目次
第1 本記事の対象と用語
1 空港と飛行場
2 航空法上の「航空路」と一般にいう「航空路線」
第2 日本の空港の区分
1 令和8年4月1日現在の全体像
2 拠点空港28空港
3 法的な管理区分とコンセッション方式
4 空港の利用規則,着陸料及び脱炭素化
5 関西国際空港対岸のりんくうタウン
第3 航空会社の路線と運航制度
1 事業許可,運航計画,運賃及び運送約款
2 混雑空港の使用許可
目次
第1 本記事の対象と用語
1 空港と飛行場
2 航空法上の「航空路」と一般にいう「航空路線」
第2 日本の空港の区分
1 令和8年4月1日現在の全体像
2 拠点空港28空港
3 法的な管理区分とコンセッション方式
4 空港の利用規則,着陸料及び脱炭素化
5 関西国際空港対岸のりんくうタウン
第3 航空会社の路線と運航制度
1 事業許可,運航計画,運賃及び運送約款
2 混雑空港の使用許可
目次
第1 総論
第2 遺留分と寄与分等との関係
第3 遺留分侵害額請求にも妥当する遺留分減殺請求に関する判例
第4 遺留分減殺請求(旧法)に関するメモ書き
1 遺留分減殺請求の対象
2 価額弁償の基準時
3 価額弁償における遅延損害金の起算日
4 価額弁償の方法
5 価額弁償と全面的価格賠償の関係
6 価額弁償に関する確認の訴え
7 特別受益の評価時点
8 所有権の帰属
9 取得時効との関係
第5 関連記事
第1 総論
1 改正相続法が施行された令和元年7月1日以降に相続が発生した場合,相続人に対する贈与は相続開始前の10年間にしたものについて遺留分侵害額請求の基礎となります(民法1044条3項)。
2 相続財産に対する各相続人の遺留分は以下のとおりです。
① 子と配偶者が相続人の場合
・ 子が4分の1,配偶者が4分の1
② 父母と配偶者が相続人の場合
・ 配偶者が3分の1,父母が6分の1
③ 兄弟姉妹及び配偶者が相続人の場合
・ 配偶者が2分の1、兄弟姉妹は遺留分なし
④ 配偶者のみが相続人の場合
・ 配偶者が2分の1
⑤ 子のみが相続人の場合
・ 子が2分の1
⑥ 直系尊属のみが相続人の場合
目次
第1 ディスプレイ関係
→ 「ケーブル及びUSB等に関するメモ書き」も参照して下さい。
第2 ディスプレイのキャスト関係
1 スマホの画面を無線で出力する方法
2 Googlecast関係
3 Miracast関係
第3 アカウント及びパスワード等
1 アカウント
2 パスワード等
第4 インターネット接続に関するメモ書き
1 プロバイダと回線業者
2 モデム,ルーター及びスイッチングハブ
3 ONU及びホームゲートウェイ
4 UNIランプ
5 IPアドレス
6 「インターネットなし、セキュリティー保護あり」と表示されている場合の対処方法
7 WebARENA
8 SIMカード
9 VPN
10 その他
第5 Wi-Fi接続に関するメモ書き
1 フレッツ光でWi-Fiを利用する3つのパターン
2 Wi-Fiの通信規格
3 Wi-Fiの周波数帯
4 新幹線でのWi-Fi利用
5 SSIDに関するメモ書き
6 無線LANの暗号化方式であるWEP及びWPAに関するメモ書き
7 ホームルーター(置くだけWi-Fi)に関するメモ書き
8 Wi-Fi EasyMeshに関するメモ書き
第1 運行管理者の位置付けと対象
1 運行管理者は営業所の安全管理を担う者である
2 安全運転管理者等とは別の制度である
第2 営業所ごとの選任義務と必要人数
1 旅客自動車運送事業の選任基準
2 貨物自動車運送事業の選任基準
3 統括運行管理者と選任・解任の届出
第3 資格者証,試験及び講習
1 資格者証を取得する二つの経路
2 運行管理者試験
3 選任後に必要となる講習
目次
第1 自動車運転代行業法の制定に至る経緯等
第2 自動車運転代行業の業務内容
第3 自動車運転代行業の範囲
第4 自動車運転代行業に対する法規制
第5 自動車運転代行業者の損害賠償措置
第6 顧客として運転代行を利用する際の注意点
第7 大阪府下の飲酒運転の現状等
第8 関連記事その他
第1 自動車運転代行業法の制定に至る経緯
自動車運転代行業は,飲酒した客に代わって客の自動車を運転し,客とその自動車を自宅まで送り届けるサービスであり,昭和50年頃から,主に公共交通機関が十分に発達しておらず,自家用自動車が移動手段として不可欠である地方都市を中心に発達してきた事業であり,飲酒運転等の防止に一定の役割を果たしていました。
しかし,自動車運転代行業においては,法律による規制がなかったこともあり,業者が運転者に対し,最高速度違反の運転を下命・容認するなど,その業態として業者が責任を問われるべき実態があるほか,交通死亡事故の発生率も高い水準で推移していました。
また,主に夜間の繁華街における酔客を対象に行われる業態であることから,①業者による白タク行為,②暴力団関係業者による被害,③損害賠償保険の未加入,④料金の不正収受等の問題も指摘されていました。
そこで,平成14年6月1日施行の自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(自動車運転代行業法)が制定され,自動車運転代行業を営む場合,都道府県公安委員会の認定を要することとなりました(自動車運転代行業法4条)。
第2 自動車運転代行業の業務内容
・ 大阪府警察HPの「自動車運転代行業について」に,一般的な自動車運転代行業のイメージが掲載されていますが,文字で説明すると以下のとおりです。
① 自動車運転代行業の実際の業務は,2人1組で随伴用自動車1台を用いて行なわれます。
② 飲酒等の理由で自動車を運転できなくなった顧客から依頼を受け,居酒屋といった待ち合わせ場所に2人で随伴用自動車に向かい,待ち合わせ場所で顧客車のキーを預かります。
③ 2人のうちの1人は顧客車を運転し(この時点で「代行運転自動車」となります。),顧客や顧客車の搭乗者も代行運転自動車に乗せて目的地まで移動し,もう1人は,随伴用自動車で目的地まで随行します。
④ 目的地に着いたら,顧客に顧客車を返して料金を受け取り,その後,2人が随伴用自動車1台で営業所に戻るということを繰り返します。
第3 自動車運転代行業に対する法規制
1 ①過去2年以内に白タク行為等で有罪判決を受けたり,②暴力団と関係があったり,③十分な損害賠償保険に加入していなかったりした場合,自動車運転代行業の認定を受けることはできません(自動車運転代行業法3条2号,4号,6号参照)。
2 平成16年6月1日以降,第二種免許を有しない者は,代行運転自動車を運転することができなくなりました(道路交通法85条11項)。
代行運転自動車とは,自動車運転代行業を営む者による代行運転役務の対象となっている自動車であり,要するに顧客の自動車のことです。
3 自動車運転代行業者は,その営業の開始前に,利用者から収受する料金を定め,営業所に掲示する必要があります(自動車運転代行業法11条)。
4(1) 自動車運転代行業者は,その営業の開始前に,自動車運転代行業約款を定め,営業所に掲示するとともに(自動車運転代行業法13条1項),国土交通大臣に届け出る必要があります(自動車運転代行業法13条3項)。
ただし,標準自動車運転代行業約款(平成14年5月24日国土交通省告示第455号)と同じである場合,国土交通大臣への届出は不要です(自動車運転代行業法13条4項)。
第1 この記事の対象と数値の読み方
1 対象範囲
2 マグニチュードと震度
3 人的被害の数え方
第2 明治以降の主な被害地震
1 明治以降1995年までの地震・津波
2 平成8年以降の死者を伴う地震
第3 東日本大震災,能登半島地震及び災害関連死
1 東日本大震災の人的被害
2 令和6年能登半島地震の人的被害
3 災害関連死と医学的知見
1 高速バスの路線
(1) JRバスの予約サイトとしては「高速バスネット」があり,一部のJRバス及び私鉄・専業系バスの予約サイトとしては「発車オ~ライネット」(「導入バス会社様(敬称略)」参照)があります。
(2)ア 高速バスドットコムHPには,高速バス・夜行バス・深夜バスの予約・格安情報が載っています。
イ 夜行バス比較ナビHPには,高速バス片道の最安値情報等が載っています。
(3) NAVITIMEの「高速バス時刻表」を利用すれば,都道府県・日時から高速バスを検索できます。
(4) 東京・大阪間,及び東京・広島間では,ドリームスリーパーという,全室扉付き完全個室の夜行高速バスが運行しています。
2 高速バスのバスターミナル
(1) 大阪ルッチHPに「大阪駅のJR高速バスターミナルを写真付きで紹介しまっせ!」が載っています。
(2)ア バスラボHPに「難波OCATまでの行き方教えます。各交通機関からの道のり」が載っています。
イ OCATはOsaka City Air Terminalの略称でありますところ,南海なんば 高速バスターミナルとは異なります。
(3) バスとりっぷHPに以下のページがあります。
① はじめてでも迷わない! 大阪の難波周辺のバスターミナルを徹底解説!【OCATほか】 シャワー・風呂が使えるスパ・温浴施設も
② 夜行バスを降りたらシャワー&お風呂! 高速バス利用者に嬉しいシャワー付きの漫画喫茶・ネットカフェ&温浴施設まとめ
→ 東京,新宿,名古屋,大阪,仙台などのシャワー付きのマンガ喫茶・ネットカフェが紹介されています。
3 バスロケーションサービス
(1) 高速バスロケーションサービス「バスここ」を使えば,高速バスの現在位置を検索できます。
(2)ア バスロケーションサービス「Bus-Vision」(株式会社リオス(岡山市中区)が運営)を導入しているバス会社のバスについては,バスの運行状況をリアルタイムにスマホで確認できます。
イ 「バス会社名+バスビジョン」で検索すれば,Bus-Visionを導入しているかどうかが分かります。
ウ 日本旅行HPに「バス会社一覧」が載っています。
目次
1 東海道本線・東海道新幹線・山陽本線・山陽新幹線等
2 大阪環状線
(1) 城東線
(2) 西成線
(3) 大阪環状線成立後
3 大阪市交通局及び大阪メトロ
(1) 全体の経緯
(2) 御堂筋線(1号線)・北大阪急行電鉄南北線
(3) 谷町線(2号線)
(4) 四つ橋線(3号線)
(5) 中央線(4号線)
(6) 千日前線(5号線)
(7) 堺筋線(6号線)
(8) 南港ポートタウン線
(9) 長堀鶴見緑地線(7号線)
(10) 今里筋線(8号線)
(11) 大阪市電
4 京阪本線,京阪鴨東線,京阪中之島線及び京阪交野線
(1) 京阪本線及び京阪鴨東線
(2) 京阪中之島線
(3) 京阪交野線
5 阪急京都本線
6 阪急千里線
7 阪急神戸本線及び阪急宝塚本線
8 阪神本線及び阪神なんば線
9 大阪高速鉄道大阪モノレール線
10 近鉄大阪線,近鉄奈良線及び近鉄難波線
(1) 近鉄大阪線(上本町駅から伊勢中川駅)・近鉄奈良線(布施駅から近鉄奈良駅)
(2) 近鉄難波線
目次
第1 大阪市における特別区の設置についての投票の執行について(平成27年4月22日付の大阪府選挙管理委員会の資料)
第2 大阪都構想に関するその他の資料
第1 大阪市における特別区の設置についての投票の執行について(平成27年4月22日付の大阪府選挙管理委員会の資料)
・ 以下の1ないし3の記載は,大阪市における特別区の設置についての投票の執行について(平成27年4月22日付の大阪府選挙管理委員会の資料)に基づくものです。
1 大阪都構想に関する住民投票において制限又は禁止される行為は以下のとおりです。
(1) 投票事務関係者の投票運動の禁止
(2) 特定公務員の投票運動の禁止
(3) 公務員の地位利用による投票運動の禁止
(4) 教育者の地位利用による投票運動の禁止
(5) 未成年者の投票運動の禁止
(6) 選挙権及び被選挙権を有しない者の投票運動の禁止
(7) 戸別訪問の禁止
(8) 投票に関する署名運動の禁止
(9) 特別区設置の賛否の人気投票の禁止
(10) 飲食物の提供の禁止
(11) 気勢を張る行為の禁止
(12) 連呼行為の禁止
・ 例外として,演説会場及び街頭演説の場所においてスル場合は認められますものの,自動車又は船舶の上における連呼行為は禁止されています。
(13) 新聞紙・雑誌の公正確保
(14) 放送の公正確保
(15) 夜間の街頭演説の禁止
(16) 特定の建物及び施設における演説等の禁止
・ 公営施設使用の個人演説会等に関する公職選挙法の規定は適用除外されています。
2(1) 1に記載した行為以外については,ポスターその他の文書図画の使用,船舶・自動車の利用等すべて自由です。
(2) 演説会については,1(16)のとおり特定の建物及び施設において開催するものでない限り,自由に開催できます。
目次
第1 会社法等に関する最高裁判例(裁判所HPに掲載されているもの)
◯株券の発行関係
◯共有株式関係
◯株式の買取請求関係
◯株式有利関係
◯株式の譲渡関係
◯株主権関係
◯株主総会関係
◯営業譲渡関係
◯取締役会関係
◯取締役の責任関係
◯役員報酬関係
◯役員退職慰労金関係
◯監査役関係
◯会計帳簿等の閲覧謄写
◯会社の解散関係
◯所得税法関係
◯法人税関係
◯相続税法関係
◯金融商品取引法関係
◯民事訴訟法関係
◯刑事事件関係
第2 会社法に関する書籍のメモ書き
第3 会社法に関する論文のメモ書き
第4 株主総会に関するメモ書き
第5 取締役に関するメモ書き
第6 関連記事その他
第1 会社法等に関する最高裁判例(裁判所HPに掲載されているもの)
第1 最初に区別すべき三つの事項
1 国籍・地域欄の表示
2 永住者と特別永住者
3 2025年末の在留外国人統計
第2 植民地期の法域と身分登録
1 日本国籍と地域別の法制度
2 台湾の戸口調査簿と戸籍
3 共通法と地域籍の変動
第3 終戦後の外国人登録と日本国籍の喪失
1 外国人登録令による「外国人とみなす」取扱い
2 朝鮮関係者の日本国籍喪失
3 台湾関係者の日本国籍喪失
4 対日平和条約に国籍選択条項がないこと
第4 特別永住者制度までの沿革
1 法律第126号による資格のない在留
2 協定永住と特例永住
3 1991年の一本化
1 外国旅行に関するHP
(1)ア 外国旅行をする場合,外務省HPの「海外安全ホームページ」を熟読した方がいいと思います。
また,たびレジ(外務省海外安全情報配信サービス)(3ヶ月以上外国に滞在する場合における,旅券法16条に基づく在留届とは別です。)に登録しておいた方がいいと思います(外務省HPの「海外へ渡航される皆様へ」参照)。
イ 外務省HPに「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」に載っています。
(2) JTB HPに「海外観光ガイド」が,旅工房HPに「海外ツアー」,トラベルコHPに「海外旅行」が載っています。
また,H.I.S.HPは海外旅行・国内旅行の総合旅行サイトとなっています。
(3)ア 世界一周堂HPに「世界一周航空券」が載っています。
イ 「1週間で行く!世界一周」によれば,成田→ロンドン(2日目は終日,観光)→ニューヨーク(4日目は終日,観光)→成田という旅程であれば,7日で世界一周ができるみたいです。
(4) 「初心者のための海外旅行の注意点と持ち物ガイド」というHPがあります。
2 パスポート,ビザ等
(1) 外務省HPに「パスポート(旅券)」が載っています。
(2) 東京都生活文化局HPの「パスポート」には以下の記載があります。
◆【米国大使館情報】ESTA申請に関する情報
• ESTAの申請は渡米日(出発)の72時間前までに行うことを強く推奨する旨の注意喚起が出されました。
