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司法統計

国選弁護人だと保釈されにくいのか―保釈率27.4%と70.7%を因果関係と読めない理由(AI作成)

目次

第1 結論―統計の差だけでは弁護人の効果を比較できない第2 令和6年の国選弁護人の有無別統計第3 「国選なし」は「私選あり」と同じではない第4 因果関係を示さない四つの理由1 事件構成が異なる2 資力及び選任条件が異なる3 保釈請求の有無が分からない4 個別の弁護活動及び判断理由が分からない第5 国選弁護人選任率は罪名によっても異なる第6 国選弁護人と私選弁護人の役割第7 個別の保釈請求で確認すべき事項第8 統計の限界と適切な使い方第9 一次資料及び関連記事1 一次資料2 関連記事
第1 結論―統計の差だけでは弁護人の効果を比較できない

令和6年の地方裁判所通常第一審では,国選弁護人が選任された区分の保釈率は27.4%,国選弁護人が選任されなかった区分の保釈率は70.7%である。

しかし,この差から「私選弁護人なら70.7%の割合で保釈される」「国選弁護人は私選弁護人より能力が低い」と結論付けることはできない。
表の「国選弁護人が選任されなかった人員」は「私選弁護人が選任された勾留被告人」と同じ集団ではなく,事件の内容,資力,勾留の有無,保釈請求の有無等の条件もそろっていないからである。

裁判所の刑事事件Q&Aも,国選弁護人と私選弁護人とで弁護人としての役割に違いはないと説明している。
統計上の関連と,制度上の役割又は個々の弁護活動の評価は分けて考える必要がある。

第2 令和6年の国選弁護人の有無別統計

令和8年9月の開示文書の表7によれば,令和6年の人員は次のとおりである。

区分終局人員勾留人員勾留率保釈人員保釈率国選弁護人が選任された人員4万410人3万124人74.5%8254人27.4%国選弁護人が選任されなかった人員7148人3823人53.5%2702人70.7%

表7の保釈率の分母は勾留人員である。
したがって,27.4%は8254人を3万124人で割った値であり,70.7%は2702人を3823人で割った値である。
保釈請求をした被告人又は保釈請求件数を分母にした許可率ではない。

第3 「国選なし」は「私選あり」と同じではない

表7の区分は,「国選弁護人が選任された人員」と「国選弁護人が選任されなかった人員」である。
後者を,注記等による裏付けなく「私選弁護人が選任された人員」と読み替えることはできない。

また,二つの集団は,国選か私選かだけが異なる比較実験ではない。
国選弁護人の選任には,手続段階,事件類型,法定刑,資力,弁護人の有無その他の制度上・事実上の条件が関係する。
終局人員のうち勾留された割合自体も,国選あり74.5%,国選なし53.5%と異なる。

このように入口の集団が異なる以上,その後の保釈率の差を弁護人の選任形態だけの効果と説明することはできない。

第4 因果関係を示さない四つの理由
1 事件構成が異なる

罪名,事件の重大性,共犯関係,認否,証拠関係等の構成が二つの集団で同じとは限らない。
重い事件又は身柄拘束の必要性が問題となりやすい事件が一方に多ければ,弁護活動とは別に保釈率へ影響する。

2 資力及び選任条件が異なる

国選弁護人制度は,資力や私選弁護人の選任状況等と関係する。
表7は,資力,保証金の調達可能性,家族・監督者による支援等を調整していない。

3 保釈請求の有無が分からない

表7の保釈率の分母は勾留人員であり,保釈請求をした人ではない。
各区分で,何人が保釈を請求したか,何回請求したか,どの時期に請求したかは表から分からない。

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罪名別の勾留率・保釈率―窃盗・詐欺・覚醒剤・交通事件・入管法違反の令和6年統計(AI作成)

目次

第1 罪名別の勾留率・保釈率を読む前提第2 令和6年の主要罪名別比較第3 窃盗・詐欺・強盗・恐喝第4 交通事件―勾留率と保釈率を別々に読む第5 覚醒剤事犯―勾留率98.6%,保釈率29.4%第6 入管法違反―保釈率2.2%の限界第7 刑事訴訟法上は罪名だけで決まらない第8 統計利用上の限界第9 一次資料及び関連記事1 一次資料2 関連記事
第1 罪名別の勾留率・保釈率を読む前提

令和8年9月の開示文書の表2は,地方裁判所の通常第一審で終局した人員を罪名別に分け,勾留人員と保釈人員を示している。
令和6年の全体では,終局人員4万7558人,勾留人員3万3947人,保釈人員1万956人であり,勾留率は71.4%,保釈率は32.3%である。

この表の勾留率は終局人員を分母とし,保釈率は勾留人員を分母とする。
保釈率は,保釈請求をした人のうち許可された割合ではない。
罪名別の数字を比較するときも,この分母の違いを維持する必要がある。

第2 令和6年の主要罪名別比較

表2から,終局人員,勾留率及び保釈率を抜き出すと次のとおりである。

罪名終局人員勾留率保釈率傷害1778人88.5%36.8%業務上過失致死傷(注)3948人6.4%68.9%窃盗・常習累犯窃盗1万2172人84.8%21.0%強盗・強盗致死傷433人97.2%8.8%詐欺3308人83.6%31.8%恐喝286人95.8%48.9%覚醒剤取締法違反4876人98.6%29.4%道路交通法違反5659人21.2%45.6%出入国管理及び難民認定法違反2176人98.2%2.2%

(注)表2の罪名欄の表記であり,同表の注記によれば,平成19年以降は自動車運転過失致死傷を,平成26年以降は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条の過失運転致死傷を含む。

表の差は大きいが,罪名だけが原因で差が生じたことを示すものではない。
罪名ごとに,身柄事件となる事案の構成,証拠関係,共犯者の有無,住居・在留・就労状況,保釈請求の有無等が異なり得るからである。

第3 窃盗・詐欺・強盗・恐喝

令和6年の保釈率は,窃盗・常習累犯窃盗が21.0%,詐欺が31.8%,強盗・強盗致死傷が8.8%,恐喝が48.9%である。
同じ財産犯又は経済的被害を伴う犯罪であっても,表の割合はそろわない。

しかし,例えば「詐欺なら31.8%の確率で保釈される」「恐喝の方が強盗より保釈されやすい」と個別事件に当てはめることはできない。
表2は,起訴事実の内容,被害額,組織性,共犯関係,被害弁償,前科,認否,保釈請求の内容又は保釈条件を調整していないからである。

個別事件では,罪証隠滅又は逃亡のおそれを基礎付ける事情と,関係者への接触禁止,住居・監督体制その他の条件で危険を抑えられるかを具体的に検討する必要がある。

第4 交通事件―勾留率と保釈率を別々に読む

業務上過失致死傷(過失運転致死傷を含む。)の勾留率は6.4%,保釈率は68.9%であり,道路交通法違反の勾留率は21.2%,保釈率は45.6%である。

ここで,保釈率の分母になるのは,そもそも勾留された人だけである。
業務上過失致死傷では終局人員の多くが勾留されていないため,保釈率68.9%を終局人員全体の68.9%が保釈されたという意味に読んではならない。

交通事件でも,酒気帯び・無免許・ひき逃げの有無,前科,事故後の行動,住居・就労,認否等によって個別事情は異なる。
罪名欄の大分類だけから身柄見通しを断定することはできない。

第5 覚醒剤事犯―勾留率98.6%,保釈率29.4%

表8は,覚醒剤事犯とそれ以外の事件を分けている。
令和6年の覚醒剤事犯は,終局人員4876人,勾留人員4806人,勾留率98.6%,保釈人員1414人,保釈率29.4%であり,全通常第一審事件に占める割合は10.3%である。

これに対し,覚醒剤事犯以外の事件は,終局人員4万2682人,勾留率68.3%,保釈率32.7%である。

「覚醒剤事犯でも勾留人員の約3割が保釈された」という表現はできる。

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保釈はいつ認められるか―初公判前74.9%と自白・否認別統計の正しい読み方(AI作成)

目次

第1 保釈は起訴後いつ認められるのか第2 令和6年の保釈時期―全体・自白・否認別第3 74.9%と24.2%は分母が違う第4 「否認すると保釈されない」とはいえない第5 第1回公判前であることと最高裁判例第6 保釈請求から実際の釈放までに確認する事項第7 この統計から個別事件の結果を予測できない理由第8 一次資料及び関連記事1 一次資料2 関連記事
第1 保釈は起訴後いつ認められるのか

令和6年に地方裁判所の通常第一審で保釈された1万956人のうち,8209人(74.9%)は第1回公判期日前に保釈されている。
ただし,この74.9%は「勾留された被告人全体のうち初公判前に保釈された割合」ではなく,「最終的に保釈された被告人のうち初公判前に保釈された割合」である。

刑事訴訟法88条は,勾留されている被告人について,被告人本人,弁護人等が保釈を請求できると定めている。
したがって,保釈は起訴後,第1回公判期日前にも請求できる。
反対に,起訴前の被疑者勾留については刑事訴訟法上の保釈制度はない。

