載したPDFを「添付書類」として提出することもできる。長文や体裁を整えたいものはPDFで出すのが確実である。なお,趣旨・理由の欄にタブ文字が混入すると「使用できない文字が含まれています」とのエラーになるので,ワープロソフトから貼り付けるときは注意する。
入力中の放置はタイムアウトを招く。データが失われるので,こまめに「保存」を押す。一時保存データは,最終保存から1か月間保持される(Q&A5頁)。

「提出」ボタンを押すと,訴えの提起が完了する。その後,裁判所が事件を立件する。次に,事件情報に原告訴訟代理人を関連付ける。この関連付けの後に,記録一覧画面へ訴状・証拠・証拠説明書をアップロードする流れになる(準備の手引3頁)。

2 原告及びその代理人(提起側)の情報の入力

「当事者・代理人情報」タブには,被告だけでなく,原告本人及び原告訴訟代理人の情報も入力する。原告側は「提起側」として入力し,被告(相手側)と区別される。被告は原告側がデータを入力すれば足りるのに対し,原告及びその代理人は,自らmintsアカウントを保有して電子申立てを行う主体である点で立場が異なる。

(1) 原告本人は「提起側」を選んで入力する

原告本人の情報も,被告と同じく「当事者・代理人情報」タブに1件ずつ入力する(操作マニュアル53頁)。まず「提起側・相手側の選択」で「提起側」を選ぶ。原告が提起側,被告が相手側である。
次に「属性」を選び,個人なら「本人(個人)」,法人なら「本人(法人)」を選ぶ。属性の選択肢は,「本人」「代理人」「サポータ」「送達受取人」の別と「個人」「法人」の別を組み合わせた8種類である。当事者本人は「本人(個人)」又は「本人(法人)」を選ぶ。

(2) 原告代理人は「入力者の情報呼出」で自動入力できる

入力者である訴訟代理人自身の情報は,「入力者の情報呼出」を使うとアカウント登録情報から自動入力される。ただし,アカウントに自宅住所を登録していると,自宅住所が呼び出される。そこで,アカウント登録時に「住所」として事務所住所(末尾に「(送達場所)」を付す)を登録しておきたい(準備の手引12頁)。氏名・生年月日・住所はアカウント登録後に編集できないので,登録の段階で確認しておく必要がある。

(3) 「システム送達を受ける旨の届出」はオンのままにする

弁護士には,システム送達を受ける旨の届出が義務付けられている(改正民訴法第132条の11第2項)。そのため,新規申立てフォームの「システム送達を受ける旨の届出」ボタンは,オンのままにしておく(準備の手引12頁)。これをオフにすると,後に改めて届出をしなければならない。届出を欠くと,関連付けが解除されることがあるほか,書記官が閲覧・ダウンロードできる措置を講じた時から1週間でシステム送達の効力が生じてしまう(改正民訴法第109条の4)。

(4) 原告代理人が複数(共同受任)のとき

訴状に表示したい共同代理人の氏名は,入力者である代理人とあわせてフォームに入力する。委任状記載の全員を入力する必要はない。代理人を含む当事者の合計が10名を超えるときは,CSVファイルで一括提出する。入力者以外の代理人は,関連付けの後,各自で速やかにシステム送達を受ける旨の届出を提出しなければならない。システム入力者が他人の届出トグルをオンにしても,その代理人が届出をしたことにはならない。入力の詳細は,後記5を参照されたい。

(5) 原告が法人又は国であるとき

原告が法人なら,属性を「本人(法人)」にし,法人番号を入力する。法人番号が指定されていない法人は,「0000000000000」(ゼロ13桁)を入れる。原告が国であるときは,本人(法人)を選び,名称「国」,法人番号は法務省の番号,代表者「法務大臣」等を入力する。原告の氏名に使えない文字(外字)があるときは,正字に置き換える。置換が難しければ,カタカナで入力したうえで,手書きしたもののPDFを「添付書類」として提出する(以上,Q&A5頁,操作マニュアル6頁)。

