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裁判官の報酬・退職手当

安川輝夫簡裁判事の失職と裁判官弾劾法41条の2―訴追請求中の町長選立候補で退職手当が支払われた事件と法改正(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象と基準日2 結論第2 事件の経過1 担当事件の女性被告人との接触2 最高裁判所長官による訴追請求3 町長選挙への立候補と失職4 訴追委員会の審査打切り第3 退職手当と年金1 全額支払となる旨の答弁2 支払を控える余地の検討3 退職手当の額第4 刑事事件1 捜査2 最高裁判所昭和60年7月16日決定第5 国会の議論と改正の経緯1 政府と最高裁判所の当初の反応2 改正の方法をめぐる議論3 最高裁判所事務当局の案4 裁判員会議の決定と改正の依頼5 小委員会での審議6 可決と公布7 簡易裁判所判事の推薦基準の見直し第6 裁判官弾劾法41条の2の内容1 条文2 適用の効果3 適用される場面と適用されない場面4 同時に改正された15条第7 罷免と退職手当の関係1 罷免された場合2 公職選挙法90条による退職3 退職後の刑事処分第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 国会会議録4 公的資料5 文献6 調査範囲

第1 本記事の対象と結論

本件は弾劾裁判所が罷免判決を出した事例ではなく,訴追請求中の立候補による失職と,その後の法改正を扱う記事である。過去の事件の経緯と,現在の裁判官弾劾法41条の2の適用場面を区別して読む必要がある。弾劾制度全体の流れは弾劾裁判とは―裁判官を罷免する仕組み・手続・過去の事例で説明している。

1 本記事の対象と基準日

本記事は,昭和55年,最高裁判所長官から罷免の訴追を求められていた小倉簡易裁判所判事の安川輝夫(以下「安川簡裁判事」という。)が福岡県久山町長選挙に立候補して裁判官の身分を失い,裁判官訴追委員会が審査を打ち切った経緯と,これを受けた裁判官弾劾法41条の2の新設までを整理するものである。
経緯は,国会会議録,裁判官弾劾裁判所の公表資料,衆議院の制定法律情報及び裁判所ウェブサイトの最高裁判所決定で確認した。
法令は,令和8年9月27日現在の条文をe-Gov法令検索で確認した。
山本祐司『最高裁物語(下巻)』(講談社+α文庫,1997年)の記述は,同書によるものであることを示して補足的に用いた。

2 結論

①昭和55年9月10日,最高裁判所長官は,担当する刑事事件の女性被告人と私的に接触した安川簡裁判事について,裁判官訴追委員会に罷免の訴追を求めた。
②安川簡裁判事は,同年10月12日に久山町長選挙に立候補したため,公職選挙法90条により裁判官の身分を失い,訴追委員会は同月17日に審査打切りの決定をした。
③弾劾裁判による罷免がなかったため,退職手当と共済年金は法律に従って支払われることになり,最高裁判所は支払を控える解釈の余地を検討したものの,年度末に支払を決定した。
④国会では,罷免の訴追を逃れるための立候補を防ぐ方法として,公職選挙法90条を改める方法と裁判官弾劾法を改める方法が議論され,最高裁判所事務当局の案を骨格とする裁判官弾劾法の改正が選ばれた。
⑤裁判官弾劾法の一部を改正する法律(昭和56年法律第66号)は,衆議院議院運営委員長が提出した議員立法であり,衆参両院で全会一致により可決され,昭和56年6月5日に公布され,同日施行された。
⑥新設された裁判官弾劾法41条の2により,最高裁判所から罷免の訴追を求められている裁判官と訴追委員会から罷免の訴追をされている裁判官には,公職選挙法90条が適用されなくなった。
⑦もっとも,最高裁判所が訴追請求をする前の段階での立候補は同条の対象外であり,その場合の退職手当については,現行の国家公務員退職手当法12条1項2号及び14条1項が支給制限の根拠となり得る。
⑧安川簡裁判事は刑事事件でも起訴され,最高裁判所第三小法廷昭和60年7月16日決定は,担当する窃盗被告事件の女性被告人を喫茶店に呼び出した行為が公務員職権濫用罪に当たるとした原判断を是認し,上告を棄却した。

第2 事件の経過
1 担当事件の女性被告人との接触

最高裁判所第三小法廷昭和60年7月16日決定(昭和58年(あ)第1309号,刑集39巻5号245頁)が示す第一審判決の認定(原判決が是認したもの)によれば,被告人は小倉簡易裁判所判事で,女性被告人に対する窃盗被告事件の審理を担当していた。
同事件の次回公判期日は,被害弁償を待つために昭和55年7月16日に指定されていた。
被告人は,同月11日午後8時40分ころ,自己との交際を求める意図で女性被告人に電話をし,被害弁償のことで会いたいなどと言って呼び出した。
女性被告人は,被告事件について出頭を求められたものと誤信し,同日午後9時ころから9時30分ころまで,駅付近の喫茶店で被告人と同席した。

国会では,勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長が,昭和55年10月15日の衆議院法務委員会で,最高裁判所が把握した事実を説明した。
その説明によれば,9月6日の第1回事情聴取で,安川簡裁判事は,担当する刑事事件の女性被告人と7月11日,同月15日及び8月4日の3回にわたり喫茶店で面会したことは認めたが,旅館に行ったことと5万円を渡したことは否認した。
しかし,9月8日の第2回事情聴取で,安川簡裁判事は,7月15日に女性被告人と旅館に行って情交関係を持ち,別れる際に5万円を手渡したことを認めた。

2 最高裁判所長官による訴追請求

勝見人事局長は,上記の事情聴取の後,最高裁判所長官が訴追委員会に対して罷免の訴追を求めたと説明した。

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裁判官の報酬月額と指定職俸給表の比較―判事1号から5号までの位置付け(AI作成)

目次

第1 結論
第2 判事1号から5号までの同額関係
第3 指定職俸給表の令和8年現在の月額
第4 「対応官職」と断定できない理由
1 裁判官の報酬月額は裁判官報酬法の別表で定まる
2 裁判官報酬法9条は「報酬以外の給与」を準用対象とする
3 指定職の官職と号俸は年度ごとに確認を要する
第5 司法行政部門の指定職との関係
第6 年収を比較するときの注意点
第7 よくある質問
1 判事1号は事務次官と同じ役職か
2 判事2号は指定職7号俸と同額か
3 判事5号より低い判事の号も指定職と同額か
第8 出典

第1 結論
令和8年4月1日現在、判事1号から5号までの報酬月額は、一般職の指定職俸給表8号俸、6号俸、5号俸、3号俸及び1号俸とそれぞれ同額である。

ただし、これは月額の同額関係を示すものであり、判事の各号と特定の行政官職とが法令上、一対一で対応するという意味ではない。

具体的な行政官職への指定職号俸の割当ては、年度ごとの人事院の意見等で確認する必要がある。
第2 判事1号から5号までの同額関係

判事の号

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裁判官の退職金(退職手当)はいくらか―推定額・計算方法・税金(AI作成)

目次

第1 裁判官の退職金はいくらか
1 結論
2 個人ごとの正確な金額を出せない理由
第2 下級裁判所の裁判官の退職手当の計算方法
1 基本額と調整額
2 支給率
第3 下級裁判所の裁判官の推定額
1 判事1号で勤続35年の場合
2 判事4号で勤続35年の場合
3 試算を見る際の注意点
第4 最高裁判所裁判官の退職手当
1 特例法の計算式
2 最高裁判所長官として6年間在職した場合
3 最高裁判所判事として6年間在職した場合
第5 早期退職、任期終了及び支給制限
1 早期退職
2 任期終了前後の退官
3 支給制限等
第6 裁判官の退職金にかかる税金
1 退職所得控除
2 勤続5年以下の場合の注意
3 源泉徴収と確定申告
第7 よくある質問
1 裁判官の退職金は平均いくらか
2 裁判官の退職金は報酬月額の何か月分か
3 退職時の号が分かれば正確に計算できるか
4 裁判官の年収と退職金の関係は何か

