家事事件

家事調停に関するメモ書き

目次
第1 家庭裁判所の土地管轄
第2 申立て時の注意点
第3 第1回期日前における留意点
第4 事件記録の閲覧及び謄写
第5 当事者参加及び利害関係参加
第6 電話会議又はテレビ会議による家事調停(主としてコロナ前の取扱いです。)
第7 手続費用の取扱い
第8 家事調停を成立させる場合の取扱い(主としてコロナ前の取扱いです。)
第9 家事調停の終了形態
第10 公益財団法人日本調停協会連合会
第11 離婚調停の位置付け
第12 家事調停と人事訴訟は連続性を持たない制度とされていること
第13 関連記事その他

第1 家庭裁判所の土地管轄
1 家事調停は,①相手方の住所地の家庭裁判所,又は②当事者が合意で定める家庭裁判所(合意管轄)で行うことになります(家事事件手続法245条1項)。
2(1) 合意管轄を利用する例としては,①当事者の住所の中間に位置する土地を管轄する家庭裁判所を管轄裁判所としたり,②双方の手続代理人の事務所の所在地を管轄する家庭裁判所を管轄裁判所としたりする場合があります。
(2) 合意管轄を利用する場合,家事調停の申立てをする時点で管轄合意書を提出する必要があります。
3(1) 事件を処理するため特に必要があると家庭裁判所に認めてもらえた場合,相手方の住所地の家庭裁判所以外の家庭裁判所,例えば,申立人の住所地の家庭裁判所で家事調停をしてもらうことができます(家庭裁判所による自庁処理,家事事件手続法9条1項ただし書)。
(2) 家庭裁判所が自庁処理をする場合,当事者及び利害関係参加人の意見を聴かなければなりません(家事事件手続規則8条1項)が,自庁処理の申立てに対する却下審判に対し,即時抗告をして争うことはできません。
4 特定の家庭裁判所がその有する裁判権に基づき審理及び裁判をすべき事件について,これを本庁において取り扱うか,又はいずれかの支部において取り扱うかは,当該家庭裁判所における事務分配の問題にすぎません。
    そのため,例えば,大阪市在住の申立人が,堺市在住の相手方に対し,家事調停を申し立てる場合,大阪家庭裁判所(本庁)で家事調停をしてほしいという意味での自庁処理の申立てをすることはできません(訴訟事件の場合につき東京高裁昭和59年11月7日決定。なお,先例として,最高裁昭和44年3月25日決定参照)。


第2 申立て時の注意点
1(1) 家事調停の申立ては,申立書を家庭裁判所に提出してしなければなりません(家事事件手続法255条1項)。
(2) 平成24年12月31日までは,裁判所書記官の面前で陳述すれば,口頭で申立てをすることができました(家事審判規則3条参照)。
2 家事調停の申立書には,①当事者及び法定代理人,②申立ての趣旨及び理由(申立てを特定するのに必要な事実),並びに③「事件の実情」を記載しなければなりません(家事事件手続法255条2項,家事事件手続規則127条・37条1項)。
3 申立ての理由及び事件の実情についての証拠書類があるときは,その写しを家事調停の申立書に添付しなければならず(家事事件手続規則127条・37条2項),相手方の数に応じた写しも添付しなければなりません(家事事件手続規則127条・47条)。
    ①養育費,婚姻費用,財産分与,遺産分割といったいわゆる経済事件,及び②合意に相当する審判事件(=特殊調停事件。例えば,婚姻取消の事件)の場合,事件の性質上,相手方交付用の証拠書類の提出が強く求められます。
4 家事調停の申立てに係る身分関係についての資料その他家事調停の手続の円滑な進行を図るために必要な資料も提出しなければなりません(家事事件手続規則127条・37条3項)。
    そのため,例えば,最終的に不動産の登記が問題となるような事情がある場合,調停調書に住所を正確に記載する必要がありますから,住民票を一緒に提出しなければなりません。
5 クロスレファレンス民事実務講義(第3版)32頁には,調停申立てを相当とする場合として,以下のような場合が記載されています。
① 依頼者の相手方が親族や友人など親密な関係にある場合
② 証拠が十分でない場合
③ 判決では実現しない事柄を求めている場合
④ 新しい法律的権利が問題となる場合
⑤ 相手方が信用のある会社・団体などである場合
⑥ 円満に解決される見込みのある場合


第3 第1回期日前における留意点
1 家事調停の申立書の写しは,調停期日通知書と一緒に相手方に送付されます(家事事件手続法256条1項本文)。
    ただし,申立書の写しの送付により,申立人と相手方の感情のもつれが一層激しくなり,自主的な話し合いが不能になるといった事情がある場合,家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあるものとして,例外的に申立てがあったことだけが相手方に通知されます(家事事件手続法256条1項ただし書)。
2 相手方の勤務先に申立書の写しを送った場合,勤務先に家事調停のことが知られることで,①相手方と裁判所との間,及び②相手方と申立人との間でトラブルになり,家事調停の進行に支障が生ずる可能性があるため,家庭裁判所から申立書の写しを相手方の勤務先には送ってもらえません。
3 相手方の実家を申立書の写しの送付先にする場合,相手方と相手方実家が同じ名字であっても,当事者目録において「何々方」まで記載する必要があります。
    なぜなら,そうしなければ,宛先不明ということで,送付物が戻ってくることがあるからです。
4 相手方本人に電話をかけて住所を尋ねるよう,家庭裁判所に依頼をすることはできません。
    なぜなら,家庭裁判所の書記官が電話をかけると,ほとんどの場合,相手方から事情を尋ねられることになりますところ,書記官が申立書の内容を相手方に伝えることはできないので,尋ねられても回答を避けますものの,それを不快に感じて相手方が出頭を拒否する結果につながりかねないからです。
5 相手方の出頭確保が家事調停を進めるための最も重要な事項ですから,依頼した弁護士によっては,相手方に対し,家事調停を申し立てる予定であることを伝えることがあります。


第4 事件記録の閲覧及び謄写
1 当事者又は利害関係を疎明した第三者は,家庭裁判所の許可を得て,裁判所書記官に対し,①家事調停事件の記録の閲覧若しくは謄写,その正本,謄本若しくは抄本の交付又は②家事調停事件に関する事項の証明書の交付を請求することができます(家事事件手続法254条1項)。
    そして,家庭裁判所は,相当と認めるときは,これを許可することができます(家事事件手続法254条3項)。
    ただし,調停が不成立となって家事審判に移行し,調停で提出した資料が事実の調査の対象となった場合,相手方による閲覧・謄写が原則として許可されます(家事事件手続法47条)から,このことを念頭に置いて調停段階における資料の提出を検討する必要があります。
2 調停期日の記録としては,当事者の出頭状況等を記載した「事件経過表」という書面が裁判所書記官によって作成されるに過ぎないのであって,期日における当事者の発言は通常,裁判所の事件記録としては全く残りません。
3 調停委員が調停中にとったメモについては,事件記録ではないので,そもそも閲覧・謄写の許可申請の対象になりません。
4 民事調停の場合,当事者は当然に事件記録の閲覧・謄写ができます(民事調停規則23条本文)。