実際にいつ判断され,いつ釈放されるかは,請求の時期,検察官の意見,裁判所の審理,保釈保証金の納付,不服申立ての有無等によって異なる。
統計上の割合を,個別事件の所要日数又は保釈の見込みに置き換えることはできない。

第2 令和6年の保釈時期―全体・自白・否認別

令和8年9月の開示文書の表6は,地方裁判所の通常第一審で終局した事件について,勾留人員,保釈人員及び保釈の時期を自白・否認別に集計している。
令和6年欄は次のとおりである。

区分勾留人員保釈人員保釈率全体3万3947人1万956人32.3%自白2万9105人9913人34.1%否認3596人984人27.4%

保釈された人員を,釈放の日と第1回公判期日との前後で分けると,次のとおりである。

区分第1回公判前第1回公判と同日第1回公判後全体8209人・74.9%111人・1.0%2578人・23.5%自白7779人・78.5%98人・1.0%2036人・20.5%否認430人・43.7%13人・1.3%541人・55.0%

表6の時期別割合の分母は,各区分の保釈人員である。
全体の74.9%は8209人を1万956人で割った値であり,自白の78.5%は7779人を9913人で,否認の43.7%は430人を984人で割った値である。

なお,表6の自白・否認は終局段階の区分である。
起訴時の認否がその後一度も変わらなかったことまで示す統計ではない。

第3 74.9%と24.2%は分母が違う

初公判前に保釈された8209人を,保釈人員1万956人ではなく,勾留人員3万3947人で割ると24.2%になる。
この24.2%は,開示文書に印字された割合ではなく,本記事が表6の人数から計算した値である。

したがって,次の二つは別の質問に答える数字である。

①74.9%:保釈された人のうち,第1回公判前に保釈された人の割合
②24.2%:勾留された人のうち,第1回公判前に保釈された人の割合(本記事による計算)

また,令和6年の保釈率32.3%の分母は勾留人員であって,保釈請求をした人又は保釈請求件数ではない。
32.3%の残りを「保釈請求の却下率」と説明することもできない。

第4 「否認すると保釈されない」とはいえない

表6では,否認区分の保釈率は27.4%であり,自白区分の34.1%より低い。
また,保釈された否認区分984人のうち,第1回公判後の保釈が541人(55.0%)を占める。

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保釈率の読み方―勾留率・保釈許可率との違いと令和6年の統計(AI作成)

目次

第1 勾留率・保釈率・保釈許可率を区別する1 令和6年の地裁通常第一審の人員2 保釈率から保釈請求の却下率は分からない3 集計対象と表の違い第2 初公判前の保釈は何を分母にした割合か第3 外国人の保釈率は表の対象範囲を確認する1 表4は通訳翻訳人が付いた外国人事件の人員2 表5の外国人区分は別の人員である第4 国選弁護人の有無による差をどう読むか第5 古い保証金額の分布を現在の相場にしない第6 出典と関連記事1 出典2 関連記事第7 よくある質問1 保釈率32.3%は保釈請求の許可率か2 初公判前74.9%は勾留された人全体の割合か3 「国選弁護人なし」は「私選弁護人あり」か4 表4と表5の外国人は同じ集団か

保釈率を読むときは,何人を分母にした割合かを確認する必要がある。
保釈率が3割程度であることは,保釈請求の約7割が却下されたことを意味しない。
本記事では,令和8年9月の開示文書として公開された最高裁判所の統計資料と,法務省の令和7年版犯罪白書を基に,令和6年の地方裁判所の通常第一審の数値を整理する。

第1 勾留率・保釈率・保釈許可率を区別する
1 令和6年の地裁通常第一審の人員

開示資料の表2では,令和6年の総数について,終局人員が47,558人,勾留人員が33,947人,保釈人員が10,956人とされている。
この表の勾留率は,終局人員を分母にした33,947人÷47,558人であり,71.4%である。
保釈率は,勾留人員を分母にした10,956人÷33,947人であり,32.3%である。
法務省の令和7年版犯罪白書第2編第3章第3節6も,令和6年の地裁の勾留率を71.4%,保釈率を32.3%としている。

2 保釈率から保釈請求の却下率は分からない

上記の保釈率の分母は,保釈請求をした被告人や,裁判所が処理した保釈請求の件数ではない。
したがって,32.3%を保釈請求の許可率に置き換えたり,その残りを却下率と説明したりすることはできない。
保釈許可率や保釈請求率を別途引用する場合も,請求・処理・許可のどの人員を数えたか,実人員か延べ人員か,表の計算式と注記を確認する必要がある。

3 集計対象と表の違い

本記事の中心となる数値は,地裁の通常第一審についての終局人員の統計である。
捜査段階の勾留請求の認容率や,現在勾留されている被告人全体のある時点の状態を表す数値としては扱わない。
開示資料の表1には令和6年の勾留率60.3%,保釈率32.4%という別の数値が掲載されており,表2の総数と同じ数値ではない。
本記事では,人員と算式を確認でき,犯罪白書の説明とも一致する表2及び表5を基準とし,表1の系列とは接続しない。

罪名別の数字も同じ分母で比較する必要がある。
令和6年の主要罪名について,終局人員,勾留率及び保釈率を一覧化したものは,罪名別の勾留率・保釈率―窃盗・詐欺・覚醒剤・交通事件・入管法違反の令和6年統計を参照されたい。
罪名別の割合は,個別事件の保釈見込みを示す確率ではない。

第2 初公判前の保釈は何を分母にした割合か

開示資料の表6では,令和6年の保釈人員10,956人のうち,第1回公判期日前の保釈人員が8,209人であり,保釈人員に占める割合は74.9%である。
同じ8,209人を勾留人員33,947人で割ると24.2%になる。
表6の角括弧内の割合は保釈人員を分母とし,丸括弧内の割合は勾留人員を分母としているため,両者を混同してはならない。
「保釈された人のうち初公判前に保釈された割合」と「勾留された人のうち初公判前に保釈された割合」は,別の質問に答える統計である。
また,終局した事件の集計から,個別の被告人が初公判前に保釈される確率をそのまま算出することはできない。

自白・否認別の保釈率,第1回公判前・同日・公判後の人員,74.9%と24.2%の分母の違い及び最高裁決定との関係は,保釈はいつ認められるか―初公判前74.9%と自白・否認別統計の正しい読み方で詳しく説明している。

第3 外国人の保釈率は表の対象範囲を確認する

(続きを読む...)保釈率の読み方―勾留率・保釈許可率との違いと令和6年の統計(AI作成)

司法統計年報の探し方と読み方―新受・既済・未済,件数・人員及び資料の使い分け(AI作成)

目次

第1 司法統計年報で分かること第2 年報の探し方――年別一覧と詳細検索を使い分ける1 近年の年報は年別・編別の一覧から探す2 詳細検索の対象年を確認する3 最新の掲載版と過年度訂正を確認する第3 新受・既済・未済と,件数・人員の違い1 その年に入った事件と,その年に終わった事件は同じ集団ではない2 4編の単位をそろえる第4 同じ条件で比較するための確認事項1 事件,裁判所及び期間をそろえる2 内数,除外項目及び符号を確認する3 審理期間と終局結果を区別する第5 司法統計年報と他の資料を使い分ける第6 統計を引用するときに残す情報第7 出典・関連記事
第1 司法統計年報で分かること

司法統計年報は,全国の裁判所が取り扱った事件について,裁判統計報告を集計した年次資料である。
民事・行政編,刑事編,家事編及び少年編の4編から,調べたい事件に対応する編を選ぶ。
令和7年版の民事・行政編の序文は,令和7年中に全国の裁判所が取り扱った民事・行政事件の報告を集計・収録した資料であると説明している。

最高裁判所が作成・公表する資料であっても,統計の対象が最高裁判所の事件だけとは限らない。
各表の見出しで,全裁判所,全地方裁判所,裁判所別等の集計範囲を確認する必要がある。
出典は令和7年司法統計年報・民事行政編の序文,目次及び概要である。

報告制度の通達,月報・年表・事件票等の原資料は,裁判統計報告で案内している。
本記事では,公表された年報を探し,同じ条件の数値を比較・引用する方法を扱う。

第2 年報の探し方――年別一覧と詳細検索を使い分ける
1 近年の年報は年別・編別の一覧から探す

裁判所の司法統計年報一覧で対象年と編を選ぶと,その年報の検索結果一覧に進む。
令和8年10月14日の確認時点では,令和7年の4編が掲載されており,各編の結果一覧にはPDFとExcelへのリンクがある。
PDFは目次,概要及び表の注記を読む際に,Excelは数値を取り出して集計する際に利用できる。

Excelを利用する場合も,セルの数字だけを引用せず,表番号,見出し,単位,注記及び概要を併せて確認する。
PDFの目次には各統計表へのリンクがあり,結果一覧には,表紙だけを1ページ表示とする見開き表示の案内がある。
PDFの通しページと冊子の印刷ページは異なるので,引用には表番号と冊子ページを記し,必要に応じてPDFの通しページも併記すると確認しやすい。

