弁護士業務と源泉徴収義務

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目次
第1 弁護士報酬を支払う場合の源泉徴収義務
1 源泉徴収義務が発生する場合の取扱い
2 源泉徴収義務が発生しない場合の取扱い
第2 破産管財人の源泉徴収義務
第3 強制執行を受けた場合の源泉徴収義務
1 最高裁平成23年3月22日判決に基づく取扱い
2 所得税法の関連条文
第4 債務名義に基づく支払をする場合の源泉徴収義務
第5 源泉徴収義務に関する最高裁判例の裁判要旨
第6 源泉徴収制度の趣旨等
第7 源泉所得税及び不納付加算税の確定時期及びその争い方
1 源泉所得税の確定時期及びその争い方
2 不納付加算税の確定時期及びその争い方
第8 弁護士報酬に関する最高裁判例
第9 前期損益修正
第10 関連記事その他

第1 弁護士報酬を支払う場合の源泉徴収義務
1 源泉徴収義務が発生する場合の取扱い
(1)ア 法人が弁護士に対して弁護士の業務に関する報酬又は料金(以下「弁護士報酬」といいます。)を支払う場合,源泉徴収をする必要があります(所得税法204条1項2号)ところ,支払金額が税抜で100万円以下の場合,税率は10.21%です。
イ 税込みの弁護士費用で考えた場合,例えば,11万円の弁護士報酬を支払うに際しては,1万210円を源泉徴収する必要があります。
(2)ア 国税庁HPの「No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金」には,「1 源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれるもの」として以下の記載があります。
  弁護士や税理士などの業務に関する報酬・料金は、源泉徴収の対象となります。
  謝金、調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものも源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれます。
  ただし、支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う交通費、宿泊費等で、その金額が通常必要な範囲内のものであるときは、源泉徴収の対象となる報酬・料金に含めなくてもよいことになっています。
  なお、弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきものとされる登録免許税、手数料等に充てるものとして支払われたことが明らかなものについては、源泉徴収をする必要はありません。
  また、報酬・料金の額の中に消費税及び地方消費税の額(以下、「消費税等の額」といいます。)が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額を源泉徴収の対象としますが、請求書等において、報酬・料金の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。
イ 東京高裁昭和49年9月26日判決(判例秘書に掲載)は,弁護士に対し実費と報酬とを区分しないで「一切の費用として」との名目により支払われた金員は,源泉徴収の対象になると判示していますところ,国税庁の見解に基づく源泉徴収の範囲はこれにとどまらないこととなります。
2 源泉徴収義務が発生しない場合の取扱い
(1) 個人が弁護士に対して弁護士報酬を支払う場合,又は給与等につき所得税を徴収して納付すべき個人(例えば,他人を雇用している自営業者)でない限り,源泉徴収をする必要はありません(所得税法204条2項2号・184条)。
(2) 法人であると,個人でアルトを問わず,弁護士法人に対して弁護士報酬を支払う場合,源泉徴収をする必要はありません(国税庁タックスアンサーの「No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金等」参照)。


第2 破産管財人の源泉徴収義務
1 最高裁平成23年1月14日判決によれば以下のとおりです。
① 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負います。
② 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は破産法148条1項3号の財団債権です。
③ 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではありません。
2 最高裁平成23年1月14日判決の最高裁判所判例解説には以下の記載があります(法曹時報66巻1号211頁)。
  退職手当等の債権に対する配当についての本判決の考え方は,給与等の債権等,源泉徴収の対象となり得る他の破産債権に対する配当に関しても基本的に妥当し,また,現行破産法の下における破産債権に対する配当及び弁済許可に基づく弁済(現行破産法101条)に関しても同様に妥当するものと考えられる。さらに,現行破産法の下では,労働者の給料及び退職手当の請求権の一部が財団債権とされているが(現行破産法149条),これらの請求権のうち本来の性質が破産債権であるものについては,本判決の考え方が妥当し,破産管財人はその弁済について源泉徴収義務を負わないものと解される。


