弁護士会の会派

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目次
第1 はじめに
第2 東京弁護士会の会派
1 総論
2 法友会
3 法曹親和会
4 期成会
第3  第一東京弁護士会(大正11年5月20日創立総会)の会派
1 総論
2 全期会
第4 第二東京弁護士会(大正15年3月30日創立総会)の会派
1 総論
2 紫水会
3 五月会
4 日比谷倶楽部
第5 大阪弁護士会の会派
1 総論
2 7会派から選出される7人の副会長
3 それぞれの会派ごとの人数
4 春秋会及び五月会
第6 愛知県弁護士会の会派

第1 はじめに
1 東京三弁護士会,大阪弁護士会及び愛知県弁護士会に存在する会派(派閥)につき,東洋経済ONLINEの
「弁護士界の”細かすぎる派閥”はこう生まれた」が非常に参考になります。
2 「東京三会合併の理念」(筆者は峠野愈弁護士。自由と正義41巻4号(平成2年4月発行)148頁ないし150頁)に,大正時代に東京の弁護士会が三つに分裂した経緯が要領よく書いてあります。
3 大正末期から昭和40年頃までの東京三弁護士会の派閥争いについては,法曹三国志(昭和58年1月8日発行)に非常に詳しく書いてあります。

第2 東京弁護士会の会派
1 総論
(1) 東京弁護士会には,法友会法曹親和会期成会及び水曜会という4つの会派があります(二一会HP「現在の二一会について」参照)。
(2) 東弁リブラ2011年2月号「東弁における会派-その現状と未来-」によれば,平成22年11月1日現在の会員数は,法友会が2398人,法曹親和会が1497人,期成会が587人,水曜会が人数非公表です。
(3)ア 平成27年度東京弁護士会役員につき,伊藤茂昭会長が法友会であり,6人の副会長のうち,2人が法友会,3人が法曹親和会(東京法曹会,二一会及び大同会から1人ずつ),1人が期成会でした(澤藤統一郎の憲法日記ブログ「東京弁護士会役員選挙結果紹介 - 理念なき弁護士群の跳梁」参照)。
イ 平成29年度東京弁護士会役員につき,渕上玲子会長が法曹親和会であり,6人の副会長のうち,3人が法友会,2人が法曹親和会,1人が期成会でした(ちきゅう座ブログ「今年は平穏無事だー2017年東京弁護士会役員選挙事情」参照)。
(4) 弁護士吉峯康博ブログ「宇都宮チーム・グループの日弁連会長選挙準備期間(全国各地の『意見交換会』など)約6カ月間の経過を書きました!!」(平成22年2月3日初稿)には,「東弁の約100年の歴史の中で、『無派閥』から東弁副会長になったのは、宇都宮健児弁護士ただ1人です。」と書いてあります。
2 法友会
(1) 法友会は,11の会派が集まることで,昭和21年12月14日に結成されました。
(2) 法友会は以下の各部によって構成されています(法友会HPの「法友会の歴史・沿革」参照)。
第1部 易水会,第2部 二六会,第3部 縦横会
第4部 緑新会,第5部 公正会,第6部 至誠会
第8部 春秋会,第10部 法曹緑会,第11部 達成会
第12部 法曹同志会
(3) 昭和38年8月1日に結成された法友全期会は,司法修習終了15年以内の会員によって構成されています。
(4) 法友会HPの「各部のご紹介」に,それぞれの部会の幹事長挨拶が載っています。
(5) 「東弁における会派-その現状と未来-」末尾5頁には以下の記載があります(改行を追加しました。)。
菊地:法友会の場合には7部を除くと実質10の部がありますが,一番多い12部でも547人で,一番小さいところで64人。これだけの人数差があるんですね。それが10カ部あって,それを統括するのが法友会。各部がいろんな個性を発揮して,いろんな活動をやっているんですね。
大きな部,小さな部がありますから,活動にばらつきが出てくる。法友会の行事に依拠している部と,独立独歩を歩んでそれなりの組織を持っている部とでは,だいぶ違う。いろんな部を抱えて,幅広い考え方が出てきますから,法友会について,考え方,思想・信条を一つに束ねた形での特色を語るのはなかなか難しい。
逆に法友会のイメージというのは,ばらつきがあるがゆえの中庸ということになる。ある意味では幅広の会派でしょうし,ある意味ではなんだかつかみどころのない会派かなというイメージを持っています。また,法友全期会の活動領域も大きく,間口は大変広い。

