最高裁判所裁判官国民審査

令和3年10月31日執行の第25回最高裁判所裁判官国民審査

目次
第1 第25回最高裁判所裁判官国民審査の実施
第2 第25回最高裁判所裁判官国民審査の対象となる11人の最高裁判所裁判官(着任順)
1 平成30年1月9日任命の深山卓也最高裁判所判事(34期・第一小法廷)
2 平成30年2月26日任命の三浦守最高裁判所判事(34期・第二小法廷)
3 平成31年2月13日任命の草野耕一最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
4 平成31年3月20日任命の宇賀克也最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
5 令和元年9月2日任命の林道晴最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
6 令和元年10月2日任命の岡村和美最高裁判所判事(35期・第二小法廷)
7 令和3年2月8日任命の長嶺安政最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
8 令和3年7月16日任命の安浪亮介最高裁判所判事(35期・第一小法廷)
9 令和3年7月16日任命の渡邉惠理子最高裁判所判事(40期・第三小法廷)
10 令和3年9月3日任命の岡正晶最高裁判所判事(34期・第一小法廷)
11 令和3年9月3日任命の堺徹最高裁判所判事(36期・第一小法廷)
第3 第25回最高裁判所裁判官国民審査の結果
第4 国民審査を受ける前に定年退官した,平成30年1月9日任命の宮崎裕子最高裁判所判事(31期・第三小法廷)
第5 関連記事その他

第1 第25回最高裁判所裁判官国民審査の実施
・ 平成29年10月22日施行の第48回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の11人の最高裁判所裁判官に対して,第25回最高裁判所裁判官国民審査が行われました。
平成29年11月1日発足の第4次安倍内閣任命分)
1 平成30年1月9日任命の深山卓也最高裁判所判事(34期・第一小法廷)
2 平成30年2月26日任命の三浦守最高裁判所判事(34期・第二小法廷)
平成30年10月2日発足の第4次安倍第1次改造内閣任命分)
3 平成31年2月13日任命の草野耕一最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
4 平成31年3月20日任命の宇賀克也最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
5 令和元年9月2日任命の林道晴最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
令和元年9月11日発足の第4次安倍第2次改造内閣任命分)
6 令和元年10月2日任命の岡村和美最高裁判所判事(35期・第二小法廷)
令和2年9月16日発足の菅義偉内閣任命分)
7 令和3年2月8日任命の長嶺安政最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
8 令和3年7月16日任命の安浪亮介最高裁判所判事(35期・第一小法廷)
9 令和3年7月16日任命の渡邉惠理子最高裁判所判事(40期・第三小法廷)
10 令和3年9月3日任命の岡正晶最高裁判所判事(34期・第一小法廷)
11 令和3年9月3日任命の堺徹最高裁判所判事(36期・第一小法廷)
令和3年10月4日の発足の第1次岸田内閣任命分)
(任命なし)
・ 「最高裁判所判事任命の閣議書」も参照してください。

第2 第25回最高裁判所裁判官国民審査の対象となる11人の最高裁判所裁判官(着任順)
1 平成30年1月9日任命の深山卓也最高裁判所判事(34期・第一小法廷)

(1) 基本情報
ア 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,令和6年9月2日に定年退官が発令される予定です。
イ 最高裁判所長官に昇進した大谷直人最高裁判所判事(29期・第一小法廷)の後任として,平成29年12月8日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「深山卓也」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は7.82%でした。
(2) 掲載資料
・ 平成29年12月19日付の,「新最高裁判所長官及び新最高裁判所判事の就任に伴う記者会見における写真取材について」

2 平成30年2月26日任命の三浦守最高裁判所判事(34期・第二小法廷)
(1) 基本情報
ア 東京大学法学部卒業であり,元大阪高検検事長であり,令和8年10月23日に定年退官が発令される予定です。
イ 平成30年1月16日に依願退官した小貫芳信最高裁判所判事(27期・第二小法廷)の後任として,平成30年2月16日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「三浦守」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は6.67%でした。
(2) 掲載文書
・ 西川克行東京高検検事長,伊丹俊彦大阪高検検事長,青沼隆行次長検事及び三浦守札幌高検検事長任命の閣議書(平成27年12月1日付)

3 平成31年2月13日任命の草野耕一最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
(1) 基本情報
ア 東京大学法学部卒業であり,元 東京大学大学院法学政治学研究科客員教授・元 慶應義塾大学法務研究科教授であり,令和7年3月22日に定年退官が発令される予定です。
イ 定年退官する鬼丸かおる最高裁判所判事(27期・第二小法廷)の後任として,平成31年1月11日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「草野耕一」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は6.68%でした。
(2) 掲載文書
・ 草野耕一最高裁判所判事の就任に伴う記者会見における写真取材について(平成31年2月7日付の最高裁判所事務総局広報課の文書)

4 平成31年3月20日任命の宇賀克也最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
(1) 基本情報
ア 昭和30年7月21日生まれであり,東京大学法学部卒業であり,元 東京大学大学院法学政治学研究科教授であり,令和7年7月21日に定年退官が発令される予定です。
イ 定年退官する岡部喜代子最高裁判所判事(28期・第三小法廷)の後任として,平成31年2月22日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「宇賀克也」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は6.88%でした。
(2) 掲載文書
・ 宇賀克也最高裁判所判事の就任記者会見関係文書(平成31年3月20日実施分)
・ 宇賀克也最高裁判所判事の事務視察資料(令和元年5月30日付の高松高裁の文書)

5 令和元年9月2日任命の林道晴最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
(1) 基本情報
ア 昭和32年8月31日生まれであり,東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,令和9年8月31日に定年退官が発令される予定です。
イ 定年退官する山崎敏充最高裁判所判事の後任(27期・第三小法廷)として,令和元年8月2日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「林道晴」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は7.69%でした。
(2) 掲載文書
・ 林道晴最高裁判所判事の就任記者会見関係文書(令和元年9月2日実施分)
・ 平成30年4月27日付の東京地裁所長書簡(平成30年6月12日の林道晴東京高裁長官の講話)
(3) その他
・ 平成30年3月15日,ツイッターで,特定の性犯罪事件についての判決にリンクを張ったり,「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」,「そんな男に,無惨にも殺されてしまった17歳の女性」と記載した投稿をして,被害者遺族の感情を傷つけるなどした46期の岡口基一東京高裁第22民事部判事について,下級裁判所事務処理規則21条に基づき,書面による厳重注意をしました。

6 令和元年10月2日任命の岡村和美最高裁判所判事(35期・第二小法廷)
(1) 基本情報
ア 早稲田大学法学部卒業であり,元 消費者庁長官であり,
令和9年12月23日に定年退官が発令される予定です。
イ 定年退官する山本庸幸最高裁判所判事(期外・第二小法廷)の後任として,令和元年9月20日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「岡村和美」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は7.26%でした。
(2) 掲載文書
・ 岡村和美最高裁判所判事の就任記者会見関係文書(令和元年10月2日実施分)

7 令和3年2月8日任命の長嶺安政最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
(1) 基本情報
ア 昭和29年4月16日生まれであり,東京大学教養学部卒業であり,元 駐英大使であり,令和6年4月16日に定年退官が発令される予定です。
イ 定年退官する林景一最高裁判所判事の後任(期外・第三小法廷)として,令和3年1月15日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.com「長嶺安政」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は7.24%でした。
(2) 掲載文書
・ 英国駐箚特命全権大使長嶺安政に交付すべき信任状及び前任特命全権大使鶴岡公二の解任状に関する閣議請議について(令和元年10月30日付の外務省の文書)
・ 英国駐箚特命全権大使長嶺安政他一名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使鶴岡公二外一名の解任状につき認証を仰ぐことに関する閣議書(令和元年11月1日付)
・ 最高裁判所事務総局広報課の決裁票(令和3年2月8日実施の長嶺安政最高裁判事の就任記者会見概要のウェブサイト掲載に関するもの)
(3) その他
・ 外務省国際法局長経験のある最高裁判所判事も参照してください。

8 令和3年7月16日任命の安浪亮介最高裁判所判事(35期・第一小法廷)
(1) 基本情報
ア 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,令和9年4月19日に定年退官が発令される予定です。
イ 小池裕最高裁判所判事(29期・第一小法廷)の後任として,令和3年6月4日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.comの「安浪亮介」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は5.92%でした。
(2) 掲載文書
・ 安浪亮介 大阪高等裁判所長官任命の閣議書(平成30年12月20日付)
・ 安浪亮介大阪高裁長官の就任記者会見関係文書(平成31年1月30日実施分)
・ 安浪亮介及び渡邉恵理子最高裁判所判事の就任記者会見(令和3年7月16日開催分)に関する文書
・ 安浪亮介最高裁判事就任記者会見(令和3年7月16日実施分)の概要のウェブサイトへの掲載について(令和3年8月4日付の最高裁広報課の決裁文書)

9 令和3年7月16日任命の渡邉惠理子最高裁判所判事(40期・第三小法廷)
(1) 基本情報
ア 東北大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会所属の弁護士・元 長島・大野・常松法律事務所パートナーであり,令和10年12月27日に定年退官が発令される予定です。
イ 定年退官する宮崎裕子最高裁判所判事の後任(31期・第三小法廷)として,令和3年6月4日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.comの「渡邉惠理子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は6.07%でした。
(2) 掲載文書
・ 安浪亮介及び渡邉恵理子最高裁判所判事の就任記者会見(令和3年7月16日開催分)に関する文書
(3) その他
ア 独占禁止法関係の案件が仕事の99%を占めていて,家族構成は夫とネコたちとのことです(Attorney’s MAGAZINE Onlineの「弁護士 渡邉惠理子」参照)。
イ 東京高裁平成10年7月9日判決(判例秘書に掲載)は,香川大学法学部及び同大学大学院法学研究科教授の職に在り、租税法を担当していた者(昭和32年3月に東京大学教養学部を卒業し,国税庁,国税局及び国税不服審判所に勤務した後,平成2年4月に香川大学教授となった。)がした弁護士名簿登録請求に対し、日弁連がした同請求を拒絶する旨の決定は適法であると判示しました。

