非弁護士との提携の禁止

Pocket

1 総論
(1) 非弁提携の禁止に関しては,「弁護士は,弁護士法第72条から第74条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け,これらの者を利用し,又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。」(弁護士職務基本規程11条。なお,同趣旨の規定につき大阪弁護士会会則108条2項)と規定されています。
   そして,禁止される提携の対象は,弁護士法27条と異なり,①弁護士法72条ないし74条の規定に違反する者に限らず,「違反すると疑うに足りる相当な理由のある者」にまで広げられていますし,②「事件の周旋」に限らず,「依頼者の紹介」にまで広げられています。
(2) 自己の名義を利用させるとは,「弁護士某」という名義の他,氏名だけの利用も含まれますし,「○○法律事務所」という標示についても名義の利用に当たる場合があります。
   例としては,大量に処理する報告書,内容証明郵便等に,弁護士の氏名を記載し,更に弁護士の印鑑を弁護士でない者に預けて押捺させる場合があります。
(3)ア 二弁フロンティア2017年10月号「本当に怖い非弁提携」が載っています。
イ   非弁提携業者からの勧誘としては,開口一番,電話口で「~の問題を抱えている方がいらっしゃるのですが」「先生で,~ということは対応可能ですか?」「~事件が増えたら困りますか?(対応できますか?)」と尋ね,事件(それも複数)の依頼を装うものであるとのことです。
   また,非弁提携業者としては,「仕事に困っていそうな弁護士」をターゲットに選びますから,話に乗れば仕事がもらえる,そういう風に弁護士の心をくすぐろうとしますし,弁護士の警戒心を解こうとしてか,株式会社ではなくNPO法人を名乗るケースも少ないとのことです。
(4)ア 弁護士法人ベリーベスト法律事務所,弁護士酒井将及び弁護士浅野健太郎に対する懲戒処分(業務停止6月)の審査請求事件に関して開設された,「非弁提携を理由とする懲戒請求について」と題するHPには例えば,以下の文書が載っています。
① 東京弁護士会懲戒委員会の議決書(令和2年2月28日付)
→ 令和2年3月12日に公表されたものですが,PDF55頁に文書の日付が載っています。
② 審査請求書(令和2年6月11日公表)
③ 日本弁護士連合会への審査請求について(令和2年6月11日付)
イ 東京弁護士会HPに「弁護士法人ベリーベスト法律事務所らに対する懲戒処分についての会長談話」(2020年3月12日付)が載っています。

