刑事事件

被疑者の逮捕

目次
第1 逮捕状の執行等
第2 弁護人選任権の告知,弁解録取及び勾留請求
第3 逮捕直後の指紋採取及び写真撮影
第4 指紋に関するメモ書き
第5 緊急逮捕
第6 現行犯逮捕及び準現行犯逮捕
第7 関連記事その他

第1 逮捕状の執行等
1 検察官,検察事務官又は司法警察職員は,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは,裁判官のあらかじめ発する逮捕状により,これを逮捕することができます(刑訴法199条1項)。
2 逮捕状の請求を受けた裁判官は,逮捕の理由があると認めるときは,明らかに逮捕の必要がないと認められる場合(刑訴規則143条の3)を除いて,逮捕状を発付しなければなりません(刑訴法199条2項)。
3 逮捕状には,①被疑者の氏名及び住居,②罪名,③被疑事実の要旨,④引致すべき官公署その他の場所,⑤有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに⑥発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し,裁判官が,これに記名押印しなければなりません(刑訴法200条1項)。
4 逮捕状により被疑者を逮捕するには,逮捕状を被疑者に示さなければなりません(刑訴法201条1項)。
5 逮捕状を所持しない場合において,急速を要するときは,被疑者に対し,被疑事実の要旨及び令状が発付されている旨を告げて逮捕することができる(逮捕状の緊急執行。刑訴法201条2項・73条3項)。
6 検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは,直ちに,検察事務官はこれを検察官に,司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければなりません(刑訴法202条)。

逮捕状などの請求を記録する「令状請求事件簿」。

受付日・所属(◯◯署)・被疑者・担当Jなどを記載しますが、結果欄には最初から「発付」と印刷されています!
(画像は最高HPより)

こんなの結論ありきじゃん。
司法機関としての矜持はないのでしょうか?

でも、助かるわん! pic.twitter.com/1lKKoCIGK3

— Jの犬C (@VpFgXjDXzzpcfJc) January 13, 2023

未だに、こんなどうしようもない決定もある https://t.co/s7vGGtGBhD

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警察及び検察の取調べ

目次
第1 取調べを受ける心構え
第2 警察の取調べに対する苦情の申し入れ方法等
第3 被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則の運用状況
第4 検察の取調べに対する苦情の申し入れ方法等
第5 検察官面前調書
第6 黙秘権に関するメモ書き(捜査機関の取調べ一般の話です。)
第7 取調べに関する犯罪捜査規範の条文(犯罪捜査規範166条ないし182条の5)
第8 独占禁止法違反被疑事件の行政調査における供述聴取の留意事項
第9 冤罪事件における検事の取調べの実例
第10 被疑者に対する不起訴処分の告知
第11 関連記事その他

第1 取調べを受ける心構え
1 日弁連HPに最新版の被疑者ノート(2022年3月・第6版補訂2版)が載っています。
2 以下の文章は,日本弁護士連合会の「被疑者ノート」(第3版・2009年4月版)からの抜粋です。
ふりがなが不要な場合,こちらの方が読みやすい気がします。
① 取調官の作文を許さない~供述調書は,取調官の作文になりがちです~
   取調べで作成される供述調書は,まるで,あなた自身が書いたかのように,「わたしは,○○しました」という文章になっています。
   しかし,供述調書の内容は,あなたが話した内容をそのまま書いたものではありません。取調官がまとめて文章にしたものです。あなたの言い分と,取調官の作文が混ざってしまい,どこまでが本当のあなたの言い分で,どこからが取調官の作文かは,区別がつきません。日本の取調べは,弁護人の立会いもなく,録画も録音もされていませんので,どれがあなたのことばなのか,後から調べようがないのです。
   このため,日本では,裁判になって,供述調書の内容は自分の言い分とはちがう,取調官の作文が入っている,と争いになることが非常に多いのです。そのような争いには,多くの労力と時間が必要となります。しかも,そのような調書でも,それなりにもっともらしく作られていますので,弁護人が後からどれだけ必死に争っても,日本の裁判官は,それがすべてあなたの言ったことであるかのように考えてしまいがちです。
   このように供述調書はとてもおそろしい力をもっていますので,供述調書を作成する際には注意してください。
   以下,具体的なアドバイスです。
② ずっと黙っていることもできる~あなたはずっと黙っていることができます~
   憲法38条1項は,「何人も,自己に不利益な供述を強要されない」と定め,黙秘権を保障しています。また,刑訴法198条2項は,「取調に際しては,被疑者に対し,あらかじめ,自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げなければならない」と定めています。被疑者は,取調官から供述を迫られたとしても,黙秘権を行使し,供述を拒否することができます。一切の質問に対し,何も答えず,黙っていてもかまわないという権利です。
   黙秘権は,権力が,無実の人からも無理にウソの自白をさせてきたことの反省から生まれたものです。世界のどこでも,近代国家であるかぎり,このような黙秘権が認められることは,当然のことです。黙秘権を行使することは,けっして,間違ったことではありません。
③ 署名押印に応じる義務はない~署名押印を求められても,応じる義務はありません~
   取調官が長い供述調書を書き上げた後に,「署名押印をしたくありません」とは言いにくいかもしれません。しかし,供述調書に署名押印することは,あなたの義務ではありません。
刑訴法198条5項は「被疑者が,調書に誤のないことを申し立てたときは,これに署名押印することを求めることができる。但し,これを拒絶した場合は,この限りでない」と明確に規定しています。あなたには署名押印拒否権が認められているのです。
   調書が,100パーセントあなたの言い分どおり,正しく書かれていたとしても,署名押印する義務はないのです。あなたの供述調書には,あなたが本当に言ったことと,取調官が作文してしまったことばが,いっしょに書かれていることがよくあります。もし,あなたが「自分はそんなこと言っていないのに」と感じたら,そのような供述調書に署名押印する義務がないのは,なおさらあたりまえのことなのです。

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冤罪事件における捜査・公判活動の問題点

目次
1 法務省HP又は検察庁HPにある,冤罪事件に関する捜査・公判活動の問題点をまとめた報告書
2 平成22年9月21日の,大阪地検特捜部証拠改ざん事件に関するスクープ記事
3 司法行政文書開示手続の場合,法解釈を示している部分等は不開示情報であること
4 関連記事その他