第5 当事者参加及び利害関係参加
1 当事者参加
(1) 当事者となる資格を有する者は,当事者として家事調停の手続に参加することができます(任意参加。家事事件手続法258条1項・41条1項)。
(2) 家庭裁判所は,相当と認めるときは,当事者の申立てにより又は職権で,他の当事者となる資格を有する者(審判を受ける者となるべき者に限る。)を,当事者として家事調停の手続に参加させることができます(強制参加。家事事件手続法258条1項・41条2項)。
(3) 当事者参加については,遺産分割事件において,申立人又は相手方が第三者に相続分の譲渡(民法905条)をした場合等に活用することが考えられています。
(4) 家庭裁判所は,①当事者となる資格を有しない者及び②当事者である資格を喪失した者を家事調停の手続から排除することができます(家事事件手続法258条1項・43条1項)。
    ただし,排除の裁判に対しては,即時抗告をすることができます(家事事件手続法258条1項・43条2項)。
2 利害関係参加
(1) 審判を受ける者となるべき者は,家事調停の手続に参加することができます(任意参加。家事事件手続法258条1項・42条1項)。
(2) 審判を受ける者となるべき者以外の者であって,家事調停の結果により直接の影響を受けるもの又は当事者となる資格を有するものは,家庭裁判所の許可を得て,家事審判の手続に参加することができます(任意参加。家事事件手続法258条1項・42条2項)。
(3) 家庭裁判所は,相当と認めるときは,職権で,審判を受ける者となるべき者等を,家事調停の手続に参加させることができます(強制参加。家事事件手続法258条1項・42条3項)。


第6 電話会議又はテレビ会議による家事調停(主としてコロナ前の取扱いです。)
1 当事者が遠隔の地に居住している場合その他相当と認める場合,電話会議又はテレビ会議を利用した家事調停が実施されることがあります(家事事件手続法258条1項・54条)。
    「その他相当と認める場合」の例としては,①利害関係参加人,代理人又は第三者が遠隔の地に居住している場合,及び②身体上の障害,病気療養中等により調停を行う裁判所への出頭が困難な場合が考えられます。
2 電話会議又はテレビ会議を利用した家事調停の場合,民事訴訟における弁論準備(民事訴訟法170条3項ただし書参照)と異なり,当事者の両方が裁判所に出頭していない場合でも行うことができます。
    その反面,証拠調べについては,証人が遠隔の地に居住するとき等の場合にのみ,テレビ会議に限り利用することができます(家事事件手続法258条1項・64条1項)。
3(1) 手続代理人が付いている場合における電話会議の利用は,本人に代理人弁護士の法律事務所に来てもらって手続を進めることが予定されています。
(2) 本人が身体上の障害や病気療養中で法律事務所への出頭が困難な場合には,代理人が同席の上で,本人のいる施設で電話を受けることも一定の条件の下で認められる余地があります。
4 テレビ会議については,遠方当事者が最寄りのシステムを備えた裁判所に出頭して行うことが予定されています。
5 いったん電話会議又はテレビ会議の利用が認められた場合でも,当該期日に予定される手続行為(審理)の内容等によっては,続行期日における利用が認められないこともあります。
6(1) 調停を成立させる場面においても電話会議又はテレビ会議を利用することができます。
(2) 離婚及び離縁の調停事件の場合,電話会議又はテレビ会議を利用して調停を成立させることはできません(家事事件手続法268条3項)。
7 テレビ会議又は電話会議を利用した家事調停は,家事事件手続法によって創設されました。


第7 手続費用の取扱い
1(1) 家事審判に要する手続の費用を審判費用といい,家事調停に要する手続の費用を調停費用といい,両者を併せて「手続費用」といいます。
(2) 手続費用の典型例は,家事調停の申立てに際して必要となった収入印紙及び予納郵券の代金です。
2 手続費用は原則として,各自の負担となります(家事事件手続法28条1項及び2項)。
3 家事調停が成立した場合において,調停費用の負担について特別の定めをしなかったときは,その費用は各自の負担となります(家事事件手続法29条3項)。

第8 家事調停を成立させる場合の取扱い(主としてコロナ前の取扱いです。)
1 家事調停を成立させる場合,手続代理人弁護士が付いている場合であっても,当事者全員の同席を求められますから,相手方本人と同じ部屋で,少なくとも5分程度は同席することとなります。
2(1) 当事者が遠隔の地に居住していることその他の事由により出頭することが困難であると認められる場合において,その当事者があらかじめ調停委員会から提示された調停条項案を受諾する旨の書面を提出し,他の当事者が家事調停の手続の期日に出頭して当該調停条項案を受諾したときは,当事者間に合意が成立したものとみなされます(離婚又は離縁についての調停事件は除く。)(家事事件手続法270条)。
(2) 遺産分割についての調停事件の場合,平成24年12月31日以前でも調停条項案の書面による受諾が認められていました(家事審判法21条の2,家事審判規則137条の7及び8)。
3 家事調停が成立した場合,1週間後ぐらいに家庭裁判所から調停調書正本が依頼した弁護士の事務所に特別送達により郵送されてきます。
4 家事調停が成立した場合,一般調停事件の場合は確定判決と同一の効力が認められ,特殊調停事件又は別表第二の調停事件の場合は確定した審判と同一の効力が認められます(家事事件手続法268条1項)。
    そのため,家事調停の内容に違反した場合,強制執行をされる可能性があります。


