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TreeeS

mints・TreeeSはAIを使うサイバー攻撃から事件記録を守れるか―公表対策,調達要件と未確認事項(AI作成)

目次

第1 結論―多層的な対策は確認できるが,耐性が実証済みとはいえない第2 AIを活用したサイバー攻撃とは何か1 新しい攻撃類型だけを意味しない2 「守れるか」は機密性・完全性・可用性に分ける第3 mintsについて公表されている対策1 クラウド,境界防御及び侵入検知2 保存データ,通信及び認証3 公表資料が証明する範囲第4 TreeeSについて確認できる対策1 TreeeSは導入前のシステムである2 調達仕様書上の情報セキュリティ要求3 要求仕様と実装結果を区別する第5 mintsとTreeeSの共通点と違い第6 事件記録を守れるかを評価する軸1 予防だけでなく検知・封じ込め・復旧を見る2 事件記録固有の完全性を確認する3 期限を守るための可用性を確認する第7 公表資料から確認できない事項第8 法律事務所側に残る対策第9 出典・参考資料
第1 結論―多層的な対策は確認できるが,耐性が実証済みとはいえない

mintsについては,ISMAPで安全性が評価されたクラウドサービスの利用,ウイルス対策,ファイアウォール,不正侵入検知,WAF,保管データ及び通信の暗号化,パスワード要件並びに二要素認証が公表されている。

TreeeS等に関係する令和7年7月2日付の最高裁判所の調達仕様書からは,当該改修等業務の受注者に裁判所の情報セキュリティ関係通達・対策基準等の遵守を求め,これらが政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準群等に準拠するとされているほか,脆弱性診断,監査対応及びサプライチェーン管理等を求めていることが確認できる。

これらは,攻撃を予防し,侵入を検知し,情報を読み取られにくくするための重要な多層防御である。

しかし,今回確認した公表資料だけでは,mints又はTreeeSの本番環境について,個別の設定,脆弱性診断・侵入試験・監査の結果,AIを利用する攻撃を想定したレッドチーム演習,検知・封じ込め・復旧の所要時間,バックアップからの復元実績及びインシデント件数を確認できない。

したがって,「守るための仕組みと要求は確認できるが,AIを活用したあらゆるサイバー攻撃から事件記録を守れることが公表資料で実証されているとはいえない」というのが,本記事の結論である。

第2 AIを活用したサイバー攻撃とは何か
1 新しい攻撃類型だけを意味しない

AIを活用したサイバー攻撃には,攻撃者が生成AI等を用いて巧妙な詐欺メールを作成すること,標的型攻撃を半自動化すること,脆弱性の探索その他の攻撃実行を容易化・高速化することなどが含まれ得る。

国土交通省が令和8年5月に公表した「AI性能の高度化を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化について」は,AIによってサイバー攻撃の高度化,高速化及び大規模化が進む可能性を指摘している。

他方,AIという言葉が付いても,一般的な防御上の弱点として,未修正の脆弱性,盗まれた認証情報,フィッシング,設定不備,委託先管理の不備又はバックアップ不足を引き続き点検する必要がある。

そのため,AI専用の一つの防御装置の有無だけではなく,基本的な多層防御が継続して機能するかを確認する必要がある。

2 「守れるか」は機密性・完全性・可用性に分ける

事件記録を守れるかを評価する場合の評価軸として,少なくとも,権限のない者に内容を知られない機密性,記録を不正に変更・削除されない完全性,必要な時に利用でき復旧できる可用性を区別する。

技術的な評価として,暗号化は機密性に有効であるが,正規アカウントが乗っ取られた場合,事件記録の誤提出があった場合又はサービスが停止した場合の問題を単独では解決しない。

また,本記事の評価軸としては,侵入を完全に防ぐことだけでなく,侵入を早期に検知し,影響範囲を限定し,記録を復元し,期限のある裁判手続を継続できるかを重視する。

第3 mintsについて公表されている対策
1 クラウド,境界防御及び侵入検知

最高裁判所事務総局「mintsセキュリティ対策の概要」は,mintsがISMAPで安全性が評価されたクラウド・コンピューティングサービスを利用していると説明する。

同資料は,ウイルス対策ソフトウェア,ファイアウォール,不正侵入検知機能及びWAF等を導入し,脆弱性を狙う攻撃等の検出と防御を行うと説明する。

ISMAPは政府情報システムのためのクラウドサービスのセキュリティ評価制度であり,登録クラウドサービスの管理策を評価する枠組みである。

もっとも,ISMAP登録又は同制度で評価されたクラウドの利用は,mintsの全構成及び運用が将来にわたり無条件に安全であることを意味しない。

2 保存データ,通信及び認証

同資料は,クラウド上の機能により保管データを変更・削除できないようにし,不正に取得されても読み取られないよう暗号化していると説明する。

また,SSL(TLS)による通信の暗号化,パスワードの複雑さ等の要件及びSMS認証等による二要素認証を挙げている。

これらは,通信の盗聴,保管データの不正取得又はパスワードだけによるなりすましの危険を下げる対策である。

他方,フィッシングサイトへ確認コードを入力すること,共有端末又は認証用電話の管理不備,正規利用者による誤操作,ダウンロード後のファイルの漏えい等は,利用者側の対策も必要となる。

3 公表資料が証明する範囲

この概要は,最高裁判所がmintsについて採用していると説明する対策を確認するための一次資料である。

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TreeeS利用規約を読む―免責,規約変更,著作権,アカウント削除及び個人情報(AI作成)

目次

第1 TreeeS利用規約を確認する意味第2 規約の制定日・版番号・改定履歴が分からない第3 「本システム」の範囲と著作権・第三者提供1 マニュアルとウェブサイトの文章・図表も含まれる2 著作権が最高裁判所にあるという記載の範囲第4 アカウント削除と識別符号の使用停止は同じか第5 無保証・免責とサービス停止1 規約7条の内容2 事前通知のない停止第6 規約変更と継続利用による同意第7 個人情報と事件記録を分けて考える第8 利用開始前に確認する事項第9 確認した主な一次資料
第1 TreeeS利用規約を確認する意味

TreeeS(ツリーズ)は,民事裁判手続で電子申立て,電子記録の閲覧等を行うために裁判所が導入するシステムである。
裁判所の案内によれば,令和9年1月4日から名古屋地区等で先行導入され,対象となる新規申立て等にはTreeeSを利用する予定である。

TreeeS利用規約は,利用を開始した時点で全条項に同意したものと扱う。
利用者にとって任意性の低い公的手続の基盤であるからこそ,同意前に,免責,規約変更,アカウントの停止・削除,個人情報及び著作権の範囲を確認する必要がある。

結論として,確認した利用規約には直ちに無効又は違法と断定できる条項があるとはいえない。
他方,規約の版・改定履歴が表示されていないこと,アカウント削除と最高裁判所規則の文言が一致しないこと,個人情報と事件記録の扱いが規約だけでは分かりにくいことなど,運用開始前に説明を補うことが望ましい点がある。

第2 規約の制定日・版番号・改定履歴が分からない

令和8年10月29日に確認したTreeeS利用規約は全9頁であり,末尾まで読んでも,制定日,施行日,改定日,版番号又は改定履歴の記載を確認できなかった。
PDFの配信情報では令和8年10月27日に更新されているが,何が変更されたかは本文から分からない。

規約12条は,利用者一般の利益に適合する場合又は契約目的,変更の必要性,相当性等に照らして合理的な場合に,裁判所が規約を変更できると定める。
原則として効力発生日の7日前までに変更内容等を公開し,変更後も利用を続けた場合は変更に同意したものとみなす。

変更条項を置くのであれば,利用者が同意した版と現在の版を後から照合できるよう,制定日,改定日,効力発生日及び改定内容を残すことが望ましい。
比較すると,mints利用規約は,末尾に令和4年2月15日の制定から令和8年4月10日の改定までの履歴と効力発生日を記載している。

第3 「本システム」の範囲と著作権・第三者提供
1 マニュアルとウェブサイトの文章・図表も含まれる

規約2条は,プラットフォームだけでなく,関連するマニュアル及びウェブサイト上の一切の文章・図表等も「本システム」に含める。
そのうえで,3条はダウンロードしたマニュアルの複製を自己又は所属組織内部での利用に限定し,5条は本システムの全部又は一部を第三者に配布,送信又は提供する行為を禁止する。

この文言だけを読むと,法律事務所が依頼者へ画面やマニュアルの一部を示して手続を説明する場合,研修資料で必要な範囲を引用する場合又はウェブページへリンクする場合との境界が分かりにくい。

もっとも,裁判所の「このサイトについて」は,写真・イラスト等を除き,著作権法上認められる範囲でサイト内容を利用でき,リンクは原則として自由であると説明している。
また,著作権法32条の引用その他の法定利用まで利用規約によって全面的に禁止されると解することは適切でない。
規約は,法令及び裁判所自身のサイト方針と整合するよう,禁止される「第三者への提供」の具体例を示すことが望ましい。

2 著作権が最高裁判所にあるという記載の範囲

規約4条1項は,「本システムの著作権は,最高裁判所が有します」と包括的に記載する。
しかし,同条2項は,第三者から利用許諾を受けたソフトウェアが含まれることを認めている。
また,著作権法13条は,法令,裁判所の判決等を著作権の目的から除外している。

最高裁判所が権利を有するプログラム・文章・図表があることと,本システムに含めた全ての情報について最高裁判所が単独で著作権を有することは同じではない。
対象ごとの権利帰属と,法令上認められる利用を妨げないことを明確にする方が分かりやすい。

第4 アカウント削除と識別符号の使用停止は同じか

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TreeeSで提出できない・記録が見つからないときの確認―添付ファイル,30日表示及び受付結果(AI作成)

目次

第1 症状と操作段階を分けて確認する第2 最初に確認する一覧第3 ログインと表示の問題第4 添付できない・入力した内容が消えた場合1 ファイル形式と容量をフォームごとに確認する2 PDFによる上書きと同時提出の一時保存に注意する第5 ボタンを押せない・受付結果が不明な場合第6 通知・提出書面・事件記録が見つからない場合第7 期限が迫る場合と出典
第1 症状と操作段階を分けて確認する

TreeeS(ツリーズ)で操作が進まない場合は,ログイン,入力,ファイル添付,送信,提出結果の確認及び記録の閲覧のどこで止まっているかを特定する。
「画面が進まない」という現象だけでは,システム全体の障害,権限不足,入力未確定又は送信済みのいずれかを決めることはできない。
特に送信後の結果が不明な場合は,現在の提出一覧や受付結果を確認してから次の操作を判断する。

本記事は,令和8年10月16日に取得した当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)を基に,症状ごとの確認先を整理する。
研修環境での操作は実事件の正式提出ではない。
現在の民事訴訟の電子申立て先は,裁判所のデジタル化案内及び事件を担当する裁判所の案内で確認する。

第2 最初に確認する一覧
症状最初の確認マニュアルの資料上の頁ログインできない公式トップ画面から開いたか,ログイン方法と認証用電話が合っているか47~49頁ボタンや欄が見えないウィンドウの最大化,表示倍率,一覧の横スクロール1頁・58頁ファイルを添付できない選んだフォーム,拡張子,パスワード,画面の制限表示61頁・113頁・126頁招待キー入力後に提出ボタンが有効にならない必須欄からカーソルを移して入力を確定したか182頁提出後の結果が分からない完了画面,受付番号,提出書面一覧及び対象事件58頁・72頁通知又は記録が見つからない既読分の表示,絞込み条件,関連事件,一覧の30日表示55~60頁・188頁

上表はマニュアルの説明を基にした確認順序であり,すべてのエラーの原因又は解決方法を保証するものではない。
個々の画面で違いがある場合は,使用しているマニュアルの版,環境,アカウント種別及び事件を確認する。

第3 ログインと表示の問題

ログイン画面そのものをブックマークして開くとログインできない旨の注意があるため,TreeeSのトップ画面から入り直す(資料上48頁,PDF52頁)。
GビズIDを使う場合は,画面下部の「GビズIDでログイン」を用いる。
メールアドレス・パスワードの経路とGビズIDの経路を取り違えていないか確認する。

二要素認証のコード送信又は電話認証は,登録した電話で受ける(資料上49頁,PDF53頁)。
問合せ記録にパスワードや認証コードを記載する必要はない。
入口と登録済みアカウントの確認は,TreeeSのログインと研修環境を参照されたい。

ブラウザの「戻る」「進む」やF5は動作保証対象外とされているので,TreeeSの画面内のボタンで操作する。
ボタンが見えない場合の最大化・表示倍率・横スクロールの確認は,TreeeSの動作環境とスマートフォン利用を参照されたい。

第4 添付できない・入力した内容が消えた場合
1 ファイル形式と容量をフォームごとに確認する

書証フォームでは,.pdf,.mp4,.mp3,.png,.jpg及び.jpegが列挙され,パスワードを付けないよう説明されている(資料上113頁,PDF117頁)。
記録外の参考データでは,.pdf,.xlsx,.docx及び.pptxが挙げられている(資料上126頁,PDF130頁)。
別のフォームで使える拡張子を,現在の添付欄でも使えると考えない。

この版では,フォームの合計容量や書証の形式別上限等が「調整中」とされている。
mintsの容量上限や民間解説の数値をTreeeSへ当てはめず,利用時の公式案内と画面に示された条件を確認する。
容量が原因と思われる場合も,原本データを保持した上で,提出する形式と分割の可否を担当裁判所へ確認する。