1 法務省HP又は検察庁HPにある,冤罪事件に関する捜査・公判活動の問題点をまとめた報告書
① 平成19年8月付の「いわゆる氷見事件及び志布志事件における捜査・公判活動の問題点について」
② 平成22年4月付の「いわゆる足利事件における捜査・公判活動の問題点等について(概要)」
・ リンク切れにつき,かつて掲載されていた文書を私のブログに載せています。
・ 警察庁HPに「足利事件における警察捜査の問題点等について(概要)」(平成22年4月)が載っています。
③ 平成22年12月付の「いわゆる厚労省元局長無罪事件における捜査・公判活動の問題点等について(公表版)」
・ 検察庁内部において,逮捕の判断,起訴の判断,捜査・処理における取調べ・決裁,公判遂行中の対応が具体的にどのようになされているかが非常によく分かるのであって,例えば,末尾20頁(PDF25頁)には以下の記載があります(本件というのは厚労省元局長無罪事件のことであり,A氏というのは村木厚子 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長(平成21年6月14日逮捕)のことです。)。
    最高検における本件の検討は,担当のP3検事が,高検刑事部長から,報告書等の資料の送付を受け,電話で報告・説明を受けて,その検討の結果を最高検刑事部長,次長検事及び検事総長に報告して,その了承を得るという形で行われた。ただし,A氏の処分に関する検討の際は,高検刑事部長が,別事件に関する報告も併せて最高検を訪れ,最高検のP3検事と協議の上,検事総長室において,検事総長及び次長検事に対し,報告書に基づき,処分の方針を報告し,その了承を得た

Pの思い通りに有罪や実刑になっているのは、けっしてPが法律家として優れているから(その要因が皆無とは言いませんが)ではなく、①証拠を独占している②JがPとグルであるからです。が、P庁にいるとこれになかなか気づかないんですよね。Pが増長するのは、こんな子供じみた勘違いも一因だと思います

— 弁護士 市川 寛 (@imarockcaster42) January 12, 2021

2 平成22年9月21日の,大阪地検特捜部証拠改ざん事件に関するスクープ記事
(1) 平成22年9月21日の,大阪地検特捜部証拠改ざん事件に関するスクープ記事については,「大スクープはこうして生まれた 大阪地検特捜部証拠改ざん事件報道を,朝日・板橋洋佳記者と語る」が大変,参考になります。
(2) リンク先の文中の「第8回 公開議論・質疑応答 (2)報道機関と権力の関係」には以下の記載があります。
(石丸)
権力との関係ということに集中してお訊きしたいと思います。
大阪高検の三井さんが裏金事件を暴露しようとした直前に逮捕されました。三井さん自身は検察の中の人でした。外部の、たとえばジャーナリストを口封じ的に、報復として逮捕するようなことがあれば、大変な問題です。
検察との関係のなかで、どの程度までの危険を想定しながら取材していたんでしょうか。
(合田)
それは記者の逮捕もありうるということですが、その容疑はなんでしょうか。
(板橋)
考えていたのは守秘義務違反、つまり国家公務員法違反です。それ以外では、警戒しすぎだと思われるかもしれませんが、例えば書店に行った際に、鞄に本を入れられて万引きで逮捕されるとかですね。いろいろ想定はしましたが、尾行されたことも結果的にありませんでした。

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(AI作成)大阪府警察の留置管理業務

◯本ブログ記事は,留置管理業務の手引き(令和6年2月の大阪府警察本部総務部留置管理課作成の執務資料)に基づき,専らAIで作成したものです。

目次

第1 総則と組織の基本原則
1 捜査と留置の分離の重要性
2 留置業務の三原則と任務
3 組織体制と各職位の責務

第2 留置開始時の適正な手続
1 新規留置前の審査と判断
2 身体検査と金属探知機の運用
3 所持金品の厳格な管理
4 告知書の提示と権利の保障

第3 被留置者の日常生活と処遇
1 標準的な日課時限の運用
2 給食,入浴,運動の実施
3 自弁物品の購入基準

第4 外部交通の管理と制限
1 弁護人等との面会
2 一般面会の実施要領
3 信書の発受と検査
4 接見等禁止決定への対応

第5 健康管理と医療上の配慮
1 健康状態の把握と診療
2 特筆すべき疾患への対策
3 薬務管理と誤投薬の防止

第6 保安管理と事故防止策
1 見張り勤務と動静監視
2 戒具の使用と留置保護室
3 問題被留置者への組織的対応

第7 特別な配慮を要する対象者

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刑事事件の上告棄却決定に対する異議の申立て

目次
1 総論
2 異議の申立て期間及び申立て理由
3 異議の申立てを認容して決定を訂正した事例
4 刑事事件の上告棄却決定の確定時期
5 上告棄却決定に対する異議申立てについての元最高裁判事のコメント
6 上告審の未決算入基準
7 関連記事その他

1 総論
(1) 刑訴法414条・386条1項3号により上告を棄却した最高裁判所の決定に対しては,刑訴法414条・386条2項・385条2項前段・428条2項により異議の申立てをすることができます(最高裁大法廷昭和30年2月23日決定参照)。
(2) 最高裁大法廷昭和26年12月26日決定は,上告棄却決定に対する異議申立ては不適法としていたものの,3年余り後に出された最高裁大法廷昭和30年2月23日決定によって判例変更されました。

2 異議の申立て期間及び申立て理由
(1) 異議の申立て期間
・ 異議の申立ては,上告棄却決定が被告人本人に送達された日(刑訴法358条及び最高裁昭和32年5月29日決定)から3日以内に行う必要があります(刑訴法414条・386条2項・385条2項後段・422条)。
(2) 異議の申立て理由
ア 異議の申立ては,決定の内容に誤りのあることを発見した場合に限りできます(最高裁昭和36年7月5日決定)。
イ 上告棄却決定に対する異議の申立てについて,申立書自体には何ら具体的理由が付されてなく,異議申立て期間内に理由書の提出もないときは,刑訴法414条・386条2項・385条2項・426条1項により,決定で申立てを棄却されます(最高裁昭和42年9月25日決定)。

3 異議の申立てを認容して上告棄却決定を訂正した事例
・ 異議の申立てを認容して決定を訂正した事例としては以下のものがあります。
① 上告趣意書最終提出日の通知が適法にされていなかったのに,上告趣意書不提出として上告棄却決定をしていたため,同決定を取り消し,上告趣意書最終提出日を変更する旨の決定をしたもの(最高裁昭和33年2月4日決定)
② 上告棄却決定前に被告人が死亡していたことが判明したため,同決定を取り消して公訴棄却の決定をしたもの(最高裁昭和42年5月17日決定)
③ 刑の執行と競合する未決勾留日数を算入していたため,主文中の算入部分を削除するなどしたもの(最高裁昭和42年12月25日決定)

4 刑事事件の上告棄却決定の確定時期
・ 刑事事件の上告棄却決定が確定するのは,3日間の異議申立期間が経過したとき,又はその期間内に異議の申立てがあった場合には,これに対する裁判が被告人に送達されたときとなるのであって,上告審判決の確定時期に関する刑訴法418条に準じた取扱いとなっています(逐条実務刑事訴訟法1167頁及び1168頁)。

