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遺言相続

アルツハイマー型認知症と公正証書遺言の無効主張-診断名と重症度の区別(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論の要点

1 アルツハイマー型の診断だけでは無効にならない
2 既存記事との役割分担
3 争点は作成時点の程度に絞り込まれる

第2 診断名と重症度を区別する

1 診断名は重症度を語らない
2 処方薬の適応範囲から重症度の上限を検討する
3 バイオマーカーは重症度の判定に用いない
4 生物学的な診断基準への移行がもたらす影響

第3 進行性を前提とした立証と反論

1 進行速度から作成時点の程度を推認する
2 「作成当日は状態が良かった」との反論への対応
3 入院中の出来事は重症度の裏付けとして弱い

第4 認知機能検査及び認定資料の限界

1 カットオフ値だけでは判断されない
2 合計点よりも遂行機能と言語性記憶に着目する
3 自立度判定及び認定調査資料は決め手にならない

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遺言者の遺言能力に疑問がある場合に公証人が取るべき具体的対応(AI作成)

本稿は,遺言者の意思能力(遺言能力)に疑問があるケースで,公正証書遺言の作成に関与する公証人が,後日の無効紛争を見据えて具体的に何をすべきかを整理するものです。認知症の診断があることや高齢であること自体は,直ちに遺言能力を否定するものではありません。もっとも,能力に疑いがある事案では,公証人が関与した公正証書遺言であっても,後の遺言無効確認訴訟で能力が否定される例が相当数あります。だからこそ,作成の局面で「能力があったこと」を記録として残す対応が要になります。

目次

第1 本稿の狙いと基本認識

1 本稿が扱う場面
2 「公正証書だから安全」という理解の限界

(1) 統計的な傾向
(2) 公証人に求められる役割

第2 遺言能力の意義と判断の枠組み

1 遺言能力とは何か

(1) 条文の建付け
(2) 求められる能力の程度

2 裁判所が用いる考慮要素

(1) 心身の状況

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遺言能力の判断・立証実務―土井文美「遺言能力」(判例タイムズ1423号)の医学・法律両面からの論評(AI作成)

本稿は,「遺言能力(遺言能力の理論的検討及びその判断・審理方法)」判例タイムズ1423号15頁(2016年)(執筆者は50期の土井文美裁判官)を,遺言無効確認訴訟に携わる弁護士の実務に役立てる観点から,医学と法律の双方の視点で論評するものである。認知症をはじめとする疾患や高齢者に関する記述を含むが,特定の疾患や高齢の方を否定的に評価する趣旨は一切なく,あくまで訴訟における事実認定の精度を高めるための検討である。

目次

第1 はじめに

1 本稿が取り上げる論文
2 論評の結論の要旨
3 前提となる3つの視点

(1) 死後鑑定の宿命
(2) 立証責任の所在
(3) 「状態」と「能力」は別の層であること

第2 論文の意義と評価できる点

1 論文の全体像
2 医学的に的確な指摘

(1) 認知症の経過に関する記述
(2) 中核症状と周辺症状の峻別
(3) 評価スケールの限界の明示

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遺言執行者は信託銀行より弁護士に依頼する方が合理的か——「遺言信託」の手数料構造と辞退リスクからの検討(AI作成)

遺言の作成を相談された弁護士は,遺言執行者を誰にするかについても助言を求められる。信託銀行の「遺言信託」を勧められて迷う依頼者は少なくない。
本記事は,信託銀行が遺言執行を担う法的根拠とその限界,「遺言信託」の手数料構造,弁護士・相続人自身による執行との費用対効果,及び弁護士に依頼する利点を,法令の現行条文と各信託銀行が公表する手数料表に基づいて整理する。結論を先取りすれば,費用と対応範囲の両面から,遺言執行は弁護士への依頼を第一に検討すべき場面が多い。

本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,特定の個別事案に対する法的助言ではない。手数料の額・料率は各信託銀行が随時改定するため,実際の助言に当たっては,当該時点の公表手数料表を確認する必要がある。

目次

第1 本記事の対象と結論の要旨

1 対象と射程
2 結論の要旨——遺言執行は弁護士への依頼を第一に検討すべき
3 用語——「遺言信託」は信託法上の信託ではない

第2 信託銀行が遺言執行を担える法的根拠とその限界

1 兼営法1条1項4号による併営業務
2 弁護士法72条による限界——紛争になれば扱えない
3 就職辞退・辞任という帰結と依頼者の負担

第3 遺言執行者の職務・報酬・費用の枠組み

1 職務の内容と権限
2 報酬の決まり方(民法1018条)
3 費用の負担(民法1021条)と復任(民法1016条)

第4 「遺言信託」の手数料構造

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遺産分割における寄与分の主張方法―費用対効果・証拠・申立時期(AIリライト)

目次

第1 寄与分を主張する前に確認すべきこと

1 寄与分は努力に対する一般的な報酬ではない

2 最初に5項目で採算を確認する

3 寄与分の額と実際に増える取得額は一致しない

第2 寄与分の要件と5類型

1 主張できる者

2 特別の寄与

3 財産の維持又は増加との因果関係

4 無償性と対価の控除

5 実務上の5類型

第3 資料収集を段階化する方法

1 第1段階は入手しやすい資料だけで足りる

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遺産相続における共有状態の解消方法(AI作成)

目次

第1 はじめに――「とりあえず共有」という先送り

1 本記事の狙い
2 共有状態が生む実務上の問題

第2 遺産共有の基礎――通常共有との異同

1 遺産共有の法的性質
2 各相続人の共有持分の割合
3 準共有となる財産(株式・投資信託・国債)
4 二つの解消ルート

(1) 遺産分割と共有物分割の役割分担
(2) 遺産共有は共有物分割訴訟によれないという原則

第3 遺産分割による解消――4つの分割方法

1 現物分割
2 代償分割

(1) 意義と要件
(2) 支払能力の審理

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特別受益を効率よく主張・立証する方法―遺産分割の10年ルールと証拠収集(AIリライト)