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裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給月数表

目次
1 裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給月数表
2 関連記事

1 裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給月数表
・ 令和 7年度及び令和 8年度以降(令和7年8月7日現在)
・ 令和 6年度及び令和 7年度以降(令和6年8月8日現在)
・ 令和 5年度及び令和 6年度以降(令和5年12月1日現在)
・ 令和 4年度及び令和 5年度以降(令和4年11月18日現在)
・ 令和 3年度及び令和 4年度以降(令和3年12月1日現在)
・ 令和 2年度及び令和 3年度以降
・ 令和 元年度及び令和 2年度以降
・ 平成30年度及び平成31年度以降
・ 平成29年度及び平成30年度以降
* 「裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給月数表(令和5年度及び令和6年度以降)(令和5年12月1日現在)」といったファイル名です。

2 関連記事
・ 裁判官の号別在職状況
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
→ 最高裁判所が作成した裁判官・検察官の給与月額表を掲載しています。
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 判検事トップの月収と,行政機関の主な特別職の月収との比較
・ 裁判官の昇給

弾劾裁判で罷免された裁判官の退職金―退職手当の支給制限と判断基準

目次

第1 罷免判決が出た場合の裁判官の退職手当の取扱い第2 退職手当の全部又は一部を支給しないこととするかどうかの基準第3 裁判所の機関の権限に属する事項の処分に係る抗告訴訟第4 公務員に対する退職手当の不支給が適法であるとした最高裁令和5年6月27日判決等
第5 関連記事その他

弾劾裁判で罷免された裁判官の退職金は,「罷免されたから法律上一律に全額不支給」と整理するものではない。国家公務員退職手当法12条は,職務・責任,非違の内容・程度及び国民の信頼への影響等を勘案して,全部又は一部を支給しない処分を行うことができると定めている。

以下では,裁判官への適用を説明する国会答弁,判断基準及び関連裁判例を紹介する。令和8年10月11日に同法12条の現行条文を確認した。制度全体は弾劾裁判とは―裁判官を罷免する仕組み・手続・過去の事例を参照されたい。

第1 罷免判決が出た場合の裁判官の退職手当の取扱い
(1) 参議院議員松野信夫君提出裁判官の非行と報酬等に関する再質問に対する答弁書(平成21年4月24日付)には以下の記載があります。
① 憲法第八十条第二項は、下級裁判所の裁判官がその在任中定期に相当額の報酬を受けることを保障しているものであり、御指摘の退職手当の法的性格いかんにかかわらず、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の規定により裁判官に支払われる退職手当は、同項に規定する報酬に含まれないものと解される。
② 現行法においても、裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)第三十七条の規定により罷免されて裁判官の身分を喪失した者については、最高裁判所は、国家公務員退職手当法第十二条第一項第一号の規定により、退職手当の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができるものとされている。また、罷免以外の事由により裁判官を退官した者についても、最高裁判所は、同法第十四条第一項第一号の規定により、その者が裁判官在任中の行為について禁錮以上の刑に処せられたとき、又は同項第三号の規定により、最高裁判所においてその者が裁判官在任中に裁判官弾劾法第二条に規定する罷免事由に該当する行為をしたと認めたときは、退職手当の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができるものとされている。
③ 最近二十年間で、国家公務員退職手当法の規定による退職手当の支給を受けなかった者は、合計三人であり、うち二人は、裁判官弾劾法第三十七条の規定により罷免されたため、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律(平成二十年法律第九十五号)による改正前の国家公務員退職手当法第八条第一項第一号の規定により退職手当の支給を受けなかった者であり、うち一人は、任期を満了して裁判官を退官したが退職手当請求権を放棄したため、退職手当の支給を受けなかった者である。
(2) 国家公務員退職手当法12条(懲戒免職等処分を受けた場合等の退職手当の支給制限)は以下のとおりです。
① 退職をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者(当該退職をした者が死亡したときは、当該退職に係る一般の退職手当等の額の支払を受ける権利を承継した者)に対し、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者が行つた非違の内容及び程度、当該非違が公務に対する国民の信頼に及ぼす影響その他の政令で定める事情を勘案して、当該一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができる。
一 懲戒免職等処分を受けて退職をした者
二 国家公務員法第七十六条の規定による失職又はこれに準ずる退職をした者
② 退職手当管理機関は、前項の規定による処分を行うときは、その理由を付記した書面により、その旨を当該処分を受けるべき者に通知しなければならない。
③ 退職手当管理機関は、前項の規定による通知をする場合において、当該処分を受けるべき者の所在が知れないときは、当該処分の内容を官報に掲載することをもつて通知に代えることができる。この場合においては、その掲載した日から起算して二週間を経過した日に、通知が当該処分を受けるべき者に到達したものとみなす。

第2 退職手当の全部又は一部を支給しないこととするかどうかの基準
(1) 国家公務員退職手当法施行令17条(一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする場合に勘案すべき事情)は以下のとおりです。
    法第十二条第一項に規定する政令で定める事情は、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者の勤務の状況、当該退職をした者が行つた非違の内容及び程度、当該非違に至つた経緯、当該非違後における当該退職をした者の言動、当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する国民の信頼に及ぼす影響とする。
(2) 国家公務員退職手当法の運用方針(昭和60年4月30日総人第261号)には以下の記載があります。
第十二条関係
一 非違の発生を抑止するという制度目的に留意し、一般の退職手当等の全部を支給しないこととすることを原則とするものとする。
二 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることを検討する場合は、施行令第十七条に規定する「当該退職をした者が行った非違の内容及び程度」について、次のいずれかに該当する場合に限定する。その場合であっても、公務に対する国民の信頼に及ぼす影響に留意して、慎重な検討を行うものとする。
イ 停職以下の処分にとどめる余地がある場合に、特に厳しい措置として懲戒免職等処分とされた場合
ロ 懲戒免職等処分の理由となった非違が、正当な理由がない欠勤その他の行為により職場規律を乱したことのみである場合であって、特に参酌すべき情状のある場合
ハ 懲戒免職等処分の理由となった非違が過失(重過失を除く。)による場合であって、特に参酌すべき情状のある場合
ニ 過失(重過失を除く。)により禁錮以上の刑に処せられ、執行猶予を付された場合であって、特に参酌すべき情状のある場合
三 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、当該退職をした者が指定職以上の職員であるとき又は当該退職をした者が占めていた職の職務に関連した非違であるときには処分を加重することを検討すること等により、施行令第十七条に規定する「当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任」を勘案することとする。
四 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、過去にも類似の非違を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがある場合には処分を加重することを検討すること等により、施行令第十七条に規定する「当該退職をした者の勤務の状況」を勘案することとする。

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判検事トップの月収―報酬・俸給月額と行政機関の主な特別職との比較(AIリライト)

第1 令和8年4月1日現在の報酬・俸給月額

1 判検事トップと主な行政特別職の比較

2 東京高裁長官とその他の高裁長官の違い

第2 表の金額は手取り額を含む「月収」ではない

1 報酬月額・俸給月額と給与総額の区別

2 地域手当の20%は「月収の20%」ではない

3 行政特別職の本府省業務調整手当

4 国会議員が行政特別職を兼ねる場合

第3 令和2年1月7日当時の比較

1 令和2年当時の正しい金額

2 古い給与表と現在額を混同しないこと

第4 なぜ判検事と行政特別職の月額が対応するのか

1 別々の法律による給与体系

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下級裁判所裁判官の任期終了直前の依願退官・任期終了退官と退職手当支給率(AIリライト)