5 上告棄却決定に対する異議申立てについての元最高裁判事のコメント

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刑事の再審事件

目次
第1部 未確定の再審事件(日弁連支援事件に限る。)
第1 日弁連支援の再審事件
1 再審事件に日弁連が支援するかどうかの基準
2 再審事件に対する日弁連の支援の内容
第2 再審開始決定が確定し,再審公判開始待ちの事件
1 日野町事件(最初の再審開始決定は平成30年7月11日,直近の決定は令和5年2月27日)
第3 再審開始決定が出たものの,特別抗告中の事件
(令和8年3月1日現在なし。)
第4 再審開始決定が出たことがあるものの,その後に取り消されたため,改めて再審請求をしている事件(事件発生順)
1 大崎事件(最初の再審開始決定は平成14年3月26日。再審開始決定は3回)
2 名張毒ぶどう酒事件(唯一の再審開始決定は平成17年4月5日)
3 福井女子中学生殺人事件(唯一の再審開始決定は平成23年11月30日)
第5 再審開始決定が出たことがない事件(事件発生順)
1 マルヨ無線事件
2 鶴見事件
3 恵庭殺人事件
4 姫路郵便局強盗事件
5 豊川事件
6 小石川事件
7 難波ビデオ店放火殺人事件
第2部 日弁連支援事件で再審無罪が確定した事件
第1 個別の事件(免田事件以降の日弁連支援事件であり,無罪判決の年月日順)
1 免田事件(昭和58年7月15日無罪判決)
2 財田川事件(昭和59年3月12日無罪判決)
3 松山事件(昭和59年7月11日無罪判決)
4 徳島ラジオ商殺し事件(昭和60年7月9日判決無罪判決)
5 梅田事件(昭和61年8月27日無罪判決)
6 島田事件(平成元年1月31日無罪判決)
7 榎井村事件(平成6年3月22日無罪判決)

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刑事の再審事件の各種決定及び無罪判決(榎井村事件以降の日弁連再審支援事件に限る。)

目次
第1 刑事の再審事件の各種決定及び無罪判決(榎井村事件以降の日弁連再審支援事件に限る。)
第2 関連記事その他

* 「刑事の再審事件」も参照してください。

第1 刑事の再審事件の各種決定及び無罪判決(榎井村事件以降の日弁連再審支援事件に限る。)
* 弁護側に有利な判断は赤文字表記とし,無罪判決は太字下線表記にしています。

令和8年

2月24日,日野町事件第2次再審請求において,最高裁が特別抗告棄却決定を出した。

令和7年

7月18日,福井女子中学生殺人事件第2次再審請求において,名古屋高裁金沢支部が無罪判決を出した。
3月21日,鶴見事件第3次再審請求において,最高裁が特別抗告棄却決定を出した。
2月25日,大崎事件第4次再審請求において,最高裁が特別抗告棄却決定を出した。

令和6年

10月23日,福井女子中学生殺人事件第2次再審請求において,名古屋高裁金沢支部が再審開始決定を出した。
9月26日,袴田事件において,静岡地裁が無罪判決を出した。
5月31日,鶴見事件第3次再審請求において,東京高裁が即時抗告棄却決定を出した。
1月29日,名張毒ぶどう酒事件第10次再審請求において,最高裁が特別抗告棄却決定を出した。

令和5年

11月7日,鶴見事件第3次再審請求において,横浜地裁が再審請求棄却決定を出した。
6月5日,大崎事件第4次再審請求において,福岡高裁宮崎支部が即時抗告棄却決定を出した。

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刑事事件の裁判の執行

目次
第1 裁判の執行の時期等
第2 執行指揮
第3 自由刑の執行
第4 自由刑の執行停止及び執行延期
1 自由刑の執行停止
2 自由刑の執行延期
第5 未決勾留日数の通算
第6 財産刑及び労役場留置の執行
1 総論
2 徴収金の納付
3 徴収停止の処分,及び徴収不能決定の処分
4 労役場留置の執行
第7 関連記事その他

第1 裁判の執行の時期
1 裁判の執行とは,国家の強制力により裁判の内容を実現することをいいます。
裁判は,上訴又はこれに準ずる不服申立てによって争うことができなくなったときに確定し,その裁判内容に応じた執行力を生じることとなります。
2 裁判の執行については,刑訴法及び刑訴規則の他,執行事務規程に詳細な規定が設けられています(検察庁法32条,検察庁事務章程29条参照)。
3(1) 裁判は,原則として,確定した後に執行されます(刑訴法471条)。
(2) 以下の場合,裁判の確定を待たずに直ちに執行することができます。
① 即時抗告の許されない決定
執行停止決定(刑訴法424条1項ただし書,2項)がない限り,直ちに執行することができます。
② 仮納付の裁判
直ちに執行することができます(刑訴法348条3項)。
ただし,不完納の場合でも,労役場留置をすることはできません(刑法18条5項参照)。
4 以下の場合,裁判が確定しても直ちに執行することはできません。
① 訴訟費用の負担を命じる裁判
訴訟費用の執行免除の申立ての期間内(裁判が確定してから20日以内であることにつき刑訴法500条),及びその申立てがあったときは,その申立てについての裁判が確定するまで執行されません(刑訴法483条)。
② 罰金又は科料不納付の場合の労役場留置

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刑事裁判の書証の証拠能力

第1 伝聞法則
第2 伝聞例外の体系
1 供述録取書(=甲の供述を乙が録取した書面)
2 供述書(=甲自身が作成した書面)
3 特に信用すべき文書(特信文書)
4 伝聞供述(=甲の供述を乙が証言したもの)
5 当事者が証拠とすることに同意した書面(刑訴法326条)
6 合意書面(刑訴法327条)
7 弾劾証拠(刑訴法328条)
第3 供述の任意性の調査
第4 供述書と供述録取書
第5 裁判官面前調書(裁面調書)
第6 検察官面前調書(検面調書)
第7 3号書面
第8 実況見分調書
第9 映像等の送受信による通話の方式による証人尋問調書
第10 被告人の供述書・供述録取書の証拠能力
第11 刑訴法326条1項の同意,及び合意書面
1 総論
2 刑訴法326条1項の同意
3 合意書面
第12 証明力を争うための証拠
第13 証拠開示に関する最高裁判例
第14 関連記事その他

第1 伝聞法則
1 ①公判期日における供述に代わる書面,及び②公判期日外における他の者の供述を内容とする供述は,原則として証拠とすることはできない(刑訴法320条1項)のであって,これを伝聞法則といいます。
2 実務上は,検察官及び弁護人が証拠とすることに同意する結果,「公判期日における供述に代わる書面」の大部分は,刑訴法326条に基づいて証拠能力が認められています。
第2 伝聞例外の体系
・ 伝聞例外とは,伝聞法則の例外として,伝聞証拠であっても証拠能力が認められることをいいますところ,伝聞例外の体系は以下のとおりです。

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刑事事件の上訴及び不服申立て

目次
第1 総論
第2 控訴
1 控訴の申立て
2 控訴趣意書
3 控訴理由
4 被告人の移送
5 控訴審の公判審理の特則
6 控訴審の裁判
第3 上告
1 上告の申立て
2 上告趣意書
3 上告理由,及び上告受理の申立理由
4 跳躍上告
5 上告審の公判審理の特則
6 上告審の裁判
第4 非常上告
第5 勾留及び保釈に関する不服申立て
1 総論
2 勾留に関する不服申立て
3 保釈に関する不服申立て
第6 関連記事その他

