司法修習

司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)

1 73期司法修習生等に対する採用に関する協力について(令和元年9月3日付の日弁連会長の要請)(73期司法修習生等に対する採用に関する要請について(令和元年9月9日付の日弁連事務総長の事務連絡)の添付資料です。)の本文は以下のとおりです(ナンバリングを1ないし4から①ないし④に変えています。))。

   当連合会は,令和元年12月5日から司法修習を開始する第73期司法修習生及び司法修習予定者に関し,司法修習の実効を期すとともに司法修習生等の職業選択の自由を尊重するため,下記のとおり要請いたします。
   貴会会員に対し,この要請の趣旨を周知徹底していただくとともに,行き過ぎた勧誘行為等が認められた場合には, 当該会員に対し,個別に実情に応じた対応をとっていただくなどして,平穏な司法修習環境を維持し,司法修習の実をあげるべく御協力いただきますよう,お願い申し上げます。

① 会員は,第73期の司法修習生及び司法修習予定者(以下合わせて「司法修習生等」という。)について,事務所見学,採用選考等の日程及び時刻を決定するにあたっては,司法修習に対する影響を低減するように配慮しなければならない。
   なお,導入修習期間中(令和元年12月5日から同年12月25日までの期間)は,司法修習を欠席することを要することとなるような事務所見学,採用選考等を行ってはならない。
② 会員は,司法修習生等に対し,過度の飲食提供,その他不相当な方法による採用のための勧誘行為を行ってはならない。
③ 会員は,第73期司法修習生等に対する採用決定(内定を含む。)により,司法修習生等を拘束してはならない。会員は,第73期司法修習生等の会員に対する採用の申込み又は会員からの採用の申込みに対する第73期司法修習生等の承諾につき,司法修習生等が撤回することを妨げてはならない。
④ 会員は,職業選択に関する司法修習生等の自由な意思を尊重しなければならない。

2 72期司法修習生までは,同じ時期に「司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(要請)」と題する文書が日弁連会長から発出されていて,「会員は,第72期の司法修習生及び司法修習予定者(以下合わせて「司法修習生等」という。)に対し,平成31年2月27日まで,採用のための勧誘行為は行ってはならない。」などと書いてあり,実務修習第1クールが終了するまで,採用のための勧誘行為自粛を要請されていました「司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛の要請に関する最高裁及び法務省の対応」参照)。
   しかし,73期司法修習生の場合,「司法修習生等に対する採用に関する協力について(要請)」というふうに表題が変わっていますし,「会員は,第73期の司法修習生及び司法修習予定者(以下合わせて「司法修習生等」という。)について,事務所見学,採用選考等の日程及び時刻を決定するにあたっては,司法修習に対する影響を低減するように配慮しなければならない。」というふうに文言が変わっています。
   そのため,73期司法修習生については,司法修習開始前の採用活動が正式に解禁されたことになります。

 

導入修習チェックシート

1 「導入修習チェックシート」を以下のとおり掲載しています。
71期72期

2 司法修習生向けの説明文書である,「導入修習チェックシートについて」を以下のとおり掲載しています。
72期

3 司法修習生指導担当者向けの説明文書である,「導入修習チェックシートの活用について」を以下のとおり掲載しています。
72期

4 それ以外の分については,開示請求中です。司法研修所の正門及び正面玄関

選択型実務修習に関する留意点

◯72期司法修習で使用された,選択型実務修習に関する留意点(平成30年11月15日付)の本文は以下のとおりです(「選択型実務修習の運用ガイドライン」を補足するものです。)。

第1 ホームグラウンドにおける弁譲修習の修習期間
   「ホームグラウンド」 とは,選択型実務修習の期間中,司法修習生が,修習プログラムを修習しないときに,弁護修習を行う弁護士事務所をいう (選択型実務修習の運用ガイドライン(以下「ガイドライン」という。 )第1の2) 。
   「ホームグラウンドにおける弁護修習は,選択型実務修習の期間中,最低1週間は,継続して行わなければならない。 」 (ガイドライン第3の1(1)) とあるが, この趣旨は,少なくとも1週間は継続することで充実した弁護修習を行い,選択型実務修習を弁護士実務に比重を置くものとする制度趣旨を全うしようとするところにある。したがって,この趣旨に反しないのであれば,個別具体的な事情により,1週間継続することを絶対的な条件とまでする必要はないと考えられる。
   例えば,希望する修習プログラムを選択した結果として,ホームグラウンドにおける弁護修習が1週間継続しなくなった場合は,ガイドラインの趣旨に反するとまではいえない。ただし,この場合でも合計5日程度のホームグラウンドでの修習日数を確保した修習計画を立てるようにすべきである。
   これに対して, 自由研究日,新婚旅行等による欠席(病気,忌引等やむを得ない欠席を除く。 )をした結果, 1週間継続してホームグラウンドでの弁護修習を行い得なくなる場合は,ガイドラインの趣旨に反するため,この場合は,ホームグラウンドでの修習期間が,1週間継続して確保できるように修習計画を見直すべきである。
   もっとも,この点に関し承認権限を有しているのは,各配属庁会の司法修習生指導連絡委員会であるから,同委員会の窓口である各配属庁会の指導担当者又は事務担当者等からこれと異なる指示があった場合は,その指示に従う。

第2 自己開拓プログラム
1 修習先
   自己開拓プログラムの修習先の例として,「民間企業の法務部,地方自治体の法務関係部門等」 (ガイドライン第3の4)のほかに,司法書士事務所, 弁理士事務所,税理士事務所,不動産鑑定士事務所及び土地家屋調査士事務所などのいわゆる隣接職種,民間ADR機関,報道機関の社会部などが考えられる。
   しかし,これらの企業等が,自己の就職予定先である場合は,「司法修習生が就職を予定している弁護士事務所を,修習プログラムとしての弁護修習先とすることはできない」としたガイドライン第3の5の趣旨が同様に当てはまるため,認められない。
   これに対し,就職予定先である弁護士事務所の顧問先企業の法務部を自己開拓プログラムの修習先とすることは,特に禁じられてはいないが,修習内容について,専ら就職予定先の弁護士が関与する事件の修習をするなどの事実上の弁護士業務を行ったり,実質的に試用期間的な内容の修習を行ったりしないものとなるように受入先の担当者とよく話を詰めておくべきである。
(2) 弁護士事務所については,当該弁護士事務所が就職予定先である場合には,ガイドライン第3の5に抵触するため当然認められないが,就職予定先の弁護士事務所以外でも,これを認めると,当該弁護士事務所と司法修習生との合意により,修習先としての弁護士事務所が定まることを認めることになることから,原則として認められない。
   例外として,個別修習プログラム及び全国プログラムでは提供されていない領域や分野について,ホームグラウンドの弁護士事務所では十分な修習を行うことが困難であり,開拓先の弁護士事務所でその領域や分野についての修習をすることが可能でその意義があると明らかに認められる場合には,許容される余地もある。
(3) 充実した修習を実施するには,責任ある立場の指導者によって,体系的な指導が行われることが重要である。そのため,修習先とされた組織・団体の受入態勢に疑義があるような場合には, 申出が認められないことがある。
   また,司法修習生の親族が経営している事業所等で修習を行う場合には,一般的に,そこで十分な修習が行われるのか,修習結果に対して評価が適正に行われるのかといった点について,疑義を生じさせるといえる。そのため,例えば,父親が一人で経営している会計事務所を修習先とする申出は認められない。
(4) 自己開拓プログラムについても,原則として,分野別実務修習における配属修習地で行うものとする。例外的に,配属修習地では履修が不可能で,修習の目的,内容に照らし,配属修習地外の開拓先における修習の具体的意義と必要性がある場合には, 当該開拓先での修習が認められる場合もあるが, この配属修習地外での修習が認められる場合でも,その期間は全国プログラムの期間及び自己開拓プログラムの期間を合わせて3週間を限度とする(ガイドライン第2)。
   ただし,配属修習地により近い地域で同様の修習内容を実現できる場合には,当該開拓先で修習する必要性は認められない。とりわけ,高裁(高検)管内を超えた地域の修習先に係る申出については,当該開拓先で修習する必要性についてより詳細な説明を求められたり,より厳格な判断がされることに留意されたい。