第9 家事調停の終了形態
1 家事調停の終了形態には以下のものがあります(文中に民事調停法又は民事調停規則とあるのは,民事調停の場合の根拠条文です。)。
① 申立ての取下げ(家事事件手続法273条)
・ 家事調停の申立ては,原則として調停事件が終了するまで,その全部又は一部を取り下げることができます。
② 調停をしない措置(=調停の拒否。家事事件手続法271条,民事調停法13条)
・ (a)事件が性質上調停をするのに適当でないと認めるとき,又は(b)当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたときになされる措置です。
    (a)の例としては,事件の内容自体が法令又は公序良俗に違反し,調停をすることが適当でない場合だけでなく,調停の申立人が精神病者であったり,相手方が所在不明であったりするなど,具体的な事件の態様上調停をするのに適当でないと認められる場合があります。
(b)の例としては,義務をいたずらに回避し,又は訴訟なり審判なりを引き延ばすことだけを目的として調停をするような場合があります。
③ 調停の成立(家事事件手続法268条,民事調停法16条)
・ 当事者間に合意が成立し,これを調停調書に記載したときに成立するものです。
    ただし,合意に相当する審判が認められる特殊調停事件の場合,調停を成立させる代わりに,合意に相当する審判がなされます。
④ 合意に相当する審判(家事事件手続法277条)
・ (a)婚姻,養子縁組,協議離婚,協議離縁の無効又は取消し,(b)認知,認知の無効又は取消し,(c)嫡出否認,(d)身分関係の存否又は確定に関する事件等の調停(=特殊調停事件)において,当事者間に合意が成立し,無効又は取消しの原因の有無について争いがない場合になされることがあります。
⑤ 調停に代わる審判(家事事件手続法284条)
・ 調停委員会の調停が成立しない場合において相当と認めるときになされることがあり,調停に代わる審判で離婚した場合を審判離婚といいます(家事事件手続法の下では,別表第二の調停事件についても調停に代わる審判が利用できることとなりました。)。
    ただし,2週間以内に当事者が異議の申立てをすれば失効します(家事事件手続法286条2項・279条2項,286条5項前段)。
・  民事調停の場合,調停に代わる決定(民事調停法17条)が存在しますところ,同じく,2週間以内に当事者が異議の申立てをすれば失効します(民事調停法18条)。
⑥ 調停の不成立(家事事件手続法272条,民事調停法14条)
・ 当事者間に合意が成立しない場合,又は成立した合意が相当でない場合になされます。
⑦ 当事者の死亡
2 当事者の一部の者が,調停の内容には納得しながら,遠隔地に居住しているなどの理由から裁判所に出頭することができず,調停の成立が遅れたり,調停を成立させることができなかったりする事態になることを避けるために,現に出頭することのできない当事者が調停条項案を受諾する旨の書面を提出することにより,調停を成立させることができます(家事事件手続法270条1項)。
    ただし,離婚又は離縁の調停事件については,調停条項案の書面による受諾の方法により調停を成立させることはできません(家事事件手続法270条2項)。
3 合意に相当する審判がされた後に家事調停の申立てを取り下げる場合,相手方の同意を要します(家事事件手続法278条)し,調停に代わる審判がされた後に家事調停の申立てを取り下げることはできません(家事事件手続法285条1項)。


第10 公益財団法人日本調停協会連合会
1 公益財団法人日本調停協会連合会(=日調連)は,全国の地方裁判所,家庭裁判所,簡易裁判所の調停委員が所属する各調停協会の連合体である調停協会連合会又は調停協会(全国で55団体あります。)が会員となって運営する組織です。
    昭和27年4月8日に任意団体として設立され,昭和30年6月15日に財団法人となり,平成23年4月1日に公益財団法人となりました。
2 日調連の事務局は最高裁判所の構内に設置されており,①調停制度や調停法規の調査研究,②調停制度の普及宣伝広報,③全国各地での無料調停相談の実施,④調停委員に対する研修の実施,⑤研修のための機関誌や出版物の刊行等を行っています。
3 大阪府に所在する調停協会としては,大阪民事調停協会及び大阪家事調停協会があり,事務局は大阪地方裁判所及び大阪家庭裁判所の構内に設置されています。
4(1) 我が国の調停制度は,大正11年10月1日に施行された借地借家調停法(大正11年4月12日法律第41号。昭和26年10月1日廃止)に基づく借地借家調停から始まりました。
(2) 平成24年は,調停制度90周年であるとともに,日調連創立60周年の年でしたから,同年10月18日,「調停制度施行90周年・日本調停協会連合会創立60周年記念式典」が東京都内で開催されました。

第11 離婚調停の位置付け
1 いわゆる離婚調停には,「夫婦関係調整調停(円満調整)」及び「夫婦関係調整調停(離婚)」の二つがありますから,離婚調停は必ずしも離婚を前提とした調停であるとは限りません。
2 離婚が成立する前の時点における,①親権者の指定,②子の監護に関する処分,③財産分与,及び④離婚時年金分割は別表第二の調停事件ではないのであって,離婚成立後に初めて別表第二の調停事項としての取扱いを受けることとなります。
    つまり,これらの事項は,⑤慰謝料(訴訟事項です。)も含め,一般調停事件である離婚調停の中で話し合いをすることになりますし,家事調停が成立しなかった場合であっても家事審判に移行することはありません。
    そのため,離婚調停において,離婚が成立する前の段階で家事調停が成立しなかったときに家事審判に移行する事項は通常,婚姻費用分担に関するものに限られることとなります(民法760条参照)。
3 家庭裁判所は,親子,親権又は未成年後見に関する家事審判又は家事調停その他未成年者である子がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては,子の陳述の聴取,家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により,子の意思を把握するように努め,審判及び調停をするに当たり,子の年齢及び発達の程度に応じて,その意思を考慮しなければなりません(家事事件手続法65条・258条1項。なお,子どもの権利条約12条参照)。
4 41期の小出邦夫法務省民事局長は,令和3年4月16日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
 児童の権利委員会から、平成三十一年二月の総括所見の中で、父母による児童の共同養育を実現するため、離婚後の親子関係について定めた法令を改正するとともに、親と離れて暮らしている子と親との人的関係及び直接の接触を維持するための子の権利が定期的に行使できることを確保すべきである旨の勧告があったことは承知しております。
 我が国の親子法制につきましては、法律面及び運用面のいずれにつきましても、子供の利益の観点から、必ずしも十分なものとなっていないとの指摘が国内外からされているところでございまして、この勧告もこのような指摘を踏まえて行われたものと理解しておりまして、この点については真摯に受け止めているところでございます。
 法務省といたしましては、離婚及びこれに関連する制度の見直しに関する充実した調査審議が法制審議会において行われるよう、事務局を担う立場から、必要な対応に努めていきたいと考えております。

第12 家事調停と人事訴訟は連続性を持たない制度とされていること
1 家事調停と人事訴訟について連続性を持たせた場合,家庭の紛争に伴いがちな当事者間の微妙な感情的対立や公開をはばかる私生活上の言動等の諸事情を考慮しながら紛争を解決できるという家事調停の利点が損なわれるおそれがあることにかんがみ,家事調停と人事訴訟は連続性を持たない制度とされています。
    そのため,人事訴訟の受訴裁判所が,それと同一の国法上の裁判所が保管する他の事件の記録を証拠とする場合,書証提出の準備行為として「記録の取寄せ」を行うことになります。
    例えば,離婚訴訟を担当する大阪家庭裁判所人事訴訟係が大阪家庭裁判所家事事件係から記録の取り寄せを行う場合があります。
2 家事調停で自由な発言等をした当事者にとって不意打ちとならないこと,ひいては当事者の合意による自主的解決を図るという家事調停の特質を害さないようにするため,調停手続において,当事者に開示することが相当であると認められる記録部分(家事事件手続法254条3項参照)についてのみ,調停裁判所は,受訴裁判所からの記録の取寄せに応じています。

