目次
第1 大学別の合格率を見る前に1 本記事で比較する二つの集計2 合格率の計算方法と基準時点第2 主な12大学の合格者数・合格率を比較する第3 合格率順と合格者数順は一致しない1 比較する12大学を合格率順に並べる2 人数条件を付けずに「合格率1位」といえない理由第4 大学生表の個別表示校一覧第5 数字を読むときの注意点1 未掲載校を受験者ゼロとしない2 大学の教育効果や個人の合格確率とは区別する3 複数年を比較するときは同じ区分にそろえる第6 よくある質問1 予備試験の合格率が高い大学はどこですか2 予備試験で大学別の合格者数はどのくらいですか3 同じ大学の合格率が記事によって違うのはなぜですか4 表に載っていない大学は合格者ゼロですか5 予備試験に1年で合格するのは難しいですか第7 制度・採点・合格後の進路を調べる第8 出典
第1 大学別の合格率を見る前に
1 本記事で比較する二つの集計
令和7年の予備試験について,本記事で比較する「大学別・全体」の最終合格者6人以上の12大学では,東京大学が受験者802人・最終合格者97人で,合格率は12.09%である。
同じ東京大学でも,「出願時大学生」に限ると受験者441人・最終合格者76人で,17.23%となる。
大学名だけでなく,どの集団の数字かを確認する必要がある。
本記事は,中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会(第123回,令和8年3月4日)の配布資料として文部科学省が掲載する法務省の資料「令和7年司法試験予備試験受験状況(大学別・全体)」と「令和7年司法試験予備試験受験状況(大学生)」を用いる。
前者は最終合格者について大学卒業・大学(1年)~(4年)・大学中退の内訳を示し(出願者・受験者にこの内訳はない),後者は出願時の大学生を対象とする別表である。
「大学別・全体」の合計は受験者8,999人・最終合格者388人であり,法務省の最終学歴別集計の大学卒業・大学在学中・大学中退の人数の和と一致する。
令和7年予備試験全体の受験者12,432人・最終合格者452人とは一致せず,法科大学院修了者等は各大学の数字に入っていないとみられる。
2 合格率の計算方法と基準時点
本記事の合格率は,「最終合格者数÷受験者数×100」で計算し,小数第3位を四捨五入して小数第2位まで表示したものである。
出願者数を分母にはせず,短答式・論文式・口述の各段階だけの合格率とも区別する。
原資料の属性は令和7年3月の出願時点によるものであり,データは出願者の自己申告に基づく。
大学生の学年も出願時点の学年であり,原表の注記によれば,令和7年7月~令和8年1月の受験時には年度が1年加わる。
出典:大学別・全体の公式資料及び大学生の公式資料。
第2 主な12大学の合格者数・合格率を比較する
以下は,「大学別・全体」表で最終合格者が6人以上の12大学を取り出し,同じ大学の大学生表の数字を並べたものである。
掲載順は全体の最終合格者数が多い順であり,同数の大学は合格率の高い順に置いた。
同数の大学に優劣を付けるものでもない。
大学名全体・受験者全体・最終合格者全体・合格率大学生・受験者大学生・最終合格者大学生・合格率東京大学8029712.09%4417617.23%慶應義塾大学878586.61%511458.81%早稲田大学818425.13%306309.80%京都大学299299.70%1592113.21%中央大学901262.89%449163.56%一橋大学210157.14%1211310.74%大阪大学163127.36%9066.67%名古屋大学12297.38%74912.16%同志社大学22094.09%8455.95%明治大学33082.42%11743.42%上智大学11565.22%3812.63%法政大学19463.09%6945.80%
単位は人数欄が人,合格率欄が%である。
この12大学に載らない大学でも合格者はおり,この表は全大学の一覧ではない。
出典は大学別・全体表1頁と大学生表1頁である。
第3 合格率順と合格者数順は一致しない
1 比較する12大学を合格率順に並べる
第2の12大学について,「大学別・全体」の合格率が高い順に並べると,次のとおりとなる。
この順位の対象は,あくまで第2の掲載条件を満たした12大学である。
順位大学名合格率最終合格者数/受験者数1東京大学12.09%97/8022京都大学9.70%29/2993名古屋大学7.38%9/1224大阪大学7.36%12/1635一橋大学7.14%15/2106慶應義塾大学6.61%58/8787上智大学5.22%6/1158早稲田大学5.13%42/8189同志社大学4.09%9/22010法政大学3.09%6/19411中央大学2.89%26/90112明治大学2.42%8/330
例えば,慶應義塾大学は最終合格者58人,京都大学は29人である一方,合格率はそれぞれ6.61%,9.70%である。