2 修習先から承認を得るまでの手続
(1) 受入希望先に対しては,選択型実務修習及び自己開拓プログラムの趣旨を説明するとともに,司法修習生と受入先との合意によって直ちに修習プログラムとして成立するわけではなく,あらかじめ司法修習生が受入先から承諾を得た上で,更に司法修習生指導連絡委員会の承認が必要となることを説明する。
(2) 受入希望先から自己開拓プログラムの受入れの承諾を得た司法修習生は,(1)に留意の上,受入先から承諾書を得, この承諾書と自己開拓プログラム日程表を自己開拓プログラム申出書に添付して,各配属庁会の司法修習生指導連絡委員会に提出する。
   自己開拓プログラムの申出に当たっては, 申出書(特に「修習の目的] ,「修習の内容」の各欄)及び日程表について詳細かつ具体的な記載を心掛ける(その際には,①当該修習先における修習においてどのような知識・技法を獲得しようとしているのか(獲得目標),②当該知識・技法を獲得するために,具体的にどのような修習内容を体験しようとしているのか(達成方法)が明らかになるようにする。)。また,承諾書の内容は,自己開拓プログラムの受入先の代表者による,司法修習生が選択型実務修習を受入先で実施することについての承諾であり,受入先の代表者又はこれに準じる者の記名・押印を求めることが相当である。
(3) 自己開拓プログラム申出書を提出した司法修習生は,司法修習生指導連絡委員会の承認又は不承認の結論が伝えられたら,速やかに受入先の担当者等に連絡を取り,その旨を伝える。
(4) 自己開拓プログラムは,司法修習生自らが主体的にプログラム先を開拓し,受入希望先から受入れの承諾を得るごとにその意義の一端があるプログラムであるから,受入希望先との交渉等についだ配属庁会の指導担当者や事務担当者に相談する場合でも, この趣告を踏まえた上で相談する。
(5) 受入希望先との交渉等に当たっては,例えば,昼時,早朝又は深夜に,受入希望先の企業等に電話をしたり,アポイントを取らないまま相手先企業等を訪問したりするなどマナーに反する行為をしない。

第3 選択型実務修習の履修時の留意点
1 選択型実務修習の修習計画書を作成するに当たっては,指導担当弁護士とよく意思疎通を図り,ホームグラウンド修習をいつどのような日程で行うのかを伝え,ホームグラウンド修習における修習内容及び取組目標について指導担当弁護士とよく協議する(修習終了後に記載する結果レポートにも「取組目標の達成状況」を記載する欄があることから, よく検討した上で取組目標を記載する。 ) 。
2 遅刻,欠席,早退をするとき,個別修習プログラムについては,プログラム提供先である地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会に連絡した上で,事前又は連絡後速やかに欠席承認申請書を提出する。これに対し,全国プログラム, 自己開拓プログラム及びホームグラウンド修習については,プログラムの修習先のほか,分野別実務修習地の弁護士会にもその旨の連絡をした上で,事前又は連絡後速やかに欠席承認申請書を,分野別実務修習地の弁護士会に提出する。ただし, .配属庁会の事務担当者等から, これと異なる指示がある場合は,その指示に従う。
3 修習プログラムの開始後速やかに選択型実務修習結果意見書(書式は,別途配属庁会から配布予定) とこれを送付するための封筒(送付先の宛名書きをするとともに,必要な郵便切手(自己開拓プログラム及び修習プログラムで指示があった場合は,特定記録等の特殊取扱いでの送付に必要なもの)を貼ったもの)を修習プログラムの指導担当責任者に交付するとともに,修習プログラム終了後速やかに(遅くとも修習プログラム終了後3日以内に)ホームグラウンドの指導担当弁護士宛てに送付するように依頼する。
   なお,送付先については, これとは異なる指示が配属庁会等からされることがあるので留意する。
4 修習プログラム,ホームグラウンド修習の各終了日までに修習プログラムごとに修習レポート (書式は,別途配属庁会から配布予定)をまとめ,修習プログラムの指導担当者の閲覧に供し,指導担当責任者から修習レポートに署名,押印を受けた上で返却してもらう。返却を受けた修習レポートは,選択型実務修習終了後速やかに(遅くとも選択型実務修習終了日の翌日まで)ホームグラウンドの指導担当弁護士宛てに送付又は交付する。
   なお,修習レポートは,修習プログラムだけでなく,ホームグラウンド修習についても作成する必要があるが,ホームグラウンド修習については,ホームグラウンド修習期間全体を通じて1回作成すれば足りる。

第4 その他
1 旅費,宿泊費及び賭費用
(1) 旅費及び宿泊費
   全国プログラム又は自己開拓プログラムにおいて,例えば,鹿児島配属の者が,福岡でプログラム修習を受ける場合は,鹿児島,福岡往復の所定の旅費及びプログラム期間分の所定の宿泊費が支給される(福岡からプログラム実施の関係で更に他所に行く場合であっても旅費は支給されない。 ) 。
(2) 諸費用
   自己開拓プログラムでは,修習中の諸費用,例えば,修習先での資料等のコピー代や通信連絡費,その他の修習先から請求される費用は全て修習生の自己負担となる。
2 全国プログラムの照会窓口
   全国プログラムの手続について,不明な点があれば,司法研修所事務局企画第二課企画係(電話(山中注:不開示),ファクシミリ(山中注:不開示))に問い合わせる。
   なお,プログラムの内容については,各提供先に問い合わせる。
以上

司法修習生の修習専念義務

1   平成24年11月当時の,「修習生活へのオリエンテーション」には,以下の記載があります。
   司法修習生は,修習期間中,その全力を修習のために用いて,これに専念すべき義務があります(裁判所法67条2項)。
   これは,司法修習が,法曹養成に必須の課程として,国が多大な人的,物的資源を投入して運営しているものであることや,法律実務についての基本的な知識と技法や法曹としての職業意識と倫理観を定められた期間内に修得するためには,これに全力を投入してもらう必要があることなどから導かれるものです。このような観点から,司法修習生は,国民に対し,法の支配の立派な担い手となるよう修習に専念すべき義務を負うことになります。

2(1) 修習専念義務を定めた裁判所法67条2項に関する法務省の説明については,「司法修習生の給費制及び修習手当」を参照してください。
法務省の説明によれば,新65期ないし70期の司法修習生は,給費制時代と同じ修習専念義務を負っている代わりに,無利息で修習資金の貸与を受けることができるという法的地位にあるみたいです。
(2)  新発10年国債利回りは,平成28年2月から同年11月までは0%以下となっていましたし,その後も0.1%未満ですから,以前と比べると,無利息で修習資金(71期以降は「修習専念資金」です。)の貸与を受けることができるメリットは小さくなっています(日本相互証券株式会社HP「長期金利推移グラフ」参照)。

3(1) 鈴与シンワート株式会社HP「第004回 インターン生であれば労働者ではないのか」で引用されている厚生労働省労働基準局の通達には,以下の記載があります。
「一般に、インターンシップにおいての実習が見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者には該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられ、また、この判断は、個々の実態に即して行う必要がある」(平成9・9・18 基発636号)
(2) 修習専念義務を負っている司法修習生の場合,実務修習庁会における使用従属関係が認められるものの,書面の起案,取調べ等による利益・効果が当該実務修習庁会に帰属するとはいいがたいことから,労働者ではないということなのかもしれません。