第13 関連記事その他
1 裁判所HPに「ご存知ですか?家事調停」が載っていて,公益財団法人日本調停協会連合会HP「家事調停の流れ」が載っています。
2 東弁リブラ2018年7月号「民事調停のすすめ」が載っていて,多治見ききょう法律事務所HP「裁判所HPより詳しい離婚調停解説」が載っています。
3(1) 判例タイムズ1499号(2022年10月号)に調停制度100周年に関する論文が載っています。
(2) 自由と正義2023年1月号17頁ないし47頁に「調停制度100年」が載っています。
4(1) 以下の資料を掲載しています。
① 家事事件関係の各種一覧表(平成24年11月27日付の最高裁判所家庭局長の事務連絡)
② 家庭裁判所の現状と課題(平成30年2月)(最高裁判所家庭局が作成したもの)
③ 遺産分割事件の調査について(平成22年9月29日付の最高裁判所家庭局長通達)
④ 平成28年度調停事件統計資料及び平成29年度調停事件統計資料
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 相続事件に関するメモ書き
・ 離婚事件に関するメモ書き
・ 離婚時の財産分与と税金に関するメモ書き
・ 家事審判に関するメモ書き
・ 家事事件に関する審判書・判決書記載例集(最高裁判所が作成したもの)

家事審判に対する即時抗告,特別抗告及び許可抗告

目次
第1 家事審判等に対する即時抗告
1 総論
2 抗告審の手続
3 大阪高裁第9民事部及び第10民事部(家事抗告集中部)の運用
第2 家事審判に対する特別抗告及び許可抗告
1 総論
2 特別抗告
3 許可抗告
第3 関連記事その他

第1 家事審判等に対する即時抗告
1 総論
(1)ア 例えば,以下の審判については即時抗告ができますから,審判の告知を受けた日から2週間後に確定し(家事事件手続法74条4項,86条1項本文参照),その時点で効力を生じることになります(家事事件手続法74条2項ただし書)。
① 婚姻費用の分担に関する審判(家事事件手続法156条3号)
② 子の監護に関する処分の審判(家事事件手続法156条4号)
③ 財産の分与に関する処分の審判(家事事件手続法156条5号)
④ 遺産分割審判(家事事件手続法198条1項1号)
⑤ 寄与分を定める処分の審判はいずれも即時抗告のできる審判です(家事事件手続法198条1項4号)
イ 即時抗告のできない審判の場合,言渡しによって効力が生じる判決(民事訴訟法250条)と異なり,審判の告知を受けた時点でその効力が生じます(家事事件手続法74条本文)。
(2) 審判に不服がある場合,審判の告知を受けた日から2週間以内に即時抗告をすることで(家事事件手続法74条),高等裁判所の判断を仰ぐことができます(家事事件手続法91条参照)。
    その際,別表第二の審判事項に対する即時抗告ですから,1件につき1,800円(1,200円の1.5倍)の収入印紙が必要になります(民事訴訟費用等に関する法律別表第一18項(1))。
(3) 家事審判に対する抗告の場合,例えば,被相続人,未成年者,事件本人,不在者,遺言者といった,当事者ではないが表示しておくべき立場がありますから,原審判の当事者等の表示を参考に当事者目録を作成することとなります。
(4) 抗告を理由がないと認めるときは,原裁判所は,意見を付して事件を抗告裁判所に送付する必要があります(家事事件手続規則57条)。

2 抗告審の手続
(1) 抗告審の場合,当事者の呼称は「抗告人」,「相手方」となり,附帯抗告が提起された場合,「抗告人(附帯相手方)」,「相手方(附帯抗告人)」となります。
    ただし,抗告手続は必ずしも当事者対立構造を有しませんから,事件によっては相手方が存在しない場合があります。
(2) 審判に対する即時抗告があった場合,抗告裁判所としての高等裁判所は,原則として,原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し,抗告状の写しを送付しなければなりません(家事事件手続法88条)。
(3) 抗告裁判所としての高等裁判所は,原審における当事者及びその他の審判を受ける者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければ,原審判を取り消すことができません(家事事件手続法89条)。
(4) 抗告裁判所としての高等裁判所は,即時抗告を理由があると認める場合,原則として,家事審判事件について自ら審判に代わる裁判をしなければなりません(家事事件手続法91条2項)。
(5) 抗告審の手続には家事審判の手続が準用される他(家事事件手続法93条1項),民事訴訟法の規定が準用されます(家事事件手続法93条3項)。
(6) 抗告裁判所としての高等裁判所において,調停が成立することがあります(家事事件手続法274条3項参照)。
(7) 憲法32条は,何人も裁判所において裁判を受ける権利があることを規定したにすぎないものであって,裁判所の権限や審理の方法等について規定したものではありません(最高裁昭和59年10月4日決定。なお,先例として,最高裁大法廷昭和25年2月1日判決参照)。
    そして,家事審判に対する抗告審の決定は非訟事件についての裁判であることに変わりはありませんから,公開の法廷における対審又は当事者の審尋を経ないで審理,裁判されたとしても,憲法32条及び82条に違反しません(最高裁昭和59年10月4日決定参照)。

3 大阪高裁第9民事部及び第10民事部(家事抗告集中部)の運用
・ 平成29年3月6日開催の,「第29回 大阪高裁との民事控訴審の審理充実に関する意見交換会」(平成28年度懇談会報告集46頁)には,「2 家事抗告を取り扱う第9民事部及び第10民事部における運用状況」において以下の記載があります。
① 平均審理期間
平成27年度 平成28年度(途中)
遺産分割        94日    114日
子の監護に関する処分  70日     71日
婚姻費用の分担     59日     64日
② 抗告状の送達
    家事事件手続法88条1項により原則全件送達する。抗告が不適法又は理由がないことが明らかな場合は送達しなくてよいが,そういった事案は少ない。
③ 相手方への求意見とその方法
    抗告上の写しを送付する場合は,全件別表第2事件として,事務連絡で意見を求めるとともに,審理終結と決定の予定日を伝える。なお,事前に相当先の期日を指定しており,正当な理由がない限りは,終結の直前になって意見を提出することは避けられたい。
④ 調査官の活用
    家裁調査官が2名配属されており,原審の調査報告書に重大な問題があったり,事情に大きな変更が生じたといった場合には,家事抗告において事実調査の調査命令を出すことがある。ただ,抗告審で提出された資料を基に結論を出すことができる場合が多く,迅速処理の要請から,調査命令を出す事案は少ない。
    長期未済の件数は,平成27年度は,監護者指定・子の引渡しが4件,面会交流が3件,都道府県知事に対する児童福祉施設入所承認が2件,平成28年度は,看護者指定・子の引渡しが5件,保全処分が1件,面会交流が2件,児童福祉施設入所承認が1件である。
⑤ 抗告審での調停
家事事件手続法により高裁でも自庁調停ができるようになったが,平成27年度が2件(いずれも自庁),平成28年度が7件(6件が自庁,1件が原庁)である。事案は基本的に遺産分割である。既に原審で調停は不調になっており,迅速処理の要請から,裁判所から積極的に調停に付すことはない。
⑥ 審問期日の開催
    家事事件手続法上,抗告審では必要的審問ではなく(家事事件手続法89条,93条),迅速性の要請から審問は原則書面で行っている。調停に付す前に主張整理をするような事案でない限り,審問期日を開くことはない。
⑦ 裁判告知の時期
    別表第2事件については審理終結日や決定日を当初の段階で伝えている。別表第1事件や相手方のない事件であっても,後見人の解任事件等利害関係を有する者に対しては,別表第2事件に準じて指定告知する運用も考えられる。