目次

第1 特別受益の調査は見込効果の確認から始める

1 特別受益が変えるのは具体的相続分である

2 調査費用と見込増加額を先に比べる

第2 遺産分割と遺留分の期限を混同しない

1 特別受益だけを独立訴訟で確定することはできない

2 遺産分割には相続開始から10年の制限がある

3 遺留分には別の1年及び10年がある

第3 調査する特別受益候補を絞る

1 優先順位が高い候補

2 慎重に扱う候補

3 生前贈与と預金の無断払戻しを分ける

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iDeCo死亡一時金の民法上・税法上の取扱い(AI作成)

iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者が死亡した場合,その残高は「死亡一時金」として遺族に支給される。この給付は,民法上は相続財産に属さない受取人固有の権利という性質を持つ一方,相続税法上はみなし相続財産として課税され得る。
本記事は,この二面性と,支給が確定した時期による課税区分を,関係法令及び裁判例に即して整理し,弁護士が相続案件で確認すべき事項を検討する。

目次

第1 iDeCo死亡一時金の基本構造

1 死亡一時金が支給される仕組み
2 受給権者の範囲及び順位
3 請求期限と相続財産への転化

第2 民法上の取扱い

1 受取人固有の権利という性質
2 遺贈及び遺産分割との関係
3 遺留分及び特別受益との関係
4 相続放棄との関係

第3 税法上の取扱い

1 支給が確定した時期による3区分

(1) 死亡後3年以内に確定した場合
(2) 死亡後3年を経過して確定した場合
(3) 5年の経過により相続財産となった場合

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遺品整理業者の許可・選び方と相続放棄・残置物処理の注意点(AI作成)

目次

第1 遺品整理業者に一つの包括免許はない

1 名称ではなく実際の作業で規制が決まる
2 許可・権限の早見表
3 民間資格は法令上の許可を代替しない

第2 家庭ごみの運搬には市町村の一般廃棄物許可が必要である

1 家庭の遺品は通常,一般廃棄物となる
2 依頼者と許可業者の直接契約を確認する
3 「全部買取」でも実態が不要物なら廃棄物になり得る
4 家電と内装撤去は別工程として扱う

第3 買取と訪問契約には別の消費者保護規制がある

1 買取には古物商許可と処分権限の確認が必要である
2 自宅での買取は訪問購入となり得る
3 見積りのための訪問と契約締結の依頼は同じではない
4 免責条項と解約料にも限界がある

第4 遺品を処分できる者と相続放棄のリスク

1 共同相続人の一人だけで全部を処分できるとは限らない
2 相続放棄を考える者は売却・持帰り・費用充当を止める

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改正前の遺留分減殺請求によって共有となった不動産の解消方法(AI作成)

目次

第1 はじめに――なぜ今なお「減殺」による共有が問題となるのか

1 本記事の狙いと,既存記事との役割分担
2 金銭債権化への改正と,なお改正前の相続が残る理由

第2 遺留分減殺請求の物権的効果と二段階構造

1 減殺請求権の法的性質――形成権かつ物権的効果
2 二段階構造――共有の発生とその解消
3 減殺の順序――遺贈を先に,贈与は新しいものから

第3 生じた共有の性質と解消手続の振り分け

1 分水嶺――取戻財産の相続財産性(固有財産説)
2 共有物分割による類型
3 遺産分割による類型
4 遺産共有と物権共有とが併存する場合

第4 共有物分割による解消の実務

1 協議・調停・訴訟
2 分割の方法――現物・全面的価格賠償・競売
3 持分単位での解消の併用

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遺留分侵害額請求の基礎財産から控除される「被相続人の債務」の効果的な主張立証方法(AI作成)

遺留分侵害額請求の事件では,遺産や生前贈与の評価に目が向きがちですが,勝敗と金額を大きく左右するのは,しばしば「被相続人の債務」の扱いです。債務は,遺留分の計算の中で二つの異なる場面に登場し,しかも一方では請求額を減らし,他方では請求額を増やすという逆向きの働きをします。本稿では,この構造を整理したうえで,代理人として実際にどう主張し立証するかを,条文と最高裁判例に沿って解説します。
目次

第1 本稿の狙いと全体像

1 本稿が扱う問題
2 最大のポイント-債務は「二つの段階」で逆向きに効く

(1) 段階① 基礎財産からの控除
(2) 段階② 侵害額算定における承継債務の加算
(3) 二段階の混同が最も多い誤り

第2 段階①-基礎財産から控除される「被相続人の債務」

1 条文の枠組み(民法1043条1項)
2 控除される債務・されない債務

(1) 控除される債務
(2) 控除されない債務
(3) 葬式費用と「相続税の債務控除」との違い

3 控除の基準時(最判平成8年11月26日)
4 債務超過の場合の帰結

第3 最大の争点-保証債務・連帯保証債務

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旧民法が適用される相続の相続人の特定 ― 家督相続・遺産相続の区別と新民法附則の経過措置(AI作成)

相続登記の申請や所有者不明土地の相続人調査では,被相続人の死亡時期が明治31年から昭和22年までの間にさかのぼることが少なくない。この時期に開始した相続については,現行の民法ではなく,当時の民法(以下「旧民法」という。)に基づいて相続人を特定しなければならない。本記事は,旧民法が適用される相続について,適用法の判定,家督相続と遺産相続の区別,及び新民法附則に置かれた経過措置(家督相続人の不選定,家附の継子の相続権)を,現行法として確認できる条文と裁判例に即して整理し,相続人の特定に当たって確認すべき事項を示すものである。旧民法の個別の条番号のうち現行法令として取得できないものは条文を掲げず,制度の枠組みとして説明する。

