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TreeeS

TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 令和8年7月2日発行の当事者用操作マニュアル2 基準日と資料の限界第2 マニュアルの構成とログイン1 全7章の構成2 ログインの注意3 ユーザポータルが起点になる第3 書面を提出するときの注意1 係属中の事件は事件詳細画面から入る2 申立て画面の4つの探し方3 同時提出と一時保存4 提出前の確認と自己責任5 下書き保存の上限第4 訴状フォームで間違えやすい点1 当事者・代理人の入力2 代理人の情報と委任状3 送達関係情報の届出4 PDFをアップロードすると入力欄の文字が消える5 手数料額計算は入力補助にすぎない6 添付資料欄と参考情報第5 記録の閲覧とダウンロード1 事件詳細画面と3つの一覧2 訴訟記録一覧のデータ種別と関連事件3 電子署名付きデータのダウンロード4 記録外フォルダの選択第6 30日で見えなくなる一覧と事務所での保存1 提出書面一覧と受信一覧2 事務所で保存する運用第7 手数料の納付1 納付番号の発番2 インターネットバンキングとATM3 複数の申立ての合算第8 招待キー,システム送達及びシステム直送1 招待キーは当事者本人について発行される2 システム送達の確認と送達状況3 システム送達の効力が生ずる時期4 システム直送第9 マニュアルから確認できないこと第10 関連記事第11 出典1 裁判所の資料2 法令
第1 この記事の対象と結論
1 令和8年7月2日発行の当事者用操作マニュアル

最高裁判所は,民事裁判手続のデジタル化に伴う新システムTreeeS(ツリーズ)について,「TreeeS操作マニュアル 当事者用」(2026年7月2日発行,全134頁のPDF)を作成している。
このマニュアルは,TreeeSの研修環境のトップ画面にあるヘッダーの「マニュアル」から取得することができる(令和8年9月19日確認)。
本記事は,このマニュアルを通読し,弁護士・訴訟代理人及び法律事務所の事務職員が実務でつまずきやすい点を,マニュアルの頁を示して整理するものである。

結論として,マニュアルから読み取れる実務上の要点は,次のとおりである。
①係属中の事件に書面を出すときは,事件詳細画面の[事件の申立て・書面の提出]から入る(資料上6頁・16頁)。
②提出書面一覧と受信一覧は,いずれも30日を経過すると表示されなくなる(資料上13頁・14頁)。
③手数料を印刷した帳票で納付するときは,コンビニ設置の共用ATMを使うことができない(資料上26頁・28頁)。
④システム送達は,受信一覧のデータ名を開いた時点で送達送付状況確認画面に「送達済み」のレコードが表示される一方,法律上は,開かなくても一定の期間の経過で効力を生ずる(資料上128頁,民事訴訟法109条の3)。
⑤電子署名付きのデータは,PDFを結合せず,詳細情報も含めずにダウンロードしないと,電子署名を検証できなくなるおそれがある(資料上94頁~95頁)。

2 基準日と資料の限界

本記事は,令和8年9月19日を基準日とする。
マニュアルは研修環境で配布されているものであり,令和9年1月に予定されている先行導入までに改訂される可能性がある。
マニュアルの「1 ユーザ登録」の章は,「【令和8年10月頃追加予定】」と表示されているだけで,本文がない(資料上1頁)。
研修環境のトップ画面には,「これはTreeeSの研修環境です。一般の方はご利用できません。民事訴訟の電子申立てをされたい方は、mintsをお使いください。」と表示されている。
したがって,現在の民事訴訟の電子申立て等はmintsで行うものであり,本記事の内容は,TreeeS導入後に備えるための知識である。
TreeeSの導入時期,mintsとの違い及びアカウントの考え方は,「TreeeS(ツリーズ)とは―mintsとの違い,導入時期,アカウント及び法律事務所の準備」で説明している。

以下,マニュアルの頁は,マニュアルの下部に印刷された頁番号(資料上の頁)で示す。
表紙と目次の2頁があるため,PDFの頁番号は資料上の頁に2を加えた数になる。

第2 マニュアルの構成とログイン
1 全7章の構成

マニュアルは,次の7章で構成されている(資料上の目次)。

章表題資料上の頁1ユーザ登録(令和8年10月頃追加予定)1頁2ユーザポータル2頁~14頁3フォーム提出15頁~73頁4電子記録の閲覧・複写(ダウンロード)74頁~107頁5手数料/保管金の管理108頁~116頁6招待キー117頁~124頁7システム送達・システム直送125頁~132頁