4 家事審判以外の裁判に対する即時抗告
・    家事審判以外の付随的又は派生的事項についての決定又は命令に対する即時抗告(家事事件手続法99条)は,1週間以内にする必要があります(家事事件手続法101条1項)。

第2 家事審判に対する特別抗告及び許可抗告
1 総論
(1) 即時抗告に対する決定が出た場合,憲法違反等の理由があるのであれば,当該決定の告知を受けた日から5日以内に(家事事件手続法96条2項・民事訴訟法336条2項),最高裁判所に対し,特別抗告の申立て(家事事件手続法94条)又は許可抗告の申立て(家事事件手続法97条)をすることができます。
    ただし,これらの申立ては即時抗告と異なり確定遮断効はありませんから,家事審判自体は,即時抗告に対する決定の告知があった時点で確定します(民事訴訟法119条,及び最高裁昭和51年3月4日判決参照)。
(2) 双方の当事者に対する告知日が異なるときは,最後に告知を受けた者の告知日に確定します。
(3) 特別抗告を5日以内にする必要があることは憲法に違反しません(最高裁大法廷昭和24年7月22日決定)。
(4) 特別抗告及び許可抗告の両方を行う場合と,特別抗告又は許可抗告のいずれかだけを行う場合とで,申立手数料に違いはありません(民事訴訟費用等に関する法律3条3項後段)。
(5) 最高裁判所が抗告に関して裁判権を持つのは,裁判所法7条2号に従い訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られます。
    そして,裁判所法7条2号は憲法32条に違反しません(最高裁昭和37年5月31日決定。なお,先例として,最高裁大法廷昭和23年3月10日判決,最高裁大法廷昭和25年2月1日判決参照)。
(5) 抗告人と相手方との間において,抗告後に,抗告事件を終了させることを合意内容に含む裁判外の和解が成立した場合,当該抗告は抗告の利益を欠くに至り,不適法として却下されます(最高裁平成23年3月9日決定)。
(6) 確定した審判は,金銭の支払,物の引渡し,登記義務の履行その他の給付を命ずる部分について,執行力ある債務名義と同一の効力を有します(家事事件手続法75条)。
    そのため,確定した審判に違反した場合,強制執行をされる可能性があります。

2 特別抗告
(1) 特別抗告の理由として形式的には憲法違反の主張があるものの,それが実質的には法令違反の主張にすぎない場合であっても,最高裁判所が当該特別抗告を棄却することができるにとどまり,原裁判所がこれを却下することはできません(最高裁平成21年6月30日決定)。
    そのため,憲法違反の主張さえすれば,必ず最高裁判所で判断してもらえます(ただし,ほぼ確実に定型文による特別抗告棄却決定が返ってくるだけです。)。
(2) 特別抗告理由は理由書自体に記載すべきであって,原審抗告理由書の記載を引用することは許されません(最高裁大法廷昭和26年4月4日決定)。

3 許可抗告
(1) 許可抗告制度(民事訴訟法337条及び家事事件手続法97条)は,法令解釈の統一を図ることを目的として,高等裁判所の決定及び命令のうち一定のものに対し,当該裁判に最高裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項が含まれる場合に,高等裁判所の許可決定により,最高裁判所に特に抗告をすることができることとしたものであり,最高裁判所への上訴制限に対する例外規定です。
    そして,下級裁判所のした裁判に対して最高裁判所に抗告をすることを許すか否かは,審級制度の問題であって,憲法が81条の規定するところを除いてはこれをすべて立法の適宜に定めるところにゆだねていますから,民事訴訟法337条は憲法31条及び32条には違反しません(最高裁平成10年7月13日決定)。
(2) 許可抗告制度の対象から,許可抗告の申立てに対する決定が除かれている(家事事件手続法97条1項本文)のは,許可抗告の申立てに対する決定に許可抗告を認めると際限なくこれが繰り返されることとなるからです。

第3 関連記事その他
1 家事事件関係の各種一覧表(平成24年11月27日付の最高裁判所家庭局長の事務連絡)を掲載しています。
2 以下の記事も参照してください。
・ 離婚事件に関するメモ書き
・ 相続事件に関するメモ書き
・ 即時抗告,執行抗告,再抗告,特別抗告及び許可抗告の提出期限

家事審判に関するメモ書き

目次
1 総論
2 家事審判の期日
3 家事審判における証拠調べ
4 別表第二に掲げる事項についての審判事件における手続保障
5 15歳以上の子の陳述を聴く必要がある場合
6 家事審判の申立ての取下げ
7 家事審判事件の記録の閲覧等
8 関連記事その他

1 総論
(1) ①特殊調停事件及び一般調停事件が不成立の場合,人事訴訟又は民事訴訟に移行するのに対し,②別表第二の調停事件が不成立の場合,当然に家事審判に移行するという違いがあります。
    そのため,前者及び後者を同時に申し立てる場合,例えば,離婚調停(=一般調停事件)及び婚姻費用分担調停(=別表第二の調停事件)を同時に申し立てる場合,申立書を分割するのが普通です。
(2)ア 別表第二に掲げる事項についての調停事件が家事審判に移行した場合,当事者が合意で定める家庭裁判所で家事審判をしてもらうことができます(合意管轄。家事事件手続法66条・民事訴訟法11条2項及び3項)。
イ 平成24年12月31日までは,家事審判に関する合意管轄は認められていませんでしたし,離婚訴訟等の人事訴訟の場合,現在でも合意管轄は認められていません。
(3) 別表第二に掲げる事項(例えば,財産分与及び年金分割)について,同事項に該当しない他の家庭に関する事項と併せて調停の申立てがされた場合であっても,申立人が調停不成立のときに審判への移行を求める意思を有していないなど特段の事情がない限り,その事件名にかかわらず,家事事件手続法272条4項に基づいて審判に移行します(最高裁平成23年7月27日決定参照)。

