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mintsのシステム送達と期限管理―応訴・通知メール・電子判決書・控訴期間

第1 本記事の位置付け

本記事は,システム送達を受ける旨の個別届出・包括届出及び担当訴訟代理人,送達の効力発生時期,被告側の応訴,通知メール並びに控訴期間の管理を扱う分割記事である。代理人ではなく被告本人が紙の訴状を受け取った後の対応は,mintsで被告になった本人の対応を参照されたい。

mintsの全体像と論点別の入口は,mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&Aにまとめている。

画面上のクリック,入力,アップロード,ダウンロードその他の操作手順は,mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~の解説を参照されたい。

証拠の提出方法,証拠説明書の作成及び証拠原本の取扱いは,mints後の証拠説明書を参照されたい。

第2 送達と応訴

1 訴状等の送達方法

電子申立てされた訴状は,電磁的訴訟記録になる。送達方法は2つある(準備の手引17頁)。

(1) 出力書面による送達

原告が,記録一覧画面のデータをダウンロード・印刷して出力書面を作る。これを裁判所に提出する。被告にあらかじめ代理人が就く場合等を除き,訴状の送達はこの方法が多い(改正民訴規則第58条第1項。準備の手引17頁)。

(2) システム送達

被告にあらかじめ代理人が就く場合や,包括届出がある場合に選択されうる。被告が訴状の送達を受ける前に「システム送達を受ける旨の届出」をしている場合は,出力書面によらず,システム送達をすることができる(改正民訴法第109条の2第1項ただし書,改正民訴規則第58条第2項)。届出がある場合は,閲覧・ダウンロードが可能となる措置がとられた旨が,届け出られた電子メールアドレスに通知される(改正民訴法第109条の2第2項・第3項,改正民訴規則第45条の2)。届出義務者が届出をしていない場合の特例は,後記3のとおりである。

システム送達の対象は,法律上送達を要する書類に限られない。大阪地方裁判所が作成した操作説明資料②21頁は,裁判所書記官が当該事件情報にアップロードしたファイルは全てシステム送達され,送達を受けるべき者だけでなく当該事件情報に関連付けされている者全員にシステム送達される,と説明している。
同資料③14頁も,裁判所が調書等のファイルをアップロードした場合に,当該事件情報に関連付けされている者全員へ通知が届き,これらのファイルを常時閲覧・ダウンロードできるとしている。
自分が名宛人となる書類だけが送達されるという前提で期限を管理してはならない。

なお,委任を受けた訴訟代理人(改正民訴法第54条第1項ただし書の訴訟代理人を除く。)等,同法第132条の11第1項各号に掲げる者は,システム送達を受ける旨の届出をしなければならない(同条第2項)。届出を欠くと,事件情報への関連付けが解除されることもある。

電子呼出状は,裁判所書記官が,裁判長の指定した期日への出頭を告知するため,出頭すべき日時及び場所を記録して作成し,裁判所のファイルに記録する電磁的記録である(民訴法94条1項1号・2項)。通知メール自体を電子呼出状と呼ぶものではない。

電子呼出状の送達にも,出力書面による送達とシステム送達の区別がある(民訴法109条・109条の2)。「電子呼出状」という名称だけで,必ずmints上で送達されると考えることはできない。呼出方法による期日請書の要否は,mintsで期日請書を提出する方法を参照されたい。

2 個別届出・包括届出・担当訴訟代理人

(1) 個別届出と包括届出

システム送達を受ける旨の届出には,特定の事件ごとに提出する個別届出と,改正民訴法が適用される全事件を対象とする包括届出がある。

個別届出書を提出する場合は,事件番号,提出先裁判所,届出日,届出者の立場・氏名及び自己の当事者IDを記載した書式をPDF化し,対象事件の記録一覧のアップロード画面から,ファイル種別「その他」を選択して提出する(準備の手引40頁)。通知先は,この当事者IDのアカウントに登録されたメールアドレスとされているため,提出前に登録内容を確認する。提出後は,記録一覧に届出書が反映されたことを確認する。