(6) 菊地裕太郎日弁連会長(平成30年度同31年度)は法友会出身です。
(7) 令和元年7月現在,法友会の会派内会派のHPは見当たりません。
3 法曹親和会
(1) 法曹親和会は,東京法曹会二一会法曹大同会及び法曹同志会が中心となって,昭和23年2月29日に結成されました。
(2) 昭和42年,法曹同志会は法曹親和会から脱退して法友会に加入しました。
(3) 親和全期会は,司法修習終了15年以内の会員によって構成されています。
(4) 「東弁における会派-その現状と未来-」末尾4頁には以下の記載があります(改行を追加しました。)。
髙中:法曹親和会は,創立して60数年となりますが,下部組織が3つ,東京法曹会,二一会,法曹大同会ですが,それらの歴史は100年近くあるんですね。
それが戦後集まって,法曹親和会が出来たといういきさつがあります。法曹親和会の特色は,良くも悪くもこの3つの会派に分かれているということに収斂されるのかなと思います。

4 期成会
(1) 期成会は,昭和34年11月に結成されました。
(2) 「東弁における会派-その現状と未来-」末尾5頁には以下の記載があります。
桒原:期成会は,労働事件,公害環境事件,薬害事件,冤罪事件等々,いろいろな運動体と一緒にすすめる事件をやっている会員が比較的多いということで,護憲とか,人権擁護の活動を大切にしたいという会員が多いということは言えると思います。
(3) 期成会創立趣意書(昭和34年11月)には以下の記載があります。
   法友・親和の二会派は、戦後理事者選挙のための選挙母体として、親睦団体である既成小会派が連合して成立したものでありますが、修習生出身弁護士の大半は、入会早々会の実情に通ぜず、弁護士会の在るべき姿に想到しえない時期に、漫然とこれらの既成会派に所属し、主義も理想もない選挙戦の濁流に投ぜられているのであります。われわれは、一期から十一期に至る修習生出身弁護士諸兄が、既成会派の中から東弁改革の発言と行動を起こされることを期待し、他方東弁全期会を結成して東弁民主化への努力を重ねてきたのでありますが、かような方法では最早限界に到達したものと判断せざるを得ない情況であります。然し修習生出身会員は既に四百名に達し、毎年四十名を越える気鋭の士が入会しつつあり、この際志を同じくする者が、明確な目的を有する団体を結成し、これら有為の新進を迎え入れる中核とならなければ、東弁浄化の機会は永久に失われるものと言っても過言でないと思います。従って既に会派に所属する諸兄も、以上の趣旨を十分御理解のうえ、入会当時の理想と抱負を再びここに新たにして、強力な団体結成のため、多数参加せられるよう希望する次第であります。

第3   第一東京弁護士会(大正11年5月20日創立総会)の会派
1 総論
(1) 第一東京弁護士会には,全期会,新緑会,青風会及び第一倶楽部という4つの会派があります。
(2) 令和元年7月現在,会派のHPがあるのは全期会だけみたいです。
(3) 東京弁護士会の全期会は,法友会又は法曹親和会の若手会であるのに対し,第一東京弁護士会の全期会は,ベテラン弁護士を含む会派そのものです。
2 全期会
(1) 全期会は,昭和26年4月,司法研修所出身の若手会員によって創設された会派であり,第一東京弁護士会の最大会派です(全期会HPの「第一東京弁護士会全期会とは」参照)。
(2) 19期の梶谷剛日弁連会長(平成16年度同17年度),及び28期の村越進日弁連会長(平成26年度同27年度)は全期会出身です(全期会HPの「全期出身会長・最高裁・日弁連・関弁連役員一覧」参照)。
(3) 期前の島谷六郎最高裁判所判事,2期の佐藤庄市郎最高裁判所判事,7期の尾崎行信最高裁判所判事,11期の梶谷玄最高裁判所判事,16期の中川了滋最高裁判所判事及び24期の大橋正春最高裁判所判事は全期会出身です(全期会HPの「全期出身会長・最高裁・日弁連・関弁連役員一覧」参照)。