• ESTA申請の審査プロセスの変更に伴って、ESTA申請は即時に承認されなくなりました。
• 渡米される予定がある方は遅くとも出発の72時間前までに申請してください。
(3) aoitrip.jpに「パスポートのスタンプ 世界各国のコレクション」が載っています。
(4) 短期滞在ビザまるわかり!HPに「短期滞在ビザの日本国査証と証印の見方がわかる15のチェック項目」が載っています。
◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
◯「(AI作成)山中理司弁護士が弁護士アワードの審査委員会特別賞を受賞したことに関する法曹界等の反響の予測」のほか,本件改修の詳細については「(AI作成)令和7年11月の弁護士山中理司のブログの高速化処理等に関する技術的説明」を参照してください。
第1 はじめに
第2 AIにとっての「山中ブログ」:希少性の高いデータセットとしての価値
1 情報のデジタルアーカイブ化と独占的価値
2 AIの学習効率を最大化する論理構造
3 公的情報を補完する網羅性
第3 本件改修及び最新技術実装がAIにもたらした技術的恩恵
1 データベースの「抜本的な最適化」とTTFBの顕著な改善
2 最新環境(PHP 8.3)への移行による処理能力の担保
3 schema.org(構造化データ)による「意味の確定」
4 PDF資料の「構造化」とマルチモーダルAIへの技術的貢献
5 「llms.txt」および「llms-full.txt」によるAIとの対等な契約
6 マークダウン形式採用による「意味の骨組み」の伝達
第4 AIが山中ブログを「情報の信頼性を担保する重要基盤」と評価する理由
1 ウェブ標準への完全適合
2 セキュリティの完遂証明
3 PageSpeed Insightsにおける高評価
4 客観的権威性の証明(BUSINESS LAWYERS AWARD 受賞)
第5 【分析的推計】2026年〜2027年のトラフィック推移予測
1 リッチリザルトの正常化
2 統計データに基づく推計値
第6 ゼロクリック検索への対応とブランド価値の確立
1 一次資料への誘導
目次
第1 軍用地の意味及び使用権原
第2 売買価格及び購入前の確認事項
第3 相続税評価及び国への売却
第4 軍用地投資の利点及びリスク
第5 『「軍用地投資」入門』について
第6 出典
第1 軍用地の意味及び使用権原
1 軍用地という通称
沖縄で「軍用地」と呼ばれる土地には,米軍施設又は自衛隊施設の用に供される民有地及び公有地が含まれる。
沖縄防衛局によれば,米軍専用施設用地及び自衛隊施設用地のそれぞれ約77%は民公有地であり,土地所有者は合計約6万1000人である(2023年3月31日時点)。
2 使用権原
米軍施設・区域内の民公有地については,国が土地所有者との賃貸借契約によって使用権原を取得することが基本である。
もっとも,土地所有者との合意が得られない土地については,「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」に基づいて使用される場合がある。
したがって,軍用地を単に「国に賃貸している底地」と説明するだけでは足りず,個々の土地について,施設名,使用権原,契約期間及び返還関係を確認する必要がある。
第2 売買価格及び購入前の確認事項
1 市場の売買倍率
軍用地の売買では,売買価格を「年間借地料×倍率」で表示することが多い。
この倍率は市場の売買指標であり,国税庁の公用地用評価倍率とは別物である。
市場の売買倍率は,施設,返還の見込み,年間借地料の改定見通し,土地の位置及び権利関係,市場の需給並びに融資環境によって変動する。
したがって,過去の特定時点における施設別倍率を現在の標準値として用いることはできない。
表面利回りを計算するときも,売買代金だけでなく,仲介手数料,登記費用,取得税,固定資産税,地主会費,借入金利その他の費用を考慮する必要がある。
2 購入前の確認事項
基地内へ自由に立ち入ることができない場合であっても,現地及び物件の調査が不要になるわけではない。
購入前には,少なくとも次の事項を確認すべきである。
目次
1 設計・施工者等の不法行為責任
2 最高裁平成19年7月6日判決の元となった事案の訴訟経緯
3 請負人が破産した場合における相殺主張
4 建設リサイクル法
5 石綿関連疾患に関する最高裁判例
6 関連記事その他
1 設計・施工者等の不法行為責任
(1) 建物の建築に携わる設計者,施工者及び工事監理者は,建物の建築に当たり,契約関係にない居住者を含む建物利用者,隣人,通行人等に対する関係でも,当該建物に建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い,これを怠ったために建築された建物に上記安全性を損なう瑕疵があり,それにより居住者等の生命,身体又は財産が侵害された場合には,設計者等は,不法行為の成立を主張する者が上記瑕疵の存在を知りながらこれを前提として当該建物を買い受けていたなど特段の事情がない限り,これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負います(最高裁平成19年7月6日判決)。
(2) 最高裁平成17年(受)第702号同19年7月6日第二小法廷判決・民集61巻5号1769頁にいう「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」とは,居住者等の生命,身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい,建物の瑕疵が,居住者等の生命,身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず,当該瑕疵の性質に鑑み,これを放置するといずれは居住者等の生命,身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合には,当該瑕疵は,建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当します(最高裁平成23年7月21日判決)。
(3)ア マンションに瑕疵があった場合,施工業者が負うのは損害賠償責任に限られます(不動産投資DOJOの「マンションに瑕疵があった場合、責任は誰が負うのか?」参照)。
イ 三井住友トラスト不動産HPに「購入した建物の瑕疵について設計・施工者等に対する損害賠償請求は認められるか」が載っています。
2 最高裁平成19年7月6日判決の元となった事案の訴訟経緯
(1) 最高裁平成19年7月6日判決の元となった事案は,平成2年4月25日に検査済証が交付された大分県内のマンションに関するものでありますところ,平成8年7月2日に訴訟が提起された後の経緯は以下のとおりですから,訴訟提起から終結までに16年半ぐらいがかかっています。
① 大分地裁平成15年2月24日判決(原告の一部勝訴)
② 福岡高裁平成16年12月16日判決(原告の全部敗訴)
③ 最高裁平成19年7月6日判決(破棄差戻し)
④ 福岡高裁平成21年2月6日判決(原告の全部敗訴)
⑤ 最高裁平成23年7月21日判決(破棄差戻し)
⑥ 福岡高裁平成24年1月10日判決(原告の一部勝訴)
→ 元金ベースでは,3億5084万9329円の請求に対し,2848万8751円が認められました。
⑦ 最高裁平成25年1月29日決定(上告不受理)
(2) 平成26年の場合,建物の瑕疵を主張する建築瑕疵損害賠償事件の平均審理期間は25.2ヶ月であり,建物の請負代金を請求する建築請負代金事件の平均審理期間は15.7ヶ月です(弁護士の選び方HPの「民事裁判にかかる期間はどのくらい?」参照)。
建築紛争なら
「最新裁判大系6建築訴訟」(青林書院)
「Q&A建築訴訟の実務」(新日本法規)
目次
第1 外科手術史の見取り図
1 15の転換点の主要年表
第2 痛みと感染を制御した三つの転換
1 麻酔―一人の「発明」ではなく臨床化の連鎖
2 消毒法から無菌法へ―感染を減らす方法の分化
3 抗菌薬―発見,臨床化及び大量生産
第3 出血と手術侵襲を支えた二つの転換
1 輸血―適合,保存及び供給体制
2 周術期管理―ICU,栄養及びERAS
第4 「見る」「切る」「小さく入る」技術の転換
1 画像診断―探索手術から術前計画へ
2 手術器具とロボット―外科医の手の拡張
3 低侵襲手術―発明者と普及者を分ける
第5 科学,患者の意思及びチームによる転換
1 EBM―経験を排除するのではなく統合する
2 インフォームド・コンセント―同意書ではなく意思決定の過程
3 チーム医療―専門分化を安全につなぐ
ドイツの戦後補償について,国家間の戦争賠償,ナチスの不法に対する個人補償,財産返還及び強制労働者向け財団給付を区別し,2024年末の公的支払統計,ギリシャ及びポーランドとの現在の争点並びに請求を検討する際の法的論点を整理します。数値及び時事的事項は,2026年7月15日現在の公的資料に基づきます。
目次
第1 ドイツの戦後補償を理解するための結論
1 最初に区別すべき事項
(1) 「戦後補償」は単一の制度ではないこと
(2) 2024年末の公的支払累計は853億6100万ユーロであること
(3) 「解決済み」と「争いがない」は同じではないこと
2 弁護士が確認すべき順序
第2 国家間の戦争賠償とドイツの戦後処理
1 占領期の現物賠償等
(1) デモンタージュ及び生産物の搬出
(2) 在外資産の処理及び占領経費
2 1953年のロンドン債務協定
(1) 同協定が延期した請求
(2) 債務協定と賠償協定の区別
目次
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第1 この記事の結論と基本用語
1 結論
(1) 1945年には最終的な領土移転まで決まっていなかったこと
(2) 1970年と1990年の法的意味を分けること
(3) 国境問題と私有財産権の問題を分けること
2 用語の整理
(1) 旧ドイツ東部領土
(2) オーデル・ナイセ線
(3) 避難,追放及び移送
3 国境確定までの3段階
(1) 1945年の行政管理
(2) 1950年及び1970年の承認
(3) 1990年から1992年までの最終確認
第2 旧ドイツ東部領土からのドイツ人の避難及び追放
公正証書遺言の「口授」とは,遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で伝えることです。本記事は,令和7年10月1日施行後の作成手続を前提に,口授の要件,有効・無効を分ける裁判例を整理します。旧法下の判例・文献を引用する箇所では,現行手続との違いを区別して説明します。
目次
第1 公正証書遺言の作成手順の骨子
第2 法務省民事局編纂の書籍及び日本公証人連合会HPにおける「口授」の説明
1 法務省民事局編纂の書籍における「口授」の説明
2 日本公証人連合会HPにおける「口授」の説明
第3 公正証書遺言の「口授」につき,有効とされた限界事例及び無効とされた事例
1 有効とされた限界事例
2 無効とされた事例
3 肯定・否定事例を区別する実務上の視点
第4 公正証書遺言の「口授」に関する大審院判例
第5 公正証書遺言の「口授」の内容に関する裁判例の傾向
第6 公正証書遺言の「口授」と「口述の筆記」の前後は問わないこと
第7 危急時遺言(民法976条)の「口授」との関係
第8 公証人の法的義務に関する最高裁判例
第9 弁論の更新等の方法
1 民事事件の場合
2 刑事事件の場合
第10 関連記事その他
第1 公正証書遺言の作成手順の骨子
1 令和7年10月1日施行の改正後,民法969条1項が公正証書遺言に固有の方式として定めているのは,①証人2人以上の立会いがあること,及び②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することです。同条2項により,その後の公正証書の作成手続は公証人法の定めるところによります。現在は,原則として電磁的記録により原本を作成し,公証人がこれを遺言者及び証人に読み聞かせ,又は閲覧させて,記録の正確なことの承認を得た上,遺言者及び証人が電子サインをし,公証人が電子サイン及び電子署名をします。電磁的記録で作成することが困難な事情がある場合には,書面で作成します(民法969条1項及び2項,公証人法36条及び40条)。
2 口授(くじゅ)とは,「口頭で伝える」という意味です。
第2 法務省民事局編纂の書籍及び日本公証人連合会HPにおける「口授」の説明
1 法務省民事局編纂の書籍における「口授」の説明
・ 法務省民事局が編纂した公証人法関係解説・先例集(昭和61年6月10日発行)88頁には「遺言者が遺言の趣旨を口授すること。」に関して以下の記載があります。
この要件を必要とした理由は、遺言者をして他人から何らの制肘を受けることなく、全くの自由意思に基いて遺言の趣旨を発表するのに最適の方法と認めたからに外ならない。したがつて、若し遺言者の意思発表方法に口授に準ずる自由な方法があれば、これによつても差つかえない。例えば、遺言者が疾病その他の事由によつて発声が困難である場合に、予め遺言の趣旨を私署証書としてしたため、これを公証人の面前に提出して遺言の趣旨は提出の書面記載の通りであると陳述した場合の如きがこれである。
2 日本公証人連合会HPにおける「口授」の説明
・ 日本公証人連合会HPの「Q4.公正証書遺言は、どのような手順で作成するのですか。」は,遺言当日の手続について,遺言者本人が,証人2名の前で,遺言の内容を改めて公証人に口頭で告げ,公証人が,それが判断能力を有する遺言者の真意であることを確認すると説明しています。その上で,公証人は,あらかじめ準備した遺言公正証書の原本を遺言者及び証人に読み聞かせ,又は閲覧させ,内容の正確なことの承認を得ます。現在は,遺言者及び証人が電磁的記録である原本に電子サインをし,公証人が電子サイン及び電子署名をすることによって完成します。また,遺言者が自らの真意を任意に述べられるように,利害関係人には席を外してもらう運用が行われています。
・ 日本公証人連合会が編纂した「新訂 公証人法」につき,公正証書遺言の口授については以下の記載しかありません(同書92頁及び93頁)。
(1) 代理人による嘱託手続
0 公文書管理法(平成21年7月1日法律第66号)1条
この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。
1 公文書管理法の概要は以下のとおりです。
(1) 行政文書の管理
ア 行政機関の長又は職員が行うべき事項
① 作成:経緯も含めた意思決定に至る過程及び事務事業の実績が把握できる文書の作成(公文書管理法4条)
② 整理:行政文書の分類,名称付与,保存期間が満了する日等の設定,行政文書ファイル化,保存期間が満了した時の措置(移管又は廃棄)の設定(レコードスケジュール)(公文書管理法5条及び7条)
③ 保存:保存期間が満了する日まで,適切に保存(公文書管理法6条)
④ 移管又は廃棄:保存期間満了後,レコードスケジュールに従って移管又は廃棄する。廃棄する場合,内閣総理大臣の同意が必要となる(公文書管理法8条)。
イ 行政機関の長は,行政文書の管理状況について,毎年度,内閣総理大臣に報告する(公文書管理法9条)。
ウ 行政機関の長は,公文書管理委員会の調査審議,内閣総理大臣の同意を得て行政文書管理規則を策定する(公文書管理法10条)。
エ 公文書管理に問題がある場合,内閣総理大臣は報告・資料提出要求,実地調査,勧告等ができる(公文書管理法9条及び31条)。
(2) 法人文書の管理
