メインコンテンツへスキップ

司法試験の過去問

平成16年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

目次第1 この記事の対象と読み方1 対象とした試験と資料2 模範答案の前提と表記3 全12問の主な論点第2 憲法1 第1問 性犯罪前科情報の開示とプライバシー2 第2問 被選挙権の年齢制限と両院制第3 民法1 第1問 請負契約の解除,雨漏りと残代金2 第2問 後順位抵当権者と時効援用の代位第4 刑法1 第1問 中止犯,救助の妨害と不作為の殺人2 第2問 不動産の二重売買と横領後の横領第5 商法1 第1問 有利発行と旧株主の救済2 第2問 不実登記と無権限の手形振出し第6 民事訴訟法1 第1問 証明責任と非負担者の立証活動2 第2問 相殺抗弁と既判力の範囲第7 刑事訴訟法1 第1問 逮捕に伴う捜索と別罪証拠の取得2 第2問 偽計による自白と死亡した共同被告人の調書第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例(裁判所ウェブサイト掲載)3 裁判例(裁判所ウェブサイト未掲載)4 公文書
第1 この記事の対象と読み方
1 対象とした試験と資料

本記事は,平成16年度旧司法試験第二次試験論文式試験の全12問について,問題文,法務省の出題趣旨,模範答案,出題趣旨を踏まえた解説,現行法とその後の裁判例を並べたものである。
科目は憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の順とし,模範答案と解説は生成AIを用いて作成した。

公式資料は,法務省の論文式試験問題・出題趣旨に掲載された平成16年度の問題と平成16年度の出題趣旨である。
いずれも全6頁であり,本文の抽出だけでなく全頁の画像で句読点の位置を確認した。

法務省の同一覧ページでは,旧司法試験について問題・出題趣旨が掲載され,採点実感の掲載はない。
本記事の解説は公式の採点実感ではなく,出題趣旨と条文・裁判例を踏まえた答案の検討である。
資料の所在は法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在に,別年度の全問答案は平成14年度の記事にまとめている。

調査の基準日は令和8年10月3日である。
裁判例は裁判所ウェブサイトの個別ページと判決・決定全文,又は判例データベースで確認し,現行条文はe-Gov法令検索で確認した。

2 模範答案の前提と表記

答案は平成16年の出題当時の法令と出題前の裁判例を前提とし,各問おおむね1,700字から1,900字の答案を示す。
民法の債権法改正前の規定,会社法制定前の商法,その後改正された訴訟法の条文を現在の規定と混ぜず,現行法と出題後の裁判例は各問の末尾に分けた。

問題文・出題趣旨は引用枠,模範答案は別の枠で表示する。
答案の数字・英字・括弧を全角,読点を「,」に整え,公式資料の引用は原文の表記を維持した。
括弧書きの判例表示では,事案が異なるものを「参照」等で限定し,判例が確定していない罪数や当てはめは解説で答案独自の判断として説明した。

この模範答案は唯一の正解や合格保証を示すものではない。
中止犯,信義則による時効援用制限,株主固有損害,緊急処分説等については選んだ立場に応じて別の構成があり,解説では答案の弱点と判例の射程も示している。

3 全12問の主な論点
科目・問主な論点憲法第1問前科の秘匿利益,子供の安全,目的・手段の審査,個別化と手続保障憲法第2問立候補の自由,憲法44条・47条,25歳・30歳の区別,同一化と35歳への引上げ民法第1問完成前の641条・債務不履行解除,旧瑕疵担保責任,同時履行,相殺と遅滞民法第2問直接利益,物上保証人の援用権,無資力と債権者代位,承認の中断効と信義則刑法第1問任意性,実行終了後の真摯な努力,第三者への救助依頼,作為・不作為と罪数刑法第2問横領の確定的発現,先行売買の不告知,抵当権設定後の売却,知情買主の共犯商法第1問特別決議欠缺と発行無効,公示欠缺,差額支払責任,株主固有損害と代表訴訟商法第2問会社側の帰責性,不実登記と表見代表,直接相手方と転得者,無権代理・裏書責任民事訴訟法第1問客観的・主観的証明責任,本証・反証,証拠共通,提出義務と事案解明義務民事訴訟法第2問判決主文,民訴法114条1項・2項,対抗額200万円,訴訟外相殺と丙債権刑事訴訟法第1問逮捕着手前の処分,時間・場所の範囲,被疑事実との関連性,現行犯逮捕・任意提出刑事訴訟法第2問刑訴法322条・319条,321条1項3号,供述不能・不可欠性・特信情況,任意性
第2 憲法
1 第1問 性犯罪前科情報の開示とプライバシー
(1) 問題文(問題PDF1頁)

13歳未満の子供の親権者が請求した場合には,国は,子供に対する一定の性的犯罪を常習的に犯して有罪判決が確定した者で,請求者の居住する市町村内に住むものの氏名,住所及び顔写真を,請求者に開示しなければならないという趣旨の法律が制定されたとする。この法律に含まれる憲法上の問題点を論ぜよ。

(2) 出題趣旨(出題趣旨PDF1頁)

(続きを読む...)平成16年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

平成15年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

目次第1 この記事の対象と読み方1 対象とした試験と資料2 模範答案の前提と表記3 全12問の主な論点第2 憲法1 第1問2 第2問第3 民法1 第1問2 第2問第4 刑法1 第1問2 第2問第5 商法1 第1問2 第2問第6 民事訴訟法1 第1問2 第2問第7 刑事訴訟法1 第1問2 第2問第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例(裁判所ウェブサイト掲載)3 裁判例(裁判所ウェブサイト未掲載)4 公文書
第1 この記事の対象と読み方
1 対象とした試験と資料

この記事は,平成15年度旧司法試験第二次試験論文式試験の憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法について,各2問,合計12問の問題文・出題趣旨・AI作成の模範答案・解説を掲載する。
法務省の論文式試験の試験問題及び出題趣旨の一覧で対象年度と資料を確認した。
旧司法試験の当該欄には採点実感の公表はなく,本記事も出題趣旨を採点実感や公式の模範解答として扱わない。

問題文は平成15年度の問題PDF,出題趣旨は問題と出題趣旨のPDFに基づく。
両PDFは各6頁で,憲法1頁・民法2頁・商法3頁・刑法4頁・民事訴訟法5頁・刑事訴訟法6頁である。
記事の科目順は憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法とし,見出しに表示する頁はPDFの実際の頁に合わせる。

前年の問題との比較には,平成14年度旧司法試験論文式試験の全12問と模範答案・解説を参照されたい。
各年度の答案では,それぞれの出題当時の法令・判例を前提に読む必要がある。

2 模範答案の前提と表記

模範答案は,平成15年度の出題当時の施行法令とそれまでの裁判例を前提として作成した答案を基礎とする。
公式の出題趣旨を踏まえて整えたものであり,法務省が作成又は採点した模範答案ではない。
出題趣旨に挙げられた論点への対応,事実の読み方,評価が分かれる点及び別の構成は,各問の解説で明示する。

問題文と出題趣旨は引用枠,模範答案は答案枠で表示する。
引用は原文の句読点・語句を確認し,紙面の折返しを文章のまとまりに合わせて整理した。
答案は数字・英字・括弧を全角とし,地の文の読点を「,」に統一した。

各問の「現行法とその後の裁判例」は,令和8年10月3日を基準に施行されている条文と,確認した後続裁判例を扱う。
出題後の判決・制度改正を当時答案の根拠へ入れず,過去の事件の事案と本問の相違を示す。
個々の結論に対して直接の先例が確認できない場合は,答案上の評価であることを区別する。

3 全12問の主な論点
科目・問題主な論点憲法第1問法の下の平等,再婚禁止期間,公立女子高校憲法第2問政党の内部自治,政党助成と党内民主主義民法第1問動物占有者責任,第三者の加功,障害と減額民法第2問数量指示売買,二重譲渡,借地権と混同刑法第1問死亡誤信,因果関係の錯誤,後行為者と共犯刑法第2問通称と実名,免許証加工,カード詐欺と現金窃盗商法第1問多額の保証,利益相反,代表取締役兼任と競業商法第2問名板貸,氏名の許諾,営業譲渡と商号続用民事訴訟法第1問職権進行主義,申立て・異議・責問・意見聴取民事訴訟法第2問反訴と別訴,引換給付,既判力と信義則刑事訴訟法第1問継続監視と写真撮影,任意捜査の限界刑事訴訟法第2問共同被告人の検面調書,質問機会,伝聞例外
第2 憲法
1 第1問
(1) 問題文(問題PDF1頁)

以下の場合に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。

1 再婚を希望する女性が,民法の再婚禁止期間規定を理由として婚姻届の受理を拒否された場合

2 女性のみに入学を認める公立高等学校の受験を希望する者が,男性であることを理由として願書の受理を拒否された場合

(続きを読む...)平成15年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

令和8年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答(AI作成)

目次

第1 この記事の対象
第2 16記事の一覧
第3 科目別の概要と重み5の事項

1 倒産法
2 租税法
3 経済法
4 知的財産法
5 労働法
6 環境法
7 国際関係法(公法系)
8 国際関係法(私法系)

第4 16記事に共通する作り方

1 予想評価項目と重み
2 模範解答と確認範囲

第5 重みの分布
第6 関連記事
第7 出典と確認状態

1 公式資料
2 確認状態

(続きを読む...)令和8年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答(AI作成)

令和8年度司法試験・租税法第2問の模範解答と予想される評価項目――暗号資産による役員退職給与、廃業後の貸倒れ、青色申告承認の承継(AI作成)

目次
第1 この記事の対象と結論
第2 予想評価項目の作り方
第3 問題の概要と結論
第4 予想される評価項目
第5 模範解答
第6 答案の補足解説
第7 公開参考答案の調査
第8 出典と確認状態

作成日:令和8年9月30日。この記事は法務省とは関係のない独自の予想です。評価項目、重み、解説及び答案は、公式の採点基準や配点を示しません。対象年度の「出題の趣旨」及び「採点実感」は本記事作成時点で公表されておらず、参照していません。

第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省が掲載した令和8年司法試験の問題のうち、論文式選択科目「租税法」第2問を対象とする。答案はCBT試験の文字数に関する解説を踏まえ、一問につき30字×92行を上限とする想定で作成した。問題の条文適用基準日は、問題文の指定に従い、令和8年1月1日とする。租税特別措置法の適用は考慮しない。

本記事が予想する結論は、次のとおりである。

設問
結論の要旨

設問1
D社がAに暗号資産を現物の役員退職給与として移転した実質を捉える。法人税法61条1項による譲渡益は1,800万円。販売手数料の実体はなく、隠蔽・仮装経理によって支給した役員給与2,000万円は同法34条3項により全額損金不算入。

設問2

(続きを読む...)令和8年度司法試験・租税法第2問の模範解答と予想される評価項目――暗号資産による役員退職給与、廃業後の貸倒れ、青色申告承認の承継(AI作成)

令和8年度司法試験知的財産法第2問の模範解答と予想される評価項目―著作権法の教育利用・二次的著作物をめぐる32項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目と重みの見方1 評価項目の性質2 5段階の重み第3 問題の概要第4 本記事が独自に予想した32の評価項目1 共通の前提と設問1・行為①2 設問1・行為②3 設問2・行為③4 設問2・行為④と全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提2 答案3 結論が分かれる箇所の補足第6 公開参考答案との比較第7 出典及び確認状態1 公式問題・法令2 裁判例3 参考答案と資料の限界
第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省掲載の令和8年司法試験問題のうち、選択科目・知的財産法第2問だけを対象とする。
問題冊子の22頁にある設問1・設問2について、著作権法上の主張、反論、判断及び差止めの範囲を検討する。

以下の評価項目、重み及び模範解答は、問題文、条文、裁判例並びに公開された参考答案との比較を踏まえた本記事独自の予想である。
法務省の出題の趣旨、採点実感又は実際の配点を示すものではない。
令和8年9月30日の作成時点で、これらの公式講評は未公表として扱い、参照していない。

結論の中心は、①数行の翻訳・投影では教育機関の例外を当然には使えないが、適切な文法解説のための引用は成立し得ること、②数段落を配る到達度確認テストには著作権法36条の適用が難しいこと、③ドラマの新規場面にも原作者の28条上の権利が及ぶという有力な解釈があること、④人物設定・名称とドラマの具体的な映像表現を区別することにある。
③④は反対説と事実評価によって結論が動くため、理由を示した上で判断する。

第2 評価項目と重みの見方
1 評価項目の性質

32項目は、採点基準の推定値ではなく、答案で検討すべきと予想される判断事項である。
一項目につき一つの判定対象を置き、問題冊子22頁の事実、条文又は裁判例との対応を示した。
設問の配点は第2問全体で50点であるが、下の重みを合計して50点に換算してはならない。

2 5段階の重み

①重み5は、設問の中心的な対立点を処理する事項である。
②重み4は、結論を左右する法的な経路又は重要な反論である。
③重み3は、問題文の個別事実を用いる主要な当てはめである。
④重み2は、判断を補強し、誤答を防ぐ事項である。
⑤重み1は、答案の射程を整える事項である。

第3 問題の概要

小説家Xの短編小説Pには、孤独な高校教師Aが登場し、Aは長髪、丸眼鏡、長身、常に袴という姿で記述される。
設問1では、退職教師Y1らが、公民館の一室を借りた日本語教室で、小説の数行を英訳して原文・訳文を投影し、数段落を抜き出した文法クイズを最後に全員へ配布する。
教室は登録すれば誰でも参加でき、毎回5~10人が集まり、各人から会場費200円を集める。

設問2では、Xの許諾を受けたテレビ局B社がPをドラマQにし、原作に登場しない女性の表情を大写しにした場面でQを終える。
B社の許諾を受けたY2社は、その場面のスクリーンショットをTシャツに印刷・販売し、ドラマで俳優が演じるAの外見をイラスト化したスタンプ画像Rをオンライン販売する。
Xは、①から④の各行為の差止めを求めたい。

第4 本記事が独自に予想した32の評価項目
1 共通の前提と設問1・行為①
番号答案で示す事項重み問題文の手掛かり・根拠1Pを具体的な言語の著作物と捉え、数行・数段落も創作的表現なら保護されると示す3小説P/著作権法2条1項1号、10条1項1号2Xの請求を将来行為の停止・予防として112条1項へ結ぶ3「やめさせたい」/同条3①の英訳作成を27条の翻訳、原文・英訳の投影を上映権等として行為別に分ける4英訳と投影/22条の2、27条、28条4登録制・5~10人でも不特定者が参加でき、公衆への投影になり得ると示す3誰でも会員/2条5項535条の「学校その他の教育機関」の該当性を、会場でなく教室の設置・運営主体から判断する5公民館の一室を借りる/35条1項6毎週開催、元教師らの複数運営、登録制を35条該当性に有利な事情として評価する3教室の継続性/35条1項7200円が部屋代であることを、35条の非営利性と38条の料金性とで別々に扱う4各人200円/35条、38条835条が適用される場合にも必要な限度と著作権者の利益を不当に害するかを検討する4数行・数段落、少人数/35条1項ただし書935条に基づく利用が認められる場合の翻訳を47条の6第1項1号に接続する3数行の英訳/同号10原文の投影に対し、38条1項の非営利・無料金・無報酬の要件を個別に検討する4会場費200円/38条1項1138条の「料金」は名目でなく著作物の提示の対価かで判断し、実費徴収だけから断定しない4「部屋代」/料金の定義1238条だけでは英訳作成を正当化できず、47条の6の列挙にも38条がないと示す5英訳の併用/38条、47条の613数行の原文・訳文を文法解説の従たる材料として使う32条の引用を、区別・必要量・出所明示とともに検討する5文法を教えるため/32条、48条14引用が成立する場合、英訳とその利用を47条の6第1項2号・2項により検討する3原文と英訳の投影/47条の6

(続きを読む...)令和8年度司法試験知的財産法第2問の模範解答と予想される評価項目―著作権法の教育利用・二次的著作物をめぐる32項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験環境法第2問の模範解答と予想される評価項目――自然公園法の地域制・草原保全・風景地保護協定・損失補償(AI作成)

目次第1 この記事の対象と確認状態第2 評価項目の作り方と重み第3 問題の概要第4 本記事が独自に予想する評価項目第5 模範解答(30文字以内×92行)第6 答案の解説と参考答案との照合1 制度の使い分け2 EとCの協定3 不許可と補償は別の判断4 確認できた公開「参考答案」の範囲第7 出典と未確認事項
第1 この記事の対象と確認状態

本記事は、法務省が公表した令和8年司法試験の選択科目問題のうち、環境法第2問を対象とする。以下の評価項目、重み、答案及び解説は、問題文、法令、裁判例から独自に予想したもので、法務省の出題の趣旨、採点実感、採点基準又は配点ではない。作成時点の令和8年9月30日には、出題の趣旨及び採点実感を参照していない。

答案は、選択科目1問の入力上限である1行30文字・92行に合わせ、見出しを含めて92行、各行30文字以内、合計2562文字とした。改行位置を含む答案本文を第5に示す。文字数を埋めることよりも、各設問の問い、条文の効果及び対立する主張を閉じることを優先した。CBTの答案欄に関する解説及び法務省の試験Q&Aを参照した。出題の基準となる法令は、原則として令和8年1月1日施行のものとされる。

第2 評価項目の作り方と重み

設問が直接求める事項、問題文で対比された事実、自然公園法の要件・効果及び裁判例が示す判断要素を、一項目一判定対象に分けた。重み5は設問の明示的な要求と答案の骨格が重なる事項、4は目立つ事実又は中心となる法の命題、3は主要なあてはめや理由付け、2は補強又は混同防止、1は小さな補足に用いる。31項目の内訳は重み5が9項目、4が9項目、3が9項目、2が4項目、1が0項目である。これは配点や公式評価ではなく、科目間で割合をそろえる基準でもない。条文を挙げるだけでなく、A公園、B草原、C組合、E法人及びXの各事実へ適用できているかを見る。

第3 問題の概要

国立公園Aは、原生林、湿原、草原B及び雑木林Dを含む。原生林には踏圧を抑える利用調整地区があり、草原Bは放牧と火入れによって維持されてきたが、管理の衰退により縮小している。NPO法人Eは所有者Cとの風景地保護協定による回復を望む。Dの所有者Xは落雷後の焼失地に小規模な貸別荘5棟を計画したが、不許可となり、損失補償額0円を争う。設問1は地域制公園の利害、設問2は人為的草原の保護、設問3は協定の制度と内容、設問4は国とXの補償をめぐる主張を求める。

第4 本記事が独自に予想する評価項目
番号設問答案で確認したい内容重み根拠・手掛かり11自然公園を所有権の移転を要しない地域制公園と捉える5法5条・公園Aの広域性21都市公園を設置者が土地の権原を確保する施設型公園と区別する3都市公園法との対比31私有地を含む広い連続生態系を取得費を抑えて保護できる利点を示す4原生林から草原まで41私権との衝突及び積極的管理が所有者の協力に左右される弱点を示す4Cの管理衰退51憲法29条、法4条、地種区分及び法64条の調整を示す3私有地と補償の設問62「自然の風景地」を原生自然に限定しない5法2条2号・草原B72生物多様性条約の保全と持続可能な利用を法1条・3条2項に結び付ける4設問の改正指示82放牧と火入れが数百年にわたり草原景観と生息環境を形成したと評価する5Bの成立経緯92火入れ面積の減少、多年草・低木の侵入、草地縮小という因果を示す3Cの高齢化102第三種特別地域が通常の農林漁業との調整を予定すると示す3施行規則9条の12112法38条の維持回復事業計画と継続的管理を結ぶ2Aの事業計画123⑴利用調整地区の指定・立入り制限・認定を正確に示す3法23・24条133⑴原生林の踏圧という過剰利用を、Bの管理不足と対比する5二つの地域の劣化原因143⑴協定を土地所有者等の合意による積極的管理と捉える4法43条153⑴EはNPO法人であるだけでは締結主体とならず、公園管理団体の指定を要すると示す4法43条1項・49条163⑵所有者Cと、存在するなら使用収益権者全員の合意を要すると示す3法43条1・2項173⑵区域、管理方法、必要施設、期間、違反時措置の5事項を挙げる5法43条1項各号183⑵火入れ、低木除去、草刈り、放牧、監視、費用、防火を具体化する4Bの劣化原因193⑵Cの牧畜を不当に制限せず、所有権移転も要しないと示す3法43条3項2号203⑵大臣の認可、公告・縦覧、承継人への効力を正確に位置付ける2法43条5項、44~48条214新築は許可対象であり、法20条4項は基準不適合時の不許可義務を定めると読む5法20条3項1号・4項224⑴国側で焼失後の再生可能性とDの連続景観を論ずる3落雷から2年234⑴基準適合は当然の許可を意味しないとの国の主張を示す4設計上の全基準適合244⑴既存利用から新規貸別荘への転換、準備費・利益の不確実性を示す3Xの計画と損失内訳254⑵第二種地域、道路沿い、焼失地、8000平方メートル中500平方メートル、景観適合をXに有利に評価する4建築計画の具体的事実264⑵法1条・4条と基準の趣旨から裁量の限界を論じ、自然回復の具体性を問う4不許可理由274不許可の適法性と、法64条に基づく補償の有無を区別する5増額訴訟の対象284憲法29条3項の特別の犠牲と受忍限度を両側から論ずる5法64条・裁判例294旧法下の別荘建築・採石不許可の両裁判例を、地種と事実を区別して使う2裁判所判決全文304通常損失を準備費と逸失利益の単純合計にせず、客観的利用価値・地価の低下と因果関係で論ずる5法64条・採石事例31465条の増額訴訟は通知から6か月以内、被告は国と示す2法65条

評価の中心は、設問1の所有と規制の区別、設問2の二次的自然、設問3の「過剰利用への立入規制/管理不足への協定」という対応関係、設問4の基準適合後も残る許可判断と補償の立証である。特に設問4では、準備費用及び逸失利益というXの請求額を、そのまま法64条の「通常生ずべき損失」と同一視しない。

第5 模範解答(30文字以内×92行)
第1 設問1
1 自然公園法は、土地の所有権を取得せず、優れた自然の風景地
を区域指定して保護し、地種区分ごとに行為を規制する地域制公園
を採る。都市公園法の都市公園は、設置者が土地の権原を得て設
置、管理する施設である。前者では区域の指定と公園計画により保
護・利用の方向を定め、特別地域で工作物の新築等を許可制にする
(法7条、20条3項)。施設としての公園用地を一律に確保する
必要がなく、原生林、湿原、草原、雑木林を含める。
2 地域制なら、私有地を含む広い生態系を連続的に保護でき、用
地取得費も抑えられる。反面、私権を残すため保護と利用が衝突
し、所有者の協力なしに積極的管理をしにくい。憲法29条の財産
権保障から、規制の必要性と強度を区域別に調整し、特別の犠牲に
は同条3項及び法64条による補償を要する。強い保護を要する原
生林を第一種、農林業との共存が必要な草原を第三種とするよう
に、現地の風致と権利の均衡を図るべきである。都市公園は一体的
管理に向くが、用地取得費と土地確保が広域保全を制約する。
第2 設問2
1 法2条2号の「自然の風景地」は、人手のない原生自然に限ら

