検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯

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目次
1 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
2 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
3 関連記事その他

1 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
・ 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯に関して,「新検察制度の十年の回顧」には以下の記載があります(法曹時報10巻2号68頁及び69頁)。

   マックァーサー憲法の草案が提示された際、草案の規定のなかに天皇の認証ということがあった。当時はまだ国内的に認証官の種類や範囲が全然考えられていなかったのであるが、検察庁法を制定するにあたって立法者は検事総長、次長検事、検事長を認証官とすることを考え、これを草案に規定して総司令部の承認を得て認証官としたのである。
   この着想は極めて機敏に行われたため、総司令部との折衝や法制局との協議は極めて順調に進められた。行政機構が漸次整備した後において認証官の設置を希望する官庁が少くなかったにも拘らずその実現を果たし得なかったことを思えば、検察庁法の立案に当った関係者の明敏さには敬意を払わざるを得ないのである。
   検事総長、次長検事、検事長を認証官とする構想は、旧憲法下における天皇の親任官から由来したもので、これまで親任官であった国務大臣は新憲法の下においても当然天皇の認証が行われ、また憲法の改正により最高裁判所が実現すれば三権分立の強化から、内閣総理大臣に匹敵する最高裁判所長官も亦認証官となり、最高裁判所長官が認証官となれば裁判所の従来の伝統から、高等裁判所長官もおそらく認証官に加えられるものと予測し、最高裁判所および高等裁判所に対応する最高検察庁、高等検察庁の長および高等検察庁の長と同等の待遇を受ける最高検察庁次長検事の官が裁判官と権衡を失することのないようにするため検事総長、次長検事、検事長を認証官にしようとしたものであるが、総司令部は当初天皇の認証する官というものにそれ程深い関心を払っていなかったもののようであり、その折衝に対しては、さしたる異論もなく承認を与えてくれたのである。
   しかし検事総長、次長検事、検事長は、従来検事がその職に補せられていたので、新立法に際してもこれと同様に考え「職を認証する」ものとして法制局と折衝したところ、法制局の意見として、憲法の規定は官を認証するのだから検事総長、次長検事、検事長は官名でなければならぬということであったので、それまで検察官を検事と副検事とすることにしていた考えを検討し直し、検事総長、次長検事、検事長を認証官とする関係から、結局検察官の種類をこれにも及ぼすこととして、検察官を検事総長、次長検事、検事長および検事、副検事とすることにしたのである。

2 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
・ 平成22年度3年目フォローアップ研修「事務次官講話」「問題意識、丈夫な頭、健康」と題する講演(平成22年10月4日実施)において,大野恒太郎法務事務次官は以下の発言をしています(リンク先のPDF3頁)。
    (山中注:検事の場合)地方のポストの格が高いというのも大きな特徴です。例えば、高等検察庁の検事長は認証官とされておりますので、次官よりも格上です。また、本省の局長が検察庁に戻ると、地方検察庁の検事正クラスということになります。こうした地方のポストが高いという特徴も裁判官と同様です。

3 関連記事その他
(1) 制定時の裁判所構成法では,検事総長は勅任官でしたが,大正3年5月1日,勅任検事をもって親補するところの親補職となり,大正10年6月1日,大審院長と同様,親任検事をもって親補するところの親任官となりました(裁判所構成法79条3項)。
   また,戦前の検事総長は大審院の検事局に置かれていました(裁判所構成法56条1項)。
(2) 控訴院検事長は,司法大臣の上奏により勅任検事の中から補されており(裁判所構成法79条4項),親補職ではありませんでした。
   また,戦前の検事長は控訴院の検事局に置かれていました(裁判所構成法42条1項)。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 親任式及び認証官任命式
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 法務省作成の検事期別名簿

・ 動画の6分54秒から7分7秒にかけて,「官記を受け取ったら,本当は頭より上に掲げて降ろさないようにお辞儀をすることになっています。検事総長は恐らく初めての認証式ではないので上に掲げていたから中身が見えるんです。」というナレーションが流れます。

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