目次

第1 対象と結論

1 対象は下級裁判所裁判官であること
2 結論

第2 支給月数は退職手当基本額の支給率であること

1 退職手当の算定構造
2 個別の退職手当額を計算する場合の留意点

第3 退職手当法上の勤続期間

1 任命月から退官月までを月単位で数えること
2 1年未満の端数処理及び在職期間の連続

第4 退職理由による支給率の違い

1 任期終了及び任期終了前1年以内の事務都合退職
2 支給率の比較

第5 早期退職募集による退官との違い

1 応募認定退職は別の制度であること

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昭和6年の判事減俸問題と平成14年国会答弁(AIリライト)

第1 平成14年国会答弁の内容と資料上の限界

1 国会答弁の位置付け

2 答弁が説明した昭和6年の経過

3 国会答弁を読む際の二つの区別

第2 昭和6年の法的枠組み

1 裁判所構成法73条と76条

2 昭和6年勅令第99号

3 附則による現給保障の意味

第3 減俸への同意と寄附の実態

1 昭和6年6月1日の控訴院長会議

2 昭和6年6月19日の人数

3 昭和6年11月27日の閣議決定

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裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁

目次

第1 裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁第2 平成18年度からの地域手当導入時の国会答弁第3 行政府の憲法解釈と国会・裁判所との関係第4 平成14年の裁判官報酬法改正に関する資料第5 関連記事

本記事は,平成15年の報酬減額に関する法務大臣の答弁,平成17年の地域手当導入に関する最高裁判所長官代理者の答弁,及び平成14年の報酬法改正資料を紹介するものである。答弁の説明主体と時点を区別して読む必要がある。政府の憲法解釈を,裁判所が示した合憲判決として扱うことはできない。

第1 裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁
・   野沢太三法務大臣は,平成15年8月8日付の平成15年度人事院勧告に基づく裁判官の報酬減額(平成15年10月16日法律第143号参照)に関して,平成15年10月3日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① このたびの裁判官及び検察官の報酬及び俸給の引き下げにつきましては、今般の人事院勧告を受けまして、一般の政府職員につき同勧告どおりの給与の改定を行う旨閣議決定をしたことがございます。
   また、従来、裁判官及び検察官の給与については、国家公務員全体の給与体系の中で、その職務の特殊性を考慮しつつバランスのとれたものとする考え方に基づいて改定を行ってきたことなどを踏まえておるわけでございますが、政府といたしましては、裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の給与改定に伴い、報酬月額を、その額においておおむね対応する一般の政府職員の俸給の減額に準じて改正する必要があるものとして措置を講ずることとしたものでございます。
   ところで、裁判官の報酬の減額につき、憲法第79条第6項及び第80条第2項が「在任中、これを減額することができない。」と規定しておりますことを承知しておりますが、法務省は憲法の解釈一般について政府を代表して見解を述べる立場にはございませんが、当省なりの考え方を申し上げますと、これらの憲法の規定は、裁判官の職権行使の独立性を経済的側面から担保するため、相当額の報酬を保障することによって裁判官が安んじて職務に専念することができるようにするとともに、裁判官の報酬の減額については、個々の裁判官または司法全体に何らかの圧力をかける意図でされるおそれがないとは言えないということから、このようなおそれのある報酬の減額を禁止した趣旨の規定であると解釈しております。
② ところで、今回の国家公務員の給与の引き下げは、民間企業の給与水準等に関する客観的な調査結果に基づく人事院勧告を受けて行われるものであります。
   このような国家公務員全体の給与水準の民間との均衡等の観点から、人事院勧告に基づく行政府の国家公務員の給与引き下げに伴い、法律によって一律に全裁判官の報酬についてこれと同程度の引き下げを行うことは、裁判官の職権行使の独立性や三権の均衡を害して司法府の活動に影響を及ぼすということはありません。
   したがいまして、今回の措置は、憲法第79条第6項及び80条第2項の減額禁止規定の趣旨に反するものではなく、同条に違反するものではないと考えております。
③ 確かに、委員御指摘のとおり、人事院勧告は一般の政府職員の給与などに関して行われるものでありまして、当然に同勧告によって裁判官の報酬のあり方が決められないのは御指摘のとおりであります。
   従来、裁判官の給与については、国家公務員全体の給与体系の中で、その職務の特殊性を考慮しつつバランスのとれたものとするという考え方に基づいて改定を行ってきたところであります。
   そして、一般の政府職員につきましては、人事院勧告どおりの給与の改定を行う旨、閣議決定をしたことなどを踏まえまして、今回の措置を行うものとしたところでございます。

第2 平成18年度からの地域手当導入時の国会答弁

以下は平成17年当時の制度導入に関する説明である。地域手当の憲法上の論点と関連記事は,裁判官の地域手当の合憲性(AI作成)を参照されたい。

・ 27期の山崎敏充最高裁判所人事局長は,平成17年10月27日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 今回の給与改定につきまして最高裁判所の裁判官会議で御議論をいただいたという経過がございますが、その際、地域手当制度の導入については、全国いずれの裁判所においても均質な裁判を実現するため、転勤が多く、独立して職権を行使している裁判官の職務の特殊性等に照らし、これまで同様、地方都市を含め全国各地にひとしく優れた裁判官を配置できるように適切な人事上の施策を行うように努める必要があると、こういった認識が示されておりまして、私ども事務方もそのように努力してまいりたいと考えておるところでございます。
② 若干経過を御説明いたしますと、八月十五日、人事院勧告ございまして、これが裁判官の報酬に適用になった場合どういうふうに考えるかということについて下級裁判所の裁判官の意見を聞いたわけでございます。
 人事院勧告の内容もすべてお知らせし、所長から口頭で説明もし、その結果として裁判官の意見を取りまとめて私どもいただいたということになるわけですが、多くの裁判官の意見は、これは一般政府職員の給与改定に準ずる形で改定されるのはやむを得ないと。引下げが内容でございますからそんな喜んでということはもちろんないだろうと思いますが、これはやむを得ないことだと理解を示したわけですが、一部、もちろん疑問だという声はございました。例えば、地域手当の導入によりまして、今でも調整手当が違いますんで差がございますが、その差が広がることについてどうだろうかという意見もございまして、反対するという意見ももちろんあったわけでございます。
 委員がおっしゃられた、じゃ反対した裁判官についてどう評価するのかと。これは不利益に扱うなんということは全くございませんで、反対を述べられた裁判官も様々でございます。ベテランの裁判官でもそういう意見を言われた方もおられる、若い方で言われた方もおられます。そういったことを不利益に扱うなんということは全くございません。
③ 委員のお話にございましたとおり、現在におきましても大都市勤務を希望する裁判官が多いというのは事実でございます。それは調整手当が高いというそういう理由ではなくて、やはり教育の問題ですとか扶養の問題ですとか、そういうもろもろのところから来ている問題ではなかろうかと思っておりますが、そういった中で、私どもとしては全国にやはり裁判官を配置していかなきゃいけないということで異動ということを行っておりまして、これは全裁判官が異動の負担をできるだけ公平に担っていくんだという、ある種共通認識に基づいて運営がされておりまして、特に大きな問題がなく運営されているという状況だろうと思います。
 ところで、その地域手当が導入された場合でございますが、この場合にも従前の調整手当における異動保障といったもの、これは同様の特例が設けられるようでございます。それからまた、本年度の人事院勧告によりますと、今後、広域異動手当の導入も検討されているというふうに聞いておりまして、こうしたことを考慮いたしますと、裁判官の全国配置が困難になって司法サービスの提供に支障を来すという懸念は、これは少ないのではないかというふうに思っております。

R060902 最高裁の不開示通知書(地域手当の導入に際して下級裁判所の裁判官の意見を取りまとめた文書(平成17年10月27日の参議院法務委員会における山崎敏充最高裁判所人事局長の答弁参照))を添付しています。 pic.twitter.com/SrpKb7rTo2