第3 強制執行を受けた場合の源泉徴収義務 
1 最高裁平成23年3月22日判決に基づく取扱い
(1) 給与等の支払をする者が,その支払を命ずる判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合であっても,上記の者は,所得税法183条1項所定の源泉徴収義務を負うのであって,給与等の債権者がその債務名義に基づいて民事執行法122条2項により弁済を受ける場合には,源泉徴収されるべき所得税相当額をも含めて強制執行をし,他方,源泉徴収義務者は,強制執行により支払った給与等につき源泉徴収すべき所得税を納付した上で,法222条に基づき求償することになります(最高裁平成23年3月22日判決)。
(2) 最高裁平成23年3月22日判決の裁判官田原睦夫の補足意見には「給与等の債権者による強制執行手続が複数回にわたって行われる場合には,給与等の支払義務者が第1回目の強制執行手続に基づいて支払った給与等に係る所得税の源泉徴収義務は,その支払によって具体的に発生することになるから,同税相当額は,それ以後に支払うべき金額から控除することができる。」と書いてあります。
(3) 最高裁平成23年3月22日判決は,給与等の支払が強制執行による場合における社会保険料の控除の問題については,何ら明らかにしていません(法曹時報65巻12号72頁参照)。
2 所得税法の関連条文
(1) 所得税法183条(源泉徴収義務)1項は以下のとおりです。
  居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
(2) 所得税法222条(不徴収税額の支払金額からの控除及び支払請求等)は以下のとおりです。
  前条の規定により所得税を徴収された者がその徴収された所得税の額の全部又は一部につき第一章から第五章まで(源泉徴収)の規定による徴収をしていなかつた場合又はこれらの規定により所得税を徴収して納付すべき者がその徴収をしないでその所得税をその納付の期限後に納付した場合には、これらの者は、その徴収をしていなかつた所得税の額に相当する金額を、その徴収をされるべき者に対して同条の規定による徴収の時以後若しくは当該納付をした時以後に支払うべき金額から控除し、又は当該徴収をされるべき者に対し当該所得税の額に相当する金額の支払を請求することができる。この場合において、その控除された金額又はその請求に基づき支払われた金額は、当該徴収をされるべき者については、第一章から第五章までの規定により徴収された所得税とみなす。



