弁護士業界

(AI作成)アクティビティ履歴オフのGoogle AI Ultraの利用は弁護士の守秘義務等に違反しないという個人的意見

重要な注意事項

◯本ブログ記事における「依頼者の同意取得に関する見解」及び「実名入力の必要性に関する見解」は,日本弁護士連合会AI戦略ワーキンググループが作成した『弁護士業務における生成AIの利活用等に関する注意事項』(2026年2月) に記載されている原則(匿名化の推奨 ,同意取得の必要性 等)(ただし,日弁連としての公式な見解を示すものではありません。)とは異なる独自の立場をとっています。

本ブログ記事は,最新の暗号化技術及びログ不使用設定(Learning Off)の安全性を技術的観点から評価し,一歩踏み込んだ運用を提案するものですが,所属弁護士会や懲戒委員会等の判断と一致することを保証するものでは全くありません。

本ブログ記事の提案を採用した結果,秘密保持義務違反や弁護士職務基本規程違反等を問われた場合でも,筆者は一切の責任を負いかねます。実際に業務で利用される際は,ご自身の責任において,所属事務所の方針やリスクを慎重にご判断ください。
目次
はじめに

第1 結論

第2 前提条件と技術的評価
1 学習データへの不使用(Learning Off)による隔離措置
2 データの機密性と暗号化(Confidentiality)
3 人間によるレビューの排除
4 シャドーIT排除の必要性
5 無料のGmail(非匿名化)とのリスク比較

第3 法的評価
1 弁護士職務基本規程(守秘義務)との整合性
2 個人情報保護法との整合性

第4 総合判断
1 個人向け最新モデル採用の技術的必然性と実名入力の正当性
2 「使わないこと」による倫理的リスク
3 監督者責任としてのAI利用
はじめに
本記事では,個人向けサブスクリプション「Google AI Ultra」(コンシューマー向け有料プラン(月額3万6400円))で提供される「Gemini 3.0 Pro」や「Gemini 3.0 Deep Think」といった最新モデル(以下,これらを総称して「本AI」といいます。)の利用について解説します。
具体的には,これらのAIを弁護士業務に利用することが,法的かつ技術的に安全であることを詳細に論証します。

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弁護士法人アディーレ法律事務所に対する懲戒処分(平成29年10月11日付)

目次
1 東京弁護士会の綱紀・懲戒の手続
2 アディーレと東京弁護士会との関係等
3 アディーレの景品表示法違反(有利誤認)
4 アディーレに対する懲戒処分
5 東京弁護士会の会長談話及び懲戒処分の公表
6 アディーレの説明書面
7 日弁連懲戒委員会の裁決
8 2020年6月11日付の酒井将弁護士の陳述書の記載
9 参考となる外部HP
10 関連記事その他

1 東京弁護士会の綱紀・懲戒の手続
(1)ア   東京弁護士会の綱紀・懲戒の手続については,東弁リブラ2010年7月号の「綱紀・懲戒-綱紀委員会から7つのメッセージ- 総論:綱紀・懲戒制度の概要」が非常に参考になります。
イ 7つのメッセージは以下のとおりです。
① 委任契約書の作成など-形で伝え合うことの大切さ
② 預り金に関して
③ 準備書面等を書くにあたって
④ 「自力救済」-意識してますか
⑤ 利益相反・中立義務違反について
⑥ 債務整理事件の処理について
⑦ 刑事弁護を巡るトラブルについて
(2)   平成22年7月現在,東京弁護士会の綱紀委員会は弁護士委員が100人,外部委員が9人の合計109人であり,懲戒委員会は弁護士委員8人,外部委員7人の合計15人です。
   綱紀委員会では,弁護士委員は原則として3名1組の調査部を構成していますし,弁護士委員には若手も多数います。
   懲戒委員会の弁護士委員はベテランがほとんどです。
(3) 東弁リブラ2010年7月号の「綱紀・懲戒-綱紀委員会から7つのメッセージ- 総論:綱紀・懲戒制度の概要」1頁目には以下の記載があります。
   弁護士を懲戒することができるのは,当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会のみです。
   弁護士の懲戒制度における大きな特長であり,いわゆる弁護士自治の中核をなすものです。このように他に類例のない制度であるだけに,しばしば「かばいあい」「なれあい」などのいわれのない非難が寄せられますが,実際には厳正に運用されており,この点は綱紀委員会(以下,東京弁護士会綱紀委員会のことを「当委員会」といいます。一般に綱紀委員会を指すときは「綱紀委員会」といいます。)や懲戒委員会の外部委員(裁判官,検察官,学識経験者から選出された委員)からも評価されているところです。

https://twitter.com/yamanaka_osaka/status/1179765030654365697

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2019年に設立された政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況

目次
第1 政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況
1 頼りがいのある司法を築く日弁連の会の代表者である山岸良太弁護士の場合
2 ともに日弁連を変えよう!市民のための司法をつくる会の代表者である及川智志弁護士の場合
3 近未来の日弁連を考える会の代表者である川上明彦弁護士の場合
4 新たな時代の司法を考える会(あらし会)の代表者である荒中弁護士の場合
第2 その他
1 4つの政策提言団体の代表者が出席した意見交換会
2 令和元年8月時点における,頼りがいのある司法を築く日弁連の会の予定
3 HP等の閉鎖
4 関連記事

第1 政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況
2020年に日弁連会長選挙がありますところ,2019年に設立された政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況は,代表者の所属弁護士会で開催されたものを除き,以下のとおりです。
1 頼りがいのある司法を築く日弁連の会の代表者である山岸良太弁護士の場合
(2019年)
12月26日:大阪弁護士会有志との意見交換会
12月12日:滋賀弁護士会有志との意見交換会
12月11日:山梨県弁護士会有志との意見交換会
12月10日:愛媛弁護士会有志との意見交換会
12月 6日:日弁連臨時総会後の全国懇親会(東京事務所)
12月 5日:神奈川県弁護士会有志との意見交換会
12月 4日:大阪事務所開き
11月29日:近弁連大会後の懇親会(奈良)
11月27日:福井弁護士会有志との意見交換会
11月26日:新潟県弁護士会有志との意見交換会
同    日:金沢弁護士会有志との意見交換会
11月25日:佐賀県弁護士会有志との意見交換会
11月 5日:長崎県弁護士会有志との意見交換会
11月22日:旭川弁護士会有志との意見交換会

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遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する,弁護士会の懲戒例

目次
第1 総論
1 遺言執行者が特定の相続人の代理人をすることが許される場合
2 遺言執行者代理人をした後に特定の相続人の代理人をすることが許される場合の取扱い
3 遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する懲戒理由
4 東弁リブラの連載記載
5 令和元年7月1日施行の改正相続法においても日弁連の取扱いは変わらないと思われること(令和3年2月25日追加)
第2 遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する単位弁護士会の懲戒処分例(22例)
第3 遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する単位弁護士会の懲戒しない旨の決定を取り消した,日弁連の裁決例(1例)
第4 遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する単位弁護士会の懲戒を取り消した,日弁連の裁決例(2例)
第5 日弁連懲戒委員会の運用上,破産管財人が免責許可決定が確定した後に元破産者の訴訟代理人に就任することは懲戒事由に該当しないこと
1 遺言執行者と破産管財人の比較
2 日弁連懲戒委員会の運用上,破産管財人が免責許可決定が確定した後に元破産者の訴訟代理人に就任することは懲戒事由に該当しないと思われること
3 解説「弁護士職務基本規程」の記載
第6 遺言執行者の職務執行が違法となる場合に関する高裁判例
第7 関連記事その他

第1 総論
1 遺言執行者が特定の相続人の代理人をすることが許される場合
(1) 解説「弁護士職務基本規程」(平成17年4月発行)54頁では,遺言執行者の職務内容に裁量の余地があるかどうかで分け,裁量の余地がない場合,執行終了後は遺留分減殺請求における受遺者の代理人になれるとされていました。
(2) 単位弁護士会の懲戒しない旨の決定を取り消した,平成18年1月18日付の日弁連裁決(自由と正義2006年4月号85頁及び86頁)により,相続人間に深刻な争いがあり話し合いによっては解決することが困難な状況がある場合,遺言執行者が特定の相続人の代理人になることは許されなくなりました。
(3)ア 現在の懲戒実務からすれば,遺言執行行為が終了した後に遺言執行者が特定の相続人の代理人をすることが許されるのは,具体的事案に即して実質的に判断したときに,遺言の内容からして遺言執行者に裁量の余地がなく,遺言執行者と懲戒請求者を含む各相続人との間に実質的にみて利益相反の関係が認められないような特段の事情がある場合に限られると思います(平成27年10月20日付の日弁連裁決(自由と正義2015年12月号99頁及び100頁)。なお,先例として,平成22年5月11日付の日弁連裁決(自由と正義2010年7月号140頁及び141頁))。
イ 解説「弁護士職務基本規程」(第3版)99頁にも同趣旨の記載があります。
2 遺言執行者代理人をした後に特定の相続人の代理人をすることが許される場合の取扱い
(1) 遺言執行者代理人をした後に特定の相続人の代理人をしたことに基づく懲戒処分の実例は確認できていません。
(2) 東弁リブラ2008年3月号の「弁護士倫理・ここが問題 第3回 弁護士が遺言執行者となる場合の問題点(その1)」には「現実に,自分では遺言執行者にならず,遺言執行者の代理人になるようにしているという考えの弁護士もかなりいて,遺言執行実務の現場は困惑しているようです。」と書いてあります。
3 遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する懲戒理由
(1) 第2記載の懲戒処分例のうち,利益相反(弁護士職務基本規程27条及び28条参照)だけを理由とするものは以下のとおりです。
3例:1番,10番,14番
(2) 第2記載の懲戒処分例のうち,職務の中立性・誠実さ・公正さ等(つまり,利益相反以外)(弁護士職務基本規程5条及び6条参照)だけを理由とするものは以下のとおりです。

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個人型確定拠出年金(iDeCo)

目次
1 総論
2 国民年金基金と共通するメリット
3 国民年金基金にはないメリット
4 掛金の取扱い
5 必要な費用
6 確定拠出年金の受給方法
7 昭和63年改正前の証券投資税制
8 投資助言・代理業
9 関連記事その他

iDeCoは「‟個人型"確定拠出年金」という堅苦しい名前ですが、そもそも「確定拠出年金って何?」という人多いと思います。ザックリ言うとコレです。 pic.twitter.com/wYalDNS9VZ

— ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ (@Tomojidien) October 14, 2022

iDeCoとかどうでもええわ。ちまちましたことに限りある脳みそ使いたくないわ。…と思ってたけど、自己破産しても守られると聞いてがぜん興味が湧いてきました。

— どエンド君 (@mikumo_hk) December 18, 2022

1 総論
(1) 個人型確定拠出年金(愛称は「iDeCo」です。)は,確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。
(2)ア 平成29年1月から,基本的に20歳以上60歳未満のすべての人が加入できるようになりました。
イ 令和5年5月以降,国民年金への任意加入をしている第1号被保険者は,65歳までの間,個人型確定拠出年金に任意加入できるようになります(auカブコム証券HPの「iDeCoが新しくなる!加入年齢が65歳まで延長に」(2020年9月18日付)参照)。
(3) 個人型確定拠出年金に加入する場合,金融機関,保険会社等の運営管理機関経由で加入手続をします。
(4) 公式の説明として以下のHPがあります。
① iDeCo公式サイトの「iDecoってなに?」
② 厚生労働省HPの「iDecoの概要」

ここだけの話、元ボス弁なんかよりも、10年以上前にブログで確定拠出年金で外国株買うことを勧めてくれた見知らぬ弁護士を深く尊敬してる。

若手の先生方、今こそiDeCoでオルカンを!

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大阪弁護士会の就職説明会の日時,場所等

○大阪弁護士会の就職説明会の日時は以下のとおりであす(大阪弁護士会HPの「修習生・弁護士向け就職支援情報」)。

・ 73期の場合
   令和 元年10月12日(土)午前10時~午後4時5分(午後0時15分~午後1時15分は昼休み)
・ 72期の場合
   平成30年10月13日(土)午前10時~午後4時5分(午後0時15分~午後1時15分は昼休み)
・ 71期の場合
   平成29年10月14日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 70期の場合
   平成28年10月29日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 69期の場合
   平成27年10月31日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 68期の場合
   平成26年11月22日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 67期の場合
   平成25年12月14日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 66期の場合
   平成24年12月15日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 65期の場合
   平成23年12月10日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)

*1 68期から導入修習が開始したため,日程が前倒しとなりました。
*2 大阪弁護士会の就職説明会は常に大阪弁護士会館(大阪市北区西天満1-12-5)で開催されています。
*3 71期までの場合,30分ごとにブースを移動しましたから,最大で10個の法律事務所又は企業の説明を聞くことができました。
*4 72期の場合,30分の説明時間及び5分の移動時間でワンセットとなりましたから,最大で9個の法律事務所又は企業の説明を聞くことができます。

弁護士会別期別の弁護士数の一覧表

目次
1 弁護士会別期別の弁護士数の一覧表
2 69期以降の一斉登録の状況
3 関連記事

1 弁護士会別期別の弁護士数の一覧表
(1) 弁護士会別期別の弁護士数の一覧表を以下のとおり掲載しています。
・ 令和8年 4月 1日時点
・ 令和7年 4月 1日時点
・ 令和5年12月14日時点
・ 令和4年12月 8日時点
・ 令和4年 4月21日時点
・ 令和2年12月17日時点
・ 令和元年12月12日時点
・ 平成30年12月13日時点
・ 平成29年12月14日時点
・ 平成28年12月15日時点
・ 平成27年12月17日時点
・ 平成26年12月18日時点
・ 平成25年12月19日時点
・ 平成24年12月21日時点
・ 平成23年12月下旬時点
・ 平成22年12月下旬時点
・ 平成21年12月下旬時点
・ 平成20年12月下旬時点
・ 平成19年12月下旬時点
・ 平成18年10月下旬時点
(2)ア   新司法修習になってからは,新人弁護士の一斉登録時期は12月中旬となっていますところ,弁護士会の会費は月単位で発生するため,年明けに弁護士登録をした方が12月分の弁護士会費を節約することができます。
   そのため,年明けに弁護士登録をする司法修習生が相当数います。
イ 毎年1月に弁護士登録をした司法修習生の人数は以下のとおりです。

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会務活動に関する弁護士の守秘義務

目次
1 総論
2 大阪弁護士会の会務活動に関する守秘義務を定める条文
3 委員会活動に関する守秘義務を定めた条文は原則としてないこと
4 日弁連の特別委員会の場合,守秘義務があること
5 関連記事その他

1 総論
・ 弁護士法23条及び弁護士職務基本規程23条の「職務上知り得た」とは,弁護士がその職務を行うについて知り得たという意味であり,弁護士が弁護士法3条の依頼者から依頼を受け,訴訟事件等その他一般的法律事務を処理する上で知り得た事項についての守秘義務が課せられ,また,将来依頼を受ける予定で知り得た事項にも及びます。
   しかし,他方,そのような弁護士としての一般的法律事務を行うものではない,例えば,弁護士会の会務を行う際に知り得た事実については弁護士としての守秘義務は及びません(大阪高裁平成19年2月28日判決)。
   ただし,会務を行う際に知り得た事実であっても,当該委員会にかかる会規等に秘密保持義務が定められていれば,当該会規等の違反となり,それが弁護士の非行に当たる場合,懲戒処分の対象となります。