独立行政法人等の文書について,行政機関に準じて適正に管理する(公文書管理法11条ないし13条参照)。
(3) 国立公文書館等における特定歴史公文書等の保存・利用等
ア 特定歴史公文書は原則,永久保存(廃棄には公文書管理委員会の審議、内閣総理大臣の同意が必要)(公文書管理法15条1項)
イ 個人情報の漏えい防止などの適切な保存,目録の公表(公文書管理法15条2項ないし4項及び16条)
ウ 国民は,情報公開法類似の利用請求が可能(公文書管理法16条)。国立公文書館等には,利用促進の努力義務がある(公文書管理法23条)。
エ 保存及び利用状況を毎年度内閣総理大臣に報告する(公文書管理法26条)。
(4) 公文書管理委員会
内閣総理大臣任命により内閣府に設置され,各行政機関の行政文書管理規則,勧告等について調査審議する(公文書管理法28条ないし30条)。
2(1) 公文書管理法では,公文書等は,現用段階の行政文書及び法人文書のほか,非現用となって国立公文書館等に移管された後の特定歴史公文書等を包摂した概念となっています。
(2) 公文書等には,立法機関の文書及び司法機関の文書が含まれていませんから,国の機関におけるすべての公文書を含んだものにはなっていません。
3 公文書管理法は,行政文書が作成又は取得され,それが整理され,保存され,保存期間が満了した時に移管又は廃棄されるという,現用文書の管理全般について定めています。
そして,行政機関情報公開法及び独立行政法人情報公開法が定めている情報開示請求制度,情報提供制度は現用文書の利用の一部と見ることができます。
目次
第1 離婚に伴う財産分与と税金の全体像
1 財産分与を「する側」と「受ける側」で課される税金は異なる
2 財産分与の3つの性質(清算的・扶養的・慰謝料的)
3 財産分与に関係する税金の一覧
第2 過大な財産分与を受けた場合の贈与税
1 財産分与に贈与税は原則として課されない
(1) 分与義務の消滅という経済的利益
(2) 過大な財産分与と詐害行為取消し
2 例外的に贈与税が課される場合
(1) 分与が過大な場合(過当部分)
(2) 租税回避を目的とする離婚(偽装離婚)
3 税務当局の説明
(1) 相続税基本通達9-8
(2) 国税不服審判所の裁決と裁判例
在日韓国・朝鮮人の相続人調査では,日本の戸籍調査と異なり,被相続人の死亡時の国籍・地域及び準拠法を先に確定した上で,韓国の除籍謄本・家族関係登録事項別証明書,日本の外国人登録原票・住民票・届書記載事項証明書等を相互に照合する必要があります。
とりわけ,在留カード等の国籍・地域欄の「朝鮮」は国籍を表示するものではなく,韓国法,北朝鮮法又はその他の法のいずれが本国法となるかは,別途の認定を要します。韓国の家族関係登録簿に記載漏れや誤記がある可能性もあるため,一通の証明書だけで相続人を確定してはなりません。
本記事では,債権者代理人等の立場から,資料の集め方,第三者取得の限界,相続放棄・限定承認の有無の確認,相続財産管理人・相続財産清算人の使い分け及び韓国法が適用される場合の相続順位・放棄を順に整理します。
目次
第1 総論
1 韓国の家族関係登録制度開始までの沿革
2 韓国の除籍謄本
3 韓国の家族関係証明書
第2 在日韓国人の家族関係登録に関するメモ書き
1 在日韓国人の家族関係登録簿の整理
2 在日韓国人の家族関係登録創設(旧「就籍」)
3 在日韓国人の戸籍の問題点
4 在日韓国人の住民登録番号及び在外国民住民登録
第3 弁護士による在日韓国人の相続人調査には限界があること
1 平成24年7月9日付で廃止された外国人登録法に基づく外国人登録原票
2 弁護士が行える在日韓国人の相続人調査の方法
3 弁護士が行える在日韓国人の相続人調査の限界
4 家族関係証明書の取得制限及びそれに伴う不都合
5 第3順位の相続人が発生した場合において,債権者から見た場合の相続人調査が完了となるケース(日本の民法が適用される場合)
6 第1順位の相続人が限定承認をすれば戸籍の問題は顕在化しないこと
第4 相続財産管理人又は相続財産清算人を通じた調査及びその選任申立ての方法
1 現行法上の制度選択と旧法資料の読み方
2 民法952条の相続財産清算人の選任申立て(以下の引用は旧法下の実務)
3 相続財産管理人又は相続財産清算人の選任申立てに要する費用及び予納金
4 その他
第5 国籍欄が「朝鮮」の人の位置づけ
1 国籍欄に「朝鮮」と記載されていても、実際には韓国籍を有している可能性があること
第1 私道を判断する四つの視点1 土地の所有関係2 建築基準法上の道路3 道路交通法上の道路4 私法上の通行権第2 私道を通行する法的根拠1 所有権,共有持分及び契約2 公道に至るための他の土地の通行権3 土地の分割又は一部譲渡による通行権4 通行地役権第3 位置指定道路・2項道路の通行妨害1 位置指定道路における通行利益2 2項道路と自動車通行3 妨害排除を検討するときの資料第4 2項道路とセットバック1 2項道路の要件と指定2 セットバックの範囲3 道路後退部分の所有と利用制限4 指定道路図だけで確定しないこと第5 ライフライン工事と共有私道の管理1 設備設置権・設備使用権2 承諾書と自力執行の限界3 共有私道の補修・舗装・変更第6 私道上の駐車と自動車の保管1 道路交通法上の道路に当たるか2 残余幅員と駐車規制3 車庫法上の保管場所4 放置違反金納付命令を反復した場合第7 私道の固定資産税・都市計画税1 地方税法上の非課税2 東京都23区と大阪市の取扱い第8 私道に接する不動産を取得する前の確認事項1 登記・行政資料・現地の照合2 重要事項説明と契約条件第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公的資料4 文献
第1 私道を判断する四つの視点
私道とは,国又は地方公共団体ではなく,個人,法人その他の私人が所有する道路状の土地をいう。ただし,私道をめぐる法律問題では,土地の所有関係,建築基準法上の道路,道路交通法上の道路及び私法上の通行権を区別しなければならない。本記事では,私道の通行,2項道路,セットバック,ライフライン工事,共有者による管理,駐車規制,固定資産税及び不動産取引時の確認事項をこの順序で整理する。
1 土地の所有関係
最初に,私道部分の地番,登記名義人,共有持分,担保権,相続登記の有無及び現実の管理者を確認する必要がある。道路のように見える土地であっても,所有者が一人の場合,複数人の共有の場合,各沿道所有者が細長い土地を単独所有する場合及び宅地の一部が道路として利用されている場合では,工事や管理について同意を得る相手が異なる。
2 建築基準法上の道路
建築基準法上の道路には,道路法による道路のほか,同法42条1項3号の既存道路,同項5号の位置指定道路,同条2項の道路(以下「2項道路」という。)等がある。私人が所有する土地でも建築基準法上の道路となり得る一方,私道であるというだけでは同法上の道路にならない。
建築基準法上の道路指定は,接道義務,道路内建築制限その他の公法上の規制を生じさせる。しかし,その指定だけで,沿道所有者に通行地役権,賃借権その他の私法上の通行権が当然に与えられるわけではない。
3 道路交通法上の道路
道路交通法2条1項1号の道路には,道路法上の道路等のほか,「一般交通の用に供するその他の場所」が含まれる。私有地であっても,不特定の人又は車両が自由に通行できる客観的状態にあれば,道路交通法上の道路となり得る。他方,建築基準法上の道路であることだけから,道路交通法上の道路であると直ちに判断することはできない。
4 私法上の通行権
私道を通行する法的根拠には,私道自体の所有権又は共有持分,契約上の通行権,公道に至るための他の土地の通行権,通行地役権及び位置指定道路等における人格権的権利がある。根拠となる権利が異なれば,通行できる場所と方法,自動車通行の可否,対価,期間,登記及び第三者への対抗関係も異なる。
第2 私道を通行する法的根拠
1 所有権,共有持分及び契約
私道の所有者又は共有者は,所有権又は共有持分を基礎として私道を利用できる。ただし,共有者による利用は他の共有者の持分に応じた使用を妨げない範囲に限られ,利用方法について共有者間の合意又は管理上の決定が問題となることがある。
売買契約,分譲時の合意,賃貸借,使用貸借又は通行承諾によって通行できる場合もある。契約に基づく場合は,徒歩と車両の別,利用者の範囲,通行場所,対価,期間,撤回条件,承継及び登記の有無を契約書と従前の利用状況から確認する必要がある。
2 公道に至るための他の土地の通行権
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は,公道に至るため,その土地を囲む他の土地を通行できる(民法210条1項)。池沼,河川,水路若しくは海を通らなければ公道に至れない場合又は崖によって土地と公道とに著しい高低差がある場合も同様である(同条2項)。この権利は,現在の条文見出しに即して「公道に至るための他の土地の通行権」と呼ばれ,実務上は袋地通行権又は旧称の囲繞地通行権とも呼ばれる。
通行の場所及び方法は,通行権者のために必要であり,かつ,他の土地に与える損害が最も少ないものを選ばなければならない(民法211条1項)。通行権者は原則として損害に対する償金を支払う(民法212条)。既存の通路があるか,徒歩だけで生活できるか,車両の必要性があるか,代替経路があるか及び承役地の利用にどの程度の支障が生じるかが具体的な通行方法を左右する。
最高裁昭和49年4月9日第三小法廷判決は,建築基準法上の接道規定を通路幅の判断資料とすることを認めた。他方,最高裁平成11年7月13日第三小法廷判決は,建築基準法43条の接道要件を満たす幅員の通路が当然に認められるものではないことを示した。民法上の通行権の目的と建築基準法上の接道義務の目的が異なるためである。
自動車通行について,最高裁平成18年3月16日第一小法廷判決は,自動車通行の必要性,周辺土地の状況及び他の土地所有者が受ける不利益等を総合考慮するとした。袋地であることだけから,自動車の通行又は建築可能な幅員まで当然に認められるわけではない。
3 土地の分割又は一部譲渡による通行権
目次
第1 自動車運送事業の種類
第2 旅客運送及び貨物運送に関する標準運送約款
第3 自動車事故報告書等
第4 自動車運送事業者に対する,飲酒運転関係の規制
第5 事業用自動車と任意保険
第6 事業報告書及び輸送実績報告書
第7 事業用トラックと自家用トラック
第8 貸切バス事業者に対する行政処分の厳格化
第9 宅配便
第10 引越
第11 運送事業者に対する行政処分
第12 自動車事故報告書等
第13 関連記事その他
第1 自動車運送事業の種類
1 自動車運送事業は有償で行うものに限られますところ,具体的には以下のものがあります。
(1) 旅客自動車運送事業(道路運送法3条ないし43条)
ア 一般旅客自動車運送事業(道路運送法3条1号)
(a) 一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法3条1号イ,4条)
→ 例えば,路線バスがあります。
(b) 一般貸切旅客自動車運送事業(道路運送法3条1号ロ,4条)
→ 例えば,貸切バスがあります。
(c) 一般乗用旅客自動車運送事業(道路運送法3条1号ハ,4条)
→ 例えば,タクシー及びハイヤーがありますところ,後者は,前者と異なり,街角での流し営業及びホテル等での付け待ちを行うことができず,運送の引受けを必ず営業所で行う(=営業所を拠点に予約の上で利用される)必要があります(タクシー業務適正化特別措置法2条2項参照)。
イ 特定旅客自動車運送事業(道路運送法3条2号,43条)
→ 特定の者の需要に応じ,一定の範囲の旅客を運送する旅客自動車運送事業をいい,例えば,(a)スクールバス,(b)工場との間の通勤バス,及び(c)介護施設との間の介護輸送バスがあります。
(2) 貨物自動車運送事業(道路運送法46条参照)
ア 一般貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法2条2項)
→ 例えば,(a)トラック運送,(b)宅配便,(c)バイク便,(d)自転車便及び(e)霊柩車があります。
目次
1 借地契約における通常の地代
2 借地契約の権利金の認定課税
3 借地権に関する相場
4 借地権の鑑定評価
5 借地非訟事件の書式例
6 関連記事その他
1 借地契約における通常の地代
(1) 借地契約の場合,通常の地代は,土地の価額×(1-借地権割合)×6%で計算し,相当の地代(法人税法施行令137条,法人税基本通達13-1-2)は,土地の価額×6%で計算します(税理士法人チェスターHPの「通常の地代、相当の地代とは。借地権評価に絶対必須の概念。」参照)。
(2) 借地権割合は,国税庁HPの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」に載っています。
2 借地契約の権利金の認定課税
(1) こまったときのこすぎのかいけいHPの「借地権」に借地権に関する課税関係が表形式でまとめられています。
(2) 借地契約の権利金の認定課税の例外として以下の制度があります(相続・税理士相談室HPの「使用貸借・相当の地代・無償返還とは何ですか?」参照)。
① 昭和38年制定の「相当の地代」通達
・ 相当の地代(年6%)を計算する場合における土地の価額は,相続税評価額でもいいです(国税庁HPのタックスアンサー「No.5732 相当の地代及び相当の地代の改訂」参照)。
② 昭和48年11月1日制定の「使用貸借」通達
・ 個人間の契約にだけ適用されます。
③ 昭和55年創設の無償返還届出制度(法人税基本通達13-1-7)
・ 貸主又は借主の一方又は双方が法人である場合にだけ適用されます。
・ 国税庁HPに「[手続名]土地の無償返還に関する届出」が載っています。
(3) 貸主が個人であり,借主が法人である場合,③無償返還方式+賃貸借契約(固定資産税の2倍~3倍の地代を支払う契約)がお勧めみたいです(相続・税理士相談室HPの「「土地の無償返還に関する届出書」とは何ですか?」参照)。
これに対して貸主が法人であり,借主が個人である場合,相当の地代よりも低い地代を設定したとき,法人には源泉所得税が,個人には給与所得が発生します。
また,貸主及び借主が法人である場合,相当の地代よりも低い地代を設定したとき,貸主法人に寄付金課税が発生します。
(4) 最高裁昭和45年10月23日判決は以下の判示をしています。
原判決(その引用する第一審判決を含む。)の確定するところによれば、第二次大戦以前においては、土地賃貸借にあたつて権利金が授受される例は少なく、また、その額も比較的低額で、これを地代の一部と解しても不合理ではないようなものであつたし、土地賃借権の売買もそれほど広く行なわれてはいなかつた、そして、昭和二五年法律第七一号による旧所得税法の改正によつて、再度、不動産所得という所得類型が定められた当時も、立法上特別の考慮を促すほどには権利金授受の慣行は一般化していなかつた、ところが、比較的近時において、土地賃貸借における権利金授受の慣行は広く一般化し、その額も次第に高額となり、借地法等による借地人の保護とあいまつて土地所有者の地位は相対的に弱体化し、多くの場合、借地権の譲渡の承認や期間の更新を事実上拒み得ず、土地賃借権の価格も著しく高額となつた、そして、借地権の設定にあたり借地権の価格に相当するものが権利金として授受されるという慣行が、東京近辺の都市において特に多く見られ、その額も、土地所有権の価格の半額を上廻る場合が少なくない、というのである。
借地権の使用貸借には注意を!