第4 債務名義に基づく支払をする場合の源泉徴収義務

1 最高裁平成23年3月22日判決に関する最高裁判所判例解説には以下の記載があります(法曹時報65巻12号73頁及び74頁参照)。
  使用者としては,源泉所得税を控除しない金額の支払を命ずる判決を受けたとしても,強制執行に至る前に,判決において命ぜられた金額から源泉所得税を控除した金額を労働者に支払うことはできる。そして,その支払時には,公法上源泉徴収義務が成立するから,この義務の履行のために私法上労働者には源泉徴収を受忍する義務が発生すると解され(法183条が労働基準法24条1項にいう法令の別段の定めに当たると解されていることは,このことを前提としているものと思われる。),源泉所得税を控除した金額の支払をもって,判決において命ぜられた給与等の全額について債務が消滅することになるのではないかと思われる。そうだとすると,使用者としては,判決段階における抗弁として,源泉所得税額の控除を主張することが認められないとしても,口頭弁論終結後の執行段階における異議事由として,源泉所得税を控除した金額の支払いの事実を主張し,請求異議の訴えを提起することができ(東京地決昭和62年6月9日・判時1236号153頁参照),求償の問題を避けることができるのではないかと思われる。
2(1)ア 給与等の債権者と債務者との間で,判決において支払を命じられた金員がいずれの所得であるかについて争いがある場合,源泉徴収税額が確定しないところ,結果として債務者による源泉徴収税額が多すぎた場合,債権者との関係では未払金が残りますから,請求異議の訴えにおいて全部勝訴判決を得ることはできません。
  また,給与等の債権者が,その支払を受ける時までに退職所得の受給に関する申告書(所得税法203条1項及び6項)を債務者に提出していない場合,債務者としては,20.42%の税率による源泉徴収義務を負うことになります(所得税法201条3項のほか,国税庁HPの「[手続名]退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)」参照)。
  そのため,債務者が給与等の債権者との間で源泉徴収税額について合意できなかった場合,源泉徴収税額を含む全額を支払った上で,所得税法222条に基づいて求償する方が無難である気がします。
イ 給与等の債権者が取得するお金が,心身に加えられた損害に起因して取得する損害賠償金に該当する場合,非課税所得となる(所得税法9条1項18号)ために債務者が源泉徴収をする必要はないに対し,給与所得又は退職所得に該当する場合,債務者が源泉徴収をする必要があります。
なお,心身に加えられた損害に起因して取得する損害賠償金の典型例は,交通事故の治療費,休業損害,入通院慰謝料,後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料並びに相当の見舞金(葬祭料及び香典を含む。)です(所得税法9条1項18号,所得税法施行令30条及び所得税基本通達9-23参照)。
(2) 労働基準法20条に基づく解雇予告手当は退職所得です(所得税法30条1項。所得税基本通達30-5)から,退職所得の受給に関する申告書を事前に受領していない場合,所得税のことだけを考えれば,20.42%の税率による源泉徴収をした上で支払うことが正しいこととなります(d’s JOURNAL「【弁護士監修・完全版】解雇予告手当の複雑な計算方法や支給ルール、流れを解説」参照)。
(3) 退職所得の受給に関する申告書は,税務署長から提出を求められるまでの間又は7年間,源泉徴収義務者が保存するものとされています(所得税法施行規則77条6項)。


第5 源泉徴収義務に関する最高裁判例の裁判要旨
1 源泉徴収義務者の納付額は,所得税法の規定により,控除に当たる事項の申告に応じて計算されます(最高裁昭和29年2月23日判決)。
2 所得税法中源泉徴収に関する規定は憲法29条1項等に違反しません(最高裁大法廷昭和37年2月28日判決)。
3 給与等の受給者が,支払者により誤って所得税の源泉徴収をされた場合において,当該年分の所得税の額から右誤徴収額を控除して確定申告をすることはできません(最高裁平成4年2月18日判決)。
4 給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について,法定納期限が経過したという一事をもって,当該源泉所得税の納付義務を成立させる支払の原因となる行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことが許されないとはいえません(最高裁平成30年9月25日判決)。


第6 源泉徴収制度の趣旨等
1 東京高裁昭和49年9月26日判決(判例秘書に掲載)は,源泉徴収制度の趣旨に関して以下の判示をしています。
  源泉徴収制度の趣旨は、納税義務者の納税を容易ならしめるため、所得が納税義務者の手中に帰する以前の段階で徴収して税金の概算前払の方法で国が一応これを収納し、他日所得金額が明らかになってから、改めて納税義務者から納税させる代りに既に源泉徴収によって納付した右税額をもってこれに充て、もし不足があれば追加納付させ、余剰があれば還付して、納税義務者の事後納税によって生ずる煩雑な事務を軽減すること、他面、源泉徴収の方法によらないと容易に捕捉しがたい種類の収入を容易に捕捉してその支払の段階で支払者をして捕捉徴収させ、これによって国の所得調査の手数を省くこと等にあるものとされている。
2 最高裁平成23年1月14日判決は,以下の判示をしています。
  弁護士である破産管財人が支払を受ける報酬は,所得税法204条1項2号にいう弁護士の業務に関する報酬に該当するものというべきところ,同項の規定が同号所定の報酬の支払をする者に所得税の源泉徴収義務を課しているのは,当該報酬の支払をする者がこれを受ける者と特に密接な関係にあって,徴税上特別の便宜を有し,能率を挙げ得る点を考慮したことによるものである(最高裁昭和31年(あ)第1071号同37年2月28日大法廷判決・刑集16巻2号212頁参照)。