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 5, 2024
第3 行政府の憲法解釈と国会・裁判所との関係・ 参議院議員小西洋之君提出内閣の解釈変更と議院内閣制等との関係に関する質問に対する答弁書(平成27年10月6日付)には以下の記載があります。
   憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する国家機関は、憲法第八十一条によりいわゆる違憲立法審査権を与えられている最高裁判所である。他方、行政府においても、いわゆる立憲主義の原則を始め、憲法第九十九条が公務員の憲法尊重擁護義務を定めていることなども踏まえ、その権限を行使するに当たって、憲法を適正に解釈していくことは当然のことであり、このような行政府としての憲法の解釈については、第一次的には法律の執行の任に当たる行政機関が行い、最終的には、憲法第六十五条において「行政権は、内閣に属する。」と規定されているとおり、行政権の帰属主体である内閣がその責任において行うものである。行政府としての憲法の解釈は、国会及び裁判所を拘束するものではない。
   その上で、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。
    このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないと考えられるが、政府として、御指摘のような「歴代政府の解釈に対して論理的整合性を逸脱し、法的安定性を損ねるような解釈変更」を行うことはない。

第4 平成14年の裁判官報酬法改正に関する資料

(続きを読む...)裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁

裁判官の号別在職状況―令和7年12月の人数と過去の開示資料(AIリライト)

第1 号別在職状況の内容と令和7年12月の人数
第2 最高裁判所の開示資料一覧
第3 判事の号別人数の推移と特号の廃止

1 平成14年・令和元年・令和7年の比較
2 判事特号と簡易裁判所判事の特号

第4 集計表を読む際に区別する事項

1 官種別の人数,休業者及び個人の昇給
2 配置定員,在職人数及び検事への転官
3 号別定数と予算資料の内訳

第5 公表と昇給をめぐる国会答弁等

1 号別人数の公表と集計方法
2 4号までの昇給と3号以上の取扱い

第6 個人の経験談と報酬関係の関連記事
第7 出典・参考資料

1 法令
2 号別在職状況と開示手続の資料
3 国会会議録と司法行政の説明資料
4 個人の執筆記事・インタビュー

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裁判官の昇給

目次
1 総論
2 裁判官の昇給等に関する公式説明
3 裁判官の昇給上申に関する開示文書(令和7年2月17日追記)
4 裁判官昇給候補者名簿の相当部分は不開示情報であること
5 昇給差別は最高裁の段階でなされているのかもしれないこと
6 判事4号で終わった元裁判官の経験談
7 関連記事その他

1 総論
   判事3号以上への昇給及び簡易裁判所判事3号以上への昇給の決定は最高裁判所裁判官会議の議決による事項であるのに対し,それ以外の報酬の決定は,最高裁判所長官の決裁による事項です(「裁判所の人事行政事務の実情について」(平成27年5月26日の最高裁判所事務総局会議資料)2頁参照)。

2  裁判官の昇給等に関する公式説明
   平成14年7月16日付の裁判官の人事評価の在り方に関する研究会報告書における「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には,以下の記載があります。
(1) 裁判官の給与体系
   裁判官の給与体系については,裁判官の報酬等に関する法律に定められており,報酬については,判事補は12号から1号までの12の,また,判事は8号から1号及びいわゆる特号まで9の刻みとなっている。簡易裁判所判事については,17号から1号及び特号までの18の刻みとなっている。
   現在の報酬制度については,号の刻みが細かすぎて,裁判官の職務にふさわしくないのではないかという議論が従来からあるが,裁判官といえども次第に経験を積んでよ り責任の重いポストに就いていくという面があり,判事の場合であれば,10年から30数年までの経験差とそれに応じた職務の差があるので,相当数の段階は設けざるを得ないという考え方に基づくものである。また,社会全般に年功序列型賃金が行われてきた中で,一般公務員の給与体系の上に,これと連動した形で報酬額を定めることによって,報酬のレベルが確保されるとともに,社会的実情に則した報酬体系となっていたともいえる。この点については,審議会意見において,「裁判官の報酬の進級制(昇給制)について,現在の報酬の段階の簡素化を含め,その在り方について検討すべきである。」と指摘されており,今後検討すべき課題となっている。
   裁判官の報酬は,一般公務員のそれよりも高い水準にあるが,それは,裁判官の地位,職責の重要性や,超過勤務手当が支給されず,その分が報酬に組み入れられていることなどによる。
(2)  昇給の実情
     以上のように細かい刻みで昇給していくことが,裁判官の独立に影響してはならないことはいうまでもないことであり,任官後,判事4号まで(法曹資格取得 後約20年間)は,長期病休等の特別な事情がない限り,昇給ペースに差を設けていない。判事3号から上への昇給は,ポスト,評価,勤務状態等を考慮し,各高等裁判所の意見を聞いた上,最高裁判所裁判官会議において決定されている。

3 裁判官の昇給上申に関する開示文書
     令和7年2月5日現在,①判事3号からの上の昇給につき,高等裁判所の意見をどのような方法で集めることになっているかが分かる文書,及び②判事4号までの昇給につき,高等裁判所の意見をどのような方法で集めることになっているかが分かる文書として開示された文書はいずれも以下の文書です(最高裁の延長通知及び開示通知書(判事の昇給につき,高等裁判所の意見をどのような方法で集めることになっているかが分かる文書)参照)。
・ 裁判官の昇給上申について(平成19年4月17日付の最高裁人事局長の依命通達)
・ 裁判官の昇給上申に関する様式について(平成31年3月25日付の最高裁人事局長の通知)

裁判官の昇給上申に関する様式について(平成31年3月25日付の最高裁人事局長の通知)を添付しています。https://t.co/0jA5KEbmI2 pic.twitter.com/rdHPr7wRhA

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) February 16, 2025

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裁判官の給料と他の国家公務員の給料との整合性に関する答弁例

目次

第1 平成13年9月25日付の内閣答弁書第2 平成22年11月16日の国会答弁第3 関連記事

本記事は、裁判官・検察官と他の国家公務員の給与体系について、平成13年の政府答弁書と平成22年の国会答弁を紹介するものである。掲載された人数・年収・月収差等は、各答弁で示された当時の数値であり、現在の給与額や在職者数を示すものではない。

「報酬」「俸給」「給与」の用語と根拠法の違いは、裁判官の「報酬」,検察官の「俸給」及び国家公務員の「給与」の違い(AI作成)を参照されたい。改正年ごとの資料は、裁判官報酬法の改正に関する国会答弁資料一覧から探すことができる。

第1 平成13年9月25日付の内閣答弁書

衆議院議員保坂展人君提出死刑制度に関する質問に対する答弁書(平成13年9月25日)の記載は、以下のとおりである。

① 裁判官は、憲法の定める分立している三権のうち司法権を担うものであり、その良心に従い独立して憲法判断を始めとする職権を行使するものであることから、憲法は裁判官につき相当額の報酬を受けることを保障している。
   検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求するなどの検察権を行使する等、その職務は、司法権の適正円滑な運営を図る上で極めて重大な職責を有し、準司法官的な性格を有するものであり、その職責については、他の一般政府職員とは異なった著しい特殊性が認められ、その職責及びその準司法官的性格にかんがみれば、裁判官に対する待遇に準じた待遇を受けるべきものである。
   お尋ねの裁判官及び検察官の給与の額については、それぞれの職務と責任の特殊性に照らしてふさわしいものであること、超過勤務手当の支給がないこと、その重責にふさわしい適材確保の必要性等も満たすべきものであること等を考慮しつつ、民間企業の給与水準とのバランスにも配慮して、裁判官の報酬については裁判官の報酬等に関する法律によって、検察官の俸給については検察官の俸給等に関する法律によってそれぞれ定められていると理解しており、それぞれの給与の額は適正・妥当なものであると考えている。
② 検察官のうち、事務次官と同額以上の給与を受けている者は、検事総長、次長検事、検事長、最高検察庁の検事、検事正などであり、また、裁判官のうち、事務次官と同額以上の給与を受けている者は、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、高等裁判所の部を総括する判事、地方裁判所長、家庭裁判所長などであるところ、これらの検察官及び裁判官は、いずれも重大な職責を担っており、事務次官と同額以上の給与を受けることは、相当な待遇であると考えている。