(続きを読む...)令和8年度司法試験環境法第2問の模範解答と予想される評価項目――自然公園法の地域制・草原保全・風景地保護協定・損失補償(AI作成)

令和8年度司法試験環境法第1問の模範解答と予想される評価項目――廃棄物処理法、事務管理、ごみ処理有料化をめぐる47項目(AI作成)

目次第1 この記事の対象と確認状態第2 予想評価項目の読み方第3 本記事が独自に予想した評価項目(47項目)1 全問に共通する前提2 設問1――報告徴収・立入検査3 設問2――A社に対する複数の措置4 設問3⑴――B県の緊急措置費用とE社等5 設問3⑵――D市に対する事務管理費用償還6 設問4――家庭系ごみ有料化の考え方と効果第4 模範解答(選択科目1問、30文字×92行以内)第5 参考答案・答案構成との照合第6 解説――条文の入口と結論の幅1 設問1:調べる段階では18条と19条2 設問2:施設、処理行為、処分業を分ける3 設問3⑴:E社等への負担は自動ではない4 設問3⑵:D市の区域外でも委託元の責任は残る5 設問4:家庭系と事業系の比較第7 出典・参考答案・確認範囲1 一次資料2 公開参考答案・答案構成3 記事の形式に関する参考第8 同年度の模範解答と一覧
第1 この記事の対象と確認状態

この記事は、令和8年度司法試験論文式試験の選択科目「環境法」第1問(配点50点)を対象とする。評価項目、重み、解説及び模範解答は、問題文、法令、判例から独自に作成した予想であり、法務省の採点基準・配点ではない。 作成時点の令和8年9月30日には、本問の「出題の趣旨」と「採点実感」は公表されておらず、本記事はそれらを読んでいない。公表後の照合は未実施である。

問題文:https://www.moj.go.jp/content/001466993.pdf (環境法第1問、冊子32~33頁)

本問は、一般廃棄物と産業廃棄物を共に受け入れるA社の最終処分場について、①行政による調査、②A社への是正措置、③A社破産後の緊急措置費用の負担、④家庭系ごみの有料化を問う。B県知事、C市長、委託元D市、排出事業者となり得るE社等の主体ごとに権限・責任を分けることが、答案全体の軸である。

以下の条文確認には、令和8年1月1日時点で施行されていた廃掃法の版を用いた。本記事で使う主要条文は、令和8年7月1日施行版とも条文本文を照合した。なお、環境法第1問の問題文自体には、法令の基準日を令和8年1月1日とする個別の指示はない。

第2 予想評価項目の読み方

各行は、答案に何が書かれていれば確認できるかを示す。重みは本記事独自の5段階であり、足し算して得点に換算するものではない。

5:設問の結論を左右する条文連鎖又は判例の中核。4:主要な要件と具体的事実を結び付ける事項。3:答案の説得力を支える法令上の区別や事実評価。2:補強又は典型的な誤りの回避。1:設問の射程を超えないための注意。

一つの項目を欠いた場合の実際の減点幅も、同じことを別の表現で書いた場合の扱いも、現時点では不明である。以下は自己点検用の予想である。

第3 本記事が独自に予想した評価項目(47項目)
1 全問に共通する前提
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠1A社の施設が一般廃棄物・産業廃棄物の双方を扱い、施設・処理業・処理行為の規制を区別する5問題文32頁、廃掃法8条以下・15条以下・19条以下2D市が委託した物は一般廃棄物だが、E社等の「事業活動に伴って生じた廃棄物」は種類を確かめるまで産業廃棄物と断定しない5問題文32頁、廃掃法2条2・4項3設問2のA社への命令、設問3の行政による直接措置と費用負担を、時点と相手方で分ける4問題文32頁、廃掃法19条の3~84河川の環境基準と、廃掃法の施設基準・処理基準を同一視しない4問題文32頁、環境基本法16条
2 設問1――報告徴収・立入検査
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠5B県知事とC市長の双方について、廃掃法18条1項の報告徴収を挙げる5「状況を知る」、廃掃法18条1項6A社の搬入量・種類・時期・区画・残余容量・浸出水処理、帳簿や契約を照合する目的を示す3許可容量超過の通報、同条の必要限度7E社等の事業者についても必要な限度で報告徴収の対象となり得ると示す2廃掃法18条1項8B県知事とC市長の双方について、19条1項の立入検査を挙げる5廃掃法19条1項9事務所・事業場・処分場、帳簿・埋立地・遮水・排水設備の検査と、試験に必要な廃棄物の無償収去を具体化する3廃掃法19条1項10権限行使の必要限度、職員の証票携帯・提示、犯罪捜査との区別を示す2廃掃法18条1項、19条3・4項
3 設問2――A社に対する複数の措置
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠11人の健康保護に係る環境基準の超過だけで、廃掃法上の特定の違反を直ちに確定しない4河川・地下水の検出値、環境基本法16条12浸出水と汚染の因果関係、地下水汚染、生活・農業用水利用から生活環境保全上の支障又はそのおそれを具体的に認定する5問題文32頁13一般廃棄物処理施設につき、B県知事の9条の2第1項1号の改善・使用停止を検討する4許可容量超過、施設計画・技術基準14産業廃棄物処理施設につき、B県知事の15条の2の7第1号の改善・使用停止を検討する4同上15遮水、浸出水の集排水・処理、埋立て管理を、命令の具体的内容として示す3汚染原因と施設規制の接続16施設許可取消し(9条の2の2、15条の3)は法定要件の検討を要し、取消しだけで汚染が消えないと示す2施設規制の効果17処理基準違反が確認できるとき、一般廃棄物についてC市長の19条の3第1号、産業廃棄物についてB県知事の同条2号を挙げる5改善命令の主体別区別1819条の3の改善命令と、支障又はそのおそれを要する19条の4・5の措置命令とを区別する5条文の要件・効果19一般廃棄物の不適正処分についてC市長の19条の4第1項を検討する4一般廃棄物処理基準違反、支障20産業廃棄物の不適正処分についてB県知事の19条の5第1項を検討する4産業廃棄物処理基準違反、支障21容量超過のみで処理基準違反と断定せず、当該廃棄物・行為・基準との対応を示す4各命令の適用前提22処分業許可に対するC市長の7条の3・7条の4、B県知事の14条の3・14条の3の2を、要件に応じて検討する2処分業と施設許可の別23使用停止、改善、支障除去の効果と必要な範囲を区別し、複数の選択肢を組み合わせて結論づける3設問の「複数の選択肢」
4 設問3⑴――B県の緊急措置費用とE社等
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠24B県の直接措置の入口を19条の8第1項4号とし、先行命令を出すいとまのない緊急性を示す5A社破産後の流入増加25産業廃棄物処理基準違反による支障又はそのおそれという19条の5第1項側の前提を確認する419条の8第1項柱書26E社等への費用負担の直接根拠を19条の8第4項とし、19条の6第1項各号の双方を要求する519条の8第4項27A社破産は資力不足を強く示すが、財産・保険等も見て「処分者等のみでは十分でない」と判断する419条の6第1項1号28E社等が当該産業廃棄物の「排出事業者等」かを確かめ、事業系一般廃棄物を除く5廃掃法2条4項、19条の6第1項29半値以下の料金を適正な対価の不足の有力な事情としつつ、合理的な低価格の説明や認識可能性を検討する519条の6第1項2号、環境省資料30緊急措置後の19条の8第4項による費用負担に、19条の6の先行措置命令を当然の要件としない419条の8第1項4号・4項31各社の廃棄物の性状・数量・処分方法等から相当な額を定め、全費用の均等割りや単純な「処分料の差額」としない419条の8第4項後段
5 設問3⑵――D市に対する事務管理費用償還
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠32C市自身の緊急措置は、一般廃棄物について19条の7第1項4号を入口として位置付ける3問題文32頁33D市の「区域外での具体的な措置義務規定がない」という反論を正面から扱い、民法697条1項・702条1項の事務管理に接続する5設問3⑵の指定34廃掃法1条、4条1項、6条、6条の2第1・2項から、委託元市町村の一般廃棄物適正処理責任を導く5最判令和7年7月14日35委託先・処分場が市外でも、その処理責任は消えないと論じる5同判決、D市の主張36施行令4条9号イの立地市町村への事前通知、特に所在地・面積・残余埋立容量を使う4問題冊子33頁の資料37同号ロ・施行規則1条の8の1年以上の継続委託に対する年1回以上の実地確認を、数年来の委託に当てはめる4問題冊子33頁の資料38C市の措置がC市自身の事務でも、同時にD市の事務管理となり得ることを示す5最判令和7年7月14日39判決が認めたのは事務管理の成立可能性であり、搬入量比例の請求額全額を確定したわけではないとする4同判決は費用額等の審理のため差戻し
6 設問4――家庭系ごみ有料化の考え方と効果
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠40事業系一般廃棄物も一般廃棄物であり、市町村の一般廃棄物処理計画・処理責任との関係を示す4廃掃法2条・6条・6条の241事業者の3条1項の自己責任と、産業廃棄物を対象とする11条1項を取り違えない4比較対象は「事業系一般廃棄物」42家庭系ごみについて市町村が6条の2第1項の処理責任を負い、有料化後もその責任は残るとする4廃掃法6条の2第1項43排出量に応じた負担の公平、処理費用の見える化、減量の経済的誘因を説明する5有料袋の政策目的、環境省手引き44発生抑制・分別・再使用・再資源化、焼却量・最終処分量の削減を期待効果として挙げる4環境省手引き45指定袋の材料代だけでなく、処理手数料を袋の価格に含める点を「有料化」の核心として区別する3環境省手引きの定義46不法投棄、他自治体への持込み、低所得世帯等の負担を考慮し、料金・減免・分別収集と効果検証に触れる3環境省手引き47条例で手数料を設計する法形式と、設問が主として尋ねる政策目的・効果を区別する1問題文32頁、家庭系ごみ有料化の法的根拠をめぐる議論

重みの分布は、5が16項目、4が19項目、3が7項目、2が4項目、1が1項目で、合計47項目である。重み5は区分・権限・条文の入口・判例の要点などに付けた。この47項目は公式の採点項目でも47点満点の採点表でもない。 重みを掛けた合計186も試験の得点ではない。同じ論述が複数行に関係する場合があり、他科目との数字の比較から難易度や配点を推定することはできない。

第4 模範解答(選択科目1問、30文字×92行以内)

次の答案は、設問1から設問4までを一つの解答欄に書く想定である。見出しを含めて92行、各行30文字以内とした。改行は読みやすさのためのもので、評価項目のすべてを答案に独立の文章として列挙する趣旨ではない。

第1 設問1
B県知事とC市長は、廃掃法18条1項により、A社に対し、法の
施行に必要な限度で、搬入された一般・産業廃棄物の種類、量、埋
立ての時期・場所、残余容量、施設の構造・維持管理、浸出水の処

(続きを読む...)令和8年度司法試験環境法第1問の模範解答と予想される評価項目――廃棄物処理法、事務管理、ごみ処理有料化をめぐる47項目(AI作成)

令和8年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文・判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 対象と結論第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方第3 問題文の骨格第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1――職務発明と特許権移転請求3 設問2――文言侵害、均等、サポート要件、各請求第5 模範解答1 答案の前提2 答案3 答案の読み方第6 公開された参考答案・再現答案との照合第7 関連記事第8 出典と確認状態第1 対象と結論

この記事は、令和8年司法試験論文式試験問題・知的財産法第1問(問題冊子20~21頁)のうち、特許法の第1問だけを対象とする。令和8年9月30日時点で、同年度の出題の趣旨と採点実感は公表されていない。以下の評価項目、重み、解説、答案は、問題文、法令、裁判例と公開再現答案を照合して独自に作成した予想であり、法務省の採点基準・配点を示すものではない。

設問1の結論は、X2社が特許法74条1項に基づく特許権の移転登録を請求することは考えられるが、提示された事実だけでは認められない、というものである。職務発明規程は通知時の承継を定め、発明時の原始帰属を定めていないため、ZからX2社への先行譲渡は有効である。しかし、同じ権利についてX1社が先に出願しており、X2社は先行譲渡を対抗できない。X1社を背信的悪意者とする具体的事実もない。

設問2の結論は、Y製品の製造販売の停止、廃棄、損害賠償はいずれも認められない、というものである。分子量599は「600以上」に文言上含まれない。均等論では境界の非本質性を肯定する余地があるが、任意の整数値600で下限を明示した外形から、第5要件の意識的除外等を認めるのが有力である。さらに、明細書の実験結果だけで請求項の下限付近を支えられるかというサポート要件上の問題がある。ただし、第5要件とサポート要件の個別の結論は、出題の趣旨が未公表の段階では本記事の推論である。

第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方

評価項目の重みは、令和8年度司法試験・主要7科目の模範解答と予想評価項目で用いた5段階の判断基準に沿って、本問の具体的事実から独立に判定した。重み5は設問が明示的に問う答案の核心、4は問題文の手掛かりや近接裁判例の中核、3は具体的事実から導く重要な理由付け、2は補足又は典型的な誤りとの区別、1は限定的な指示遵守を示す。数字は配点ではなく、本記事が予想する相対的重要度である。主要7科目の一覧は選択科目を含まないため、その件数や各段階の割合に本問を機械的に合わせていない。同じ結論に至っても、反対説を正確に示して事実に即して評価した答案は、十分に評価され得る。

設問1と設問2は独立している。設問1でX2社の移転請求を否定したことを、設問2でX1社の権利帰属を省略する理由と取り違えない。また、設問1では無効審判請求、設問2では損害額の検討が不要とされている。

第3 問題文の骨格時点・事実意味ZがX1社の指示による研究で発明を完成職務発明。発生時の特許を受ける権利の帰属が問題となる。X1社の規程は「承継すると決定し、通知した時点で承継」特許法35条3項の発生時帰属と、通知による事後承継を区別する。通知前にZがX2社へ譲渡し、その後X1社が承継通知同一の特許を受ける権利の二重譲渡・対抗関係が生じる。X1社が先に出願し、X2社の同一請求項の後願が拒絶特許法34条1項と39条1項の役割を区別する。請求項は樹脂A~Dの少なくとも1種と吸収剤の分子量600以上Y製品のA・Cは樹脂要件を満たすが、599が数値要件を満たすか問題となる。明細書には558の失敗と656の成功だけが記載され、600は任意均等論の本質的部分・意識的除外、サポート要件の検討材料となる。登録は令和5年8月25日、公報発行は11月10日、Y社は10月23日以降に製造販売差止め、廃棄、損害賠償及び過失推定の時期を区別する。第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)1 共通の前提№評価項目重み問題文の手掛かり・根拠1二つの設問を独立の法律関係として扱う421頁の独立指示2発明、譲渡、通知、二つの出願、登録、実施、公報発行の順序を取り違えない220~21頁の時系列3設問1の無効審判請求と設問2の損害額を論じない1各設問の末尾4請求の根拠、相手方の反論、再反論、各請求の結論を対応させる2各設問の文言2 設問1――職務発明と特許権移転請求№評価項目重み問題文の手掛かり・根拠5X1社の業務範囲とZの現在の職務から職務発明と評価する420頁・特許法35条1項6発明完成時にZに特許を受ける権利が生じることを出発点とする420頁・29条1項、33条1項7X1社の法定通常実施権を、権利そのものの帰属と区別する235条1項835条3項の「発生した時から使用者に帰属」の要件を示す420頁の職務発明規程9本件の「通知した時点で承継」は事後承継であり、発明完成時に遡る原始帰属ではないと論じる520頁の規程の文言・特許庁資料10通知前にZが有した権利のX2社への譲渡を有効と評価する320頁の譲渡時期・33条1項11一方的な規程策定・事前関与の欠如と、相当の利益の合理性を、権利帰属と分けて論じる420頁の「事前関与はなかった」・35条4~7項12X2社への先行譲渡とX1社への後行承継を二重譲渡と把握する520頁の譲渡・通知の順序13出願前の承継は承継人の特許出願がなければ第三者に対抗できないと示す534条1項14X1社の出願が先である事実を対抗関係に当てはめる320頁の二つの出願15後願が拒絶された39条1項の結果を、34条1項の対抗要件と混同しない220頁の後願拒絶16先願者が背信的悪意者なら出願の先後だけで保護されない可能性を検討する4知財高判平成22年2月24日17X1社が先行譲渡を知っていた事実や不当取得の事実がないことを評価する320頁の事実全体18真の権利者による74条1項の移転登録請求と、登録後の2項の効果を示す520頁・74条1・2項19X2社の請求を否定しつつ、背信性が立証された場合は結論が変わり得ることを示す320~21頁・34条1項、74条3 設問2――文言侵害、均等、サポート要件、各請求№評価項目重み問題文の手掛かり・根拠20設定登録日から特許権が生じ、Y社の製造販売が業としての実施に当たると示す320頁・66条1項、68条、2条3項1号21停止を100条1項、廃棄を同条2項、賠償を民法709条に位置付ける421頁の請求内容22樹脂A及びCが「少なくとも1種」を満たすと読む320頁の請求項とY製品23分子量599は600以上に含まれず、文言侵害を否定する520頁・70条1・2項24作用効果の同一性や近接値を理由に、600という下限を丸めたり「程度」と読んだりしない2知財高判令和7年3月4日25ボールスプライン事件最判の均等5要件を正確に示す5最判平成10年2月24日26600の任意性、558の失敗・656の成功、599の同効を第1要件の本質的部分に当てはめる520頁・知財高判令和7年3月4日27599への置換後も本件発明と同じ作用効果を生む事実を第2要件に当てはめる320頁のX1社の分析28対象製品の製造等の時点において599への置換が容易かを第3要件として検討する2均等論第3要件29599の構成が出願時の公知技術等に当たるとの事実は示されていないと指摘する2均等論第4要件30任意に整数の下限600を選んだ外形と、599を含む記載が可能だった点を第5要件に当てはめる520頁・知財高判令和7年3月4日31「思い付いた別構成を単に書かなかった」だけでは除外といえない平成29年最判と本件を区別する4最判平成29年3月24日32出願時の明細書と技術常識から請求項の範囲で課題解決を認識できるかを検討する5558・656のみの実験・36条6項1号33サポート要件違反の判断を無効審判の結論と混同せず、104条の3第1項の抗弁と結び付ける436条6項1号、123条1項4号、104条の334下限を599にする訂正は権利範囲拡張、上げればY製品を捕捉できないと整理する2126条6項・訂正の効果35公報発行前でも登録後の実施には103条の過失推定が及び得ると示す3登録8月25日、実施10月23日、公報11月10日36文言・均等・無効の抗弁を踏まえ、差止め、廃棄、賠償のそれぞれについて結論を示す521頁の三つの請求37設問の指示どおり損害額の算定には進まない121頁の末尾

重み5が10項目、4が9項目、3が8項目、2が8項目、1が2項目で、重みの合計は128である。これは本記事の整理用の数字であり、50点満点の配点に換算したものではない。重み5には、①35条3項と通知時承継の区別、②34条1項と74条の接続、③599と600の文言解釈、④均等第1・第5要件、⑤サポート要件、⑥三つの請求の帰結を置いた。条文の提示と個別事実への当てはめ、補足的な誤読防止はそれぞれの役割に応じて4以下に区別した。

第5 模範解答1 答案の前提

以下は設問1・2を合わせて1問分、1行最大30文字・全92行に収めた答案である。見出し・空白を含む本文は2,645字で、選択科目の上限(4頁、1頁23行、1行30字)内に収まる。改行は答案入力時の行数を想定したものである。法令は令和8年の試験時点、裁判例はそれまでに言い渡されたものを前提とする。

2 答案第1 設問1
1 X2社は、特許法74条1項に基づき、X1社に本件特許権
の移転登録を求める。同条は、特許を受ける権利を有する者が、
無権利者への特許を取り戻す制度である。移転登録がされれば、
権利は設定登録日に遡り請求者に帰属したものとみなされる(同
条2項)。X2社がX1社に優先する権利者かが問題となる。
2 本件発明は、樹脂の研究開発を業とするX1社の業務範囲に
属し、社長の指示によるZの現在の職務に属する職務発明である。
発明者Zに特許を受ける権利が発生するが、使用者X1社には法
定通常実施権がある(同法29条1項、35条1項)。契約、勤務
規則等があらかじめ使用者に権利を取得させると定めれば、権利は
発生時から使用者に帰属する(同条3項)。X1社は、開示済みの
職務発明規程により原始取得した、ゆえにZからの譲渡は無効だと
反論し得る。しかし、規程は取得の可否を事後に検討し、承継の決
定をZに通知した時に承継する旨を明記する。発生時帰属を定めた
ものではない。あらかじめ使用者へ取得させる約束と、完成後に使
用者が取得を選択する約束は法的段階が違う。発明完成時の権利者
はZであり、通知前のX2社への譲渡は当事者間では有効である。
3 規程は一方的に策定されたが、勤務規則による職務発明
の予約承継は許される。Zも開示された規程を知っていた。
策定への事前関与がないだけで承継規程は無効とならず、X1社の
通知時承継も直ちには否定できない。相当の利益の定めがあれば、
協議等の欠如はその給付の合理性及び額に作用し得るが、権利帰属
と混同してはならない(同条4~7項)。本件には相当の利益を定
めた基準や支払額の記載もないから、その合理性を断定できない。
4 Zは同じ権利を先にX2社、後にX1社へ譲った。先の譲
渡だけで第三者に勝てるわけではない。出願前の権利承継は、
承継人が特許出願をしなければ第三者に対抗できない(同法34
条1項)。X1社は後の譲受人としてX2社と対抗関係に立つ。
先に出願したのはX1社であり、X2社の後願は拒絶された。

(続きを読む...)令和8年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文・判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験労働法第2問の模範解答と予想される評価項目―賞与不支給、団交拒否、組合ニュースの回収・掲示板停止を検討した33項目(AI作成)

目次第1 対象と結論第2 評価項目の示し方第3 本問の概要第4 予想される評価項目1 設問1――民事上の賞与請求2 設問2――賞与交渉と不支給3 設問2――レターケース・掲示板・懲戒予告第5 模範解答答案の解説と結論の幅第6 公開「参考答案」の調査と参照範囲第7 出典と確認状態第8 令和8年度のほかの模範解答
第1 対象と結論

本記事は、法務省の令和8年度司法試験論文式問題に掲載された労働法第2問(問題冊子PDFの27~29頁)について、問題文、法令、判例及び労働委員会命令から、答案と評価項目を独自に予想したものである。法務省の出題の趣旨・採点実感、公式配点又は公式模範解答ではない。令和8年9月30日現在、それらの公表を確認しておらず、参照していない。

設問1では、Z組合の妥結通告だけでは労働協約の方式を満たさず、組合員の「基礎額×3.5か月」の確定的な賞与請求権は生じないと考える。設問2では、賞与交渉を計画的残業制度の承諾に従属させた団交拒否及び組合員への賞与不支給は不当労働行為となる。他方、レターケースの使用については、組合員宛ての従前の黙認と、非組合員を含む全員への新たな配布とを分ける。実際に満杯のケースから取り出すことと、全件回収・別の掲示板の全面停止・懲戒予告の相当性も別々に判断する。

