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病院が「相対的無輸血」の方針を採るときの説明と同意書―最高裁平成12年判決・大阪地裁平成17年判決から考える説明文書と免責証書(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

宗教上の理由で輸血を拒む患者に対し,多くの医療機関は,できる限り輸血をしないで治療するが,輸血以外に救命手段がない事態になれば輸血するという「相対的無輸血」の方針を採っている。
本記事は,医療機関の側から,この方針を採る場合に患者へ何を説明し,どのような書面を取り交わせばよいかを,裁判例,法令,医学会の指針及び行政資料に基づいて整理するものである。
医療機関の顧問弁護士,医事担当者及び患者側の代理人を読者として想定している。

基準日は令和8年9月20日である。
エホバの証人が令和8年9月18日に他人の血液に由来する主要な成分の扱いを変更したこと自体と,子どもへの輸血をめぐる手続は,別稿「エホバの証人の輸血方針の変更(令和8年9月)と宗教的輸血拒否の法的枠組み―成人患者の意思確認,同意書及び子どもへの輸血」で扱っており,本記事では判断能力のある成人の患者を中心に扱う。

結論を先に示すと,次のとおりである。
①医師は,患者が求める「絶対的無輸血」(どのような事態でも輸血しない)に応じる義務を負わないが,応じないのであれば,病院の方針を手術の前に説明して,その病院で治療を受けるかどうかを患者に選ばせる必要がある。
②輸血を拒む患者には,輸血をしないことで高まる危険を含め,通常より詳細かつ正確な説明が求められた裁判例がある。
③患者が差し入れる免責証書は,説明が不十分であった場合の責任まで免れさせるものとは扱われていない。
④拒む範囲は患者ごとに異なり得るので,同意書は製剤ごとに意思を確認できる形にしておくことが考えられる。

第2 絶対的無輸血と相対的無輸血

1 二つの方針の意味

(1) 裁判例による定義

東京高裁平成10年2月9日判決(平成9年(ネ)第1343号,高民集51巻1号1頁)は,輸血以外に救命手段がない事態になっても輸血をしないことを「絶対的無輸血」,手術に当たりできる限り輸血をしないが,輸血以外に救命手段がない事態になった場合には輸血をすることを「相対的無輸血」と呼んだ。
同判決は,絶対的無輸血は生命の維持よりも輸血をしないことに優越的な価値を認めるものであるのに対し,相対的無輸血は輸血をしないことよりも生命の維持に優越的な価値を認めるものであり,両者の間には質的に大きな違いがあるとしている。

(2) 医療機関の多くは相対的無輸血を採っている

日本輸血・細胞治療学会ガイドライン委員会の「輸血療法実践ガイド」(令和8年2月)11頁は,相対的無輸血について,患者の意思を尊重し可能な限り無輸血治療に努めるが,輸血以外に救命手段がないと判断された場合には患者の同意が得られなくても輸血を実施するという考え方であり,現在多くの医療機関の基本的な方針となっていると思われるとしている。
同頁は,相対的無輸血の立場を取る医療機関の多くが,輸血の可能性が予期される治療について方針を患者と家族に事前にかつ具体的に説明し,患者が意識不明で意思表示ができない状況で輸血が唯一の救命手段と判断された場合は緊急避難的に輸血を実施するとしていること,時間的余裕があり患者が絶対的無輸血を強く希望する場合には,無輸血治療を専門とする他の医療機関への転院を推奨するとしていることも紹介している。
このガイドは,厚生労働省が令和8年3月24日付けの医薬局長通知(医薬発0324第2号)で「輸血療法の実施に関する指針」等を廃止した際に,その内容を整理・統合したものとして周知を求めたものである。

2 医師は絶対的無輸血に応じる義務を負わない

(1) 治療方針は医師が決める

前記の東京高裁判決は,医師はその専門知識及び能力に基づき良心に従って医療内容を決定すべきであり,患者の治療内容に対する注文は通常は希望の表明にすぎず,医師が明示に承諾した場合でなければ,医師の方針と抵触する合意が成立したとは認めるべきでないとした。
そして,絶対的無輸血の治療に応じるかどうかは医師の倫理観,生死観によるものであり,患者が医師に良心に反する治療方法を採ることを強制することはできないとしている。
その上で,同判決は,医師が説明義務を負うことはこれとは別の問題であるとしている。
なお,同判決は,当事者双方が熟慮した上で絶対的無輸血の合意をした場合には公序良俗に反して無効とする必要はないとの見解も示しているが,本件では合意の成立自体を否定しており,最高裁判決はこの点に触れていない。

(2) 宗教のみを理由とする診療拒否との関係

医師法19条1項は,診療に従事する医師は,診察治療の求めがあった場合には,正当な事由がなければ,これを拒んではならないと定めている。
厚生労働省医政局長の令和元年12月25日付け通知「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」(医政発1225第4号)は,患者の宗教等のみを理由に診療しないことは正当化されないが,宗教上の理由等により結果として診療行為そのものが著しく困難であるといった事情が認められる場合はこの限りではないとしている(記2(2)④)。
同通知は,病状に応じて他の医療機関を紹介し,転院を依頼・実施することも原則として正当化されるとしている(記2(2)③)。
緊急対応が必要な場合については,事実上診療が不可能といえる場合にのみ診療しないことが正当化されるとしている(記2(1)①)。
無輸血での治療を引き受けられない医療機関が転院を勧めることは,この枠組みの中で検討することになる。

