目次
第1 修習給付金を申告する前に確認すること1 基本給付金と住居給付金は雑所得として扱う2 申告対象であることと申告義務があることを分ける3 申告年分と入力画面の版を合わせる第2 申告前にそろえる資料1 給付金案内と通帳を使って金額を確かめる2 給与の源泉徴収票は給付金の資料と分ける3 国保・年金等は所得控除の資料をそろえる第3 入力する金額と入力しない金額を分ける1 収入の種類ごとに分ける2 入金日だけで収入年分を決めない第4 確定申告書等作成コーナーの入力欄1 雑所得の入力へ進む2 種目は給付金だと分かる名称にする3 収入金額・必要経費・源泉徴収税額を混同しない4 支払者欄は申告者や振込銀行を書く欄ではない第5 他の所得・所得控除と提出前の確認1 給与と社会保険料はそれぞれの入力欄で扱う2 計算結果と入力内容を照合する第6 送信・納付と記録の保存1 提出と納付を別に確認する2 住民税の申告も確認する第7 関連記事と出典1 関連記事2 公的資料
第1 修習給付金を申告する前に確認すること
1 基本給付金と住居給付金は雑所得として扱う
修習給付金のうち,基本給付金及び住居給付金は,司法研修所の案内では雑所得として確定申告の対象となる。
給与ではなく,所得税の源泉徴収も行われないため,給与所得の源泉徴収票を使う入力とは分けて考える必要がある。
本記事では,申告に使う資料をそろえ,国税庁の確定申告書等作成コーナーへ入力し,送信・納付を確認するまでの順序を説明する。
課税根拠,裁判例及び修習専念資金の取扱いは,修習給付金の税務上の取扱い―司法研修所の案内,裁判例及び確定申告(AIリライト)で扱っている。
修習終了年に給与や弁護士報酬もある場合の申告要否と全体の整理は,司法修習終了翌年の確定申告―修習給付金・給与・弁護士報酬(AIリライト)を参照されたい。
2 申告対象であることと申告義務があることを分ける
給付金が雑所得に当たるというだけで,全員について所得税の申告義務が同じになるわけではない。
給付金以外の所得,所得控除,税額控除及び給与の源泉徴収・年末調整の状況を含め,その年分の申告要否を判定する必要がある。
給付金だけを受け取る場合も,給与所得者の20万円以下の申告不要制度をそのまま使うことはできない。
給与について年末調整を受けていても,修習給付金等の所得がある場合は別に判定する。
医療費控除等のため所得税の確定申告をする場合は,20万円以下の雑所得も申告に含める必要がある。
所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要となる場合があるため,住所地の自治体の案内を確認する。
3 申告年分と入力画面の版を合わせる
所得税は,原則として1月1日から12月31日までの暦年ごとに申告する。
修習開始年と修習終了年を一つの申告にまとめず,それぞれの年分に属する収入を分ける。
本記事の入力欄の説明は,令和8年10月13日に確認した国税庁の令和7年分の入力説明・画面例に基づく。
他の年分を申告する場合は当該年分を選び,画面の表示名,控除額及び申告期限はその年分の公式案内に従う。
第2 申告前にそろえる資料
1 給付金案内と通帳を使って金額を確かめる
第79期の修習給付金案内19頁(PDF23枚目)は,修習給付金について個別の支払通知書等を発行せず,支給日等一覧表や預貯金通帳等を利用するよう案内している。
書面が送られてこないことを理由に申告準備を止めず,当期の案内,受給に関する記録及び通帳の入金明細をそろえる。
金額の集計では,給付期間,支給予定日,実際の入金日,給付金の種類及び金額を対応させると確認しやすい。
住居給付金の支給の遅れ,複数回分の一括入金又は日割りがある場合は,一定の月額を機械的に12倍した数字で申告しない。
この集計方法は資料を照合するためのものであり,税務上の収入年分を入金日だけで決定するものではない。
2 給与の源泉徴収票は給付金の資料と分ける
修習給付金は給与ではなく源泉徴収もないため,給付金を給与所得の入力欄へ入れない。
同じ年に修習開始前の勤務先又は修習終了後の勤務先から給与を受けた場合は,その給与についての源泉徴収票を集め,給与所得として別に入力する。