法務省関係

伊藤栄樹検事総長の,退官直後の死亡までの経緯

目次
1 盲腸がんの手術から検事総長退官までの経緯の概要
2 がんの手術から死亡に至るまでの経緯
3 盲腸がん,腸閉塞(イレウス)及び内視鏡検査
4 関連記事その他

1 盲腸がんの手術から検事総長退官までの経緯の概要
・ 「秋霜烈日―検事総長の回想」168頁及び169頁には以下の記載があります。
    昨年七月十三日、”急性虫垂炎”の手術をしたが、実は盲腸がんであった。退院を前に主治医から告知を受けた。その瞬間は、ショックを受けたが、公私両面にわたって十分な心の準備をすることができ、よかったなあと思っている。もう十年も、毎年欠かさず人間ドックへ入ってきたのにといってみても、後の祭りだった。すでにがんは腹膜に転移しており、七月一杯で退院するときは、再発の遅いことを期待するだけであった。
    再発は、最短コースをたどって、同年十月七日、腸閉塞の症状が現れた。がん性腹膜炎に囲まれた腸に腸液やガスが溜りにたまって、医師団は、一致して十一月中の死を家族に予測したそうだ。
    しかし、鼻から腸まで通した太いイレウス管による医師、看護師の必死の腸液などの汲み上げ、家族の懸命な看病、それにやり残した仕事への私のいささかの執念、それらが奇跡的な回復をもたらした。十二月十八日には、再手術できるまでに体力が戻り、腸三か所にバイパスや人工肛門をつくる手術に成功した。
    そんなことで小康を得た本年三月二十四日、かねてからのひそかな計画どおり、お許しを得て、定年まで一年十カ月を残して退官させていただいた。

ステージ4で発見された家内の肺癌は終末期に入りました。

発見してくれた医師に言われ過去のレントゲンを取り寄せたら何年も前から影が確認出来ました。

健診機関では読影出来ないバイト医師が多く働いています。心配な方は高価でも最新医療機器の人間ドッグを受診すべき。後悔と共に強く勧めます。

— フレデリック (@tacotak) March 11, 2022

2 がんの手術から死亡に至るまでの経緯
(1) 人は死ねばゴミになる-私のがんとの闘い-(著者は伊藤栄樹(いとうしげき) 元検事総長)によれば,がんの手術から死亡に至るまでの経緯は以下のとおりです(2度目の入院以降については,書籍に記載がある役所への登庁日を一通り記載しています。)。
昭和62年
7月3日:毎年の人間ドックをすませたところ,レントゲン検査,エコー(超音波)検査などで当日判明した限りでは,異常なしといわれた。
7月8日:朝から腹がはる感じがしたため,何年ぶりかの胃腸薬を飲んだ。
7月11日(土)虫垂炎を切ってもらおうと決意して急患扱いで病院に行ったところ,医者からは,虫垂炎とは断定できない,腸炎であろうということで,抗生物質及び整腸剤を7日分もらっただけで帰された。
7月13日:虫垂炎を疑わせる自覚症状に基づき,7月19日までの予定を秘書官にキャンセルしてもらった上で病院に行き,急性虫垂炎の手術(実際には盲腸がんの手術)を受け(生まれて初めての手術),そのまま入院となった(生まれて初めての入院)。
7月19日:手術後からこの日までは点滴だけで栄養をとり,全く飲まず食わずで過ごした。
7月20日:流動食を取るようになった。
7月26日:常食に戻った。

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旧司法試験の成績開示範囲の拡大

目次
1 平成16年度司法試験からの開示範囲の拡大
2 平成18年度司法試験からの開示範囲の拡大
3 平成20年度からの開示範囲の拡大
4 関連記事その他

1 平成16年度司法試験からの開示範囲の拡大
(1) 平成16年度司法試験から「丙案」制度が廃止された関係で,それまで不合格者に対してのみ行っていた論文式試験の成績通知が合格者に対しても行われるようになりました。
(2) 論文式試験合格者に対しては,科目別順位ランク及び総合得点が通知されるようになりました。

2 平成18年度司法試験からの開示範囲の拡大
(1) 東京地裁平成16年9月29日判決は,平成9年度から平成11年度までの司法試験の成績に関する個人情報開示請求訴訟において,①論文式試験の科目別得点及び総合順位,並びに②口述試験の科目別得点は不開示情報であるものの,③口述試験の総合順位は開示すべきであると判断しました。
   控訴審である東京高裁平成17年7月14日判決は,論文式試験の総合順位も追加で開示すべきであると判断しました。
(2)ア   平成18年度からは,論文式試験の総合順位も通知されるようになりました。
イ 平成19年7月発行の日弁連新聞第402号には,「司法試験の成績については、1983年以降に実施された旧司法試験第2次試験ファイルに記録されている情報が開示される。法務大臣宛に開示請求し、手数料300円、本人確認資料などが必要となる。」と書いてあります。

3 平成20年度からの開示範囲の拡大
・ 平成20年度(行個)答申第1号(平成20年4月14日答申)に基づき,合格枠制対象の合格者(いわゆる丙案合格者)に該当する可能性がある人(平成8年度から平成15年度までの司法試験において,受験回数が3回以内で論文式試験に合格した人)であっても,法務大臣に対して保有個人情報開示請求をすれば,論文式試験の総合得点及び総合順位を開示してもらえるようになっています。

4 関連記事その他
(1) 旧司法試験の成績に関する開示請求については,法務省HPの「司法試験ファイル,旧司法試験第二次試験ファイル及び司法試験予備試験ファイルに係る開示請求について」に書いてあります。
(2) 司法試験に関する成績開示は現在,「司法試験における試験成績の本人通知について」(平成17年11月8日司法試験委員会決定)に基づいて運用されています。
(3) 弁護士法人福間法律事務所HPの「司法試験(口述)の成績開示、11番でした。」(2017年10月7日付)には,昭和61年度司法試験合格者の開示請求の体験談として,「論文試験については席次資料は残っておらず、AからHまでの7段階評定で、私の成績は、7科目中6科目がA、1科目がBの、総合Aであり、口述試験は席次成績が残っており、11番でした。」と書いてあります。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 旧司法試験の「丙案」制度
・ 旧司法試験の成績分布及び成績開示

R040328 最高裁の理由説明書(最高裁が法務省から司法試験合格者の順位が分かる文書を受領した際に取得した文書)を添付しています。 pic.twitter.com/beMmWC9vfH

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 10, 2022

旧司法試験の成績分布及び成績開示

目次
1 旧司法試験の成績分布が分かる資料
2 旧司法試験の改正内容
3 関連記事その他

1 旧司法試験の成績分布が分かる資料
(1) 旧司法試験の成績分布が分かる資料として,以下の法務省文書を掲載しています。
   修習期でいえば,38期(昭和59年4月採用)ないし現行65期(平成23年7月採用)が受けた司法試験に関するものとなります。
① 昭和58年度から平成10年度までの司法試験の得点別人員調
② 平成11年度から平成22年度までの司法試験の得点別人員調
(2) 「人員累計」欄の数字が,それぞれの得点ごとの順位となります。
(3) 旧司法試験の短答式試験(択一試験),論文式試験及び口述試験の得点ごとに各種人数が記載されています。

2 旧司法試験の改正内容
(1)ア 平成3年度までは,旧司法試験の論文式試験において教養選択科目がありました(司法試験法の一部を改正する法律(平成3年4月23日法律第34号)参照)。
   そのため,司法試験論文式試験得点分布表では,6科目合計の法律得点のほか,教養選択科目(政治学,経済原論,財政学,会計学,心理学,経済政策又は社会政策のうちの1科目)を含む7科目合計の総得点の両方を記載した得点分布表になっています。
イ 例えば,昭和62年度司法試験論文式試験得点分布表(全員)(PDF14頁)についていえば,総得点196点は9人であり,そのうち,法律得点168点は7人,162点は2人となります。
   また,総得点175点は71人であり,そのうち,法律得点157点は1人,155点は1人,154点は6人,153点は7人,152点は10人,151点は12人,150点は8人,149点は8人,148点は11人,147点は4人,146点は1人,145点は1人,144点は1人となり,総得点175点「以上」は572人となります。
(2)  平成12年度の旧司法試験では,論文式試験につき,法律選択科目の廃止,民事・刑事の訴訟法の必修化という改正があり,口述試験につき,商法の口述試験廃止という改正がありました(司法試験法の一部を改正する法律(平成10年5月6日法律第48号))。
   その結果,論文式試験は憲法,民法,刑法,商法,民事訴訟法及び刑事訴訟法の6科目となり,口述試験は憲法,民法,刑法,民事訴訟法及び刑事訴訟法の5科目となりました。

3 関連記事その他
(1) 法曹基本問題懇談会の取りまとめ意見書(昭和63年3月8日付)以降の,旧司法試験制度の改革の経緯は,法務省HPの「司法試験制度等改革の経緯(公表済み)」が分かりやすいです。
(2) 昭和58年当時から,論文式試験の1科目の得点は,1,2問の平均点であると思われます(平成14年1月当時の取扱いにつき,司法試験第二次試験合否判定方法・基準(平成14年1月23日司法試験考査委員会議申合せ事項)(リンク先PDF2頁)参照)。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 旧司法試験の「丙案」制度
・ 旧司法試験の成績開示範囲の拡大

R040328 最高裁の理由説明書(最高裁が法務省から司法試験合格者の順位が分かる文書を受領した際に取得した文書)を添付しています。 pic.twitter.com/beMmWC9vfH

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 10, 2022

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旧司法試験の「丙案」制度

目次
第1 平成3年の司法試験法改正による「丙案」制度の導入
1 法曹基本問題懇談会(昭和62年4月から昭和63年3月まで)
2 法務大臣官房人事課長試案及びその後の経緯(昭和63年4月から同年12月まで)
3 司法試験制度改革に関する法曹三者協議会(昭和63年12月から平成2年10月まで)
4 法制審議会の答申(平成3年2月)
5 司法試験法の改正(平成3年4月)
6 参考資料
第2 平成8年度から平成13年度までの司法試験
1 法曹養成制度等改革協議会(平成3年6月から平成7年11月まで)
2 「丙案」制度の実施決定(平成7年12月11日)
3 司法試験制度と法曹養成制度の改革に関する法曹三者の協議会(平成8年7月から平成9年10月まで)
4 法曹三者の協議会
5 その後の日弁連決議
第3 平成14年度及び平成15年度の司法試験
1 司法制度改革審議会の意見書(平成13年6月)
2 司法試験管理委員会の決定(平成13年11月)
3 「丙案」制度の廃止
第4 旧司法試験の司法試験合格者数の推移,及び合格枠制における制限枠の推移
1 旧司法試験の合格者数の推移
2 合格枠制における制限枠の推移
第5 昭和39年8月28日付の臨時司法制度調査会意見書
1 昭和39年8月28日付の臨司意見書の記載
2 弁護士会の反対決議
3 臨司意見書が日の目を見たのはごく一部だったこと
第6 関連記事その他

第1 平成3年の司法試験法改正による「丙案」制度の導入
1 法曹基本問題懇談会(昭和62年4月から昭和63年3月まで)
・ 昭和62年4月27日に第1回会合が開催された法曹基本問題懇談会は,昭和63年3月公表の意見において,「当面緊急に必要な改革」として以下の記載をしています。

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黒川弘務元東京高検検事長の訓告処分に関する内閣答弁書

1 衆議院議員柚木道義君提出黒川前東京高検検事長の処分に関する質問に対する答弁書(令和2年6月5日付)には以下の記載があります。
① 黒川弘務元東京高等検察庁検事長(以下「黒川氏」という。)の処分については、法務省において、同省における調査結果を踏まえ、同省の内規に基づく監督上の措置として訓告を行うことが相当であると判断し、検事総長に対し、当該調査結果とともに、同省としては訓告を行うことが相当と考える旨を伝えたところ、検事総長においても、訓告を行うことが相当であると判断し、その旨決定したところである。
② 法務省における調査の結果、黒川氏については、令和二年五月一日頃及び同月十三日頃に、報道機関関係者三名と金銭を賭けた麻雀を行っていたことのほか、約三年前から一月に一回から二回程度の頻度で、金銭を賭けた麻雀を行っていたことが認められたものの、旧知の間柄の者との間で、必ずしも高額とまではいえない換金比率で行われたものであること、黒川氏が事実を認めて深く反省していたこと等の事情を総合的に考慮し、同省の内規に基づく監督上の措置として訓告としたものである。
 このように、黒川氏の処分については、処分を決するに当たり必要な調査を行った上で判断したものであって、適正な処分を行ったものと認識しており、再調査の必要はないと考えている。
③ お尋ねの「黒川氏の「退職金」の総額」及び「支給額はいくらで、いつ支給されたのか」については、個人のプライバシーに関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。
 一般論として、国家公務員が退職した場合に支給する退職手当については、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の規定に基づき算出された額について、原則として、職員が退職した日から起算して一月以内に支払われることとされている。
 また、御指摘の「再調査を行う場合」に係る仮定の質問に対するお答えは差し控えたい。
④ 御指摘の川原法務省刑事局長の答弁(山中注:令和二年五月二十二日の衆議院法務委員会で法務省の刑事局長は、黒川氏が参加した賭け麻雀のレートについて千点当たり百円を賭ける「テンピン」だったと示した上で「必ずしも高額とは言えない」として、最終的に安倍内閣は国家公務員法上の懲戒処分も行わず、退職金も支給する旨の答弁のこと。)は、国家公務員法第八十二条第一項に規定する懲戒処分又は法務省の内規に基づく監督上の措置の量定に当たっての事情について述べたものであり、犯罪の成否について述べたものではなく、他方、御指摘の答弁書(平成十八年十二月十九日内閣衆質一六五第二二五号)四及び五についてでお答えしたのは、あくまで刑法(明治四十年法律第四十五号)の賭博罪の成否についての一般論を述べたものである。
 その上で、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断されるべき事柄であることから、その余のお尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。

2 衆議院議員岡本充功君提出賭け麻雀の賭博性に関する質問に対する答弁書(令和2年6月9日付)には以下の記載があります。
 法務省による黒川弘務元東京高等検察庁検事長(以下「黒川氏」という。)に対する事情聴取等の調査の結果、黒川氏は、「懲戒処分の指針について」(平成十二年三月三十一日付け職職-六八人事院事務総長通知)における「常習として賭博をした職員」に該当するとは認められなかった。

3 参議院議員小西洋之君提出東京高等検察庁検事長の賭け麻雀等の非違行為の処分の検討経緯等に関する質問に対する答弁書(令和2年6月30日付)には以下の記載があります。
① 黒川弘務元東京高等検察庁検事長(以下「黒川氏」という。)の処分については、法務省において、同省における調査結果を踏まえ、同省の内規に基づく監督上の措置として訓告を行うことが相当であると判断し、検事総長に対し、当該調査結果とともに、同省としては訓告を行うことが相当と考える旨を伝えたところ、検事総長においても、訓告を行うことが相当であると判断し、その旨決定したところであり、御指摘の「法務省が調査に着手し訓告相当の結論に至る以前」及び「政府が国会で答弁しているところの「協議」」において、内閣及び内閣官房と同省は処分内容について議論したことはなく、また、内閣及び内閣官房は同省に対し、調査や処分に関する指示や要請を行っていない。
② お尋ねの「資料」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、内閣及び内閣官房は、法務省から、同省及び検事総長が黒川氏の処分について訓告を行うことが相当であると判断するに当たり作成した資料を受け取っていない。
③ 安倍内閣総理大臣及び菅内閣官房長官は、森法務大臣から、黒川氏の処分に関し、文書による報告及び説明を受けていない。

4 参議院議員小西洋之君提出黒川検事長の処分における「懲戒処分の加重要件」の違法な切り捨てに関する質問に対する答弁書(令和2年6月30日付)には以下の記載があります。
① 御指摘の①から⑤までは、「懲戒処分の指針について」(平成十二年三月三十一日付け職職-六八人事院事務総長通知)の「第二 標準例」に掲げられた処分より重くすることが考えられる場合として記載されている例であって、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第一項に規定する懲戒処分(以下「懲戒処分」という。)を行うに当たってこれらへの該当性の有無についての検討が逐一求められるものではないところ、現時点で、黒川弘務元東京高等検察庁検事長(以下「黒川氏」という。)の非違行為についての御指摘の①の該当性の有無を検討することは考えておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。
→ 山中注:「ご指摘の①から⑤まで」というのは,
   人事院の「懲戒処分の指針について」(平成十二年三月三十一日職職―68)においては、「標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合」として、「① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき」、「② 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき」、「③ 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき」、「④ 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき」、「⑤ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき」がある、としている。
   のことです(黒川検事長の処分における「懲戒処分の加重要件」の違法な切り捨てに関する質問主意書(令和2年6月17日付)の冒頭に書いてあります。)。
② お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の森法務大臣の答弁は、一般論として、「懲戒処分の指針について」において記載されている「非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき」について、いかなる行為がこれに該当するのかは、個別具体的な事案によることになるため、画一的にお答えすることは困難である旨を述べたものであり、御指摘の「個別の事案の処分の検討に際して」は、一、二及び十一についてで述べたとおり、これへの該当性の有無についての検討が逐一求められるものではない。
③ お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、黒川氏の処分については、処分を決するに当たり必要な調査を行った上で、「懲戒処分の指針について」の記載内容等をも踏まえ、諸般の事情を総合的に考慮して法務省の内規に基づく監督上の措置として訓告を行うことが相当であると 判断したものであって、適正な処分を行ったものと認識しており、「国家公務員法の趣旨に反する違法なもの」との御指摘は当たらない。

5 「黒川弘務東京高検検事長の賭け麻雀問題」も参照してください。

黒川弘務東京高検検事長の賭け麻雀問題

目次
0 不祥事発覚から略式命令までの経緯の骨子
1 黒川弘務東京高検検事長の引責辞任
2 森まさこ法務大臣の記者会見における説明
3 東京高検のルールブックの記載
4 黒川弘務東京高検検事長に関係する可能性がある懲戒処分の基準
5 検察の在り方検討会議,及び黒川弘務の略歴
6 賭博罪に関する刑法の条文
7 賭博罪に関する裁判例
8 公営賭博及びパチンコの合法性に関する国会答弁(令和2年5月27日追加)
9 取材源の秘匿
10 黒川弘務東京高検検事長の退職手当
11 東京地検特捜部の取材対応のあり方に関する内閣答弁書
12 三井環事件(平成14年4月22日逮捕)に関する国会答弁及び政府見解
13 外務省機密費流用事件,及びこれに関する東京地裁平成14年3月29日判決

0 不祥事発覚から略式命令までの経緯の骨子
(1) 黒川弘務 東京高検検事長は,令和2年5月20日,緊急事態宣言下で賭け麻雀をしていたことが週刊文春によって報道されたため,同月21日に訓告処分を受け,同月22日の閣議で辞職を承認されました。
(2) 黒川弘務 元東京高検検事長は,令和2年7月10日,単純賭博罪について起訴猶予となったものの,同年12月8日付の東京第六検察審査会において「起訴相当」議決が出ました。
(3) 東京地検特捜部は,令和3年3月18日,黒川弘務 元東京高検検事長について東京簡易裁判所に略式請求をした結果,同月25日,罰金20万円の略式命令が出ました。

令和3年4月2日の法務省刑事局の国会答弁資料(黒川弘務 元東京高検検事長の起訴状は提供できないこと)を添付しています。 pic.twitter.com/dCh5XKesbL

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 25, 2021

1 黒川弘務東京高検検事長の引責辞任
(1)ア 黒川弘務東京高検検事長は,令和2年1月31日付の閣議決定により,国家公務員法81条の3第1項に基づき同年8月7日まで勤務を延長することとなりましたところ,その理由は下記のとおりです。

   東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するためには,同高等検察庁検事長黒川弘務の検察官としての豊富な経験・知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が不可欠であり,同人には,当分の間,引き続き同検事長の職務を遂行させる必要がある。
イ 詳細については,「東京高検検事長の勤務延長問題」を参照してください。

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刑法第34条の2の規定による刑の消滅

   犯歴事務解説(法務総合研究所の,平成30年3月5日発行の五訂版)119頁ないし128頁には,「第9章 刑法第34条の2の規定による刑の消滅」として以下の記載があります。

第1 刑の消滅
1 刑の言渡しの効力を失わしめる事由としては,刑の全部の執行猶予の期間の経過(刑法第27条),同法第34条の2の規定による法定期間の経過及び恩赦法による大赦・特赦(恩赦法第3条・第5条)があるが,刑法第34条の2の規定による刑の消滅に関しては,本籍市区町村から本籍地方検察庁に対し,身分証明上,あるいは犯罪人名簿整理上の必要から,非常に多くの照会がなされている実情にあるので,刑法第34条の2の規定による刑の消滅の時期について述べることとする。
2 刑の消滅の対象となるのは. 「刑の言渡し」と「刑の免除の言渡し」である。
3 消滅期間の起算点は, 自由刑の執行を終了した者及び労役場留置の執行により財産刑の執行が終了した者については刑の執行終了の日の翌日(注),現金等の納付により財産刑の執行が終了した者については刑の執行終了日 (現金等を納付した日),刑の執行の免除を得た者については刑の執行の免除を得た日 (刑の時効が完成した場合には,刑の時効満了日の翌日,すなわち時効完成の日)である。
(注)昭58検務実務家会同犯歴事務関係1問答
4 刑の消滅の時期は,禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者については,罰金以上の刑に処せられることなく10年を経過したときであり,罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者については,罰金以上の刑に処せられることなく5年を経過したときである。
   また,刑の免除の言渡しを受けた者については,その裁判確定後罰金以上の刑に処せられることなく2年を経過したときである。
   「罰金以上の刑に処せられることなく」とは,罰金以上の刑が確定することなくということである。したがって,前刑の消滅に要求される期間(以下「消滅期間」という。)内に罰金以上の刑に処する裁判があっても,消滅期間内に確定しない場合には,前刑は消滅することになる。
   前刑の消滅期間内に罰金以上の刑(後刑)に処せられたときは,前刑の消滅期間は中断するが,後刑の執行終了の日又は執行の免除を得た日から.前・後刑ともにその消滅期間は進行を始める。
   前刑の消滅期間内に罰金以上の刑(後刑)に処せられても,前刑の消滅期間内に後刑の執行猶予期間の経過や大赦又は特赦等によって刑の言渡しの効力が消滅すれば,罰金以上の刑に処せられなかったことになるので、前刑は, 当初の消滅期間の経過により消滅することになる。
   また,後刑の消滅の時点で,前刑の消滅期間を経過しているときは,後刑の消滅と同時に前刑も消滅する(注)。
(注)1  昭43.12.27刑事(総)908号刑事局長通達「刑法第34条ノ2に規定する刑の消滅時期について」
2 昭34検務事務家会同犯罪票事務関係7問答

第2 刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者についての刑の消滅に関する照会に対する回答に当たっての留意点
   刑の言渡しがその効力を失った事実の有無に関し,本籍市区町村長から,本籍地を管轄する地方検察庁の検察官に対して照会がなされた場合において, これに回答するときは,刑法第27条の7の規定に留意する必要がある。
   すなわち, 同条によれば.刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者は,その猶予の期間中は, 当該刑の執行を終わったものとはならず,刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過するか,刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消され,猶予部分を含めた刑の執行を終わったときに初めて刑の執行を終わったものとなる。
   したがって,一部執行猶予刑の猶予期間中の者は,刑の消滅(刑法第34条の2)の規定において, 「刑の執行を終わ」つた者には該当しないこととなる。
   例えば,刑の一部の執行猶予を言い渡され,取り消されることなくその猶予の期間を経過した場合は,刑法第27条の7により,実刑部分の期間の執行を終わった日等に刑の執行を受け終わったものとされるため,回答時において,実刑部分の期間の執行を終わった日等から10年が経過しているときには,刑の言渡しが効力を失った旨回答することとなる。
   他方,刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消された場合には,猶予部分を含む言い渡された刑期全部の執行を受けることとなるから,回答時において,その刑の執行を終わった日等から10年が経過しているときには,刑の言渡しが効力を失った旨回答することとなる。

第3 刑の消滅時期の具体例
   刑の消滅の時期については,種々の事例が考えられるが.主な事例を図示すると,次のとおりである。なお,図示中の・・・線は,刑の消滅期間を示す。