新規申立てフォームで「システム送達を受ける旨の届出」のトグルをオンにした入力者については,別途の個別届出書を提出する必要はない。

共同受任事件では,入力者による届出だけで他の共同訴訟代理人も届出済みとなるわけではない。各共同訴訟代理人は,事件への関連付け後,自己の個別届出を提出する。システム入力者が他人の届出トグルをオンにしても,その代理人が届出をしたことにはならない。

包括届出は,mintsのアカウント設定で「システム送達包括届出設定」を「あり」とした上で,包括届出書を「添付ファイル(本人・資格確認資料以外)」から提出する。届出書には届出者の氏名と当事者IDを記載し,通知先は当該アカウントに登録されたメールアドレスとする。事件ごとに提出する書面ではなく,提出者自身が当事者となる改正民訴法適用事件のすべてについて,一括してシステム送達を受ける旨を届け出るものである。

操作マニュアル26頁〔PDF29頁〕は,国・地方自治体・法人が包括届出をする場合について説明している。包括届出をすると,自ら予期せず被告となった事件でもシステム送達を受けることがあり,訴状等の初回送達にも影響する(準備の手引17頁~18頁)。

(2) 共同受任事件の担当訴訟代理人

当事者に10人を超える訴訟代理人がいる場合は,特別の事情がある場合を除き,電子提出・閲覧等及びシステム送達を担当する訴訟代理人を10人以下に定め,裁判所に届け出なければならない(改正民訴規則第52条の13,準備の手引13頁)。新規申立て時は,入力者を含む担当訴訟代理人の氏名と当事者IDを届出書に記載し,新規申立てフォームの「添付書類」に添付する。電子申立てフォームに当事者情報CSVを添付した入力者については,担当訴訟代理人届出書にその入力者の氏名及び当事者IDを記載すれば,入力者の個別届出を兼ねる。

担当訴訟代理人を定めることと,各共同訴訟代理人がシステム送達を受ける旨を届け出ることは別の問題である。上記の入力者に関する取扱いを除き,mintsの事件情報に関連付けられた他の共同訴訟代理人は自己の個別届出を提出する必要がある。

訴訟代理人の情報の入力方法(入力者の情報呼出,共同受任及び弁護士法人)は,mintsで訴訟代理人の情報を入力する方法を参照されたい。

(3) 最新の届出書式

令和8年8月31日確認時点で,裁判所は,①「システム送達を受ける旨の届出」②「システム送達を受ける旨の包括届出」③「電子情報処理組織の使用を担当する訴訟代理人の届出」及び④「送達場所等の届出・システム送達を受ける旨の届出・システム送達受取人の届出」(本人用)を公開している。書式及び注意書きは更新されることがあるため,提出時には裁判所「改正民訴法等に関する参考資料」から最新版を確認する必要がある。

本人が自分で裁判を行う場合の記入方法,システム送達受取人の権限及びサポータへの入力依頼については,mintsと本人訴訟の第6を参照されたい。

3 誰が閲覧するとシステム送達の効力が生じるか

システム送達を受ける旨の届出がある場合は,①送達を受けるべき者が送達対象データを閲覧した時,②その者がデータを使用する電子計算機のファイルに記録した時(mints上のダウンロード),③閲覧又は記録ができる措置をとった旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時のいずれか早い時に効力が生じる(改正民訴法第109条の2,第109条の3第1項)。

最高裁判所事務総局民事局の準備の手引では,本人アカウントに関連付けられた補助者が送達対象を閲覧又はダウンロードした場合も,親ユーザについてその時に送達の効力が生じると説明されている。これに対し,共同受任した別の訴訟代理人は単なる補助者ではなく,各自の個別届出が問題となる。通知メールは,事件に関連付けられた当事者及び補助者の全員に送信されるが,メールの受信自体ではなく,法定の閲覧・記録又は1週間の経過が効力発生事由である(準備の手引9頁・13頁,Q&A11頁)。
補助者による閲覧,操作権限及び退職時の解除は,mintsの補助者アカウント―登録方法・権限・上限と退職時の解除を参照されたい。