2 PDFによる上書きと同時提出の一時保存に注意する

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TreeeSの動作環境とスマートフォン利用―対応OS・ブラウザ,画面表示及び利用時間(AI作成)

目次

第1 TreeeSはどの端末で利用できるか第2 対応OSとブラウザ第3 スマートフォンだけで提出してよいか第4 画面が崩れる・ボタンが見えない場合1 ウィンドウを最大化し,表示倍率を確認する2 ブラウザの「戻る」やF5で操作を進めない第5 利用時間とメンテナンス第6 関連記事と出典
第1 TreeeSはどの端末で利用できるか

TreeeS(ツリーズ)の当事者用操作マニュアルVer.2.0は,PC版の環境としてWindows 11及びMacOS,スマートフォン・タブレット版としてAndroid及びiOSを挙げている。
PCの対応ブラウザはMicrosoft Edge,Google Chrome,Safari及びMozilla Firefoxであり,Microsoft Edgeが推奨されている。
スマートフォン・タブレットでの表示にも対応すると説明されているが,この記載だけで,すべての端末・OSの版・画面サイズで,全機能を同じように操作できることまで確認したことにはならない。

本記事は,令和8年10月16日にTreeeS研修環境のトップ画面から取得した当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上1頁(PDF5頁)を基に,利用環境と画面操作の注意を整理する。
研修環境は一般の方の利用対象ではなく,実際の民事訴訟の電子申立てにはmintsを利用するよう案内されている。
本番利用の対象事件・入口・条件は,導入時の裁判所の案内で確認する必要がある。

第2 対応OSとブラウザ
確認項目マニュアルの記載利用前に確認することPCのOSMicrosoft Windows 11,MacOS使用端末のOSとサポート状況を確認するスマートフォン・タブレットのOSAndroid,iOS表示対応と個々の業務での操作確認を分けるPCのブラウザMicrosoft Edge(推奨),Google Chrome,Safari,Mozilla Firefox使用するブラウザを所内で把握する推奨解像度1280×1024ピクセル画面解像度とブラウザのウィンドウ幅を区別する

マニュアルは,サポートが終了しているOS等を含め,列挙された条件以外のOSを推奨環境外としている。
一方,この版の当該頁にはMacOS,Android及びiOSの最低バージョンや,各ブラウザの対象バージョンまでは記載されていない。
「対応するOSの名前が同じだから,古い端末でも確実に使える」と判断せず,稼働時点の公式案内と端末の更新状況を確認する。

法律事務所では,主要な提出端末について,OS,ブラウザ,認証用電話,ファイルの保存先及び代替端末を台帳に記録すると確認しやすい。
これは事務所運用上の提案であり,マニュアルが特定の台帳様式を要求しているという意味ではない。

第3 スマートフォンだけで提出してよいか

マニュアルはスマートフォン・タブレットでの表示対応を説明している。
ただし,表示できること,フォームへ入力できること,提出ファイルを確認できること及び受付結果を保存できることは,それぞれ確認すべき事項である。
「スマートフォン対応」という表現だけから,複雑な訴状・多数の書証の提出をスマートフォンだけで完結できると判断しない。

実際に端末を選ぶ際は,①当事者・事件情報の照合,②PDFの全頁確認,③証拠番号と証拠説明書の対応確認,④確認画面の閲覧,⑤提出結果とダウンロードファイルの保存を無理なく行えるかを確認する。
画面の小ささやファイル管理の制約で確認が難しい場合は,事務所で確認したPCを使う運用が考えられる。
個別の提出手順は,TreeeSで訴訟を提起する方法及び係属事件に書面を提出する方法を参照されたい。

第4 画面が崩れる・ボタンが見えない場合
1 ウィンドウを最大化し,表示倍率を確認する

資料上1頁は,画面レイアウトを正しく表示するため,ブラウザのウィンドウを最大化するよう案内している。
最大化しても表示が崩れる場合は,ブラウザのズーム機能で拡大・縮小して調整すると説明されている。
表示倍率を変えた後は,入力欄,確認ボタン及びアップロードしたファイルの表示を再確認する。

ブラウザ幅を1105ピクセル以上へ広げても,コンテンツ幅は1104ピクセルで固定され,左右に余白が生じると説明されている。
広いモニターを用意すれば,入力領域も同じ比率で広がり続けるという設計ではない。
また,提出書面一覧のダウンロードボタンは一覧の右側にあり,横スクロールして表示させる説明がある(資料上58頁,PDF62頁)。

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裁判所への電子提出を支援するAIサービスの導入・検収―mints・TreeeS対応と情報管理(AI作成)

目次第1 書類の作成完了と裁判所への提出完了を分ける第2 契約と仕様の確認対象を固定する1 機能名よりも対象業務を具体化する2 公開規約と個別契約を照合する第3 検収は出力物と手順の両方で行う1 公開情報又は架空データで試行する2 提出状態を段階ごとに記録する第4 情報管理は五つの観点を別々に確認する1 学習利用と保持・人的アクセス2 国内処理と外部連携第5 権限・終了・削除を導入前に設計する1 便利な機能と有効な統制を区別する2 課金停止・退会・データ削除を分ける第6 未確認事項を残して検収結果を管理する
第1 書類の作成完了と裁判所への提出完了を分ける

裁判所への電子提出を支援するAIサービスを導入するときは,「書類を作れたこと」と「裁判所への提出が完了したこと」を別々に確認する必要があります。以下は,2026年10月4日に確認した公開資料を基に整理した,法律事務所での導入・検収の確認事項です。特定製品の動作や安全性を検証した結果ではありません。

提供資料であるAILEXのTreeeS解説は,AILEXの支援範囲を提出書類の作成・確認・PDF出力と提出後の管理として説明し,裁判所への提出操作は弁護士又は事務職員が行うとしています。TreeeSへの対応は将来の対応方針として示されています。これは提供事業者による説明であり,裁判所の認定や接続保証を示すものではありません。

また,TreeeSの調達仕様書に記載された予定と,実際に利用できる入口・手順は区別します。現在の事件では,裁判所の案内と担当裁判所の最新の指示を確認し,将来の名称だけで提出先を決めない運用が必要です。

第2 契約と仕様の確認対象を固定する
1 機能名よりも対象業務を具体化する

「mints対応」「TreeeS READY」などの表示だけでは,導入する機能の範囲は確定しません。書面案の生成,証拠との対応確認,PDF出力,入力フォーム用の情報整理,実際の送信,提出後の記録取得のうち,どこまでを提供するかを書き分けます。提供時期,対象裁判所,利用条件,手動操作が残る部分も確認します。

検収の対象は,現在提供されている機能と,将来の追加予定とを分けます。将来の裁判所システムに依存する機能は,現時点の稼働実績として扱わず,仕様確定後の再確認事項にします。

AILEXは,2026年10月13日付のお知らせで,最高裁判所から電子メールの回答を受け,TreeeSのAPI連携機能は未実装で,今後の予定と接続条件も未定であるとの回答概要を公表しています。
これはAILEXによる受領・回答内容の説明であり,回答メールの原本又は最高裁判所自身の公表資料を本記事で直接確認したものではありません。
同社は直接提出はできず,弁護士が裁判所システムで操作すると説明しています。
「対応」「連携予定」という表示から,API接続又は自動提出が利用できると判断せず,接続仕様,許可範囲及び受領確認の方法を分けて検収します。

2 公開規約と個別契約を照合する

AILEX利用規約の2026年10月1日改定版は,事務所との利用契約書に秘密保持・データ処理等の詳細を定め,矛盾する場合はその利用契約書を優先するとしています。公開ページだけで導入可否を確定せず,実際に締結する契約,適用プラン,委託先一覧,データ処理の条件を照合します。

同規約は,AI出力の完全性・正確性を保証せず,裁判所や依頼者に出す前の弁護士の確認を求めています。「要確認」の表示がない出力も確認対象に含めます。

第3 検収は出力物と手順の両方で行う
1 公開情報又は架空データで試行する

導入前の試行は,秘密を含まない公開情報又は架空データから始めます。元資料,入力内容,生成結果,修正履歴,最終PDFの版を対応付け,文章の見栄えだけで合格としないことが大切です。

確認事項には,事件・当事者の識別,日付,金額,引用した条文・判例,証拠番号と本文の対応,別紙の欠落,文字化け,ページ順序,現在の裁判所のファイル要件を含めます。表現の自然さは,事実や根拠の正確さを保証しません。判例等は原文と照合し,原文を確認できなかった部分は未確認のまま記録します。

2 提出状態を段階ごとに記録する

事務所内では,①作成・レビュー,②最終PDF確定,③裁判所システムへの送信,④システム上の受領確認,⑤事件への関連付け等の確認を分けて記録します。手数料納付,送達,期限管理もそれぞれ別の確認事項です。AI側の「完了」を,裁判所側の受領・送達の証拠に置き換えません。

担当者,確認者,操作日時,対象ファイルの版,裁判所側の受付情報を残し,送信の失敗や結果不明の際には,現在の受付状態を確認してから次の操作を判断します。具体的な受付表示や法的効果は,その手続の公式案内に従います。事務所全体の準備は,TreeeS導入準備の記事も参照してください。

第4 情報管理は五つの観点を別々に確認する

東京弁護士会のLIBRA 2026年6月号25~27頁は,生成AIの安全利用を検討する観点として,学習利用,人的アクセス,越境移転,第三者への提供,暗号化等を挙げています。同資料は特定サービスの安全性を保証するものではありません。契約の記載と,事務所が実際に有効にした設定も区別します。

1 学習利用と保持・人的アクセス

「学習に使わない」という説明だけでは,保存期間,ログ,バックアップ,保守担当者によるアクセスまで確定しません。何を学習と呼ぶか,例外の有無,人が利用データを見る条件,承認・記録・監査の方法を確認します。

個人情報保護委員会の2023年6月2日注意喚起は,個人データの入力について,利用目的に照らした必要性や,応答以外の目的で取り扱われないかの確認を求めています。入力する資料の範囲を先に決め,契約を確認しないまま実事件の資料を試行に使わないことが実務上の確認事項になります。

2 国内処理と外部連携

AILEXの公開規約・プライバシーポリシーは,国内のAI処理基盤について説明する一方,利用者が有効にする外部連携や電子メールの送信先等を別に扱っています。国内リージョンという一項目から,すべての送信先・保存先が国内であると判断しないことが必要です。

(続きを読む...)裁判所への電子提出を支援するAIサービスの導入・検収―mints・TreeeS対応と情報管理(AI作成)

TreeeSの登録前にGビズIDを準備する方法―住所入力,申請・有効化と期限管理(AI作成)

目次第1 TreeeSの登録準備とGビズIDの取得を分ける1 本記事で扱う準備2 既存アカウントを先に確認する第2 所在地と連絡先住所を混同しない1 本人確認資料と一致させる項目2 連携先での表示は別に確認する第3 申請,審査完了及び有効化を分けて管理する1 オンライン申請と書類郵送申請2 審査完了のお知らせだけで終えない第4 職員のメンバー作成とサービス権限を分ける1 作成後の利用サービスの設定2 一般メンバーと管理者を区別する第5 認証と有効期限を事務所の台帳に記録する1 利用する画面に合う認証を準備する2 期限切れと提出期限は別の問題である第6 関連記事と出典1 目的別の関連記事2 出典と確認範囲
第1 TreeeSの登録準備とGビズIDの取得を分ける
1 本記事で扱う準備

TreeeS(ツリーズ)の登録準備では,裁判所のシステムの登録条件と,認証に使うGビズID自体の取得手続を分けて確認する必要がある。
最高裁判所の令和8年4月3日付調達仕様書は,法人・士業者のユーザ登録について,GビズIDを利用するかを最初に選ぶ改修案を示しているが,これは最終的な本番登録手順を保証する資料ではない。

本記事は,令和8年10月4日に確認したデジタル庁の公開マニュアルを基に,個人事業主がGビズIDを準備する際につまずきやすい点を説明する。
TreeeSの申請受付日,本番URL,資格確認の条件及び事件への関連付けは,裁判所の正式な利用案内で別に確認する。

2 既存アカウントを先に確認する

GビズIDにはエントリー,プライム及びメンバーの区分がある。
IDとパスワードでマイページに入れることだけでは,プライムの取得が完了したと判断できない。
取得済みか分からない場合は,GビズIDの公式トップからアカウントセルフ解決サービスを利用し,重複申請の前に現在の登録を確認する(プライム編39頁)。

第2 所在地と連絡先住所を混同しない
1 本人確認資料と一致させる項目

GビズIDの本人確認情報と,TreeeSで提出する書面へ反映する情報を分けて確認する。
デジタル庁の公開FAQは,個人事業主が書類郵送で申請する場合の「所在地」について,印鑑登録証明書に記載された住所を入力するよう説明している。
事務所の住所がそれと異なるときは,アカウント利用者情報の「連絡先住所」へ入力する。

確認する項目入力・照合の対象確認のポイント
GビズIDの事業者基本情報書類郵送申請では印鑑登録証明書に記載された氏名・住所等書面へ出したい氏名・事務所住所を理由に,本人確認資料と異なる情報へ置き換えない
GビズIDの連絡先住所郵送物を受け取れる連絡先本人確認用の所在地と異なる事務所住所を登録する場合は,こちらの欄を確認する
TreeeSの職務上氏名TreeeSの士業者のユーザ情報に設けられた欄職務上の氏名を使わない場合も,氏名欄と同じ氏名を入力する旨の説明がある
TreeeSで生成される提出書面フォームへ反映された氏名・住所等登録情報の確認だけで終えず,提出直前の帳票を開いて照合する

