メインコンテンツへスキップ

裁判所の予算・庁舎・調達

裁判所の生成AI利用と令和9年度概算要求-司法行政の「源内」と訴訟記録による検証(AI作成)

目次

第1 概算要求から分かる二つの利用場面第2 司法行政事務での「源内」利用費1 利用対象は司法行政事務を行う職員である2 所要額は千円単位で32458千円である第3 実際の訴訟記録を用いる利活用検証費1 検証の目的と対象2 安全な環境の整備を含む要求である3 過去の契約と新たな入札公告を区別する第4 概算要求から導入済みと判断しない第5 出典と関連記事1 出典2 関連記事
第1 概算要求から分かる二つの利用場面

最高裁判所の令和9年度概算要求書(説明資料)には,生成AIに関する二つの利用場面が記載されている。
一つは,司法行政事務を行う職員によるガバメントAI「源内」の利用であり,もう一つは,実際の訴訟記録を用いた民事訴訟での利活用検証である。

両者は,利用目的と予算上の項目を分けて読む必要がある。
概算要求は予算の要求段階の資料であり,要求額がそのまま予算成立額,契約額又は利用実績を示すわけではない。
また,これらの記載だけから,生成AIによる判決作成や裁判上の判断が導入されたと判断することもできない。

以下は,令和8年10月22日までに確認した公表資料に基づく整理である。
説明資料の73頁,74頁,110頁及び111頁は,リンク先PDFではそれぞれ75頁,76頁,112頁及び113頁に当たる。

第2 司法行政事務での「源内」利用費
1 利用対象は司法行政事務を行う職員である

説明資料73頁では,司法行政事務を行う職員が,デジタル庁の提供するガバメントAI「源内」を利用するための経費が説明されている。
予算上は,「裁判所の機構の維持に必要な経費」のうち「機構運営対策経費」に位置付けられている。

デジタル庁の説明によれば,源内には汎用的な生成AIの利用に加え,行政実務を支援するアプリケーションがある。
ただし,源内全体で紹介されている機能が,裁判所で全て利用できることまで確認できたわけではない。

デジタル庁が令和8年5月に公表した「ガバメントAI源内の展開状況」は,同月29日時点の実績として,最高裁を「4月中に展開済」の機関に挙げている。
同じ資料は「最高裁(残余分)」を6月以降の順次展開予定に挙げており,確認できるのは最高裁への一部展開実績である(PDF3頁・資料上2頁)。

この展開実績は,令和9年度概算要求とは別の資料で確認できる事実である。
一方,最高裁全体への展開完了,職員の実利用人数・頻度,各機能の提供範囲又は実際の事件記録を使う日常運用までは示していない。
また,令和6年のFIXER契約による検証環境との同一性や,個別契約の履行完了を示す資料でもない。

令和8年10月20日,デジタル庁は,AIエージェント機能を用いる「エージェントチャット」の順次導入を開始したことと,高度なAIエージェントを構築・実行する「源内工房」を同年12月頃までに導入する目標を公表した。
順次導入の開始や今後の目標を,全利用機関での導入完了と読み替えることはできない。

同時に公表された「源内基準」第1版は,利用を希望する司法府の職員も利用者に含めている。
もっとも,同基準の対象はデジタル庁がホストする方式であり,各機関が独自に環境を構築する方式と区別されている。
また,機密性2情報であっても,各機関の規程や利用条件に従う必要があり,一律に入力できるという意味ではない。
これらは源内の利用を理解する手掛かりとなるが,裁判所が採用する方式,各機能の提供範囲又は実際の訴訟記録の入力可否を確定する資料ではない。

2 所要額は千円単位で32458千円である

説明資料74頁の積算では,(項)最高裁判所の情報処理業務庁費・雑役務費として,560式,単価5万7960円が示されている。
積算額は3245万7600円であり,千円単位の所要額は32458千円,約3246万円である。

ここにある「560式」は積算上の数量である。

(続きを読む...)裁判所の生成AI利用と令和9年度概算要求-司法行政の「源内」と訴訟記録による検証(AI作成)

最高裁判所長官の公用車の調達―レクサスLS600hLの購入価格・装備・入札資料(AI作成)

目次

第1 この記事で扱う公用車と資料の時点1 平成26年取得の長官車2 原資料の読み分け第2 取得価格と交換差金は異なる1 契約書別紙の金額2 下取り車と支出の範囲第3 付属品98万6572円の内訳1 別紙に記載された7項目2 契約書から分からない装備第4 入札の日程と総合評価1 公告から納入期限まで2 最安値だけで落札者を決める方式ではない第5 この調達例から確認できる範囲1 確定できる事実と評価を分ける2 関連する制度の記事
第1 この記事で扱う公用車と資料の時点
1 平成26年取得の長官車

令和元年6月21日付けの最高裁判所の情報提供資料では,最高裁判所長官の公用車として,トヨタ・レクサスLS600hL,取得年月日2014年3月24日,取得価格1543万5900円が示されている。
本記事は,この車の売買契約書と調達関係文書を読み,購入額と下取り額の関係,装備の内訳,入札の方法を整理するものである。

これらは平成25年度の調達と令和元年の開示に関する資料であり,現在の長官車の車種や価格を示すものではない。
他の最高裁判所裁判官等の車種・取得価格は,既存の総合記事にまとめている。

最高裁判所裁判官等の公用車:
https://yamanaka-bengoshi.jp/2019/06/25/public-car/

2 原資料の読み分け

取得年月日と取得価格は情報提供資料の別紙,交換差金と付属品は売買契約書の別紙,入札の日程と評価方法は入札説明書で確認する。
契約日,取得年月日,車検証の登録年月日は,同じ意味の年月日として扱わない。

長官車の情報提供資料・車検証(PDF実頁1〜4頁):
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2019/06/最高裁判所長官の公用車の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証.pdf

平成25年12月24日付け売買契約書(PDF実頁2〜8頁):
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2019/09/最高裁判所長官の公用車に関する売買契約書(平成25年12月24日付).pdf

入札説明書等の調達関係文書(PDF全35頁):
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2019/10/最高裁判所長官の公用車の調達関係文書(入札説明書,性能等証明書,開札経過調書等).pdf

第2 取得価格と交換差金は異なる
1 契約書別紙の金額

売買契約書の別紙(PDF実頁8頁)には,新車の価額と,交換に出すセンチュリーの価額を分けて記載したうえで,両者の差額が示されている。
取得価格1543万5900円と交換差金1500万30円を取り違えると,車の価額と契約上の差額を混同することになる。

区分金額資料上の意味新車本体1371万4286円レクサスLS600hL本体の税抜額付属品計98万6572円別紙に列挙された装備等消費税計73万5042円新車本体・付属品に係る記載額新車の合計1543万5900円情報提供資料の取得価格と一致下取り車の合計43万5870円センチュリーの価額・消費税込み交換差金1500万30円新車合計から下取り合計を控除した額
2 下取り車と支出の範囲

交換に出す車は,契約書別紙に「トヨタ センチュリー」,年式「10」,型式「E-GZG50」と記載されている。
その価額は税抜41万5115円,消費税2万755円,合計43万5870円である。

交換差金は契約書上の金額であり,支払済みであることや,その後の維持管理費を含む総支出までをこの契約書だけで証明するものではない。
入札説明書の第7の(1)(PDF実頁4頁)も,入札金額に含める諸経費から,自賠責保険料と新車のリサイクル料金を除いている。

第3 付属品98万6572円の内訳
1 別紙に記載された7項目

(続きを読む...)最高裁判所長官の公用車の調達―レクサスLS600hLの購入価格・装備・入札資料(AI作成)

最高裁判所の見学は個人でもできる?予約・対象年齢・入口・撮影と傍聴との違い(AI作成)

目次

第1 最高裁判所の見学は個人でもできる1 一般見学の対象年齢と人数2 学校見学との違い第2 予約方法・所要時間と受付状況1 電話で申し込む2 見学時間と直近の募集状況第3 所在地・アクセスと集合する門第4 撮影・手荷物・車椅子の注意点1 撮影は当日の案内に従う2 荷物と入構時の確認第5 食堂・売店と図書館は利用できるか1 一般利用者向けの食堂・売店2 図書館の利用と庁舎見学は別の案内第6 庁舎見学と裁判の傍聴の違い第7 よくある質問1 個人でも見学できるか2 小学生や中学生も一般見学に参加できるか3 一般見学の個人申込みではどの門へ行くか4 見学中に写真を撮れるか5 最高裁判所の食堂を一般の人も使えるか第8 公式資料と関連記事
第1 最高裁判所の見学は個人でもできる

最高裁判所の庁舎見学には,学校行事として参加する学校見学コースと,学校行事以外の一般見学コースがある。
一般見学コースには個人申込みがあり,1人から9人までの少人数グループも申し込むことができる。
ただし,予約をせずに自由に庁舎内を見て回る方式ではなく,公式案内に従って申し込む必要がある。

本記事は,令和8年10月17日に確認した最高裁判所の公式案内に基づき,申込みと訪問前の確認事項をまとめたものである。
実施日,受付状況,集合場所等は変更されることがあるため,参加する時点の公式案内を確認する必要がある。

1 一般見学の対象年齢と人数

一般見学コースの対象者は高校生以上であり,中学生以下は参加できない。
個人申込みは1人から9人,団体申込みは10人から50人であり,団体・個人を合わせた見学人数の上限は80人とされている。

小学生や中学生の参加を考える場合は,学校行事としての学校見学や,対象年齢に合う別の広報行事の募集内容を確認する必要がある。
過去の夏休み見学会の実施要領から,現在の一般見学にも子どもが参加できると判断することはできない。

2 学校見学との違い

学校見学コースは,社会科見学や修学旅行など,学校団体による見学を対象とし,教職員の同伴が必要とされている。
一般見学とは申込みの枠や条件が異なるため,学校行事の場合は学校見学の案内へ進む必要がある。

第2 予約方法・所要時間と受付状況
1 電話で申し込む

一般見学は電話による申込みであり,庁舎見学専用ダイヤルは03-3264-8151である。
電話の受付時間は,祝日を除く月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までである。
団体申込みと個人申込みでは受付開始日時が異なるため,まず公式ページの実施日・申込期間の表を確認する。

個人申込みでは,参加人数,代表者名,電話番号,車椅子の要否を尋ねられる。
団体申込みでは,これらに加えて団体名や入構手段なども確認される。
旅行会社主催のツアー等は受け付けていないと案内されている。

2 見学時間と直近の募集状況

一般見学の所要時間は50分程度とされている。
集合・受付開始時刻と見学開始時刻は同じではないため,申込み後の案内に従って集合する。

令和8年10月17日の確認時点では,同月30日の一般見学は団体・個人とも定員に達して受付を終了している。
同年11月は見学を実施せず,12月以降の実施は未定と案内されている。
この情報は確認日時点の募集状況であり,今後の開催予定は公式ページで確認する必要がある。

第3 所在地・アクセスと集合する門

(続きを読む...)最高裁判所の見学は個人でもできる?予約・対象年齢・入口・撮影と傍聴との違い(AI作成)

裁判所ウェブサイトのリニューアル・運用保守契約―受注者と業務内容の変遷(AI作成)

目次

第1 契約書から分かること1 リニューアルの公開日と契約締結日2 契約の比較でそろえる条件第2 平成31年のリニューアル・運用保守契約1 受注者と契約期間2 開発と運用保守を分けて読む第3 令和7年3月3日開始の運用保守契約第4 新サイトの構築・システム移行1 ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングとの契約2 仕様書が掲げる手続案内の改善第5 チャットボットの契約を区別する1 チャットプラスとの調査支援・構築等2 スカラコミュニケーションズとの検証環境提供3 契約名のAIと現在の回答方式第6 運用報告書と関連記事第7 出典と参照箇所
第1 契約書から分かること

裁判所ウェブサイトに関する契約は,サイト本体の構築・移行,既存サイトの運用保守,チャットボットの検証・構築等に分かれている。
同じ時期に異なる受注者との契約が存在しても,担当業務や契約期間が異なれば矛盾しない。
本記事は,運用支援報告書等の資料集に掲載している3点の契約資料から,受注者,業務範囲,契約期間及び読み違えやすい点を整理するものである。

1 リニューアルの公開日と契約締結日

裁判所のリニューアル案内は,ウェブサイトの統合,手続・書式への導線の整理及びチャットボットの導入を説明している。
これらの公開されたサービスと,構築等を発注した契約の締結日とは区別する必要がある。
資料集で「令和7年9月24日の裁判所ウェブサイトのリニューアルに関する請負契約書」として掲載しているPDFは,複数の契約書・仕様書をまとめた269頁の合冊である。
合冊の最初の構築・移行契約は令和6年4月1日付であり,合冊名の日付を全ての契約の締結日と読むことはできない。

2 契約の比較でそろえる条件

以下の表は,個々の契約書に記載された金額と期間である。
会社名は契約書に表示された当時の名称による。
期間の異なる運用保守と,構築を含む契約の金額をそのまま比較して,単価の増減や費用対効果を判断することはできない。

契約・受注者契約期間契約金額(税込み)平成31年のリニューアル・運用保守/エヌ・ティ・ティ・データ平成31年4月1日~令和2年3月31日107,995,800円令和7年3月開始の運用保守/NTTデータ令和7年3月3日~3月31日4,348,300円令和6年の構築・システム移行/ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング令和6年4月1日~令和7年3月31日90,420,000円

表の3件は,各PDFの最初の契約書に基づく。
平成31年契約の終期は原文で「平成32年3月31日」と表記されており,表では令和2年に置き換えた。
これらを合計してリニューアル全体の総事業費とすることはできない。

第2 平成31年のリニューアル・運用保守契約
1 受注者と契約期間

平成31年4月1日付の契約書は,最高裁判所と株式会社エヌ・ティ・ティ・データとの契約である。
契約書第1条は,名称を「裁判所ウェブサイト等のリニューアル及び運用保守等」とし,契約期間と金額を定めている(PDF1枚目)。

2 開発と運用保守を分けて読む

仕様書の調達範囲には,システム構築,アクセシビリティ対応,セキュリティ対策,サイト構造設計,デザイン,移行,マニュアル作成,操作研修及び動作テスト等が掲げられている。
これに加えて,システムの保守・運用,障害対応,コンテンツメンテナンス,ヘルプデスク及びアクセシビリティ試験等が運用保守業務として列挙されている(PDF13~14枚目,仕様書3~4頁)。
したがって,この契約の金額を,既に完成したサイトの保守だけの年額として読むことはできない。

仕様書は,開発業務を平成32年3月2日まで,運用保守業務を同月3日から31日までとする作業期間を示している。
また,総委託期間について平成37年3月2日までを想定する記載があるが,これは当該契約書の終期を令和7年まで延ばすものではない。
契約書の期間,仕様書上の作業期間及び将来の想定期間を区別する必要がある。

第3 令和7年3月3日開始の運用保守契約

(続きを読む...)裁判所ウェブサイトのリニューアル・運用保守契約―受注者と業務内容の変遷(AI作成)

裁判所の予算はいつ決まるか-概算要求基準の閣議了解から国会での成立まで(令和2年度~令和9年度の日程)(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 年度別の日程1 概算要求まで2 政府予算案から成立まで第3 日程から外れた年度1 令和3年度予算——送付期限の延長2 令和7年度予算——国会での修正3 令和8年度予算——暫定予算第4 日程を定める法令1 財政法及び予算決算及び会計令2 詳しい解説第5 裁判所側の資料が公表される時期1 概算要求2 成立予算第6 関連記事第7 出典1 法令2 財務省3 国会会議録4 裁判所ウェブサイト
第1 この記事の対象と結論
1 対象と資料

この記事は,裁判所の予算が,概算要求から国会での成立まで,毎年どのような日程で進んでいるかを,令和2年度予算から令和9年度予算までの実際の日付で整理するものである。
日付は,財務省ウェブサイトの各年度の「予算」の頁に掲載された日付によった。
令和5年度予算の頁は財務省ウェブサイトから外れているため,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)に保存された同頁によった。

本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は生成AIを用いて資料を照合し,資料に書かれた事実と,資料から考えられることを区別して整理したものである。

2 結論

裁判所の予算は,おおむね,夏に概算要求の基準が閣議了解され,8月31日までに最高裁判所が見積りを内閣に送付し,9月上旬に各省各庁の概算要求が公表され,12月下旬に政府予算案が閣議決定され,翌年1月に国会に提出され,3月下旬に成立するという日程で進む。

もっとも,この日程は毎年同じではない。
令和3年度予算は,送付期限が政令で9月30日に延ばされ,各省各庁の概算要求の公表は10月7日であった。
令和8年度予算は,概算要求の基準の閣議了解が8月8日,国会提出が2月20日であり,年度内に成立せず,暫定予算を経て4月7日に成立した。

以上の流れを,最高裁判所,内閣・財務大臣及び国会の役割分担とともに1枚の図にまとめると,次のとおりである。
通常と異なった年度と,裁判所予算の資料を確かめる時期も,図の下段に記載した。

印刷用のPDF:裁判所予算の編成日程(1枚資料)

第2 年度別の日程
1 概算要求まで
予算の年度概算要求の基準各省各庁の概算要求の公表令和2年度令和元年7月31日閣議了解令和元年9月5日令和3年度令和2年7月21日(「具体的な方針」についての閣議での財務大臣発言)令和2年10月7日令和4年度令和3年7月7日閣議了解令和3年9月7日令和5年度令和4年7月29日閣議了解令和4年9月5日令和6年度令和5年7月25日閣議了解令和5年9月5日令和7年度令和6年7月29日閣議了解令和6年9月4日令和8年度令和7年8月8日閣議了解令和7年9月3日令和9年度令和8年7月30日閣議了解令和8年9月4日

概算要求の基準の名称は,多くの年度で「令和○年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」である。
ただし,令和3年度は「令和3年度予算の概算要求の具体的な方針について」(閣議での財務大臣発言要旨)であり,令和8年度は「令和8年度予算の概算要求について」である。

2 政府予算案から成立まで
予算の年度政府予算案の閣議決定国会提出成立令和2年度令和元年12月20日令和2年1月20日令和2年3月27日令和3年度令和2年12月21日令和3年1月18日令和3年3月26日令和4年度令和3年12月24日令和4年1月17日令和4年3月22日令和5年度令和4年12月23日令和5年1月23日令和5年3月28日令和6年度令和5年12月22日令和6年1月26日令和6年3月28日令和7年度令和6年12月27日令和7年1月24日令和7年3月31日令和8年度令和7年12月26日令和8年2月20日令和8年4月7日

令和3年度予算の成立日は,財務省の頁に記載がないため,国会会議録(第204回国会参議院本会議,令和3年3月26日)によった。
令和6年度予算は,令和5年12月22日の閣議決定の後,令和6年1月16日に概算の変更が閣議決定されている。