*1 「前科調書」も参照してください。

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検察官同一体の原則

目次
1 検察官同一体の原則
2 検察事務及び検察行政事務
3 関連記事その他

1 検察官同一体の原則
・ 「新検察制度十年の回顧」には以下の記載があります(法曹時報10巻2号70頁及び71頁)。

    検察官同一体の原則とは、検察の組織が上命下服の関係において中央集権的に構成され、検事総長、検事長、検事正はそれぞれ自己の掌理する庁務をその指揮監督下にある検察官に委任することができ、またその指揮監督下にある検察官の事務を他の検察官に移管することができることをいうもので、検察官の組織をつらぬく原理として検察制度が確立した当初から縄められ、裁判所構成法においても成文上の根拠があった。これを検察庁法で踏襲したのである。
    普通一般の行政官庁では、国家機関として官庁を代表するものは、その庁の長に限られ、長以下の機関は官庁を代表する権限はなく、すべて代表者の補佐または補助としてその指揮命令により事務に従事するのであるから、その組織は極めて強固な指揮命令関係が徹底しており、ある意味においては、完全な同一体を形成しているものといえるのである。
    しかるに検察庁の組織において、とくに検察官同一体の原則が強調され、これを組織規定にもうける必要があるのは、いうまでもなく検察官は訴訟法の建前では、一人々々が独立官庁として検察固有の事務、たとえば犯罪の捜査、起訴不起訴の決定などについて、独自に権限を行使することができるのであり、これは裁判に準ずる検察事務の性質上当然なことではあるが一般行政官庁の職員の執務権限に較べて極めて強力なものである。したがつてこれに一定の制約を設けなければ、国家事務としての検察事務が個々の検察官によって区々に行われ、時には検察官の恣意による専断が行われないとはいえないので、検察庁全体として互に矛盾なく遂行することができるようにこれを統括し調整せねばならぬことになる。そのため「検察庁」は独立の官庁である個々の検察官の行う事務を統括するところというように定め、検事総長、検事長、検事正はその管轄する庁の事務の一部をその指揮監督の下にある検事に取り扱わさせ、あるいはその指揮監督下にある検事の事務を自ら取り扱い又は他の検事に取り扱わさせることができることを規定したのである。
    故に検察庁という官庁は、検察官が検察事務を行うところというような単なる場所をあらわしたものではなく、それは、検察官が本来独立官庁として独自に行うことの出来る個々の検察事務を、全体的に統括調整するところという意味であって、検察官の執務が形式的に統合されるというだけでなく実質的精神的に統括されることをも意味するのであって、これを規定した検察庁法第一条は、法案を法制局と審議した際当初もうけてなかったのをその示唆によってかような意味でとくにおくようにしたのである。
    ところが検察官が上官を代理してその事務を取り扱う場合は、特別の委任叉は命令がなくても当然これを行うことができるのであるから、その職務の代行について代理順序を定めておく必要があるので、法務大臣があらかじめその代理順序を定めることにしてこれを大臣訓令に譲ることにしたのであるが、検察事務のうちで検察固有のものは個々の検察官がそれぞれ独自でこれを行うことができ、検事長または検事正でなければできないという事務は本来極めて少いので、次席検事を設けて各庁の長を代理させこれに担当させるのが適当と思われたので、大臣の訓令で定める検察事務章程(山中注:検察庁事務章程のこと。)に次席検事の制度を設け、これとともに職務代行の代理順序を規定したのである。すなわち高等検察庁及び地方検察庁に次席検事を置き、その属する検察庁の長を補佐させることとし、最高検察庁において検事総長及び次長検事に事故があるとき又は検事総長、次長検事が欠けたときは、検事総長があらかじめ定めた順序により、その庁の検事が臨時に検事総長を代理し、高等検察庁又は地方検察庁においてその庁の長に事故のあるとき又はこれが欠けたときは、その庁の次席検事が臨時にその庁の長を代理し、次席検事もまた事故のあるとき又は欠けたときは、その庁の長の定めた順序により他の検事がその庁の長を代理することとしたのである。

2 検察事務及び検察行政事務
(1) 検察庁法1条1項は「検察庁は、検察官の行う事務を統括するところとする。」と定めていますところ,新版検察庁法逐条解説21頁には以下の記載があります。
    法第一条第一項を文法的にわかりやすくいえば、「検察庁は、検察官の行う検察事務および検察行政事務がその長によって統括されるところである」ということになる
(2) 個々の検察官の固有の権限としての検察事務について定める検察庁法4条ないし6条は以下のとおりです(検察官の職務権限が検察庁事務章程によって制限されているわけではないことにつき,検察庁事務章程5条4項)。
第四条 検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。
第五条 検察官は、いずれかの検察庁に属し、他の法令に特別の定のある場合を除いて、その属する検察庁の対応する裁判所の管轄区域内において、その裁判所の管轄に属する事項について前条に規定する職務を行う。
第六条 検察官は、いかなる犯罪についても捜査をすることができる。
② 検察官と他の法令により捜査の職権を有する者との関係は、刑事訴訟法の定めるところによる。
(3) 検察官は,検察事務については,上司の指揮監督の下に,検察事務官,検察技官その他の職員を指揮監督します(検察庁事務章程8条)。
(4) 検事総長,検事長及び検事正は,庁務掌理権及び指揮監督権を他の検察官に委任することができます(検察庁法11条)。
   また,これとは別に,検察庁事務章程2条2項で次席検事の庁務掌理権及び指揮監督権が定められ,3条2項で支部長の庁務掌理権及び指揮監督権が定められています。
(5) 検察庁事務章程6条2項は最高検察庁の部長の事務総括権及び指揮監督権を定め,6条3項は高等検察庁及び地方検察庁の部長の事務総括権及び指揮監督権を定めています。
   6条2項及び3項が「総括」という表現を用いて,次席検事及び支部長の場合のように「掌理」という表現を用いなかったのは,部の所管事務は主として検察事務であり,検察事務は本来,個々の検察官の固有の権限に属するものであるからです(新版検察庁法逐条解説200頁参照)。

3 関連記事その他
(1)  平成24年度初任行政研修「事務次官講話」の「明日の行政を担う皆さんへ」と題する講演(平成24年5月15日実施)において,西川克行法務事務次官は以下の発言をしています(リンク先のPDF5頁)。

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検察制度の沿革

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)3頁ないし7頁には,「第2節 検察制度の沿革」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 裁判と刑罰の制度は人間社会の成立に始まっているが,現在のような訴追権(公訴権)を独占行使する機関としての検察制度は,近代に始まるといってよい。
   現在の検察制度に類似したものとしては,唐の御使台や, これを継受した我が王朝時代の弾正台があった。 これらは,官吏監察の制度で,風俗を粛正し, 内外の非違を弾奏することを職務としていた。いずれも,独占的訴追機関ではないが,犯罪を糺弾する職責をもっていた点で,一種の検察機関といえるものであった。それが時代の下がるに伴い,検非違使,奉行の制度となり,検察は警察及び裁判と一体として行われるに至って検察制度と目すべきものは姿を消した。 ところが,明治初頭の律令法制の一部復活により,明治2年5月22日,弾正台が設けられ,行政警察と犯罪の糾弾をあわせ行ったが, 明治4年7月9日, 司法省の設置とともに廃止された。
   
2 さて, 明治初期,我が国の法制度は, フランス法の継受によって樹立されたが,検察制度もまたフランス法の継受によった。
   フランスにおいては,13世紀ころから国王(国庫)の利益を代表し擁護する 「国王の代官」の制度が設けられていた。 この「代官」は王の財源となっていた罰金や財産没収の執行にあたったが, 王権が強大になるとともにその権限を拡大し, 国家や社会の公益の擁護に任ずるようになり,16世紀の半ばころから,裁判所に附置されて一般人民からの告訴,告発を受け, 犯罪の捜査を行い,裁判所に犯人の処罰を申し立て,刑を執行するほか,公益の代表者として民事訴訟に立ち会い, また, 司法行政事務を監督する権限を有していた。
ところが, フランス大革命(1789年)により旧体制は崩壊し,刑事裁判手続は,イギリス法を模倣して創設され,従来の糺問手続が廃されて弾劾手続(8頁注2参照〉が採られた上, 陪審制度(起訴陪審,審理陪審) も設けられた。 これによって, 旧来の「国王の代官」 もその姿を消すに至った。
   しかし,革命による刑事手続,殊に起訴すべきか否かを陪審員によって決する起訴陪審の制度は, その使命を果たし得ず, その結果,犯罪の訴追は著しく活発を欠き,全フランスに盗賊が思うままに跳梁し,社会の秩序と平和を乱した。かくて,「国王の代官」が想起され,革命9年(1801年)雨月7日の法律は, 地方その他の一部勢力や偏見から超越してその職務を遂行すべき公訴官一「政府(人民)の代官」一が創設され,これが近代的な検察官制度の始まりだとされている。
   これによって,刑事訴追の公益上の必要と被告人の立場を保護する自由主義的要求とが調和されるに至り,その後数次の改正を経て,1808年11月27日公布の治罪法に,kって, 「検察官」制度が確立され,国家は,検察官をして公訴を提起せしめ,栽判所をしてそれを審判せしめることになった。フランス治罪法は,やがてヨーロッパ諸国,アメリカ,東洋にと継受されていった。
   
3 我が国に検察官がはじめて設けられたのは,明治5年8月3日太政官達「司法職務定制」においてである。同定制では「検事ハ法憲及人民ノ権利ヲ保護シ良ヲ扶ケ悪ヲ除キ裁判ノ当否ヲ監スルノ職トス」 とし,「検事ハ裁判ヲ求ムルノ権アリテ裁判ヲ為スノ権ナシ」,「聴訟ニハ検事必ス連班シ検事出席セサレハ判事独リ裁判スルコトヲ得ス」 と規定されている。
   しかし, 当時, フランス法制を十分に継受しておらず,検察官の公訴によらないで裁判所が職権で審判を開始する場合もあり, 国家訴追主義と糺問主誰が並行して行われていた。その後, 明治11年6月10日司法省達「自今訟廷内ノ犯罪及審問上ヨリ発覚スル本件附帯ノ犯罪ヲ除ク外ハ総テ検事ノ公訴ニ因リ処断スル義卜可相心得,此旨相達候事」によって,国家訴追主義, 不告不理の原則(9頁,11頁参照)が認められ,それが明治13年7月17日制定の治罪法(太政官布告第37号)において, はじめて体系的包括的に規定された。その後我が国の法制はドイツ法制を継受し,いわゆる旧々刑事訴訟法(明治23年11月1日施行),旧刑事訴訟法(大正13年1月1日施行)と改正され, 国家訴追主義, 不告不理の原則が確立された。
   一方,司法職務定制による検察制度は,検事職制章程司法警察規則(明治7年1月28日,太政官達第14号),司法省検事職制章程(明治8年5月8日,司法省達第10号),司法省職制章程並検事職制章程(明治10年3月2日,太政官布告第32号),各省使職制並事務章程(明治13年12月2日,太政官布告第60号),裁判所官制(明治19年5月4日,勅令第40号)と改正を経て,明治23年2月10日公布,同年11月1日施行の裁判所構成法により,近代的な制度として完備されるに至った。
   以来,裁判所構成法は, 旧々刑訴時代,旧刑訴時代を通じ,約60年にわたって,検察組織の基本法として, その使命を果たしてきた。
   裁判所構成法によると,検事局が各裁判所に「附置」せられ,「検事局ニ相応ナル員数ノ検事ヲ置ク」ものとされるが,検事は,「裁判所ニ対シ独立」であって,一人一人が単独官庁として「刑事ニ付公訴ヲ起シ其ノ取扱上必要ナル手続ヲ為シ法律ノ正当ナル適用ヲ請求シ及判決ノ適当ニ執行セラレルヤヲ監視シ又民事ニ於テモ必要ナリト認ムルトキハ通知ヲ求メ其ノ意見ヲ述フルコトヲ得又裁判所二属シ若ハ之ニ関ル司法行政事件ニ付公益ノ代表者トシテ法律上其職権二属スル監督事務ヲ行フ」 ものとされ,また,検事一体の原則を規定するなど,現在の検察官の性格は, ほぼ裁判所構成法によって確立せられたということができる。
   
4 昭和20年8月の太平洋戦争の終結により,我が国は,民主主義国家として再生の一歩を踏み出すこととなり, これに伴って,司法制度も根本的に改革せられることになった。その結果,これまで司法大臣の行政監督権のもとにあった裁判所は, その監督権から離れて独立することとなり,昭和22年4月16日,法律第59号及び第61号をもって,新たに裁判所法及び検察庁法が公布され,裁判所法の附則によって裁判所構成法が廃止されることになり, 日本国憲法の施行の日である昭和22年5月3日から,新しい裁判所法及び検察庁法が施行された。そして,昭和23年7月10日,法律第131号をもって,新たに刑事訴訟法(以下「刑訴法」 という。)が公布(施行,昭和24年1月1日)され,現在の検察庁及び検察官が誕生したのである。

検察庁法改正案の成立前後における,検事長の勤務延長の取扱い

目次
第1 検察庁法改正案の骨子,及び検察庁法改正案の条文
第2 現在の取扱い
1 検事長の勤務の延長
2 検事長の勤務の再延長
3 検事総長の勤務の延長及び再延長
第3 検察庁法改正案が成立した場合の取扱い
1 検事長の勤務の延長
2 検事長の勤務の再延長
3 検事総長の勤務の延長及び再延長
第4 検察庁法改正案が成立した場合に予想される影響(個人的見解です。)
1 政治家の犯罪に対する捜査がずっと少なくなるかも知れないこと
2 検事正について63歳以降の勤務延長が政治的に問題となる可能性は非常に小さいこと
3 平成26年4月以降に定年退官した検察官(令和2年5月14日追加)
4 検事について任期制を設けなかった理由の一つ
第5 関連記事

第1 検察庁法改正案の骨子,及び検察庁法改正案の条文
1 検察庁法改正案の骨子
(1) 検察庁法改正案の骨子は以下のとおりです。
① 定年延長
・ 検事総長以外の検察官の定年を63歳から65歳に引き上げて,検事総長の定年と同じにする(改正案22条1項)。
② 定年退職の特例
・ 定年に達した検察官のうち,当該検察官の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣又は法務大臣の準則で定める事由がある場合,検事総長については68歳まで(改正案22条2項),検事総長以外の検察官については66歳まで(次長検事及び検事長につき改正案22条2項,検事及び副検事につき改正案22条3項),その職を占めたまま在職できることとする(国家公務員法改正案81条の7の読替に基づく措置)。
③ 役職定年
・ 次長検事,検事長,検事正及び上席検察官の役職定年は63歳とし,63歳に達した日の翌日にヒラの検事とする(次長検事及び検事長につき改正案22条4項,検事正につき改正案9条2項,上席検察官につき改正案10条2項・9条2項)。
④ 役職定年の特例
・ 役職定年に達した検事のうち,当該検事をヒラの検事とすることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣又は法務大臣の準則で定める事由がある場合,次長検事及び検事長については内閣の判断により(改正案22条5項及び6項),検事正及び上席検察官については法務大臣の判断により(改正案9条3項及び4項・10条2項),その職を占めたまま65歳まで在職できることとする。

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令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案に関する法案審査資料

目次
第1 令和2年2月の文書(黒川弘務東京高検検事長の勤務延長後の文書)
1 令和2年2月27日頃の文書
2 令和2年2月17日頃の文書
3 令和2年2月7日頃の文書
4 令和2年2月初旬頃の文書
第2 検察官の勤務延長を認めた解釈変更に関する文書(令和2年1月当時のもの)
第3 令和元年10月31日までの文書
1 令和元年10月31日の文書
2 令和元年10月29日頃の文書
3 令和元年8月22日頃の文書
4 令和元年8月20日頃の文書
5 令和元年5月10日頃の文書
6 令和元年5月7日頃の文書
第4 関連記事その他
1 首相官邸は,黒川弘務の検事総長昇格を求めていたかも知れないこと
2 令和2年の検察庁法改正案の骨子
3 関連記事

* 第1ないし第3は,令和2年4月20日付の,法務大臣の行政文書開示決定通知書(検察庁法の一部改正に関する法律案等の法案審査資料)に基づく開示文書のうち,逐条国家公務員法<全訂版>(23枚),新版検察庁法逐条解説(7枚)及び事実上の重複文書1枚を除く1417枚を掲載したものです。

第1 令和2年2月の文書(黒川弘務東京高検検事長の勤務延長後の文書)
1 令和2年2月27日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案に関する,法務省の逐条説明資料
→ リンク先のPDF23頁には,「検事総長は勤務延長制度を適用することで68歳に達する日の前日まで勤務でき、次長検事及び検事長は管理監督職勤務上限年齢制の特例の趣旨を踏まえた仕組み及び勤務延長制度を適用することで66歳に達する日の前日まで勤務できることとなる。」と書いてあります。 
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の新旧対照表
→ 検察庁法附則4条(リンク先のPDF12頁)につき,令和2年2月17日頃の新旧対照表と異なります。
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→長官からの御指摘とその対応について
→ 検察庁法附則4条に限り,令和2年2月17日頃の条文案から修正したとのことです。

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最高検察庁作成の,職務上の過誤に関する文書

目次
1 最高検察庁作成の,職務上の過誤に関する文書
2 関連記事その他

1 最高検察庁作成の,職務上の過誤に関する文書
令和元年,令和2年,令和3年,令和4年,
令和5年,令和6年,

2 関連記事その他
(1) 令和3年分以降については,令和2年7月10日付け法務省刑総第699号刑事局長依命通達及び同日付け最高検企第197号最高検察庁総務部長通知「検察運営に関する報告について」に基づき報告があった職務上の過誤を取りまとめたものになっています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 平成14年5月以降の,検察官の懲戒処分事例

検察官の種類等

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)70頁ないし76頁には「第1節 検察官の種類等」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察官には,検事総長,次長検事,検事長,検事及び副検事の五種類がある(庁法第3条)。 これらは, いずれも官名であり,検察官というのは, この五つの官名の総称である。また,訴訟法上は,官名の総称たる 「検察官」 も官名であるとされている (注1)。
   「官」 とは,素朴な職務の分類, 内容を表示し,一つの地位として身分的性格を有するものであり,官に任命することは,原則として, その任官者に割り当てる職務と責任を明らかにしてはいない。 したがって,官にある者に対し,その職務内容を明らかにし,その職務を執行することを命ずる 「補職」が必要である (注2)。
   検察官のうち検事総長と次長検事とは,各1名しかあり得ず,その意味において,官と職とが合体しているいわゆる一官一職の官職であるから,任官行為さえあれば,改めて補職行為を要しない。言い換えれば,任官により執行すべき朧務も決まってしまうのである。 これに対して,検事長,検事及び副検事は,それぞれ複数存在するから,任官行為のほかに補職行為を要することになる。
   一方,検察官には級名があり ,総事総長,次長検事及び各検事長は一級とし,検事は一級又は二級とし,副検事は二級とされる(庁法第15条)。
   これは,庁法制定当時施行されていた「官吏任用叙級令(昭和21年勅令第190号)」による叙級制度の名残りであり, 実質的には,庁法第19条,第9条第1項とあいまって, 検事総長,次長検事,検事長,検事正となるためには, 一定の経験年数ないし経歴をするとしているところに意味がある。
(注1) 「検察官といふ用語は検察庁法第3条第4条に規定する通り検事総長,次長検事,検事長,検事及び副検事等刑事について公訴を行ひ裁判所に法の正当な適用を請求し且つ裁判の執行を監督する等所謂検察事務を行う官吏の総称であるから之を官名と認めることが出来る。従って公判調書に検察官の官氏名を記載するには『検察官何某』と記載すれば足るものと解すべく(昭和23年12月24日最高裁判所判決,判例集2巻14号1908頁及同月21日同裁判所判決は判例集2巻14号1843頁参照) , しかし,実務上,起訴状等には○○検察庁「検察官検事」□□□□と記戦し,刑訴法上の権限があることを表示するとともに, 庁法上の地位の区別も明示している。
(注2) 現在の国家公務員制度においては,職階制の採用に伴って, 「官」は原則としてなくなったが,検察官については, その職務と責任の特殊性から,官と職の制度を存統させている(国家公務員法附則第13,昭和27年人事院規則6-3職階制の適用除外第1条)。
   
2 任免及び補職
   検事総長, 次長検事及び検事長の任免は, 内閣が行い, 天皇がこれを認証する (庁法第15条第1項)。認証とは,任免そのものを行うことではなく , 内閣の行う任免が真正なものであることを確認し,かつ,公に表明することである。 このように,任免について天皇の認証を要するものとされている公務員のことを,ふつう認証官と呼んでいるが,別に認証官という官名があるわけではない。
   検事及び副検事の任免権者については,庁法に規定がないから, 国家公務員法上の一般原則に従い,法務大臣である (国家公務員法第55条。なお,検事及び副検事については, 同条の任命権の委任はなされていない。)。
   検事長,検事,副検事の補職権者は法務大臣とされる(庁法第16条第1項)。
   副検事は,区検察庁の検察官の職にしか補せられない(同条第2項)。
   すなわち, 副検事は,原則として, 区検察庁の検察官としての職務しか執行することができない。庁法第18条で定めるように, 副検事の任命資格は,検事のそれよりも緩やかなものとされており, そのことと対応して,原則として,比較的軽微な事件のみを取り扱う区検察庁の検察官の職務を行うべきものとされているからである。 しかし副検事も, 庁法第12条に基づき検察庁の長から区検察庁以外の検察庁の検察官としての職務の取扱いを命ぜられた場合には, 区検察庁以外の検察庁の検察官としての職務を執行することが許される (注1,2,3)。
   以上の補職行為があって,検察官の属する庁(庁法第5条)が定まる。高等検察庁又は地方検察庁の支部に勤務すべき検事は, その支部の属する当該高等検察庁又は地方検察庁の検事の中から, 法務大臣が命ずるものとされている (庁法第17条)。
   
(注1) 副検事の地方検察庁検察官事務取扱について
   判例「原則として検察官は, その属する検察庁の対応する裁判所の管轄区域内において,その裁判所の管轄に属する事項について公訴権を行使する(第5条)。そして「副検事は, 区検察庁の検察官の職のみにこれを補するものとする」(第16条第2頃)と定められているから,副検事はその属する区検察庁の対応する簡易裁判所(第2条)の管轄区域内において,その裁判所の管轄に属する事項について公訴榧を行使することになるわけである。
   しかしながら,かかる裁判所との対応関係は,原則として通常の場合に関するものであって, 同法又は他の法令に特別の定ある場合には固より種々の例外を生ずることが,すでに予め想定されているのである(第5条参照)。そこで, 同法第12条は,かかる例外の場合として,「検事総長,検事長又は検事正は,その指揮監督する検察官の事務を, 自ら取扱い,又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができる」旨を規定している。思うにこれは,検察官同一体の原則の下に,機に臨み変に応ずる幅と融通性を与えたものである。
   所論の検察庁事務章程第13条(現行の検察庁事務章程(昭34.4.1施行法務省訓令第1号では削除されている)は,さらにこの趣旨を具体化する意味において, 「地方検察庁の検察官に差支えがあるときは,検事正は,その庁の検察官の事務を, 随時その庁の所在地の区検察官に取扱わせることができる」 と定めたものである。それ故,検事正は地方検察庁の検察官の事務を,随時当該地方検索庁の所在地の区検察庁の検察官(副検事たると検事たるの区別を問うことなく)に取り扱うことができるものと解すべきを相当とし,何等疑義を挟む余地はないと言うべきである。副検事は,区検察庁の検察官の職のみに補せられるのであるが(第16条第2項),前記第12条の場合においては例外として地方検察庁の検察官の事務をも取り扱うことを得るものと言わなければならない。」(最判昭和24年4月7日最高刑集3巻4号474頁)
(注2) 副検事が地方検察庁支部の検察官事務取扱としてなした地方裁判所に対する公訴提起の効力について
   判例「検察庁法第16条第2項には副検事は区検察庁の検察官のみに補する旨規定されてあるのに本件が横浜地方検察庁横須賀支部事務取扱副検事○○○○により原審たる横浜地方裁判所横須賀支部に起訴されたこと所論のとおりである。然し,元来検事正はその指揮監督する検察官の事務を他の検察官に取扱わせることができるものなることは検察庁法第12条,第13条により明らかであり, 而して検察庁事務章程第13条(旧章程)に地方検察庁の検察官に差支えがあるときは検事正はその庁の検察官の事務を随時その庁所在地の区検察庁の検察官に取扱わせることができる旨定めているのは,検察庁法第32条に基き同法第12条所定の前記職務移転権限行使の一般的方法を規定したものであって,一種の委任命令に属し,決して同法の法意を踰越するものではなく,従って,右副検事による本件起訴は所論の如き違法のものではない。諭旨は理由がない。」(東京高判昭和28年1月27日東高判時報3巻1号17頁,その他最判昭和29年11月16日最高裁判所裁判集100号511頁)
(注3)副検事が地方検察庁支部の公判立会をすることについて
   判例「検察庁事務章程13条(旧章程)によれば,地方検察庁の検察官に差支えがあるときは,検事正はその庁の検察官の事務を随時その庁の所在地の区検察庁の検察官に取扱わせることができるのであるから, 区検察庁の検察官たる副検事と雖も,上司の命令があるときは適法に地方検察庁の検察官の事務を取扱うことができるものと解す。」(東京高判昭和31年4月14日高裁刑集9巻3号305頁)
   
3 資格要件
   検事総長,次長検事,検事長及び検事正に任命されるには, 一級の検事であることを要し (庁法第15条,第9条), 一級の検察官の任命及び叙級は,庁法第19条所定の資格を有する者について行う。
   二級の検事に任命されるためには,庁法第18条第1項,第3項所定の資格を有しなければならない。同条項の資格要件は,

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法務・検察幹部名簿(2019年4月17日時点・ポスト順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2019年4月17日時点のものを,ポスト順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