4 東京高裁平成30年5月16日判決(判例秘書)は,以下の判示をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 司法修習は,司法修習生が法曹資格を取得するために国が法律で定めた職業訓練課程であり,高度の専門的実務能力と職業倫理を備えた質の高い法曹を確保するために必須な臨床教育課程として,実際の法律実務活動の中で実施されるところ,最高裁判所がその基本的内容を定め,司法修習生が司法修習を修了しないと法曹資格が与えられないものであるから,司法修習生は,修習過程で用意されているカリキュラムに出席し,その教育内容を全て履修することが本来要請されている。
   司法修習生は,指導に当たる法曹と同様の姿勢で法律実務の修習に努め,その専門的な実務能力を涵養するとともに,法曹と同様な職業倫理の習得に努めることが期待され,かつ,それが重要である。
   そして,司法修習が実際の法律実務活動の中で実施される臨床教育課程であることから,法曹同様,それぞれの立場で求められる中立性・公正性を保ち,利益相反行為を避けることが求められているのであって,司法修習を効果的に行うために法曹の活動を間近で体験,経験する機会が与えられることから,法曹実務家同様の姿勢で修習に専念することが求められる。
② 修習専念義務は,こうしたことから,司法修習の本質から求められるものであって,給費制に基づく給与と何ら対価関係に立つものではない。
   そして,給費制は,以上のとおり,司法修習生に修習専念義務があることを前提に,司法修習生が司法修習に専念し,その実を上げることができるように,立法府が,認定事実(1)イのとおりの昭和22年裁判所法制定当時の社会情勢を踏まえて,立法政策上設けた制度にすぎない(乙19,20)。

司法修習生の兼業・兼職の禁止

1(1) 司法修習生は,最高裁判所の許可を受けなければ,公務員となり,又は他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うことはできません(司法修習生に関する規則2条)。
(2) 司法修習生の兼業届出の取扱いについて(平成19年12月6日付の司法研修所事務局長の事務連絡)を掲載しています。

2(1) 「法曹養成制度改革の推進について」(平成25年7月16日法曹養成制度関係閣僚会議決定)第4には,以下の記載があります。
   司法修習生の兼業の許可について、法の定める修習専念義務を前提に、その趣旨や司法修習の現状を踏まえ、司法修習生の中立公正性や品位を損なわないなど司法修習に支障を生じない範囲において従来の運用を緩和する。具体的には、司法修習生が休日等を用いて行う法科大学院における学生指導をはじめとする教育活動により収入を得ることを認める。
(2) 67期以降,司法修習生に対する兼業・兼職の禁止が緩和されることとなりました。

3(1) 平成28年4月1日,最高裁判所行政不服審査委員会が設置されました(裁判所HPの「最高裁判所行政不服審査委員会」参照)。
そのため,司法修習生が兼職不許可処分に対して不服がある場合,最高裁判所に対する審査請求ができるかもしれません(最高裁判所行政不服審査委員会規則1条参照)。
(2) 行政不服審査法に基づく審査請求をした場合の取扱いは,「行政不服審査法に基づく審査請求書の受付等に関する事務処理要領」(平成28年7月20日付)に書いてあります。
ただし,平成29年3月21日付の司法行政文書不開示通知書によれば,司法修習生の兼職不許可が行政不服審査法の対象となるかどうかが分かる文書は存在しません。
(3) 平成29年7月3日付の開示文書によれば,兼業許可申請に対して不許可となった場合,不許可理由の説明はありません。
ちなみに,一般旅券発給拒否処分の通知書に,発給拒否の理由として,「旅券法一三条一項五号に該当する。」と記載されているだけで,同号適用の基礎となった事実関係が具体的に示されていない場合,理由付記として不備であって,当該処分は違法です(最高裁昭和60年1月22日判決)。

4(1) 日弁連は,平成20年7月17日,在職者の司法修習生採用制限に関する意見書を公表し,同月28日,最高裁判所に提出したものの,特に取扱いが変わることはありませんでした。
(2) 平成29年5月19日付の司法行政文書不開示通知書によれば,平成22年11月頃,社会人で合格した修習生が民間企業などに身分を残したまま,休職扱いで修習できるよう,兼職許可の運用を見直した際に作成した文書は存在しません。

5 平成25年12月3日の第26回司法修習委員会議事録には以下の記載があります(吉崎幹事は,吉崎佳弥司法研修所事務局長のことです。)。
吉崎幹事から司法修習の実施状況等について報告がされた。
   また,同幹事から,前々回の司法修習委員会で,司法修習生に対する経済的支援の一環として,兼業許可の運用を緩和する方向で検討していることを報告したが,その後検討を進め,第67期修習生から兼業許可の運用を緩和することとした旨,具体的な兼業の許否の判断においては,これまでと同様に,業務内容や業務量,業務時間から見て,修習専念義務が定められた趣旨に反しないといえるかどうかの観点,すなわち,精神的・身体的負担が重いために修習への専念を困難にするかどうか,中立公正性の要請や守秘義務の関係で問題がないかどうかといった観点から,事例ごとに個別具体的な事情を確認した上で,兼業を許可するかどうか判断することとしている旨,これまでに,法科大学院における講義やゼミの講師,アシスタント等の教育指導のほか,司法試験予備校における答案添削,採点等,一般の学習塾における指導などの許可申請があり,現在までのところ,いずれについても,その内容,業務量,業務時間から見て,修習に支障が生じるようなものではなく,問題がないと考えられたことから,許可することとし,その旨の当該修習生への通知も行われている旨の報告がされた。同じく経済的支援措置の一環である移転料の支給については,第67期の修習生から,分野別実務修習の開始に当たって現住居地から実務修習地への転居を要する者本人について移転料を支給することとした旨の報告がされた。

6 司法修習生心得(昭和51年4月発行)末尾10頁及び11頁には「4 兼職,兼業の禁止」以下の記載があります。
司法修習生は,許可がない限り,兼業,兼職することができないものとされている。
   司法修習生は,前述のとおり,修習に専念すべき義務を負うものであるから,この禁止は当然のことであり,また2年間の修習は,兼業,兼職を可能にするほどなまやさしいものではない。司法研修所における前期修習中の起案が多すぎると批判しながら,他方において司法試験の答案練習を引き受けこれに相当の時間を費やしている事例があるが,論外である。アパート経営,たばこ小売業,各種の委員,役員に就任すること,家庭教師,右の司法試験の答案練習を継続して引き受けること等は,いずれも兼業または兼職に該当する。したがって,所定の許可を受けなければ,規律違反に問われることになる。

司法修習生の兼業許可の具体的基準を定めた文書は存在しないこと

兼業許可の具体的基準を定めた文書(=本件開示申出文書1)は存在しないことに関して,平成28年度(最情)答申第3号(平成28年4月14日答申)には以下の記載があります(ナンバリングをしたり,改行部分を増やしたりしています。)。