目次

第1 旧民法が適用される相続と本記事の射程

1 相続人の特定に適用する法は相続開始時の法である
2 旧民法・応急措置法・新民法の時代区分

第2 旧民法における相続の二本立て

1 家督相続
2 遺産相続
3 二本立ての区別が相続登記に与える影響

第3 昭和22年5月3日以後の相続と現行法附則の経過措置

1 応急措置法期の相続の位置づけ
2 家督相続人が選定されなかった場合の処理
3 応急措置法施行中に開始した相続と分配請求権

第4 家附の継子の相続権

1 嫡出子と同一の権利義務を有するための要件
2 分配請求権と適用除外

第5 相続分をめぐる留意点

1 相続分も相続開始時の法によって定まる
2 非嫡出子の相続分に関する違憲決定の射程

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公正証書遺言の証人及び立会人(AI作成)

目次

第1 はじめに

1 公正証書遺言における「証人」の重み
2 本稿の視点――令和7年のデジタル化を踏まえて

第2 証人の意義と職責

1 なぜ2人以上の証人が必要なのか
2 証人が担う3つの確認

(1) 人違いでないことの確認
(2) 真意に基づく口授等の確認
(3) 筆記・記録の正確性の確認

3 立会いによる職権濫用の防止

第3 令和7年改正(公証制度のデジタル化)と証人

1 民法969条の方式――改正前後の対比

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公正証書遺言の効果的な無効主張方法―証拠収集の優先順位と訴訟設計(AIリライト)

第1 受任直後に判断する事項

1 先に期限と経済的利益を確認する

2 証拠収集を4段階に分ける

第2 無効原因を証拠から選別する

1 遺言能力

2 口授及び作成方式

3 証人の資格及び立会い

4 署名代行は直ちに偽造ではない

5 後の遺言又は生前処分

第3 低負担の資料から収集する

1 依頼者側の既存資料

2 診療記録

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死後事務委任契約の効力,内容及び作成時の注意点(AI作成)

第1 死後事務委任契約の役割

1 死後の事務を生前に委ねる契約であること

2 契約が特に有用となる場面

第2 本人の死亡後も契約が存続するための法的根拠

1 民法653条は当事者の別段の合意を妨げないこと

2 相続人による解除には限界があり得ること

3 契約の有効性と対外的な実行可能性は異なること

第3 委任できる事務と権限上の限界

1 典型的な死後事務

2 死亡届,火葬及び埋葬

(1) 死亡届を提出できる者

(2) 火葬及び埋葬の手続

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遺産相続の使途不明金―裁判例から見た請求の組立てと立証(AI作成)

第1 この記事が扱う「使途不明金」と三つの事実問題
第2 生前の払戻しと死亡後の払戻しは,請求の組立てが異なる

1 生前の払戻し―被相続人に生じた請求権を相続分に応じて承継する
2 死亡後の払戻し―最判平成16年4月20日
3 遺産分割審判では確定できない―大阪高決平成22年8月26日

第3 誰が払い戻したか

1 間接事実の組合せ方と,その限界
2 入院中・危篤期の払戻し―東京地判平成30年3月28日

第4 被相続人の承諾又は管理の委託があったか

1 「法律上の原因がないこと」の主張立証責任
2 管理者性からの事実上の推認―東京地判令和2年10月22日
3 夫婦間の包括的同意という壁―東京地判平成29年6月21日
4 「通常の支出の範囲」という物差し

第5 払戻金の使途と領得

1 葬儀費用と香典―東京地判令和4年4月21日ほか
2 現金の保有と領得は区別される
3 贈与の主張への対応

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長田雅之「被相続人の生前に払い戻された預貯金を対象とする訴訟についての一試論――最近の第一審裁判例の分析」(判例タイムズ1500号・2022年11月)のAIによる論評(AI作成)

◯本ブログ記事は,長田雅之裁判官(55期)「被相続人の生前に払い戻された預貯金を対象とする訴訟についての一試論――最近の第一審裁判例の分析」(判例タイムズ1500号39頁,2022年11月)をAIで論評したものです。論文公刊時の肩書は,最高裁判所事務総局総務局第一課長(前大阪地方裁判所判事)です。
◯「遺産相続における使途不明金の効果的な追及方法(AI作成)」も参照してください。

本記事では,管理委託の有無・範囲を起点に,不法行為・不当利得・委任関係に基づく各請求の違い,消滅時効,証拠収集,相手方の典型的な反論,遺産分割及び税務との関係までを整理します。

目次

第1 本記事の位置づけと読み方

1 本記事が扱う対象と結論の要旨
2 用語の整理
3 対象論文の基本情報と分析対象

第2 論文の中核——「訴訟物論」から「委任・善管注意義務・委託の趣旨」への再定位

1 従来の枠組みとその難点
2 準委任を基礎に置くという発想(民法644条・646条)
3 請求原因の一元化と「委託の趣旨」
4 「被相続人による贈与」を抗弁に置く意味

第3 関与形態の3類型と意思能力——認知症法務の視点を交えて

1 委託型・侵奪型・能力欠如型という3分類
2 意思能力は「一点」でなく「変動」で捉える
3 行為の種類ごとに必要な判断能力は異なる
4 証拠としての医学情報の限界

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死亡届の届出人(AI作成)

目次

第1 死亡届の届出人の基本構造

1 届出義務者の順位(戸籍法87条1項)
2 届出資格者の拡大とその沿革(戸籍法87条2項)
3 添付書類・届出地・届出期間

第2 弁護士が関与する場面――手続選択の分岐

1 届出人が存在しない場合の対応
2 届出の誤りの是正――追完届と戸籍訂正の振り分け

第3 死亡届出資格と死後事務の権限との乖離

1 民法873条の2――成年後見人に限定された死後事務権限
2 任意後見人・任意後見受任者・保佐人・補助人の限界

第4 主張立証及び証拠収集

1 同居の事実及び後見人等の資格の立証
2 死後事務許可の要件の立証と収集すべき証拠

第5 相手方から想定される主張及び反論
第6 裁判例の乏しさとその理由

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自筆証書遺言特有の無効主張方法(AIリライト)