第2 評価項目の示し方

以下の重みは本記事独自の予想である。5は設問が求める結論・救済への経路を成す判断、4は問題文が示唆する主要な条文・判例・反対事情、3は具体的事実から導かれる重要な理由付け、2は補強又は典型的な誤りを避ける区別、1は設問の射程を守る整理を表す。数字は配点ではない。「手掛かり」は問題冊子の頁・条項を示す。

第3 本問の概要

Y社は従業員約300人、Z組合は約180人で、本社・工場に分会を持つ。賞与は毎年団交後の協定書調印を経て支給されていた。会社は夏季賞与を基礎額×3.5か月と回答しつつ、計画的残業制度の了承まで賞与交渉をしないと通告した。組合は所定手続を経て賞与部分だけを承諾したが、会社は組合員に支給せず、個別に同意を得た非組合員には同率で支給した。さらに、組合が全従業員のレターケースに組合ニュースを入れたところ、会社は全部を回収し、組合掲示板を1か月停止し、再度の投函があればXの懲戒と掲示板許可取消しをすると告げた。

第4 予想される評価項目
1 設問1――民事上の賞与請求

番号
評価項目
重み
問題文の手掛かり
条文・判例

1
請求主体をXら個々の労働者、請求先をY社と特定する
2
設問1
労働契約

2
就業規則50条1~3項から、支給の原則と額の未確定性を区別する

(続きを読む...)令和8年度司法試験労働法第2問の模範解答と予想される評価項目―賞与不支給、団交拒否、組合ニュースの回収・掲示板停止を検討した33項目(AI作成)

令和8年度司法試験倒産法第1問の模範解答と予想される評価項目―相殺・偏頗弁済否認・未払給与の代位(AI作成)

作成日:令和8年9月30日

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目と重みの示し方
第3 問題の概要と答案の結論
第4 予想される評価項目
第5 模範解答
第6 争点の解説と参考答案の検討
第7 関連記事
第8 出典と確認状態

第1 この記事の対象と結論

この記事は、法務省掲載の令和8年度司法試験問題のうち、選択科目「倒産法」第1問(問題冊子2~3頁、配点50点)を対象とする。問題文の指示どおり、令和8年1月1日現在施行の法令で検討した。以下の評価項目、重み、答案及び解説は当ブログ独自の予想であり、法務省の出題の趣旨、採点実感、採点基準又は配点ではない。作成時点で対象年度の出題の趣旨及び採点実感は公表されておらず、参照していない。

結論は、設問1では破産管財人Xは本件定期預金1の1000万円を請求できないが、本件定期預金2の800万円を請求できる、設問2ではC社への150万円全額の弁済を否認できる、設問3ではDが代位取得した従業員の給与債権200万円を財団債権として破産管財人Xに随時請求する、というものである。設問1の定期預金2は、近時の裁判例との関係で異論があり得るため、第6で反対説を説明する。

第2 評価項目と重みの示し方

評価項目は、問題文の設問指示と配置事実、適用条文、関連裁判例から、一項目一判断を原則として抽出した。重みは5を答案の骨格、4を主要な反論・適用、3を中心的な事実評価、2を補強、1を形式・限定事項とする。これは相対的な重要度の目安であって、点数に換算できない。異なる筋でも、条文要件と事実を対応させ、相手方の反論を処理して救済まで示す答案は評価され得る。

令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と予想される評価項目と同様に、重み5の件数・割合を他科目に合わせず、設問への応答又は結論に対する各項目の役割から判断した。倒産法は選択科目であり、同記事の7科目・330項目の集計には含まれない。

第3 問題の概要と答案の結論

A社は印刷業を営み、仕入先への支払が令和4年以降滞り、B銀行の2億円の貸金につき令和6年11月20日に期限の利益を失った。B銀行は同年12月10日、請求と従来の定期預金1000万円との相殺を当面控える条件として、印刷代金の同行当座預金口座への振込指定と、入金額の半分を定期預金に振り替えることをA社と合意した。開始時には従来の定期預金1が1000万円、合意後の定期預金2が800万円存在した。

C社は令和7年2月16日、A社に紙の仕入資金100万円を貸した。A社は3月5日、取引先から現金で回収した印刷代金150万円を用い、C社の旧貸付50万円と新貸付100万円を返した。C社はA社の支払能力の欠如を知っていた。DはA社の依頼を受け、同年6月3日、退職した従業員らの4月・5月分未払給与200万円を立て替えた。A社は6月10日に破産を申し立て、同月18日に開始決定を受けた。3設問は独立に検討する。

第4 予想される評価項目
1 設問1:B銀行の相殺と二つの定期預金

番号予想評価項目重み問題文の手掛かり・根拠
1Xの預金払戻請求に対するB銀行の相殺の抗弁から始める。4設問1・破産法67条1項
2自働債権が開始前の2億円の貸金債権、受働債権が各預金払戻請求権であると分ける。3問題冊子2~3頁
3期限の利益喪失と合意の「当面」の猶予を区別し、払戻請求時の満期も踏まえる。4令和6年11月20日・12月10日、設問の仮定
4定期預金1は危機時期前からある1000万円であり、後発債務負担による相殺制限の対象でないと論じる。4令和4年より前の預入れ・破産法71条1項2号
5B銀行が相殺を確定的に放棄したとの読みと、「当面控える」にとどまる読みを区別する。2本件合意の文言

(続きを読む...)令和8年度司法試験倒産法第1問の模範解答と予想される評価項目―相殺・偏頗弁済否認・未払給与の代位(AI作成)

令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第1問の模範解答と予想される評価項目――公海上の船舶衝突、保険者への直接請求、船荷証券の管轄条項、外国判決の手続的公序(AI作成)

第1 対象と結論

本記事は、法務省が公表した令和8年司法試験の選択科目の問題のうち、国際関係法(私法系)第1問(問題冊子42・43頁、配点50点)を対象とする。令和8年10月1日現在、同年度の出題の趣旨と採点実感は確認できない。以下の評価項目、重み及び答案は、問題文、法令、裁判例と公開された再現答案を照合して作成した独自の予想であり、法務省の採点基準・配点ではない。参考答案の照合を経た稿であり、問題文だけから作成した未読復元答案とは区別する。

本記事の主案は、①AのBに対する訴えにつき日本の国際裁判管轄を認める、②その損害賠償請求には甲国法と丙国法を累積適用する、③AのCに対する直接請求の存否も同じ法によって判断し、両法が直接請求を認めないため請求を棄却する、④Eの訴えについてAが甲国を選択した結果、日本の訴えを却下する、⑤丙国判決につきAの民訴法118条3号の主張を退ける、というものである。特に③と⑤は解釈及び事実評価の争いがあり、理由を示した別解を一律に誤答と扱う趣旨ではない。

第2 評価項目の作り方と重み

問題文で明示的に問われた法律関係ごとに、条文の選択、連結点、反対説の根拠、事実の評価及び結論を分けた。重み5は設問が検討を求め、欠くと主たる法的経路や結論が崩れる事項、4は問題文の事実が示唆する重要論点又は近接判例の中核命題、3は具体的事実から導く中心的な理由付け、2は補強又は典型的な誤りの回避、1は除外指示等の遵守に用いる。重みの数値を足して実際の点数を推定することはできない。別解を採る場合も、立場の違いだけでなく根拠と帰結が一貫しているかを重視する。

1 設問1・小問1(1)――日本の国際裁判管轄

番号

予想される評価項目

重み

問題文の手掛かり・根拠

(続きを読む...)令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第1問の模範解答と予想される評価項目――公海上の船舶衝突、保険者への直接請求、船荷証券の管轄条項、外国判決の手続的公序(AI作成)

令和8年度司法試験租税法第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に予想した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と確認状態
第2 評価項目と重み付けの考え方
第3 本問の概要
第4 本記事が予想した評価項目

1 共通の前提
2 設問1―国庫補助金と圧縮記帳
3 設問2―ソフトウェア業の所得区分
4 設問3―著作権の低額譲渡
5 設問4―外注費と内縁の相手への賃料
6 重みの分布

第5 模範解答

1 答案の条件
2 答案
3 判断が分かれ得る箇所

第6 公開参考答案の調査結果
第7 判例秘書での裁判例照合
第8 出典
第9 令和8年度の模範解答とハブ記事

第1 この記事の対象と確認状態

本記事は,法務省が公表した令和8年司法試験の選択科目・租税法第1問を対象とする。
模範解答,評価項目,重み付け及び解説は,問題文,法令及び裁判例を基に本記事が独自に作成した予想である。

(続きを読む...)令和8年度司法試験租税法第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に予想した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験労働法第1問の模範解答と予想される評価項目―出向先の途中交替・育児中の単身赴任・解雇を検討した34項目(AI作成)

目次

この記事の対象と結論
評価項目と5段階の重み
事案と判断順序
予想される評価項目
模範解答
参考答案との照合と答案の読み方
関連記事・出典・確認状態

第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省が掲載した令和8年司法試験の選択科目問題のうち、労働法第1問(問題冊子24~26頁、配点50)を対象とする。設問1はX3へのA社出向命令、設問2はX1のC社出向命令を拒否したことによる解雇の効力を問う。

本記事の模範解答は、X3にはA社への出向命令に従う義務があり、X1へのC社出向命令は権利濫用で無効、これに従わないことを理由とする解雇も無効とする。いずれも問題文、条文及び判例からの独自の結論である。反対結論も、必要性、人選、具体的な不利益及び解雇の相当性を事実に即して評価すれば論述可能である。

以下の評価項目、5段階の重み及び答案は法務省の採点基準・配点ではない。現時点で令和8年度労働法の出題の趣旨と採点実感は参照していない。公表前の独立した予想として読む必要がある。今回、先に作成した未読復元答案を保存したまま、公開の参考解答も照合した。

第2 評価項目と5段階の重み

評価項目は、設問が問う法律効果、問題文が詳しく与えた事実、労働契約法14条・16条、育児介護休業法26条及び最高裁平成15年4月18日判決から抽出した。本記事が「書けているか」を確認するための項目であり、各項目の重複評価や機械的な加点を予定しない。

重み
本記事での意味

5
設問の結論に直結する法的判断と中心的な当てはめ

4
条文・判例の重要命題又は結論を左右する反対事情

(続きを読む...)令和8年度司法試験労働法第1問の模範解答と予想される評価項目―出向先の途中交替・育児中の単身赴任・解雇を検討した34項目(AI作成)

令和8年度司法試験倒産法第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した38項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 対象と結論の見取り図第2 評価項目を予想する方法と参考答案の照合第3 問題の骨格第4 予想される評価項目第5 模範解答第6 答案の読み方と許容される分岐第7 関連記事第8 出典と確認状態
第1 対象と結論の見取り図

作成日:令和8年9月30日。 令和8年司法試験の出題の趣旨・採点実感が公表される前に、法務省の問題、令和8年1月1日現在の法令、最高裁判決及び公開された同一問題の答案構成を照合して作成した記事である。以下の「評価項目」と「重み」は筆者の予想であり、法務省の採点基準、配点又は合格答案の保証ではない。

本記事は、令和8年度司法試験の選択科目・倒産法第2問(民事再生法)だけを扱う。
設問1では、使用を終えた不動産を売るためにも担保権消滅許可を使えるか、許可を認めるとして担保価値をいくらとみるかが中心となる。
設問2では、再生計画による既存株式の取得・消却・減資と、スポンサーへの新株発行を行為ごとに分け、株主総会を経ない特則の要件を示す。
設問3では、解除による前払金返還請求権が本来は共益債権であることと、再生債権として届け出て計画が進んだ後に手続外で行使できるかを分ける。

結論は、設問1の許可には具体的な事業継続上の不可欠性の認定を要し、売価1億円が当然に担保価値とはならないこと、設問2の旧株主の排除とC社への出資を法定手続で実現し得るが募集株式が譲渡制限株式かは問題文から確定しないこと、設問3のE社による200万円全額の計画外請求は最高裁平成25年11月21日判決の射程で許されず、計画上の5%である10万円にとどまること、である。

第2 評価項目を予想する方法と参考答案の照合
1 評価項目と重みの意味

問題文の設問・配置事実を条文の要件と効果へ結び、設問3については対応する最高裁判決の事案・理由・射程を確認した。
重みは次の5段階で、答案上の優先順位を示すために付けた。
重みの合計を実際の得点と扱うことはできない。

重み
本記事での意味

5
設問の結論を左右する中心的な条文、判例又は対立事実

4
中心的な手続・効果、強い反論又は条件分岐

3
個別事実の評価、金額・時点の処理

2
補足的な手続・正確性を示す事項

(続きを読む...)令和8年度司法試験倒産法第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した38項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験経済法第1問の模範解答と予想される評価項目――推奨価格・3%リベート・販売代理店変更の30項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目と重み付けの方法第3 問題の構造第4 予想される30の評価項目第5 模範解答第6 公開参考答案との照合と結論の許容幅第7 関連記事第8 出典と確認状況

第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省公表の令和8年司法試験経済法第1問(問題冊子14~15頁)を対象に、独占禁止法上の論点と予想される評価項目を整理し、1行30字以内・92行の答案を示す。評価項目、重み、答案はいずれも本記事独自の予想であり、法務省の採点基準又は配点を示すものではない。令和8年の出題の趣旨・採点実感は、本記事の作成時点では公表されておらず、参照していない。

設例1では、推奨価格を下回る販売代理店に3%のリベートを支払わない方針が通知され、現に多くの代理店が値下げをやめた。独占禁止法2条9項4号イの再販売価格拘束に当たり、正当な理由も認め難く、19条違反と考える。設例2では、他店の登録顧客を獲得する場合だけ署名捺印した変更理由書、A社の確認待ち、書面不提出時のリベート不支給を課す。この一体の仕組みは、顧客切替えを妨げるおそれが強く、同法2条9項6号ニ・一般指定12項の拘束条件付取引として19条違反の可能性が高い。ただし、設例2は実際の価格上昇や変更拒否が与件にないため、価格競争を促す側面を十分に評価して適法とする結論にも議論の余地がある。

第2 評価項目と重み付けの方法

問題文の事実、独占禁止法、公取委「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」、平成17年度相談事例「メーカーによる流通業者に対する販売先制限」を対応させた。公開の令和8年経済法第1問の再現答案も全文を確認し、特に設例2の反対結論を検討した。参考答案は答案の比較対象であり、法源又は公式の採点資料ではない。

重み5は、設例への応答で欠くと主たる法的経路が崩れる条文選択又は事実評価の骨格、4は問題文や関連資料が示唆する重要な分析、3は具体的事実から導く主要な理由付け、2は補強や典型的な誤りとの区別、1は記載上の注意を意味する。数値は学習上の優先順位であり、法務省の配点ではない。評価項目は、結論の一致よりも、要件と問題文の事実を結ぶ過程を対象とする。主要7科目のハブ記事と同様、重み5の件数や割合を他科目に機械的に合わせない。経済法は主要7科目の集計対象には含まれない。

第3 問題の構造

A社だけが電子機器甲を製造する。他社の甲型ソフトは機能・効用が類似し、周辺機器込みでも安価なため、新規客の大多数が選ぶ。一方、甲の既存客は操作習得とデータ移行の負担から甲型ソフトへ移りにくく、甲の需要は買換えが中心である。甲と甲型ソフトを併せた市場におけるA社のシェアは25%だが、この数字だけで既存客の代理店選択における競争の重要性は測れない。

甲の代理店は顧客を登録し、カスタマイズ・指導・保守に加え、買換え時にはもともと甲を販売した代理店がデータ移行を行う。そこで安値による顧客奪取を嫌う代理店がA社に制約を求めた。ただし、代理店同士の合意は問題文にない。検討すべき主体はA社であり、二つの設例は独立している。問題文の設例1は14頁、設例2は15頁にある。

第4 予想される30の評価項目
1 共通の前提

番号
評価項目
重み
問題文・根拠

1
設例1と2を独立に検討し、対象をA社の行為とする
4
14頁末、15頁設問

2

(続きを読む...)令和8年度司法試験経済法第1問の模範解答と予想される評価項目――推奨価格・3%リベート・販売代理店変更の30項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第2問の模範解答と予想される評価項目――離婚の方式、嫡出否認、国際扶養(AI作成)

令和8年9月30日作成。

この記事の模範解答、評価項目、重みは、法務省の問題冊子と法令・資料を基に作成した独自の予想であり、法務省の答案、採点基準、配点ではない。令和8年度の本問について、出題の趣旨及び採点実感は作成時点で公表されていない。公開されている受験者の再現答案も参照したが、問題文・法令と照合して採否を決めた。

目次第1 対象、結論及び答案の前提第2 予想評価項目の作り方第3 事案の概要第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)1 設問1――離婚の準拠法と方式2 設問2――嫡出推定と嫡出否認3 設問3――Eに対する扶養義務4 答案全体第5 模範解答第6 争点と参考答案の検討1 設問1――転居予定と離婚届の方式2 設問2――血縁と法律上の父3 設問3――「未成年」をどう判定するか第7 資料と確認範囲1 問題・法令・裁判例2 公開参考答案の調査3 確認状態
第1 対象、結論及び答案の前提

本記事は、令和8年度司法試験の選択科目「国際関係法(私法系)」第2問(配点50点、問題冊子の印字頁44~45頁)を扱う。公法系科目の問題でも、同じ選択科目の第1問でもない。問題は法務省の掲載ページから確認できる。

本記事の結論は、設問1の離婚届は受理されるべきであり、設問2ではDはABの嫡出子と推定される一方、Bによる嫡出否認の訴えは甲国法の90日の期間を過ぎていて不適法であり、設問3ではBのEに対する扶養義務が認められる、というものである。設問3は「未成年」の性質決定に異論があり、義務に至る準拠法の経路は一つに確定できない。

各設問は独立しており、問題文の指示どおり反致と国際裁判管轄権は検討しない。法務省の令和8年司法試験Q&AのQ29・30によれば、出題に係る法令の基準時は原則として令和8年1月1日である。したがって、同年4月1日施行の民法改正による新規定をこの答案へ持ち込まない。例えば、親の扶養責務に関する民法817条の12は答案の根拠としない。

第2 予想評価項目の作り方

設問の問い、明示された国籍・常居所・時点、架空甲国法P~U条、対応する日本の抵触規則・実質法から、一行につき一つの確認事項を抽出した。重みは学習上の優先度であり、50点の内訳や実際の採点表ではない。 重み5は、設問への応答又は主たる準拠法の経路を欠かせない判断、4は問題文の事実が示唆する中心的な命題、3は具体的事実から導く重要な理由付け、2は補強や典型的な誤りの回避、1は検討範囲の指示の遵守に置いた。参考答案との一致そのものを重みの根拠にはしていない。

この区分は、令和8年度司法試験・主要7科目の模範解答ハブ記事が示す5段階の重み付けと判断の方向をそろえたものである。本問では、独立した3設問の主たる法的経路を細かく分けた結果、37項目のうち重み5は21項目となった。主要7科目の記事は選択科目を集計対象としておらず、他科目の重み5の割合に合わせて本問の項目を増減させていない。

第3 事案の概要

A男は甲国籍、B女は甲国・日本の重国籍で、共に出生以来甲国に常居所を有していた。設問1では、婚姻から3年後に関係が破綻し、合意による別居判決が確定して8か月後、Bが転居先を探して日本に数日間滞在中に、日本法による協議離婚届を提出した。甲国法は、事実上の2年の別居に基づく裁判離婚とは別に、合意別居の確定判決から6か月後の合意離婚と身分登録役場への届出を定める。

設問2では、ABの裁判離婚から150日後にBがCとの子Dを出産し、Cと共に養育している。甲国法は婚姻解消後300日以内の子を旧夫の嫡出子と推定し、母又は推定上の父による嫡出否認の訴えを出生の翌日から90日以内に限る。BはDの出生から6か月後にAを相手方として調停を申し立て、調停不成立後に訴えを提起した。

設問3では、ABの子Eは甲国・日本の重国籍で、離婚後、Aが単独親権者として甲国でEを養育している。Bは甲国籍を選択して日本に常居所を移した。Eが16歳の頃、失職したAがBへEの扶養料を求める。甲国法は親の「未成年の子」に対する扶養義務と、16歳の成年年齢を定める。

第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)
1 設問1――離婚の準拠法と方式
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠1離婚の実質的成立要件と届出方式を区別する5Q条2項の二つの文、通則法27・34条2通則法27条本文が25条を準用する順序を示す4同一本国法→同一常居所地法→最密接関係地法3Bの重国籍について通則法38条1項ただし書を適用し、日本法をBの本国法とする5Bは甲国・日本の重国籍4AとBに同一本国法はないと判定する4Aは甲国法、Bは日本法5日本への転居予定と数日間の住居探しから、日本への常居所移転を認めない5設問1の滞在目的・期間6日本の常居所を欠くため27条ただし書を適用しない5「日本に常居所を有する日本人」7夫婦の同一常居所地法として甲国法を選ぶ5両者が甲国に継続居住8P条1項の事実上の別居2年とP条2項の合意別居判決を区別する4P条の二つの制度9確定後8か月と双方の離婚合意からQ条2項の実質要件を満たす56か月経過の要件10身分登録役場への届出を方式と性質決定し、その理由を示す5Q条2項後段、通則法34条11通則法34条2項の行為地法による方式を日本の協議離婚届に当てはめる5日本における届出、民法764・739条12問題文にない署名欠缺を仮定せず、受理の結論を示す2双方の離婚合意と届出提出の明示
2 設問2――嫡出推定と嫡出否認
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠13通則法28条1項の夫婦一方の出生時本国法による選択的成立を示す5小問1の「嫡出子と推定」14Aの甲国法と、Bの日本法を出生時の候補法として特定する5国籍、通則法38条1項ただし書15甲国R条の婚姻解消後300日以内を150日に適用する4R条、離婚から出生までの日数16日本民法772条1・2項の推定も示す4日本で有効な離婚、再婚なし17Cとの血縁認識だけでAの嫡出推定が消えないことを説明する4BCの交際・養育と法律上の父の区別18推定の及ばない子に当たる客観的な性交渉不能事情が示されないと検討する3破綻と別居だけでは足りない19嫡出否認を推定と表裏の問題として28条の適用範囲に置く5小問2の訴え20両法で成立する嫡出関係を覆すには両法の否認要件を満たすと論じる528条の成立促進の趣旨21日本法上の母の否認権、相手方、3年の期間を確認する4民法774条3項、775条1項3号、777条1項3号22甲国S条の90日を出生翌日から起算し、6か月後の申立てより前に満了したと示す5S条、時系列23調停不成立やAの放置は期間満了を回復せず、訴えを不適法と結ぶ5甲国法の否認制限、設問の結論要求24期間を単なる日本の訴訟手続とせず、否認の可否に係る要件として扱う228条の保護構造
3 設問3――Eに対する扶養義務
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠25Eの扶養をAB間の離婚後扶養、親権の準拠法と区別する5通則法43条1項、扶養法2・4条26扶養法2条の第一順位としてEの常居所地法たる甲国法を指定する5Eは甲国に常居所27甲国T条「未成年」の性質決定とU条の16歳を検討する5Eは16歳、T・U条28T・U条を一体の甲国実質法とみる構成では第一順位で請求できないと示す5甲国法上の成年29扶養法2条1項ただし書の共通本国法へ順に進む4扶養を受けられない場合の補正的連結30Eの重国籍を扶養法上の共通甲国籍として捉え、通則法38条を機械的に移さない5Bは甲国籍のみ、Eは甲国・日本籍31共通甲国法でも扶養を受けられないため2条2項の日本法へ進む5T・U条と2条2項32日本民法4条・877条1項により、16歳のEへのBの扶養義務を認める5成年18歳、直系血族間の扶養33「未成年」を独立の先決問題とする構成を示し、通則法4・38条から日本法を指定する4東京高決平成18年10月30日を紹介する文献34その構成では甲国T条の段階でBの義務を認め、適用法の違いを明記する4同判例の考え方と本問の差異35Aの監護・失職とBの負担、Eの需要を分け、具体額は未確定とする3民法879条、双方の資力資料なし36Aの監護親としての申立てとEの権利の代理行使を区別し、扶養法6条・利益相反を検討する3Aによる家庭裁判所への申立て
4 答案全体
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠37各設問を独立に扱い、反致と国際裁判管轄権を論じない1問題文冒頭の指示