2 弁護士法72条から74条までの規定に違反している者の内容
(1) 弁護士法72条から74条までの規定に違反している者の内容は以下のとおりであり,①ないし③に該当する場合,2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられ(弁護士法77条),④ないし⑥に該当する場合,100万円以下の罰金に処せられます(弁護士法77条の2)。
① 弁護士又は弁護士法人でないのに,報酬を得る目的で,業として,訴訟事件その他一般の法律事件に関して,鑑定,代理,和解等の法律事務を取り扱う者(弁護士法72条本文前段違反)
② 弁護士又は弁護士法人でないのに,報酬を得る目的で,業として,法律事件に関する法律事務の取扱いを周旋する者(弁護士法72条本文後段違反)
③ 他人の権利を譲り受けて,訴訟等の手段によって,その権利を実行することを業とする者(弁護士法73条違反)
④ 弁護士又は弁護士法人でないのに,弁護士又は法律事務所の標示又は記載をする者(弁護士法74条1項違反)
⑤ 弁護士又は弁護士法人でないのに,利益を得る目的で,法律相談その他法律事務を取り扱うことを標示又は記載した者(弁護士法74条2項違反)
⑥ 弁護士法人でないのに,その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いた者(弁護士法74条3項違反)
(2) 平成13年6月8日法律第41号(平成14年4月1日施行)に基づき弁護士法人の制度が導入されたことに伴い,弁護士法人を主体とする犯罪(弁護士法30条の21において準用される弁護士法27条及び28条に違反した場合)についても弁護士法77条の適用があることを明確にするとともに,罰金刑の最高額が100万円から300万円に引き上げられました。
(3) 弁護士でない者に,自己の法律事件の示談解決を依頼し,これに,報酬を与えもしくは与えることを約束した者を,弁護士法72条,77条違反の罪の教唆犯として処罰することはできません(最高裁昭和43年12月24日判決)。
(4) 自己の法律事件の解決を弁護士でない者に依頼した者については,弁護士法72条違反の罪の共同正犯にもならないこととなります。
   なぜなら,最高裁昭和43年12月24日判決は,弁護士法は,自己の法律事件を自ら取り扱うことまで禁止しているものとは解されないとしているので,自己の法律事件を弁護士でない者に依頼した者が,弁護士法72条違反の罪の正犯となることはあり得ず,共同正犯にもならないからです。
(5) 以下の士業から依頼者の紹介を受けたり,以下の士業を利用したりした場合,弁護士職務基本規程11条に違反することとなります。
① 紛争の目的の価額が140万円を超える事件に関する相談,和解の交渉,和解契約の締結(例えば,140万円を超える過払金の返還請求)を事実上行っていると疑うに足りる相当な理由のある司法書士
② 権利義務又は事実証明に関する書面の作成(行政書士法1条の2第1項参照)にかこつけて,交通事故・相続紛争等の示談交渉を事実上行っていると疑うに足りる相当な理由のある行政書士
③ 以下の権限外行為を事実上行っていると疑うに足りる相当な理由のある社会保険労務士
(a) ADR手続の利用を前提とする,紛争の価額が60万円を超える労使紛争に関して,弁護士と共同受任することなく行う,相談,和解の交渉,和解契約の締結
(b) ADR手続の利用を前提とする,解雇,退職,雇い止め等の効力を争う労使紛争に関して,弁護士と共同受任することなく行う,相談,和解の交渉,和解契約の締結
(c) ADR手続の利用を前提としない労使紛争(紛争の価額は問わない。)に関して行う,相談,和解の交渉,和解契約の締結

3 弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
(1) 総論
ア 弁護士法72条は以下のとおりです。
   弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
イ 最高裁大法廷昭和46年7月14日判決は,弁護士法72条の趣旨について以下のとおり判示しています。
   同条制定の趣旨について考えると、弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、ひろく法律事務を行なうことをその職務とするものであつて、そのために弁護士法には厳格な資格要件が設けられ、かつ、その職務の誠実適正な遂行のため必要な規律に服すべきものとされるなど、諸般の措置が講ぜられているのであるが、世上には、このような資格もなく、なんらの規律にも服しない者が、みずからの利益のため、みだりに他人の法律事件に介入することを業とするような例もないではなく、これを放置するときは、当事者その他の関係人らの利益をそこね、法律生活の公正かつ円滑ないとなみを妨げ、ひいては法律秩序を害することになるので、同条は、かかる行為を禁圧するために設けられたものと考えられるのである。
ウ 弁護士法72条違反の罪が成立するためには,前段についても,後段についても,①報酬を得る目的があること,及び②業として行うことが必要とされています最高裁大法廷昭和46年7月14日判決)。
   そのため,例えば,大学の法学部等で教授,学生が継続的に無料法律相談を実施する場合,報酬を得る目的がないことから,本条に違反しません。