3 被告(相手方)の情報の入力

(1) 被告を1件ずつ入力する手順

被告の情報は,この「当事者・代理人情報」タブに入力する。訴状本文を別に作るのではない。フォームの当事者入力欄で,1件ずつ次のとおり入力する(操作マニュアル53頁)。

ア 「提起側・相手側の選択」で「相手側」を選ぶ。原告が提起側,被告が相手側である。

イ 「属性」を選ぶ。個人なら「本人(個人)」,会社なら「本人(法人)」である。

ウ 「肩書」に「被告」と入力する。肩書は自由入力の欄である。

エ 被告の氏名・住所を入力する。

被告が複数いれば,同じ要領で2人目以降を追加する。なお,被告本人のmintsアカウントは不要である。原告側が被告の氏名・住所をデータとして入力すればよい。被告は送達を受け,代理人が就いた段階で,その代理人が招待キーで事件に関連付ける(準備の手引4頁・20頁)。

(2) 10名以内と10名超

当事者と代理人の合計が10名以内なら,フォームに直接入力する。10名を超えるなら,11名目以降をフォームに入力できないため,当事者情報CSVファイルで一括提出する。CSVの作成ツールが用意されている(以上,Q&A4頁,準備の手引12頁)。

(3) 法人又は国を被告とする場合

被告が法人なら,属性を「本人(法人)」にし,法人番号を入力する。法人番号が指定されていない法人は,「0000000000000」(ゼロ13桁)を入れる。国を被告とする場合は,本人(法人)を選び,名称「国」,法人番号は法務省の番号,代表者「法務大臣」等を入力する(以上,Q&A5頁)。

(4) 行政訴訟の被告と処分行政庁の書き方

取消訴訟などの抗告訴訟では,被告の書き方に注意が要る。被告となるのは,処分をした行政庁そのものではない。その行政庁が所属する国又は公共団体である(行政事件訴訟法第11条第1項)。

したがって,mintsの「当事者・代理人情報」タブで被告として入力するのも,国又は公共団体である。国が被告なら,前記(3)のとおり名称「国」・代表者「法務大臣」等を入力する。○○県が被告なら,属性を「本人(法人)」とし,名称「○○県」・代表者「○○県知事」と入力する。

処分をした行政庁(処分行政庁)は,訴状に記載しなければならない(行政事件訴訟法第11条第4項)。被告の表示に続けて「処分行政庁 ○○」と書く。例えば,被告「国」・代表者「法務大臣」・処分行政庁「○○国税局長」のように記載する。処分行政庁そのものは当事者ではない。そのため,当事者として別に入力するのではなく,被告(国・公共団体)の表示の一部として訴状に記載する。記載欄の細部は,操作マニュアルの新規申立ての項で確認するとよい。

(5) 使えない文字(外字)があるとき

被告の氏名に,システムで使えない文字(外字)があることがある。使用できる文字はJIS X 0213が基本である(操作マニュアル6頁)。使えない文字は正字に置き換える。置換が難しければ,カタカナで入力したうえで,手書きしたもののPDFを「添付書類」として提出する(Q&A5頁)。

(6) 被告本人の情報と被告代理人の見込みの情報は別

混同しやすい点を整理する。被告本人の氏名・住所は,この「当事者・代理人情報」タブに入力する。これに対し,被告側の代理人となる見込みの弁護士等の情報は,「参考事項」タブで届け出る(改正民訴規則第55条の2。準備の手引3頁・12頁)。後者は相手方に開示されない。裁判所が送達方法を判断する材料になる。

4 手数料の自動計算と訴額の入力

被告の数と訴額を入力すると,手数料の概算が自動計算される。もっとも,この「申立内容」タブの「被告の数」は手数料計算のための数であって,前記3の「当事者・代理人情報」タブで被告を1件ずつ入力することとは別である。被告の数を入れただけでは被告は当事者として登録されないから,被告は必ず「当事者・代理人情報」タブで入力する。被告の数欄だけが埋まっていると,被告の入力漏れに気づかないまま提起してしまいやすい。