2 家事審判の期日
(1) 家庭裁判所は,別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては,申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き,審問の期日において,当事者の陳述を聴かなければなりません(家事事件手続法68条)。
    ただし,請求すべき按分割合に関する審判事件(=年金分割事件)の場合,審問の期日における当事者の陳述を聴かずに,書面照会による陳述聴取だけがなされることがあります(家事事件手続法233条3項参照)
(2) 調停手続が選考した場合に調停が不成立となった後の審判手続では,以下のような方法で当事者の陳述を聴くことが予定されています。
① 改めて審判期日を指定し,審判期日において,審問して陳述を聴取する。
② 審判期日は開かずに,当事者双方に陳述聴取書を送付し,これに回答して返送してもらうことで陳述を聴取する。
③ 当事者双方が出席している調停期日において,調停不成立後,直ちに審判期日を開いて,審問して陳述を聴取する。
(3) 家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは,他の当事者は,原則として,当該期日に立ち会うことができます(家事事件手続法69条)。

3 家事審判における証拠調べ
(1) 家庭裁判所は,職権で事実の調査をし,かつ,申立てにより又は職権で,必要と認める証拠調べをしなければなりません(家事事件手続法56条1項・258条1項)し,当事者もまた,事実の調査及び証拠調べに協力しなければなりません(家事事件手続法56条2項・258条1項)。
(2) 家事事件の手続における証拠調べ手続は原則として,民事訴訟法の定める方法によります(家事事件手続法64条1項・258条1項)。
    ただし,公益性・後見性を実現するための職権探知主義,密行性等の家事事件手続の特質から,以下のような特徴を有します。
① 証拠調べ手続は非公開で行われます(家事事件手続法33条)。
② 職権で証拠調べがされることがあります(家事事件手続法56条1項・258条1項)。
③ 以下の規定は準用されません(家事事件手続法64条1項・258条1項参照)。
(a) 証明することを要しない事実についての民事訴訟法179条
(b) 集中証拠調べについての民事訴訟法182条
(c) 参考人等の審尋に関する民事訴訟法187条
(d) 証人尋問を当事者本人尋問に先行させることとする民事訴訟法207条2項
(e) 真実擬制について定める民事訴訟法208条・224条(229条2項及び232条1項において準用する場合を含む)及び229条4項
・ 真実擬制の代替措置として,家庭裁判所は,当事者が正当な理由なく出頭しないとき等には,過料の制裁を科すことができます(家事事件手続法64条3項,4項及び6項・258条1項)。


4 別表第二に掲げる事項についての審判事件における手続保障
(1) 別表第二に掲げる事項についての審判事件は,別表第一に掲げる事項についての審判事件に比して,公益性はさほど高くなく,むしろ自ら処分することのできる権利又は利益をめぐる対立が当事者間にあるという特徴があります。
    そのため,当事者が自ら手続を主体的に追行して裁判所の判断の基礎となる資料を積極的に提出し,相互に反論し合うことができる制度とすることが望ましいと考えられています。
(2) 家庭裁判所は,事実の調査をした場合において,その結果が当事者による家事審判の手続の追行に重要な変更を生じ得るものと認めるときは,これを当事者及び利害関係参加人に通知しなければなりません(家事事件手続法63条)。
(3) 家庭裁判所が事実の調査をしたときは,特に必要がないと認める場合を除き,その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければなりません(家事事件手続法70条)。
(4)ア 家庭裁判所は,別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては,申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き,相当の猶予期間を置いて,審理を終結する日(=主張や資料の提出期限)を定めなければなりません(家事事件手続法71条本文)。
    ただし,当事者双方が立ち会うことができる家事審判の手続の期日においては,直ちに審理を終結する旨を宣言することができます(家事事件手続法71条ただし書)。
イ これらの場合,家庭裁判所は,審判をする日を定めなければなりません(家事事件手続法72条)。
(5) 「審判をする日」とは,当事者等に家庭裁判所が相当と認める方法で審判の告知をすることができるようになる日をいいます。


5 15歳以上の子の陳述を聴く必要がある場合
(1) 家庭裁判所は,以下の場合,15歳以上の子の陳述を聴かなければなりません。
① 子の監護に関する処分の審判(養育費関係は除く)(家事事件手続法152条2項)
② 養子縁組をするについての許可の審判(家事事件手続法161条3項1号)
③ 特別養子縁組の離縁の審判(家事事件手続法165条3項1号)
④ 親権喪失,親権停止又は管理権喪失の審判等(家事事件手続法169条1項)
⑤ 親権者の指定又は変更の審判(家事事件手続法169条2項)
⑥ 未成年後見人又は未成年後見監督人の選任の審判(家事事件手続法178条1項1号)
⑦ 氏の変更についての許可の審判(家事事件手続法229条1項)


6 家事審判の申立ての取下げ
(1) 家事審判の申立ては,審判があった後は,取り下げることができません(家事事件手続法82条1項)。
(2) ①後見開始等の申立て(家事事件手続法121条,133条,142条,180条,221条),並びに②遺言の確認の申立て及び遺言書の検認の申立て(家事事件手続法212条)については,家庭裁判所の許可を得なければ,取り下げることができません。
(3) ①財産の分与に関する処分の申立て及び②遺産の分割の申立てについては,相手方が本案について書面を出し,又は家事審判の手続の期日において陳述をした後は,相手方の同意を得なければ,取下げの効力を生じません(家事事件手続法153条・199条)。
    上記を除く別表第二事件については,審判が確定するまでは取り下げることができます(家事事件手続法82条2項本文)ものの,審判後に取り下げるためには相手方の同意が必要となります(家事事件手続法82条2項ただし書)。


7 家事審判事件の記録の閲覧等
(1) 当事者は,家庭裁判所の許可を得て,裁判所書記官に対し,①家事「審判」事件の記録の閲覧若しくは謄写,その正本,謄本若しくは抄本の交付又は②家事「審判」事件に関する事項の証明書の交付(つまり,記録の閲覧等)を請求することができるのであって,以下のおそれがある場合を除き,家庭裁判所は,記録の閲覧等を許可しなければなりません(家事事件手続法47条1項ないし4項)。
① 事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれ
② 当事者若しくは第三者の私生活若しくは業務の平穏を害するおそれ
③ 当事者若しくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより,その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ,若しくはその者の名誉を著しく害するおそれ
(2) 当事者は,記録の閲覧・謄写の不許可の裁判に対しては即時抗告をすることができます(家事事件手続法47条8項)。