(1) 最高裁判所事務総長が提出した資料及び最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,司法研修所においては,修習資金の貸与制の対象である平成25年度以降の司法修習生については,兼業の許可に係る運用を従前より緩和し,申請及び許可の数も増加したものの,各申請に対する許否については,事例ごとに個別に判断しており,許可基準のようなものは作成していないとのことである。
   また,上記資料等によれば,緩和の前提として,政府に設置された法曹養成制度検討会議の最終取りまとめにおいて,法の定める修習専念義務を前提に,その趣旨や司法修習の現状を踏まえ,司法修習生の中立公正性や品位を損なわないなど司法修習に支障を生じない範囲において従来の運用を緩和し,司法修習生が休日等を用いて行う法科大学院における学生指導をはじめとする教育活動により収入を得ることを認めるべきとの提言がされ,平成25年7月16日に開催された法曹養成制度関係閣僚会議において上記提言を是認する内容の決定がされたという状況があったことが認められる。
   司法研修所事務局長が平成25年度以降の司法修習生採用内定者宛てに発出した兼業に関する事務連絡にも,これらの状況について言及されているが,許可にあたっては,「事例ごとに個別具体的な事情を確認する必要があるものの,その業務内容に照らし,休日等に行う限りにおいては,許可しても差し支えない場合が多いと考えられる」とあるだけで,具体的基準は示されていない。
(2)   そこで検討するに,司法修習生は,その修習期間中,その修習に専念しなければならないこととされ(裁判所法67条2項),最高裁判所の許可を受けなければ,他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うこと,すなわち兼職や兼業をすることができないものとされ(規則2条),修習専念義務が課されている。また,最高裁判所は,司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは,その司法修習生を罷免することができる(同法68条)とされており,司法修習生には品位保持義務が課されている。
   さらに,司法修習生は,修習にあたって知った秘密を漏らしてはならない(規則3条)とされ,高い識見と円満な常識を養い,法律に関する理論と実務を身につけ,裁判官,検察官又は弁護士にふさわしい品位と能力を備えるように努めなければならない(規則4条)とされているから,司法修習生は,その地位の性質上,当然に中立公正性を保持しなければならないということができる。
   そうすると,司法修習生から兼業の許可の申請を受けた最高裁判所としては,司法修習の性質上,その兼業の内容等が,上記のような裁判所法又は規則に定められた修習専念義務,品位保持義務及び中立公正性に抵触しないか否かを判断する必要があるということができ,これらが一種の基準となっていると解することができる一方,それ以上の詳細な具体的な基準を作成することは,兼業許可の制度の運用を硬直化することになりかねないとも考えられる。
   また,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,平成25年度の司法修習生及び平成26年度の司法修習生についての兼業許可については,上記の裁判所法又は規則上の義務等を考慮して個別に判断する方法で運用されているところ,その許否の判断は適切に行われていると認められる。
(3)   以上を総合すると,司法修習生の兼業許可については,上記の法令の基準に沿った運用がされていて,具体的な基準の定めはないが,それによって許可の事務に支障は生じていないと認められるから,具体的な基準を定めた文書は作成し,又は取得していないとする最高裁判所事務総長の説明は合理的であるということができる。
   したがって,最高裁判所において,本件開示申出文書1は保有していないものと認められる。

司法修習生の兼業の状況

1 平成29年6月19日付の司法行政文書不開示通知書によれば,以下の文書は存在しません。
① 59期から現行65期までの司法修習生に関する兼業許可の申請件数,許可件数,不許可件数及び取り下げ件数が分かる文書
② 新65期及び66期の司法修習生に関する兼業許可の申請件数,不許可件数及び取り下げ件数が分かる文書

2 平成29年6月19日付の開示文書によれば,新65期の兼業許可件数は2件であり,66期の兼業許可件数は1人です。

3(1) 平成28年7月8日の法曹養成制度改革連絡協議会の最高裁判所提出資料5「兼業許可の申請状況」によれば,兼業許可の状況は以下のとおりです。
①  67期の場合,272件の申請件数に対し,許可件数が254件,不許可件数が4件,取り下げ件数が14件でした。
②  68期の場合,304件の申請件数に対し,許可件数が288件,不許可件数が3件,取り下げ件数が13件でした。
(2) 67期の人が出した,某巨大ファストフード店で働きたいという趣旨の兼業許可申請は不許可になったみたいです(股旅ブログ「兼業許可申請不許可処分」(平成26年4月29日付),及び「兼業許可申請不許可処分-後日談-」(平成30年5月13日付)参照)。

4 平成28年1月31日現在の,第69期司法修習生の兼業に関する資料によれば,兼業許可の状況は以下のとおりです。
① 法科大学院等
   申請件数が 61件,許可件数が 56件,不許可件数が0件,取下げ件数が1件,審査中件数が4件
② 司法試験予備校等
   申請件数が103件,許可件数が101件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が2件
③ その他(教育関係)
   申請件数が 19件,許可件数が 18件,不許可件数が0件,取下げ件数が1件,審査中件数が0件
④ その他(教育関係を除く)
   申請件数が 16件,許可件数が  9件,不許可件数が3件,取下げ件数が4件,審査中件数が0件
⑤ 合計
   申請件数が199件,許可件数が184件,不許可件数が3件,取下げ件数が6件,審査中件数が6件

5 平成28年12月22日現在の,第70期司法修習生の兼業に関する資料によれば,兼業許可の状況は以下のとおりです。
① 法科大学院等
   申請件数が 53件,許可件数が 49件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が 4件
② 司法試験予備校等
   申請件数が144件,許可件数が133件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が11件
③ その他(教育関係)
   申請件数が 25件,許可件数が 23件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が 2件
④ その他(教育関係を除く)
   申請件数が 14件,許可件数が  9件,不許可件数が0件,取下げ件数が4件,審査中件数が 1件
⑤ 合計
   申請件数が236件,許可件数が214件,不許可件数が0件,取下げ件数が4件,審査中件数が18件

6(1) 平成29年5月12日付の司法行政文書不開示通知書によれば,65期から69期までについて,兼業許可を受けた司法修習生の平均月収が分かる文書は存在しません。
(2) 平成30年2月20日付の司法行政文書不開示通知書によれば,71期司法修習生の兼業許可の状況が分かる文書は存在しません。
(3) 平成31年3月 1日付の司法行政文書不開示通知書によれば,72期司法修習生の兼業許可の状況が分かる文書は存在しません。


* 楽天カードは,満18歳以上の人であれば,主婦,アルバイト,パート,学生でも作成できます。

7 35期の安浪亮介最高裁判所人事局長は,平成26年5月14日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しました。)。
① 司法修習生は、最高裁判所の許可を受けなければ、兼職、兼業を行うことができないとされております。政府の法曹養成制度関係閣僚会議の決定におきまして、法科大学院における学生指導を初めとする教育活動につきまして兼業を認めるべきとの提言がされたことなどを踏まえまして、最高裁におきましても、修習専念義務が定められた趣旨に反しないと考えられる一定の範囲で兼業許可の運用の緩和を図ったところでございます。
   具体的に申し上げますと、修習生の方から申請がされてまいります業務の内容、業務時間、業務量を踏まえまして、修習専念義務が定められた趣旨に照らして問題がないかという観点から事例ごとに個別に検討して、その許否を判断してまいってきているところでございます。
   資料にもございますとおり、平成二十六年、ことし四月末日までに、アルバイトの兼業許可がされたものが二百十五件、不許可となったものが二件でございます。許可をいたしましたものの圧倒的多数は、法科大学院や司法試験予備校での指導アシスタントあるいは答案の添削ということでございました。
   現在までのところで、兼業による司法修習への支障については承知していないところでございますが、この兼業許可の運用の緩和といいますのが、現在修習中の第六十七期の修習生から開始したばかりのところでございまして、修習への影響がどういうことになるのか、この辺もきちっと注視していく必要があると考えているところでございます。
② まず、修習専念義務と今回のアルバイトのような兼業、兼職の許可の運用の緩和の関係でございますけれども、修習専念義務といいますものは、修習生が、修習期間中、きちんと全力を挙げて修習に取り組むべきものということで、専念義務自体を緩和したというものではございません。
  一方で、修習生につきましては、最高裁判所の許可を受けなければ兼職、兼業を行うことができないと定められておりましたところでございます。政府の法曹養成制度関係閣僚会議の決定を踏まえまして、最高裁としても、修習専念義務が定められた趣旨に反しないと考えられる一定の範囲で兼業許可の方の運用を緩和したところでございます。
  それで、今委員御指摘の不許可にした事例についてでございます。
  ファストフード店におきましてアルバイトをしたい、こういう申請が出てまいったのはそのとおりでございます。ただ、申請書のその内容を見ますと、業務の内容、それから時間、実際にアルバイトをしたいという平日の夜の時間、それから休日等の時間、これを申請内容から見ますと、やはり過重なものに見えまして、修習に支障が生ずるおそれが高いと判断いたしまして不許可にしたものでございます。
   それから、民間企業からの出向という形での修習はできるのかという点でございますが、これまでも、民間企業に勤務する会社員等の方が、修習を終えれば当該企業に復職をすることが前提になっているというようなことで、一旦退職するのはやはり支障がある、こういうお話がございました。そういう話を踏まえまして、最高裁の方におきましても、無給で休職するということを前提で兼職の許可をしてまいったところでございまして、そういう例は何例かあるところでございます。
③ 次に、国家公務員の派遣型の研修ということで修習をしているのかという点でございます。
   これにつきましては、人事院が実施いたします一般職の国家公務員の国内研修制度の一環ということで、司法試験に合格いたしました行政官庁の職員が、人事院の事務官に身分を異動した上で、最高裁からの兼職の許可を得て司法修習を行う、こういう例がございます。
   ただ、この制度につきましては、公務員としての身分を有しており、有給で研修をしておるわけでございますけれども、二回試験の直前といいますか、その時点ではここの研修から退いてもらって、法曹資格は取得しない、こういう形での運用をしておるところでございます。
④ 委員の方から今御指摘があった公務員の派遣研修の点でございますが、先ほどの答弁の中で、一点訂正をさせていただきます。
   二回試験の前と申し上げましたけれども、二回試験の後まで修習を続けておりまして、ただし、法曹資格は取得しないという形で制度をつくっておるということでございます。