(法務省幹部)
1 辻裕教 38 期 1961年10月4日 57 歳 2019年1月18日 法務事務次官 ( 法務省刑事局長 )
2 川原隆司 41 期 1964年8月16日 54 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房長 ( 最高検検事 )
3 西山卓爾 45 期 1966年10月25日 52 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房政策立案総括審議官 ( 法務省大臣官房審議官(訟務局担当) )
4 山内由光 47 期 1966年1月12日 53 歳 2018年2月26日 法務省大臣官房審議官(国際・人権担当) ( 法務省刑事局国際課長 )
5 保坂和人 47 期 1968年12月27日 50 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房審議官(刑事局担当) ( 法務省刑事局刑事法制管理官 )
6 石井隆 44 期 1965年11月2日 53 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房審議官(訟務局担当) ( 法務総合研究所総務企画部長 )
7 吉川崇 47 期 1968年4月4日 51 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房秘書課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
8 伊藤栄二 43 期 1966年10月4日 52 歳 2015年10月27日 法務省大臣官房人事課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
9 松下裕子 45 期 1968年2月20日 51 歳 2018年7月19日 法務省大臣官房会計課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
10 佐久間佳枝 47 期 1963年10月8日 55 歳 2019年4月1日 法務省大臣官房施設課長 ( 法務省人権擁護局総務課長 )
11 小山太士 40 期 1961年5月13日 57 歳 2019年1月18日 法務省刑事局長 ( 法務省大臣官房長 )
12 菊池浩 42 期 1963年11月7日 55 歳 2019年4月1日 法務省人権擁護局長 ( 奈良地検検事正 )
13 大塲亮太郎 38 期 1960年3月6日 59 歳 2019年1月18日 法務総合研究所長 ( 最高検公判部長 )
14 高嶋智光 41 期 1961年10月6日 57 歳 2019年4月1日 出入国在留管理庁次長 ( 法務省人権擁護局長 )
15 佐藤淳 46 期 1969年1月12日 50 歳 2019年4月1日 出入国在留管理庁審議官(総合調整担当) ( 法務省大臣官房施設課長 )
16 中川清明 36 期 1958年9月13日 60 歳 2016年9月5日 公安調査庁長官 ( 最高検公安部長 )
17 浦田啓一 41 期 1963年10月28日 55 歳 2018年1月9日 公安調査庁次長 ( 大津地検検事正 )
(検察幹部)
18 稲田伸夫 33 期 1956年8月14日 62 歳 2018年7月25日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
19 堺徹 36 期 1958年7月17日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 仙台高検検事長 )
20 廣上克洋 39 期 1961年11月8日 57 歳 2018年1月22日 最高検総務部長 ( 名古屋高検次席検事 )
21 畝本直美 40 期 1962年7月9日 56 歳 2019年1月18日 最高検監察指導部長 ( 法務省保護局長 )
22 落合義和 38 期 1960年1月7日 59 歳 2018年2月26日 最高検刑事部長 ( さいたま地検検事正 )
23 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 59 歳 2018年7月25日 最高検公安部長 ( 東京高検次席検事 )
24 和田雅樹 39 期 1961年12月21日 57 歳 2019年1月18日 最高検公判部長 ( 法務省入国管理局長 )
25 齊藤隆博 41 期 1963年1月1日 56 歳 2017年7月27日 最高検検事 ( 徳島地検検事正 )
26 関一穂 41 期 1959年7月16日 59 歳 2019年3月1日 最高検検事 ( 預金保険機構 )

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法務・検察幹部名簿(2019年4月17日時点・生年月日順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2019年4月17日時点のものを,生年月日順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

1 稲田伸夫 33 期 1956年8月14日 62 歳 2018年7月25日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
2 稲川龍也 35 期 1956年9月13日 62 歳 2018年1月9日 広島高検検事長 ( 高松高検検事長 )
3 黒川弘務 35 期 1957年2月8日 62 歳 2019年1月18日 東京高検検事長 ( 法務事務次官 )
4 小川新二 36 期 1957年3月27日 62 歳 2018年1月9日 高松高検検事長 ( 最高検公安部長 )
5 大谷晃大 36 期 1957年5月7日 61 歳 2018年7月25日 仙台高検検事長 ( 横浜地検検事正 )
6 井上宏 37 期 1957年6月17日 61 歳 2018年2月26日 札幌高検検事長 ( 名古屋地検検事正 )
7 林眞琴 35 期 1957年7月30日 61 歳 2018年1月9日 名古屋高検検事長 ( 法務省刑事局長 )
8 上野友慈 35 期 1957年8月28日 61 歳 2018年2月26日 大阪高検検事長 ( 札幌高検検事長 )
9 片岡弘 37 期 1958年4月8日 61 歳 2018年2月26日 名古屋地検検事正 ( 千葉地検検事正 )
10 田中素子 40 期 1958年4月22日 60 歳 2018年2月26日 京都地検検事正 ( 水戸地検検事正 )
11 堺徹 36 期 1958年7月17日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 仙台高検検事長 )
12 榊原一夫 36 期 1958年8月6日 60 歳 2018年2月26日 福岡高検検事長 ( 大阪地検検事正 )
13 千田恵介 39 期 1958年8月12日 60 歳 2018年6月25日 高松地検検事正 ( 法務総合研究所国際協力部長 )
14 中川清明 36 期 1958年9月13日 60 歳 2016年9月5日 公安調査庁長官 ( 最高検公安部長 )
15 小澤正義 40 期 1959年1月3日 60 歳 2018年2月26日 札幌地検検事正 ( 福島地検検事正 )
16 杉山治樹 37 期 1959年3月6日 60 歳 2018年1月22日 神戸地検検事正 ( 最高検検事 )
17 阪井博 40 期 1959年4月1日 60 歳 2018年10月30日 宇都宮地検検事正 ( 金沢地検検事正 )
18 関一穂 41 期 1959年7月16日 59 歳 2019年3月1日 最高検検事 ( 預金保険機構 )
19 北川健太郎 37 期 1959年9月14日 59 歳 2018年2月26日 大阪地検検事正 ( 最高検刑事部長 )
20 甲斐行夫 36 期 1959年9月26日 59 歳 2017年9月7日 東京地検検事正 ( 最高検刑事部長 )
21 森脇尚史 43 期 1959年9月26日 59 歳 2018年10月30日 金沢地検検事正 ( 福岡地検小倉支部長 )
22 関隆男 41 期 1959年10月14日 59 歳 2018年10月30日 新潟地検検事正 ( 札幌高検次席検事 )
23 互敦史 43 期 1959年11月1日 59 歳 2018年6月25日 徳島地検検事正 ( 千葉地検次席検事 )
24 菅野俊明 46 期 1959年11月3日 59 歳 2019年4月1日 最高検検事 ( 東京高検検事 )
25 中原亮一 37 期 1959年11月29日 59 歳 2018年7月25日 横浜地検検事正 ( 最高検公安部長 )
26 原島肇 40 期 1960年1月1日 59 歳 2018年6月25日 岐阜地検検事正 ( 広島高検次席検事 )
27 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 59 歳 2018年7月25日 最高検公安部長 ( 東京高検次席検事 )
28 落合義和 38 期 1960年1月7日 59 歳 2018年2月26日 最高検刑事部長 ( さいたま地検検事正 )

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法務・検察幹部名簿(2019年4月17日時点・修習期→生年月日順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2019年4月17日時点のものを,修習期→生年月日順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

1 稲田伸夫 33 期 1956年8月14日 62 歳 2018年7月25日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
2 稲川龍也 35 期 1956年9月13日 62 歳 2018年1月9日 広島高検検事長 ( 高松高検検事長 )
3 黒川弘務 35 期 1957年2月8日 62 歳 2019年1月18日 東京高検検事長 ( 法務事務次官 )
4 林眞琴 35 期 1957年7月30日 61 歳 2018年1月9日 名古屋高検検事長 ( 法務省刑事局長 )
5 上野友慈 35 期 1957年8月28日 61 歳 2018年2月26日 大阪高検検事長 ( 札幌高検検事長 )
6 小川新二 36 期 1957年3月27日 62 歳 2018年1月9日 高松高検検事長 ( 最高検公安部長 )
7 大谷晃大 36 期 1957年5月7日 61 歳 2018年7月25日 仙台高検検事長 ( 横浜地検検事正 )
8 堺徹 36 期 1958年7月17日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 仙台高検検事長 )
9 榊原一夫 36 期 1958年8月6日 60 歳 2018年2月26日 福岡高検検事長 ( 大阪地検検事正 )
10 中川清明 36 期 1958年9月13日 60 歳 2016年9月5日 公安調査庁長官 ( 最高検公安部長 )
11 甲斐行夫 36 期 1959年9月26日 59 歳 2017年9月7日 東京地検検事正 ( 最高検刑事部長 )
12 井上宏 37 期 1957年6月17日 61 歳 2018年2月26日 札幌高検検事長 ( 名古屋地検検事正 )
13 片岡弘 37 期 1958年4月8日 61 歳 2018年2月26日 名古屋地検検事正 ( 千葉地検検事正 )
14 杉山治樹 37 期 1959年3月6日 60 歳 2018年1月22日 神戸地検検事正 ( 最高検検事 )
15 北川健太郎 37 期 1959年9月14日 59 歳 2018年2月26日 大阪地検検事正 ( 最高検刑事部長 )
16 中原亮一 37 期 1959年11月29日 59 歳 2018年7月25日 横浜地検検事正 ( 最高検公安部長 )
17 堀嗣亜貴 37 期 1960年5月4日 58 歳 2018年1月22日 福岡地検検事正 ( 仙台地検検事正 )
18 北村篤 37 期 1961年3月4日 58 歳 2018年2月26日 千葉地検検事正 ( 広島地検検事正 )
19 野口元郎 37 期 1961年4月1日 58 歳 2014年4月11日 最高検検事 ( 法務総合研究所国際協力部長 )
20 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 59 歳 2018年7月25日 最高検公安部長 ( 東京高検次席検事 )
21 落合義和 38 期 1960年1月7日 59 歳 2018年2月26日 最高検刑事部長 ( さいたま地検検事正 )
22 大塲亮太郎 38 期 1960年3月6日 59 歳 2019年1月18日 法務総合研究所長 ( 最高検公判部長 )
23 辻裕教 38 期 1961年10月4日 57 歳 2019年1月18日 法務事務次官 ( 法務省刑事局長 )
24 千田恵介 39 期 1958年8月12日 60 歳 2018年6月25日 高松地検検事正 ( 法務総合研究所国際協力部長 )
25 山上秀明 39 期 1960年7月14日 58 歳 2018年7月25日 東京高検次席検事 ( 東京地検次席検事 )
26 田辺泰弘 39 期 1960年11月7日 58 歳 2017年6月23日 大阪高検次席検事 ( 大阪地検次席検事 )
27 廣上克洋 39 期 1961年11月8日 57 歳 2018年1月22日 最高検総務部長 ( 名古屋高検次席検事 )
28 和田雅樹 39 期 1961年12月21日 57 歳 2019年1月18日 最高検公判部長 ( 法務省入国管理局長 )

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法務・検察幹部名簿(2020年7月17日時点・ポスト順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2020年7月17日時点のものを,ポスト順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

(法務省幹部)
1 辻裕教 38 期 1961年10月4日 58 歳 2019年1月18日 法務事務次官 ( 法務省刑事局長 )
2 伊藤栄二 43 期 1966年10月4日 53 歳 2020年1月9日 法務省大臣官房長 ( 山形地検検事正 )
3 西山卓爾 45 期 1966年10月25日 53 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房政策立案総括審議官 ( 法務省大臣官房審議官(訟務局担当) )
4 山内由光 47 期 1966年1月12日 54 歳 2018年2月26日 法務省大臣官房審議官(国際・人権担当) ( 法務省刑事局国際課長 )
5 保坂和人 47 期 1968年12月27日 51 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房審議官(刑事局担当) ( 法務省刑事局刑事法制管理官 )
6 福原道雄 48 期 1970年2月10日 50 歳 2020年1月9日 法務省大臣官房審議官(訟務局担当) ( 法務省大臣官房司法法制部司法法制課長 )
7 吉川崇 47 期 1968年4月4日 52 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房秘書課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
8 濱克彦 47 期 1968年10月2日 51 歳 2019年7月16日 法務省大臣官房人事課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
9 北岡克哉 46 期 1968年7月23日 51 歳 2020年7月14日 法務省大臣官房会計課長 ( 大阪高検刑事部長 )
10 柴田紀子 50 期 1971年12月25日 48 歳 2019年7月16日 法務省大臣官房国際課長 ( 法務省刑事局国際刑事管理官 )
11 川原隆司 41 期 1964年8月16日 55 歳 2020年1月9日 法務省刑事局長 ( 法務省大臣官房長 )
12 菊池浩 42 期 1963年11月7日 56 歳 2019年4月1日 法務省人権擁護局長 ( 奈良地検検事正 )
13 上富敏伸 40 期 1962年8月10日 57 歳 2020年3月30日 法務総合研究所長 ( さいたま地検検事正 )
14 高嶋智光 41 期 1961年10月6日 58 歳 2019年4月1日 出入国在留管理庁次長 ( 法務省人権擁護局長 )
15 佐藤淳 46 期 1969年1月12日 51 歳 2019年4月1日 出入国在留管理庁審議官(総合調整担当) ( 法務省大臣官房施設課長 )
16 和田雅樹 39 期 1961年12月21日 58 歳 2020年5月29日 公安調査庁長官 ( 最高検公判部長 )
17 浦田啓一 41 期 1963年10月28日 56 歳 2018年1月9日 公安調査庁次長 ( 大津地検検事正 )
(検察幹部)
18 林眞琴 35 期 1957年7月30日 62 歳 2020年7月17日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
19 落合義和 38 期 1960年1月7日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 最高検刑事部長 )
20 畝本直美 40 期 1962年7月9日 58 歳 2020年5月29日 最高検総務部長兼公判部長 ( 最高検監察指導部長 )
21 齊藤隆博 41 期 1963年1月1日 57 歳 2020年7月17日 最高検刑事部長 ( 東京地検次席検事 )
22 小山太士 40 期 1961年5月13日 59 歳 2020年6月19日 最高検公安部長兼監察指導部長 ( 法務省刑事局長 )
23 廣瀬勝重 41 期 1962年7月8日 58 歳 2020年2月12日 最高検検事 ( 宇都宮地検検事正 )
24 工藤恭裕 43 期 1966年2月22日 54 歳 2019年4月10日 最高検検事 ( 名古屋高検公安部長 )
25 宮川博行 43 期 1965年2月16日 55 歳 2020年1月9日 最高検検事 ( 甲府地検検事正 )
26 森本加奈 44 期 1966年12月15日 53 歳 2019年4月1日 最高検検事 ( 東京高検検事 )

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法務・検察幹部名簿(2020年7月17日時点・修習期→生年月日順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2020年7月17日時点のものを,修習期→生年月日順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

1 林眞琴 35 期 1957年7月30日 62 歳 2020年7月17日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
2 堺徹 36 期 1958年7月17日 62 歳 2020年7月17日 東京高検検事長 ( 次長検事 )
3 榊原一夫 36 期 1958年8月6日 61 歳 2020年1月9日 大阪高検検事長 ( 福岡高検検事長 )
4 中川清明 36 期 1958年9月13日 61 歳 2020年5月29日 名古屋高検検事長 ( 公安調査庁長官 )
5 甲斐行夫 36 期 1959年9月26日 60 歳 2020年6月19日 福岡高検検事長 ( 高松高検検事長 )
6 片岡弘 37 期 1958年4月8日 62 歳 2020年1月9日 札幌高検検事長 ( 名古屋地検検事正 )
7 中原亮一 37 期 1959年11月29日 60 歳 2020年3月30日 広島高検検事長 ( 横浜地検検事正 )
8 北村篤 37 期 1961年3月4日 59 歳 2020年3月30日 横浜地検検事正 ( 千葉地検検事正 )
9 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 60 歳 2020年6月19日 高松高検検事長 ( 東京地検検事正 )
10 落合義和 38 期 1960年1月7日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 最高検刑事部長 )
11 大場亮太郎 38 期 1960年3月6日 60 歳 2020年3月30日 仙台高検検事長 ( 法務総合研究所長 )
12 辻裕教 38 期 1961年10月4日 58 歳 2019年1月18日 法務事務次官 ( 法務省刑事局長 )
13 山上秀明 39 期 1960年7月14日 60 歳 2020年6月19日 東京地検検事正 ( 最高検公安部長 )
14 田辺泰弘 39 期 1960年11月7日 59 歳 2019年11月8日 大阪地検検事正 ( 大阪高検次席検事 )
15 廣上克洋 39 期 1961年11月8日 58 歳 2019年7月16日 京都地検検事正 ( 最高検総務部長 )
16 和田雅樹 39 期 1961年12月21日 58 歳 2020年5月29日 公安調査庁長官 ( 最高検公判部長 )
17 田中素子 40 期 1958年4月22日 62 歳 2019年7月16日 神戸地検検事正 ( 京都地検検事正 )
18 片山巌 40 期 1960年7月10日 60 歳 2019年4月17日 広島地検検事正 ( 前橋地検検事正 )
19 小山太士 40 期 1961年5月13日 59 歳 2020年6月19日 最高検公安部長兼監察指導部長 ( 法務省刑事局長 )
20 吉池浩嗣 40 期 1961年12月11日 58 歳 2019年9月11日 長崎地検検事正 ( 大津地検検事正 )
21 畝本直美 40 期 1962年7月9日 58 歳 2020年5月29日 最高検総務部長兼公判部長 ( 最高検監察指導部長 )
22 上富敏伸 40 期 1962年8月10日 57 歳 2020年3月30日 法務総合研究所長 ( さいたま地検検事正 )
23 矢本忠嗣 41 期 1960年1月13日 60 歳 2019年11月8日 岡山地検検事正 ( 山口地検検事正 )
24 畝本毅 41 期 1960年7月17日 60 歳 2019年11月8日 大阪高検次席検事 ( 大阪地検次席検事 )
25 吉田安志 41 期 1960年9月3日 59 歳 2020年1月9日 名古屋地検検事正 ( 最高検監察指導部長 )
26 神村昌通 41 期 1961年3月8日 59 歳 2020年3月30日 千葉地検検事正 ( 静岡地検検事正 )
27 吉田誠治 41 期 1961年4月27日 59 歳 2020年3月30日 さいたま地検検事正 ( 最高検検事 )
28 久木元伸 41 期 1961年7月21日 58 歳 2019年9月2日 東京高検次席検事 ( 東京地検次席検事 )

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法務・検察幹部名簿(2020年7月17日時点・生年月日順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2020年7月17日時点のものを,生年月日順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

1 林眞琴 35 期 1957年7月30日 62 歳 2020年7月17日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
2 高橋真 44 期 1957年11月7日 62 歳 2019年7月16日 青森地検検事正 ( 東京高検公安部長 )
3 片岡弘 37 期 1958年4月8日 62 歳 2020年1月9日 札幌高検検事長 ( 名古屋地検検事正 )
4 田中素子 40 期 1958年4月22日 62 歳 2019年7月16日 神戸地検検事正 ( 京都地検検事正 )
5 堺徹 36 期 1958年7月17日 62 歳 2020年7月17日 東京高検検事長 ( 次長検事 )
6 榊原一夫 36 期 1958年8月6日 61 歳 2020年1月9日 大阪高検検事長 ( 福岡高検検事長 )
7 中川清明 36 期 1958年9月13日 61 歳 2020年5月29日 名古屋高検検事長 ( 公安調査庁長官 )
8 甲斐行夫 36 期 1959年9月26日 60 歳 2020年6月19日 福岡高検検事長 ( 高松高検検事長 )
9 中原亮一 37 期 1959年11月29日 60 歳 2020年3月30日 広島高検検事長 ( 横浜地検検事正 )
10 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 60 歳 2020年6月19日 高松高検検事長 ( 東京地検検事正 )
11 落合義和 38 期 1960年1月7日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 最高検刑事部長 )
12 矢本忠嗣 41 期 1960年1月13日 60 歳 2019年11月8日 岡山地検検事正 ( 山口地検検事正 )
13 大場亮太郎 38 期 1960年3月6日 60 歳 2020年3月30日 仙台高検検事長 ( 法務総合研究所長 )
14 森隆志 44 期 1960年5月27日 60 歳 2019年11月8日 函館地検検事正 ( 名古屋地検岡崎支部長 )
15 片岡敏晃 42 期 1960年6月1日 60 歳 2020年1月9日 福岡地検検事正 ( 水戸地検検事正 )
16 西村尚芳 42 期 1960年6月19日 60 歳 2019年7月16日 高松地検検事正 ( 青森地検検事正 )
17 片山巌 40 期 1960年7月10日 60 歳 2019年4月17日 広島地検検事正 ( 前橋地検検事正 )
18 山上秀明 39 期 1960年7月14日 60 歳 2020年6月19日 東京地検検事正 ( 最高検公安部長 )
19 畝本毅 41 期 1960年7月17日 60 歳 2019年11月8日 大阪高検次席検事 ( 大阪地検次席検事 )
20 佐藤美由紀 42 期 1960年8月30日 59 歳 2019年4月17日 仙台高検次席検事 ( 盛岡地検検事正 )
21 吉田安志 41 期 1960年9月3日 59 歳 2020年1月9日 名古屋地検検事正 ( 最高検監察指導部長 )
22 田辺泰弘 39 期 1960年11月7日 59 歳 2019年11月8日 大阪地検検事正 ( 大阪高検次席検事 )
23 高橋孝一 44 期 1961年2月5日 59 歳 2019年9月11日 高知地検検事正 ( 静岡地検沼津支部長 )
24 北村篤 37 期 1961年3月4日 59 歳 2020年3月30日 横浜地検検事正 ( 千葉地検検事正 )
25 神村昌通 41 期 1961年3月8日 59 歳 2020年3月30日 千葉地検検事正 ( 静岡地検検事正 )
26 吉田久 43 期 1961年4月26日 59 歳 2020年7月14日 熊本地検検事正 ( 高松高検次席検事 )
27 吉田誠治 41 期 1961年4月27日 59 歳 2020年3月30日 さいたま地検検事正 ( 最高検検事 )
28 小山太士 40 期 1961年5月13日 59 歳 2020年6月19日 最高検公安部長兼監察指導部長 ( 法務省刑事局長 )

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検察官の身分保障

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)77頁ないし84頁には,「第2節 検察官の身分保障」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。なお,別の場所の脚注に言及している部分は削りました。)。

1 既に述べたように,検察権は, 司法権と密接不可分な関係にあり, 司法権の適正な実現のためには,検察権が公正妥当に行使されることが不可欠の前提となる。 したがって, 司法権の独立を確保するためには,検察権の立法権及び他の行政権からの独立が担保されなければならない。
   そのため,庁法は,一面において,個々の検察官をそれぞれ独立の官庁とするとともに,法務大臣の検察官に対する指揮監督権をも制限し,他面において,検察官の身分保障を一般の国家公務員のそれ(注)に比して厚いものとして,検察官の独立性を担保しているのである。けだし,いかに個々の検察官を独立の官庁とし,法務大臣の指揮監督椎を制限したとしても,内閣ないし法務大臣が自由に検察官を罷免したり, あるいは,検察官に対して身分上不利益な処分を行ったりすることができるものとするならば,検察権の独立の担保は,有名無実に帰するであろう。
この意味において,検察官の独任制官庁及び法務大臣の指揮監督権の制限と,検察官の身分保障とは,検察権の独立を担保するための不可欠の前提であるというべきものである。
   その身分保障の内容は,検察官は,懲戒処分については一般の国家公務員と全く同様に国家公務員法の適用を受けるが,分限処分については,一定の場合を除いて,原則として, その意思に反して,官を失い,職務を停止され, 又は俸給を減額されることがない(庁法第25条)ことである。このように,検察官に対して一般の国家公務員と比べて特に厚い身分保障が認められているのは,検察権の公正妥当な行使を担保するためであり, 一方,検察官は,個々の国民の権利義務に重大な影響を及ぼすところの検察権を,専ら自己の判断と責任において行使することを委ねられているのであるから,検察官は, 自己の判断の誤りによって,国家,国民に重大な損害を与える結果を招いたり,検察の公正を疑わしめる結果を招いたりしたような場合には,漫然,身分保障の上に安住することなく,検察官としての良心に従い,潔く出所進退を決しなければならないのは当然である。

(注) 一般の国家公務員の身分保障とは,国家公務員が意に反してみだりにその官職を失ったり,あるいは官職の保有に基づく各種の権利をみだりに制限ないし剥奪されることがない制度をいう。一般の国家公務員も国民全体の奉仕者として,行政事務を能率的かつ公正に執行する責務を負うものとして。安心して職務に精励できるように一定の事由に該当する場合以外はその地位やそれに伴う利益を保障しようとするものである。
   そして国家公務員に対し身分上の不利益を与える制度として,懲戒処分と分限処分とがある。懲戒処分の種類には, (1)免職,(2)停職,(3)減給,(4)戒告(国家公務員法第82条)があり,分限処分の種類には, (1)免職, (2)降任,(3)休職(同法第75条第1項)がある。同じく免職といっても,懲戒処分としての免職と分限処分としての免職があるので,両者の相違が問題になるが,前者は公務秩序の維持という観点に立ってのもので,倫理的な非難の要素を含んでいるのに対し,後者は公務の能率的な運営という観点に立つもので,倫理的な非難の要素は含んでいない。検察庁職員のうち検察事務官は, 一般職(同法第2条第2項)であるから,上記懲戒処分,分限処分の両規定の適用がある。これに対し,検察官は一般職(同項)ではあるが,分限処分については庁法に規定(第23条,第24条)があるので,国家公務員法の適用は排除され(第1章第1節4参照),同法の分限処分の規定は適用されない。 しかしながら, 同法の懲戒処分の規定は排除されていない(庁法第25条ただし書,32条の2,国家公務員法附則第13条)ので,同規定の適用はある。
   なお裁判官は特別職(国家公務員法第2条第3項第13号)であり, 国家公務員法の規定は原則として適用されない(同条第5項)。したがって,上記懲戒処分,分限処分のいずれの規定も適用されない。

