目次
第1 応募書類は募集要項から逆算して準備する1 本記事の対象と資料の読み方2 履歴書が必要か,専用フォームで足りるかを確認する3 提出物を一つの確認表にする第2 履歴書と職務経歴書に書く事実を整理する1 学歴・職歴・資格の年月をそろえる2 社会人経験は担当・行動・結果を分ける3 新卒型の応募者は実際の活動から説明する第3 志望動機は応募先の業務と自分の経験を結び付ける1 なぜ弁護士か,なぜその事務所かを分ける2 架空の例で具体化の方法を確認する3 理由を聞かれたときの説明を準備する第4 修習経験は秘密を出さずに学びを説明する1 事件の内容と自分の学習過程を分ける2 生成AIへの入力と提出前の確認第5 面接は提出書類の説明と条件確認を準備する1 説明する項目を短く整理する2 応募者から確認する事項を用意する3 修習との重複,連絡及び面接方法を確認する第6 提出前の確認順序第7 出典・参考資料
第1 応募書類は募集要項から逆算して準備する
1 本記事の対象と資料の読み方
本記事は,司法修習生又は司法修習予定者が法律事務所への応募書類を作成し,面接に備える際の確認順序を説明するものである。
最高裁判所への司法修習生採用選考の申込みとは別の手続であり,企業,法テラス,判事補又は検事の選考に同じ書式をそのまま使うことを勧めるものではない。
公開資料の確認日は令和8年10月10日である。
以下では,個別事務所の公表した応募条件と,書類を整理するための本記事の提案を区別する。例文は架空のものであり,実際の応募者の経歴,特定の事務所の採点基準又は採用を保証する文章ではない。
就職活動を始める時期,修習時間中の面接及び進路別の条件確認は,司法修習中の就職活動を参照されたい。
制度全体は,司法修習生とはで説明している。
2 履歴書が必要か,専用フォームで足りるかを確認する
RITA総合法律事務所の採用情報は,司法修習生の応募について,写真付きの様式自由の履歴書,司法試験成績通知書の写し,予備試験合格者の予備試験成績通知書の写し,自己PR・志望動機等を掲げている。
他方,同ページの職務経歴書の指定は,アソシエイト・中途採用等の別区分にある。社会人経験がある司法修習生にも必ず職務経歴書の提出が求められる,という一般的な条件を示すものではない。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の司法修習生予定者向け案内は,令和8年に司法試験を受験した者の個別事務所訪問について,応募フォームと,顔写真,大学専門学部・法科大学院の成績証明書,該当者の予備試験成績通知書等を指定している。
応募時点で成績証明書等を提出することが難しい場合の扱いも示している。これは当該訪問募集の条件であり,他の事務所にも同じ扱いがあるとは限らない。
したがって,履歴書,職務経歴書,エントリーシート及び成績資料の要否は,応募先と募集区分ごとに確認する必要がある。
指定書式,記入欄又は字数があるときはその指定を優先し,別紙を追加する前に,添付が認められるかを確認するとよい。
3 提出物を一つの確認表にする
確認項目応募前に記録する内容対象者司法試験年度,修習期,修習予定者か修習中の者か書式専用フォーム,履歴書の様式,写真,字数,ファイル形式・容量成績資料等どの試験・学校の資料が必要か,原本か写しか,未取得の場合の扱い提出経路・期限フォーム,メール,郵送の別,必着・消印有効,追加提出の期限受領と連絡送信完了表示,受領メール,面接連絡の方法,問い合わせ先
募集ページは変更されることがあるため,確認日とURLを記録し,応募時点の募集要項を保存する方法が有用である。
写真や成績資料を含む添付ファイルは,宛先と募集主体を照合してから送信する。提出物の不足に気付いた場合は,独自に期限を延ばしたことにせず,公表された問い合わせ方法で確認する必要がある。
第2 履歴書と職務経歴書に書く事実を整理する
1 学歴・職歴・資格の年月をそろえる
履歴書では,所属,入学・卒業・修了・退職の年月及び資格の取得・登録状況を,確認できる資料と対応させる。
入学と編入,卒業と修了,資格取得と登録,司法試験合格と司法修習生採用は別の出来事であるため,実際の状態に合う言葉を用いる必要がある。
採用前は「司法修習予定」,修習中は実際の修習状況を記載し,まだ得ていない合格,登録又は資格を取得済みのものとして記載しない。
年月の表記は応募書式に合わせて統一し,履歴書,フォーム,志望動機及び面接で説明する経歴の間に食い違いがないかを確認するとよい。
2 社会人経験は担当・行動・結果を分ける
社会人経験を示す際は,会社名や役職だけで終えず,自分の担当範囲,直面した課題,取った行動及び確認できる結果を分けて整理する方法が考えられる。
組織全体の成果を本人一人の成果に置き換えず,交渉の主担当,資料作成の担当又は補助など,自分が果たした役割を正確に記載する。
例えば,営業経験を持つ架空の応募者であれば,「対人能力がある」という評価だけでなく,「顧客の要望を聞き取り,契約条件と納期を関係部署に確認し,説明資料にまとめる担当をしていた」という行動を示すことができる。