2 大阪弁護士会の会務活動に関する守秘義務を定める条文
① 大阪弁護士会資格審査手続規程24条
→ 資格審査会の会長,委員,予備委員並びに大阪弁護士会の役員及び職員は,審査会の審査に関し職務上知ることのできた秘密を漏らしてはなりません。
② 大阪弁護士会綱紀調査手続規程10条
→ 綱紀委員会の委員,予備委員,鑑定人及び調査員並びに大阪弁護士会の会長,副会長及び職員は,綱紀委員会の調査及び議決に関し,職務上知り得た秘密を漏らしてはなりません。
③ 大阪弁護士会懲戒手続規程8条
→ 懲戒委員会の委員,予備委員,鑑定人及び調査員並びに大阪弁護士会の会長,副会長及び職員は,綱紀委員会の調査及び議決に関し,職務上知り得た秘密を漏らしてはなりません。
④ 大阪弁護士会紛議調停手続規程21条
→ 紛議調停委員会の委員長・副委員長又は委員並びに大阪弁護士会の会長・副会長及び職員は調停又は議事について,職務上知ることができた秘密を漏らしてはなりません。
⑤ 弁護士法第二十三条の二に基づく照会に係る嘱託に関する規則6条
→ 23条嘱託は,関与した案件その他について職務上知り得た秘密を漏らしてはなりません。
⑥ 大阪弁護士会企画調査室規則7条
→ 企画調査室嘱託は,調査に関して知り得た秘密を他に漏らしてはなりません。
⑦ 大阪弁護士会法規室規則6条
→ 法規室嘱託は,調査に関して知り得た秘密を他に漏らしてはなりません。
⑧ 大阪弁護士会人権救済調査室規則7条
→ 人権救済調査室嘱託は,調査に関して知り得た秘密を他に漏らしてはなりません。
⑨ 大阪弁護士会広報室規則7条

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司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛の要請に関する最高裁及び法務省の対応

目次
1   69期の要請文書
2 69期の要請文書の発出について,文書によるやり取りはなかったこと
3 70期ないし72期の要請文書
4 72期の要請文書に関して,文書のやり取りは存在しないこと
5 関連記事その他

1   69期の要請文書
(1) 72期以前につき,日弁連は,単位弁護士会会長を通じて日弁連会員(弁護士)に対し,毎年,採用のための勧誘行為自粛を要請していました。
(2) 69期の場合,日弁連は,日弁連会員に対し,以下の要請をしています(第69期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成27年9月3日付の日弁連会長要請)(ナンバリングを1ないし5から①ないし⑤に変えています。))。
① 会員は,第69期の司法修習生及び司法修習予定者(以下合わせて「司法修習生等」という。)に対し,平成28年2月28日まで,採用のための勧誘行為は行ってはならない。
  なお,採用情報の提供(修習開始の前後を問わず弁護士会が主催して行う採用説明会を含む。)及び事務所見学の案内は含まれない。
② 会員は,司法修習生等に対し,過度の飲食提供,その他不相当な方法による採用のための勧誘行為を行ってはならない。
③ 会員は,第69期の司法修習生等から採用申込みを受けても,平成28年2月28日までは,これを応諾してはならない。
④ 会員は,第69期司法修習生等に対する採用決定(内定を含む。)により,司法修習生等を拘束してはならない。
  会員は,第69期司法修習生等の会員に対する採用の申込み又は会員からの採用の申込みに対する第69期司法修習生等の承諾につき,司法修習生等が撤回することを妨げてはならない。
⑤ 会員は,職業選択に関する司法修習生等の自由な意思を尊重しなければならない。
(2) 73期以降の司法修習生については,司法修習開始前の採用活動が正式に解禁されました(「司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)」参照)。

2 69期の要請文書の発出について,文書によるやり取りはなかったこと
(1) 69期の場合,司法研修所事務局長は,日弁連事務次長との間で,口頭で,前年までと同様の内容による要請文書を発出することを改めて確認していますが,文書によるやり取りはしていません(平成28年度(最情)答申第9号(平成28年4月27日答申))。
(2) 日弁連の文書には,平成22年度から法務省との間でも協議を重ねてきたと書いてありますが,司法修習生に対する採用のための勧誘行為自粛について,法務省が最高裁及び日弁連と協議を行ってきた事実は確認されていません(平成28年度(行情)答申第321号(平成28年9月14日答申))。

3 70期ないし72期の要請文書
(1)ア 第70期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成28年10月27日付の日弁連会長要請)(以下「70期要請文書」といいます。)を掲載しています。
イ 69期までと異なり,協議した相手が司法研修所だけになっていました。
(2)  平成29年10月19日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には,「70期要請文書の発出に当たっては,司法研修所事務局長と日弁連事務次長との間で協議が行われ,同文書の案文を作成,取得しているが,この案文は,同文書の内容が確定した時点で,保有する必要がなくなったため廃棄した。」と書いてあります。
(3) 以下の文書を掲載しています。
・ 第71期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成29年9月7日付の日弁連会長要請)
・ 第72期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成30年10月4日付の日弁連会長要請)

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関東弁護士会連合会主催の法曹連絡協議会

目次
1 関東弁護士会連合会主催の法曹連絡協議会の資料
2 関連記事その他

1 関東弁護士会連合会主催の法曹連絡協議会の資料
令和6年度(回答案等の開示がありませんでした。)
令和5年度(回答案,当日配布資料,速記録校正)
令和4年度(当日配布資料,速記録校正)
令和3年度(速記録校正)
令和2年度(速記録校正)
令和元年度(速記録校正)
平成30年度(速記録校正)
平成26年度,
* 「令和5年度法曹連絡協議会に関する文書」といったファイル名です。

2 関連記事その他
(1) 日弁連HPの「[関東]関東弁護士会連合会」には「(5) 法曹連絡協議会の開催」として,「東京高等裁判所、東京高等検察庁、東京地方裁判所・家庭裁判所、東京地方検察庁との間で、「司法の運用改善のための情報を交換し、協議を行うことを目的」として、1967年以来、毎年1回関弁連の主催で開催しています。」と書いてあります。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 関東弁護士会連合会管内の単位弁護士会別の,日弁連の歴代副会長
・ 歴代の東京高裁長官
・ 東京高裁の歴代の代表常置委員
・ 東京高裁裁判官会議の概況説明資料

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

○弁護士法(昭和24年6月10日法律第205号)(現在の弁護士法です。)によって廃止された,弁護士法(昭和8年5月1日公布の法律第53号)(いわゆる「旧弁護士法」です。)の条文は末尾のとおりです。
○旧弁護士法は,弁護士法(明治26年3月4日公布の法律第7号)(いわゆる「旧々弁護士法」です。)と比べて以下の点が異なりました。
① 弁護士の職務について,従前は法文上,訴訟に限定していたのを,あらゆる法律事務に拡張したこと。
② 女性に弁護士資格を認めたこと。
③ 弁護士試補制度が設けられたこと。
○弁護士による法律事務の独占は,昭和11年4月1日施行の法律事務取扱ノ取締ニ関スル法律(昭和8年5月1日法律第54号)によって定められました。

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

第一章 弁護士ノ職務及資格

第一条
弁護士ハ当事者其ノ他ノ関係人ノ委嘱又ハ官庁ノ選任ニ因リ訴訟ニ関スル行為其ノ他一般ノ法律事務ヲ行フコトヲ職務トス

第二条
1 左ノ条件ヲ具フル者ハ弁護士タル資格ヲ有ス
一 帝国臣民ニシテ成年者タルコト
ニ 弁護士試補トシテ一年六月以上ノ実務修習ヲ了へ考試ヲ経タルコト
2 前項第二号ノ実務修習及考試二関スル事項ハ司法大臣之ヲ定ム

第三条
1 弁護士試補タルニハ成規ノ試験二合格スルコトヲ要ス
2 前項ノ試験二関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第四条
左二掲グル者ハ前二条ノ規定二拘ラズ弁護士タル資格ヲ有ス
一 判事又ハ検事ダル資格ヲ有スル者
二 三年以上専任行政裁判所長官又ハ専任行政裁判所評定官タリシ者
三 三年以上陸軍法務官又ハ海軍法務官タリシ者

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弁護士以外の士業の懲戒制度

目次
0 総論
1 公認会計士及び監査法人の懲戒
2 行政書士及び行政書士法人の懲戒
3 公証人の懲戒
4 司法書士及び司法書士法人の懲戒
5 土地家屋調査士及び土地家屋調査士法人の懲戒
6 税理士及び税理士法人の懲戒
7 社会保険労務士及び社会保険労務士法人の懲戒
8 弁理士及び弁理士法人の懲戒
9 関連記事その他

https://twitter.com/yamanaka_osaka/status/1179765030654365697

0 総論
(1) 特許庁HPに「行政庁による士業の懲戒比較表」及び「士業団体による会員の処分比較表」が載っています。
(2) 弁護士の場合と異なり,他の士業の場合,行政庁が懲戒します。
(3) 公証人以外の士業について懲戒事由がある場合,何人でも懲戒請求をすることができます。

1 公認会計士及び監査法人の懲戒
(1) 以下の場合,金融庁長官は,公認会計士又は監査法人について,戒告,2年以内の業務の停止又は登録の抹消(監査法人の場合は解散)の処分を行います(公認会計士法29条各号)。
   また,審判手続を経た上で,公認会計士又は監査法人に対して課徴金納付命令を出すことがあります(公認会計士につき公認会計士法31条の2,監査法人につき公認会計士法34条の21の2)(権限の委任につき公認会計士法49条の4)。
① 公認会計士又は監査法人が虚偽,錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽,錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合(公認会計士法30条)
② 公認会計士が公認会計士法若しくは公認会計士法に基づく命令に違反した場合又は公認会計士法34条の2に基づく指示に従わない場合(公認会計士法31条1項)
③ 公認会計士が著しく不当と認められる業務の運営を行った場合(公認会計士法31条2項)
(2) 何人も,公認会計士に懲戒事由に該当する事実があると思料するときは,金融庁長官に対し,その事実を報告し,適当な措置をとるべきことを求めることができます(公認会計法32条1項)。
(3) 金融庁HPの「「公認会計士・監査法人に対する懲戒処分等の考え方(処分基準)について」(案)に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年3月14日以後の施行分)に処分期順が載っています。
(4)ア 金融庁HPに「課徴金制度について」が載っています。
イ   公認会計士及び監査法人に対する課徴金制度は平成20年4月に導入されました。
(5) 公認会計士ナビに「公認会計士・監査法人の懲戒処分」が載っています。

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司法研修所弁護教官の業務は弁護士業務でないものの,破産管財人として行う業務は弁護士業務であること

目次
第1 司法研修所弁護教官の業務は弁護士業務でないこと
第2 破産管財人として行う業務は弁護士業務であること
第3 弁護士の立場で行われた講演等の収入は事業所得の総収入金額に該当すること
第4 関連記事

第1 司法研修所弁護教官の業務は弁護士業務でないこと
1 平成30年度(最情)答申第64号(平成31年1月18日答申)は以下のとおりです。
   本件対象文書を見分した結果によれば,本件不開示部分は,①謝金(半月の単価)の額,②謝金内容の単価,③謝金支給額,④謝金税額,⑤差引支給額であると認められる。このような記載内容に照らして検討すれば,上記①及び②については,対象となる弁護教官等の人数が非常に少ないことに照らし,すでに開示されている弁護教官等の氏名及び各支給月における担当クラス数の情報と,上記②についてはこれらに加えて繁忙期・閑散期の別による謝金区分の情報と,それぞれ照合することにより,特定の弁護教官等に対する各月の謝金の支給額が容易に推知され得るものであり,上記③から⑤については,すでに開示されている弁護教官等の氏名と併せて法5条1号に規定する個人識別情報であるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。
   苦情申出人は,本件不開示部分について,個人識別情報ではなく,事業を営む個人の当該事業に関する情報である旨を主張する。しかし,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,弁護教官の事務は,司法修習生に対する講義,研究・演習,起案講評等を内容とするものであり,弁護士の業務とはいえない。
   そうすると,本件不開示部分は,個人識別情報と認められ,同条2号に規定する事業を営む個人の当該事業に関する情報とは認められない。
2 本件対象文書は以下のとおりです。
① 平成29年4月1日付け司法研修所作成「平成29年度の弁護教官等の謝金について」
② 平成29年1月10日付け「支給調書」

第2 破産管財人として行う業務は弁護士業務であること
1 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負います(最高裁平成23年1月14日判決)。
2 国税庁HPの質疑応答事例「破産管財人報酬」には以下の記載があります。
   破産管財人報酬は、弁護士の業務に関する報酬又は料金として、源泉徴収の対象となります。
   破産管財人の業務は、弁護士法第3条第1項《弁護士の職務》に規定する「一般の法律事務」には該当しませんが、同法第30条の5《業務の範囲》の業務を定める法務省令(弁護士法人及び外国法事務弁護士法人の業務及び会計帳簿等に関する規則)第1条第1号《弁護士法人の業務の範囲》にいう業務に該当するとともに、弁護士は、正当の理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項を行うことを辞することができないものとされています(弁護士法第24条)。
   したがって、弁護士法は、弁護士の使命及び職責にかんがみ、弁護士が破産管財人の地位に就きその業務を行うことを予定しているものと考えられます。
   また、所得税法第204条第1項第2号に規定する「弁護士の業務」を弁護士法第3条第1項に規定する「一般の法律事務」に限定すべき理由はなく、弁護士としての専門的知識をもって行う業務も同号にいう「弁護士の業務」に含まれると考えられます。
   以上のことから、弁護士が破産管財人として行う業務は、「弁護士の業務」に該当し、破産管財人報酬は、弁護士の業務に関する報酬又は料金に該当することとなります。
3 国税不服審判所平成14年2月25日裁決には以下の記載があります。
A 弁護士の職務については、弁護士法第3条第1項では、「弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。」と規定しているところ、かかる弁護士法第3条第1項に規定する職務を行ったことに伴い支払われた報酬は、通常、所得税法第204条第1項第2号に規定する弁護士の業務に関して支払われた報酬に当たると解するのが相当である。
   そして、ここに、委嘱とは、一定の事実行為又は事務をすべきことを他人に依頼することであり、法律事務とは、訴訟事件、非訟事件及び行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して、鑑定、代理、仲裁、和解等を行うことと解されている。
B 破産管財業務について、上記Aに照らして判断すると、K地裁では、上記イの(ハ)にあるとおりの選任過程を経て、破産管財人が選任されるに至るのであるから、破産管財人の選任が弁護士法第3条第1項に規定する、官公署の委嘱に基づくものであることは明らかである。
   また、破産管財人の主な職務は、破産財団をもって総債権者に公平な配当を実現することにあり、そのために破産財団に属する財産を管理、処分する必要があるが、かかる破産財団の換価処分の過程においては、双務契約に関する処理(破産法第59条)のほか、逸失した財産を破産財団に取り戻するために訴え等により否認権を行使すること(破産法第76条)、破産財団に関する訴訟の追行(破産法第162条)などをする場合があること、破産管財人は、配当を受領する破産債権者の範囲及び債権額を確定しなければならないが、その届出債権については債権確定訴訟を追行しなければならない場合もあり得ること(破産法第244条以下)などにかんがみると、破産管財業務にはもともと法律的判断を伴う事務を行うことが予定されているといえるから、破産管財業務であるという一事をもって直ちに弁護士法第3条第1項にいう法律事務への該当性が否定されるものではない。