第1 自筆証書遺言に固有の無効事由と主張の交通整理1 三つの無効事由と,その責任構造の違い2 自書性と遺言能力は前提が逆である3 作成時期による適用条文の確定第2 方式違反に関する最高裁判例の射程1 日付――「吉日」と誤記の分水嶺2 押印――指印と花押の分水嶺3 数葉にわたる遺言と契印4 加除変更の方式違背5 方式違反の実務上の位置付け第3 自書性(偽造)に関する裁判例の到達点1 自書性は五つの事情の総合考慮による2 署名の酷似は透写の証明にならない3 自書性が認められれば押印も本人と推認される4 添え手に関する最高裁判例の正確な読み方5 自書性を否定した事例第4 筆跡鑑定の有効性をどう評価するか1 最高裁が示した証明力の限界2 私的鑑定は書証にすぎない3 裁判官は筆跡鑑定に積極的でない4 誤り率は実証された5 同じ試験から導かれる誤り率が三倍以上動く理由6 近親者・訓練歴・再現性に関する知見7 筆跡が変動することは前提である8 鑑定書を検討する際の着眼点第5 遺言能力に関する医学的知見1 能力は時点・課題・状況に応じて判断される2 認知機能検査を閾値として用いない3 死後の回顧的評価という方法論4 資料の階層5 注意すべき兆候6 せん妄7 社会的儀礼の保存8 疾患別の留意点第6 書字の神経学と筆跡所見の読み分け1 書字は階層構造の産物である2 アルツハイマー型認知症における書字障害3 「乱れているのに癖は一致する」は矛盾ではない4 署名できることは遺言能力を意味しない5 日付の自書という盲点6 介助と別人筆の峻別7 専門家の役割分担第7 立証設計と反論処理1 手続選択と原本の保全2 時系列表と証拠表を先に作る3 医療・介護資料の収集4 鑑定は資料適格性を確定してから行う5 典型的な反論への対処6 勝敗は単一の証拠ではなく整合性で決まる7 依頼者本人の現在の能力出典
第1 自筆証書遺言に固有の無効事由と主張の交通整理
1 三つの無効事由と,その責任構造の違い

自筆証書遺言の無効主張は,方式違反,自書性(成立の真正)の否認及び遺言能力の欠缺という三つの事由に分けて検討する必要がある。方式違反は,全文・日付・氏名の自書,押印,財産目録の署名押印及び加除変更の方式という,民法968条が定める外形的要件を対象とする。自書性の否認は,遺言者以外の者が書いた,署名を透写した,添え手をした者の意思が運筆に介入したというように,遺言書を現実に作成した者を争う主張である。遺言能力の欠缺は,遺言者が作成時に遺言の内容とその法的結果を理解し判断する能力を欠いていたという主張であり,民法963条が遺言時における能力を要求することを出発点とする。

この三つは,主張立証責任の構造が異なる。遺言の効力を主張する側が,遺言者が当該遺言を作成し法定の方式を具備したことを抗弁として主張立証し,無効を主張する側が遺言能力の欠缺その他の無効事由を再抗弁として主張立証するというのが基本の構造である。したがって,遺言書が遺言者の筆跡ではないという主張は,本来は相手方の抗弁に対する否認にとどまり,無効主張側が別人の筆跡であることを積極的に証明する責任を負うわけではない。もっとも,争点を早期に明確にするため,訴状の段階から具体的な事実を伴う先行的な積極否認として提出することになる。これに対し,遺言能力の不存在は規範的な評価を伴う要件であるから,無効主張側が評価根拠事実を,有効主張側が評価障害事実をそれぞれ主張立証する。この違いは,鑑定を誰の負担でいつ提出するかという実務判断に直結する。

2 自書性と遺言能力は前提が逆である

「遺言者が書いたが内容を理解できなかった」という遺言能力の主張と,「遺言者は書いておらず第三者が作成した」という偽造の主張は,主要事実の前提が逆である。同一の遺言書について両者を並べて主張するときは,主位的・予備的又は選択的な位置付けを明示しなければならない。「認知症で字が乱れているから偽造である」という接続は,前提の異なる二つの主張を混線させるものであって,採るべきではない。

もっとも,遺言能力の欠如ないし減退を示す事実は,本人が単独では書けなかったという推認を介して,偽造の間接事実として機能し得る。この限度では両立するが,どちらを主軸に据えるかは訴状を起案する前に決めておく必要がある。とりわけ,自書性を否定する主張は,同じ論法が自陣に有利な文書へ跳ね返る危険を伴うため,争う文書と守る文書を先に確定しておくべきである。

3 作成時期による適用条文の確定

平成31年1月13日以後に作成された自筆証書遺言では,相続財産の目録を自書しないことが許されるが,遺言者は,その目録の毎葉,自書によらない記載が両面にある場合には両面に署名押印しなければならない。それ以前に作成された遺言について,現行民法968条2項の例外を遡って適用してはならない。

加除変更については,現行民法968条3項が,変更の場所を指示し,これを変更した旨を付記して特にこれに署名し,かつ,その変更の場所に押印することを要求している。この規定は,平成30年の相続法改正前は民法968条2項であった。財産目録に関する規定が新たに2項として挿入された結果,加除変更の規定が3項へ繰り下がったためである。作成日が平成31年1月13日より前の事案で現行の項番号をそのまま引用すると条文の特定を誤ることになるため,作成日を確定した上で,当時の条文,改正法の施行日及び経過措置を最初に確認する必要がある。

第2 方式違反に関する最高裁判例の射程

方式違反は,成否を書面自体から判定でき,医学的評価も鑑定も要しないため,成立すれば最も直截な無効事由である。もっとも最高裁は,形式の欠落を機械的に無効とするのではなく,その要件が何のために置かれたのかに遡って射程を画してきた。以下の各判例を対比すると,その分水嶺が見える。

1 日付――「吉日」と誤記の分水嶺

最高裁判所第一小法廷昭和54年5月31日判決は,自筆遺言証書の日付として「昭和四拾壱年七月吉日」と記載された証書は,民法968条1項にいう日付の記載を欠くものとして無効であるとした。これに対し,最高裁判所第二小法廷昭和52年11月21日判決は,自筆遺言証書に記載された日付が真実の作成日付と相違しても,その誤記であること及び真実の作成の日が遺言証書の記載その他から容易に判明する場合には,遺言はこれによって無効となるものではないとした。