(2) 弁護士法72条のそれぞれの文言の意義
ア 「訴訟事件」とは,訴訟として裁判所に係属する民事,刑事及び行政の各事件をいい,人事訴訟事件(例えば,離婚訴訟事件)も含まれます。
   ちなみに,憲法32条にいう裁判とは,同法82条にいう裁判と同様に、現行法が裁判所の権限に属せしめている一切の事件につき,裁判所が裁判の形式をもってするすべての判断作用ないし法律行為を意味するものではなく,そのうち固有の司法権の作用に属するもの,すなわち,裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定することを目的とする純然たる訴訟事件についての裁判だけをいいます(最高裁大法廷昭和45年12月16日判決)。
イ 「非訟事件」とは,裁判所が裁量によって一定の法律関係を形成する裁判をする事件をいい,例としては以下のものがあります。
① 地方裁判所が担当する借地非訟事件(借地借家法41条以下参照)
→ (a)借地条件の変更及び増改築の許可(借地借家法17条),(b)借地契約の更新後の建物の再築の許可(借地借家法18条1項),(c)土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可(借地借家法19条),(d)建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可(借地借家法20条1項)のことです。
   ちなみに,借地非訟事件における裁判に対しては,即時抗告をすることができます(借地借家法48条1項)。
② 家庭裁判所が担当する家事審判事件(家事事件手続法別表第一及び別表第二参照)
ウ 「行政庁に対する不服申立事件」とは,例示列挙されている審査請求,異議申立て及び再審査請求(行政不服審査法参照)のほか,例えば,弁護士会が行った,対象弁護士等(懲戒の手続に付された弁護士又は弁護士法人をいいます。以下同じ。)を懲戒しない旨の決定等に対する異議の申出(弁護士法64条)があります。
エ 「その他一般の法律事件」には,以下のものが含まれます。
① 債権者の委任により請求・弁済受領・債務免除等を行うこと(最高裁昭和37年10月4日決定
② 自賠責保険金の請求・受領に関するもの(東京高裁昭和39年9月29日判決)
③ 交通事故の相手方との間で示談交渉をすること(札幌高裁昭和46年11月30日判決)
④ 建物賃貸借契約の解除,及び賃借人の立退交渉をすること(広島高裁平成4年3月6日決定)
⑤ 真正な登記名義を回復する登記手続をすること(東京地裁平成6年4月20日判決)
⑥ 登記・登録に関する各種申請(日弁連調査室の見解)
⑦ 税務に関する各種申請(日弁連調査室の見解)
⑧ 特許等に関する各種申請(日弁連調査室の見解)
⑨ 裁判所以外の紛争処理機関に対する各種の申立て(日弁連調査室の見解)
オ 弁護士法72条の「法律事件」といえるためには,事件性のある案件,つまり,事件といわれる案件及びこれと同視できる程度に法律関係に争いがあって事件といいうる案件である必要があるかどうかについては,争いがあります。
   なお,日弁連調査室の見解のほか,東京高裁平成7年11月29日判決(埼玉司法書士会職域訴訟控訴審判決)は,事件性は不要であるとしています。
カ 弁護士資格等がない者らが,ビルの所有者から委託を受けて,そのビルの賃借人らと交渉して賃貸借契約を合意解除した上で各室を明け渡させるなどの業務を行った行為については,その業務が,立ち退き合意の成否等をめぐって交渉において解決しなければならない法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件に係るものであって,弁護士法72条にいう「その他一般の法律事件」に関するものというべきであり,その際,賃借人らに不安や不快感を与えるような振る舞いをしていたなどといった事情の下では,弁護士法72条違反の罪が成立します(最高裁平成22年7月20日決定)。
キ 「鑑定」とは,法律上の専門的知識に基づいて法律事件について法律的見解を述べることをいいます。
   「代理」とは,当事者に代わり当事者の名において法律事件に関与することをいいます。
   「仲裁」とは,当事者間の紛争を仲裁判断に基づき解決することをいいます。
   「和解」とは,争っている当事者に互いに譲歩することを求めて争いを止めさせることをいいます。
   なお,これらは,「法律事務」の例示と考えられますから,上記の定義に入らないものはすべて「その他の法律事務」に含まれるとされています。
ク 「業として」とは,反復的に又は反復の意思をもって法律事務の取扱い等をし,それが業務性を帯びるに至った場合をいいます(最高裁昭和50年4月4日判決)。
ケ 「周旋」とは,訴訟事件の当事者等と弁護士との間に介在し,両者間における委任関係その他の関係成立のための便宜を図り,その成立を容易ならしめる行為をいい(名古屋高裁金沢支部昭和34年2月19日判決),現実に,委任契約等の契約関係が成立している必要はありません。
   周旋を「受け」とは,受諾する意思表示をすることであり,明示であると黙示であるとを問いません。
コ 弁護士法72条本文前段に抵触する委任契約は,民法90条に照して無効です(最高裁昭和38年6月13日判決)。
カ 昭和30年8月10日法律第155号(同日施行)による改正前の弁護士法7条は,外国の弁護士となる資格を有する者であって,最高裁判所の承認を受けて法律事務を行うことが認められていた者は,弁護士法72条ただし書所定の「この法律に別段の定めがある場合」に基づいて法律事務を取り扱っていました。
   しかし,昭和30年8月10日法律第155号による改正後は,該当する規定が弁護士法からなくなりました。

