旧司法試験の成績開示範囲の拡大


目次

1 平成16年度司法試験からの開示範囲の拡大
2 平成18年度司法試験からの開示範囲の拡大
3 平成20年度からの開示範囲の拡大
4 関連記事その他

1 平成16年度司法試験からの開示範囲の拡大
(1) 平成16年度司法試験から「丙案」制度が廃止された関係で,それまで不合格者に対してのみ行っていた論文式試験の成績通知が合格者に対しても行われるようになりました。
(2) 論文式試験合格者に対しては,科目別順位ランク及び総合得点が通知されるようになりました。

2 平成18年度司法試験からの開示範囲の拡大
(1) 東京地裁平成16年9月29日判決は,平成9年度から平成11年度までの司法試験の成績に関する個人情報開示請求訴訟において,①論文式試験の科目別得点及び総合順位,並びに②口述試験の科目別得点は不開示情報であるものの,③口述試験の総合順位は開示すべきであると判断しました。
   控訴審である東京高裁平成17年7月14日判決は,論文式試験の総合順位も追加で開示すべきであると判断しました。
(2)ア   平成18年度からは,論文式試験の総合順位も通知されるようになりました。
イ 平成19年7月発行の日弁連新聞第402号には,「司法試験の成績については、1983年以降に実施された旧司法試験第2次試験ファイルに記録されている情報が開示される。法務大臣宛に開示請求し、手数料300円、本人確認資料などが必要となる。」と書いてあります。

3 平成20年度からの開示範囲の拡大
・ 平成20年度(行個)答申第1号(平成20年4月14日答申)に基づき,合格枠制対象の合格者(いわゆる丙案合格者)に該当する可能性がある人(平成8年度から平成15年度までの司法試験において,受験回数が3回以内で論文式試験に合格した人)であっても,法務大臣に対して保有個人情報開示請求をすれば,論文式試験の総合得点及び総合順位を開示してもらえるようになっています。

4 関連記事その他
(1) 旧司法試験の成績に関する開示請求については,法務省HPの「司法試験ファイル,旧司法試験第二次試験ファイル及び司法試験予備試験ファイルに係る開示請求について」に書いてあります。
(2) 司法試験に関する成績開示は現在,「司法試験における試験成績の本人通知について」(平成17年11月8日司法試験委員会決定)に基づいて運用されています。
(3) 弁護士法人福間法律事務所HP「司法試験(口述)の成績開示、11番でした。」(2017年10月7日付)には,昭和61年度司法試験合格者の開示請求の体験談として,「論文試験については席次資料は残っておらず、AからHまでの7段階評定で、私の成績は、7科目中6科目がA、1科目がBの、総合Aであり、口述試験は席次成績が残っており、11番でした。」と書いてあります。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 旧司法試験の「丙案」制度
・ 旧司法試験の成績分布及び成績開示


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