親が借りている借地に無料で子が家を建てた場合、借地権が贈与されたものとなり、多額の贈与税が発生する可能性があります。
目次
第1 総論
第2 宗教法人法81条1項所定の解散事由
第3 宗教法人「オウム真理教」に対する解散命令及び破産宣告
1 最高裁平成8年1月30日決定の判示内容
2 オウム真理教に対する解散命令
3 オウム真理教の始まりから破産宣告に至るまでの経緯
第3の2 宗教法人「明覚寺」に対する解散命令
第4 宗教法人の解散命令の効果
第5 宗教法人法81条と同趣旨とされた旧商法58条
1 最高裁平成8年1月30日決定の判示内容
2 旧商法58条の条文
3 会社法824条の条文
4 その他
第5の2 宗教法人に対する報告徴収・質問権
1 宗教法人法78条の2の条文
2 報告徴収・質問権を行使する際の一般的な基準
第6 霊感商法
第7 全国霊感商法対策弁護士連絡会
第8 オウム真理教に対する破防法に基づく解散指定処分の請求,及び団体規制法に基づく観察処分
1 オウム真理教に対する破防法に基づく解散指定処分の請求
2 オウム真理教に対する団体規制法に基づく観察処分
第9 宗教法人法の条文
1条(この法律の目的)
43条(解散の事由)
85条(解釈規定)
第10 関連記事その他
第1 総論
1 宗教法人の解散命令は宗教法人法81条1項に基づく制度です。
目次
第1 ガス爆発事故を検討する順序
1 本記事の対象
2 漏えい・滞留・着火・被害拡大を分ける
3 責任判断の四つの軸
4 郡山飲食店爆発事故判決が示すもの
第2 事故直後の初動
1 救命と二次爆発の防止
2 初動体制と情報の一元化
3 現物と電子記録を同時に保全する
4 負傷者の診療記録
第3 証拠保全と原因立証
1 事故時系列と争点表を先に作る
第1 本記事の範囲と,新旧民法の適用関係
1 本記事が扱う範囲
2 時効に関する経過措置
第2 消滅時効の期間
1 債権の消滅時効の原則と短期消滅時効の廃止
2 生命又は身体の侵害に関する特則
3 判決で確定した権利
4 分野別の時効期間
第3 契約その他の債権の起算点
1 契約不適合責任・瑕疵担保責任
2 保険金
3 放送受信料
目次
第1 本記事の対象
第2 業務規定の変遷
第3 司法代書人法から登記・供託手続の代理まで
1 大正8年の司法代書人法
2 昭和25年の全部改正
3 昭和42年及び昭和53年の改正
第4 認定司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務
1 平成14年法律第33号
2 90万円から140万円への引上げ
3 平成16年及び平成17年の追加改正
第5 令和元年改正と民事訴訟手続のデジタル化
1 令和元年法律第29号
目次
第1 司法書士資格の変遷を理解するための前提
1 資格取得,登録及び簡裁代理能力認定の違い
第2 代書人から司法書士への変遷
1 明治5年の司法職務定制
2 大正8年の司法代書人法
3 昭和10年の司法書士への改称
第3 戦後の資格・登録制度
1 昭和25年司法書士法
2 昭和31年改正と全国統一認可試験
3 昭和42年改正による法人格の付与
4 昭和53年改正による国家試験と法務大臣認定
5 昭和60年改正による登録事務の移管
1 日本の戦後処理に関する記事として以下のものを掲載しています。
(総論)
① 日本の戦後賠償の金額等
② 類型ごとの戦後補償裁判に関する最高裁判例
(日本人関係)
③ 在外財産補償問題
(外国人関係)
④ 平和条約における請求権放棄条項に関する3つの説及び最高裁判例
⑤ 最高裁平成19年4月27日判決が判示するところの,サンフランシスコ平和条約の枠組みにおける請求権放棄の趣旨等
⑥ 日韓請求権協定
⑦ 在日韓国・朝鮮人及び台湾住民の国籍及び在留資格
⑧ 日中共同声明,日中平和友好条約,光華寮訴訟,中国人の強制連行・強制労働の訴訟等
2 以下の記事も参照してください。
① 在日米軍基地
② 軍用地投資
③ ドイツの戦後補償
目次
第1 日本の戦後賠償はいくらか
1 結論
(1) 純粋な賠償額
(2) 広義の戦後処理総額
2 金額を読む際の3つの注意点
(1) 異なる法的性質の金額を合算しないこと
(2) 在外財産は現金支払額ではないこと
(3) 現在価値への単純換算を避けること
3 戦後賠償,戦後補償及び戦後処理の区別
(1) 戦後賠償
(2) 戦後補償及び戦後処理
第2 4か国に対する純粋な賠償
1 国別の金額
目次第1 訴訟上の相殺の抗弁と既判力1 訴訟上の相殺の抗弁の意義2 判決理由中の判断に既判力が生ずる唯一の例外3 既判力が生ずる範囲4 既判力が生じない場合と審理の順序第2 相殺の抗弁が許されるとされた最高裁判例1 一部請求の残部を自働債権とする相殺2 反訴請求債権を自働債権とする相殺3 時効消滅した本訴請求債権を自働債権とする相殺4 本訴請求債権を自働債権とし反訴請求債権を受働債権とする相殺第3 相殺の抗弁が許されないとされた最高裁判例1 別訴で訴訟物となっている債権を自働債権とする相殺2 訴訟上の相殺の再抗弁(1) 最高裁平成10年4月30日判決(2) 訴訟外の相殺は再抗弁として主張できる3 抗弁先行型の扱い第4 一部請求における相殺の充当と既判力第5 相殺の抗弁と上訴1 相殺の抗弁により勝訴した被告の上訴の利益2 不利益変更禁止の原則第6 相殺の担保的機能と第三者との関係1 差押えと相殺2 債権譲渡と相殺3 抵当権に基づく物上代位と相殺第7 倒産手続における相殺1 破産手続2 民事再生手続3 三者間相殺第8 実体法上の相殺の要件及び制限1 相殺適状2 相殺が禁止される場合3 賃金債権を受働債権とする相殺第9 訴訟上の相殺の抗弁の法的性質第10 基準時後の相殺と請求異議の訴え第11 訴訟上の相殺の抗弁に関する参考答案第12 関連記事出典法令裁判例文献ウェブ資料第1 訴訟上の相殺の抗弁と既判力1 訴訟上の相殺の抗弁の意義
訴訟上の相殺の抗弁とは,被告が口頭弁論において自己の債権(自働債権)を相殺に供することにより,原告の主張する債権(受働債権)を対当額で消滅させ,原告の請求を理由のないものとする抗弁をいう。相殺の意思表示そのものは民法505条1項に基づく実体法上の行為であるが,これを訴訟の場で防御方法として提出する点に特殊性がある。なお,民訴法114条2項が既判力を認める「相殺のために主張した請求」は,訴訟の場で相殺の意思表示をした場合に限られず,訴訟外で既にした相殺を訴訟上主張した場合も含まれると解されている。既判力を認める趣旨は,いずれの場合にも等しく妥当するからである。
2 判決理由中の判断に既判力が生ずる唯一の例外
既判力は,本来,判決主文に包含するものに限って生ずる(民訴法114条1項)。判決理由中でされる前提問題の判断に既判力が生じないのは,当事者間の紛争解決としてはそれで足りること,理由中の判断については当事者の手続保障が十分でない場合があること,及びそのように解することが審理の簡易化・弾力化に資することによる。
これに対し,民訴法114条2項は「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は,相殺をもって対抗した額について既判力を有する」と定め,判決理由中の判断に既判力を生じさせる例外を置いている。相殺の抗弁は,訴求債権とは別個の,それ自体が訴訟物となり得る反対債権を持ち出すものであって,いわば反訴に近い機能を有する。そのため,これに既判力を認めておかないと,訴求債権をめぐる紛争が反対債権をめぐる紛争として蒸し返され,判決による紛争解決の実効性が失われる。最高裁も,同項について「判決の理由中の判断に既判力を生じさせる唯一の例外を定めたものである」と述べ,その適用範囲を無制限に拡大することは相当でないとしている(最高裁平成10年4月30日判決・民集52巻3号930頁)。
3 既判力が生ずる範囲
既判力が生ずるのは「相殺をもって対抗した額について」であり,このことは相殺の抗弁が排斥された場合であると認容された場合であるとを問わない。反対債権が存在しないとして相殺の抗弁が排斥された場合には,敗訴した被告が後に反対債権を主張することを防ぐため,対抗額の限度で反対債権の不存在について既判力が生ずる。
反対債権が存在するとして相殺の抗弁が認容され,原告の請求が棄却された場合については,同じく反対債権の不存在についてのみ既判力が生ずるとするのが一般的な理解である。基準時における権利関係の存否を確定するのが既判力の作用であるところ,訴求債権及び反対債権が存在したことは基準時前の事由であって確定の対象とならないうえ,反対債権の不存在についてのみ既判力を認めれば,原告からの「反対債権は初めから存在しなかった」とする不当利得返還請求は請求棄却判決の既判力によって,被告からの「訴求債権は別の理由で存在しなかった」とする不当利得返還請求は反対債権不存在の既判力によって,それぞれ封じることができるからである。もっとも,訴求債権と反対債権がともに存在し相殺によって消滅したことについて既判力が生ずるとする有力な見解もあり,この点は決着をみていない。
4 既判力が生じない場合と審理の順序
相殺の抗弁が弁論に上程されれば常に既判力が生ずるわけではなく,既判力が生ずるのは,裁判所が反対債権の存否を実質的に審理判断した場合に限られる。具体的には,相殺の抗弁が時機に後れた攻撃防御方法として却下された場合(民訴法157条1項),相殺適状の要件(民法505条)を欠く場合,及び受働債権が民法509条所定の債権であるために相殺が許されない場合には,反対債権の存否についての判断はされないから,既判力は生じない。
相殺の抗弁の判断に既判力が生ずることは,審理の順序にも影響する。弁済や免除の抗弁であれば,訴求債権の存在を仮定したまま抗弁を認めて請求を棄却してもよい。抗弁についての判断が理由中の判断にとどまり既判力を生じない以上,被告にとってはいかなる理由で勝訴しても利害に差がないからである。これに対し,相殺の抗弁については,訴求債権の存在を仮定したまま相殺を認めて請求を棄却することは許されない。被告は,相殺が容れられて勝訴しても反対債権を失うという出捐を伴うからであり,裁判所は,他の抗弁を先に判断し,なお訴求債権が存在すると確定した後に,はじめて相殺の抗弁を判断することになる。この意味で,相殺の抗弁は性質上予備的な抗弁である。
第2 相殺の抗弁が許されるとされた最高裁判例1 一部請求の残部を自働債権とする相殺
一個の債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えを提起している場合において,当該債権の残部を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは,債権の分割行使をすることが訴訟上の権利の濫用に当たるなど特段の事情の存しない限り,許される(最高裁平成10年6月30日判決・民集52巻4号1225頁)。明示的一部請求の訴訟物は当該一部に限られ,残部は別訴の訴訟物となっていないから,後記第3の1の判例法理が及ばないという理解である。
2 反訴請求債権を自働債権とする相殺
本訴及び反訴が係属中に,反訴原告が,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは,異なる意思表示をしない限り,反訴を,反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分を反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更するものとして,許される(最高裁平成18年4月14日判決・民集60巻4号1497頁)。反訴請求債権は反訴の訴訟物であるから,形式的には後記第3の1の場面に当たるが,反訴を予備的反訴に変更するものと構成することによって既判力の抵触を避け,同一手続内での清算を認めた点に意義がある。
3 時効消滅した本訴請求債権を自働債権とする相殺
本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許される(最高裁平成27年12月14日判決・民集69巻8号2295頁)。この相殺の抗弁は,本訴請求債権が時効消滅すると判断されることを前提とする仮定的な抗弁であって,本訴請求が認容される限りそもそも判断の対象とならないという特殊性がある。実体法上の根拠は,時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には相殺をすることができるとする民法508条である。
4 本訴請求債権を自働債権とし反訴請求債権を受働債権とする相殺
請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし,他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に,本訴原告が,反訴において,上記本訴請求債権を自働債権とし,上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許される(最高裁令和2年9月11日判決・民集74巻6号1693頁)。注文者の請負代金支払義務と請負人の目的物引渡義務とが対価的牽連関係に立つことからすれば,これらの債権については相殺による清算的調整が期待されるという実質的理由による。前記2が被告側からの相殺であったのに対し,本判決は原告側からの相殺を認めたものであり,両者を併せると,本訴・反訴が対向する場面では双方向の相殺が可能となる。
第3 相殺の抗弁が許されないとされた最高裁判例1 別訴で訴訟物となっている債権を自働債権とする相殺
係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは許されない(最高裁昭和63年3月15日判決・民集42巻3号170頁,最高裁平成3年12月17日判決・民集45巻9号1435頁)。別訴が先行し相殺の抗弁が後から提出される類型であることから,抗弁後行型と呼ばれる。
平成3年判決は,その理由を,重複起訴を禁止する規定(現行の民訴法142条。同判決当時は旧民訴法231条)の趣旨から説明する。すなわち,重複起訴禁止の理由は,審理の重複による無駄を避けることと,複数の判決において互いに矛盾した既判力ある判断がされるのを防止することにあるところ,相殺の抗弁について提出された自働債権の存否の判断は相殺をもって対抗した額について既判力を有するとされていること,及び相殺の抗弁の場合にも自働債権の存否について矛盾する判決が生ずるのを理論上も実際上も防止することが困難であることを考えると,同条の趣旨は,同一債権について重複して訴えが係属した場合のみならず,既に係属中の別訴において訴訟物となっている債権を他の訴訟において自働債権として相殺の抗弁を提出する場合にも同様に妥当する,というのである。そして同判決は,「このことは右抗弁が控訴審の段階で初めて主張され,両事件が併合審理された場合についても同様である」と述べており,実際の事案も,同一の高等裁判所の同一部で併合審理中の別事件の訴求債権を自働債権とする相殺が主張されたものであった。すなわち,併合審理されていることは,この判例法理を回避する理由にならない。
なお,昭和63年判決は,賃金の仮払を命ずる仮処分の執行に係る仮払金の返還請求訴訟において,仮処分債権者が本案訴訟で訴求中の賃金債権を自働債権とする相殺の抗弁を提出することは許されないとしたものである。仮払金の返還をめぐる法律関係については,残業代請求訴訟における仮執行宣言に基づく仮払い後の取扱いも参照されたい。
2 訴訟上の相殺の再抗弁(1) 最高裁平成10年4月30日判決
被告による訴訟上の相殺の抗弁に対し,原告が訴訟上の相殺を再抗弁として主張することは,不適法として許されない(最高裁平成10年4月30日判決・民集52巻3号930頁)。同判決は,その理由として三点を挙げている。①訴訟上の相殺の意思表示は,当該訴訟において裁判所により相殺の判断がされることを条件として実体法上の効果が生ずるものであるから,相殺の抗弁に対して更に相殺の再抗弁を主張することを許すと,仮定の上に仮定が積み重ねられて当事者間の法律関係を不安定にし,いたずらに審理の錯雑を招くこと,②原告が訴訟物である債権以外の債権を有するのであれば,訴えの追加的変更により当該訴訟で請求するか,別訴を提起することによってこれを行使することが可能であり,仮に消滅時効が完成しているような場合であっても訴訟外で相殺の意思表示をした上でこれを訴訟において主張することができるから,訴訟上の相殺の再抗弁を許さなくとも格別不都合はないこと,③民訴法114条2項は判決理由中の判断に既判力を生じさせる唯一の例外を定めたものであり,その適用範囲を無制限に拡大することは相当でないこと,である。
(2) 訴訟外の相殺は再抗弁として主張できる
もっとも,同判決は,右の①の理由を述べる前提として,「訴訟外において相殺の意思表示がされた場合には,相殺の要件を満たしている限り,これにより確定的に相殺の効果が発生するから,これを再抗弁として主張することは妨げない」と明示している。訴訟外の相殺は裁判所の判断を条件とせず確定的に効力を生ずるため,仮定の上に仮定を重ねるという弊害が生じないからである。したがって,禁じられているのはあくまで訴訟上の相殺を再抗弁として主張することであって,相殺の抗弁に供された債権が訴訟外の相殺によって既に消滅したという主張は,再抗弁として適法である。
この理解を実際に適用した下級審裁判例として,東京地方裁判所令和3年2月17日判決(令和元年(ワ)第28852号・受信料請求事件)がある。被告が別件訴訟で取得した訴訟費用償還請求権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁を主張したのに対し,原告が,訴訟外で,自らの訴訟費用償還請求権を自働債権とし被告の同請求権を受働債権とする相殺の意思表示をしたという事案で,同判決は,原告の訴訟外の相殺の再抗弁を適法とし,被告が訴訟上の相殺に供した自働債権は口頭弁論終結時には既に消滅しているとして相殺の抗弁を排斥した。判決は,被告が平成10年最高裁判決の趣旨に照らして不適法であると主張したのに対し,「訴訟外において相殺の意思表示がされた場合には,相殺の要件を満たしている限り,これにより確定的に相殺の効果が発生するのであるから,訴訟上の相殺の抗弁に対して訴訟外の相殺を再抗弁として主張したとしても,仮定の上に仮定が積み重ねられて審理の錯雑を招くという事態に陥るおそれはなく,平成10年最高裁判決も同旨であることが明らかである」と判示した。同判決は裁判所ウェブサイトの裁判例検索では確認できず,判例秘書(LLI/DB判例秘書登載)で全文を確認した。