2 詳細検索の対象年を確認する

年報の詳細検索条件指定画面には,令和2年までの年報を対象とする旨の表示がある。
同画面では,事件の分野,裁判所,新受・既済・未済,裁判の期間等の条件を選べる。
近年の年報を探す際には,この詳細検索だけで有無を判断せず,年別一覧を確認する必要がある。

3 最新の掲載版と過年度訂正を確認する

年報一覧は,令和6年の4編について令和8年9月17日更新版の掲載を表示している。
過去の年を調べる場合も,保存済みの古いPDFと同じ数値が現在の掲載版に残っているとは限らない。
年報の「掲載・更新履歴」と「利用上の注意」を確認し,取得・確認した日を記録する。

令和7年版4編の掲載・更新履歴には,令和8年6月25日掲載と記載されている。
これは資料の掲載日であり,統計の対象年が令和8年であるという意味ではない。

第3 新受・既済・未済と,件数・人員の違い
1 その年に入った事件と,その年に終わった事件は同じ集団ではない

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令和4年度最高裁民事破棄判決等の実情-25判決・3決定の一覧と主要8事件(AI作成)

目次

第1 資料の対象と位置付け第2 破棄件数と割合の読み方1 破棄判決の母数と割合2 差戻し・自判と破棄理由3 破棄決定の3件第3 掲載された25判決・3決定の一覧1 破棄判決25件2 破棄決定3件第4 主要8事件の判断1 町内会の土地と釈明義務2 別訴が係属する財産と財産分与3 ツイッター投稿の削除と比較衡量4 家賃保証契約の解除・明渡し条項5 原発事故の国賠責任と反対意見6 財産開示と弁済の主張7 子の引渡しの間接強制8 調査委員会の弁護士と訴訟代理人排除第5 関連資料への導線第6 出典・参考資料1 年次論文・一覧表2 裁判例
第1 資料の対象と位置付け

令和4年度の「最高裁民事破棄判決等の実情」によれば,対象となる破棄判決は25件,破棄決定は3件である。
対象期間は令和4年1月から12月までであり,4月から翌年3月までの会計年度ではない。
行政事件・労働事件も集計に含まれる。

原資料は,鷹野旭・和久一彦「最高裁民事破棄判決等の実情-令和4年度-」(判例時報2563号,令和5年10月1日号,88頁~112頁)である。
この論文は,当該年の事件と破棄理由を整理した解説であり,判決・決定そのものとは区別される。
以下では,論文の集計と掲載事件の索引を示し,主要8事件について裁判所公表の本文に基づいて判断を説明する。

第2 破棄件数と割合の読み方
1 破棄判決の母数と割合
(1) 調整済み既済件数

論文が示す通常上告事件の既済件数は2168件,上告受理申立て事件の既済件数は2704件であり,単純合計は4872件となる。
同一事件の通常上告と上告受理申立ての重複を調整した既済件数は2956件であり,破棄判決25件の割合はこの調整済み件数を母数としている。

25÷2956×100を計算すると約0.85%となる。
論文の表示は小数第1位までの0.8%であり,25件という件数と2956件という母数を併せて読むことで計算の関係が分かる。

(2) 個別事件の見通しとの違い

この割合は,令和4年に処理された事件全体についての記述である。
特定の事件で上告又は上告受理申立てが成功する確率を示す数値ではなく,申立て理由や原判決の内容を評価せずに個別事件へ当てはめることはできない。

2 差戻し・自判と破棄理由
(1) 主文の内訳と重複

論文によれば,差戻しを含む判決は11件,自判を含む判決は15件であり,両方を含む判決が1件ある。
11+15-1=25であり,差戻しと自判を重複のない分類として足し合わせると,件数を1件多く数えることになる。

差戻しでは破棄された部分について原審でさらに審理が行われ,自判では最高裁自身がその部分の裁判をする。
一部破棄の事件には,残る部分について棄却や却下をしたものもあるため,「破棄」の語だけでは当事者の請求がどこまで認められたかは分からない。

(2) 論旨に基づく破棄と職権破棄

破棄理由についての論文の内訳は,論旨に基づくもの21件,職権によるもの3件,両方によるもの1件である。
この3区分では21+3+1=25となり,主文の差戻し・自判の分類とは別の集計である。

3 破棄決定の3件

許可抗告事件について,論文は既済16件のうち破棄決定3件,割合18.8%と整理している。
3÷16×100=18.75%であり,判決の25件とは事件の種類も母数も異なる。

(続きを読む...)令和4年度最高裁民事破棄判決等の実情-25判決・3決定の一覧と主要8事件(AI作成)

令和5年度最高裁民事破棄判決等の実情-19判決・8決定の一覧と代表判例(AI作成)

目次

第1 対象資料と令和5年分の範囲第2 基礎件数と破棄率の分母1 上告・上告受理申立てと0.6%2 許可抗告35%と資料間の件数差3 差戻し・自判・訴訟終了の内訳第3 破棄判決19件の一覧第4 破棄決定8件の一覧第5 公式全文から読む代表9裁判1 手続の前提を誤った二つの裁判2 賃金の名称や割合で結論を決めない3 権利の時間軸と支払の性質を分ける4 行政裁量と国家賠償の審査対象5 土地一部の権利を全部の仮処分で保全できる場合第6 原資料と関連する記事への入口第7 出典・参考資料1 統計・データ2 裁判例3 文献
第1 対象資料と令和5年分の範囲

令和5年度の「最高裁民事破棄判決等の実情」が扱うのは,令和5年1月から12月までに最高裁判所がした民事の破棄判決19件と破棄決定8件である。
行政事件と労働事件も含まれており,「年度」という題名から4月始まりの会計年度と読むことはできない。

基礎資料は,川﨑直也・山本拓「最高裁民事破棄判決等の実情―令和5年度―」(判例時報2595号,令和6年8月11日号,5頁~30頁)である。
本記事は,AIを用いて,同資料の統計と全件一覧を整理し,代表9裁判について裁判所公表全文を基に判断の意味と限界を説明する。

年次解説は個々の裁判の原文ではなく,事件の所在と破棄理由を把握するための文献である。
以下の全件一覧は年次解説の記載に基づく索引であり,詳しい判例解説は公式全文へのリンクを付した9裁判に限っている。
資料確認の基準日は令和8年10月7日であるが,説明の対象は令和5年当時の裁判であり,現在の事件への適用には適用法とその後の改正・判例を区別する必要がある。

第2 基礎件数と破棄率の分母
1 上告・上告受理申立てと0.6%

年次解説5頁が示す上告と上告受理申立ての件数は,次のとおりである。
単純合計と,並行申立て等を調整した件数は別の数値である。

区分新受既済上告2369件2253件上告受理申立て2968件2804件単純合計5337件5057件年次解説の調整後件数3254件3111件

上告・上告受理の各件数は,裁判所の「令和5年司法統計年報1民事・行政編」第2表の民事と行政の各欄を足しても確認できる。
例えば,既済の上告は1903+350=2253件,上告受理は2430+374=2804件となる。

年次解説の破棄判決の割合0.6%は,19÷3111×100を小数第1位に丸めたものである。
本記事の再計算では約0.6107%となるが,19÷5057でも,19÷新受件数でもない。
分子は破棄判決の文書数であり,分母も調整後の既済件数であるため,特定の当事者や個別事件の上告成功率を表すものではない。

2 許可抗告35%と資料間の件数差

年次解説5頁は,許可抗告の新受22件,既済20件を示している。
破棄決定8件のうち許可抗告は7件,特別抗告は1件であり,年次解説の既済許可抗告に占める破棄決定の割合は7÷20×100=35%となる。
特別抗告を含む8件を分子にして40%とする計算は,対象を混ぜている。

一方,裁判所が掲載する令和7年9月16日更新版の司法統計年報第2表では,許可抗告は民事と行政を合わせて新受23件,既済21件であり,年次解説の数値と一致しない。
本記事では35%を年次解説の集計による数値として示し,異なる資料の分母へ置き換えない。
また,許可抗告として最高裁に係属した事件の内訳と,許可を求める申立て全体がどれだけ認められるかとは区別する必要がある。

3 差戻し・自判・訴訟終了の内訳

年次解説8頁による結果の内訳は,次のとおりである。
一部破棄を含む結果分類であり,併合事件や並行事件を事件番号の数だけ重ねて数えていない。

裁判の種類結果件数破棄判決差戻し3件破棄判決自判15件破棄判決訴訟終了宣言1件破棄決定差戻し4件破棄決定自判4件

(続きを読む...)令和5年度最高裁民事破棄判決等の実情-19判決・8決定の一覧と代表判例(AI作成)

民事上告・上告受理申立ては何か月かかる?最高裁の審理期間と統計の読み方(AI作成)

目次

第1 統計から分かる審理期間と,個別事件の終了時期第2 月表で6か月以内の終局割合を読む1 「6月以内」欄だけを分母で割らない2 表の「民事」と,行政事件を除いた民事事件は同じ範囲とは限らない第3 年次資料で上告・上告受理申立てを分けて読む1 行政と分けた民事統計を読む2 行政事件等を含む年表の計算3 並行申立ての件数を重ねて数えない第4 平均審理期間と起算点の違い1 最高裁での期間と,第一審からの期間を区別する2 受理決定までと,受理後の終局までを区別する第5 審理期間から棄却・不受理や個別事件の結論を推測できるか1 期間別集計と終局区分別集計は別である2 未済事件は,まだ結果が出ていない事件の集計である第6 資料一覧・関連記事1 本記事で用いた資料2 関連記事
第1 統計から分かる審理期間と,個別事件の終了時期