10 令和3年9月3日任命の岡正晶最高裁判所判事(34期・第一小法廷)
(1) 基本情報
ア 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,令和8年2月2日に定年退官が発令される予定です。
イ 木澤克之最高裁判所判事(29期・第一小法廷)の後任として,令和3年7月30日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.comの「岡正晶」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は6.20%でした。
(2) 掲載文書
・ 岡正晶最高裁判所判事及び堺徹最高裁判所判事の就任記者会見(令和3年8月27日実施分)に関する文書

11 令和3年9月3日任命の堺徹最高裁判所判事(36期・第一小法廷)
(1) 基本情報
ア 東京大学法学部卒業であり,元 東京高検検事長であり,令和10年7月17日に定年退官が発令される予定です。
イ 池上政幸最高裁判所判事(29期・第一小法廷)の後任として,令和3年7月30日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
ウ 投票行動.comの「堺徹」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
エ 罷免を可とする率は6.19%でした。
(2) 掲載資料
・ 岡正晶最高裁判所判事及び堺徹最高裁判所判事の就任記者会見(令和3年8月27日実施分)に関する文書

第3 第25回最高裁判所裁判官国民審査の結果
・ Wikipediaの「2021年最高裁判所裁判官国民審査」によれば,国民審査の結果(罷免を可:罷免を不可)は以下のとおりでした。
深山卓也  447万3315票:5270万7475票(罷免を可とする率は7.82%)
三浦 守  381万3025票:5336万7781票(罷免を可とする率は6.67%)
草野耕一  382万1616票:5335万9181票(罷免を可とする率は6.68%)
宇賀克也  391万1314票:5326万9474票(罷免を可とする率は6.88%)
林 道晴  439万7748票:5278万3073票(罷免を可とする率は7.69%)
岡村和美  414万9807票:5303万1006票(罷免を可とする率は7.26%)
長嶺安政  413万8543票:5304万2293票(罷免を可とする率は7.24%)
安浪亮介  338万4687票:5379万6120票(罷免を可とする率は5.92%)
渡邉惠理子 346万8613票:5371万2174票(罷免を可とする率は6.07%)
岡 正晶  354万4361票:5363万6426票(罷免を可とする率は6.20%)
堺  徹  353万9058票:5364万1758票(罷免を可とする率は6.19%)


第4 国民審査を受ける前に定年退官した,平成30年1月9日任命の宮崎裕子最高裁判所判事(31期・第三小法廷)
1 基本情報
(1) 昭和26年7月9日生まれであり,東京大学法学部卒業であり,元 東京大学法科大学院客員教授・元 京都大学客員教授であり,令和3年7月8日限りで定年退官しました。
(2) 定年退官する木内道祥最高裁判所判事(27期・第三小法廷)の後任として,平成29年12月8日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 投票行動.com「宮崎裕子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
2 就任前後の事情
(1) 宮崎裕子弁護士は長年にわたり長島・大野・常松法律事務所のパートナーを務めていました(同事務所HP「宮崎裕子元弁護士が最高裁判所判事に就任」参照)。
(2) 平成30年1月10日付の行政文書不開示決定通知書によれば,木内道祥最高裁判所判事の後任として,最高裁が内閣に対して提示した候補者の人数,及び日弁連からの推薦の有無が分かる文書は存在しません。
(3) 日弁連が最高裁に推薦した9人のうちの1人でした(朝日新聞HPの「旧姓使用の最高裁判事が就任 ホテル宿泊拒まれた経験も」参照)。
(4) 当初の報道では,戸籍名の「竹内裕子」という氏名が記載されていました(5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の「【人事】最高裁長官 大谷直人氏起用を閣議決定 来月9日づけで発令 」参照)。
(5) 2018年1月26日の毎日新聞のネット記事には,「「『宮崎裕子』を名乗ることができないと言われたら、(判事を受けるかどうか)かなり悩んだと思う」。昨秋、最高裁は裁判官が判決文や令状で旧姓を使うことを認めた。旧姓を使う初の最高裁判事となった点を記者に問われると、率直な思いを明かした。」と書いてあります。
   ただし,日弁連推薦の最高裁判所判事候補者になることを希望する場合,前任者の定年退官予定日の1年近く前までに,50名以上の会員又は単位弁護士会から日弁連の最高裁判所裁判官推薦諮問委員会への第一次推薦を受ける必要がありますところ,2017年1月頃の時点では,最高裁が裁判官の旧姓使用を認める予定であったかどうかは内部的にも決まっていなかったと思います。
3 掲載文書
・ 平成29年12月19日付の,「新最高裁判所長官及び新最高裁判所判事の就任に伴う記者会見における写真取材について」
4 その他
(1) 国民審査を受ける前に定年退官したのは,31期の宮崎裕子最高裁判所判事が初めてです。
(2) 2018年1月26日の毎日新聞のネット記事には,「「法廷に男女差はない」。法曹を志した時、そう助言してくれた元裁判官の父は昨年10月に96歳で死去し、最高裁判事就任が決まったのはその2カ月後だった。」と書いてあります。
   ところで,4期の宮崎富哉裁判官(1921年9月7日生)は,海軍兵学校70期であり,戦後は東大卒業後,裁判官・弁護士として活躍し(江鷹会の談話室ブログ「丸の内木曜会3月例会」参照),2017年10月に死亡しました(2017年11月24日のツイッター情報「先程、兵70期の宮崎富哉大尉が10月に亡くなられたとご令嬢様よりお電話をいただいた」参照)から,死亡時の年齢は96歳であると思います。ただし,2017年10月の叙位情報が載っている,裁判所時報平成30年1月1日号には宮崎富哉裁判官の叙位は掲載されていません。

第5 関連記事その他
1 令和3年10月14日の衆議院解散に伴う令和3年10月31日施行の第49回衆議院議員総選挙(投票率は55.93%)の結果,岸田内閣が継続することとなりました。
2 以下の資料を掲載しています。
・ 最高裁判所裁判官の審査公報掲載文原稿用紙及びその決裁票(令和3年10月19日決裁終了)
3 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所裁判官国民審査
・ 最高裁判所裁判官の少数意見
・ 最高裁判所第一小法廷(着任順)
・ 最高裁判所第二小法廷(長官以外は着任順)
・ 最高裁判所第三小法廷(着任順)
・ 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
・ 最高裁判所裁判官等の公用車
・ 高輪1期以降の,裁判官出身の最高裁判所判事
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
・ 最高裁判所判事任命の閣議書

平成29年10月22日執行の第24回最高裁判所裁判官国民審査

目次
第1 第24回最高裁判所裁判官国民審査の実施
第2 第24回最高裁判所裁判官国民審査の対象となる7人の最高裁判所裁判官(着任順)
1 平成27年2月17日任命の大谷直人最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
2 平成27年4月2日任命の小池裕最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
3 平成28年7月19日任命の木澤克之最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
4 平成28年9月5日任命の菅野博之最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
5 平成29年2月6日任命の山口厚最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
6 平成29年3月14日任命の戸倉三郎最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
7 平成29年4月10日任命の林景一最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
第3 第24回最高裁判所裁判官国民審査の結果
第4 関連記事その他

第1 第24回最高裁判所裁判官国民審査の実施
1 平成26年12月14日施行の第47回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の7人の最高裁判所裁判官に対して,第24回最高裁判所裁判官国民審査が行われました。
平成26年12月24日発足の第3次安倍内閣任命分)
① 平成27年 2月17日任命の大谷直人最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
② 平成27年 4月 2日任命の小池裕 最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
(平成27年10月 7日発足の第3次安部第1次改造内閣任命分)
③ 平成28年 7月19日任命の木澤克之最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
(平成28年 8月 3日発足の第3次安部第2次改造内閣任命分)
④ 平成28年 9月 5日任命の菅野博之最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
⑤ 平成29年 2月 6日任命の山口厚 最高裁判所判事( 期外・第一小法廷)
⑥ 平成29年 3月14日任命の戸倉三郎最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
⑦ 平成29年 4月10日任命の林景一 最高裁判所判事( 期外・第三小法廷)
(平成29年 8月 3日発足の第3次安部第3次改造内閣任命分)
(任命なし)
2 「最高裁判所判事任命の閣議書」も参照してください。

第2 第24回最高裁判所裁判官国民審査の対象となる7人の最高裁判所裁判官(着任順)
1 平成27年2月17日任命の大谷直人最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
(1) 昭和27年6月23日生まれであり,東京大学法学部卒であり,元 大阪高等裁判所長官であり,令和4年6月23日に定年退官が発令される予定です。
(2) 平成27年2月15日に定年退官が発令される白木勇最高裁判所判事(22期・第一小法廷)の後任として,同年1月23日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 外部HPの「最高裁事務総局とはいかなる役所か」に,最高裁判所事務総長になるまでの大谷直人裁判官の経歴が書いてあります。
    東京高裁管内から出たのは富山地家裁勤務の1回だけです。
(4) 投票行動.comの「大谷直人」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(5)ア 日本記者クラブ(JPNC)HP「富士山と重なる凛とした姿 最高裁判所事務総長・大谷直人さん」が載っています。
イ 産経ニュースに「「国民の目が厳しくなっている」大谷直人・新最高裁判事が就任会見」が載っています。
(6)ア 平成29年12月7日,次の最高裁判所長官に就任することがNHK等で報道されました(NHKニュースWEB「最高裁長官に大谷直人氏起用へ 政府が方針固める」参照)。
イ 報道の前日,NHKの放送受信料は合憲であるとする最高裁大法廷平成29年12月6日判決が出ました。
(7) 以下の資料を載せています。
・ 大谷直人最高裁判所判事の履歴書等
・ 大谷直人最高裁判所長官任命時の閣議書
・ 新最高裁判所長官及び新最高裁判所判事の就任に伴う記者会見における写真取材について(平成29年12月19日付)

2 平成27年4月2日任命の小池裕最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
(1) 昭和26年7月3日生まれであり,東京大学法学部卒であり,元 東京高等裁判所長官であり,令和3年7月3日に定年退官が発令される予定です。
(2) 平成27年4月1日に定年退官が発令される金築誠志最高裁判所判事(21期・第一小法廷)の後任として,同年3月3日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 投票行動.comの「小池裕」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(4) 産経ニュースに「「何が正しくて正しくないか…批判に耐えうる判断を」最高裁新判事の小池裕氏が抱負」」が載っています。
(5) 小池裕最高裁判所判事任命の閣議書(平成27年3月3日付)を掲載しています。