2 検察官に対する懲戒処分
   懲戒処分は,特別権力関係における規律の保持のために認められる制裁であるが,国と国家公務員との間に成立する特別権力関係における懲戒処分については,国家公務員法第82条から第85条までに規定されており, この規定は,国家公務員である検察官についても, そのまま適用がある。
   国家公務員の懲戒権者は,任命権者であり (国家公務員法第84条第1項),懲戒の原因は,(1)国家公務員法若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反したこと, (2)職務上の義務に違反し,又は職務を怠ったこと, (3)国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があったこと, である(同法第82条)。また,懲戒処分の種類は,次の四つである (同条)。
(ア) 免職
(イ) 停職1 日以上1年以下の期間職務に従事せしめられず,かつ, その期間中給与を支給されない(同法第83条,人事院規則12-0「職員の懲戒」第2条参照)。
(ウ) 減給1年以下の期間,俸給月額の5分の1以下に相当する額を給与から減ぜられる (「職員の懲戒」第3条参照)。
(エ) 戒告 (「職員の懲戒」第4条参照)。
   なお,戒告に似た名前のものとして「訓告」があるが, これは懲戒処分の一種ではなく,職務上の義務違反が懲戒処分に付する程度に達しない場合に,指揮監督権に基づいて,その義務違反者の職務履行の改善向上に資するために行われる監督上の措置にすぎない。

3 懲戒処分以外の理由による,検察官に対する不利益処分
(1) 免官
   検察官は,原則として,意思に反して官を失うことがない(庁法第25条本文)。
   なお, ここでいう 「官」 とは, 「検察官」たる地位を意味するのか,それとも, 「検事総長」, 「次長検事」, 「検事長」, 「検事」又は「副検事」たる地位を意味するのかについての問題が,昭和26年,具体的な問題となって現われた。時の大橘武夫法務総裁が木内曽益次長検事を本人の承諾を得ることなく札幌高等検察庁検事長へ転任せしめようとした, いわゆる木内問題がこれである。このとき, 当時の大橘法務総裁や佐藤達夫法制意見長官は, 「庁法第25条の規定は検察官相互の転官において適用のあるものではない」旨の見解を示した(昭和26年3月7日,参議院法務委員会)。 しかし,既に述べたとおり,検事総長,次長検事,検事長,検事及び副検事はそれぞれ官であり,検察官は検事総長以下の官名の総称であって,庁法第25条の「官」を「検察官」と限定する法文解釈上の理由はないし, また,同条の「官」を「検察官」 と解するならば,例えば,時の法務大臣が,庁法第14条の規定に反して直接行った具体的事件に関する指揮に従わなかったという隠された原因によって,極端な場合,検事長を副検事に転任させるというようなこともあり得るわけであって,庁法が検察権の独立を担保せしめようとした検察官の身分保障は, ほとんど有名無実に帰すことになる。 したがって,庁法第25条の「官」は,検事総長以下のそれぞれの官であるとしか解し得ない。
   例外的に,検察官がその意思に反して官を失うのは,
(ア) 任命の欠格事由が生じたとき
(イ) 検事総長は年齢が65年に達した時,その他の検察官は年齢が63年に達した時(定年)(庁法第22条)
(ウ) 検察官適格審査会の議決に基づく罷免(庁法第23条)
   の三つの場合である。
   ちなみに,一般の国家公務員がその意思に反して離職せしめられるのは,(ア)欠格事由が発生した場合の失職(国家公務員法第76条) ,(イ)勤務実績がよくない場合,心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合,その他官職に必要な適格性を欠く場合,あるいは,官制もしくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員(注1)を生じた場合の免職(同法第78条)の分限処分による場合である。

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検察官の名称の由来

「新検察制度十年の回顧」には,「検察官の名称」という表題で,以下の記載があります(法曹時報10巻3号88頁及び89頁)。

   旧制度の下では訴訟法上検事という名称はあったが検察官という名称はなかった。検事と検察官は同一の概念ではなく、厳密にいえば区別されねばならぬものであるが、憲法改正草案が提出された際草案(山中注:GHQ草案69条2項参照)に"Public procurators"とされていたのを「検察官」と訳して使われたところから検察官という語が用いられるようになったのである。そこで従来の検事をすべて検察官に当てはめるかどうかということ、ならびに各検察庁の長の名称をどうするかということが問題とされた。
   いうまでもなく旧制度の下では、検事総長、次長検事、検事長はすべて検事がその職に補せられていたのであるが、憲法の改正により、検察庁法に天皇の認証する官を設けるにあたって、これまで職であった検事総長、次長検事、検事長の地位を認証官とする必要から、これらをいづれも検察官ということにし、本来検察官を検事、副検事とすると考えていた構想を改め、検察官に五種類をもうけ、最高検察庁の長を検事総長、高等検察庁の長を検事長ということにしてこれまでの名称を残した。しかし地方検察庁の長として検事正というこれまでの名称ははたして適当かどうかが疑問であった。
   元来検事正という語は主たる検事ということの意味で、旧軍部において大佐相当の官を正と称していた頃、これに相当する検事の官を検事正とし、これを地方検事局の検事の代表者の職名としたものであつて、新検察制度の下における呼称としては相当でないばかりでなく、地方検察庁の検察事務を統括しその庁を代表するものの名称としては一般に理解しにくく、かならずしも適当ではないので、地方裁判所に対応する地方検察庁の長であるという意味で地方検察庁長もしくは地方検察庁長官という名称にする案もあったが、これは検事総長、次長検事、検事長との名称に照らして適当ではなく、結局検事一般の意見を求めたところ、これまでの名称が相当だという意見が強かったのでこれを踏襲することになったのであるが、将来これを変える必要があるのではないかと思われるのである。

*1 検事総長が最高検察庁の長であり,検事長が高等検察庁の長であることは検察庁法7条1項及び8条1項に明記されているものの,検事正が地方検察庁の長であることは検察庁法9条には明記されていないのであって,検察庁事務章程1条に記載されているにとどまります。
*2 制定時の裁判所構成法では,検事総長は勅任官でしたが,大正3年5月1日,勅任検事をもって親補するところの親補職となり,大正10年6月1日,大審院長と同様,親任検事をもって親補するところの親任官となりました(裁判所構成法79条3項)。
   また,戦前の検事総長は大審院の検事局に置かれていました(裁判所構成法56条1項)。
*3 控訴院検事長は,司法大臣の上奏により勅任検事の中から補されており(裁判所構成法79条4項),親補職ではありませんでした。
   また,戦前の検事長は控訴院の検事局に置かれていました(裁判所構成法42条1項)。
*4 検事正は,勅任検事の中から司法大臣によって補されていました(裁判所構成法79条4項)。
   また,戦前の検事正は地方裁判所の検事局に置かれていました(裁判所構成法33条本文前段)。
*5 地方裁判所検事局の検事は検察事務について,特別の許可を受けずに検事正を代理できましたし(裁判所構成法33条但書),控訴院検事局の検事は検察事務について,特別の許可を受けずに検事長を代理できましたし(裁判所構成法42条2項・33条但書),大審院検事局の検事は検察事務について,特別の許可を受けずに検事総長を代理できました(裁判所構成法56条2項・33条但書)。
*6 すべての地裁所長及び地検検事正が勅任官となったのは,昭和2年4月18日公布の勅令第87号(リンク先のコマ番号2)による裁判所職員定員令の改正後です。
*7 明治憲法23条は「日本臣民ハ法律ニ依ルニ非スシテ逮捕監禁審問処罰ヲ受クルコトナシ」と規定し,大正13年1月1日施行の刑訴法(大正11年5月5日公布の法律第75号)246条,248条及び249条は,検事が犯罪捜査の責任を負い,警察官は検事の補佐として,その指揮を受けて捜査をすることと規定していました。
*8 「刑事訴訟法が軌道に乗るまで-第一審の公判を中心として-」と題する記事(筆者は桂正昭最高検察庁検事)には以下の記載があります(昭和49年1月1日発行のジュリスト551号80頁及び81頁。なお,改行を追加しています。)。
   旧刑事訴訟法(山中注:大正13年1月1日施行の刑訴法(大正11年5月5日公布の法律第75号)のことです。)の下では、検察官が作成した捜査記録は、公訴の提起と同時にすべて裁判所に引き継がれ、裁判所は、これらの記録を仔細に検討したうえで公判にのぞみ、公判廷では詳細な被告人質問を行ない、その弁解するところによって疑問を生ずれば、証人尋問などを行って黒白を決するという方法が取られていた。
   検察官の行なう捜査は、被告人の弁解の余地がないようにすべきものとされていたから、大方の事件にあっては、検察官の公判立会はきわめて楽なものであり、公訴事実の陳述と論告求刑とを行えば足りるものが少なくなく、それも、「公判請求書記載のとおり」「事案明瞭、求刑懲役一年」といった程度のことを発言すれば足りるような場合が多かったのである。
   従って、検察官の努力の大半は捜査に注がれ、公判立会は当番制で検事席に座っておれば足りるといった程度のことが多かった。
*9 日本国憲法の改正案の審議当初,憲法33条及び35条2項の「司法官憲」は検事を含むと日本側は解釈していたものの,GHQは,昭和21年8月,「司法官憲」は裁判官に限ると解釈するようになりました(昭和49年1月1日発行のジュリスト551号37頁参照)。
*10 「検察庁の名称の由来」も参照してください。

勤務延長制度(国家公務員法81条の3)の検察官への適用に関する法務省及び人事院の文書(文書の作成時期に関する政府答弁を含む。)

目次
1 法務省の文書
2 人事院の文書
3 法務大臣及び内閣答弁書の説明
4 令和2年4月6日の政府答弁(法務省,人事院,内閣法制局及び内閣人事局の答弁)
5 昭和22年の政府文書に関する内閣答弁書の記載
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1 法務省の文書
・ 法務省が令和2年1月に作成した「勤務延長制度(国公法第81条の3)の検察官への適用について」は以下のとおりです。

   国家公務員法(以下「国公法』という。)第81条の3に規定される,定年による退職の特例(以下『勤務延長制度」という。)は,特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に,定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認め,公務遂行に支障を生じさせないようにしようという趣旨から設けられている(森園幸男ほか編「逐条国家公務員法(全訂版)」698頁)。
   勤務延長制度は,職員が同法第81条の2第1項により退職する場合に適用されるところ,同項において,職員が定年に達したときは,定年に達した日以後の最初の3月31日又は任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日に退職する旨規定され,同条第2項において,職員の定年年齢が原則としてSO歳である旨規定されている。
   一方,検察官の定年については,検察庁法第22条において,一般の国家公務員とは異なり,検事総長は65歳,その他の検察官は63歳にそれぞれ達した時に退官する旨規定され,さらに,同法第32条の2において,同法第22条の規定は,国公法附則第13条の規定により,検察官の職務と責任の特殊性に基づいて,同法の特例を定めたものとする旨規定されている。
   このように,検察官の退職(退官)に関して国公法の特例となっているのは,定年年齢と退職時期であり(具体的には,同法第81条の2第1項に規定される「法律による『別段の定め』は,検察庁法(22条)により規定される定年年齢と定年による退職時期と解される。前記逐条国家公務員法1233頁も同旨。),検察官の定年による退職は,広く捉えれば,一般法たる国公法が規定する「定年による退職』に包含されるものと解される。そして,前記の勤務延長制度の趣旨は,検察官にも等しく及ぶというべきであり, 検察官についても国公法の定年制度を前提とする勤務延長制度の適用があると解される。
   この点,昭和56年の国公法改正により一般職の国家公務員全体に定年制度が導入される以前から,検察官については定年制度が設けられており,いわば検察官の定年制度そのものが国公法の特例であったところ(国公法の特例を定める検察庁法第32条の2は,国公法施行後の昭和24年に設けられ,その時点で既に検察官の定年に関する検察庁法第22条が国公法の特例とされていたことからも明らかである。),前記国公法改正により一般職の国家公務員全体に定年制度が導入されたことに伴い,その特例としての意味は,定年年齢と退職時期の2点に限られることとなったものであって,その意味でも,前記国公法改正以後は,国公法に規定される定年制度そのもの,そして, これを受けて規定されている勤務延長制度については,検察官にも(一般法である)国公法の規定が適用されると解するのが自然である。
   なお,勤務延長制度は,職員が同法第81条の2第1項により退職する場合を前提としているところ,前記のとおり,検察官の定年による退職に関する特例は,定年年齢と退職時期の2点であり,国家公務員が定年により退職するという規範そのものは,検察官であっても定年退職に関する一般法たる国公法に拠っていると言うべきであって,結局,検察官の定年による退職は,検察庁法第22条により前記2点につき修正された国公法第81条の2第1項に基づくものと解される。
以上

(注1)勤務延長制度に関する国公法第81条の3の検察官への適用にあっては,検察官につき前記2点に関しては本来検察庁法第22条により特例とされていることから,国公法81条のS第1項及び第2項のうち,「その職員に係る定年退職日」とあるものは,「その職員が定年に達した日」と修正されて適用されることとなる。
(注2) 再雰用制度に関する国公法第81条の4についても,勤務延長と同様,同法第81条の2により退職した者を対象としていることから,検察官にも観念的には適用があるものの,このうち,短時間再任用については,検察官は,犯罪の捜査や公訴の提起,刑事裁判への立会といった事務(検察事務)を自己の責任において行うこととされ,その職務内容が,週の一部や一日のうち限られた時間のみ勤務するといった短時間再任用になじまないこと,また, フルタイムの再任用についても, これまで,一般の国家公務員のような再任用職員のための俸給表が定められていないなど,法令上必要な手当てがなされていないことから,現状では適用できない状態にある。

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検察権の意義及び内容

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)10頁ないし20頁には,「第1節 検察権の意義及び内容」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察官が公益の代表者として持つ全ての権限,つまり庁法第4条及び第6条に規定する事務(注1)を行う権限を広義の検察権という。すなわち, (1)刑事について,公訴を行い,裁判所に法の正当な適用を請求し,かつ,裁判の執行を監督し, (2)裁判所の権限に属するその他の事項についても,職務上必要と認めるときは,裁判所に,通知を求め,又は意見を述べ, (3)公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行い, (4)いかなる犯罪についても捜査をする権限(注2)が, これである。
   しかし,通常は, これを狭義に解し,刑事について, (1)公訴を行い,(2)裁判所に法の正当な適用を請求し, (3)裁判の執行を監督し, (4)いかなる犯罪についても捜査をする権限を検察権という。
(注1) 検察事務と検察行政事務
   検察庁における事務のうち,庁法第4条及び第6条に規定する検察官固有の事務を検察事務と呼ぶ。これに対し,検察庁における検察事務以外の事務を検察行政事務と呼ぶ。検察行政事務には,検察事務の運営上, 当然これに随伴し検察事務遂行のため必要な間接的補助的行政事務(総務,会計,文書など)や,検察庁の長による統括事務がある。
(注2)第6条は,捜査権を創設的に規定したものではなく,確認的に規定したものと解される (後記3Ⅳ参照)。
   
2 刑罰権実現過程における検察権の重要性
   国家は,社会の秩序を維持する手段としての刑罰権を持つが, これを行使すべきかどうかを国家機関である検察官の判断に委ねている。検察官には, その判断の前提として,犯罪の捜査をする権限が認められる。
   検察官は,捜査の結果に基づき,国家として刑罰権を行使すべき場合かどうかを判断する。もし,検察官が消極に判断したときは,原則として刑罰権が行使されることはない。検察官が積極に判断したときは, まず検察官によって刑罰権の行使についての発議(起訴)が行われる。 これを受けて裁判所は,不告不理の原則(「不告」すなわち訴えがなければ,「不理」すなわち審理できないという原則。つまり裁判所は検察官からの公訴提起のない事件について審理・裁判をすることは許されないとの原則)の下に,刑罰権の有無及び限度を判定し刑罰権の内容を具体化する。最後に,検察官は裁判所によって具体化された刑罰権の内容の実現を指揮するという過程をたどるのである。
   このように,刑罰権実現の過程において,検察権の占める地位は,極めて重要である。したがって,検察権は,司法権そのものではなく,刑罰権の行使という国家目的を追求する一つの行政作用に属するが,これを行使する検察官の責任は重いといわなければならない。
   
3 検察権(狭義)の内容
I 刑事について公訴を行う権限(庁法第4条)
   検察官は,国家の刑事訴追機関として,公訴を提起すべきかどうかを判断し,起訴, 又は不起訴処分をする (注1,2,3)。起訴した場合においては,原告として,公訴の維持,遂行に当たり,特別の必要あるときは,公訴の取消し(刑訴法第257条)をする。
(注1)わが国の刑訴法は, 「公訴は,検察官がこれを行う。」 (刑訴法第247条)として,国家訴追主披・起訴独占主義を採り,また,「犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができる。」 (刑訴法第248条) として,起訴便宜主義を採ることを明らかにしている。
(注2) 検察官の少年事件の家裁送致(少年法第42条)は,裁判所の裁判を求める行為であるから,公訴を行う権限に包含されるものと解される。
(注3) 公訴権の行使に伴う裁量権の範囲については, いわゆるチッソ水俣病補償請求関係傷害事件について,弁護人の公訴権濫用の主張に対する次の判示が注目される。
   「検察官は,現行法制の下では,公訴の提起をするかしないかについて広範な裁量権を認められているのであって,公訴の提起が検察官の裁量権の逸脱によるものであったからといって直ちに無効となるものでないことは明らかである。たしかに,右の裁量権の行使については種々の考慮事項が刑訴法に列挙されていること (刑訴法第248条),検察官は公益の代表者として公訴権を行使すべきものとされていること (検察庁法第4条),さらに,刑訴法上の権限は公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を全うしつつ誠実にこれを行使すべく濫用にわたってはならないものとされていること (刑訴法第1条,刑訴規則第1条第2項)などを総合して考えると,検察官の裁量権の逸脱が公訴の提起を無効ならしめる場合のありうることを否定することはできないが,それはたとえば公訴の提起自体が職務犯罪を構成するように極限的な場合に限られるものというべきである」
(最決昭和55年12月17日最高刑集34巻7号672頁)。
Ⅱ 刑事について裁判所に法の正当な適用を請求する権限(庁法第4条)
   保釈請求に対する決定に当たって意見を述べ,公判手続において事実及び法律の適用についての意見を陳述(論告・求刑) し,違法又は不当な裁判に対して上訴し,再審を請求し,非常上告をするなどの検察官の権限が, これに当たる。
   もとより,検察官は,単に原告官であるにとどまらず,公益の代表者であるから,法の正当な適用を求めることは, その義務である。検察官が,被告人の利益のためにも上訴し, あるいは,非常上告をし,場合によっては,無罪又は公訴棄却の諭告をすることがあり得るのも,この理由による。
Ⅲ 刑事について裁判の執行を監督する権限(庁法第4条)
   刑事事件における裁判が正当に執行されるように指揮監督することであって, 勾引状,勾留状等の執行を指揮し, あるいは,刑を言い渡した裁判の執行を指揮するなどの検察官の権限がこれに当たる。
lV 犯罪について捜査する権限(庁法第4,6条)
   検察官は, あらゆる犯罪について捜査する権限を有する。 これは,公訴権を独占する検察官がその権限行使の適正を期するため当然必要とされるものである。捜査権は,公訴権とは別個の重要な権限である が,究極においては,公訴権のために存在するものである。 ところで,庁法第4条,第5条,第6条の配列や,庁法第14条に「第4条及び第6条に規定する検察官の事務」 と規定されているところをみると,捜査権は第4条の検察事務とは別個の権限のようにもみえる。しかし,犯罪の捜査は,第4条にいわゆる「公訴を行う」 ことの必然的な前提であるので,犯罪捜査権は, 「公訴を行う」権限の中に当然含まれている, あるいは, 「公訴を行う」権限の必然的な前提として同条に規定されていると解される。 したがって,捜査権は第4条に根拠があり,第6条はそれを確認するとともに,第5条の事物管轄の制限を解いているものと解するのが相当である(第4節4参照) (注)。
   検察官の犯罪捜査権について,刑訴法第191条第1項は, 「検察官は,必要と認めるときは, 自ら犯罪を捜査することができる」 と規定し,捜査権限としては無定量に与えられているが,その実行は一応任意的とされている。 これに対して,刑訴法第189条第2項は,「司法警察職員は,犯罪があると思料するときは,犯人及び証拠を捜査するものとする」 と規定し,警察法第2条第1項は,「警察は ,・・・犯罪の予防,鎮圧及び捜査・・・に当ることをもってその責務とする」 と規定して,第一次捜査責任が司法警察職員にあることを示している。
   このように,現在の法制上,検察官の捜査責任は,司法警察職員のそれに比して,第二次的なものとされている。 しかし, これは,飽くまでも捜査についての責任の問題であって,権限の問題ではない。よく第一次捜査権は警察にあって,検察官は第二次捜査権しか有しない,というように言われているが,正確とはいえない。検察官の捜査権限自体が第二次的なものとされているのではない。捜査が司法警察職員によって行われることは,捜査の合目的性の見地から当然であるが,司法警察職員が行わない, あるいは行い得ない捜査を検察官が行うのも当然であり,また,捜査の法的抑制の見地から,検察官が司法警察職員の捜査を積極的,消極的に規制することが必要である。 こうした意味から,検察官の捜査権が司法警察職員のそれよりも広く認められるのである (被疑者の勾留請求,起訴前の証人尋問の請求の権限など)。こうして,検察官と司法警察職員の関係は,基本的には協力関係である (刑訴法第192条)が,検察官は司法警察職員に対して, 一 定の限度で指示及び指揮をすることができる (刑訴法第193条)とされているのである。

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検察権行使の機関(検察官の独任制官庁と検察官同一体の原則)

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)27頁ないし35頁には,「第3節 検察権行使の機関(検察官の独任制官庁と検察官同一体の原則)」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察権は,前節で述べたように, 司法権の独立に準じて,他の力に左右されることなく,公正に行使されなければならない。また,検察権は,その内容,すなわち,捜査,公訴の提起,遂行等の個々の行為が,国家刑罰権の実現という目的を持ち,最初の行為から次の行為へと発展していく段階的な発展的過程を形成するものであるから,迅速・的確に行使されなければならない。
   したがって,検察権行使の権限は,検察事務を遂行するために必要な範囲の, それを委ねるにふさわしい資格のある者に与えられ,かつ,その者が独立して行使する必要がある(例えば,法廷での訴訟行為が,上司の了解がない限り有効に行使できないものとしたら,公訴の遂行は事実上不可能である。)。そのため,検察権は,個々の検察官に属し,検察事務については,個々の検察官が自ら国家意思を決定表示する権限を有するとされる。庁法第4条は, 「検察官は, ・・・事務を行う。」,庁法第6条は「検察官は,・・・捜査することができる。」と主語を「検察官」として規定し,検察権を行使する主体が検察官であることを示している。これは,個々の検察官がこれら各条に定める事務を取り扱う独立の官庁であるとし,検察官が独任制官庁であることを明らかにするものである(注1)。
   検察官は,後に見るように,検察官同一体の原則によって,その上司の指揮監督に服するのではあるが,飽くまで一人一人が独立の官庁として検察事務に関する権限を行使するのであるから,仮に上司の決裁を受けないで捜査を開始したり,上司が不起訴処分に付するように指揮したのに, これを起訴したりしても, その捜査や起訴が違法,無効となることはない(ただし,上司の指揮監督に反した場合,それが国家公務員法上の懲戒処分の理由(同法第82条)になり得ることは別論である。 )。また,起訴状等に決裁印,庁印がなくても,起訴等の効力は左右されない。
   しかし, その反面,上司の指揮により, 自己の信ずるところと異なる処理をしたとしても,上司の命令によったものであるといって責任を回避することは許されないのである。すなわち,前記のとおり,検察権は他の力に左右されることなく公正に行使されなくてはならないのであるから,その行使機関である検察官は,裁判官における憲法第76条第3項のような明文の規定はないけれども,その良心と,法令に従って事務を処理すべきであり(検察官の独立), 自己の良心を曲げて事務を処理したとするならば,職務に関する責任の意織に欠けているとの非難を甘受しなくてはならない。

2 一般の行政組織は,内閣を最上級官庁とし,その権限を受けて各省大臣という上級官庁があり,その権限を受けて外周, 内部部局,施設等機関,地方支分部局,現業行政機関等の下級級官庁が存在する(国家行政組織法第2条第1項,第3条第2・3項,第5条第1項,第7条,第8条の2,第9条,第20条等参照)。すなわち,一般行政機関においては,内閣,各省大臣を頂点とし, その一人の長が権限の全てを持ち,その権限を例えば,局長,課長,係長というように,次々と分掌していく形をとっているので, あたかもその組織は上下に階層をなす統一的なピラミッド型を構成している。 したがって,一般の行政組織は,本来,権限の主体が一個であるところの単体であり,権限や主体が複数の検察官であるところの検察の組織とは本質的に異なる。

3 しかし,検察権も行政権の一部であるから,検察権の行使についても国の正しい行政意思が統一的に反映される必要があるとともに,検察権の行使が全国的に均斉になされることは, ことが国民の基本的権利義務に関する事柄であるだけに,極めて重要であるといわなければならない。このような要請を満たす上に,最も適切な方策の一つとして認められているのが,検察官同一体の原則である。
   この同一体の原則の法律的根拠としては, (1)庁法第7条第1項中の検事総長による「すべての検察庁の職員」に対する指揮監督権, (2)第8条中の検事長による「その庁並びにその庁の対応する裁判所の管轄区域内に在る地方検察庁及び区検察庁の職員に対する指揮監督権, (3)第9条第2項中の検事正による「その庁及びその庁の対応する裁判所の管轄区域内に在る区検察庁の職員」に対する指揮監督権, (4)第10条第2項中の上席検察官,指定副検事又は一人の検事若しくは副検事こよる「その庁の職員」に対する指挿監督権, (5)第12条の検事総長,検事長又は検事正が「その指揮監督する検察官の事務を, 自ら取り扱い又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができる」権限(事務引取移転権,なお「指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱う」 ことを事務引取権,「指揮監督する他の検察官に取り扱わせる」ことを事務移転権という。)に関する各規定を挙げることができる。
   これらの規定から明らかなように,検察官同一体の原則は,それぞれ独立の官庁である全国の検察官が,検事総長を頂点とし,検事総長,検事長及び検事正の指揮監督権(注2,3)によって結合されたビ‘ラミッド型の機能上の機構を形成していること,及び独立の官庁である一人の検察官の事務を検事総長,検事長及び検事正の有する事務引取移転権を媒介として,別個の官庁である他の検察官が取り扱うことができ,しかも,一つの官庁が事務を処理したのと同様の法律効果が与えられることをその内容としている(注4,5,6)。