第2 平成22年11月16日の国会答弁

以下は平成22年11月16日の衆議院法務委員会での答弁である。

(1) 29期の大谷直人最高裁判所事務総局人事局長の答弁
① 判事一号以上の報酬を受けている裁判官ですが、最高裁判所の長官、それから最高裁判所判事、東京高等裁判所長官、その他の高等裁判所長官及び判事一号の裁判官ということでございまして、その人数及びそれぞれの報酬の年額でございますが、最高裁の長官が約四千万円、それから最高裁判所判事が、これは十四人の方々ですが、約二千九百万円、東京高等裁判所長官が約二千八百万円、その他の高等裁判所長官が七名の方、約二千六百万円、そして判事一号が百八十五人で約二千三百万円ということになっております。
② これまで我が国におきまして、裁判官の労働基本権ということが問題となった事例がございませんで、法令の解釈にかかわるという事柄でもありますので、私の立場から意見を述べることは差し控えさせていただきたいと思うわけです。
   従来から、裁判官につきましては、憲法によって報酬あるいは身分といったものについて強い保障を受けるとともに、職務の執行についてもその独立性が強く保障されているわけでございます。一般の勤労者のように、使用者と対等の立場に立って経済的地位の向上あるいは労働条件の改善を図る必要がない、こういった理由から、裁判官に、労働組合を結成し、またはこれに加盟する権利は認められない、このように理解されてきたものと承知しております。
(2) 稲田伸夫法務省大臣官房長の答弁
① 平成二十二年七月一日現在の数字でございますが、事務次官より高額の俸給を受けている検察官は、検事総長あるいは検事長などの認証官が十名でございます。それから、事務次官と同額の俸給を受けている検察官は、検事正あるいは高検の次席検事など五十九名であると承知しておるところでございます。
   なお、それぞれの俸給の年額でございますが、検事総長につきましては約二千九百万、次長検事及び東京高検検事長以外の検事長が約二千四百万、東京高検の検事長が二千六百万、それから一号俸の検事正等が約二千三百万円というところでございます。
② 御指摘ございましたように、法務省には、局長クラス以上の役職に、検察官出身者でありますとかあるいは裁判官の出身の方が転官して来ていただいているという実情にございます。
   まずその人数から申し上げますと、法務本省の内部部局で申し上げますと、七月一日現在で局長以上の役職についているのは裁判官出身者二名、それから検察官出身者六名でございます。
   次に、俸給の比較というところでございますが、これは同じポストに検察官以外の一般職職員がついた場合との格差ということで、やや、こういう言い方はあれですけれども、そうしてみればという話なものでございますので、なかなか比較しにくいところがございます。給与の場合、どうしてもそれぞれの者が背負ってきているものというようなものもございますし、俸給体系自体が異なりますので、単純に比較は難しいということを前提に御説明をさせていただきたいと思うんですが、局長級の一般職の俸給としては、通常、指定職の俸給表の四号あるいは五号ぐらいだろうと言われております。
   検察官につきましても、局長級のポストにだれがつくかによって号俸は必ずしも一定ではございませんが、高い方で仮に比較するといたしますと、検事一号と指定職五号とでは月収で二十万近い差があるというのが実情でございます。(大口委員「年収では」と呼ぶ)年収は、済みません、ちょっと今、手元にそのあれがございませんが、その倍数を掛けるぐらいの数になると思います。十六ぐらい掛ければいいと思いますけれども。
③ 御存じのとおりでございますが、法務省の所掌事務のかなりの部分と申し上げますと、司法制度に関する法令でありますとか民事及び刑事の基本法令、これらの立案、それから訟務を中心といたしました訴訟事項の追行、あるいは検察に関すること、あるいは検察の周辺といいますか刑事司法全体にかかわるものなど、そういう意味では、専門的な法律的知識、経験を要する事務が他省庁に比べてかなり多いというふうに認識しております。これらの事務を適正に行うためには、どうしても法律専門家としての実務経験を有する検察官や裁判官を法務省において任用する必要があるというのが、いわば必要性というか実態でございます。
   他方で、裁判官出身者を含めて、検事、これは検察庁にいる検事の職にある者を法務事務官という形で転官させるということなりますと、検察官の身分保障との関係で、人事行政上非常に難しくなるというようなこともございまして、法令上も、一部の検事を検事のまま法務省の職員に充てることができるというふうにされております。そこで、給与につきましても、現在御審議いただいております検察官の俸給等に関する法律が適用されるというようなことになっております。
   これは、検察庁法二十五条によりまして、検察官につきましては、その意に反して官を失うことがなく、また俸給を減額されることはないという身分保障が定められているというところ、今申し上げましたような事務官に転官させるということになりますと、一時的であれ検事の身分を失うというようなこともございますので、そのような点からなかなか実態上は難しいということもございまして、現在、申し上げるような検察官の俸給法の適用のままというふうにしております。また、実際上も、このような形で行えないと、なかなか異動が難しいというような実態にあるということでございます。
(3) 35期の後藤博法務省大臣官房司法法制部長の答弁
   裁判官は、特別職の国家公務員の中でも、司法府に属し、独立してその職権を行使するなど、その地位や職責に特殊性がございます。また、憲法上、裁判官の報酬は在任中これを減額することはできないという規定も設けられておるところであります。このような特殊性から、一般職の国家公務員はもとより、特別職の国家公務員の給与法とも別に裁判官報酬法が定められております。
   それから、検察官でございますけれども、検察官は、司法権の発動を促し、その適正円滑な運営を図る上で極めて重大な職責を担う準司法官的性格を有する特殊な官職であるとされております。また検察官は、原則として裁判官と同一の試験及び養成方法を経る者でございます。これらの点などから、試験、任免、身分保障等についても検察庁法に特例が定められておるところであります。このように、検察官の職務等の特殊性から、検察官の給与については、一般の政府職員とは別個に、裁判官の給与に準じて検察官俸給表が制定されているものと承知しております。

第3 関連記事

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裁判官報酬法及び検察官俸給法が別に存在する理由

目次
1 裁判官報酬法及び検察官俸給法が別に存在する理由
2 関連記事

1 裁判官報酬法及び検察官俸給法が別に存在する理由
・ 平成28年11月24日の元栄太一郎参議院議員(自民党)の質問に対する国会答弁資料に以下の記載があります。
(前提)
・ 裁判官及び検察官については,それぞれ「裁判官の報酬等に関する法律」及び「検察官の俸給等に関する法律」によって,一般の政府職員(注)とは別個の給与体系が定められているところ。
(注)特別職給与法及び一般職給与法が適用される政府の職員を意味する。
(裁判官に独自の報酬体系が設定されている理由)
・ 裁判官については,その職務と責任の特殊性等から,憲法の規定により,「すべて定期に相当額の報酬を受ける」(憲法第79条第6項,第80条第2項)とされており,これを受けて,一般の政府職員と異なる独自の給与体系が定められている。
(検察官に独自の給与体系が設定されている理由)
・ 検察官については,司法権の発動を促し,その適正円滑な運営を図る上で重要な職責を有するという準司法官的な性格を有する上,原則として裁判官と同一の試験及び養成方法を経るものであること等から,その俸給月額についても,他の一般職の国家公務員とは別個に,裁判官の報酬月額に準じて定めるべきものとされている。

2 関連記事
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 最高裁判所の国会答弁資料
・ 最高裁及び法務省から国会への情報提供文書
・ 裁判所をめぐる諸情勢について
・ 裁判所職員の予算定員の推移
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
・ 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置

【本日のおすすめ】
国会対応プロセスとその不毛さがとても分かりやすく説明されている。https://t.co/ovptpfENrJ

— 霞が関一般職 (@NonCareer55) March 10, 2022

裁判官及び検察官に超過勤務手当等が支給されない理由

目次

第1 平成28年の答弁準備資料第2 関連記事と一般職の超過勤務手当に関する答弁第3 出典
第1 平成28年の答弁準備資料

第1は,平成28年11月24日の参議院法務委員会に向けた答弁準備資料の記載である。
裁判官と検察官の取扱いをそれぞれ説明している。
準備資料の記載と,委員会で実際に行われた答弁は区別する必要がある。