訴額の入力には独自のルールがある。単位は「万円」である。1万円未満は切り上げる。例えば,43万2100円なら「44」と入力する。100万5000円なら「101」と入力する。正確な手数料額は,提出後に裁判所から通知される納付情報で確認する(以上,準備の手引12頁)。

5 共同受任の場合の留意点

共同受任の場合は,入力の留意点が3つある(準備の手引13頁・14頁)。

ア 訴状に表示したい共同代理人の氏名を,フォームに入力する。委任状記載の全員を入力する必要はない。10名を超えるときはCSVで提出する。

イ 訴状には記載するが関連付けを希望しない代理人がいる場合,又は代理人が10名を超える場合は,「電子情報処理組織の使用を担当する訴訟代理人の届出」を添付する(改正民訴規則第52条の13。準備の手引13頁)。

ウ 入力者以外の代理人は,関連付けの後,各自で速やかにシステム送達を受ける旨の届出を提出する。システム入力者が他人の届出トグルをオンにしても,その代理人が届出をしたことにはならない。届出を怠ると,関連付けが解除されることがある(以上,準備の手引13頁)。

6 提出後に誤り又は脱漏を発見した場合の訂正(訴状訂正)

前記1のとおり,「提出」ボタンを押すと訴えの提起が完了し,裁判所が事件を立件する。一度提出を確定すると,提出した内容を当事者の側で直接修正することはできない。立件後に,当事者の表示の脱漏や記載の誤りに気づいた場合は,次の方法で訂正する。

(1) 当事者は自分で削除・訂正できない

いったん提出したファイルは,当事者が自分で削除することができない。ファイルの種別を誤って選択した場合であっても,当事者の側では変更できない。いずれの場合も,当該事件を担当する裁判所書記官に連絡することとされている(Q&A9頁)。

(2) 訴状訂正申立書を「記録一覧」から提出する

訂正は,「訴状訂正申立書」と題する書面(PDF。用紙はA4又はA3)を作成し,当該事件の「記録一覧」のアップロード画面から提出して行う。すでに立件された事件への書面提出は,新規申立てフォームではなく,この「記録一覧」のアップロード画面から行うものとされている(準備の手引3頁)。

提出の際は,ファイルの種別を選択する。種別の選択肢は,「主張」「証拠」「証拠説明書」「関連事件の申立て」「その他」である。訴状の訂正は,訴えの変更の申立てが対応表で種別「主張」に区分されていることに準じ,種別「主張」を選ぶ。同じ対応表で更正決定の申立書は種別「その他」とされているが,訴状の記載内容に関わる訂正は,訴えの変更と同じく「主張」によるのが相当である。種別の判断に迷うときは,あらかじめ担当書記官に確認するとよい(準備の手引40頁・41頁)。

(3) 行政訴訟における被告の表示の補正を例として

訴状訂正が必要になる典型例が,行政事件訴訟における被告の表示である。

ア 被告は処分行政庁ではなく国又は公共団体である。前記3(4)のとおり,取消訴訟等の被告は,処分をした行政庁そのものではなく,その行政庁が所属する国又は公共団体である(行政事件訴訟法第11条第1項)。例えば,国の行政庁がした処分を争う訴訟の被告は,その行政庁ではなく「国」となる。当事者の表示にこの被告を記載していなかったときは,訴状訂正によって補う。

イ 本システムにおける「国」の入力方法は,前記3(3)のとおりである。国を当事者とするときは,属性を「本人(法人)」とし,名称を「国」,法人番号を「1000012030001」(法務省の法人番号),代表者を「法務大臣」と入力する(Q&A5頁)。処分をした行政庁は当事者ではないため,当事者としては入力せず,訴状の被告の表示に「処分行政庁 ○○」と記載する(行政事件訴訟法第11条第4項)。