「弁護士マップ」というウェブサイトを見つけました。日本地図上に日本の全ての法律事務所の所在地をプロットしているんですかね?https://t.co/qc6rlaObee

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弁護士となる資格付与のための指定研修

目次
1 弁護士となる資格付与のための指定研修(毎年3月頃の日弁連の文書)
2 平成30年度「弁護士となる資格付与のための指定研修」実施計画書「別紙Ⅲ 平成30年度研修カリキュラム説明書」
3 関連記事

1 弁護士となる資格付与のための指定研修(毎年3月頃の日弁連の文書)
平成30年度,平成31年度,令和 2年度,
令和 3年度,令和 4年度,令和 5年度,
令和 6年度,令和 7年度,令和 8年度,

* 「弁護士法第5条の規定による研修の申請について(令和5年3月8日付の日弁連会長の文書)」とファイル名です。

2 平成30年度「弁護士となる資格付与のための指定研修」実施計画書「別紙Ⅲ 平成30年度研修カリキュラム説明書」
第1 集合研修Ⅰ
1 ガイダンス
・研修の目的,研修のカリキュラムについての説明
・研修に向かう姿勢,起案の作成方法についての説明
2 民事裁判手続(5時間)
・司法研修所「民事第一審手続ビデオ」を上映し,民事訴訟手続全般を教える。
・民事裁判に関し,基礎的な択一の問題を実施
3 刑事裁判手続(5時間)
・司法研修所「刑事弁護ビデオ」を上映し,逮捕からの刑事弁護手続・刑事訴訟手続全般を教える。
・刑事手続に関し,基礎的な択一の問題を実施

第2 集合研修Ⅱ
1 民事弁護概論(2時間)
・弁護士業務について
・一般民事手続の流れを相談から順を追って説明
・まず依頼者の話をどのように聞くか。
・どのような手続をとるか(訴訟以外の調停かADRか,交渉の選択) 。

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大阪弁護士会就職支援委員会主催の懇談会,並びに自治体職員,企業内弁護士及び政策担当秘書に関する各種資料

目次
1 大阪弁護士会就職支援委員会主催の懇談会
2 自治体職員関係の参考HP
3 企業内弁護士関係の参考HP
4 政策担当秘書関係の参考データ等
5 組織内弁護士に関する弁護士職務基本規程の条文
6 関連記事その他

1 大阪弁護士会就職支援委員会主催の懇談会
(1)ア 大阪弁護士会就職支援委員会は,平成30年度までの間,以下の懇談会及びその後の懇親会を開催しており,大阪弁護士会事務局に事前に参加申し込みをすれば,大阪修習でなくても参加することができました(開催時期が近づくと,大阪弁護士会HPの「修習生・弁護士向け就職支援情報」に案内チラシが掲載されます。)。
① 平成26年度
平成27年1月17日(土)  政策担当秘書との懇談会
平成27年1月22日(木)  自治体職員との懇談会
平成27年2月19日(木)  企業内弁護士との懇談会
② 平成27年度
平成28年2月10日(木)  自治体職員との懇談会
平成28年2月23日(火)  企業内弁護士との懇談会
平成28年3月 5日(土)  政策担当秘書との懇談会
③ 平成28年度 
平成29年2月 4日(土)  自治体職員との懇談会
平成29年2月24日(金)  企業内弁護士との懇談会
平成29年3月25日(土)  政策担当秘書との懇談会
④ 平成29年度
平成30年2月17日(土)  自治体職員との懇談会
平成30年3月 9日(金)  企業内弁護士との懇談会
平成30年3月24日(土)  政策担当秘書との懇談会
⑤ 平成30年度
平成31年2月16日(土)  政策担当秘書との懇談会
平成31年3月15日(金)  企業内弁護士との懇談会
平成31年3月23日(土)  自治体職員との懇談会

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弁護士職務基本規程

○平成17年4月1日施行の,弁護士職務基本規程(平成16年11月10日会規第70号)の条文は以下のとおりです。

第一章   基本倫理(第一条ー第八条)
第二章   一般規律(第九条ー第十九条)
第三章   依頼者との関係における規律
第一節   通則(第二十条ー第二十六条)
第二節   職務を行い得ない事件の規律(第二十七条・第二十八条)
第三節   事件の受任時における規律(第二十九条ー第三十四条)
第四節   事件の処理における規律(第三十五条ー第四十三条)
第五節   事件の終了時における規律(第四十四条・第四十五条)
第四章   刑事弁護における規律(第四十六条―第四十九条)
第五章   組織内弁護士における規律(第五十条・第五十一条)
第六章   事件の相手方との関係における規律(第五十二条ー第五十四条)
第七章   共同事務所における規律(第五十五条―第六十条)
第八章   弁護士法人における規律(第六十一条―第六十九条)
第九章   他の弁護士との関係における規律(第七十条ー第七十三条)
第十章   裁判の関係における規律(第七十四条―第七十七条)
第十一章   弁護士会との関係における規律(第七十八条・第七十九条)
第十二章   官公署との関係における規律(第八十条・第八十一条)
第十三章   解釈適用指針(第八十二条)

荒中先生の選挙用ホームページに掲載されていた職務基本規程の改正問題についての政策(変更後)のスクショです。

公開質問状(2回目)への回答には書かれていない守秘義務以外の条項へのスタンスも記載されています。

私の記念品、永久保存版です。#日弁連会長選挙 pic.twitter.com/7xb9Lr2vQg

— 古家野 彰平 (@shoheikoyanolaw) March 12, 2020
弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。
その使命達成のために、弁護士には職務の自由と独立が要請され、高度の自治が保障さている。
弁護士は、その使命を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負う。
よって、ここに弁護士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため、弁護士職務基本規程を制定する。
 第一章  基本倫理 
 (使命の自覚)
第一条 弁護士は、その使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、その使命の達成に努める。
(自由と独立)
第二条 弁護士は、職務の自由と独立を重んじる。

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大阪弁護士会の負担金会費

目次
1 大阪弁護士会の負担金会費
2 関連記事その他

1 大阪弁護士会の負担金会費
・ 大阪弁護士会HPの「入会・退会案内」に掲載されている「大阪弁護士会財務課からのお願い」の「3 負担金会費の納入について」には以下の記載がありますところ,⑧の負担金のうち,直接依頼者から事件を受任して権利保護保険制度(いわゆる弁護士費用特約)を利用した場合(いわゆる「直接受任案件」です。)に負担するものについては,上納金といわれることがあります。

入会に際し、会館負担金会費40万円(分納・分納の延納制度あり)を納入いただくことは、別途案内「大阪弁護士会へ入会される方へ」に記載させていただいておりますが、入会後、次の負担金会費を納入いただきます(大阪弁護士会各種会費規程第3条の4)。
① 国選弁護人及び国選付添人に対する報酬の5%
② 裁判所から選任された職務代行者、破産管財人、民事再生監督委員、同調査委員、同管財人、同保全管理人、会社更生管財人、同調査委員、同保全管理人、同監督員、会社設立検査役、特別清算における特別清算人、同検査役、会社整理における検査役、同監督員、同管理人、特別代理人、不在者財産管理人、相続財産管理人、遺言執行者、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、任意後見監督人、財産管理者、職務代行者等(裁判所の民事調停委員、家事調停委員、鑑定委員、司法委員、参与員その他これらに準ずるものを除く。)の報酬(未成年後見制度における後見人、後見監督人、財産管理者及び職務代行者の報酬については、就任時から1年間のものに限る。)の7%
③ 大阪弁護士会総合法律相談センター規程(会規第13号)に定める法律相談業務、被害者救済業務、中小企業支援センター業務、犯罪被害者救済業務及び当番弁護士に関する業務の担当者並びに同規程により事件を受任した場合の法律相談料、着手金、報酬金、手数料、鑑定料、講師料、日当の7%
④ 大阪弁護士会総合法律相談センターから顧問の紹介を受けた場合の顧問就任時から1年間の顧問料の7%
⑤ 大阪弁護士会高齢者・障害者総合支援センター規程(会規第30号)に定める専門法律相談業務、財産管理支援業務、介護・福祉支援業務及び精神保健支援業務の担当者並びに同規程により事件を受任した場合の法律相談料、着手金、報酬金、手数料(財産管理支援業務における財産管理行為開始前の面談の手数料及び証書類等の保管委託の手数料については財産管理契約締結時から、財産管理支援業務における財産管理行為開始後の基本委任事務の手数料については財産管理行為開始時から、1年間のものに限る。)、鑑定料及び講師料の7%
⑥ 大阪弁護士会遺言・相続センター規程(会規第55号)に基づく法律相談の相談料並びに同規程により事件を受任した場合の着手金、報酬金及び手数料の7%
⑦ 大阪住宅紛争審杳会の指名紛争処理委員及び専門家相談員の報酬の7%
⑧ 権利保護保険制度(日弁連リーガル・アクセス・センター)に基づく法律相談の相談料並びに同制度により事件を受任した場合(直接依頼者から事件を受任し、同制度を利用した場合を含む。)の着手金、報酬金、手数料及び日当の7%
⑨ 大阪弁護士会行政連携センター規程(会規第59号)により紹介を受けた場合の法律相談料、着手金、報酬金、手数料、鑑定料及び講師料の7%

禁止されてるから絶対やらんけど、
紹介料払うの禁止しておきながら、弁護士会の相談センターとかに上納金払わなければいけないことについて、納得してない https://t.co/NMRPm3vI9l

— 自由と鐘@若手独立弁 (@bebebebengo4) April 24, 2022

評判最悪の、大弁の「国選ピンハネ」ですが。
大弁を卒業したら、大弁所属中に受けた国選事件でもピンハネされない(負担金を課されない)んですね……!
この期待はしておりませんでしたので、なんともありがたいです。やったー!

— りっぴぃ (@rippy08) September 14, 2021

大阪弁護士会の新会員専用サイトで何ができるようになったのか、ポイントをまとめておきます。

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弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年以降の分)

目次
第1  懲戒請求事案集計報告
第2 懲戒委員会の審査が開始した場合の懲戒処分率
第3 日弁連に対する審査請求等の件数の推移
1 既済件数の推移
2 原処分取消(懲戒処分が取り消されること)
3 原処分変更(懲戒処分が軽くなること)
第4 弁護士の懲戒件数等の推移
1 懲戒請求の新受件数の推移
2 懲戒の件数の推移
3 戒告の件数の推移
4 業務停止の件数の推移
5 退会命令の件数の推移
6 除名の件数の推移
第5 関連記事その他
第1  懲戒請求事案集計報告
1 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年から平成30年まで)を掲載しています。
   日弁連HPの「基礎的な統計情報2010」では,平成13年以降の懲戒等の件数しか記載されていないのに対し,私のデータは,平成5年以降の懲戒等の件数を記載しています。
2 日弁連作成の懲戒請求事案集計報告は毎年3月中旬に公表されますところ,直近では以下のデータが日弁連HPに掲載されています。
2015年,2016年,2017年,2018年,2019年,
2020年,2021年,2022年,2023年,2024年,
第2 懲戒委員会の審査が開始した場合の懲戒処分率
・ 年度のずれを無視した場合,懲戒委員会の審査が開始した場合の懲戒処分率は以下のとおりです。
(令和時代)
令和元年:45.7% 令和2年:75.4%,令和3年:59.1%
令和4年:52.0%,令和5年:65.1%,令和6年:45.6%
令和7年:49.4%,
(平成時代)
平成5年:42.6% 平成6年:44.6% 平成7年:78.0%
平成8年:60.0% 平成9年:62.3% 平成10年:55.1%

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弁護士の懲戒処分の公告,通知,公表及び事前公表

目次
第1 懲戒処分の公告(日弁連会則68条)
1 日弁連による公告
2 大阪弁護士会による公告
第2 懲戒処分の通知(日弁連会則68条の3及び68条の4)
1 対象弁護士等に対する通知
2 日弁連等に対する通知
3 最高裁判所等に対する通知
4 懲戒請求者に対する通知
第3 懲戒処分の公表
1 弁護士会の場合
2 日弁連の場合(日弁連会則68条の2第1項参照)
第4 懲戒処分の事前公表
1 弁護士会の場合
2 日弁連の場合(日弁連会則68条の2第2項参照)
第5 弁護士の懲戒処分の官報公告に関する説明
第6 関連記事

第1 懲戒処分の公告(日弁連会則68条)
1 日弁連による公告
(1) 日弁連は,弁護士会又は日弁連が対象弁護士等を懲戒した場合,遅滞なく,懲戒の処分の内容を官報をもって公告しなければなりません(弁護士法64条の6第3項)。
(2) 日弁連は,弁護士会又は日弁連が対象弁護士等を懲戒した場合,懲戒の処分の内容等を機関雑誌である「自由と正義」に掲載して公告します(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程3条参照)。
2 大阪弁護士会による公告
(1)   大阪弁護士会所属の弁護士又は弁護士法人に対する懲戒処分があった場合,懲戒処分の主文及び詳細な理由が大阪弁護士会の機関紙である「月刊大阪弁護士会」(毎月末日発行)(大阪弁護士会HPの「広報誌」参照)に掲載されます。
(2) 大阪弁護士会館13階の会員ロビー掲示板にも,懲戒処分の主文及び詳細な理由が掲載されます。

懲戒制度の最大の問題点は、「懲戒された事例」の具体的事情に関する情報が入手できないことに加えて、「懲戒されなかった事例」が分からないことにあると思っている。これでは、懲戒相当/不相当の分水嶺が見えないので、萎縮効果は勿論のこと、懲戒される範囲もなし崩し的に広がっていく。

— Planar (@makro_planar) September 21, 2023
第2 懲戒処分の通知(日弁連会則68条の3及び68条の4)
1 対象弁護士等に対する通知
   弁護士会又は日弁連が対象弁護士等を懲戒した場合,又は懲戒しない旨を決定した場合,対象弁護士等に対し,懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければなりません(懲戒した場合につき弁護士法64条の6第1項,懲戒しない旨を決定した場合につき弁護士法64条の7第1項2号及び同条第2項2号)。
2 日弁連等に対する通知

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弁護士の懲戒手続の除斥期間

目次
1 総論
2 除斥期間の始期
3 「懲戒の手続」の意義
4 司法書士の懲戒の場合,除斥期間がなかったこと等
5 関連記事

1 総論
(1) 懲戒の事由があったときから3年を経過した場合,弁護士会が「懲戒の手続」を開始することはできない(弁護士法63条)ところ,3年の期間は除斥期間ですから,停止事由等はありません。
(2)ア ①長期5年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪の公訴時効は3年ですし,②令和2年3月31日までの間,弁護士の預かり書類の消滅時効は3年でした(民法171条)。
   そのため,事件終了の時から3年を経過した場合,非行行為に関する書類がない場合がありうることは,3年という除斥期間を定めた理由の一つとされています。
イ 改正民法が施行された令和2年4月1日以降,弁護士の預かり書類の消滅時効は5年です(民法166条1項1号)。