これに対し,電子申立て等の義務を負う者が届出をしていない場合でもシステム送達は可能であり,裁判所は通知を発することを要しない。この場合は,①閲覧した時,②使用する電子計算機のファイルに記録した時,③閲覧又は記録ができる措置がとられた日から1週間を経過した時のいずれか早い時に効力が生じる(改正民訴法第109条の4)。したがって,「通知メールを受信していないから送達の効力は生じない」と考えることはできない。

ただし,送達を受けるべき者がその責めに帰することができない事由により閲覧又は記録をすることができない期間は,この1週間に算入されない(改正民訴法第109条の3第2項)。問題となるのは閲覧又は記録をすることができなかったかどうかであり,単にメールを見落としたことや,通知メールが迷惑メールフォルダに入ったことだけで当然にこの特則が適用されるものではない。長期間にわたりmintsへサインインできない事情が見込まれる場合は,重要書面の送達前に裁判所へ相談する必要がある(準備の手引19頁)。
事務所がランサムウェアに感染してメールやシステムが使えなくなった場合の送達と期限の管理は,法律事務所がランサムウェアに感染したときの期限管理―メール不達による期間徒過と知財高裁平成31年3月18日判決で扱っている。

通知メールを見落としたまま控訴期間が経過した場合に残る救済は,民事訴訟法第97条第1項の訴訟行為の追完である。しかし,最高裁判所は,弁護士事務所の書生による受領と取次ぎの誤りで弁護士が送達日を誤信した事案(最高裁判所第三小法廷昭和41年5月31日判決)や,判決の送達を受けた事務員が急病で入院した事案(最高裁判所第三小法廷昭和41年5月17日判決)で,追完を認めていない。追完が認められた場合と認められなかった場合の判例は,訴訟行為の追完(民事訴訟法97条)で整理している。

通知先として届け出た連絡先を変更又は解約するときは,速やかに新たな連絡先を届け出る。補助者が閲覧又はダウンロードした場合も送達の効力が生じるため,担当者間で閲覧時刻,対象ファイル及び期限計算の引継ぎを記録しておくのが安全である。

相手方が訴え取下書の送達を受けた場合の2週間のみなし同意と取下げの効力発生時期は,mintsで訴えを取り下げる方法で説明している。

4 被告代理人の応訴

(1) 事件情報への関連付け(招待キーとmintsアカウントID)

被告代理人が事件情報に関連付けられる経路は二つある。①受任及び訴状の送達を受ける意向を裁判所へ回答した上で,自己のmintsアカウントIDを裁判所に伝え,裁判所の操作によって関連付けてもらう方法と,②裁判所が交付した招待キーを自ら入力する方法である。
大阪地方裁判所が作成した操作説明資料②18頁は,訴状送達前に被告代理人候補者が判明している場合の流れとして,裁判所による受任及び送達意向の確認,候補者によるmintsアカウントIDの回答,裁判所による関連付けという順序を本則として示し,招待キーによる方法は「自らのアカウントを当該事件情報に関連付けする方法もあります」として併記している。したがって,招待キーが唯一の経路であるとは限らない。
招待キーは12桁の半角英数字であり,FAX又は電子メールで交付されるほか,訴状出力書面による送達の場合には,裁判所が出力書面と共に招待キーを記載した書類を同封することがある。もっとも,同資料23頁は,これを「裁判所が訴状出力書面と共に招待キーを記載した書類を同封している場合」と条件付きで説明しているため,同封が常に行われるとは限らない(以上,準備の手引20頁・21頁,操作説明資料②18頁・23頁)。
招待キーには有効期限がある。招待メールに記載して交付されたものは発行日から7日間,書面に記載して交付されたものは発行日から50日間である。
一度使用したキーは再使用できない。有効期限が迫っている場合は,速やかに関連付けの操作をしたい(Q&A12頁)。