GビズIDプライム編(個人事業主)24~25頁は,事業者基本情報とアカウント利用者情報を別の入力段階として示している。
所在地が本人確認資料上の住所であることと,裁判所へ提出する書面にどの住所を記載するかは,同じ確認項目ではない。

2 連携先での表示は別に確認する

TreeeSのVer.2.0資料上28頁(PDF32頁)は,士業者のユーザ情報について,GビズIDを利用すると氏名等が連携される一方,フォームで[登録ユーザ情報を反映する]を使うと職務上氏名欄の氏名が反映されると説明している。
職務上の氏名を使わない場合には,職務上氏名欄にも氏名欄と同じ氏名を入力する。
旧姓等を職務上使用している弁護士は,本人確認用の氏名と,この職務上氏名欄とを分けて照合する。

住所については,同資料上83頁・88頁(PDF87頁・92頁)に,GビズIDの個人事業主アカウントでログインし,所定の[登録ユーザ情報を反映する]を使った場合に,連絡先住所が当事者・代理人の詳細情報の住所欄へ反映されるという説明がある。
この操作で事務所住所を反映させたい場合は,GビズIDの連絡先住所を確認する。

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TreeeSのログインと研修環境―公式入口,利用対象及び登録前の確認(AI作成)

目次第1 TreeeSの研修環境と本番利用を区別する1 令和8年10月3日に確認できたこと2 導入予定と現在の提出先を確認する第2 ログインの入口とブックマーク1 研修環境はトップ画面から開く2 認証画面そのものを保存しない第3 ログインと新規登録は別の作業である1 mintsの利用経験だけで登録済みと判断しない2 GビズIDの利用方針を登録前に確認する第4 研修の利用対象と操作マニュアル1 一般の方へ利用可能と案内しない2 マニュアルの発行日と利用環境をそろえる第5 法律事務所が利用開始前に確認する事項1 事件と役割を確認する2 ログインできない場合に記録すること第6 関連記事と確認した資料1 目的別の関連記事2 資料の位置付けと確認範囲
第1 TreeeSの研修環境と本番利用を区別する
1 令和8年10月3日に確認できたこと

TreeeS(ツリーズ)を検索してログイン画面に到達しても,その画面が実際の事件の申立てに用いる本番環境であるとは限らない。最高裁判所のTreeeS研修環境のトップ画面は,研修環境であること,一般の方は利用できないこと及び民事訴訟の電子申立てにはmintsを利用することを案内している。令和8年10月3日に同画面を確認した。

したがって,研修環境で操作を練習することと,裁判所へ訴状・準備書面・証拠等を正式に提出することを区別しなければならない。研修画面へアクセスできたという事実だけで,自己の事件がTreeeSの本番利用の対象になったと判断してはならない。

2 導入予定と現在の提出先を確認する

TreeeSの先行導入予定,対象裁判所及び移送時の取扱いは,TreeeSはいつからどの裁判所で使うのかで整理している。導入予定の説明と,今日の自分の事件の提出先は別々に確認する必要がある。

現在の電子申立て等の案内は,裁判所の民事裁判手続のデジタル化から確認する。事件を担当する裁判所の指示,適用される手続及び利用すべきシステムを確認してから提出する。

第2 ログインの入口とブックマーク
1 研修環境はトップ画面から開く

研修用の入口は,TreeeS研修環境のトップ画面である。リンク先の用途と注意事項を読み,研修を案内された利用者は,所属団体等から受け取った利用案内にも従う。

令和8年10月3日にトップ画面のログインボタンから進んだ画面には,通知先メールアドレスをログインIDとして入力する欄,パスワード欄及び「GビズIDでログイン」のボタンが表示されていた。ただし,入力欄があることは,閲覧者全員が利用資格又は有効なアカウントを持つことを意味しない。

2 認証画面そのものを保存しない

同ログイン画面は,このページをブックマークしないよう注意している。事務所内の案内では研修環境のトップ画面を入口とし,認証途中の長いURLを職員へ配布したり,そのURLを固定のログイン先として扱ったりしない。

本番利用の入口については,本番導入時の正式案内で確認する。研修用URLを本番URLとして紹介しない。

第3 ログインと新規登録は別の作業である
1 mintsの利用経験だけで登録済みと判断しない

既存アカウントで認証する作業がログインであり,TreeeSのユーザIDを取得する作業は新規登録である。mintsを利用していたという事情だけで,TreeeSのユーザIDの取得,本人確認及び資格確認が完了したとは判断できない。

令和8年4月3日付の最高裁判所追加機能改修業務の調達仕様書には,mintsと同じメールアドレスを利用してTreeeSのユーザIDを取得するための画面文言の改修案が記載されている(PDF37・38頁)。これは改修予定を示す資料であり,mintsのID・パスワードをそのまま使えるという説明や,最終的な登録手順の確認に代わるものではない。

2 GビズIDの利用方針を登録前に確認する

同仕様書のPDF35頁は,法人又は士業者について,GビズIDを利用するかを最初に決め,GビズIDを使わずユーザIDを取得した後はGビズID利用へ切り替えられない旨の注意を追加する改修案を示している。

この記載から,登録後に自由に切り替えられることを前提に準備するのは適切でないと分かる。ただし,本番で採用された最終仕様は正式なアカウント案内で再確認する必要がある。詳しくは,TreeeSのアカウント登録とGビズID及び事務職員用GビズIDメンバーを参照されたい。

第4 研修の利用対象と操作マニュアル
1 一般の方へ利用可能と案内しない

確認した研修環境のトップ画面は,一般の方は利用できないと明示している。公開ウェブページとして閲覧できることと,研修への参加が認められることは異なる。誰に,どのアカウントで,どの範囲の研修が案内されているかは,配布された正式な案内で確認する。

所属団体の会員向け案内,事務所の研修案内及び研修環境の注意事項が異なる場合は,自己の利用資格や登録方法を推測で補わず,案内元に確認する。

2 マニュアルの発行日と利用環境をそろえる

当事者用操作マニュアルの読み方は,現在取得できる当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)の目的別索引である。
同版は登録章と動作環境を収録している。
ログイン・認証の説明は資料上47~49頁(PDF51~53頁)である。

(続きを読む...)TreeeSのログインと研修環境―公式入口,利用対象及び登録前の確認(AI作成)

TreeeSは家事・倒産・民事執行でいつ使えるか―対象手続,施行期限と調達仕様書段階の区別(AI作成)

目次第1 結論第2 令和8年9月22日現在の境界1 民事訴訟はmints2 民事執行・倒産・労働審判・人事訴訟・家事事件は別第3 令和5年法律第53号の施行時期1 全面施行は令和10年6月まで2 令和8年5月21日に先行施行された部分第4 TreeeSの調達仕様書が示すこと1 第3次開発の契約期間2 令和10年3月の工程と法施行日を混同しない第5 手続別の確認ポイント1 家事事件・人事訴訟2 民事執行・民事保全3 破産・民事再生その他の倒産手続4 労働審判・非訟事件等第6 法律事務所の準備第7 確認済み・予定・未確認第8 出典
第1 結論

令和8年9月22日現在,民事執行,倒産,労働審判等の非訟手続,人事訴訟及び家事事件は,同年5月21日に始まった民事訴訟のオンライン申立て等の対象外である。裁判所は,これらの手続について,令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定であると案内している。

最高裁判所の調達仕様書では,家事事件手続等へTreeeS・RoootSを拡張する第3次開発が進められている。しかし,調達仕様書の工程は,法令の全面施行日,各手続の利用開始日又は本番稼働を確定する資料ではない。「令和10年3月に改修予定」と「同日にすべての手続でTreeeSが使える」は同じ意味ではない。

第2 令和8年9月22日現在の境界
1 民事訴訟はmints

改正民事訴訟法等は令和8年5月21日に全面施行され,弁護士等の所定の訴訟代理人には電子申立てが原則として義務付けられた。現在,裁判所は,民事訴訟の電子申立て,書類の受領,システム送達及び電子記録の閲覧等にmintsを案内している。

TreeeSは,令和9年1月に名古屋高等裁判所本庁,名古屋地方裁判所本庁・支部及び同地裁管内の簡易裁判所で先行導入される予定であり,全庁導入は令和9年度中が目標とされている。これはまず民事訴訟の切替えに関する日程である。

2 民事執行・倒産・労働審判・人事訴訟・家事事件は別
手続令和8年9月22日現在今後の目安民事訴訟オンライン申立て等の対象。現在はmints令和9年1月にTreeeS先行導入予定民事執行・民事保全民事訴訟フェーズ3のオンライン申立て等の対象外令和10年6月までに対象化予定破産・民事再生等同上同上家事事件・人事訴訟同上同上。第3次開発の対象労働審判・非訟事件等同上同上

ただし,民事執行等では,令和8年5月21日からウェブ会議等を利用できる期日の拡充や,電子的に作成された債務名義の正本等の提出省略など,一部の規定が先に施行されている。オンライン申立て等の全面対象化とは分けて考える。

第3 令和5年法律第53号の施行時期
1 全面施行は令和10年6月まで

令和5年法律第53号は,民事訴訟以外の民事裁判手続について,インターネットを利用した申立て・資料提出・送達,事件記録の原則電子化,オンライン閲覧等を整備する。公布日は令和5年6月14日であり,全面施行日は公布から5年以内の政令で定める日である。

法務省及び裁判所は,令和8年9月22日現在,具体的な全面施行日は今後決定され,令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定であると案内している。「5年以内」は期限であり,令和10年6月14日に自動的に施行されるという意味ではない。

2 令和8年5月21日に先行施行された部分

ウェブ会議等を利用した期日への参加,民事執行手続における電子債務名義の正本等の提出省略を可能にする仕組み等は,令和8年5月21日に施行された。したがって,「一部のデジタル化が始まっている」ことと「オンライン申立て・電子記録が全面施行された」ことを区別する。

第4 TreeeSの調達仕様書が示すこと
1 第3次開発の契約期間

最高裁判所の令和7年7月2日付調達仕様書は,家事事件手続等のデジタル化に伴い,e事件管理システム(RoootS)及びe提出・e記録管理システム(TreeeS)を改修する第3次開発を定める。契約期間は令和7年9月1日から令和10年3月31日までとされている。

同仕様書では,TreeeSを,RoootS,e提出・e記録管理システム及びe法廷のウェブ会議アプリケーションとの連携機能等により「3つのe」を実現するシステム群の総称として用いている。

2 令和10年3月の工程と法施行日を混同しない

令和8年4月3日付及び同年6月9日付の追加改修仕様書には,令和10年3月を本番反映又はサービス提供の工程として想定する記載がある。これは開発・試験・移行の目標を示す重要な資料であるが,政令による法施行日,裁判所ごとの開始日,対象事件の経過措置及び最終操作を確定するものではない。

第5 手続別の確認ポイント
1 家事事件・人事訴訟

家事審判・家事調停,人事訴訟等は第3次開発の中心的な対象である。家事事件では,秘匿性,当事者・利害関係人の閲覧範囲,調停委員・参与員等の関与,紙媒体の取扱いなど,民事訴訟と異なる要件がある。民事訴訟用TreeeSの画面・権限をそのまま当てはめない。

2 民事執行・民事保全

民事執行・民事保全では,申立ての電子化だけでなく,債務名義,執行文,送達証明,担保,財産開示期日等の扱いを確認する必要がある。令和8年5月21日に一部制度が施行されていても,全面オンライン申立ての開始日とは限らない。

また,事件の取扱庁を本庁等へ集約することと,システムを導入することは別の変更である。集約が先に行われても,取扱庁が変わったことだけで電子申立てや電子記録の閲覧ができるようになるわけではない。取扱庁・担当係と,提出・受領・閲覧の方法を分けて把握し,それぞれの変更の開始日と係属中の事件の扱いを確認する必要がある。

オンラインで対応できる範囲も,機能ごとに確認する。①ウェブ会議等による手続の説明や協議,②申立書等の正式な提出,③事件記録の閲覧・複写は,それぞれ別の機能であり,①が使えることから②や③も使えると判断しない。不動産競売の申立てから配当までの流れと,取扱庁の変更時に工程ごとに確認する事項は,不動産競売の手続の流れと期間で整理している。

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TreeeSの開発会社と契約額―日立社会情報サービスの受注範囲と「30億円超」報道の検証(AI作成)

目次第1 結論1 TreeeSの開発会社はどこか2 TreeeS全体の単独開発会社・総額までは確定できない第2 日立社会情報サービスとの16億1616万4000円の契約1 契約公表資料の記載2 この契約から分かる範囲第3 TreeeSと関連調達を分ける1 e提出・e記録管理システム2 RoootS・クラウド・工程管理等3 追加改修第4 「30億円超」という説明をどう検証するか1 今回確認できたこと2 単純合算できない理由第5 令和8年の追加契約第6 確認済み・推論・未確認の区別第7 出典
第1 結論
1 TreeeSの開発会社はどこか

最高裁判所の令和5年度契約公表資料によれば,最高裁判所は令和5年4月3日,「民事訴訟手続のデジタル化に係るe提出・e記録管理システムの設計・開発及び賃貸借保守」を株式会社日立社会情報サービスと契約し,契約金額は16億1616万4000円である。