第1 総論
1 検察官及び被告人は,第一審判決に対して上訴をすることができます(刑訴法351条1項)。
2 検察官又は被告人以外の者で決定を受けたものは,抗告をすることができます(刑訴法352条)。
3 被告人の法定代理人又は保佐人は,被告人のため上訴をすることができますし(刑訴法353条),原審における代理人又は弁護人は,被告人のため上訴をすることができます(刑訴法355条)。
    ただし,これらの者は,被告人の明示した意思に反して上訴をすることはできません(刑訴法356条)。
4(1) 上訴は,裁判の一部に対してこれをすることができます(刑訴法357条前段)。
(2) 「裁判の一部」とは,例えば,①併合罪の一部について有罪,他について無罪となったとき,あるいは,②一部について自由刑,他について罰金刑となった場合のように,主文が二つになったときのその主文のいずれかをいい,その主文の有罪あるいは自由刑となった部分だけについても上訴することができます。

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刑事事件の費用補償及び刑事補償

目次
1 費用補償
2 刑事補償
3 関連記事その他

1 費用補償
(1)   無罪の判決が確定したときは,国は,当該事件の被告人であった者に対し,原則として,その裁判に要した費用の補償をしてくれます(刑訴法188条の2)。
(2) 費用の補償は,被告人であった者の請求により,無罪の判決をした裁判所が,決定をもって行います(刑訴法188条の3第1項)。
(3) 費用の補償の請求は,無罪の判決が確定した後6ヶ月以内にしなければなりません(刑訴法188条の3第2項)。
(4) 補償される費用の範囲は以下のものに限られます(刑訴法188条の6)。
① 被告人若しくは被告人であった者又はそれらの者の弁護人であった者が公判準備及び公判期日に出頭するに要した旅費,日当及び宿泊料
② 弁護人であった者に対する報酬
(4) 弁護士法人金岡法律事務所HPの「合理的な嫌疑を否定し公訴提起に国賠法上の違法を認めた事例」には「これは私自身も何度も経験していることであるが、費用補償事件は、「法テラスの国選弁護報酬基準を参考としつつ」報酬算定する等の考え方が定着してしまっており、私選弁護人費用からすれば、ごく一部しか補償されない。」と書いてあります。

2 刑事補償
(1) ①未決の抑留又は拘禁を受けた後に無罪の裁判を受けたり,②再審等の手続において無罪の裁判を受けた者が原判決によってすでに刑の執行を受けたりしていた場合,刑事補償法(昭和25年1月1日法律第1号。同日施行)に基づき,国に対し,抑留又は拘禁による補償を請求することができます(憲法40条参照)。
   ただし,①身体を拘束されずに起訴されて無罪となった場合,「未決の抑留又は拘禁」を受けていない以上,刑事補償請求権は認められませんし,②抑留又は拘禁を受けたとしても,被疑事実が不起訴となった場合,「無罪の裁判」を受けていない以上,刑事補償請求権は認められません(②につき最高裁大法廷昭和31年12月22日決定)。
(2) 未決勾留は,本刑に算入されることによって,刑事補償の対象としては刑の執行と同視されるべきものとなり,もはや未決勾留としては刑事補償の対象とはなりません(最高裁昭和34年10月29日決定)。
   また,本刑に算入された未決勾留日数については,その刑がいわゆる実刑の場合においてはもとより,執行猶予付きの場合においても,もはや未決勾留としては,刑事補償の対象とはなりません(最高裁昭和55年12月9日決定)。
   これらの取扱いは,未決勾留が刑の執行と同一視される場合,又はその可能性がある場合,未決勾留が本刑に算入されることが利益となり,本刑に算入された未決勾留について,更に刑事補償をすることは,二重に利益を与えることになると解されるからです(最高裁平成6年12月19日決定)。
(3) 抑留又は拘禁による損害が刑事補償による補償額を上回る場合,その抑留又は拘禁が国家機関の故意又は過失に基づくときは,国家賠償法により,その差額を国家賠償により請求できますし,最初から刑事補償によらず国家賠償を請求するということも可能です(平成12年2月3日の衆議院予算委員会における臼井法務大臣の答弁。なお,刑事補償法5条参照)。
(4) 刑訴法の規定による免訴又は公訴棄却の裁判を受けた者は,もし免訴又は公訴棄却の裁判をすべき事由がなかったならば無罪の裁判を受けるべきものと認められる充分な事由があるときは,国に対して,抑留若しくは拘禁による補償又は刑の執行若しくは拘置による補償を請求することができます(刑事補償法25条1項)。

3 関連記事
・ 弁護人上告に基づき原判決を破棄した最高裁判決の判示事項(平成元年以降の分)
・ 刑事の再審事件

刑事補償(拘禁補償)決定報告事例(令和3年度確定分)を添付しています。 pic.twitter.com/7IkMtZlm0k

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 19, 2023

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刑事事件の略式手続

目次
第1 略式命令の請求から発令まで
1 略式命令の請求まで
2 略式命令の請求後の取扱い
第2 正式裁判の請求
第3 交通切符の略式手続(=三者即日処理方式)
1 総論
2 交通事件即決裁判
第4 略式手続の沿革
第5 関連記事その他

第1 略式命令の請求から発令まで
1 略式命令の請求まで
(1) 略式命令の請求は,簡易裁判所に対し,公訴の提起と同時に,書面でなされます(刑訴法462条1項)。
実務上は,起訴状の冒頭に,「下記被告事件につき公訴を提起し,略式命令を請求する。」と記載されています(事件事務規程64条1項参照)から,「略式命令請求書」と呼ばれています。
(2) 略式手続によることについて異議がないことを被害者が書面で明らかにしない限り,略式手続とはなりません(刑訴法461条の2第2項,462条2項,刑訴規則288条)。
そのため,略式手続で処理されることについて不服がある場合,通常の刑事裁判を受けることができます。
(3) 略式手続によることについて異議がないことを被疑者が明らかにした書面は実務上,「略式請書」(=略請(りゃくうけ))といわれます。
略式請書は,①略式手続についての説明告知をし,異議の有無を確認した旨の検察官作成に係る告知手続書と,②略式手続によることについて異議がない旨の被疑者作成に係る申述書によって構成されています。
(4)ア 略式命令の請求をする場合,実務上,検察官の科刑意見(没収その他付随処分を含む。)を裁判所に申し出ることになっており,略式命令請求書とは別個に科刑意見書を作成して提出しています(事件事務規程67条3項参照)。
イ 検察官の科刑意見どおりに略式命令が発付された場合であっても,その後累犯前科を含む多数の同種前科の存在が判明するに至ったなどといった事情の下では,検察官がした正式裁判の請求は適法です(最高裁平成16年2月16日決定)。
(5) 逮捕中又は勾留中に略式手続がとられる場合を,「逮捕中在庁略式」又は「拘留中在庁略式」といいます。
(6) 略式命令の請求と同時に,略式命令をするために必要があると考える書類及び証拠物が裁判所に差し出されます(刑訴規則289条)。
これは,いわゆる起訴状一本主義の例外であり,裁判所は,検察官の提出した資料だけを調査して略式命令を発令します。
2 略式命令の請求後の取扱い
(1) 略式命令請求書において,起訴検察官の所属庁の記載並びに検察官の署名(記名)及び押印(刑訴規則60条の2第2項参照)をいずれも欠いている場合,公訴提起の手続がその規定に違反したため無効ですから,刑訴法463条1項・338条4号により,公訴棄却判決が下されます(最高裁平成19年7月5日判決)。
(2) 略式命令の請求を受けた裁判所は,その事件が略式命令をすることができないものであり,又はこれをすることが相当でないものと思料するとき,及び略式命令手続がその規定に違反するときは,通常の規定に従い,審判をしなければなりません(刑訴法463条。「略式不相当」)。
(3) 略式命令は,遅くともその請求のあった日から14日以内に発しなければなりません(刑訴規則290条1項)ものの,これは訓示規定に過ぎません(最高裁昭和39年6月26日決定)。
(4) 略式命令の告知は,裁判書の謄本の送達によってなされます(刑訴規則34条本文)。
(5) 略式命令の送達は,被告人に異議がないときに限り,就業場所,つまり,「その者が雇用,委任その他法律上の行為に基づき就業する他人の住居又は事務所」においてなされます(刑訴規則63条の2,事件事務規程64条4項)。