8 関連記事その他
(1) 家庭裁判所は,民法766条の類推適用に基づき,家事事件手続法別表第二の3項により,別居中の父母の離婚が成立する「前の」,子との面会交流に関する処分を命ずることができます(最高裁平成12年5月1日決定参照)。
(2) 家事事件関係の各種一覧表(平成24年11月27日付の最高裁判所家庭局長の事務連絡)を掲載しています。
(3) 裁判所HPの「即時抗告」には「即時抗告の抗告状(認容審判に対する不服)」及び「即時抗告の抗告状(却下審判に対する不服)」が載っています。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 離婚事件に関するメモ書き
・ 相続事件に関するメモ書き
・ 即時抗告,執行抗告,再抗告,特別抗告及び許可抗告の提出期限

離婚事件に関するメモ書き

目次
1 総論
2 婚姻費用に関するメモ書き
3 養育費に関するメモ書き
3 離婚慰謝料に関するメモ書き
4 面会交流に関するメモ書き
4の2 子の連れ去りに関するメモ書き
5 性同一性障害に関するメモ書き
6 生殖補助医療に関するメモ書き
7 令和4年12月の民法(親子法制)等の改正項目
8 関連記事その他

1 総論
(1)ア 法務省HPに「離婚を考えている方へ~離婚をするときに考えておくべきこと~」が載っています。
イ 東京家裁HPの「養育費・婚姻費用算定表」に,令和元年12月23日に公表された改定標準算定表(令和元年版)が載っています。
(2) 二弁フロンティア2021年12月号「家庭裁判所から見た離婚や面会交流等の調停実務」が載っています。
(3)  離婚に伴う慰謝料として夫婦の一方が負担すべき損害賠償債務は,離婚の成立時に遅滞に陥ります(最高裁令和4年1月28日判決)。


2 婚姻費用に関するメモ書き
(1)ア 裁判所HPの「婚姻費用の分担請求調停」には以下の記載があります。
    別居中の夫婦の間で,夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用(婚姻費用)の分担について,当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には,家庭裁判所にこれを定める調停又は審判の申立てをすることができます。調停手続を利用する場合には,婚姻費用の分担調停事件として申立てをします。
イ 裁判所HPに「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」が載っています。
(2) 婚姻費用を分担すべき義務者の収入は,現に得ている実収入によるのが原則であるところ,失職した義務者の収入について,潜在的稼働能力に基づき収入の認定をすることが許されるのは,就労が制限される客観的,合理的事情がないのに主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず,そのことが婚姻費用の分担における権利者との関係で公平に反すると評価される特段の事情がある場合でなければならないと解されています(東京高裁令和3年4月21日決定(判例秘書に掲載))。
(3) 二弁フロンティア2022年12月号「家事事件の基礎と実践」には以下の記載があります。
    夫婦関係調整調停を申し立てる際に、併せて婚姻費用についても調停申立てをするのか、また面会交流についても併せて申立てをするのかについても確認、検討した方がいいと思います。
    婚姻費用が支払われていない場合には、同時に申し立てた方がいい、あるいは夫婦関係調整調停より先だってまずは婚姻費用調停を申し立てた方がいいという場合もあります。
(4) 最高裁令和5年5月17日決定は,婚姻費用分担審判において、夫と民法772条の推定を受けない嫡出子との間の父子関係の存否を審理判断することなく、上記父子関係に基づく夫の扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例です。
(5) 福岡高裁平成29年7月12日決定は,「夫である抗告人が,妻である相手方に婚姻費用の減額を求めた事案において,抗告審で,抗告人による婚姻費用の支払を定めた前回審判後,相手方が給与収入を得るようになったことは婚姻費用を減額すべき事情の変更であるとして減額を認めた原審を相当とした上,原審の申立て時期に遡って婚姻費用を減額するため,同時期以降,抗告人が前件審判に従って支払った婚姻費用の過払部分につき,相手方に対し,同人の生活に配慮して分割支払による精算を命じた事例」です。


3 養育費に関するメモ書き
(1) 法務省HPに「養育費の取決めをしていない方へ 調停の簡単な申立書、つくりました」,及び「「こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」について」が載っています。
(2) 交通事故により死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定については,幼児の損害賠償債権を相続した者が一方で幼児の養育費の支出を必要としなくなつた場合においても,将来得べかりし収入額から養育費を控除すべきではありません(最高裁昭和53年10月20日判決。なお,先例として,最高裁昭和39年6月24日判決参照)。
(3) 東京地裁平成30年5月30日判決(担当裁判官は51期の栄岳夫。判例秘書に掲載)は,破産手続開始申立ての前々日に入金された生命保険金の解約返戻金のうち50万円を原資として,その翌日,つまり申立ての前日に滞納養育費を一括弁済した事案について,偏頗行為否認の成立を認めました。
(4)ア 令和2年4月1日,特別養子縁組における養子となる者の年齢の上限を原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げられました(法務省HPの「民法等の一部を改正する法律(特別養子関係)について」参照)。
イ 厚生労働省HPに「特別養子縁組について」が載っています。
(5)ア 令和4年12月の民法改正により創設された民法821条は,「親権を行う者は、前条の規定による監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。 」と定めています。
イ 令和4年12月の民法改正により「親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。」と定めていた民法822条は削除されました。
(6) 養育費・婚姻費用算定表(Q&Aを含む)(令和元年12月の東京家裁の文書)12頁には以下の記載があります。
算定表では,公立中学校・公立高等学校に関する学校教育費を指数として考慮していますが,私立学校に通う場合の学校教育費等は考盧していませんので,義務者が当該私立学校への進学を了解していた場合や, その収入及び資産の状況等からみて義務者に負担させることが相当と認められる場合には,算定表によって求められた額に権利者と義務者の収入に応じて不足分を加算することを検討することになります。そして,私立学校の入学金,授業料,交通費や塾代等のうち,義務者がどのような費用を負担すべきかについては,裁判官の判断に委ねられることになります。
(7) 宇都宮家裁令和4年5月13日審判(判例タイムズ2024年3月号(2024年3月号))は,養育費減額の審判において,相手方が,相手方の夫の直近の収入資料の提出を拒否した場合に,相手方の夫が精神科の開業医であることに鑑み,少なくとも算定表の上限の金額の営業所得を得ていると推認して,養育費を算定した事例です。


3の2 離婚慰謝料に関するメモ書き
(1) 夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対し,当該第三者が,単に不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできません(最高裁平成31年2月19日判決)。
(2) 最高裁令和4年1月28日判決には「被上告人の慰謝料請求は,上告人との婚姻関係の破綻を生ずる原因となった上告人の個別の違法行為を理由とするものではない。そして,離婚に伴う慰謝料とは別に婚姻関係の破綻自体による慰謝料が問題となる余地はないというべきであり,被上告人の慰謝料請求は,離婚に伴う慰謝料を請求するものと解すべきである。」と書いてあります。