令和7年公表の第11回迅速化検証報告書の表2では,令和6年の対象となる民事上告事件の平均審理期間は3.8か月,民事上告受理事件は3.9か月である。6か月以内に終わった割合は,それぞれ約85.3%,約84.7%となる。
これは最高裁での記録受付から終局までの期間についての既済事件の統計であり,上告状を提出した日からの期間や,個別事件の終了期限ではない(第11回検証報告書・上訴審における訴訟事件の概況・PDF20頁・冊子213頁)。
最高裁判所の月表や年表からも,審理期間別の件数を確認できる。
令和7年11月の月表では,「民事上告」欄の既済184件のうち162件,「民事受理」欄の既済212件のうち185件が6か月以内の区分に入る。割合はそれぞれ約88.0%,約87.3%である。
ただし,この集計には行政事件等も含まれる。自分の民事事件が6か月以内に終わることや,6か月を過ぎれば上告受理決定が出ることを示すものではない(令和7年11月の最高裁判所事件月表・PDF3頁)。

本記事では,月表の期間区分,年表の上告・上告受理別の内訳及び年次概況の平均期間を区別して説明する。
制度や理由書の提出手続は上告審に関するメモ書き,不受理決定の意味は上告不受理決定は原判決を正しいと認めたことになるかを参照されたい。

第2 月表で6か月以内の終局割合を読む
1 「6月以内」欄だけを分母で割らない

月表の「上告既済事件の審理期間表」には,「2月以内」「3月以内」「6月以内」「1年以内」等の欄がある。
これらは総数を期間別に分けた区分であり,後の欄に前の欄の件数が重ねて入っているわけではない。例えば,6か月以内に終わった件数は,2月以内・3月以内・6月以内の3欄を合計して求める。
令和7年11月分の計算は,次のとおりである(同月表PDF3頁)。

月表の区分既済総数6か月以内の件数総数に対する割合民事上告184件44+48+70=162件約88.0%民事受理212件42+51+92=185件約87.3%

割合は本記事で計算し,小数第1位に丸めたものである。分母は当月に既済となった件数であり,当月の新受件数や当月末の未済件数ではない。

2 表の「民事」と,行政事件を除いた民事事件は同じ範囲とは限らない

同月表のPDF1頁では,民事の上告(新法)の既済は145件,行政の上告の既済は33件,民事の特別上告の既済は6件である。これらを足すと,期間表の「民事上告」184件に一致する。
また,民事の上告受理の既済174件と行政の上告受理の既済38件を足すと,「民事受理」212件に一致する。
したがって,上記割合を,行政事件を除いた民事事件だけの割合として引用することはできない。

年表にも,原則として民事事件に行政事件を含め,民事上告事件に特別上告事件を含めるという凡例がある。統計の見出しだけで対象を決めず,凡例と内訳を併せて確認する必要がある(令和6年度最高裁判所事件統計年表・PDF2頁)。

第3 年次資料で上告・上告受理申立てを分けて読む
1 行政と分けた民事統計を読む

第11回迅速化検証報告書の2.1は民事訴訟事件,2.2は行政事件訴訟を分けて説明している。
民事の章の主な分析対象は,高等裁判所が第二審としてした終局判決に対して,上告が提起され,又は上告受理申立てがされた事件である。表2の令和6年の既済事件について,6か月以内の件数を求めると,次のとおりとなる(同報告書PDF19~20頁・冊子212~213頁)。

民事の区分既済総数6か月以内の件数総数に対する割合上告事件1855件957+625=1582件約85.3%上告受理事件2397件1175+856=2031件約84.7%

月表・年表の「民事」に行政事件等が含まれる集計とは,対象が異なる。表が異なる数字を,そのまま増減の比較に使うことはできない。

2 行政事件等を含む年表の計算

令和6年度版の年表の第11表には,令和6年の既済事件について,上告事件と上告受理事件を分けた審理期間別の内訳がある。
当審受付から終局までの6か月以内の割合を求めると,次のとおりとなる(同年表PDF18頁・冊子11頁)。ここでも,原則として行政事件及び特別上告事件を含むという凡例が適用される。また,令和6年の数値は速報値である。

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少年事件の司法統計の読み方―新受人員・処分区分・特定少年の比較(AI作成)

目次

第1 少年事件の司法統計で分かること1 家庭裁判所が受理・処理した事件の統計2 目的に応じて表を選ぶ第2 新受・受理・既済・未済人員の違い1 その年に入った事件とその年に終わった事件2 繰越しと訂正を確認する第3 少年事件総数と少年保護事件の違い1 総数の範囲は表の見出しで確認する2 一般保護事件と交通関係の区分第4 既済人員,終局総人員及び処分割合1 既済人員と終局総人員は分母が異なる2 終局決定の内訳を一括して扱わない第5 特定少年と令和4年4月の集計方法変更1 特定少年の表と年齢別の表を区別する2 令和4年以前との比較には経過期の注記が必要である第6 増減を説明するときの実例と限界1 令和4年から令和7年の新受人員2 原因や業務量は別の資料を必要とする3 引用時に残す情報第7 出典・関連資料
第1 少年事件の司法統計で分かること

本記事は統計の読み方を扱う。個別の少年事件の呼出し・調査・審判を調べる場合は,少年事件の流れと保護者の対応を参照されたい。

1 家庭裁判所が受理・処理した事件の統計

少年事件の司法統計は,家庭裁判所等が取り扱った事件について,受理,処理,年末の未済及び処分内容等を集計した資料である。
犯罪の発生件数,警察の検挙人員又は全国の少年の実人数と同じ指標として扱うことはできない。

本記事は,令和7年司法統計年報・少年編を例に,統計表の対象,単位,分母及び時点を確認する方法を説明する。
同年報は令和7年中に全国の裁判所が取り扱った事件についての資料であり,令和8年6月25日掲載と記載されている。
確認日は令和8年10月7日である。

2 目的に応じて表を選ぶ

受理の増減を知りたい場合は新受人員,処分の内訳を知りたい場合は終局決定別の表,年末に残った事件を知りたい場合は未済人員を見る。
「少年事件が増えた」という説明をする際も,どの事件の,どの人員が,どの期間に増えたかを明らかにする必要がある。

裁判所の司法統計年報一覧には,年別・編別の入口がある。
同一覧では,令和6年少年編について令和8年9月17日更新版の掲載が表示されているため,過年度の数値を使う場合も更新版を確認することが必要である。

第2 新受・受理・既済・未済人員の違い
1 その年に入った事件とその年に終わった事件

新受人員はその年に新たに受理した人員,既済人員はその年に処理を終えた人員,未済人員は年末に未処理として残った人員を示す。
新受と既済は,必ずしも同じ事件の集団を追跡した数値ではない。
前年から繰り越された事件がその年に終わる場合もある。

令和7年年報の第3表は,受理人員を旧受と新受に分けている。
少年保護事件について,旧受1万79人と新受6万2565人を合わせた受理人員は7万2644人であり,既済は6万872人,未済は1万1772人である。
この例では,受理人員から既済人員を差し引いたものが未済人員と一致する。
出典は同年報第3表6頁~7頁である。

2 繰越しと訂正を確認する

一般に,新受だけから既済を差し引いても,年末の未済の増減を正確に説明できない。
繰り越された人員も含めた受理の総量を見る必要がある。

同年報の「利用上の注意」は,公表後の異同訂正により,累年表で前年の未済・当年の新受・当年の既済の計算が一致しない箇所があると説明している。
計算が合わないことだけで統計の誤りと断定せず,公表版,更新履歴及び注記を確認することが必要である。

第3 少年事件総数と少年保護事件の違い
1 総数の範囲は表の見出しで確認する

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令和3年度最高裁民事破棄判決等の実情-25判決・8決定と統計の読み方(AI作成)

目次

第1 対象と結論第2 件数と割合をどう読むか1 原論文の集計2 事件統計年表との違い第3 破棄判決25件の一覧第4 破棄決定8件の一覧1 原論文が取り上げる決定2 月別の開示一覧との掲載範囲第5 個別裁判は主文まで読む1 人損・物損の時効-11月2日判決2 会計限定監査役-7月19日判決3 競売不動産の買受け-6月21日決定4 訴訟行為の排除-4月14日決定第6 関連記事第7 出典1 文献2 公的統計・開示資料3 裁判例4 改正法の案内
第1 対象と結論

宮﨑朋紀・大竹敬人「最高裁民事破棄判決等の実情-令和3年度-」が取り上げる破棄裁判は,判決25件と決定8件である。
対象は令和3年1月から12月までに言い渡された裁判であり,「年度」という表題でも4月から翌年3月までの集計ではない。
民事事件に加えて行政・労働事件を含み,複数の事件番号があっても,一つの裁判書にまとめられたものは1件として数えている。