第4 第二東京弁護士会(大正15年3月30日創立総会)の会派
1 総論
   第二東京弁護士会には,紫水会,全友会,五月会日比谷倶楽部,向陽会,新風会,清友会及び日本法曹倶楽部という8つの会派があります。
2 紫水会
(1) 紫水会は昭和56年に設立されました。
(2) 大野正男最高裁判所判事,濱田邦夫最高裁判所判事及び那須弘平最高裁判所判事は紫水会出身です(紫水会HPの「紫水会について」参照)。
3 五月会
   笠井直人平成30年度第二東京弁護士会会長は,五月会出身です(五月会HPの「五月会とは」参照)。
4 日比谷倶楽部
   令和元年6月14日に創立総会を開催した「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」代表世話人の山岸良太弁護士が所属しています。

第5 大阪弁護士会の会派
1 総論
(1)   大阪弁護士会には以下の7つの会派があります。
① 友新会(1899年結成)
② 一水会(1915年結成)
③ 法曹同志会(1920年結成)
④ 法友倶楽部(1930年結成)
⑤ 法曹公正会(1938年結成)
⑥ 春秋会(1958年結成)
⑦ 五月会(1971年結成)
(2) 友新会HPの「けっこう使える!行事表」には,日弁連,近弁連及び大阪弁護士会のスケジュールが載っています。
2 7会派から選出される7人の副会長
(1) 大阪弁護士会の7人の副会長は通常,7つの会派から1人ずつ選出されています。
   ただし,法曹同志会出身の副会長がいない年度については,他の会派から2人の副会長が選出されるなどしています。
(2) 大阪弁護士会の副会長の人数は,明治13年の設立当初は2人であり,大正15年度に3人となり,昭和39年度に4人となり,昭和57年度に5人となり(以上につき,大阪弁護士会百年史の資220ないし資236),平成16年度に7人となりました。
3 それぞれの会派ごとの人数
(1) 「弁護士 土谷喜輝のブログ」「会派」(平成27年3月30日付)によれば,それぞれの会派ごとの人数は以下のとおりです。
① 友新会   670名
② 春秋会   647名
③ 一水会   620名
④ 法曹公正会 481名
⑤ 法友倶楽部 455名
⑥ 五月会   449名
⑦ 法曹同志会 295名
(⑧ 無所属  631名)
合計       4248名
(2) 月刊大阪弁護士会2019年8月号7頁ないし16頁に大阪弁護士会の会派のことが説明されていますところ,それによれば,令和元年7月時点の人数は,友新会が692人,一水会が665人,春秋会が664人,法曹公正会が502人,法友倶楽部が486人,五月会が466人,法曹同志会が309人です。
4 春秋会及び五月会
(1) 春秋会は,昭和33年7月5日に大阪弁護士会に登録した10年に満たない3期から10期までの弁護士約60名により結成されました。春秋会の名称は,司馬遷の史記の「春秋に富む(年若く、将来が長い)」から名付けられたとのことです(春秋会HPの「春秋会とは」参照)。
(2) 五月会は,春秋会の一部会員が分離独立して結成された会派です(法曹公正会HPの「各会派の移り変わり」参照)。
(3) 私の所属会派は五月会です。

第6   愛知県弁護士会の会派
   愛知県弁護士会には,清流会,烏合会,公正倶楽部,無名会及び法曹維新会という5つの会派があります(愛知県名古屋市の弁護士ブログ「会派」参照)。

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