両者を分けているのは,日付の記載が暦上の特定の日を指しているかどうかである。「吉日」は,誤って書かれたのではなく,そもそも特定の日を指していない。これに対し誤記の事案では,指し示された日が誤っているだけで,真実の作成日は証書の記載その他から復元できる。したがって,日付に問題を発見したときは,記載の欠落,特定不能,単純な誤記及び意図的な虚偽記載を区別しなければならない。特定不能であれば無効主張は強く,単純な誤記であれば無効主張はほとんど通らない。意図的な虚偽記載は,方式の問題というよりも,作成の経緯と自書性の問題に転化する。

2 押印――指印と花押の分水嶺

最高裁判所第一小法廷平成元年2月16日判決は,自筆遺言証書における押印は指印をもって足りるとした。他方,最高裁判所第二小法廷平成28年6月3日判決は,いわゆる花押を書くことは民法968条1項の押印の要件を満たさないとした。

一見すると,指印という簡略な方法が許され,花押という格式ある方法が許されないのは逆に見える。しかし,押印の要件が遺言者の同一性及び真意を担保し,併せて文書の完成を示すという我が国の慣行に根拠を持つと理解するならば,説明がつく。指印は,印章による顕出ではないものの,押捺という行為の形式を備え,かつ本人の身体に由来する痕跡である。これに対し花押は,署名に準ずる自署の一態様であって,押捺ではない。実務上の含意は,印影があるかという外形だけを見るのではなく,それが法的に押印と評価できる方式かという点と,誰の意思によって顕出されたかという点を分けて検討しなければならないということである。前者は方式違反の問題であり,後者は自書性及び成立の真正の問題である。

3 数葉にわたる遺言と契印

最高裁判所第三小法廷昭和37年5月29日判決は,自筆遺言書が二葉にわたり,その間に契印がなく綴じ合わされていなくても,第二葉には第一葉において譲渡する旨示した物件が記載されていて,両者は紙質を同じくし,いずれも遺言書の押印と同一の印で封印されて遺言者の署名ある封筒に収められている場合には,一通の遺言書と明認できるとした。契印や編綴は民法968条1項の要件ではないから,契印がないことだけを理由とする無効主張は成り立たない。

もっとも,同判決が挙げる内容の連続性,紙質の同一性,同一の印による封印及び署名のある封筒への収納という事情は,裏を返せば,これらが欠ける場合には遺言書の一通性そのものが争点になり得ることを示している。紙質が異なる,内容が接続しない,特定の葉だけ筆記具が異なるといった事情は,方式論として構成するよりも,差替えや加筆という自書性の問題として構成する方が実益がある。

4 加除変更の方式違背

最高裁判所第二小法廷昭和56年12月18日判決は,自筆証書遺言における証書の記載自体からみて明らかな誤記の訂正については,民法968条2項所定の方式の違背があっても,その違背は遺言の効力に影響を及ぼさないとした。ここでいう2項は,前記のとおり現行法では3項に当たる。

注意を要するのは,同判決の射程が「明らかな誤記の訂正」に限られていることである。これを,方式を欠く加除変更は一般に遺言本体を無効にしないという広い命題の根拠として引用すると,射程外であることを突かれる。引用するのであれば,方式を欠く加除変更があっても遺言書本体が当然に無効となるものではない,という限度にとどめるのが安全である。なお,不適式な訂正は,独立の無効事由としては弱いものの,訂正の位置,回数及び態様が,遂行機能や自己監視の障害を示す間接事実として遺言能力の争点に接続することがある。

5 方式違反の実務上の位置付け

以上のとおり,自筆証書遺言の方式違反が決定的に働くのは,日付が暦上の特定の日を指していない場合と,押印と評価できるものが存在しない場合という限られた場面である。その他の場面では,最高裁は方式を柔軟に解しており,方式違反のみで無効を得られる事案は多くない。したがって,方式違反は,遺言書の写しを一読すれば判定できる低負担の初期調査として最初に確認し,該当すればそれだけで結論が出るため直ちに主張するが,該当しない場合には深追いせず,主戦場を自書性と遺言能力に移すのが合理的である。

第3 自書性(偽造)に関する裁判例の到達点
1 自書性は五つの事情の総合考慮による

大阪高等裁判所令和7年9月19日判決は,遺言書の偽造すなわち自筆証書遺言の自書性の有無の判断に当たっては,筆跡の同一性(筆跡の類似性),遺言者の自書能力の存否及び程度,遺言書それ自体の体裁等,遺言内容それ自体の複雑性・遺言の動機及び理由・遺言者と相続人又は受遺者との人的関係及び交際状況・遺言に至る経緯等,並びに遺言書の保管状況及び発見状況等の諸事情を総合考慮して判断すべきものと解される,と判示した。この五つの考慮要素は,東京地方裁判所民事部プラクティス委員会第二小委員会が判例タイムズ上で整理した枠組みと一致するものであり,下級審実務の到達点を高等裁判所が正面から確認したものと位置付けられる。

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証券口座の相続――準共有・遺産分割・移管手続と税務の実務(AI作成)

被相続人が証券会社に上場株式,投資信託,公社債等を保有していた場合,これらは預貯金と同様に「口座」で管理されているため,実務では預貯金と同じ感覚で扱われがちである。
しかし,証券口座内の資産は,資産の種類ごとに相続開始時の帰属の態様が異なり,遺産分割前に相続人が単独でできることの範囲も預貯金とは異なる。
本記事は,弁護士が証券口座の相続案件で手続を選択し,主張・立証を組み立て,相手方の反論に備えるために,法的性質,遺産分割前の権利行使,証券会社での移管手続及び税務上の検討を,法令及び裁判例の原典に即して整理するものである。