同論文の破棄判決の割合は1.0%,許可抗告事件の破棄決定の割合は26.7%である。
ただし,事件統計年表には異なる既済件数が載っており,分母を置き換えると割合も変わる。
以下では,論文の件数,公的統計の登録事件数及び各裁判の主文を分けて整理する。

第2 件数と割合をどう読むか
1 原論文の集計
(1) 新受・既済と破棄件数

原論文が掲げる通常の上告事件と上告受理申立事件の新受件数は,それぞれ1944件と2437件である。
合計は4381件であるが,同じ原判決に対する並行申立てを1件に換算した数は2654件とされる。
これに対し,破棄率の分母は新受ではなく既済件数である。

区分原論文の既済件数破棄裁判と割合上告・上告受理申立て合計4178件,並行申立て換算後2529件判決25件,25÷2529≒1.0%許可抗告30件決定8件,8÷30≒26.7%

これらの割合は,最高裁で処理された事件の概況を示すものである。
個別事件の勝訴確率や,高等裁判所で許可抗告が許可される割合を示すものではなく,複数の当事者をそれぞれ成功者として数えた割合でもない。

(2) 差戻しと自判の重複

原論文による判決の処理は,差戻し12件,自判16件である。
両方の処理を含む判決が3件あるため,12+16-3=25となり,単純合計が28件になることは矛盾ではない。
決定は,差戻し1件,自判6件,その他1件と整理されている。

原論文によれば,判決・決定とも,当事者の論旨に基づく破棄であり,職権による破棄はなかった。
民集・裁判集民事への登載状況は,判決が12件・8件,決定が5件・1件であり,いずれにも登載されていないものは判決5件・決定2件である。
この登載区分と,裁判所ウェブサイトに本文が公開されているかどうかとは別の問題である。

2 事件統計年表との違い
(1) 判決の件数と既済件数

最高裁判所訟廷事務室作成の「令和3年度最高裁判所事件統計年表」は,速報値である。
第10表の破棄は,上告1件・上告受理29件の計30件であり,原論文の「25判決」とは計上単位が異なる。
複数事件を含む裁判書の数と,登録された事件の数をそのまま比較することはできない。

既済件数にも相違がある。

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建築訴訟の統計(令和6年)―審理期間,終局区分,瑕疵の種別,鑑定率及び付調停率(AI作成)

目次第1 この記事の対象と資料1 使用する資料第2 新受件数,既済件数及び平均審理期間1 建築請負代金等2 建築瑕疵損害賠償3 読み方第3 終局区分1 建築請負代金等2 建築瑕疵損害賠償3 読み方第4 瑕疵の主張の有無と種別1 建築請負代金等で瑕疵が主張された割合2 建築瑕疵損害賠償の瑕疵の種別第5 鑑定率と付調停率第6 依頼者に説明するときの注意第7 関連記事第8 出典1 法令2 統計・資料
第1 この記事の対象と資料
1 使用する資料

本記事は,最高裁判所の建築関係訴訟委員会のページに掲載されている「建築関係訴訟に関する統計」4本を基に,建築訴訟の件数,審理期間,終局区分,瑕疵の主張の有無と種別,鑑定率及び付調停率を整理するものである。
統計は第21回建築関係訴訟委員会(令和6年12月19日)の掲載分であり,平成24年から令和6年までの数値を載せている(令和8年9月20日に取得)。
令和6年の数値は,9月までの速報値である。

統計の注によれば,建築関係訴訟は統計上,次の2つの類型に分けられている。
①建築請負代金等(建物建築に関する請負代金,工事代金,設計料,報酬金等を請求する事件)
②建築瑕疵損害賠償(建物建築に関する設計,監理,施工等の建築瑕疵を理由とする損害に関する事件)

基礎となる事件数は,地方裁判所の民事第一審のものである。
資料には未済件数の欄がなく,平均審理期間を瑕疵の主張の有無で分けた表もない。
資料にない割合を示すときは「本記事の計算」と明記する。

建築訴訟で鑑定人や専門家がどう選ばれるかは,建築訴訟の鑑定人と専門家はどう選ばれるかで扱っている。

第2 新受件数,既済件数及び平均審理期間
1 建築請負代金等
年新受既済平均審理期間平成24年1774件1772件14.3月平成25年1594件1610件15.2月平成26年1534件1495件15.7月平成27年1459件1518件16.3月平成28年1500件1498件16.5月平成29年1535件1453件16.1月平成30年1430件1398件16.5月令和元年1565件1416件16.6月令和2年1532件1278件17.3月令和3年1482件1565件18.7月令和4年1341件1522件19.4月令和5年1375件1474件19.6月令和6年1061件994件18.1月
2 建築瑕疵損害賠償
年新受既済平均審理期間平成24年447件450件25.5月平成25年442件443件26.2月平成26年464件422件25.2月平成27年515件446件24.8月平成28年467件533件25.2月平成29年441件456件25.5月平成30年486件439件24.6月令和元年488件449件26.1月令和2年436件378件27.6月令和3年499件489件29.3月令和4年483件517件27.0月令和5年455件485件26.8月令和6年304件331件28.1月
3 読み方

建築瑕疵損害賠償の平均審理期間は,平成24年以降,24.6月から29.3月の間で推移しており,第一審だけで2年を超えるのが通常である。
建築請負代金等の平均審理期間は,平成24年の14.3月から令和5年の19.6月へと,5か月以上長くなっている。
令和6年は9月までの速報値であり,年間の数値ではない点に注意が要る。

依頼者には,瑕疵の損害賠償請求であれば第一審だけで2年余り,請負代金の請求でも1年半程度を目安として説明するのが適切である。
請負代金の請求でも,後で見るとおり3件に1件程度は瑕疵が主張されるので,瑕疵が争われれば審理はさらに長くなりうる。

第3 終局区分
1 建築請負代金等
年判決和解取下げ既済合計平成24年674件(38.0%)726件(41.0%)291件(16.4%)1772件平成25年658件(40.9%)646件(40.1%)249件(15.5%)1610件平成26年564件(37.7%)618件(41.3%)250件(16.7%)1495件平成27年493件(32.5%)694件(45.7%)267件(17.6%)1518件平成28年522件(34.8%)651件(43.5%)264件(17.6%)1498件平成29年493件(33.9%)633件(43.6%)260件(17.9%)1453件平成30年457件(32.7%)623件(44.6%)266件(19.0%)1398件令和元年531件(37.5%)591件(41.7%)238件(16.8%)1416件令和2年452件(35.4%)515件(40.3%)248件(19.4%)1278件令和3年543件(34.7%)631件(40.3%)322件(20.6%)1565件令和4年551件(36.2%)508件(33.4%)399件(26.2%)1522件令和5年543件(36.8%)597件(40.5%)284件(19.3%)1474件令和6年392件(39.4%)392件(39.4%)169件(17.0%)994件
2 建築瑕疵損害賠償
年判決和解取下げ既済合計平成24年139件(30.9%)163件(36.2%)128件(28.4%)450件平成25年172件(38.8%)149件(33.6%)102件(23.0%)443件平成26年142件(33.6%)144件(34.1%)121件(28.7%)422件平成27年136件(30.5%)162件(36.3%)131件(29.4%)446件平成28年159件(29.8%)184件(34.5%)176件(33.0%)533件平成29年135件(29.6%)152件(33.3%)149件(32.7%)456件平成30年122件(27.8%)145件(33.0%)157件(35.8%)439件令和元年126件(28.1%)174件(38.8%)140件(31.2%)449件令和2年105件(27.8%)145件(38.4%)116件(30.7%)378件令和3年161件(32.9%)163件(33.3%)150件(30.7%)489件令和4年144件(27.9%)151件(29.2%)205件(39.7%)517件令和5年163件(33.6%)177件(36.5%)131件(27.0%)485件令和6年113件(34.1%)108件(32.6%)97件(29.3%)331件
3 読み方

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医療訴訟の統計(令和7年)―新受件数,審理期間,和解率,認容率及び診療科目別の推移(AI作成)

目次第1 この記事の対象と資料1 使用する資料2 迅速化検証報告書の数値との違い第2 新受件数と既済件数1 平成11年から令和7年までの推移2 件数の読み方第3 平均審理期間第4 終局区分(和解・判決・その他)第5 判決の認容率1 平成28年から令和7年までの推移2 認容率の読み方第6 診療科目別の件数1 令和7年の新受件数と既済件数2 既済件数の推移(平成29年から平成31年・令和元年まで)3 既済件数の推移(令和2年から令和4年まで)4 既済件数の推移(令和5年から令和7年まで)5 推移の読み方第7 鑑定と審理期間(迅速化検証報告書から)第8 依頼者に説明するときの注意第9 関連記事第10 出典1 統計・報告書
第1 この記事の対象と資料
1 使用する資料