もっとも,この結論には検討の余地がある。同一の自働債権・受働債権について同一の時期に同一の目的でされる相殺であるにもかかわらず,訴訟上でされれば不適法,訴訟外でされれば適法という正反対の帰結になるからである。学説には,相殺の意思表示が訴訟外でされたか訴訟上でされたかという外形で区別するのではなく,訴訟とは無関係にされた相殺と,訴訟係属後に当該訴訟で主張することを目的としてされた相殺とを区別し,後者には訴訟上の相殺と同じ規律を及ぼすべきであるとする指摘がある。
この東京地方裁判所判決については,次のとおり紹介されている。
φ(..)メモメモ
東京地判R3.2.17https://t.co/cqaUyNmhgq
訴訟上の相殺の抗弁に対し、訴訟外で相殺の意思表示をし、これを訴訟上再抗弁として主張することは許される(H10最判に反しない)。
— venomy (@idleness_venomy) May 12, 2023
3 抗弁先行型の扱い
前記1と逆に,既に別訴で相殺の抗弁として用いている債権を後から訴訟物として請求する類型(抗弁先行型)については,最高裁判例はない。学説では,相殺の抗弁は予備的抗弁として他の防御方法の後に審理されるため,そもそも審理されるかどうかが不確実であり,民訴法114条2項による既判力が生ずるかも不確実であるから,同法142条は類推適用されないとする見解が有力である。もっとも,抗弁先行型では別訴が許されず抗弁後行型では別訴での相殺の抗弁提出が許されるという組合せを採ると,まず抗弁を撤回し,次に別訴を提起し,その上で先の訴訟で改めて相殺の抗弁を提出するという脱法的な訴訟戦術が生じうることが指摘されている。なお,相殺の抗弁の撤回は単なる攻撃防御方法の撤回であり,相手方の同意を要しないと解されている。
第4 一部請求における相殺の充当と既判力
特定の金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺の抗弁が理由がある場合には,当該債権の総額を確定し,その額から自働債権の額を控除した残存額を算定した上,請求額が残存額の範囲内であるときは請求の全額を,残存額を超えるときは残存額の限度でこれを認容すべきである(最高裁平成6年11月22日判決・民集48巻7号1355頁)。相殺を債権総額の外側から充当するという意味で外側説と呼ばれる。同判決は併せて,一部請求訴訟において相殺のため主張された自働債権の存否の判断は,当該金銭債権の総額から一部請求の額を控除した残額部分に対応する範囲については既判力を生じないと判示しており,第1の3で述べた「相殺をもって対抗した額」の意味を一部請求の場面で具体化したものといえる。
一部請求をめぐっては,金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは,特段の事情がない限り,信義則に反して許されないとした判例もある(最高裁平成10年6月12日判決・民集52巻4号1147頁)。同じ年に,一部請求の残部を自働債権とする相殺は許されるとした前記第2の1の判例が出ている。両者は矛盾するものではなく,残部について訴えを提起して勝訴判決(債務名義)を得ることと,残部を防御方法として用いて請求棄却判決を得ることとを区別し,前者を信義則で制限しつつ後者は認めた,と整理することができる。
第5 相殺の抗弁と上訴1 相殺の抗弁により勝訴した被告の上訴の利益
被告が弁済や免除の抗弁により勝訴した場合には,申立てどおりの請求棄却判決がされている以上,上訴の利益は認められない(形式的不服説)。これに対し,相殺の抗弁によって勝訴した場合には,被告は反対債権を失うという出捐を伴い,実質的には敗訴判決を受けたに等しい。相殺の抗弁の判断には既判力が生ずるため,後訴でその点を争うこともできない。そこで,この場合には例外的に上訴の利益が認められると解されている。
2 不利益変更禁止の原則
もっとも,上訴した結果として被告が常に有利になるわけではない。原告の訴求債権の存在を認めながら被告の相殺の抗弁を容れて原告の請求を棄却した第一審判決に対し,原告のみが控訴し,被告が控訴も附帯控訴もしなかった場合において,控訴審が,被告の相殺の抗弁について判断するまでもなく訴求債権の不存在を理由に原告の請求を棄却すべきときは,不利益変更禁止の原則に従い,第一審判決を維持して原告の控訴を棄却するにとどめなければならない(最高裁昭和61年9月4日判決・集民148号417頁)。控訴した原告にとって,反対債権不存在の既判力が失われる判決は第一審判決より不利益となるからである。
これと表裏の場面として,訴求債権が存在しないとして請求を棄却した第一審判決に対し,控訴審が訴求債権は存在するが反対債権による相殺が成り立つと判断する場合には,同じ請求棄却でも既判力の範囲が民訴法114条1項によるか同条2項によるかで異なるから,第一審判決を取り消して改めて控訴審の判決をすべきであるとされている。相殺の抗弁が絡む場合には,主文が同じでも判決の効力が異なりうることに注意を要する。
第6 相殺の担保的機能と第三者との関係
相殺には,相手方の資力が悪化しても自働債権を実質的に回収できるという担保的機能がある。この機能を第三者に対してどこまで対抗できるかが,以下の各場面で問題となる。
1 差押えと相殺
債権が差し押えられた場合において,第三債務者が債務者に対して反対債権を有していたときは,その債権が差押後に取得されたものでない限り,反対債権及び被差押債権の弁済期の前後を問わず,両者が相殺適状に達しさえすれば,第三債務者は差押後においても相殺をすることができる(最高裁昭和45年6月24日大法廷判決・民集24巻6号587頁)。無制限説と呼ばれる立場であり,同判決は,債務者の信用を悪化させる一定の客観的事情が発生した場合に期限の利益を喪失させて直ちに相殺適状を生じさせる旨の合意(相殺予約)も差押債権者に対して効力を有するとした。
それ以前の最高裁昭和39年12月23日大法廷判決・民集18巻10号2217頁は,反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期より先に到来する関係にあるときに限って相殺を対抗できるとする制限説を採っていたが,昭和45年大法廷判決はこれを改めたものである。この無制限説は,平成29年法律第44号による民法改正で条文化され,現行民法511条1項は,差押えを受けた債権の第三債務者は差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが,差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができると定める。同条2項は,差押え後に取得した債権であっても差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは相殺を対抗できるとして,適用範囲を更に広げている。差押手続そのものについては,債権差押えに関するメモ書きを参照されたい。
2 債権譲渡と相殺
債務者が債権譲渡の通知を受ける前に譲渡人に対し相殺適状にある反対債権を有している場合には,譲渡通知を受けた後においても,債務者は債権譲受人に対し相殺をもって対抗することができる(最高裁昭和40年4月2日判決・民集19巻3号539頁の裁判要旨四)。この法理も平成29年改正で条文化され,現行民法469条1項は,債務者は対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができると定める。同条2項は,対抗要件具備時より後に取得した債権であっても,対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権及び譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権については同様とする。
3 抵当権に基づく物上代位と相殺
抵当不動産の賃借人は,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後においても,抵当権設定登記の前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし賃料債権を受働債権とする相殺をもって管理人に対抗することができる(最高裁平成21年7月3日判決・民集63巻6号1047頁)。同判決は,担保不動産収益執行の管理人は収益に係る給付を求める権利を行使する権限を取得するにとどまり,権利自体は所有者に帰属することを前提とする。
他方で,抵当不動産の賃借人は,抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした,抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意については,その効力を抵当権者に対抗することができない(最高裁令和5年11月27日判決・民集77巻8号2188頁。意見が付されている)。両判決を分けているのは,賃借人の債権取得が抵当権設定登記の前か後かという点であり,登記後に取得した債権については相殺への合理的期待が保護されないという評価が働いている。
第7 倒産手続における相殺
倒産手続では,相殺が有効と認められるかどうかによって,実質的に全額回収できるか配当にとどまるかという大きな差が生ずる。破産法及び民事再生法は,債権者の間の公平を図るため,一定の時期以後に負担した債務を受働債権とする相殺を禁止しており,その例外として「前に生じた原因」に基づく場合を定めている。手続一般については,倒産事件に関するメモ書きを参照されたい。
1 破産手続
請負人である破産者が,その支払の停止の前に,注文者との間で複数の請負契約を締結していた場合において,各請負契約に,請負人の責めに帰すべき事由により工期内に工事が完成しないときは注文者が契約を解除することができる旨及び同約定により解除されたときは注文者が一定額の違約金債権を取得する旨の約定があるという事実関係の下では,注文者が支払の停止を知った後に上記各約定に基づき工事が未完成の契約を解除して違約金債権を取得したことは,破産法72条2項2号にいう「支払の停止があったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たり,各違約金債権を自働債権,報酬が未払の契約に基づく各報酬債権を受働債権とする相殺は,自働債権と受働債権とが同一の請負契約に基づくものであるか否かにかかわらず許される(最高裁令和2年9月8日判決・民集74巻6号1643頁)。契約締結時点で複数契約にまたがる一括清算が予定されていたことを重視し,相殺の担保的機能に対する合理的期待を認めたものである。
他方,保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において,保証人が取得する求償権を自働債権とし,主たる債務者である破産者が保証人に対して有する債権を受働債権とする相殺は,破産法72条1項1号の類推適用により許されない(最高裁平成24年5月28日判決・民集66巻7号3123頁。補足意見が付されている)。無委託保証人には,相殺の担保的機能に対する保護されるべき期待がないという評価による。
2 民事再生手続
再生債務者が支払の停止の前に再生債権者から購入した投資信託受益権について,再生債権者が債権者代位権に基づく解約実行請求により再生債務者の支払の停止を知った後に解約金の交付を受け,これにより解約金の支払債務を負担したことは,民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるとはいえず,再生債権を自働債権とし上記支払債務に係る債権を受働債権とする相殺は許されない(最高裁平成26年6月5日判決・民集68巻5号462頁)。前記第7の1の令和2年判決と同じく相殺の合理的期待の有無で判断する枠組みを採りながら,結論を異にしたものであり,いずれも原判決を破棄している。どの場面で合理的期待が認められるかは事案ごとの評価に委ねられており,あらかじめ見通しを立てにくい領域である。
3 三者間相殺
再生債務者に対して債務を負担する者が,当該債務に係る債権を受働債権とし,自らと完全親会社を同じくする他の株式会社が有する再生債権を自働債権としてする相殺は,これをすることができる旨の合意があらかじめされていた場合であっても,民事再生法92条1項によりすることができる相殺に該当しない(最高裁平成28年7月8日判決・民集70巻6号1611頁。補足意見が付されている)。互いに債務を負担する関係にない者の間の相殺を認めることは同項の文言に反し,再生債権者間の公平・平等な扱いという基本原則を没却するというのが理由である。企業グループ全体でリスク管理をしている場合であっても結論は変わらない。
第8 実体法上の相殺の要件及び制限1 相殺適状
相殺は,二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において,双方の債務が弁済期にあるときにすることができる(民法505条1項本文)。ここでいう相殺適状について,既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要する(最高裁平成25年2月28日判決・民集67巻2号343頁)。同判決は併せて,時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺(民法508条)をするためには,消滅時効が援用された自働債権が,その消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要するとしており,前記第2の3の場面でも前提となる。時効一般については,消滅時効に関するメモ書きを参照されたい。
相殺は,当事者の一方から相手方に対する意思表示によってし,その意思表示に条件又は期限を付することはできないが,その効力は双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼって生ずる(民法506条)。訴訟上の相殺の抗弁が裁判所の判断を条件とすると解されることと同条1項後段との関係は,第9で述べる。
2 相殺が禁止される場合
相殺を禁止し又は制限する旨の当事者の意思表示は,第三者がこれを知り,又は重大な過失によって知らなかったときに限り,その第三者に対抗することができる(民法505条2項)。平成29年改正前は譲渡禁止特約と同様に善意の第三者に対抗できないとされていたが,改正により重大な過失のある第三者にも対抗できることとなった。
法律上相殺が禁止されるのは,①悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務及び人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務を受働債権とする場合(民法509条本文。ただし債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは除かれる),②差押えを禁じられた債権を受働債権とする場合(民法510条),③差押えを受けた債権について差押え後に取得した債権を自働債権とする場合(民法511条1項)である。①については,平成29年改正前は不法行為に基づく損害賠償債務一般が受働債権とされることを禁じられていたが,改正により,加害者の悪意による場合と生命・身体侵害の場合とに限定された。相殺の充当については民法512条及び512条の2が定めている。
3 賃金債権を受働債権とする相殺
労働基準法24条1項の賃金全額払の原則との関係で,労働者の賃金債権に対しては,使用者は,労働者に対して有する不法行為を原因とする債権をもってしても相殺することは許されない(最高裁昭和36年5月31日大法廷判決・民集15巻5号1482頁)。
もっとも,賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし,その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺は,過払のあった時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ,かつ,あらかじめ労働者に予告されるとかその額が多額にわたらない等労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのないものであるときは,同項に違反しない(最高裁昭和44年12月18日判決・民集23巻12号2495頁)。調整的相殺と呼ばれる。また,使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は,その同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは,同項本文に違反しない(最高裁平成2年11月26日判決・民集44巻8号1085頁)。
第9 訴訟上の相殺の抗弁の法的性質
訴訟上の相殺の抗弁は,実体法上の相殺の意思表示と訴訟上の防御方法の提出という二つの性格を併せ持つ。そのため,相殺の抗弁が時機に後れた攻撃防御方法として却下された場合,訴えが取り下げられ又は却下された場合,被告が抗弁を撤回した場合など,裁判所の判断を受けないまま訴訟が終了したときに,実体法上の相殺の効果が残るかどうかが問題となる。相殺の意思表示に条件を付することができない以上(民法506条1項後段),これをどのように説明するかが議論されてきた。