第3 日程から外れた年度
1 令和3年度予算——送付期限の延長

令和三年度予算に係る歳入歳出等の見積書類の送付期限の特例を定める政令(令和2年政令第230号)は,令和3年度予算に係る財政法17条各項の見積書類の送付期限を,予算決算及び会計令8条1項及び3項の規定にかかわらず,令和2年9月30日とした。
この政令は,最高裁判所長官が内閣に送付する見積書類(財政法17条1項)と,各省大臣が財務大臣に送付する見積書類(同条2項)の両方に適用された。

(続きを読む...)裁判所の予算はいつ決まるか-概算要求基準の閣議了解から国会での成立まで(令和2年度~令和9年度の日程)(AI作成)

裁判所の予算はいくらか-国家予算に占める割合,人件費・物件費・施設費の内訳及び令和9年度概算要求(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 国の一般会計予算に占める割合1 年度別の割合2 読み方第3 昭和23年度以降の長期推移1 資料と数値の性質2 年度別の割合3 読み方第4 人件費・物件費・施設費の内訳1 年度別の内訳2 人件費3 物件費4 施設費第5 令和9年度概算要求1 要求・要望額2 国の概算要求の中での割合第6 予算額についての見方1 弁護士会の意見2 予算編成の過程について公表されていること3 執務環境との関係4 民間の売上高と裁判所予算を比べるときの注意第7 関連記事第8 出典1 裁判所ウェブサイト2 財務省3 その他
第1 この記事の対象と結論
1 対象と資料

この記事は,裁判所の予算の規模を,国の一般会計予算に占める割合と,人件費・物件費・施設費の内訳から,平成31年度から令和8年度までの当初予算と令和9年度の概算要求で整理するものである。
裁判所の予算額と内訳は,裁判所ウェブサイトの各年度の「予算の概要」及び「概算要求の概要」によった。
国の一般会計予算の総額と裁判所所管の金額は,財務省の予算書・決算書データベースに掲載されている各年度の一般会計予算(当初)の歳出データを千円単位で合計して求めた。

本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は生成AIを用いて資料を照合し,資料に書かれた事実と,資料から考えられることを区別して整理したものである。

2 結論

令和8年度の裁判所予算は3495億円であり,国の一般会計予算122.3兆円の約0.29%である。
この割合は,平成31年度の約0.32%から少しずつ下がっており,国の予算が増える一方で,裁判所の予算は3200億円台から3500億円弱の間で推移してきた。
補正予算を反映した後の予算で昭和23年度以降を見ると,割合は昭和30年度の0.906%が最も高く,その後はおおむね低下を続け,令和2年度には0.186%となった。

内訳では人件費が大部分を占めるが,その比率は令和4年度の84%から令和8年度の80%へ下がり,令和9年度の要求・要望額では74%である。
他方,物件費は令和4年度の384億円から令和8年度の579億円に増え,令和9年度の要求・要望額では800億円である。

第2 国の一般会計予算に占める割合
1 年度別の割合

各年度の一般会計予算(当初)について,裁判所所管の金額と一般会計の総額を比べると,次のとおりである。

年度裁判所一般会計総額割合平成31年度3256億円101.5兆円0.321%令和2年度3266億円102.7兆円0.318%令和3年度3254億円106.6兆円0.305%令和4年度3228億円107.6兆円0.300%令和5年度3222億円114.4兆円0.282%令和6年度3310億円112.6兆円0.294%令和7年度3352億円115.2兆円0.291%令和8年度3495億円122.3兆円0.286%

割合は,予算書の歳出データの千円単位の合計から計算し,小数点以下第4位を四捨五入した。
裁判所の金額は億円未満を四捨五入しており,裁判所ウェブサイトの各年度の「予算の概要」の予算額(百万円単位)と一致する。
令和7年度の一般会計総額は,衆議院及び参議院で修正された後の成立予算の金額である。

2 読み方

裁判所予算の割合が下がっているのは,裁判所予算が減ったからではなく,国の一般会計予算が裁判所予算より大きく増えたためである。
平成31年度から令和8年度までに,裁判所予算は約7%増えたのに対し,一般会計総額は約21%増えている。

一般会計総額には,国債費,地方交付税交付金及び社会保障関係費が含まれている。
そのため,この割合は,裁判所の予算が他の行政分野と比べて多いか少ないかを直接示すものではない。
国の予算の中での位置付けを示す一つの目安として読むのが適当である。

第3 昭和23年度以降の長期推移
1 資料と数値の性質

長期の推移は,財務省の「財政統計」の第5表 明治26年度以降一般会計歳出所管別予算によった。

(続きを読む...)裁判所の予算はいくらか-国家予算に占める割合,人件費・物件費・施設費の内訳及び令和9年度概算要求(AI作成)

裁判所の判例検索システムの予算と契約-法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システム(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 三つのシステムの内容1 法令・判例等検索システム2 法律雑誌等検索システム3 Web版図書情報システム第3 概算要求上の年額の推移1 年度別の要求額2 要求と要望の区別3 成立予算との関係第4 令和2年度から令和6年度までの契約1 三つの契約書2 Web版図書情報システムの初期費用3 国庫債務負担行為第5 令和7年度以降の変化1 要求の記載の変化2 確認できていないこと第6 資料の読み方1 歳出概算要求書との対応2 読むときの注意第7 関連記事第8 出典1 最高裁判所の概算要求書(説明資料)2 契約書3 裁判所ウェブサイト
第1 この記事の対象と結論
1 対象と資料

この記事は,裁判官や裁判所書記官が執務で使う有料の検索サービスについて,最高裁判所が毎年度の概算要求でいくらを要求し,どのような契約を結んでいたかを,公表資料と当ブログ掲載の資料で整理するものである。
対象は,最高裁判所の概算要求書(説明資料)で「裁判運営の改善経費」に並んでいる,法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システムの三つである。

使った資料は,令和2年度から令和8年度までの最高裁判所の概算要求書(説明資料),裁判所ウェブサイトに掲載されている令和4年度の一般会計歳出概算要求書,及び令和2年4月1日付けの契約書3通である。
本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は生成AIを用いて資料を照合し,資料に書かれた事実と,資料から考えられることを区別して整理したものである。

2 結論

三つのシステムは,いずれも最高裁判所が一括して契約し,全国の裁判所の職員が端末から利用する有料サービスである。
令和2年度から令和6年度までは5年間の契約が結ばれており,法令・判例等検索システムは第一法規株式会社,法律雑誌等検索システムは株式会社エル・アイ・シー,Web版図書情報システムは株式会社OPACが受注者であった。

概算要求上の年額は,令和3年度から令和6年度まで,法令・判例等検索システムが4026万円,法律雑誌等検索システムが2942万5000円で毎年同じであった。
これに対し,令和7年度の要求は4818万円弱と4356万円に増え,令和8年度の要求は4593万6000円と3960万円である。
令和7年度以降の契約の相手方及び契約期間は,本記事では確認できていない。

第2 三つのシステムの内容
1 法令・判例等検索システム

令和4年度の概算要求書(説明資料)160頁は,法令・判例等検索システムを「法令,判例及び文献情報を検索閲覧するシステム」と説明している。
同頁によれば,裁判官や書記官が各自の端末からアクセスし,裁判執務に必要な法規,判例,法律判例文献の著者名及び雑誌名等を入手するためのものであり,知的財産高等裁判所用のものが別に計上されている。

令和2年度からの契約書によれば,利用できるクライアント端末は2万6000台まで,サーバへの同時アクセス数は500台までとされていた。

2 法律雑誌等検索システム

同じ説明資料161頁は,法律雑誌等検索システムを,判例や法律雑誌に掲載された論文,評釈及び解説等を収録したデータベースであり,主要法律雑誌の判例評釈及び解説を原本性を保持したPDFデータとして収録し,判例と関連付けて検索閲覧できるものと説明している。
同頁は,これが法令・判例等検索システムにない機能であり,二つのシステムは相互に補完して利用するものと位置付けている。

令和2年度からの契約書によれば,利用できるクライアント端末は1万8000台まで,サーバへの同時アクセス数は500台までとされていた。

3 Web版図書情報システム

Web版図書情報システムは,下級裁判所の資料室や裁判官室等で管理している図書資料の情報を運営会社の蔵書検索サービスにアップロードし,職員がインターネット経由で図書の有無や配架場所を検索できるようにするものである。
管理対象の図書資料は,令和6年度までの説明資料では約230万冊,令和7年度以降の説明資料では約500万冊とされている。

第3 概算要求上の年額の推移
1 年度別の要求額

各年度の概算要求書(説明資料)の経費積算内訳に記載された単価を,知的財産高等裁判所用を合算して示すと,次のとおりである。
単価の欄は円単位であり,いずれも「一式」として計上されている。

(続きを読む...)裁判所の判例検索システムの予算と契約-法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システム(AI作成)

裁判所の令和6年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料の対象期間2 結論3 この記事が扱わない範囲第2 4つの数字を並べる1 総額2 項別に見ると像が変わる3 決算による検算第3 補正予算で積んだ金は,その年度には使われていない1 「裁判手続等のデジタル化等」169億円2 目レベルで見た繰越3 繰越の可否を分けるのは繰越明許費の指定である4 3つの金額を混同しない第4 満額で計上されたことと,使われたことは別である1 (項)裁判費の目別執行率2 満額の目は令和7年度から崩れる3 低執行は「どの目」を決めるが「いつ」を決めていない第5 流用の理由は決算報告書に書かれている第6 歳入は予算の1.85倍である第7 定員1 総数と事務官の増員2 定員法の説明と予算の説明第8 同じ表を自分で作る手順第9 未確認事項第10 出典・参考資料1 法令2 予算書,決算書及び概算要求書3 国会会議録4 関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,基準日及び資料の対象期間

本記事は,裁判所所管の令和6年度予算について,概算要求額,当初予算額,補正後予算額及び決算額という4つの数字を同じ表に並べ,金額がどこで動いたかを確認するものである。
調査の基準日は令和8年9月6日であり,資料の対象期間は令和2年度から令和8年度までである。
中心に置くのは令和6年度であり,前後の年度は比較のために用いる。
金額は,特記しない限り千円単位である。
本記事の数値は,裁判所ウェブサイトに掲載された公式PDFと,財務省「予算書・決算書データベース」のCSVから取得したものであり,条文はe-Gov法令検索の本文によっている。
記事の作成にはAIを用いている。

2 結論

令和6年度の概算要求等額は340,893,828千円であり,当初予算額は330,979,009千円である。
要求等額に対する当初予算額の割合は97.09%となる。
しかし,この2つだけを比べて「約3%削られた」と書くと,二重に不正確になる。

第1に,その年度の予算は当初予算では終わらない。
令和6年度は補正予算第1号で23,470,369千円が追加され,補正後予算額は354,449,378千円になった。
これに前年度からの繰越13,238,876千円が加わり,予算現額は367,688,254千円である。

第2に,実際に支出された額は332,296,053千円である。
概算要求等額と比べれば97.48%,補正後予算と比べれば93.75%,予算現額と比べれば90.37%になる。
分母をどこに置くかで数字の印象は逆転する。

そして,本記事が最も強調したいのは次の点である。
要求どおり満額で計上された経費が,そのまま使われているとは限らない。
(項)裁判費のうち保証金は,令和6年度も1円も支出されていない。

3 この記事が扱わない範囲

裁判所の予算がどのような手続で決まるか,財政法19条の附記(二重予算)が令和2年度から令和8年度まで0件であること,及び8月末という送付期限の根拠については,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
本記事は,その手続を前提として,令和6年度の金額が実際にどう動いたかだけを追う。

したがって,要求額と予算額の差についても,本記事では「内閣が減額した」とは書かない。
財政法19条の附記が0件である以上,公表資料から減額の事実を確認することはできず,他方で最高裁判所が納得していたことも確認できないからである。
本記事では,この差を単に「差」と呼ぶ。

第2 4つの数字を並べる
1 総額

(続きを読む...)裁判所の令和6年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

裁判所の令和4年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間
2 四つの数字は別のものである
3 結論

第2 四系列の全体像

1 総額の比較
2 決算は三つに分かれる
3 二つの等式で拾い落としを検算する

第3 概算要求から当初予算へ

1 項別の充足率
2 主要経費別の充足率
3 落ちたのは三件だけである

第4 当初予算から補正予算へ

1 補正は二本あり,裁判所所管は第二号だけである
2 補正第二号の中身
3 補正で付いた金は年度内に使われていない

(続きを読む...)裁判所の令和4年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

裁判所の令和5年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料の対象期間2 四つの系列3 この記事で新たに示すこと第2 決算はどの欄でできているか1 金額の欄2 執行率92.89%第3 (項)別の執行率1 執行率は項によって割れる2 裁判所予備経費は全額が不用である第4 補正予算で積んだ35億円は,その年度に1円も使われていない1 令和5年度の補正は第1号だけである2 繰越の区分で確定する3 繰越明許費が年度をまたいで連鎖している4 退職手当が32億円繰り越された理由第5 (目)別に見ると実務に近い数字が出る1 翌年度繰越がある目は六つだけである2 不用額の大きい目3 刑事補償金は,4年続けて大きく余った後に一転している4 委員手当は,予算額が動かないまま不用率だけが振れる5 (目)別の不用理由は公表されていない第6 この記事の数値をどこから取ったか第7 未確認事項第8 出典・参考資料1 法令2 裁判所が公表する予算・決算資料3 財務省が公表する予算書・決算書4 関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,基準日及び資料の対象期間

この記事は,裁判所所管の一般会計について,令和5年度の①概算要求,②当初予算,③補正予算及び④決算の四つを並べ,どこで金額が動き,最終的にいくらが使われずに終わったのかを整理するものである。
対象期間は令和5年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日まで)であり,経年の比較に必要な範囲で令和2年度から令和6年度までの決算を用いる。
調査の基準日は令和8年9月6日であり,数値は同日から翌7日までに取得した。
本記事は,公表資料をAIで機械的に集計し,その結果を整理したものである。

金額は原則として千円単位で示し,決算の欄については財務省の原表に合わせて円単位で示す。
(項)別及び(目)別の数値は,裁判所ウェブサイトの「決算の概要」には掲載されていないため,財務省の歳出決算報告書によった。

裁判所の予算がどのような手続で決まるのか,内閣が最高裁判所の要求を減額したときにどうなるのか(二重予算),そして令和2年度から令和8年度まで財政法19条の附記が0件であることについては,別の記事で詳しく扱っている。
本記事は手続論には立ち入らず,令和5年度に実際に動いた金額を追うことに絞る。
手続の全体像は裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことを参照されたい。

2 四つの系列

令和5年度の裁判所所管の金額は,次のとおり動いた。

系列金額(千円)概算要求等額に対する割合① 概算要求等額329,816,061-② 当初予算額322,216,78097.70%③ 補正後の改予算額326,876,43799.11%④ 決算(支出済歳出額)309,396,12293.81%

①の概算要求等額は,要求本体321,123,794千円に「重要政策推進枠」の要望額8,692,267千円を加えたものである。
要望額は要求本体の枠外に置かれるものであるから,両者を区別せずに一つの「要求額」として扱うと,充足率が実際より低く見える。

②と①の差は7,599,281千円である。
もっとも,この差を「内閣が最高裁判所の要求を削った」と書くことはできない。
理由は前記の別記事で述べたとおりであり,本記事では差があるという事実の記述にとどめる。

3 この記事で新たに示すこと

要求と当初予算だけを並べると,令和5年度は要求の97.70%が付いた年ということになる。
しかし決算まで見ると,実際の支出は要求の93.81%にとどまる。
そして,使える予算333,066,464千円のうち,13,238,876千円が翌年度に繰り越され,10,431,466千円が使われずに終わっている。

とりわけ,補正予算で(項)裁判費に積まれた3,555,186千円は,その年度に1円も執行されていない。
この金額は,決算に記載された財政法14条の3第1項の繰越明許費の額と1円単位で一致する。

第2 決算はどの欄でできているか
1 金額の欄

決算の金額の欄は,次の九つである。

区分金額(円)歳出予算額(=補正後の改予算額)326,876,437,000前年度繰越額6,190,027,235予備費使用額0流用等増△減額0予算決定後移替増△減額0歳出予算現額333,066,464,235支出済歳出額309,396,122,470翌年度繰越額13,238,876,033不用額10,431,465,732

(続きを読む...)裁判所の令和5年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

裁判所の令和8年度予算-概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の範囲2 結論第2 四つの数字1 令和8年度に作られた予算書2 四つの数字3 「要求額」という欄は三か所にあり,意味が違う第3 概算要求と当初予算の突合1 項別の突合2 差が集中している項(1) 差の約9割は(項)裁判費にある(2) (項)下級裁判所は要求を上回っている(3) (項)裁判所施設費は要望を含めるかで20ポイント動く(4) (項)裁判所予備経費は裁判所法83条2項による3 要望枠の扱い第4 暫定予算1 期間は11日間である2 目別の配分は日割りではない第5 補正予算1 裁判所所管は計上されていない2 補正の中身3 補正に載らない年は珍しくない第6 「削られた」と書けない理由1 前年度補正が要求の中身を先に措置している(1) (目)裁判庁費でみた場合(2) 政策区分でみた場合2 二つの読み方(1) 一体で措置したという読み方(2) 当初予算の額を抑えたという読み方(3) どちらとも決められない3 財政法19条の「減額」第7 確認できていないこと第8 関連する記事1 同じ型で各年度を扱った記事2 資料の読み方を扱った記事出典1 法令2 予算書及び予算参考書類3 最高裁判所が公表した資料4 国会会議録

第1 この記事の対象と結論

1 対象,調査の基準日及び資料の範囲

本記事は,令和8年度の一般会計のうち裁判所所管について,概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の四つを同じ土俵で並べ,どこに差が生じているかを確認するものである。
調査の基準日は令和8年9月7日であり,同日に財務省の予算書・決算書データベース及び裁判所ウェブサイトで確認できた資料に基づく。
金額は,特に断らない限り千円単位である。

決算は対象外である。
財政法39条は歳入歳出決算を翌年度の11月30日までに会計検査院へ送付すべきものとし,同40条1項は会計検査院の検査を経た決算を翌年度開会の常会において国会に提出するのを常例とする。
この常例によれば令和8年度の決算が国会に提出されるのは令和10年の常会であるが,同項は「常例とする」と定めるにとどまり,提出時期を条文から確定することはできない。
いずれにせよ令和8年度は基準日の時点で年度の途中であり,執行額を確認できない。

なお本記事は,生成AIを用いて公表資料を突合し,その結果を整理したものである。

2 結論

令和8年度の裁判所所管について,公表資料から次の四点が確認できる。
①概算要求は要求359,169,102千円であり,「重要政策の推進」のための要望5,839,315千円を加えた要求・要望額は365,008,417千円である。
②当初予算は349,473,805千円であり,要求に対して97.3%,要求・要望額に対して95.7%,令和7年度当初予算に対して104.3%である。
③令和8年度には暫定予算があり,その期間は令和8年4月1日から4月11日までの11日間である。
裁判所所管は21,727,136千円である。
④令和8年度補正予算(第1号)に,裁判所所管は計上されていない。