(2) 委任状及び答弁書等の提出

被告代理人は,mintsにサインインし,招待キー入力画面で入力する。これで事件情報への関連付けが完了する。
その後,記録一覧のアップロード画面から,委任状とシステム送達を受ける旨の届出(いずれもPDF)をアップロードする。続いて答弁書・証拠をアップロードする(準備の手引20頁)。
手順の詳細は,mintsで被告訴訟代理人が招待キーを使う方法で説明している。

(3) システム直送とアクセスキーの区別

被告代理人がアップロードすると,原告代理人に通知される。この通知をもってシステム直送となる(Q&A8頁,準備の手引20頁)。
なお,被告代理人が事件に関連付くための「招待キー」とは別に,文書送付嘱託の嘱託先(金融機関・医療機関等)のような第三者が一時的にファイルをアップロードするための「事件アクセスキー」(いずれも半角英数字12桁)がある。前者は「招待キー入力」画面で,後者は「事件アクセスキー入力」画面で入力するもので,目的が異なる。

第三者の利用者登録,提出区分,完了通知及び当事者への公開範囲は,mintsの事件アクセスキーによる提出方法で説明している。

5 mintsから届く自動通知メールの実際

mintsを使うと,手続の節目ごとに,送信専用アドレス(info@mints.courts.go.jp)から自動通知メールが届く。届く主なものは次の10種類で,いずれも冒頭に「本メールは、民事裁判書類電子提出システム(mints)からの自動送信メールです。」とあり,宛名・事件の表示・末尾にmintsトップ画面のURL(https://www.mints.courts.go.jp/user/ )と差出部署が入る。事件の表示は,立件前は受付番号(例「〇〇地方裁判所2026-0000000」),立件後は事件番号(例「〇〇地方裁判所令和8年(ワ)第〇号」)で示される。

通知メールの種類(件名冒頭)いつ届くか来たら何をするか
新規申立てが完了しました新規申立てフォームから提出した直後提出内容と受付状況を確認し,重複提出せずに立件と事件への関連付けを待つ。この時点の表示は受付番号である。
事件当事者設定完了裁判所が立件し,申立人を当事者に関連付けたときサインインして事件番号と関連付けを確認し,証拠及び証拠説明書等,次に提出すべき資料を記録一覧から提出する。新規申立て済みの訴状を一律に再提出するものではなく,送達用出力書面の提出とも区別する。
ファイルのアップロードが完了しました自分がファイルをアップロードしたとき通知を控えとして保存し,記録一覧で提出ファイルと内容を確認する。通知だけで対象ファイルの正しさまで確認できたとは扱わない。
手数料納付情報が登録されました裁判所が手数料額を確定・登録したとき手数料納付情報一覧でペイジーの収納機関番号・納付番号・確認番号を確認し,速やかに納付する。
手数料納付のお願い手数料が未納のまま納付期限が近づいたとき納付期限を確認し,期限内に納付する。期限を過ぎると当該納付情報では納付できなくなるため,間に合わない事情があるときは事件係へ連絡する。
提出期限設定のお知らせ裁判所が主張・証拠等の提出期限をmintsに登録したとき提出ファイル選択画面で対応する種別と期限を確認する。期限行の「+」を開くと,裁判所が提出を求めるファイルの内容が表示される。
裁判所がファイルをアップロードしました裁判所が訴状・呼出状・決定等をアップロードしたとき(=システム送達の通知)サインインして内容を確認する。閲覧・DLしなくても,送信日から1週間の経過で送達の効力が生じる(下記の文面参照)。
ファイルが閲覧・ダウンロードされました対象ファイルが初めてプレビュー又はダウンロードされたとき通知対象のファイルと時刻を確認する。補助者の操作も親ユーザ名義になるため,表示名だけで実操作者,熟読の有無又は全閲覧履歴を特定しない。送達効は前記3の要件と照合する。
ファイルが提出されました相手方がファイルを提出したときサインインして確認。改正法施行前の事件は受領書を提出する(記録外・施行後は不要。下記の文面参照)。
受領書が提出されました自分が受領書を提出したとき提出の控えとして保存し,対象ファイルと受領書の提出状況を確認する。