2 除斥期間の始期
(1) 除斥期間の始期は,「懲戒の事由があったとき」,つまり,懲戒事由に当たる行為が終了したときであり,継続する非行についてはその行為が終了した時です。
(2)ア   弁護士が依頼者から又は依頼者のために預かった金品を返還すべき時期に依頼者に返還しないという行為は,それ自体,依頼者の弁護士に対する信頼,ひいては国民一般の弁護士全体に対する信頼を破壊するものとしてその品位を失うべき非行に当たりますから,返還するまでの間,非行は継続していると解されています(東京高裁平成13年11月28日判決参照)。
イ 依頼者と弁護士の委任関係が終了した場合,その終了時に預かった金品等の清算がなされるのが通常であることや委任事務に係る資料の保存にも限度があること,委任関係が終了した後もいつまでも懲戒しうるというのでは弁護士は極めて不安定な立場に置かれることとなり,除斥期間を設けた法の趣旨に反することにもなることから,弁護士から依頼者から又は依頼者のために預かった金品を横領するなどしてこれを返還しない場合であっても,委任関係が終了したときは,その終了の時点から除斥期間が開始すると解されています(東京高裁平成13年11月28日判決参照)。
(3) 数個の非行事実が連続して存在する場合,それぞれの行為について除斥期間が進行するのか,それとも連続した一連の行為として包括的な一つの行為とみなし,これら数個の行為全部の終了時をもって除斥期間の始期とみるべきかは,具体的事案によって判断されます。

3 「懲戒の手続」の意義
(1)ア 日弁連は従前,「懲戒の手続」は懲戒委員会の審査手続だけをいうのであって,綱紀委員会の調査手続はこれに含まれないという解釈(現定説)を採用していました。
   しかし,平成11年3月19日付の理事会決定により,「懲戒の手続」には綱紀委員会の調査手続が含まれるという解釈(非限定説)に変更しました。
そして,同年6月9日付で,日弁連会長から各弁護士会会長宛の「弁護士法第63条及び第64条の解釈について(通知)」と題する文書において,各弁護士会においてもこの解釈に従うように通知しました。
イ 当時の弁護士法63条及び64条は現在,弁護士法62条及び63条です。
(2) 平成16年4月1日施行の,司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律(平成15年7月25日法律第128号)は,弁護士法58条2項において,懲戒請求があった場合に弁護士会が「懲戒の手続」に付して,綱紀委員会に事案の調査をさせる旨を規定していますところ,これは非限定説を前提としたものと解されています。
(3) 懲戒事由があった日から3年を経過する前に綱紀委員会の調査手続に付されていた場合,除斥期間は問題とならなくなります。
(4) 懲戒請求先の弁護士会がいつ,綱紀委員会の調査手続に付したかどうかについては,懲戒請求者が懲戒請求先の弁護士会に対し,綱紀委員会の事件番号(例えば,平成29年(綱)第1234号)及び対象弁護士の氏名を告知すれば,電話で教えてくれることがあります。
(5) 弁護士自治を考える会HPの「懲戒請求申立を2年半放置した弁護士会に対し日弁連がやっと異議を認めた」では,第一東京弁護士会は,懲戒請求書を受領した当日に,綱紀委員会に調査を請求したみたいです。

4 司法書士の懲戒の場合,除斥期間がなかったこと等

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弁護士登録番号と修習期の対応関係

目次
1 弁護士登録番号と修習期の対応関係
2 57期以降の,弁護士の一斉登録日
3 日弁連による弁護士登録番号の付番
4 再登録請求をした場合における弁護士登録番号
5 司法修習の終了者名簿
6 弁護士名簿の登録及び登録取消の情報
7 弁護士検索
8 官報
9 関連記事その他

1 弁護士登録番号と修習期の対応関係
(1) 弁護士登録番号と修習期の対応関係は以下のとおりです。
78期 67419~
77期 65652~
76期 64288~
75期 62970~
74期 61635~
73期 60110~
72期 58641~
71期 57151~
70期 55618~
69期 53898~
68期 52212~
67期 50339~
66期 48314~
65期 46237~
64期 44085~(新64期は44264~)
63期 41985~(新63期は42206~)
62期 39704~(新62期は40052~)

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司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)

目次
第1 司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)
第2 関連記事その他

第1 司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)
・ 第71期司法修習生等東京三弁護士会就職合同説明会」に掲載されていた「司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)」は,以下のとおりです。
所属弁護士の誰かが戒告の懲戒処分を受けた場合,弁護士法人又は法律事務所全体が1年間,就職説明会に参加できなくなるみたいです(3条(3)本文)し,過去1年間に市民窓口等の相談件数が10回以上ある場合も就職説明会に参加できなくなるみたいです(3条(10))から,大事務所ほど参加条件を満たせない可能性が高くなる気がします。
(法律事務所の参加条件)
第3条 就職説明会へ参加申込を行った法律事務所又はその所属弁護士のいずれかの会員が、就職説明会開催期日又は特に各号に規定された日において、次のいずれかに該当する場合には、当該法律事務所の参加は認められない。
(1) 業務停止期間中である場合、綱紀委員会で懲戒相当とされて懲戒委員会に付議されている場合、又は所属するいずれかの弁護士会の請求により、綱紀委員会に付議されている場合。
(2) 業務停止以上の懲戒処分を受け、処分の効力が生じてから3年以内である場合。ただし、業務停止処分にあっては、停止期間満了から3年以内である場合。
(3) 戒告の懲戒処分を受け、処分の効力が生じてから1年以内である場合。ただし、非弁提携事案による戒告の場合は、処分の効力が生じてから3年以内である場合。
(4) 過去20年間に戒告以上の処分を3回以上受けた場合。
(5) 非弁提携行為を行ったと認定され東京三会何れかの非弁提携行為の防止に関する会議体から警告、是正措置等を受け、それらを受けた日から1年を経過していない場合。
(6) 東京三会のいずれかの会の個別の就職説明会参加基準に抵触する場合。
(7) 弁護士法、東京三会又は日弁連の会則、会規に違反していると認められる場合。
(8) 就職説明会の手続の円滑な実施に協力しない場合、又は過去の就職説明会の実施に協力しない行為があった場合。
(9) 前年度又は前々年度の就職説明会に参加の申込みをしたにもかかわらず、正当な理由なく開催日の2週間前以後に参加を取り止めた場合。
(10) 申し込み時又は就職説明会開催日から過去1年間に、東京三会各会が設置する苦情等相談受付け窓口(市民窓口等)の相談件数が10回以上ある場合。
(11) 申し込み時に会費を3か月分以上滞納し、就職説明会の参加申込期限内に会費滞納の状況が解消されない場合。
(12) 非弁提携行為の防止に関する会議体による調査を受けている場合。
(13) 日弁連の求人求職情報提供システムへ掲載しない旨の決定を受けて3年が経過していない場合。
(14) 東京三会何れかの規程に違反し、若しくは事務の運営を妨げ又は業務執行において著しく不適当な行為を行ったことを理由として、国選弁護人、国選付添人、国選医療観察付添人、国選被害者参加弁護士及び当番弁護士(以下「国選弁護人等」という。)の候補者の推薦停止又は国選弁護人等の推薦を受ける者を登録する名簿から抹消されて3年が経過していない場合。
(15) その他弁護士の信用及び品位を害する恐れがあると認められる場合。
(企業等の参加要件)
第4条 就職説明会へ参加申込を行った当該企業等について、東京三会のいずれからも異議が出されないときは、参加を認める。この場合、当該企業等に東京三会の会員が所属することを要しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、参加は認められない。
(1) 当該企業等の業務が次のいずれかに該当する場合。
1) 営業形態が善良な風俗を害し又は公共の福祉に反するおそれがある場合。
2) 販売方法、宣伝広告方法等が消費者を害するおそれがある場合。
3) 非弁護士活動の助長、弁護士の肩書の不正使用その他弁護士法違反又は弁護士法の精神に反するおそれがある場合。

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東京三会修習生就職合同説明会の参加者数等の推移

目次
1 67期ないし71期の状況
2 59期ないし61期及び66期当時の状況
3 関連記事その他

1 67期ないし71期の状況
(1) 東京三会修習生就職合同説明会の参加者数等の推移は以下のとおりです。
① 67期の場合(平成25年10月14日開催)
・   のべ48法律事務所・35企業・9弁護士会,約941名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2014年6月号6頁)。
・ 平成25年の司法試験合格者数は2049人でしたから,参加率は45.9%です。
② 68期の場合(平成26年10月13日開催)
・   のべ54法律事務所・38企業・7弁護士会,約850名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2015年7月号)。
・ 平成26年の司法試験合格者数は1810人でしたから,参加率は46.9%です。
③ 69期の場合(平成27年10月12日開催)
・   のべ61法律事務所・34企業・6弁護士会,約724名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2016年7月号)。
・ 平成27年の司法試験合格者数は1850人でしたから,参加率は39.1%です。
④ 70期の場合(平成28年10月10日開催)
・   のべ70法律事務所・30企業・6弁護士会,約600名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2017年7月号)。
・ 平成28年の司法試験合格者数は1583人でしたから,参加率は37.9%です。
⑤ 71期の場合(平成29年10月9日開催)
・ のべ93法律事務所・36企業・6弁護士会,538名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2018年7月号)。
・ 平成29年の司法試験合格者数は1533人でしたから,参加率は35.1%です。
(2) 司法修習予定者等とあるのは,司法修習予定者(当年の司法試験合格者)及び司法修習生(前年の司法試験合格者)のことです。
(3)ア 2019年4月以降,「とうべんいんふぉ」は過去の分も含めて東弁の会員サイトに移行したため,一般の人は閲覧できなくなりました。
イ 「とうべんいんふぉ」(リンク切れ)では,司法修習生と書いてありますものの,参加者の90%以上は司法修習予定者と思います。

2 59期ないし61期及び66期当時の状況
・ 東京地裁平成29年2月10日判決(判例秘書に掲載)には以下の記載があります。
    東京三会は,日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会との共催の下,合同で司法修習生等に対して法律事務所及び企業の就職のための情報提供をする目的で就職説明会を開催している(以下「合同説明会」という。)。近年における合同説明会の実施状況は以下のとおりである。(甲3,9,弁論の全趣旨)
(ア) 平成18年3月11日開催(第59期司法修習生対象)

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東京三会修習生就職合同説明会の日時,場所等

1 東京三会修習生就職合同説明会の日時,場所等は以下のとおりです。

・ 73期の場合
日時:令和 元年10月14日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 72期の場合
日時:平成30年10月8日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 71期の場合
日時:平成29年10月9日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 70期の場合
日時:平成28年10月10日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 69期の場合
日時:平成27年10月12日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 68期の場合
日時:平成26年10月13日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール

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弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めた弁護士職務基本規程の条文

○弁護士職務基本規程82条2項は「第一章並びに第二十条から第二十二条まで、第二十六条、第三十三条、第三十七条第二項、第四十六条から 第四十八条まで、第五十条、第五十五条、第五十九条、第六十一条、第六十八条、第七十条、第七十三条及び 第七十四条の規定は、弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めたものとして解釈し適用しなければならない。」と定めています。
そのため,これらの条文に形式的に違反する行為があったとしても,それによって直ちに懲戒の事由と判断されるものではなく,弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行があったとき」として評価されるかどうかの判断の一要素となるに過ぎません。
○該当する条文の中身は以下のとおりです。
第一章 基本倫理 
(使命の自覚)
第一条 弁護士は、その使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、その使命の達成に努める。
(自由と独立)
 第二条 弁護士は、職務の自由と独立を重んじる。
 (弁護士自治)
 第三条 弁護士は、弁護士自治の意義を自覚し、その維持発展に努める。
 (司法独立の擁護)
 第四条 弁護士は司法の独立を擁護し司法制度の健全な発展に寄与するように努める
(信義誠実)
 第五条 弁護士は、真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする。
 (名誉と信用)
 第六条 弁護士は、名誉を重んじ、信用を維持するとともに、廉潔を保持し、常に品位を高めるように努める。
 (研鑽)
 第七条 弁護士は、教養を深め、法令及び法律事務に精通するため、研鑽に努める。
 (公益活動の実践)
 第八条 弁護士は、その使命にふさわしい公益活動に参加し、実践するように努める。
(依頼者との関係における自由と独立)
第二十条 弁護士は、事件の受任及び処理に当たり、自由かつ独立の立場を保持するように努める。
(正当な利益の実現)
第二十一条 弁護士は、良心に従い、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように 努める。
(依頼者の意思の尊重)
第二十二条 弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うも のとする。
2 弁護士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の 確認に努める。
(依頼者との紛議)
 第二十六条 弁護士は、依頼者との信頼関係を保持し紛議が生じないように努め、紛議が生じたときは、所属弁護士会の 紛議調停で解決するように努める。
(法律扶助制度等の説明)

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弁護士の懲戒請求権が何人にも認められていることの意義

目次
第1 橋下徹弁護士が第1審被告となった最高裁平成23年7月15日判決の補足意見
1 裁判官竹内行夫の補足意見
2 裁判官須藤正彦の補足意見
第2 日弁連副会長の説明
第3 懲戒請求に伴うリスク等
1 懲戒請求に伴うリスク
2 懲戒請求の位置づけに関する最高裁判決の補足意見
第4 懲戒制度を濫用する意図があるとされた事例
1 懲戒請求者本人の場合
2 懲戒請求者代理人の場合
第5 弁護士の告発が懲戒事由となる限界事例等
1 弁護士の告発が懲戒事由となる限界事例
2 弁護士の告発予告が懲戒事由となった事例
3 「刑事事件に発展する可能性がある」等と記載したことが懲戒事由となった事例
4 告訴が被告訴人に対する不法行為を構成する場合
5 相手方に対する警告文で留意すべき事項
第6 関連記事その他

第1 橋下徹弁護士が第1審被告となった最高裁平成23年7月15日判決の補足意見
1 裁判官竹内行夫の補足意見
・ 「懲戒請求権が何人にも認められていることの意義」として以下のとおり述べています(ナンバリング及び改行を行いました。)。なお,本件発言④は,④「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで,何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたいんですよ」というものでした。
(1) 第1審被告は,本件発言④において,懲戒請求は「誰でも彼でも簡単に」行うことができる旨述べた。
   弁護士法58条1項は,「何人も」懲戒の事由があると思料するときはその事由を添えて懲戒請求ができるとして,広く一般の人に対して懲戒請求権を認めている。
   これは,弁護士に対する懲戒については,その権限を自治団体である弁護士会及び日本弁護士連合会に付与し国家機関の関与を排除していることとの関連で,そのような自治的な制度の下において,懲戒権の適正な発動と公正な運用を確保するために,懲戒権発動の端緒となる申立てとして公益上重要な機能を有する懲戒請求を,資格等を問わず広く一般の人に認めているものであると解される。
   これは自治的な公共的制度である弁護士懲戒制度の根幹に関わることであり,安易に制限されるようなことがあってはならないことはいうまでもない。
   日本弁護士連合会のインターネット上のホームページにおいても,「懲戒の請求は,事件の依頼者や相手方などの関係者に限らず誰でもでき,その弁護士等の所属弁護士会に請求します(同法58条)」と紹介されているところである。
   懲戒請求の方式について,弁護士法は,「その事由の説明を添えて」と定めているだけであり,その他に格別の方式を要求していることはない。
    仮に,懲戒請求を実質的に制限するような手続や方式を要求するようなことがあれば,それは何人でも懲戒請求ができるとしたことの趣旨に反することとなろう。
(2) また,「懲戒の事由があると思料するとき」とはいかなる場合かという点については,懲戒請求が何人にも認められていることの趣旨及び懲戒請求は懲戒審査手続の端緒にすぎないこと,並びに,綱紀委員会による調査が前置されていること(後記)及び綱紀委員会と懲戒委員会では職権により関係資料が収集されることに鑑みると,懲戒請求者においては,懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠なく懲戒請求をすることは許されないとしても,一般の懲戒請求者に対して上記の相当な根拠につき高度の調査,検討を求めるようなことは,懲戒請求を萎縮させるものであり,懲戒請求が広く一般の人に認められていることを基盤とする弁護士懲戒制度の目的に合致しないものと考える。