したがって,少なくとも,利用者側の電子提出・電子記録管理を担う中核システムの設計・開発及び賃貸借保守について,同社が受注したことは公式資料で確認できる。

2 TreeeS全体の単独開発会社・総額までは確定できない

他方,TreeeSは,資料によって,e提出・e記録管理システムを指す場合と,裁判所内部のe事件管理システム(RoootS)及びe法廷との連携まで含むシステム群の総称として使われる場合がある。クラウド,工程管理,運用保守,追加機能改修及び他システム連携も別契約になり得る。

そのため,「TreeeSの開発会社は日立社会情報サービス1社である」,「TreeeSの総開発費は16億円である」とまではいえない。本記事では,契約名と受注範囲を明示して整理する。

第2 日立社会情報サービスとの16億1616万4000円の契約
1 契約公表資料の記載
契約日令和5年4月3日契約件名民事訴訟手続のデジタル化に係るe提出・e記録管理システムの設計・開発及び賃貸借保守契約相手方株式会社日立社会情報サービス契約金額1,616,164,000円公表資料最高裁判所「令和5年度公共調達の適正化に係る契約情報の公表(物品役務等)」7頁
2 この契約から分かる範囲

契約名に「設計・開発及び賃貸借保守」とあるため,単発のソフトウェア購入ではなく,設計・開発から賃貸借保守までを含む契約であることが分かる。ただし,公表表の1行だけでは,機能別の金額内訳,外注先,再委託先,著作権等の帰属又は追加改修費を確認できない。

第3 TreeeSと関連調達を分ける
1 e提出・e記録管理システム

e提出は,利用者ポータル,裁判資料の電子提出,手数料の電子納付及び外部システムとの連携等を担う。e記録管理は,電子記録の整理・保管,アクセス権限の管理並びに利用者による検索・閲覧・複写を担う。日立社会情報サービスとの上記契約は,契約名上,この部分を対象にしている。

2 RoootS・クラウド・工程管理等

RoootSは,事件番号,担当部,当事者及び期日等を裁判所内部で管理するe事件管理システムである。最高裁判所の契約公表資料には,e提出・e記録管理システム以外にも,クラウドサービスやプロジェクト管理支援等の関連契約が掲載されている。

これらは民事裁判手続のデジタル化に関係するが,契約件名・目的・期間が異なる。関連契約をすべて「TreeeS開発費」と呼ぶには,各契約の仕様書と対象範囲を突き合わせる必要がある。

3 追加改修

最高裁判所は,家事事件手続等への拡張,法人ベース・レジストリ連携,後見法改正対応その他の追加機能改修を別に調達している。令和7年7月2日付及び令和8年4月3日付・同年6月9日付の仕様書は,将来の改修内容と工程を確認する資料であり,契約額又は本番実装済みの事実を当然に示すものではない。

第4 「30億円超」という説明をどう検証するか
1 今回確認できたこと

インターネット上には,TreeeSの開発費を「30億円超」と説明する記事がある。しかし,令和8年9月22日までに確認した公開一次資料からは,「TreeeS総開発費30億円超」という名称・範囲・集計期間が一致する公式集計表を確認できなかった。

これは30億円超という説明が直ちに誤りであるという意味ではない。複数年度の設計・開発,クラウド,運用保守,RoootS,追加改修等を一定の基準で合算した可能性があるが,その計算過程と一次資料が示されなければ検証できないという意味である。

2 単純合算できない理由

契約額を集計するときは,①契約件名,②対象システム,③契約期間,④当初契約か変更契約か,⑤再調達・更新契約か,⑥税込・税抜,⑦一部が他の裁判所システムにも共用されるかを確認する必要がある。これをせずに検索結果の金額を足すと,重複計上又は範囲の混同が生じる。

第5 令和8年の追加契約

日本貿易振興機構の政府公共調達データベースには,最高裁判所が令和8年1月30日,「e提出・e記録管理システムの法人ベース・レジストリ連携改修業務」を株式会社日立社会情報サービスと6799万1000円で契約した旨が掲載されている。互換性確保のための随意契約とされている。

この契約は,日立社会情報サービスが中核システムの追加改修も受注していることを示す一方,令和5年契約とは件名・時期・範囲が異なる。両者を紹介するときは,別契約であることを明示する。

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TreeeSで手数料を納付する方法―納付番号,インターネットバンキング,ATM及び合算納付(AI作成)

目次第1 結論1 提出と納付は別の処理である2 手数料額の計算は利用者が確認する第2 納付番号の確認1 提出後に表示される情報2 事件台帳へ記録する第3 インターネットバンキングとATM1 インターネットバンキング2 ATM第4 複数申立ての合算1 合算できる範囲2 照合作業第5 納付後の確認1 金融機関側とTreeeS側2 エラー又は二重操作を避ける第6 手数料計算との役割分担1 計算記事2 訴訟提起の記事第7 出典と限界1 確認した資料2 未確認事項
第1 結論
1 提出と納付は別の処理である

TreeeS資料では,訴状等の提出後,入力した手数料額に応じて納付番号等が発行され,インターネットバンキング又はPay-easy対応ATM等から納付する流れが示されている。
提出完了画面が表示されても,手数料の納付が完了したことにはならない。反対に,納付結果だけでは対象事件への提出内容を証明できない。

2 手数料額の計算は利用者が確認する

フォームの自動計算は入力補助であり,資料上,正しい手数料額は利用者が確認するものとされる。訴額,申立ての種類,併合・附帯申立て等により金額が異なる場合は,法令及び裁判所の案内と照合する。

第2 納付番号の確認
1 提出後に表示される情報

納付画面又は提出結果画面に表示される収納機関番号,納付番号,確認番号,金額及び納付期限等を保存する。画面を閉じる前に,対象事件及び申立てとの対応を確認する。

2 事件台帳へ記録する

事務所の事件台帳には,①提出日時,②申立て,③受付結果,④納付番号,⑤金額,⑥納付担当者,⑦納付日時,⑧納付結果を別々の欄で記録する。
番号だけをメール又はチャットで転送すると対象事件を取り違えやすいため,裁判所・当事者・申立て名と組み合わせる。

第3 インターネットバンキングとATM
1 インターネットバンキング

資料上,納付番号を用いてインターネットバンキングから支払う経路が示されている。利用する金融機関がPay-easyに対応しているか,利用時間,振込限度額及び認証方法を事前に確認する。

2 ATM

Ver.2.0資料上74頁・76頁は,印刷した帳票により金融機関のATM等で納付できる一方,コンビニエンスストアに設置されている共用ATMは利用できないと説明している。
利用する金融機関の対応ATM,利用時間及び認証方法を事前に確認する。

第4 複数申立ての合算
1 合算できる範囲

TreeeS資料は,複数の申立てについて手数料を合算して納付する機能を示している。ただし,どの申立てを同一の納付に含めるかを確認し,個別の納付番号と合算後の金額との対応を保存する。

2 照合作業

合算納付では,申立てごとの金額の合計と納付額を照合し,対象外事件の混入,二重納付又は納付漏れを防ぐ。納付後の画面又は利用明細を事件記録へ保存する。

第5 納付後の確認
1 金融機関側とTreeeS側

金融機関側の取引結果とTreeeS上の納付状況を照合する。
Ver.2.0資料上174頁は,納付済みのときは[納付日]へ完了日が表示され,未納付のときは「-」が表示されると説明している。
反映が不明な場合は,直ちに納付を繰り返さず,取引結果と現在の納付情報を確認する。

2 エラー又は二重操作を避ける

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TreeeSのシステム送達と期限管理―受信一覧,閲覧・ダウンロード,1週間及び送達状況(AI作成)

目次第1 結論1 通知メールだけで期限を決めない2 TreeeSの画面表示と法的効果を分ける第2 システム送達の法的仕組み1 受送達者への通知2 効力発生の三つの時点3 責めに帰することができない事由第3 受信一覧と30日1 受信一覧の表示期間2 事務所保存第4 事務職員が閲覧する場合1 GビズIDメンバーの閲覧2 システム送達受取人第5 期限管理の実務1 記録する時刻2 複数人がアクセスできる場合第6 システム直送との違い1 送達と直送を混同しない2 到達の証拠第7 出典と判例確認1 一次資料2 判例秘書等
第1 結論
1 通知メールだけで期限を決めない

システム送達の効力は,通知メールを読んだ時だけに生ずるものではない。民事訴訟法109条の3第1項によれば,送達対象を閲覧した時,端末のファイルへ記録した時又は通知が発せられた日から1週間を経過した時のうち,最も早い時に効力を生ずる。

2 TreeeSの画面表示と法的効果を分ける

TreeeSの受信一覧,ダウンロード操作及び送達状況画面は,事実確認のための重要な資料である。しかし,画面の「送達済み」等の表示だけを切り取らず,通知発信,閲覧,記録及び責めに帰することができない事由の有無を法令に当てはめる。

第2 システム送達の法的仕組み
1 受送達者への通知

民事訴訟法109条の2は,受送達者へ送達対象を閲覧又はファイルへ記録できる措置を講じ,その旨を通知する仕組みを定める。通知は入口であり,送達効そのものと同義ではない。

2 効力発生の三つの時点

効力発生の候補は,①閲覧時,②ファイルへの記録時,③通知発信日から1週間経過時である。最も早い時点が基準になるため,担当者が先に閲覧又はダウンロードすると,1週間を待たずに送達効が発生し得る。

3 責めに帰することができない事由

同条2項は,受送達者の責めに帰することができない事由で閲覧又は記録ができない期間を1週間に算入しないと定める。システム障害等がある場合は,障害情報,発生時刻,エラー画面,問合せ内容及び復旧時刻を保存する。

第3 受信一覧と30日
1 受信一覧の表示期間

Ver.2.0資料上59~60頁は,受信したファイルを受信日から30日経過後に受信一覧へ表示しなくなると説明している。
この期間は,送達効の発生時期又は上訴期間ではない。
通知一覧で通知が見つからないときは,未読分のみの初期表示と[既読分も表示する]も確認する(資料上188頁)。

2 事務所保存

受信担当者は,対象事件,書面名,通知時刻,閲覧・ダウンロード時刻及び取得ファイルを事件記録へ保存する。受信一覧が表示されなくなった後も期限計算の根拠を説明できるようにする。

第4 事務職員が閲覧する場合
1 GビズIDメンバーの閲覧

Ver.2.0資料上192頁は,GビズID利用プライムアカウントで送達送付状況確認画面を開き,[補助者]へカーソルを合わせると,送達実施後に最初に閲覧又はダウンロードしたメンバーの氏名が表示されると説明している。
表示された操作者と時刻を記録し,法的な効力発生時期は送達対象,実際の閲覧・記録,通知及び適用法令から判断する。

2 システム送達受取人

システム送達受取人は,事件について送達を受ける役割である。サポーターとして提出できることや,訴訟記録一覧を閲覧できることとは別の権限である。
詳しくは,TreeeSで事務職員ができることを参照されたい。

第5 期限管理の実務
1 記録する時刻

通知発信時刻,最初の閲覧時刻,最初のダウンロード時刻,送達状況表示及び担当弁護士への連絡時刻を別々に記録する。通知メールの受信時刻だけを期限計算表へ転記しない。

(続きを読む...)TreeeSのシステム送達と期限管理―受信一覧,閲覧・ダウンロード,1週間及び送達状況(AI作成)

TreeeSのサポーターとは―登録・提出権限,事件記録の閲覧及び送達受取人との違い(AI作成)

目次第1 結論1 事件単位で提出を補助する役割である2 送達受領・常時閲覧とは別である第2 登録の対象1 職員自身のアカウント2 事件ごとの指定第3 できること1 書面提出の補助2 本人の依頼・承諾第4 できないこと又は別登録が必要なこと1 訴訟記録一覧の常時閲覧2 システム送達の受領3 サポーター兼送達受取人第5 登録・解除の確認1 登録時2 解除時第6 GビズIDメンバーとの違い1 組織アカウントではない2 事務所方式を先に決める第7 出典と限界1 確認した資料2 未確認事項
第1 結論
1 事件単位で提出を補助する役割である

令和7年7月2日付の公開調達資料62頁は,外部ユーザを当事者・代理人,サポーター,送達受取人等に分け,サポーターの例として法律事務所事務員等を挙げる。
これは役割の区分を示す調達資料であり,職員の職位又は訴訟代理人資格そのものではない。

2 送達受領・常時閲覧とは別である

サポーターであるだけでは,システム送達受取人にはならず,訴訟記録一覧から事件記録を常時閲覧できるとも説明されていない。「提出できる」「記録を見られる」「送達を受ける」を分ける。

第2 登録の対象
1 職員自身のアカウント

GビズIDを使わない方式では,事務職員が自分のTreeeS個人アカウントを取得し,対象事件へサポーターとして関連付ける方法が示されている。共用アカウントを用いない。

2 事件ごとの指定

サポーターの権限は個別事件に結び付く。担当事件が変わった場合,新事件への登録と旧事件からの解除をそれぞれ確認する。

第3 できること
1 書面提出の補助

資料上,サポーターは事件内へ直接書面を提出できる役割として整理されている。ただし,提出する書面の内容,提出期限,代理権及び弁護士の承認は別問題である。

2 本人の依頼・承諾

Ver.2.0の訴状フォームは,サポーターが提出する場合,本人の承諾書を添付資料としてアップロードすると説明している(資料上99頁,PDF103頁)。
承諾書,事件への関連付け及び弁護士の提出内容の承認を分けて確認する。