もっとも,②の差を「概算要求が削られた」と評価することはできない。
令和7年度補正予算(第1号)が,令和8年度の概算要求に含まれていた事項を先に措置しているからである。
(目)裁判庁費についていえば,令和7年度補正の追加12,508,863千円と令和8年度当初予算26,200,292千円を合わせると38,709,155千円になり,令和8年度の要求39,402,151千円の98.2%に達する。

(続きを読む...)裁判所の令和8年度予算-概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

裁判所の令和2年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料2 結論-4つの数字と,分母によって変わる割合3 この記事が扱わない範囲第2 4つの数字を並べる1 総額2 項別に見る3 検算第3 最終予算が当初予算を下回った年1 補正は3回あるが,裁判所所管は2回2 補正第3号は差引で減額である3 海外派遣の停止が数字に出ている4 9兆円の予備費が使われた年に,裁判所には配分がない第4 満額で計上されても,使われるとは限らない1 裁判費の13目で要求と予算が違うのは1目だけである2 執行率は0.0%から99.99%まで割れる3 この形は令和7年度から崩れる第5 要求の組み方-本体を絞って要望枠で取りに行く1 要求本体は前年度予算を下回っている2 要望枠の3事業3 要望枠が乗ったことが見える箇所第6 デジタル化の予算は当初予算ではなく補正で付いた第7 検察審査会は止まっていた1 要求と予算が一致したまま4分の1が不用になった2 目別の執行率3 「法定の回数を割った」とは書けない第8 事故繰越-司法修習の遅れ1 繰越の法的根拠別の内訳2 事故繰越は6目すべてが司法修習関係である第9 不用額の理由は国が決算に書いている1 決算に記載された4項の理由2 検察審査費の理由は歳出決算報告書にある第10 手続の時系列1 令和2年度の各段階の日付2 決算が国会で議決されるまでに2年6か月かかっている3 「概算要求」の公表日と送付期限は別の日である4 令和3年度予算書の「前年度予算額」欄の正体第11 実務に使える数字1 日当の積算単価は上限額に比例しない2 無罪事件の費用補償の内訳3 指定弁護士の手当には幅がある4 補正予算まで見ないと年度の姿が分からない第12 定員-裁判官は振替で,職員は17人の減である第13 未確認事項第14 出典・参考資料1 法令2 最高裁判所規則3 概算要求書及び各目明細書4 予算書,決算及び統計5 官報及び閣議了解6 国会会議録7 議案情報8 関連記事第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料

対象は日本の一般会計のうち裁判所所管であり,対象年度は令和2年度である。
比較のため令和元年度及び令和6年度から令和8年度までを補助的に用いる。
金額は,特記しない限り千円単位である。
「決算」は支出済歳出額を指す。

本記事の調査の基準日は令和8年9月6日であり,法令の適用時点も同日である。
条文はいずれも同日にe-Gov法令検索で確認した本文による。
令和2年度の予算及び決算は確定した過去の記録であるから,本記事の金額は同日以降に変動しない。

本記事の金額は,裁判所ウェブサイトの令和2年度予算の頁に掲載された概算要求書及び各目明細書,裁判所の決算の頁に掲載された決算の概要,財務省の予算書・決算書データベースの令和2年度予算書・決算書関連情報が公表する予算書,決算及び科目別内訳のCSV並びにインターネット版官報を直接取得して算出したものである。

2 結論-4つの数字と,分母によって変わる割合

令和2年度の裁判所所管について,概算要求から決算までを並べると次のようになる。
概算要求等額は329,283,576千円,当初予算は326,624,181千円,補正後の最終予算は326,294,809千円,決算(支出済歳出額)は312,451,170千円である。

「要求のどれだけが認められたか」という問いには,一つの答えがない。
当初予算を概算要求等額で割ると99.19%になる。
決算を概算要求等額で割ると94.89%,最終予算で割ると95.76%,前年度からの繰越を含む予算現額で割ると94.12%になる。
どの分母を選ぶかで印象が変わるため,割合を示すときは分母を先に決めておく必要がある。

前年度との比較で見ると,別の顔が出る。
概算要求等額は前年度予算より3,709,268千円多いのに対し,当初予算の増は1,049,873千円にとどまる。
増額要求のうち認められたのは28.3%である。

3 この記事が扱わない範囲

裁判所の予算が内閣に送付される手続,財政法19条の附記,二重予算の仕組み,8月末という期限の根拠及び附記が0件であることの読み方は,別の記事で詳しく扱っている。
本記事はそれらを繰り返さず,令和2年度の金額そのものを追う。
手続の側については裁判所の予算は誰が決めているのかを参照されたい。

なお,本記事でも「削られた」「査定された」という表現は用いない。
内閣が最高裁判所の歳出見積を減額したのであれば歳入歳出予算にその詳細が附記されるところ,令和2年度の当初予算書及び補正予算書にその附記は1件もないからである。
もっとも,補正予算(第1号)には裁判所所管の計上そのものがない。
裁判所が一行も現れない予算書に裁判所の附記が無いことは,減額が無かったことを示さない。
附記の有無を語れるのは,裁判所所管の計上がある当初予算書と補正予算(第2号)及び(第3号)である。
本記事は,要求額と予算額の差を差として記述するにとどめる。

第2 4つの数字を並べる1 総額系列金額(千円)概算要求等額329,283,576当初予算326,624,181最終予算(補正第3号後)326,294,809(予算現額)331,960,372決算(支出済歳出額)312,451,170

概算要求等額の内訳は,概算要求本体321,099,826千円に「新しい日本のための優先課題推進枠」の要望8,183,750千円を加えたものである。
前年度からの繰越額は5,665,563千円,翌年度への繰越額は10,944,695千円,不用額は8,564,506千円である。

分母を変えると,割合は次のように動く。

比較割合当初予算÷概算要求等額99.19%決算÷概算要求等額94.89%決算÷最終予算95.76%決算÷予算現額94.12%2 項別に見る項要求本体当初予算最終予算決算決算÷最終最高裁判所80,347,70780,917,36278,977,11375,069,73795.05%下級裁判所206,932,648208,654,957207,217,212204,135,51898.51%検察審査費302,934302,934302,934228,88775.56%裁判費20,241,12919,716,45421,133,38018,022,41185.28%裁判所施設費13,267,40817,024,47418,656,17014,994,61580.37%裁判所予備経費8,0008,0008,00000.00%合計321,099,826326,624,181326,294,809312,451,17095.76%

要求の列を「要求本体」としているのは,要望枠を項別に配分できないからである。
要望一覧は「暮らしの安全・安心」「防災・減災」「裁判手続等のIT化の推進」という事業単位で記載されており,項への割付けは記載されていない。
このうち裁判所施設費については,要求本体13,267,408千円に要望「防災・減災」4,462,683千円を加えると17,730,091千円となり,概算要求の概要の「裁判所施設の整備」17,730百万円と一致するから,対応を確認できる。
他の2事業については同様の確認ができていない。

要求本体を下回った項は,裁判費だけである。
検察審査費と裁判所予備経費は,要求額と当初予算額が1円も違わない。

項別の決算額を合計すると312,451,168千円となり,表示値312,451,170千円と2千円ずれる。
決算の「計数は単位未満を切り捨てた」という注記によるものである。

3 検算

財務省の決算の科目別内訳から裁判所所管の79行を合算すると,次の2つの恒等式がいずれも1円の差なく成立する。

歳出予算額326,294,809,000円に前年度繰越額5,665,563,000円を加え,予備費使用額,流用等増減額及び予算決定後移替増減額がいずれも0円であるから,歳出予算現額は331,960,372,000円となる。

歳出予算現額を構成する9つの欄と,この2本の恒等式そのものは,決算はどの欄でできているかで扱っている。
本記事は,令和2年度の裁判所所管について値が閉じることの確認にとどめる。

流用等増減額の0円は,(目)の段階の4組8件が相殺された結果である。

減った目増えた目金額(円)決算報告書に記載された理由(項)最高裁判所(目)国家公務員共済組合負担金(目)公務災害補償費22,813,000障害補償年金等に不足を生じたため(項)最高裁判所(目)職員旅費(目)赴任旅費40,652,000赴任旅費の支給額が増加したため(項)下級裁判所(目)職員基本給(目)児童手当4,950,000支給対象児童が増加したため(項)裁判費(目)委員等旅費(目)特別送達料3,452,000召喚状等の送達件数が増加したため

4組とも同じ項の中で閉じており,増減の合計は0円である。
令和2年度の裁判所所管には項の間の移用がない。

上の表の理由は,歳出決算報告書の備考欄から引いた。
理由がどの冊に載るかは,決算に書かれている「理由」の探し方で扱っている。

支出済歳出額312,451,170,774円に翌年度繰越額10,944,695,125円と不用額8,564,506,101円を加えると,同じく331,960,372,000円となる。

歳出予算額326,294,809,000円は,補正予算(第3号)各目明細書の改予算額と一致する。
支出済歳出額312,451,170,774円は,裁判所ウェブサイトが公表する令和2年度決算の312,451,170千円(千円未満切捨て)と一致する。

第3 最終予算が当初予算を下回った年1 補正は3回あるが,裁判所所管は2回

令和2年度の一般会計には補正予算が第1号から第3号まである。
もっとも,裁判所所管に計上があるのは第2号と第3号だけである。

補正予算(第1号)の予算書281頁には,「裁判所」「最高裁判所」「下級裁判所」「衆議院」「参議院」「会計検査院」のいずれの語も現れない。
同じ予算書で「法務省」は25頁に現れるから,抽出の漏れではない。
同号の歳出の科目別内訳は884行あるが,そのうち裁判所所管の行は0行であり,内閣及び13の府省庁だけで構成されている。

補正予算(第2号)各目明細書の「令和2年度成立予算額」欄は326,624,181千円で,当初予算額と一致する。
この欄はそれ以前の補正を反映した額であるから,第2号より前に裁判所所管の補正がなかったことは,この一致からも確認できる。

2 補正第3号は差引で減額である補正国会増減(千円)補正後(千円)第2号第201回+1,259,066327,883,247第3号第204回△1,588,438326,294,809

第3号は,追加2,118,249千円に対し修正減少3,706,687千円で,差引1,588,438千円の減である。
その結果,最終予算326,294,809千円は当初予算326,624,181千円を329,372千円下回った。
補正で予算が増えるのではなく減った年である。

減額の中心は人件費の不用減である。
最高裁判所では退職手当771,447千円,国家公務員共済組合負担金1,014,522千円が減額されている。
下級裁判所では職員基本給493,583千円,職員諸手当968,536千円が減額されている。

3 海外派遣の停止が数字に出ている

最高裁判所の外国留学旅費は26,880千円の減であり,当初予算62,197千円の43.2%にあたる。
国際裁判官連合分担金は109千円の減であり,当初予算391千円の27.9%にあたる。
下級裁判所の委員手当も26,696千円が減額されている。

4 9兆円の予備費が使われた年に,裁判所には配分がない

令和2年度は,新型コロナウイルス感染症対策予備費の予算額が9,650,000,000,000円,その使用額が9,142,049,687,000円であった年である。
通常の予備費の使用額283,867,094,000円と合わせると9,425,916,781,000円であり,一般会計の歳出決算総額147,597,358,991,702円の6.4%に当たる。

この予備費から裁判所所管への配分は無い。
決算の予備費使用の一覧((9)頁から(11)頁まで)に,裁判所所管の項目は無い。
裁判所所管の予備費使用額の欄も0円である。

欄が0円であることだけでは足りない。
決算は移替額について「移替額には、新型コロナウイルス感染症対策予備費の使用額1,628,854,246,000円及び流用増した額171,473,000円が含まれる」と注記しており((6)頁),予備費が移替として現れる経路があるからである。
裁判所所管の予算決定後移替増減額も0円であるから,この経路からの配分も無い。

補正で1,259,066千円が付き,別の補正で1,588,438千円が引かれた年に,予備費からの上積みは無かったことになる。

第4 満額で計上されても,使われるとは限らない1 裁判費の13目で要求と予算が違うのは1目だけである目要求額(千円)当初予算(千円)充足率決算執行率諸謝金2,152,8442,152,844100.0%88.5%裁判旅費272,942277,277101.6%46.5%執行官旅費43,63643,636100.0%74.2%委員等旅費1,499,3661,499,366100.0%73.4%証人等旅費202,356202,356100.0%70.7%裁判庁費14,381,19513,852,18596.3%86.8%特別送達料575,945575,945100.0%99.99%身柄拘束者食糧費424424100.0%10.3%少年補導委託費173,679173,679100.0%32.4%賠償償還及払戻金277,694277,694100.0%86.7%保証金10,00010,000100.0%0.0%刑事補償金641,027641,027100.0%56.7%少年補償金10,02110,021100.0%35.3%

目細のレベルまで一致している。
諸謝金の国選弁護人等報酬59,947千円,委員等旅費の国選弁護人等2,648千円及び証人等旅費の証人59,719千円は,いずれも要求額と当初予算額が同じである。

2 執行率は0.0%から99.99%まで割れる

はじめに,この表の決算執行率は支出済歳出額を歳出予算現額で割ったものであることを断っておく。
13目のうち翌年度繰越があるのは裁判庁費だけで,1,332,855千円を令和3年度へ繰り越している。
繰越は使わなかった額ではないから,裁判庁費の執行率86.8%を,繰越が0円の目の執行率と同じ意味で読むことはできない。

使われなかった額の割合(不用額÷歳出予算現額)で並べ直すと,順序が変わる。

目決算執行率翌年度繰越不用率特別送達料100.0%00.0%裁判庁費86.8%1,332,855千円4.6%諸謝金88.5%011.5%賠償償還及払戻金86.7%013.3%

執行率では諸謝金が裁判庁費を上回るが,使われなかった額の割合では裁判庁費のほうが小さい。
以下で挙げる目は,いずれも翌年度繰越が0円であるから,執行率がそのまま使われなかった程度を表す。

身柄拘束者食糧費の執行率は10.3%である。
予算424千円に対し,支出済は44千円である。
身柄同行が激減したことが表れている。

裁判旅費の執行率は46.5%である。
裁判官及び裁判所書記官が法廷外で行う検証,出張尋問等の旅費である。

破産法23条の国庫仮支弁である保証金は,支出済が0円である。
予算10,000千円が全額不用になっている。
平成30年度の支出実績も0円であり,令和2年度は新規事項として10,000千円を要求して満額認められた費目である。
制度が事実上使われていないことを,決算という一次資料で確認できる。

例外は特別送達料で,不用額は44,642円にとどまる。
執行率は99.99%である。
期日は止まっても,送達は止まらなかったことになる。
この目には流用で3,452千円が積み増されており,それでも使い切っている。

したがって,「満額で計上された」ことと「予算どおり使われた」ことは切り分けて読む必要がある。
年度をまたいで実態を比べるのであれば,要求額でも予算額でもなく決算額を並べるのが実態に近い。

3 この形は令和7年度から崩れる

令和8年度では,保証金が50.0%,裁判庁費が66.5%,執行官旅費が71.5%,裁判旅費が73.5%に減額されており,要求額と予算額が一致しない目が複数ある。
なお,満額の目の数を年度間で並べるときは,分母に(目)裁判庁費を含めるかどうかで数が動く。
令和2年度の(項)裁判費は13目で構成されている。
令和2年度で成り立っていた形を,そのまま現在の話として用いることはできない。

第5 要求の組み方-本体を絞って要望枠で取りに行く1 要求本体は前年度予算を下回っている

令和2年度の概算要求本体321,099,826千円は,前年度予算325,574,308千円を4,474,482千円下回っている。
前年度より低い額を要求していることになる。
そのうえで,増分を「新しい日本のための優先課題推進枠」の要望8,183,750千円で取りに行く組み方になっている。

2 要望枠の3事業事業要望額(千円)暮らしの安全・安心3,537,085防災・減災4,462,683裁判手続等のIT化の推進183,982合計8,183,750

裁判手続等のIT化の推進は,要望枠の2.2%にすぎない。
令和2年度の時点では,デジタル化は金額の上では小さな事業であった。

3 要望枠が乗ったことが見える箇所事項令和元年度予算要求本体当初予算予算÷要求本体最高裁判所・裁判運営の充実に必要な経費1,145,433197,1001,094,045555.07%下級裁判所・裁判運営の充実に必要な経費8,385,4447,234,6568,280,777114.46%裁判所施設費17,480,34613,267,40817,024,474128.32%

最高裁判所の「裁判運営の充実に必要な経費」は,要求本体197,100千円に対し当初予算1,094,045千円である。
前年度予算1,145,433千円とほぼ同じ水準に戻っている。
最高裁判所の概算要求書(説明資料)でこの事項に属する項目の多くに「要望」の札が付いていたことと対応する。

したがって,説明資料の「要望」の札が付いた項目について,要求額が小さいことを理由に重視されていないと読むのは適切でない。
本体に載せられないものを要望枠へ回した結果であり,予算では前年度並みに戻っている。

項別に対応を確認できる裁判所施設費で計算すると,当初予算と要求本体の差は3,757,066千円であり,要望「防災・減災」4,462,683千円の84.2%にあたる。

第6 デジタル化の予算は当初予算ではなく補正で付いた

補正予算(第2号)の内容は,次の2項目だけである。

項・目当初(千円)追加(千円)補正後(千円)下級裁判所・法廷等器具整備費577,708+152,600730,308裁判費・裁判庁費13,852,185+1,106,46614,958,651

裁判庁費の追加1,106,466千円の内訳は,消耗品費85,344千円,通信運搬費273,353千円及び雑役務費747,769千円である。
このうち繰越明許費として「司法情報システム緊急整備費」592,392千円が立っている。

当初予算の要望枠に載っていた「裁判手続等のIT化の推進」は183,982千円であった。
補正で付いた592,392千円は,その3.2倍である。
令和2年度のデジタル化の予算は,当初予算ではなく補正予算で一気に付いたことになる。
その後の経過は令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求にある。

もっとも,補正で積んだ額がその年度に使われたかどうかは,令和2年度については分離できない。
裁判所ウェブサイトの決算のページには「補正予算の執行状況の公表について」という区分があるが,令和8年9月7日の時点で掲載されているのは令和7年度分(令和7年度決算時点)及び令和6年度分(令和6年度決算時点及び令和7年度決算時点)の3件だけである。
令和2年度については,当初分と補正分を分けた執行状況の公表資料が同ページにない。

分かるのは次のことまでである。
裁判費は補正で1,416,926千円を積んだが,決算18,022,411千円は当初予算19,716,454千円すら下回っている。
裁判費の翌年度繰越1,332,855千円は全額が裁判庁費であるが,前年度繰越245,578千円も混ざるため,補正の追加額との1円単位の対応は取れない。

補正で積んだ分が翌年度へ回るという読み方を一般化することもできない。
同じ補正第2号で152,600千円を積んだ下級裁判所の法廷等器具整備費は,決算では翌年度繰越が0円で,不用額が128,859千円である。
分かれ目は繰越明許費の指定があるかどうかであり,令和2年度補正第2号の同じ目には繰越明許費の記載がない。