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弁護士会副会長経験者に対する懲戒請求事件について,日弁連懲戒委員会に定型文で棄却された体験談(私が情報公開請求を開始した経緯も記載しています。)

目次
第1 本件事案の概要,及び日弁連懲戒委員会の定型文の棄却裁決
1 本件事案の概要
2 日弁連懲戒委員会の定型文の棄却裁決
第2 本件事案における懲戒請求事由の要旨等
1 本件事案における懲戒請求事由の要旨
2 兵庫県弁護士会懲戒委員会の議決書の認定の骨子
3 対象弁護士が関与した裁判例は判例秘書に掲載されていること
第3 本件事案における「異議申出の理由」の骨子
1 懲戒請求事由①が懲戒事由に該当することの補充主張の骨子
2 懲戒請求事由②が懲戒事由に該当することの補充主張の骨子
3 懲戒請求事由③が懲戒事由に該当することの補充主張の骨子
第4 私が異議申出人の事件に関与するようになった経緯等
1 私が異議申出人の事件に関与するようになった経緯
2 私は,とある高検の検事長を経験した弁護士と接触をしたことはないこと
第5 私が情報公開請求を開始した経緯
第6 私が自ら取得した情報公開文書をインターネットで公表し続けている理由
第7 最高裁平成23年7月15日判決の個別意見の説示内容
1 裁判官竹内行夫の補足意見の説示内容
2 裁判官須藤正彦の補足意見の説示内容
3 裁判官千葉勝美の補足意見の説示内容
第8 表現の自由に関する弁護士会の懲戒基準を私が理解することはできないこと等
1 「表現の不自由展・その後」の展示中止
2 展示中止に関する東京弁護士会の会長声明
3 「表現の不自由展・その後」の展示物
4 証人の出自を侮辱する内容の発言をしたことに基づく東京弁護士会の懲戒処分例
5 弁護士会の懲戒基準を私が理解することはできないこと
6 弁護士会の懲戒処分が違法となる場合
第9 弁護士会の懲戒委員会の委員長及び委員の地位等
1 弁護士会の懲戒委員会の委員長及び委員の地位

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日本弁護士国民年金基金の実質赤字の割合等の推移

目次
第0 データの出典
第1 日本弁護士国民年金基金の責任準備金の推移
第2 日本弁護士国民年金基金の純資産額の推移
第3 日本弁護士国民年金基金の実質赤字の推移
第4 日本弁護士国民年金基金の2口目以降分責任準備金の推移
第5 日本弁護士国民年金基金の実質赤字の割合の推移
第6 職能型基金及び地域型基金の実質赤字の割合の推移
1 職能型基金の実質赤字の割合の推移(平均値)
2 地域型基金の実質赤字の割合の推移(平均値)
第7 関連記事その他

第0 データの出典
・ データの出典は,毎年11月から翌年1月頃に送られてくる「令和◯年度決算及び代議員会・理事会の審議結果等の御報告」(以下「決算報告」といいます。)です。

第1 日本弁護士国民年金基金の責任準備金の推移
1 責任準備金とは,将来の掛金収入として,標準掛金だけでなく特別掛金も含めて考えた場合に,将来の給付のために現時点で保有しておかなければならない積立金のことです(企業年金連合会HPの「責任準備金」参照)。
2 日本弁護士国民年金基金の責任準備金の推移は以下のとおりです。
平成23年度末: 831億4387万4000円
平成24年度末: 891億4631万7000円
平成25年度末: 953億 350万    円
平成26年度末:1011億7357万2000円
平成27年度末:1067億5425万6000円
平成28年度末:1124億6996万2000円
平成29年度末:1178億3944万5000円
平成30年度末:1238億2619万3000円
令和 元年度末:1292億5526万8000円
令和 2年度末:1340億7785万6000円
令和 3年度末:1389億7370万8000円
令和 4年度末:1432億2490万    円

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日本弁護士国民年金基金の年金月額を3万円とするための掛金額の推移

目次
1 日本弁護士国民年金基金の予定利率の推移等
2 加入時期別の具体的な掛金月額
3 日本弁護士国民年金基金の掛金月額の比較
4 関連資料及び関連記事

1 日本弁護士国民年金基金の予定利率の推移等
(1) 2019年現在の日本弁護士国民年金基金の予定利率は1.5%でありますところ,従前の予定利率の推移は以下のとおりです。
① 平成 3年8月1日の制度発足時から平成7年3月31日までに加入又は増口した場合,5.5%
② 平成 7年4月1日から平成12年3月31日までに加入又は増口した場合,4.75%
③ 平成12年4月1日から平成14年3月31日までに加入又は増口した場合,4.0%
④ 平成14年4月1日から平成16年3月31日までに加入又は増口した場合,3.0%
⑤ 平成16年4月1日から平成26年3月31日までに加入又は増口した場合,1.75%
⑥ 平成26年4月1日以降に加入又は増口した場合,1.5%
(2) 日本弁護士国民年金基金HPに平成31年4月1日以降の掛金月額表が載っていて,平成31年3月31日までに加入した人の掛金月額表は,日本弁護士国民年金基金規約別表第9の1(第71条第2項関係)に載っています。
(3) 陽だまり40号(平成24年6月13日発行)の「日本弁護士国民年金基金を「卒業」するにあたって 平成12年(2000年)から平成24年(2012年)までの年金運用を振り返る」(筆者は,日本弁護士国民年金基金の資産運用委員長(平成18年度から平成23年度まで)をしていた32期の山岸良太弁護士です。)が参考になります。
(4) 加入時の予定利率は現在でも適用されていますから,例えば,平成7年3月31日までに加入又は増口した人の場合,現在でも5.5%の予定利率で年金を支給してもらっています。

日本弁護士国民年金基金の総括表(平成31年3月22日の第6回財政再計算報告書からの抜粋)

2 加入時期別の具体的な掛金月額
(1) 平成3年8月1日の制度発足時から平成7年3月31日まで(46期の弁護士登録まで)に加入した場合
25歳0月の男性及び女性:  3600円
30歳0月の男性及び女性:  5100円
35歳0月の男性及び女性:  6900円
40歳0月の男性及び女性:  9900円
45歳0月の男性及び女性:1万5300円
50歳0月の男性及び女性:2万6700円
(2) 平成7年4月1日から平成12年3月31日まで(51期の弁護士登録まで)に加入した場合
25歳0月の男性及び女性:  4590円

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非弁護士との提携の禁止

目次
第1 総論
第2 弁護士法72条から74条までの規定に違反している者の内容
第3 弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
1 条文等
2 弁護士法72条のそれぞれの文言の意義
第4 弁護士法73条(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
1 条文等
2 サービサー法の位置づけ等
第5 非弁護士との提携の取締り
第6 弁護士法人ベリーベストの懲戒処分に関する文書
第7 関連記事その他

第1 総論
1 非弁提携の禁止に関しては,「弁護士は,弁護士法第72条から第74条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け,これらの者を利用し,又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。」(弁護士職務基本規程11条。なお,同趣旨の規定につき大阪弁護士会会則108条2項)と規定されています。
   そして,禁止される提携の対象は,弁護士法27条と異なり,①弁護士法72条ないし74条の規定に違反する者に限らず,「違反すると疑うに足りる相当な理由のある者」にまで広げられていますし,②「事件の周旋」に限らず,「依頼者の紹介」にまで広げられています。
2 「自己の名義を利用させる」とは,「弁護士某」という名義の他,氏名だけの利用も含まれますし,「○○法律事務所」という標示についても名義の利用に当たる場合があります。
   例としては,大量に処理する報告書,内容証明郵便等に,弁護士の氏名を記載し,更に弁護士の印鑑を弁護士でない者に預けて押捺させる場合があります。

再び、AIレビューと弁護士法72条の論点で、2件同時にグレーゾーン解消制度の回答が公表されています。
いずれも違反すると評価される可能性がある、との結論となっています。
①https://t.co/Ty6RvO0fqj
②https://t.co/1AQVjiZygQ

— 弁護士水井大|Dai MIZUI (@DaiMizui_law) October 14, 2022

あまた法律事務所の事務員の求人募集。事務員が依頼者にヒヤリングして依頼の諾否を判断。さらに事務員が解決方法を提案して、訴状や和解書の作成も行う。69期弁護士が2019年7月に設立し、現在弁護士6名、事務員45名。借金減額シミュレーターの広告に頻繁に登場。https://t.co/mYOJbOCIor pic.twitter.com/1rpLlganYG

— はむ弁護士 (@hamhambenben) August 31, 2022

第2 弁護士法72条から74条までの規定に違反している者の内容

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弁護士の戒告,業務停止,退会命令及び除名,並びに第二東京弁護士会の名簿登録拒否事由

目次
0 総論
1 戒告
2 業務停止
3 退会命令
4 除名
5 弁護士の懲戒処分に関する日弁連副会長の説明
6 第二東京弁護士会の名簿登録拒否事由
7 関連記事その他

0 総論
(1)ア 弁護士に対する懲戒処分は,それが対象弁護士に告知されたときにその効力が生じます(最高裁大法廷昭和42年9月27日判決)。
イ 最高裁大法廷昭和42年9月27日判決が出る前は,弁護士の懲戒処分は,他の行政処分と異なり,告知と同時に効力を生せず,確定を待って初めて効力を生ずるものと解釈され,実務の上でもそのように取り扱われていました(日弁連二十年史99頁及び100頁)。
(2) 憲法39条後段の規定は何人も同じ犯行について二度以上罪の有無に関する裁判を受ける危険にさらされるべきものではないという根本思想に基づく規定です(最高裁大法廷昭和25年9月27日判決)。
   そして,弁護士法に規定する懲戒は刑罰ではありませんから,被告人が弁護士法に規定する懲戒処分を受けた後,さらに同一の事実に基づいて刑事訴追を受けて有罪判決を言い渡されたとしても,二重の危険にさらされたものということはできません(最高裁昭和29年7月2日判決)。
(3) 弁護士会の懲戒処分は,弁護士にとって刑罰にも比すべき重大なものではあるが,弁護士法の定めるところにより,弁護士の使命および職務の特殊性にかんがみ,弁護士会に与えられた公の権能の行使として当該弁護士会が自主的に行うものであって,その性質は,広い意味での行政処分としての懲戒罰であると解されています(東京高裁平成元年4月27日判決)。
(4) 弁護士懲戒処分検索センターHPの「懲戒の種類」に,戒告,業務停止,退会命令及び除名に関する説明が載っています。

ある会社。ぼろもうけしたので臨時ボーナス→みんな大喜び、2年目も同じ。3年目、そうでもなかったので臨時ボーナスはなし→みんなブーブー。→「これだったら最初から臨時ボーナス出さなきゃ良かった」という社長の話を聞いたことがある。 https://t.co/3jGIShrffL

— スラ弁(弁護士大西洋一) (@o2441) June 28, 2022

1 戒告
(1)ア 戒告とは,対象弁護士に対し,その非行の責任を確認させて反省を求め,再び過ちがないように戒める懲戒処分をいい,懲戒処分の中では最も軽い処分です。
イ 弁護士に対する戒告処分は,それが当該弁護士に告知された時にその効力が生じ,告知によって完結するのであって,その後に会則97条の3第1項に基づいて行われる公告は,処分があった事実を一般に周知させるための手続であって,処分の効力として行われるものでも,処分の続行手続として行われるものでもありません(最高裁平成15年3月11日決定)。
(2) 戒告を受けた弁護士は,処分の告知を受けた後も従前通り弁護士業務を行うことができますし,弁護士たる身分及び弁護士資格を失うことはありません。
   ただし,戒告を受けた弁護士が所属している法律事務所は1年間,東京三弁護士会主催の司法修習生向け就職説明会に参加できなくなります(「司法修習開始前の日程」参照)などの効果を伴います。
   また,戒告の理由の要旨が「自由と正義」等に掲載されるため,自分の不祥事の内容が弁護士業界に広く知られることとなります。
   そのため,懲戒処分としての戒告は,軽い処分とはいえません。
(3) 弁護士自治を考える会HPの「弁護士懲戒処分〔戒告〕と〔業務停止〕ではどこが違うのか」にも,戒告と業務停止は月とスッポンぐらいに処分の重さに違いがあると書いてあります。

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各地の弁護士会

目次
1 各地の弁護士会
2 弁護士会の目的
3 東京三弁護士会
4 ひまわり基金法律事務所及び都市型公設事務所
5 強制加入団体としての弁護士会の活動範囲に関する参考裁判例
6 関連記事

1 各地の弁護士会
(1) 各地の弁護士会につき,日弁連HPの「弁護士会・弁護士会連合会紹介ページ」を参照して下さい。
(2) 各地の弁護士会の会長及び副会長の住所は,弁護士会の法人登記簿に載っています(弁護士法34条2項4号)。
(3) 弁護士会又は日弁連の登記については,商業登記法の規定が準用されます(弁護士会登記令15条)。

2 弁護士会の目的
(1) 弁護士会は,弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ,その品位を保持し,弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため,弁護士及び弁護士法人の指導,連絡及び監督に関する事務を行うことを目的としています(弁護士法31条1項)。
(2) 弁護士の「品位を保持」するための「指導」,「監督」としては,綱紀・懲戒,紛議調停等があります。
弁護士の「事務の改善進歩を図る」ための「指導」,「連絡」としては,弁護士向けの研修があります(第二東京弁護士会HPの「弁護士会について」参照)。

【事例】
・底地買取交渉
・着手金22万円、追加着手金なし、の規定
・報酬は、経済的利益に加え、事務処理量を勘案して協議
・買取交渉は失敗し、借地契約は法定更新
・弁護士は労力を考慮して10万円の報酬請求
・依頼者は、買取交渉が失敗したのに報酬が発生することは不服として紛議調停へ
(2/4)

— すずカステラ (@suzuka63) July 9, 2022

3 東京三弁護士会
(1)ア 大正11年,東京弁護士会の会長選挙を巡って紛争が生じ,当時の東京弁護士会を脱会した385名の弁護士によって,大正12年5月,第一東京弁護士会が設立されました。

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弁護士会の会派

目次
第1 はじめに
第2 東京弁護士会の会派
1 総論
2 法友会
3 法曹親和会
4 期成会
第3  第一東京弁護士会(大正11年5月20日創立総会)の会派
1 総論
2 全期会
第4 第二東京弁護士会(大正15年3月30日創立総会)の会派
1 総論
2 紫水会
3 全友会
4 五月会
5 日比谷倶楽部
6 清友会
第5 大阪弁護士会の会派
1 総論
2 7会派から選出される7人の副会長
3 それぞれの会派ごとの人数
4 春秋会及び五月会
第6 愛知県弁護士会の会派
第7 関連記事
第1 はじめに
1 東京三弁護士会,大阪弁護士会及び愛知県弁護士会に存在する会派(派閥)につき,東洋経済ONLINEの「弁護士界の”細かすぎる派閥”はこう生まれた」が非常に参考になります。
2 「東京三会合併の理念」(筆者は峠野愈弁護士。自由と正義41巻4号(平成2年4月発行)148頁ないし150頁)に,大正時代に東京の弁護士会が三つに分裂した経緯が要領よく書いてあります。
3 大正末期から昭和40年頃までの東京三弁護士会の派閥争いについては,法曹三国志(昭和58年1月8日発行)に非常に詳しく書いてあります。