3 平成28年7月19日任命の木澤克之最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
(1)ア 昭和26年8月27日生まれであり,立教大学法学部卒であり,元 東京弁護士会司法修習委員会委員長・日弁連司法修習委員会委員,元司法研修所民事弁護教官(「司法研修所教官の名簿」も参照して下さい。)であり,令和3年8月27日に定年退官が発令される予定です。
イ 中島・彦坂・久保内法律事務所facebookの「弁護士出身の最高裁判事」によれば,東京弁護士会の「法友会」という会派出身です。
ウ 日弁連新聞第515号(2016年12月発行)に「木澤最高裁判事を訪ねて」が載っています。
(2) 平成28年7月4日に定年退官が発令される山浦善樹最高裁判所判事(26期・第一小法廷)の後任として,同年6月17日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 平成4年6月から蔵王産業株式会社の社外監査役をしていました(平成27年6月5日付の,同社の「第59回定時株主総会招集ご通知」39頁参照)が,最高裁判所判事就任に伴い,平成28年6月30日に退任しました(平成28年6月30日付の,同社の「監査役の退任及び補欠監査役の就任に関するお知らせ」参照)。
    同社は,平成28年6月3日付の「第60回定時株主総会招集ご通知」38頁において,第2号議案として補欠監査役1名選任の件を提案していますところ,そこには「なお,本議案における選任の効力は,就任前に限り,監査役会の同意のうえ取締役会の決議によりその選任を取り消すことができるものとさせていただきます。」と書いてありました。
    そのため,同日時点では,木澤克之弁護士の最高裁判所判事への就任が予定されていたものの,確定していたわけではなかったのかもしれません。
(4)ア 立教大学校友会HPに「木澤克之氏(1974年法学部法学科卒)の最高裁判所判事就任が決定」が掲載されています。
イ 立教大学法科大学院は,平成29年5月26日,平成30年度以降の学生募集停止を発表しました(立教大学HPの「立教大学大学院法務研究科(法科大学院)の募集停止について」参照)。
ウ 「⑬法科大学院の募集停止が相次ぎ、法曹志望者が減少するなか、法曹養成制度の現状をどう評価し、どうあるべきだと考えるか。」という質問に対して,「法科大学院で5年間教壇に立った者として、法曹養成の理想に向けて開校した有力な法科大学院で募集停止が相次ぐこととなり、残念でなりません。」などと回答しています(「国民審査を受ける最高裁裁判官7人のアンケート回答全文」)。
(5) 平成25年以降,岡山県の学校法人加計学園(かけがくえん)の監事をしていました。
同学園の理事長である加計孝太郎(Wikipediaの記事によれば,立教大学文学部卒業です。)は,平成28年7月21日,安倍晋三首相と食事をしたり,同月22日,安倍晋三首相とゴルフをしたりしています(外部ブログの「【横車を押す】第二の森友「加計学園」の木澤克之監事が最高裁判事に任命されていた」参照。ただし,リンク先の記事と異なり,弁護士枠出身の最高裁判所判事の場合,判事経験がある人はいませんから,この点では慣例に違反した人事ではありません。)。
(6) 私の知る限り,高輪1期以降の立教大学出身の裁判官は,元裁判官で5人(21期の元福島家裁所長,25期の小川敏夫元法務大臣,27期の元横浜地裁刑事部部総括,30期の元熊本家裁所長及び32期の元名古屋高裁民事部判事),現職裁判官で3人(29期の木澤克之裁判官,31期の高麗邦彦裁判官及び59期の裁判官)です。
(7) 投票行動.comの「木澤克之」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(8)ア 産経ニュースに「木沢氏「市民感覚を踏まえて」就任会見で抱負」が載っています。
イ togetterに「最高裁判所裁判官国民審査に加計学園理事長の同窓生が居る!安倍総理のお友達優遇!落とせ!→弁護士「最高裁判官は日弁連の推薦リストに載るのが出発点」 」が載っています。
(9)ア 平成30年度(最情)答申第54号(平成30年12月21日答申)には以下の記載があります。
①   別紙記載1の文書について,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,事務総局における決裁は審査公報の原稿を送付することを対象とするものであり,原稿の内容等については判事に一任されているので,当該文書は作成し,又は取得していないとのことである。本件開示申出の内容に照らして検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において別紙記載1の文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。
   したがって,最高裁判所において別紙記載1の文書を保有していないと認められる。
② 別紙記載2の文書について,苦情申出人は,対象文書の存否を答えるべきである旨を主張する。しかし,別紙記載2の文書の存否を答える場合には,特定の最高裁判所判事について本件開示申出に係る身上調査資料が存在するか否かが明らかになることからすれば,法5条6号に規定する不開示情報に相当する特定の最高裁判所判事の人事の具体的手続に関する情報を開示することになるので,文書の存否を答えることができないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。
   したがって,別紙記載2の文書について,存否を答えるだけで法5条6号に規定する情報に相当する不開示情報を開示することになるとした原判断は,妥当である。
イ(ア) 別紙記載1の文書は「別件の開示申出に対して開示された特定の文書の記載内容について,間違いないとの確認・検査の上での是認と思料される。何と照合されたか,原資料名とその原本。」であり,別紙記載2の文書は「特定の最高裁判所判事の身上調査資料」です。
(イ) 特定の最高裁判所判事というのは,学校法人加計学園の監事をしていた木澤克之最高裁判所判事のことと思います。
10 平成28年6月17日の,木澤克之最高裁判所判事任命の閣議書を掲載しています。

4 平成28年9月5日任命の菅野博之最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
(1) 昭和27年7月3日生まれであり,東北大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,令和4年7月3日に定年退官が発令される予定です。
(2) 平成28年8月25日に定年退官が発令される千葉勝美最高裁判所判事(24期・第二小法廷)の後任として,同年7月26日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 投票行動.comの「菅野博之」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(4) 東北大学新聞HPに「【特別インタビュー】最高裁判所判事 菅野博之さん~色々な角度からの視点必要~」が載っています。
(5) 漫画家の菅野博之(昭和31年生まれの男性)とは別人です。
(6) 平成28年7月26日の,菅野博之最高裁判所判事任命の閣議書を掲載しています。

5 平成29年2月6日任命の山口厚最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
(1) 昭和28年11月6日生まれであり,東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会弁護士・東京大学大学院法学政治学研究科長・司法試験委員会委員長であり,令和5年11月6日に定年退官が発令される予定です。
(2) 司法試験問題漏洩事件(詳細につき,平成28年3月29日付の「これまでの調査及び検討の状況について」(司法試験出題内容漏えい問題に関する原因究明・再発防止検討ワーキングチーム)参照)に際しては,司法試験委員会委員長として,平成27年9月5日付の文書により,論文式試験公法系科目(憲法)第1問を受験するに当たり,事前に入手した出題内容を了知した状況で受験した明治大学法科大学院出身の女性受験生に対して,①平成27年司法試験の受験禁止,及び②今後5年間,司法試験及び司法試験予備試験の受験禁止処分を通知しました。
    また,同年9月8日,青柳幸一司法試験考査委員(明治大学法科大学院法務研究科教授)に対する告発状(罪名及び罰条は国家公務員法違反 同法109条12号,100条1項)を東京地検に提出しました。
(3)ア 平成29年1月16日に定年退官が発令される櫻井龍子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)の後任として,同月13日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
イ 平成29年6月5日付の司法行政文書不開示通知書によれば,櫻井龍子最高裁判事の後任として山口厚最高裁判事が任命されたことに関して,最高裁が日弁連に対して行った説明内容が分かる文書の存否を答えた場合,不開示情報である特定の最高裁判所判事の人選に関する情報を開示することとなるので,その存否を答えることはできないそうです。
(4)ア 早稲田大学HPに「山口厚教授(法学学術院)が最高裁判所裁判官に」という記事が掲載されています。
イ togetterの「「山口厚最高裁判所裁判官」にざわつくTL」で,山口厚最高裁判所判事就任に関するツイートがまとめられています。
(5)ア 山口厚最高裁判所判事は,日弁連が最高裁判事として推薦した7人の候補者に含まれていなかったという意味で,最高裁判事の任命に関する従来の慣例を逸脱したものになっています(外部ブログの「安倍内閣が最高裁人事に介入か 山口厚最高裁判事」,週刊金曜日ニュースの「「慣行」無視の最高裁人事(西川伸一)」及び弁護士法人金岡法律事務所HPの「弁護士会推薦枠の最高裁判事が任命されなかった事態について」参照)。
イ 山口厚最高裁判所判事が実質的に弁護士出身の 最高裁判所判事でないとした場合,平成29年,弁護士出身の最高裁判所判事の人数は3人になったことになります(「弁護士出身の最高裁判所裁判官の一覧」参照)。
(5) 投票行動.comの「山口厚」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(6) 山口厚最高裁判所判事は,平成29年1月25日をもって桃尾・松尾・難波法律事務所を退所しました。
(7) 山口厚最高裁判所判事及び小林昭彦福岡高裁長官の人事は当初,平成29年1月27日に発令される予定でした。
    しかし,同日に認証式が実施できなかったため,発令が2月6日となりました。
(8)ア 平成29年1月13日の,山口厚最高裁判所判事及び小林昭彦福岡高裁長官任命の閣議書を掲載しています。
山口厚最高裁判事は東大法学部3年生で司法試験に合格したことが分かります。
イ 外部HPの「山口厚(最高裁判事)天才の経歴と家族は?逸話や年収についても!」によれば,司法試験に一桁の成績で合格したらしいです。
ウ 産経ニュースに「「筋が通った結論を」刑法学者から最高裁判事に転身 山口厚氏」が載っています。