ウ 立件後の当事者の登録は裁判所書記官が行う。立件後に被告(国)を当事者として記録に登録する処理は,裁判所書記官が行う。そのため,訴状訂正申立書の提出とあわせて,担当書記官に被告の当事者登録を依頼するのが確実である。

第6 提出できるファイルの形式

1 記録と記録外の二層構造

mintsのファイル形式は,提出先によって異なる。2つの層がある(Q&A7頁,準備の手引28頁)。

1つ目は「記録」である。これは主張・証拠・証拠説明書・関連事件の申立て・その他である。受け付ける形式は,PDF・MP3・MP4・JPEG・PNGである。

2つ目は「記録外」である。これは上記の形式に加えて,Word(docx),Excel(xlsx),PowerPoint(pptx)を受け付ける。記録外は,正式な訴訟記録には含まれない。和解条項のドラフト案など,共有が必要な情報をやり取りする場である。事件終結後に廃棄される。

これら以外の形式は提出できない(Q&A7頁)。

2 エクセルファイルは提出できるか

弁護士からよく出る疑問である。結論を述べる。エクセルファイルは「記録外」でしか受け付けられない。「記録」には提出できない(Q&A7頁)。つまりエクセルは,訴訟記録になる形では出せない。

さらに,訴え提起の段階では,記録外の置き場すら存在しない。記録外タブは,立件と関連付けの後に現れる事件情報画面の機能だからである(準備の手引3頁・12頁,Q&A6頁)。したがって,申立ての段階でのエクセル提出はできない。実務では,提出書類を全てPDF化する。計算書や損害額一覧表をエクセルで作っても,提出時はPDFに変換する。

なお,アップロードできるPDFの用紙サイズはA4又はA3に限られる(Q&A10頁,準備の手引28頁)。mintsは用紙サイズをページ単位で判定するため,見た目はA4でも,実体がレターサイズ(215.9×279.4mm)であるなど,A4・A3以外のサイズだと受け付けられないことがある。A4(210×297mm)又はA3(297×420mm)であることを,ページごとに実測して確認するのが確実である。ここで問題になるのは用紙の「サイズ」であって「向き」ではない。縦向き・横向きのいずれでもアップロードできる(向きについては後記第11の3を参照)。

3 訴え提起の段階で証拠説明書は提出するか

これも誤解されやすい点である。証拠説明書は,提出する。ただし提出のしかたに注意がある。

証拠説明書は,新規申立てフォームに添付するのではない(Q&A6頁)。フォームで訴えを提起した後,裁判所が立件し,原告代理人を関連付ける。その後,記録一覧画面へPDFでアップロードする(準備の手引3頁・12頁)。証拠も同じ流れである。「証拠説明書を出さない」のではない。「申立てフォームには付けず,立件の直後に記録一覧へ出す」というだけである。証拠説明書は「記録」に属するので,形式はPDFである(準備の手引28頁)。

第7 手数料の電子納付

1 ペイジーによる納付

申立手数料は,郵便費用と一本化された(改正費用法第8条第1項,改正費用規則第4条の2。準備の手引15頁)。納付はペイジー(Pay-easy)による現金納付である。流れは次のとおりである(準備の手引16頁,操作マニュアル56頁・57頁)。

まずフォームで概算を把握する。次に裁判所が納付情報を登録し,通知メールが届く。「手数料納付情報一覧」で収納機関番号・納付番号・確認番号を確認する。これをATM又はインターネットバンキングに入力して納付する。「納付日」が反映されれば完了である。なお,郵便費用を別に納める必要はない(準備の手引16頁,Q&A6頁)。

2 収入印紙は使えるか

収入印紙では納付できない。例外事由に当たらないのに収入印紙を提出しても,手数料の納付とは認められない(準備の手引15頁,Q&A7頁)。例外は,書面で申立てができる場合で,やむを得ない事由があるときである。この場合に限り,訴状等に収入印紙を貼って納める(改正費用法第8条第1項ただし書。準備の手引15頁)。