行政官国内研究員制度(司法修習コース)

1 行政官国内研究員制度(司法修習コース)は,各府省の行政官のうち,司法試験に合格している者を司法研修所に派遣して,司法の現場における理論と実務の研究に従事させることにより,複雑・高度化する行政に対応し得る専門的な法律知識等を修得させることを目的としています。

2(1) 行政官国内研究員(司法修習コース)派遣要綱(昭和63年2月9日付の人事院事務総長決定)を掲載しています。
(2)   研究員は,研究従事命令に基づき,司法修習生として専ら所定の研究に従事します。
ただし,二回試験初日の1ヶ月前までに,司法修習生としての退職願を人事院を通じて最高裁判所に提出し,二回試験終了日の翌日,司法修習生の身分を失いますから,司法修習生の修習を終了することができません。

3(1) 昭和63年度から平成25年度までの派遣研究員の総数は30人であり,年度ごとの内訳は,人事院HPにある平成25年度公務員白書のうち,「長期統計等資料4 行政官派遣研究員制度の年度別派遣状況(昭和41年度~平成25年度)」に載っています。
(2)   平成26年度以降の公務員白書にはなぜか,行政官国内研究員制度(司法修習コース)に関する記載がありません。

司法修習生が取り扱う裁判修習関連の情報のセキュリティ対策

1 「司法修習生が取り扱う裁判修習関連の情報のセキュリティ対策について」(平成20年12月25日付の司法研修所長通知)別紙第1によれば,情報をパソコンで取り扱うルールは以下のとおりです(「司法修習生に関連する法規及び通達」参照)。
   ただし,元の文章が図表のため,適当にナンバリングをしています。

(1) 情報を取り扱う前の指導担当裁判官への誓約と許可の申請
※ 裁判所内外を問わない。
※ パソコン環境が変更になっても,同様の誓約と許可が必要
→ 遵守事項
ア スタンドアロンパソコンを使用
※ インターネットやLANのいずれにも接続しないパソコンをいう。
イ スタンドアロンパソコンを用意できないとき
○ ウィルス対策の実施
○ ファイル共有ソフトの使用禁止
○ インターネットからの物理的切断(ケーブルを抜く。)
○ 外部記録媒体への保存(内蔵ハードディスク等の内部記憶媒体への保存禁止)
(2) 情報の利用に関するルール
◎ 修習以外の目的での利用禁止
◎ 指導担当裁判官以外への複製・配布の禁止
◎ 提供(他の司法修習生に対する提供を含む。)の禁止
◎ 各裁判修習終了の都度の速やかな消去
※ 修習目的で印刷し,紙媒体で保存することは妨げない。
◎ 機器廃棄の際の消去ソフトウェアによる消去や物理的破壊
(3) 情報の裁判所外への持ち出しに関するルール
◎ 修習以外の目的での裁判所外への持ち出し禁止
◎ 持ち出しに関する指導担当裁判官への個別の届出
→ 遵守事項
○ 持ち出す情報は,必要最小限度にする。
○ パスワードの設定(推測されやすいパスワードは不可)
○ 電子メールによる送信の禁止(外部記録媒体を利用)
○ 外部記録媒体運搬の際の紛失等に対する細心の注意(盗難,紛失対策の徹底)
(4) 裁判所内における私物パソコン使用に関するルール
◎ 裁判所内通信回線への接続禁止
★万一,USBメモリを紛失した場合,ウィルス感染した場合は,直ちに報告を(報告の遅れは命取り!)

2(1) 司法修習生がUSBメモリを紛失した場合,ニュースになることがあります(外部ブログの「司法修習生がリポート記録を紛失,佐賀地裁で修習中」参照)。
   そのため,仮に司法修習生がUSBメモリを紛失した場合,報告の遅れは命取りとなるみたいですから,ニュースになることを覚悟した上で直ちに指導担当裁判官に報告する必要があると思われます。
(2) NTTドコモ,au又はSoftBankの携帯電話を紛失した場合の対処法につき,外部HPの「会社の携帯電話を紛失した際の適切な対処法と始末書の例文」が参考になります。
(3) 裁判修習の場合,司法修習生が自分のパソコンを起案等の業務に使うわけですから,BYOD(Bring Your Own Device)に該当すると思われます。
   そして,BYODのリスクについては,外部HPの「思っているよりずっと怖い「BYOD」に潜むワナ」が参考になります。

3 パソコンに入っているシステムとしては,スタンドアローンシステム,クライアントサーバーシステム及びWEBシステムがあります(システム開発ブログ「システムの種類について – もしくは「WEBシステムってなに?」」参照)ところ,司法修習生のパソコンはスタンドアローンシステムであることとなります。

4 特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会の「2015年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」(平成28年6月17日発表)によれば,799件あった2015年個人情報漏洩インシデントにつき,その漏えい原因の件数及び比率は以下のとおりです。
① 紛失・置き忘れ:243件(30.4%)
② 誤操作:206件(25.8%)
③ 管理ミス:144件(18.0%)
④ 不正アクセス:64件(8.0%)
⑤ 盗難:44件(5.5%)
⑥ 不正な情報持ち出し:38件(4.8%)
⑦ 内部犯罪・内部不正行為:17件(2.1%)
⑧ 設定ミス:15件(1.9%)
⑨ バグ・セキュリティホール:12件(1.5%)
⑩ ワーム・ウィルス:10件(1.3%)
⑪ 目的外使用:2件(0.3%)
⑫ その他:1件(0.3%)

5 平成28年度(情)答申第6号(平成28年9月1日答申)における「苦情申出人の主張の要旨」には,以下の記載があります。
   東京地方裁判所は,外部の出版社等に対して判決書写しを定期的に貸与しており,外部の出版社等が判決内容を掲載する場合,事件関係者の氏名,住所等を仮名処理し,個人として特定できないようにすれば足りるとしている。また,外部の出版社等に対して民事第27部(交通部)の判決書写しを貸与するに際し,事件当事者から情報提供に関する同意書を取り付けていないものの,プライバシー侵害,守秘義務違反等を理由に事件当事者から抗議文を寄せられたことはない。