4 弁護士法73条(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
(1) 総論
ア 弁護士法73条は以下のとおりです。
   何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。
イ 「他人」とは,不特定の者を対象に権利を譲り受ける場合のみならず,特定の者の債権の取立て,整理のために権利を譲り受ける場合を含みます。
   「権利」とは,債権だけでなく,物権その他いかなる権利をも含みます。
   「譲り受け」とは,売買,贈与その他法形式のいかんを問わず,他人の権利の移転を受け,自らに帰属させる行為をいい,有償であると無償であるとを問いませんし,権利実行により利益を得る目的の有無も問いません。
ウ 弁護士法73条の趣旨は,主として弁護士でない者が,権利の譲渡を受けることによって,みだりに訴訟を誘発したり,紛議を助長したりするほか,同法72条本文の禁止を潜脱する行為をして,国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずることを防止するところにあります。
   このような立法趣旨に照らすと,形式的には,他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為であっても,上記の弊害が生ずるおそれがなく,社会的経済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合には,同法73条に違反するものではありません(最高裁平成14年1月22日判決)。
エ ゴルフ会員権の売買には,ゴルフ会員権市場ともいうべき市場が存在し,その市場において多数の会員権の売買が日常的に行われていることは公知の事実です。
   そして,ゴルフ会員権の売買等を業とする者が,業として,上記市場から,会員権取引における通常の方法と価格で会員権を購入した上,ゴルフ場経営会社に対して社会通念上相当な方法で預託金の返還を求めたものであれば,利益を得る目的で会員権を購入していたとしても,弁護士法73条に違反するものではないと解されることがあります。
   そのため,ゴルフ会員権の譲受けの方法・態様,権利実行の方法・態様,譲受人の業務内容やその実態等を審理して,譲受人の行為が濫訴を招いたり紛議を助長したりするおそれがないかどうかや弁護士法72条本文が禁止する預託金の取立て代行業務等の潜脱行為に当たらないかどうかなどを含め,社会的経済的に正当な業務の範囲内の行為であるかどうかが判断されることとなります(最高裁平成14年1月22日判決参照)。
オ 弁護士法72条違反の委任行為は非弁行為の禁止の趣旨から無効と解すべきであって(最高裁昭和38年6月13日判決),同法73条も,同法72条と同趣旨の規定です。
   そのため,弁護士法73条の違反行為は,民法90条にも違反するものとして無効であると解されています(東京地裁平成16年11月26日判決等。なお,先例として,東京高裁平成3年6月27日判決)。