37項目の内訳は、重み5が21項目、4が10項目、3が3項目、2が2項目、1が1項目である。この分布も予想にすぎない。特に設問3の番号27~34は、同じ結論でも法的経路の説明に差があるため、機械的なチェック数だけで答案を評価できない。

第5 模範解答

以下は本記事独自の模範解答である。選択科目1問の上限を意識して、見出しを含めて1行30文字以内・92行に整えた。改行は答案の表示用であり、引用元の答案ではない。

第1 設問1
問題は、離婚の実質的成立要件と方式を分けて準拠法を決めること
である。外国の離婚法が協議離婚を許すか、別居判決をどの段階で
要求するかは離婚の可否・要件である。他方、合意をどの官署へ届

(続きを読む...)令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第2問の模範解答と予想される評価項目――離婚の方式、嫡出否認、国際扶養(AI作成)

令和8年度司法試験・国際関係法(公法系)第1問の模範解答と予想される評価項目――外交的保護、犯罪人引渡し、外交官の民事裁判権免除(AI作成)

目次第1 対象と結論第2 予想評価項目の作り方第3 本問の概要第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)第5 模範解答第6 設問別の解説と異論第7 公開参考答案の調査結果第8 根拠資料と確認範囲

作成日:令和8年9月30日

この記事の模範解答、評価項目及び重み付けは、法務省が公表した問題と条約・国際法委員会資料等を基に独自に作成した予想であり、法務省の採点基準・配点を示すものではない。令和8年度の国際関係法(公法系)の出題の趣旨と採点実感は、作成時点で未公表である。これらを読んで作成したものでもない。

第1 対象と結論

対象は、令和8年度司法試験の選択科目「国際関係法(公法系)」第1問(配点50点、問題冊子38~39頁)である。「公法系科目第1問(憲法)」とは別の問題である。法務省の問題掲載ページから選択科目の問題冊子を確認できる。

本記事の結論は、①B国はXの財産没収につき、請求提示時までのB国籍継続を前提に外交的保護を行使できる、②C・D間に引渡条約がなければD国は原則として引渡義務を負わず、条約があれば対象犯罪・双方可罰性等の条約上の条件と政治犯罪例外を吟味する、③E国裁判所は、Qによる個人的利得目的の有償講演を、外交関係に関するウィーン条約31条1項(c)の公務外の職業上又は商業上の活動と評価して民事裁判権免除を否定したと考えられる、というものである。③には単発の講演が「活動」に当たるかという解釈上の留保がある。

第2 予想評価項目の作り方

以下の項目は、各設問の動詞と指定事項、問題文に明示された事実、関連条文の要件から予想した。各行は「答案に書かれていれば何を確認できるか」を一つずつ示す。これは独自の学習用チェックリストであり、実際の採点項目や得点を再現したものではない。

重み5は、設問が問う結論を導く答案の骨格となる法源・要件と決定的な当てはめ、重み4は問題文の事実が示唆する重要事項や中心的な補強、重み3は具体的事実から導く主要な理由付け、重み2は補強事項又は典型的な誤りの回避、重み1は除外指示の遵守など控えめな事項とした。この5段階の考え方は令和8年度の主要7科目の模範解答一覧と整合するよう整理した。ただし、各項目の重みは本問の設問と事実に即した予想であり、他科目の件数や比率に合わせて調整していない。重みは点数ではない。令和7年の同科目の採点実感は、基本概念と主要条約・判例の正確な理解、設問に即した事例の考察、論理的な構成と理由付けを重視すると述べる。ただし、これは前年の一般的な採点方針を参照したにとどまり、本問の公式評価項目を示す資料ではない。

第3 本問の概要

XはA国籍で出生し、B国民Yとの婚姻後にB国法によりB国籍を取得し、A国籍を失った。B国に居住し、C国に財産を所有するXは、C国の核開発政策に対する抗議運動に参加し、C国政府に財産を没収された。C国で政府措置による損害を救済する手段は外国人には開かれていない。設問1は、没収の国際違法性を前提に、B国の外交的保護の可否を問う。

A国民Pは同じ抗議運動のリーダーの一人で、D国へ逃亡した。C国は内乱罪による訴追のため引渡しを求める。設問2は、C・D間に引渡条約がない場合とある場合を分け、D国の義務を問う。

C国外交官Qは、E国の新聞社甲にC国事情についての講演を自ら申し出た。「個人的な利得」を目的と明言し、講演料を個人口座で前受けしたが、当日来場せず返金にも応じなかった。設問3は、甲の返金訴訟でE国裁判所がQの民事裁判権免除を否定した理由を問う。C国とE国は外交関係に関するウィーン条約の当事国である。

第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)
1 設問1――外交的保護
番号評価項目重み根拠・問題文の手掛かり1B国がXの損害を国家間請求として取り上げる外交的保護の構造を示す4国際法委員会・外交的保護条文案1~3条2没収の国際違法性は設問上の前提として受け入れる2設問1のただし書3国籍国による保護と、被害時から請求提示時までの国籍継続を示す5同条文案3~5条4B国籍取得とA国籍喪失が没収より前であり、Xは被害時にB国民だったと示す5問題冊子38頁の時系列5請求提示時までB国籍が続くことを条件として明示する4同条文案5条1項6A国籍で出生したことやC国での財産所有・短期滞在を、B国の請求資格を否定する事情としない3問題冊子38頁の国籍・居住・財産の事実7国籍の真正な結合を一般的な追加要件として機械的に課さない2国籍の取得は条文案4条、継続は5条で吟味8個人の被害に基づく請求には原則としてC国の国内救済完了が必要と示す5同条文案14条9外国人は全救済手段を利用できないため、実効的に利用可能な国内救済がないと当てはめる5同条文案15条(a)・(d)、問題冊子38頁10B国には行使権があっても、Xに対する行使義務まで当然に生じるわけではないと結ぶ3同条文案2条・19条
2 設問2――犯罪人引渡し
番号評価項目重み根拠・問題文の手掛かり11C国の訴追権とD国の引渡義務を分ける4設問2の「D国は…義務を負うか」12引渡条約がない場合に、一般国際法上の包括的な引渡義務はないと示す5国際法委員会2014年最終報告、ICJ・ロッカービー事件の小田裁判官反対意見20段落。後者は法廷意見ではない13内乱罪について別の特別条約・合意による義務は問題文上与えられていないと示す3問題冊子38頁14引渡条約がある場合には、その条約の対象犯罪・条件により義務を判定すると示す5欧州犯罪人引渡条約1~2条は条約条項の比較例15双方可罰性や法定刑の閾値等を、実際の条約文言に従って吟味する4同条約2条。ただしC・D間に直接適用されない16「内乱罪」という罪名のみからD国法での可罰性を断定しない3Pの具体的行為とD国法が不明17内乱罪の政治秩序に対する性質から政治犯罪例外の適否を論じる5同条約3条は比較例18具体的暴力行為や普通犯罪の有無が不明で、例外適用を確定できないと示す3問題冊子38頁の事実の限界19政治犯罪例外がある条約とない条約、義務的・裁量的な拒否事由を一律に扱わない4適用条約の文言は問題文にない20PがA国民である以上、「D国民は引き渡さない」という論点を決定的理由にしない2問題冊子38頁
3 設問3――外交官の民事裁判権免除
番号評価項目重み根拠・問題文の手掛かり21外交官は在任中、私的契約に関する訴訟でも原則として接受国の民事裁判権から免除されると示す5外交関係に関するウィーン条約31条1項2231条1項(c)の例外の「接受国内」「公務外」「職業上又は商業上の活動」「関連訴訟」を挙げる5同条約31条1項(c)23講演内容がC国情勢でも、それだけでQの公務と断定しない3個人的利得目的との明示24Qが自ら講演を提案し、有償の役務提供を引き受けた事実を評価する4問題冊子38頁25講演料の事前振込先がQ個人の口座であることを、個人の収益活動の根拠とする4問題冊子38頁26甲の返金請求は当該講演の取引から直接生じた訴えと示す4問題冊子38~39頁27有償の私的契約一般をすべて「商業上の活動」としない4英国最高裁 Basfar v Wong 判決28~32、59~61段落を参照。家事労働の事案であり本問の結論を直接決めない28一回限りの講演が「活動」に当たるかにつき、継続性を要求する解釈にも触れる3国際法委員会1958年資料57頁29それでもQ自身が対価を得る役務の提供者となった点から、裁判所が例外に当てはめた理由を示す5設問3は免除否定判示の理由を問う3042条の個人利得目的の活動禁止と、31条1項(c)の免除例外を区別する4同条約31条・42条
4 答案全体
番号評価項目重み手掛かり31設問1~3をそれぞれ独立に結論まで書く43つの設問の指示32条文・規範の後に具体的事実を評価し、結論へつなげる4前年の採点方針も参照33与えられない条約文言・具体的犯罪行為・講演の反復性を補って断定しない2問題文が置いていない事実

上表の33項目の内訳は、重み5が10項目、4が12項目、3が7項目、2が4項目、1が0項目である。重み1に当たる周辺事項を独立の項目として立てていないため、5段階の全てに項目を割り当ててはいない。これは問題文から予想した重要度の分布であり、主要7科目の分布と同じ割合にそろえたものではない。

重みの合計を実際の配点に換算することはできない。とくに設問2は条約の内容が示されていないため、引渡義務の有無を無条件で確定する答案より、条件と拒否事由を分ける答案が、問題文に忠実だと考える。

第5 模範解答

以下は、選択科目1問の入力上限を4頁×23行×1行30文字として、92行・各行30文字以下に整えた答案である。改行を除き2643文字。前回作成した未読復元答案をそのまま収録し、本記事のために上書きしていない。CBTの行数・字数の説明も参照されたい。答案中にURLは入れず、出典は第8にまとめた。

第1 設問1
1 外交的保護とは、国が自国民に対する他国の国際違法行為を理
由に、その責任を外交交渉等の平和的手段で追及することである。
国籍国の権利であり、被害者個人がその行使を国に強制できるもの

(続きを読む...)令和8年度司法試験・国際関係法(公法系)第1問の模範解答と予想される評価項目――外交的保護、犯罪人引渡し、外交官の民事裁判権免除(AI作成)

令和8年度司法試験経済法第2問の模範解答と予想される評価項目―共同購入・購入価格の上限合意・一方的追随を3段階で検討する(AI作成)

目次
第1 この記事の対象と結論第2 評価項目と重みの付け方第3 問題の概要と3段階の整理第4 予想される評価項目第5 模範解答第6 参考答案との照合と解説第7 判例秘書での裏取りと校訂第8 出典及び確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,法務省が公開した令和8年司法試験論文式試験問題集[選択科目]の経済法第2問(問題冊子16~17頁)について,問題文,独占禁止法及び公正取引委員会の公表資料から独自に作成した答案と予想評価項目を示すものである。法務省の出題の趣旨,採点実感又は採点基準を示すものではない。令和8年9月30日の執筆時点で,これらの公式資料は公表前であるものとして,その内容を参照していない。

本記事の結論は,⑴B社・C社の共同購入と価格上限の合意には相互拘束があるが,この段階で競争の実質的制限を認めるには足りない,⑵A社が加わった購入価格上限の合意は国内のα購入市場における不当な取引制限となる,⑶D社は先行3社の行動を知って追随したが,意思の連絡が認められず合意参加者とはならない,というものである。⑴の結論には異論があり得る。公開再現答案には⑴から違法とするものがあるため,第6で根拠を照合した。

本記事には,公開参考答案との照合及び判例秘書での関連裁判例の確認を経た独立の予想答案を掲載する。評価項目と解説も本記事独自の予想である。

第2 評価項目と重みの付け方

1項目に1つの判定対象を置き,問題文の具体的な手掛かりを対応させた。重み5は設問が各段階で明示に検討を求め,かつ答案の骨格となる事項,4は問題文の事実が示唆する主要論点又は関連判例の中核命題,3は具体的事実から導く中核の理由付け,2は補強又は典型的な誤りの回避,1は数値の正確な表記など控えめな事項を表す。重み5の数を他科目の比率に合わせる調整はしていない。重みは答案作成上の優先順位を示す便宜的な数字であり,公式配点や実際の得点ではない。結論が分かれ得る⑴では,違法・適法のいずれかの結論自体ではなく,市場と効果に即した論証を評価する。

第3 問題の概要と3段階の整理

差別化されない化学製品甲の国内向け販売シェアはA社30%,B社20%,C社20%,D社15%,その他3社と輸入の合計15%である。甲の原材料αは国内の主要10社が製造し,ほぼ全量を甲メーカー7社に供給する。αの輸出入と他用途への転用は限られる。α購入費用は甲の製造費用の約80%,製造費用は甲の製品価格の60~70%である。

⑴B社とC社は,購入希望数量の集約とB社による交渉・供給者選定という方針①,前年度の両社平均購入価格を「目標上限値」としてその額以下で交渉する方針②を合意した。しかし,ほとんどの取引で上限以下の購入には至らなかった。⑵A社は方針①を断り,方針②だけに同調し,A・B・Cの大多数の取引で上限以下の購入が実現した。⑶C社の担当外従業員が私的会食でこの取組をD社調達責任者に伝え,D社は自らの判断で同じ上限を使って交渉した。甲の製造販売は各社が独立して続けた。

本問では,購入側のα市場と販売側の甲市場を分け,B・Cの共同購入とAを含む価格上限合意を分け,時点ごとに合意参加者を確定する必要がある。公取委の共同調達に関する相談事例も,原材料の需要に占める共同購入者の割合と,川下製品の販売シェア・原材料費の割合を別々に検討している。

第4 本記事独自の予想評価項目(法務省の資料ではない)
番号予想される評価項目重み問題文の手掛かり・一次資料
1⑴⑵⑶を別の時点・行為・参加者として整理する5設問「各段階」
2主たる検討条文を独禁法2条6項・3条の不当な取引制限とする5競争者間の共同調達・価格合意
3「共同して」に意思の連絡が必要で,単なる同調だけでは足りないと示す4⑶の一方向の情報提供,公取委の郵便区分機類事件審決
4αの国内購入市場を検討し,輸送困難・輸出入僅少・他用途への転用困難を評価する5冒頭のαに関する事情
5甲の国内向け販売市場を別途検討し,α購入市場と混同しない4甲の用途,輸入品の増加
6甲の販売シェアをαの購入シェアと同一視せず,推認の資料として使う27社へのα供給と各社の甲販売シェア
7方針①の購入数量集約,交渉一元化,供給者選定の共同化を特定する3⑴方針①
8方針②を将来の購入価格交渉に関する共同の上限設定と捉える5⑴方針②
9B・C間の方針①②の明示の合意と相互拘束を認定する4⑴「合意した」
10共同購入による調達の効率化可能性と価格競争の制限可能性を両方評価する3⑴「購入の合理化」,公取委の共同調達相談事例
11⑴のα購入市場で,2社の需要規模に加え,10供給者・他の需要者という競争圧力を評価する4冒頭と⑴
12⑴でほとんど上限以下に購入できなかった事実を,合意不存在ではなく競争効果の事情として扱う4⑴末尾
13⑴の甲販売市場で共通費用と独立販売の両面を評価する3αの費用割合,⑵後の独立販売の記載
14⑴の適法・違法を市場ごとの実質的制限の理由を付けて結論付ける5⑴全体
15Aは方針②のみ参加し,方針①の参加者に含めない4⑵A社調達責任者の発言
16Aの同調表明とその後の実施から,A・B・C間の意思の連絡を認定する5⑵9月・10月の経過

(続きを読む...)令和8年度司法試験経済法第2問の模範解答と予想される評価項目―共同購入・購入価格の上限合意・一方的追随を3段階で検討する(AI作成)

令和8年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と予想される評価項目―難民該当性・反政府勢力への武器供与・ICJの管轄権(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方1 評価項目の作り方2 5段階の基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み1 設問1―Yの難民該当性2 設問2―B国の武器供与3 設問3―ICJの管轄権に関するA国の反論4 答案全体第5 模範解答1 答案の位置付け2 答案3 設問別の解説と答案の射程第6 公開された参考答案との照合1 本問そのものの参考答案の確認範囲2 類題の公開答案・答案作成例第7 出典及び確認状態1 一次資料2 参考記事・答案作成例3 確認状態と残る不確実性第8 令和8年度の関連答案・一覧
第1 この記事の対象と結論

本記事は,法務省が公表した令和8年司法試験の国際関係法(公法系)第2問(問題冊子40頁)を対象とする。
以下の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,問題文,条約及び国際司法裁判所(ICJ)の判決から独自に作成した予想であり,法務省の採点基準,配点又は出題の趣旨を示すものではない。
令和8年9月30日の原稿作成時点では,本問の出題の趣旨及び採点実感は公表されておらず,本記事の作成に当たって読んでいない。

結論として,設問1のYは政治的意見を理由とする迫害を恐れてA国の外にいる難民に該当し,設問2のB国による反政府武装組織への武器供与は国連憲章2条4項の武力不行使原則に違反すると考える。
設問3では,B国の多数国間条約留保を前提としても,A国は憲章上の請求とは独立した慣習国際法上の武力不行使義務違反を主張し,その請求についてICJに管轄権があると反論できる。
設問3が問うのはA国の管轄権に関する反論であり,本案で必ず勝訴するとの断定ではない。

第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方
1 評価項目の作り方

各項目は一つの判定対象に絞った。
問題文の事実から法的要件へのつながりを示す項目,条約・判決の中核命題を示す項目,設問の除外指示を守る項目を区別した。
以下の「重み」は答案で欠けた場合に主たる法的経路がどの程度崩れるかという本記事の見立てであり,公式配点を推測した数字ではない。

2 5段階の基準

①重み5:設問が明示に問う事項のうち,答案の骨格となる要件・判決命題・当てはめ又は結論。
②重み4:問題文の事実が強く示唆する事項,又は中心に近い判決命題・重要な反論。
③重み3:具体的事実から導く重要な理由付け又は法的区別。
④重み2:結論を補強し,典型的な誤りを避ける事項。
⑤重み1:設問の除外指示の遵守などの補助的事項。

この区分は,令和8年度司法試験の主要7科目の模範解答一覧に示された5段階の基準の骨格と整合する。重み別の件数や割合は,設問構成と評価項目の切り方によって変わるため,科目間で同じ分布にそろえず,配点又は得点にも換算しない。

第3 本問の概要

A国ではα党が議席の約9割を占め,党首Xの大統領就任後,β党員への弾圧が始まった。
β党員Yは人権保障と民主制を訴えるデモに参加し,α党への転向を拒んだ後,A国官憲から反復して意識を失うほどの暴行を受け,B国に逃れた。
一方,β党員の一部はA国でβ自由戦線を結成して武装闘争を開始し,B国はA国政府の打倒を目的として同戦線に武器を供与した。
A国・B国は国連加盟国及び難民条約・議定書の当事国であり,いずれもICJ規程36条2項の選択条項受諾宣言をしたが,B国には「多数国間条約の下で生ずる紛争」を除く留保がある。

設問1はYの難民該当性,設問2はB国自身の武器供与が国連憲章上の武力不行使原則に違反するか,設問3はA国がB国の管轄権不存在の主張にどう反論できるかを問う。
設問1は難民条約の時間的・地理的制約,設問2は違法性阻却事由を検討対象から外している。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み
1 設問1―Yの難民該当性
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠1難民条約1条A(2)の国籍国の外にいること,迫害を受ける十分に理由のある恐怖,条約上の理由,国籍国の保護を受けられない又は望まないことを示す5YはA国国民でB国に入国。難民条約1条A(2)2β党員としての政治的意見又は当局がYに帰属させた意見を迫害理由として特定する5Yのデモ参加,α党への転向要求と拒絶3意識を失うほどの暴行の反復が単なる不利益を超える迫害であると評価する5A国官憲による反復した暴行4転向の拒絶と暴行の時間的・内容的なつながりから政治的意見と迫害の因果関係を示す5転向拒否後に官憲が暴行5過去の被害と全国的弾圧を用い,将来の迫害への恐怖に客観的根拠があると示す4β党員への同種暴行はA国全土で発生6加害者が官憲自身であるため,A国の保護を期待できないと論じる4A国官憲が加害者7A国内の別地域への移動では危険を避けにくいと評価する3同種暴行がA国全土で発生8β党員の一部による武装闘争をY自身の行為と混同せず,条約1条Fの除外を党籍だけから推認しない3武装組織を結成したのは「β党員の一部」9時間的・地理的制約の検討を広げない1設問1の除外指示

(続きを読む...)令和8年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と予想される評価項目―難民該当性・反政府勢力への武器供与・ICJの管轄権(AI作成)

令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と予想される評価項目(AI作成)

目次第1 この記事の対象(法務省とは関係のない独自の予想)第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と予想した重み5の事項1 公法系科目第1問(憲法)2 公法系科目第2問(行政法)3 民事系科目第1問(民法)4 民事系科目第2問(商法)5 民事系科目第3問(民事訴訟法)6 刑事系科目第1問(刑法)7 刑事系科目第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方(独自の予想の方法)1 評価項目の予想2 5段階の重み付けの基準3 模範解答と解説4 CBTの入力上限と答案の行数第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事で一覧にする7本の記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。
法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,選択科目を除く主要7科目(憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法)の7問について,山中弁護士ブログに掲載した模範解答の記事7本を一覧にして案内するものである。
7本の記事は,いずれも令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」が公表される前に,問題文と判例から答案に求められる評価項目を予想し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答と,予想に基づく解説を示している。
令和7年度の模範解答の記事7本は,法務省が公表した出題の趣旨及び採点実感から評価項目を抽出したものであり,令和8年度の7本とは評価項目の作り方が違う。

7本で予想した評価項目は合計330項目であり,そのうち重み5(設問又は問題文中の会話・会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成すと各記事が予想した事項)に当たるのは74項目である。
第2の一覧表で科目ごとの記事を選び,第3で各問題の概要と予想した重み5の事項を確かめてから個別の記事を読むと,各記事が答案のどこに重みを置いたのかをつかみやすい。