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弁護人上告に基づき原判決を破棄した最高裁判決の判示事項(平成元年以降の分)

目次
第1 弁護人上告に基づき原判決を破棄した最高裁判決の判示事項(平成元年以降の分)
第2 刑訴法411条に関するメモ書き
第3 上告に関する刑事訴訟法の条文
第4 関連記事その他

第1 弁護人上告に基づき原判決を破棄した最高裁判決の判示事項(平成元年以降の分)
(令和5年3月24日更新)
55 最高裁令和5年3月24日判決(自判)
    死亡後間もないえい児の死体を隠匿した行為が刑法190条にいう「遺棄」に当たらないとされた事例

昨日記者の人が言ってたところによると、最高裁での破棄自判無罪は戦後25件目だそうです

— スドー🍞 (@stdaux) March 25, 2023

54 最高裁令和4年11月21日判決(差戻し)
    殺人の公訴事実について、自殺の主張は客観的証拠と矛盾するなどとして有罪の第1審判決の結論を是認した原判決に、審理不尽の違法、事実誤認の疑いがあるとされた事例
53 最高裁令和4年6月9日判決(自判)
    他人の物の非占有者が業務上占有者と共謀して横領した場合における非占有者に対する公訴時効の期間
52 最高裁令和4年2月18日判決(差戻し)
    準強制わいせつ被告事件について,公訴事実の事件があったと認めるには合理的な疑いが残るとして無罪とした第1審判決を事実誤認を理由に破棄し有罪とした原判決に,審理不尽の違法があるとされた事例
51 最高裁令和4年1月20日判決(自判)
    ウェブサイトの閲覧者の同意を得ることなくその電子計算機を使用して仮想通貨のマイニングを行わせるプログラムコードが不正指令電磁的記録に当たらないとされた事例
50 最高裁令和3年9月7日判決(差戻し)
    被告人は心神耗弱の状態にあったとした第1審判決を事実誤認を理由に破棄し何ら事実の取調べをすることなく完全責任能力を認めて自判をした原判決が,刑訴法400条ただし書に違反するとされた事例
49 最高裁令和3年7月30日判決(差戻し)
    違法収集証拠として証拠能力を否定した第1審の訴訟手続に法令違反があるとした原判決に,法令の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
48 最高裁令和2年10月1日判決(差戻し)
    数罪が科刑上一罪の関係にある場合において,各罪の主刑のうち重い刑種の刑のみを取り出して軽重を比較対照した際の重い罪及び軽い罪のいずれにも選択刑として罰金刑の定めがあり,軽い罪の罰金刑の多額の方が重い罪の罰金刑の多額よりも多いときの罰金刑の多額
47 最高裁令和2年1月23日判決(差戻し)
    犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した第1審判決を控訴裁判所が何ら事実の取調べをすることなく破棄し有罪の自判をすることと刑訴法400条ただし書

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刑訴法19条に基づく移送請求に際して,新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言を考慮しなかった札幌高裁令和3年2月18日決定(裁判長は39期の金子武志裁判官)

目次
1 札幌高裁令和3年2月18日決定に至る事実関係
2 札幌高裁令和3年2月18日決定(資料3)の判示内容
3 予断排除に関する刑訴法及び刑訴規則の定めと,札幌高裁令和3年2月18日決定の判示内容との関係
4 札幌高裁令和3年2月18日決定が出た後の事実関係
5 移送請求に対する検察官の意見書
6 移送請求に関する資料一覧
7 法務省新型コロナウイルス感染症対策基本的対処方針の「出張」に関する記載
8 大阪地裁に移送された後の経緯
9 関連記事その他

1 札幌高裁令和3年2月18日決定に至る事実関係
(1) 53期の河畑勇釧路地裁刑事部部総括は,令和3年1月19日,道路交通法違反(一般道において法定の最高速度を47km超えたというスピード違反)の犯罪地である釧路地裁に起訴された否認事件(以下「別件速度違反事件」といいます。)について,被告人が大阪市に在住していること,私選弁護人である私が大阪弁護士会に所属していること,及び大阪府に新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令されていることにかんがみ,別件速度違反事件を大阪地裁に移送する旨の決定を出しました(資料1)。
(2) 釧路地検の検察官は,令和3年1月20日,新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言に一切言及することなく,釧路地裁令和3年1月19日決定に対する即時抗告の申立てをしました(資料2)。

2 札幌高裁令和3年2月18日決定(資料3)の判示内容
(1) 札幌高裁は,大阪府について新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令されていた令和3年2月18日,下記のとおり判示した上で,検察官の即時抗告に基づき,別件速度違反事件に関する釧路地裁令和3年1月19日決定を取り消し,私の移送請求を却下しました(改行を追加しています。)。

    被告人は,本件公訴事実を争う予定であることから,今後釧路地裁に複数回出頭する必要があると考えられ,時間的,経済的な不利益が被告人及び弁護人に生じること自体は否定できないが,弁護人からは,上記のような一般的に生じる不利益について主張があるのみで,被告人の資力や生活状況等に関する具体的な主張や資料の提出があったわけではなく,本件の審理を釧路地裁で実施することに伴う被告人や弁護人の具体的な不利益が明らかになったとはいい難い。
    次に,移送請求書によれば,弁護人は,被告人は本件公訴事実を否認する予定であると主張するだけで,同請求書添付の令和2年12月16日付け千葉県公安委員会宛ての審査請求書によっても,その時点での被告人の主張として,測定機器の故障その他の原因で速度違反が検知されただけで速度違反の事実はなかったというにすぎず,また,被告人は捜査段階で供述調書への署名押印を拒否していて,本件についての被告人の供述が全く得られておらず,その主張の具体的内容が示されたとはいえない状況にある。
    そうすると,本件の争点が測定機器の正確性になるとは限らず,検察官請求証拠に対する意見の見込みも明らかではないことからすれば,公判廷での被告人の供述内容や審理の経過によっては,釧路地裁の周辺に居住する証人に対する尋問が必要となる可能性があるのであるから,同地裁において審理をする方が当該事件の審理に便宜であるのは明らかであり,かつ,捜査機関においても補充捜査が必要となるのであって,本件を他の管轄裁判所に移送すると,本件の捜査を担当しなかった検察官が審理に関与することになり,補充捜査にも支障が生じると考えられる。
    このように,本件では,被告人及び弁護人の主張の内容や,証拠意見の見込みが明らかではなく,およそ検察官が立証計画を定めることができる状況ではないのに,原決定は,本件を釧路地裁で審理することにより生じる被告人及び弁護人の一般的な不利益のみを重視して移送決定をしており,検察官の立証上の不利益を著しく害しているのは明らかであって,取消しを免れないというべきである。
    よって,本件即時抗告は理由があるから,刑事訴訟法426条2項により,主文のとおり決定する。
(2) 担当裁判官は,39期の金子武志裁判官,58期の加藤雅寛裁判官及び59期の渡辺健一裁判官でした。