資料上の132頁のうち約7割(93頁)が,「フォーム提出」と「電子記録の閲覧・複写」に充てられている。
弁護士が最初に読むべき部分は,第3章の3.1(提出の流れ)と3.3(係属中の事件への提出),第4章の4.5(ダウンロード),第7章(システム送達)である。

2 ログインの注意

ログインIDはメールアドレスであり,GビズIDでログインする場合は,ログイン画面の下部の「GビズIDでログイン」を使う(資料上3頁)。
マニュアルは,ログイン画面をブックマークしてそこから開くとログインできず,TreeeSのトップ画面からやり直す必要があると注意している(資料上3頁)。

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TreeeSでの書証の提出―証拠説明書の自動作成,証拠番号,原本・写しの選択及び翻訳文(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 TreeeSでは書証フォームへの入力から証拠説明書が作られる2 基準日と資料の限界第2 書証の申出と証拠説明書に関する規則1 写しと証拠説明書の提出2 原本の提出と外国語文書の訳文3 電磁的記録の証拠調べ第3 書証フォームの入り方と入力の流れ1 事件詳細画面の[書証提出]から入る2 入力の順序第4 証拠番号の付け方1 入力の形式2 mintsとの違い第5 証拠の表示・立証趣旨・作成年月日・作成者・補足事項1 証拠の表示2 立証趣旨3 作成年月日・作成者・補足事項第6 原本・写し・原本に代え写し(画像情報)の選択1 3つの選択肢2 選び方の注意第7 関連データと翻訳文第8 証拠一覧画面と自動で作られる証拠説明書1 証拠一覧画面の構成2 証拠説明書のPDF第9 人証申出書も帳票が自動で作られる第10 提出前に確認すること第11 関連記事第12 出典1 裁判所の資料2 法令
第1 この記事の対象と結論
1 TreeeSでは書証フォームへの入力から証拠説明書が作られる

最高裁判所が令和9年1月から先行導入を予定している新システムTreeeS(ツリーズ)では,書証は「書証フォーム」から提出する。
最高裁判所「TreeeS操作マニュアル 当事者用」(2026年7月2日発行)によれば,証拠をアップロードし,各行に情報を追加することで証拠説明書の帳票が作成され,別途証拠説明書を作成して提出する必要はない(資料上58頁)。
本記事は,このマニュアルの「3.3.1 書証を提出する」(資料上58頁~62頁)と「4.7 証拠一覧画面」(資料上101頁~107頁)を中心に,TreeeSでの書証の提出方法と,その前提となる民事訴訟規則の定めを整理するものである。

結論として,TreeeSでの書証の提出で押さえるべき点は,次のとおりである。
①書証は,事件詳細画面の[書証提出]から入り,訴状フォームの添付資料欄には上げない(資料上51頁・58頁)。
②証拠番号は「甲001」「甲012-2」「乙A001」の形で入力し,英数字とハイフンは半角で入力する(資料上60頁)。
③「原本」「写し」「原本に代え写し(画像情報)」のいずれを選ぶかで,期日に現物を持参するかどうかが変わる(資料上61頁)。
④外国語の文書は,取調べを求める部分の翻訳文を「関連データ」として添付する(資料上62頁,民事訴訟規則138条1項)。
⑤証拠一覧画面は,当事者が入力した証拠説明書の項目と,裁判所職員が入力する採否等が一体になった画面である(資料上79頁・103頁)。

2 基準日と資料の限界

本記事は,令和8年9月19日を基準日とする。
マニュアルは,TreeeSの研修環境のトップ画面にあるヘッダーの「マニュアル」から取得したものであり,先行導入までに改訂される可能性がある。
現在の民事訴訟の電子提出はmintsで行うものであり,mintsでの証拠説明書の作り方は「mintsの証拠説明書の作り方・提出方法-標目・原本・写し・記録外データ」で説明している。
マニュアルの頁は,マニュアルの下部に印刷された頁番号(資料上の頁)で示し,PDFの頁番号は資料上の頁に2を加えた数になる。

第2 書証の申出と証拠説明書に関する規則
1 写しと証拠説明書の提出

民事訴訟規則137条1項は,文書を提出して書証の申出をするときは,「当該申出をする時までに、その写しを提出するとともに、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目、作成者及び立証趣旨を明らかにした証拠説明書を提出しなければならない。」と定めている。
同条3項は,文書の写しの提出に代えて,最高裁判所の細則で定めるところにより,文書の画像情報を電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法で提出することができるとしている。
同条4項は,民事訴訟法132条の11第1項及び第3項を写しの提出に準用しているので,委任を受けた訴訟代理人は,写しを電子情報処理組織を使用して提出することになる。