選択科目の論文式試験と短答式試験は,本記事の対象としていない。
本記事の記載は,令和8年9月29日時点で公開している7本の記事の内容に基づく。

第2 7記事の一覧
科目主な論点予想した評価項目重み5公法系科目第1問(憲法)市立公園の夜間の独占使用の申請に対する不許可処分(管理上の支障,夜間の独占使用を認める特別な理由)の合憲性37項目8項目公法系科目第2問(行政法)要綱に基づく申請への不応答と「行政庁の不作為」,養護者である子の原告適格,老人福祉法の入所措置とその解除の要件44項目10項目民事系科目第1問(民法)時効完成後に設定された抵当権と再度の取得時効,遺言執行者の就職承諾前の相続人の処分,一括下請負人の出来形の帰属,請負契約の解除後の損害賠償と部分報酬による相殺50項目12項目民事系科目第2問(商法)従業員の株式の買戻し制度と株主名簿,見せ金による増資と議決権の行使,招集通知を欠く株主総会の決議と追認,解任された取締役の報酬相当額の請求48項目11項目民事系科目第3問(民事訴訟法)通常共同訴訟における主張共通,第三者と弁護士が所持する文書の提出義務(技術の秘密と弁護士の黙秘義務),連帯保証人に対する確定判決と請求異議53項目15項目刑事系科目第1問(刑法)実行の途中の心神耗弱と行為と責任の同時存在の原則,死亡したと誤信した後の行為による窒息死と因果関係,自動車への放火と「公共の危険」45項目9項目刑事系科目第2問(刑事訴訟法)強制採尿の令状の種類・発付要件と有形力の行使,体内の異物を確認するCT検査の令状,再伝聞と特信情況,捜査報告書の説明文の伝聞性53項目9項目

評価項目の数と重みは,各記事が問題文と判例から予想したものであり,法務省の配点ではない。

第3 各問題の概要と予想した重み5の事項
1 公法系科目第1問(憲法)

本問は,A市の中心部にある市立公園で,住宅費高騰への抗議として一夜を過ごす活動をするための夜間の独占使用の申請について,市長が,①条例の「管理に支障がある」ことを根拠として,②「夜間の独占使用を認めるべき特別な理由」がないことを根拠として,それぞれ不許可処分をすることが憲法上許されるかを,市の法曹資格者の立場で論じさせるものである。
規定の文言の明確性は,論じる必要がないとされている。

記事が予想した重み5の8項目は,設問①については,公の施設の利用拒否に関する二つの最高裁判決の判断枠組み,危険の程度,「管理上支障」の限定解釈及び敵意ある聴衆の法理であり,設問②については,甲が挙げた二つの理由に対する反論の中核(代替手段論への反論,庁舎前広場の利用と「外見上の政治的中立性」に関する最高裁判決の論理とその射程,及び新幹線延長の催しの許可から導かれる見解差別)である。

記事:令和8年度司法試験公法系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け

2 公法系科目第2問(行政法)

本問は,同居する子(養護者)から十分な食事を与えられないおそれがあるとされた75歳の高齢者について,市が老人福祉法11条1項2号に基づき特別養護老人ホームへの入所措置を採った事案で,若手弁護士の立場から,要綱に基づく緊急一時保護の申請への不応答が行政不服審査法3条の「行政庁の不作為」に当たるか(設問1),養護者である子に入所措置の取消訴訟の原告適格が認められるか(設問2),子が提起した国家賠償請求訴訟で,措置の時点の要件とその後の措置解除の要件について双方がどのような主張・反論をするか(設問3)を検討させるものである。
問題文に示された配点の割合は,設問1から設問3まで20:30:50である。

記事が予想した重み5の10項目は,設問1については,要綱の法的性格と老人福祉法11条が申請の仕組みを設定しているか,設問2については,原告適格の判断枠組み,児童福祉法の親権者の場合との比較及び高齢者虐待防止法14条の評価,設問3については,困難性要件と虐待の有無,並びに措置解除の要件の特定と誓約書等の事情の変化をめぐる双方の主張である。
記事は,設問ごとの重みの合計(36点・43点・73点)を配点の割合におおむね対応させている。

記事:令和8年度司法試験公法系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け

3 民事系科目第1問(民法)

本問は,善意無過失で他人の土地を占有した者が時効完成後に設定された二つの抵当権の登記の抹消を求められるか(設問1(1)),遺言執行者の就職承諾前に相続人から持分を買い受けて登記を備えた者に対し,受遺者が登記の抹消を求められるか(設問1(2)),一括下請負人が材料を提供して築造した出来形の所有権が注文者と下請負人のいずれに帰属するか(設問2(1)),請負契約の解除後に注文者が請負人に請求できる損害賠償の額と,請負人の部分報酬による相殺の当否(設問2(2))を問うものである。

記事が予想した重み5の12項目は,設問1(1)については,時効取得者と時効完成後の第三者との対抗関係,再度の取得時効の規範及び後の抵当権者との関係での対抗問題,設問1(2)については,遺言執行者がある場合の相続人の処分の無効と就職承諾前の処分への適用,民法1013条2項ただし書の善意と無過失の要否,設問2(1)については,一括下請負人の出来形の帰属の規範,設問2(2)については,民法634条2号の部分報酬の要件と額並びに損害額及び認容額の算定である。
記事は,これらがいずれも結論又は金額を直接左右するとしている。

(続きを読む...)令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と予想される評価項目(AI作成)

令和8年度司法試験刑事系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した45項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1―①行為と②行為の関係及び責任能力3 設問1―死亡結果と③行為4 設問2―放火5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。
法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第1問(刑法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。
評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,酒席で同僚Aに殺意を抱いた甲及び乙が,Aを殴打した①行為,甲が心神耗弱の状態で鉄製フライパンを用いてAを殴打した②行為,Aが死亡したと誤信してAをスーツケースに押し込み,A所有の自動車(A車)で運んだ③行為(Aは途中で窒息死)について甲乙の罪責を問い(設問1),さらに,港の駐車場でA車にAの死体を乗せたまま放火した行為について甲乙の罪責を問うもの(設問2)である。
設問1は,①行為と②行為の関係をどのように把握するかと,「行為と責任の同時存在の原則」の意義とその根拠に言及することを求めている。

本記事が独自に予想した評価項目は45項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,①②の関係の問題の所在と判断基準,同時存在の原則の意義・根拠と実行途中の心神耗弱の処理,②行為と窒息死との因果関係の問題提起,並びに「公共の危険」の意義・当てはめ・認識の要否の9項目である。

第5の模範解答は,①②を一個の殺人の実行行為と捉えて甲に刑法39条2項を適用せず,窒息死を②行為の危険の現実化として甲乙に殺人罪の共同正犯を認め,設問2では甲乙に建造物等以外放火罪の共同正犯を認める結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。
その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(刑事系科目の問題冊子の第1問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。
判例名は,裁判所名と裁判年月日で示し,事件番号等は第7の3に掲げた。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。
出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:問題文が特に事実を置いて検討を促している事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

(続きを読む...)令和8年度司法試験刑事系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した45項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験刑事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1の1(令状の種類)3 設問1の1(下線部①の令状の発付要件)4 設問1の1(下線部②の行為の適否)5 設問1の2(CT検査の令状の種類)6 設問2の1(本件DVDの④部分)7 設問2の2(捜査報告書【資料2】)8 答案全体9 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第2問(刑事訴訟法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,覚醒剤の密売事件の捜査を素材として,設問1で,被疑者甲に対する強制採尿の令状の種類,その令状の発付要件及び病院での強制採尿の実施(警察官8名が甲の手足を押さえた点を含む。)の適否と,マイクロSDカードを飲み込んだとみられる被疑者乙に対するCT検査の令状の種類を問い,設問2で,乙の公判において,乙の交際相手W(死亡)が撮影した誕生日動画中のWの発言(乙から聞いた話を含む。)と,動画の静止画に警察官の説明文を付けた捜査報告書の証拠能力を問うものである。

本記事が独自に予想した評価項目は53項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,強制採尿の令状の種類と条件の記載,強制採尿が許される要件と代替手段の不存在の当てはめ,手足を押さえた有形力の限界,Wの発言の再伝聞の構造と特信情況,乙の供述の不利益事実の承認,及び捜査報告書の説明文の伝聞性の9項目である。

第5の模範解答は,下線部①の令状は条件を付した捜索差押許可状であり発付要件を満たし,下線部②の行為は適法である,下線部③は鑑定処分許可状と身体検査令状の併用による,④部分は証拠能力を有する,【資料2】は説明文の部分を除いて証拠能力を有する,との結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,検察官の立証趣旨,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(刑事系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例名は,昭和55年決定(最決昭和55年10月23日),平成6年決定(最決平成6年9月16日),令和4年判決(最判令和4年4月28日),平成21年決定(最決平成21年9月28日),昭和32年判決(最判昭和32年1月22日),昭和35年判決(最判昭和35年9月8日),昭和59年決定(最決昭和59年12月21日),平成17年決定(最決平成17年9月27日),平成20年決定(最決平成20年8月27日)及び広島高裁岡山支部平成30年判決(広島高岡山支判平成30年1月12日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:設問の中核の要件,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の範囲の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

H県警察の司法警察員Pは,覚醒剤所持で逮捕したXから,令和8年1月20日夕方に甲から覚醒剤0.3グラムを3万円で購入したとの供述を得て,甲を覚醒剤の譲渡しの被疑事実で逮捕した(本件譲渡し)。甲には覚醒剤所持の前科1犯(執行猶予中)があった。逮捕時,甲の左肘内側に真新しい注射痕様のものがあり,頬がこけ,目を見開き,手足が小刻みに震えるなど覚醒剤常用者特有の様子が見られた。

Pは,午前8時頃から午後2時頃までに計7回,尿の任意提出を求め,水を飲むよう勧めたが,甲は「出ない」と答えて応じず,昼食時にも水を飲まなかった。Pは午後4時頃に強制採尿のための令状(下線部①)の発付を受け,病院で約30分間任意の提出を促した後,泌尿器科専門医のY医師によりカテーテルで甲の尿を採取した。甲は抵抗しなかったが,痛みで暴れて尿道が傷つくおそれがあるとの医師の指示で,警察官8名が甲の両手両足を押さえた(下線部②)。

甲は,本件譲渡しは乙と一緒に行ったと供述し,乙が顧客リストをマイクロSDカードに保存しているはずだと述べた。乙方の捜索の際,乙はノートパソコンの側面から何かをつまんで飲み込むような動作をし,マイクロSDカードは発見されなかった。Pは,消化器病専門医のT医師の意見を踏まえ,CT検査のための令状(下線部③)の発付を受けて乙の体内を撮影し,数日内に自然排出されるとの意見を得た。排出されたマイクロSDカードのファイルはパスワードで開けなかった。

乙のスマートフォンには,交際相手W(令和8年2月に死亡)が毎年乙の誕生日に撮影した動画があり,令和8年1月22日の動画には,Wが,前日に乙から「20日の昼頃は大事な仕事があって,J公園に行って甲と会ってた」と聞いたと述べる場面(下線部④)と,床上の未開封の注射器12本が約1秒映る場面があった。Pは,動画を複製した本件DVDと,注射器の場面の静止画に「覚醒剤の密売人が客に交付することが多い未使用の注射器である。」との説明文を付けた捜査報告書(【資料2】)を作成した。乙の公判で,検察官はこれらを証拠請求し,弁護人は不同意とした。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文1設問1の1で,令状の種類,下線部①の令状の発付要件及び下線部②の行為の適否を,段階を分けて論じる45頁(設問1の1)―2身体検査の条件の規定を令和8年1月1日現在の条文(刑訴法218条6項)で示す(昭和55年決定のいう「二一八条五項」は決定当時の項番号である)2―刑訴法218条6項,昭和55年決定3設問2で,検察官の立証趣旨から要証事実を特定し,伝聞証拠に当たるかを要証事実との関係で判断する45頁(立証趣旨,不同意の証拠意見)刑訴法320条1項2 設問1の1(令状の種類)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文4強制採尿が強制処分であり,令状を要することを示す22頁(下線部①)刑訴法197条1項ただし書,憲法35条5体内の尿を証拠物として強制的に採取する行為は捜索・差押えの性質を有し,捜索差押許可状によることを示す52頁(下線部①)昭和55年決定,刑訴法218条1項6身体検査令状に関する条件の規定を準用し,「医師をして医学的に相当と認められる方法により行わせなければならない」旨の条件の記載が不可欠であることを示す52頁・3頁(Y医師による採尿)昭和55年決定,刑訴法218条6項7身体検査令状と鑑定処分許可状の併用による構成に触れ,採らない理由(物の取得に適合しないこと,鑑定処分としての身体検査には直接強制の規定が準用されていないこと)を示す3―刑訴法168条6項,139条,225条4項3 設問1の1(下線部①の令状の発付要件)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文8捜索差押許可状の一般的な発付要件(嫌疑,差し押さえるべき物の存在の蓋然性,必要性)を示す2―刑訴法218条1項9強制採尿が許される要件(被疑事件の重大性,嫌疑の存在,証拠の重要性と取得の必要性,適当な代替手段の不存在等に照らし,犯罪の捜査上真にやむを得ない場合の最終的手段)を規範として示す5―昭和55年決定,令和4年判決10被疑事件の重大性を,覚醒剤使用罪の法定刑(10年以下の拘禁刑)から示す26頁(参照条文)覚醒剤取締法41条の3第1項1号11嫌疑について,左肘内側の真新しい注射痕様のもの及び覚醒剤常用者特有の様子をPが直接観察した事実を評価する42頁(逮捕時の甲の様子)―12嫌疑の補強として覚醒剤所持の前科(執行猶予中)と本件譲渡しの嫌疑を用い,前科が「所持」であり使用の直接の根拠ではないことも踏まえる32頁(前科照会,Xの供述)―13証拠の重要性と取得の必要性(使用罪の立証に尿が重要であり,時間の経過で成分が排出されること)を示す3――14適当な代替手段の不存在について,約6時間で計7回の任意提出の要求,飲水の勧めへの不応(昼食時を含む)及び「しつこいな」との発言を評価する52頁(午前8時~午後2時の経過)―15甲が「出ない」と述べるにとどまり明示に拒否していないこと,身柄拘束中で自然の排尿を待てたことという反対方向の事情に触れて評価する32頁(甲の応答)―16令状請求前に任意採尿の説得がなかったため発付を違法とした令和4年判決の事案と,本件との違いを示す42頁令和4年判決17本件譲渡しによる身柄拘束中に使用の嫌疑について強制採尿を行うことが妨げられないことに簡潔に触れる12頁・3頁(逮捕の被疑事実)―4 設問1の1(下線部②の行為の適否)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文18令状の呈示を確認する12頁(午後4時30分の呈示)刑訴法222条1項・110条19病院への同行について,甲が応じたこと(及び強制採尿令状の効力による連行の可否)に触れる22頁(「分かった」)平成6年決定20令状の執行時にも最終的手段性が維持されている必要があるかを検討し,「出さないとは一度も言っていない。待ってくれよ。」との発言を評価する42頁(病院での約30分の経過)昭和55年決定21Y医師の経験,カテーテルによる合理的かつ安全な方法から,令状の条件が守られていることを示す33頁(Y医師の経歴,採取の方法)―22抵抗しない甲の両手両足を警察官8名で押さえた有形力について,根拠(必要な処分)と限界(採尿を安全に実施するための必要最小限度)を示す53頁(手足を押さえた経緯)刑訴法222条1項・111条1項,昭和55年決定23有形力の必要性・相当性を,医師の指示(痛みで暴れ尿道が傷つくおそれ)と,抵抗がないこと及び8名という人数とを対比して評価する43頁―24被告人が激しく抵抗した昭和55年決定の事案との違いを踏まえる23頁(「抵抗することはなかった」)昭和55年決定5 設問1の2(CT検査の令状の種類)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文25CT検査が乙の意思にかかわらず行う強制処分であることを示す24頁(下線部③)―26CT検査は物の占有の取得を目的としないことから,強制採尿の構成(捜索差押許可状)をそのまま持ち込まない44頁(体内にあるか及び自然排出されるかの確認)昭和55年決定27X線により身体内部の状態を認識する処分が検証(身体検査)の性質を有し,身体検査令状を要することを示す44頁刑訴法218条1項後段,平成21年決定28X線の照射と画像の読影・自然排出の判断に医学的専門知識を要することから,鑑定の嘱託と鑑定処分許可状を示す44頁(T医師の意見)刑訴法223条1項,225条1項,168条1項,診療放射線技師法24条29鑑定処分としての身体検査は直接強制ができないため,拒否が予想される乙について身体検査令状を併用する必要を示す43頁・4頁(嚥下の動作,黙秘)刑訴法225条4項,168条6項,222条1項,139条30令状に付すべき条件(医師による医学的に相当な方法等)に触れる2―刑訴法218条6項,168条3項31設問は令状の種類を問うものであり,発付要件や執行の適否を長く論じない15頁(設問1の2)―6 設問2の1(本件DVDの④部分)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文32伝聞法則の趣旨(知覚・記憶・叙述の過程の誤りと反対尋問による吟味)と伝聞証拠の意義を示す3―刑訴法320条1項33要証事実を立証趣旨どおり(乙が1月20日昼頃にJ公園で甲と会ったこと)に特定し,④がWの供述の中に乙の供述を含む再伝聞であることを示す55頁(立証趣旨),7頁(下線部④)―34撮影日から「一昨日の20日」を1月20日,「昨日」を1月21日と特定する27頁(【資料1】)―35動画の記録の過程は機械的であり,署名押印を要しないことを示す(同一性は設問の前提として扱う)25頁(設問2の1のただし書)平成17年決定(写真の署名押印不要)参照36外側のWの供述について,刑訴法321条1項3号の要件(供述不能,不可欠性,絶対的特信情況)を示す4―刑訴法321条1項3号37供述不能として,Wが令和8年2月に交通事故で死亡したことを示す25頁―38不可欠性を,乙の黙秘,共謀の証拠が甲の供述だけであること,顧客リストのファイルを開けないこと及び共犯者供述の危険から評価する33頁・4頁・5頁―39絶対的特信情況を,恒例の誕生日動画,「誰に見せるものでもない」私的な会話,前日に聞いた話であること,Wと甲に面識がないこと等から評価する55頁(Wの特定),7頁(【資料1】)―40Wが連絡不通を「根に持って」いたという反対方向の事情に触れて評価する27頁―41再伝聞を許容する根拠(外側の供述が伝聞例外を満たせば公判供述に代わるものとして刑訴法324条による)を示す4―昭和32年判決,刑訴法324条42内側の乙の供述について,刑訴法324条1項により322条1項が準用され,不利益な事実の承認と任意性を満たすことを示す57頁(乙の発言内容)刑訴法322条1項,324条1項,319条1項7 設問2の2(捜査報告書【資料2】)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文43【資料2】は公判外の書面で不同意とされているから原則として証拠とできないことを示し,部分ごとに検討する35頁(証拠意見)刑訴法320条1項,326条1項44Pが押収したスマートフォンを見分した結果を記載した部分に刑訴法321条3項が適用され,Pの真正作成の供述を要することを示す48頁(【資料2】)刑訴法321条3項,昭和35年判決45添付写真が非供述証拠であり,事件との関連性があれば証拠能力を有することを示す44頁・5頁(静止画の作成)昭和59年決定46関連性を,契約名義が乙で日常的に使用されるスマートフォン,乙方居室での撮影から示し,写真が1月22日の状況であることの限界にも触れる34頁(スマートフォンの解析)―47説明文がPの捜査経験に基づく意見であり,立証趣旨との関係で内容の真実性が問題となる伝聞であることを示す55頁(立証趣旨),8頁(説明文)―48説明文に刑訴法321条3項が及ばない理由(検証の結果に限られること)を示す48頁刑訴法321条3項49説明文が刑訴法321条4項の鑑定書にも当たらないことを示す3―刑訴法321条4項,平成20年決定,広島高裁岡山支部平成30年判決50結論として,説明文の部分を除き,Pの真正作成の供述を条件に証拠能力が認められる(説明文の部分は証拠とできない)ことを示す4――8 答案全体番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文51規範を判例の命題と問題文の事実に即して当てはめ,事実を写すだけで直ちに結論付けない3――52参照する判例を,どの判例か特定できる形で示す2――53設問が問わない事項(尿の鑑定書の証拠能力,マイクロSDカードの差押えの適否,甲の公判等)を長く論じない1――9 重みの分布

53項目の内訳は,重み5が9項目,重み4が16項目,重み3が11項目,重み2が13項目,重み1が4項目であり,重みの合計は172点である。

重み5の9項目(番号5・6・9・14・22・33・39・42・47)は,設問1については強制採尿に関する昭和55年決定の二つの命題(令状の種類と条件,許容要件)と,本問で特に具体的に置かれた事実(任意提出の要求の経過,抵抗しない甲を8名で押さえたこと)であり,設問2については再伝聞の構造,Wの供述の特信情況,乙の供述の扱い及び説明文の伝聞性である。

第5 模範解答1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,令和8年1月1日現在において施行されている法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。この基準時では,身体の検査に関する条件の規定は218条6項に置かれている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる(①)。」)及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,本問は設問が「具体的事実を摘示しつつ」論じることを求めているため,規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。段落は1段落1~3文を目安に自然な切れ目で改行した。字数の配分は,おおむね問題提起が1割未満,規範が2割程度,当てはめが5割程度である。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「判例に結論同旨」は結論は判例と同じであるが理由付けが本記事独自のもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。

字数は見出しを含めて約4,500字である。
令和8年司法試験の論文式試験の答案は,「司法試験の方式・内容等について」(令和7年11月26日司法試験考査委員会議申合せ事項)により,必須科目1問につき8頁,1頁は23行,1行当たり最大30文字とされている(1問の上限は184行)。
この答案は,段落ごとに改行し,1行30字で折り返した場合に184行となり,この上限にちょうど収まるように字数を調整した。

2 答案

1 設問1の1について
(1) 下線部①の令状の種類
 下線部①の強制採尿は,甲の意思に反して尿道にカテーテルを挿入し尿を採取する強制処分(197条1項ただし書)であり,令状を要する(憲法35条)。では,いかなる令状によるべきか。
 確かに,身体への侵襲を伴う点で,身体検査令状(218条1項後段)と鑑定処分許可状(225条1項・168条1項)を併用すべきとも思える。
 しかし,身体検査は身体の状態を認識する検証であり,物の取得に適合しない。また,鑑定処分としての身体検査は直接強制ができない(225条4項・168条6項は139条を準用しない)。
 思うに,強制採尿の目的は体内の尿という証拠物の占有取得にあるから,その性質は捜索・差押えである。もっとも,人権侵害のおそれがある点で身体検査と共通する。
 よって,捜索差押許可状(218条1項前段)によるべきであり,218条6項を準用し,医師をして医学的に相当と認められる方法により行わせる旨の条件の記載が不可欠と解する(判例同旨・最決昭和55年10月23日)。
 この条件は,被疑者の身体の安全と人格の保護を令状により担保するものである。
(2) 下線部①の令状の発付要件
 捜索差押許可状の発付には,嫌疑,差し押さえるべき物の存在の蓋然性及び必要性を要する(218条1項)。
 加えて,強制採尿は屈辱感を伴う身体への侵入行為であるから,①被疑事件の重大性,②嫌疑の存在,③証拠の重要性と取得の必要性,④適当な代替手段の不存在等に照らし,犯罪の捜査上真にやむを得ない場合の最終的手段としてのみ許されると解する(判例同旨・前掲最決昭和55年10月23日,最判令和4年4月28日)。
 本問では,覚醒剤使用罪の法定刑は10年以下の拘禁刑であり(覚醒剤取締法41条の3第1項1号),重大な犯罪である(①)。
 次に,Pは逮捕時,甲の左肘内側の「真新しい注射痕様のもの」と,頬がこけ手足が震えるなどの常用者特有の様子を直接観察している。
 確かに,甲は否認し,前科は所持にとどまる。しかし,これらの観察に,執行猶予中の覚醒剤前科と本件譲渡しの嫌疑が加わり,最近の使用の具体的嫌疑と,尿中の覚醒剤の存在の蓋然性がある(②)。参考人の供述と犯歴だけで請求した前掲令和4年判決の事案とは異なる。
 また,尿は密行性の高い使用罪のほぼ唯一の客観的証拠であり,時間の経過で成分が排出されるから,早期に確保する必要がある(③)。
 さらに,Pは午前8時頃から午後2時頃までに計7回尿の任意提出を求め,飲水も勧めたが,甲は昼食時にも水を飲まず「しつこいな。」と答えた。