第7 検察審査会は止まっていた1 要求と予算が一致したまま4分の1が不用になった

項の検察審査費は,要求額,当初予算額及び最終予算額のいずれも302,934千円で,1円も動いていない。
それにもかかわらず,決算は228,887千円で,24.4%が不用になっている。
繰越は0円であるから,差の全額が不用である。

2 目別の執行率目予算額(円)支出済(円)執行率検察審査員旅費241,725,000182,544,59775.52%庁費55,782,00044,214,23179.26%委員手当(審査補助員手当)4,329,0001,826,30042.19%職員旅費(審査業務旅費)527,0005100.10%諸謝金248,000247,50099.80%委員等旅費(審査補助員旅費)181,00045,69725.25%証人等旅費142,0008,4905.98%

職員旅費の執行率は0.10%である。
予算527,000円に対し,支出済は510円である。
この旅費は実地見分及び所在尋問への検察審査会事務官の立会いのためのものであるから,令和2年度はこれらがほとんど行われなかったことになる。

証人等旅費の執行率は5.98%である。
検察審査会議での証人尋問もほとんどなかったことになる。

審査補助員手当の執行率は42.19%である。
審査補助員は,検察審査会が,審査を行うに当たり法律に関する専門的な知見を補う必要があると認めるときに,弁護士の中から事件ごとに委嘱することができるものである(検察審査会法39条の2第1項)。
委嘱するかどうかは検察審査会の判断によるから,手当の執行が予算の4割強にとどまったことは,委嘱件数が見込みを下回ったことを示す。

3 「法定の回数を割った」とは書けない

検察審査員旅費は,概算要求書(説明資料)によれば,会議1回当たりの必要額122,145円に令和2年度の会議回数見込み1,979回を乗じて積算されている。
支出済182,544,597円を積算単価122,145円で割ると,約1,494回となる。
見込み1,979回に対して約1,494回である。
もっとも,実際の1回当たりの費用が積算単価どおりであったとは限らないから,1,494回は換算値であって実測の開催回数ではない。

そのうえで,「法定の回数を割った」と書くことはできない。
検察審査会法21条1項は,毎年3月,6月,9月及び12月にそれぞれ検察審査会議を開かなければならないと定めており,年4回である。
同法15条1項は,各群の検察審査員及び補充員のいずれかの任期が開始したときに,その都度速やかに検察審査会議を開いて検察審査会長を互選しなければならないと定めるところ,同法14条により第1群は2月1日,第2群は5月1日,第3群は8月1日,第4群は11月1日と3か月ずつずれて任期が開始するから,これも年4回である。

両者を合わせて年8回になるという合成であって,法律に「年8回」という数字が書かれているわけではない。
概算要求書(説明資料)が,15条1項及び21条1項を根拠として年8回としているものである。

検察審査会は全国で165ある。
165庁に8回を乗じた1,320回が法定の下限であり,換算値の約1,494回はこれを上回っている。
言えるのは「見込み回数1,979回に届かなかった」までである。

もっとも,開催回数が予定を下回ったこと自体は,換算値によらずに確認できる。
歳出決算報告書は,検察審査費の不用額の理由として「不用額を生じたのは、検察審査会議の開催回数が予定を下回ったこと等により、検察審査員旅費を要することが少なかったこと等のため」と記載している。
本記事の換算値は,下回った程度を測るための数字であって,下回ったという事実そのものは決算に書かれている。
なお,同法21条2項の随時招集及び41条の2の再審査があるから,8回を超える開催もあり得る。

第8 事故繰越-司法修習の遅れ1 繰越の法的根拠別の内訳種別項金額(円)財政法14条の3(繰越明許費)裁判費1,332,855,312同上裁判所施設費8,145,063,813財政法42条ただし書(事故繰越)最高裁判所1,466,776,000合計10,944,695,125

下級裁判所及び検察審査費の繰越は0円である。

2 事故繰越は6目すべてが司法修習関係である目繰越額(円)修習給付金1,110,165,000修習資金貸与金299,920,000諸謝金(講師等謝金)25,916,000司法修習生研修委託費19,654,000職員旅費(研修等旅費)6,672,000研修費4,449,000合計1,466,776,000

財政法42条ただし書は,「歳出予算の経費の金額のうち、年度内に支出負担行為をなし避け難い事故のため年度内に支出を終らなかつたもの」について翌年度への繰越しを認めている。
令和2年度の裁判所で事故繰越になったのは司法修習だけであり,司法修習の開始が遅れたことが財政法上の「避け難い事故」として処理されたことが読める。
あらかじめ繰越しを予定する繰越明許費とは性質が異なる。

修習給付金は,予算額3,314,835千円に対し,支出済2,071,492千円,翌年度繰越1,110,165千円,不用133,178千円である。
執行率は62.5%である。
この目の内容は司法修習生研修委託費と同じ項に属する。

第9 不用額の理由は国が決算に書いている1 決算に記載された4項の理由

財務省の一般会計歳入歳出決算には,主要な不用額について理由が記載されている。
裁判所所管の4項について,記載は次のとおりである。

項不用額(円)記載された理由最高裁判所2,451,599,312定年退職者数及び応募認定退職者数が予定を下回ったこと等により、退職手当を要することが少なかったこと等のため下級裁判所3,142,083,322調停事件の処理件数及び家庭裁判所委員会の出席者数が予定を下回ったこと等により、委員手当を要することが少なかったこと等のため裁判費2,023,690,873契約価格が予定を下回ったこと、業務内容の見直しによる業務計画の変更をしたこと等により、裁判庁費を要することが少なかったこと等のため裁判所施設費865,085,919契約価格が予定を下回ったので、施設整備費を要することが少なかったこと等のため

下級裁判所の理由には,「調停事件の処理件数……が予定を下回った」と記載されている。
令和2年度に調停事件の処理件数が落ちたことを,決算という一次資料で示すことができる。

他方で,裁判費の理由には事件数の減少が記載されていない。
記載されているのは「契約価格が予定を下回った」ことと「業務内容の見直しによる業務計画の変更」であり,物件費である裁判庁費に関する説明である。
目別の執行率から期日の停止を読み取ることは本記事の整理であって,決算に記載された項レベルの理由とは別のものである。
両者は矛盾しないが,区別して読む必要がある。

2 検察審査費の理由は歳出決算報告書にある

上の表は歳入歳出決算のものであり,検察審査費の不用額74,046,675円は載っていない。
歳入歳出決算が理由を示す範囲を「1項5億円以上のもの」と自ら定めているためである。

しかし,理由が公表されていないわけではない。
歳出決算報告書の備考欄には検察審査費にも理由が付いており,その文言は検察審査会について述べた箇所で引用した。

裁判所所管で理由の記載が無いのは,裁判所予備経費8,000,000円だけである。

二つの冊で収録の範囲が違うことは,決算に書かれている「理由」の探し方で扱っている。

第10 手続の時系列1 令和2年度の各段階の日付段階日付概算要求基準の閣議了解令和元年7月31日各省各庁の概算要求額の公表令和元年9月5日政府案の閣議決定令和元年12月20日国会提出・審議開始令和2年1月20日当初予算の成立令和2年3月27日補正予算(第1号)案の閣議決定令和2年4月7日概算の変更の閣議決定令和2年4月20日補正予算(第1号)の成立令和2年4月30日補正予算(第2号)案の閣議決定令和2年5月27日補正予算(第2号)の成立令和2年6月12日補正予算(第3号)案の閣議決定令和2年12月15日補正予算(第3号)の国会提出令和3年1月18日補正予算(第3号)の成立令和3年1月28日決算の国会提出(第207回国会)令和3年12月6日参議院本会議の是認令和4年6月15日衆議院本会議の議決令和6年6月18日

補正予算(第1号)だけ,「補正予算案の閣議決定」と「概算の変更の閣議決定」が別の日になっている。
他の補正にはこの2段がない。
もっとも,同号には裁判所所管の計上がないから,令和2年度の裁判所について実害のある論点ではない。

なお,この表の日付は政府案の閣議決定日であって,最高裁判所長官が内閣に見積書類を送付した日ではない。
その送付は公表されない。

2 決算が国会で議決されるまでに2年6か月かかっている

令和2年度の決算は,令和3年12月6日に国会へ提出された。
提出先は第207回国会(臨時会)で,同国会は同日に召集され,同月21日に閉会している。
つまり決算は,会期16日の臨時会の初日に提出された。

その後の経過は,両院で分かれる。

院委員会委員会の議決本会議結果参議院決算委員会令和4年6月13日令和4年6月15日是認衆議院決算行政監視委員会令和6年6月17日令和6年6月18日議決

参議院は,提出から約6か月後の令和4年6月15日に是認している。
これに対し衆議院は,第207回国会から第212回国会まで継続審査を重ね,第213回国会の令和6年6月18日に議決した。

提出から衆議院の議決まで2年6か月である。
当初予算が年度の開始前に成立していることと対比すると,同じ年度の数字でも,入口と出口で国会の扱う速さがまったく違う。

本記事が用いた決算の数字は,令和3年12月6日に提出された決算そのものの値である。
その後の審議で数字が変わるものではない。

3 「概算要求」の公表日と送付期限は別の日である

上の表の「各省各庁の概算要求額の公表」令和元年9月5日は,財務省が各省各庁の要求額を取りまとめて公表した日である。
これは,予算決算及び会計令8条が定める送付期限である令和元年8月31日とは別の日である。
同じ「概算要求」という語で別の日を指すため,時系列に並べるときは分ける必要がある。

令和2年度予算については,この送付期限を動かす特例政令はない。
令和元年5月から9月までの官報337号の目次を「送付期限」「見積書類」「見積に関する書類」「概算要求」の4語で走査して0件であり,同じ方法を令和2年7月に当てると令和2年政令第230号を検出する。
なお,令和3年度予算についてはこの政令によって期限が動いており,その経緯は裁判所の予算は誰が決めているのかで扱っている。

4 令和3年度予算書の「前年度予算額」欄の正体

令和3年度予算書の裁判所所管の「前年度予算額」欄は327,883,247千円であり,令和2年度の当初予算額とも最終予算額とも一致しない。
これは補正予算(第2号)後の額である。

令和3年度予算が国会に提出された令和3年1月18日の時点で,令和2年度予算として成立していたのは第2号後の額であった。
補正予算(第3号)は同じ日に提出されたばかりで,成立は10日後の令和3年1月28日である。
前年度予算額欄に当てるべき値は,当初予算額でも最終予算額でもなく,提出の時点で成立していた額であると読める。
もっとも,これは令和2年度から令和3年度への1組についての観測であるから,他の年度でも同じ規則で説明できるかは確認していない。

第11 実務に使える数字1 日当の積算単価は上限額に比例しない区分規則の上限額積算単価比率証人・参考人・少年8,050円以内4,025円50.0%鑑定人・通訳人・国選弁護人・国選代理人7,650円以内4,110円53.7%司法委員・参与員10,350円以内5,730円55.4%鑑定委員6,060円以内6,060円100%

上限額は証人8,050円が鑑定人7,650円より高いのに,積算単価は証人4,025円が鑑定人4,110円より低く,大小が逆転している。
鑑定委員に至っては上限額そのものを積んでいる。
「上限額のおおむね半額」という一般則は立たない。

当事者の日当は,民事訴訟費用等に関する規則2条2項により1日3,950円の定額である。
証人の日当が「以内」の上限であるのとは,性質が異なる。
単価表の詳細は司法研修所の概算要求書単価表にもある。

2 無罪事件の費用補償の内訳

刑事補償金641,027千円の内訳は,拘禁補償507,779千円と費用補償133,248千円である。
費用補償(刑事訴訟法188条の2)133,248千円は8項目に分かれており,被告人の鉄道賃2,543千円,日当4,633千円,宿泊料61千円,私選弁護人の鉄道賃2,099千円,日当5,346千円,宿泊料25千円,報酬106,684千円及び謄写料11,857千円である。

費用補償の8割は私選弁護人の報酬である。
平成30年度の実績は,私選弁護人報酬75,294千円,謄写料8,400千円である。

3 指定弁護士の手当には幅がある

刑事訴訟法268条5項は,同条1項の指定を受けた弁護士に政令で定める額の手当を給すると定める。
これを受けた昭和24年政令第372号は,その指定により公訴を維持すべき事件の審級ごとに50万円以上315万円以下(上訴審及びその後の審級については19万円以上315万円以下)の範囲内で,裁判所が相当と認める額とする。

概算要求書(説明資料)の積算単価は1名当たり1,713,872円である。
上限315万円まで出る余地があることは,指定弁護士の職務を検討する場面で意味を持つ。

4 補正予算まで見ないと年度の姿が分からない段階金額(千円)対要求要求20,241,129100.0%当初予算19,716,45497.41%補正第2号後20,822,920102.87%補正第3号後21,133,380104.41%決算18,022,41189.04%

項の裁判費を通しで見ると,当初予算だけを見れば要求の97.41%に減っているが,補正まで見れば要求を4.41%上回っている。
そして決算では要求の89.04%にとどまる。
どの段階を見るかで,結論が3通りに分かれる。

第12 定員-裁判官は振替で,職員は17人の減である

令和2年度の裁判所職員定員法の一部を改正する法律は,第201回国会で成立した。
その内容は,同法律案の趣旨説明及び質疑から確認できる。

区分改正前改正後増減判事2,1252,155+30判事補927897△30裁判官の合計3,0523,0520

裁判官については,判事補の定員から判事の定員へ30人を振り替えたものであり,裁判官の総数は変わっていない。
法務大臣は,第201回国会衆議院法務委員会第5号(令和2年3月18日)で,判事補の定員から判事の定員に30人の振替を行うことにより執務体制の強化を図るものであると説明している。

裁判官以外の職員は,次のとおりである。

区分増減(人)裁判所書記官+8裁判所事務官+34技能労務職員等△59差引△17

8人と34人の増に対し59人の減であるから,差引17人の減である。
最高裁判所事務総局総務局長は,第201回国会衆議院法務委員会第6号(令和2年3月31日)で,59人の減員の中に裁判所速記官の定員2人分が含まれると述べている。

この17人は,裁判所職員定員法2条の員数の差としても確認できる。
同条の員数は改正前が21,835人,改正後が21,818人である。
ただし,同条の員数は「執行官、非常勤職員、二箇月以内の期間を定めて雇用される者及び休職者を除く」ものであるから,裁判所で働く人の総数ではない。
本記事が扱う執行官旅費や委員等旅費は,この員数の外にいる人に係る経費である。

年度の途中で員数が変わっている点に注意を要する。
令和2年度の改正法(令和2年法律第20号)は令和2年4月24日に公布され,同日に施行された。
したがって令和2年4月1日から同月23日までの員数は改正前の21,835人であり,「令和2年度の員数は21,818人である」というときの値は年度当初のものではない。

現在員は,同委員会で示された令和2年1月16日の時点で,判事が定員2,125人に対し2,073人,判事補が定員927人に対し772人である。
判事補には155人の欠員がある。

金額の側では,最高裁判所の項が要求本体78,712,096千円に対し当初予算78,977,113千円であり,下級裁判所の項が要求本体206,979,930千円に対し当初予算207,217,212千円である。
定員が差引で減っている年に,人件費を含む両項の予算額は要求本体を上回っている。
定員と予算額は連動しないから,どちらか一方から他方を推すことはできない。

第13 未確認事項

補正で積んだ額のうち令和2年度中に実際に支出された額は確認できていない。
裁判所ウェブサイトの決算のページの「補正予算の執行状況の公表について」に掲載されているのは令和6年度分以降であり,令和2年度については当初分と補正分を分けた公表資料が同ページにない。

「司法情報システム緊急整備費」592,392千円の執行状況も確認できていない。
繰越明許費として計上されているため,令和2年度中に全額が支出されたとは限らない。

項の検察審査費の実際の会議開催回数は確認できていない。
本記事の約1,494回は,支出済額を積算単価で割った換算値である。

補正予算(第1号)における「概算の変更の閣議決定」(令和2年4月20日)について,財政法18条2項の意見聴取が行われたかどうかは確認できていない。
同項は「前項の決定」すなわち概算の閣議決定について意見聴取を義務付けているが,変更の閣議決定が同条1項の決定そのものであるかは条文からは決まらない。

要望枠のうち「暮らしの安全・安心」及び「裁判手続等のIT化の推進」については,項別の配分を確認できていない。

概算要求の段階で何人の増員を要求していたかは確認できていない。
本記事の定員は,成立した改正法とその審議で示された数だけであり,要求と成立を対比したものではない。

第14 出典・参考資料1 法令

財政法(昭和22年法律第34号)14条の3,18条,19条,42条
予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)8条
検察審査会法(昭和23年法律第147号)14条,15条,21条,39条の2,41条の2
刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)188条の2,268条
破産法(平成16年法律第75号)23条
裁判所職員定員法(昭和26年法律第53号)1条,2条
検察官の職務を行う弁護士に給すべき手当の額を定める政令(昭和24年政令第372号)1条
令和2年政令第230号(令和三年度予算に係る歳入歳出等の見積書類の送付期限の特例を定める政令。官報令和2年7月28日号外第155号19頁)

以上はいずれも令和8年9月6日にe-Gov法令検索で確認した本文による。

2 最高裁判所規則

民事訴訟費用等に関する規則(昭和46年最高裁判所規則第5号)2条,6条,7条,8条

最高裁判所規則はe-Gov法令検索に収録されていないため,裁判所ウェブサイトの規則集により確認した。

3 概算要求書及び各目明細書

最高裁判所「令和2年度一般会計歳出概算要求書」(129頁。紙面の標題は「令和2年度歳出概算要求書」)
最高裁判所「令和2年度概算要求の概要」
最高裁判所「新しい日本のための優先課題推進枠 要望一覧」
最高裁判所「令和2年度概算要求書(説明資料Ⅰ・Ⅱ)」(461頁及び449頁。裁判所ウェブサイト未掲載)
最高裁判所「令和2年度予算の概要」
最高裁判所「令和2年度一般会計歳出予算各目明細書」(18頁。紙面の標題は「令和2年度裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書 第201回国会(常会)提出」)
最高裁判所「令和2年度一般会計歳出予算補正(第2号)各目明細書」
最高裁判所「令和2年度一般会計歳出予算補正(第3号)各目明細書」

以上の名称は,裁判所ウェブサイトの「令和2年度予算」の頁のリンク文言による。
紙面の標題が異なるものは括弧内に併記した。

4 予算書,決算及び統計

財務省「令和2年度 一般会計歳入決算明細書及び歳出決算報告書(科目別内訳)」(CSV)
財務省「令和2年度 一般会計歳入決算明細書及び歳出決算報告書」(862頁。裁判所所管の不用理由は78頁から82頁まで)
財務省「令和2年度 一般会計歳入歳出決算」(106頁)
財務省「令和2年度 一般会計当初予算」(1,117頁)
財務省「令和2年度 一般会計補正予算(第1号)」(281頁),同「(第2号)」(216頁),同「(第3号)」(693頁)
裁判所「令和2年度裁判所決算」
裁判所「裁判所データブック2020」別表「証人等日当等」