このうち実務上おさえておきたいのは,送達の効力に直結する「裁判所がファイルをアップロードしました」(システム送達の通知)と,受領書の要否が分岐する「ファイルが提出されました」の二つである。

以下の通知文面では,事件番号・氏名・ファイル名等を一般的な表示に置き換えている。

通知の種類・記載例は,操作マニュアル2.3版の別紙1「メール一覧」と併せて確認し,提出・閲覧の操作は同マニュアル本文及び準備の手引3頁・17頁と区別して読む必要がある。

閲覧・ダウンロードの通知は初回の操作についての通知であり,補助者による操作も親ユーザ名義になる(操作マニュアル63頁〔PDF66頁〕・別紙1「メール一覧」番号22〔PDF104頁〕)。

(1) システム送達の通知(「裁判所がファイルをアップロードしました」)

裁判所が訴状・期日呼出状・決定等の送達対象ファイルをアップロードすると届く。本文に送達の効力に関する告知が入る点が他と異なり,前記3の効力発生時期(閲覧時・ダウンロード時・通知発出日から1週間の早い時)を実際の文面で確認できる。送達対象のファイル1件ごとに1通届く。

電子呼出状の通知を受けたときは,メールの裁判所名・事件番号・ファイル名を照合し,mintsで対象ファイルを開いて,期日の種類,指定日時,出頭場所及び裁判所が指示した参加方法を確認する。通知の発出日時,送達の効力が生じた日時及び出頭すべき日時は区別して管理する。前記3の「1週間」は送達の効力に関する期間であり,指定期日を1週間先へ延ばすものではない(民訴法94条・109条の3)。被告本人の答弁書提出後の対応は,mintsで被告になった本人の対応を参照されたい。

本メールは、民事裁判書類電子提出システム(mints)からの自動送信メールです。

〔肩書〕〔氏名〕 様

〔裁判所名〕〔事件番号〕 に関するお知らせです。

裁判所がシステムにアップロードした以下のファイルについて、あなたが、閲覧・ダウンロードをすることが可能となりましたので、お知らせします。

 ファイル名  〔ファイル名(例:訴状.pdf)〕

mintsにサインインして、ファイルの内容を確認してください。

なお、本メールは、民事訴訟法第109条の2第1項本文に基づき、当該送達対象ファイルにつき、システムによる送達を行うための通知として送信するものとなります。

あなたが当該送達対象ファイルの閲覧・ダウンロードをしなくても、民事訴訟法第109条の3第1項第3号により、本メールの送信日から1週間を経過した時に、当該ファイルにつき、電磁的記録の送達の効力が生じることになりますので、ご注意ください。

mintsトップ画面

https://www.mints.courts.go.jp/user/

※ 本メールアドレスは送信専用のアドレスとなっております。

(2) 相手方が提出したときの通知(「ファイルが提出されました」)

相手方がmintsにファイル(答弁書・委任状・システム送達を受ける旨の届出等)を提出すると届く。受領書の要否が,改正法の施行前後及び記録・記録外の別で分かれる旨が明記されている。

本メールは、民事裁判書類電子提出システム(mints)からの自動送信メールです。

〔肩書〕〔氏名〕 様

〔裁判所名〕〔事件番号〕 に関するお知らせです。

〔相手方の肩書・氏名〕からファイル(〔提出ファイル名〕)が提出されました。

mintsにサインインしてファイルを確認し、改正法施行前の事件においては、受領書を提出してください。

なお、記録外の場合及び改正法施行後の事件においては受領書の提出は不要です。

mintsトップ画面

https://www.mints.courts.go.jp/user/

※ 本メールアドレスは送信専用のアドレスとなっております。


(3) メールの振り分け設定

通知メールは事件ごと・ファイルごとに届くため,送達の効力に直結する通知が他の通知に埋もれやすい。大阪地方裁判所が作成した操作説明資料②26頁は,メールソフトの振り分け設定として次の例を示している。