4 このように,検察官は,検察権行使について上司の指揮監督を受ける地位に置かれているが, これは,個々の検察官が検察権行使の意思決定機関であるという原則を否定するものではない。上司の指揮監督下にあっても,個々の検察権行使の権限と責任は,一人一人の検察官にあることはいうまでもない。
   同じように,検察官の独立性(注7) も上司の指揮監督権を否定するものではない。 この両者は, ともに検察権の本質そのものから導き出されるところのものであり,相互に対立するものではなく,上司の指揮監督権も検察官の独立性と調和するものでなければならない。
   例えば,捜査中の事件の起訴・不起訴についてや第一審事件の判決に対する控訴の要否について,主任検察官の意見と上司の見解とが異なる場合,主任検察官は良心を捨てても上司の指揮に従わねばならないか,飽くまでも良心に従って上司の指揮に服従しないことができるかという問題がある。 もとより,上司の指揮が法令に違背するものであれば, その指揮に従わなくてもよいことは当然であるが,その場合も, それ以外の場合にも,主任検察官は, 自己の信ずるところとそのよって来たるゆえんについて,十分上司に意見を述べ,上司もまた,主任検察官の意見を否とする理由を虚心に説明し,相互の意見調整を図ることによって解決されるべきものである。なぜなら, 主任検察官も上司も,検察権の行使が適正であることを期しているのであるから,意見調整をなし得ないことはないはずだからである。仮に,意見調整をなし得なかったとすれば, それは,上司・主任検察官のいずれか,あるいは両者ともその資格に欠けているものといわねばならないのである(注8)。
   このようにして,検察官は,庁法第4条及び第6条に規定する事務については,上司の指揮監督の下に,独任制官庁として,その固有の権限に基づいてその職務を行うものである。

5 検察官が職務を遂行するための補助機関として,検察庁には検察事務官・検察技官が置かれ(庁法第27,28条),検察官は,検察庁の組織機構に従ってその検察官の分担する事務を補佐・補助する職員を指揮監督する (章程第8条)のである。

(注1)ここにいう官庁とは,行政法用語を正しく使えば「行政官庁」のことで「国家のために意思決定をし,かつ, これを外部に表示し得る国家機関」のことをいい,例えば,国士交通大臣,税務署長といった行政処分の権限を持つ,対外的責任者だけを意味する。国土交通省,税務署といった,行政官庁なども包含する人的・物的設俄の全体(官署) とは区別される。
(注2) 指揮監督権の意義
   一般に指揮監督権については, 「上級機関が下級機関の権限の行使を指揮し,その適法性と合目的性を保陣するためにする作用を監督の権限という。行政機関は, 内閣を最高とし, その下に,上級機関が下級機関の権限の行使を監督することによって,行政の統一を期していると定義されている。また,指揮監督の方法,手段としては,(1)監視権(上級機関が下級機関の権限行使の状況を知るために,報告を徴したり,書類帳簿等を査閲したり, 自ら又は職員を派遺して実地に事務を視察したりする様限),(2)許認可権(一定の事項について下級機関は上級機関の許可又は認可を受けるべきものとする場合の権限),(3)訓令権(訓令とは,上級機関が下級機関の権限行使を指揮するために発する命令をいい,その訓令を発する権限。狭義において指揮権ともいう。訓令は具体的事項について発せられる場合もあり,抽象的,一般的事項について発せられる場合もある。), (4)取消,停止権(下級機関の違法又は不当な行為を取消し,又は停止する権限),(5)代執行権(上級機関が監督権の内容として,下級機関の権限に属する事務を自ら代わって行うことをいう), (6)罷免権(上級機関の命令に服さない下級機関は,職務上の義務違反を理由として罷免される。), (7)権限争議の裁定権(上級機関は,本来,下級機関の所掌事務の総体をその所掌事務とするのであるから,権限争議についての裁定権は,本来その上級機関の権限に属する。)があるとされている。
   しかし,検察事務は,独立官庁たる個々の検察官固有の権限に基づくものであって,検察行政事務のように,庁の長の権限に由来し, その委任を受けもしくはその補助として行うものではないから,検察事務に側する限り,上記の指揮監督権を,そのまま肯定することはできない。
   すなわち,検察事務においては,個々の検察官が主体であって,上司の指揮監督権は部下の事務の統括を内容とするもので補助的なものだとされる。
(注3) 検察事務に関する上司の指揮監督の方法,手段
   その指揮監督の方法,手段として,次のようなものを挙げることができる。
(ア)監視権(進行管理権)
   部下の権限行使や職務遂行状況を観察し,必要があればその状況を報告せしめ,適宜これを点検するなどの方法により,職務進行過程を統制する権限である。事件の捜査もしくは公判の過程において, 中問報告を求めたり記録を検討したり,また,未済事件の状況を調べたりするのは,この権限の発動である。
(イ)審査権

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各地の検察庁の執務規程

目次
1 各地の検察庁の執務規程
2 検察庁の司法修習担当部署
3 各地の検察庁の決裁区分に関する文書
4 関連記事その他

1 各地の検察庁の執務規程
(1) 平成28年11月時点のものは以下のとおりです。
東京地検,横浜地検,さいたま地検,千葉地検,大阪地検,京都地検,神戸地検,名古屋地検,広島地検,福岡地検
(2) 各地の検察庁の課及び室に置かれている係の所管事務については,それぞれの検察庁の執務規程を読めば分かりますから,検察修習をしているときに指導係検事にお願いしてコピーをもらえばいいと思われます。

2 検察庁の司法修習担当部署
(1) 検察庁において司法修習生に関する事務を担当する部署は以下のとおりです。
① 東京地検の場合,総務部司法修習課
② 大阪地検の場合,総務部教養課
③ 大阪地検を除く部制庁の11地検の場合,総務部企画調査課
④ 非部制庁の37地検の場合,企画調査課
(2) 東京地検総務部司法修習課は,東京地検九段庁舎(〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-10 九段合同庁舎内)にあります(東京地検HPの「東京地方検察庁九段庁舎(総務部司法修習課,交通部,特別捜査部)」参照」)。

研修所では女性教官もいるせいかセクハラの類は見たことがないが、東○地○特○部を訪問した際、そこのトップの女性修習生に対するセクハラは酷かった。

引率の教官は先輩でもあるし、無理に普通は入れないところを修習生に見せてもらっているためか黙って見ていた。

これがあの特○部かと幻滅した。

— 阿胡ノ海 (@agonoumi) May 9, 2021

3 各地の検察庁の決裁区分に関する文書
・ 事件処理の決裁区分について(昭和61年12月15日付の大阪地検次席検事の通知)
・ 事件の決裁区分について(平成7年8月28日付の神戸地検検事正の通達)
・ 事件の決裁について(平成18年6月26日付の徳島地検検事正の通達)

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検察庁による身上照会

   犯歴事務解説(法務総合研究所の,平成30年3月5日発行の五訂版)102頁ないし103頁には,「第3 身上照会(規程第14条)」として以下の記載があります(規程とあるのは,犯歴事務規程(昭和59年4月26日付の法務大臣訓令)のことです。)。

1 検察官又は検察事務官が,市区町村長に対し,身分関係の照会を書面でする場合には,身上調査照会書により行う。
   
2 身上調査照会書には, 「戸籍筆頭者氏名」の不動文字が印刷されているので,戸籍筆頭者が判明しているときは,その氏名を当該箇所に必ず記載する必要がある。市区町村においては, この照会を受けた場合,戸籍筆頭者の氏名により戸籍簿を調査するからである。また,照会庁の所在地.郵便番号も必ず記載する。
   
3 回答書の本籍欄が,「現」,「旧」の2欄になっているのは,本籍地方検察庁においては転籍の事実を知らない場合が多いので,転籍している場合,新本籍地を管轄する地方検察庁に前科照会をしても,前科なし, あるいは転籍後の前科のみが回答されるおそれがある。このような場合に,旧本籍が分かっていれば,再度旧本籍地を管轄する地方検察庁に照会することが可能だからである(なお,この場合,旧本籍地を管轄する地方検察庁から前科がある旨回答があったときは, 同地方検察庁に対し,規程第11条第1項に規定する通報を要する。)。
   
4 身上調査照会書による回答事項は,本籍氏名,生年月日を始めとして数多くの事項にわたっているので,市区町村の事務の軽減を図るため, 「破産の有無」欄以外の各欄の記入を省略し, これに代えて「戸籍簿及び住民登録の通知に基づく家族」欄に「別紙戸籍及び戸籍の附票の写しのとおり」と記載し,認証文を省略した当該戸籍謄本及び戸籍の附票の写しを添付する取扱いとされている(注1)。
   また,身分関係の照会をする場合,家族関係を照会する必要がないものについては,身上調査照会書の「家族」欄を削除した上で照会することとされている(注2)。
(注1)昭44.5.20刑事(総)405号刑事局総務課長通達「身上調査照会書(犯歴事務規程様式20号)回答欄の取扱いについて」
(注2)昭49.5.1刑総265号刑事局総務課長通達「市区町村長に対する身上関係の照会事項について」

* 身上調査照会書及び回答書の様式は以下のとおりです。

検察事務官

目次
第1 検察事務官に関する「七訂版 検察庁法」の記載
1 (見出しなし。)
2 検察事務官の職務
3 検察官事務取扱検察事務官
第2 検察事務官向けの法務総合研究所の研修教材
第3 関連記事その他

検察事務官の仕事を動画で紹介しています(YouTube法務省チャンネル)https://t.co/rGUjfizAmQ

— 最高検察庁 (@PPO_SAIKOUKEN) March 14, 2023

第1 検察事務官に関する「七訂版 検察庁法」の記載 
・ 七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)84頁ないし90頁には,「第3節 検察事務官」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。なお,別の場所の脚注に言及している部分は削りました。)。

1 検察庁には検察事務官が置かれる(庁法第27条第1項)。検察事務官の制度は,庁法の制定によって創設されたものである。庁法施行前,すなわち,裁判所構成法の時代において同法が定めていた検事の補助機関は,検事局に補職された裁判所書記(検事局書記)であった(裁判所構成法第8,85条)。検事局書記は,検察行政事務に関しては検事局の長等の命令に服して検察行政上の文書の往復,諸表の作成等の職務に従い,検察事務に関しては検事の命令に服して検事の聴取書・訊問調書の作成(旧刑事訴訟法第56,136,139条)等の聯務に従い,それらの事務の補助を任務としていたが,原則として,捜査の権限はなかった。捜査に関しては, 旧刑事訴訟法第251条,大正12年勅令第528号「司法警察官吏及司法警察官吏ノ職務ヲ行フヘキ者ノ指定等二関スル件」第2条により,検事正が特に指名した地方裁判所検事局及び区裁判所検事局の書記が司法警察官の職務を, 同じく指名にかかる雇員が司法警察吏の職務を行うことができるにすぎなかった。検事局に検事直属の捜査権限を持つ職員を置く制度は, 昭和21年12月11日勅令第600号「検察補佐官の設置に関する件」によって,検察補佐官が設けられたのに始まる。
   庁法を制定し,現行検察制度を樹立するに際して,従来の実績に鑑みても,検察官の補助機関として,従前の検事局書記の機能を営むものと検察補佐官の機能を営むものを必要とされたのは,当然である。そこで,両者を別個の機関として設けることも考えられたが,両者の権限をそれぞれ拡大して,従来の検事局書記と検察補佐官の両者の行う事務をあわせ行う機関を創設することは,その地位の向上をもたらすものであり,率務能率の向上にも資するものと考えられて,検察事務官の制度が誕生したものである。こうして,庁法施行の際「現に書記長若しくは裁判所書記の職に在って検事局に属する者又は検察補佐官の職に在る者は,別に辞令を発せられないときは,現に受ける号俸を以て検察事務官に任ぜられ」(庁法附則第41条)たのである。

【ブログを更新しました】
検察事務官の仕事の内,宿直勤務についてまとめた記事になります。

検察庁に宿直勤務があることは知っていても,実際にどのような仕事をしているかは分からないと思いますので,是非見て参考にしてもらえればと思います。https://t.co/sEvv0s9akE

— 検察辞太郎@元検察事務官ブロガー (@moto_jimukan) August 31, 2021

2 検察事務官の職務
(1) 検察事務官は,上官の命を受けて検察庁の事務を掌る(庁法第27条第3項前段)。
   「上官」とは,検察官たる上司のほか検察事務官又は検察技官たる上司をも含む。
   「命を受けて」とは,その者の行う職務に関する権限が, その者の固有の権限ではなく, その者に対して職務執行上の命令をすることができる上司の権限に由来しており,その上司の補助機関たる地位において職務を行うものであることを意味している。したがって,検察事務官は,上司の個々の命令に服従すべきことはもちろんであるが,そのような個々の命令を待つまでもなく,一般的に上司の補助機関として,与えられた事務を処理すべき職責を有するのである。
   「検察庁の事務」とは,庁法第27条第3項後段において検察事務官の捜査に関する職務を別に規定しているから,捜査は含まないし, また,検察事務官の職務からは検察官が自ら行うべき検察事務(例えば,公判立会など)が除かれることは事柄の性質上当然であるから, これらを除いたところの検察事務及び検察行政事務である。すなわち,検察官の行う事務の円滑な処理のために必要とされる各般の事務である。
   これを要するに,検察事務官は, まず,職務命令をなし得る上司の補助機関として,検察官の行う事務の円滑な処理のために必要とされる各般の総務,文書,会計事務等(検察行政事務),公判立会検察官の補助事務等(本来の検察事務)並びに事件の受理・処理等の記帳・整理,裁判の執行,罰金等の徴収,記録の保存,犯歴票の作成・保管,証拠品の受理・保管・処分,恩赦等事務(検務事務)を処理するものということができる。
(2) 検察事務官は,検察官を補佐し,又はその指揮を受けて,捜査を行う(庁法第27条第3項後段)。

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検察庁法14条に基づく法務大臣の指揮権

目次
1 検察庁法14条の条文
2 法務大臣の一般的指揮監督権(検察庁法14条本文)
3 法務大臣の具体的指揮監督権(検察庁法14条ただし書)
4 昭和29年4月の,造船疑獄における法務大臣の指揮権発動
5 検察行政事務に関する法務大臣の指揮監督権
6 検察庁法14条に関する立案関係者の説明,及び歴代の司法大臣
7 法務省刑事局に関する法務省組織令の条文
8 内閣総理大臣は検察官を直接指揮することはできないこと
9 検察庁と行政委員会の比較
10 昭和12年12月16日,16人の被告人全員に無罪判決が言い渡された帝人事件
11 昭和3年の検察庁法案及び昭和13年の検察庁独立法案
12 関連記事その他

1 検察庁法14条の条文
(1) 法務大臣の指揮権について定める検察庁法14条は以下のとおりです。
   法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。
(2) 検察庁法4条は,検察官の公訴権等について規定し,検察庁法6条は検察官の捜査権について規定しています。

2 法務大臣の一般的指揮監督権(検察庁法14条本文)
(1) 法務大臣は,①検察事務の処理方法に関する一般的基準を指示したり,②犯罪防止のために一般的方針を訓示したり,③法令の行政解釈を示したり,④個々の具体的事件について報告を求めたりすることができます(新版検察庁法逐条解説85頁参照)。
(2) 検察事務に関する法務大臣の訓令として以下のものがあります。
・ 刑事関係報告規程(昭和62年12月18日付の法務大臣訓令)
・ 逃亡犯罪人引渡法に関する書式例(平成12年10月31日付の法務大臣訓令)
・ 取調べ状況の記録等に関する訓令(平成15年11月5日付の法務大臣訓令)
・ 処分請訓規程(平成17年8月15日付の法務大臣訓令)
・ 係検事に関する規程(平成27年3月17日付の法務大臣訓令)

記者会見で「無罪を証明」と言い間違え,Twitterでも「無罪を証明」と書き間違え,Facebookでも「無罪を証明」と書き間違えた…と。重要な原則との認識があるならそんなに間違えないわけで…それはもはや「間違い」ではなく,本音で思っていることがうっかり表出してしまったということではないかと… https://t.co/AcUjZPHLl3

— § 佐藤倫子 (@sato__michiko) January 9, 2020

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検察庁の意義

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)49頁ないし53頁には,「第1節 検察庁の意義」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察庁は,検察官の行う事務を統括するところである (庁法第1条第1項)。
   一般の行政機関の場合には,前章第3節において述べたとおり,一つの官庁を中心に, これを補助する多数の職員が集まって,一つの役所ないし官署を形成しているのに対し,検察庁では,庁法第4条及び第6条の検察事務に関する限り,一人一人の検察官が独任制官庁であり,しかも,検察庁には複数の検察官がいる場合が多いのであるから,多数の官庁が一つの役所の内に存在する形となっている。ここに「官庁」 とは,例えば,内閣,各省大臣,各省の外局たる庁の長官のように,国家のため意思決定をし,かつ, これを外部に表示する国家機関のことをいう。
   そこで検察庁の場合は,複数の官庁(検察官)が,それぞれ複数の補助者(検察事務官等)を指揮して国家意思を決定表示しているところの役所ないし官署であるといえる。 しかし,検察官が独任制官庁であるからといって,それぞれの検察官が全体としての統一を欠いたまま事務を行うことは,検察権が行政権の一作用であるという本質からして,許されない。そのため,検察官の権限行使について,相互の間の矛盾衝突を防ぎ,全体が有機的な一つの組織体として運営されることが必要である。
   すなわち,検察事務を総合的にすべ(統)つつ,しめくくる(括) ことが行われなければならないのであって,その統括をするところが必要である。
   庁法は,その統括するところを検察庁と定めているが, 「検察庁」という官署が統括するということはありえないから,統括する主体は,庁法第7条ないし第10条に定める各検察庁の長である検察官(章程第1条)である。

2 統括事務(ひいては,その手段としての指揮監督の事務も)は,検察行政事務である。 この統括事務及び検察事務の運営上当然これに随伴し検察事務遂行のため必要な間接的補助的な行政事務である総務・文書・会計等の事務などの検察行政事務は,例えば,庁法第7条第1項が「検事総長は,最高検察庁の長として,庁務を準理し,且つ,全ての検察庁の職員を指揮監督する。」 と規定するように,各検察庁の長の事務である。各検察庁の長以外の検察庁聯員(検察官・検察事務官等)の検察行政事務についての権限は,一般行政機関と同様に,長である検察官の権限を分掌したものにすぎない。
   庁法第1条第1項の「検察官の行う事務」は,検察事務と検察行政事務との両者を含む。前者は庁法第4条及び第6条に定める事務であり,後者は庁法第7条から第10条までに定める事務とその他の行政事務である。庁法は,検察事務のみを表現するのに「第4条及び第6条に規定する検察官の事務」 (庁法第14条) という文言を用いており,検察事務及び検察行政事務の双方を含む場合は「検察官の事務」 (庁法第12条及び附則第36条)の文言を用いている。 「検察官の事務」 と 「検察官の行う事務」は同義に解される(注1,2)。

(注1) 検察事務の種類
   検察事務は,検察官が自ら行う本来の事務とそれに付随する事務(検務事務) とに分けられる。それを種類別にみてみると,
(1)捜査,公判の本来の検察事務は,個々の検察官が独立して, 自ら決定,管理及び実施までしていて, この部門については,個々の検察官を中心とし,検事正,次席検事,部長のルートが,その上司として指揮監督機関となっており,部下の検察事務官は検察官の個々的な補佐官ないし執行官として(庁法第27条第3項後段),事実上の事務の手助けにあたっている。
(2)検察事務のうち,本来の検察事務に比較し付随的で類型化され集合処理し得る事務があり,事件,証拠品,令状,執行,徴収,犯歴,記録,統計等に種類別にまとめられている。これは総務部若しくは検務部門の業務として,ある程度の組織体系をもって動いており,検務事務と呼ばれる。
   検務事務は,その組織の長である検察官(例えば,総務部長,検務主任)の権限を根源とし,検察事務官をもって組成する下部組織の検務監理官,統括検務宮,検務専門官,検祭事務官によって補助されるものであるから,検務事務の実施にあたる第一線職員に対する指揮監督は,一般の行政事務におけると同質である。ただ,検務事務の組織の頂点にある検察官に対する上司の指揮監督は,検察事務におけるそれによることとなる。
(注2)事務章程において,検察庁の事務の細目として,取り上げられている事務
(1)事務監査
   検事総長,検事長及び検事正は, 自庁及び管内下級検察庁の事務監査を行い, 又はその指定する職員にこれを行わせなければならない(章程第24条第1項)。
   事務監査の対象となる事務は,検察事務であると検察行政事務であるとを問わず, また,検察官が自ら行う事務であると検察事務官によって行われる事務であるとを問わず,いやしくも検察庁において行われる事務の全般にわたる。 もっとも,個々の事務監査にあたって,その対象を限定して監査を行うことが差支えないことはいうまでもない。また,監査の目的は,独り不正ないし不当な事務処理の指摘及びその是正にとどまらず,事務処理の適正,能率化のための方途の検討,指導にもわたる。
   事務監査は, どの検察庁についても,少なくとも1年に1回の自庁監査又は上級庁による監査のいずれか一つが行われるように配慮しなくてはならないものとされている(同条第2項)。
(2)請訓,報告等
   法務大臣に対して請訓若しくは報告をするとき,又は重要な事項に関して上申するときには,上司においてもそれらに関して了知して時宜に応じて適切な指揮監督あるいは意見具申を行う必要があるから,別段の例規がある場合を除いて,全て上司を経由すべきものとされている(章程第26条第1項)。 もっとも,緊急の事項については,例外的に,直接法務大臣に請訓,報告又は上申を行い,速やかに上司にその旨を報告すれば足りるものとされている(同条第2項)。
(3)中央官庁等と往復文書
   検察庁と中央官庁,在外公館又は外国官庁との問における往復文書は,別段の例規のあるものを除き,法務大臣を経由しなければならない(章程第27条)。
   法務大臣の所管下にある検察庁と中央官庁等との間の交渉について法務大臣が了知していないために生ずる不都合を防ごうというのが主たる趣旨であるが, さらに,在外公館については, その所管大臣である外務大臣を経由して交渉するのが適当と考えられるし,外国官庁との交渉については,国際慣行上外務大臣を経由して行うのが妥当であることも考慮されている。 この趣旨からするときは, 中央官庁,在外公館又は外国官庁から直接検察庁に対して照会があった鳩合には,おおむね,法務大臣を経由して照会されたい旨を申し添えて,一応返戻するのが妥当であろう。
(4)宿直
   地方検察庁においては,法務大臣が指定する庁及び支部を除き,検察官又は検察事務官が事件の捜査処理等のための宿直勤務をしなければならない(章程第28条第1項)。また,検察庁においては,法務大臣が指定する庁又は支部を除き,検察事務官が庁舎,設備等の保全及び文書の収受等のための宿直勤務をしなければならない(伺粂第2項)。前者が事件当直,後者が行政当直と呼ばれるものである。検察庁の長は,やむを得ない場合には,検察事務官以外の繊員に行政当直をさせることができる。ただし,区検察庁については,検事正がこの措置を採る(同条第3項)。宿直勤務に関する事項は,検察庁の長(ただし,区検察庁については検事正)が定めることとされている(同条第4項)。
   
3 以上要するに,庁法第1条第1項は, 「検察庁は,検察事務及び検察行政事務がその長によって統括されるところである。」 ということを定めたものである。

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検察権と管轄

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)35頁ないし48頁には,「第4節 検察権と管轄」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 裁判権行使の権限は各裁判所に分配され,裁判所は管轄区域内において,その管轄に属する事項(管轄事項)について裁判権を行使する権限を持つ。この権限の分配のことを管轄といい,管轄事項による管轄の定め方として事物管轄, 土地管轄及び審級管轄がある (注1)。
   検察権の行使は, この裁判所の管轄との関係で制約を受ける。すなわち庁法第5条は,「検察官は, いずれかの検察庁に属し,他の法令に特別の定めのある場合を除いて, その属する検察庁の対応する裁判所の管轄区域内において, その裁判所の管轄に屈する事項について前条に規定する職務を行う」 と規定しているとおり,他の法令に特別の定めがある場合(例えば,逃亡犯罪人引渡法第32条)を除いて,所属検察庁が対応している裁判所の管轄区域と管轄事項に関する制限に従うこととされている。例えば,東京地方裁判所に対して公訴を提起することができるのは,東京地方検察庁の検察官に限られ,東京簡易裁判所に対して公訴を提起することができるのは東京区検察庁の検察官に限られる(注2)。

(注1)(1) 審級管轄とは,事件の第一審をどの裁判所が受け持ち, これに対する上訴をどの裁判所が受け特つかの定めをいう.すなわち,刑事事件の第一審は,地方裁判所及び簡易裁判所が管轄し,これらの裁判所の判決に対する控訴や, これらの裁判所の決定に対する抗告は, 高等裁判所が管轄する(裁判所法第16条第1号,2号)。高等裁判所が第二審
としてした判決や,高等裁判所が例外的に第一審としてした判決に対する上告は,最高裁判所が管轄するなどである。
(2) 事物管轄とは,事件の軽重や性質による第一審の管轄の分配をいう。
   第一審を受け持つ裁判所が,それぞれどのような種類の事件を審理・裁判するかの定めのことである事物管幅の定めを表にすると, 次のようになる。