5 官報及び閣議了解

インターネット版官報(令和元年5月から9月まで及び令和2年7月)
「令和2年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(令和元年7月31日閣議了解)

6 国会会議録

第201回国会衆議院法務委員会第5号(令和2年3月18日)及び同第6号(令和2年3月31日)並びに同参議院法務委員会第6号(令和2年4月14日)及び同第7号(令和2年4月16日)
いずれも裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審議であり,国会会議録検索システムにより確認した。

7 議案情報

参議院議案情報「令和二年度一般会計補正予算(第3号)」(第204回国会(常会)提出番号1。提出日令和3年1月18日,参議院議決令和3年1月28日)
参議院議案情報「令和二年度一般会計歳入歳出決算、令和二年度特別会計歳入歳出決算、令和二年度国税収納金整理資金受払計算書、令和二年度政府関係機関決算書」(第207回国会提出番号1。提出日令和3年12月6日。参議院の是認及び衆議院の議決は,第208回国会及び第213回国会の同じ議案の頁による)
衆議院「国会会期一覧」(第204回及び第207回の召集日及び会期終了日)

8 関連記事

同じ型で各年度を扱った記事は次のとおりである。
突き合わせた系列は年度によって異なり,令和7年度及び令和8年度は決算を含まず,令和8年度は暫定予算を含む。

裁判所の令和3年度予算
裁判所の令和4年度予算
裁判所の令和5年度予算
裁判所の令和6年度予算
裁判所の令和7年度予算
裁判所の令和8年度予算

予算・決算の数値をどこから取るか
裁判所の予算は誰が決めているのか
決算はどの欄でできているか――9つの欄と2本の恒等式
決算に書かれている「理由」の探し方
最高裁判所の概算要求書(説明資料)
令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求
司法修習生研修委託費
司法研修所の概算要求書単価表

裁判所の令和7年度予算-概算要求,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間2 結論第2 四つの数字は互いに別物である1 概算要求2 当初予算3 補正予算4 決算5 どこで入手できるか第3 令和7年度の四つの数字1 総額2 要望を分母に入れるかどうか3 歳出予算現額の推計4 令和7年度決算が未公表であること第4 (項)別に見ると,落ちているのは裁判費だけである1 概算要求と当初予算2 人件費の項が要求を上回る理由3 補正後の姿4 補正予算を読むときの二つの注意(1) 差引額だけを見ない(2) 修正減少は実績に合わせた落とし込みであることが多い第5 裁判手続等のデジタル化関連経費1 要求の半分しか付いていない2 補正予算で戻る第6 補正予算は,計上した年度には使われていない1 執行状況2 繰越先の年度まで追える例3 年度の実力の測り方4 令和6年度決算の執行率第7 「削られた」と書けるかどうか第8 予納郵券の廃止が,予算の(目)に現れている1 (目)の新設と改称2 民事訴訟費用等に関する法律の改正との対応3 実務上の意味第9 歳入-相続人不存在で国庫に帰属する金銭1 歳入の補正は歳出の補正より大きい2 (目)雑収とは何か3 実務上の意味第10 定員第11 未確認事項第12 出典・参考資料1 法令2 裁判所の予算・決算資料3 統計・データ第13 関連記事1 同じ型で各年度を扱った記事2 資料の読み方を扱った記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間

この記事は,令和7年度の裁判所所管の一般会計について,概算要求,当初予算,補正予算及び決算という四つの数字を並べ,どこで金額が動いたのかを追ったものである。
調査の基準日は令和8年9月7日であり,金額の取得日は同月6日である。
資料の対象期間は,比較のために令和3年度から令和8年度までを含む。
本文の金額は,特記しない限り千円単位であり,決算の数値だけは円単位である。

裁判所の予算がどのような手続で決まるのか,財政法19条の二重予算の制度がどうなっているのかについては,別の記事である裁判所の予算は誰が決めているのか-二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
この記事は,手続そのものではなく,四つの数字の突合せに絞る。

2 結論

令和7年度の概算要求額は,要望を含めて3479億3262万4000円であった。
これに対する当初予算額は3351億9243万9000円であり,要求・要望計に対する割合は96.3%である。
ところが,同年度の補正予算(第1号)で261億9977万2000円が追加され,補正後の改予算額は3613億9221万1000円となった。
要求・要望計に対する割合は103.9%になり,逆転する。

総額だけを見ると「ほぼ要求どおり」に見えるが,内訳は均一ではない。
(項)裁判費だけが要求377億2937万8000円に対して当初予算263億6090万1000円(69.9%)と大きく落ち,最高裁判所,下級裁判所及び裁判所施設費はいずれも当初予算が要求を上回っている。
落ちているのは人件費ではなく,裁判手続のデジタル化を含む事件処理の実費である。

もっとも,その裁判費も補正予算で386億9494万円まで戻り,要求比102.6%になる。
当初予算で落ち,補正予算で戻るという往復が起きている。

そして,その補正予算は,計上した年度にはほとんど使われていない。
令和6年度補正予算の「裁判手続等のデジタル化等」169億円は,令和6年度中の支出済額が1億円で,167億円が令和7年度へ繰り越され,令和7年度に164億円が支出された。
令和7年度補正予算の210億円も,令和7年度中の支出済額は6億円で,200億円が令和8年度へ繰り越されている。
したがって,ある年度に裁判所が実際に使える金は,当初予算そのものではなく,当初予算に前年度補正からの繰越額を足した額である。

第2 四つの数字は互いに別物である
1 概算要求

正確には,財政法17条1項の見積書類である。
同項は,衆議院議長,参議院議長,最高裁判所長官及び会計検査院長が,毎会計年度,その所掌に係る「歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積に関する書類」を作製し,これを内閣における予算の統合調整に供するため内閣に送付しなければならないと定めている。
「概算要求」は法令上の用語ではなく,この見積書類の通称にすぎない。

なお,内閣総理大臣及び各省大臣の見積書類は,同条2項により財務大臣へ送付される。
1項の四者だけが内閣へ送付する点が,各省庁との違いである。

(続きを読む...)裁判所の令和7年度予算-概算要求,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

裁判所の令和3年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間2 4系列の総額3 この記事で新たに示すこと第2 令和3年度は概算要求の作り方が違う年である1 要求額は「基本的に対前年度同額」とされた2 送付期限も政令で9月30日に変更された3 令和3年度予算の時系列第3 概算要求と当初予算-(項)裁判費を目まで突き合わせる1 総額の差は4,786,906千円である2 13の目のうち11の目が1円まで一致する3 差が出た2つの目4 【要望】42億9575万2000円の行方第4 当初予算が政府案どおり成立したことの確かめ方第5 補正予算(第1号)で動いた額1 差引は33,904千円の減である2 追加6目と修正減少11目3 補正予算のCSVには符号の罠がある4 補正で積んだ額は令和3年度には使われていない第6 決算-現額,支出済,繰越及び不用1 歳出予算現額は当初予算額と一致しない2 (項)裁判費の目別執行率3 保証金は5年連続で執行実績がない4 令和3年度の不用額の理由第7 定員-要求段階の据置きと予算定員の変動は別である第8 未確認事項第9 出典・参考資料1 法令2 官報3 予算書,決算書及び概算要求書4 閣議資料5 国会会議録6 関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間

裁判所の予算については,概算要求額と成立した予算額の差が語られることが多いが,その差がどの費目でどれだけ生じ,補正予算でどう動き,最終的にいくら使われたのかを,一つの年度について通しで並べた資料は見当たらない。
本記事は,裁判所所管の令和3年度予算について,概算要求,当初予算,補正予算及び決算の4系列を,(項)裁判費については目のレベルまで突き合わせたものである。
資料の読取り,計数及び突合はいずれもAIを用いて行い,金額はすべて公表資料の実数をそのまま用いた。

本記事の調査の基準日は令和8年9月6日であり,法令の適用時点も同日である。
資料の対象期間は,令和2年7月の概算要求の方針から令和3年度決算までであり,執行率の比較のために令和2年度から令和6年度までの決算を用いた。
令和7年度の決算は基準日の時点で公表されていない。

制度そのもの,すなわち裁判所の予算だけが通る手続と,財政法19条の附記(二重予算)が令和2年度から令和8年度まで0件であることの意味については,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
同記事の計数には令和3年度分も含まれており,令和3年度についても附記は0件である。
本記事は,そこで示した枠組みを前提として,令和3年度という一つの年度の実額を追う。

2 4系列の総額

単位は千円である。

系列金額①概算要求等額(要求本体325,859,066+要望4,295,752)330,154,818②当初予算額(成立。国会修正なし)325,367,912③改令和3年度予算額(補正第1号後。以下「改予算額」という。)325,334,008④歳出予算現額336,278,703⑤支出済歳出額319,675,693

②と①の差は4,786,906千円である。
③と②の差は33,904千円の減である。
④は③に前年度からの繰越額10,944,695,125円を加えた336,278,703,125円であり,1円まで一致する。
⑤は319,675,693,505円であり,④に対する執行率は95.06%である。
残りは翌年度繰越額8,117,773,222円と不用額8,485,236,398円であり,⑤との合計は④に1円まで戻る。

3 この記事で新たに示すこと

①(項)裁判費の13の目のうち11の目で,概算要求額と当初予算額が1円まで一致していること。
②その一致が査定の緩さを示すものではなく,令和3年度に固有の要求ルールの結果であること。
③補正予算で追加された額が,令和3年度中には支出されず,翌年度繰越額と1円まで一致すること。
④要求額と予算額が一致した目の多くが,決算では半分前後しか執行されていないこと。
⑤要求段階で定員が据え置かれたことと,予算定員が据え置かれたことは別であること。

第2 令和3年度は概算要求の作り方が違う年である
1 要求額は「基本的に対前年度同額」とされた

令和3年度の概算要求の方針は,「令和3年度予算の概算要求の具体的な方針について」(令和2年7月21日閣議 財務大臣発言要旨)という形で示されている。
その第2項は,要求期限を延ばすことに続けて,「概算要求の段階で予算額を決めることはせず、その仕組みや手続きをできる限り簡素なものとします」とする。

(続きを読む...)裁判所の令和3年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったこと(AIリライト)

第1 この記事が扱う範囲と結論1 対象,基準日及び資料の対象期間2 令和8年度の概算要求額と予算額3 公表資料から書けること4 公表資料からは書けないこと5 両側とも書けない理由第2 裁判所の予算だけが通る手続1 裁判所法83条2 財政法17条から21条まで3 予算決算及び会計令が定める期限と経路4 8月末という期限を定めているのは政令である5 内閣は政令でこの期限を動かせる(1) 令和3年度予算で実際に動かした例(2) 令和8年度予算については同種の政令を確認できない6 8月31日が休日に当たる年――行政機関の休日に関する法律7 裁判所の休日に関する法律及び民法142条も及ばない第3 二重予算――附記に至る道筋1 減額は閣議決定の通知の段階で明示される2 附記は最高裁判所が動いて初めて作られる3 附記に至る4段階4 唯一の実例――昭和27年度予算の営繕費第4 令和2年度から令和8年度まで,附記は0件1 どこを数えたか2 当初予算7本の結果3 補正予算も数える必要がある4 裁判所所管を計上していない3冊は判定に用いない5 対照の置き方6 数え直した結果7 この0をどう読むか(1) どの読み方をしても言えること(2) 読み方が分かれる理由――附記の引き金が条文によって違う(3) 第1の読み――附記は明細書が出たときに限られる(4) 第2の読み――19条の義務は減額があれば発生する(5) どちらとも決まらないが,実務上の見え方は変わらない8 この0から読めないこと第5 差はどこで生まれているのか――国会答弁1 時期は答弁で特定できる2 財務省の説明3 「三十九人」という数字の出どころ4 最高裁判所の説明5 同じ委員会にある正反対の評価6 令和6年度の同じ構図7 両論を併記する理由第6 予算書の金額欄の読み方1 「要求額」欄は概算要求額ではない2 「前年度予算額」欄は前年度の当初予算額ではない3 「要求額」という見出しは三か所にある第7 条文と予算資料の対応1 所管と見積書類の送付2 閣議決定,減額の通知及び附記3 予算書の体裁,提出及び補正4 配賦,移用・流用及び決算5 決算に現れる財政法33条6 決算に現れる裁判所法83条2項の予備金第8 「減額」と「差」の使い分け第9 出典・参考資料1 法令2 予算書・決算書及び概算要求書3 国会会議録4 閣議了解5 関連記事
第1 この記事が扱う範囲と結論
1 対象,基準日及び資料の対象期間

裁判所の概算要求額と,成立した予算額には差がある。
この差を「最高裁判所の要求が削られた」と書きたくなるが,裁判所の予算には各省庁とは異なる手続が用意されており,その手続を前提にすると,誰がどの段階でその差を作ったのかは公表資料からは分からない。
本記事は,裁判所法,財政法及び予算決算及び会計令の条文を確認した上で,令和2年度から令和8年度までの一般会計予算書を実際に数えた結果を整理するものである。

本記事の調査の基準日は令和8年9月6日であり,法令の適用時点も同日である。
条文はいずれも同日にe-Gov法令検索で確認した本文による。
予算書の計数の対象期間は令和2年度から令和8年度までの一般会計予算(当初及び補正)であり,決算については令和6年度分を用いた。
国会答弁は,令和4年4月14日及び令和6年4月4日の各参議院法務委員会の会議録による。

2 令和8年度の概算要求額と予算額

裁判所所管の令和8年度歳出概算要求書の総表によれば,概算要求額は359,169,102千円であり,前年度予算額335,192,439千円に対して23,976,663千円の増である。
これに「重要政策推進枠」としての要望額を加えた金額は,財務省が令和7年9月3日に公表した令和8年度一般会計概算要求・要望額の表では,裁判所所管につき概算要求額3,592億円・要望額58億円・計3,650億円と示されている。
他方,成立した令和8年度予算額は349,473,805千円である。
概算要求額との差は9,695,297千円であり,要望額を含めた要求・要望額との差は約155億円である。

「概算要求額」と「要求・要望額」は別の数字であるから,差を論じるときはどちらを指しているのかを先に決めておく必要がある。
以下では,条文上の手続を追う場面では概算要求額を,最高裁判所が公表する概算要求の概要の記載に即して述べる場面では要求・要望額を用いる。

なお,令和9年度概算要求の概要は本記事の基準日の時点で既に公表されており,要求・要望額は3,776億円(377,633百万円),令和8年度予算額349,474百万円に対して28,160百万円(8.1%)の増である。
この要求・要望額には,要望5,696百万円及び「強く豊かな日本」投資枠23,188百万円が含まれている。
令和9年度予算は基準日の時点で成立していないから,後述する附記の有無を数えることはできない。

3 公表資料から書けること

令和8年度の概算要求額359,169,102千円に対し,成立した予算額は349,473,805千円であり,その差は9,695,297千円である。

財政法19条の附記は,令和2年度から令和8年度までの一般会計予算書に1件もない。
裁判所所管が計上されている当初7本・補正7本の計14本・12,733頁を数えた結果である(補正のうち3本は裁判所所管を計上していないので判定に用いない)。
すなわち,この7年度に,附記を伴う事態,つまり二重予算は生じていない。
もっとも,これは制度が一度も使われたことがないという意味ではなく,昭和27年度予算の営繕費については実際に附記に至っている(第3の4)。

ただし,附記が0件であることが「最高裁判所長官が予定経費増額要求明細書を出さなかった」ことを意味するのか,「内閣が減額しなかった」ことを意味するのかは,条文の文言だけでは決まらない(第4の7)。

4 公表資料からは書けないこと

「内閣が削減した」「最高裁判所の要求が削られた」とは書けない。
誰がどの段階で差を作ったのかは,公表資料からは分からないからである。

(続きを読む...)裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったこと(AIリライト)

裁判所の予納郵便切手を巡る不適切事務――全国調査・返還・再発防止策(AI作成)

第1 この記事が扱う不適切事務

1 問題の概要

2 平成27年7月という時点の意味

第2 発覚から返還完了までの経過

1 東京地簡裁3部署での発覚

2 全国調査とその後の措置

第3 全国調査で確認された不適切事務

1 二つの主要類型

2 記録外切手の両替・立替え等

第4 記録外郵便切手の金額

1 性質の異なる四つの数値

2 911万4953円への訂正

(続きを読む...)裁判所の予納郵便切手を巡る不適切事務――全国調査・返還・再発防止策(AI作成)

書記官等の事務処理の誤りに伴い国費を支出する場合の裁判所の考え方(AI作成)

◯本ブログ記事は,書記官等の事務処理の誤りに伴い国費を支出する場合の基本的な考え方等について(平成31年4月16日付の最高裁判所経理局の事務連絡)をAIで解説したものです。
◯「(AI作成)更正決定等に伴い国費を支出する場合の裁判所の考え方」も参照してください。

目次

第1 はじめに―司法の信頼と事務処理の正確性

第2 任意賠償等に関する基本的な考え方
1 国家賠償法上の責任と任意賠償の要件
2 裁判所内部における意思決定の類型化

第3 予納郵便切手及び保管金の管理と国費による補填
1 予納郵便切手の法的性格と保管・返還義務
2 保管金の管理と損害賠償の方法
3 後納郵便のカード管理と事件別精算の区別

第4 地裁及び家裁の判断で処理可能な定型的な類型
1 郵便切手及び収入印紙の亡失・損傷への対応
2 書類の誤送達に関する詳細な支出基準
3 内容物の誤りや送達方法の瑕疵への対応
4 過貼付及び誤送付書類の回収費用の取扱い

第5 高裁の意見を求めるべき高度な判断類型
1 非定型的な事務処理による余剰費用の発生
2 官報公告・BIT掲載・登記嘱託の誤り

第6 実務運用上の留意点と事件進行への影響
1 国費負担検討と事件進行の切り離し
2 最高裁判所への報告体制

第7 結びに代えて―弁護士の皆様への実務的助言

第1 はじめに―司法の信頼と事務処理の正確性

裁判所という組織において,書記官をはじめとする職員の事務処理は,極めて高い正確性が求められます。しかしながら,人間が介在する以上,稀に事務処理上の過誤が生じることは避けられません。

(続きを読む...)書記官等の事務処理の誤りに伴い国費を支出する場合の裁判所の考え方(AI作成)

更正決定等に伴い国費を支出する場合の裁判所の考え方(AI作成)

◯本記事は,更正決定等に伴い国費を支出する場合の基本的な考え方等について(令和3年7月28日付の最高裁判所総務局第一課長等の事務連絡)の内容と,弁護士側の確認事項を整理するものです。

◯民事訴訟法257条は判決の更正を定める法令です。他方,上記事務連絡は裁判所内部の国費支出の運用資料であり,当事者に国費支出を直接請求する権利を与える法令又は裁判例ではありません。掲載PDFには「機密性2」と表示されていますが,本記事の手直しでは,開示決定書,取得経路及び原本との同一性までは独立に確認していません。