(続きを読む...)令和8年度司法試験刑事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験民事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した48項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1小問1(本件取得自体を争うCの主張)2 設問1小問2(二重譲渡と株主名簿)3 設問2小問1(仮装払込みと新株発行の無効)4 設問2小問2(仮装払込み株式の議決権と決議取消し)5 設問3(招集通知の欠缺,追認及び取締役の報酬)6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第2問(会社法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,公開会社でない取締役会設置会社である甲社について,①創業者Aが従業員に株式を譲渡し退職時に同じ価格で買い戻す制度(本件制度)の下で,退職した従業員Bから株式を譲り受けたCが,Aの取得を争い,自らが株主であることの確認を求める訴え(設問1),②代表取締役Dが仕組んだ資金の還流による5000万円の増資(見せ金)と,その株式を譲り受けた丁社が賛成した定時株主総会決議の効力(設問2),③招集通知が一切発出されなかった臨時株主総会で解任された取締役Fが,追認決議の後に報酬相当額500万円を請求すること(設問3)を論じさせるものである。配点の割合は,設問1から設問3まで35:35:30である。

本記事が独自に予想した評価項目は48項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,従業員の株式保有に関する判例を踏まえた公序良俗の判断枠組み,株主名簿の対抗要件と145条2号のみなし承認,名義書換の不当な拒絶とAの第三者性,見せ金の認定と仮装払込みが無効原因となるか,丁社の議決権行使の制限,決議不存在の基準と追認決議の遡及効,及び339条2項の「正当な理由」の11項目である。

第5の模範解答は,設問1小問1ではCの主張は認められない,小問2ではCの請求は認められる,設問2小問1では無効原因はなく請求は棄却される,小問2では決議は取り消される,設問3ではFの請求は300万円の限度で認められるとの結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実(日付,株式数,金額及び否定の表現を含む),及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例と会社法の条文から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。条文は,特に断らない限り会社法の条文である。判例名は,平成7年判決(最判平成7年4月25日),平成21年判決(最判平成21年2月17日),昭和48年判決(最判昭和48年6月15日),昭和41年判決(最判昭和41年7月28日),昭和43年判決(最判昭和43年8月2日),昭和38年判決(最判昭和38年12月6日),平成24年判決(最判平成24年4月24日),平成9年判決(最判平成9年1月28日),昭和33年判決(最判昭和33年10月3日),昭和60年判決(最判昭和60年12月20日),平成4年10月判決(最判平成4年10月29日),平成4年12月判決(最判平成4年12月18日)及び昭和57年判決(最判昭和57年1月21日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:問題文の事実が示唆する事項,又は最も近い判例・条文の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

甲社は,Aが創業した公開会社でない取締役会設置会社かつ監査役設置会社であり,定款で全部の株式の譲渡に取締役会の承認を要すると定め,株券を発行する旨の定めはない。発行済株式総数は10万株,資本金は1000万円である。

設問1では,Aが,従業員が1株100円でAから株式を譲り受け,退職時にAが1株100円で買い戻す本件制度を設け,甲社の取締役会もこれに賛同した。従業員Bは,退職を停止条件としてAに1株100円で譲り渡す旨等を定めた本件書面に署名して1000株を譲り受けたが,5年後に退職した直後,Cに1株1000円で譲渡する本件譲渡を合意した。甲社は,令和2年8月3日のBの承認・買取請求に対し,同月10日に不承認を通知しただけで,買取りについては何らの通知もしなかった。10月1日にB・Cが名義書換を請求すると,甲社はAの要請を受けて返答を6日まで留保し,その前日までの請求をAに促し,5日にAの取得を承認し,6日にAへの名義書換をした。Cは,甲社とAを被告として株主であることの確認を求めた。

設問2では,代表取締役Dが,資本金5000万円以上の会社とでないと取引をしないとの噂のある乙社との取引のため,甲社から丁社へ,丁社から丙社へと5000万円を融資し,丙社がその資金で払込みをし,丙社が返済しない限り甲社は丁社に返済を求めない旨を合意した上で,株主総会の特別決議を経て丙社に5万株を発行した(払込期日は令和6年10月15日)。丙社はその株式を代物弁済として丁社に譲渡し,丁社は令和7年6月30日の定時株主総会で,総議決権15万のうち賛成9万で可決された取締役再任決議に賛成した。株主Eは同年7月1日にこれらを知った。

設問3では,令和5年6月30日に再任された取締役F(報酬月額100万円)が病気で長期療養となり,令和7年1月31日の臨時株主総会でFの解任決議がされたが,担当者のミスで招集通知が全く発出されていなかった。出席したのはA及び取締役Gら(計5万2000株)である。甲社は4月30日に適法に開催した臨時株主総会で解任を追認する決議をした。Fは7月にこれらを知り,2月分以後任期満了までの報酬相当額500万円を請求した。設問1小問1と設問3は,それぞれCとFの立場において考えられる主張及びその当否を問う。

(続きを読む...)令和8年度司法試験民事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した48項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験民事系第3問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1の課題1(肯定説における主張共通)2 設問1の課題2(否定説の根拠と肯定説の問題点)3 設問2の課題1(保護に値する秘密と本件図面等)4 設問2の課題2(弁護士の黙秘義務と技術の秘密)5 設問3の課題1(既判力の根拠と反射効)6 設問3の課題2(相殺による消滅と請求異議)7 答案全体8 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第3問(民事訴訟法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,請負代金の支払を求める訴えを主債務者Y1と連帯保証人Y2を共同被告として提起した事例について,設問1で通常共同訴訟における主張共通の肯定説・否定説を,設問2で第三者Zが所持する図面等と弁護士L1が所持するその写しについての文書提出義務(技術の秘密と弁護士の黙秘義務)を,設問3でY2に対する請求認容判決の確定後にY1に対する請求が相殺により棄却されて確定した場合の請求異議の成否を,いずれも会話形式の課題として論じさせるものである。

本記事が独自に予想した評価項目は53項目であり,重み5(会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,肯定説の主張共通の定式と(ア)(イ)への当てはめ,否定説による39条の趣旨の理解,平成18年判例・平成20年判例の判断基準と本件図面等の比較衡量の中核(開示の不利益と証拠の必要性),197条1項2号の趣旨と判断基準の異同,昭和51年判例の理由,並びに昭和40年判例・昭和51年判例と本件の異同及び民法457条3項の評価の15項目である。

第5の模範解答は,設問1では(ア)に主張共通は認められず(イ)には認められるとした上で否定説を妥当とし,設問2では本件図面等についてZが提出を拒むことができ,弁護士の黙秘義務の判断基準は技術の秘密の判断基準と異なるとし,設問3では主張(1)・主張(2)のいずれも認められないとの結論を採った。論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,L1とP,L3とQ及びJとRの各会話で検討が求められた事項,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第3問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例名のうち,平成12年判例,平成16年判例,平成18年判例,平成20年判例,昭和40年判例及び昭和51年判例は,問題文が用いる略称である。このほか,昭和43年判決は最判昭和43年9月12日,昭和45年判決は最判昭和45年1月23日の略称である。条文は,問題文の指示に従い,令和8年1月1日現在において施行されている法令による。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会話が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

電子機器の製造・販売業者Xは,同業のY1との間で,Y1が見本市に出品する新製品の部品甲を代金500万円で製造して引き渡す請負契約(本件契約)を締結し,Y2がY1の代金債務を連帯保証した。甲の製造工程の前半は,独自の技術を持つZがXから請け負い,Xが仕上加工をして甲を完成させた。Zの工程は,部外秘とされている主力製品の製造工程と共通する部分が多く,同じく部外秘とされていた。

Xは,Y1とY2を共同被告として500万円の連帯支払を求めて提訴した。Y1は,請求原因事実を認めつつ((ア)),甲の欠陥による修理費用500万円の契約不適合責任に基づく損害賠償債権で相殺すると主張した((イ))。Y2は交付送達を受けながら第1回期日に欠席し,裁判所は続行期日を指定した。設問1は,Y2が続行期日にも欠席した場合を想定し,通常共同訴訟であることを前提に,肯定説で主張共通が認められる主張と(ア)(イ)への当てはめ(課題1),並びに否定説の根拠と肯定説の問題点(課題2)を問う。Y1がY2に当然に補助参加したとする構成は採らないものとされている。

その後,Y2は第2回期日にも欠席し,Y2訴訟は分離・終結されて請求全部認容の判決が確定した。Y1訴訟では甲の欠陥の原因がZの工程かXの工程かが問題となり,Y1は,Zが所持する金型の設計図面や作業工程表等(本件図面等)について,220条4号を原因とする文書提出命令を申し立てた。Zは技術の秘密を理由に提出義務を争った。設問2は,平成18年判例・平成20年判例の判断基準を説明し,Zが提出を拒むことができる方向で立論すること(課題1),並びにXの訴訟代理人L1がZの了解を得て受け取った本件図面等の写しについて,197条1項2号の「黙秘すべきもの」(平成16年判例)と課題1の基準が同一か異なるかを両号の趣旨から検討すること(課題2)を問う。

最終的に,Y1訴訟では請負代金債権と損害賠償債権がいずれも認められ,相殺により請求を棄却する判決が確定した。Y2は,Y1から「何もしなくてよい」と言われて欠席したと主張し,請求異議の訴え(本件後訴)で,Y1訴訟の確定判決の援用(主張(1))と,相殺による保証債務の付従性による消滅(主張(2))を主張した。設問3は,既判力による遮断の根拠と,昭和51年判例のような事案で反射効を認めても保証人が主債務者勝訴判決を援用できない理由(課題1),並びに昭和40年判例・昭和51年判例と本件の異同を整理した上での主張(2)の当否(課題2)を問う。

(続きを読む...)令和8年度司法試験民事系第3問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験民事系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した50項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1(1)(取得時効と複数の抵当権)3 設問1(2)(遺贈,遺言執行者及び第三者)4 設問2(1)(出来形の所有権の帰属)5 設問2(2)(損害賠償と部分報酬による相殺)6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第1問(民法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,〔設問1(1)〕善意無過失で他人の土地を占有した者が,時効完成後に設定された二つの抵当権の登記の抹消を求められるか,〔設問1(2)〕遺言執行者の就職承諾前に相続人から持分を買い受けて登記を備えた者に対し,受遺者が登記の抹消を求められるか,〔設問2(1)〕一括下請負人が材料を提供して築造した出来形の所有権が注文者と下請負人のいずれに帰属するか,〔設問2(2)〕請負契約の解除後に注文者が請負人に請求できる損害賠償の額と,請負人の部分報酬による相殺の当否を問うものである。

本記事が独自に予想した評価項目は50項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,時効完成後の第三者との対抗関係と再度の取得時効(平成24年判決),Dとの関係での対抗問題,1013条による相続人の処分の無効と就職承諾前の処分への適用,同条2項ただし書の善意と無過失の要否,一括下請負人の出来形の帰属(平成5年判決),634条2号の部分報酬の要件と額,損害額及び認容額の算定などである。

第5の模範解答は,〔設問1(1)〕Cに対する請求は認められ,Dに対する請求は認められない,〔設問1(2)〕Fの請求は認められない,〔設問2(1)〕本件出来形の所有権はAに帰属する,〔設問2(2)〕Aの請求は50万円の範囲で認められる,との結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実(日付,金額,否定の表現等),及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第1問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。条文は,特に断らない限り民法の条文である。判例名は,昭和33年判決(最判昭和33年8月28日),昭和35年判決(最判昭和35年7月27日),昭和39年判決(最判昭和39年3月6日),昭和56年判決(最判昭和56年2月17日),昭和62年判決(最判昭和62年4月23日),平成5年判決(最判平成5年10月19日),平成15年判決(最判平成15年10月31日)及び平成24年判決(最判平成24年3月16日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項(結論や金額に直結する事項を含む)
②重み4:問題文の特徴的な事実が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

本問は,配点が〔設問1〕と〔設問2〕で50:50とされ,文中の日時にかかわらず令和8年1月1日現在において施行されている法令に基づいて答えることが求められている。

【事実Ⅰ】では,Aが令和2年1月10日から,B所有の甲土地を自己の乙土地に含まれると過失なく信じて占有し,その後,Bが甲土地に,令和22年4月20日にCの抵当権(本件登記①)を,令和33年2月15日にDの第二順位の抵当権(本件登記②)を設定した。Aは令和35年9月3日に真相を知り,同年10月15日に初めて時効を援用して,C・Dに各登記の抹消を請求した(設問1(1))。

【事実Ⅱ】では,Eが公正証書遺言で丙土地を友人Fに遺贈し,弁護士Gを遺言執行者に指定した。Eの死亡後,遺言の内容を知った相続人Hが,法定相続分による相続登記を経て自己の持分をKに売却し,Kは登記(本件登記③)を備えた。Kは遺言の存在を知らず,Hに遺言の有無を尋ねることもしなかった。Gの就職承諾は売買の後であり,Fは,Kに本件登記③の抹消を請求した(設問1(2))。

【事実Ⅲ-1】では,Aが建築業者Bに自宅の建築を報酬1000万円で請け負わせ(解除時の出来形はAに帰属する旨の合意あり),Bは,Aの書面による承諾を得て,工事の全部をCに報酬800万円で一括して下請負させた(出来形の帰属の合意なし)。Cは材料の全部を調達して工事を進めたが,Bの下請代金の不払により工事を停止し,Aは催告の上で令和8年10月1日に本件契約①を解除した。本件出来形は独立の不動産となっており,その引渡しによるAの利益は完成時の6割であった(設問2(1))。

【事実Ⅲ-2】では,AがCから本件出来形の引渡しを受け,Dに残工事を市場の適正価格である650万円で請け負わせて建物を完成させた。AがBに損害賠償を請求したのに対し,Bは一部完成による報酬請求権との相殺を主張した(設問2(2))。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文1令和8年1月1日現在において施行されている法令(改正後の634条,1013条2項ただし書,899条の2等)を基準に論じる22頁(柱書)民法2各請求の根拠(所有権に基づく妨害排除請求としての抹消登記手続請求,415条の損害賠償請求)を特定する22頁~4頁(各設問)―2 設問1(1)(取得時効と複数の抵当権)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文3162条2項の要件(所有の意思,平穏・公然,占有開始時の善意無過失)を示し,令和12年1月10日に取得時効が完成したことを示す32頁(事実Ⅰの1)民法162条2項,186条1項4時効取得者と時効完成後の第三者とは対抗関係に立ち,C・Dはいずれも当初の時効との関係では時効完成後の第三者であることを示す52頁(事実Ⅰの2・3)民法177条,昭和33年判決520年の取得時効(令和22年1月10日完成)もCの登記より前に完成しており,結論を変えないことを確認する22頁(事実Ⅰの1・2)民法162条1項6再度の取得時効の規範(抵当権設定登記後に時効取得に必要な期間の占有を継続すれば,抵当権の容認等の特段の事情がない限り抵当権は消滅する)を示す52頁(事実Ⅰの4・5)平成24年判決7その理由付け(長期間継続した占有を保護する時効制度の趣旨)を示す3―平成24年判決8Cの登記の時点でのAの善意無過失と,令和32年4月20日の再度の時効完成を日付で示す42頁(事実Ⅰの4)民法162条2項9抵当権の存在を令和35年9月3日まで知らなかったことから,抵当権を容認していたなどの特段の事情がないことを評価する42頁(事実Ⅰの4)平成24年判決10Aがそれ以前に時効を援用していないことを指摘し,援用後に起算点をずらすことを否定した判例と区別する42頁(事実Ⅰの5のなお書)平成15年判決11援用時のAの悪意は,占有開始時(再度の時効の起算点)の善意無過失で足りる以上,結論に影響しないことを示す22頁(事実Ⅰの4・5)民法162条2項12効果として,Cの抵当権が消滅し,Cに対する請求が認められることを示す32頁(下線部㋐)民法162条2項,144条,397条13Dの登記は再度の時効完成(令和32年4月20日)の後であり,Dとの関係でも対抗問題となって,登記のないAは対抗できないことを示す52頁(事実Ⅰの3)民法177条14起算点を任意に選択してDの登記後に時効を完成させる主張は許されないことを示す42頁(事実Ⅰの1・3)昭和35年判決15Dの登記の日を起算点とする時効は令和43年2月15日まで完成しないことを示す32頁(事実Ⅰの3・5)民法162条2項16結論をCとDとで分けて示す(Cに対する請求は認められ,Dに対する請求は認められない)32頁(「各請求」)―3 設問1(2)(遺贈,遺言執行者及び第三者)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文17特定遺贈により遺言者の死亡時に所有権が受遺者に移転し,遺言執行者があっても受遺者は自ら第三者に妨害排除を求め得ることを示す32頁・3頁(事実Ⅱの1・6)民法985条1項,1012条2項,昭和62年判決18遺贈による物権変動にも登記を要し,原則として登記のないFは登記を備えたKに対抗できないことを示す43頁(事実Ⅱの3)民法177条,昭和39年判決19899条の2は相続による承継の規律であり,遺贈には適用されないことを示す22頁(事実Ⅱの1:遺贈)民法899条の220遺言執行者がある場合の相続人の処分は無効であること(1013条1項・2項本文)を示す52頁(事実Ⅱの1:遺言執行者の指定)民法1013条21遺言執行者の就職承諾前にされた処分も「遺言執行者がある場合」に当たるかを,制度趣旨から理由を付けて論じる53頁(事実Ⅱの3・4:売買が就職承諾より前)民法1013条1項,昭和62年判決22Hの持分の売却が「相続財産の処分」に当たることを,Hが遺言の内容を知っていた事実とともに示す22頁(事実Ⅱの2・3)民法1013条1項231013条2項ただし書により,無効を善意の第三者に対抗できないことと,Kが本件遺言を知らなかった(善意)ことを示す53頁(事実Ⅱの3のなお書)民法1013条2項ただし書24KがHに遺言の有無を尋ねなかった事実を踏まえ,無過失を要するかを論じ,結論を示す53頁(事実Ⅱの3のなお書)民法1013条2項ただし書25無過失を要しないとする論拠(文言,95条4項・96条3項との対比,第三者の調査の困難,1007条2項の通知等による執行の確保)を示す3―民法95条4項,96条3項,1007条2項26ただし書で保護されたKとFとが177条の対抗関係に立ち,登記を備えたKが優先することを示す43頁(本件登記③)民法177条27改正前の判例(受遺者は登記なくして処分の無効を対抗できる)の結論が,平成30年改正のただし書により修正されていることを示す3―昭和62年判決,民法1013条2項28就職承諾前には1013条が及ばないと解しても,177条により同じ結論になることを示す2―民法177条29単純承認の前提を守り,相続放棄等を論じない13頁(設問1(2)のなお書)―4 設問2(1)(出来形の所有権の帰属)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文30本件出来形が独立の不動産(建物)であり,所有権の客体であることを確認する24頁(事実Ⅲ-1の5)―31本件契約①の解除(令和8年9月2日の催告,10月1日の解除)が有効であり,帰属の合意の前提が満たされることを示す23頁・4頁(事実Ⅲ-1の4)民法541条32反対の立場の論拠として,材料の全部を提供した請負人に所有権が帰属するという考え方を示す43頁(事実Ⅲ-1の3:Cが材料の全部を調達)(大審院以来の判例。本記事では原文未確認)33反対の立場の論拠として,A・B間の帰属の合意は契約当事者でないCを拘束しないことと,本件契約②に帰属の合意がないことを示す43頁(事実Ⅲ-1の2)―34反対の立場の論拠として,Cの報酬の大半が未払であることと,Aの支払額(400万円)が出来形の価値(6割)に満たないことを示す33頁・4頁(事実Ⅲ-1の1~3・6)―35一括下請負人は注文者との関係で元請負人の履行補助者的立場に立ち,特段の事情のない限り出来形は注文者に帰属するとの規範を示す53頁(事実Ⅲ-1の2)平成5年判決36一括下請負であること,Cがそれを知っていたこと,Aの書面による承諾があることを当てはめる43頁(事実Ⅲ-1の2)建設業法22条3項,平成5年判決37平成5年判決の事案(注文者が出来形の価格の2倍以上を支払済み)との違いを指摘し,それでも特段の事情に当たらない理由(元請負人への報酬請求,債権者代位による報酬確保)を示す43頁(事実Ⅲ-1の1)平成5年判決,民法423条38結論(本件出来形の所有権はAに帰属する)を示す34頁(設問2(1))―5 設問2(2)(損害賠償と部分報酬による相殺)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文39債務不履行による解除と履行に代わる損害賠償(415条2項3号)の併存,Bの帰責事由を示す33頁・4頁(事実Ⅲ-1の3・4)民法415条,545条4項40634条2号の要件(仕事の完成前の解除,可分な部分の給付,注文者の利益)を示し,請負人の債務不履行による解除にも適用されることを示す54頁(事実Ⅲ-2の9:Bの反論)民法634条2号41Bの報酬額を1000万円×6割=600万円と算定する54頁(事実Ⅲ-1の6)民法634条42既施工部分には解除の効果が及ばず,既払の400万円の原状回復を求められないことを示す33頁(事実Ⅲ-1の1)昭和56年判決43Dへの650万円を通常損害として評価し,損害額を250万円(600万円+650万円-1000万円)と算定する54頁(事実Ⅲ-2の7・8:市場の適正価格)民法416条1項44報酬残額200万円を自働債権とする相殺の要件(同種の債権,弁済期,509条非該当)を検討し,Bの反論が200万円の限度で理由があることを示す44頁(事実Ⅲ-2の9)民法505条1項,509条,633条45Aの請求が認められる範囲を50万円と金額で示す54頁(設問2(2):金額を示して)―46250万円(損害),200万円(相殺される報酬残額),50万円(認容額)の法的性質を混同しない3――47本件契約②の金額(800万円・200万円)をA・B間の報酬や損害の算定に用いない23頁(事実Ⅲ-1の2)―48遅延賠償を論じない14頁(設問2(2)のなお書)―6 答案全体番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文49問題文の日付と金額を正確に用い,時効の完成日や損害額の計算過程を示す32頁~4頁―50参照する判例を,どの判例か特定できる形で示す2――7 重みの分布