R030929 札幌高裁の不開示通知書(刑訴法19条に基づく移送請求の可否を判断する際,新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言のことは考慮しないことになっていることが分かる裁判官の研修資料その他の文書)を添付しています。 pic.twitter.com/o8MuMEf7AR

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被疑者及び被告人の勾留

目次
第1 総論
第2 勾留質問
第3 勾留状の執行等
第4 勾留と弁護人等への通知
第5 勾留と,弁護人等以外の者との接見交通
第6 勾留理由開示
1 総論
2 勾留理由開示に関する判例
第7 勾留の取消
第8 勾留の執行停止
第9 被疑者勾留特有の事情
第10 被告人勾留特有の事情
第11 第一審裁判所の無罪判決後の勾留
第12 代用監獄及び被告人の移送
第13 未決勾留による拘禁関係に信義則上の安全配慮義務はないこと等
第14 未決拘禁者については施設内免許再取得試験を実施していないこと
第15 勾留請求と勾留状の発付数等に関する統計
第16 関連記事その他

第1 総論
1 勾留とは,被告人又は被疑者を刑事施設に拘禁する裁判及びその執行をいいます。
2(1) 勾留の要件は以下のとおりです。
① 犯罪の嫌疑(刑訴法60条1項柱書)
被告人が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があることです。
② 勾留の理由(刑訴法60条1項各号)
(a)被告人が定まった住居を有しないとき(住居不定),(b)罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき(罪証隠滅のおそれ),(c)逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき(逃亡のおそれ)のいずれかが存在することです。
③ 勾留の必要性(刑訴法87条1項参照)
(2) 少年法48条1項は「勾留状は、やむを得ない場合でなければ、少年に対して、これを発することはできない。」と定めています。
3 勾留に対しては,犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告又は準抗告をすることはできません(刑訴法420条3項・429条2項)。

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弁護人

目次
第1 弁護人選任権
1 弁護人選任権者
2 弁護人の種類
3 弁護人選任の効力
4 弁護人の数
5 主任弁護人
第2 弁護人選任の申出,並びに当番弁護士制度及び私選紹介弁護士制度
1 弁護人選任の申出
2 当番弁護士制度及び私選紹介弁護士制度
第3 国選弁護人の選任
1 総論
2 被告人国選弁護人
3 被疑者国選弁護人
第4 弁護人と被疑者・被告人との接見交通
1 接見交通権
2 接見指定権
3 最高検察庁の接見対応通達
4 面会室内における写真撮影(録画を含む)及び録音
5 弁護人になろうとする者としての接見には制限があること
6 接見指定権に関する判例
第5 被疑者国選対象事件,国選付添人対象事件及び裁判員裁判対象事件
1 総論
2 被疑者国選対象事件
3 国選付添人対象事件
4 裁判員裁判対象事件
第5の2 精神鑑定結果の採用に関する最高裁判例
第6 刑事弁護における弁護士倫理
第7 刑事弁護に関する弁護士職務基本規程の条文
第8 関連記事その他

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取調べのための呼び出しに応じないことと,逮捕の必要性に関する最高裁刑事局作成の資料の記載

目次
1 取調べのための呼び出しに応じないことと,逮捕の必要性に関する最高裁刑事局作成の資料の記載
2 関連記事その他

1 取調べのための呼び出しに応じないことと,逮捕の必要性に関する最高裁刑事局作成の資料の記載
・ 最高裁判所刑事局が平成7年3月に作成した,逮捕・勾留に関する解釈と運用4頁及び5頁には以下の記載があります。

    まず,一般論として,次のとおり意見が一致した。
    刑訴法199条1項ただし書の罪についてはもちろん,その他の罪についても,明らかに逃亡,罪証隠滅のおそれがなく,単に出頭要求に応じないという理由だけでは逮捕状を発付することはできない。しかし,任意出頭の要求に数回にわたって応じないということは,逃亡又は罪証隠滅のおそれを推認させる有力な事情とはなりうるであろう。呼出しの回数が重なるに連れ,呼出しを無視する被疑者の緊張感が高まり,例えば,もしかすると裁判で実刑になるのではないかとの不安を覚え,逆に逃走や罪証隠滅を図るといった心理過程を推認できることもあるからである。もちろん具体的な諸事情を総合判断しなければならないが,そのような推認ができる場合には,数回の不出頭の事実を逮捕の必要性の一つの判断資料として,逮捕状を発付するということも十分考えられる。なお,このような推認が働くのは,あくまで有効な呼出しを現に受けており,かつ正当な理由もないのに,出頭しない場合に限られることはいうまでもない。
    この点について,何回以上不出頭であれば逮捕状を発付するという一応の基準的なものを設け,これに基づいて運用するというやり方についても議論が及んだ。しかし,これに対しては,単に機械的に回数のみを基準にして逮捕の必要性の有無を決するのは妥当でなく,あくまでも具体的事情を総合判断して,必要性の有無を判断すべきである,との結論となった。

2 関連記事その他
(1) 交通事故弁護士相談Cafeに「交通事故の現場検証!警察官対応で必ず知っておくべき全知識」が載っています。
(2) 名古屋高裁令和4年1月19日判決は以下の判示をしたみたいです(弁護士法人金岡法律事務所HPの「名古屋高裁、在宅被疑者に取調べ受忍義務を認める!!」参照)。
    正当な理由のない不出頭は,一般的には逃亡ないし罪証隠滅のおそれの一つの徴表であると考えられ,数回不出頭が重なれば逮捕の必要が推定されることがあると解されている。そうすると,検察官の出頭要求に応じて被疑者が出頭したものの,弁護人を取り調べに立ち会わせることを求め,これを検察官が認めなかったことから,結果として被疑者の取調べを行うことができない事態が繰り返された場合に,検察官が,被疑者が正当な理由なく取調べを拒否しており,正当な理由のない不出頭を繰り返した場合に準じ,逃亡ないし罪証隠滅のおそれがあるとして逮捕の必要性があると評価することに合理的根拠がないとはいえ(ない)
(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 被疑者の取調べにおける弁護人立会い要求等に対する対応要領(令和4年8月の兵庫県警察本部刑事部刑事企画課の文書)
・ 監察調査の結果について(令和5年12月25日付の最高検察庁監察指導部の文書)
→ 令和元年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件に関するものです。
・ 取調状況DVD等に関する調査について(令和元年5月24日付の最高裁判所刑事局第三課長の事務連絡)
・ 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の運用等について(平成30年3月19日付の次長検事の依命通達)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 警察及び検察の取調べ
・ 司法修習生による取調べ修習の合法性
・ 交通違反に対する不服申立方法