6 平成29年3月14日任命の戸倉三郎最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
(1) 昭和29年8月11日生まれであり,一橋大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,令和6年8月11日に定年退官が発令される予定です。
(2) 平成29年3月9日に定年退官が発令される大谷剛彦最高裁判所判事(24期・第三小法廷)の後任として,同年2月10日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3)ア 平成28年6月21日,ツイッターに不適切なつぶやきをしたり,縄で縛られた上半身裸の男性の画像を投稿したりした岡口基一東京高裁第22民事部判事について,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意処分をしました。
    しかし,平成28年8月2日付の,東京高裁の司法行政文書不開示通知書及び平成28年12月14日付の最高裁判所事務総長の理由説明書によれば,「東京高裁が平成28年6月21日付で岡口基一裁判官を口頭注意処分した際に作成した文書」について,東京高裁は,作成又は取得していないことになっています(「裁判所の情報公開」参照)。
イ 「戸倉三郎」でグーグルの画像検索をした場合,パンツを被った男性が出てくる理由については,外部HPの「グーグルが最高裁判事をパンツを被った男性と認識している件」が参考になります。
ウ togetterに「◆あの人に厳重注意◆ 2017年10月22日 最高裁判所裁判官国民審査 【戸倉三郎】裁判官について(右から2番目)」が載っています。
(4) 投票行動.comの「戸倉三郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(5) 産経ニュースに「「責任感持ち,誠実に」最高裁判事に就任した戸倉三郎氏」が載っています。
(6) 平成29年2月10日の,戸倉三郎最高裁判所判事任命の閣議書を掲載しています。

7 平成29年4月10日任命の林景一最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
(1) 昭和26年2月8日生まれであり,京都大学法学部卒業であり,元 駐英大使であり,平成33年2月8日に定年退官が発令される予定です。
(2)ア 平成29年3月31日に定年退官が発令される大橋正春最高裁判所判事(24期・第三小法廷)の後任として,同年1月13日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
イ 平成29年6月5日付の司法行政文書不開示通知書によれば,大橋正春最高裁判事の後任として,最高裁が内閣に対して提示した候補者の人数,及び日弁連からの推薦の有無が分かる文書の存否を答えた場合,不開示情報である特定の最高裁判所判事の人選に関する情報を開示することとなるので,その存否を答えることはできないそうです。
(3)ア 内閣官房HP「内閣官房副長官補」に,内閣官房副長官補時代の写真及び経歴が載っています。
イ 在英国日本国大使館HPに掲載されていた,林景一駐英大使の挨拶(2011年1月11日付)にリンクを張っています。
(4) 産経ニュースに「最高裁判事に林景一氏就任 「新たな分野で大きな挑戦」」が載っています。
(5) 平成29年1月13日の,林景一最高裁判所判事任命の閣議書を掲載しています。

第3 第24回最高裁判所裁判官国民審査の結果
1 第24回最高裁判所裁判官国民審査における罷免を可とする投票数と罷免を可としない投票数(平成29年11月8日の最高裁判所裁判官会議の配布資料)によれば,国民審査の結果(罷免を可:罷免を不可)は以下のとおりであり,罷免を可とする率の平均は7.99%でした。
小池 裕  470万1848票:5011万7752票(罷免を可とする率は8.58%)
戸倉三郎  431万6361票:5050万3269票(罷免を可とする率は7.87%)
山口 厚  436万1391票:5045万8241票(罷免を可とする率は7.96%)
菅野博之  440万7669票:5041万1968票(罷免を可とする率は8.04%)
大谷直人  437万 741票:5044万8887票(罷免を可とする率は7.97%)
木澤克之  440万7902票:5041万1709票(罷免を可とする率は8.02%)
林 景一  410万1605票:5071万8038票(罷免を可とする率は7.48%)
2 最高裁判所裁判官国民審査開票所開票録寝屋川開票区(別紙その1)の数の誤りについて(平成29年10月23日付の報告)を掲載しています。

第4 関連記事その他
1 平成29年9月28日の衆議院解散(主な通称は国難突破解散)に伴う平成29年10月22日施行の第48回衆議院議員総選挙(投票率は53.68%)の結果,安倍内閣が継続することとなりました。
2(1) 平成29年10月22日執行の第24回最高裁判所裁判官国民審査公報にリンクを張っています。
(2) ヤフーニュースに「最高裁国民審査の結果が出ました」(2017年10月24日付)が載っています。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所裁判官国民審査
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
 最高裁判所判事任命の閣議書

最高裁判所裁判官国民審査

目次
1 総論
2 最高裁判所裁判官国民審査のタイミング
3 最高裁判所裁判官国民審査の投票等
4 最高裁判所裁判官国民審査公報
5 最高裁判所裁判官国民審査の在外投票
6 最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票の開始日の変更
7 最高裁判所裁判官国民審査に関する外部HP
8 最高裁判所裁判官に関するHP
9 関連資料及び関連記事

1 総論
(1) 最高裁判所裁判官国民審査の制度は,既に任命されている最高裁判所の裁判官が,その職責にふさわしいかどうかを国民が審査する制度です(憲法79条2項ないし4項,裁判所法48条及び最高裁判所裁判官国民審査法)。
(2) 最高裁判所裁判官国民審査の制度は,国民が裁判官を罷免すべきか否かを決定する趣旨であって,裁判官の任命を完成させるか否かを審査するものではありません(最高裁大法廷昭和27年2月20日判決最高裁昭和47年7月25日判決参照)。
(3) 総務省自治行政局選挙部管理課選挙管理官は,国民審査に関する事務を行っています(総務省組織規則27条2項)。

2 最高裁判所裁判官国民審査のタイミング
(1) 最高裁判所の裁判官は任命された後に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日に国民審査を受け,この審査の日から10年を経過した後に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日に更に審査を受けます(憲法79条2項)。
(2) 憲法79条2項に基づき再審査を受けた最高裁判所裁判官は6人だけですし,再審査自体,昭和38年を最後に1度も実施されていません。
(3) 国民審査を受ける前に退官した最高裁判所裁判官は,①舌禍事件により昭和23年6月28日に依願退官した庄野理一(元 東弁弁護士),及び②昭和26年7月29日に死亡退官した穂積重遠(元 東京帝国大学法学部長)の2人だけです。
(4) 最高裁判所判事に任命されて既に国民審査を受けた者が最高裁判所長官に任命された場合,改めて国民審査を受ける必要はないと解されています(昭和47年3月14日の衆議院法務委員会における真田秀夫内閣法制局第一部長の答弁)。

3 最高裁判所裁判官国民審査の投票等
(1) 衆議院議員の総選挙がある人は,国民審査の投票をすることができます。
(2) 審査人である有権者は,投票所において,罷免を可とする裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し,罷免を可としない裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで,これを投票箱に入れなければなりません(最高裁判所裁判官国民審査法15条)。
(3) 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い最高裁判所裁判官は罷免されます(最高裁判所裁判官国民審査法32条)ものの,これまでに罷免された最高裁判所裁判官はいません。

4 最高裁判所裁判官国民審査公報
(1) 最高裁判所裁判官国民審査法53条,最高裁判所裁判官国民審査法施行令22条ないし30条,及び最高裁判所裁判官国民審査公報発行規程2条に基づき,最高裁判所裁判官国民審査公報が発行されています。
(2) 最高裁判所裁判官国民審査公報には,審査に付される裁判官の氏名,生年月日及び経歴並びに最高裁判所において関与した主要な裁判その他審査に関し参考となるべき事項が掲載されます(最高裁判所裁判官国民審査法施行令23条)。
(3) 首相官邸HPの「最高裁判所裁判官国民審査の概要について」によれば,審査公報の字数は1000字以内となっていますものの,その根拠となる条文はよく分かりません。
(4) 審査公報は,都道府県の選挙管理委員会の定めるところにより,市町村の選挙管理委員会が,当該市町村における有権者の属する各世帯に対して,審査の期日前2日までに,配布するものとされています(最高裁判所裁判官国民審査法施行令28条本文)。


5 最高裁判所裁判官国民審査の在外投票
(1) 令和4年11月の改正前の取扱い
ア 最高裁判所裁判官国民審査の場合,国民審査に付される最高裁判所裁判官の名前が印刷された投票用紙が必要となりますところ,それを,公示日から投開票日までの間にすべての在外公館に配布することは不可能ですから,在外投票が認められていませんでした(withnews HP「最高裁判事の国民審査 海外でできない超アナログな事情」参照)。
イ 国政選挙(衆議院議員選挙及び参議院議員選挙)の場合,以下の改正がなされてきました(外務省HPの「在外選挙制度導入とその後の制度改正」参照)。
① 平成12年5月,比例代表選出議員選挙に関する在外選挙が開始しました。
② 最高裁大法廷平成17年9月14日判決を受けた平成18年の公職選挙法の改正により,平成19年6月,衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙に関する在外選挙が開始しました。
③ 平成28年6月,選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられました。
ウ 最高裁大法廷令和4年5月25日判決は,「最高裁判所裁判官国民審査法が在外国民(国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民)に最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査に係る審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する。」と判示しました。
(2) 令和4年11月の改正後の取扱い
ア 第210回国会において,最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律(令和4年法律第86号)が成立し、令和4年11月18日に公布され,令和5年2月17日に施行されました。
イ 最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律(令和4年法律第86号)は,「令和4年5月25日の最高裁判所大法廷判決において、在外国民に対して最高裁判所裁判官国民審査における投票を認めていない現行制度は違憲であると判示されたことを受け、在外国民による在外国民審査を可能とする等の措置を講ずる。」というものでした(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査関係法令」に載ってある「最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律(在外国民審査制度の創設等)の概要」参照)。
ウ 以下の資料を掲載しています。
・ 最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案(在外投票制度の創設等)御説明資料(令和4年8月の総務省自治行政局選挙部選挙課の文書)
・ 令和4年11月の最高裁判所裁判官国民審査法改正に関する国会答弁資料(令和4年10月31日の衆議院倫理選挙特別委員会)
・ 令和4年11月の最高裁判所裁判官国民審査法改正に関する国会答弁資料(令和4年11月9日の参議院倫理選挙特別委員会)

6 最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票の開始日の変更
(1)   平成29年1月1日以降,最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票の開始日は,原則として,衆議院議員総選挙と同様,総選挙の公示日の翌日(通常は選挙期日前11日)となりました(最高裁判所裁判官国民審査法16条の2)(総務省HPの「公職選挙法及び国民審査法の一部改正について」及び「最高裁判所裁判官国民審査関係法令」参照)。
(2) 国民審査においても,衆議院議員総選挙と同様,審査期日(投票日)に仕事や旅行,レジャー,冠婚葬祭等の用務があるなど一定の事由に該当すると見込まれる方は期日前投票(不在者投票)をすることができます(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査についてのよくある質問」参照)。