第4 できないこと又は別登録が必要なこと
1 訴訟記録一覧の常時閲覧

同調達資料62頁の注記では,サポーターのオンライン提出,事件記録の閲覧及び送達受領は別に扱われている。
提出した書面や送達対象文書へのアクセスと事件記録全体の閲覧を分け,最終的な操作範囲は本番の公開案内で確認する。

2 システム送達の受領

送達を受けるには,システム送達受取人としての役割が必要である。提出補助だけを依頼する職員に送達受領まで付与するかを事件ごとに判断する。

3 サポーター兼送達受取人

資料上,サポーターとシステム送達受取人を兼ねる区分がある。この場合でも,訴訟記録一覧の常時閲覧とは別である。

第5 登録・解除の確認
1 登録時

①対象事件,②本人又は代理人,③サポーター本人,④提出権限,⑤送達受領権限,⑥依頼・承諾書面を確認する。

2 解除時

(続きを読む...)TreeeSのサポーターとは―登録・提出権限,事件記録の閲覧及び送達受取人との違い(AI作成)

TreeeSで訴訟記録を閲覧・ダウンロードする方法―記録一覧,記録外,関連事件及び電子署名(AI作成)

目次第1 結論1 事件詳細画面には複数の領域がある2 画面表示と閲覧権限を区別する第2 各一覧の役割1 訴訟記録一覧2 証拠一覧3 記録外一覧第3 関連事件と表示の切替え1 関連事件を取り違えない2 一覧の並び順を保存証拠にしない第4 ダウンロードと電子署名1 表示用データと電子署名付きデータ2 ファイルの保存方法第5 閲覧権限と事務職員1 GビズIDメンバー2 サポーター等第6 30日表示との違い1 受信一覧と提出一覧2 法的な記録保存期間ではない第7 関連記事と出典1 関連記事2 一次資料と未確認事項
第1 結論
1 事件詳細画面には複数の領域がある

TreeeSの事件詳細画面では,訴訟記録一覧,証拠一覧及び記録外一覧等が区別される。表示されているファイルを一括して「事件記録」と呼ぶと,法的な訴訟記録,証拠及び事務処理用の参考資料を混同する。

2 画面表示と閲覧権限を区別する

システム上のリンクが表示されることと,法令上その記録を閲覧・複写できることは同じではない。当事者・代理人,サポーター,システム送達受取人等の地位によりアクセス範囲が異なる。

第2 各一覧の役割
1 訴訟記録一覧

訴訟記録一覧には,裁判所が事件の電子記録として整理した書面等が表示される。提出直後のファイルが直ちに確定的な訴訟記録として表示されるとは限らず,裁判所による立件・関連付け・記録整理の段階を区別する。

2 証拠一覧

証拠一覧では,書証番号等を手掛かりに証拠及び関連データを確認する。証拠説明書,翻訳文,音声・動画等の関連データと元の証拠との対応を,画面表示だけでなく事務所の証拠台帳にも残す。

証拠一覧の出力では,画面上の表示がすべて保存されるとは限らない。
Ver.2.0資料上168頁(PDF172頁)は,証拠一覧からPDF又はCSVを出力した場合,訴訟記録一覧と異なり,「紙記録」「閲覧制限」などのシール表示部分は出力されないと注意している。
出力ファイルに表示がないことだけから,紙記録や閲覧制限の有無を判断しない。
事務所で一覧を保存・引き継ぐ場合は,該当する画面表示も確認し,元の事件・資料との対応を残す。

3 記録外一覧

記録外一覧は参考書面を管理する領域であり,フォルダへアクセスできる当事者は裁判所が設定する。
当該一覧から直接アップロードするのではなく,[その他の申立てや書面の提出(汎用)]で対象フォルダを選んで提出する(Ver.2.0資料上156頁)。
記録外の選択は,法律上の秘匿措置又は閲覧等制限の代替ではない。

第3 関連事件と表示の切替え
1 関連事件を取り違えない

同じ当事者間の関連事件,併合前後の事件その他の関連事件へ切り替えられる場合,画面上部の裁判所,事件番号,事件名及び当事者を確認する。
ダウンロードする前に,現在開いている事件と目的の記録が一致するか確認し,保存先フォルダも事件単位で分ける。

2 一覧の並び順を保存証拠にしない

一覧の表示順,検索結果又は絞込み条件は,記録の法的な順序や完全性を当然に示すものではない。必要な期間・書面種別を確認し,漏れが疑われる場合は裁判所へ確認する。

第4 ダウンロードと電子署名
1 表示用データと電子署名付きデータ

電子署名付きデータは,Ver.2.0資料上155~156頁によれば,[PDFファイルを結合しない]かつ[詳細情報を含まない]を選ぶか,ファイル詳細画面から個別にダウンロードする。
結合又は詳細情報の付加でデータが書き換わると,電子署名を検証できなくなる可能性があると注意されている。
署名を保持する取得物と,閲覧用に加工した資料は分けて保管する。

(続きを読む...)TreeeSで訴訟記録を閲覧・ダウンロードする方法―記録一覧,記録外,関連事件及び電子署名(AI作成)

TreeeSの招待キーを使う方法―当事者本人,訴訟代理人,委任状及びシステム送達の届出(AI作成)

目次第1 結論1 招待キーは事件への入口である2 事件と当事者を照合する第2 当事者本人による入力1 招待キー情報2 関連付け後の確認第3 訴訟代理人が関与する場合1 代理人情報と委任状2 複数代理人第4 答弁書の提出1 事件詳細画面から提出する2 PDFと入力欄第5 システム送達の届出1 事件への関連付けとは別である2 送達受取人第6 事務所内の確認表1 登録時2 登録後第7 関連記事と出典1 関連記事2 確認範囲
第1 結論
1 招待キーは事件への入口である

Ver.2.0資料上178頁は,招待キーを,アカウントを特定事件の当事者へ関連付ける一度だけ使える認証キーと説明している。
当事者本人について発行され,代理人には発行されず,代理人は本人のキーを使用して代理人として関連付ける。
同じ画面で送達の届出や委任状の提出を行うため,入力した事実と届出・提出の完了を分けて確認する。

2 事件と当事者を照合する

入力前に,裁判所,事件番号,事件名,原告・被告及び招待キーの宛先を確認する。別事件又は別当事者の招待キーを使用しない。

第2 当事者本人による入力
1 招待キー情報

通知された招待キー,事件情報その他の入力事項を,裁判所から届いた書面又は公式画面と照合する。招待キーをメール等で転送する場合は,誤送信及び第三者利用を防ぐ。

2 関連付け後の確認

関連付け後に表示された裁判所,事件番号,当事者及び利用できる機能を確認する。事件が表示されたことと,訴訟記録の全範囲を閲覧できること又は代理人として登録されたことを同一視しない。

第3 訴訟代理人が関与する場合
1 代理人情報と委任状

訴訟代理人は,代理人情報を登録し,委任状その他の代理権を証する書面を提出する。事務職員が操作を補助する場合も,職員のアカウント上の役割と弁護士の訴訟代理権を区別する。

2 複数代理人

複数の代理人がいる場合は,各代理人の登録状況,送達受領者及び担当範囲を確認する。代表者又は最初の登録者だけを確認して終えない。

第4 答弁書の提出
1 事件詳細画面から提出する

事件に関連付いた後は,事件詳細画面から答弁書の提出フォームへ進む。事件情報が自動表示される場合でも,提出直前に裁判所,事件番号,当事者及び提出者を確認する。

2 PDFと入力欄

答弁内容をPDFで登録する場合,フォームへ直接入力した内容との上書き関係に注意する。確認画面又は生成帳票で,答弁の趣旨,認否及び主張が欠けていないか読む。

第5 システム送達の届出
1 事件への関連付けとは別である

システム送達を受ける旨の届出は,招待キー入力又は答弁書提出とは別に確認する。民事訴訟法109条の4は,届出義務がある者が届出をしていない場合についても所定の送達を可能とするため,届出をしなければ送達されないと考えてはならない。

2 送達受取人

事務職員等をシステム送達受取人にする場合は,事件単位の役割,受信一覧へのアクセス及び最初の閲覧時刻の管理を確認する。詳しくは,TreeeSで事務職員ができることを参照されたい。

第6 事務所内の確認表
1 登録時

(続きを読む...)TreeeSの招待キーを使う方法―当事者本人,訴訟代理人,委任状及びシステム送達の届出(AI作成)

TreeeSで係属事件に書面を提出する方法―事件詳細画面,同時提出,下書き保存及び受付確認(AI作成)

目次第1 結論1 事件詳細画面から始める2 提出完了を一つの状態にまとめない第2 提出する書面と入口1 通常の事件書面2 参考書面と記録外領域3 事件に関連付いていない場合第3 同時提出と一時保存1 複数書面の同時提出2 一時保存は提出ではない第4 誤事件提出を防ぐ確認1 提出直前の確認項目2 フォーム入力とPDFの上書き第5 提出後の証拠化1 受付結果を保存する2 相手方への到達とは別である第6 関連記事1 操作索引2 事務職員の権限第7 出典と限界1 確認した資料2 未確認事項
第1 結論
1 事件詳細画面から始める

係属中の事件は,対象事件の詳細画面から書面提出へ進むのが基本である。
Ver.2.0資料上106~107頁は,準備書面について[準備書面作成]から進む手順を説明している。
一般の入口である[事件の申立て・書面の提出]から各フォームへ進むと,裁判所・事件番号等が入力された状態となる(資料上63~65頁)。
専用入口を使っても,提出直前に事件・当事者・提出者を照合する。

2 提出完了を一つの状態にまとめない

下書き保存,送信操作,システム受領,裁判所による事件への関連付け及び相手方への直送又は送達は別である。画面上の一つの表示だけで,すべてが完了したと扱わない。

第2 提出する書面と入口
1 通常の事件書面

準備書面,証拠申出書その他の事件書面は,対象事件の詳細画面から該当フォームを選ぶ。提出者,書面名,提出先フォルダ及び相手方への送付関係を確認する。
書証は専用フォームを使い,証拠説明書の入力項目と併せて処理するため,TreeeSでの書証の提出を参照されたい。

2 参考書面と記録外領域

和解条項案その他の訴訟記録としない資料について,TreeeS資料は「参考書面」として記録外フォルダへ提出する経路を示している。
記録外フォルダへ提出することは,法律上の秘匿決定又は閲覧等制限を当然に生じさせるものではない。資料の性質,閲覧させる相手及び必要な申立てを別に検討する。

3 事件に関連付いていない場合

Ver.2.0の3.4は,まだ関連付けられていない事件でも,裁判所と事件番号を特定して提出できると説明している。
ユーザポータルの[新規申立て・書面提出]から進み,補助参加申出書等の対象フォームを選ぶ(資料上126~128頁)。
提出者が事件に関連付いているかと,提出済み書面が事件記録へ編成されているかは別々に確認する。

第3 同時提出と一時保存
1 複数書面の同時提出

同時提出は,提出前の確認画面に表示されたリンクから対象フォームへ移る方法で行う。
画面に表示されない申立て・書面は,同時提出の対象として選択できない。
同時提出しようとするフォームを一時保存すると同時提出できなくなるため,各書面の保存・提出状態を確認する(Ver.2.0資料上72頁)。

2 一時保存は提出ではない

フォームを下書き保存しても,裁判所へ提出されたことにはならない。
Ver.2.0資料上68~70頁は,保存書面の確認・編集と,下書きの件数上限を説明している。
個人ユーザは30件,法人ユーザ及び士業者ユーザは各100件までと説明されている。
同70頁の保存書面一覧の画面例には,「一時保存した情報の保存期限は保存年月日から30日です。」と表示されている。

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TreeeS導入前に法律事務所が準備すること―アカウント台帳,提出経路台帳及びデータ保存(AI作成)

目次第1 結論1 システム導入は事件管理と権限管理の変更である2 二つの台帳を分ける第2 提出経路台帳1 記録する項目2 移送時の再判定第3 アカウント・権限台帳1 弁護士2 事務職員3 共用アカウントを使わない第4 提出の業務フロー1 二者確認2 六つの状態を分ける第5 受信と期限管理1 受信担当2 期限計算第6 30日以内の保存1 対象2 保存するデータ第7 担当変更・退職・障害1 担当変更と退職2 障害記録第8 関連記事1 制度と導入時期2 操作索引第9 出典と限界1 確認資料2 実務提案と未確認事項
第1 結論
1 システム導入は事件管理と権限管理の変更である

TreeeSへの移行準備は,新しいログイン方法を覚えるだけでは足りない。事件ごとの提出経路,弁護士・職員のアカウント,提出・閲覧・送達受領の権限及び30日で見えなくなるデータの保存方法を一体で設計する。