3 納付期限のリマインド

mintsには,納付期限のリマインド機能がある。リマインドメールは,期限の14日前・7日前・2日前・1日前・当日の計5回,自動送信される。ホーム画面の「重要なお知らせ」にも表示される。期限を過ぎると,その納付情報に基づく納付はできなくなる(以上,操作マニュアル57頁)。


第8 証拠の提出

1 書証の画像情報と原本の扱い

改正法の下では,書証の写しに代わる画像情報(PDF)をmintsにアップロードして提出する(改正民訴規則第137条)。もっとも,書証の取調べは原本・正本・認証謄本でなければならない(民訴法第219条,民訴規則第143条)。この規律は変わらない。そのため,原本性が問題になりうるもの(契約書等)は,期日に原本を持参する必要がある(以上,準備の手引24頁)。

2 証拠説明書の作成

証拠説明書は,電子証拠説明書と兼ねて作成し,電子提出する。標目欄の書き方は,証拠が「もともと紙か,もともとデータか」と「原本確認が必要か」との組合せで分かれる。もっとも,原本確認の要否は慎重に判断したい。相手方が成立の真正を争うなど原本の取調べが必要とされるときは,裁判長の訴訟指揮により,書証(原本)としての提出を求められることがあるからである(以上,準備の手引27頁)。

(1) もともと紙媒体で,原本確認が必要なものは,標目欄に「原本」と記載し,書証(原本)として提出する。期日に原本を持参する。例えば契約書である。

(2) もともと紙媒体であるが,原本確認が不要で,これを電子化(PDF化)して電磁的記録として提出するものは,標目欄に「原本」「写し」のいずれも記載しない。備考欄に「紙を電子化」と記載する。例えば文献の抜粋や内容証明郵便である。

(3) もともと紙媒体であるが,システムを利用しない当事者本人が電子化できず,紙媒体のまま書証として提出するものは,標目欄に「写し」と記載する。この場合は備考欄に「紙を電子化」とは記載せず,期日に書証の写しを持参する。

(4) もともとデータ形式の証拠は,標目欄に「原本」「写し」の記載は不要である。例えば振込記録や不動産登記情報である。

なお,作成者欄と作成年月日欄は,電子化や複製を行った者・日付ではなく,もとの資料を基準に記入する。紙を電子化したもの(上記(2))について,その紙に記載された内容を立証する趣旨であるときは,もともとの紙媒体の作成者と作成年月日を記入する。もともとデータ形式のもの(上記(4))も,オリジナルデータのコピーを提出するときであっても,オリジナルデータの作成者と作成年月日を記入する(以上,準備の手引27頁)。

3 証拠番号とファイル名のルール

証拠番号とファイル名には,ルールがある(準備の手引29頁)。証拠番号は通し番号で付し,証拠データの右上にも記載する。フォームの証拠番号欄には「甲001」「乙A001」のように半角英数字で入力する。枝番のある複数の領収書を1ファイルで出す場合は,「甲001-1〜20」と入力する。原則として1つの証拠は1つのファイルで提出する(枝番がある場合を除く)。ファイル名は,証拠番号(半角3桁)に加えて標目どおりに記載する。例えば「甲001 売買契約書原本」である。

4 関連性の明示

証拠の一部だけが要証事実と関連する場合は,関連性を明らかにするよう努める(改正民訴規則第137条の2第2項)。PDF編集ソフトの蛍光ペン機能等を用いる。元の記載が読みにくくならないようにする。加えて,証拠説明書の備考欄で加筆部分を説明し,どこを加筆したか分かるようにする(以上,準備の手引30頁)。

第9 送達と応訴

1 訴状等の送達方法

電子申立てされた訴状は,電磁的訴訟記録になる。送達方法は2つある(準備の手引17頁)。

1つは出力書面による送達である。原告が,記録一覧画面のデータをダウンロード・印刷して出力書面を作る。これを裁判所に提出する。被告にあらかじめ代理人が就く場合等を除き,訴状の送達はこの方法が多い(改正民訴規則第58条第1項。準備の手引17頁)。もう1つはシステム送達である。被告にあらかじめ代理人が就く場合や,包括届出がある場合に選択されうる。