役所にいた経験があるが、それの比較で

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弁護士会の役員の社会保険加入義務と日本弁護士国民年金基金

目次
1 法人の代表者の社会保険加入義務(一般論)
2 弁護士会役員と,弁護士会との使用関係の有無
3 弁護士会の役員が社会保険に加入した場合,日本弁護士国民年金基金を脱退しなければならないこと
4 関連記事

1 法人の代表者の社会保険加入義務(一般論)
(1) 厚生省の見解
・ 法人の代表者又は業務執行者の被保険者資格について(昭和24年7月28日付の厚生省保険局長通知)には以下の記載があります。
   法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であつて、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱つて来たのであるが、今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。
(2) 日本年金機構の見解
ア 社会保険適用研究室HPの「法人事業所の役員」に掲載されている,法人の代表者の被保険者資格について(受付番号2010-77 平成22年3月10日付の日本年金機構厚生年金保険部適用規格指導グループの回答)には以下の記載があります。
    労務の対償として報酬を受けている法人の代表者又は役員かどうかについては、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準として判断されたい。
(判断の材料例)
① 当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。
② 当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。
③ 当該法人の役員会等に出席しているかどうか。
④ 当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。
⑤ 当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。
⑥ 当該法人等より支払いを受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。
    なお、上記①~⑥はあくまで例として示すものであり、それぞれの事案ごとに実態を踏まえて判断されたい。
イ 日本年金機構HPの「主な疑義照会と回答について」に載っている「疑義照会回答(厚生年金保険 適用)」末尾7頁には以下の記載があります。
    実費弁償程度の水準については、主に会議に出席するための旅費、業務を遂行するために必要となった経費について、一旦、立替払いし、これに対して、事業所が弁償等のみのために支払する費用をもって報酬としている場合を想定しているものであり、もともと報酬ではないので、「法人の経営に対する参画を内容とする労務の対価」には、該当しないと考えます。
   ただし、この弁償等行う金額を超え、定期的に支払われているような場合は、報酬と見るべきと考えます。

2 弁護士会役員と,弁護士会との使用関係の有無
(1) 日弁連の会長(月額105万円の報酬)及び副会長(月額50万円の報酬)の場合
ア(ア) 日弁連会長の報酬は月額105万円であり(会長報酬規則3条1項),日弁連副会長の報酬は月額50万円です(副会長報酬規則3条1項)。
(イ) 平成30年度以降,女性枠の2人の副会長に対しては,副会長報酬とは別に月額20万円の男女共同参画推進支援費が支給されています(男女共同参画推進特別措置実施のための副会長に対する経済的支援に関する規則2条1項)。
イ 法人との使用関係の有無に関する具体的な判断材料を当てはめると以下のとおりと思います。

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弁護士会照会

目次
1 総論
2 弁護士会照会を受けた団体等の回答義務
3 日本郵便に対する弁護士会照会に関する判例
4 弁護士会照会で債務者の財産を調査する方法
5 損害保険料率算出機構に対する弁護士会照会
6 自由と正義の特集
7 関連記事その他

1 総論
(1) 弁護士会照会の流れは以下のとおりです(6訂 民事弁護における立証活動52頁参照)。
① 受任事件について,弁護士が所属弁護士会に対し,弁護士会から特定の公務所又は公私の団体(以下「公務所等」といいます。)に対して必要な事項の報告を求める照会を発すべきことを求める照会申出を行う。
② この照会申出を受けた弁護士会がその適否を判断する審査を行う。
③ 審査の結果,照会申出を適切と判断した弁護士会が特定の公務所等に対して報告を求める照会を行う。
④ 照会を受けた公務所等が弁護士会に対して所要の事項の報告を行う。
⑤ 弁護士会が公務所等からの報告事項を照会申出人である弁護士に通知する。
(2) 弁護士法23条の2に基づくことから,23条照会ともいいます。

2 弁護士会照会を受けた団体等の回答義務
(1) 弁護士会照会を受けた公務所又は公私の団体は,正当な理由がない限り,照会された事項について報告をすべきものと解されています(最高裁平成28年10月18日判決。なお,「弁護士会照会報告拒絶に対する損害賠償請求訴訟の最高裁判決に関する会長談話」(平成28年10月18日付の愛知県弁護士会会長談話)参照)。
(2) 弁護士会照会に対して自治体が前科及び犯罪経歴を回答した場合,国家賠償責任の問題となることがあります(最高裁昭和56年4月14日判決参照)。

ちなみに東京3会も利用しない方向も検討中とのことで、仮に東京3会も日弁連のシステムを使わない場合、23条照会件数の4割近くを失うことになります。開発したシステムのコスパがどんどん下がりますね。 https://t.co/EF8rMqod68

— 弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) (@igaki) September 14, 2024

3 日本郵便に対する弁護士会照会に関する判例
(1) 郵便法上の守秘義務を負う日本郵便が,弁護士法23条の2第2項に基づき照会された事項の報告を拒絶する正当な理由があるか否かは,照会事項ごとに,報告することによって生ずる不利益と報告を拒絶することによって犠牲となる利益を比較衡量することにより決せられるべきであるとし,照会事項のうち,①郵便物についての転居届の提出の有無,②転居届の届出年月日及び③転居届記載の新住所(居所)については,報告を拒絶する正当な理由がないが,転居届に記載された電話番号については正当な理由があるとされました(最高裁平成28年10月18日判決の差戻控訴審である名古屋高裁平成29年6月30日判決)。
    ただし,名古屋高裁平成29年6月30日判決の上告審判決である最高裁平成30年12月21日判決は,23条照会をした弁護士会が,その相手方に対し,当該照会に対する報告をする義務があることの確認を求める訴えは,確認の利益を欠くものとして不適法であると判示しました。
(2) 最高裁平成28年10月18日判決及び最高裁平成30年12月21日判決には「弁護士法23条の2第2項に基づく照会(以下「23条照会」という。)」と書いてあります。

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弁護士会の懲戒手続

目次
1 弁護士会の綱紀委員会
2 弁護士会の懲戒委員会
3 大阪弁護士会の綱紀委員会及び懲戒委員会の委員
4 懲戒手続に関する大阪弁護士会の規程等
5 弁護士会に損害賠償責任が発生する場合等
6 自由と正義の懲戒公告等に関する裁判例
7の1 懲戒請求が取り下げられたとしても,弁護士会は対象弁護士を懲戒できること
7の2 いわゆる情状等の取扱い
8 弁護士法31条1項の「指導」,「監督」の意味に関する裁判例
9 懲戒委員会において懲戒の事由とされる範囲
10 関連記事その他

1 弁護士会の綱紀委員会
(1) 懲戒の請求をした場合,弁護士会は対象弁護士を懲戒の手続に付し,綱紀委員会において事案の調査を行います(弁護士法58条2項)。
(2)ア 弁護士会は自ら,所属弁護士について懲戒手続の開始を求めることができます(弁護士法58条2項)ところ,実務上,「会請求」とか「会立件」といわれています。
イ   「条解弁護士法」(第3版)457頁には以下の記載があります。
   弁護士会が所属弁護士(弁護士法人)について,懲戒事由があるか否かを判断する機関としては,会の執行機関としての会長,会の議決機関としての総会又は常議員会(これに準ずる機関を含む),法70条2項により「所属の弁護士及び弁護士法人の綱紀保持に関する事項をつかさどる」とされる綱紀委員会が考えられるが,懲戒手続の開始を求めるか否かの意思決定であるから,原則として意思決定機関たる総会又は常議員会が上記の判断をする機関と考えるのが相当である。会長は,重要な会務について総会又は常議員会の意思決定に基づいて執行するほか,日常の会務の範囲では自ら意思決定する権限を有しているが,懲戒手続の開始を求めるか否かの判断は,所属弁護士(弁護士法人)の権利身分に重大な影響を与える事項であるとともに,懲戒権の行使が弁護士会の根本的な権能である以上,日常の会務とみなすことはできないであろう。更に,綱紀委員会については,本条2項において,弁護士会を綱紀委員会と別個な存在として対置させていることから見て,綱紀委員会に調査を命ずるか否かの実質的判断を綱紀委員会自らにさせるとするのは妥当ではない。
(3)ア   弁護士会の綱紀委員会は,調査対象の弁護士(「被調査人」といいます。),懲戒請求をした人(「懲戒請求者」といいます。)から資料の提出を求めたり,調査期日に事情を聴取したりして,非行が認められるかどうかを調査します。
   綱紀委員会は,調査の結果に基づき,以下のいずれかの議決をします(弁護士法58条4項参照)。
① 懲戒相当(弁護士法58条3項)
   懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当とする旨の議決です。
② 懲戒不相当(弁護士法58条4項)
   以下の場合に行われる,懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当としない旨の議決です。
(a) 除斥期間の経過等により懲戒請求(弁護士法58条1項)が不適法である場合
(b) 除斥期間の経過等により会請求(弁護士58条2項)が不適法である場合
(c) 被調査人に懲戒の事由がない場合
(d) 事案の軽重その他情状を考慮して被調査人を懲戒すべきでないことが明らかであると認める場
③ 調査終了
   調査開始後に被調査人が死亡したり,除名,破産手続開始等の事由により会員資格を喪失した場合に行われる議決です。

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出産・育児を理由とする弁護士会費の免除

目次
第1 日弁連会費の場合
1 平成20年1月1日施行の,出産を理由とする日弁連会費の免除(出産後,1年以内の申請が必要です。)
2 平成27年4月1日施行の,育児を理由とする日弁連会費の免除(子の出生から2年以内の申請が必要です。)
第2 大阪弁護士会費の場合(令和4年9月30日以前に子が生まれた場合)
1 出産を理由とする大弁会費の免除(出産後,1年以内の申請が必要です。)
2 育児を理由とする大弁会費の猶予・免除
3 両者の根拠条文
第3 大阪弁護士会費の場合(令和4年10月1日以降に子が生まれた場合)
1 出産を理由とする大弁会費の免除
2 育児を理由とする大弁会費の免除
第4 国民年金保険料及び国民年金基金の取扱い
第5 児童扶養手当の支給対象の拡大
第6 仕事と育児を両立している女性官僚に関するnote記事の記載
第7 最高裁大法廷平成25年9月4日決定の記載内容
第8 関連記事その他

女性弁護士の配偶者の46.8%が弁護士というのを日弁連の調査で見た。一方男性弁護士の配偶者の64.1%が無職だった。

— berubiru (@berubiru) July 20, 2017

第1 日弁連会費の場合
1 平成20年1月1日施行の,出産を理由とする日弁連会費の免除(出産後,1年以内の申請が必要です。)
(1)ア   女性弁護士が出産した場合,所属弁護士会を通じて日弁連に対し,会費等免除申請書に,母子手帳の表紙と予定日が分かるページの写しを添付して提出すれば,出産月の前月から4か月間,日弁連の会費及び特別会費を免除してもらえます。
イ 多胎妊娠の場合,出産の前々月から6か月間,日弁連の会費及び特別会費を免除してもらえます。
(2) 根拠条文は以下のとおりです。
① 日弁連会則95条の4第2項
② 出産時の会費免除に関する規程(平成19年12月6日会規第84号)

産後数年単位で稼働能力が落ちるの、女性ほどではないのは勿論だが男も同様。ガチで家事に取られる時間とエネルギーが大きすぎて、これを仕事に全振りできてたら貯金はあと1000万は多かっただろうなぁと思われるレベル。 https://t.co/FfqAl675WG

— 暇弁@会務やめたい (@himaben1st) May 21, 2022

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各地の弁護士会連合会

目次
1 総論
2 8つの弁護士会連合会
3 関弁連
4 近弁連
5 平成29年度の弁連大会
6 関連記事

1 総論
(1) 同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会は,共同して特定の事項を行うため,弁護士会連合会(「弁連」といいます。)を設けています(弁護士法44条)。
(2) 弁護士会連合会は,日弁連及び弁護士会と異なり法人格が認められていないため,その性格については権利能力なき社団であると解されています。

2 8つの弁護士会連合会
・ 8つの高等裁判所に対応して,以下の8つの弁護士会連合会があります。
①   関東弁護士会連合会(略称は関弁連)
②   近畿弁護士会連合会(略称は近弁連)
③   中部弁護士会連合会(略称は中弁連又は中部弁連)
④   中国地方弁護士会連合会(略称は中弁連又は中国弁連)
⑤   九州弁護士会連合会(略称は九弁連)
⑥   東北弁護士会連合会(略称は東北弁連)
⑦   北海道弁護士会連合会(略称は道弁連)
⑧   四国弁護士会連合会(略称は四弁連)

3 関弁連
(1) 関弁連HPに,東京高裁管内の,「各地方裁判所周辺ガイドマップ」(地家裁の本庁及び支部の他,簡易裁判所を含む。)が載っています。
(2) 関弁連所属の弁護士会のうち,東京三弁護士会以外の10個の弁護士会は関東十県会を構成しています(弁護士法人リバーシティ法律事務所HPの「関東十県会 夏期研究会」参照)。

4 近弁連
(1) 近弁連は,奇数年に近弁連大会を開催し,偶数年に近弁連人権大会を開催しています(近弁連HPの「近弁連大会・近弁連人権大会シンポジウム」参照)。
(2) 平成17年以降の開催状況は以下のとおりです。

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弁護士業務と源泉徴収義務

目次
第1 弁護士報酬を支払う場合の源泉徴収義務
1 源泉徴収義務が発生する場合の取扱い
2 源泉徴収義務が発生しない場合の取扱い
3 消費税と源泉徴収
第2 弁護士報酬に関する最高裁判例
第3 支払調書に関するメモ書き
1 総論
2 共同受任弁護士の報酬に関する源泉徴収及び支払調書
3 支払調書及び法定調書
4 その他
第4 不法行為に基づく損害賠償請求権に含まれる弁護士費用
第5 源泉徴収額の計算サイト
第6 関連記事その他

チェックがつけられなかった箇所は顧問弁護士に一度相談するといいかもしれません。

"「日弁連、顧問弁護士利用のためのコンプライアンス・チェックシートを公表」 : 企業法務ナビ" https://t.co/7JN3thMMGW

— Tech Law LAB | 弁護士 | ITベンチャー企業の支援 (@TechLaw8) January 17, 2023

第1 弁護士報酬を支払う場合の源泉徴収義務
1 源泉徴収義務が発生する場合の取扱い
(1)ア 法人が弁護士に対して弁護士の業務に関する報酬又は料金(以下「弁護士報酬」といいます。)を支払う場合,源泉徴収をする必要があります(所得税法204条1項2号)ところ,支払金額が税抜で100万円以下の場合,税率は10.21%です。
イ 税込みの弁護士費用で考えた場合,例えば,11万円の弁護士報酬を支払うに際しては,1万210円を源泉徴収する必要があります。
(2)ア 国税庁HPの「No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金」には,「1 源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれるもの」として以下の記載があります。
  弁護士や税理士などの業務に関する報酬・料金は、源泉徴収の対象となります。
  謝金、調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものも源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれます。
  ただし、支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う交通費、宿泊費等で、その金額が通常必要な範囲内のものであるときは、源泉徴収の対象となる報酬・料金に含めなくてもよいことになっています。
  なお、弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきものとされる登録免許税、手数料等に充てるものとして支払われたことが明らかなものについては、源泉徴収をする必要はありません。
  また、報酬・料金の額の中に消費税及び地方消費税の額(以下、「消費税等の額」といいます。)が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額を源泉徴収の対象としますが、請求書等において、報酬・料金の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。