目次第1 更正決定と国費支出を区別する第2 事務連絡が示す自庁判断類型第3 対象費用と差額の考え方第4 支出方法と疑義がある事案第5 弁護士側の申出と証拠保存第6 判決・和解調書を債務名義として用いる前の点検第7 まとめ出典・資料レベル

第1 更正決定と国費支出を区別する

民事訴訟法257条1項は,判決に計算違い,誤記その他これらに類する明白な誤りがあるとき,裁判所が申立て又は職権で更正決定をすることができると定めています。これは判決の更正に関する法的根拠です。

これに対し,更正決定正本の送達費用,送達証明書等の交付手数料又は郵送費用を国費で負担するかは別の問題です。令和3年7月28日付事務連絡は,裁判所内部の会計・司法行政上の運用方針を示した資料です。当事者又は代理人がこの事務連絡だけを根拠に国費支出を法的権利として請求できる,という意味ではありません。

第2 事務連絡が示す自庁判断類型

事務連絡は,裁判体又は担当書記官の意見を踏まえ,次の要件を全て満たすと判断する場合に,自庁限りで国費を支出して差し支えない類型を示しています。

判決書等の当事者表示又は主文等に計算違い,誤記その他これらに類する明白な誤りがあること。
更正決定をしなければ,強制執行,登記,供託,戸籍届,年金分割等の後続手続を行うことができないと見込まれること。
誤りが専ら裁判所職員の責めに帰すべき事由によるものであり,当事者側に落ち度がないこと。

個別事案がこれらを満たすかは,裁判所内部で判断されます。当事者の提出書面自体に誤りがあり,裁判所がその記載を用いた場合には,当事者側に落ち度がないとの要件を満たさない可能性があります。

第3 対象費用と差額の考え方

事務連絡が対象として挙げるのは,更正決定に伴って追加的に必要となる次の費用です。

更正決定正本の送達費用
更正決定正本の送達証明書又は確定証明書等の交付手数料
上記証明書等の申請及び交付に要する郵送費用

更正決定がなくても必要であった費用は対象ではなく,追加費用との差額が問題となります。例えば,判決正本と更正決定正本を同封したため郵便料金が増えた場合は,事務連絡上は増額分を基準に検討します。

第4 支出方法と疑義がある事案

当事者が既に費用を負担した場合は,事務連絡上,賠償償還及払戻金による支出又は予納郵便切手の補充等が想定されています。未負担の場合は,裁判庁費等による事前支出が検討されます。

自庁判断類型への該当性に疑義がある事案では,適宜,上級庁へ意見を求めることができるとされています。対象文書が明記するのは「上級庁へ意見を求める」ことにとどまり,照会先の部署をこれより具体化する一次資料は本記事では確認していません。

(続きを読む...)更正決定等に伴い国費を支出する場合の裁判所の考え方(AI作成)

裁判所職員採用試験広報用パンフレット及び同ポスターの企画に関する契約書

1 裁判所職員採用試験広報用パンフレット及び同ポスターの企画に関する契約書を以下のとおり掲載しています。
平成30年度,平成31年度,令和4年度,令和5年度,
令和6年度,令和7年度,令和8年度,
* 「令和7年度裁判所職員採用試験広報用パンフレット及び同ポスターの企画に関する契約書(令和6年5月31日付)」といったファイル名です。

2 開示文書としての契約書につき,平成30年度分には公表前のデザイン素案らしきものが開示されていたものの,平成31年度以降は開示されなくなりました。

3 「平成3年度以降の裁判所職員採用試験の採用案内パンフレット」も参照してください。

この4月に裁判所に採用されるみなさん、みなさんを心から歓迎します。
私たち全司法は、裁判所職員でつくる労働組合です。
私たちのことを紹介する動画を作成しましたので、ぜひご覧ください。https://t.co/Anfpf0veN8#全司法紹介2022

— 全司法労働組合(本部) (@ZenshihoHombu) March 31, 2022

というわけで明日から新年度です。
今年話題になった「4月から公務員の方へ」に便乗し、年度末の恒例?で、明日から入庁される方々に、頭の片隅に置いといて欲しい10選は、

①何度も言いますが、出世の基本は「残業耐性」と「調整力」この2つのみです。無能でも体力でカバーできれば全て解決です。

— A錠@公務員 (@qik_komujyo) March 31, 2022

四、五十代ヒラ書記官、12月賞与と給与の一例です

書記官薄給論争がありますが、普通の国家公務員と同水準で、若干多く頂けます

出世志向がなければヒラ書記官が最もコスパいいです

素性を詮索しないでください(笑) https://t.co/9Sop1KOSYT pic.twitter.com/nDFxTymDIj

— Jの犬C🐶 (@VpFgXjDXzzpcfJc) December 18, 2024

(続きを読む...)裁判所職員採用試験広報用パンフレット及び同ポスターの企画に関する契約書

最高裁庁舎の令和7年夏季節電・冷房運転方針――原文書と執務環境からの検証(AIリライト)

第1 検証の結論

1 令和7年6月24日付文書の読み方
2 安全性を評価するために不足している情報

第2 令和7年夏季の節電・冷房運転方針

1 節電方針が対象とした事項
2 28度は設定温度ではなく実際の室温の目安であること
3 運転期間,通常運転及び例外運転
4 文書だけでは分からない事項

第3 室温28度と職場環境に関する基準

1 「28度」の正確な位置付け
2 裁判所職員に関する法令・規程の構造
3 法的評価に必要な事実

第4 最高裁庁舎の建物特性と冷房運用

1 公開資料から確認できる建物の概要
2 蓄熱と予冷は建物ごとの検証課題であること
3 窓開け換気の評価

(続きを読む...)最高裁庁舎の令和7年夏季節電・冷房運転方針――原文書と執務環境からの検証(AIリライト)

最高裁判所庁舎の冷房運転等に関する文書

1 最高裁判所庁舎の冷房運転に関する文書(令和5年度以降)
・ 最高裁判所庁舎の冷房運転の運用について(令和7年6月24日付)
・ 最高裁判所庁舎の冷房運転の運用について(令和6年6月25日付の文書)
・ 最高裁判所庁舎の冷房運転の運用について(令和5年6月21日付の文書)

2 最高裁判所庁舎の夏季の節電等に関する文書(令和5年度以降)
・ 最高裁判所庁舎における夏季の節電について(令和7年6月24日付の最高裁経理局管理課の文書)
・ 最高裁判所庁舎における夏季の節電について(令和6年7月29日付の最高裁経理局管理課の文書)
・ 最高裁判所庁舎における夏季の節電について(令和5年6月21日付の最高裁判所経理局管理課の文書)

3 令和4年度以前の文書
・ 最高裁判所庁舎における夏季の節電及び冷房運転に関する文書(令和4年7月5日付の文書)
・ 最高裁判所庁舎における夏季の省エネルギーの取組について(令和3年6月17日付の最高裁判所経理局管理課課長補佐の事務連絡)

4 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 最高裁判所庁舎の敷地において,小型無人機等の飛行禁止区域が分かる図面(平成29年10月31日付の開示文書)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所庁舎
・ (AI作成)最高裁庁舎の令和7年6月24日付の夏季の節電方針に関するAI専門家の論評
・ 最高裁判所裁判官及び事務総局の各局課長は襲撃の対象となるおそれが高いこと等

PC中の古いファイルを整理していたらネットで拾った詠み人知らずの「社畜かるた」なるテキストファイルが出てきた。
約十年前の作品なのに、今見ても輝きを失っていない=日本の組織文化が変わっていない事を再認識させてくれる素敵な作品です。
折角の機会なので、皆様もお楽しみ下さい。

— 霞が関一般職 (@NonCareer55) November 3, 2021

令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料2 結論第2 裁判手続等のデジタル化関係経費の規模1 概算要求額と令和8年度予算額2 補正予算と令和9年度概算要求3 「削られた」と書けない理由第3 民事訴訟手続のデジタル化1 フェーズ1からフェーズ3まで2 令和8年度概算要求の内容3 mintsに係る経費第4 民事非訟・家事事件手続のデジタル化1 対象となる手続と時期2 「対象外」には例外がある3 令和8年度概算要求の内容第5 刑事手続及び少年手続のデジタル化1 令和7年法律第39号の施行段階2 システムの設計・開発と工程監理3 法廷等用周辺機器,端末及びUSBメモリ4 セキュリティ対策と閉域網5 システムの公表名称と導入時期第6 情報通信基盤の再構築と情報セキュリティ1 次期共通基盤2 次世代高度通信基盤3 J・NETその他の経費4 情報セキュリティ対策第7 その他のデジタル関連施策1 保釈中の被告人への位置測定端末2 検察審査会の審査申立てのオンライン化3 総合コミュニケーションツールと裁判所ウェブサイト4 個別の業務用システム第8 弁護士実務への影響1 民事訴訟2 民事執行3 刑事第9 概算要求書を読むときの注意第10 関連記事第11 出典1 法令2 最高裁判所の概算要求書(説明資料)3 裁判所が公表した予算資料4 調達資料5 裁判所の運用案内6 財務省の公表資料及び予算書
第1 この記事の対象と結論
1 対象,調査の基準日及び資料

この記事は,最高裁判所が財務省に対して説明するために作成した令和8年度概算要求書(説明資料)(624頁)のうち,裁判手続等のデジタル化に関する部分を,分野別に要求額を示して整理するものである。
併せて,令和8年4月7日に成立した令和8年度予算,令和7年度補正予算(第1号)及び令和8年8月に公表された令和9年度概算要求と対比する。

調査の基準日は令和8年9月20日である。
資料の対象期間は令和7年度予算から令和9年度概算要求までであり,法令の適用時点は同日現在である。

令和9年度の個別経費については,令和8年10月21日に確認した最高裁判所の令和9年度概算要求書(説明資料)に基づく補足を加えている。
以下で「令和9年度説明資料」と呼ぶのはこの620頁のPDFであり,同資料の印刷頁に2頁を加えたものがPDF上の頁である。
令和9年度の補足に示す金額は概算要求段階の額であり,成立予算,支出済額又は事業の実施結果を示すものではない。

説明資料は令和7年9月16日に作成されたものである。
その後,令和8年4月7日に令和8年度予算が成立し,同年5月21日に民事訴訟手続のデジタル化が開始しているから,同資料の「令和8年度中に開始する」等の記載は,作成時点の計画として読む必要がある。

金額は,特に断らない限り,同資料の経費積算内訳に記載された令和8年度の所要額(要求額)である。
括弧内に併記した数値は,同資料が併記する令和7年度予算額である。
頁は同資料に印刷された頁番号によるものであり,PDFビューア上の頁番号は,これより2頁大きい。

なお,「【要望】」「【一部要望】」と記載された経費は要求本体の枠外であり,要求額の合計には含まれない。

2 結論

裁判手続等のデジタル化関係経費は,令和8年度概算要求で33,685百万円が要求され,令和8年度予算では17,948百万円が計上された。
分野別では,民事訴訟手続のデジタル化が10,175百万円の要求に対し8,973百万円,刑事手続のデジタル化が12,435百万円の要求に対し3,806百万円,民事非訟・家事事件手続のデジタル化が9,221百万円の要求に対し4,521百万円,司法行政のデジタル化が1,854百万円の要求に対し647百万円である。

要求額に対する予算額の割合は,運用保守が中心となる民事訴訟手続で高く,設計・開発が中心となる刑事手続で低い。
もっとも,令和7年度補正予算(第1号)に「裁判手続等のデジタル化等」として16,178百万円が計上されているから,令和8年度の当初予算だけで評価することはできない。

令和9年度概算要求では,裁判手続等のデジタル化関係経費は38,743百万円(うち『「強く豊かな日本」投資枠』19,875百万円)まで増えている。

第2 裁判手続等のデジタル化関係経費の規模
1 概算要求額と令和8年度予算額

令和8年度予算は,令和8年3月30日に成立した暫定予算を経て,同年4月7日に政府案どおり成立した。
裁判所所管全体では,概算要求・要望額365,008百万円に対し,予算額は349,474百万円である。
令和7年度当初予算335,192百万円と比べると14,281百万円(4.3%)の増である。

裁判手続等のデジタル化関係経費の内訳は,次のとおりである。

区分令和7年度当初予算令和8年度要求・要望額令和8年度予算額裁判手続等のデジタル化関係経費12,55433,68517,948民事訴訟手続のデジタル化4,84910,1758,973刑事手続のデジタル化2,23212,4353,806民事非訟・家事事件手続のデジタル化5,0029,2214,521司法行政のデジタル化4711,854647

単位は百万円である。

(続きを読む...)令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求(AI作成)

裁判所の庁舎内(敷地内)写真撮影

目次
第1 結論及び現在の一般来庁者向け案内
第2 広報ハンドブック(令和2年3月版)の説明
第3 法廷・裁判期日の撮影との区別
第4 一次資料及び関連記事

第1 結論及び現在の一般来庁者向け案内
1 裁判所の敷地,玄関,廊下その他の庁舎内で,一般来庁者が自由に写真撮影,録音又は録画をできるとは限りません。各裁判所のウェブサイト,現地の掲示及び職員の指示を確認し,必要がある場合は事前に総務課等へ問い合わせる必要があります。
2 東京地方裁判所の「個人での裁判傍聴」は,庁舎内廊下だけでなく,庁舎外の前庭を含む裁判所敷地内では写真撮影・録音等はできないと案内しています。横浜地方裁判所の「傍聴のルール」も,法廷内に限らず裁判所内での写真撮影・録音は一切禁止と案内しています。
3 他方,報道取材,広報行事又は空き法廷の撮影等について,目的,日時,場所,対象及び機材を限定して許可される場合があります。ただし,これは一般来庁者に自由な撮影権があることを意味しません。
4 以下に引用する最高裁判所広報課の広報ハンドブックは,令和2年3月時点の裁判所内部の広報実務を説明する資料です。現在の一般来庁者向けルールそのものではなく,現行の訴訟規則,各裁判所の現在の案内及び個別の許可判断と区別して読む必要があります。
5 裁判所・法廷での撮影等の全体像は,裁判所・法廷で写真撮影,録音又は録画はできるか(AI作成)で整理しています。

第2 広報ハンドブック(令和2年3月版)の説明
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)50頁には,「6-3 庁舎内(敷地内)写真撮影」として以下の記載があります。
    法廷内カメラ取材のほかにも,裁判所構内における様々なカメラ取材の申込みを受けることがある。具体的な取材申込みごとに,庁舎管理権者であり,広報の責任者である所長がその許否を決めることになる。その際には,裁判所の執務に支障を生じないかどうか,一般来庁者のプライバシーを害さないかどうか,裁判所の中立性,公平性に反しないかどうか,さらに,取材した映像の使用目的,これまでのその庁の取材慣行などを考慮することになろう。また,状況に応じて,上級庁に相談することが必要な場合もあろう。
    なお,庁舎内(敷地内)写真撮影の対応場面例としては,次のようなものがある。

1 著名事件の裁判期日におけるカメラ取材
    著名事件の判決や公判の場合,法廷内カメラ取材以外にもカメラ取材が申し込まれる。事件当事者の登庁場面等は,撮影される側の承諾を条件にして,門から庁舎に入るまでの場面につき許可する例がある。また,庁によっては,玄関先に一定のスペースがあり,一般来庁者等への影響がないと見込まれる場合などには,放送記者の立ちレポを許可する例もある(立ちレポ=立ちレポートの略。テレビ報道で記者が裁判所庁舎等を背景に立ち,裁判の内容や審理の様子を報告するもの。大事件の判決があったときなど,広報担当に立ちレポの許可申請が出てくる。玄関先や裁判所のプレート前辺りで許可される例がある。記者によるレポートのみを認めるのが通常で,スタジオ等との掛け合いや,その場でパネル等を使用してのレポートは認めていないのが大半であろう。)。
    これに対し,例えば,裁判所構内で事件関係者や一般来庁者に対するインタビュー取材をすることや,一方当事者等が裁判所構内で報告集会のような活動を行うのをカメラ取材することは許可していないのが通常である(そもそも構内で一方当事者等による集会等を行わせること自体が,裁判所の中立性,公平性に反するもので不適当である。)。

2 裁判期日以外のカメラの取材
    事件関係者,事件とは関係のない各種団体や個人が,裁判所に対して何らかの要望や申入れのため,あるいは抗議のために来庁することがあり,このような場面のカメラ取材が申請されることもある。この場合,裁判のための報道ではないことから,便宜供与の必要性は低く,また,撮影される人たちの宣伝にもなることから,その許否については慎重に検討する必要がある。
    同様に,原告が訴えを提起する場面のカメラ取材を求められることもある。一方当事者の行為であること,被告はこの訴え提起について知り得る立場にない状況にあることを考えると,裁判所の中立性,公平性の観点からは,このカメラ取材を認めることは相当でないというべきであろう。

3 事故現場等のカメラ取材
    裁判所構内で事故やトラブル等が発生したような場合,その現場のカメラ取材を求められることがあるが,現場では突発的な出来事等に対処する必要があり,さらに捜査への影響や関係者のプライバシーへの配慮といった観点から,カメラ撮影を許可することは多くないものと思われる。

4 テレビ報道番組等のためのカメラ取材

(続きを読む...)裁判所の庁舎内(敷地内)写真撮影

平成5年東京地裁615号法廷殺人事件から見る裁判所内の襲撃・暴力事件と法廷警備の変遷(AIリライト)

第1 事件と本記事の対象

第2 平成5年4月27日の事件経過

1 615号法廷で始まった襲撃

2 6階廊下での田村善四郎の殉職

3 逮捕及び起訴

第3 平成5年5月25日の国会答弁

1 下稲葉耕吉の質問と泉徳治の答弁

2 最高裁判所長官表彰及び給付

3 当時は存在しなかった二つの制度

第4 本件後に整備された補償制度

1 平成5年秋の公務災害補償の特例

2 平成6年度の賞じゅつ金制度

(続きを読む...)平成5年東京地裁615号法廷殺人事件から見る裁判所内の襲撃・暴力事件と法廷警備の変遷(AIリライト)

昭和59年8月発行の,東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎の落成記念特集号

目次
0 総論
1 落成式における大内恒夫 東京高裁長官の式辞
2 落成式における寺田治郎 最高裁判所長官の祝辞
3 落成式における住栄作 法務大臣の祝辞
4 落成式における石井成一 日弁連会長の祝辞
5 矢口洪一 元東京高裁長官の著書の記載
6 関連記事その他

新庁舎落成記念特集号(昭和59年8月)の表紙及び末尾

0 総論
(1) 東京高裁広報及び東京地裁広報が作成した,新庁舎落成記念特集号(昭和59年8月1日付)を掲載しています。
(2) 東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎は昭和59年4月に完成し,同年5月31日午前10時30分から18階の大会議室において落成式が挙行されました。
(3) 裁判所HPに「東京地方裁判所 庁舎総合案内図」が載っていて,Wikipediaに「東京高等地方簡易裁判所合同庁舎」が載っています。