2 原本の提出と外国語文書の訳文

民事訴訟規則143条1項は,「文書の提出又は送付は、原本、正本又は認証のある謄本でしなければならない。」と定めている。
写しの電子提出は,書証の申出の時までに写しを出す手続であり,取調べの対象となる文書そのものの提出とは区別される。
TreeeSの書証フォームで「原本」「写し」「原本に代え写し(画像情報)」を選ばせるのは,この区別を画面上で明らかにするためと考えられる。

民事訴訟規則138条1項は,外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは,「取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。」と定めている。
相手方は,訳文の正確性について意見があるときは,意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない(同条2項)。

3 電磁的記録の証拠調べ

電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べは,民事訴訟法231条の2以下に定められている。

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TreeeSで事務職員ができること-GビズIDメンバー,サポーター及びシステム送達受取人の違い(AI作成)

目次

第1 記事の対象と結論1 令和8年9月9日現在の公開資料による整理2 三つは同じ種類の区分ではない第2 できることの比較1 比較表2 調達資料の表を読む際の注意第3 GビズIDメンバー1 組織に所属する職員のためのアカウントである2 共用アカウントにしない3 広いシステム権限と訴訟代理権は別である4 最初に閲覧したメンバーの氏名が表示される第4 サポーター1 提出操作を補助する事件単位の役割である2 サポーターであるだけでは送達受取人にならない3 サポーターの入力と本人の依頼・承諾の書面第5 システム送達受取人1 システム送達を受けるための役割である2 送達の効力発生時期を管理する3 送達受取人の届出と受信一覧の表示期間第6 サポーター兼システム送達受取人1 提出と送達受領を兼ねるが,常時閲覧とは別である第7 登録前に決めること1 後からGビズID利用へ切り替えられないとの改修方針がある2 二つの台帳を分けて管理する第8 先行導入と再確認事項1 名古屋での先行導入予定2 導入時に再確認する事項第9 関連記事第10 出典1 法令及び裁判所規則2 裁判所の制度・調達資料3 GビズIDの公式資料4 職能団体及び一般公開の解説
第1 記事の対象と結論
1 令和8年9月9日現在の公開資料による整理

本記事は,令和8年9月9日現在に公表されている民事訴訟法,民事訴訟規則,裁判所の調達資料,GビズIDの公式資料及び一般公開の解説を基礎に,TreeeSで法律事務所の事務職員が行える操作を整理するものである。
TreeeSの最終的な利用者向け操作マニュアル及び本番環境の権限表は一般公開資料から確認できていないため,調達資料に記載された設計又は改修方針を,完成済みの確定仕様として扱うものではない。

その後,令和8年9月19日に,最高裁判所がTreeeSの研修環境で配布している「TreeeS操作マニュアル 当事者用」(2026年7月2日発行)を確認した。
同マニュアルで確認できた事項は,後記第3の4,第4の3及び第5の3に書き加えた。
同マニュアルの全体の読み方は「TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認」で説明している。

2 三つは同じ種類の区分ではない

結論として,GビズIDメンバー,サポーター及びシステム送達受取人は,同列の三択ではない。
GビズIDメンバーは,GビズIDプライムを保有する組織の職員について作成する組織・認証上のアカウント区分であるのに対し,サポーター及びシステム送達受取人は,TreeeS上の事件への関与方法又は役割を示す区分である。

したがって,事務職員の登録方法を決めるときは,①どのアカウントで本人確認及びログインを行うか,②どの事件に関連付けるか,③提出,事件記録の常時閲覧及びシステム送達の受領のうち何を担当させるかを分けて検討する必要がある。
アカウントの種類だけを決めても,事件単位の権限設計が終わったことにはならない。

第2 できることの比較
1 比較表
区分GビズIDメンバーをTreeeSと連携する場合サポーターシステム送達受取人サポーター兼システム送達受取人制度上の位置付け組織の職員向けの認証アカウント事件単位の提出補助の役割事件単位の送達受領の役割二つの事件上の役割を兼ねる区分書面のオンライン提出一般公開の解説では可能可能その役割だけでは不可可能事件記録の常時閲覧一般公開の解説では可能不可不可不可システム送達の受領一般公開の解説では可能サポーターであるだけでは受取人にならない可能可能確認上の留意点最終的な裁判所公式権限表の確認が必要送達も担当させる場合は別の指定が必要送達対象文書の閲覧と事件記録の常時閲覧は別である常時閲覧が必要なら別の構成を検討する