2 二つの台帳を分ける

事件ごとの提出経路台帳と,人物・アカウントごとの権限台帳を分ける。事件が終わってもアカウントは残り,職員が退職しても事件は続くためである。

第2 提出経路台帳
1 記録する項目

事件名,裁判所,事件番号,提起日,旧法・新法,紙・mints・TreeeSの別,移送歴,使用開始日,最終確認した裁判所案内及び担当者を記録する。

2 移送時の再判定

移送決定があった場合は,移送先裁判所の導入状況と新しい事件番号を確認する。mintsとTreeeSの事件データが自動移行することを前提にしない。

第3 アカウント・権限台帳
1 弁護士

TreeeSのユーザID,登録メール,GビズID利用の有無,プライムの有効期限,職務上氏名,連絡先住所,認証端末及び資格確認の状況を記録する。

2 事務職員

職員ごとのアカウント,メールアドレス,GビズIDメンバーのサービス権限,TreeeS事件上のサポーター・送達受取人等の役割,担当事件及び解除日を記録する。

3 共用アカウントを使わない

提出者,閲覧者及び送達書面を開いた者を特定できるよう,個人単位のアカウントを使う。パスワード・認証端末を共有しない。

第4 提出の業務フロー
1 二者確認

提出直前に,裁判所,事件番号,当事者,書面名,提出者の肩書,ファイルの版・頁数,提出先フォルダ,証拠番号及び秘匿情報を作成者とは別の者が確認する。

2 六つの状態を分ける

①下書き保存,②送信操作,③システム受領,④裁判所の立件・関連付け,⑤手数料納付,⑥送達効発生を別々に記録する。「提出済み」という一欄だけで管理しない。

電子提出を支援するAIサービスを使う場合も,サービス側の「作成完了」又は「パッケージ完成」を,裁判所側の受領確認に置き換えない。最終PDFの版,裁判所システムでの提出操作及び受付情報を別々に記録する。契約・情報管理を含む導入時の確認事項は,裁判所への電子提出を支援するAIサービスの導入・検収を参照されたい。

第5 受信と期限管理
1 受信担当

通知を監視する担当者,開封できる者,担当弁護士への連絡方法及び不在時の代替者を決める。最初の閲覧又はダウンロードが送達効の発生時点になり得る。

2 期限計算

通知発信,閲覧,ダウンロード及び1週間経過の各時刻を記録し,最も早い効力発生時点を検討する。通知メールの受信時刻だけを期限起算日にしない。

第6 30日以内の保存

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TreeeSでGビズIDメンバーを使う方法―法律事務所職員のアカウント,権限設定及びメールアドレス(AI作成)

目次第1 結論1 GビズIDメンバーは職員本人のアカウントである2 広いシステム権限と訴訟代理権は別である第2 作成とサービス権限1 プライム側の操作2 メンバー本人の操作第3 TreeeSでできること1 提出と記録閲覧2 送達・直送書面3 本人の最終責任第4 メールアドレスの設計1 一人一アドレス2 複数弁護士を補助する場合第5 有効期限と異動・退職1 GビズIDの有効期限2 二重の棚卸し第6 サポーターとの違い1 アカウントと事件上の役割2 GビズID非連携の場合第7 出典と限界1 確認した一次資料2 未確認事項
第1 結論
1 GビズIDメンバーは職員本人のアカウントである

GビズIDメンバーは,GビズIDプライム利用者が所属職員へ権限を付与して作成するアカウントである。法律事務所内で一つの共用IDを使う仕組みではない。

2 広いシステム権限と訴訟代理権は別である

デジタル庁のメンバー編は,職員用メンバーの作成と利用可能なサービスの設定を別に説明している。
アカウントを作成したことだけでTreeeSの登録や個別事件の権限が完成したとは判断できず,職員が訴訟代理人になるものでもない。

第2 作成とサービス権限
1 プライム側の操作

GビズIDプライム又は管理権限を持つ者がメンバーを作成し,利用可能な行政サービスを設定する。TreeeSを利用できるサービスとして許可されているかを確認する。

Ver.2.0資料上31~33頁では,法人・士業事務員アカウントはGビズIDメンバーのみ登録可能である。
アカウント選択後に[GビズIDを利用して新規登録]から認証し,同意・ユーザ情報の登録へ進む。
GビズID側のサービス設定とTreeeS側の登録完了を別々に照合する。

2 メンバー本人の操作

招待を受けた職員は,自分のメールアドレス,認証方法及び登録情報を用いて手続きを完了する。パスワードや認証端末を他の職員と共有しない。

第3 TreeeSでできること
1 提出と記録閲覧

GビズID側で利用可能なサービスを設定した後も,サービス側の登録条件及び事件への関連付けを確認する。
TreeeSの提出・記録閲覧を担当させる場合は,操作範囲と弁護士の承認方法を本番の公開案内及び事件画面で確認する。

2 送達・直送書面

送達の受信担当,閲覧・保存した時刻及び弁護士への報告を管理する。
職員が閲覧した場合の画面表示と,法的な送達の効力発生時期は,それぞれの根拠と実際の送達状況を確認する。

3 本人の最終責任

職員が操作できても,提出内容,事件,期限及び代理権の確認は別である。事務所内で弁護士の承認を経る段階を定め,承認者と送信者を記録する。

第4 メールアドレスの設計
1 一人一アドレス

操作履歴と本人を対応させるため,職員ごとのメールアドレスを用いる。同じメールアドレスを複数人で利用しない。

2 複数弁護士を補助する場合

職員ごとの登録済みメールアドレス,所属,管理者及び利用可能なサービスを先に確認する。
複数の弁護士を補助する場合は,それぞれのサービスが要求するアカウント構成に合わせ,命名,受信先及び退職時の停止方法を決める。

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TreeeSはいつからどの裁判所で使うのか―先行導入,mintsとの併存及び移送時の取扱い(AI作成)

目次第1 結論1 令和9年1月4日から最高裁・名古屋地区で先行導入2 全国一斉の確定日は未公表第2 令和8年5月21日以後の現行運用1 民事訴訟の全面デジタル化2 対象外手続第3 紙・mints・TreeeSの判定1 旧法適用事件2 新法適用事件3 事件単位で記録する第4 移送時の取扱い1 mints事件がTreeeS導入庁へ移送された場合2 TreeeS事件が他庁へ移送された場合3 運用予定として扱う第5 mintsから自動移行するとは限らない1 アカウント2 事件データ第6 導入確認のチェックリスト1 提出前2 導入後第7 出典と証拠区分1 確認済みの一次資料2 予定と未確認事項
第1 結論
1 令和9年1月4日から最高裁・名古屋地区で先行導入

裁判所「TreeeSについて」は,令和9年1月4日から,①名古屋地方裁判所本庁及び支部,②同地裁管内の簡易裁判所,③名古屋高等裁判所本庁,④最高裁判所にTreeeSを先行導入すると案内している(令和8年10月28日確認)。

先行導入庁に対し,同日以降にシステムを用いて新たな訴えの提起や支払督促のほか,少額訴訟,手形小切手訴訟,人身保護事件等,令和8年5月21日以降にmintsで扱うこととなった事件の申立てをする場合には,TreeeSを使うとの案内である。
一方,先行導入時点でmintsで取り扱われている事件に対する上訴の申立ては,引き続きmintsを使う。
先行導入庁以外の裁判所で手続を行う場合も,引き続きmintsを使うとの案内である。

2 全国一斉の確定日は未公表

全庁導入は令和9年度中を目指すとされるが,裁判所ごとの導入日を示す確定日程表は今回確認した資料にない。調達仕様書の工程は開発・運用予定の一次資料であるが,実際のサービス開始を確認する資料ではない。

令和8年10月4日に匿名で確認したTreeeS研修環境には,研修環境であり一般の方は利用できないこと及び電子申立てにはmintsを利用することが表示されている。研修画面へのアクセスと本番稼働は区別する。入口は,TreeeSのログインと研修環境で説明する。

日程を読む際は,①令和9年1月4日の先行導入,②令和9年度中の全庁導入目標,③各裁判所の具体的な利用開始日を分ける。
令和9年度は令和9年4月から令和10年3月までであり,「令和9年中」と同じ期間ではない。

第2 令和8年5月21日以後の現行運用
1 民事訴訟の全面デジタル化

改正民事訴訟法等は令和8年5月21日に全面施行された。弁護士等の所定の訴訟代理人には電子申立てが原則として義務付けられ,現在,裁判所はmintsを電子申立て等のシステムとして案内している。

2 対象外手続

民事執行,倒産,労働審判,家事事件等は,令和8年5月21日の民事訴訟フェーズ3と同じ範囲で一律にオンライン申立ての対象になったものではない。裁判所は,これらを令和10年6月までにオンライン申立て等の対象とする予定と案内している。手続類型ごとの施行日,システム及び調達工程の違いは,TreeeSは家事・倒産・民事執行でいつ使えるかで整理する。

第3 紙・mints・TreeeSの判定
1 旧法適用事件

裁判所の公開案内は,令和8年5月20日以前に訴えの提起等がされた事件でも,当事者双方に訴訟代理人がある等の条件を満たす場合は,経過措置によるmints提出が可能と説明している。旧法適用事件だから電子提出を全く利用できないとは判断せず,具体的事件の適用条件を確認する。

2 新法適用事件

令和8年10月28日に確認した公式案内は,先行導入庁に対して令和9年1月4日以降にシステムを用いて新たな訴えの提起等をする場合には,TreeeSで申し立てるよう説明している。
対象として,支払督促,少額訴訟,手形小切手訴訟,人身保護事件等,令和8年5月21日以降にmintsで扱うこととなった事件が挙げられている。

ただし,先行導入時点でmintsで取り扱われている事件に対する上訴の申立ては引き続きmintsで行うため,「新法適用事件はすべてTreeeSへ移る」という整理はできない。
提出先裁判所,元の事件で使用しているシステム,今回の申立ての種類及び裁判所の最新案内を照合する。

3 事件単位で記録する

事務所の事件台帳に,提起日,裁判所,適用法,使用システム,移送歴及び確認した裁判所案内の日付を記録する。「令和9年になったらすべてTreeeS」といった一律処理をしない。

第4 移送時の取扱い
1 mints事件がTreeeS導入庁へ移送された場合

mintsを利用していた事件がTreeeS導入庁へ移送されても,導入庁への移送だけからシステムの自動切替えを判断しない。移送元・移送先への提出経路,事件番号及び記録の引継ぎ方法を両裁判所へ確認する。

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TreeeSのアカウント登録―GビズID,mintsと同じメールアドレス及び本人・資格確認(AI作成)

目次第1 結論1 登録前にGビズID利用の有無を決める2 とりあえず登録しない第2 アカウント種別1 士業者を選択する2 GビズID利用と非利用第3 mintsと同じメールアドレス1 同じアドレスを用いる改修案2 アカウントの自動移行ではない第4 GビズID1 プライムとメンバー2 有効期限3 アカウントの共用と複数所持第5 本人・資格確認と登録情報1 氏名2 住所3 二要素認証第6 登録前チェックリスト1 弁護士本人2 事務所運用第7 関連記事と出典1 関連記事2 出典と未確認事項
第1 結論

mintsの登録・補助者・招待キー等については,mints準備の手引の令和8年10月2日改訂―法律事務所が見直す7つの運用を参照されたい。このmintsの説明からTreeeSの本番仕様が確定するものではない。

1 登録前にGビズID利用の有無を決める

TreeeSの士業者アカウントを登録する前に,GビズIDを利用するかどうかを決める必要がある。
令和8年10月22日に研修環境から取得した「TreeeS操作マニュアル 当事者用」Ver.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上25頁(PDF29頁)は,士業者がGビズIDを使わずユーザIDを取得した後は,GビズIDを利用する方法へ切り替えられないと説明している。
登録後に連携すればよいと考えて,非利用の経路を先に選ばないようにする。

判断は,①弁護士本人のアカウント種別,②事務職員の補助に使うアカウント・役割,③GビズID利用の有無,④mintsの登録メールアドレスと本人・資格確認の方法,⑤職務上氏名と連絡先住所,の順に整理するとよい。
弁護士本人は士業者アカウントを選び,職員については,GビズIDメンバーを用いる「法人/士業事務員アカウント」を使うかも含めて決める。
同アカウントは,この版ではGビズIDメンバーのみ登録可能と説明されている(資料上23~33頁)。

2 とりあえず登録しない

事務所内では,GビズIDの管理担当,職員ごとのメールアドレス,有効期限及び担当変更・退職時の処理を決めておく。
GビズIDメンバーの作成,利用サービスの設定,TreeeS側の登録及び事件ごとの権限は,それぞれ確認する必要がある。
職員用アカウントの区分と,サポーター・システム送達受取人等の事件上の役割も分けて扱う。

仮登録と本登録も区別する。
同マニュアル資料上30~31頁では,mintsと同一メールアドレスを用いる経路でも,仮登録完了メールの後に,本人確認手続等を終えた本登録完了通知が送信される流れになっている。
GビズIDを取得したことや仮登録完了の表示だけで,TreeeSの本登録又は特定事件へのアクセス準備が完成したとは判断しない。

以上は暫定マニュアルに記載された登録条件である。
実際に登録する際は,受付対象,登録先及びその時点の裁判所の正式案内を確認する。

第2 アカウント種別
1 士業者を選択する

令和8年9月19日に確認された研修環境では,「個人のかた」「法人」「士業者(弁護士・司法書士・弁理士)」の区分があり,弁護士法人等に所属する弁護士も士業者を選択する旨が表示されていた。

2 GビズID利用と非利用

法人又は士業者には,GビズIDを利用する登録経路と,利用しない登録経路が説明されている。
士業者については,Ver.2.0資料上25頁が,非利用でユーザIDを取得した後にGビズID利用へ切り替えられないと明記している。
したがって,この版に従って準備する場合は切替不可を前提に利用方針を決め,本番登録時に改訂の有無を確認する。