司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限

第1 司法研修所の職員配置図
1 バックナンバー

・ 平成31年4月22日現在
・ 平成30年4月 1日現在
・ 平成29年4月 1日現在
・ 平成28年4月 1日現在
・ 平成27年4月 1日現在

平成31年4月22日現在の司法研修所配置図

2 職員配置図の補足説明
(1) ダイヤルイン番号が消されているものの,職員配置図を見れば,誰がどの席に座っているかが分かります。
(2) 一部上席教官,民裁上席教官,刑裁上席教官及び検察上席教官の場合,個室となっているのに対し,民弁上席教官及び刑弁上席教官の場合,大きめの机に座っていることが分かります。
(3) 平成28年4月1日時点では,一部上席教官が38期の三角比呂裁判官,民裁上席教官が42期の花村良一裁判官,刑裁上席教官が40期の細田啓介裁判官,検察上席教官が41期の畝本毅検事でした。

第2 司法研修所の各施設の配置
1 総論
(1) 司法研修所の敷地は,埼玉県和光市と東京都練馬区にまたがっていますところ,本館が埼玉県和光市に所在することから,敷地全体の住所が埼玉県和光市になっていると思われます。
(2) 司法研修所の各施設の配置図と,司法研修所の便利マップを比較すれば,地図上のそれぞれの施設の所属は以下のとおりであることが分かります。
2 埼玉県和光市にあるもの
① 本館

・ 司法研修所の写真でよく出てくる建物ですが,司法修習生の教室はありません。
・ 1階には経理課経理係,管理係,用度係等があり,2階には刑事弁護教官室等があり,3階には民事弁護教官室,検察教官室等があり,4階には民裁教官室,刑裁教官室等があり,5階には総務課人事係,庶務係等があります。
② 東館
・ 69期導入修習の場合,演習室が14組の教室として,第1研究室が15組の教室として,大研究室が16組の教室として,第2研究室が17組の教室として使用されました。
③ 西館
・ 司法修習生の教室の大部分は西館の1階から4階にあります。
・ 1階には企画課企画2係,調査係等があります。
④ 図書館棟
・ 69期導入修習の場合,多目的ホールが18組の教室として使用されました。
・ いずみ寮に入寮した場合,西館の教室に通う際,毎日,図書館棟を通過することとなります。
・ 1階西側に書店及び売店があり,2階に食堂があり,3階に図書室があります。
⑤ 体育館

司法研修所事務局各課事務室等の案内

2 東京都練馬区にあるもの
① いずみ寮A棟
② いずみ寮B棟
③ グラウンド
④ テニスコート

3 埼玉県和光市と東京都練馬区にまたがっているもの
① 大講堂
② ひかり寮(裁判官宿泊棟)

第3 平成24年8月当時の門限
1 司法研修所の正門,東門,西門,南門及び北門の位置関係については,司法研修所配置図(案内図)を参照して下さい。
2 
司法研修所における事務の取扱いについて(新第65期)(平成24年8月)の別紙第3によれば,それぞれの門扉の当時の開閉時刻は以下のとおりです。
① 正面玄関
   平日は8時から21時までであり,休日は終日閉鎖

② 正門
   平日は8時から18時30分までであり,休日は終日閉鎖

司法研修所正門(写真の真ん中奥が正面玄関です。)

③ 東門
・ 車出入口
   平日は8時から21時までであり,休日は終日閉鎖
・ 歩行者出入口
   平日は終日開放であり,休日は終日閉鎖

司法研修所東門

④ 西門
   平日は11時40分から12時40分まで,及び16時45分から19時までであり,休日は終日閉鎖


司法研修所西門

⑤ 南門
   平日は8時から10時までであり,休日は終日閉鎖

司法研修所南門

⑥ 北門
・ 車出入口
   平日は6時から23時までであり,休日は6時から23時まで
・ 歩行者出入口
   平日及び休日ともに,終日開放

司法研修所北門(左側が歩行者用出入口であり,右側が車出入口です。)

*1 西門及び南門の開錠は,司法修習生が通所する期間のみとし,それ以外の期間は終日閉鎖する。
*2 司法修習生は,夜間,休日等の入構時に身分証明書又はバッジの提示が必要である。

司法研修所の教官組別表,教官担当表及び教官名簿

1 最新版
(1) 私の手元にある最新版は以下のとおりです。
① 第72期教官担当表(平成31年4月)
② 第72期司法修習生の教官組別表(導入修習時)
③ 司法研修所の教官名簿(令和元年8月2日現在)
(2) 司法修習生に配布されるのは②教官組別表だけです。

司法研修所の教官名簿(令和元年8月2日現在)

2 教官組別表のバックナンバー
・ 第66期司法修習生の教官組別表
・ 第67期司法修習生の教官組別表
・ 第68期司法修習生の教官組別表
・ 第69期司法修習生の教官組別表(A班集合修習時まで)及び第69期司法修習生の教官組別表(B班集合修習時)
・ 第70期司法修習生の教官組別表(導入修習時)
・ 第71期司法修習生の教官組別表(導入修習時)
 第72期司法修習生の教官組別表(導入修習時)

3 教官担当表のバックナンバー
・ 第70期教官担当表(平成28年10月11日付)
・ 第71期教官担当表(平成29年10月13日付)第71期教官担当表(平成30年4月以降)
・ 第72期教官担当表(平成30年10月12日付)

4 教官名簿のバックナンバー
(1) 平成27年度
・ 平成27年1月23日現在のもの,平成27年2月1日現在のもの,平成27年4月1日現在のもの及び平成27年6月29日現在のもの
(2) 平成28年度
・ 平成28年 8月 1日現在のもの
・ 平成28年10月24日現在のもの,及び平成29年2月1日現在のもの
→ 生年月日及び出身大学の欄がなくなりました(平成29年10月10日付の司法行政文書不開示通知書参照)。
(3) 平成29年度
・ 平成29年 4月 1日現在のもの
・ 平成30年 1月29日現在のもの
(4) 平成30年度
・ 平成30年 4月 1日現在のもの
・ 平成30年 7月 4日現在のもの
・ 平成30年 7月18日現在のもの
・ 平成30年10月31日現在のもの
(5) 平成31年度
・ 平成31年 4月10日現在のもの

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① 司法研修所教官
② 司法研修所弁護教官の任期,給料等
③ 司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限

司法研修所教官

目次
1 総論
2 司法研修所教官等の身分
3 判事補又は検事への採用希望者に対し,法律事務所等の内定を求めるような指導はしていないこと
4 司法研修所教官は出世コースの一つであること
5 在任中に死亡した司法研修所教官の出勤状況が分かる文書は存在しないこと等
6 その他
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1 総論
(1) 単に司法研修所教官といった場合,司法修習生の修習を担当する司法研修所第二部の教官をいいます。
(2) 司法研修所第二部の教官として,裁判官出身の民事裁判教官及び刑事裁判教官,検察官出身の検察教官,並びに弁護士出身の民事弁護教官及び刑事弁護教官がいます。

2 司法研修所教官等の身分
(1)   司法研修所長,司法研修所事務局長及び司法研修所教官は本来,裁判官以外の裁判所職員です(裁判所法55条及び56条,並びに司法研修所規則3条2項参照)。
   しかし,現実の運用では常に裁判官をもって充てられています(司法研修所長及び司法研修所事務局長につき司法行政上の職務に関する規則1項,民事裁判教官及び刑事裁判教官につき裁判所法附則3項(裁判所法等の一部を改正する法律(昭和24年6月1日法律第177号)による改正後のもの))。
(2)ア 検察官及び弁護士が司法研修所教官に就任できる法的根拠は司法研修所規則2条です。
イ   司法研修所規則2条は以下のとおりです。
   最高裁判所は、必要があると認めるときは、裁判官、検察官、弁護士又は学識経験のある者に司法研修所教官の事務の一部を嘱託する。