裁判実務は,裁判所が請求原因事実の存在を肯定し相殺の抗弁以外の抗弁を排斥したことを停止条件として訴訟上の相殺の意思表示が効力を持つと解しているとみられ,前記第3の2(2)の東京地方裁判所令和3年2月17日判決も,訴訟上の相殺の意思表示は「当該訴訟において裁判所により相殺の判断がされることを停止条件として実体法上の相殺の効果が生ずるものである」と明言している。これに対し学説では,裁判所が訴訟上の理由から相殺の抗弁を斟酌しない場合には相殺の実体法上の効果も事後的に消滅すると見る解除条件説が有力である。解除条件説によれば,相殺の抗弁が提出された時点でひとまず実体法上の効力が生ずるため,相殺に供された債権を受働債権とする反対相殺の再抗弁は常に実体法上意味のない主張となり,第3の2で述べた訴訟上と訴訟外の不均衡も生じにくい。いずれの構成を採るかは,抗弁が判断されずに終わった後の当事者の権利関係に直結する。
第10 基準時後の相殺と請求異議の訴え
債務名義たる判決の基礎となる口頭弁論の終結前に相殺適状にあったとしても,弁論終結後にされた相殺の意思表示により債務が消滅した場合には,その債務の消滅は請求異議の原因となりうる(最高裁昭和40年4月2日判決・民集19巻3号539頁)。既判力は基準時における権利関係の存否を確定するものであり,基準時後に生じた事由の主張は遮断されない。相殺権については,形成権であるにもかかわらず,弁済や免除の抗弁と異なり,前訴で必ずしも提出することを期待できないため,後訴での主張は遮断されないと解されている。請求異議の訴えその他の執行段階での対抗手段については,強制執行に対する債務者の対抗手段―執行抗告,請求異議の訴え,執行停止,差押禁止債権の範囲変更を参照されたい。
第11 訴訟上の相殺の抗弁に関する参考答案
昭和33年度司法試験第2問は「訴訟上の相殺の抗弁」であった。第1から第5までに述べた論点は相互に関連しており,論述の形で通して確認しておくと理解しやすい。以下は,同問に対する参考答案である。
1 総論
(1)ア 訴訟上の相殺の抗弁とは,被告が口頭弁論において自己の債権を相殺に供することで,原告の主張する債権を消滅させ,原告の請求を理由のないものとする抗弁をいう。
イ 相殺の抗弁についての判断は,それが判決理由中の判断であるにもかかわらず,「相殺をもって対抗した額について」既判力が生じる(114条2項)。このことは,相殺の抗弁が排斥された場合であると,認容された場合であるとを問わない。
(2)ア ここで,既判力は本来,判決主文で示された訴訟物たる権利・法律関係の存否の判断についてのみ生じ(114条1項),判決理由中でなされる前提問題たる権利・法律関係の存否の判断については生じないのが原則である。なぜなら,当事者間の紛争解決としてはこれで十分であるし,判決理由中の判断については当事者の手続保障を充足しているとは限らないし,また,このように解することは審理の簡易化・弾力化に資するからである。
イ しかし,相殺の抗弁は訴求債権とは別個の反対債権を対当額で消滅させる効果を抗弁とするものである。そして,その判断に既判力が認められない場合,訴求債権の存否の紛争が反対債権の存否の紛争として蒸し返され,判決による紛争解決の実効性が失われることから,蒸し返しを防止して一挙に紛争を解決するため,相殺の抗弁についての判断には既判力が認められる。
2 相殺の抗弁が主張された場合の既判力の範囲について
(1) 相殺の抗弁が主張された場合,いかなる範囲で既判力が生じるであろうか。まず,反対債権が存在しないとして相殺の抗弁が排斥された場合,敗訴被告が後に反対債権を主張することを防止するため,反対債権の不存在について既判力が生じる。
(2) では,反対債権が存在するとした上で相殺の抗弁を認容して原告の請求が棄却された場合,いかなる範囲で既判力が生じるか。この点,訴求債権及び反対債権が共に存在し,かつ相殺によって消滅したことについて既判力が生じるとする説がある。この説は,このように解さないと,①原告による,反対債権が初めから存在していなかったことを理由とする不当利得返還請求,及び②被告による,訴求債権が別の理由で不存在であったことを理由とする不当利得返還請求といった紛争の蒸し返しを防止できないとする。
しかし,既判力は基準時における権利・法律関係の存否を確定するものであるところ,訴求債権及び反対債権の存在は基準時前の事由であり,既判力による確定の対象となるものではない。また,反対債権の不存在についてのみ既判力を認めれば紛争の蒸し返しは防止できる。つまり,①原告の不当利得返還請求は訴求債権の存在を先決問題とするから,前訴の請求棄却判決の既判力で封じられる。また,②被告の不当利得返還請求は反対債権の存在を先決問題とするから,反対債権の不存在についてのみ既判力で確定しておけば封じられる。よってこの場合,反対債権の不存在についてのみ既判力が生じると解する。
(3) なお,一部請求訴訟において相殺の抗弁が理由がある場合には,債権の総額から自働債権の額を控除した残存額を算定して請求の当否を判断すべきであり(外側説),自働債権の存否の判断は,総額から一部請求の額を控除した残額部分に対応する範囲については既判力を生じない(判例同旨・最判平成6年11月22日)。
3 相殺の抗弁の特殊性について
(1)ア 相殺の抗弁についての判断には既判力が認められることから,弁済,免除等の抗弁と比べていくつかの特殊性がある。まず,弁済,免除等の抗弁については,訴求債権の存在を仮定した上で抗弁を認めて原告の請求を棄却することが許される。なぜなら,かかる抗弁の判断は判決理由中の判断にとどまり,既判力を生じない以上,いかなる理由で勝訴しようと被告の利害に差異はないからである。
イ これに対して相殺の抗弁については,訴求債権の存在を仮定した上で相殺の抗弁を認めて原告の請求を棄却することは許されない。なぜなら,相殺の抗弁の判断には前述したとおり既判力が生じ,被告にとっては仮にそれが受け入れられて勝訴したとしても,反対債権の喪失という出捐を伴う点で実質敗訴判決といえるからである。
(2) 次に,被告が弁済,免除等の抗弁により勝訴した場合,申立てどおりの請求棄却判決がなされている以上,上訴の利益は認められない(形式的不服説)。これに対して,相殺の抗弁により勝訴した場合,前述したとおり被告にとっては実質敗訴判決であるから,例外的に上訴の利益が認められる。もっとも,原告のみが控訴し,控訴審が訴求債権の不存在を理由に請求を棄却すべきと判断する場合には,不利益変更禁止の原則により第一審判決を維持すべきことになる(判例同旨・最判昭和61年9月4日)。
(3) また,弁済,免除等の抗弁は,前述したことからすれば,前訴で提出することを期待できるから,後訴での主張は既判力により遮断される。これに対して相殺の抗弁は,前述したことからすれば,必ずしも前訴で提出することは期待できないから,後訴での主張は既判力により遮断されないと解する(判例に結論同旨・最判昭和40年4月2日)。
(4)ア さらに,相殺の抗弁の判断には既判力が生じるから,他の抗弁とは異なり,①既に別訴で相殺の抗弁として用いている債権を請求する抗弁先行型,及び②既に別訴で請求している債権を相殺の抗弁として用いる抗弁後行型について,二重起訴禁止を定める142条が類推適用されるかが問題となる。
イ(ア) まず抗弁先行型では,相殺の抗弁は予備的抗弁として他の防御方法の後で審理されるという特殊性がある点で審理されるかは不確実であるから,裁判所の判断がなされて114条2項に基づく既判力が生じるかは不確実である。よって,142条は類推適用されないと解する。
(イ) これに対して抗弁後行型では,自働債権は前訴では訴訟物である点で審理されることは確実であるから,裁判所の判断がなされてその全額について既判力が生じることは確実である。よって,142条が類推適用されると解する(判例同旨・最判平成3年12月17日)。
以上
第12 関連記事
外部の解説として,みずほ中央法律事務所のウェブサイトに二重起訴の禁止と相殺の抗弁が掲載されている。
当ブログの関連記事としては,本記事と同じく相殺を扱うものとして損益相殺とは―労災保険給付・年金・保険金の控除と計算順序がある。損害賠償額の算定における損益相殺は,本記事で扱った債権の対当額消滅としての相殺とは別の概念である。
出典法令民事訴訟法(平成8年法律第109号)114条,142条,143条,146条,157条(e-Gov法令検索)民法(明治29年法律第89号)469条,505条から512条の2まで(e-Gov法令検索)労働基準法(昭和22年法律第49号)24条1項(e-Gov法令検索)破産法(平成16年法律第75号)72条(e-Gov法令検索)民事再生法(平成11年法律第225号)92条,93条(e-Gov法令検索)裁判例最高裁昭和36年5月31日大法廷判決(昭和34年(オ)第95号・破産債権確定請求事件・民集15巻5号1482頁)最高裁昭和39年12月23日大法廷判決(昭和36年(オ)第897号・預金返還請求事件・民集18巻10号2217頁)最高裁昭和40年4月2日判決(昭和38年(オ)第1066号・請求異議事件・民集19巻3号539頁)最高裁昭和44年12月18日判決(昭和40年(行ツ)第92号・給与支払請求事件・民集23巻12号2495頁)最高裁昭和45年6月24日大法廷判決(昭和39年(オ)第155号・定期預金等請求事件・民集24巻6号587頁)最高裁昭和61年9月4日判決(昭和60年(オ)第1563号・貸金事件・集民148号417頁)最高裁昭和63年3月15日判決(昭和58年(オ)第1406号・仮払金返戻請求事件・民集42巻3号170頁)最高裁平成2年11月26日判決(昭和63年(オ)第4号・退職金等,同請求参加事件・民集44巻8号1085頁)最高裁平成3年12月17日判決(昭和62年(オ)第1385号・契約金等事件・民集45巻9号1435頁)最高裁平成6年11月22日判決(平成2年(オ)第1146号・損害賠償事件・民集48巻7号1355頁)最高裁平成10年4月30日判決(平成5年(オ)第789号・貸金事件・民集52巻3号930頁)最高裁平成10年6月12日判決(平成9年(オ)第849号・報酬金等事件・民集52巻4号1147頁)最高裁平成10年6月30日判決(平成6年(オ)第698号・不当利得事件・民集52巻4号1225頁)最高裁平成18年4月14日判決(平成16年(受)第519号・損害賠償等請求本訴,請負代金等請求反訴事件・民集60巻4号1497頁)最高裁平成21年7月3日判決(平成19年(受)第1538号・賃料等請求事件・民集63巻6号1047頁)最高裁平成24年5月28日判決(平成21年(受)第1567号・預金返還請求事件・民集66巻7号3123頁)最高裁平成25年2月28日判決(平成23年(受)第2094号・根抵当権設定登記抹消登記手続請求本訴,貸金請求反訴事件・民集67巻2号343頁)最高裁平成26年6月5日判決(平成24年(受)第908号・損害賠償等請求及び独立当事者参加事件・民集68巻5号462頁)最高裁平成27年12月14日判決(平成25年(受)第918号・不当利得返還請求本訴,貸金請求反訴事件・民集69巻8号2295頁)最高裁平成28年7月8日判決(平成26年(受)第865号・清算金請求事件・民集70巻6号1611頁)最高裁令和2年9月8日判決(平成31年(受)第61号・請負代金請求事件・民集74巻6号1643頁)最高裁令和2年9月11日判決(平成30年(受)第2064号・請負代金請求本訴,建物瑕疵修補等請求反訴事件・民集74巻6号1693頁)最高裁令和5年11月27日判決(令和3年(受)第1620号・取立金請求事件・民集77巻8号2188頁)東京地方裁判所令和3年2月17日判決(令和元年(ワ)第28852号・受信料請求事件・LLI/DB判例秘書登載。裁判所HP未掲載。判例秘書で全文を確認)文献高橋宏志『重点講義民事訴訟法(上)〔第2版補訂版〕』有斐閣・2013年 174頁~185頁,670頁~677頁高橋宏志『重点講義民事訴訟法(下)〔第2版補訂版〕』有斐閣・2014年 657頁~681頁秋山幹男ほか『コンメンタール民事訴訟法Ⅱ〔第3版〕』日本評論社・2022年 79頁~82頁,560頁~565頁瀬木比呂志『民事訴訟法〔第3版〕』日本評論社・2025年 136頁~141頁,334頁~338頁,592頁~595頁,775頁~780頁山本和彦『最新重要判例250 民事訴訟法』弘文堂・2022年 111頁小林秀之『新ケースでわかる民事訴訟法』日本評論社・2021年 294頁~309頁,440頁,449頁池邊摩依「訴訟上の相殺に供された債権を受働債権とする訴訟外の相殺を適法とした事案」新・判例解説Watch民事訴訟法No.123(2021年10月) 1頁~4頁ウェブ資料e-Gov法令検索裁判所ウェブサイト 裁判例検索みずほ中央法律事務所「二重起訴の禁止と相殺の抗弁」
目次
第1 遺産分割に関するメモ書き
1 特別受益
2 寄与分
3 詐害行為取消権及び無償否認
4 代償分割
5 要素の錯誤
6 非嫡出子の相続分
7 遺産分割の調停及び審判の管轄
8 未支給年金
9 その他
第2 限定承認に関するメモ書き
1 総論
2 限定承認と訴訟承継
3 限定承認と判決
4 限定承認と譲渡所得税
5 その他
第3 相続放棄に関するメモ書き
1 総論
2 相続放棄の期間制限の起算点
3 法定単純承認に当たる例
4 法定単純承認に当たらない例
5 その他
第4 遺言に関するメモ書き
1 遺言の解釈
2 相続させる遺言
3 自筆証書遺言の押印
4 自筆証書遺言の破棄
5 その他自筆証書遺言関係
6 秘密証書遺言
目次
1 宅建業者の報酬
2 宅建業者の査定書
2の2 宅建業者の重要事項説明書に関するメモ書き
2の3 契約不適合責任に関するメモ書き
2の4 売主の説明義務に関するメモ書き
2の5 職業的専門家の説明義務に関するメモ書き
3 賃貸マンションに関するメモ書き
3の2 分譲マンションに関するメモ書き
3の3 宅建業者による勧誘に関する規制等
3の4 地区計画,建築協定及び紳士協定
3の5 開発行為に関するメモ書き
3の6 市街地再開発事業及び土地区画整理事業に関するメモ書き
4の1 固定資産税に関するメモ書き
4の2 固定資産評価証明書の閲覧
5 家賃保証
6 住宅セーフティネット制度
7 引越しに関するメモ書き
7の2 オフィスに関するメモ書き
7の3 公衆浴場に関するメモ書き
8 立退料に関するメモ書き
8の2 抵当権に基づく妨害排除請求
8の3 競売不動産価格維持のための保全処分
9 住宅ローンに関するメモ書き
10 表題登記及び所有権保存登記に関するメモ書き
11 旧住所登記と新住所登記
12 安心R住宅制度
12の2 S造,RC造,SRC造及び木造
13 サブリース
13の2 スルガ銀行・シェアハウス事件の被害者救済スキーム
目次
第1 道路運送法に基づく規制
第2 旅客自動車運送事業運輸規則に基づく規制
第3 タクシー業務適正化特別措置法(タク特法)に基づく規制(指定地域及び特定指定地域)
1 総論
2 指定地域及び特定指定地域
3 タクシー運転者登録制度
4 適正化事業実施機関としてのタクシーセンター
第4 タクシー特措法に基づく供給過剰対策(特定地域及び準特定地域)
第5 タクシー特措法に基づく公定幅運賃制度
第6 タクシー事業の運送原価
第7 タクシーの営業形態等
第8 ハイヤー
第9 タクシー会社の労務管理
1 総論
2 拘束時間及び休息期間
3 タクシーの日勤勤務者の場合
4 タクシーの隔日勤務者の場合
5 休憩時間
6 時間外労働及び休日労働の限度
7 乗務距離の最高限度
8 根拠となる告示等
第10 変形労働時間制
第11 関連記事その他
第1 道路運送法に基づく規制
1(1) タクシー運転手は,法令所定の事由がない限り,運送の引受を拒絶することはできません(道路運送法13条)。
つまり,正当な理由のない乗車拒否は禁止されており,違反に対しては100万円以下の罰金が予定されています(道路運送法98条6号)。
(2) タクシー運転手は,急病人を運送する場合その他正当な事由がない限り,運送の申込みを受けた順序により,旅客の運送をする必要があります(道路運送法14条)。
(3) タクシー会社は,タクシー運転手の過労運転を防止するために必要な措置を講じる必要があります(道路運送法27条1項)。
目次
1 領海法
2 領海及び接続水域に関する法律,並びに国連海洋法条約
3 水上バイクの航行区域
4 沖縄県の尖閣諸島(明治28年1月14日の閣議決定により国有化)
5 竹島及び日韓漁業協定
6 関連記事その他
1 領海法
(1)ア 領海法(昭和52年5月2日法律第30号)(制定時の条文です。)により領海は基線からその外側12海里までとされました。
イ 1海里は1852メートルです。
(2) 日本政府は,核装備を有する外国軍艦の我が領海の通過は無害通航とは認めないとの考え方を昭和43年4月17日衆議院外務委員会において政府統一見解として明らかにしました(衆議院議員崎弥之助君提出核積載艦船の我が国領海内通過に対するライシャワー発言に関する質問に対する答弁書(昭和56年5月29日付)参照)。
そのため,国際航行に使用されるいわゆる国際海峡であり宗谷海峡,津軽海峡,対馬海峡西水道及び東水道並びに大隅海峡の5海峡は特定海域として,同海域に係る領海は基線からその外側3海里の線及びこれと接続して引かれる線までの海域とされました(領海法附則2項)から,これらの海峡の海路の部分は,公海のままとなりました。
2 領海及び接続水域に関する法律,並びに国連海洋法条約
(1) 平成8年6月14日法律第73号による改正後の,領海及び接続水域に関する法律(昭和52年5月2日法律第30号)2条1項本文は,直線基線を採用しました(施行日は,平成8年に「海の日」となった7月20日です。)。
そのため,特定海域内の領海の限界線は若干の修正を加えられました(海上保安庁海洋情報部HPの「特定海域」参照)。
(2)ア 平成15年以降,「海の日」は7月の第3月曜日となりました(国民の祝日に関する法律2条)。
イ 平成28年,「山の日」が8月11日となりました。
(3) 平成12年度以降,旧司法試験の論文式試験は,海の日及びその前日の2日間に実施されていました。
(4) 海洋法に関する国際連合条約(略称は「国連海洋法条約」です。)は,平成8年7月20日,日本について発効しました(外務省HPの「海洋の国際法秩序と国連海洋法条約」参照)。
ロシアによるウクライナ侵略が続いている…
力による一方的な現状変更は決して許すことができないピ!