7 最高裁判所裁判官国民審査に関する外部HP
(1)ア 総務省HPの「衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果」に,平成17年9月11日執行の第20回最高裁判所裁判官国民審査「以降の」結果が載っています。
イ 公職選挙法6条2項は,「中央選挙管理会は選挙の結果を選挙人に対してすみやかに知らせるように努めなければならない。」と定めています。
(2) 総務省HPに「最高裁判所裁判官国民審査についてのよくある質問」が載っています。
(3) 衆議院HPに,制定時の最高裁判所裁判官国民審査法(昭和22年11月20日法律第136号)が掲載されています。
(4) 沖縄県民は,他の都道府県の人と比べて,国民審査を棄権する人が多いです(外部HPの「なぜ沖縄県民は国民審査を棄権するのか」参照)。


8 最高裁判所裁判官に関するHP
(1) 「幹部裁判官の定年予定日」にあるとおり,最高裁判所裁判官の定年は70歳です(憲法79条5項,裁判所法50条)から,誕生日の前日に定年退官となります。
(2) 最高裁判所長官に関する親任式,及び最高裁判所判事に関する認証官任命式については,「幹部裁判官の後任候補者」を参照してください。
(3)ア 最高裁判所裁判官の投票行動については,外部HPの「投票行動.com」に載っています。
イ 最高裁判所判事の仕事ぶりについては,外部HPの「裁判官と学者の間で」(藤田宙靖 元最高裁判所判事)が参考になります。
(4)ア 昭和22年8月4日の最高裁発足の経緯については,外部HPの「最高裁のルーツを探る-裁判所法案起草から三淵コート成立まで-」が参考になります。
イ 日本国憲法が施行された昭和22年5月3日から同年8月3日までの間,大審院長が最高裁判所長官を代行し,大審院判事が最高裁判所判事を代行していました(裁判所法施行令12条のほか,「最高裁判所発足時の裁判官任命諮問委員会,及び最高裁判所裁判官任命諮問委員会設置法案等」参照)。
(5) 裁判所HPの「最高裁判所大法廷等の写真」に,大法廷,第一小法廷裁判官,第二小法廷裁判官及び第三小法廷裁判官の写真が載っています。
(6) 投票行動.com HP「最高裁判所」に,最高裁判所裁判官の投票行動が載っています。


9 関連記事その他
(1) 最高裁大法廷令和4年5月25日判決は,「最高裁判所裁判官国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する」と判示しました。
(2) 期外の園部逸夫 元最高裁判所判事(学者枠)は,大阪空港訴訟に関する最高裁大法廷昭和56年12月16日判決を取り扱った「誰のための司法か~團藤重光 最高裁・事件ノート~」(令和5年4月15日初放送)に出演した際,團藤重光最高裁判所判事(元東京大学法学部長の刑事法学者)に関して以下の発言をしました。
  やっぱり団藤さんはね,学者出身ということが非常に引っかかったと思いますよ。まあ団藤さんがいろいろおっしゃる気持ちも分かるけど,そう簡単には受け入れられないという,そういうふうに思う実務裁判官がいてもおかしくないだろうと思いますよね。
だからやっぱり裁判所というところはなかなか難しいので外からすっと入ってきた人っていうのはちょっと正直言って難しいです。そう簡単にはね,受け入れられ,表は受け入れていますよ。表は受け入れているけど,中身は本当は受け入れられていない。

(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 最高裁判所長官の任命と国民審査の要否
・ 最高裁判所長官に対する国民審査について
 公職選挙法及び最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律(平成28年12月2日法律第94号)に関する,最高裁判所裁判官国民審査法の新旧対照表
イ 以下の記事も参照してください。
・ 罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官
・ 令和 6年10月27日執行の第26回最高裁判所裁判官国民審査
・ 令和 3年10月31日執行の第25回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成29年10月22日執行の第24回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成21年 8月30日執行の第21回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成17年 9月11日執行の第20回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成15年11月 9日執行の第19回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成12年 6月25日執行の第18回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成 8年10月20日執行の第17回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成 5年 7月18日執行の第16回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成 2年 2月18日執行の第15回最高裁判所裁判官国民審査
(4) 衆議院の解散関係の記事
・ 衆議院の解散
・ 衆議院の解散は司法審査の対象とならないこと
・ 日本国憲法下の衆議院の解散一覧
・ 一票の格差是正前の解散は可能であることに関する政府答弁
・ 閉会中解散は可能であることに関する内閣法制局長官の答弁
 国会制定法律の一覧へのリンク
・ 衆議院の解散に関する内閣答弁書

罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官

目次
第1 罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官
第2 関連記事

第1 罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官
・ 罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官は以下のとおりであって,最高裁判所裁判官国民審査によって罷免された最高裁判所裁判官はいません。
1位:下田武三最高裁判所判事(元 駐アメリカ大使)
昭和47年12月の第 9回国民審査,罷免を可とする率は15.17%
位:谷口正孝最高裁判所判事(元 東京地方裁判所長)
昭和55年 6月の第12回国民審査, 罷免を可とする率は14.84%
3位:宮崎梧一最高裁判所判事(元 第一東京弁護士会所属弁護士)
昭和55年 6月の第12回国民審査,罷免を可とする率は14.79%
4位:寺田治郎最高裁判所判事(後の最高裁判所長官)(元 東京高等裁判所長官)
昭和55年 6月の第12回国民審査,罷免を可とする率は14.62%
5位:岸盛一最高裁判所判事(元 東京高等裁判所長官)
昭和47年12月の第 9回国民審査,罷免を可とする率は14.59%
6位:伊藤正己最高裁判所判事(元 東京大学教授)
昭和55年 6月の第12回国民審査,罷免を可とする率は13.25%
7位:小川信雄最高裁判所判事(元 東京弁護士会所属弁護士)
昭和47年12月の第 9回国民審査,罷免を可とする率は12.73%
8位:池田克最高裁判所判事(元 大審院次長検事)
昭和30年 2月の第 3回国民審査,罷免を可とする率は12.49%
9位:奥野久之最高裁判所判事(元 神戸弁護士会所属弁護士)
平成 2年 2月の第15回国民審査,罷免を可とする率は12.49%
10位:坂本吉勝最高裁判所判事(元 第二東京弁護士会所属弁護士)
昭和47年12月の第 9回国民審査,罷免を可とする率は12.43%


第2 関連記事
・ 最高裁判所裁判官国民審査
・ 令和 3年10月31日執行の第25回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成29年10月22日執行の第24回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成21年 8月30日執行の第21回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成17年 9月11日執行の第20回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成15年11月 9日執行の第19回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成12年 6月25日執行の第18回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成 8年10月20日執行の第17回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成 5年 7月18日執行の第16回最高裁判所裁判官国民審査
・ 平成 2年 2月18日執行の第15回最高裁判所裁判官国民審査

平成2年2月18日執行の第15回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成2年1月24日の衆議院解散に伴う平成2年2月18日施行の第39回衆議院議員総選挙(投票率は73.31%)は,平成元年4月1日の消費税導入後最初の総選挙でした。

2   昭和61年7月6日執行の第38回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の8人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 昭和61年7月22日発足の第3次中曽根内閣任命分
① 昭和62年1月28日任命の四ッ谷厳最高裁判所判事(1期・第一小法廷)
・ 東京帝国大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成4年2月8日に定年退官しました。
・ 罷免を可とする率は12.32%でした。

② 昭和62年9月5日任命の奥野久之最高裁判所判事(期前・第二小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 神戸弁護士会会長であり,平成2年8月26日に定年退官しました。
・ 罷免を可とする率は12.49%でした。

(2) 昭和62年11月6日発足の竹下内閣任命分
③ 昭和63年3月17日任命の貞家克己最高裁判所判事(2期・第三小法廷)
・ 東京帝国大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成5年9月12日に定年退官しました。
・ 罷免を可とする率は12.02%でした。

④ 昭和63年6月17日任命の大堀誠一最高裁判所判事(3期・第一小法廷)
・ 東北大学法学部卒業であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成7年8月10日に定年退官しました。
・ 罷免を可とする率は11.41%でした。

(3) 昭和63年12月27日発足の竹下改造内閣任命分
(任命なし。)

(4) 平成元年6月3日発足の宇野内閣任命分
⑤ 平成元年9月21日任命の園部逸夫最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 成蹊大学法学部教授であり,平成11年3月31日に定年退官しました。
・ 司法試験及び司法修習を経ずに,昭和45年に東京地裁判事に就任し,その後,最高裁判所行政上席調査官,東京地裁部総括に就任し,昭和60年に依願退官しました。
・ 罷免を可とする率は11.63%でした。

(5) 平成元年8月10日発足の第1次海部内閣任命分 
⑥ 平成元年11月27日任命の草場良八最高裁判所判事(3期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成7年11月7日に依願退官しました。
・ 平成2年2月20日に第12代最高裁判所長官に任命されました。
・ 罷免を可とする率は11.10%でした。

⑦ 平成2年1月11日任命の橋元四郎平最高裁判所判事(6期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会司法修習委員会委員長・元 日弁連事務総長であり,平成5年4月12日に定年退官しました。
・ 罷免を可とする率は11.36%でした。

⑧ 平成2年1月24日任命の中島敏次郎最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 外務審議官・駐中国大使であり,平成7年9月1日に定年退官しました。
・ 罷免を可とする率は11.77%でした。

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成5年7月18日執行の第16回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成5年6月18日の衆議院解散(通称は嘘つき解散)に伴う平成5年7月18日施行の第40回衆議院議員総選挙(投票率は67.26%)の結果,55年体制が崩壊して細川政権が誕生しました。

2   平成2年2月18日施行の第39回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成元年8月10日発足の第1次海部内閣任命分 
① 平成2年2月20日任命の佐藤庄市郎最高裁判所判事(2期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 日弁連事務総長・元 第一東京弁護士会会長であり,平成6年2月15日に定年退官しました。

(2) 平成2年2月28日発足の第2次海部内閣任命分
② 平成2年5月10日任命の可部恒雄最高裁判所判事(4期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 福岡高等裁判所長官であり,平成9年3月8日に定年退官しました。