フォルダ名振り分けルール(条件)
送達通知送信元がinfo@mints.courts.go.jpであり,かつ件名に「裁判所がファイルをアップロードしました」を含む
相手方からのファイル提出同じ送信元であり,かつ件名に「ファイルが提出されました」を含む
手数料納付通知同じ送信元であり,かつ件名に「手数料納付」を含む
当事者設定通知同じ送信元であり,かつ件名に「事件当事者設定完了」を含む
提出期限通知同じ送信元であり,かつ件名に「提出期限」又は「提出のお願い」を含む
その他送信元がinfo@mints.courts.go.jpであること

「その他」のルールが最後に適用されるよう,ルールの優先順位を設定する必要がある。
送達の効力が生じる「裁判所がファイルをアップロードしました」と,受領書の要否が分かれる「ファイルが提出されました」を別のフォルダへ落としておけば,期限管理の見落としを減らせる。
準備の手引35頁も,決定・命令の予定日をmints上で知らせる機能はないとして,mintsから発せられるメールを受信メールフォルダの仕分け機能で特定のフォルダに集めることを例に挙げている。

第3 電子判決書・電子決定書と不服申立ての期間

1 判決のシステム送達と控訴期間の進行

電子判決書は,言渡し後速やかに事件記録に記録され,mintsによるシステム送達の措置がとられる(改正民訴法第253条第2項・第255条第1項及び第2項第2号,改正民訴規則第157条第3項)。

控訴期間は,電子判決書を閲覧した時,使用する電子計算機のファイルに記録した時(mints上のダウンロード)又は通知発出日から1週間を経過した時のいずれか早い時から進行する。準備の手引では,補助者の閲覧・ダウンロードでも親ユーザについて送達の効力が生じると説明されているため,補助者の操作によって控訴期間が進行し得る。
電子判決書はmintsで閲覧・ダウンロードできるため,大阪地方裁判所が作成した操作説明資料③20頁は,基本的に訴訟代理人宛てに裁判所が紙の判決書を送ることはないとしている。

控訴は,電子判決書等の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない(改正民訴法第285条)。もっとも,mintsには具体的な控訴期間の末日を表示する機能がない。閲覧又はダウンロードをした者は,日時を直ちに事件担当者へ報告し,担当弁護士が送達効力発生日と控訴期間末日を計算した上で,別の担当者による再確認を行う運用が安全である(以上,準備の手引5頁・9頁,Q&A12頁)。

控訴,上告及び上告受理申立ての提出先,不変期間,理由書の期限及び手数料については,mintsで控訴・上告・上告受理申立てをする方法―提出先,不変期間,手数料及び旧法事件の区分(AI作成)を参照されたい。

控訴が提起されないまま判決が確定した場合には,強制執行,登記その他の手続で判決の確定を証明する必要が生じる。改正民訴規則第48条第1項は,第一審裁判所の裁判所書記官が,当事者等の請求により,訴訟記録に基づいて判決の確定を証明した改正民訴法第91条の3の書面の交付又は電磁的記録の提供を行うと定めている。
訴訟がなお上訴審に係属中であるときは,上訴裁判所の裁判所書記官が,判決の確定した部分のみについてこれを行う(同規則第48条第2項)。

この確定証明は,電子判決書等の内容が裁判所のファイルに記録されている事項と同一であることを証明する記録事項証明とは別の制度である。両者の使い分け及び民事執行の申立てにおける事件特定情報による提出の省略は,事件特定情報提供書面と民事訴訟法91条の3―記録事項証明との違い(AI作成)で説明している。