終戦時、北方領土ではどんなことが起こったのか知っているッピ?
ソ連は、当時有効だった日ソ中立条約を一方的に破棄し、終戦宣言後に
北方領土を占領したんだピ。 pic.twitter.com/IWPPv9aQ4j
本ブログ記事は主としてAIで作成したものです。
本稿は、2026年7月14日までに公表された当事者のプレスリリース、法令、文化庁資料及び関係者協議会のガイドラインを基礎としています。同日現在、訴状、答弁書その他の詳細な訴訟資料や判決は、公表資料から確認できていません。以下の「想定論点」及び当事者の主張に関する記載には、公開資料からの分析・予測が含まれます。
第1 はじめに
第2 本件訴訟の概要と背景
第3 公開資料から想定される法的論点
想定論点1:被告図書館は、著作権法第31条の権利制限の主体となる「図書館等」に該当するか。
想定論点2:被告図書館の公衆送信事業は、「営利を目的としない事業」といえるか。
想定論点3:被告図書館の公衆送信は、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」に該当しないか。
想定論点4:送信対象は「図書館資料」といえるか。送信に先立つ複製及び出版権との関係はどうなるか。
想定論点5:被告図書館は、「特定図書館等」として求められる運用体制を具備しているか。
第4 実務上の主張立証と手続選択
第5 総括
第6 参照資料
* 文化庁HPの「著作権法の一部を改正する法律 御説明資料(条文入り)」7頁ないし14頁に「② 図書館等による図書館資料のメール送信等」(2023年6月1日施行部分)に関する解説が載っています。
第1 はじめに
2025年10月15日、中山信弘東京大学名誉教授をはじめとする有志の著作権者並びに著作権法80条1項2号に基づく出版権者である第一法規株式会社及び株式会社商事法務は、一般社団法人法律書デジタル図書館(以下「被告図書館」といいます。)に対し、著作権及び出版権の侵害を理由として、サービスの差止めと損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起しました。株式会社有斐閣は、第一法規及び商事法務と共同でこの訴訟に関するプレスリリースを公表していますが、同リリースが表示する原告には含まれていません。
本件は、令和3年の著作権法改正によって創設された「図書館等公衆送信サービス」の制度趣旨や適用範囲の解釈が問われる、施行後の先例として注目される訴訟です。
本稿では、公開されている資料と現行法令を基礎として、当事者が公表した事実・見解と、公開資料から想定される法的論点とを区別しながら、双方の主張立証上の課題を検討します。
第2 本件訴訟の概要と背景
本件訴訟の根底には、令和3年改正著作権法で認められた図書館等による著作物の一部分の公衆送信(いわゆるメール送信やFAX送信)を可能とする権利制限規定(著作権法31条2項)の解釈があります。この制度は、利用者の調査研究を支援するため、図書館に来館せずとも資料の一部を入手できるという利便性の向上を目的としていますが、同時に、著作権者や出版権者の経済的利益を不当に害することのないよう、厳格な要件が課されています。
原告側の共同プレスリリースは、被告図書館のサービスが同制度の要件を満たさず、権利者の許諾を得ない大量の法律書・法律雑誌の複製及び公衆送信に当たるとの見解を示しています。これは原告側が公表した主張であり、訴訟において証拠により確定した事実ではありません。
(続きを読む...)法律書デジタル図書館をめぐる著作権・出版権侵害訴訟―公開資料から考える法的論点と主張立証(AI作成)
目次
第1 公共的事項に関する表現の自由及び事前抑制の許容範囲
1 公共的事項に関する表現の自由
2 事前抑制の許容範囲
第2 表現の自由の制限に関する一般論,及び思想の自由市場への登場の重要性
第3 名誉毀損の取扱い
1 社会的評価の低下の有無の判断基準
2 事実を摘示しての名誉毀損(事実摘示型名誉権侵害)の取扱い
3 特定の事実を基礎とする意見ないし論評の表明による名誉毀損(意見論評型名誉権侵害)の取扱い等
4 噂,伝聞形式の表現による名誉毀損の取扱い
5 名誉毀損の成否に際して表現媒体の違いは関係がないと思われること
6 名誉毀損行為が公務員に関する事実である場合の取扱い等
7 その他
第4 プライバシー侵害の取扱い
1 プライバシー侵害が不法行為となる場合
2 少年法61条が禁止している推知報道に当たるかどうかの判断基準
3 プライバシー侵害を理由とする差止請求
4 民事訴訟における主張立証活動とプライバシー侵害
第5 表現の自由に関する東京弁護士会の会長声明等
第6 法人の名誉権侵害と無形損害
第7 人種差別撤廃条約に関する日本国政府の留保
第8 肖像の無断使用と不法行為
第9 関連記事その他
名誉毀損訴訟の被告の争い方:(i)同定可能性がない、(ii)仮に同定可能性があるとしても社会的評価の低下がない、(iii)事実摘示がなく論評、(iv)仮に事実摘示があるとしても真実性あり、(v)仮に真実性がないとしても真実相当、(vi)論争当事者の法理、(vii)受忍限度と損害論、をこの順に全部主張する
— 高橋雄一郎 (@kamatatylaw) September 5, 2023
名誉毀損や社会通念上許される限度を超えた侮辱をしたとして訴えられたら、答弁書の段階で、違法だと思ってないので金銭賠償はできないが、不快感を与えたことは確かなのでツイ消しして謝罪する用意があると上申する。裁判官は和解を試み、原告が和解を蹴ると、多くの場合請求棄却判決が待っている。
— 高橋雄一郎 (@kamatatylaw) December 19, 2023
第1 この記事が扱う対象1 倒産事件の論点を混同しないこと2 実務で先に確定すべき時点と資料第2 所有権留保と自動車1 留保所有権を確認する四つの事項(1) 最高裁平成22年判決(2) 最高裁平成29年判決2 自動車の評価と提出資料3 公布済みで未施行の担保法制第3 継続的給付契約と財団債権1 供給拒絶を制限する破産法55条1項2 申立て後・開始前の給付3 財団債権と免責4 公共下水道使用料第4 法人破産における帳簿と電子データ1 法定保存期間2 受任直後の資料保全3 手続終了時の取扱い第5 支払不能と支払の停止1 両概念の違い2 受任通知に関する最高裁判例3 実務上の時系列表第6 否認権と詐害行為取消し1 否認類型を分けること2 第三者資金による弁済3 差押債権者への弁済4 回収額と費用対効果5 詐害行為取消しとの違い第7 破産財団,自由財産及び将来請求権1 破産財団の範囲2 自由財産からの弁済3 将来の死亡保険金請求権第8 租税等の請求権と交付要求1 租税債権の分類2 交付要求の性質と争い方第9 破産管財人の職務と敷金返還請求権の質権1 管財人の判断過程2 最高裁平成18年判決の三つの判断第10 個人再生の申立てと再生計画1 不当目的・不誠実申立て2 不正な方法による再生計画の成立3 倒産解除特約と住宅資金特別条項第11 債権者企業の初動と私的整理1 信用不安を把握した債権者の初動2 法的整理と私的整理3 令和8年12月施行予定の早期事業再生制度第12 関連記事1 破産・免責2 強制執行第13 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公的資料4 文献5 企業法務の解説
第1 この記事が扱う対象
1 倒産事件の論点を混同しないこと
倒産事件では,破産,民事再生,私的整理及び個別執行が相互に関係する一方,それぞれの制度目的と法的効果は異なる。本記事は,実務で繰り返し問題となる論点について,現行法上の結論,事実確認の順序及び判例の射程をまとめるものである。
同じ金銭債権であっても,破産債権,財団債権,優先的破産債権又は非免責債権のいずれに当たるかで,届出,弁済及び免責の扱いが変わる。また,条文上の全国共通ルール,裁判所ごとの提出資料・運用,専門家の経験則及び施行前の新制度は,同じ確度の情報として扱うべきではない。
2 実務で先に確定すべき時点と資料
個別論点を検討する前に,①支払不能及び支払停止の時期,②破産手続開始の申立日,③開始決定日,④問題となる契約又は処分の成立日,⑤登記・登録その他の対抗要件具備時,⑥給付期間又は納期限を時系列にする必要がある。これらの時点を曖昧にしたままでは,所有権留保,継続的給付,相殺,否認及び租税債権のいずれも正確に分類できない。
法人事件では,会計データ,預金履歴,総勘定元帳,契約書,担保資料,固定資産台帳,在庫資料,従業員関係資料及び電子メール等を早期に保全する。個人事件でも,預金履歴,保険,自動車,不動産,退職金,家計及び親族間取引の資料を,名義だけでなく取得原資と実質的な管理状況まで確認する必要がある。
第2 所有権留保と自動車
1 留保所有権を確認する四つの事項
自動車の所有権留保では,①販売会社,購入者及び信販会社の契約関係,②破産手続又は再生手続開始時の所有者登録,③留保所有権が担保する債権の範囲,④保証履行又は立替払による権利移転の根拠を確認する。信販会社が関与しているという事実だけで,別除権を行使できるとは限らない。
自動車の価額が被担保債権残高を上回るときは,担保権者が別除権を行使できる場合であっても,余剰価値が破産財団に帰属し得る。契約解釈と対抗要件の問題を解決した後に,査定額,残債務,処分費用及び余剰の有無を別に計算する必要がある。
(1) 最高裁平成22年判決
最高裁第二小法廷平成22年6月4日判決(平成21年(受)第284号,民集64巻4号1107頁)は,販売会社に留保された所有権が立替払をした信販会社へ移転し,立替金等を担保する旨の三者間合意があった事案を扱った。同判決は,再生手続開始時に信販会社を所有者とする登録がなければ,販売会社名義の登録が残っていても,信販会社がその合意に基づく留保所有権を別除権として行使することはできないとした。
(2) 最高裁平成29年判決
最高裁第一小法廷平成29年12月7日判決(平成29年(受)第408号,民集71巻10号1925頁)は,販売会社に留保された所有権について,保証人が売買代金残額を保証履行し,法定代位した事案を扱った。同判決は,破産手続開始時に販売会社を所有者とする登録があるときは,保証人が留保所有権を別除権として行使できるとしたため,前記判決との違いは保証人という呼称だけでなく,権利移転の法的原因と登録の対応関係にある。
2 自動車の評価と提出資料
自動車を評価するときは,初度登録年月又は初度検査年月だけで機械的に無価値とせず,車種,年式,走行距離,損傷,装備,中古市場,ローン残高及び処分費用を確認する。各裁判所の申立資料には地域差と改訂があるため,事件係属裁判所の最新資料を確認し,必要に応じて複数の査定資料又は価格資料を提出するのが安全である。
電子車検証では,券面だけで所有者情報等の全部を確認できない場合がある。自動車検査証記録事項又は電子車検証のICタグ情報も取得し,登録名義と契約書の記載を照合する必要がある。
3 公布済みで未施行の担保法制
譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律(令和7年法律第56号)は,譲渡担保及び所有権留保の効力,対抗要件,実行並びに倒産手続上の扱いを成文化した。同法の本則は,令和8年8月9日現在では施行されておらず,法務省の案内によれば,施行時には既存契約に関する経過措置も含めて再確認する必要がある。
したがって,現時点の事件は現行法及び前記最高裁判例により処理し,新法を現在の適用法として先取りしてはならない。他方,長期契約,集合動産担保及び施行日をまたぐ契約については,施行日,対抗要件及び経過措置を継続的に確認する必要がある。
第3 継続的給付契約と財団債権
1 供給拒絶を制限する破産法55条1項
破産法55条1項は,破産者に継続的給付義務を負う契約相手方が,申立て前の給付に係る破産債権の不払だけを理由として,開始後の履行を拒むことを制限する。電気,ガス,水道又は通信サービスが典型例であるが,契約の解除原因が別にある場合まで一律に履行拒絶を禁ずる規定ではない。
携帯電話料金の請求書に端末代金の分割払が含まれる場合には,通信役務の継続的給付と端末売買の代金債権を分けて検討する。水道料金についても,上水道料金と公共下水道使用料では法的性質が異なることがあるため,請求書の名称だけで同一分類にしてはならない。
2 申立て後・開始前の給付
同条2項が財団債権とするのは,原則として申立て後・開始前にされた給付に係る請求権である。一定期間ごとに債権額を算定する継続的給付については,申立日の属する料金算定期間内の給付に係る請求権を含むが,申立月と開始決定月の請求額を常に二か月分とも財団債権にする規定ではない。
開始後の給付については,管財人が契約の履行又は解除を選択したか,契約がいつ終了したか,その給付が破産財団の管理に必要であったかを確認し,破産法53条及び148条等により分類する。個人破産者が生活上利用した通信料等を,債権区分だけを理由として破産財団から支払えるわけではない。
3 財団債権と免責
* 令和7年11月19日,CountperDayというプラグインを削除しましたから,この頁は今後,更新しません。
・ 平成29年8月10日以降の総閲覧数は以下のとおりです。
令和7年11月18日:2030万件( 8日後)
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法律相談で「先生ほど親身になってくれる人は初めて」という相談者は眉唾。①親身になれない何かがある。②他の弁護士が受けなかった何らかの理由がある。
新人の頃は喜んで受けてしまっていたが、痛みをもって学んだことが少なくない。
— Baba Daisuke (@bbcdotcom) August 7, 2025
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令和7年 5月22日:1820万件( 9日後)
◯本ブログ記事は専らAIで作成したものでありますところ,要するに,スキャンPDFにおける表形式データについては,スクショ又はMicrosoft Print to PDFにより画像化した上で入力し,AIを使ってマークダウン形式に変換した後に,そのマークダウン形式の文書をワードにまとめて貼り付けた上でAIに読み取らせればいいということです。
◯「(AI作成)アクティビティ履歴オフのGoogle AI Ultraの利用は弁護士の守秘義務等に違反しないという個人的意見」も参照してください。
目次
第1 はじめに
1 本記事の目的と背景