第7 源泉所得税及び不納付加算税の確定時期及びその争い方
1 源泉所得税の確定時期及びその争い方
(1) 源泉所得税の徴収納付義務は,源泉徴収の対象となる所得等の支払の時に成立し(国税通則法15条2項2号),その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定します(国税通則法15条3項2号)。
  そのため,源泉所得税の納税の告知(所得税法36条1項2号)は,税額の確定した国税債権について納税義務者に履行を請求する行為(徴収処分)であり,源泉所得税の額を確定する行為(課税処分)ではありません。
  したがって,支払者は,源泉徴収義務の存否又は範囲を争って納税の告知に対する抗告訴訟を提起できるものの,これと併せて,又はこれと別個に,源泉徴収義務の全部又は一部の不存在確認の訴えを提起できます(最高裁昭和45年12月24日判決参照)。
(2) 源泉所得税は,原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっているものの,源泉所得税の納期の特例の承認を受けていた場合,毎年7月10日及び翌年1月10日だけが源泉所得税の納期限となります(国税庁HPの「[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」参照)。
2 不納付加算税の確定時期及びその争い方
(1) 不納付加算税につき,源泉所得税を税務署の通知に基づいて納付した場合は源泉所得税の10%が課税され,税務署からの通知を受けることなく自ら納付した場合は源泉所得税の5%が課税されます(国税通則法67条)。
(2) 不納付加算税の納税義務は,本税である源泉所得税の法定納期限の経過の時に成立し(国税通則法15条2項14号),税務署長の賦課決定(課税処分)によりその納付すべき税額が確定します(国税通則法16条2項2号,32条)。
  そのため,支払者が不納付加算税の納税義務の存否又は範囲を争うためには,賦課決定に対する抗告訴訟を提起することが通常の争い方となるものの,賦課決定の無効を主張して納税義務の不存在確認の訴えを提起することもできます(最高裁平成23年1月14日判決の最高裁判所判例解説(法曹時報66巻1号214頁)参照)。
(3) 国税庁HPに「源泉所得税及び復興特別所得税の不納付加算税の取扱いについて(事務運営指針)」が載っています。


第8 弁護士報酬に関する最高裁判例
1(1)  土地の売買契約の買主は,当該売買契約において売主が負う土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務の履行を求めるための訴訟の提起・追行又は保全命令若しくは強制執行の申立てに関する事務を弁護士に委任した場合であっても,売主に対し,これらの事務に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできません(最高裁令和3年1月22日判決)。
(2) ビジネスローヤーズHP「債務不履⾏に基づく損害賠償請求訴訟において弁護⼠費⽤を請求できるか -最高裁令和3年1⽉22⽇判決がもたらす実務上のインパクト-」が載っています。
2 最高裁昭和48年11月30日判決は,控訴審の民事訴訟事件につき,依頼者と弁護士との間のいわゆるみなし成功報酬の特約がその効力を生じないとした事例判決です。