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弁護士再登録時の費用

目次
1 弁護士再登録時の費用
2 日弁連の登録料及び登録申請の際の印紙代
3 単位弁護士会の入会金
4 関連記事その他

1 弁護士再登録時の費用
    再登録時の費用は,日弁連の登録料3万円,登録申請の際の印紙代6万円及び単位弁護士会の入会金となります。
    そのため,大阪弁護士会の場合,合計で12万円必要となります。

2 日弁連の登録料及び登録申請の際の印紙代
(1) 日弁連の登録料につき,以前は6万円だったものの,平成26年4月1日以降は3万円となっています。
(2) 登録申請の際の印紙代6万円は,登録免許税法別表第一の三十二「人の資格の登録若しくは認定又は技能証明」(三))に基づくものです。

3 単位弁護士会の入会金
(1) 東京弁護士会の場合,東弁の元会員が東弁に再入会する場合の入会金が1万5000円であり,それ以外の場合の入会金は3万円です(東弁リブラ2008年4月号の「出産・育児・海外留学のときに役立つ情報」参照)。
(2) 大阪弁護士会の場合,弁護士任官をした人が再び弁護士登録をする場合は入会金を免除されることがあります(大阪弁護士会会則17条3項)ものの,単なる再入会の場合に入会金を減免する規定はありません。

4 関連記事その他
(1) 日弁連HPの「2015年4月1日以降に弁護士登録(再登録)される方へ」にあるとおり,平成27年4月1日以降に再登録請求をする場合,従前の登録時に付されていた登録番号を付与してもらうことができます(日弁連会則19条3項参照)。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士登録の請求
・ 弁護士登録番号と修習期の対応関係
・ 弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由,及び資格審査会
・ 日弁連の会費及び特別会費

人が発する言葉や文章が商品なので、どうしてもその人に客が付くという傾向が強く、物を売るビジネス(普通は作る人よりその物自体に価値がある)と比べて、広げたり承継したりするのは難しいですね。 https://t.co/ZKqJ7GHuDX

— オパンピオス@弁護士投資家 (@opanpios) February 18, 2023

弁護士の自殺者数の推移(平成18年以降)

目次
第1 弁護士の自殺者数の推移
第2 健康習慣等
第3 メンタルヘルス不調になりそうなとき,なったときの対処法
1 弁護士がメンタルヘルス不調になる状況
2 メンタルヘルス不調になったときの心がけ
3 具体的な対処法
第4 過労死及び過労自殺に関する厚労省の基本的な考え方
1 過労死に関する厚労省の基本的な考え方
2 過労自殺に関する厚労省の基本的な考え方
第5 参考になる外部記事
第6 関連記事その他

第1 弁護士の自殺者数の推移
1 警察庁HPの「統計」のうち,「自殺者数」に掲載されている警察庁生活安全局地域課の資料によれば,弁護士の自殺者数の推移は以下のとおりです。
(令和時代)
・ 令和 5年:10人(うち,女性1人)(令和6年3月29日付の「令和 5年中における自殺の状況」末尾31頁)
・ 令和 4年: 9人(うち,女性2人)(令和5年3月14日付の「令和 4年中における自殺の状況」末尾35頁)
・ 令和 3年: 8人(うち,女性0人)(令和4年3月15日付の「令和 3年中における自殺の状況」末尾37頁)
・ 令和 2年: 8人(うち,女性1人)(令和3年3月16日付の「令和 2年中における自殺の状況」末尾35頁)
・ 令和 元年: 9人(うち,女性0人)(令和2年3月17日付の「令和 元年中における自殺の状況」末尾35頁)
(平成時代)
・ 平成30年: 7人(うち,女性1人)(平成31年3月28日付の「平成30年中における自殺の状況」末尾36頁)
・ 平成29年: 8人(うち,女性0人)(平成30年3月16日付の「平成29年中における自殺の状況」末尾37頁)
・ 平成28年:10人(うち,女性1人)(平成29年3月23日付の「平成28年中における自殺の状況 」末尾37頁)
・ 平成27年: 7人(うち,女性0人)(平成28年3月18日付の「平成27年中における自殺の概要」末尾17頁)
・ 平成26年: 9人(うち,女性0人)(平成27年3月12日付の「平成26年中における自殺の概要」末尾17頁)
・ 平成25年: 8人(うち,女性0人)(平成26年3月13日付の「平成25年中における自殺の概要」末尾17頁)
・ 平成24年:13人(うち,女性4人)(平成25年3月付の「平成24年中における自殺の概要資料」資料2末尾17頁)
・ 平成23年: 8人(うち,女性1人)(平成24年3月付の「平成23年中における自殺の概要資料」資料2末尾17頁)

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弁護士の社会保険

目次
1 弁護士の雇用保険
2 東京都弁護士国民健康保険組合
3 国民健康保険組合の新規設立は事実上不可能であること
3の2 国民健康保険組合と健康保険組合の違い
4 労働保険及び社会保険への加入状況の調査方法
5 社会保険への事後的な加入手続
6 国民健康保険の保険料(保険税)の限度額の推移等
7 国民年金保険料の月額及び老齢基礎年金の支給額の推移
8 士業等の節税ツール
9 社会保障制度に係る法令において,男女間に支給要件の差異がある場合の合憲性,及び父子家庭への遺族基礎年金不支給の合憲性
10 国民皆保険制度制定時のエピソード
11 後期高齢者医療制度に関するメモ書き
12 関連記事その他

1 弁護士の雇用保険
(1) 弁護士の労働者性については,東弁リブラ2005年4月号の「私って労働者?-勤務弁護士の労働者性について-」が参考になります。
(2) 平成25年2月1日以降,公認会計士,税理士,弁護士,社会保険労務士,弁理士等の資格を持つ人は,法律の規定に基づき,名簿や登録簿等に登録している場合であっても,開業や事務所に勤務している事実がないことが確認でき,要件を満たしていれば,雇用保険の受給資格決定を受けることができます(厚生労働省HPの「公認会計士,税理士などの資格を持つ方の失業給付の取扱いが変更になります。」参照)。
(3) 雇用保険を受給するためには以下の条件を満たしている必要があります。
① 雇用保険の被保険者期間(=労働者として事業所に勤務していた期間)が原則として,離職日以前2年間に12ヶ月以上あること。
② 就職したいという積極的な意思と,いつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)があり,積極的に求職活動を行っているにもかかわらず,就職できない状態(失業の状態)にあること。
(4) 雇用保険の業務取扱要領(令和4年10月1日以降)の「20004(4)「労働者」及び「雇用関係」の意義」には以下の記載があります。
イ 「労働者」の意義
法における労働者とは、事業主に雇用され、事業主から支給される賃金によって生活している者、及び事業主に雇用されることによって生活しようとする者であって現在その意に反して就業することができないものをいう。
ロ 「雇用関係」の意義
法における雇用関係とは、民法第 623 条の規定による雇用関係のみでなく、労働者が事業主の支配を受けて、その規律の下に労働を提供し、その提供した労働の対償として事業主から賃金、給料その他これらに準ずるものの支払を受けている関係をいう。

自由と正義の最新号に、事務員に雇用保険をかけず残業代も支払わなかったボス弁の懲戒記事がある。イソ弁やアソシエイトも労働者なので8時間以上労働させつつ残業代を支払わないボス弁が懲戒されるのも時間の問題だね。

— 高橋雄一郎 (@kamatatylaw) March 15, 2021

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弁護士の職務上の氏名

目次
1 弁護士の職務上の氏名の制度
2 弁護士の職務上の氏名の利用状況
3 弁護士の職務上の氏名の限界
4 銀行口座等の旧姓使用に係る協力要請
5 通称使用の拡大に関する最高裁判決の補足意見
6 宮崎裕子最高裁判所判事の旧姓使用
7 関連記事その他

1 弁護士の職務上の氏名の制度
(1) 弁護士は,日弁連への届出等により,戸籍上の氏名以外の氏名を,職務上の氏名として,弁護士の職務を行うに当たり使用できることとした,職務上の氏名に関する規程(平成20年12月5日日弁連会規第89号)は,平成22年12月1日に施行されました。
(2)ア 弁護士は,例えば,以下の場合について,日弁連に届け出をすることにより職務上の氏名を利用することができます(職務上の氏名に関する規則(平成21年2月19日日弁連規則第138号)2条)。
① 戸籍上の氏名に変更があった場合における,変更前の氏名
→ 戸籍上の氏名は,結婚,離婚,養子縁組等により変更されます。
② 外国籍の者で外国人住民に係る住民票に通称名が記載されている場合における,当該通称名
イ 弁護士は,戸籍上の氏名以外の氏名を使用する必要性及び合理性のある場合であって,日弁連の許可を得たときは,当該必要性及び合理性のある氏名を職務上の氏名として利用することができます(職務上の氏名に関する規則(平成21年2月19日日弁連規則第138号)3条)。
(3)ア 弁護士は,職務上の氏名の届出等をしている場合,弁護士の職務を行うに当たり,当該職務上の氏名を使用しなければなりません(職務上の氏名に関する規程3条本文)。
イ 法令により戸籍上の氏名の使用が義務付けられている場合その他正当な理由としては,登記関係,銀行実務関係のほか,事務所利用のための賃貸借契約に印鑑証明書の添付を求められ戸籍上の氏名を併記せざるを得ない場合が想定されています(日弁連の平成20年10月23日付の臨時総会招集通知104頁参照)。
(4) 毎月下旬ぐらいに官報号外に掲載される「弁護士の職務上の氏名の使用」を見れば,戸籍上の氏名と職務上の氏名の対応関係が分かります。

2 弁護士の職務上の氏名の利用状況
(1) 平成20年12月5日の日弁連臨時総会の会場発言として,以下の発言がありました(リンク先のPDF26頁及び27頁)。
 日弁連は、昭和57年から事実上通称を職務上の氏名として使用することを認めてきた。これは私の同期の弁護士、司法修習34期であるが、その弁護士が日弁連に申請をして事実上の使用を認められたというものであった。しかし、当時は会則改正には至らなかった。その後も、私の友人は会則改正をしてほしいとの要望書を出していたが、会則改正がなされないまま、実に26年間経ってしまった。先ほどの副会長の話にもあったが、平成20年11月末の時点で925名の方が通称を使用されているとのことであり、通称使用者は今後さらに増加していくことが予想される。男性弁護士でも通称使用の方が110名いるとのことである。
(2) 令和3年4月1日現在の日弁連会員のうち,女性の約37%及び男性のが1.3%が職務上の氏名を使用しています(弁護士の職務上の氏名を使用する口座の開設に関する要望書(令和3年9月3日付の日弁連会長の文書)資料1参照)。

弁護士の職務上の氏名を使用する口座の開設に関する要望書(令和3年9月3日付の日弁連会長の文書)2/4を添付しています。 pic.twitter.com/FmnixS92As

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) March 25, 2022

夫と別姓で仕事してて地味に困るのが、夫婦で一緒に相談に入ったとき、夫と私が話すときの言葉遣いが砕けすぎてて、夫婦だと知らない相談者から関係性を邪推されること。

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弁護士の懲戒制度の概要

目次
1 懲戒手続の流れ
2   懲戒の種類
3 懲戒請求は誰でもできること等
4 明文化された弁護士会の懲戒処分基準は存在しないかもしれないこと
5 関連記事

1 懲戒手続の流れ
   日弁連HPの「懲戒制度」にある「弁護士の懲戒手続の流れ」を見れば,懲戒手続の流れが分かります。

2   懲戒の種類
(1) 弁護士に対する懲戒は,戒告,2年以内の業務停止,退会命令及び除名の4種類です(弁護士法57条1項)。
(2)ア 弁護士法人に対する懲戒は,戒告,2年以内の業務停止,退会命令及び除名の4種類です(弁護士法57条2項)。
イ   業務停止については,①主たる法律事務所が所在する弁護士会が行う「弁護士法人の業務停止」,及び②従たる法律事務所が所在する弁護士会が行う「弁護士法人の法律事務所の業務停止」の2種類があります。
ウ 従たる法律事務所が所在する弁護士会は退会命令は出せますが,除名できませんのに対し,主たる法律事務所が所在する弁護士会は退会命令は出せませんが,除名できます(弁護士法57条2項3号及び4号)。

3 懲戒請求は誰でもできること等
(1)ア 何人も,弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由(過去3年以内のものに限られることにつき弁護士法63条)があると思料するときは,その事由の説明を添えて,その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会(例えば,大阪弁護士会)にこれを懲戒することを求めることができます(弁護士法58条1項)。
イ 日弁連に対して直接,懲戒請求をすることはできないのであって,最初は所属弁護士会に対して懲戒請求をする必要があります。
(2)   懲戒請求者は,弁護士会の綱紀委員会又は懲戒委員会の決定に対して日弁連綱紀委員会に対して異議の申出をしたり(弁護士法64条),日弁連綱紀委員会の決定に対して日弁連綱紀審査会に対して綱紀審査の申出をしたりすることはできます(弁護士法64条の3)。
   ただし,懲戒請求者は,日弁連懲戒委員会の決定に対して不服申立てをすることはできません。
(3) 弁護士自治を考える会HPに「弁護士懲戒請求の書き方」が載っています。
(4) 弁護士会に対して懲戒請求をする場合,印紙代等の費用は不要です。

懲戒を回避するために個人的に実践してるのは

・電話でしか連絡できない依頼者は受けない

・連絡窓口が本人ではなく家族などの第三者になる依頼者は受けない

・弁護士費用の説明の際に難色を示す依頼者はそのタイミングからでも受けない方向で話をする

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弁護士の懲戒事由

目次
1 総論
2 弁護士及び弁護士会には,懲戒請求者の予断や偏見を解きほぐすように努めることが求められていること
3 弁護士に対する懲戒請求が不法行為となる場合
4 名誉毀損の違法性が阻却される場合等
5 名誉毀損の成立が否定される場合であっても,弁護士会の懲戒対象となる場合があること(最高裁平成23年7月15日判決)
6の1 弁護士に対する名誉毀損又は侮辱に関する懲戒事例
6の2 弁護士職務基本規程70条及び71条
7 単位弁護士会と日弁連の判断が分かれた,懲戒原因としての誹謗中傷の具体例
8 準備書面の表現で相手方を激しく攻撃しすぎた行為に基づく懲戒事例
9 令和3年3月1日発効の「タヒね」懲戒,及び対象弁護士の日弁連総会における発言内容等
10 「品位を失うべき非行」という概念は不明確であるとする,弁護士法人ベリーベスト法律事務所等の意見
11 参考になる外部HP等の記事
12 関連記事その他

