目次
1 弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由
2 資格審査会
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1 弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由
(1) 弁護士会は,日弁連に対する登録又は登録換えの請求を受けても,その会の会員として,弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれのある者については,その進達を拒絶することができます(弁護士法12条)。
また,日弁連は,弁護士会から登録又は登録換えの請求の進達を受けても,独自に登録又は登録換えを拒絶することができます(弁護士法15条)。
(2) 登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由は以下のとおりです(弁護士業務ハンドブック(平成24年)12頁及び13頁参照)。
① 弁護士会の秩序又は信用を害するおそれがある者(弁護士法12条1項前段)
・ 弁護士となる資格を有する者でも,刑事事件又は懲戒処分の有無にかかわらず,著しい非行があった者,非弁護士活動をしていた者,登録請求前の勤務先や登録請求前の弁護士会において非行や紛議があった者等が,これに該当する可能性があります。
・ 禁固以上の刑に処せられたが,執行猶予期間の満了によって弁護士となる資格となる回復した者であっても,その犯罪事実が弁護士業務に関連する非行である場合,事案の性格,執行猶予期間満了後の事情等を考慮されて,直ちに登録が認められる例は少ないです。
これらの場合,弁護士会の指導監督に服することが期待できず,弁護士会の信用をも害することが予想されるからです。
・ 登録の請求の進達を求める者について,弁護士会の統制を乱すおそれがある場合,著しい非行がある場合,その者の入会によって一般会員の体面を損なうおそれがある場合その他あらゆる事由が,審査の対象となりえます(東京高裁平成3年9月4日判決)。
② 心身に故障があって,弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者(弁護士法12条1項後段1号)
・ 精神的又は身体的な機能の欠陥が,依頼者又は裁判所等に対する弁護士としての職責を全うできない程度に著しい場合をいいます。
・ 適当な介添人を付するなどして身体的障害を補える場合,12条1項後段1号に該当しません(東京高裁昭和53年2月21日判決参照)。
③ 懲戒の処分によって除名等された者が,その処分を受けた日から3年を経過して請求したときに,弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者(弁護士法12条1項後段2号)
・ これらの懲戒処分を受けた者は,3年を経過するまでは弁護士となる資格がない(弁護士法7条3号)ところ,その期間経過後でも処分の理由となった事案の性格,処分後の事情等によって,依然として弁護士の職務を行わせることがふさわしくない場合,進達を拒絶されます。
④ 登録又は登録換えの請求前1年以内に当該弁護士会の地域内において常時勤務を要する公務員であった者で,その地域内において弁護士の職務を行わせることが特にその適正を欠くおそれがある者(弁護士法12条2項)
・ これは,主として裁判官,検察官がその勤務地において相当な社会的知名度を得てから辞職し,直ちに弁護士を開業して,その在官当時の影響力を不当に利用したりすることがないように配慮したものであり,弁護士としての職務の公正さを保持しようとするとともに,公務員の在官中の職務の公正さを担保しようとするものです。
(3) 弁護士会は,弁護士法に基づいて,国の機関の指揮及び監督を受けることなく(同法第3章,第5章,第7章,第8章参照),弁護士等に対する指導及び監督等に関する事務を行う法人であり,弁護士会の資格審査会は,弁護士名簿登録請求の進達拒絶という公権力の行使に関わる機関として弁護士法によって設置されたものであるところ,弁護士会の会長は同会の代表者であり(同法35条1項),また,資格審査会の会長は同資格審査会の会務を総理する者であって(同法54条1項),いずれも刑法その他の罰則の適用については法令により公務に従事する職員とみなされていること(同法35条3項,54条2項)を併せ考えると,弁護士会の会長及び弁護士会の資格審査会の会長として弁護士名簿登録請求の進達拒絶に関与する行為は,国家賠償法1条1項にいう「公共団体の公権力の行使にあたる公務員」としての行為に該当すると解されています(大阪高裁平成22年5月12日判決)。
そのため,弁護士会の会長及び弁護士会の資格審査会の会長は個人として不法行為責任を負うことはないと解されています(大阪高裁平成22年5月12日判決。なお,公務員個人が不法行為責任を負わないことに関する最高裁昭和30年4月19日判決,最高裁昭和53年10月20日判決参照)。