第9 前期損益修正
1(1)ア 税理士法人杉山会計事務所HP「前期損益修正の取扱い 会計と税務の違い」には,「会計も税務も、いわゆる「継続企業の原則」に基づき、このような後発的な事由によって生じた損失については、過去の事業年度に遡って修正することはしないで、原則、その解除や取消し等の事実が生じた事業年度に「前期損益修正損」として計上し、税務も当該修正損は損金の額に算入されます。」と書いてあります。
イ 国税不服審判所昭和63年4月8日裁決には「法人の各事業年度の所得金額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算するものとされているが、この会計処理の基準によれば、所得の金額の計算の基礎となった事実について、その事業年度経過後にその事実を変更する事由が生じた場合には、その事由が生じた事業年度の損益として認識し、既往の事業年度にさかのぼって所得の金額を修正すべきでないとされている。」と書いてあります。
(2) 平成23年以降につき,「中小企業の会計に関する指針」等に従い会計処理をする中小企業については「前期損益修正損」を使えるのに対し,「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(令和3年3月以降については,「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」です。)に従い会計処理をする企業については「前期損益修正損」を使えなくなりました(マネーフォワードの「特別損益とは?特別損失と特別利益として計上される具体例とともに解説」参照)。
2(1) 法人税基本通達2-2-16(前期損益修正)は以下のとおりです。
  当該事業年度前の各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)においてその収益の額を益金の額に算入した資産の販売又は譲渡、役務の提供その他の取引について当該事業年度において契約の解除又は取消し、返品等の事実が生じた場合でも、これらの事実に基づいて生じた損失の額は、当該事業年度の損金の額に算入するのであるから留意する。
(2) 弁護士法人三宅法律事務所HP「前期損益修正と一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に,法人税基本通達2-2-16を踏まえた解説が載っています。
3(1) 利息制限法による制限超過の利息・損害金のうち,現実に収受されたものは貸主の所得として課税の対象となるのに対し,その約定の履行期が到来しても,なお未収であるものは課税の対象となるべき所得を構成しません(最高裁昭和46年11月9日判決)。
(2)  法人が受領した制限超過利息等を益金の額に算入して法人税の申告をし,その後の事業年度に当該制限超過利息等についての不当利得返還請求権に係る破産債権が破産手続により確定した場合において,当該制限超過利息等の受領の日が属する事業年度の益金の額を減額する計算をすることは,一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従ったものとはいえません(クラヴィスに関する最高裁令和2年7月2日判決。なお,TFK(旧武富士)に関する東京高裁平成26年4月23日判決も同趣旨の判示をしています。)。
4 事業所得として課税の対象とされた金銭債権が後日貸倒れ等により回収不能となったときは,その回収不能による損失額を,当該回収不能の事実が発生した年分の事業所得の金額の計算上,必要経費に算入すべきものとされ,これによつて納税者は実質的に先の課税について救済を受けることができます(旧所得税法に関する最高裁昭和53年3月16日判決参照)。



第10 関連記事その他

1(1) 給与所得に対する源泉徴収は昭和15年の所得税法改正によって導入されました(名古屋青年税理士連盟HP「源泉徴収制度の仕組みとその問題点」2頁)。
(2) 源泉徴収制度は憲法14条1項,18条及び29条に違反しません(最高裁大法廷昭和37年2月28日判決)。
2 「第2版 弁護士・社労士・税理士が書いたQ&A労働事件と労働保険」につき,例えば,以下のことが書いてあります
・ 仮処分命令・判決と労働保険・社会保険・税金
・ 復職和解と労働保険・社会保険・税金
・ 退職和解と労働保険・社会保険・税金
・ 和解条項例
3 民訴法上,訴訟代理権を有する代理人は保全処分や強制執行についても当然に代理権を有する(民事訴訟法54条1項)ものの,これは訴訟法の権限を定めたに過ぎず,依頼者との関係では各手続ごとに費用を要し,報酬も訴訟とは別に受けることができますから,原則として個別の委任を要するものと解されています(福岡地裁平成2年11月9日判決(判例秘書に掲載))。
4(1) noteに「#モデル契約書の沼 損害賠償条項等における契約書の文言を根拠とする「弁護士費用実額」の請求可能性についての一考察」が載っていますところ,その改訂版が自由と正義2021年12月号48頁ないし55頁に載っています。
(2) みずほ中央法律事務所HPに「【損害賠償として弁護士費用を請求することの可否(責任の種類による分類)】」が載っています。
5 以下の記事も参照してください。
・ 破産管財人の選任及び報酬に関する,令和元年5月15日の衆議院法務委員会における質疑応答
・ 司法研修所弁護教官の業務は弁護士業務でないものの,破産管財人として行う業務は弁護士業務であること
 司法研修所弁護教官の任期,給料等

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