50項目の内訳は,重み5が12項目,重み4が11項目,重み3が14項目,重み2が11項目,重み1が2項目であり,重みの合計は170点である。

重み5の12項目(番号4・6・13・20・21・23・24・35・40・41・43・45)は,設問1(1)については平成24年判決の再度の取得時効とDとの関係での対抗問題,設問1(2)については1013条の無効と同条2項ただし書の善意・無過失,設問2(1)については平成5年判決の規範,設問2(2)については634条2号の部分報酬と損害額・認容額の算定であり,いずれも結論又は金額を直接左右する。

第5 模範解答1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,問題文の指示に従い,令和8年1月1日現在において施行されている法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる(①)。」)及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,現行の司法試験では事案の分析と結び付けた判断枠組みの設定や,事実の評価が求められるため,規範の論証は争いの中心に絞り,日付と金額を用いた当てはめと計算に字数を割いた。条文は,特に断らない限り民法の条文である。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。

字数は見出しを含めて約4,063字である。
令和8年から論文式試験はCBT方式(パソコンによる答案作成)で行われ,入力できるのは1頁23行,1行当たり最大30字で,必須科目は1問につき8頁(184行)である(法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q73)。
以下の答案は,1文ごとに改行し,1行30字で折り返すとちょうど184行となり,この上限いっぱいに収まる。

2 答案

1 設問1(1)について
(1) Aの各請求は,時効取得した甲土地の所有権に基づき,C及びDの抵当権の消滅を理由に本件登記①②の抹消を求めるものである。
 Aは,令和2年1月10日,甲土地を自己の所有地と過失なく信じて占有を開始し,所有の意思をもって平穏かつ公然に占有を継続した。
 よって,令和12年1月10日の経過により取得時効が完成した(162条2項)。
 なお,20年の時効(同条1項)の完成もCの登記より前である。
 もっとも,時効取得者と時効完成後に原所有者から権利を取得して登記を備えた第三者とは,対抗関係に立つ(177条,最判昭和33年8月28日民集12巻12号1936頁)。
 C及びDは時効完成後に抵当権設定登記を了した第三者であるから,登記のないAは当初の時効取得を対抗できない。
 そこで,再度の取得時効を主張できないか。
(2)ア 思うに,時効制度は長期間継続した占有を保護する制度である。
 時効完成後に抵当権設定登記がされれば,その後いかに長く占有しても抵当権の負担のない所有権を取得できないと解するのは,この趣旨に反する。
 よって,占有者が抵当権設定登記後も引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し,その後に時効を援用したときは,抵当権の存在を容認していたなどの特段の事情がない限り,抵当権は消滅すると解する(判例同旨・最判平成24年3月16日民集66巻5号2321頁)。
 他方,援用者が起算点を任意に選択することはできない(判例同旨・最判昭和35年7月27日民集14巻10号1871頁)。
 イ Cについて見ると,Aは,本件登記①がされた令和22年4月20日の時点でも甲土地を自己の所有地と過失なく信じ,その後も占有を継続した。
 Aは甲土地を乙土地と一体の資材置場として占有し続けており,所有の意思に基づく平穏かつ公然の占有といえる。
 よって,令和32年4月20日の経過により再度の取得時効が完成した(162条2項)。
 Aは令和35年9月3日まで抵当権の存在を知らなかったから,これを容認していたとはいえず,特段の事情はない。

(続きを読む...)令和8年度司法試験民事系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した50項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験公法系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1(不作為についての審査請求)2 設問2(Bの原告適格)3 設問3(時点②の入所措置の要件)4 設問3(時点③の措置解除の要件)5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第2問(行政法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,同居する子(養護者)から十分な食事を与えられないおそれがあるとされた75歳の高齢者について,市が老人福祉法11条1項2号に基づき特別養護老人ホームへの入所措置(本件入所措置)を採った事案で,隣の市の法務担当職員から相談を受けた法律事務所の若手弁護士の立場から,〔設問1〕要綱に基づく緊急一時保護の申請への不応答が行政不服審査法3条の「行政庁の不作為」に当たるか,〔設問2〕養護者である子に本件入所措置の取消訴訟の原告適格が認められるか,〔設問3〕子が提起した国家賠償請求訴訟で,措置の時点の要件(困難性要件・補充性要件)と,その後の措置解除の要件について,双方がどのような主張・反論をするかを検討させるものである。配点割合は20:30:50である。

本記事が独自に予想した評価項目は44項目であり,重み5(設問又は会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,要綱の法的性格と老人福祉法11条が申請の仕組みを設定しているか(設問1),最高裁判例の原告適格の判断枠組みと,児童福祉法の親権者との比較及び高齢者虐待防止法14条の評価(設問2),困難性要件と虐待の有無(設問3の時点②),並びに解除の要件の特定と誓約書等の事情の変化をめぐる双方の主張(設問3の時点③)の10項目である。

第5の模範解答は,設問1では審査請求は不適法,設問2ではBの原告適格は否定されるとの結論を採り,設問3では,時点②の要件は満たされていたが,時点③では困難性要件が満たされなくなっていたと評価される余地が大きいとした。答案は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,法律事務所の会議録で弁護士H・I及び職員Gが検討を求めた事項,問題文に置かれた具体的な事実,関係法令の資料及び参照すべきと考えられる判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(公法系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例は,最大判平成17年12月7日(小田急線連続立体交差事業認可取消訴訟),最判平成15年9月4日(労災就学援護費不支給処分取消訴訟),大阪高判平成13年6月21日(ホームヘルパー派遣決定処分取消等請求控訴事件),最判平成22年6月3日及び最判平成5年3月11日である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問又は会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会議録が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の限定の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

A(75歳)は,判断能力に問題はないが両腕の機能に障害があり,要介護3の認定を受け,子Bの手助けで介護サービス契約を締結して居宅サービスを利用していた。Bは約10年間,Aと同居して介護していた。

Aは令和7年11月20日に意識障害で緊急搬送され,低ナトリウム血症と診断された。同年12月10日,担当医はAとBに,Aには尿に塩分が出やすい症状があるが普通の食事なら問題はなく,原因は自宅での食事と思われると説明し,塩分を控え目にしているというBに対し,塩分を控えすぎた食事の危険を改めて説明した。退院後の同月25日,Aは介護支援専門員に,塩分の少ない食事が変わらず時々めまいがすると話し,その手助けで,C市の高齢者緊急一時保護事業実施要綱(本件要綱)に基づく一時保護を申請したが,福祉事務所長は応答しなかった(時点①)。

令和8年1月5日の血液検査で,Aの血中ナトリウム値は直ちに意識障害が生じる程度ではないが正常値より低く,再発のおそれが指摘されたため,Bは翌6日にAを入院させた。7日には高齢者虐待防止法7条1項の通報があり,担当職員は,自宅療養が続けば生命に重大な危険が生じるおそれがあるとの報告書を提出した。8日,福祉事務所長は,老人福祉法11条1項2号に基づき,AをE園に入所させる措置(本件入所措置)を採り,Bも同日これを知った(時点②)。23日,C市はBに月額5万1800円の負担金額決定を通知した。

Aは入所後に体調が回復した。Bは3月10日に適切な居宅介護と栄養指導を約束して退所を求めたが,Aは帰宅に迷っていると述べ,C市は13日に拒否した。Bは6月15日,施設入所の希望には協力し,居宅介護の場合も定期的な血液検査と数値低下時の直ちの入院・入所を行うとの誓約書を提出したが,Aの受け答えはしっかりせず一貫性を欠き,C市は,Aの認知面の能力低下の可能性とB以外に契約を手助けできる者がいないことを理由に退所させなかった。Bは7月6日,負担金相当額の賠償を求めて国家賠償請求訴訟(本件訴訟)を提起した(時点③)。

設問は,隣のF市の職員G,弁護士H及び若手弁護士Iの会議録を踏まえ,弁護士Iの立場で,〔設問1〕時点①以降の不応答について不作為の審査請求がされた場合の適法性を「行政庁の不作為」の該当性に絞って,〔設問2〕時点②でのBの取消訴訟の原告適格を,〔設問3〕時点②の措置の要件と時点③の解除の要件について,本件訴訟でのBの主張とC市の反論を,それぞれ検討させる。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1(不作為についての審査請求)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文1「行政庁の不作為」の定義(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないこと)から,本件保護申請が「法令に基づく申請」に当たるかが争点であることを特定する53頁(設問1),5頁(弁護士Hの発言)行政不服審査法3条2「法令に基づく申請」の意義を,法令の明文又はその解釈により申請権が認められ,行政庁が諾否の応答義務を負う行為として示す45頁(弁護士Hの発言)行政不服審査法3条,行政手続法2条1号・3号3本件要綱が法令の委任に基づかない行政内部の定めであり,申請・審査・決定通知の規定(8条・9条)だけでは法令上の申請権が生じないことを示す55頁(弁護士Iの発言),10頁(本件要綱8条・9条)本件要綱8条~10条4緊急一時保護も老人福祉法11条の入所措置の一つであることを前提に,同条が申請の仕組みを設定しているかを検討する55頁(弁護士I・Hの発言)老人福祉法11条1項511条1項の文言(「必要に応じて」「採らなければならない」)から,市町村の職権による措置の仕組みであることを示す47頁(老人福祉法11条)老人福祉法11条1項6同法に措置の申請の規定がないこと(施設設置認可の申請,12条の解除の「申出」,生活保護法7条の申請保護の原則との対比)を示す37頁~8頁(老人福祉法12条)老人福祉法12条・15条6項,生活保護法7条7高齢者虐待防止法9条の通報・届出が職権発動の端緒にとどまることを示す29頁(高齢者虐待防止法9条2項)高齢者虐待防止法9条8本件要綱の申請・決定通知の構造から申請権を肯定する立場を取り上げ,法律が給付の仕組みを予定していた労災就学援護費判決との違いを示す310頁(本件要綱)最判平成15年9月4日9結論として,不応答は「行政庁の不作為」に当たらず,審査請求は不適法であるとする43頁(設問1)行政不服審査法3条10設問の限定(「行政庁の不作為」の該当性に絞る)を守り,審査請求先や期間等に立ち入らない13頁(設問1)行政不服審査法4条2 設問2(Bの原告適格)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文11Bが本件入所措置の名宛人ではないことから,「法律上の利益を有する者」への該当性が問題となることを示す44頁(設問2),5頁(弁護士Iの発言)行政事件訴訟法9条1項12「法律上の利益を有する者」の意義(自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者,個別的利益としての保護)を判例に即して示す55頁(弁護士Iの発言)最大判平成17年12月7日13第三者の原告適格の判断における考慮事項(根拠法令の趣旨・目的,目的を共通にする関係法令,利益の内容・性質)を示す45頁~6頁(弁護士Hの発言)行政事件訴訟法9条2項14本件入所措置によりB自身の権利が制限されるかを,Bの主張(約10年間の同居・介護関係の断絶)と対比して検討する32頁(Bの介護),6頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条15児童福祉法27条4項(親権者の意に反する措置の禁止)・28条1項(家庭裁判所の承認)と比較し,親権者の場合との違いを示す55頁~6頁(弁護士Hの発言),10頁(児童福祉法)児童福祉法27条4項・28条1項16高齢者の子である養護者には親権に相当する監護権がなく,老人福祉法11条・12条も養護者の同意や意見聴取を定めていないことを示す46頁(弁護士Hの発言),7頁(老人福祉法12条)老人福祉法11条・12条17老人福祉法5条の4が「養護者」を福祉の措置の対象に掲げることをB側の根拠として取り上げ,その意味を評価する37頁(老人福祉法5条の4)老人福祉法5条の4・10条の418高齢者虐待防止法14条(及び1条・6条)の養護者支援の規定をB側の根拠として取り上げ,それだけでは原告適格を基礎付けにくい理由を示す56頁(弁護士Hの発言),8頁~9頁(同法1条・6条・14条)高齢者虐待防止法1条・6条・14条19高齢者虐待防止法が,生命又は身体に重大な危険が生じている高齢者について,一時的な保護のための迅速な措置(養護者との分離を含む。)を予定していること(9条2項)を示す39頁(同法9条2項)高齢者虐待防止法9条2項20老人福祉法28条の費用徴収(扶養義務者)による財産上の利益を検討し,別個の負担金額決定によること,時点②では決定がないことを評価する33頁(負担金額決定),8頁(老人福祉法28条)老人福祉法28条1項21結論として,Bの原告適格を否定する(肯定する場合も,上記の根拠を踏まえた理由付けを示す)44頁(設問2)行政事件訴訟法9条3 設問3(時点②の入所措置の要件)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文22本件訴訟が国家賠償請求訴訟であり,取消判決を経ずに本件入所措置の違法を主張できることを示す23頁(本件訴訟),5頁(職員Gの発言)最判平成22年6月3日23国家賠償法上の違法の判断枠組み(職務上通常尽くすべき注意義務)をC市の反論として位置付ける23頁(本件訴訟)国家賠償法1条1項,最判平成5年3月11日24老人福祉法11条1項2号の要件を分解し,年齢と常時の介護の必要性は満たすと簡潔に処理した上で,困難性要件と補充性要件を争点として特定する45頁(弁護士Hの発言),6頁(職員Gの発言)老人福祉法11条1項2号25要件の判断に裁量があるかについて,C市の主張(「認めるとき」,専門的・緊急的判断)とBの主張(居所を公権的に定める措置の重大性)を示す37頁(老人福祉法11条)老人福祉法11条1項2号26困難性要件が居宅に虐待がある場合に満たされるとの手掛かりから,虐待(高齢者虐待防止法2条4項1号ロ)の有無を争点とする56頁(弁護士Hの発言),8頁(同法2条4項)高齢者虐待防止法2条4項1号ロ27Bの主張として,「塩分控え目のものを十分」食べさせていたこと,尿に塩分が出やすい症状,1月5日の数値の程度,1月6日の入院,在宅の支援体制及び時点②で入院中であったことを挙げる42頁(事実関係)高齢者虐待防止法2条4項1号ロ28C市の反論として,12月10日の医師の説明後も食事が改められなかったこと,12月25日のめまい,1月5日の数値と再発のおそれ,1月7日の報告書を挙げ,虐待は客観的に判断すべきとする42頁(事実関係)高齢者虐待防止法2条4項1号ロ・9条2項29補充性要件の意義(自ら介護老人福祉施設等と入所契約を締結することが困難な場合等)を示す46頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条1項2号30Bの主張として,Aの判断能力に問題がないこと,Bの手助けによる介護サービス契約の実績,介護支援専門員の手助けによる申請,要介護3で介護老人福祉施設に入所し得ることを挙げる42頁(事実関係)介護保険法8条22項・27項,同法施行規則17条の931C市の反論として,両腕の障害で契約はBの手助けに依存していたこと,Bに虐待のおそれがあること,生命の危険と「迅速」な保護の要請を挙げる42頁~3頁(事実関係),9頁(同法9条2項)高齢者虐待防止法9条2項32虐待の事実又はそのおそれの有無によって補充性要件の充足が左右されるという連動を示す36頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条1項2号33C市の判断(担当職員の報告書に依拠し,自ら契約することも困難と判断したこと)に対し,判断過程の不合理をBの予備的主張として示す22頁~3頁(1月8日の判断)老人福祉法11条1項2号4 設問3(時点③の措置解除の要件)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文34老人福祉法12条が解除の手続を定めるにすぎないことを示し,措置の継続は11条1項2号の要件の存続を前提とし,一方の要件でも満たされなくなれば解除すべきであるとして解除の要件を特定する56頁(弁護士Hの発言),7頁~8頁(同法12条)老人福祉法11条1項2号・12条,同法施行規則6条35時点②の事実関係と,その後時点③までの事実の変化を区別して整理する43頁(事実関係),6頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条1項2号36Bの主張として,Aの回復,原因が食事にあったこと,3月10日の約束,6月15日の誓約書(定期的な血液検査,数値低下時の直ちの入院又は入所)から,困難性要件が消滅したとする53頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号37C市が3月13日に「確実であるとはいえない」として拒否したことを,要件の存続ではなく安全の確実性を求める誤った基準として指摘する33頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号38Bの主張として,施設入所への協力の誓約と,契約能力に問題があれば後見開始等の審判請求ができることから,補充性要件も消滅したとする33頁(誓約書),9頁(同法9条2項)老人福祉法32条39C市の反論として,医師の説明後も改善しなかった経緯,約束・誓約の実効性の欠如,Aの認知面の能力低下と要介護状態の重度化の可能性から,困難性要件が存続するとする53頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号40C市の反論として,Aが自ら契約することは困難であり,B以外に契約を手助けできる者がおらず,Bに代理権もないことから,補充性要件が存続するとする43頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号41Aの意思(3月11日の「迷っている」,6月16日の「帰宅してもよい」と受け答えの不一貫)を双方の立場から評価する33頁(事実関係)老人福祉法12条5 答案全体番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文42設問の配点割合(20:30:50)に応じて分量を配分する22頁(配点)―43設問3で,Bの主張とC市の反論を要件ごとに対にして示す34頁(設問3)―44設問1と設問2の追加的な事実関係を別個独立のものとして扱う13頁(本文末尾)―6 重みの分布

44項目の内訳は,重み5が10項目,重み4が15項目,重み3が12項目,重み2が5項目,重み1が2項目であり,重みの合計は158点である。

重み5の10項目(番号1・3・4・12・15・18・26・34・36・39)は,設問1については会議録で弁護士Hが注意を促した要綱の法的性格と老人福祉法11条の申請の仕組み,設問2については弁護士Hが検討を求めた判断枠組み,児童虐待の場合との比較及び高齢者虐待防止法14条,設問3については弁護士Hが示した困難性要件と虐待の関係,解除の要件の特定及び時点③までの事情の変化をめぐる双方の主張である。

設問ごとの重みの合計は,設問1が36点,設問2が43点,設問3が73点であり,問題文の配点割合(20:30:50)とおおむね対応するようにした。

第5 模範解答1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目を満たすように作成したものであり,弁護士Iの立場で,令和8年1月1日現在において施行されている法令及び問題文の各時点の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,本問は会議録で検討の方向がかなり示されており,設問3は双方の主張・反論を問うものであるから,規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。

字数は見出しを含めて4,197字である。
令和8年司法試験のCBT方式の論文式試験では,答案は1頁23行,1行当たり最大30文字で,必須科目は1問につき8頁(184行)が上限である(法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q73)。この答案は,1文ごとに段落を改めて改行し,1行30字で折り返すと184行となり,8頁の上限をちょうど使い切る分量にした。設問ごとの行数は,設問1が38行,設問2が55行,設問3が91行である。

2 答案

1 設問1について
(1) Aの本件要綱に基づく一時保護の申請(以下「本件保護申請」という。)への不応答は,「行政庁の不作為」(行政不服審査法3条)に当たるか。
 同条は,不作為を「法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないこと」と定義する。
 そこで,本件保護申請が「法令に基づく申請」に当たるかが問題となる。
 思うに,同条の審査請求は,応答義務を怠る行政庁から申請者を救済する制度である。
 よって,「法令に基づく申請」とは,法令の明文又は解釈により申請権が認められ,行政庁が諾否の応答義務を負うものをいうと解する(行政手続法2条3号参照)。
(2)ア 本件要綱は,申請(8条),審査及び決定通知(9条)を定める。
 しかし,要綱は法令の委任に基づかない行政内部の定めであり,私人に対する法的拘束力を持たない。
 したがって,本件要綱だけでは法令上の申請権は生じない。
イ では,老人福祉法11条の解釈により申請権が認められないか。
 緊急一時保護も,法的には同条の入所措置の一つである。
 同条1項は「必要に応じて,次の措置を採らなければならない」と定め,市町村が職権で措置を採る仕組みである。
 同法は施設設置認可の「申請」(15条6項)を定める一方,措置には申請の規定を置かず,本人の意思が現れるのは解除の「申出」(12条ただし書)のみである。
 これは,保護を「申請に基いて」開始する生活保護法7条と対照的である。
 高齢者虐待防止法9条の通報・届出も,職権発動の端緒にすぎない。
 確かに,要綱の申請手続に基づく給付の決定を処分とした判例がある(最判平成15年9月4日)。
 しかし,同判決は法律自体が給付の仕組みを予定していた事案であり,根拠法が職権による措置を定める本件とは異なる。

(続きを読む...)令和8年度司法試験公法系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験公法系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問①(管理上の支障)3 設問②(特別な理由)―判断枠組みと代替手段4 設問②(特別な理由)―政治的中立性5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の模範解答第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第1問(憲法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,A市の中心部にある市立公園(本件公園)で,住宅費高騰への抗議として寝袋や段ボールで一夜を過ごす活動をするための夜間の独占使用の申請(本件申請)について,市長が,①条例5条3項5号の「管理に支障がある」ことを根拠として,②条例8条2項の「夜間の独占使用を認めるべき特別な理由」がないことを根拠として,それぞれ不許可処分をすることが憲法上許されるかを,市の法曹資格者の立場で論じさせるものである。

本記事が独自に予想した評価項目は37項目であり,重み5(設問又は会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,泉佐野市民会館事件判決の判断枠組みと危険の程度,上尾市福祉会館事件判決の「管理上支障」の限定解釈と敵意ある聴衆の法理,代替手段論への反論,金沢市庁舎前広場事件判決の「外見上の政治的中立性」の論理とその射程,及び新幹線延長の催しの許可から導かれる見解差別の8項目である。

第5の模範解答は,①②のいずれについても不許可処分は憲法上許されないとの結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,甲と乙の会話で検討が求められた事項,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(公法系科目の問題冊子の第1問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例名は,泉佐野市民会館事件判決(最判平成7年3月7日),上尾市福祉会館事件判決(最判平成8年3月15日),金沢市庁舎前広場事件判決(最判令和5年2月21日),皇居外苑事件判決(最大判昭和28年12月23日),呉市立中学校事件判決(最判平成18年2月7日)及び吉祥寺駅事件判決(最判昭和59年12月18日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問又は甲・乙の会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会話が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

本件公園は,A市が都市公園法に基づいて設置した60メートル四方の市立公園であり,同規模の市立公園のうち市の中心部にあるのは本件公園だけで,南側の中央大通りは昼夜を問わず通行人が多い。公園の一部又は全部の独占使用には市長の許可が必要であり(本件条例5条1項),これまで国際交流団体の行事や原水爆禁止を訴える集会が開かれたことがある。

夜間の暴走族の集会や未成年者の飲酒への陳情を受けて,本件条例8条1項は本件公園の夜間(午後7時から翌日午前7時まで)の利用を禁止し,A市は公園を柵で囲んで夜間は施錠している。ただし,同条2項により,特別な理由があるときは夜間の独占使用が許可され,星座鑑賞会や盆踊り等,例年10~20件が許可されている。新幹線延長を訴える無料ビアガーデンも許可され,市議会で政治的中立性を問題とする質問を受けた市長は,新幹線延長は自身の公約で市の基本政策であるから批判は当たらないと答弁した。