本記事は,最高裁判所の医事関係訴訟委員会が第37回会議(令和8年5月27日)の資料として公表した「医事関係訴訟に関する統計」(全9頁)を基に,医療訴訟の件数,審理期間,終局の仕方,判決の認容率及び診療科目別の件数を整理するものである。
統計は平成11年から令和7年までの暦年の数値を載せており,令和7年の数値は速報値である。
本記事の数値は,同資料の各頁の表とグラフの数値を転記したものであり,資料にない差や比率を示すときは「本記事の計算」と明記する。

この統計の「医事関係訴訟事件」には,地方裁判所と簡易裁判所の事件が含まれる(同資料1頁~4頁の注)。
平成16年までの数値は各庁からの報告に基づく概数であり,診療科目別の新受件数も概数である。
統計の下の欄には必ず注が付いているので,数値を引用するときは注も併せて確かめる必要がある。

2 迅速化検証報告書の数値との違い

医療訴訟の件数と審理期間は,最高裁判所の「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」にも載っている。
ただし,同報告書は事件票で「医療損害賠償」に区分された訴訟を集計しており(第11回報告書63頁注1),委員会の統計とは集計の範囲と時点が異なる。
例えば,令和6年の新受件数は,委員会の統計では664件,第11回報告書では658件であり,令和6年の平均審理期間は,委員会の統計では24.7月,同報告書では24.9月である。

どちらが正しいというものではなく,出典を示して使い分ければよい。
鑑定を実施した事件の割合や,審理期間が2年を超える事件の割合は,委員会の統計にはなく,迅速化検証報告書にだけ載っている(第7で紹介する)。

医療訴訟で鑑定人がどのように選ばれるかは,医療訴訟の鑑定人はどう選ばれるかで扱っている。

第2 新受件数と既済件数
1 平成11年から令和7年までの推移

委員会の統計(1頁~3頁)による各年の数値は,次のとおりである。
平均審理期間は既済事件のものであり,地裁民事第一審通常訴訟事件の数値は医事関係訴訟事件を含む。

年新受既済平均審理期間(医事)平均審理期間(地裁民事通常)平成11年678件569件34.5月9.2月平成12年795件691件35.6月8.8月平成13年824件722件32.6月8.5月平成14年906件869件30.9月8.3月平成15年1003件1035件27.7月8.2月平成16年1110件1004件27.3月8.3月平成17年999件1062件26.9月8.4月平成18年913件1139件25.1月7.8月平成19年944件1027件23.6月6.8月平成20年876件986件24.0月6.5月平成21年732件952件25.2月6.5月平成22年791件921件24.4月6.8月平成23年771件801件25.1月7.5月平成24年792件844件24.5月7.8月平成25年802件805件23.3月8.2月平成26年865件795件22.6月8.5月平成27年832件787件22.8月8.7月平成28年864件790件23.2月8.6月平成29年828件780件24.4月8.7月平成30年773件806件23.5月9.0月令和元年800件853件25.2月9.5月令和2年741件666件26.1月9.9月令和3年752件850件26.7月10.5月令和4年651件806件26.4月10.5月令和5年611件764件26.4月9.8月令和6年664件683件24.7月9.2月令和7年676件674件24.1月8.9月
2 件数の読み方

新受件数は平成16年の1110件が最も多く,その後は減少して,令和5年の611件が最も少ない。
令和6年は664件,令和7年は676件と,やや増えている。

令和3年から令和5年までは,既済件数が新受件数を毎年約100件から150件上回っていた(本記事の計算で,令和3年98件,令和4年155件,令和5年153件)。
令和7年は新受と既済がほぼ同じ数である。

平成16年の新受件数は,平成17年6月頃の委員会の答申では1107件とされていたが,現在の統計では1110件である。
改められているのは概数の時期だけではない。
令和7年6月30日に公表された前年の統計と比べると,新受件数は,平成29年が827件から828件に,令和元年が801件から800件に,令和2年が740件から741件に,令和3年が750件から752件に,令和5年が606件から611件に,令和6年が661件(速報値)から664件に改められている。
古い資料の数値は,最新の統計で確かめてから使う必要がある。

(続きを読む...)医療訴訟の統計(令和7年)―新受件数,審理期間,和解率,認容率及び診療科目別の推移(AI作成)

最高裁判所の未済事件一覧表(刑事事件は除く。)

1 最高裁判所の未済事件一覧表(刑事事件は除く。)を以下のとおり掲載しています。
令和7年12月下旬現在:第一小法廷,第二小法廷及び第三小法廷
令和4年12月27日現在:第一小法廷,第二小法廷及び第三小法廷
令和3年12月27日現在:第一小法廷,第二小法廷及び第三小法廷
令和2年12月24日現在:第一小法廷,第二小法廷及び第三小法廷
令和2年 1月15日現在:すべての小法廷
* 「最高裁判所第一小法廷の未済事件一覧表(令和4年12月27日現在。刑事事件は除く。)」といったファイル名です。

2 令和7年12月下旬現在のものは,民事の上告事件及び上告受理申立事件だけが対象です。

最高裁判所の既済事件一覧表(行政事件)

1 行政の上告事件
2019年,令和2年,令和3年,令和4年,令和5年,
令和6年,令和7年,

2 行政の上告受理申立て事件
2019年,令和2年,令和3年,令和4年,令和5年,
令和6年,令和7年,

*1 2019年から令和5年までの分については,令和7年3月5日付の答申書に基づき,改めて開示された文書です(令和7年5月の「実施手数料の収入印紙の取扱いについて(事務連絡)」参照)。
*2 「最高裁の既済事件一覧表(民事)」も参照してください。

最高裁判所の事件の概況―年別資料と審理期間・終局区分の読み方(AI作成)

目次

第1 年別の最高裁判所事件の概況第2 資料で確認できる事項と読み方1 終局区分と審理期間は別の表で確認する2 最高裁での期間と,第一審からの期間を区別する第3 月表・年表・事件一覧との使い分け第4 関連記事・出典
第1 年別の最高裁判所事件の概況

本記事で参照できるのは令和5年及び令和6年の資料である。各PDFの対象年と表の範囲を確認されたい。

令和5年,令和6年,

第2 資料で確認できる事項と読み方
1 終局区分と審理期間は別の表で確認する

令和6年の資料では,表14が民事・行政の上告・上告受理事件の終局区分を示し,表15が既済事件の平均審理期間と未済件数を示している。
棄却・不受理・取下げ等の割合と,短期間で終わった割合とは,それぞれ対象と分母を確認して読む必要がある。両者を組み合わせた割合は,別々の表からそのまま求められるものではない(令和6年の資料・PDF10~11頁・冊子9~10頁)。

2 最高裁での期間と,第一審からの期間を区別する

表18は,民事・行政の上告・上告受理事件の既済事件について,当審での平均期間と第一審受理から当審終局までの平均期間を分けている。
令和6年の表示は,それぞれ4.3か月と38.9か月である。この数値は,行政事件を除いた民事のみの平均でも,個別事件の終了期限でもない(同資料PDF13頁・冊子12頁)。
年度や対象事件が異なる数字を比較するときは,起算点,終点,対象事件及び並行申立ての計数方法を確認する必要がある。

第3 月表・年表・事件一覧との使い分け
資料主に確認する事項参照記事事件の概況年ごとの件数,終局区分,割合,平均期間と図表による説明本記事のPDF事件月表月ごとの新受・既済・未済,期間別の件数最高裁判所事件月表事件統計年表年別の詳細表,対象範囲の凡例,並行申立て等の注記最高裁判所事件統計年表既済事件一覧表掲載された既済事件ごとの記載既済事件一覧表(民事)

1件の民事事件の進行を確認することと,統計資料で全体の傾向を調べることとは別である。既済一覧表も,事件番号等の非公開部分があるため,個別判決本文を全て確認できる資料ではない。

第4 関連記事・出典

本記事の「事件の概況」は,最高裁判所の事件についての資料である。
全国の裁判所の年別・編別の統計を調べる場合は,司法統計年報の探し方と読み方から,対象事件,裁判所,単位及び更新版を確認されたい。

民事上告・上告受理申立ての平均期間,6か月以内の終局割合,起算点と集計範囲は,民事上告・上告受理申立ては何か月かかる?最高裁の審理期間と統計の読み方(AI作成)で説明している。

以下の記事も参照されたい。

・ 最高裁判所が作成している事件数データ
・ 裁判統計報告
・ 最高裁の既済事件一覧表(民事)
・ 最高裁判所事件月表(令和元年5月以降)
・ 政策担当秘書関係の文書
→ ①公職選挙法違反の統計報告について,及び②控訴審において終局した,公職選挙法違反事件の罪名,裁判所名,事件番号,終局裁判の日も掲載しています。
・ 被告人の保釈
→ 被告人の保釈に関する統計も掲載しています。

最高裁判所の調停事件統計資料

最高裁判所の調停事件統計資料を以下のとおり掲載しています。

(令和時代)
令和 元年度,令和 2年度,令和 3年度,
令和 4年度,令和 5年度,令和 6年度,

(平成時代)
平成28年度,平成29年度,平成30年度,

令和2年度調停事件統計資料1/4を添付しています。 pic.twitter.com/4oGsAHAl1m

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) November 20, 2021

最高裁判所事件統計年表―年度別資料と月表・事件の概況の使い分け(AI作成)