③ 平成2年9月3日任命の木崎良平最高裁判所判事(3期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会会長であり,平成6年7月24日に定年退官しました。

④ 平成2年12月10日任命の味村治最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京帝国大学法学部卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成6年2月6日に定年退官しました。

(3) 平成2年12月29日発足の第2次海部改造内閣任命分
⑤ 平成3年5月13日任命の大西勝也最高裁判所判事(5期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成10年9月9日に定年退官しました。

(4) 平成3年11月5日発足の宮澤内閣任命分
⑥ 平成4年2月13日任命の小野幹雄最高裁判所判事(7期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成12年3月15日に定年退官しました。
・ 定年退官後の平成13年から平成27年6月までの間,日本会議会長をしていました。

⑦ 平成4年3月25日任命の三好達最高裁判所判事(7期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成9年10月30日に依願退官しました。
・ 平成7年11月7日に第13代最高裁判所長官に任命されました。

(5) 平成4年12月12日発足の宮澤改造内閣任命分
⑧ 平成5年4月1日任命の大野正男最高裁判所判事(6期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第二東京弁護士会所属弁護士・元 日弁連理事であり,平成9年9月2日に定年退官しました。

⑨ 平成5年4月13日任命の大白勝最高裁判所判事 (6期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 神戸弁護士会会長であり,平成7年2月13日に依願退官しました。

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成8年10月20日執行の第17回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成8年9月27日の衆議院解散に伴う平成8年10月20日施行の第41回衆議院議員総選挙(投票率は59.65%)では,従来の中選挙区制に代わり,小選挙区比例代表並立制が用いられました。

2   平成5年7月18日施行の第40回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成5年8月9日発足の細川内閣任命分
① 平成5年9月13日任命の千種秀夫最高裁判所判事(7期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 最高裁判所事務総長であり,平成14年2月20日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「千種秀夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.30%でした。

② 平成6年1月11日任命の根岸重治最高裁判所判事(5期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成10年12月3日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「根岸重治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.90%でした。

③ 平成6年2月9日任命の高橋久子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京大学経済学部卒業であり,元 労働省婦人少年局長であり,平成9年9月21日に定年退官しました。
・ 女性初の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「高橋久子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.66%でした。

④ 平成6年2月16日任命の尾崎行信最高裁判所判事(7期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,平成11年4月18日に定年退官しました。
・ 政治家 尾崎行雄の孫です。
・ 投票行動.comの「尾崎行信」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.79%でした。

(2) 平成6年4月28日発足の羽田内閣任命分
(任命なし。)

(3) 平成6年6月30日発足の村山内閣任命分
⑤ 平成6年7月25日任命の河合伸一最高裁判所判事(9期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会副会長であり,平成14年6月10日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「河合伸一」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.38%でした。

⑥ 平成7年2月13日任命の遠藤光男最高裁判所判事(7期・第一小法廷)
・ 法政大学法学部卒業であり,元 日弁連司法修習委員会委員長であり,平成12年9月12日に定年退官しました。
・ 法政大学出身の最高裁判所判事は,小谷勝重最高裁判所判事に続いて2人目でした。
・ 投票行動.comの「遠藤光男」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.66%でした。

(4) 平成7年8月8日発足の村山改造内閣任命分
⑦ 平成7年8月11日任命の井嶋一友最高裁判所判事(11期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 次長検事であり,平成14年10月6日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「井嶋一友」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.81%でした。

⑧ 平成7年9月4日任命の福田博最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 外務審議官であり,平成17年8月1日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「福田博」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.27%でした。

⑨ 平成7年11月7日任命の藤井正雄最高裁判所判事(9期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成14年11月6日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「藤井正雄」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.09%でした。

(5)  平成8年1月11日発足の第1次橋本内閣任命分
(任命なし。)

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成12年6月25日執行の第18回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成12年6月2日の衆議院解散(通称は神の国解散)に伴う平成12年6月25日施行の第42回衆議院議員総選挙(投票率は62.49%)では,自民党,公明党及び保守新党の与党3党が大きく議席を減らしました。

2   平成8年10月20日施行の第41回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成8年11月7日発足の第2次橋本内閣任命分
① 平成9年3月10日任命の山口繁最高裁判所判事(9期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 福岡高等裁判所長官であり,平成14年11月3日に定年退官しました。
・ 平成9年10月31日に第14代最高裁判所長官に任命されました。
・ 裁判官出身の最高裁判所長官のうち,東京高裁長官又は大阪高裁長官を経験せずに最高裁判所長官となったのは,山口繁及び寺田逸郎だけです。
・ 投票行動.comの「山口繁」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.60%でした。

② 平成9年9月8日任命の元原利文最高裁判所判事(7期・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 神戸弁護士会会長であり,平成13年4月21日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「元原利文」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.65%でした。

(2) 平成9年9月11日発足の第2次橋本改造内閣任命分

③ 平成9年9月24日任命の大出峻郎最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成13年12月19日に依願退官しました。
・ 投票行動.comの「大出峻郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.53%でした。

④ 平成9年10月31日任命の金谷利広最高裁判所判事(12期・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成17年5月16日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「金谷利広」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.61%でした。

(3) 平成10年7月30日発足の小渕内閣任命分

⑤ 平成10年9月10日任命の北川弘治最高裁判所判事(11期・第二小法廷)
・ 名古屋大学法学部卒業であり,元 福岡高等裁判所長官であり,平成16年12月26日に定年退官しました。
・ 平成16年5月発行の「司法の窓」第64号の「15のいす」に,北川弘治最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「北川弘治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑥ 平成10年12月4日任命の亀山継夫最高裁判所判事(10期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 名古屋高等検察庁検事長であり,平成16年2月25日に定年退官しました。
・ 平成15年10月発行の「司法の窓」第63号の「15のいす」に,亀山継夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「亀山継夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は10.28%でした。

(4) 平成11年1月14日発足の小渕第1次改造内閣任命分

⑦ 平成11年4月1日任命の奥田昌道最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 京都大学法学部教授であり,平成14年9月27日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「奥田昌道」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.42%でした。

⑧ 平成11年4月21日任命の梶谷玄最高裁判所判事(11期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,平成17年1月14日に定年退官しました。
・ 19期の梶谷剛 元日弁連会長は,梶谷玄 元最高裁判所判事の弟です。
・ 平成16年10月発行の「司法の窓」第65号の「15のいす」に,梶谷玄最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「梶谷玄」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.67%でした。

(5) 平成11年10月5日発足の小渕第2次改造内閣任命分

⑨ 平成12年3月22日任命の町田顕最高裁判所判事
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成18年10月15日に定年退官しました。
・ 平成14年11月6日に第15代最高裁判所長官に任命されました。
・ 最高裁判所事務総長,司法研修所長及び最高裁判所首席調査官の三役のうち,一つも経験しないまま最高裁判所長官となったのは,町田顕及び寺田逸郎だけです。
・ 投票行動.comの「町田顕」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.36%でした。

(6) 平成12年4月5日発足の第1次森内閣任命分

(任命なし。)

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成15年11月9日執行の第19回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成15年10月10日の衆議院解散に伴う平成15年11月9日施行の第43回衆議院議員総選挙(投票率は59.86%)では,自民党,公明党及び保守新党の与党3党で絶対安定多数を維持したものの,自民党は10議席を減らし,与党全体としては12の議席減となりました。

2   平成12年6月25日施行の第42回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成12年7月4日発足の第2次森内閣任命分
① 平成12年9月14日任命の深澤武久最高裁判所判事(13期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会会長であり,平成16年1月4日に定年退官しました。
・ 平成15年5月発行の「司法の窓」第62号の「15のいす」に,深澤武久最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「深澤武久」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.71%でした。

(2) 平成12年12月5日発足の森改造内閣任命分
(任命なし。)

(3) 平成13年4月26日発足の第1次小泉内閣任命分
② 平成13年5月1日任命の濱田邦夫最高裁判所判事(14期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第二東京弁護士会副会長・元 日弁連常務理事であり,平成18年5月23日に定年退官しました。
・ 平成17年5月発行の「司法の窓」第67号の「15のいす」に,濱田邦夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「濱田邦夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 裁判長として,最高裁平成18年6月20日判決(光市母子殺害事件第一次上告審判決)(無期懲役の原判決を破棄差戻しとしたもの。)に関与しました。
・ 罷免を可とする率は6.92%でした。

③ 平成13年12月19日任命の横尾和子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 国際基督教大学教養学部卒業であり,元 社会保険庁長官・元 アイルランド大使であり,平成20年9月10日に依願退官しました。
・ 女性2人目の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「横尾和子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 平成9年1月1日に基礎年金番号制度が発足した当時の社会保険庁長官でした。
・ 年金記録問題で社会保険庁長官退任時に受け取った退職金を返還したかどうかは不明です。
・ 罷免を可とする率は6.89%でした。

④ 平成14年2月21日任命の上田豊三最高裁判所判事(15期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成19年5月22日に依願退官しました。
・ 平成18年5月発行の「司法の窓」第68号の「15のいす」に,上田豊三最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「上田豊三」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.01%でした。

⑤ 平成14年6月11日任命の滝井繁男最高裁判所判事(15期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会会長であり,平成18年10月30日に定年退官しました。
・ 平成17年10月発行の「司法の窓」第67号の「15のいす」に,滝井繁男最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「滝井繁男」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.67%でした。
・ 定年退官後,「最高裁判所は変わったか-一裁判官の自己検証」(平成21年7月29日発行)を執筆しました。

(4) 平成14年9月30日発足の第1次小泉第1次改造内閣任命分
⑥ 平成14年9月30日任命の藤田宙靖最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東北大学大学院教授であり,平成22年4月5日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「藤田宙靖」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.59%でした。
・ 定年退官後,「最高裁回想録-学者判事の七年半」(平成24年4月7日発行)及び「裁判と法律学-「最高裁回想録」補遺」(平成28年7月15日発行)を執筆しました。

⑦ 平成14年10月7日任命の甲斐中辰夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成22年1月1日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「甲斐中辰夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.14%でした。