簡易裁判所
① 罰金以下の刑に当たる罪の事件
② 選択刑として罰金が定められている罪の事件
③ 常習賭博罪,賭博開場等図利罪,横領罪,盗品譲受け等罪の事件
裁判所法第33条第1項第2号

地方裁判所
④ ①及び⑤に当たるもの以外の全ての事件
裁判所法第24条第2号

高等裁判所
⑤ 内乱罪の事件
裁判所法第16条第4号

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検察庁の機構

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)59頁ないし69頁には,「第4節 検察庁の機構」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 全体としての検察庁は最高検察庁, 高等検察庁,地方検察庁及び区検察庁の四種類の検察庁によって構成される。
   最高検察庁の長である検事総長は,最高検察庁における検察事務につ いての統括事務と間接的補助行政事務からなる検察行政事務(職員に対 する指揮監督を除く。以下同じ。)を掌理する(庁法第7条第1項前段,第1条第1項)とともに,最高検察庁及びその他の検察庁の職員全てを指揮監督する(庁法第7条第1項後段)ものであり,高等検察庁の長である検事長は,その庁の検察行政事務を掌理するとともに,その庁並び にその庁に対応する裁判所の管轄区域内に在る地方検察庁及び区検察庁 の職員を指揮監督する(庁法第8条)ものであり,地方検察庁の長である検事正は,その庁の検察行政事務を掌理するとともに,その庁及びその庁に対応する裁判所の管轄区域内に在る区検察庁の職員を指揮監督する(庁法第9条第2項)ものであるとし,検事総長,検事長及び検事正に,それぞれ所属する庁及び下級検察庁の職員を指揮監督する権限を与えている。こうして,全体としての検察庁は,最高検察庁を頂点とし,区検察庁を底辺としての一個のピラミッド型の機構となっている。

2 それぞれの検察庁の機構は,庁の長として,最高検察庁には検事総長が,高等検察庁には検事長が,地方検察庁には検事正が置かれることは述べたとおりである。区検察庁においては,上席検察官,及び上席検察官の置かれていない区検察庁の検察官(検察官が二人以上あるときは,検事正の指定する検察官)が,その庁の長であり(章程第1条) ,長で
ある検察官は,その庁の検察行政事務を掌理し,かつその庁の職員を指揮監督する(庁法第10条第2項)。上席検察官は,二人以上の検事又は検事及び副検事が属している区検察庁に置かれ,検事をもって充てられる(庁法第10条第1項)。
   したがって,区検察庁の長となる者を,場合を分けて見てみると,次のとおりである。
(1) 複数の検事が勤務する庁  その中の一人の検事
(2) 複数の検事と一人の副検事が勤務する庁  検事の中の一人の検事
(3) 複数の検事と複数の副検事が勤務する庁  検事の中の一人の検事
(4) 一人の検事と一人の副検事が勤務する庁  その一人の検事
(5) 一人の検事と複数の副検事が勤務する庁  その一人の検事
(6) 一人の検事が勤務する庁  その一人の検事
(7) 一人の副検事が勤務する庁  その一人の副検事
(8) 複数の副検事が勤務する庁 その中の検事正が指定する一人
   なお,検察官事務取扱検察事務官(庁法附則第36条)しか置かれていない区検察庁においては,その検察事務官が庁務を掌理し,職員を指揮監督する。

3 ところで,長がその取り扱うべき行政事務を全て取り扱うことは不可能であり,その一部を長以外の者に取り扱わせることが行われる。その方法としては,権限委任と内部委任の二つがある。権限委任の場合にあっては,受任者は,委任の範囲に従って,受任者の名において権限を行使することとなり, 内部委任の場合にあっては,受任者は,委任者の名において事務を処理することとなる。 このような関係から,権限委任については,法令に特別の定めがある場合にのみ, これを行うことができるものとされる。庁法第11条は「検事総長,検事長又は検事正は, その指揮監督する検察官に,第7条第1項,第8条又は第9条第2項に規定する事務の一部を取り扱わせることができる。」 と規定し,権限委任の根拠規定を置いた。 したがって,権限委任を認められるのは,検事総長,検事長及び検事正に限られ,区検察庁の長は他の検察官に権限委任をすることは許されない。 もっとも, 区検察庁の長であっても, その他の検察庁の長であっても, 内部委任をすることができることはいうまでもない。
   また,庁法第11条とは別個に,法務大臣は,庁法第14条の指揮監督権に基づき,章程第2条,第3条,第6条において,一般的な権限委任を定めている。

4 庁の次長たる職として,最高検察庁に次長検事(庁法第7条第2項)が,高等検察庁及び地方検察庁に次席検事(章程第2条)が置かれる。
   区検察庁には次長たる職はない。次長検事は,検事総長を補佐し,また,検事総長に事故のあるとき,又は検事総長が欠けたときは, その職務を行うこととされており (庁法第7条第2項) , 次席検事は, その庁の長を助けて庁務を整理し, また, その命を受けてその庁及び管内下級検察庁の職員を指揮監督するものとされている(章程第2条第2項)。すなわち,庁の次長の職務を行う権限は,庁の次長の固有の権限ではなく,庁の長の権限に由来し, その補助機関たる地位において職務を行うものである。 したがって,庁の次長は庁の長の個々の命令に服従すべきは当然であるが,補助機関としての職務の執行が,常に個々の命令によることを必要とするものではなく,特に命令のあったときにおいてこれに従うほか,一般的に補助機関として与えられた職務を執行すべきものである。
   なお,「その庁」には支部を含み,次席検事は, その庁の支部長に対して命による指揮監督を行うことができる。

5 検察庁の支部(庁法第2条第4項)の長として,支部長が置かれる(章程第3条第1項)。支部長は,その属する庁の長の命を受け,支部に関する庁務を掌理し,支部の職員を指揮監督する(章程第3条第2項)。すなわち,支部長は,検事長又は検事正の補助機関であって,検事長又は検事正は,支部長が支部に関して庁務の掌理権及び職員の指揮監督権を持つからといって, 自らその支部に関して有する庁務の掌理権及び職員の指揮監督権を失うものではない。支部長の権限は, 当該支部の庁務の掌理と支部勤務職員の指揮監督の範囲に限られる。例えば,地方検察庁の支部長の場合, その権限は,当然には,この支部に併置された区検察庁その他の支部管内区検察庁の事務に及ぶものではない。

6 職務代行
   最高検察庁において,検事総長に事故のあるとき,又は検事総長が欠けたときは,次長検事がその職務を行う(庁法第7条第2項)。検事総長及び次長検事が欠けたときは,あらかじめ検事総長の定めた順序により,その庁の検事が臨時に検事総長の職務を行う(庁法第13条第1項,章程第4条第1項~3項。庁法では法務大臣の定めた順序によることとされているが,法務大臣は事務章程によりその権限を検事総長に委任している。)。高等検察庁又は章程の別表第1に掲げる地方検察庁において,その庁の長に事故のあるとき,又はその庁の長が欠けたときは,その庁の次席検事が,次席検事もまた事故のあるとき,又は欠けたときは,あらかじめその庁の長の定めた順序により,その庁の他の検事が臨時にその庁の長の職務を行う (庁法第13条第1項,章程第4条第2項)。章程の別表第1に掲げる地方検察庁を除く地方検察庁において,検事正に事故のあるとき,又は検事正が欠けたときは, その庁の次席検事が,検事正及び次席検事に事故のあるとき,又は検事正及び次席検事が欠けたと きは,その庁の三席検事が,三席検事もまた事故のあるとき,又は欠けたときは,あらかじめ検事正の定めた順序により,その庁の他の検事が,臨時に検事正の職務を行う (章程第4条第3項)。区検察庁の長に事故のあるとき,又は欠けたときは,検事正の指定する検察官(検察官事務取扱検察事務官を含む。)が臨時にその職務を行う(庁法第13条第2項。事故のあるときとは,執務することが療養の妨げとなるような病気中,容易に連絡をとりがたいような出張中等,一般的にその意思を事務運営に反映し得ない場合をいうのであり,欠けたときとは, その地位について任命された者がない場合である。 ここにいう 「事故」の範囲については問題がある。一般的に, 自宅療養をしながら執務しても差支えない程度の病気のような場合にはこれに該当しないと考えられるが,執務可能といっても,その時機を失すると庁の事務運営に支障を生ずる場合もあり得るので,単に抽象的に執務の能否のみを基準にすることはできず,具体的な事情に即して判断されなければならない。また,職務代行は,代理と同じ観念であって,いわゆる代決(注)と異なるから,直接検察庁の長の名を用いて職務を執行することはできず,検察庁の長の代理たる名義を明らかにしてしなければならない。
(注) 代決と権限委任

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検察庁の支部

      七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)54頁ないし59頁には,「第3節 検察庁の支部」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 法務大臣は,必要と認めるときは,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所の支部にそれぞれ対応して,高等検察庁又は地方検察庁の支部を設けることができる (庁法第2条第4項)。 したがって,裁判所の支部がないのに,検察庁の支部だけを設けることは許されない。逆に,法務大臣が必要と認めなければ,裁判所の支部が設けられても,検察庁の支部を設けなくてもよいわけである(もっとも,現実には,裁判所の支部のある場合には,例外なく検察庁の支部が設けられている。)。
検察庁の支部は,裁判所の支部と対応関係があるから,裁判所の支部の管轄区域に応じて管轄区域が定まり,裁判所の支部に配分された裁判事務の範囲に応じて支部勤務検察官の訴訟行為上の職務範囲が定まることとなる。
   ここで注意すべきことは,裁判所の支部が当該裁判所の事務の一部を取り扱わせるため設けられるものとされる(裁判所法第22条第1項,第31条第1項,第31条の5)のと同様,検察庁の支部も「当該検察庁の事務の一部を取り扱わせる」 (庁法第2条第4項)ものであることである。
   すなわち,支部を設け,対応裁判所支部の管轄区域等に応じて,検察事務を行わせるのは,単にその検察庁の中での事務の分配にすぎないのである。 したがって,支部の検察官が対応裁判所支部に配分された裁判事務の範囲を超えて訴訟行為をしても, それが当該裁判所(支部ではなくて)の管轄権の範囲内に属することであれば,違法とはならない。例えば,東京地方検察庁立川支部勤務の検察官が,東京都区内に居住する被疑者が同区内で犯した犯罪について東京地方裁判所立川支部(管轄区域は,東京都のうち区部を除いた区域)に公訴を提起し, あるいは, 同裁判所支部に管轄権のある事件について同支部にでなく,東京地方裁判所にいきなり公訴を提起したとしても,管轄違い又は公訴棄却の言渡し(刑訴法第329条,第338条)を受けることはない(注1,2,3)。 もっとも, このような取り扱いをすることは,違法ではないというものの,事務の分配を乱すことになるのであるから,前者の場合には,東京地方検察庁(本庁)検察官に移送の上, 同検察官において公訴を提起し,後者の場合には,対応する東京地方裁判所立川支部に公訴を提起することが妥当なことはいうまでもない。
   なお,支部に取り扱わせることができる事務は, 「当該検察庁の事務の一部」 という文言からして, 当然,検察事務と検察行政事務とを含むものである。
   
2 次に,検察庁の支部を設けることは,法務大臣の権限とされており,これまで,省令で個々の支部の設置が定められている。すなわち,昭和23年法務庁令第1号「各高等裁判所支部に対応して各高等検察庁支部を設置する庁令」及び昭和22年司法省令第42号『地方検察庁支部設置規則」がそれである。 これらによれば,高等検察庁支部は,名古屋高等検察庁金沢支部,広島高等検察庁岡山支部,同松江支部,福岡高等検察庁宮崎支部, 同那覇支部及び仙台高等検察庁秋田支部の6となっており,地方検察庁支部は,東京地方検察庁立川支部をはじめとして203となっている。
   ところで,各地方検察庁支部勤務検察官の訴訟上の職務範囲は,対応する裁判所支部の権限(事務分配)に応じて定まり地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則上で地方裁判所の支部は, 「上訴事件及び行政事件訴訟に関する事務を除いて,地方裁判所の権限に属する事務を取り扱う」こと (同規則第1条第2項),また,家庭裁判所の支部は,「家庭裁判所の権限に属する事務を取り扱う」 こと (同規則第2条第2項)が原則であり,ただ,地方裁判所又は家庭裁判所は, 「当該地方裁判所支部(又は家庭裁判所支部)において取り扱う事務の一部を,当該地方裁判所(当該家庭裁判所)において取り扱い又は当該地方裁判所(当該家庭裁判所)の他の支部で取り扱うことができる。」 (同規則第3条第1,2項)とされる。すなわち,裁判所支部に対する事務の分配は各地家裁の権限に委譲されている。その結果,各地家裁支部は,合議事件及び少年に関する事件を取り扱うのを原則とし,ただ,合議事件又は少年に関する事件を取り扱わない支部を定めるには,各地家裁の裁判官会議において,各庁の個別事情(合議事件の処理についての支障の有無・程度,裁判官の配置状況,交通事情の変化等)を考臘して決することになっている。このようにして地方検察庁の各支部配置検察官の訴訟上の職務範囲も,対応する各地家裁の権限によって決せられることになっている。
   
3 高等裁判所支部に対する事務分配は, 当該高等裁判所の裁判官会議で定められている(下級裁判所事務処理規則第6条参照)。
   それによると,名古屋高等裁判所金沢支部は,福井,金沢,富山各地方裁判所の管轄区域を,広島高等裁判所岡山支部は,岡山地方裁判所の管轄区域を,同高等裁判所松江支部は,鳥取,松江各地方裁判所の管轄区域を,福岡高等裁判所宮崎支部は,大分地方裁判所中佐伯支部及び鹿児島,宮崎各地方裁判所の管轄区域を, 同高等裁判所那覇支部は那覇地方裁判所の管轄区域を,仙台高等裁判所秋田支部は,秋田地方裁判所,山形地方裁判所中鶴岡,酒田各支部及び青森地方裁判所中五所川原,弘前各支部の管轄区域を管轄区域としている。
   
(注1) 地方裁判所の支部と土地管轄について
   判例「論旨は,本件は宇都宮地方裁判所栃木支部で審判すべきものであったのに宇都宮地方裁判所のいわゆる本庁でこれを審判したのは不法に管納を認めたものだというのである。 しかしながら,地方裁判所の支部は,地方裁判所の事務の一部を取り扱うためその地方裁判所の管轄区域内に設けられるもので(裁判所法第31条第1項),要するにその地方裁判所の一部であるにすぎず,いわゆる本庁と別個独立な裁判所なのではない。従って, ある事件をその地方裁判所の本庁において審判するか支部において群判するかは,同一裁判所内の事務の配分の問題であるに止まり,訴訟法にいう管轄の問題とはならないのである。本件についてこれを見ると,本件
はその犯罪地も被告人らの住所居所も栃木県内であるから,起訴当時の被告人らの現在地の問題を云々するまでもなく宇都宮地方裁判所の管轄に属するものであること明らかである。 しからばこれを宇都宮地方裁判所の本庁で審判したからといってなんら不法に管轄を認めたものとはいえず,その他原審の訴訟手続に管轄に関する規定に違背した点は認められないから,論旨は理由がない。」(東京高判昭和27年4月24日高裁刑集5巻5号666頁)
(注2)前同
   判例「(前略)地方裁判所の支部は地方裁判所の事務の一部を取扱うためその地方裁判所の管轄区域内に設けられるものであることは裁判所法第31条第1項の明定するところであって,要するにその地方裁判所の一部に過ぎない。換言すれば本庁と別個独立な裁判所であるのではない。従って或事件をその地方裁判所の本庁で審判するか支部で審判するかは, 同一裁判所内の事務配分問題であり訴訟法にいう管轄問題とはならないのである。本件についてこれを見るにその犯罪地も被告人等の住居も福島県内であるから元来福島地方裁判所の管轄に属するものであること洵に明らかである。従ってこれを福島地方栽判所の本庁で審判したからといって何等不法に管轄を認めたものとはいえず,その他記録を調査するも原審の訴訟手続に管轄に関する規定に違背した点は毫も認められない。」 (仙台高判昭和29年12月22日最高裁刑事判例要旨集9巻3号182頁)
(注3)地方裁判所支部で審理判決された事件についてその審理に関与しない同支部の本庁である地方検察庁の検察官がなした控訴申立の適否について
   判例「弁護人○○○○の答弁書における検察官の本件控斫の申立は不適法であるとの主張について按ずるに,検察庁法第5条の規定によれば,検察官はいずれかの検察庁に属し,その属する検察庁の対応する裁判所の管轄区域内において,その裁判所の管轄に属する事項について, 同法第4条に規定する職務を行うものであるところ,地方検察庁の支部は同法第2条第4項により明らかなように,地方検察庁に属する事務の一部を取扱うために置かれたものであって,同法及び刑事訴訟法中にその管轄を制限した規定はないので,汎く地方検察庁に属する事件につきこれを取扱う権限を有すると同時に本庁と独立の管轄権を有するものでないこと言を俟たない。 しかも検察官は上下を通じ公益上一体の機関として設けられたものであるから.上訴権者としての検察官は必ずしも原審における当該事件に関与した者に限られないこともまた明白である。それ故地方裁判所支部において審理判決された事件については,その審理に関与した同支部に対応する地方検察庁支部に属する検察官でない他の検察官であっても,該支部の本庁である地方検察庁に属する検察官である限り, 当然にこれに対し適法に控訴の申立をなし得るものと解すべきであって,本庁の検察官が本庁の一部に過ぎない支部において審理判決された事件について,支部の検察官事務取扱としてではなく,本庁の検察官たる資格において控訴の申立をなすことに何等違法とすべき理由は存しない。これを本件についてみるに本件は熊本地方裁判所八代支部において審理判決され,従ってこれに関与しなかった熊本地方検察庁検察官○○○○が同地方検察庁八代支部の検察官事務取扱としてではなく,本庁の検察官の資格において,控訴の申立をなしたものであること所輪のとおりではあるが, 前に説示したところによりこれを違法というを得ないこと自ずから明白である。所諭は採用することはできない。」(福岡高判昭和31年3月24日高裁刑集9巻3号211頁)

検察庁の種類,位置,名称

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)53頁及び54頁には,「第2節 検察庁の種類,位置,名称」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察庁は,最高検察庁, 高等検察庁,地方検察庁,区検察庁の四種とされている (庁法第1条第2項)。
   最高検察庁は最高裁判所に対応し,高等検察庁はそれぞれの高等裁判所に対応し,地方検察庁はそれぞれの地方裁判所に対応し,区検察庁はそれぞれの簡易裁判所に対応して置かれる (庁法第2条第1項)。地方検察庁はまた, それぞれの家庭裁判所に対応するものとされる (庁法第2条第2項)。
   最高検察庁,高等検察庁,地方検察庁及び区検察庁は, それぞれ最高裁判所,高等裁判所,地方裁判所及び簡易裁判所の数だけ置かれ,一つの区検察庁は,一つの対応する簡易裁判所の管轄区域に応じて管轄区域が定まり, その簡易裁判所の裁判管轄に応じて所属検察官の訴訟行為上の職務範囲が定まる。一つの地方検察庁は,一つの対応する地方裁判所の管轄区域に応じて管轄区域が定まり,その地方裁判所並びにこれと所在地及び管轄区域を同じくして設置されている家庭裁判所の裁判管轄に応じて所属検察官の訴訟行為上の職務範囲が定まる。一つの高等検察庁は,一つの対応する高等裁判所の管轄区域に応じて管轄区域が定まり,その高等裁判所の裁判管轄に応じて所属検察官の訴訟行為上の職務範囲が定まる。また最高検察庁は,最高裁判所が憲法上一つしか存在しないので,一つであり,全国を管轄区域とし,最高裁判所の裁判管轄に応じて所属検察官の訴訟行為上の職務範囲が定まるのである。
   
2 最高検察庁以外の検察庁は,対応する裁判所がいずれも複数存在することに伴って複数存在することとなるから, それぞれ名称をつけて識別する必要がある。 また,最高検察庁を含めて,全ての検察庁の位置を定め,広く国民に知らせておくことは,検察庁における事務が国民の権利・義務と密接な関係があることから必要である。
   庁法第2条第3項は, これらの事項を定めることを政令に委任している。 この委任に基づいて制定されているのが,昭和22年政令第35号「最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令」である。この政令では,最高検察庁の位置を東京都と定めるほか,各高等検察庁,地方検察庁, 区検察庁の名称,位置及び対応裁判所を別
表として規定している。
   これによれば,高等検察庁は,東京高等検察庁をはじめとして,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台,札幌,高松の8庁であり,地方検察庁は,東京地方検察庁をはじめとして,各都道府県庁所在地に一庁ずつ及び函館,旭川,釧路の3庁合計50庁であり,区検察庁の数は,東京区検察庁をはじめとして合計438庁となっている。

検察庁法の意義と法源

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)1頁ないし3頁には,「第1節 検察庁法の意義及び法源」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察庁の組織と機構(注1) ,並びに検察官その他の検察庁職員の資格と権限を定めた法体系の全体を実質的意義における検察庁法という。
   その重要な部分は,「検察庁法」 (昭和22年法律第61号)に規定されているが, これに尽きるわけではなく,刑事訴訟法をはじめとして種々の法令に規定されている。これに対して,形式的意義における検察庁法とは,上記法典のことをいう。
   
2 形式的意義における検察庁法(以下「庁法」 という。)は,昭和21年11月3日, 日本国憲法が公布されたことに伴い,憲法の要請に従って立案審議され,昭和22年4月16日に公布,同年5月3日, 日本国憲法の施行と同時に施行されたものである(庁法第33条)。
   その後,庁法は,昭和22年12月17日法律第195号による改正(司法省から法務庁への機構改革に伴うもの),昭和23年5月1日法律第31号による改正(第23条を改め,検察官の適格に関する定時審査制度を設けるとともに,検察官の罷免事由を拡大したもの),昭和23年12月21日法律第260号による改正(家庭栽判所の新設等に伴うもの),昭和24年5月31日法律第138号による改正(法務庁から法務府への機構改革に伴うもの),昭和25年4月14日法律第96号による改正(裁判所法の一部改正に伴うもの),昭和27年7月31日法律第268号による改正(法務府から法務省への機構改革に伴うもの),昭和36年6月2日法律第111号による改正(国家行政組織法の一部改正に伴うもの) ,昭和44年5月16法律第33号による改正(行政機関の職員の定員に関する法律の制定に伴うもの),昭和46年12月31日法律第130号による改正(沖縄の復帰に伴うもの),昭和58年12月2日法津第78号による改正(国家行政組織法の一部改正に伴う関係法律の整理によるもの),平成11年7月16日法律第102号,同年12月22日法律第160号による改正(内閣法の一部改正に伴う関係法律の盤理によるもの) ,平成16年3月31日日法律第8号による改正(裁判所の研修所の組織改変に伴うもの)及び平成17年7月15日法律第83号による改正(学校教育法の一部改正に伴うもの)を経て,現在に至っている。
   
3 庁法には, その規定すべき事項を他の法令等によることとしているものがある。すなわち,
   第2条第3項による「最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令(昭和2年5月3日政令第35号)」
   第2条第4項による「各高等裁判所支部に対応して各高等検察庁支部を設置する庁令(昭和23年2月21日法務庁令第15号)」及び「地方検察庁支部設置規則(昭和22年5月3日司法省令第42号)」
   第6条第2項による「刑事訴訟法(昭和23年7月10日法律第131号)の第191条ないし第194条」
   第18条第1,2項等による「検察庁法施行令(昭和22年5月3日政令第34号)」及び「検察庁法施行令第3条の規定による地方検察庁を指定する告示(昭和22年6月6日司法省告示第31号)」
   第18条第3項による「検察官特別考試令(昭和25年12月11日政令第349号)」
   第21条による「検察官の俸給等に関する法律(昭和23年7月1日法律第76号)」
   第23条第8項による「検察官適格審査会令(昭和23年9月16日政令第292号)」
   第32条による「検察庁事務章程(昭和60年4月6日法務省訓令第1)(以下「章程」 という。)」 (注2)
   等であり, これらは庁法の規定を補充して庁法と一体をなしているものである。
   
4 国家公務員法と庁法の関係
   国家公務員法は,一般職に属する全ての国家公務員に適用されるから,一般職の国家公務員に属する検察官その他の検察庁職員は同法の適用を受ける(国家公務員法第2条第1,4,5項)が,同法附則第13条が「一般職に属する職員に関し,その職務と責任の特殊性に基いて,この法律の特例を要する場合においては,別に法律又は人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については,政令)を以て, これを規定することができる。」 と定めている。そして,同附則に基づき,庁法は, 一定の事項につき 「検察官の職務と責任の特殊性に基いて,同法(注・国家公務員法)の特例を定めた。」 (第32条の2) ものであるから,庁法に特別の規定のない限りは国家公務員法の適用がある。その意味で,国家公務員法と庁法とは一般法と特別法の関係に立っている。
(注1) 組織と機構
   組織には,機構的要素(組織の単位である機関の設置,権限,所掌事務,各機関相互の関係等),人的要素及び物的要衆があるが,人的・物的要素については,公務員制度,財政・会計制度あるいは公物・営造物制度等として,別個に取り扱われるのが通常で,行政組織といえば,専ら機構的要素の面を取り上げるのが普通である。
(注2) 事務章程及び事務細則
   庁法は,「検察庁の組織と機構並びに検察官その他の検察庁職員の資格と権限」を定めているが,検察庁の事務が適正, 円滑に処理されるためには,なお,検察庁の事務運営の基本通則,すなわち,その内部の事務分配及び執務の基準に関する細目の規定が必要である。庁法は, これらの事項について,法務大臣の定めるところに委任している (庁法第32条)。この委任に基づいて法務大臣が定めているのが「検察庁事務章程」をはじめとした各種の規程等の数多くの訓令であり,これらが,実質的な意味における事務章程である。 しかし,実質的な意味における事務章程は,検察庁の事務運営の基本的通則を定めたものであるから,さらに,各庁の実情に応じた細則を定める必要がある。そこで,章程第30条は, 「検察庁の長は,この章程に定めるもののほか,その庁の事務に関し,事務細則を定めることができる。ただし,区検察庁の事務細則は,検事正が定める。」 ものとした。これらの事務細則において定めうる事項は,実質的な意味における章程において規定すべき事項の全般にわたることができるし, また,必ずしも「細則」 という名称を用いる必要はない。