目次

第1 最高裁判所事件統計年表の掲載資料第2 版の年度と,統計の対象年を区別する第3 対象事件,内数及び期間区分の読み方1 「民事」に含まれる事件を確認する2 並行申立ての調整前と調整後を混同しない3 既済の期間と未済の経過期間を区別する第4 他の統計資料との使い分け・出典
第1 最高裁判所事件統計年表の掲載資料

令和5年度版・令和6年度版の資料を掲載する。版の年度と統計の対象期間は,その版の凡例による。

令和5年度,令和6年度,

第2 版の年度と,統計の対象年を区別する

令和6年度版の凡例は,年次について断りのない表を令和6年に関する統計とし,令和6年の数値を全て速報値としている。
したがって,「令和6年度」という資料名だけから,全ての表を令和6年4月から令和7年3月までの集計と決めつけることはできない。資料の版と,表が対象とする期間を分けて確認する必要がある(令和6年度版の凡例・PDF2頁)。

第3 対象事件,内数及び期間区分の読み方
1 「民事」に含まれる事件を確認する

令和6年度版の凡例は,特に断りのない限り,民事事件に行政事件を含め,民事上告事件に特別上告事件を含めるとしている。
表の数値は原則として件数であるが,刑事の表には人員の集計がある。表の題名,単位及び個別の注記まで確認する必要がある。

2 並行申立ての調整前と調整後を混同しない

第11表は,民事上告・上告受理事件の審理期間別既済件数を示す。年度別の上段は上告と上告受理の合計事件数,下段は並行申立てを1件として計上し直した件数である。
令和6年は上段5234件,下段3223件であり,違いは計数方法による。括弧内の並行申立て事件や受理決定のあった事件の件数は内数である(同年表PDF18頁・冊子11頁)。
分母とする総数と,期間別の件数は同じ段・同じ区分から取る必要がある。

3 既済の期間と未済の経過期間を区別する

第11表は既済事件,第12表は未済事件の期間別件数である。
既済は受付から終局までの期間を読み,未済はその時点でなお終了していない事件の経過期間を読む。未済の期間を,終局までの残り時間と読み替えることはできない。
また,2月以内・3月以内・6月以内等の欄は期間別の区分であり,6か月以内の合計を求める場合は,それ以前の区分も加える(同年表PDF18~19頁)。

第4 他の統計資料との使い分け・出典

本記事の最高裁判所事件統計年表と,全国の裁判所の事件を編別に収録した司法統計年報は,異なる資料である。
公表年報の年別・編別の入口,件数・人員及び更新版の確認方法は,司法統計年報の探し方と読み方を参照されたい。

民事上告・上告受理申立ての平均期間,6か月以内の終局割合,起算点と集計範囲は,民事上告・上告受理申立ては何か月かかる?最高裁の審理期間と統計の読み方(AI作成)で説明している。

月別の動きは最高裁判所事件月表,年ごとの図表と説明は最高裁判所の事件の概況,個別の既済事件の記載は既済事件一覧表(民事)を参照されたい。
全国の裁判所の統計を調べる場合は,裁判統計報告及び最高裁判所が作成している事件数データも参照できる。
本記事の凡例・表番号の説明は,令和6年度版のPDF2頁,18頁及び19頁による。他の版を用いる際は,その版の凡例を確認する必要がある。

「裁判統計報告」も参照してください。

最高裁判所事件月表の一覧と読み方―令和元年5月以降の新受・既済・未済(AI作成)

目次

第1 月表の掲載範囲と資料の選び方第2 年月別の最高裁判所事件月表1 令和8年2 令和7年3 令和6年4 令和5年5 令和4年6 令和3年7 令和2年8 令和元年第3 新受・既済・未済の読み方1 当月分と1月からの累計を区別する2 括弧内の内数と,事件・人員の単位を確認する第4 審理期間と終局区分を区別する1 6か月以内に終わった割合の求め方2 期間の割合を棄却・不受理の割合と読み替えない第5 関連記事と出典
第1 月表の掲載範囲と資料の選び方

本記事は,最高裁判所の事件月表を年月別に参照するための一覧である。
直接参照できる資料は令和元年5月分から令和7年11月分までであり,令和7年12月分以降へのリンクは掲載していない。これは本記事の掲載範囲であり,最高裁判所の資料の作成状況を示すものではない。
ファイル名は原則として「令和◯年◯月の,最高裁判所事件月表」である。

月ごとの新受・既済・未済や審理期間別の件数は月表,年ごとの件数・割合・平均期間は事件の概況,年別の詳細な表と凡例は事件統計年表を参照されたい。
月表の集計値と,既済事件一覧表(民事)の個別の記載は,異なる種類の資料である。

本記事の「最高裁判所事件月表」は,最高裁の月別の事件集計を参照する資料である。
各裁判所の報告事務で用いる統計月報・統計年表等の作成資料は,裁判統計報告に掲載している。
全国の公表年報の探し方と単位の確認は,司法統計年報の探し方と読み方を参照されたい。

第2 年月別の最高裁判所事件月表
* 「令和◯年◯月の,最高裁判所事件月表」というファイル名です。
1 令和8年
1月,2月,3月,4月
2 令和7年
1月,2月,3月,4月,5月,6月
7月,8月,9月,10月,11月,12月
3 令和6年
1月,2月,3月,4月,5月,6月
7月,8月,9月,10月,11月,12月
4 令和5年
1月,2月,3月,4月,5月,6月
7月,8月,9月,10月,11月,12月
5 令和4年
1月,2月,3月,4月,5月,6月
7月,8月,9月,10月,11月,12月
6 令和3年
1月,2月,3月,4月,5月,6月
7月,8月,9月,10月,11月,12月
7 令和2年

(続きを読む...)最高裁判所事件月表の一覧と読み方―令和元年5月以降の新受・既済・未済(AI作成)

裁判統計報告

目次

第1 裁判統計報告と公表資料の関係第2 裁判統計データ処理システムの過去の説明第3 裁判統計報告に関する文書第4 統計報告書の種類第5 関連記事その他
第1 裁判統計報告と公表資料の関係
裁判統計報告は,各裁判所の事件の取扱いを統計として把握するための報告に関するものです。
公表資料の司法統計年報と,その基礎となる報告書・事件票等は,役割が異なります。
本記事は,報告事務に関する通達,様式,参考資料及び過去のシステム説明を案内します。

公表された年報の探し方,件数・人員,新受・既済・未済及び更新版の確認は,司法統計年報の探し方と読み方を参照してください。
年別・裁判所別の掲載PDFは,最高裁判所が作成している事件数データで案内しています。

第2 裁判統計データ処理システムの過去の説明
以下は,令和4年度の概算要求時点の説明です。
引用中の令和5年10月の機器更新・OSサポート終了等の予定を,現在の運用状況として読むものではありません。
より新しい予算資料に基づくシステムの位置付けは,裁判所における主なシステムを参照してください。

・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)118頁には,「裁判統計データ処理システム」として以下の記載があります。
<要求要旨>
    裁判統計は,全国の裁判所が,その処理した事件について提出した裁判統計報告書に基づき作成される裁判所の事件処理状況の数値化及び国民への公表並びに裁判所の組織の維持,管理,発展及び裁判の迅速適正処理のための各種施策に必要な基礎資料の把握等を目的とした統計である。本システムは,下級裁における統計報告から,最高裁におけるデータの集約・管理,司法統計年報の版下原稿作成,職員による統計数値の集計・検索まで,裁判所の統計業務全般を取り扱うシステムであるとともに,裁判所内外からの求めに応じて統計数値を迅速に提供できる唯一のシステムであることから,これまで継続的な安定稼動に必要な年間を通じての定期的・継続的な保守・点検を確保するための経費及び稼動基盤となるサーバのハードウェア・ソフトウェアリースに必要な経費が認められてきた。
    なお,令和5年10月でサーバOSがサポート切れすることに伴い,同月に予定している機器等更新と合わせて,サーバOSをバージョンアップする必要があるため,バージョンアップ後のサーバOS環境下でも本システムが問題なく稼働するか検証作業を行う必要があり,また,機器等更新に伴い,新機器で利用するDBについても同様の検証作業を行う必要があるところ,検証の結果,本システムに改修を要することになった場合のスケジュールを想定した場合,遅くとも令和4年度中に上記各検証作業を行う必要がある。
    また,社会・経済情勢の変化や司法の役割への期待などから,裁判統計への関心が高まり,統計数値の迅速な公表が求められているところ,ここ数年,裁判統計に影響のある法改正や新制度の導入が相次いでいる。令和4年度も法改正が予定されており,新制度の導入効果を統計上把握・公表するための統計様式の改定が見込まれているため,改定様式を用いた統計業務を本システムで取り扱うためには,本システムを改定様式に対応させる必要がある。
    そこで,令和4年度も,裁判統計データ処理システムの運用保守料,裁判統計データ処理システムの法改正対応等の改修作業に必要な経費,ハードウェア・ソフトウェア等リース料及び保守料等並びにバックアップテープの保管に必要な経費を引き続き要求するとともに,新OS/DB環境対応検証作業等に必要な経費を要求する。