別の改正年の資料は,裁判官報酬法の改正に関する国会答弁資料一覧から探すことができる。
第2の一般職に関する答弁書は,裁判官・検察官に手当を支給しない理由と区別して読む必要がある。

出典:平成28年11月24日の元栄太一郎参議院議員(自民党)の質問に対する国会答弁資料

(裁判官について)
・ 裁判官については,事件の適正,迅速な処理のために,夜間など一般職の職員の勤務時間外においてもこれに対処するということが要求される場合も少なくなく,一般職の職員と同様の勤務時間を観念することが困難。
・ そこで,裁判官については,時間外手当的な要素も考慮した上で,その職務と責任の特殊性を踏まえた報酬が設定されていることから,裁判官の報酬等に関する法律第9条第1項ただし書において,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給しないこととしている。
(検察官について)
・ 他方,検察官については,(一般職の職員の勤務時間,休暇等に関する法律の適用を受けるものの),事件の適正迅速な処理等のために,夜間などの勤務時間外においても対処することが要求されており,時間外に勤務した時間等を計測して給与上の措置を講ずるにはなじみ難い面がある。
・ 検察官については,裁判官の準じた俸給水準を設定しつつも,そのような特殊性を踏まえ,検察官の俸給等に関する法律第1条第1項ただし書において,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給しないこととしている。
(参考)
・ 一般の政府職員においても,管理・監督の地位にある一定範囲の職員(指定職俸給表適用職員等)については,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給をしないこととしている。
(検察官に労働基準法等の適用がないこと)
・ 検察官は,一般職の国家公務員に位置付けられるところ,一般職の国家公務員については,国家公務員法附則第16条の規定により,労働基準法や労働安全衛生法の諸規定は適用されないものと承知。

R040414 国会答弁資料(裁判官一人当たりの処理件数,裁判官の残業実態,支部機能を充実させる等の観点から,今後,裁判官数はどうあるべきかについて,法務大臣の所見を問う。)を添付しています。 pic.twitter.com/jlwzGgNgRk

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) July 3, 2022

裁判官・検察官に超過勤務手当が支給されない理由に関する国会答弁資料(令和4年11月10日の参議院法務委員会)を添付しています。 pic.twitter.com/NYJWaRFzqD

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) March 6, 2023

裁判官の報酬等に関する法律9条1項ただし書は,超過勤務手当,休日給,夜勤手当及び宿日直手当等を支給しないと定めている。
もっとも,この規定を,勤務の態様に応じた別の手当が一切設けられていないという意味に読み替えることはできない。

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裁判官の「報酬」,検察官の「俸給」及び国家公務員の「給与」の違い(AI作成)

目次

第1 結論

1 三つの用語の関係

2 経済的機能と法的規律は分けて考えること

第2 裁判官と検察官の国家公務員法上の身分

1 裁判官は特別職国家公務員であること

2 検察官は一般職国家公務員であること

第3 裁判官の「報酬」

1 憲法上の用語であること

2 報酬と報酬以外の給与

3 超過勤務手当等が支給されないこと

第4 検察官の「俸給」

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裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等

目次

第1 国会答弁資料及び法律案審議録令和7年改正令和6年改正令和5年改正令和4年改正令和元年改正平成30年改正平成29年改正平成28年改正平成17年改正平成14年改正第2 国政調査権と国会答弁義務第3 最高裁判所の国会答弁資料と文書の不存在第4 最高裁判所裁判官退職手当特例法の改正に関する資料第5 一般職給与法の改正に関する資料(地域手当関係)第6 論点別の関連記事と補足資料

本記事は,裁判官報酬法の改正に関する答弁準備資料と法律案審議録を,改正年ごとに探すための資料一覧である。答弁準備資料,実際の発言を記録した国会会議録及び法案の立案・審査過程を記録した法律案審議録は,それぞれ別の資料である。準備資料の内容がそのまま答弁されたとは限らないため,実際の発言を確認するときは国会会議録と照合されたい。

同じ年に複数の委員会資料がある場合は,開催日と衆参の別で区別している。令和4年の参議院法務委員会資料は11月10日分と11月17日分である。法律案審議録に御説明資料等が含まれる場合は,各年のリンクの下に内容を示した。

衆議院の議案情報及び国会会議録検索システムも参照されたい。

第1 国会答弁資料及び法律案審議録

1 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和7年12月24日法律第93号)

(1) 国会答弁資料
① 令和7年12月11日の衆議院法務委員会
② 令和7年12月16日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録
→ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和7年8月)が含まれています。

2 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和6年12月25日法律第76号)

(1) 国会答弁資料
① 令和6年12月12日の衆議院法務委員会
② 令和6年12月17日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録
→ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和6年9月)が含まれています。

3 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年11月24日法律第76号)

(1) 国会答弁資料
① 令和5年11月10日の衆議院法務委員会
② 令和5年11月16日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録

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裁判官の年収はいくらか―報酬月額・手当・推定計算

目次

第1 結論
第2 裁判官の年収の計算式
第3 令和8年の報酬月額の例
第4 年収に加わる主な手当
1 地域手当
2 初任給調整手当
3 期末手当及び勤勉手当4 裁判官特別勤務手当と推定計算の範囲
第5 過去の推定年収資料
第6 号別在職状況及び昇給との関係
第7 退職手当は別計算である
第8 よくある質問
1 裁判官の年収は報酬月額の12倍か
2 表の年収は手取りか
3 個々の裁判官の年収を特定できるか4 裁判官の平均年収はいくらか5 最高裁調査官の年収はいくらか
第9 出典

第1 結論

裁判官の年収は一律ではなく、「報酬月額の12か月分」に、地域手当、初任給調整手当、期末手当及び勤勉手当などを加えて推定する。

令和8年4月1日現在の報酬月額は、判事1号が122万4000円、判事4号が85万2000円、判事補1号が45万9000円である。

したがって、手当及び賞与を含めない12か月分だけで計算すると、判事1号は1468万8000円、判事4号は1022万4000円、判事補1号は550万8000円となる。

実際の年収は、号、勤務地、手当の支給要件、在職期間及び期末・勤勉手当の計算によって変わるため、報酬月額だけでは確定できない。

第2 裁判官の年収の計算式

年収を推定するときは,適用される官職・号,報酬が適用される期間,各手当の支給要件を順に確認する。
年の途中で月額や勤務先が変わる場合は,期間ごとに計算する必要がある。手当を含めた年間の支給額と,報酬月額だけを12倍した額は区別されたい。

裁判官の税引前年収の基本的な組立ては、次のとおりである。

「報酬月額×12か月+地域手当等の月例手当+期末手当+勤勉手当」

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裁判官の報酬以外の給与に関する規則

〇平成29年4月1日施行の,裁判官の報酬以外の給与に関する規則(平成29年3月17日最高裁判所規則第1号)は以下のとおりです。また,関連通達は以下のとおりです。
① 裁判官の報酬以外の給与に関する規則の運用について(平成29年3月28日付の最高裁判所長官の通達)
② 裁判官の報酬以外の給与の支給について(平成29年3月28日付の最高裁判所事務総長の通達)

  (趣旨)
第一条 裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号。以下「報酬法」という。)第九条第一項の規定に基づき裁判官に対して支給する報酬以外の給与については、この規則の定めるところによる。