3 判事補又は検事への採用志望者に対し,法律事務所等の内定を求めるような指導はしていないこと
(1) 判事補への採用志望者の場合
・ 根拠となる文書は以下のとおりです。
① 平成31年 2月21日付の不開示通知書
② 平成31年 4月16日付の理由説明書
③ 令和 元年10月25日付の補充理由説明書




(2) 検事への採用志望者の場合
・ 根拠となる文書は以下のとおりです。
① 平成31年 2月20日付の不開示通知書
② 平成31年 4月16日付の理由説明書
③ 令和 元年10月25日付の補充理由説明書


4 司法研修所教官は出世コースの一つであること
   西川伸一Online「幹部裁判官はどのように昇進するのか」の7頁に以下の記載があるとおり,司法研修所の裁判教官は裁判所内における出世コースの一つです。
   司法研修所長とはもちろん、裁判官の研究・修養(第一部)と司法修習生の修習(第二部)のために最高裁が設置する司法研修所のトップである。このポストにも代々裁判官が就いている。所長のみならず、第一部教官や第二部の民事裁判官教官および刑事裁判官教官となって裁判官が司法研修所に出向している。司法研修所教官も有望ポストとみなされている。さらに司法研修所付(「所付」とよばれる)となる裁判官もいる。当然、彼らは裁判実務には携わらない。

5 在任中に死亡した司法研修所教官の出勤状況が分かる文書は存在しないこと等
(1) 裁判所職員採用試験HPに掲載されている,50期の鈴木千帆裁判官のメッセージには,「裁判所は,ひとりひとりを大切にする組織です。」と書いてあります。
   しかし,42期の花村良一司法研修所民事裁判上席教官は,平成28年9月29日に死亡しましたところ,死亡した月の出勤状況が分かる文書は存在しないことになっています平成28年11月4日付の司法行政文書不開示通知書平成28年12月2日付の最高裁判所事務総長の理由説明書及び平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)参照)。
(2)ア 平成29年10月31日付の司法行政文書不開示通知書によれば,花村良一裁判官の急死を原因として遺族から国家賠償請求訴訟を提起される可能性があることについて最高裁がどのように考えているかが分かる文書の存否を答えることは,不開示情報である個人識別情報を開示することとなるので,同文書の存否を答えることはできません。
イ 平成29年12月19日付の司法行政文書不開示通知書によれば,花村良一裁判官の死亡を原因として遺族から国家賠償請求訴訟を提起される可能性があることについて最高裁がどのように考えているかが分かる文書は存在しません。

6 その他
(1) 
平成29年6月14日付の司法行政文書不開示通知書によれば,司法研修所弁護教官室が,弁護教官の人数を増やしてほしいという趣旨で提出した意見書は存在しません。
(2) 日弁連は,昭和50年5月24日の第26回定期総会において,「司法研修所弁護教官の選任及び新任拒否に関する決議」を採択しました。
   その原因は,昭和50年4月,最高裁が,司法研修所弁護教官の選任について,日弁連と協議することなく,日弁連の推薦順位を無視したこと等にあります。
(3) 平成30年12月27日付の理由説明書には以下の記載があります。
   司法研修所教官は,修習状況の視察を行うことはあるものの,その視察は各教官が担当するクラスの指導に関わるものであり,事務局やその他の者に対し報告を要するものではない。

7 関連記事
① 司法研修所の教官組別表,教官担当表及び教官名簿
② 司法研修所弁護教官の任期,給料等
③ 司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限

司法修習生と国民年金保険料の免除制度及び納付猶予制度

目次
1 71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入すること
2 国民年金保険料の免除申請
3 国民年金保険料の納付猶予申請
4 国民年金保険料の免除又は納付猶予の共通事項
5 国民年金保険料の追納制度
6 生計を一にする親による国民年金保険料等の支払
7 日本弁護士国民年金基金
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1 71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入すること
(1) 新65期以降の司法修習生裁判所共済組合に加入できないこと
   新65期以降の司法修習生は,国家公務員でない上,国から給与を受けない者(国家公務員共済組合法施行令2条2項4号参照)であるため,国家公務員共済組合法2条1項1号所定の「職員」には該当しません。
   そのため,新65期以降の司法修習生は裁判所共済組合に加入できなくなりました。
(2) いずれのケースであっても,71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入すること
ア 採用直前の時点で国民年金の第1号被保険者であった場合
   司法修習生に採用された後も国民年金の第1号被保険者のままです。
イ 採用直前の時点で国民年金の第2号被保険者(例えば,会社員)であった場合
   遅くとも司法修習生に採用される前に勤務先を退職する必要がありますから,その時点で第1号被保険者として国民年金に加入することとなります。
   そして,司法修習生に採用された後も国民年金の第1号被保険者のままです。
ウ 採用直前の時点で国民年金の第3号被保険者(例えば,配偶者が会社員をしている場合の専業主婦又は専業主夫)であった場合
   修習給付金の支給を受けられるようになりますから,第2号被保険者(例えば,会社員の夫)の収入により生計を維持する者(国民年金法7条1項3号)ではなくなります。
   そのため,第3号被保険者としての資格を失う結果,司法修習生に採用された時点で第1号被保険者として国民年金に加入することとなります。
エ したがって,いずれのケースであっても,71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入することとなります。
(3) 国民年金への加入手続
ア   第2号被保険者であった場合
   本人又は世帯主が,住所地の市区役所又は町村役場において,年金手帳又は基礎年金番号通知書のほか,退職年月日が分かる書類(例えば,離職票)を持参して,退職日の翌日から14日以内に国民年金への加入手続を行う必要があります(日本年金機構HPの「国民年金に加入するための手続き」参照)。
イ 第3号被保険者であった場合
(ア) 市区役所等での加入手続に加えて,配偶者である第2号被保険者の勤務先を通じて年金事務所に対し,被扶養配偶者非該当届(文書の表題は「国民年金第3号被保険者関係届」であり,日本年金機構HPの「「被扶養配偶者非該当届」について」に掲載されています。)を提出する必要があります(一連の届出を「種別変更の届出」といいます。)。
(イ) 第3号被保険者であった人が司法修習生に採用された後も第3号被保険者のままでいて,弁護士登録をした時点で第1号被保険者への切り替えを行った場合において,司法修習が終了した日から2年以上が経過した場合,司法修習生であった期間がそのまま未納期間となり,無年金又は年金減額につながります(「第3号被保険者の不整合記録問題」です。)。
   ただし,「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」を年金事務所に提出すれば,「時効消滅不整合期間」が特定期間(年金の受給資格期間として算入されるものの,支給される年金には反映されない期間(いわゆるカラ期間))となります。
(ウ) 政府広報オンラインの「会社員などの配偶者に扶養されている方、扶養されていた方(主婦・主夫)へ知っておきたい「年金」の手続」(令和元年7月12日付)が参考になります。

法務省作成の,令和元年6月18日の参議院文教科学委員会の国会答弁資料

2 国民年金保険料の免除申請
(1) 本人,世帯主及び配偶者の前年所得(令和元年11月採用の73期司法修習生の場合,平成30年所得)が一定額以下の場合,国民年金保険料の免除制度に基づき,申請をすることにより全額又は一部を免除してもらえます。
(2) 国民年金保険料の免除制度は,同居している親に一定額以上の所得がある場合は利用できません。
(3) 国民年保険料の免除を受けた場合,免除期間が老齢基礎年金の額に反映されますし,年金の受給資格期間に反映されます。
(4) ちなみに,平成31年4月以降,次世代育成支援の観点から,国民年金第1号被保険者が出産を行った場合,住民登録をしている市区役所・町村役場の国民年金担当窓口に届書を提出することにより,出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除されるようになりました(日本年金機構HPの「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」参照)。