上表のうち,GビズIDと連携した事務職員が弁護士と同じシステム権限の範囲で操作できるとの部分及び兼任区分の詳細は,法会労メルマガ第662号の一般公開記事による説明である。
この点を直接定める裁判所の最終利用者向けマニュアルは確認できていないため,導入時には裁判所の公式権限表及び実際の登録画面で再確認する必要がある。

2 調達資料の表を読む際の注意

最高裁判所の令和7年7月2日付調達資料62頁は,外部ユーザを当事者・代理人,サポーター,送達受取人及び第三者に分け,サポーターの例として司法書士及び法律事務所事務員等を挙げている。
同頁の注記は,サポーターにはオンライン提出が必要である一方,事件記録を閲覧できず,サポーターであることから直ちに受送達者となるものではないとしている。

同資料はシステム対応の観点から作られた調達資料であり,最終的な運用マニュアルではない。
特に,表中の技術的な利用可能性と,事件上の役割として当然に付与される権限を混同しないことが重要である。

第3 GビズIDメンバー
1 組織に所属する職員のためのアカウントである

GビズID利用規約は,GビズIDメンバーを,GビズIDプライムを保有する利用者が自己に所属する職員に登録させることができるGビズIDアカウントと定義している。
GビズIDメンバーは,TreeeSの個別事件における肩書そのものではなく,組織との結び付き及び認証方法を管理するための区分である。

GビズIDメンバー編クイックマニュアル令和8年7月版によれば,メンバーアカウントはGビズIDプライム又は管理者権限を持つGビズIDメンバーが作成する。
作成後は,管理者が当該メンバーについて「利用可能なサービス」を選択して保存しなければ,選択した行政サービスを利用できない。

2 共用アカウントにしない

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TreeeS(ツリーズ)とは―mintsとの違い,導入時期,アカウント及び法律事務所の準備(AI作成)

目次

第1 この記事が扱うTreeeSと結論1 TreeeSは令和9年1月から先行導入される予定の裁判所システムである2 本記事の基準日と資料の限界第2 TreeeS,RoootS及びmintsの違い1 TreeeSには狭い意味と広い意味がある2 mintsとTreeeSの比較3 mintsのアカウントや事件データが自動移行するとは限らない第3 TreeeSの導入時期と対象裁判所1 令和8年5月21日の全面施行はmintsで始まった2 令和9年1月の先行導入地域3 全庁導入は令和9年度中の目標である4 民事訴訟以外への拡張は別の日程である第4 TreeeSに変わっても適用される現行法の基本1 法律が定めるのは電子情報処理組織であり,TreeeSという製品名ではない2 電子申立ての到達時期と弁護士の義務3 システム送達は通知メールを開かなければ効力が生じない制度ではない4 電子記録の閲覧等も法令に基づく第5 公開仕様から分かるTreeeSの主な機能1 利用者ポータル,電子提出及び電子納付2 電子記録の整理,検索,閲覧及び複写3 RoootSとの連携及びe法廷4 調達仕様書は操作マニュアルではない第6 TreeeSのアカウントとGビズID1 TreeeSでは独自のユーザID取得手続が予定されている2 GビズIDを利用するかどうかはユーザID取得前に決める設計である3 mintsと同じメールアドレスを使う経路は改修案である4 GビズIDの種類,有効期限及びメンバー設定5 アカウント登録前の確認表第7 弁護士,事務職員及び送達受取人の役割1 公開されたアクター表が示す役割の違い2 「提出できる」「記録を見られる」「送達を受ける」は別の権限である3 登録住所と事件上の連絡先住所を区別する第8 mintsからTreeeSへの移行に備える法律事務所の実務1 事件単位の「提出経路台帳」を作る2 アカウント台帳を事件台帳と分ける3 弁護士と事務職員の確認点を分ける4 公開マニュアルの版と画面を保存する5 先行導入前後の確認手順第9 現時点で確認できる事項と確認できない事項1 公開一次資料で確認できる事項2 正式な追加資料を待つ事項第10 出典・参考資料1 法令2 裁判所及び最高裁判所事務総局の資料3 デジタル庁のGビズID資料
第1 この記事が扱うTreeeSと結論
1 TreeeSは令和9年1月から先行導入される予定の裁判所システムである

TreeeS(ツリーズ)は,民事裁判手続の電子提出,電子記録の管理及び裁判所とのオンライン上のやり取りを担うため,最高裁判所が開発しているシステムである。
令和8年9月1日現在,民事訴訟の電子申立て等に用いられているのはmintsであり,TreeeSの先行導入は令和9年1月から名古屋高等裁判所本庁,名古屋地方裁判所本庁・支部及び同地裁管内の各簡易裁判所で実施される予定である。
最高裁判所は,その後の全庁導入について令和9年度中を目指しているが,これは目標時期であり,全国一斉の確定日を示すものではない。