目次

第1 証券口座内の資産の法的性質――当然分割か準共有か

1 可分債権の当然分割という原則
2 株式・投資信託受益権・個人向け国債は当然分割されない

(1) 株式
(2) 委託者指図型投資信託受益権及び外国投資信託受益権
(3) 個人向け国債

3 相続開始後に生じた元本償還金・収益分配金
4 預貯金に関する判例変更と到達点

第2 遺産分割前の権利行使・管理と手続選択

1 準共有物の管理・保存・変更
2 共有株式の議決権行使と権利行使者の指定
3 遺産分割前の単独払戻し(民法909条の2)の射程
4 手続選択の分岐

第3 証券会社における相続手続の実務

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相続発生時のNISA口座の取扱い(AI作成)

目次

第1 制度の骨格――NISA口座は名義人の死亡でどうなるか

1 NISAが非課税とするのは所得税等であり,相続税は非課税とならないこと
2 名義人の死亡によるNISA口座の廃止と,相続人のNISA口座への引継ぎ不可

第2 所得税の取扱い――みなし譲渡・非課税・取得価額

1 死亡は「払出し事由」であり,死亡日の価額で譲渡があったものとみなされること
2 死亡日までの含み益は非課税,含み損は切り捨てられること
3 相続人の取得価額は死亡日の終値となること――所得税法60条の例外

第3 相続税の取扱い――相続財産としての評価

1 相続財産としての評価方法
2 相続税評価額と所得税の取得価額との相違
3 取得費加算の特例と準確定申告の要否

第4 相続人が複数いる場合――遺産分割の要否と移管

1 上場株式・投資信託受益権は当然分割されないこと
2 移管先口座の選択と現物移管の実務

第5 手続と依頼者からの聴取事項

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遺産相続における非上場株式の評価方法(AI作成)

非上場株式(取引相場のない株式)は,証券取引所での市場価格が存在しません。そのため,遺産の中にこの種の株式があると,「いくらと評価するか」という一点をめぐって相続人間の利害が鋭く対立し,遺産分割や遺留分の紛争が長期化しがちです。本稿では,弁護士が実務で押さえておくべき評価の考え方を,相続税評価と私法上の評価の違い,評価方法の種類,最高裁判例の到達点,評価の基準時,相続後の換価と税務まで,横断的に整理します。

目次

第1 本稿の視点――「評価」は1つではない

1 なぜ非上場株式の評価は難しいのか
2 場面ごとに異なる「時価」の見取図

(1) 4つの時価
(2) 私法上の時価は税務上の時価より高くなりやすい

第2 相続税評価(財産評価基本通達)の基礎

1 4段階の判定手順

(1) 株主区分の判定
(2) 会社規模の判定
(3) 特定の評価会社の判定
(4) 評価方式の適用

2 相続税評価をそのまま遺産分割に用いてはならない
3 評価方式の見直しの動き

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相続放棄と生前贈与スキームの限界(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論の要旨

1 問題の所在
2 結論の要旨——「相続放棄の脚」と「生前贈与の脚」
3 前提となる制度の骨格

第2 相続放棄それ自体は債権者に覆されにくい

1 相続放棄は詐害行為取消権の対象とならない
2 相続放棄の効力は登記なくして生ずる
3 遺産分割協議との違い

第3 攻撃はもっぱら生前贈与に向かう

1 詐害行為取消権
2 破産手続における否認権
3 国税徴収法39条の第二次納税義務
4 贈与が完成していないという問題(名義預金)

第4 負担からの解放という目的の限界

1 占有する相続放棄者には保存義務が残る
2 相続人不存在後の清算と費用

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非典型財産の相続実務(AI作成)

相続の実務では,現金・預貯金・不動産といった典型的な財産のほかに,投資信託・暗号資産・ゴルフ会員権・知的財産権・営業上の許可など,取扱いに固有の注意を要する財産に出会うことがあります。本稿は,こうした「非典型財産」を相続の場面でどう扱うかを,条文と最高裁判例を手がかりに,弁護士の実務目線で横断的に整理するものです。引用する法令は条文番号を明示し,裁判例は裁判所ウェブサイト又は判例データベースで内容を確認したものに限っています。

目次

第1 はじめに──「非典型財産」という視点

1 なぜ「非典型」を意識するのか
2 相続の一般原則と「当然分割」の可否

第2 金融商品の相続

1 可分債権の原則と預貯金の例外
2 投資信託と個人向け国債

(1) 委託者指図型投資信託の受益権
(2) 個人向け国債
(3) 未分割期間中の管理と権利行使

3 上場株式・非上場株式
4 生命保険金

(1) 受取人固有の財産という原則
(2) 特別受益の持戻しが問題となる場合
(3) 団体信用生命保険

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日本の証券会社経由で米国株式を保有していた場合の相続手続(AI作成)

目次
第1 はじめに
1 問題の所在――四つの法分野が交錯すること
2 本記事の対象と留保

第2 相続人の確定と相続税の納税義務者の判定
1 相続の準拠法
2 相続税の納税義務者の区分と「住所」の認定
(1) 無制限納税義務者と制限納税義務者の分岐
(2) 「住所」の認定が争われた最高裁判決とその考慮要素

第3 米国株式は相続税法上「国外財産」であること
1 財産の所在に関する規定
2 評価と邦貨換算の実務

第4 米国連邦遺産税(非居住外国人課税)の構造
1 課税対象と基礎控除
2 申告義務とその期限
3 日米相続税条約による軽減とその代償

第5 IRS移転証明書(Transfer Certificate)制度と証券会社経由保有
1 制度の趣旨と義務を負う主体
2 日本の証券会社の保管構造
3 手続の平易さと納税義務の峻別――結論を左右し得る不確実な要素

第6 相続税申告の実務対応
1 外国税額控除と国外財産調書
2 遺産が未分割である場合の申告
3 税務当局から想定される指摘

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日本の証券会社で米国株式を保有する人の相続と米国連邦遺産税――課税範囲・条約による軽減・配偶者と生前対策(AI作成)