1 落成式における大内恒夫 東京高裁長官の式辞
   本日ここに最高裁判所長官をはじめ来賓多数の御臨席を得まして、東京高等裁判所、東京地方裁判所、東京簡易裁判所及び東京第一・第二検察審査会合同庁舎の落成式を挙行する運びとなりましたことは、まことに喜びにたえないところであります。
   ここに完成いたしました新庁舎は、中央官衙整備計画の基本方針に基づき、旧最高裁判所庁舎跡地に建てられたもので、最高裁判所の設計、最高裁判所及び建設省の監理のもとに、十四にのぼる企業体が一致協力して施工にあたり、昭和五十四年七月の着工から約五年の歳月をかけて本年四月すべての工事を終わり、完成を見るに至ったものであります。地上十九階、地下三階、廷床面積約十三万六千平方メートルというこの庁舎は、わが国の裁判所の建物としては、最大の規模のものであり、法廷部門を低層階に、事務室部門を高層階に配置するなど機能的な面の整備とともに、耐震、防災等に関しても最新の設備を施した画期的なものであります。
   東京高等裁判所がこれまで執務して参りました庁舎は、昭和十年に東京民事地方裁判所庁舎として建設されたもので、戦後の日本国憲法の施行間もないころは、最高裁判所も同居していたなど数々の思い出を認めた庁舎でありましたが、歳月の経過とともに老朽狭あい化が著しく、また、東京地方裁判所等が執務しておりました庁舎は、各所に分散して不便が甚だしく、一日も早く首都の裁判所にふさわしい庁舎を新営することが強く望まれていたのであります。幸典この度、高、地、簡裁を一体とした合同庁舎が完成しましたが、これにより、これまで訴訟関係者はじめ多くの方々におかけしてきた不便が
解消されるばかりでなく、円滑な裁判の運営に資するところが多大であると信じております。
   申すまでもなく、裁判の仕事は、どんなに立派な施設を作ろうとも、またいかに制度を整えようとも、結局、その結果は、その仕事に携わる人間の努力にまつほかありません。最近、国民生活や社会事情の急激な変化とともに、裁判所に提起される各種事件はますます複雑、多様化の度を加え、司法の役割はいよいよ大となっております。私たちは、この機会に、あらためて裁判所に課せられた使命の重大性に思いをいたし、さらに清新の気をもって職務に精励し、より一層国民の信頼と期待にこたえて参りたいと思います。
   終りに、この庁舎の新営に多大の御尽力と御配恵を賜りました関係各位並びに幾多の困難を克服してよくこの工事を完成されました工事関係者各位に対し、心からの謝意と敬意を表しまして、私の式辞といたします。

2 落成式における寺田治郎 最高裁判所長官の祝辞
   本日、ここに、東京高等裁判所、同地方裁判所、同簡易裁判所、同第及び第二検察審査会合同新庁舎の落成式が挙行されるに当たり、お祝いを申し述べる機会を得ましたことは、私の深く喜びとするところであります。
   これまで、東京高等裁判所は、昭和十年に東京民事地方裁判所として建設された庁舎を使用し、東京地方裁判所は、昭和三十七年に建設された同裁判所の刑事部庁舎を中心として、数箇所に散在する庁舎を併せて使用してまいりましたが、いずれも、年ごとに老朽と狭あいの度を加え、特に、東京地方裁判所においては、庁舎が各所に分散していたため、種々の点で不便を免れず、かねて新庁舎の建設が強く望まれていたところであります。
   この度、この念願が実を結び、司法部ゆかりの最高裁判所旧庁舎跡地に新庁舎のしゅん工を見るに至りました。この新庁舎は、皇居周辺の景観との調和にも配慮して計画され、大裁判所としての特質を考慮した最新設備を完備し、かつ、司法部の建物としてはこれまでにない規模を有する機能的な高層建築物で、正義の殿堂として長く霞が関にその威容を誇ることと信じます。新庁舎の落成について心から慶祝の意を表しますとともに、その建設に当たり御支援と御協力を賜りました関係各方面の方々に対し、深甚の敬意と謝意を表する次第であります。
   裁判所の取り扱う事件は、最近の社会情勢を反映して、従来にない複雑困難な問題を含むものが多くなってきております。
   私どもといたしましては、これまで以上に工夫と努力を重ねて事件の適正迅速な処理を図り、裁判所に寄せられた国民の期待と信頼にこたえていかなければならないと思います。

(続きを読む...)昭和59年8月発行の,東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎の落成記念特集号

最高裁判所裁判官等の公用車(AI作成)

◯本記事は,山中理司弁護士が情報公開請求により取得した開示文書(各役職の調達価格別紙,自動車検査証,売買契約書,自賠責保険証明書,入札説明書)をもとに,AIが事実関係を整理・執筆したものである。金額・型式・諸元はいずれも開示文書の記載に基づく。

目次

第1 最高裁判所等の公用車の概要1 この記事の資料と基準時点2 役職別の一覧3 送迎対象についての国会答弁第2 最高裁判所長官の公用車1 レクサスLS600hLの取得価格2 車検証と契約書の掲載画像第3 最高裁判所判事14台の公用車1 取得価格別紙に基づく内訳2 取得時期と車種の読み方第4 その他の幹部の公用車1 事務総長・首席調査官2 司法研修所長・裁判所職員総合研修所長第5 車検証・車種の説明で注意する点1 資料の記載と車両仕様の推定2 税額・騒音値・走行距離の限界第6 開示文書の一覧1 各役職の情報提供資料・車検証2 長官車の調達・保険関係第7 車両情報の開示と警備上の不開示1 裁判所の開示例とその根拠の説明2 法務大臣車の答申との比較第8 運用文書の不存在と公務としての利用1 運転手の注意事項に関する令和元年の通知2 徳島県知事の演奏会出席に関する最高裁判決第9 関連記事
第1 最高裁判所等の公用車の概要
1 この記事の資料と基準時点

本記事は,山中理司弁護士が開示申出により取得した,令和元年6月21日付けの最高裁判所の情報提供資料と車検証等に基づき,当時の最高裁判所裁判官等の公用車を整理するものである。
取得年月日と取得価格は各役職の情報提供資料の別紙によっており,現在の車種,台数又は価格を示す一覧ではない。

2 役職別の一覧
使用者・役職資料に記載された車種取得年月日取得価格・1台当たり台数最高裁判所長官レクサスLS600hL平成26年3月24日1543万5900円1最高裁判所判事クラウン各種平成24年6月26日〜平成31年2月14日468万4785円〜643万8890円14最高裁判所事務総長クラウン平成26年3月18日465万3285円1最高裁判所首席調査官クラウン平成26年3月18日465万3285円1司法研修所長クラウン平成26年3月25日463万4383円1裁判所職員総合研修所長カムリハイブリッド平成28年3月24日317万6525円1

価格は資料の「取得価格」欄による。
長官車については,別途開示された売買契約書により,下取りを差し引く前の新車合計と交換差金を区別できるが,他の全車について同じ契約内容を確認したという意味ではない。

3 送迎対象についての国会答弁

平成31年3月22日の衆議院法務委員会における最高裁判所経理局長の答弁では,最高裁判所長官・判事14名,事務総長,首席調査官,司法研修所長,裁判所職員総合研修所長,高等裁判所長官8名,知的財産高等裁判所所長,地方・家庭裁判所所長71名について,送迎の公用車があると説明されている。
本記事の価格一覧は,このうち開示資料を掲載した最高裁判所等の6区分を対象とするものであり,全国の対象者全員の車両価格を網羅したものではない。

平成31年3月22日・衆議院法務委員会第5号:
https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku%20/000419820190322005.htm

平成28年3月15日付けの政府答弁書では,その答弁における「公用車」を,専ら人の移動を目的とする運転手付きの車両で,特定職員が一定時間,専用又は優先使用するものとしている。
これは当該答弁での用語の範囲であり,すべての法令・機関に共通する定義として扱わない。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/190/touh/t190075.htm

第2 最高裁判所長官の公用車
1 レクサスLS600hLの取得価格

長官車の情報提供資料の別紙は,車種をレクサスLS600hL,取得年月日を平成26年3月24日,取得価格を1543万5900円としている。
平成25年12月24日付けの売買契約書には,センチュリーの下取り合計43万5870円と,交換差金1500万30円が記載されている。

購入価格,付属品の内訳,入札日程と総合評価方式は,独立記事で整理している。
長官車の調達記事

2 車検証と契約書の掲載画像

平成31年3月4日付け車検証では,型式DAA-UVF46,乗車定員5人,車両重量2370kg,長さ521cm・幅187cm・高さ147cmと記載されている。
型式から後席を独立2座と断定する説明は採らず,車検証の定員欄と区別する。

(続きを読む...)最高裁判所裁判官等の公用車(AI作成)

新しい日本のための優先課題推進枠説明資料(最高裁判所作成分)

1 最高裁判所が作成した,新しい日本のための優先課題推進枠説明資料を以下のとおり掲載しています。
① 平成30年度分1/2,2/2
② 平成31年度分1/2,2/2

2(1) 裁判所HPに,「新しい日本のための優先課題推進枠」要望一覧が以下のとおり載っています。
① 平成26年度分
② 平成27年度分
③ 平成28年度分
④ 平成29年度分
⑤ 平成30年度分
⑥ 平成31年度分
(2)ア 平成26年度から平成30年度までのテーマは,①安全・安心な社会の実現等,及び②防災・減災でした。
イ 平成31年度のテーマは,①暮らしの安全・安心,②防災・減災及び③裁判手続等のIT化の推進でした。

偶発債務集計表等(平成20年度以降)

目次
1 偶発債務(係属中の訴訟等)集計表
2 国家賠償請求訴訟に関して報告を求める文書
3 国家賠償請求訴訟における国の勝訴率等
4 関連記事

1 偶発債務(係属中の訴訟等)集計表
(1) 最高裁判所が作成した,偶発債務(係属中の訴訟等)集計表を以下のとおり掲載しています。
* 「偶発債務(係属中の訴訟等)集計表(令和4年度)」といったファイル名です。
(令和時代)
令和元年度分,令和2年度分,令和3年度分,
令和4年度分,令和5年度分,令和6年度分,
(平成時代)
平成20年度分,平成21年度分,平成22年度分
平成23年度分,平成24年度分,平成25年度分
平成26年度分,平成27年度分,平成28年度分
平成29年度分,平成30年度分
(2) 平成24年度以降につき係属中の訴訟等の概要(簡単な説明,今後の予定等)が簡略化されるようになり,平成26年度以降につき事件番号の年数が黒塗りとなり,令和4年度以降につき金額が黒塗りとなりました。

必要かつ合理的な当事者等対応の実践に向けた取組について(令和2年10月30日付の最高裁判所総務局第一課長及び第三課長の事務連絡)1/3を添付しています。 pic.twitter.com/5q5RBUws1O

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 30, 2021

2 国家賠償請求訴訟に関して報告を求める文書
(1)ア 裁判所職員の行為について国家賠償請求訴訟を提起された場合の報告を定めた文書を以下のとおり掲載しています。
① 裁判所職員の事件処理上の違法行為を理由とする国家賠償請求事件及び告知事件の報告について(平成16年7月1日付の最高裁判所民事局長,刑事局長,行政局長及び家庭局長通達)
→ ①の通達は平成29年9月30日まで適用されていたものです。
② 裁判所職員の事件処理上の違法行為を理由とする国家賠償請求事件及び告知事件の報告等について(平成29年7月3日付の最高裁判所民事局長,刑事局長等の通達)
→ ②の通達は平成29年10月1日以降に適用されているものです。
③ 「裁判所職員の事件処理上の違法行為を理由とする国家賠償請求事件及び告知事件の報告等について」の発出について(平成29年7月3日付の最高裁民事局第一課長等の事務連絡)
→ ③の事務連絡は,①の通達から②の通達への改正内容等を記載しています。

(続きを読む...)偶発債務集計表等(平成20年度以降)

裁判所の所持品検査に関する記事の一覧

裁判所の所持品検査に関する記事として以下のものがあります。

① 裁判所の所持品検査

② 全国の下級裁判所における所持品検査の実施状況

③ 所持品検査の必要性に関する,最高裁判所の財務省に対する説明内容

④ 裁判所の所持品検査に関する国会答弁

⑤ 平成31年3月20日発生の,東京家裁前の殺人事件に関する国会答弁

⑥ 裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用

裁判所の所持品検査に関する国会答弁―法的根拠・常時検査・金属探知機・法廷警備(AIリライト)

第1 この記事で分かること
第2 平成30年11月22日の参議院法務委員会
第3 平成31年4月9日の参議院法務委員会
第4 答弁から読み取れる範囲
第5 国会答弁資料の不存在に関する開示文書
第6 関連記事
第7 出典

第1 この記事で分かること

裁判所の所持品検査に関する国会答弁では,入庁時の常時検査,法廷入廷時の個別警備,ゲート式・ハンド式金属探知機の整備,裁判の公開・公平との関係,法曹関係者への事前説明及び法廷警備員の研修が取り上げられている。

本記事は,平成30年11月22日の参議院法務委員会会議録及び平成31年4月9日の参議院法務委員会会議録を基礎に,答弁の意味を論点別に整理する。

第2 平成30年11月22日の参議院法務委員会
1 裁判の公開・公平と安全確保

村田斉志最高裁判所長官代理者は,入庁時のゲート式検査のほか,事案に応じた法廷警備が行われていると説明した。
具体的な警備方策を検討する際には裁判の公平を意識し,傍聴人等への危害を防いで裁判の公開を確保するためにも法廷の安全確保が必要であるとの見解を示した。

2 法曹三者の合意と事前説明

同答弁は,安全確保は裁判所の責任であり,法曹三者との合意がなければ実施できないものではないとした。
他方で,関係者の意見を踏まえて実施の要否を検討し,一般的な入庁時検査については,弁護士会及び検察庁に事前に丁寧な説明をした上で実施に至ったと説明している。

3 入庁時検査と法廷入廷時検査

笠井之彦最高裁判所長官代理者は,庁舎内の安全確保を裁判所の重要な責務の一つと位置付けた。
金属探知機による入庁時検査のほか,各庁の実情に応じ,法廷入廷時にも外注警備員によるスポット的な検査を行うなどして体制を整えていると答弁した。

4 法廷警備員の研修

堀田眞哉最高裁判所長官代理者は,東京地裁では法廷警備員の採用時に約半年間の警備技術教育を行い,所持品検査の基本動作等をまとめたDVDを他の裁判所の研修にも提供していると説明した。
警備マニュアルの整備や警察職員を講師とする研修を行う裁判所もあると答弁した。

第3 平成31年4月9日の参議院法務委員会
1 常時検査を行うかの判断要素

笠井之彦最高裁判所長官代理者は,常時の入庁時検査を行うかは,取扱事件数,来庁者の状況など,各庁の実情に応じて判断されると答弁した。

2 金属探知機の整備状況

同答弁によれば,当時,ゲート式金属探知機は,地裁本庁50庁舎,独立庁舎を持つ家裁本庁17庁舎及び裁判員裁判を実施する支部10庁舎の合計77庁に整備されていた。
ゲート式を常時使用する庁舎数ではなく,機器が整備されていた庁数を述べたものである点に注意を要する。

その他の庁には,各庁の実情に応じてハンド式金属探知機を整備し,危険の態様・程度に応じて庁舎入口又は法廷入口で検査するとの説明もあった。

(続きを読む...)裁判所の所持品検査に関する国会答弁―法的根拠・常時検査・金属探知機・法廷警備(AIリライト)

全国の下級裁判所における所持品検査―実施庁舎,開始時期及び法的根拠(AIリライト)

第1 この記事が扱う所持品検査

1 恒常検査と事件別検査の区別

2 公開資料だけでは現在の全国総数を確定できないこと

3 検査方法と来庁時の注意

第2 恒常的な入庁時所持品検査の実施庁舎

1 平成7年から平成27年までに開始した庁舎

2 平成30年に開始した庁舎

3 平成31年及び令和元年に開始した庁舎

4 令和2年に開始した仙台家庭・簡易裁判所合同庁舎

第3 国会答弁から分かる全国的な配備状況

1 平成31年4月9日当時の19庁舎

2 ゲート式金属探知機の配備と恒常検査は同じではないこと

(続きを読む...)全国の下級裁判所における所持品検査―実施庁舎,開始時期及び法的根拠(AIリライト)

最高裁判所庁舎―所在地・設計者・建築の特徴・大法廷と沿革

目次

第1 総論第2 最高裁判所庁舎を構成する各建物の配置等第3 最高裁判所庁舎を構成する各建物に入居している部署等第4 最高裁判所庁舎の沿革第5 司法行政文書開示請求以外の方法で最高裁判所庁舎内の様子を知る方法第6 終戦直後の最高裁判所庁舎第7 最高裁判所判事経験者の回想に見る庁舎第8 関連する記事及び資料第9 最高裁判所庁舎についてのよくある質問1 最高裁判所庁舎はどこにあるか2 設計者は誰で,いつ完成したか3 外壁にはどのような石を使っているか4 大法廷と大ホールはどう違うか5 個人でも見学できるか

本記事では,最高裁判所庁舎の配置,入居部署及び沿革を,開示資料や公表資料に基づいて紹介する。過去の平面図や回想は,現在の立入り可能範囲を示すものではない。訪問する場合は,公式の見学・傍聴案内と各案内の入口・受付条件を確認されたい。裁判所としての役割は,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方にまとめている。

第1 総論
最高裁判所庁舎は,東京都千代田区隼町4番2号にある,昭和49年に完成した建物です。
岡田新一氏を代表とする設計グループが設計し,茨城県稲田産の花崗岩である稲田みかげを使った外壁や,大法廷・大ホールに特徴があります。

個人見学の申込み,対象年齢,集合する門や撮影の条件は,最高裁判所の個人見学ガイドで整理しています。
庁舎の配置・沿革と,現在の見学・傍聴条件は区別して確認してください。

(1) 裁判所HPの「裁判所施設の耐震診断結果等の公表について」掲載の「裁判所施設の耐震性に係るリスト」を見れば,最高裁判所庁舎を構成する建物の名称は,大法廷棟,小法廷棟,図書館棟,裁判官棟,裁判部棟,事務北棟及び事務西棟であることが分かります。
(2) 裁判所HPの「最高裁判所の所在地」を見れば,最高裁判所には,正門・東門,及び南門・西門があることが分かります。
(3) 裁判所HPの「司法の窓第50号(最高裁判所50周年記念号)」に「写真で見る最高裁判所の50年」が載っています。

第2 最高裁判所庁舎を構成する各建物の配置等
(1) 最高裁判所の庁舎平面図と,最高裁判所庁舎の敷地において,小型無人機等の飛行禁止区域が分かる図面を照合すれば,大法廷棟,小法廷棟,図書館棟,裁判官棟,裁判部棟,事務北棟及び事務西棟の大ざっぱな位置関係は以下のとおりであると思います。ただし,裁判官棟(皇居に面しています。)及び事務西棟は南北に長い建物です。