検察庁の名称の由来

「新検察制度十年の回顧」には,「検察庁の名称について」という表題で,以下の記載があります(法曹時報10巻3号87頁及び88頁)。

   検察庁法において、検察庁ば検事の行う事務を統括するところと定義し、検察庁には最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁及び区検察庁がある(法第二条)ことを規定しているが、この検察庁という名称は、昭和三年司法省が検事局を裁判所から分離して独立させる法案を立案した際すでにこれを使用し、また昭和十三年第七十三帝国議会において衆議院議員から提出された検察庁法案にもこの名称が使われており、検察庁という名称はとくに目あたらしいものではないので、この度の立法にあたってもこの名称を踏襲したのである。ただ検察庁の定義を定めた第一条の規定は、法制局と法案の審議をした当初これをもうけてなかったのを法制局の示唆によっておくようになったことは、すでに述べたところであるが(検察官同一体の原則の項参照)、右規定において、検察庁は、検察官の行う事務を統括するところというようにとくに仮名で表現し、このところを処あるいは場所としなかったのは、検察官の行う事務を形式的に行う場所、もしくはこれを単に機械的に統一する場所というだけの意味でなく、形而上的な意味すなわち検察官が国の独立機関として独自に行使できる検察事務を検察全体として統括するところであることをあらわすためにしたのであって、いわば検察官同一体の原則の一つの根拠となるのである。
   検察庁の種類の名称は、昭和三年の検察庁法案および第七十三帝国議会の議員提出になる検察庁法案には、その当時の大審院、控訴院、地方検察庁、区検察庁に対して総検察院、検察院、地方検察院、区検察院の名称が使われていたが、司法制度の改正により裁判所は最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、簡易裁判所に改められたので、これに対応して最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁としたのである。

*1 「検察官の名称の由来」も参照してください。
*2 昭和43年版犯罪白書の「第二章 刑事関係制度の変遷」には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
   明治二二年二月発布の大日本帝国憲法は,第五章に司法に関する条章を設け,司法権は,天皇の名において,法律により裁判所が行なうことを定めたほか,裁判官の資格・身分保障,裁判の公開,特別裁判所等について規定し,この規定を受けて,翌二三年二月裁判所構成法が公布された。
   同法は,通常裁判所を大審院,控訴院,地方裁判所および区裁判所の四種とし,区裁判所は,違警罪,二月以下の禁錮または百円以下の罰金にかかる軽罪等を管轄し,地方裁判所は,区裁判所の権限および大審院の特別権限に属しない刑事訴訟ならびに区裁判所の判決に対する控訴審につき裁判権を有し,控訴院は,地方裁判所の第一審判決に対する控訴および区裁判所管轄事件の上告等につき,大審院は,控訴院の第二審判決に対する上告および皇室に対する罪等の予審および裁判につき,裁判権を有するものとされた。
   また,判事および検事のほか,予備判事および予備検事の名称を設け,各裁判所に検事局を付置し,大審院検事局に検事総長,控訴院検事局に検事長,地方裁判所検事局に検事正をおくことを定めた。

検察庁のその他の職員

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)90頁ないし91頁には,「第4節 その他の職員」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。
   
   検察庁に検察技官が置かれる(庁法第28条第1項)。検察技官は捜査等の検察事務に関しては科学的知識を活用するために,その技術を担当するものとして庁法において創設せられた機関であって,検察官の指揮を受けて,通信,採証等の技術を掌る(同条第3項)ものである。もっとも,検察事務官には捜査の権限があるのに反し,検察技官は,事務上の補助機関であり,捜査の権限を有しない。
   最高検察庁に検事総長秘書官が置かれる(庁法第26条第1項)。検事総長秘書官は,検事総長の命を受けて機密に関する事務を掌る(同条第3項)。
   検察庁の職員としては,庁法上その職務が明定されている検察官,検事総長秘書官,検察事務官及び検察技官のほかに,事務員,技能員,庁務員等の職員があり,上司の命により検察庁における各般の事務の補助をしている。事務員,技能員,庁務員等が捜査に関する権限を有しないことは,いうまでもない。

検察権の独立(行政権,立法権との関係)

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)20頁ないし27頁には,「第2節 検察権の独立(行政権,立法権との関係)」として以下の記載があります(別の場所の脚注に言及している部分は削りました。)。

1 検察権は,国家刑罰権の実現等の国家目的を追求して行使されるもので, その本質は行政権の一作用であり, 司法権と明白に区別される。しかし,検察権の行使は,公益の代表者として個々の事件について法の正当な適用実現を目的とするものであって, 司法権と密接な関係を持ち, 司法作用に重大な影馨を及ぼすものである。
   このことは,例えば,起訴・不起訴が外部からの影響-特に政治的な圧力-によって左右される場合を考えれば明瞭である。不告不理の原則の下においては,裁判所は,起訴されない事件を審判するわけにはいかないし,起訴された事件は必ず審判しなければならないのであるから,司法権の行使は検察権の行使にかかっている。この場合,司法権が確固として独立していても,検察権の行使が公正を欠くならば, 司法権の行使も不公正なものとならざるをえない。司法権独立の主眼は, 司法権の行使を政治的影響から自由にするところにあるといってよい。したがって,検察権が政治的影響のままに行使されるならば,それはまさしく政治的司法を現出し, 司法権の独立は名のみになるといっても過言ではない。検察権と司法権は, まさに車の両輪であり, そのいずれの公正を欠いても刑事司法の健全な運営は期しがたい。
   このように,検察権は行政権の一作用でありながら, 司法権と密接な関係を持つのであり,刑事司法の公正を期するためには,検察権についても司法権独立の精神を能う限り推及されなければならない。したがって,検察権は,法の拘束・支配の下において,それを行使する者の良心に従って,独立して行使されることが要請される。
   この検察権の独立を担保するものとしては,庁法上①法務大臣の検察事務に対する指揮監督権の制限(庁法第14条) ,②検察官の独任官庁制(庁法第1,4,5条),③検察官の身分保障(庁法第22条ないし第25条)の制度がある。

2 しかし,既に見たように,検察権は,行政権の一部をなすものであり,行政権は,内閣に属し(憲法第65条),内閣は,行政権の行使について,国会に対し連帯して責任を負う (憲法第66条第3項, 内閣法第1条第2項)。そして,内閣を組織する各大臣は,主任の大臣として,行政事務を分担管理する (内閣法第3条第1項,国家行政組織法第5条第1項)のであり,法務大臣は,法務省の長(法務省設置法第2条第2項) として, 「検察に関すること」 (同法第4条第7号)を含む法務省の所管事務を分担管理し, これについて責任を負う。 これが組織法における原則(責任政治の原則)である。 したがって,行政権の一部である検察権の行使についても,内閣は国会に対して連帯して責任を負うものであり,検察権も,内閣法,国家行政組織法,法務省設置法等の諸規定に基づいて,法務大臣の指揮監督の下に行使されるのが原則である。
   なお, ここに「指揮」 とは,おおむね事前において,職務上の命令をすることを意味し, 「監督」とは,おおむね事後において,職務執行が適法か否か,相当か否かを査察し,必要があるときは是正の措置を命ずることを意味する。
   この責任政治の原則からする要請と,検察権独立の要請は,相互に対立して排斥するのではなく,調和することが必要である。検察権の独立は, 司法権の独立のように他からの一切の影響を排除しようとするものとは異なり,他からの不当な影響を排除しようというものである。それは,正しい統一的な国家意思が, 司法に反映するように検察権が行使されなければならないための要請であり, もとより検察の独善を容認するものではないからである。

3 法務大臣の指揮監督権の制限(庁法第14条)
   これは責任政治の原則と調和させつつ,法務大臣の指揮監督権の行使に一定の制限を加えて,検察権の独立を図ろうとした制度である。
   すなわち,法務大臣は,検察全般に対する指揮監督権を持つが,議院内閣制の下においては,その指揮監督が,例えば,政党の利害等によって左右されるなどして,検察の公正な運用が失われ, あるいは失われるおそれがあるので,法務大臣の指揮監督権の行使が制限されなければならない。そこで,庁法第14条は, 「法務大臣は,第4条及び第6条に規定する検察官の事務に関し,検察官を一般に指揮監督できる。ただし,個々の事件の取調べ又は処分については,検事総長のみを指揮することができる」 と規定し,検察事務に関する指揮監督権の行使を制限している。検察事務以外の事務についての指揮監督は組織法上の原則によるわけであって,総務,会計,人事等に関する事務や,犯罪の防止その他刑事政策上の諸施策に関する事務についての法務大臣の指揮監督権の行使は制約を受けない。
   すなわち,捜査,公訴の提起・遂行などの検察事務に関しては,法務大臣は,検察官を「一般」に指揮監督することができるが,検察官の行う 「個々の事件の取調べ又は処分」については検事総長のみを指揮することができるにとどまる。 「一般に」 とは, 「一般的に」 ということで,「具体的に」 と相対する概念であり,例えば,検察事務処理についての一般的方針や基準を訓示したり,法令の行政解釈を示したり,個々の具体的事件について報告を求めたりすることである。 「取調べ」 というのは,被疑者,参考人の取調べだけを指すのではなく,捜査の方法,順序等も含み, 「処分」 というのは,起訴,不起訴の処分のほか,公判の遂行及び刑の執行はもちろんのこと,刑罰権の実現のために検察官が行う捜査以外の一切の検察事務の処理とその方法,順序を含むものである。
   すなわち,法務大臣は,個々具体的事件に関する検察事務については,捜査の着手から刑の執行に至るまで,直接個々の検察官を指揮することは許されず,検事総長のみを指揮することができる。言い換えれば,法務大臣は,具体的事件に関しては,検事総長が持っている部下検察官に対する指揮監督権を媒介としてのみ,個々の検察官の行う検察事務に干渉することができるのである。
   ところで, これを形式論理的に見ると, たとえ検事総長を通じてにせよ,具体的事件について法務大臣に指揮権を認める以上は, それが検事総長を通じてのみ行われようが,直接,個々の検察官に対して行われようが,個々の検察官が検事総長の指揮監督に服しているからには,結局は同じことだともいうことができる。 しかし,実際の運用を考えてみると,検事総長は,法律的には法務大臣の指揮監督に服するものであるが,全国の検察官を指揮監督し検察権を代表する者として,不当な法務大臣の指揮に対しては, それが不当であることを説得して法務大臣の翻意を求める等の事実上の措置がとられることが期待され, これによって法務大臣の不当な指揮が防止されるのである。このように庁法第14条は,法務大臣と検事総長の識見により,運用の実際において妥当な結果が導かれることを期待しているのである。

4 以上のように法務大臣が具体的事件について検事総長を指揮し得る権限を,俗に「指揮権」 と呼んでいる。この指揮権の発動については,昭和29年4月の造船疑獄事件に関して行われたそれが有名であり, また,一般にはそれが唯一の例であるかのようにいわれているが,必ずしもそうではない。まず,特に重要な事件については,捜査の着手又は起訴・不起訴の処分について,法務大臣の指揮を受けるべきことが一般的に定められ(処分請訓規程,破壊活動防止法違反事件請訓規程), これに当たる場合には, 具体的事件について,検事総長から法務大臣に対して請訓が行われ,これに応えて法務大臣が指揮することとなっている。また,検事総長は,将来政治問題化することが予想されるような事件については,国会における検察権の代表である法務大臣に対して,積極的に報告を行うこともあると考えるが,そのような際,特に法務大臣の指揮を仰ぐこともあると考えられる。いずれにせよ,法務大臣は,検事総長の請訓により,請訓どおりの指揮を行うのが例であると思われるが, 明らかに諭訓を否決する指揮が行われたのが,造船疑獄事件のそれである (同事件では,検事総長から法務大臣に対し, 自民党幹事長佐藤栄作氏に対する逮捕請求許可の請訓があった。)。法務大臣が,検事総長の理を尽くした請訓にもかかわらず不当な指揮を維持するならば,それは,検察全体の代表者としての検事総長が,政党内閣の代表者としての法務大臣と正面から対立することとなり,いずれの判断が正当であるかが広く国民の批判にさらされ,結局は,健全な国民の声によって,検察権の適正な行使が担保されることとなることも,庁法第14条の期待しているところと解される。

5 以上は, 内閣と検察の関係について見たのであるが,検察権の独立のためには,立法権ないし国会からの抑制も制限されなければならない。
   すなわち,国会の衆参両議院は, それぞれ国政に関する調査権を持ち,その調査のため証人の出頭,証言及び記録の提出を求めることができる(憲法第62条)のであって,検察権も行政権の一部として,検察行政事務はもとより,検察事務についても,国政調査権の対象となり得るものといわなければならない。 しかし,既に述べたように,検察権が司法権と密接不可分な関係にあるところから,検察権の行使について国政調査を行うことにより,ひいては, 司法権自体の行使に重大な影響を及ぼす場合があり得る。そのような場合には, 司法権の独立を脅かすという意味において,検察権の行使に関する調査が許されないことになるというべきである(注)。例えば,現に裁判所に係属中で,事実関係につき当事者間に争いのある事件について,裁判上の立証がまだなされていない段階であるのに,検察官を証人として喚問し,捜査の内容,将来裁判所に提出すべき証拠の内容等を証言させるようなことがあれば,国政調査という名前の下に実質的に裁判が行われ,検察官の公訴維持は困難となり,裁判所には予断を与え, 「司法権の独立」が脅かされることになるから,許されないといわねばならないし,証人として喚問された検察官は出頭をも拒むことができると考える。
(注) いわゆる日商岩井不正事件について,国政調査権は, 「検察権との併行調査は,原則として許されるが, 司法権の独立ないし刑事司法の公正に触れる危険性があると認められる場合には制限される」 (東京地判昭和55年7月24日判時982号2頁) との判断が示されている。

6 検察に対する国政調査権の行使が制限される場合には,議院における証言及び書類の提出を,職務上の秘密に関するものとして拒むことが許されることが多いと思われる。
   すなわち,各議院等は, 「証人が公務員である場合又は公務員であった場合……その者が知り得た事実について,本人又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申し立てたときは, 当該公務所又は監督庁の承認がなければ,証言又は書類の提出を求めることができない」 (議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第5条第1項)ものとされ,その公務所又はその監督庁が承認を拒んだ場合,議院等において承認拒否の理由を受諾できないものと認めれば「その証言又は書類の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を要求することができ」 (同条第3項前段) ,要求後10日以内にその声明があれば,証言又は書類の提出をする必要がない(同項後段)。ここでいう 「職務上の秘密」は, 「職務上知り得た秘密」 よりも狭い概念で,職務上知り得た他人の秘密を含まず,職務自体の秘密をいうものと解されている。しかし秘密という概念は, ある事項を秘匿しておく利益と, これを公にする利益とを比較して,前者の方が大きい場合にだけ秘匿することが認められる相対的なものであるから,それぞれの調査の目的等により,秘密の範囲が動いてくることとなる。 したがって,検察における職務上の秘密の範囲や事項を一律にいうことは困難であるが,一般的には,現在及び将来における捜査や公訴の維持に支障をきたすような事項がこれに当たることになろう。

7  国政調査権と検察の職務上の秘密とが正面から対立したものとしては,造船疑獄事件にからんで衆議院決算委員会が検察官等を証人として喚問し,捜査の経過,不起訴となった財界,政界人の氏名,被疑事実の一部及び資料,起訴された事実について証拠の一部等の証言を求め, 同検察官等が職務上の秘密であるとして一部の証言を拒否し, 同委員会は拒否事項について法務大臣の承認を求め,法務大臣はその一部について承認をし,大部分については承認を拒否してその理由を疎明したが, 同委員会は内閣声明を要求し, 内閣は法務大臣の承認拒否を支持して声明した事例がある。その内閣声明は,次のとおりである。
「衆議院決算委員会から, さきに法務大臣の疎明した検事総長佐藤藤佐及び東京地方検察庁検事正馬場義統の証言及び書類の提出の承認を拒否した理由につき,これを受諾することができないとして内閣声明の要求があった。
   よって, 内閣は,右要求につき慎重に検討審識した結果,法務大臣がその承認を拒否した証言及び書類の提出を現段階において行うことは,機密の保持を本旨とする検察運営に重大なる障碍をきたすのみならず, いわゆる造船疑獄事件として起訴せられ,近く公判において事実審理の開始せられんとする商法違反(特別背任)被告事件,政治資金規正法違反被告事件,贈収賄被告事件の公訴の維持に著しい支障を生ぜしめ,他面裁判所に予断を与え裁判の公平を阻害する虞なしとせず,かくては犯罪を防あつして国家の治安,社会の秩序を維持し,公共の福祉を擁護せんとする検察の目的を達成することが困難となるのみならず,他面裁判の公平を確保して,司法権の公正なる運用を期することができなくなる虞があるのであるから,右証言等の承認をすることは国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものと認める。

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検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯

目次
1 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
2 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
3 関連記事その他

1 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
・ 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯に関して,「新検察制度の十年の回顧」には以下の記載があります(法曹時報10巻2号68頁及び69頁)。

   マックァーサー憲法の草案が提示された際、草案の規定のなかに天皇の認証ということがあった。当時はまだ国内的に認証官の種類や範囲が全然考えられていなかったのであるが、検察庁法を制定するにあたって立法者は検事総長、次長検事、検事長を認証官とすることを考え、これを草案に規定して総司令部の承認を得て認証官としたのである。
   この着想は極めて機敏に行われたため、総司令部との折衝や法制局との協議は極めて順調に進められた。行政機構が漸次整備した後において認証官の設置を希望する官庁が少くなかったにも拘らずその実現を果たし得なかったことを思えば、検察庁法の立案に当った関係者の明敏さには敬意を払わざるを得ないのである。
   検事総長、次長検事、検事長を認証官とする構想は、旧憲法下における天皇の親任官から由来したもので、これまで親任官であった国務大臣は新憲法の下においても当然天皇の認証が行われ、また憲法の改正により最高裁判所が実現すれば三権分立の強化から、内閣総理大臣に匹敵する最高裁判所長官も亦認証官となり、最高裁判所長官が認証官となれば裁判所の従来の伝統から、高等裁判所長官もおそらく認証官に加えられるものと予測し、最高裁判所および高等裁判所に対応する最高検察庁、高等検察庁の長および高等検察庁の長と同等の待遇を受ける最高検察庁次長検事の官が裁判官と権衡を失することのないようにするため検事総長、次長検事、検事長を認証官にしようとしたものであるが、総司令部は当初天皇の認証する官というものにそれ程深い関心を払っていなかったもののようであり、その折衝に対しては、さしたる異論もなく承認を与えてくれたのである。
   しかし検事総長、次長検事、検事長は、従来検事がその職に補せられていたので、新立法に際してもこれと同様に考え「職を認証する」ものとして法制局と折衝したところ、法制局の意見として、憲法の規定は官を認証するのだから検事総長、次長検事、検事長は官名でなければならぬということであったので、それまで検察官を検事と副検事とすることにしていた考えを検討し直し、検事総長、次長検事、検事長を認証官とする関係から、結局検察官の種類をこれにも及ぼすこととして、検察官を検事総長、次長検事、検事長および検事、副検事とすることにしたのである。

2 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
・ 平成22年度3年目フォローアップ研修「事務次官講話」の「問題意識、丈夫な頭、健康」と題する講演(平成22年10月4日実施)において,大野恒太郎法務事務次官は以下の発言をしています(リンク先のPDF3頁)。
    (山中注:検事の場合)地方のポストの格が高いというのも大きな特徴です。例えば、高等検察庁の検事長は認証官とされておりますので、次官よりも格上です。また、本省の局長が検察庁に戻ると、地方検察庁の検事正クラスということになります。こうした地方のポストが高いという特徴も裁判官と同様です。

3 関連記事その他
(1) 制定時の裁判所構成法では,検事総長は勅任官でしたが,大正3年5月1日,勅任検事をもって親補するところの親補職となり,大正10年6月1日,大審院長と同様,親任検事をもって親補するところの親任官となりました(裁判所構成法79条3項)。
   また,戦前の検事総長は大審院の検事局に置かれていました(裁判所構成法56条1項)。
(2) 控訴院検事長は,司法大臣の上奏により勅任検事の中から補されており(裁判所構成法79条4項),親補職ではありませんでした。
   また,戦前の検事長は控訴院の検事局に置かれていました(裁判所構成法42条1項)。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 親任式及び認証官任命式
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 法務省作成の検事期別名簿

・ 動画の6分54秒から7分7秒にかけて,「官記を受け取ったら,本当は頭より上に掲げて降ろさないようにお辞儀をすることになっています。検事総長は恐らく初めての認証式ではないので上に掲げていたから中身が見えるんです。」というナレーションが流れます。

認証官任命式について(法務省大臣官房人事課の文書)2/2を添付しています。 pic.twitter.com/rNBGQE4oUh

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) February 13, 2023

検察制度の本質

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)7頁ないし9頁には,「第3節 検察制度の本質」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 社会の秩序を破った者を処罰することは,人間社会の成立とともに始まったといわれる。古代の社会における秩序を乱す行為は,殺人,傷害,窃盗などであったが, これに対する処罰は,民事,刑事の分化もなく,私人間, あるいは,その属する家や部族の間の復仇や自力救済に放任され,家や部族内のものについては,家長や部族の長の手に委ねられていた。その後,部族間の争闘の歴史を経て,部族等の上位社会としての国家が成立すると, 国家は部族問の紛争はもとより社会間の紛争にも介入するようになり,国家権力の強大化とともに犯罪者に刑罰を科することは, 「国家刑罰権」 として,国家の手に収められた。
   このようにして,封建国家や絶対王制国家においては,全ての国家作用がそうであったように,刑罰権も領主や王の絶対権力に基づいて行使された。
   
2 古来,法は正義を理念とし,裁判は公正を生命とするといわれながらも,領主や王が全権力を掌握し人民に対し生殺与奪の自由をもっていた以上,刑罰を科すについての法や裁判は,領主や王の恋意を覆い隠す装飾にすぎない場合もあり,人民の権利や自由に対する制度的な保障ではなかった。すなわち, そこには権力分立の観念はなく,全ての官吏は領主,国王の部下,代官であり,裁判官と行政官の職分の区別もなかった。
   したがって, 当時の刑事裁判手続は,裁判官(官憲)の掌中に収められ,裁判官が自ら犯人を捜して捕え,何らの訴えなしに職権をもって自ら審理を開始し,必要があれば拷問を用いるなど,一方的な秘密審理によって行なわれた(糺問手続の形式)。
   
3 しかし, 自由民権思想の発展,高揚は,領主や王の絶対権力を否定し,国家の統治権は立法,行政, 司法の三権に分立され,法による統治の時代をもたらした。かくして, これまで国王の代官・部下として社会の秩序を維持し公共の利益を図るために司法と行政の両機能を果してきた裁判所は, 司法の機能のみを担うこととし, 自ら進んで犯罪者に対して刑罰権を行使するという行政の機能を他に譲ることとなった(注1)。そして,裁判所は,紛争上対立する当事者から訴が提起された場合に,はじめて法律を基準とし, その適用によって判定を与えることに専念することとなった(弾劾手続の形式) (注2)。
(注1) 司法と行政の区別
   司法とは,「法の適用によって当事者間の具体的な法律上の争訟を解決する国家作用をいう」 とされているが,行政とは,「国家作用のうち,立法と司法とを除いた残余の国家機能をいう」 とされ,行政については,積極的な定義付けができないとする見解が有力である。
(注2)  糺問手統(糺問主義)と弾劾手続(弾劾主義)
   糺問主義(手続) とは,刑事訴訟手続上の基本的な脈理で, (イ)訴訟の開始が,訴えによらず,裁判所の職権による主義,(ロ)訴訟が開始された後,訴訟の主体として,裁判所・被告人の2面関係しかなく,裁判所・訴追者・被告人の3面関係ではない訴訟の形式を意味する。 これに対して,弾劾主義(手続) とは,(イ)刑訴法上,裁判機関以外の者の訴えを待って訴訟を開始する主義,(ロ)その場合,訴えを提起した者が当事者となるのが通例であるから,裁判所と積極・消極の両当事者の3主体によって構成される訴訟の形式を意味する。したがって,不告不理の原則は,弾劾主義の本質的内容をなすものといえる。
   
4 このようにして,刑事裁判手続は,訴訟手続の形式による公開審理によって行われるようになった。 ところで,刑事裁判手続が訴訟手続(弾劾手続)の形式で行われるためには,必然に,原告にあたる訴追者がなければならない。これを被害者や一般民衆の手に委ねる(私人訴追主義) と,訴追が私憤等によって左右されて偏ぱなものとなる場合があって適切ではない。訴追は,本来,冷静な合理的処置として行われなければならないこと,また,偶然的,恣意的でなく一定方針で画一的に行われる必要があること,訴追は司法権と行政権の接点にあるものであることなどを考えると, その権限は,公正な立場にある一定の国家機関をして分担せしめることが適切・妥当である (国家訴追主義)。
   