3 国民年金保険料の納付猶予申請
(1) 本人及び配偶者の前年所得(令和元年11月採用の73期司法修習生の場合,平成30年所得)が一定額以下であり,本人が50歳未満である場合,国民年金保険料の納付猶予制度に基づき,申請をすることにより全部の納付を猶予してもらえます。
(2)ア 国民年金保険料の猶予申請制度を利用する場合,同居している親の所得は関係ありませんから,50歳未満の司法修習生本人及びその配偶者の前年所得が一定額以下であるだけで利用できます。
イ 例えば,50歳未満で独身の73期司法修習生の場合,平成30年の所得が一定額未満であれば令和元年の国民年金保険料について納付猶予申請ができますし,令和元年の所得が一定額未満であれば令和2年の国民年金保険料について納付猶予申請ができます。
(3) 国民年保険料の納付猶予を受けた場合,猶予期間は老齢基礎年金の額に反映されないものの,年金の受給資格期間に反映されます。

4 国民年金保険料の免除又は納付猶予の共通事項
(1) 日本年金機構HPの「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」に一通りの説明が書いてあります。
(2) 住民登録をしている市区役所・町村役場の国民年金担当窓口で申請をする必要があります。
(3)ア 必要書類は以下のとおりです。
① 必ず必要なもの
・ 年金手帳又は基礎年金番号通知書
② 場合によって必要なもの
・ 前年(又は前々年)所得を証明する書類
→ 7月以降に申請をする場合は前年の,6月以前に申請する場合は前々年の書類が必要です。
・ 所得の申立書
→ 所得についての税の申告を行っていない場合に必要となります。
イ 平成26年10月以降,前年(又は前々年)の所得額が57万円以下であることの申立てを免除等申請書の「前年所得」欄に記入することにより,所得の状況を明らかにすることができる書類の添付を省略できるようになりました(日本年金機構HPの「国民年金保険料の免除等申請手続きの簡素化」参照)。
(4) 平成26年4月以降,保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1ヵ月前までの期間)について,さかのぼって免除又は納付猶予を申請できるようになりました(日本年金機構HPの「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」参照)。

5 国民年金保険料の追納制度
(1) 国民年金保険料について免除又は納付猶予を受けた場合であっても,過去10年分の国民年金保険料を追納することができます(日本年金機構HPの「国民年金保険料の追納制度」参照)。
(2) 過去2年分の国民年金保険料を追納する場合,追納加算額がありません。
   そのため,国民年金保険料について免除又は納付猶予を受けた上で,判事補又は検事となったり,弁護士となったりしてそれなりの所得が発生した後に国民年金保険料を追納した方が,司法修習生時代にお金を手元に残しておくことができますし,将来,社会保険料控除による節税額を大きくすることができます。

6 生計を一にする親による国民年金保険料等の支払
(1) 生計を一にする親に国民年金保険料及び国民健康保険料を支払ってもらった場合,親の社会保険料控除の対象となります(国税庁タックスアンサーの「No.1130 社会保険料控除」参照)。
(2) 国税庁HPの「生計を一にする」には以下の記載があります。
生計を一にする
日常の生活の資を共にすることをいいます。
会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、①生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、②日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

7 日本弁護士国民年金基金
(1) 二回試験に合格して弁護士登録をした場合,弁護士会の新人研修等の際に,日本弁護士国民年金基金への加入を勧誘されるようになります。
(2) ①日本弁護士国民年金基金の取扱いとして,平成7年3月31日までに加入した弁護士の予定利率は現在でも5.5%であるにもかかわらず,平成26年4月1日以降に加入した弁護士の予定利率は1.5%となっていること,②平成30年3月期における20~29歳の加入者は156人であること(加入者全体の1.8%),及び③いったん加入した場合,減口はできるものの,1口目の任意解約はできないこと等については,「日本弁護士国民年金基金」を参照してください。

日本弁護士国民年金基金の総括表(平成31年3月22日の第6回財政再計算報告書からの抜粋)

日本弁護士国民年金基金の年齢階級別加入者数及び平均掛金額(平成30年3月期)

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② 修習給付金に関する司法研修所の公式見解を前提とした場合の,修習給付金に関する取扱い
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④ 修習給付金は必要経費を伴う雑所得であると仮定した場合の取扱い
⑤ 修習給付金の確定申告に関する記事の一覧

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導入修習カリキュラムの概要

1 平成27年7月の司法修習生指導担当者協議会における司法研修所の配付資料を丸写ししたものにつき, 「68期導入修習カリキュラムの概要」を参照してください。

2 中身は真っ黒ですが,69期以降の導入修習カリキュラムの概要を以下のとおり掲載しています。
・ 72期導入修習カリキュラムの概要
・ 71期導入修習カリキュラムの概要
・ 70期導入修習カリキュラムの概要
・ 69期導入修習カリキュラムの概要

3(1) 平成27年11月17日の第30回司法修習委員会では「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料53)(68期)が配布されました。
(2) 平成28年11月15日の第32回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料63)(69期)が配布されました。
(3) 平成29年11月2日の第34回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料69)(70期)が配布されました。
(4) 平成30年11月12日の第36回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料72)(71期)が配布されました。

4 「導入修習の日程予定表及び週間日程表」も参照してください。

法務行政修習プログラム(選択型実務修習)

1 法務行政修習プログラム関係文書を以下のとおり掲載しています。
・ 令和 元年の法務行政修習プログラム関係文書(72期選択型実務修習)
・ 平成30年の法務行政修習プログラム関係文書(71期選択型実務修習)
・ 平成27年の法務行政修習プログラム関係文書(68期選択型実務修習)

2 68期司法修習生が参加した平成27年度法務行政修習プログラムのうち,B班の日程は以下のとおりでした。
9月7日(月)
(法務総合研究所第3教室)
9:30~9:45 オリエンテーション
9:50~10:40 刑事局の組織・所管事務(法務省刑事局)
10:50~12:30 法律が成立するまでの手続,新規立法,罰則審査等(法務省刑事局)
12:30~13:30 休憩
13:30~14:00 法律問題演習事前配布・説明(法務省刑事局)
14:10~14:20 法務総合研究所の組織・所管業務について(法務総合研究所)
14:20~15:00 犯罪白書と犯罪情勢について(法務総合研究所)
15:00~15:40 国連アジア極東犯罪防止研修所について(法務総合研究所)
15:50~17:20 出入国管理行政について(法務省入国管理局)
9月8日(火)
(東京法務局8階専用会議室)
9:30~10:20 不動産登記と筆界特定制度について(東京法務局)
10:20~10:40 商業・法人登記制度について(東京法務局)
10:40~11:00 成年後見登記制度について(東京法務局)
11:00~11:30 庁内見学
11:30~13:10 移動・休憩
(法務総合研究所第3教室)
13:10~15:40 民事立法と民事法務行政について(法務省民事局)
15:50~17:20 矯正の現状について(法務省矯正局)
9月9日(水)
(法務総合研究所第3教室)
9:30~12:00 法律問題演習(法務省刑事局)
12:00~13:00 休憩
13:00~14:30 訟務制度について(法務省訟務局)
14:40~16:10 人権擁護行政について(法務省人権擁護局)
16:20~17:50 更生保護行政について(法務省保護局)
9月10日(木)
(法務総合研究所第3教室)
9:30~12:00 債権法の改正について(法務省民事局)
12:00~14:00 移動・休憩
(東京拘置所)
14:00~16:00 施設見学(東京拘置所)
9月11日(金)
(東京入国管理局)
9:30~11:30 業務概況説明及び施設見学(東京入国管理局)
11:30~13:30 移動・休憩
(法務総合研究所第3教室)
13:30~14:30 法制度整備支援の概要(法務総合研究所)
14:40~15:20 オリエンテーション(法務総合研究所)


3 72期の場合,B班の法務行政修習プログラムは令和元年9月2日(月)~6日(金)に実施され,A班の法務行政修習プログラムは令和元年10月7日(月)~11日(金)に実施されました。