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司法修習生の修習専念義務とは―兼業・兼学・欠席との関係(AIリライト)

司法修習生は,裁判所法67条2項により修習専念義務を負い,最高裁判所の許可を受けなければ,公務員となり,他の職業に就き,又は財産上の利益を目的とする業務を行うことができない。修習専念義務は,単なる心構えではなく,兼職・兼業,欠席,兼学,秘密保持及び非違行為の判断と結び付く法的義務である。

本記事は,令和8年9月22日現在の裁判所法,裁判所の公表資料及び全文確認済み裁判例に基づき,修習専念義務の根拠・内容・法的地位・実務上の確認事項を整理する。採用選考の手続案内と関連記事は,令和8年10月5日の公表状況に基づき補っている。

第1 修習専念義務の法的根拠

1 裁判所法67条2項

裁判所法67条2項は,司法修習生が修習期間中その修習に専念しなければならないと定める。最高裁判所の「司法修習の概要」は,これを「修習期間中,司法修習生が,全力を修習のために用いてこれに専念すべき」義務と説明している。

2 司法修習生に関する規則2条

司法修習生に関する規則2条は,最高裁判所の許可を受けなければ,公務員となり,他の職業に就き,又は財産上の利益を目的とする業務を行うことができないと定める。裁判所の公表ページも,司法修習生は国家公務員ではないがこれに準じた身分にあるものとして取り扱われ,兼業・兼職の禁止,修習専念義務及び守秘義務を負うと説明している。

第2 義務の内容と兼職・兼業・兼学

1 採用前の在職・在学を放置しないこと

採用日後も会社等に在籍し,財産上の利益を目的とする業務を行い,又は大学等に在籍を続ける場合は,兼職・兼業・兼学の許可が問題となる。実際に業務をしていない休職中又は休学中でも,形式上の在籍だけで当然に許可不要とはいえない。

2 許可の有無と修習への支障は別に確認すること

許可申請では,中立性・公正性が守られるか,修習に支障がないか,報酬を受けるか,業務を行うかなどが問題となる。具体的な提出期間,提出方法,様式及び疎明資料は期ごとに確認しなければならない。第80期については,令和8年10月5日現在,令和8年度採用選考要項は公表されているが,申込手続の手引きは同要項で10月中旬頃の掲載予定とされている。兼業・兼学等の申請方法を,第78期又は第79期の方法から確定事項として流用できない。

兼職・兼業・兼学の詳細は,「司法修習生の兼業・兼職・兼学と許可手続(AIリライト)」及び「司法修習生の兼学許可」を参照されたい。

第3 秘密保持義務及び品位

司法修習生に関する規則3条は,修習に当たって知った秘密を漏らしてはならないと定める。実務修習では実際の事件を素材として学ぶため,秘密保持は修習専念義務と並ぶ独立の法的義務である。規則4条は,高い識見と円満な常識を養い,法律に関する理論と実務を身に付け,裁判官・検察官・弁護士にふさわしい品位と能力を備えるよう努めることを定める。

SNS,生成AI,私物クラウド,録音・撮影及び外部端末への保存について,公開資料だけから具体的な許否や技術要件を一般化してはならない。事件情報を入力・送信・保存する前に,当期の司法研修所資料及び配属先の指示を確認し,不明な場合は指導担当者等へ確認する必要がある。

第4 司法修習生の法的地位と裁判例

1 国に労務を提供する者ではないとした福岡高裁判決

福岡高裁令和元年5月10日判決(平成30年(ネ)第438号,判例秘書L07420901)は,司法修習を専門家養成のための教育・修業と捉え,司法修習生は国に対して労務を提供する者ではないとした。旧給費制の給与についても,労務提供の対価ではなく,修習に専念させてその成果を確保するための配慮・方策と位置付けた。

同判決は,統一司法修習及び給費制が憲法上直接要請されるとはせず,給費制から貸与制への移行等を違憲としなかった。したがって,「厳格な監督を受けるから労働者である」又は「給与の名称があるから労務対価である」と単純に結論付けることはできない。

判例確認範囲:令和8年9月22日,判例秘書&4誌解説プラス・判例全文検索で「司法修習生 AND 修習専念義務」を検索し,12件の一覧を確認した上で,L07420901及びL07820614を全文確認した。L07420901の裁判所公式原本URLは未確認である。検索ヒットがないことは判例不存在を意味せず,12件全部を全文読了したものでもない。

2 国家公務員ではないこと

裁判所の公表ページは,司法修習生を国家公務員ではないがこれに準じた身分にあるものとして取り扱うと説明する。修習専念義務,兼職・兼業の制限及び守秘義務があることと,労働契約に基づき国へ労務を提供することとは区別する必要がある。

第5 実務上の確認事項

  • 採用日前に,在職・休職・役員・後見人・賃貸・講師・答案添削・大学等の在籍を棚卸しする。
  • 許可の要否を自己判断せず,当期の申込手続の手引と問い合わせ先を確認する。
  • 許可を受けても,修習への支障,報酬,業務内容又は在籍状況が変わったときは再確認する。
  • 欠席承認,兼職・兼業許可及び兼学許可は別の手続として確認する。
  • 事件情報については,公開情報かどうかにかかわらず,当期資料及び配属先の情報管理指示に従う。

欠席承認については司法修習生の欠席・休暇・修習停止を,対人関係などの悩みの相談については司法修習生の相談先を参照されたい。許可・承認の申請と,悩みの相談は別に確認する必要がある。

第6 関連記事

出典