2 システム送達の効力発生時期

システム送達の効力は,次のいずれか早い時に生じる(改正民訴法第109条の3,第109条の4第2項)。1つは,送達対象データを閲覧した時である。2つは,ダウンロードした時である。3つは,閲覧・ダウンロードができる措置をとった旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時である(以上,準備の手引18頁)。

ここで補助者の点に注意したい。補助者が閲覧・ダウンロードした場合も,弁護士本人が行ったものとして送達の効力が生じる(Q&A12頁,準備の手引19頁)。事務処理の段取りを誤らないようにしたい。

3 被告代理人の応訴

被告代理人は,招待キーを使って事件にアクセスする。招待キーは12桁の半角英数字である。裁判所が,被告への送達書類に招待キーを同封する。又はFAX・電子メールで交付する(以上,準備の手引20頁・21頁)。被告代理人は,mintsにサインインし,招待キー入力画面で入力する。これで事件情報への関連付けが完了する。その後,記録一覧のアップロード画面から,委任状とシステム送達を受ける旨の届出(いずれもPDF)をアップロードする。続いて答弁書・証拠をアップロードする(準備の手引20頁)。

被告代理人がアップロードすると,原告代理人に通知される。この通知をもってシステム直送となる(Q&A8頁,準備の手引20頁)。なお,被告代理人が事件に関連付くための「招待キー」とは別に,文書送付嘱託の嘱託先(金融機関・医療機関等)のような第三者が一時的にファイルをアップロードするための「事件アクセスキー」(いずれも半角英数字12桁)がある。前者は「招待キー入力」画面で,後者は「事件アクセスキー入力」画面で入力するもので,目的が異なる。


第10 判決・執行・秘匿の留意点

1 電子判決書と控訴期間

電子判決書は,言渡し後速やかにmintsにアップロードされ,システム送達される(改正民訴法第253条,改正民訴規則第157条第3項)。控訴期間は,閲覧した時・ダウンロードした時・通知発出日から1週間が経過した時のいずれか早い時点から進行する。補助者が閲覧・ダウンロードした時点でも控訴期間が進行する。期間の管理に注意したい(以上,準備の手引35頁,Q&A12頁)。

事件終了後は,事件情報と当事者アカウントの関連付けが解除される。解除後の閲覧には手数料がかかる。電子判決書や和解調書は,関連付けの解除前にダウンロードしておく。控訴を提起すると,確定日前に控訴審へ事件情報が移管され,関連付けが解除されることがある。判決後は速やかにダウンロードしたい(以上,準備の手引36頁)。

2 強制執行と事件特定情報

強制執行は,改正民執法の全面施行(遅くとも令和10年6月)までは,書面による申立てが必要である(準備の手引37頁)。債務名義等に係る電磁的記録がmints上にある場合,「事件特定情報」を書面で提供することで,記録事項証明書の提出を省略できる(改正民執法第18条の2。準備の手引37頁)。事件特定情報が提供されれば,送達証明書・確定証明書の提出も不要である。事件特定情報とは,係属していた裁判所名・事件番号及び符号である(改正民執規則第15条の2)。これは債務名義・執行文・更正決定ごとに異なる。それぞれの事件特定情報を提供する必要がある(以上,準備の手引38頁)。

なお,債務名義等が新法適用事件のものである場合,執行文付与の申立ては電子申立ての義務がある(特例執行文付与申立事件,改正民執法附則第5条。準備の手引37頁)。

3 当事者間秘匿の申立て

当事者間秘匿の申立て(改正民訴法第133条第1項)は,原則として電子申立てができる。訴え提起と同時なら新規申立てフォームの添付書類から,訴訟係属中なら記録一覧の「関連事件の申立て」から提出する(以上,準備の手引39頁・40頁)。