したがって,法律事務所が現時点で行うべきことは,TreeeSを既に使えるシステムとして操作し始めることではなく,現在のmints運用を維持しながら,①事件ごとに利用すべき提出経路を判定できる台帳,②弁護士・事務職員のアカウントとメールアドレスの棚卸し,③GビズIDを利用するかどうかの意思決定手順,④公開される正式なTreeeSマニュアルを確認する担当者を準備することである。

2 本記事の基準日と資料の限界

本記事は,令和8年9月1日を調査基準日として,公開された法令,裁判所ウェブサイト,最高裁判所の調達仕様書及び最高裁判所から日弁連事務総長宛ての通知をAIで照合して作成したものである。
調達仕様書は,システムの設計,要件又は改修予定を確認する一次資料であるが,完成後の画面,実際の運用又は最終マニュアルを確認する資料ではない。
以下では,現行法と現在のmints運用,TreeeSについて公表済みの予定,及び今後の確認を要する事項を区別して記載する。

令和8年9月19日に確認したところ,最高裁判所は,TreeeSの研修環境で「TreeeS操作マニュアル 当事者用」(2026年7月2日発行,全134頁)を配布している。
このマニュアルにより,本記事の基準日の時点では確認できなかった画面の操作手順,一覧の表示期間,ダウンロードの方法及び手数料の納付方法の一部が分かるようになった(後記第5の4,第6の2,第8の4及び第9の2)。
マニュアルの読み方は「TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認」で説明している。

第2 TreeeS,RoootS及びmintsの違い
1 TreeeSには狭い意味と広い意味がある

令和8年6月9日付の最高裁判所調達仕様書は,TreeeSを「e提出・e記録管理システム」,RoootSを「e事件管理システム」と定義している。
同仕様書によれば,TreeeSのe提出は,利用者が最初にアクセスするユーザポータル,裁判資料の電子提出,手数料の電子納付及び外部システムとの連携等を担い,e記録管理は,電子記録の整理・保管,アクセス権限の管理並びに利用者による検索・閲覧・複写を担う。
これに対し,RoootSは,事件番号,事件名,担当部,担当裁判官・書記官,当事者及び期日等の事件情報を裁判所職員が管理するシステムである。

もっとも,令和7年7月2日付の最高裁判所調達仕様書は,TreeeSを,RoootS,e提出・e記録管理システム及びe法廷のウェブ会議アプリケーションとの連携機能等を含む「3つのe」を実現するシステム群の総称とも定義している。
このため,資料によって,TreeeSが利用者向けのe提出・e記録管理部分を指す場合と,RoootS等まで含むシステム群全体を指す場合がある。
個別資料を読むときは,資料中の定義を確認しなければならない。

2 mintsとTreeeSの比較
項目mintsTreeeS令和8年9月1日現在の状態民事訴訟の電子申立て,書類の受領,電子記録の閲覧等に現に使用されている令和9年1月からの限定地域での先行導入が予定されている利用者向けの位置付け裁判所が現在案内している電子提出システムユーザポータル,e提出及びe記録管理を備える次期システムとして開発されている裁判所内部の事件管理mintsとは別にRoootSが用いられるRoootSと機能的に連携する設計であるアカウント現行の裁判所案内とmintsマニュアルに従う独自のTreeeSユーザIDの取得画面が調達資料に示されているが,最終的な公開手順は確認を要する今後の時期TreeeSへの切替えが行われるまでは対象事件で使用される名古屋地区で令和9年1月に先行導入し,全庁導入は令和9年度中を目指す

現在のmintsは,単なるファイル転送の仕組みではない。
裁判所の現行案内は,mintsについて,書類の提出,裁判所からの書類の受領,システム送達及び電子記録の閲覧等に使用するシステムとして説明している。
TreeeSとの差は,現在のmintsに何もできないという点ではなく,TreeeSがRoootSと連携する利用者向けのユーザポータル及び電子記録管理を含む目標システムとして設計されている点にある。

3 mintsのアカウントや事件データが自動移行するとは限らない

令和8年4月3日付の調達仕様書には,mintsアカウントと同じメールアドレスを用いてTreeeSのユーザIDを取得するための画面文言の改修案が記載されている。
この記載は,mintsとTreeeSが別のユーザID取得手続を前提としていることを示す一方,mintsのID,パスワード,事件データ又は設定がそのまま自動移行することまで示していない。

(続きを読む...)TreeeS(ツリーズ)とは―mintsとの違い,導入時期,アカウント及び法律事務所の準備(AI作成)