以下は筆者が資料から整理した概略の配置図です。小さい画面では図の中を横にスクロールできます。見学・傍聴の入口は,上記の公式案内で確認してください。

          (国 立 劇 場)
  (西玄関)                   (東門)
      事務北棟 (北玄関) 裁判部棟  裁判       
      事務    図書館棟       官棟     (皇居)
(西門)  西棟   大 法 廷 棟 (正面玄関) (正門)
           小 法 廷 棟        (三宅坂小公園)
     (南門)                   (三宅坂交差点)
          (国 立 国 会 図 書 館)
(2)ア 鹿島建設株式会社HPの「第30回 ふたつの最高裁判所庁舎」には以下の記載があります。
① この建物は地下2階地上5階、延べ53,923m²。7つの棟(*14)で構成され、スペースウォールと呼ばれる二重壁によって結合するこれまでに例を見ない構造である。
② * 14 大法廷棟、小法廷棟、図書館棟、裁判官棟、裁判棟、司法行政北棟、司法行政西棟。これら7棟の建物の間にそれぞれ性格の違った庭が配されている。  
イ 司法行政北棟及び事務北棟,並びに司法行政西棟及び事務西棟は同じ意味です。
(3) 「司法の窓」第75号(平成22年5月発行)の裁判所めぐり「最高裁判所見学」には,最高裁判所庁舎について,「約3万7000平方メートルの敷地に建てられた地上5階,地下2階建の庁舎」と書いてあります。
(4) 最高裁判所正面玄関の写真,及び最高裁判所中庭の写真を掲載しています。

(続きを読む...)最高裁判所庁舎―所在地・設計者・建築の特徴・大法廷と沿革

最高裁判所の庁舎平面図の開示範囲

目次
第1部 最高裁判所の庁舎平面図の開示範囲
第2部 関連記事その他

第1部 最高裁判所の庁舎平面図の開示範囲
・   最高裁判所の庁舎平面図の一部開示について判断した,平成28年度(最情)答申第48号(平成29年3月17日答申)は以下のとおりです。

本記事に掲載するのは,平成28年度(最情)答申第48号(平成29年3月17日)の答申本文です。
文中の苦情申出人の主張,最高裁判所事務総長の説明及び審査委員会の判断は,それぞれの見出しに分けて読む必要があります。

当時の図面の開示範囲と,現在の庁舎への立入り条件は別の事項です。
建物全体の配置・沿革は最高裁判所庁舎,現在の個人見学の条件は最高裁判所の個人見学ガイドを確認してください。

答 申 書

第1 委員会の結論
   「最高裁判所の庁舎内部の見取り図(約240ある部屋が具体的にどこにあるかが分かる図面)(職員配置図は除く。)」(以下「本件開示申出文書」という。)の開示の申出に対し,最高裁判所事務総長が平面図7枚(以下,まとめて「本件対象文書」という。)を対象文書とし,その一部を不開示とした判断(以下「原判断」という。)は,妥当である。
第2 事案の概要
   本件は,苦情申出人からの本件開示申出文書についての裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱(以下「取扱要綱」という。)記第2に定める開示の申出に対し,最高裁判所事務総長が平成28年11月30日付けで原判断を行ったところ,取扱要綱記第11の1に定める苦情が申し出られ,取扱要綱記第11の4に定める諮問がされたものである。
第3 苦情申出人の主張の要旨
1 次の事情によっても何らかの弊害が発生しているわけではないから,本件対象文書のうち,不開示部分の全部が行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)5条6号に規定する不開示情報に相当するわけではない。
(1) 平成25年10月1日現在の最高裁判所職員配置図が開示されている。
(2) 日本女性法律家協会による鬼丸かおる最高裁判所判事に対する取材結果から,以下の事実がインターネットで公表されている。
ア 多くの最高裁判所裁判官は北玄関に秘書官が迎えに来ること。
イ 1フロアーに1つの小法廷の5人の裁判官室が並んでいること。
ウ 最高裁判所裁判官はだいたい5時に北玄関に車が来て帰っていること。
エ 最高裁判所裁判官の登庁時の車は北玄関に着くこと。
(3) 平成24年4月5日に発行された「最高裁回想録」によって以下の事実が明らかにされている。
ア 最高裁判所の正面玄関の真上に大応接室があること。
イ 裁判官棟の1階,裁判官室の真下に特別会議室があること。

(続きを読む...)最高裁判所の庁舎平面図の開示範囲

裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用

目次
1 規程及び通達
2 裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条
3 関連記事

1 規程及び通達
① 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和43年6月10日付の最高裁判所事務総長通達)
→ 別紙として,「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」(昭和43年6月10日最高裁判所規程第4号)が添付されています。
② 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和60年12月28日付の最高裁判所事務総局経理局長通達)
③ 法廷秩序維持等のための警備状況の報告について(平成4年12月24日付の最高裁判所刑事局長通達)

2 裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条
・ 「裁判所構内における注意事項」(リンク先は那覇地家裁のものです。)の根拠条文となっている,裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条は以下のとおりです。
    管理者は、庁舎等において次の各号の一に該当する者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。ただし、管理者が第九号又は第十号に該当する者に対し、庁舎等の管理に支障がないものと認め、その行為を許可した場合は、この限りでない。
一 銃器、凶器、爆発物その他の危険物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
二 職員に面会を強要した者
三 立入りを禁止した区域に立ち入り、又は立ち入ろうとする者
四 放歌高唱し、若しくはねり歩き、又はこれらの行為をしようとする者
五 宣伝カーを持ち込み、又は持ち込もうとする者
六 座り込み若しくは通行の妨害になるような行為をし、又はしようとする者
七 寄付を強要し、又は押売りをする者
八 裁判所の禁止に反し写真機、録音機その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
九 旗、のぼり、プラカード、拡声器その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
十 はちまき、ゼツケン、腕章その他これらに類する物を着用する者
十一 前各号に掲げる者のほか、庁舎等の管理に支障がある行為をし、又はしようとする者
2 管理者は、庁舎等の管理のため必要があると認めるときは、庁舎等において、文書、図画、びらその他これらに類する物を頒布し、又は頒布しようとする者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。
3 第九条の規定は、第一項ただし書の許可をする場合に準用する。

3 関連記事
・ 司法修習生による,司法研修所構内の写真撮影禁止に関する文書は存在しないこと

(続きを読む...)裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用

平成31年3月20日発生の,東京家裁前の殺人事件に関する国会答弁

目次
第1 平成31年3月22日の衆議院法務委員会における質疑応答
第2 平成31年3月26日の衆議院法務委員会における質疑応答
第3 関連記事その他

第1 平成31年3月22日の衆議院法務委員会における質疑応答
・ 村田最高裁判所長官代理者は,42期の村田斉志最高裁判所総務局長であり,階猛(しなたけし)は平成19年7月29日から衆議院議員をしている人です。

○階委員 国民民主党の階猛です。
(中略)最近の東京家裁前の殺人事件、これはちょうど、三月二十日、私どもが理事懇に入った三時二十分ごろの事件だというんですね。白昼堂々と、堂々とかどうかは知りませんけれども、でも、東京家裁の前ですよ、そこで殺人事件、しかも事件の当事者の間で起きている。とんでもないことだと思っています。
 裁判所として警備面等で反省すべき点はないのかどうか、最高裁、お答えください。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 三月二十日午後三時過ぎ、委員御指摘のとおり、東京家庭裁判所におきまして、家事調停事件の当事者が刃物で刺され、病院に搬送された後に死亡するという事件が発生いたしました。
 多くの国民の方が来庁される裁判所におきましてこのような重大な事件が生じたということは極めて深刻な事態であるというふうに受けとめておりまして、亡くなられた被害者の方、またその御遺族の方には心よりお悔やみを申し上げたいというふうに思います。
 東京家庭裁判所におきましては、入庁時に所持品検査を実施していたところではございますけれども、今回の事件の発生状況や経緯につきましては、警察による捜査が進められているところでございまして、裁判所としては、警察の捜査に引き続き可能な協力をするとともに、事実関係の把握に努めまして、それを踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
 反省すべき点があるかないかというところでございますけれども、裁判所内の安全の確保は極めて重要なことであると認識しております。
 現段階では、事実関係が十分把握できておりませんので、警備面等での不備の有無、こういったことについては十分にお答えができないというところでございまして、今後、事実関係の把握に努めまして、それを踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
○階委員 これは重大な問題だと思いますよ。法の支配を貫徹するべき裁判所で、力の支配のようなことが行われるということはあってはならないと思います。これは、徹底的に事実を明らかにした上で、この場で反省と再発防止のための見解をしっかり述べてください。これも後日、取り上げます。

第2 平成31年3月26日の衆議院法務委員会における質疑応答
○階委員 最高裁、この間の家庭裁判所での殺人事件について、警備体制に不備があったのではないかという問題意識をお伝えしたと思います。
   不備があったかどうかという前に、事実関係ですね、警備の人員がこれまでどうなってきたのか。同じ質問ですので繰り返しませんが、ファクトだけ、まず教えてください。
○村田最高裁判所長官代理者 まず、警備業務に従事する守衛の減少数でございます。
   前回、平成二十九年から平成三十年にかけての守衛の減少数、十六人とお答えしたんですけれども、これは下級裁の人数でございまして、このほかに最高裁の減少もございましたので、平成二十九年度から平成三十年度にかけての全国の守衛の減少数は十八でございました。このうち、東京地裁、東京家裁管内はいずれも減少なしでございました。
   その上で、委員の御質問であるところの平成二十一年度から平成三十年度にかけての全国の守衛の減少数ですが、下級裁判所で百三十七人、最高裁判所分を含めますと全国で百四十五人の守衛の減少となっております。
   このうち、東京地裁管内を担当する守衛は十一の減少でございまして、東京家裁管内を担当する守衛は六人の減少でございました。(階委員「ちょっと、まだ質問通告されていますよね、ほかの数字もありました」と呼ぶ)
   その場合の外部委託の予算額でございますけれども、守衛の削減分と直接の対応関係がないので、そこだけ切り出せないというのは前回申し上げたとおりでございますが、外部委託費を申し上げますと、平成二十一年度は約七億円でございました。平成三十年度が約十四億円、平成三十一年度が約十五億円となっております。
   東京高裁及び東京地家裁管内の予算額につきましては、平成二十一年度が約一・八億円、平成三十年度が約二・四億円になってございます。
○階委員 今のような数字で、警備業務の人数は定員減少に伴ってかなり減っているということがわかりました。

(続きを読む...)平成31年3月20日発生の,東京家裁前の殺人事件に関する国会答弁

最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトル

目次
1 最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書
2 平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍
3 関連記事

1 最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書
(令和時代)
令和元年分,令和2年分,令和3年分,令和4年分,
令和5年分,令和6年分,令和7年分,
(平成時代)
平成29年分,平成30年分
* 「最高裁判所の雑誌・資料受入簿(令和6年分)の抄本→最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書(令和6年分)」といったファイル名です。

2 平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍
・ 平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書によれば,平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍は以下のとおりです。

1 A.I . P. P. I
2 NBL
3 季刊 刑事弁護
4 季刊 労働法
5 季報 情報公開・個人情報保護
6 警察学論集
7 刑事法ジャーナル
8 刑法雑誌
9 月刊 税務事例
10 検察統計年報
11 現代消費者法
12 国会制定法律集(国会制定法審議録)
13 国会便覧
14 国家学会雑誌

(続きを読む...)最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトル

裁判所の所持品検査―持ち込み禁止物・検査の流れ・拒否した場合の扱い(AI作成)

目次

第1 裁判所に入る前に確認すること第2 持ち込み禁止物と荷物の預かり第3 検査当日の流れと時間の余裕第4 検査に協力しない場合と配慮が必要な場合第5 法的根拠を調べるときの注意点第6 安全上の不安があるときと関連資料第7 出典
第1 裁判所に入る前に確認すること

所持品検査を実施する裁判所へ行く場合は,危険物を持参せず,検査にかかる時間を見込んで来庁する必要がある。
東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎の公開案内は,入庁時に金属探知機等を使用した所持品検査を実施し,協力しない場合は入庁できないとしている。
ただし,以下の説明は各裁判所の公開案内に基づくものであり,すべての庁舎が同じ設備・手順で検査しているという意味ではない。

検査を調べる際は,庁舎に入る際の「入庁時の検査」と,特定の法廷等に入る際の「入廷前の検査」を分けて確認する必要がある。
恒常的な入庁時検査の実施庁舎・開始時期と,特定の事件等で行われる検査の区別は,全国の下級裁判所における所持品検査―実施庁舎,開始時期及び法的根拠(AIリライト)で整理している。

第2 持ち込み禁止物と荷物の預かり

東京地裁の案内は,ナイフ,包丁,カッター,はさみ及びカミソリ等の危険物を所持したままの入庁を認めていない。
日常的に使う文房具であっても,はさみやカッターは持参しないよう,出発前にかばんの中を確認するのがよい。
持込禁止物の範囲や具体的な取扱いは,訪問先の裁判所の最新の案内で確認する必要がある。

危険物を裁判所が必ず預かってくれるとは限らない。
東京家裁の案内は,発見した危険物等を退庁まで預かる場合がある一方,法令違反の疑いがある物については警察に通報する場合があるとしている。
大阪地裁の案内にも危険物等の預かりに関する説明があるが,これを全国共通の保管サービスとして当てにすることはできない。

スマートフォンやカメラを持って入れるかという問題と,庁舎・法廷で撮影,録音又は録画ができるかという問題は別である。
機器の使用制限については,裁判所・法廷で写真撮影,録音又は録画はできるか(AI作成)を参照されたい。

第3 検査当日の流れと時間の余裕

来庁前に,利用する庁舎の所在地,入口,開庁時間及び所持品検査の案内を確認する。
入口では検査担当者の案内を受け,荷物や金属製の所持品について指示された手順で検査を受けることになる。
金属探知機等を用いることは公開案内から確認できるが,機器の組合せや荷物を扱う順序まで全国一律と考えるべきではない。

東京地裁と東京家裁の案内は,多くの人が来庁する時間帯として,午前9時30分から午前10時30分まで及び午後零時30分から午後1時30分までを挙げ,入庁に時間を要することが予想されるとしている。
これは両庁の案内であり,ほかの裁判所の混雑時間や待ち時間を保証するものではない。
期日や窓口の受付終了時刻に間に合うよう,検査待ちも含めて時間に余裕をもって到着する必要がある。

東京家裁では,夜間家事手続案内等で17時以降に入庁する人について,貴重品と申立書類を除く手荷物をロッカーに預けた上で検査を受ける取扱いが案内されている。
ロッカーの数や大きさには限りがあるとされているため,大きな荷物を持参する場合や時間外に用事がある場合は,その窓口の利用方法も確認しておくのがよい。

第4 検査に協力しない場合と配慮が必要な場合

東京地裁及び東京家裁の公開案内は,所持品検査に協力しない場合は入庁できないとしている。
検査について疑問がある場合は,入口で説明を求めるか,来庁前に担当窓口へ確認する必要がある。
自分の事件の期日がある場合に,入口での問題が起きたことだけから期日が当然に延期されると考えるべきではなく,担当部にも速やかに連絡することが実務上重要である。

東京地裁及び東京家裁の案内は,ペースメーカー等の医療機器を使用している人や介助が必要な人に,警備員への申出を案内している。

(続きを読む...)裁判所の所持品検査―持ち込み禁止物・検査の流れ・拒否した場合の扱い(AI作成)

最高裁判所の庁舎見学に関する,最高裁判所作成のマニュアル

目次

第1 最高裁判所の庁舎見学に関する,最高裁判所作成のマニュアル第2 国会議員事務所から見学の申し出があった場合の取扱い第3 関連記事その他

本記事は,平成26年に開示された庁舎見学マニュアル等の過去資料を掲載する。
現在の見学予約の方法を確認する場合は,最高裁判所の庁舎見学の公式案内から,学校見学・一般見学の該当コースへ進む必要がある。
最高裁判所の制度と見学・傍聴の違いは,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。
個人申込みの対象年齢,電話予約,集合する門や撮影の条件を調べる場合は,最高裁判所の個人見学ガイドにまとめている。

第1 最高裁判所の庁舎見学に関する,最高裁判所作成のマニュアル
(1) 平成26年6月に開示された,最高裁判所の庁舎見学に関する,最高裁判所作成のマニュアルを掲載しています。
(2) 見学説明文,大法廷での説明事項,平成に入り大法廷が使用された訴訟,見学者からよく出される質問のQ&A等が載ってあります。
(3) このマニュアル及び後記の平成30年度夏休み子ども見学会実施要領は,それぞれの時点の見学説明や事務処理を知るための資料であり,現在の予約条件,見学できる範囲又は撮影の可否をそのまま示すものではありません。
(4) 現在の最高裁判所の庁舎見学については,裁判所HPの「最高裁判所の庁舎見学」で,学校見学コース(学校団体による見学であり,教職員の同伴が必要とされています。)と一般見学コースの案内を確認する必要があります。実施日・時間が変更され,又は中止される場合もあるため,申込みの条件,受付状況及び見学時の注意事項は,参加する時点の公式案内と各コースのリンク先で確認する必要があります。
(5) 庁舎や法廷の施設見学と,実際に開廷している裁判の傍聴は異なります。また,憲法週間(5月1日から7日まで)や「法の日」週間(10月1日から7日まで)にちなむ行事と通常の庁舎見学では,対象者・開催日・申込方法が異なる場合があり,週間にちなむ行事が週間の期間外に開催されることもあります。

第2 国会議員事務所から見学の申し出があった場合の取扱い
(1) 国会議員事務所から見学の申し出があった場合,国会係で対応する場合と,広報課で対応する場合に分かれるみたいです。
(2) 衆議院HPに「衆議院議員会館議員事務室一覧表」があり,参議院HPの「議員情報」に「参議院議員会館議員事務室一覧表」(PDF)が載っています。

第3 関連記事その他
(1)ア 最高裁判所事務総局広報課による公式の説明が裁判所HPの「最高裁判所の庁舎見学」に載っています。
イ 「司法の窓」第75号(平成22年5月発行)に,裁判所めぐり「最高裁判所見学」が載っています。
(2) 裁判所HPに「最高裁判所の法廷Q&A」が載っています。
(3) 以下の資料を掲載しています。
・ 最高裁判所の平成30年度夏休み子ども見学会実施要領
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所庁舎
・ 最高裁判所の広報ハンドブック
・ 最高裁判所の広報ハンドブックとは―総論・一般広報の内容と令和2年3月版の改訂点
・ 憲法週間とは―期間・沿革・裁判所の行事と「法の日」週間との違い
・ 「法の日」と「法の日」週間とは―10月1日の由来・制定経緯・行事
・ 裁判所・法廷で写真撮影,録音又は録画はできるか

(続きを読む...)最高裁判所の庁舎見学に関する,最高裁判所作成のマニュアル