1 総論
(1)ア 弁護士の懲戒事由は以下のとおりです(弁護士法56条1項)。
① 弁護士法に違反したとき
② 所属弁護士会又は日弁連の会則に違反したとき
③ 所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき
④ その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があったとき
イ 弁護士は,所属弁護士会及び日弁連の会則,会規及び規則を守らなければなりません(日弁連会則29条1項)。
(2) 「この規程〔注:弁護士職務基本規程のこと。〕は,弁護士の職務の多様性と個別性にかんがみ,その自由と独立を不当に侵すことのないよう,実質的に解釈し適用しなければならない。」(弁護士職務基本規程82条1項前段)とされています。
    そのため,弁護士職務基本規程の条項に形式的に違反する行為のすべてが直ちに懲戒の事由と判断されるのではなく,「品位を失うべき非行」(弁護士法56条1項)と同等の評価を受けるなどの視点から,事案に即した実質的な判断がなされることとなります。
(3) 「自由と独立」には,①権力からの自由と独立,②依頼者からの自由と独立,及び③他の弁護士との関係における自由と独立の三つの要素を含みます(弁護士職務基本規程2条参照)。
(4)ア 弁護士職務基本規程には,倫理規定・努力義務の規定と,行為規範・義務規定とが混在しており,その区別が必ずしも判然としません。
    そのため,弁護士職務基本規程82条2項で,倫理規定・努力義務の規定に当たる条文が個別に列挙されています(「弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めた弁護士職務基本規程の条文」参照)。
イ 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければなりません(弁護士法2条)し,弁護士は,教養を深め,法令及び法律事務に精通するため,研鑽に努めます(弁護士職務基本規程7条)。
    そして,「弁護士は、事件の処理に当たり、必要な法令の調査を怠ってはならない。」と定める弁護士法37条1項は義務規定です(弁護士職務基本規程82条2項参照)から,必要な法令の調査を怠った場合,直ちに懲戒事由となります。
(5) 日弁連HPの「弁護士に対する懲戒」には,懲戒事由の例として以下のものが書いてあります。

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弁護士の業務停止処分に関する取扱い

目次
1 業務停止処分を受けた場合の取扱い
2 業務停止を受けた弁護士が途中で辞任した場合の依頼者との法律関係
3 業務停止処分中の訴訟行為は有効であること
4 委任契約終了時の一般的な義務
5 業務停止の効力発生時期に関する解釈の変遷
6 弁護士の業務停止に関する最高裁平成19年12月18日決定の補足意見
7 普通地方公共団体の議会の議員の出席停止の懲罰と司法審査(参考)
8 関連記事その他

1 業務停止処分を受けた場合の取扱い
(1) 業務停止処分を受けた弁護士及び弁護士法人が取るべき措置に関する基準として以下のものがあります。
① 弁護士の場合
   被懲戒弁護士の業務停止期間中における業務規制等について弁護士会及び日本弁護士連合会のとるべき措置に関する基準(平成4年1月17日日弁連理事会議決)
→ 弁護士が業務停止の懲戒処分を受けた場合,業務停止の期間中,①依頼者との委任契約を解除したり(業務停止期間が1ヶ月以内の場合であり,依頼者が委任契約の継続を望む場合を除く。),②顧問契約を解除したり,③補助弁護士(=復代理人又は雇傭する等した弁護士)の監督ができなくなったり,④原則として事務所の使用ができなくなったり,⑤法律事務所の表示を除去したり,⑥弁護士の肩書等のある名刺等を使用できなくなったり,⑦弁護士記章及び身分証明書を日弁連に返還したり,⑧会務活動ができなくなったり,⑨公職等を辞任したりする必要があります。
② 弁護士法人の場合
   弁護士法人の業務停止期間中における業務規制等について弁護士会及び日本弁護士連合会のとるべき措置に関する基準(平成13年12月20日日弁連理事会議決)
→ 被懲戒弁護士法人の社員等(=被懲戒弁護士法人の社員又は使用人である弁護士(第二のAの5後段。なお,弁護士法30条の6第1項前段参照))は,被懲戒弁護士法人が解除すべき,又は解除した法律事件等を,個人として引き継いで行うことはできません。
   ただし,被懲戒弁護士法人の他の社員の承諾があり,かつ,依頼者が受任を求めるときはこの限りではないものの,当該社員等は,依頼者に対して委任を求める働きかけをしてはならず,受任する場合,依頼者から,業務停止にかかる説明を受けて委任した旨の書面を受領しなければなりません(第二のAの9参照)。
(2) 訴訟代理人の権限の消滅は,本人又は訴訟代理人から相手方に通知しなければ,その効力を生じませんし(民事訴訟法59条・36条1項),訴訟代理権の権限の消滅の通知をした者は,その旨を裁判所に書面で届け出なければなりません(民事訴訟規則23条3項)。
   つまり,被懲戒弁護士は,辞任届を裁判所及び相手方の両方に提出しなければなりません。
(3) 弁護士法人の依頼者が,当該法人に事件を依頼した際,当該法人とは別に,当該法人所属の弁護士に共同で事件を個人受任してもらっている場合,当該弁護士に引き続き事件処理を依頼することができると思いますが,弁護士法人の業務停止の潜脱として許されないかも知れません。
   また,この場合,当該弁護士が,業務停止にかかる説明を受けて委任した旨の書面を依頼者から受領する必要があるかどうかは不明です。
(4) 被懲戒弁護士が処分を受ける前に雇用した弁護士(補助弁護士)は,被懲戒弁護士の事務所を自己の法律事務所として使用することができます( 被懲戒弁護士の業務停止期間中における業務規制等について弁護士会及び日本弁護士連合会のとるべき措置に関する基準 第一の九)。
(5) 被懲戒弁護士は,期日変更申請,訴訟書類の授受,保証金の還付,復代理人の選任等もできなくなると最高裁判所は考えています(平成29年10月11日付の,弁護士法人等の懲戒処分(業務停止)について(最高裁判所事務総局民事局第一課長等の事務連絡))。
(6) 自由と正義2024年2月号71頁(懲戒処分の公告)に「業務停止1月の懲戒処分においては、依頼者から委任継続の意思を記載した確認書面を受領し、所属弁護士会に提出することを条件として、受任している事件の辞任を回避することが可能である」と書いてあります。

個人事務所の場合、業務停止命令で良い顧客が減り、貧すれば鈍するで客筋が悪くなり、メンタルダウンや収益低下が起き悪循環に陥るということもあります。課徴金以外にも業務改善命令や新規契約停止を追加する手もありそうですね。 https://t.co/RrGlqgFAIH

— 古家野 彰平 (@shoheikoyanolaw) February 7, 2021

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弁護士の登録換えの請求

目次
1 登録換えが必要となる場合
2 登録換えの手続
3 登録換えの制限
4 関連記事その他

1 登録換えが必要となる場合
・ 弁護士は法律事務所を所属弁護士会の地域内に設けなければならず(弁護士法20条2項),いかなる名義をもってしても,2個以上の法律事務所を設けることができません(弁護士法20条3項本文)。
    そのため,その主たる活動地域は自ずから制限されることとなりますから,主たる活動地域に変化が生じて,新たな活動地域に事務所を設けようとする場合,所属弁護士会を変更する必要があります。

2 登録換えの手続
・ 登録換えの請求は,所属している弁護士会に対し,他の弁護士会への登録換えを請求する旨を届け出るとともに(弁護士法10条2項),入会しようとする弁護士会を経由して,日弁連に対し,以下の書類を提出する必要があります(日弁連会則20条)。
① 弁護士名簿登録換え請求書
② 弁護士法10条2項に規定する届出に関する書面(=弁護士名簿登録換え届書)
③ 弁護士法12条2項に掲げる事項に関する書面

3 登録換えの制限
・ 懲戒の手続(綱紀委員会における手続が含まれることにつき弁護士法58条2項参照)に付された弁護士は,その懲戒の手続が結了するまでは登録換えの請求をすることができません(弁護士法62条1項)。
    その趣旨は,登録換えによって懲戒処分を免れようとする行為を防止する点にあります。

4 関連記事その他
(1) 登録換の請求の場合,新規登録の請求の場合と異り,請求人の弁護士たる資格そのものが問題になるわけではないから,弁護士法12条の規定する弁護士会の秩序若しくは信用を害する虞があるか否かを判断するに当つては,登録換の請求を認容することが特に右のような弊害を生ずる原因となる虞があるか否かを基準とすべきものと解されています(東京高裁昭和50年1月30日判決(判例秘書に掲載))。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士登録の請求
・ 弁護士登録番号と修習期の対応関係
・ 弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由,及び資格審査会

弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由,及び資格審査会

目次
1 弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由
2 資格審査会
3 関連記事

1  弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由
(1) 弁護士会は,日弁連に対する登録又は登録換えの請求を受けても,その会の会員として,弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれのある者については,その進達を拒絶することができます(弁護士法12条)。
    また,日弁連は,弁護士会から登録又は登録換えの請求の進達を受けても,独自に登録又は登録換えを拒絶することができます(弁護士法15条)。
(2) 登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由は以下のとおりです(弁護士業務ハンドブック(平成24年)12頁及び13頁参照)。
① 弁護士会の秩序又は信用を害するおそれがある者(弁護士法12条1項前段)
・ 弁護士となる資格を有する者でも,刑事事件又は懲戒処分の有無にかかわらず,著しい非行があった者,非弁護士活動をしていた者,登録請求前の勤務先や登録請求前の弁護士会において非行や紛議があった者等が,これに該当する可能性があります。
・ 禁固以上の刑に処せられたが,執行猶予期間の満了によって弁護士となる資格となる回復した者であっても,その犯罪事実が弁護士業務に関連する非行である場合,事案の性格,執行猶予期間満了後の事情等を考慮されて,直ちに登録が認められる例は少ないです。
    これらの場合,弁護士会の指導監督に服することが期待できず,弁護士会の信用をも害することが予想されるからです。
・ 登録の請求の進達を求める者について,弁護士会の統制を乱すおそれがある場合,著しい非行がある場合,その者の入会によって一般会員の体面を損なうおそれがある場合その他あらゆる事由が,審査の対象となりえます(東京高裁平成3年9月4日判決)。
② 心身に故障があって,弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者(弁護士法12条1項後段1号)
・ 精神的又は身体的な機能の欠陥が,依頼者又は裁判所等に対する弁護士としての職責を全うできない程度に著しい場合をいいます。
・ 適当な介添人を付するなどして身体的障害を補える場合,12条1項後段1号に該当しません(東京高裁昭和53年2月21日判決参照)。
③ 懲戒の処分によって除名等された者が,その処分を受けた日から3年を経過して請求したときに,弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者(弁護士法12条1項後段2号)
・ これらの懲戒処分を受けた者は,3年を経過するまでは弁護士となる資格がない(弁護士法7条3号)ところ,その期間経過後でも処分の理由となった事案の性格,処分後の事情等によって,依然として弁護士の職務を行わせることがふさわしくない場合,進達を拒絶されます。
④ 登録又は登録換えの請求前1年以内に当該弁護士会の地域内において常時勤務を要する公務員であった者で,その地域内において弁護士の職務を行わせることが特にその適正を欠くおそれがある者(弁護士法12条2項)
・ これは,主として裁判官,検察官がその勤務地において相当な社会的知名度を得てから辞職し,直ちに弁護士を開業して,その在官当時の影響力を不当に利用したりすることがないように配慮したものであり,弁護士としての職務の公正さを保持しようとするとともに,公務員の在官中の職務の公正さを担保しようとするものです。
(3) 弁護士会は,弁護士法に基づいて,国の機関の指揮及び監督を受けることなく(同法第3章,第5章,第7章,第8章参照),弁護士等に対する指導及び監督等に関する事務を行う法人であり,弁護士会の資格審査会は,弁護士名簿登録請求の進達拒絶という公権力の行使に関わる機関として弁護士法によって設置されたものであるところ,弁護士会の会長は同会の代表者であり(同法35条1項),また,資格審査会の会長は同資格審査会の会務を総理する者であって(同法54条1項),いずれも刑法その他の罰則の適用については法令により公務に従事する職員とみなされていること(同法35条3項,54条2項)を併せ考えると,弁護士会の会長及び弁護士会の資格審査会の会長として弁護士名簿登録請求の進達拒絶に関与する行為は,国家賠償法1条1項にいう「公共団体の公権力の行使にあたる公務員」としての行為に該当すると解されています(大阪高裁平成22年5月12日判決)。
    そのため,弁護士会の会長及び弁護士会の資格審査会の会長は個人として不法行為責任を負うことはないと解されています(大阪高裁平成22年5月12日判決。なお,公務員個人が不法行為責任を負わないことに関する最高裁昭和30年4月19日判決,最高裁昭和53年10月20日判決参照)。

これからは弁護士登録請求の審査をする人は山中先生のブログを確認すること。

— 古家野 彰平 (@shoheikoyanolaw) May 4, 2021

【ブラック法律事務所】

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弁護士登録の請求

目次
第1 一般の場合
1 総論
2 大阪弁護士会の取扱い
第2 弁護士職務経験の判事補又は検事の場合
1 3万円の登録料の納付猶予
2 3万円の登録料等の免除
3 その他
第3 弁護士登録の公告に関する弁護士法及び日弁連会則の条文
第4 収入印紙の形式
第5 弁護士登録関係費用は開業費(繰延資産の一種です。)になると思われること
1 弁護士登録関係費用は開業費に該当すると思われること
2 開業費の計上方法等
3 開業費の償却方法
4 法律書等の書籍代及び勉強会参加費の取扱い
5 同業者団体等の加入金の取扱い
第6 関連記事その他

東京の事務所に就職した新人弁護士が、どこの単位会に登録するか事前にボスに相談せずにボスと違う単位会に登録して、勤務初日からボスを怒らせてしまう事例。

— やつはし (@yatsuhashidayo) August 30, 2022

第1 一般の場合
1 総論
(1) 弁護士となるためには,入会しようとする弁護士会を経由して,日弁連に対し,以下の書類を提出する必要があります(日弁連会則19条1項)。
① 弁護士名簿登録請求書
・ 登録免許税として,収入印紙6万円を貼付する必要があります(登録免許税法別表第一の三十二「人の資格の登録若しくは認定又は技能証明」(三))。
② 履歴書
③ 戸籍謄本(外国籍の者にあっては,外国人登録原票記載事項証明書)
・ 戸籍謄本については,(a)戸籍抄本又は(b)氏名・本籍及び生年月日の記載を証明する戸籍記載事項証明書をもって代えることができます(日弁連会則19条2項)。
④ 弁護士となる資格を証明する書面

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弁護士の登録関係手続に関する不服申立て方法

1 日弁連への審査請求
(1) 弁護士名簿への登録又は登録換えの請求をした者は,入会しようとする弁護士会によってその進達を拒絶されたときは,日弁連に対し,行政不服審査法による審査請求をすることができます。
請求後3ヶ月を経ても弁護士会がその進達をしないときも,進達を拒絶されたものとみなして,同様に審査請求をすることができます(弁護士法12条4項)。
日弁連はこの審査請求については資格審査会の審査に付して(日弁連会則65条2項),その議決に基づいて裁決を行います(弁護士法12条の2)。
(2) 弁護士会による登録取消しの請求があった場合,対象となった弁護士は,その通知を受けた日の翌日から起算して60日以内に,日弁連に対し,異議を申し出ることができます(弁護士法14条1項)。
日弁連は,異議の申出を受けた場合,資格審査会の議決に基き,その申出に理由があると認めるときは,弁護士会に登録取消の請求を差し戻し,その申出に理由がないと認めるときは,これを棄却します(弁護士法14条2項)。
(3) 日弁連がした処分については,行政不服審査法による不服申立てはできません(弁護士法49条の3)。

2 訴えの提起
(1) ①日弁連に対する不服申立が却下・棄却された者,又は②弁護士会から登録又は登録換えの請求の進達をされたにもかかわらず日弁連によってこれを拒絶された者は,その取消しを求めて,東京高等裁判所に対して訴えを提起できます(弁護士法16条1項)。
不服申立て後,又は進達後,日弁連において3ヶ月を経ても結論が出ないときは,同様に否定されたものとみなして,東京高等裁判所に対して訴えを提起できます(弁護士法16条2項)。
(2) 登録又は登録換えの請求の進達の拒絶に関しては,これについての日弁連の裁決に対してのみ,取消しの訴えを提起することができます(弁護士法16条3項)。