4 面会交流に関するメモ書き
(1) 母の監護下にある2歳の子を有形力を用いて連れ去った略取行為は, 別居中の共同親権者である父が行ったとしても,監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情が認められず,行為態様が粗暴で強引なものであるといった事情の下では,違法性が阻却されるものではありません(最高裁平成17年12月6日決定)。
(2) 子の親権者を元妻と定めて離婚した後に元妻が死亡した場合,民法838条1号に基づき後見が開始され,未成年後見人選任の申立て又は親権者変更の申立てがなされることになります(デイライト法律事務所HPの「親権者が死亡した場合どうなる?親権者変更のタイミングが重要!」参照)。
(3) 父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることはできません(最高裁令和3年3月29日決定)。
(4)ア 最高裁令和4年6月21日決定は,ハーグ条約実施法134条に基づく間接強制の方法による子の返還の強制執行の申立てが不適法であるとされた事例です。
イ 最高裁令和4年11月30日決定は, 子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例です。
(5)ア  離婚調停において調停委員会の面前でその勧めによってされた合意により,夫婦の一方が他方に対してその共同親権に服する幼児を期間を限って預けたが,他方の配偶者が,右合意に反して約束の期日後も幼児を拘束し,右幼児の住民票を無断で自己の住所に移転したなどといった事実関係の下においては,右拘束には,人身保護法2条1項,人身保護規則4条に規定する顕著な違法性があります(最高裁平成6年7月8日判決)。
イ  離婚等の調停の期日において調停委員の関与の下に形成された夫婦間の合意によってその共同親権に服する幼児との面接が実現した機会をとらえて,夫婦の一方が実力を行使して右幼児を面接場所から自宅へ連れ去って拘束したなどといった事情の下においては,右幼児が現に良好な養育環境の下にあるとしても,右拘束には,人身保護法2条1項,人身保護規則4条に規定する顕著な違法性があるといえます(最高裁平成11年4月26日判決)。


4の2 子の連れ去りに関するメモ書き
(1) 日本人である妻と別居中のオランダ国籍の者が,妻において監護養育していた2歳4か月の子をオランダに連れ去る目的で入院中の病院から有形力を用いて連れ出した判示の行為は,国外移送略取罪に該当し,その者が親権者の1人として子を自分の母国に連れ帰ろうとしたものであることを考慮しても,その違法性は阻却されません(最高裁平成15年3月18日決定)。
(2) 母の監護下にある2歳の子を有形力を用いて連れ去った略取行為は, 別居中の共同親権者である父が行ったとしても,監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情が認められず,行為態様が粗暴で強引なものであるなどといった下では,違法性が阻却されるものではありません(最高裁平成17年12月6日決定)。


5 性同一性障害に関するメモ書き
(1) 3条1項2号は合憲であること
・ 性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に婚姻していないこと」を求める 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号は,憲法13条,14条1項及び24条に違反しません(最高裁令和2年3月11日決定)。
(2) 3条1項3号は合憲であること
・ 性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に未成年の子がいないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号の規定が憲法13条,14条1項に違反するものでない(最高裁令和3年11月30日決定)ことについては,裁判官宇賀克也の反対意見が付いています。
(3) 3条1項4号は違憲であること
ア 性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号は,憲法13条,14条1項に違反するものでない(最高裁平成31年1月23日決定)ことについては,裁判官鬼丸かおる及び裁判官三浦守の補足意見が付いています。
イ 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号に関する特別抗告事件について,最高裁第一小法廷は,令和4年12月7日,審理を大法廷に回付することを求め,最高裁大法廷令和5年10月25日決定は,最高裁平成31年1月23日決定を変更した上で,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号は憲法13条に違反すると判示しました。

6 生殖補助医療に関するメモ書き
(1) 生殖補助医療とは,人工授精又は体外受精若しくは体外受精胚移植を用いた医療をいいますところ,令和3年12月11日同日以後に生殖補助医療により出生した子については,生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律が適用されるため,以下の取扱いとなります。
① 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し,出産したときは,その出産をした女性がその子の母となります(9条)。
② 妻が,夫の同意を得て,夫以外の男性の精子(その精子に由来する胚を含む。)を用いた生殖補助医療により懐胎した子については,夫は,その子が嫡出であることを否認することができません(10条)。
(2) 令和4年12月の法改正により,令和6年夏以降については,10条の主体に子及び妻が追加されます。


7 令和4年12月の民法(親子法制)等の改正項目
(1) 民法(親子法制)等の改正に関する要綱案(令和4年2月1日付)に基づき実施された,令和4年12月の民法(親子法制)等の改正項目は以下のとおりです。
① 懲戒権に関する規定の見直し
② 嫡出の推定の見直し及び女性に係る再婚禁止期間の廃止
③ 嫡出否認制度に関する規律の見直し
④ 第三者の提供精子を用いた生殖補助医療により生まれた子の親子関係に関する民法の特例に関する規律の見直し
⑤ 認知制度の見直し
(2) 令和4年12月の民法等の改正は令和6年夏までに実施される予定です。



8 関連記事その他

(1) 弁護士法人法律事務所DUON HP「離婚で重要な「証拠集め」の方法をパターン別に弁護士が解説」が載っています。
(2) 法制審議会 家族法制部会は令和3年3月30日に第1回会議を開催していますところ,「家族法制の見直しに関する中間試案」(令和4年11月15日)の取りまとめを作成しています。
(3)ア 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判は憲法32条及び82条に違反しません(最高裁大法廷昭和40年6月30日決定)。
イ  離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことは許されません(最高裁令和4年12月26日判決)。
ウ 直系血族間,二親等の傍系血族間の内縁関係は,我が国の現在の婚姻法秩序又は社会通念を前提とする限り,反倫理性,反公益性が極めて大きいと考えられるのであって,いかにその当事者が社会通念上夫婦としての共同生活を営んでいたとしても,厚生年金保険法3条2項によって保護される配偶者には当たりません(最高裁平成19年3月8日判決)。
(4) 平成16年4月1日に人事訴訟法が施行された結果,離婚訴訟を含む人事訴訟は地方裁判所ではなく,家庭裁判所で審理されるようになりました(大阪家裁HPの「人事訴訟の概況説明」参照)。
(5) 大阪家裁HPの「人事訴訟事件について」には例えば,以下の資料が載っています。
・ 離婚訴訟に関する協力依頼について
・ 訴訟上の救助を申し立てる場合について
・ 住所等の秘匿について
・ 調査嘱託について
・ 親権者の指定について
(6)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 人事訴訟事件における事実の調査に関する控訴審書記官事務処理要領(平成16年3月の大阪高裁民事部書記官事務検討委員会の文書)
・ 人事訴訟事件に関する控訴審書記官事務の留意事項(平成16年3月の大阪高裁民事部書記官事務検討委員会の文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 家事事件に関する審判書・判決書記載例集(最高裁判所が作成したもの)
・ 離婚時の財産分与と税金に関するメモ書き