◯「日本の証券会社経由で米国株式を保有していた場合の相続手続(AI作成)」も参照されたい。
◯日本に居住する個人が,国内の証券会社の外国株式取引口座を通じて米国株式を保有したまま死亡した場合,日本の相続税だけでなく,米国連邦遺産税(federal estate tax)の適用が問題となる。
米国連邦遺産税は,米国の市民でも居住者でもない者(nonresident alien。以下「NRA」という。)については,米国に所在する財産に限って課される。
そこで,同じ「米国株式に関係する資産」であっても,個別株式,米国籍の上場投資信託(ETF),米国外を設立地とするファンド,米国債,現金のいずれであるかによって,課税範囲が分かれることになる。

本稿は,この課税範囲の判定,日米相続税条約による軽減の内容と限界,並びに配偶者が承継する場合及び生前における対応という,資産設計に関わる論点を扱う。
これに対し,相続人の確定,日本の相続税の納税義務者の判定と「住所」の認定,国外財産の評価と邦貨換算,証券会社における名義書換えの手続,及びIRS移転証明書(Transfer Certificate)制度の具体的な構造については,別稿「日本の証券会社経由で米国株式を保有していた場合の相続手続」で扱っており,本稿ではこれらの手続面には立ち入らない。
検討の対象は,被相続人及び相続人がいずれも日本に住所を有する日本人が,国内の証券会社を通じて米国法人が発行する株式等を保有していた場合とし,米国の証券会社に直接口座がある場合,米国不動産を保有する場合,及び米国の市民権又は居住歴を有する者に固有の論点は扱わない。

目次

第1 米国連邦遺産税の課税範囲

1 課税の基本構造
2 米国株式・ETF・投資信託の所在

(1) 個別株式の所在
(2) ETF・投資信託の所在——米国籍と外国籍の分岐

3 米国所在とされない財産

第2 基礎控除・税率と日米相続税条約による軽減

1 条約を用いない場合の控除と税率
2 条約による統一控除の按分と計算例
3 軽減を受ける前提としての全世界財産の開示

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相続の法定単純承認(民法921条)の実務――処分・熟慮期間の徒過・背信的行為の要件と主張立証(AI作成)

相続の放棄又は限定承認をしようとする相続人が,その前後の行動によって単純承認をしたものとみなされ,放棄又は限定承認ができなくなることがある。民法921条が定める法定単純承認である。本記事は,同条の3類型(相続財産の処分,熟慮期間の徒過,放棄又は限定承認後の背信的行為)について,適用要件,手続選択,主張立証の構造及び相手方の反論の見通しを,条文及び裁判例に即して整理する。相続債権者の側から放棄の効力を争う場面と,相続人の側で放棄又は限定承認を維持する場面の双方を念頭に置く。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,個別の事案に対する法的助言ではない。

目次

第1 法定単純承認の意義と本記事の検討範囲

1 3類型と単純承認の効果
2 実務上の意味と本記事の範囲

第2 相続財産の処分(921条1号)

1 処分に当たるための主観的要件
2 「処分」の範囲と保存行為・短期賃貸借の除外
3 実務上問題となる支出・行為

(1) 葬儀費用・墓石・仏壇の負担
(2) 預貯金の払戻しと相続債務の弁済
(3) 遺産分割協議への関与

第3 熟慮期間の徒過(921条2号)

1 熟慮期間の起算点と繰下げ
2 再転相続における起算点

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レビー小体型認知症患者の公正証書遺言の無効主張方法(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論の骨格1 問われるのは診断名ではなく,遺言の内容と結果を弁識する能力である2 公正証書であることは遺言能力を保証しない3 令和5年改正後の条文構造4 総論記事との役割分担第2 レビー小体型認知症の医学的特徴1 診断基準の構造2 中核的特徴としての認知の変動3 変動の実測値は秒単位から分単位である4 変動するのは注意と覚醒であり,遺言能力の中身ではない5 視空間認知障害と読み聞かせ・閲覧の限界6 抗精神病薬に対する重篤な過敏性7 せん妄との重畳8 診断バイオマーカーとその精度9 改訂長谷川式及びMMSEは本症の障害を過小評価する第3 遺言能力に関する裁判例の判断枠組み1 医学的判断と法的判断の二層構造2 認知機能検査の点数の扱い3 スケール未実施でも医師の診断の信用性は否定されない4 診断書・意見書の証拠価値は作成時期と裏付けで決まる5 要介護認定資料と介護記録の使い方6 処方薬の承認された効能・効果から重症度を推認する第4 レビー小体型認知症の裁判例1 無効とされた例2 有効とされた例3 診断の直後の遺言でも能力が肯定された例4 画像所見により診断名の当てはめが覆された例5 財産処分の意思能力が否定された例6 裁判例から読み取れる分岐点第5 口授に関する裁判例1 挙動のみでは口授でない2 うなずくのみで証人が真意を確認できなければ方式違反となる3 口授とは自分の言葉で財産の処分を語ることである4 「はい」という返事だけでは口授として足りない5 口授と筆記の前後は問わない6 項目ごとの確認に明確に答えれば口授が認められる7 声を出してうなずいたにとどまる場合8 示唆型の確認は口授にも真意の確認にもならない9 通訳人による申述10 危急時遺言について口授を肯定した最高裁判例第6 証人及び方式に関する裁判例1 証人の立会いは実質を要する2 証人となることができない者の同席3 署名押印への立会い4 視覚障害のある者の証人適格5 遺言者の署名の要件第7 公証人実務からみた作成過程の検証1 能力に疑いがあるときの注意義務及び説明義務2 診断書等による証拠保全を促す通達3 受益者の影響の排除4 署名の可否,視力及び聴力の確認5 公証人の回答書及び証言の証拠価値6 守秘義務と証言拒絶権7 公証人の過失と国家賠償第8 証拠収集の設計1 公正証書及びその附属書類2 診療記録の開示3 介護記録及び要介護認定資料4 弁護士会照会の限界5 訴訟上の手段6 医学専門家の関与第9 典型的な反論への対応1 作成時は明瞭であったとの反論2 遺言内容が単純であるとの反論3 受益者は補助しただけであるとの反論4 診断名はアルツハイマー型であるとの反論5 無効主張以外の構成の検討第10 令和8年改正の影響第11 出典1 法令2 裁判例3 公的資料4 医学文献5 法律実務文献