これに対し,秘匿事項届出書面(改正民訴法第133条第2項)は,書面(紙媒体)で提出しなければならない。提出後も書面で保管される。FAXによる提出も,mintsへのアップロードもできない(準備の手引39頁,Q&A7頁)。誤ってmintsにアップロードした場合は,相手方から閲覧可能になりうる。速やかに担当書記官へ連絡し,消去を申し出る(改正民訴規則第33条の5第2項。準備の手引39頁)。


第11 期日と障害対応

1 期日への出頭

期日への出頭方法は,従前と同様である。弁論期日・弁論準備手続期日・和解期日は,対面でもウェブ会議でもよい。書面による準備手続はウェブ会議のみである。ウェブ会議は,従前と同様にTeamsを利用する(以上,準備の手引22頁)。

期日で電磁的訴訟記録を見るには,代理人が自分のPC等を持参する。裁判所に代理人用の貸出端末はない。合議法廷では,当事者用ディスプレイに代理人のPCを接続できる。接続には,HDMI又はUSB−Cに対応したPCが必要である(ケーブルは裁判所が用意する)。法廷ではcourts Wi-Fiで接続する(以上,準備の手引6頁・22頁)。

2 システム障害が生じたとき

mintsに障害が生じたら,速やかに稼働状況を確認する。確認先は,裁判所ウェブサイトのトップの「重要なお知らせ」と,mintsのトップページである。期日がある場合は,事件係属部に連絡する(以上,準備の手引46頁)。

裁判所側のシステム障害は,電子申立て等の義務の例外事由に当たる。そのため,書面による申立てが可能になる。被告への送達のため,訴状の副本や書証の写しも併せて提出する。手数料についても,例外事由に当たる場合は,収入印紙を貼って納付できる。相手方には別途直送する必要がある(以上,準備の手引47頁)。

3 よくあるエラーと事務作業

事務作業上の留意点を3つ挙げる。

ア PDF化の際は,プロパティを削除する。作成者名や編集時間といったメタデータが残るためである。相手方に不要な情報を与えないようにする(Q&A10頁,操作マニュアル別紙3)。

イ ファイルの向きに注意する。縦向き・横向きのいずれのPDFでもアップロードできるので,横長に作った文書を縦向きに直す必要はない(操作マニュアル別紙4)。ただし,mintsが付すタイムスタンプを適切な位置に収めるため,内容に合わせた向き(縦置きの内容は縦向き,横置きの内容は横向き。A4は縦置き,A3は横置きが基本形)でアップロードするのが望ましい。向きが内容と食い違うと,タイムスタンプが文字に重なることがある(Q&A10頁,操作マニュアル別紙4)。

ウ エラーが出たら,マニュアルの別紙を参照する。「クライアント処理が失敗しました(エラー9)」や「サーバ処理が失敗しました(エラー10)」も,原因と対処が示されている。解決しない場合は,画面右下のチャットボットから問合せフォームへ進む(以上,Q&A9頁,操作マニュアル7頁・別紙2)。


第12 まとめ

mintsの本格運用は,民事裁判実務の大きな転換点である。本記事では,弁護士が抱きそうな疑問を中心に,3つの文書を横断して整理した。要点を3つにまとめる。

1つ目は,役割分担である。制度と根拠は準備の手引,実務の疑問はQ&A,画面操作は操作マニュアルを見る。問いの種類で文書を使い分けると早い。

2つ目は,電子申立ての義務である。弁護士は原則として電子申立てをする。書面提出は,限られた例外事由がある場合に限られる(準備の手引10頁・11頁)。

3つ目は,ファイル形式である。記録はPDF等に限られる。エクセルは記録外でしか出せず,訴え提起の段階では出せない。提出書類は全てPDF化するのが基本である(Q&A7頁,準備の手引28頁)。

細部は今後の運用で固まっていく。本記事の内容も,最新版の文書で随時確認してほしい。