市民団体Xは,住宅費高騰への抗議として世界各地の都市で同時刻に一夜を過ごす国際的なプロジェクトに呼応し,7月1日午後8時から翌2日午前6時まで本件公園を独占使用する申請をした。参加者は幹部6人と会員の約20名で,一般市民は立ち入らせない。幹部の一人Bは,外国人排斥デモに対するカウンターデモを行う団体Cの代表で,衝突の際に逮捕されたが不起訴となっている。

総務部長甲は,Bの存在による暴力の危険と警察官の配備の困難(管理上の支障),昼間の公園や公民館でも活動できることと市の政治的中立性(特別な理由がないこと)を理由に不許可にしたいと考え,法曹資格者の乙に相談した。設問は,乙の立場で①②の不許可処分が憲法上許されるかを論じさせ,参考とすべき判例や自己の見解と異なる立場への言及を求める一方,規定の文言の明確性は論じる必要がないとしている。

(続きを読む...)令和8年度司法試験公法系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

目次第1 この記事の対象第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 公法系科目第1問(憲法)2 公法系科目第2問(行政法)3 民事系科目第1問(民法)4 民事系科目第2問(商法)5 民事系科目第3問(民事訴訟法)6 刑事系科目第1問(刑法)7 刑事系科目第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目を除く主要7科目(憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法)の7問について,山中弁護士ブログに掲載した模範解答の記事7本を一覧にして案内するものである。
7本の記事は,いずれも法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答と,出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を示している。

7本で抽出した評価項目は合計458項目であり,そのうち重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは52項目である。
第2の一覧表で科目ごとの記事を選び,第3で各問題の概要と重み5の事項を確かめてから個別の記事を読むと,どこで答案の差がついたのかをつかみやすい。

選択科目の論文式試験と短答式試験は,本記事の対象としていない。
本記事の記載は,令和8年9月28日時点で公開している7本の記事の内容に基づく。

第2 7記事の一覧
科目主な論点評価項目重み5公法系科目第1問(憲法)国政選挙の投票の義務化,連続不投票者の選挙権の停止,街頭演説の聴衆の行為の禁止の合憲性40項目6項目公法系科目第2問(行政法)条例に基づく勧告・指示の処分性,差止訴訟の「重大な損害を生ずるおそれ」,勧告の実体的違法性72項目5項目民事系科目第1問(民法)使用者責任と被害者側の過失,混同と求償,弁護士法72条違反の和解,即時取得と不当利得の返還額96項目10項目民事系科目第2問(商法)取締役会の留保に反する代表取締役の行為,報酬配分の再一任と自己の報酬の増額,少数株主要件と会計帳簿等の閲覧謄写請求65項目8項目民事系科目第3問(民事訴訟法)遺産確認の訴えと固有必要的共同訴訟・確認の利益,証明妨害と信義則,弁論主義と法的観点指摘義務75項目11項目刑事系科目第1問(刑法)替え玉受験と有印私文書偽造・同行使罪,他人名義のクレジットカードの使用と詐欺罪,共同正犯,暴行後の交通事故と因果関係,不作為による幇助59項目6項目刑事系科目第2問(刑事訴訟法)逮捕に伴う無令状捜索・差押え,刑訴法328条の弾劾証拠,公判前整理手続後の証拠調べ請求51項目6項目

評価項目の数と重みは,各記事が公式資料の書きぶりから付けたものであり,法務省の配点ではない。

第3 各問題の概要と重み5の事項
1 公法系科目第1問(憲法)

本問は,国政選挙における投票の義務化(施策①⒜),連続3回の不投票者の国政選挙権を5年間停止する措置(施策①⒝)及び選挙運動中の街頭演説の聴衆による不穏当な行為の禁止(施策②)という架空の法案骨子について,法律家の立場からその憲法適合性を論じさせるものである。
施策②の規制対象行為の不明確性及び過度広汎性は,論じる必要がないとされている。

重み5の6項目は,施策①⒜の選挙権の二元説,施策①⒝の在外国民選挙権訴訟の大法廷判決の参照と同判決の例外への該当性,施策②の戸別訪問判決の補足意見が示した「選挙のルール」論と主催者の要請による実質的な内容規制,及び事案の分析に基づく判断枠組みの設定である。

記事:令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け

2 公法系科目第2問(行政法)

本問は,養鶏場の設置者に対する市の条例に基づく勧告・指示をめぐる紛争を題材に,勧告と指示の処分性(設問1⑴),指示の差止訴訟における「重大な損害を生ずるおそれ」(設問1⑵)及び勧告の実体的違法性(設問2)を,弁護士の立場から論じさせるものである。
配点の割合は,設問1⑴,設問1⑵及び設問2の順に35:15:50である。

重み5の5項目は,病院開設中止勧告に関する最高裁判決の判示,差止訴訟に関する最高裁判決の判示,本件指示の後の取消訴訟と執行停止による救済の可能性,条例29条2項の本文とただし書の構造,及び要件裁量を否定する主張と仮に裁量がある場合の主張の二段構えである。

記事:令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した72項目と5段階の重み付け

3 民事系科目第1問(民法)

本問は,業務中の従業員の威嚇行為が原因となった交通事故をめぐる使用者責任,被害者側の過失,混同と求償及び弁護士法72条違反の和解の効力(設問1)と,未成年者の交換契約の取消しから始まる動産の転売と即時取得及び不当利得の返還額(設問2)を問うものである。

重み5の10項目は,暴行の事件類型における使用者責任の判例の基準,被害者側の過失による過失相殺の合理性の説明,共同不法行為者の債務の併存の指摘,連帯債務の規定の適用の検討,委任契約と和解契約の効力の区別,和解を無効とした場合の当事者の利益の考慮,民法825条による共同名義の取消しの効力,即時取得の否定,返還額(35万円か30万円か)の検討,及び対価の控除の可否である。
評価項目の数(96項目)は,7問の中で本問が最も多い。

記事:令和7年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した96項目と5段階の重み付け

4 民事系科目第2問(商法)

本問は,上場会社の代表取締役が取締役会の留保に反して行った設備投資の責任(設問1),取締役会から報酬の配分の再一任を受けた代表取締役が自己の報酬のみを増額した行為の責任(設問2),及び訴訟の係属中の募集株式の発行により少数株主要件を欠くに至った株主の会計帳簿等の閲覧謄写請求の可否(設問3)を問うものである。

重み5の8項目は,取締役会の留保に反した行為を善管注意義務違反とする主張,緊急性が高い場合の例外の余地とその当てはめ,報酬額の決定が善管注意義務違反を構成し得るか及びその判断基準,少数株主要件の充足時点の原則,最高裁決定を踏まえた例外の枠組み,並びに間接事実による妨害目的の認定である。

(続きを読む...)令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

令和7年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方
2 5段階の重み付けの基準

第3 本問の概要
第4 評価項目と重み

1 設問1の総論(逮捕に伴う無令状捜索・差押え)
2 下線部①(第三者方の和室の捜索)
3 下線部②(居合わせた第三者Yの身体の捜索)
4 下線部③(J交番での乙の身体の捜索)
5 設問2-1(証拠1と刑訴法328条)
6 設問2-2(証拠2と刑訴法316条の32)
7 答案全体
8 重みの分布

第5 模範解答

1 答案の前提と表記
2 答案
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

(続きを読む...)令和7年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方
2 5段階の重み付けの基準

第3 本問の概要
第4 評価項目と重み

1 設問1課題1(遺産確認の訴えが固有必要的共同訴訟とされる根拠)
2 設問1課題2(Bを被告に加えた訴えの確認の利益)
3 設問2(証明妨害と信義則)
4 設問3課題①(主張原則と抗弁)
5 設問3課題②(不意打ちにならなくても弁論主義に反する理由)
6 設問3課題③(法的観点指摘義務)
7 答案全体
8 重みの分布

第5 模範解答

1 答案の前提と表記
2 答案
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

(続きを読む...)令和7年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した65項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方
2 5段階の重み付けの基準

第3 本問の概要
第4 評価項目と重み

1 設問1(工業用機械βの購入)
2 設問2(自己の報酬の増額)
3 設問3(会計帳簿等の閲覧謄写請求)
4 答案全体
5 重みの分布

第5 模範解答

1 答案の前提と表記
2 答案
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

第6 関連記事

1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

(続きを読む...)令和7年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した65項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した96項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1⑴ア(使用者責任)2 設問1⑴イ(被害者側の過失)3 設問1⑵ア(混同)4 設問1⑵イ(求償と最終負担)5 設問1⑶(弁護士法72条違反の和解)6 設問2ア(乙の所有権の帰属)7 設問2イ(不当利得の返還額)8 答案全体9 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第1問(民法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本問は,業務中の従業員の威嚇行為が原因の交通事故をめぐる使用者責任,被害者側の過失,混同と求償及び弁護士法72条違反の和解の効力(設問1),並びに未成年者の交換契約の取消しから始まる動産の転売と即時取得及び不当利得の返還額(設問2)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は96項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,暴行の事件類型の判例の基準,被害者側の過失による過失相殺の合理性の説明,共同不法行為者Cの債務の併存の指摘,連帯債務の規定の適用の検討,委任契約と和解契約の効力の区別,和解を無効とした場合の当事者の利益の考慮,825条による共同名義の取消しの効力,Fの即時取得の否定,返還額(35万円か30万円か)の検討及び対価の控除の可否の10項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(民事系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
「〜しない」の形の項目は,採点実感が誤り又は不十分な答案として挙げた記述から作ったものである。
結論が複数あり得る論点(被害者側の過失の基準時,連帯債務の規定の適用の可否,返還額及び対価の控除)は,結論ではなく検討の有無を項目にした。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを示した。
出題の趣旨は,法務省のPDFの頁と見出し番号(例えば「5頁1⑵イ」は,5頁の「1 設問1について」の⑵イを指す。)で示した。
採点実感は,民事系科目の採点実感のうち第1問の部分の見出し番号(例えば「3⑴ア(ア)①」は,「3 採点実感」の⑴(設問1)のア(設問1⑴)の(ア)(全体的な採点実感)で挙げられた論ずべき事項①を指し,「(イ)優秀」は(イ)(答案の例)の「優秀」の記述を指す。)で示した。
一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が「ごく少数」「少数」「半数近い」等と述べて評価の分かれ目とした事項のうち,出題の趣旨も検討を求めるもの,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項,又は採点実感が多数の答案の誤りとして指摘した事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別構成

第3 本問の概要

設問1の事実は,次のとおりである。
設備工事業者Bの従業員Aが,Bの業務としてBのトラックを運転中,Cの乗用車に割り込まれてクラクションで抗議し,信号待ちの際に口論となった。
Aは,Cから執拗に挑発されて,荷台から取り出した工具を振り回しながらCに向かって行った。
逃げようとして急発進したCが縁石に乗り上げて車を横転させ,同乗していたCの妻Dが重傷を負った(過失割合はA2割,C8割)。
事故の後,CとDは別居して離婚に合意し,DはBに損害賠償を請求した。

(続きを読む...)令和7年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した96項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した59項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1⑴(乙の有印私文書偽造・同行使罪)2 設問1⑵(乙の詐欺罪)3 設問1⑶(甲の共同正犯)4 設問2・甲の罪責5 設問2・丙の罪責6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第1問(刑法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,設問1で,替え玉受験の答案の作成・提出と,他人名義のクレジットカードの使用について,乙に有印私文書偽造・同行使罪及び詐欺罪が,甲にそれらの共同正犯が成立するとの立場からの説明を求め,設問2で,甲の子に対する暴行と,それを阻止しなかった母親丙の罪責を論じさせるものである。

公式資料から抽出できた評価項目は59項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が「著しく低い評価」とした事項)に当たるのは,文書の名義人及び作成者の意義と,設問1⑶で甲が単独では正犯になり得ないことを示した上で共同正犯を認める論拠(有印私文書偽造・同行使罪と詐欺罪の各2項目)の6項目である。
採点実感は,設問1⑶で共謀とそれに基づく実行だけを理由に共同正犯を認めた多くの答案を「著しく低い評価」としており,本問で最も差がついた箇所と考えられる。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(刑事系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを示した。
出題の趣旨は頁(全科目を収めたPDFの頁)と見出しで示し,採点実感は見出し番号で示している(例えば「2⑴ア」は,「2 採点方針及び採点実感」の「⑴ 設問1について」の「ア 設問1⑴について」を指す。)。
一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

①重み5:採点実感が「著しく低い評価」とした事項,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も「高い評価」とした事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け又は成立要件
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成

第3 本問の概要

【事例1】では,甲が,友人乙に報酬50万円を約束して私立A大学の入試の替え玉受験を依頼し,乙は,甲に成り済まして,氏名欄のない解答用紙に甲の受験番号「A123」を記載して解答し,これを提出した。
A大学の入試では受験番号が氏名に代わる受験生識別の手段とされており,甲は合格して入学した。

その後,乙は,報酬の一部として甲名義のクレジットカードで5万円の物品を買い,利用分を報酬から差し引くことを求め,甲はカードを渡して暗証番号を教えた。
乙は,甲に成り済ましてB店の店員Cにカードを提示し,暗証番号を入力して腕時計の交付を受けた。
会員規約はカードの貸与等を禁じ,加盟店規約は加盟店に名義人との同一性の確認を求めており,B店は名義人以外の利用に応じないこととしていた。
利用代金は,甲がアルバイトで工面して口座から引き落とされた。

【事例2】では,甲が,妻丙の眼前で長男D(2歳)と丙の顔面を殴って傷害を負わせた後,丙とよりを戻して同居を再開し,約3か月後,丙(妊娠8か月)がトイレにいる間に,Dの頭部を拳で十数回殴って硬膜下血腫を生じさせた。
丙は,暴行の可能性を認識しながら,監視・制止(①行為)も身を挺した制止(②行為)もせずにトイレにとどまった。

(続きを読む...)令和7年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した59項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した72項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1⑴(処分性の一般論と論じ方)2 設問1⑴(本件勧告の処分性)3 設問1⑴(本件指示の処分性)4 設問1⑵(差止訴訟の「重大な損害を生ずるおそれ」)5 設問2(勧告事項1:規制距離と居住者)6 設問2(勧告事項2:立入検査の拒否)7 設問2(勧告事項3:生活環境を損なうおそれ)8 設問2の全体と答案全体9 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第2問(行政法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本問は,養鶏場の設置者に対する市の条例に基づく勧告・指示をめぐる紛争を題材に,勧告と指示の処分性(設問1⑴),指示の差止訴訟における「重大な損害を生ずるおそれ」(設問1⑵)及び勧告の実体的違法性(設問2)を,弁護士の立場から論じさせるものである。

公式資料から抽出できた評価項目は72項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,病院開設中止勧告に関する平成17年判決の判示,差止訴訟に関する平成24年判決の判示,本件指示の後の取消訴訟と執行停止による救済の可能性,条例29条2項の本文とただし書の構造及び要件裁量を否定する主張と仮に裁量がある場合の主張の二段構えの5項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(公法系科目第2問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
「〜しない」の形の項目は,採点実感が誤り又は不十分な答案として挙げた記述から作ったものである。
結論が複数あり得る論点(設問1⑵の「重大な損害を生ずるおそれ」の充足の有無)は,結論ではなく検討の有無を項目にした。
設問1⑴は,設問自体が「①本件勧告は処分性を有しないが②本件指示は処分性を有する」という立場を指定しているので,その立場で結論することを項目にしている(番号6)。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを示した。
出題の趣旨は,法務省のPDFの頁と段落(例えば「3頁〔設問1〕⑴」は,3頁の〔第2問〕のうち〔設問1〕⑴を説明した段落を指す。)で示した。
採点実感は,公法系科目の採点実感のうち第2問の部分の見出し番号(例えば「3⑴(優秀)」は「3 答案に求められる水準」の⑴(設問1⑴)のうち優秀な答案の記述を,「4⑵(平成17年判決について)」は「4 採点実感」の⑵(設問1⑴)のうち同じ小見出しの記述を指す。)で示した。
一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が「多くみられた」「ほとんど見られなかった」等と述べて評価の分かれ目とした事項のうち,出題の趣旨も検討を求めるもの,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項,又は採点実感が多数の答案の不十分な点として指摘した事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,又は採点実感が優秀な答案の特徴として挙げた事項
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項

第3 本問の概要

本問の事実は,次のとおりである。
Aは,B市の郊外で鶏を500羽以上飼養する養鶏場(本件養鶏場)を令和6年9月に設置した。
本件養鶏場から40メートルの場所にはCの住宅(本件住宅)があるが,Cは設置前の同年8月に骨折して隣接するD市内の病院に入院し,令和7年1月以降は同市内の介護老人保健施設に入所しており,本件住宅には現に居住している者がいない。
B市生活環境保全条例(本件条例)は,特定家畜飼養施設について,設置の届出(29条1項),規制距離(鶏500羽以上の施設は近隣の住宅から50メートル)内の設置の禁止と,住宅の居住者の同意による例外(同条2項),市長の指導・勧告(32条),勧告に正当な理由なく従わない場合の審議会の意見を聴いた上での指示(33条)及び指示に従わない場合の公表(34条)を定めており,罰則はない。

(続きを読む...)令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した72項目と5段階の重み付け(AI作成)

平成14年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

目次第1 この記事の対象と読み方1 対象とした試験と資料2 模範答案の前提と表記3 全12問の主な論点第2 憲法1 第1問 公立図書館での雑誌の閲覧禁止と知る権利2 第2問 司法権の範囲と限界第3 民法1 第1問 親権者の代理権の濫用と売却代金の行方2 第2問 債務者の意思に反して債務を消滅させる方法第4 刑法1 第1問 共犯者間で異なる正当防衛の成否と方法の錯誤2 第2問 詐取された宝石の売却と盗品等関与罪・横領罪・詐欺罪第5 商法1 第1問 合併比率が不当なときの少数株主の手段2 第2問 手形の変造・交付欠缺と遡求第6 民事訴訟法1 第1問 民事訴訟で手続が公開されない場合2 第2問 氏名冒用訴訟と当事者の死亡第7 刑事訴訟法1 第1問 体内に隠された証拠物の取得と令状2 第2問 覚せい剤使用罪の訴因変更第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例(裁判所ウェブサイト掲載)3 裁判例(裁判所ウェブサイト未掲載)4 公文書
第1 この記事の対象と読み方
1 対象とした試験と資料

本記事は,平成14年度の旧司法試験第二次試験論文式試験の全12問(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の各2問)について,問題ごとに,問題文,法務省が公表した出題趣旨,模範答案及び出題趣旨を踏まえた解説を示すものである。
模範答案と解説は生成AIを用いて作成し,判例と条文は一次資料で確認した。

問題文と出題趣旨は,法務省の「論文式試験問題・出題趣旨」のページにある「平成14年度 問題[PDF]」及び「平成14年度 出題趣旨[PDF]」から引用した。
出題趣旨のPDF(全6頁)は問題文と出題趣旨を並べた形式であり,本記事では頁画像で句読点の位置まで確認した上で引用している。

法務省の「法務省ウェブサイトのコンテンツの利用について」によれば,同省のウェブサイトのコンテンツには,権利表記がない限り「公共データ利用規約(第1.0版)」(PDL1.0)が適用される。
同ページで別のルールを適用するコンテンツとして挙げられているものの中に,司法試験の問題と出題趣旨は含まれていない(令和8年9月28日確認)。
本記事の問題文と出題趣旨は,この利用規約に従い,法務省ウェブサイトの上記各PDFを出典として掲載するものであり,改行位置など表示上の体裁は本記事に合わせている。
試験問題を利用するときの著作権の考え方は,過去問・入試問題の解説を販売・配信してよいかで整理している。

旧司法試験については,同じページに年度ごとの問題と出題趣旨のPDFが掲載されているだけで,現行の司法試験のような採点実感は公表されていない。
そのため,本記事の解説は,出題趣旨の文言と,判例・条文の原文との照合を手掛かりにしている。
法務省のウェブサイトにある司法試験・予備試験の資料の所在は,法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在で一覧にしている。

調査の基準日は令和8年9月27日である。
現行法令は同日時点でe-Gov法令検索に収録された条文を確認し,最高裁判所の判例は裁判所ウェブサイトの個別ページで裁判年月日,事件番号及び掲載誌を確認した。

他年度の記事として,平成15年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説も掲載している。
年度ごとに出題当時の法令・判例を前提にして読み比べられたい。
平成16年度については,平成16年度旧司法試験論文式試験の模範答案―全12問と出題趣旨を踏まえた解説も参照されたい。

2 模範答案の前提と表記

模範答案は,出題当時(平成14年)の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。
そのため,民法は平成29年改正前の規定,商法は会社法(平成17年法律第86号)の制定前の規定,刑事訴訟法はその後の改正で項番号が動く前の規定によっている。
現行法で結論や条番号が変わる点は,各問の「現行法とその後の裁判例」で説明する。

答案は,旧司法試験の論文式答案で広く使われた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型であり,字数は1問おおむね1,700字から1,900字である。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイト又は判例データベースで判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範・理由付けによるもの,「判例に結論同旨」は結論が同じものの理由付けが答案独自のもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。
出題後に言い渡された判例は答案に入れず,解説の中で「その後の裁判例」として紹介している。

3 全12問の主な論点
科目・問主な論点憲法第1問公立図書館で雑誌を閲覧する権利の保障と位置付け,閲覧禁止を正当化する事情,合憲限定解釈による解決憲法第2問法律上の争訟,事件性,法律案・宗教の教義・納税者の返還請求と司法権の範囲,統治行為論民法第1問親権者の利益相反行為と代理権の濫用,無効な売買の買主の不当利得返還請求,騙取金による弁済と不当利得・詐害行為取消し民法第2問第三者の弁済と債務者の意思,更改・債務引受・保証・債権譲渡・免除,債務者の意思を尊重することの合理性刑法第1問共犯者間で異なる正当防衛の成否,方法の錯誤,誤想防衛の一種刑法第2問盗品等に関する罪の知情の時期,買主に対する詐欺罪,不法原因給付と横領罪,2項詐欺罪,罪数商法第1問合併比率が不当なときの少数株主の手段(情報収集,株式買取請求,決議取消し,合併無効の訴え)商法第2問交付欠缺と裏書人の責任,手形の変造と署名者の責任,遡求権の保全,手形行為独立の原則民事訴訟法第1問公開主義の意義と根拠,公開停止,口頭弁論以外の非公開の手続民事訴訟法第2問当事者の確定,訴訟係属,氏名冒用訴訟の判決の効力と救済,中断を看過した判決刑事訴訟法第1問体内に嚥下された証拠物の取得と強制処分,身体検査令状・鑑定処分許可状・捜索差押令状刑事訴訟法第2問訴因の特定,幅のある訴因への変更,最終の1回の使用,公訴事実の同一性

(続きを読む...)平成14年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方
2 5段階の重み付けの基準

第3 本問の概要
第4 評価項目と重み

1 施策①⒜(投票の義務化)
2 施策①⒜と⒝の区別
3 施策①⒝(国政選挙権の停止)
4 施策②(聴衆の不穏当な行為の禁止)
5 答案全体
6 重みの分布

第5 模範解答

1 答案の前提と表記
2 答案
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

第6 関連記事

(続きを読む...)令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)