⑧ 平成14年11月6日任命の泉徳治最高裁判所判事(15期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 最高裁判所事務総長であり,平成21年1月24日に定年退官しました。
・ 平成19年10月発行の「司法の窓」第71号に,泉徳治最高裁判所判事のエッセイの勝手います。
・ 投票行動.comの「泉徳治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.29%でした。
・ 定年退官後,「私の最高裁判所論:憲法の求める司法の役割」(平成25年6月7日発行)」を執筆したり,「一歩前へ出る司法 泉徳治元最高裁判事に聞く」(平成29年1月20日発行)で話をしたりしました。

⑨ 平成14年11月7日任命の島田仁郎最高裁判所判事(16期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成20年11月21日に定年退官しました。
・ 平成18年10月16日に第16代最高裁判所長官に任命されました。
・ 投票行動.comの「島田仁郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.93%でした。

(5) 平成15年9月22日発足の第1次小泉第2次改造内閣任命分

(任命なし。)

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成17年9月11日執行の第20回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成17年8月8日の衆議院解散(通称は郵政解散)に伴う平成17年9月11日施行の第44回衆議院議員総選挙(投票率は67.51%)では,自民党が大勝しました。

2   平成15年11月9日施行の第43回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の6人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成15年11月19日発足の第2次小泉内閣任命分
① 平成16年1月6日任命の才口千晴最高裁判所判事(18期・第一小法廷)
・ 中央大学卒業であり,元 日弁連倒産法改正問題検討委員会委員長であり,平成20年9月2日に定年退官しました。
・ 平成18年10月発行の「司法の窓」第69号の「15のいす」に,才口千晴最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「才口千晴」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.88%でした。
・ 東弁リブラ2008年12月号に,退官後の記事が載っています。

② 平成16年2月26日任命の津野修最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 京都大学卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成20年10月19日に定年退官しました。
・ 平成19年5月発行の「司法の窓」第70号の「15のいす」に,津野修最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「津野修」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.63%でした。

(2) 平成16年9月27日発足の第2次小泉改造内閣任命分
③ 平成16年12月27日任命の今井功最高裁判所判事(16期・第二小法廷)
・ 京都大学卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成21年12月25日に定年退官しました。
・ 平成20年10月発行の「司法の窓」第73号の「15のいす」に,今井功最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「今井功」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.64%でした。
・ 退官後の平成24年6月,みずほ銀行監査役に就任しました。

④ 平成17年1月19日任命の中川了滋最高裁判所判事(16期・第二小法廷)
・ 金沢大学卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,平成21年12月22日に定年退官しました。
・ 平成20年5月発行の「司法の窓」第72号に,中川了滋最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「中川了滋」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.75%でした。
・ 三井環事件において,24期の三井環大阪高検公安部長(平成14年4月22日逮捕)に対し,懲役1年8ヶ月,追徴金約22万円の実刑判決に対する控訴を棄却した大阪高裁平成19年1月15日判決に対する上告を棄却した最高裁平成20年8月29日決定の裁判長でした。

⑤ 平成17年5月17日任命の堀籠幸男最高裁判所判事(19期・第三小法廷)
・ 東京大学卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成22年6月15日に定年退官しました。
・ 平成22年5月発行の「司法の窓」第75号の「15のいす」に,堀籠幸男最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「堀籠幸男」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.01%でした。

⑥ 平成17年8月2日任命の古田佑紀最高裁判所判事(21期・第二小法廷)
・ 東京大学卒業であり,元 次長検事であり,平成24年4月7日に定年退官しました。
・ 平成23年5月発行の「司法の窓」第76号の「15のいす」に,古田佑紀最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「古田佑紀」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.02%でした。
・ 退官後の平成27年9月,株式会社東芝の社外取締役に就任しました。
・   株式会社東芝については,平成27年7月20日,粉飾決算を調査した第三者委員会の報告書全文が公表されました。
それによれば,平成20年4月から平成26年12月までの約7年間で,合計1518億円の利益を水増ししていましたが,東京地検の了解を得られなかったため,証券取引等監視委員会による告発には至りませんでした(外部HPの「「証券界の鬼平」退任 東芝立憲は持ち越し」(平成28年12月の記事)参照)し,歴代3社長が逮捕されることもありませんでした。

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成21年8月30日執行の第21回最高裁判所裁判官国民審査

1(1) 平成21年7月21日の衆議院解散(通称は政権選択解散)に伴う平成21年8月30日施行の第45回衆議院議員総選挙(投票率は69.28%)の結果,民主党政権となりました。
(2) 総務省の行政事業レビューシートによれば,第45回衆議院議員総選挙で必要となった費用は598億4400万円であり,そのうち,47都道府県に560憶7000万円,各放送事業者等に1億700万円,各新聞社に14億5100万円,各交通事業者等に7100万円,郵便事業株式会社に15億4100万円,明るい選挙推進協会に6300万円,民間会社に5億4000万円,委員等に100万円が支払われました。2 平成17年9月11日施行の第44回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査の結果」参照)。
(1) 平成17年9月21日発足の第3次小泉内閣任命分
(任命なし)

(2) 平成17年10月31日発足の第3次小泉改造内閣任命分
① 平成18年5月25日任命の那須弘平最高裁判所判事(21期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第二東京弁護士会副会長・元 日弁連常務理事であり,平成24年2月10日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「那須弘平」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.45%でした。

(3) 平成18年9月26日発足の第1次安倍内閣任命分
② 平成18年10月16日任命の涌井紀夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成21年12月17日に死亡退官しました。
・ 投票行動.comの「涌井紀夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.73%でした。

③ 平成18年11月1日任命の田原睦夫最高裁判所判事(21期・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 日弁連司法制度調査会副委員長であり,平成25年4月22日に定年退官しました。
・ 平成24年5月発行の「司法の窓」第77号の「15のいす」に,田原睦夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「田原睦夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.52%でした。

④ 平成19年5月23日任命の近藤崇晴最高裁判所判事(21期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 仙台高等裁判所長官であり,平成22年11月21日に死亡退官しました。
・ 投票行動.comの「近藤崇晴」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.13%でした。

(4) 平成19年8月27日発足の第1次安部改造内閣任命分
(任命なし)

(5) 平成19年9月26日発足の福田内閣任命分
(任命なし。)

(6) 平成20年8月2日発足の福田改造内閣任命分
⑤ 平成20年9月3日任命の宮川光治最高裁判所判事(20期・第一小法廷)
・ 名古屋大学大学院法学研究科修士課程修了であり,元 日弁連懲戒委員会委員長であり,平成24年2月27日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「宮川光治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 最高裁平成24年2月20日判決(光市母子殺害事件第二次上告審判決)において,死刑を下した原判決を破棄差戻しにすべきという反対意見を書きました。
・ 罷免を可とする率は6.00%でした。
・ 東弁リブラ2012年6月号に,退官後の記事が載っています。

⑥ 平成20年9月11日任命の櫻井龍子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 九州大学法学部卒業であり,元 労働省女性局長であり,平成29年1月15日に定年退官しました。
・ 女性3人目の最高裁判所判事でした。
・ 最高裁判所判事就任に際し,通称名であり,旧姓の「藤井」が使用できなくなったことから,戸籍名の「櫻井」を使用するようになりました。
・ 罷免を可とする率は6.96%でした。
・ 九州大学HPに「法学部卒業生の,櫻井龍子最高裁判事にインタビューしました!」が掲載されています。
・ 平成28年5月発行の「司法の窓」第81号の「15のいす」に,櫻井龍子最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「櫻井龍子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 御殿場事件(静岡県御殿場市の御殿場駅近くで平成13年9月に発生したとされる集団強姦未遂事件)につき,平成21年4月13日,裁判長として被告人らの上告を棄却しました。
・ 平成29年3月23日,退官記念講演会及び懇親会がウェスティンホテル大阪4階沙羅の間で開催されました(九州大学校友会HPの「桜井(旧姓藤井)龍子さん最高裁判事退官記念講演会と懇親会のご案内」参照)。

(7) 平成20年9月24日発足の麻生内閣任命分
⑦ 平成20年10月21日任命の竹内行夫最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 外務事務次官であり,平成25年7月19日に定年退官しました。
・ 平成25年5月発行の「司法の窓」第78号の「15のいす」に,竹内行夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「竹内行夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.72%でした。

⑧ 平成20年11月25日任命の竹崎博允最高裁判所長官(21期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成26年3月31日に依願退官しました。
・ 宮内庁HPに,平成20年11月25日の親任式等の写真が載っています。
・ 投票行動.comの「竹崎博允」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.25%でした。
・ NAVERまとめに「最高裁長官交代 竹崎博允⇒寺田逸郎 竹崎さん時代の制度改正をまとめてみた 」が載っています。

⑨ 平成21年1月26日任命の金築誠志最高裁判所判事(21期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成27年3月31日に定年退官しました。
・ 平成26年5月発行の「司法の窓」第79号の「15のいす」に,金築誠志最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「金築誠志」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.44%でした。
・ 退官後の平成28年6月,JR東日本監査役に就任しました。

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成24年11月16日の衆議院解散(通称は近いうち解散)に伴う平成24年12月16日施行の第46回衆議院議員総選挙(投票率は59.32%)の結果,自民党政権に戻りました。

2(1) 平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査公報にリンクを張っています。
(2) NAVERまとめに「次の衆院選までに知っておきたい「最高裁判所裁判官国民審査」のこと」が載っています。
(3) 外部HPの「最高裁国民審査の”リアル有権者”になろう!」「最高裁判事の国民審査では何を判断すべきなのか?木村草太/憲法学」「最高裁判所裁判官国民審査の参考資料」(BLOGOS)及び「第22回最高裁判所裁判官国民審査の結果をどう見るか」が参考になります。
(4) togetterに「最高裁判所裁判官国民審査の判断材料ツイート」及び「最高裁判官の国民審査関係」が載っています。
(5) Chikirinの日記ブログ「国民審査と一票の格差」が載っています。