(2) サービサー法の位置づけ等
ア 債権管理回収業に関する特別措置法(平成10年10月16日法律第126号。平成11年2月1日施行)(=サービサー法)に基づき,法務大臣の許可(サービサー法3条)を受けた会社である債権回収会社(サービサー)は,弁護士法72条及び73条の特例として(サービサー法1条参照),業として,特定金銭債権(サービサー法2条参照)の管理及び回収をすることができます。
イ 債権管理回収業とは,弁護士又は弁護士法人以外の者が,①委託を受けて法律事件に関する法律事務である特定金銭債権の管理及び回収を行う営業,又は②他人から譲り受けて訴訟,調停,和解その他の手段によって特定金銭債権の管理及び回収を行う営業をいいます(サービサー法2条2項)。
ウ 「弁護士は,係争の目的物を譲り受けてはならない。」(弁護士職務基本規程17条)とされています(弁護士法28条も同趣旨の規定です。)。
   そのため,取立てを目的とする債権譲受行為は,債権を譲り受けなければ,当該権利の実行に当たり支障が存在するなど,行為を正当化する特段の事情がない限り,弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」に該当します(最高裁平成21年8月12日決定における裁判官宮川光治の補足意見参照)。
よって,①サービサーの場合,他人から債権を譲り受けることができるのに対し,②弁護士の場合,他人から債権を譲り受けることができないという違いがあります。
エ 債権譲渡は,その原因行為(その要件事実)が要件事実と考えられるから,原因行為を売買とするときには,債権移転の対価として金銭支払が約されているという抽象的事実が要件事実になります。
   この抽象的事実が主張されれば,原因行為が売買であるとの法性決定が可能になり,相手方において,基本的に,抗弁(債権譲渡が請求原因である場合)主張が可能になると考えられるものの,相手方の訴訟上の攻撃防御の観点からは,当該抽象的事実に当たる具体的事実(主要事実)が主張されるべきと考えられます。
   ただし,どの程度の具体化した事実主張を要するかは,各事案における具体化の困難性や相手方が攻撃防御上被る不利益の程度によって決定されることとなると解されています(東京地裁平成22年6月25日判決)。
オ サービサー法及び弁護士法73条により譲受けが禁止されている債権とは,いわゆる事件性のある債権,すなわち,債務者において支払を遅延し回収困難の状態にあったものなど,債権が通常の状態ではその満足を受けられないものをいうと解されています(東京地裁平成23年6月27日判決。なお,先例として,福岡高裁昭和36年11月17日判決参照)。
カ 法務大臣の許可を受けないで,消費者金融会社から,通常の状態では満足を得るのが困難な貸付債権を譲り受け,同債権に関し,取立てのための請求をし,弁済を受けるなどしてその管理回収業を営んだ行為は,債権管理回収業に関する特別措置法33条1号,3条に該当します(最高裁平成24年2月6日決定)。

5 非弁護士との提携の取締り
(1)ア 日弁連の,①多重債務処理事件にかかる非弁提携行為の防止に関する規程(平成14年2月28日会規第48号。平成14年4月1日施行),及び②多重債務処理事件にかかる非弁提携行為の防止に関する規則(平成14年3月15日規則第81号。平成14年4月1日施行),並びに③これらに関する運用指針に基づき,単位弁護士会が,非弁提携行為の取締りを行っています。
イ 「多重債務処理事件にかかる非弁提携行為」とは,金融業者に対して多重に債務を負担する者から受任する任意整理事件,破産申立事件,民事再生申立事件,特定調停申立事件及びこれに類する事件について,弁護士又は弁護士法人が,弁護士法に違反して法律事務を取扱い,又は事件を周旋することを業とする者から,事件の紹介を受ける行為,これらの者を利用する行為,又はこれらの者に自己の名義を利用させる行為をいいます。
ウ 日弁連HPに「隣接士業・非弁活動・非弁提携対策(業際・非弁・非弁提携問題等対策本部)」が載っています。
(2) 大阪弁護士会の場合,法七十二条等問題委員会規則(平成17年2月15日規則第163号。平成17年4月1日施行)に基づき,法七十二条等問題委員会が,非弁提携行為対策業務として,非弁提携行為の取締りを実施しています。
(3) 大阪地裁平成31年4月25日判決は,弁護士資格がない事務員に債務整理手続きの助言など非弁行為をさせたとして、弁護士法違反の罪に問われた弁護士法人「あゆみ共同法律事務所」の元代表である高砂あゆみ弁護士に対し,懲役1年6月,執行猶予3年の判決を言い渡しました。

スポンサーリンク