これからは弁護士登録請求の審査をする人は山中先生のブログを確認すること。
— 古家野 彰平 (@shoheikoyanolaw) May 4, 2021
【ブラック法律事務所】
①薄給。
②個人受任不可(事務所受任強制)。
③会費個人負担。
④人格否定的「かわいがり」。
⑤長時間労働の称賛。
⑥負け筋はイソ弁、勝ち筋はボス。
⑦弁護士・事務員の出入りが激しい。究極的にはボスとの相性ですが、一般化すると以上のとおりかな。
— 原孝至(弁護士・辰已専任講師) (@TakashiHara1) September 3, 2017
ビジネス上のコミュニケーションには「相手に理解してもらう」ためのものと「相手に一定の事項を伝え、伝えたことを証拠に残す」ためのものがある。前者なら長過ぎるメールは御法度で、読みたくなる長さにすべきだが、後者なら留保事項等を盛り込んで長くなるのは理解できる。 #新人法務パーソンへ
— QB被害者対策弁護団団員ronnor✌︎(‘ω’✌︎ ) (@ahowota) March 24, 2017
2 資格審査会
(1) ①進達の拒絶,②請求の拒絶又は③弁護士会による登録取消しの請求をする場合,当該弁護士会又は日弁連は,資格審査会の議決に基づいてする必要があります(弁護士法12条1項,13条1項,15条1項)。
この場合,速やかに本人にその旨及び理由を書面により通知されます(弁護士法12条3項,13条2項及び15条2項)。
(2) 大阪弁護士会資格審査会については,大阪弁護士会資格審査手続規程(会規第38号)で定められています。
(3) 日弁連資格審査会については,資格審査手続規程で定められています。
(4) 資格審査会の委員は,弁護士,裁判官,検察官及び学識経験のある者の中から,それぞれ日弁連又は弁護士会の会長が委嘱します(弁護士法52条3項前段)。
この場合,①裁判官又は検察官である委員はその地の高等裁判所若しくは地方裁判所又は高等検察庁検事長若しくは地方検察庁検事正の推薦に基づき,②その他の委員は総会の決議に基づき,委嘱する必要があります(弁護士法52条3項後段)。
ただし,任期が2年であること(弁護士法52条4項)とあいまって,予備委員の選任(弁護士法53条)も含めて,毎年5月の定時総会決議において,選任に関する事項は理事会又は常議員会に白紙委任されています。
およそ失当である、など過剰な表現を使うと、そういった表現をしないと相手の主張に反論できない事案なのか、と思ってしまう
過剰な表現はプラスにはならない
客観的な事実の積み上げが重要
深夜であったり徹夜であったりして作成した書面は過激になりがちなのでしばし寝かせて昼間に読み返せ— 坂本正幸💉 (@sakamotomasayuk) February 18, 2017
とりあえずわからないことは聞く、人に頼る、余裕のあるときほど休みをとる、意味不明なこと言ってくる人はちくわ耳でスルー、そしてこれらのことに罪悪感を抱かない。
自分がいなくなっても職場に代わりはいるけど、自分自身の代わりはどこにもいないことを肝に銘じる。#新社会人へのアドバイス— Nikov (@NyoVh7fiap) April 1, 2018
3 関連記事
・ 弁護士登録の請求
・ 弁護士登録番号と修習期の対応関係
・ 判事補及び検事の弁護士職務経験制度
・ 日弁連の会費及び特別会費
もうこれ書くの5回目ぐらいかもだけど、我が人生三訓
1. 好きなことで稼ぐのは難しいが得意なことで稼ぐのは簡単
2. 給与の多寡は需要と供給や環境や運に主に左右されるので他人と比べてクヨクヨするな
3. お金の余裕は心の余裕— TJO (@TJO_datasci) April 13, 2017
(お断りの言葉)
依頼/依頼者が大変そうなときの例文
1、専門外です
2、忙しくて受任できません
3、私では勝てません
4、はっきり言ってうちは高いです
5、(難件での法テラス希望につき)法テラスに申し込んで下さい
6、最近疲れがたまっていて…
7、いい弁護士紹介しましょうか— 大貫憲介 (@SatsukiLaw) June 7, 2017
元ボスも、勢いで独立して、最初の数ヶ月は電話が鳴らず「こんなはずでは」となったけど、今では新橋にでかい事務所を構えてる。
元ボスからは「独立するならできるだけ金借りろ。ただし手をつけるな。そして、最初こそ目先の金のために仕事受けるな」と念を押された。
その通りかなと思う。— たろう teacher (@tomo_law_) June 10, 2017
新人に書面を作ってもらい、これをレビューすると、書面を作る際に自分が無意識で心がけていることが自ずと言語化する必要性に迫られる。
顕著なのは体裁や書式。
内容は練られていても体裁や書式によって受ける印象が異なり、任意交渉の場面では結構相手方本人が受ける印象が変わっていると思う。— みのちき (@Alicandros) June 19, 2022