3   平成21年8月30日施行の第45回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の10人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査の結果」参照)。
(1) 平成21年9月16日発足の鳩山内閣任命分
① 平成21年12月28日任命の須藤正彦最高裁判所判事(22期・第二小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 日弁連綱紀委員会委員長であり,平成24年12月26日に定年退官しました。
・ 定年退官する中川了滋最高裁判所判事(16期・第二小法廷)の後任として,平成21年11月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 最高裁判所判事に就任した時点で定年まで約3年しか残っていなかったという意味において異例の人事でした。
・ 投票行動.comの「須藤正彦」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 定年退官の10日前に国民審査を受けました。
・ 罷免を可とする率は8.09%でした。
・ 東弁リブラ2013年4月号に,退官後の記事が載っています。

② 平成21年12月28日任命の千葉勝美最高裁判所判事(24期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 仙台高等裁判所長官であり,平成28年8月24日に定年退官しました。
・ 定年退官する今井功最高裁判所判事(16期・第二小法廷)の後任として,平成21年11月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「千葉勝美」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 平成27年5月発行の「司法の窓」第80号の「15のいす」に,千葉勝美最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 罷免を可とする率は8.14%でした。

③ 平成22年1月6日任命の横田尤孝最高裁判所判事(24期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 次長検事であり,平成26年10月1日に定年退官しました。
・ 定年退官する甲斐中辰夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)の後任として,平成21年11月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「横田尤孝」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.13%でした。

④ 平成22年1月15日任命の白木勇最高裁判所判事(22期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成27年2月14日に定年退官しました。
・ 涌井紀夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)が平成21年12月17日に在官中に死亡したことから,その後任として,平成22年1月12日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「白木勇」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.07%でした。

⑤ 平成22年4月12日任命の岡部喜代子最高裁判所判事(28期・第三小法廷)
・ 慶應義塾大学法学部卒業であり,元 慶應義塾大学法学部教授であり,平成31年3月20日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する藤田宙靖最高裁判所判事(期外・第三小法廷)の後任として,平成22年3月19日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 女性4人目の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「岡部喜代子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 学者枠で最高裁判事となった藤田宙靖が退官後に執筆した「最高裁回想録 学者判事の七年半」には,同人の前任者である奥田昌道最高裁判所判事への言及はあるのに対し,同人の後任者である岡部喜代子最高裁判所判事への言及は全くありません。
・ 平成5年4月1日,東京家庭裁判所判事を最後に依願退官していました。
・ 平成27年5月発行の「司法の窓」第80号に,岡部喜代子最高裁判所判事の対談記事が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.56%でした。
・ 北口雅章法律事務所ブログ「エース登場! 宇賀克也・東大教授の最高裁入り」(平成31年2月23日付)に以下の記載があります。
藤田宙靖・前最高裁判事(東北大学大学院教授・行政法)の御退任の後,ハア?? といった衝撃の最高裁人事があり・・なんやねん! 最高裁に「学者枠」は無くなったのか?!と,悄然としていた

(2) 平成22年6月8日発足の菅内閣任命分
⑥ 平成22年6月17日任命の大谷剛彦最高裁判所判事(24期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成29年3月9日に定年退官しました。
・ 定年退官する堀籠幸男(19期・第三小法廷)の後任として,平成22年5月14日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「大谷剛彦」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.02%でした。

(3) 平成22年9月17日発足の菅第1次改造内閣任命分
⑦ 平成22年12月27日任命の寺田逸郎最高裁判所判事(26期・第三小法廷→第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 広島高等裁判所長官であり,平成30年1月9日に定年退官が発令される予定です。
・ 近藤崇晴最高裁判所判事(21期・第三小法廷)が平成22年11月21日に在官中に死亡したことから,その後任として,平成22年12月7日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 竹崎博允最高裁判所長官(21期)の後任として,平成26年3月7日の閣議で,第18代最高裁判所長官への就任が決定しました。
・ 平成26年3月7日の,寺田逸郎最高裁判所長官任命時の閣議書を掲載しています。
・ 宮内庁HPに,平成26年4月1日の親任式等の写真が載っています。
・ 第10代最高裁判所長官の寺田治郎は,寺田逸郎最高裁判所長官の父親です。
・ 投票行動.comの「寺田逸郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.95%でした。
・ 外部ブログの「最高裁長官の選ばれ方」によれば,寺田逸郎最高裁長官は,竹崎博允 前最高裁長官が推薦した3人の候補者に含まれていたものの,第一の候補者ではなかったという趣旨のことが書いてあります。
・ 坂田宏のペイジ「(インタビュー)最高裁人事という「慣習」」(2014年4月17日05時00分)(発言者は滝井繁男 元最高裁判所判事)には,以下の記載があります。
今回、最高裁長官になった寺田逸郎さんは、従来の長官にはいないタイプです。司法エリートの常道である東京や大阪高等裁判所長官の経験がない。最高裁で大きな存在となっているといわれる事務総局とも縁が薄い。一方で法務省の仕事が長く、政治家や私たち弁護士との接触も多い。政治との間合いをわきまえており、政権と渡り合うにも今までにない期待を持てる。前長官の推薦者から任命される慣例が踏襲されたこととあわせ、関係者は一安心でしょうが、最高裁の人事が今のままでいいのかという疑問は残ります。

(4) 平成23年1月14日発足の菅第2次改造内閣任命分
(任命なし。)

(5) 平成23年9月2日発足の野田内閣任命分
(任命なし)

(6) 平成24年1月13日発足の野田第1次改造内閣任命分
⑧ 平成24年2月13日任命の大橋正春最高裁判所判事(24期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会民事訴訟問題等特別委員会委員長であり,平成29年3月31日に定年退官が発令される予定です。
・ 那須弘平最高裁判所判事(21期・第三小法廷)の後任として,平成23年12月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「大橋正春」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 平成28年5月発行の「司法の窓」第81号に,大橋正春最高裁判所判事の対談記事が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.93%でした。

⑨ 平成24年3月1日任命の山浦善樹最高裁判所判事(26期・第一小法廷)
・ 一橋大学法学部卒業であり,元 日弁連司法修習委員会副委員長であり,平成28年7月3日に定年退官しました。
・ 宮川光治最高裁判所判事(20期・第一小法廷)の後任として,平成24年1月20日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
東弁リブラ2016年12月号に,退官後の記事が載っています。
・ 投票行動.comの「山浦善樹」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.15%でした。

⑩ 平成24年4月11日任命の小貫芳信最高裁判所判事(27期・第二小法廷)
・ 中央大学大学院修了であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成30年1月16日に依願退官しました。
・ 古田佑紀最高裁判所判事(21期・第二小法廷)の後任として,平成24年3月16日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「小貫芳信」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.79%でした。

(7) 平成24年6月4日発足の野田第2次改造内閣任命分
(任命なし。)

(8) 平成24年10月1日発足の野田第3次改造内閣任命分
(任命なし。)

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。

平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成26年11月21日の衆議院解散(通称はアベノミクス解散)に伴う平成26年12月14日施行の第47回衆議院議員総選挙(投票率は52.66%)の結果,安倍内閣が継続することとなりました。

2(1) 平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査公報にリンクを張っています。
(2) NAVERまとめに「(続)次の衆院選までに知っておきたい「最高裁判所裁判官国民審査」のこと2014版」及び「【2014年】最高裁判所裁判官国民審査:判断材料メモ:#衆院選2014#国民審査」が載っています。

3 平成24年12月16日施行の第46回衆議院議員総選挙の後に任命された,以下の5人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査の結果」参照)。
(1) 平成24年12月26日発足の第2次安倍内閣任命分
① 平成25年2月6日任命の鬼丸かおる最高裁判所判事(27期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会高齢者・障害者の権利に関する特別委員会委員長であり,平成31年2月7日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する須藤正彦最高裁判所判事(22期・第二小法廷)の後任として,平成25年1月18日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 女性5人目の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「鬼丸かおる」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.21%でした。
・ 日本女性法律家協会HPの「鬼丸かおる最高裁判事に聴く」に,最高裁判事の生活,事件処理の手順,女性としての視点・弁護士としての経験,弁護士としての歩み,女性協会員へのメッセージ等が書いてあります。

② 平成25年4月25日任命の木内道祥最高裁判所判事(27期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会ハーグ条約問題検討プロジェクトチーム座長であり,平成30年1月2日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する田原睦夫最高裁判所判事(21期・第三小法廷)の後任として,平成25年3月26日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「木内道祥」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.57%でした。
・ 徳島市出身ですから,徳島新聞社の平成25年4月27日付の記事にインタビューが載っています。

③ 平成25年8月20日任命の山本庸幸最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成31年9月26日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する竹内行夫最高裁判所判事(期外・第二小法廷)の後任として,平成25年8月8日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 内閣法制局参事官(第四部)→通商産業省生活産業局繊維製品課長→日本貿易振興会本部企画部長→内閣法制局第一部中央省庁等改革法制室長→内閣法制局第四部長→内閣法制局第二部長→内閣法制局第三部長→内閣法制局第一部長→内閣法制次長→内閣法制局長官を経て,最高裁判所判事に就任しました(首相官邸HPの「第2次安倍内閣閣僚名簿」参照)。
・ 投票行動.comの「山本庸幸」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.42%でした。

④ 平成26年4月1日任命の山崎敏充最高裁判所判事(27期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成31年8月31日に定年退官が発令される予定です。
・ 竹崎博允最高裁判所長官の依願退官に伴う玉突き人事として,平成26年3月7日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 最高裁判所秘書課長→最高裁判所人事局長→最高裁判所事務次長→千葉地方裁判所長→最高裁判所事務総長→名古屋高裁長官→東京高裁長官を経て,最高裁判所判事に就任しました(詳細につきe-hokiの「山崎敏充」参照)。
・ 投票行動.comの「山崎敏充」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.42%でした。

(2) 平成26年9月3日発足の第2次安部改造内閣任命分
⑤ 平成26年10月2日任命の池上政幸最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
・ 東北大学法学部卒業であり,元 大阪高等検察庁検事長であり,平成33年8月29日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する横田尤孝最高裁判所判事(24期・第一小法廷)の後任として,平成26年9月19日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 松山地検検事正→法務省大臣官房審議官→法務省大臣官房長→最高検察庁検事→最高検察庁公判部長→最高検察庁刑事部長→次長検事→名古屋高検検事長→大阪高検検事長を経て,最高裁判所判事に就任しました。
・ 投票行動.comの「池上政幸」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.56%でした。

4 「最高裁判所裁判官国民審査」も参照して下さい。