第3 mintsと同じメールアドレス
1 同じアドレスを用いる改修案

Ver.2.0資料上29~31頁は,本人・資格確認について,資格証明書類をアップロードする経路と,mintsアカウントと同一メールアドレスを利用する経路を説明している。
同一メールアドレスの経路でも,本人確認手続等の完了後に本登録完了通知が送られる。

(続きを読む...)TreeeSのアカウント登録―GビズID,mintsと同じメールアドレス及び本人・資格確認(AI作成)

TreeeSの下書き・提出書面・受信データはいつ消えるか―30日以内の保存と事務所の記録管理(AI作成)

目次第1 結論1 「30日」は一つの法定期間ではない2 送達効・上訴期間・記録保存と分ける第2 下書きの保存と件数上限1 下書きは提出ではない2 件数上限第3 提出書面一覧の30日1 提出結果の確認画面2 提出証拠の保存第4 受信一覧の30日1 システム送達・直送のファイル2 閲覧・ダウンロードは送達効に影響する第5 訴訟記録一覧との違い1 事件記録の閲覧2 法的な保存期間第6 事務所の保存手順1 毎回保存するもの2 ファイル名と台帳第7 関連記事と出典1 関連記事2 出典と限界
第1 結論
1 「30日」は一つの法定期間ではない

TreeeSのVer.2.0は,提出書面一覧を提出日から30日経過後に削除し,受信一覧を受信日から30日経過後に表示しなくなると説明している。
下書きについては,Ver.2.0資料上70頁の保存書面一覧の画面例に,「一時保存した情報の保存期限は保存年月日から30日です。」との表示がある。
同頁の本文には,保存できる件数の上限が個人ユーザ30件,法人ユーザ及び士業者ユーザ各100件と記載されている。
保存期限と件数上限は別の事項である。

2 送達効・上訴期間・記録保存と分ける

受信一覧からファイルが見えなくなる時期と,システム送達の効力が生じる時期,上訴期間及び裁判所の訴訟記録保存期間は別である。「30日以内なら期限に間に合う」といった理解をしない。

第2 下書きの保存と件数上限
1 下書きは提出ではない

フォームの[下書き保存]は入力中の書面を保存する操作であり,裁判所への提出ではない。
Ver.2.0資料上68~70頁は保存書面の確認・編集を説明しており,同70頁の画面例は保存年月日から30日という期限を表示している。
提出書面一覧の提出日から30日,受信一覧の受信日から30日という各説明とは,対象と起算日を分けて確認する。
下書きの保存期限が到来する前に,書面の内容と提出要否を確認するとよい。
正式な提出期限は,画面の下書き保存と別に管理する。

2 件数上限

Ver.2.0資料上70頁は,下書きの上限を個人ユーザ30件,法人ユーザ100件,士業者ユーザ100件と説明している。
これは日数ではなく件数である。
重要書面の唯一の原本を下書き画面に置かず,作成原稿を事件フォルダで管理する。

第3 提出書面一覧の30日
1 提出結果の確認画面

提出書面一覧は,ログインユーザが提出したファイルをフォーム単位で一覧表示する画面である。
Ver.2.0資料上58頁は,提出日から30日経過後に提出一覧画面から削除されると注意している。
同画面から取得するPDFの末尾には提出日時・受付番号等の詳細情報が付加されるため,提出直後に保存する。

2 提出証拠の保存

提出直後に,提出日時,受付結果,提出ファイル,裁判所,事件番号及び提出者を保存する。通知メールだけでなく,受付画面又は一覧の表示も保存する。

第4 受信一覧の30日
1 システム送達・直送のファイル

Ver.2.0資料上60頁は,受信日から30日経過後に受信一覧へ表示されなくなると説明している。

(続きを読む...)TreeeSの下書き・提出書面・受信データはいつ消えるか―30日以内の保存と事務所の記録管理(AI作成)

TreeeSで訴訟を提起する方法―訴状フォーム,当事者・代理人,添付資料及び受付番号(AI作成)

目次第1 結論と記事の対象1 新規申立てはユーザポータルから始める2 資料上の操作と本番運用を区別する第2 訴状フォームへ入力する事項1 裁判所,事件類型及び当事者2 訴訟代理人と委任状3 請求の趣旨・原因とPDF第3 添付資料と参考情報1 訴状本体,別紙及び添付資料を区別する2 参考情報は訴状本文ではない第4 提出前後に分けて確認する事項1 提出前の確認2 提出後の確認3 手数料納付と立件を別に管理する第5 関連記事1 TreeeSの総合案内2 操作マニュアルの索引第6 出典と確認範囲1 一次資料2 未確認事項
第1 結論と記事の対象
1 新規申立てはユーザポータルから始める

TreeeSで新たに訴えを提起する場合は,係属事件の事件詳細画面ではなく,ユーザポータルの新規申立ての入口から訴状フォームを選ぶ。
訴状フォームへの入力,添付ファイルの登録,手数料額の確認及び提出操作は一連の流れであるが,「送信したこと」「裁判所のシステムに到達したこと」「事件として立件されたこと」「手数料を納付したこと」は別の状態である。

2 資料上の操作と本番運用を区別する

本記事は,当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上61~72頁及び81~105頁の操作説明を基にする。
令和8年10月16日に取得した版も暫定版であり,研修環境での操作と本番提出は区別する。
本番の対象事件・入口・条件は,裁判所の導入案内で確認する。

第2 訴状フォームへ入力する事項
1 裁判所,事件類型及び当事者

最初に提出先裁判所及び申立ての種類を選び,原告・被告その他の当事者情報を入力する。氏名・名称,住所,送達場所及び法人の代表者を,訴状本文や登記事項証明書等の添付資料と照合する。
同姓同名,当事者の追加・削除,法人名の表記及び支店・本店の区別を,提出直前に再確認する。

訴状フォームの「当事者、代理人などの別」を選ぶ画面で,個人として情報を入力し[登録ユーザ情報を反映する]を使う場合は,自動入力された項目を確認する。
Ver.2.0資料上83頁(PDF87頁)の「個人の場合」は,その画面上で確認できない生年月日も反映され,帳票に表示されると注意している。
生年月日の入力は任意とされ,不要な場合には反映された情報を手動で削除するとの説明である。
実務上は,氏名・住所だけを確認して終えず,提出前に生成帳票を開き,その事件の書面に記載する必要がある情報かを個別に点検するとよい。

同頁は,士業者がユーザ登録時に職務上の氏名を登録しているときには,その氏名が反映されると説明している。
また,GビズIDアカウント(個人事業主)でログインしてこのボタンを押すと,別途詳細情報を入力する画面の「住所」欄に,Gビズで登録した「連絡先住所」が反映される。
実務上は,アカウント登録時の情報と,実際に提出する書面の情報を生成帳票で照合し,閲覧等制限が問題となる情報も個別に確認するとよい。

2 訴訟代理人と委任状

訴訟代理人欄には,事件を担当する弁護士の情報を入力する。事務職員が入力操作を補助する場合でも,訴訟代理権を有する者と,システム上の入力者又はサポーターとは別である。
委任状その他の代理権を証する書面は,対象事件,当事者及び代理人との対応を確認した上で添付する。

3 請求の趣旨・原因とPDF

請求の趣旨及び請求の原因は,フォームへ直接入力する方法と,PDFを登録する方法が示されている。資料上,PDFをアップロードすると先に入力した文字列が消える欄があるため,入力済みの本文が残ると考えたまま提出してはならない。
提出前に生成される帳票又は確認画面を開き,請求の趣旨,請求の原因,別紙及び添付資料が意図した構成になっているか確認する。

第3 添付資料と参考情報
1 訴状本体,別紙及び添付資料を区別する

訴状本文に組み込まれる別紙と,資格証明書,委任状,証拠その他の添付資料は役割が異なる。ファイル名だけで判断せず,どの帳票又はフォルダに入るかを確認する。
書証を訴状と同時に提出する場合は,証拠番号,証拠の表示,作成者及び立証趣旨を証拠台帳と照合する。詳しい入力方法は,TreeeSでの書証の提出を参照されたい。

(続きを読む...)TreeeSで訴訟を提起する方法―訴状フォーム,当事者・代理人,添付資料及び受付番号(AI作成)

TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 令和8年8月31日発行のVer.2.02 基準日と資料の限界第2 マニュアルの構成とログイン1 全7章の構成2 ログインの注意3 ユーザポータルが起点になる第3 目的別索引第4 共通の注意事項第5 マニュアルから確認できないこと第6 関連記事第7 出典1 裁判所の資料2 法令
第1 この記事の対象と結論
1 令和8年8月31日発行のVer.2.0

本記事は,最高裁判所「TreeeS操作マニュアル 当事者用」Ver.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)を基にした目的別索引である。
令和8年10月28日には,裁判所「TreeeSについて」から同名・同版の公開PDFを取得できることを確認した。
全197PDF頁であり,本文の印刷頁は1頁から193頁までである。
操作の詳細は各個別記事へ案内し,マニュアルの記載と本番利用の確定条件を分けて説明する。

Ver.2.0で押さえるべき要点は,登録手順と動作環境が説明されていること,準備書面の専用入口があること及び関連付いていない事件への提出方法があることである。
提出一覧・受信一覧の30日は,それぞれの一覧表示の期間であり,送達効や訴訟記録の法的保存期間ではない。
電子署名付きデータは,PDFを結合せず詳細情報を含めずに取得するか,ファイル詳細画面から個別取得する。

2 基準日と資料の限界

本記事の操作説明は,令和8年10月28日に確認した裁判所公開のVer.2.0に基づく。
改訂履歴の改訂日は2026年8月26日,表紙の発行日は同月31日であり,この二つを区別する。
公開PDFにも暫定版と明記されているため,公式サイトで配布されていることだけをもって,本番で全機能が実装・稼働済みであるとは扱わない。
実事件の提出先は,裁判所の民事裁判手続デジタル化ページと担当裁判所の案内で確認する。

本記事の資料上の頁は,下部に印刷された本文頁をいう。
表紙,改訂履歴及び2頁の目次が先行するため,PDFの物理頁は資料上の頁に4を加えた数になる。
例えば動作環境の資料上1頁はPDF5頁,書証フォームの資料上113頁はPDF117頁である。

Ver.2.0には「1 ユーザ登録・ユーザ情報の管理」が収録されている。
旧版の「追加予定」という説明は,現在取得できる版の収録状況とは区別する。
公式入口と認証画面の注意は,TreeeSのログインと研修環境を参照されたい。

第2 マニュアルの構成とログイン
1 全7章の構成

マニュアルは,次の7章で構成されている(資料上の目次)。

章主な内容資料上の頁はじめに利用環境・利用時間・対象外操作1頁1ユーザ登録・ユーザ情報の管理2~46頁2ユーザポータル47~60頁3フォーム提出61~133頁4電子記録の閲覧・複写134~168頁5手数料・保管金の管理169~177頁6招待キー178~185頁7システム送達・システム直送186~193頁

初めて確認する場合は,資料上1頁の利用環境,2頁からの登録の流れ,61頁からの提出の流れ,152頁からのダウンロード及び186頁からのシステム送達を目的に応じて読む。
準備書面は106頁から,書証は110頁から,関連付いていない事件への提出は126頁から説明されている。

2 ログインの注意

ログインはトップ画面から進み,登録用メールアドレスとパスワード,又は「GビズIDでログイン」を用いる(資料上47~48頁,PDF51~52頁)。
認証画面をブックマークして直接開くとログインできないという注意がある。

(続きを読む...)TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認(AI作成)

TreeeSでの書証の提出―証拠説明書の自動作成,証拠番号,原本・写しの選択及び翻訳文(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 TreeeSでは書証フォームへの入力から証拠説明書が作られる2 基準日と資料の限界第2 書証の申出と証拠説明書に関する規則1 写しと証拠説明書の提出2 原本の提出と外国語文書の訳文3 電磁的記録の証拠調べ第3 書証フォームの入り方と入力の流れ1 事件詳細画面の[書証提出]から入る2 入力の順序第4 証拠番号の付け方1 入力の形式2 mintsとの違い第5 証拠の表示・立証趣旨・作成年月日・作成者・補足事項1 証拠の表示2 立証趣旨3 作成年月日・作成者・補足事項第6 原本・写し・原本に代え写し(画像情報)の選択1 3つの選択肢2 選び方の注意第7 関連データと翻訳文第8 証拠一覧画面と自動で作られる証拠説明書1 証拠一覧画面の構成2 証拠説明書のPDF第9 人証申出書も帳票が自動で作られる第10 提出前に確認すること第11 関連記事第12 出典1 裁判所の資料2 法令
第1 この記事の対象と結論
1 TreeeSでは書証フォームへの入力から証拠説明書が作られる

TreeeSでは,書証フォームへファイルをアップロードし,各行の情報を入力すると証拠説明書の帳票が作られる。
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上110頁は,別途証拠説明書を作成して提出する必要はないと説明している。
本記事は,令和8年10月16日に取得した同版の3.3.2「書証を提出する」(資料上110~116頁)及び4.7「証拠一覧画面」(資料上162~168頁)を中心に整理する。

結論として,TreeeSでの書証の提出で押さえるべき点は,次のとおりである。
①書証は,事件詳細画面の[書証提出]から入り,訴状フォームの添付資料欄には上げない(資料上99頁・110頁)。
②証拠番号は「甲001」「甲012-2」「乙A001」の形で入力し,英数字とハイフンは半角で入力する(資料上113頁)。
③「原本」「写し」「原本に代え写し(画像情報)」のいずれを選ぶかで,期日に現物を持参するかどうかが変わる(資料上114頁)。
④外国語の文書は,取調べを求める部分の翻訳文を「関連データ」として添付する(資料上115頁,民事訴訟規則138条1項)。
⑤証拠一覧画面は,当事者が入力した証拠説明書の項目と,裁判所職員が入力する採否等が一体になった画面である(資料上139頁・164頁)。