第1 本記事の対象と結論の骨格

1 問われるのは診断名ではなく,遺言の内容と結果を弁識する能力である

本記事は,レビー小体型認知症の診断を受けた人が作成した公正証書遺言について,相続人等がその無効を主張する場合の主張の組み立てと立証を扱う。

民法3条の2は「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは,その法律行為は,無効とする。」と定め,同法963条は「遺言者は,遺言をする時においてその能力を有しなければならない。」と定める。

したがって問題となるのは診断名そのものではなく,遺言をした時点において,当該遺言の内容とその結果を理解して判断することができたかである。レビー小体型認知症という診断がある事案でも,遺言能力が肯定された裁判例と否定された裁判例の双方が存在する(第4参照)。

2 公正証書であることは遺言能力を保証しない

公証人が関与したという事実は,作成時の遺言能力を確定させるものではない。公証人は医学的な鑑定をする立場にはなく,公正証書の末尾に置かれる方式文言は定型であって,個別の遺言者にその方式が実質的に機能したかを示すものではない。

公正証書遺言が遺言能力の欠如を理由に無効とされた裁判例は,高等裁判所のものに限っても複数存在する(東京高等裁判所平成25年3月6日判決,東京高等裁判所平成25年8月28日判決,東京高等裁判所平成22年7月15日判決,大阪高等裁判所平成19年4月26日判決)。逆に,重い認知機能の低下がありながら有効とされた裁判例も多い。結論は,医学的な重症度のみで決まるものではない。

3 令和5年改正後の条文構造

公正証書遺言の方式は,令和5年法律第53号(公証制度のデジタル化)により改正され,令和7年10月1日から施行されている。現行の民法969条1項は,①証人2人以上の立会い,②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること,の2点のみを掲げ,同条2項は「前項の公正証書は,公証人法(明治四十一年法律第五十三号)の定めるところにより作成するものとする。」と定める。

改正前の969条3号から5号(筆記,読み聞かせ又は閲覧,署名押印)は削除され,読み聞かせ・閲覧及び承認は公証人法40条1項に移された。同条3項は,嘱託人の申出があり公証人がこれを相当と認めるときは,映像と音声の送受信により相互に状態を認識しながら通話をする方法(ウェブ会議)によることを認めている。

したがって,令和7年10月1日以後に作成された遺言公正証書について読み聞かせ又は閲覧の欠缺を主張する場合,根拠条文は改正前の969条3号ではなく公証人法40条1項である。改正前に作成されたものについては改正前の条文で論ずることになる。改正前の文献が示す条文番号は読み替えを要する。

なお,ウェブ会議による作成が広がると,公証人が対面で遺言者の様子を観察する機会の質が変わり得る。レビー小体型認知症のように覚醒水準の変動が中核となる疾患では,画面越しの観察で傾眠や注意の途切れをどこまで把握できたかが,後の紛争で新たな争点となる可能性がある。

4 総論記事との役割分担

「公正証書遺言の効果的な無効主張方法(AI作成)」は,訴訟の枠組み,当事者,無効原因の全体地図,立証責任の分配,代替請求その他の一般的な問題を扱っている。

本記事は,そのうちレビー小体型認知症に固有の医学的特徴と,公証人実務における作成過程の検証,及びこれらに関する裁判例の分析に対象を絞る。

第2 レビー小体型認知症の医学的特徴

1 診断基準の構造

本症の臨床診断は,第4次コンセンサス報告(McKeith IG et al., Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies, Neurology 89:88-100, 2017)によっている。同報告は,従前の基準を改め,臨床的特徴(中核的特徴・支持的特徴)と診断バイオマーカー(指標的バイオマーカー・支持的バイオマーカー)を明確に区別した。

中核的特徴は,①認知の変動,②繰り返し出現する構築された具体的な幻視,③パーキンソニズム,④レム睡眠行動異常症の4つである。レム睡眠行動異常症は,剖検により確認された症例で非本症例に比べ著しく高い頻度で認められた(76パーセント対4パーセント)ことから,第4次報告で中核的特徴に格上げされた。

診断上重要な前提として,同報告は「注意,遂行機能及び視覚処理の障害が,記憶及び呼称の障害に比して不均衡に大きいことが典型である」と述べ,記憶と物品呼称は本症では比較的保たれる傾向があるとしている。この一文は,後述する認知機能検査の読み方に直結する。

また同報告は,臨床現場における本症の検出率はなお不十分であり,多くが見落とされ,又はアルツハイマー型認知症と誤診されていると指摘する。剖検により研究上アルツハイマー型と診断されていた者の半数までにレビー病理が併存し得るという報告も引いている。カルテ上の診断名がそのまま病態を示すとは限らない。

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令和8年成年後見制度改正と関係法律61本の整備(AI作成)

目次

第1 令和8年改正の対象と現在の適用関係

1 二つの法律を分けて読む必要がある
2 公布済みであるが成年後見部分は未施行である
3 改革の出発点は包括的な権利制限の縮小である

第2 法定後見を補助へ一元化する仕組み

1 判断能力の三類型から必要な権限の選択へ移る
2 三つの権限は効果が異なる
3 必要性がなくなれば能力回復前でも終了できる
4 意思尊重と任意後見の位置付けも変わる

第3 関係法律整備法が行う五つの接続

1 身分名称の削除と接続先の選択
2 民事訴訟は身分から訴訟能力の個別判断へ移る
3 会社法,信託法及び消費者契約法への影響
4 福祉,医療及び行政手続は一般的な医療同意権を設けない

第4 法律第46号が整備する61法律
第5 旧後見,旧保佐及び旧補助の経過措置

1 旧後見及び旧保佐は一律に新制度へ移らない

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