5 以上のように,国家の統治権を三権に分立し,人権を保障し,社会の平和を保持して公共の利益を図るためには,公益の代表として,刑事について公訴を行い,裁判所に法の正当な適用を請求するなどの機能を担う機関が必要であり,欠くことができない。 ここに検察制度が誕生した理由がある。
   したがって,検察制度は,三権分立,特に司法権の独立という国家の体制を維持,発展させるために創設されたものであり, それに奉仕するものである。この意味において,検察制度の発展によって, 司法の独立の原則もまた確立せられたものであるといってよい。

検事一級と検事二級の違い(法務省文書に基づくAI解説)

◯以下の文書は,①法務省の理由説明書等(検事一級及び検事二級の基準)及び②検察庁の職員の配置定員について(令和7年4月1日付の法務省大臣官房人事課長の依命通達)に基づくAI作成文書です。
◯「検察官の種類等」も参照してください。

目次
第1 はじめに
第2 検事の「級」制度の概要と実態
1 歴史的経緯
2 現在の「級」の意義
3 法律上・運用上の実質的な違い(俸給及び役職)
第3 「一級」への叙級(昇級)基準
1 叙級の実務運用
2 裁判官からの出向者等の場合
3 基準文書の不存在
第4 (参考)検察庁の職員配置定員
第5 まとめ

第1 はじめに

検察官の「検事」には、「一級」と「二級」の区別があることをご存知でしょうか。検察庁法第15条によれば、検事総長、次長検事及び各検事長は1級、検事は1級又は2級、副検事は2級とされています。

では、この「一級」と「二級」の違いは具体的に何であり、どのような基準で分けられているのでしょうか。本稿では、情報公開・個人情報保護審査会に提出された法務省の理由説明書等の資料に基づき、この点について解説します。

第2 検事の「級」制度の概要と実態

1 歴史的経緯

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国家公務員法81条の3に基づき,検察官の勤務延長が認められる理由

国家公務員法81条の3に基づき,検察官の勤務延長が認められる理由としては,以下のものが考えられます。

1 検察官の勤務延長に関する政府見解(私が独自に政府答弁を要約したものです。)
   一般法たる国家公務員法の懲戒,服務等の諸規定については,特に読替規定を置くこともなく,当然に検察官にも適用されているのであって,例えば,任命権者から懲戒処分を受けた職員は人事院に不服申立てを行ってその審査を受けることができるものとされているところ、これは内閣が任命する検事長についても変わらない。
   また,公務員の中の新陳代謝を図りながら,きちっとした年齢まで働けるということを前提に,安心して人生設計をさせて,しっかり職務に当たらせるという定年制度の意義自身は,同じ国家公務員たる検察官と一般の公務員とで同じであるから,そこのところについて何か検察官の特殊性がどうこうという議論は基本的にはない。
   さらに,検察庁法32条の2は,その職務執行の公正が直接刑事裁判の結果に重大な影響を及ぼすという検察官の職務と責任の特殊性は国家公務員法施行後も変わらないことから,検察庁法中,検察官の任免に関する規定を国家公務員法の特例としたというものであり,他の一般の国家公務員についても定年が定められた昭和56年の国家公務員法改正後において検察官に特別の定年が定められているのは,その職務と責任に特殊性があることによるものと解される。
   ところで,昭和55年10月の総理府人事局作成の想定問答には,検察官の場合,勤務延長が認められないと記載されているものの,その理由は必ずしも明らかではないし,大学の教員についても勤務延長が認められない理由が職務の特殊性によるものかどうかも明らかではないし,当時と比べて色々検察行政が複雑化しているといった情勢の変化からすれば,行政府の判断として責任を持って解釈変更をするのであれば問題はない。
   また,司法大臣の決定により最大で3年間,引き続き検事は在職できるとしていた裁判所構成法80条ノ2と同趣旨の規定が検察庁法で定められなかった理由について帝国議会議事録等でも特段触れられていないため,その理由は必ずしも明らかではない。
   そのため,国家公務員が定年により退職するという規範そのものは,検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというべきであって,検察官の定年による退職は,検察庁法22条により定年年齢及び退職時期について修正された国家公務員法81条の2第1項に基づくものと解される。
   よって,前条第1項の規定により退職した場合に適用される国家公務員法81条の3は検察官にも適用されるものと解される。

2 政府答弁で言及されていないものの,政府見解を支持することにつながる理由
① 「一級の検察官は、内閣が、二級の検察官は、内閣総理大臣が、これを任免する。」と定めていた検察庁法15条3項が昭和24年5月31日法律第138号により削除され,検事及び副検事の任免権者に関する定めが検察庁法に存在しなくなった結果,国家公務員法55条1項及び61条に基づき,法務総裁(昭和27年8月1日以降は法務大臣)が検事及び副検事の任免権者となった(国家公務員法55条1項の適用につき昭和24年5月11日の参議院法務委員会における高橋一郎法務庁検務局長の答弁参照)。
   また,「この法律の規定は、国家公務員法の如何なる条項をも廃止し、若しくは修正し、又はこれに代わるものではない。」と定める検察官俸給法(昭和23年7月1日法律第76号)附則8条は,国家公務員法の規定が検察官俸給法に優先するものであるという一つの思想を表現したものである(昭和23年5月5日の参議院司法委員会における岡咲恕一法務庁調査意見第一局長の答弁参照)ことからしても,検察官に対する国家公務員法の適用が避けられていたわけでは全くない。
   そのため,これらのことからしても,検察庁法に定めのない事項については,国家公務員法が当然に適用されるといえる。
② 検察庁法32条の2は,国家公務員法(昭和22年10月21日法律第120号)が制定された後の昭和24年5月31日法律第138号によって追加された条文であるところ,当時の国家公務員法には定年年齢及び退職時期の定めがなかったため,勤務延長が問題となることもなかった。
   そのため,定年年齢及び退職時期について定めているだけの検察庁法22条は,昭和56年6月11日法律第77号によって追加された国家公務員法81条の3(定年による退職の特例)の特例まで定めたものとはいえない。
③ 大学の教員については,教育を通じて国民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き,制定当時の教育公務員特例法(昭和24年1月12日法律第1号)8条2項に基づき,停年が定められていた。
   そして,平成13年4月1日以降,国立大学の教員については平成11年7月7日法律第83号による改正後の教育公務員特例法8条の2第2項(平成16年4月1日の国立大学法人化に伴い,平成15年7月16日法律第117号に基づき削除)に基づき,公立大学の教員については平成11年7月22日法律第107号による改正後の教育公務員特例法8条の3第2項(現在の8条2項)に基づき,勤務延長を定める国家公務員法81条の2及び地方公務員法28条の3の適用が明文で排除されるようになった。
   それにもかかわらず,検察庁法については同趣旨の改正が行われなかった。
④ 職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を60歳とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員については,60歳を超えて65歳を超えない範囲内の定年を人事院規則で定めることが予定されている(国家公務員法81条の2第2項3号)ところ,例えば,事務次官,外局の長官,会計検査院事務総長及び人事院事務総長の定年は62歳とされている(人事院規則11-8(職員の定年)別表)。
   そのため,職務と責任の特殊性は,定年年齢を遅くする方向に考慮すべき事情といえる。
⑤ 人事院は内閣の所轄の下にある(国家公務員法3条1項前段。なお,憲法73条4号の「官吏に関する事務を掌理すること。」参照)とはいえ,国家行政組織法の適用が除外されている(国家公務員法4条4項後段)し,会計検査院は内閣に対し独立の地位を有している(会計検査院法1条。なお,憲法90条1項参照)。
   そのため,これらの機関は,法務省に置かれる特別の機関であり(法務省設置法14条1項),検察に関する事務をつかさどる法務省(法務省設置法4条1項7号)の長である法務大臣(法務省設置法2条2項)の一般的な指揮監督を受ける検察庁(検察庁法14条本文)よりも高度の独立性を有しているといえる。
   そして,人事院事務総局(国家公務員法13条)の職員及び会計検査院事務総局(会計検査院法2条及び12条)の職員についても勤務延長に関する国家公務員法81条の3が適用されることからすれば,独立性を確保する必要性が高いというだけの理由により勤務延長を一律に否定する必要があるとはいえない。
⑥ 両議院の同意を経て,内閣が任命する人事官(国家公務員法5条1項)は,任命前の5年間において,政党の役員等をしていた者が任命されることはできないし(国家公務員法5条4項),同一の大学学部を卒業した人が2人以上任命されることはできない(国家公務員法5条5項)ぐらい,政治的中立性が要求されているところ,引き続き12年を超えて在任することができない(国家公務員法7条2項)とはいえ,定年の定め自体がない。
   そのため,政治的中立性を確保する必要性が高いというだけの理由により勤務延長を一律に否定する必要があるとはいえない。
⑦ 昭和56年4月28日の衆議院内閣委員会における斧誠之助人事院任用局長の答弁は,何ら理由を述べることなく,改正国家公務員法に基づく定年制が適用されないと説明しているに過ぎないし,そもそも検察庁法を所管している法務省刑事局長の答弁ではない。

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法務省作成の検事期別名簿

目次
1 法務省作成の検事期別名簿
2 生年月日が開示されている,法務省の幹部職員
3 検事期別名簿の不開示部分の詳細
4 法務省作成の副検事名簿(令和5年5月31日追加)
5 検察官調査表(令和6年11月4日追加)
6 検察総合情報管理システム
7 捜査関係事項照会に関する世界2019年6月号等の記載
8 4月1日付の法務省人事異動に関する文書
9 関連記事その他

1 法務省作成の検事期別名簿
(1) 法務省作成の検事期別名簿を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和 2年1月 9日,令和2年7月17日,
令和 3年4月 9日,
令和 4年4月11日,令和5年1月10日,
令和 5年4月10日,令和6年4月15日,
令和 7年4月17日,
(平成時代)
平成27年1月23日,平成27年4月15日
平成28年9月 5日
平成29年4月17日,平成29年9月11日,平成30年1月22日
平成30年4月11日,平成30年7月25日
平成31年4月17日
(2) 検察官の修習期は不開示情報のために黒塗りとなっています(平成28年度(行情)答申第365号)から,私の方で手書きで記載しています。

検事任官後の基本的な異動形態(令和2年11月の法務省の開示文書)を添付しています。 pic.twitter.com/oQr90m38pA

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) November 28, 2020

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検事の研修日程

目次
1 総論
2 新任検事研修の日程
3 関連記事その他

1 総論
(1) 法務省HPに掲載されている,検事研修関係文書を読めば, 平成22年度当時の,新任検事研修,検事一般研修(任官後概ね3年前後の検事を対象)及び検事専門研修(任官後概ね7年ないし10年目の検事を対象)の詳細が分かります。
(2) 法務省HPの「検事に採用されてから」の「検事研修の概要」でも,新任検事研修,検事一般研修及び検事専門研修の3種類があると書いてあります。

令和6年12月12日付の法務省の国会答弁資料(67期ないし76期の検事の5年以内における離職者数及び離職率)を添付しています。 pic.twitter.com/FRw6oO4FcA

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) March 7, 2025

2 新任検事研修の日程
* 「第77期新任検事研修の日程について(令和7年3月19日付の法務総合研究所長の通知)」といったファイル名です。
・ 第77期新任検事の研修日程(令和7年3月31日(月)~同年5月9日(金)の40日間)
・ 令和 5年度新任検事(第76期)研修日程(令和5年12月19日(火)~令和6年1月31日(水)の44日間)
・ 令和 4年度新任検事(第75期)研修日程(令和4年12月13日(火)~令和5年1月31日(火)の50日間)
・ 令和 4年度新任検事(第74期)研修日程(令和4年4月26日(火)~同年6月10日(金)の46日間)
・ 令和 2年度新任検事研修日程(令和3年1月6日(水)~同年2月9日(火)の35日間)(73期新任検事が対象)
・ 令和  元年度新任検事研修日程(令和元年12月17日(火)~令和 2年1月31日(金)の46日間)(72期新任検事が対象)
・ 平成30年度新任検事研修日程(平成30年12月18日(火)~平成31年4月 9日(火)の113日間)(71期新任検事が対象)
・ 平成29年度新任検事研修日程(平成29年12月19日(火)~平成30年3月30日(金)の102日間)(70期新任検事が対象)
・ 平成28年度新任検事研修日程(平成28年12月20日(火)~平成29年3月31日(金)の102日間)(69期新任検事が対象)
・ 平成25年度新任検事研修日程(平成25年12月25日(水)~平成26年3月31日(月)の 97日間)(66期新任検事が対象)
・ 平成24年度新任検事研修日程(平成24年12月26日(水)~平成25年3月29日(金)の 94日間)(65期新任検事が対象)

令和2年度新任検事研修日程(令和3年1月6日~同年2月9日までの35日間)を添付しています。 pic.twitter.com/31IyYFOqlY

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) January 24, 2021

3 関連記事その他

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検察官と裁判官の法廷外での面談

目次
第1 検察官と裁判官の法廷外での面談
第2 関連記事

第1 検察官と裁判官の法廷外での面談
◯平成28年11月24日の山口和之参議院議員(無所属)の質問に対する国会答弁資料に以下の記載があります。

・ 検察官が一般に裁判官室に頻繁に出入りしているという話は承知していないが,一般論として申し上げれば,検察官が必要に応じて裁判官と裁判所内の法廷外において面談することはあるものと承知
   もっとも,そのような場合においても,検察官は,裁判官の中立性・公平性に疑念を抱かせないように配慮しているものと承知。
・ 一般論として申し上げれば,裁判官は,必要がある場合には,法廷外において,検察官に限らず,事件の一方当事者と面談し,必要な範囲で打合せ等を行うことはあるものと承知。
   いずれにしても,法廷外で当事者が裁判官と面談する場合には,いずれの立場においても,裁判官の中立性・公平性に疑念を抱かせないように配慮するなど適切に対応しているものと承知しており,問題はないものと考えている。
・ 一般的に検察官と裁判官の接触を禁止するような指針等は存在していない。
   いずれにしても,検察官が法廷外で裁判官と面談等をする場合には,刑事手続における裁判官の担う役割を十分理解しつつ,裁判官の中立性・公平性に疑念を抱かせないように配慮するなど適切に対応しているものと承知しており,一般的に検察官と裁判官の接触を禁止するような指針等を策定する必要はないものと考えている。

仕事納めの挨拶くらいなら「まだ」いいけど,公判終わった直後に,立会検事が担当部の担当裁判官のところに挨拶にくるわ,担当裁判官も普通に検事に対して「あそこはああした方がよかった。」とか言ってるの見ちゃうと,もう驚き通り越して呆れるしかないですよ。今もやってるのかは知らないけど。

— てらやさん☆ (@terayasan) December 29, 2012

被告人や弁護人にとって最悪なのは、裁判官がこっそり検事に電話をかけたりして「最後の一押しを追加で立証してください」とか頼むことですね。で、当然のことながら検事は「かしこまりました!」と応じ、それで有罪。そして被告人と弁護人は裁判官と検事の「裏の連絡」は知らないわけです

— 弁護士 市川 寛 (@imarockcaster42) July 14, 2020

第2 関連記事
・ 司法研修所刑事裁判教官の名簿
・ 七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧

事実記載例一覧表→名古屋地裁刑事書記官室の,令状事務処理の手引(四訂版)からの抜粋1/3
を添付しています。 pic.twitter.com/mxNQPs2IoZ

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) July 3, 2022

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新任検事辞令交付式に関する文書

目次
1 新任検事辞令交付式に関する文書
2 関連記事その他

1 新任検事辞令交付式に関する文書
・ 令和7年 4月 7日の77期新任検事辞令交付式関係文書
・ 令和5年12月18日の76期新任検事辞令交付式関係文書
・ 令和4年12月12日の75期新任検事辞令交付式関係文書
・ 令和4年 4月23日の74期新任検事辞令交付式関係文書
(73期新任検事辞令交付式はなし。)
・ 令和元年12月16日の72期新任検事辞令交付式関係文書
・ 平成30年12月17日の71期新任検事辞令交付式関係文書
・ 平成29年12月18日の70期新任検事辞令交付式関係文書
70期新任検事辞令交付式終了後の集合写真

2 関連記事その他
(1)ア 最高検察庁ホームページに新任検事辞令交付式,新任検事任官者歓迎式の写真が載っています。
75期,76期,
イ 津島淳オフィシャルサイトの「法務副大臣活動記(42)」に令和4年度新任検事辞令交付式の写真が載っています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 新60期以降の,新任検事辞令交付式及び判事補の採用内定の発令日
・ 検事の研修日程
→ 新任検事辞令交付式の翌日から実施される新任検事研修等について記載しているほか,「新任検事のTOEFL受験について」を掲載しています。
・ 検事採用願を提出した検事志望の司法修習生は二回試験に落ちない限り採用されると思われること
・ 司法修習生の組別(クラス別)志望状況
・ 69期以降の司法修習生組別志望等調査表は存在しないこと
・ 司法修習生の検事採用までの日程
・ 現行60期以降の,検事任官者に関する法務省のプレスリリース
・ 53期まで存在していたかもしれない,新任検事の採用における女性枠
・ 集合修習時志望者数(A班及びB班の合計数)と現実の判事補採用人数の推移

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東京高検検事長の勤務延長問題

目次
第1 黒川弘務東京高検検事長の勤務延長(令和2年2月8日から同年8月7日まで)等
第2 検察官を含む一般職の国家公務員に関する定年の定め
第3 検察官の勤務延長に関する政府答弁の要約,及び内閣又は法務大臣による懲戒処分の実例等
第4 検察官の勤務延長に関する法務大臣の答弁
第5 検察官の勤務延長に関する内閣法制局長官の答弁
第6 検察庁法22条及び32条の2に関する法務大臣等の答弁
第7 勤務延長に関す総理府人事局及び人事院の答弁
第8 黒川弘務東京高検検事長を検事総長に任命することは法的に可能であること
第9 黒川弘務東京高検検事長の勤務延長に関する弁護士会の反対意見
第10 選挙により選ばれた公職者がその職務上行った行為が弁護士会の懲戒対象となる場合
第11 河野克俊統合幕僚長の勤務延長(平成28年11月29日から平成31年4月1日まで)
第12 国会答弁資料
第13 関連記事

第1 黒川弘務東京高検検事長の勤務延長(令和2年2月8日から同年8月7日まで)等
1(1) 検事長の任命権者である内閣(検察庁法15条1項)は,令和2年1月31日,下記の理由により,国家公務員法81条の3第1項に基づき,同年2月8日に63歳の定年を迎える黒川弘務東京高検検事長の勤務を半年間延長するという閣議決定を行いました(首相官邸HPの「令和2年1月31日(金)定例閣議案件」参照)。

   東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するためには,同高等検察庁検事長黒川弘務の検察官としての豊富な経験・知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が不可欠であり,同人には,当分の間,引き続き同検事長の職務を遂行させる必要がある。

(2) 黒川弘務東京高検検事長(平成31年1月18日就任)が検事長就任前に検察官として捜査公判に対応していたのは以下の時期だけですから,合計で11年10ヶ月半ぐらいです。
① 1983年4月7日から1991年7月24日までの約8年4ヶ月半
・ 東京地検検事,福島地検郡山支部検事,新潟地検検事,東京地検検事及び名古屋地検検事をしていました。
② 1995年7月20日から1998年10月6日までの約3年3ヶ月半
・ 青森地検弘前支部長及び東京地検検事をしていました。
③ 2010年8月10日から同年10月24日までの約2ヶ月半
・ 松山地検検事正をしていました。
・ 2010年9月21日から報道されるようになった大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件に対応するため,同年10月25日,法務省大臣官房付となりました。

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公証人一覧

1 公証人一覧を以下のとおり掲載しています。
平成30年10月1日現在,令和 2年10月1日現在,
令和 3年10月1日現在,令和 4年10月1日現在,
令和 5年 8月1日現在,令和 6年 8月1日現在,
令和 7年10月1日現在,

2 以下の記事も参照してください。
・ 公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの
・ 平成18年度以降の,公証人の任命状況

平成18年度以降の,公証人の任命状況

目次
1 公証人の任命状況
2 公証人の公募及び応募状況等
3 公証人の採用選考
4 元検事及び元判事については,応募すればほぼ全員が公証人に採用される理由
5 民間出身者からの応募が少ない理由
6 公証人ポストの事実上の任期
7 公証人の手数料収入
8 収支合同の公証役場
9 関連記事その他

* 「公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの」,及び「公証人一覧」も参照してください。

1 公証人の任命状況 
(1) 法務省民事局総務課公証係作成の「公証人の任命状況」を以下のとおり掲載しています。
・ 平成26年度から令和5年度まで
・ 平成25年度から令和4年度まで
・ 平成24年度から令和3年度まで
・ 平成23年度から令和2年度まで
・ 平成22年度から令和元年度まで
・ 平成21年度から平成30年度まで
* 「公証人の任命状況(平成26年度から令和5年度)及び指定公証人の数」といったファイル名です。
(2) 平成18年度以降の,公証人の定員,現在員,年齢別内訳及び前職別内訳は以下のとおりです(基準日は各年度の12月1日です。)。
令和4年度
定員:678人
現在員:506人
年齢別内訳:60歳以下が58人,61歳から65歳が271人,66歳から70歳が177人
前職別内訳:判事が138人,検事が205人,法務事務官等が163人
令和3年度
定員:678人

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(AI作成)公証人の任命状況(Markdown形式)

◯本ブログ記事の元データは「公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの」です。
2026年

所属法務局
任命日

氏名
最後の職
退官理由
退官日

岡山
2026年3月31日
42期
井上一成
広島高裁岡山支部長

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令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料

目次
第1 令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料
第2 関連記事その他

第1 令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料
◯司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案(第198回国会閣法第46号)に関する御説明資料(法務省民事局)の本文は以下のとおりです。

1 趣旨
   近時の司法書士制度及び土地家屋調査士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ,司法書士及び士地家屋調査士について,それぞれ,その専門職者としての使命を明らかにする規定を設けるとともに,懲戒権者を法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改める等の懲戒手続に関する規定の見直しを行うほか,社員が一人の司法書士法人及び士地家屋調査士法人の設立を可能とする等の措置を講ずるため,司法書士法(昭和25年法律第197号)及び土地家屋調査士法(昭和25年法律第228号)について,一部改正を行う。

2 司法書士及び土地家屋調査士に関する概況
(1) 司法書士は,不動産登記のうちの権利に関する登記や商業登記,供託等についての法務局に対する申請の代理等のほか,裁判所に提出する書類の作成の代理等を行うことを主たる業務とするものであり(司法書士法第3条第1項),資格試験等を実施することにより,そのために必要な法律知識を備えていることを担保している。
   他方,土地家屋調査士は,不動産登記のうちの表示に関する登記の申請の代理等を行うことを主たる業務とするものであり(土地家屋調査士法第3条第1項) ,資格試験等を実施することにより,そのために必要な測量等の知識や法律知識を備えていることを担保している。
(2) 司法書士については,近時,簡裁訴訟代理等関係業務や成年後見・財産管理業務等への関与が増加している。
   また,土地家屋調査士については,表示に関する登記や筆界,測量に関する専門性を活用して法務局に備え付ける地図(不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第1項)の作成や国士調査法(昭和26年法律第180号)に基づく地籍調査等の分野においてもその活躍の場を広げている。
   加えて,司法書士及び土地家屋調査士ともに,少子高齢化の進展や大規模自然災害の発生等を背景として問題となっている空家問題・所有者不明土地問題への対策について,不動産に関する専門的知識を有する者として参画しているほか, 自然災害における復興支援にも参画するなど,近年その専門性を発揮することが求められる場面は大きく拡大している。
【参照条文】
○不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)
(地図等)
第十四条 登記所には,地図及び建物所在図を備え付けるものとする。
2~6 (略)

3 改正事項の概要
(1) 司法書士法の一部改正
ア 使命を明らかにする規定の新設(新第1条及び第46条第1項関係)
   司法書士法は第1条に目的規定を置き,「この法律は,司法書士の制度を定め,その業務の適正を図ることにより,登記,供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し,もって国民の権利の保護に寄与することを目的とする。」としている。この目的規定は昭和53年の司法書士法の一部改正により新設されたものであり,司法書士の業務範囲に関する規定が整備され,登記又は供託に関する手続についての申請代理や裁判所等に提出する書類の作成代理が業務内容であることが明示されたことを踏まえ,「登記,供託及び訴訟等に関する手続」の円滑な実施に資すること等を目的とすることとしたものである。
   平成14年の司法書士法の一部改正においては,簡裁訴訟代理権が付与された。
   上記2記載のとおり,司法書士制度を取り巻く状況の大きな変化に伴い,司法書士が実際に取り扱っている業務の内容は拡大し,社会における役割が増大していることに鑑みると,司法書士法の定めるところによりその業務とする法律事務の専門家として,より広い分野において,国民の権利の擁護等に資する活動を行う使命を負っていることを司法書士法の冒頭で宣明することが適切であると考えられる。
   また,このことにより,司法書士にその職責(司法書士法第2条)をよく自覚させることができ,資質の更なる向上を図ることにもつながると考えられる。
   そこで,司法書士は,司法書士法の定めるところによりその業務とする登記,供託,訴訟その他の法律事務の専門家として,国民の権利の擁護を図り, 自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする旨の規定を新設することとした。

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