2 基準日と資料の限界

本記事は,令和8年10月16日をマニュアルの確認日とする。
マニュアルは,TreeeSの研修環境のトップ画面にあるヘッダーの「マニュアル」から取得したものであり,先行導入までに改訂される可能性がある。
現在の民事訴訟の電子提出はmintsで行うものであり,mintsでの証拠説明書の作り方は「mintsの証拠説明書の作り方・提出方法-標目・原本・写し・記録外データ」で説明している。
マニュアルの頁は,マニュアルの下部に印刷された頁番号(資料上の頁)で示し,PDFの頁番号は資料上の頁に4を加えた数になる。

本記事は,書証フォーム,証拠番号,証拠説明書,原本・写し及び翻訳文を対象とする。訴状・準備書面等の提出入口,提出後の受付確認及び事件記録全体のダウンロードは,それぞれ別の記事で扱う。

第2 書証の申出と証拠説明書に関する規則
1 写しと証拠説明書の提出

民事訴訟規則137条1項は,文書を提出して書証の申出をするときは,「当該申出をする時までに、その写しを提出するとともに、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目、作成者及び立証趣旨を明らかにした証拠説明書を提出しなければならない。」と定めている。
同条3項は,文書の写しの提出に代えて,最高裁判所の細則で定めるところにより,文書の画像情報を電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法で提出することができるとしている。
同条4項は,民事訴訟法132条の11第1項及び第3項を写しの提出に準用しているので,委任を受けた訴訟代理人は,写しを電子情報処理組織を使用して提出することになる。

2 原本の提出と外国語文書の訳文

民事訴訟規則143条1項は,「文書の提出又は送付は、原本、正本又は認証のある謄本でしなければならない。」と定めている。
写しの電子提出は,書証の申出の時までに写しを出す手続であり,取調べの対象となる文書そのものの提出とは区別される。
TreeeSの書証フォームで「原本」「写し」「原本に代え写し(画像情報)」を選ばせるのは,この区別を画面上で明らかにするためと考えられる。

民事訴訟規則138条1項は,外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは,「取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。」と定めている。
相手方は,訳文の正確性について意見があるときは,意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない(同条2項)。

3 電磁的記録の証拠調べ

(続きを読む...)TreeeSでの書証の提出―証拠説明書の自動作成,証拠番号,原本・写しの選択及び翻訳文(AI作成)

TreeeSで事務職員ができること-GビズIDメンバー,サポーター及びシステム送達受取人の違い(AI作成)

目次第1 記事の対象と結論1 公開資料と本番の権限を区別する2 三つは同じ種類の区分ではない第2 できることの比較1 比較表2 調達資料の表を読む際の注意第3 GビズIDメンバー第4 サポーター第5 システム送達受取人1 システム送達を受けるための役割である2 送達の効力発生時期を管理する3 送達受取人の届出と受信一覧の表示期間第6 サポーター兼システム送達受取人1 提出と送達受領を兼ねるが,常時閲覧とは別である第7 登録前に決めること1 後からGビズID利用へ切り替えられないとの改修方針がある2 二つの台帳を分けて管理する第8 先行導入と再確認事項1 名古屋での先行導入予定2 導入時に再確認する事項第9 関連記事第10 出典1 法令及び裁判所規則2 裁判所の制度・調達資料3 GビズIDの公式資料4 職能団体及び一般公開の解説
第1 記事の対象と結論
1 公開資料と本番の権限を区別する

本記事は,民事訴訟法,民事訴訟規則,裁判所の公開調達資料,GビズIDの公開資料及び従前に確認した研修用操作マニュアルを基に,職員の認証アカウントと事件上の役割を分けて説明する。
令和8年10月4日の見直しでは,公開調達資料の設計と本番で実装された権限を区別し,確定した利用条件として読める記載を改めた。

令和8年10月16日に取得した当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)では,法人・士業事務員アカウントの登録が資料上31~33頁,送達受取人の届出が資料上181頁,受信一覧が資料上59~60頁に説明されている。
操作マニュアルの目的別索引を参照されたい。
登録経路が説明されていることと,本番のすべての事件・権限が確定したことは区別する。

2 三つは同じ種類の区分ではない

結論として,GビズIDメンバー,サポーター及びシステム送達受取人は,同列の三択ではない。
GビズIDメンバーは,GビズIDプライムを保有する組織の職員について作成する組織・認証上のアカウント区分であるのに対し,サポーター及びシステム送達受取人は,TreeeS上の事件への関与方法又は役割を示す区分である。

したがって,事務職員の登録方法を決めるときは,①どのアカウントで本人確認及びログインを行うか,②どの事件に関連付けるか,③提出,事件記録の常時閲覧及びシステム送達の受領のうち何を担当させるかを分けて検討する必要がある。
アカウントの種類だけを決めても,事件単位の権限設計が終わったことにはならない。

第2 できることの比較
1 比較表
区分GビズIDメンバーをTreeeSと連携する場合サポーターシステム送達受取人サポーター兼システム送達受取人制度上の位置付け組織の職員向けの認証アカウント事件単位の提出補助の役割事件単位の送達受領の役割二つの事件上の役割を兼ねる区分書面のオンライン提出本番の公開案内で確認可能その役割だけでは不可可能事件記録の常時閲覧本番の公開案内で確認不可不可不可システム送達の受領本番の公開案内で確認サポーターであるだけでは受取人にならない可能可能確認上の留意点最終的な裁判所公式権限表の確認が必要送達も担当させる場合は別の指定が必要送達対象文書の閲覧と事件記録の常時閲覧は別である常時閲覧が必要なら別の構成を検討する

上表の事件上の役割は,令和7年7月2日付公開調達資料62頁等を基にした整理である。
GビズIDメンバーをTreeeSで利用する最終条件と操作範囲は,公開された本番の権限表及び実画面で確認する。

2 調達資料の表を読む際の注意

最高裁判所の令和7年7月2日付調達資料62頁は,外部ユーザを当事者・代理人,サポーター,送達受取人及び第三者に分け,サポーターの例として司法書士及び法律事務所事務員等を挙げている。
同頁の注記は,サポーターにはオンライン提出が必要である一方,事件記録を閲覧できず,サポーターであることから直ちに受送達者となるものではないとしている。

同資料はシステム対応の観点から作られた調達資料であり,最終的な運用マニュアルではない。
特に,表中の技術的な利用可能性と,事件上の役割として当然に付与される権限を混同しないことが重要である。

第3 GビズIDメンバー

GビズIDメンバーは,GビズIDプライム又は管理者が職員について作成する認証上のアカウントである。
メンバー編が説明する利用サービスの設定と,TreeeSの事件上の役割は別であり,認証アカウントの付与は訴訟代理権そのものではない。

職員ごとのアカウント,サービス権限,メールアドレス,有効期限及び担当終了時の棚卸しは,TreeeSでGビズIDメンバーを使う方法を参照されたい。

Ver.2.0資料上31頁は,法人・士業事務員アカウントをGビズIDメンバーのみ登録可能と説明している。
この登録区分と,サポーター又は送達受取人という事件上の役割を区別し,提出・閲覧・送達の各範囲は本番の権限案内で確認する。

第4 サポーター

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TreeeS(ツリーズ)とは―mintsとの違い,導入時期,アカウント及び法律事務所の準備(AI作成)

目次第1 TreeeSとは何か―読み方と基本的な役割第2 TreeeS,RoootS及びmintsの違い1 TreeeSには狭い意味と広い意味がある2 mintsとTreeeSの比較3 mintsからの移行を項目ごとに確認する第3 TreeeSの導入時期と対象裁判所1 令和8年5月21日の全面施行はmintsで始まった2 令和9年1月4日の先行導入3 全庁導入は令和9年度中の目標である4 民事訴訟以外への拡張は別の日程である第4 TreeeSに変わっても適用される現行法の基本1 法律が定めるのは電子情報処理組織であり,TreeeSという製品名ではない2 電子申立ての到達時期と弁護士の義務3 システム送達は通知メールを開かなければ効力が生じない制度ではない4 電子記録の閲覧等も法令に基づく第5 公開仕様から分かるTreeeSの主な機能1 利用者ポータル,電子提出及び電子納付2 電子記録の整理,検索,閲覧及び複写3 RoootSとの連携及びe法廷4 調達仕様書は操作マニュアルではない第6 TreeeSのアカウントとGビズID第7 弁護士,事務職員及び送達受取人の役割第8 mintsからTreeeSへの移行に備える法律事務所の実務第9 現時点で確認できる事項と確認できない事項1 公開一次資料で確認できる事項2 正式な追加資料を待つ事項第10 出典・参考資料1 法令2 裁判所及び最高裁判所事務総局の資料3 デジタル庁のGビズID資料
第1 TreeeSとは何か―読み方と基本的な役割

TreeeSの読み方は「ツリーズ」である。
利用者向けの電子提出・電子記録管理を担い,裁判所内部の事件管理システムRoootSと連携する,最高裁判所が開発中のシステムである。
調達資料では,RoootSやe法廷との連携を含む「3つのe」を実現するシステム群の総称として用いる場合もある。

令和8年10月28日に確認した裁判所「TreeeSについて」は,令和9年1月4日から,名古屋地方裁判所(支部を含む。)及びその管内の簡易裁判所,名古屋高等裁判所本庁並びに最高裁判所へTreeeSを先行導入すると案内している。
対象事件とmintsを引き続き使う場合は,後記第3の2及びTreeeSはいつからどの裁判所で使うのかで説明する。

TreeeSを扱う際は,①現行法で確定している事項,②裁判所の公開調達資料に記載された将来仕様・運用予定,③本番導入後に確認すべき事項を分ける必要がある。本記事は総合案内として各論点の位置付けを示し,操作及び事務所運用の詳細は個別記事へ案内する。

知りたい事項から読む場合は,次の個別記事を利用されたい。
①入口と研修対象:TreeeSのログインと研修環境。
②登録前の判断:アカウント登録とGビズID。
③職員の役割:事務職員,サポーター及び送達受取人。
④操作の入口:当事者用操作マニュアルの読み方。
⑤事務所全体の準備:導入準備チェックリスト。
⑥利用条件と免責:TreeeS利用規約を読む。

第2 TreeeS,RoootS及びmintsの違い
1 TreeeSには狭い意味と広い意味がある

令和8年6月9日付の最高裁判所調達仕様書は,TreeeSを「e提出・e記録管理システム」,RoootSを「e事件管理システム」と定義している。
同仕様書によれば,TreeeSのe提出は,利用者が最初にアクセスするユーザポータル,裁判資料の電子提出,手数料の電子納付及び外部システムとの連携等を担い,e記録管理は,電子記録の整理・保管,アクセス権限の管理並びに利用者による検索・閲覧・複写を担う。
これに対し,RoootSは,事件番号,事件名,担当部,担当裁判官・書記官,当事者及び期日等の事件情報を裁判所職員が管理するシステムである。

もっとも,令和7年7月2日付の最高裁判所調達仕様書は,TreeeSを,RoootS,e提出・e記録管理システム及びe法廷のウェブ会議アプリケーションとの連携機能等を含む「3つのe」を実現するシステム群の総称とも定義している。
このため,資料によって,TreeeSが利用者向けのe提出・e記録管理部分を指す場合と,RoootS等まで含むシステム群全体を指す場合がある。
個別資料を読むときは,資料中の定義を確認しなければならない。

2 mintsとTreeeSの比較
項目mintsTreeeS令和8年10月3日に確認した状態民事訴訟の電子申立て,書類の受領,電子記録の閲覧等に現に使用されている令和9年1月からの限定地域での先行導入が予定されている利用者向けの位置付け裁判所が現在案内している電子提出システムユーザポータル,e提出及びe記録管理を備える次期システムとして開発されている裁判所内部の事件管理mintsとは別にRoootSが用いられるRoootSと機能的に連携する設計であるアカウント現行の裁判所案内とmintsマニュアルに従う暫定マニュアルVer.2.0にユーザ登録・本人資格確認の手順がある。本番での受付開始・最終条件は正式案内で確認する今後の時期TreeeSへの切替えが行われるまでは対象事件で使用される令和9年1月4日に最高裁・名古屋地区で先行導入する予定であり,全庁導入は令和9年度中を目指す。具体的な対象庁とmintsを使い続ける場合は,第3の2を参照されたい。

現在のmintsは,単なるファイル転送の仕組みではない。
裁判所の現行案内は,mintsについて,書類の提出,裁判所からの書類の受領,システム送達及び電子記録の閲覧等に使用するシステムとして説明している。
TreeeSとの差は,現在のmintsに何もできないという点ではなく,TreeeSがRoootSと連携する利用者向けのユーザポータル及び電子記録管理を含む目標システムとして設計されている点にある。

3 mintsからの移行を項目ごとに確認する

mintsとTreeeSはいずれもフォームを用いるが,利用者が最初に見る画面,事件への入り方,提出・受信・記録閲覧,費用納付及び権限管理の動線は異なる。

(続きを読む...)TreeeS(ツリーズ)とは―mintsとの違い,導入時期,アカウント及び法律事務所の準備(AI作成)