第3 裁判統計報告に関する文書
(1) 裁判統計報告に関する以下の文書を掲載しています。掲載文書の基準時は平成26年1月です。
① 最高裁判所事務総長通達 (平成26年1月当時のもの)
・ 裁判統計報告について(平成17年1月31日付の最高裁判所事務総長通達)
② 最高裁判所事務総局情報政策課長通達(平成26年1月当時のもの)
・   裁判統計報告に関する事務の処理について(平成17年1月31日付の最高裁判所事務総局情報政策課長通達)1/2(本文,月報及び年表)
・   裁判統計報告に関する事務の処理について(平成17年1月31日付の最高裁判所事務総局情報政策課長通達)2/2(裁判事件票)
・   裁判所分類符号表

(続きを読む...)裁判統計報告

最高裁判所が作成している事件数データ

目次

第1 平成28年以降の事件数データ第2 事件数データの対象となっている事件の種類第3 平成27年以前の事件数データ等第4 最高裁判所への報告事務に関する通達第5 事件数と弁護士数の関係に関する国会答弁第6 関連記事その他
第1 平成28年以降の事件数データ
本記事は,最高裁判所が作成した,最高裁,高裁,地裁,家裁及び簡裁等の事件数に関する掲載資料の入口です。
資料の対象は最高裁の事件だけではなく,各PDFの表題・対象年・裁判所の範囲によります。
公表された全国の年報を調べる場合は,裁判所の司法統計年報一覧も確認してください。

件数と人員,新受・既済・未済,過年度訂正の確認方法は,司法統計年報の探し方と読み方で説明しています。
本記事のPDFは,資料ごとに表の範囲・注記を確認し,異なる集計条件の数値をそのまま合計・比較しないように読む必要があります。

* 「最高裁判所事件統計年表」,及び「最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(平成25年分以降),及び許可抗告事件の実情」も参照してください。

◯令和7年分
・ 最高裁判所の民事全事件受付・既済・未済件数表
・ 高裁の事件数データ(民事事件の上告,控訴,抗告及び許可抗告申立て,並びに行政事件の第一審訴訟,控訴及び許可抗告申立て)
・ 行政第一審訴訟の新受件数
・ 労働審判の新受件数
・ 責任追及等(株主代表訴訟)の新受件数
・ 医事関係訴訟既済件数(診療科目別)-全地方裁判所
・ 医事関係訴訟新受件数-地方裁判所本庁及び支部別
◯令和6年分
・ 最高裁判所の民事全事件受付・既済・未済件数表
・ 高裁の事件数データ(民事事件の上告,控訴,抗告及び許可抗告申立て,並びに行政事件の第一審訴訟,控訴及び許可抗告申立て)
・ 労働審判及び行政第一審訴訟の新受件数
・ 医事関係訴訟既済件数(診療科目別)-全地方裁判所
・ 医事関係訴訟新受件数-地方裁判所本庁及び支部別
◯令和5年分
・ 令和5年の最高裁の事件数データ
・ 令和5年の高裁の事件数データ(民事事件の上告,控訴,抗告及び許可抗告申立て,並びに行政事件の第一審訴訟,控訴及び許可抗告申立て)
・ 令和5年の地裁の本庁及び支部ごとの事件数データ1/2,2/2
・ 令和5年の高裁及び地裁の知的財産権に関する事件数データ

(続きを読む...)最高裁判所が作成している事件数データ

最高裁判所刑事局作成の参考統計表

1 最高裁判所刑事局作成の参考統計表を以下のとおり掲載しています。
・ 令和 6年 4月24日付
・ 令和 2年 3月27日付
・ 平成31年 3月19日付
・ 平成30年11月12日付
・ 平成30年 5月 7日付
* 「最高裁判所刑事局作成の参考統計表(令和2年3月27日作成)」といったファイル名です。

2 最高裁判所刑事局作成の参考統計表は判事任官者研究会等で配布されています。

主な政策形成訴訟(規制権限不行使事案等)の受理件数とその内訳(平成28年4月以降の分)

◯主な政策形成訴訟(規制権限不行使事案等)の受理件数とその内訳を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和2年分,令和3年分,令和4年分,令和5年分,
令和6年分,
(平成時代)
平成28年4月分~12月分,
平成29年1月分~9月分,10月分~12月分,
平成30年分,

* 「国賠訴訟の新受件数高裁管内別・主な政策形成訴訟の分類別・令和6年1月~12月)」といったファイル名です。

大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書(月報及び年報)

目次
第1 大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書
1 大阪地裁管内の検察審査会の審査・建議勧告事件月報(別紙様式第1)
2 大阪高裁管内の検察審査会の既済事件手続別年報(別紙様式第2)
3 大阪高裁管内の検察審査会の既済事件内容別年報(別紙様式第3)
4 大阪高裁管内の検察審査会の起訴相当事件等事後措置年報(別紙様式第4)
5 大阪高裁管内の検察審査会の審査事件罪名別新受・既済年報(別紙様式第5)
第2 関連記事その他

第1 大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書
このページでは,大阪地裁管内の月報と,大阪高裁管内の各種年報を掲載しています。
全国の統計と,ここに掲載する地域別の統計は,対象となる地域が異なります。
制度の役割や申立ての流れは,検察審査会とは(AI作成)で説明しています。

統計を読む際は,表の名称,対象地域,対象年,単位(事件数か人員か)及び分母を確認してください。
「既済」は処理を終えたものを集計する区分であり,その年の申立てがすべて同じ年に終わったことを示すものではありません。
「起訴相当事件等事後措置年報」と他の報告書を比べる場合は,議決,その後の検察官の処分及び集計年の違いを区別する必要があります。
全国の事後措置の集計例は,令和7年版犯罪白書の検察審査会に関する説明と表で確認できます。
異なる表の数字をそのまま割り算して,申立人全体の成功率や個別事件の起訴確率とすることはできません。

以下の資料は各リンクに表示した年分のものです。
掲載済みの年分と,全国又は各庁で現在公表されている最新の年分は,一致するとは限りません。

1 大阪地裁管内の検察審査会の審査・建議勧告事件月報(別紙様式第1)
(令和時代)
令和元年,令和2年,令和3年,令和4年,令和5年,
令和6年,
(平成時代)
平成26年,平成27年,平成28年,平成29年,平成30年
* 「大阪地裁管内の検察審査会の審査・建議勧告事件月報(令和4年分)」といったファイル名です。

(続きを読む...)大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書(月報及び年報)

終局区分別既済事件数の推移表

目次
第1 地裁通常訴訟事件(=ワ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表
第2の1 高裁民事控訴事件(=ネ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表
第2の2 高裁民事控訴事件(=ネ号事件)の口頭弁論期日の回数別既済事件数の推移表
第3 上告事件(=オ号事件)及び上告受理申立事件の終局区分別既済事件数の推移表
第4 破産事件(=フ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表
第5 小規模個人再生事件(=個再事件)の終局区分別既済事件数の推移表
第6 高裁の抗告事件(民事・行政)及び許可抗告事件(民事・行政)の終局区分別既済事件数の推移表
第7 特別抗告事件(=ク号事件)及び許可抗告事件の終局区分別既済事件数の推移表
第8 相続放棄申述受理事件の終局区分別既済事件数の推移表
第9 刑事訴訟事件の終局区分別既済事件数の推移表(地裁)
第10 刑事訴訟事件の終局区分別既済事件数の推移表(高裁及び最高裁)

【このページの統計範囲】
・ 本ページは,主として平成27年までの全国の終局区分別統計を掲載する歴史資料です。最新の全国統計又は令和7年の東京高裁統計を示すページではありません。
・ 令和7年の東京高裁資料は,対象裁判所,対象期間及び分母が本ページの各表と異なるため,同一系列として単純に継ぎ足していません。現在の東京高裁の数値は,民事控訴の記事及び刑事控訴の記事を参照して下さい。
・ 高裁及び最高裁の刑事訴訟事件については,平成28年から令和7年までの全国の終局区分別既済人員を,刑事控訴審・上告審の終局区分別統計―平成12年~令和7年の破棄・棄却の推移と控訴審の破棄自判に関する最高裁判例に掲載しています。

第1 地裁通常訴訟事件(=ワ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表
・ 平成12年から平成27年までの,地裁通常訴訟事件(=ワ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表 を掲載しています。

第2の1 高裁民事控訴事件(=ネ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表
・ 平成12年から平成27年までの,高裁民事控訴事件(=ネ号事件)の終局区分別既済事件数の推移表 を掲載しています。

第2の2 高裁民事控訴事件(=ネ号事件)の口頭弁論期日の回数別既済事件数の推移表
・ 平成12年から平成27年までの,高裁民事控訴事件(=ネ号事件)の口頭弁論期日の回数別既済事件数の推移表 を掲載しています。

第3 上告事件(=オ号事件)及び上告受理申立事件の終局区分別既済事件数の推移表
・ 平成12年から平成27年までの,上告事件(=オ号事件)及び上告受理申立事件の終局区分別既済事件数の推移表を掲載しています。

(続きを読む...)終局区分別既済事件数の推移表