2 事件情報の関連付け解除と判決書等のダウンロード

事件終了後は,事件情報と当事者アカウントの関連付けが解除される。解除後の閲覧には手数料がかかる。電子判決書や和解調書は,関連付けの解除前にダウンロードしておく。
関連付けは,①判決確定日,訴状却下命令・訴え却下判決の確定日,和解に代わる決定の確定日その他の終局事由に応じた日と,②裁判所書記官が当該事件情報に最後に電磁的記録をアップロードした日から1週間が経過した日とのいずれか遅い日以降に,速やかに解除される。単に一つの送達対象がアップロードされた日から1週間が経過すれば直ちに解除されるという意味ではない。控訴を提起すると,確定日前に控訴審へ事件情報が移管され,関連付けが解除されることがある。
特に判決事件では,事件確定日の経過前に関連付けが解除されることもあるため,電子判決書,送達報告書及び記録外領域に提供された記録事項証明は,受領後速やかにダウンロードしておきたい(以上,準備の手引36頁)。

記録一覧からの取得,ZIP・結合PDF及び未印刷物一括印刷の操作は,mintsで記録をダウンロード・印刷する方法を参照されたい。

システム送達を受ける旨の個別届出・包括届出及び担当訴訟代理人の指定は前記第2の2のとおりであり,mintsから届く通知メール10種類と振り分け設定はmintsから届く通知メールの種類と読み方で詳しく説明している。

民事裁判手続全体のデジタル化の仕組み,新旧事件の区別,ウェブ期日及び今後の対象手続は,民事裁判手続のデジタル化(IT化)の全体像を参照されたい。

3 電子決定書・電子命令書の送達と即時抗告期間

電子決定書・電子命令書も,基本的には告知後速やかにmintsにアップロードされ,システム送達されるが,mints上に決定・命令の予定日等を知らせる機能はない(準備の手引35頁)。
即時抗告は裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならず(改正民訴法第332条),控訴期間の2週間より短いので,通知メールを受信したその日のうちに閲覧し,受信した日を告知の日と仮定して期限を管理するのが安全である。
告知の方法と告知を受けた日の考え方,補助者の閲覧による送達の効力,期間の計算例,即時抗告ができる主な決定・命令及びmintsでの抗告の提出方法(新規申立てフォームの申立種別「その他」)は,mintsで決定・命令を受け取るとき―電子決定書・電子命令書の送達,即時抗告期間1週間及び予定日が通知されない問題(AI作成)で説明している。

第4 出典

e-Gov法令検索「民事訴訟法」

裁判所「民事訴訟規則」

裁判所「改正民訴法等に関する参考資料」。同ページ掲載の「システム送達を受ける旨の届出」「システム送達を受ける旨の包括届出」「電子情報処理組織の使用を担当する訴訟代理人の届出」「送達場所等の届出・システム送達を受ける旨の届出・システム送達受取人の届出」(公式書式・注意書き)。

最高裁判所事務総局民事局「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引(令和8年6月19日修正,5G)」

裁判所「mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~」2.3版(令和8年7月15日改訂)。本文63頁〔PDF66頁〕及び別紙1「メール一覧」番号21・22〔PDF104頁〕(操作・通知文例)。

裁判所「mints当事者ユーザ向けQ&A」

⑦ 大阪地方裁判所「改修後mints操作説明資料②(原告代理人の証拠提出~被告代理人の応訴)」(令和8年3月18日時点。情報公開請求により取得した文書)

⑧ 大阪地方裁判所「改修後mints操作説明資料③(準備書面等のアップロード~電子執行文付与)」(令和8年3月18日時点。情報公開請求により取得した文書)

最高裁判所第三小法廷昭和41年5月17日判決(昭和40年(オ)第1000号,集民83号527頁)

最高裁判所第三小法廷昭和41年5月31日判決(昭和40年(オ)第94号,集民83号657頁)