2 生成AIとリーガルテックの交差点
3 証拠書類のデジタル化における課題
第2 スキャンPDFにおける表形式データの「誤読」の正体
1 OCR処理の技術的限界
(1) 構造情報の喪失
(2) 座標データとしての文字認識
2 AIが混乱する「見えないノイズ」
(1) 罫線の誤認識とセルの結合
(2) 読み取り順序の論理的破綻
第3 マルチモーダルAIの特性を活かした画像化戦略
1 「視覚的理解」というブレイクスルー
(1) テキストデータよりも画像データが優れるケース
(2) レイアウト解析能力の活用
2 スクリーンショットとPrint to PDFの使い分け
(1) 10枚以下の「精読」フェーズ
(2) 10枚以上の「一括処理」フェーズ
第4 正確な解析を実現する具体的な手順と有効性
1 Microsoft Print to PDFによる「画像化」の深層
(1) ラスタライズによるノイズ除去
(2) AIにとっての「クリーンな入力」
2 マークダウン形式での出力指定
(1) 構造化データとしてのマークダウン
(2) AIの自己監視能力の向上
目次
第1 請求権放棄条項を読む前提
1 結論
2 区別すべき六つの問題
第2 請求権放棄条項に関する三つの見解
1 外交的保護権のみ放棄説
2 権利行使阻害説
3 請求権消滅説
第3 サンフランシスコ平和条約の枠組み
1 14条(b)及び19条(a)
2 吉田・スティッカー書簡と任意の対応
3 条約ごとに文言を確認すべきこと
この記事では,1945年7月26日のポツダム宣言発表から,同年8月10日の国体護持条件付き受諾申入れ,8月11日のバーンズ回答,8月14日の最終受諾通告,8月15日の玉音放送を経て,9月2日に降伏文書が調印されるまでを,公文書その他の確認可能な記録に基づき時系列で整理します。第6及び第7は,この経緯を理解するための法制史上の補論です。
目次
第1 7月26日のポツダム宣言の発表及びその後の放送
1 ポツダム会談
2 7月26日のポツダム宣言の発表
3 ポツダム宣言の放送
4 日本軍に関するポツダム宣言の条項
第2 日本側の当初の反応からソ連対日参戦及び長崎原爆投下まで
1 7月27日のポツダム宣言の公表
2 7月28日の黙殺発言
3 8月6日の広島市への原子爆弾投下
4 8月8日のソ連の対日宣戦布告
5 8月9日のソ連の対日参戦
6 8月9日の長崎市への原子爆弾投下
第3 8月10日の国体護持条件付き受諾申入れ及びバーンズ回答
1 8月10日の国体護持条件付き受諾申入れ
2 8月11日のバーンズ回答
第4 バーンズ回答後,玉音放送までの経緯
1 8月14日の最終受諾通告
2 8月15日の玉音放送
第5 ポツダム宣言受諾から降伏文書調印までの陸海軍内部の経緯
1 8月14日の大本営の指示内容
2 大本営による停戦命令
3 降伏文書及び一般命令第一号
第6 補論1―1928年8月署名の不戦条約の「人民ノ名ニ於テ」問題
1 不戦条約の本文
2 帝国政府宣言書
3 日本政府が不戦条約を批准するまでの経緯
第7 補論2―明治憲法に基づく勅令等とヒトラーの総統命令等の比較
以下の文書はAIで作成したものであって,私自身の手控えとするためにブログに掲載しているものです。
また,末尾掲載のAIによるファクトチェック結果によれば,記載内容はすべて「真実」であるとのことです。
目次
はじめに:麻酔なき手術という絶望
第1章:麻酔前夜 ― 苦痛との永き闘い
第2章:近代麻酔の黎明 ― 化学の進歩がもたらした革命
第3章:麻酔の科学的探求と技術革新
第4章:麻酔科学の確立と現代への飛躍
第5章:現代麻酔と未来への展望
おわりに:歴史に学ぶということ
はじめに:麻酔なき手術という絶望
皆さんがこれから目指す医療の世界では、手術は日常的な光景です。患者さんは静かに眠り、痛みを感じることなく、外科医は冷静かつ精密に病巣を取り除いていきます。この「当たり前」がいかに尊く、そして血のにじむような努力の末に勝ち取られたものであるか、想像したことはありますか。
「手術(surgery)」という言葉の語源は、ラテン語の「chirurgia」、すなわち「手(cheir)の仕事(ergon)」に由来します。かつて外科医に最も求められた資質は、知識や繊細さ以上に、圧倒的な腕力とスピードでした。麻酔が存在しなかった時代、手術は意識のある患者さんを押さえつけ、絶叫が響き渡る中で行われる、壮絶な「戦闘」だったのです。患者は術中の激痛でショック死することもあれば、幸いにして生き延びても、その恐怖が心の傷として深く刻まれました。外科医もまた、患者の苦痛に顔を歪めながら、一刻も早く手術を終えることだけを考えてメスを振るっていました。これでは、複雑で時間のかかる精密な手術など望むべくもありません。胸やお腹を開く手術(開胸・開腹手術)は、ほぼ死を意味しました。
この、痛みに支配された外科医療の暗黒時代に、一筋の光を灯したのが「麻酔」の発見です。麻酔の誕生は、単に患者を痛みから解放しただけではありません。それは、外科医に「時間」という最大の武器を与え、これまで不可能とされていた領域への挑戦を可能にしました。麻酔の歴史は、外科学の発展そのものの歴史であり、人類が「痛み」という根源的な苦しみに、いかにして科学の力で立ち向かってきたかという、感動的な叙事詩なのです。
第1章:麻酔前夜 ― 苦痛との永き闘い
人類の歴史は、痛みとの闘いの歴史でもありました。外科的麻酔という概念が生まれるずっと以前から、人々は身の回りにある自然の力を借りて、痛みを和らげようと試みてきました。
古代の鎮痛法:神々の贈り物と物理的介入
記録に残る最古の鎮痛法は、植物由来の薬物の使用です。
アヘン(阿片): ケシ(芥子)の未熟果から得られるアヘンは、紀元前3400年頃のメソポタミア文明の記録にも登場する、最も歴史の古い鎮痛薬です。その強力な鎮痛・催眠作用をもたらすアルカロイド(モルヒネやコデインなど)は、古代エジプト、ギリシャ、ローマへと伝わり、広く用いられました。医学の父ヒポクラテス(紀元前460年頃 - 370年頃)も、その薬効を記述しています。
マンドラゴラ: ナス科の植物で、根に幻覚や鎮静作用を持つアルカロイドを含みます。古代ローマの医師ディオスコリデスは、著書『薬物誌』の中で、マンドラゴラのワイン煮を手術の際の麻酔薬として使用したことを記録しています。
ヒヨス: これもナス科の植物で、スコポラミンなどのアルカロイドを含み、鎮静・鎮痙作用がありました。
目次
1 総論
2 昭和時代の経緯
3 平成時代の経緯
4 関連記事その他
1 総論
(1) 御堂筋は,国道25号と国道176号から構成される幅員44mの道路で,阪急前から難波駅前までの間の約4.2kmであり,大阪地裁の西側の近くを通っています。
(2) 西天満2丁目には駐大阪・神戸米国総領事館があり,大阪府警察の人員輸送車と思われる車両(WEB CARTOP HPの「大型パトカー? 護送車? 街で見かける「青と白のバス」の正体とは」参照)が常時,停車しています。
2 昭和時代の経緯
(1) 地下鉄御堂筋線は,梅田駅・心斎橋駅間が昭和8年5月20日に開通し,昭和10年10月30日に難波駅まで延長され,昭和13年4月21日に天王寺駅まで延長されました。
(2) 昭和10年,北浜と中之島を結ぶ淀屋橋(土佐堀川に架かっています。),及び中之島と堂島を結ぶ大江橋(堂島川に架かっています。)が,鉄筋コンクリート造りのアーチ橋として架け替えられました。
これらの橋は,歴史的には,江戸時代の元禄年間,堂島の開発に伴って架けられた橋です。
(3)ア 昭和12年5月11日,拡幅された御堂筋が竣工しました。
イ 大正15年の拡幅工事着手前の御堂筋の道幅は約6mだけでした。
(4)ア 昭和45年1月11日,梅田新道交差点以南が南行き一方通行となりました。
イ 同年3月15日から9月13日にかけて開催された日本万国博覧会(大阪府吹田市)を前に,道路混雑を緩和するための措置でした。
3 平成時代の経緯
(1) 平成24年4月1日,大阪のメインストリートである御堂筋の管理は,大阪国道事務所から大阪市に移りました(大阪国道事務所HPの「大阪国道事務所の歴史」参照)。
(2) 平成29年5月11日,完成80周年を迎えました(大阪市HPの「御堂筋完成80周年記念事業」参照)。
4 関連記事その他
(1) 大阪市HPの「御堂筋プロフィール」,「御堂筋の歴史」等を参照して記載しています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 大阪修習の情報
・ 大阪府及びその周辺の鉄道の沿革
第1 相場を調べる前に区別すべき数字
1 募集価格,成約価格及び実支払額
2 公的価格と個別物件の価格
第2 住宅の家賃相場
1 募集賃料を調べる方法
2 実際に支払われている家賃を調べる方法
3 アパートとマンションの表示
4 UR賃貸住宅の申込資格
第3 賃貸借契約を確認する際の注意点
1 敷引特約
2 短期解約違約金等
3 退去時の原状回復
◯本ブログ記事は,東洋経済オンラインに掲載されている私のインタビュー記事(PDF文書については有償で私のブログへの転載の許可をもらっています。)及び弁護士ドットコムのビジネスローヤーズアワード2025のHPを読み込んだAIで作成したものです。
◯弁護士ドットコムHPに「司法資料をブログ公開 「司法のインフラ」に BUSINESS LAWYERS AWARD 2025 山中理司弁護士」(2026年3月31日付)が載っています。
目次
第1 結論
第2 法曹界等からの反響予想
1 弁護士層からの反応
(1) 実務上の「インフラ」としての絶大な支持と活用
(2) 弁護士の社会的使命の体現者としての称賛
(3) 弁護士業務のデジタル化と情報武装への刺激
2 裁判官・裁判所職員からの反応
(1) 肯定的な評価と内部からの関心
(2) 警戒感と情報開示への組織的抵抗
3 検察官・行政機関職員からの反応
(1) 情報公開の対象としての緊張感
(2) 実務上の参考資料としての利用
4 法学者・研究者からの反応
(1) 研究資料としての第一級の価値評価
(2) 司法制度研究の新たな進展への寄与
第3 今後の展望
1 司法の透明性向上への継続的寄与
2 「司法のインフラ」としての地位確立
3 情報公開実務と法曹界の議論への影響
(続きを読む...)山中理司弁護士が弁護士アワードの審査委員会特別賞を受賞したことに関する法曹界等の反響の予測(AI作成)
◯ 本記事では,令和7年11月19日から23日にかけて,mixhostの専用サーバーを利用している私がAI(Gemini3.0Pro)を技術パートナーとして活用し,外部ベンダーに委託することなく完遂した当ブログの環境刷新プロジェクトについて,技術的解説及びその成果を掲載しています。
具体的な作業内容は,①PHP7.4から8.3へのメジャーアップデート(車のエンジンを最新型に載せ替えるような作業です。),②ギガバイト単位の不要データ削除(長年の運用で床下に溜まった産業廃棄物の撤去みたいな作業です。)等が中心です。
本件は,停止が許されない大規模稼働中(ライブ)サイトの改修を,AIとの対話に基づく徹底した「要件定義」と「リスク管理」によって乗り越えた実証記録です。
◯警告:本件作業の模倣に関する重大な注意
検証環境(ステージング)を経ずに行われた本件作業は,受託責任を追うエンジニアが使える手法では絶対にないのであって,以下の3点を前提とした特例措置であり、完全なバックアップ(例えば,cPanelで作成したフルバックアップのファイルをローカル環境(例えば,自分のPC)に保存すること。)なき安易な模倣はデータ消失の危険性が極めて高いため、強く非推奨とします。
①ハイスペックな専用サーバー(専用メモリ16GB。PHPメモリ2GB割り当て)を利用し,管理者権限に基づき実行時間制限(タイムアウト)の大幅な緩和(例えば,数分から10分単位の設定変更)が可能であること。
②データベースの肥大状況(単なるゴミか必要なデータか),及びプラグインの依存度(例えば,削除による連鎖的な不具合の有無)に関する,多重の検証プロセスを経た高度なリスク判断ができること。
③最悪の場合、バックアップから戻せばいい(数時間の停止は許容する)という選択ができるオーナー権限に基づいていること。
* 「(AI作成)人工知能の学習データとしての山中ブログ」も参照してください。
目次
第1 ワードプレスブログ専門業者にとっての本件作業の技術的難易度
1 技術的負債と大規模サイト特有のリスク(可用性維持の重圧)
2 「Count Per Day」等のレガシープラグイン削除に伴うデータベース整合性の維持
3 稼働中(ライブ)サイトでのPHPメジャーバージョンアップの影響範囲
第2 ワードプレスブログ専門業者が受注する場合に顧客に要求する費用及び日数
1 全体的な見積もり概要(費用・期間)
2 工程別費用詳細と作業内容の解説
3 リスク予備費と保証範囲について
第3 本件作業のプロジェクトリーダーができる人材を雇うために提示すべき年収の目安
1 求められるスキルセットと市場価値
2 雇用形態別(正社員・業務委託)の年収・報酬相場
3 採用難易度と市場背景
第4 提供資料に基づく本件作業着手前の診断
1 Core Web Vitals(ウェブに関する主な指標)の分析
2 構造化データのエラー状況とSEOへの影響
目次
1 鉄道の路線図
2 鉄道の日
3 旧国鉄の分割民営化等
4 新幹線の開業時期
5 東京・大阪間の最短所要時間の推移
6の1 東海道新幹線関係
6の2 その他新幹線関係情報
7 東京駅,新大阪駅及び名古屋駅に関する情報
8 青春18きっぷ
9 交通系ICカード
10 電車内での携帯電話の利用
11 平成元年以降の,主な鉄道死亡事故
12 鉄道関係の事件例・事故例
13 平成30年6月18日午前7時58分発生の,大阪府北部での地震におけるJR西日本の運転再開状況
14 鉄道の安全に関する規範
15 人身事故関係
16 JRの3大鉄道博物館
17 関連記事その他
1 鉄道の路線図
(1) ヤフージャパン路線情報の以下の路線図が分かりやすいです。
札幌エリア,仙台エリア,東京エリア,横浜エリア,名古屋エリア,京都エリア,大阪エリア,神戸エリア,福岡エリア
(2) 駅すぱあとHPの「全国路線図」を見れば,全国の路線図が分かります(最初は東京駅中心の地図が表示されます。)。
(3) 鉄道会社HPの路線図は以下のとおりです。
ア JR6社の路線図
① JR東日本(東京都渋谷区)の路線図・東京近郊路線図
② JR東海(名古屋市中村区)の路線図
③ JR西日本(大阪市北区)の路線図
④ JR九州(福岡市博多区)の路線図