大阪弁護士会で出している在宅取調べ実践マニュアルに取調べ立会いを求めるやり方が書式など含めて詳しく書いてありますよね。

— 弁護士戸舘圭之オフィシャル/とってぃ/袴田事件弁護団 (@todateyoshiyuki) September 10, 2021

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被告人の保釈

目次
1 総論
2 必要的保釈(権利保釈)
3 任意的保釈(権利保釈)
4 義務的保釈
5 保釈に関する検察官の意見
6 保釈保証金及び保釈の手続
7 保釈の判断に対する抗告審
8 被告人の保釈に関する統計
9 保釈者等の視察に関する犯罪捜査規範の条文
10 出国確認の留保,カルロス・ゴーンの密出国及び国外逃亡被疑者等の追跡
11 GPS端末の実証事件に係る業務委託
12 保釈保証金に関する弁護士会照会
13 債務者が刑事事件の弁護人に対して預託金返還請求権を有する場合における債権回収方法
14 保管金事務処理システム
15 保釈保証金の還付
16 関連記事その他

1 総論
(1) 保釈とは,勾留を観念的には維持しながら,保釈保証金の納付を条件として被告人に対する勾留の執行を停止して,その身体拘束を解く裁判及びその執行をいいます。
(2) 保釈は,被告人が召喚を受けても出頭しなかったり,逃亡したりした場合には,保証金を没収することとして被告人に経済的・精神的負担を与えて被告人の出頭を確保する制度です。
(3) 保釈の種類としては,①必要的保釈(刑訴法89条),②任意的保釈(刑訴法90条)及び③義務的保釈(刑訴法91条)の3種があります。
(4) 勾留されている被告人又はその弁護人,法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族若しくは兄弟姉妹は,保釈の請求をすることができます(刑訴法88条1項)。

AIが判断するというよりも、AIが提供する情報を参考に裁判官が判断をすることは十分あり得ると思います。AIの方がブレが少なく、複合的要因によるリスク検出等が得意だったり、予断偏見に強いと言われています。一方で差別情報を学習してしまうリスクなどもあり、使い方には注意が必要です。 https://t.co/giDIe9daIw pic.twitter.com/aqQ95SYSMr

— 弁護士西愛礼『冤罪 なぜ人は間違えるのか』発売中 (@YoshiyukiNishi_) May 5, 2025

2 必要的保釈(権利保釈)
(1) 裁判所は,保釈の請求があった場合,以下の事由がある場合を除き,保釈を許す必要があります(刑訴法89条)。
① 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。

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最高裁判所における刑事事件の弁論期日

目次
1 最高裁判所における刑事事件の弁論期日
2 関連記事その他

1 最高裁判所における刑事事件の弁論期日
・ 最高裁裁判所裁判部が作成した,刑事書記官実務必携(平成31年4月1日現在)71頁ないし75頁には以下の記載があります。

第9 公判
1 期日前の準備
(1) 弁護人がない場合の措置
   審議の結果,弁論が開かれることになった事件について,上告審の弁護人が選任されていないときは,次の要領により,弁護人の選任に関する照会等の手続を進める。
ア 必要的弁護事件であるときは,担当調査官と相談の上,被告人に対して弁護人選任に関する照会を行い,被告人が弁護人を選任しないときは,速やかに東京地方事務所に国選弁護人候補指名通知を依頼する。
イ 任意的弁護事件であるときは,担当調査官に相談の上,主任裁判官の指示を待って前記弁護人選任に関する照会等の手続を進める。
(2) 期日の調整,指定及び変更
ア 審議の結果,弁論が開かれることとなった事件については,担当調査官又は先任裁判官の秘書官から,審議終了後直ちにその旨の連絡があり,担当調査官から期日の指定等について必要事項の連絡ないし指示がある。担当書記官は,直ちに首席書記官に報告するとともに,前記指示に基づき, 当該小法廷の所定の開廷日の中から複数期日を選定して検察官及び弁護人に電話で期日の都合を打診する。
   この場合,期日の選定に当たっては,弁論要旨等の作成提出に要する期間,弁護人の住所地からの交通の便等をも考慮し,期日指定の日から公判期日まで少なくとも1箇月くらいの余裕を見込むのが通例である。
   また,要警備事件については,期日調整の時点で,裁判関係庶務係を通して,東京地裁警務課の差支えの有無を確認しておく。
   なお,この期日調整は,情報管理の観点からできるだけ短時間のうちに済ませ,調整後直ちに,期日の指定・通知等の事務処理を完了する。
イ 期日の調整が終了したときは,直ちに首席書記官に報告するとともに,担当調査官の承諾を得,秘書官を通じて当該主任裁判官の支障の有無を確認した上,公判期日指定書を作成し,裁判長の決裁を受ける。
ウ 期日の調整の際, 出頭予定の弁護人の数及び氏名,弁論時間その他弁論進行予定等を確かめるほか,事案によっては被告人を含めた傍聴人の見込み数等法廷警備に関する情報をも収集する。
エ 期日が指定告知された後, この期日の変更請求があったときは,直ちに,その旨担当調査官に連絡するとともに,相手方の意見を聴いた上,所要事項を記載した決裁票,期日変更請求書,相手方の意見書(又は電話聴取書)の順にクリップで一括し, 当審記録とともに担当調査官,主任裁判官に提出して決裁を受ける。
   その上で,公判期日変更決定(又は却下決定)書を作成し,裁判体の押印を受ける。変更決定の場合は訴訟関係人にその謄本を送達する。
(3) 公判期日の通知
   期日が指定されると,弁護人には特別送達郵便により,被告人には簡易書留郵便により,検察官には検察庁送付簿により,それぞれ公判期日通知書を送達又は送付して通知する。収容被告人であっても封筒の表書きは被告人本人あてとする。被告人に通知したことは,記録表紙継続用紙の通知事項欄に所要事項を記入し,書記官が認印してこれを明らかにするとともに,前記公判期日指定書及び公判期日通知書の写しを記録に編てつする。
   なお,国選弁護人の場合は,東京地方事務所(霞が関分室)に当該事件について公判期日が指定された旨電話連絡する。それを受けて同事務所から公判等時間連絡メモが送付される。
(4) 期日表の作成及び配布
   期日指定後,同期日の立会検察官が決まった段階で刑事弁論期日表を作成し,関係者に配布する。
   期日表の作成は, 開廷時刻,立会検察官名を記入するほか, 同表の「摘要」欄には,経過を明らかにする趣旨で「21.1.29の弁論期日変更」等と記入し,更に該当する事件は「検察官上告」, 「双方上告」, 「死刑事件」と記入する。
   事例によっては,弁論後即日判決を宣告することが予想される場合(非常上告事件にその例が多い。)があるが,期日表には弁論期日のみ記載することとされている期日表の配布先と必要部数は,原則として以下のとおりである。