(初任給調整手当)
第二条 報酬法別表判事補の項五号から十二号までの報酬月額の報酬を受ける判事補及び裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第四十四条の規定により任命された簡易裁判所判事で報酬法別表簡易裁判所判事の項十号から十七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事には、当分の間、初任給調整手当を支給する。
2 前項の規定により支給される初任給調整手当の月額は、別表第一の上欄に掲げる裁判官の区分に応じ、同表の下欄に定める額とする。
3 前二項の規定にかかわらず、別表第一の上欄に掲げる報酬法別表判事補の項六号から十二号までの報酬月額の報酬を受ける判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項十一号から十七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事の各区分に応じた同表の下欄に定める月額の初任給調整手当が最高裁判所の定める期間を超えて支給されることとなる判事補及び簡易裁判所判事には、その期間を超えるごとに順次上位の報酬の号に対応する月額の初任給調整手当を支給し、別表第一の上欄に掲げる報酬法別表判事補の項五号の報酬月額の報酬を受ける判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項十号の報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事の区分に応じた同表の下欄に定める月額の初任給調整手当が最高裁判所の定める期間を超えて支給されることとなる判事補及び簡易裁判所判事には、その期間を超える時から初任給調整手当を支給しない。

(扶養手当)
第三条 扶養手当は、扶養親族のある判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項五号から十七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事に対して支給する。ただし、次項第一号及び第三号から第六号までのいずれかに該当する扶養親族(第三項において「扶養親族たる配偶者、父母等」という。)に係る扶養手当は、報酬法別表判事補の項一号及び二号の報酬月額の報酬を受ける判事補並びに報酬法別表簡易裁判所判事の項五号から七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事に対しては、支給しない。
2 扶養手当の支給については、次に掲げる者で他に生計の途がなく主としてその裁判官の扶養を受けているものを扶養親族とする。
一 配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。) 
二 満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子
三 満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある孫
四 満六十歳以上の父母及び祖父母
五 満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある弟妹
六 重度心身障害者
3 扶養手当の月額は、扶養親族たる配偶者、父母等については一人につき六千五百円(報酬法別表判事補の項三号及び四号の報酬月額の報酬を受ける判事補並びに報酬法別表簡易裁判所判事の項八号及び九号の報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事にあっては、三千五百円)、前項第二号に該当する扶養親族(次項において「扶養親族たる子」という。)については一人につき一万円とする。
4 扶養親族たる子のうちに満十五歳に達する日後の最初の四月一日から満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間(以下この項において「特定期間」という。)にある子がいる場合における扶養手当の月額は、前項の規定にかかわらず、五千円に特定期間にある当該扶養親族たる子の数を乗じて得た額を同項の規定による額に加算した額とする。
5 前各項に定めるもののほか、扶養手当の支給については、一般の官吏の例による。 

(地域手当)
第四条 地域手当は、一般の官吏の例により支給する。

(広域異動手当)
第五条 広域異動手当は、判事、判事補及び簡易裁判所判事に対し、一般の官吏の例により支給する。

(住居手当)
第六条 住居手当は、判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項五号から十七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事に対し、一般の官吏の例により支給する。

(通勤手当)
第七条 通勤手当は、一般の官吏の例により支給する。

(単身赴任手当)
第八条 単身赴任手当は、高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事に対し、一般の官吏の例により支給する。

(特殊勤務手当)
第九条 特殊勤務手当は、判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項五号から十七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事に対し、一般の官吏の例により支給する。

(特地勤務手当等)
第十条 特地勤務手当及び特地勤務手当に準ずる手当は、判事、判事補及び簡易裁判所判事に対し、一般の官吏の例により支給する。

(裁判官特別勤務手当)
第十一条 判事、報酬法別表判事補の項一号から十号までの報酬月額の報酬を受ける判事補及び報酬法第十五条に定める報酬月額又は報酬法別表簡易裁判所判事の項一号から十五号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事が臨時又は緊急の必要その他の公務の運営の必要により裁判所の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十三号)第一条第一項の規定による裁判所の休日(次項において「休日」という。)に勤務した場合は、当該裁判官には、裁判官特別勤務手当を支給する。
2 前項に規定する場合のほか、同項の判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項五号から十五号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事が災害への対処その他の臨時又は緊急の必要により休日以外の日の午前零時から午前五時までの間の時間に勤務した場合は、当該裁判官には、裁判官特別勤務手当を支給する。
3 裁判官特別勤務手当の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
一 第一項に規定する場合 別表第二の上欄に掲げる裁判官の区分に応じ、同項の規定による勤務一回につき、同表の下欄に定める額(当該勤務に従事した時間が六時間を超える場合の勤務をした裁判官にあっては、同表の下欄に定める額に百分の百五十を乗じて得た額)
二 第二項に規定する場合 別表第三の上欄に掲げる裁判官の区分に応じ、同項の規定による勤務一回につき、同表の下欄に定める額
4 第一項の規定による勤務をした後、引き続いて第二項の規定による勤務をした裁判官には、その引き続く勤務に係る同項の裁判官特別勤務手当を支給しない。

(期末手当)
第十二条 裁判官であって六月一日及び十二月一日(以下この条から第十四条までにおいてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職するものに対しては、それぞれ基準日から当該基準日の属する月の末日までの間において最高裁判所が定める日(次条及び第十四条においてこれらの日を「支給日」という。)に期末手当を支給する。これらの基準日前一箇月以内に退職し、又は死亡した裁判官(最高裁判所が定める者を除く。)についても、同様とする。
2 期末手当の額は、期末手当基礎額に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官にあっては六月に支給する場合においては百分の百五十五、十二月に支給する場合においては百分の百七十を乗じて得た額に、判事及び報酬法第十五条に定める報酬月額又は報酬法別表簡易裁判所判事の項一号から四号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事にあっては六月に支給する場合においては百分の六十二・五、十二月に支給する場合においては百分の七十七・五を乗じて得た額に、報酬法別表判事補の項一号から四号までの報酬月額の報酬を受ける判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項五号から九号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事にあっては六月に支給する場合においては百分の百二・五、十二月に支給する場合においては百分の百十七・五を乗じて得た額に、報酬法別表判事補の項五号から十二号までの報酬月額の報酬を受ける判事補及び報酬法別表簡易裁判所判事の項十号から十七号までの報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事にあっては六月に支給する場合においては百分の百二十二・五、十二月に支給する場合においては百分の百三十七・五を乗じて得た額に、それぞれ基準日以前六箇月以内の期間におけるその者の在職期間の次の各号に掲げる区分に応じて当該各号に定める割合を乗じて得た額とする。
一 六箇月 百分の百
二 五箇月以上六箇月未満 百分の八十
三 三箇月以上五箇月未満 百分の六十
四 三箇月未満 百分の三十
3 前項の期末手当基礎額は、それぞれその基準日現在(退職し、又は死亡した裁判官にあっては、退職し、又は死亡した日現在)において裁判官が受けるべき報酬及び扶養手当の月額並びにこれらに対する地域手当及び広域異動手当の月額の合計額に、報酬月額並びにこれに対する地域手当及び広域異動手当の月額の合計額に別表第四の上欄に掲げる裁判官の区分に応じて同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た額(別表第五の上欄に掲げる裁判官にあっては、その額に報酬月額に同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た額を加算した額)を加算した額とする。

第十三条 裁判官で次の各号のいずれかに該当するものには、前条第一項の規定にかかわらず、当該各号の基準日に係る期末手当(第三号に掲げる者にあっては、その支給を一時差し止めた期末手当)は、支給しない。
一 基準日から当該基準日に対応する支給日の前日までの間に裁判官弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者
二 基準日前一箇月以内又は基準日から当該基準日に対応する支給日の前日までの間に退職した者で、その退職した日から当該支給日の前日までの間に禁錮以上の刑に処せられたもの
三 次条第一項の規定により期末手当の支給を一時差し止める処分を受けた者(当該処分を取り消された者を除く。)で、その者の在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられたもの

第十四条 最高裁判所長官は、支給日に期末手当を支給することとされていた裁判官で当該支給日の前日までに退職したものが次の各号のいずれかに該当する場合は、当該期末手当の支給を一時差し止めることができる。
一 退職した日から当該支給日の前日までの間に、その者の在職期間中の行為に係る刑事事件に関して、その者が起訴(当該起訴に係る犯罪について禁錮以上の刑が定められているものに限り、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第六編に規定する略式手続によるものを除く。第三項において同じ。)をされ、その判決が確定していない場合
二 退職した日から当該支給日の前日までの間に、その者の在職期間中の行為に係る刑事事件に関して、その者が逮捕された場合又はその者から聴取した事項若しくは調査により判明した事実に基づきその者に犯罪があると思料するに至った場合であって、その者に対し期末手当を支給することが、裁判官の職務に対する国民の信頼を確保し、期末手当に関する制度の適正かつ円滑な実施を維持する上で重大な支障を生ずると認めるとき。
2 前項の規定による期末手当の支給を一時差し止める処分(以下この条において「一時差止処分」という。)を受けた者は、第五項の説明書を受領した日の翌日から起算して六十日を経過した後においては、当該一時差止処分後の事情の変化を理由に、最高裁判所長官に対し、その取消しを申し立てることができる。
3 最高裁判所長官は、一時差止処分について、次の各号のいずれかに該当するに至った場合には、速やかに当該一時差止処分を取り消さなければならない。ただし、第三号に該当する場合において、一時差止処分を受けた者がその者の在職期間中の行為に係る刑事事件に関し現に逮捕されているときその他これを取り消すことが一時差止処分の目的に明らかに反すると認めるときは、この限りでない。
一 一時差止処分を受けた者が当該一時差止処分の理由となった行為に係る刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられなかった場合
二 一時差止処分を受けた者について、当該一時差止処分の理由となった行為に係る刑事事件につき公訴を提起しない処分があった場合
三 一時差止処分を受けた者がその者の在職期間中の行為に係る刑事事件に関し起訴をされることなく当該一時差止処分に係る期末手当の基準日から起算して一年を経過した場合
4 前項の規定は、最高裁判所長官が、一時差止処分後に判明した事実又は生じた事情に基づき、期末手当の支給を差し止める必要がなくなったとして当該一時差止処分を取り消すことを妨げるものではない。
5 最高裁判所長官は、一時差止処分を行う場合は、当該一時差止処分を受けるべき者に対し、当該一時差止処分の際、一時差止処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。
6 一時差止処分に対する審査請求については、一般の官吏の例による。

(勤勉手当)
第十五条 裁判官(最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官を除く。以下この条において同じ。)であって六月一日及び十二月一日(以下この条においてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職するものに対しては、基準日以前六箇月以内の期間におけるその者の勤務成績に応じて、それぞれ基準日から当該基準日の属する月の末日までの間において最高裁判所が定める日に勤勉手当を支給する。これらの基準日前一箇月以内に退職し、又は死亡した裁判官(最高裁判所が定める者を除く。)についても、同様とする。
2 勤勉手当の額は、勤勉手当基礎額に、最高裁判所が一般の官吏の例に準じて定める割合を乗じて得た額とする。
3 前項の勤勉手当基礎額は、それぞれその基準日現在(退職し、又は死亡した裁判官にあっては、退職し、又は死亡した日現在)において裁判官が受けるべき報酬月額並びにこれに対する地域手当及び広域異動手当の月額の合計額に、その額に別表第六の上欄に掲げる裁判官の区分に応じて同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た額(別表第七の上欄に掲げる裁判官にあっては、その額に報酬月額に同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た額を加算した額)を加算した額とする。
4 前二条の規定は、第一項の規定による勤勉手当の支給について準用する。この場合において、第十三条中「前条第一項」とあるのは「第十五条第一項」と、同条第一号中「基準日から」とあるのは「基準日(第十五条第一項に規定する基準日をいう。以下この条及び次条において同じ。)から」と、「支給日」とあるのは「支給日(同項に規定する最高裁判所で定める日をいう。以下この条及び次条において同じ。)」と読み替えるものとする。
5 前各項に定めるもののほか、勤勉手当の支給については、一般の官吏の例による。 

(寒冷地手当)
第十六条 寒冷地手当は、高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事に対し、一般の官吏の例により支給する。

(補則)
第十七条 この規則に定めるもののほか、報酬以外の給与の支給に関し必要な事項は、最高裁判所が定める。


附 則

(施行期日)
第一条 この規則は、平成二十九年四月一日から施行する。
(裁判官の寒冷地手当に関する規則等の廃止)

第二条 次に掲げる規則は、廃止する。
一 裁判官の寒冷地手当に関する規則(昭和二十四年最高裁判所規則第二十九号)
二 裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給に関する規則(昭和二十七年最高裁判所規則第三十一号)
三 裁判官の地域手当に関する規則(昭和四十二年最高裁判所規則第十七号)
四 裁判官の初任給調整手当に関する規則(昭和四十六年最高裁判所規則第二号)
五 裁判官特別勤務手当に関する規則(平成三年最高裁判所規則第六号)

(平成三十二年三月三十一日までの間における扶養手当に関する特例)
第三条 平成二十九年四月一日から平成三十年三月三十一日までの間は、第三条第一項ただし書の規定は適用せず、同条第三項の規定の適用については、同項中「扶養親族たる配偶者、父母等については一人につき六千五百円(報酬法別表判事補の項三号及び四号の報酬月額の報酬を受ける判事補並びに報酬法別表簡易裁判所判事の項八号及び九号の報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事にあっては、三千五百円)、前項第二号に該当する扶養親族(次項において「扶養親族たる子」という。)については一人につき一万円」とあるのは、「前項第一号に該当する扶養親族については一万円、同項第二号に該当する扶養親族(以下この項及び次項において「扶養親族たる子」という。)については一人につき八千円(裁判官に配偶者がない場合にあっては、そのうち一人については一万円)、同項第三号から第六号までのいずれかに該当する扶養親族については一人につき六千五百円(裁判官に配偶者及び扶養親族たる子がない場合にあっては、そのうち一人については九千円)」とする。
2 平成三十年四月一日から平成三十一年三月三十一日までの間は、第三条第一項ただし書の規定は適用せず、同条第三項の規定の適用については、同項中「扶養親族たる配偶者、父母等」とあるのは「前項第一号及び第三号から第六号までのいずれかに該当する扶養親族」と、「(報酬法別表判事補の項三号及び四号の報酬月額の報酬を受ける判事補並びに報酬法別表簡易裁判所判事の項八号及び九号の報酬月額の報酬を受ける簡易裁判所判事にあっては、三千五百円)、前項第二号」とあるのは「 、同項第二号」とする。
3 平成三十一年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間は、第三条第一項ただし書の規定は適用せず、同条第三項の規定の適用については、同項中「扶養親族たる配偶者、父母等」とあるのは「前項第一号及び第三号から第六号までのいずれかに該当する扶養親族」と、「三号及び四号」とあるのは「一号から四号まで」と、「八号及び九号」とあるのは「五号から九号まで」と、「前項第二号」とあるのは「同項第二号」とする。

(裁判官特別勤務手当の支給に関する経過措置)
第四条 平成二十九年三月三十一日までの間における附則第二条による廃止前の裁判官特別勤務手当に関する規則第一条に規定する勤務に対する裁判官特別勤務手当の支給については、なお従前の例による。

(期末手当及び勤勉手当の支給に関する経過措置)
第五条 この規則の施行の際現に附則第二条による廃止前の裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給に関する規則附則第八項の適用を受けている裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給については、なお従前の例による。

(裁判官の育児休業に関する規則の一部改正)
第六条 裁判官の育児休業に関する規則(平成四年最高裁判所規則第二号)の一部を次のように改正する。
第十二条第一項中「裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給に関する規則(昭和二十七年最高裁判所規則第三十一号)第一条第一項」を「裁判官の報酬以外の給与に関する規則(平成二十九年最高裁判所規則第一号)第十二条第一項」に、同条第二項中「裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給に関する規則第四条第一項」を「裁判官の報酬以外の給与に関する規則第十五条第一項」に改める。