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保釈保証金の没取

目次
1 総論
2 保釈保証金の没取金額の推移
3 全国弁護士協同組合連合会が保釈保証書を発行した事案における没取の状況(令和5年3月17日追加)
4 保釈中の逃亡事件に関する国会答弁
5 保釈保証金の没取に関する下級審判例
6 関連記事その他

1 総論
(1) 被告人が逃亡したり,罪証隠滅を図ったり,保釈条件に違反したりした場合,裁判所は保釈を取り消すことができます(刑訴法96条1項)。
(2)ア 裁判所が保釈を取り消す場合,保釈保証金の全部又は一部を没取できます(刑訴法96条2項)。
イ 刑訴法96条2項に基づく保釈保証金没取決定は,保釈保証金若しくはこれに代わる有価証券を納付し又は保証書を差し出した者に対し,その者の国に対する保釈保証金等の還付請求権を消滅させ,また,その者に対して保証書に記載された金額を国庫に納付することを命ずることを内容とする裁判です(最高裁昭和52年4月4日決定)。
ウ 保釈保証金没取決定は,これに対し事後に不服申立の途が認められれば,あらかじめ告知,弁解,防御の機会が与えられていないからといって,憲法31条及び29条に違反しません(最高裁大法廷昭和43年6月12日決定)。
(3) 「没取」は「没収」と同じ意味です。
(4) 市民的及び政治的権利に関する国際規約9条3項は以下のとおりです。
 刑事上の罪に問われて逮捕され又は抑留された者は、裁判官又は司法権を行使することが法律によって認められている他の官憲の面前に速やかに連れて行かれるものとし、妥当な期間内に裁判を受ける権利又は釈放される権利を有する。裁判に付される者を抑留することが原則であってはならず、釈放に当たっては、裁判その他の司法上の手続のすべての段階における出頭及び必要な場合における判決の執行のための出頭が保証されることを条件とすることができる。

未だに、こんなどうしようもない決定もある https://t.co/s7vGGtGBhD
「修習生が、「一番驚いたのは、身柄へのリスペクトのなさですね」と話していた。…裁判官は、やはり、接見室でいまかいまかと保釈請求の結果を待つような体験を積むべきだろう。修習生のこの新鮮な発言には、些か感銘を受けた」

— 深澤諭史 (@fukazawas) August 7, 2022

あ!、
保釈支援協会使った時、
保釈通った!わーい、申請者さん!保釈通りました!大丈夫です!手数料振り込んでください!

は事故のもと。
手数料振り込んだ後にP準抗告され通った場合、手数料は返ってきません。

一度ひやしやしました。

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警察庁交通局

目次
第1 総論
第2 警察庁交通局等の沿革
第3 警察庁交通局の組織及び担当事務
1 交通企画課(警察庁組織令32条)
2 交通指導課(警察庁組織令33条)
3 交通規制課(警察庁組織令34条)
4 運転免許課(警察庁組織令35条)
第4 警察庁交通局幹部の階級
第5 関連記事その他

第1 総論
1 警察庁交通局は,警察庁の所掌事務に関し,交通警察に関する事務をつかさどっています(警察法23条の2)。
主として,道路交通法,自動車の保管場所の確保等に関する法律及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の施行に関する事務を実施しています。
2 警察庁交通局は,警察本部交通部及び警察署交通課と異なり,現場の執行事務は取り扱っていません。

第2 警察庁交通局等の沿革
1 昭和29年7月1日に現在の警察法(昭和29年6月8日法律第162号)が施行された際,交通警察は,警察庁警備部警ら交通課が担当していました(警察庁組織令17条6号)。
    昭和33年4月1日,警察庁の部が局になるとともに保安局が刑事局から分離独立し,交通警察は,警察庁保安局交通課が担当することとなりました(警察法等の一部を改正する法律(昭和33年3月26日法律第19号))。
    昭和36年,交通企画課及び交通指導課が新設されました(警察庁HPの「日本警察50年史第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開」参照)。
    昭和37年4月1日,警察庁交通局が設置されました(警察法等の一部を改正する法律(昭和37年3月20日法律第14号))。
2 警察庁保安局は,昭和43年6月15日,警察庁刑事局保安部となり(行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律(昭和43年6月15日法律第99号3条(警察法の一部改正)),平成6年7月1日,警察庁生活安全局となりました(警察法の一部を改正する法律(平成6年6月24日法律第39号))。
3 平成16年警察白書の「日本警察50年の軌跡と新たな展開」が参考になります。

第3 警察庁交通局の組織及び担当事務
1 交通企画課(警察庁組織令32条)
(1) 交通警察に関する制度の企画及び立案,交通統計,交通安全教育及び交通安全運動,高速道路交通警察隊の管理等に係る事務を所掌しています。
    また,道路交通関係法令の改正作業や各種計画の策定作業等を行っています。
(2) 平成29年4月1日現在の,交通局交通企画課事務分掌表を掲載しています。
2 交通指導課(警察庁組織令33条)

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刑事手続及び少年審判における被害者の権利

目次
第1 被害者等通知制度
第2 告訴及び告発
1 総論
2 公務員の告発と守秘義務の関係
3 京都府警の取扱い
第3 不起訴処分に対する被害者側の手段
1 総論
2 検察審査会に対する審査の申立て
3 高検検事長に対する不服の申立て
第4 犯罪被害者等の権利利益の尊重に関する最高検察庁の通達
第5 被害者参加制度,及び被害者参加人のための国選弁護制度
1 被害者参加制度
2 被害者参加人のための国選弁護制度
第6 刑訴法292条の2に基づく意見の陳述
第7 少年審判における被害者の権利
1 総論
2 少年事件記録の閲覧又は謄写
3 少年事件における意見陳述
4 少年審判の傍聴
5 被害者等に対する説明
6 被害者等に対する通知
第8 被害者が捜査によって受ける利益は事実上の利益に過ぎないこと
第9 犯罪被害者等給付金の支給制度の拡充
第10 関連記事その他

第1 被害者等通知制度
・ 被害者,被害者の親族及びそれらの代理人弁護士は,被害者等通知制度実施要領(平成28年5月27日最終改正)に基づき,検察官等から取調べ等を受けた際に希望し,又は検察官等に照会すれば,以下の事項を通知してもらえます。
(1)事件の処理結果については,公判請求,略式命令請求,不起訴,中止,移送(同一地方検察庁管内の検察庁間において,専ら公判請求又は略式命令請求のために行う移送を除く。),家庭裁判所送致の別及び処理年月日
(2)公判期日については,係属裁判所及び公判日時

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