第3 裁判例が求める説明

1 最高裁平成12年2月29日判決―方針を説明しなかったこと自体が違法

最高裁平成12年2月29日判決(平成10年(オ)第1081号,民集54巻2号582頁)は,輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している患者の意思決定をする権利は人格権の一内容として尊重されなければならないとした。
その上で,いかなる場合にも輸血を拒否するとの固い意思を知っていたなどの事実関係の下では,医師は,手術の際に輸血以外に救命手段がない事態が生ずる可能性を否定し難いと判断した場合には,病院が相対的無輸血の方針を採っていることを説明して,手術を受けるか否かを患者自身の意思決定にゆだねるべきであったとし,説明を怠ったことによる人格権侵害について病院の設置者の責任を認めた。
事案の詳細は別稿で紹介している。

2 東京高裁平成10年2月9日判決―説明の内容・時期・担い手

(1) 拒否の具体的な内容を確かめ,方針を説明する

原審の東京高裁判決は,信者の患者の輸血拒否の態度には個人差があり,絶対的無輸血と相対的無輸血の間には質的に大きな違いがあるから,医師は,信者の患者に輸血が予測される手術をするに先立ち,判断能力を有する成人の患者であるときは,輸血拒否の意思の具体的内容を確認するとともに,医師の無輸血についての治療方針を説明することが必要であるとした。
同判決は,当時から,信者であっても血液製剤の一部や自己血輸血の一部の方式を個人の判断で許容できるとされていたことにも触れている。

(2) 説明の時期は「100%の見込みがない」と判断した時点

同判決は,医師らは,無輸血で手術を行う100%の見込みがないと判断した時点で,少なくとも術前検討会の後の患者及び家族への手術説明の際には,担当医師団の方針としての説明をすべきであったとしている。
手術説明の場で「術後再出血がある場合には,再び手術が必要になる。この場合は医師の良心に従って治療を行う。」と述べただけでは,相対的無輸血の方針を表明したものとはいえないとされた。

(3) 医師団として方針を統一し,責任者が説明する

同判決は,主治医の一人が相対的無輸血の方針を告げたが,患者が納得せず絶対的無輸血に固執していることを認識した以上,そのことを責任者に告げて担当医師団としての方針を統一し,患者の求めと一致しなければ,説明して入院治療を続けるか,手術を受けるかの選択の機会を与えるべきであったとした。
他方,患者や家族と接する機会のなかった麻酔医等は,この説明義務を負わないとしている。

(4) 説明と自己決定の内容は書面にしておく

同判決は,相当の説明に基づいて自己決定をした患者はその結果を自己の責任として甘受すべきであるとした上で,説明及び自己決定の具体的内容を明確に書面化する一般的な慣行が生まれることが望ましいと述べている。
また,説明の内容や程度については,診療機関が受診当初に書面で患者の希望や意思を確かめる措置を執ることが適当であるとも述べている。

3 大阪地裁平成17年1月28日判決―輸血を拒む患者にはより詳細な説明を

(1) 事案と判断

大阪地方裁判所平成17年1月28日判決(平成14年(ワ)第5697号,判例タイムズ1209号218頁。裁判所HP未掲載。判例秘書により全文確認)は,輸血を拒否する意思を示していた信者の患者が,心房粗動に対するカテーテルアブレーションによる治療中に急性心タンポナーデを生じ,輸血を拒み続けたまま死亡した事案である。
担当医は,治療の2日前,合併症として大出血により死亡に至ることもまれながらあり得ること,輸血による救命が可能と判断した場合であっても宗教上の理由から輸血しないが,それにより死亡の可能性を否定できないことを説明し,患者はこれに同意して証書に署名していた。
同判決は,この治療が直ちに行わなければならないものではなかったこと,輸血を拒否していることから死亡に至る危険性は通常の患者より高いことを踏まえ,輸血拒否といった特殊事情のない場合に比して,より詳細かつ正確に治療の必要性,有効性及び安全性を説明して患者の理解及び同意を得る必要があったとした。
そして,病状の正確な説明と,他の有力な治療方針(ペースメーカー植込みを先行させて経過をみる方法)の説明を怠った過失を認め,死亡との因果関係は否定したものの,他の治療方針を選択する機会を奪われたという人格的利益の侵害について慰謝料700万円を認めた。

(2) 免責証書は説明義務違反の責任を放棄させない

同事件の証書には,輸血以外の十分な治療が施されたにもかかわらず血を拒んだことによって生じるかもしれない死亡その他のいかなる損害についても医師や病院の責任を問わない旨が記載されていた。
同判決は,この証書は不十分な説明に基づいて治療を選択した患者が差し入れたものであり,説明義務違反は治療を選択する決意に影響を与えたことが明らかであるとして,証書によって説明義務違反に基づく損害賠償請求権まで放棄したとはみられないとした。
他方で,患者が説得にもかかわらず輸血拒否の態度を貫き,輸血を受けていれば死亡を免れた可能性が極めて高かったことは,慰謝料額の算定で考慮するとした。
また,同判決は,即座に処置を執らなければ死亡に至る状況にある場合を除き,医師が輸血拒否の撤回を働きかけることも許されるとしている。

第4 説明文書と同意書の設計

以下は,前記の裁判例,法令及び指針から導かれる設計上の要点であり,本記事による整理である。

1 病院の方針を文書にして示す

(1) 方針文書に書く事項

最高裁平成12年判決が問題としたのは,病院の方針を説明しなかったことであるから,まず病院としての方針を文書にしておくことが出発点になる。
方針文書には,①相対的無輸血を採ること(できる限り輸血をしないが,輸血以外に救命手段がない事態になれば輸血すること),②その判断を誰がどの時点で行うか,③絶対的無輸血を求める患者には転院を勧めること,④患者が意思表示できない緊急時の扱い,⑤未成年者の扱いを記載することが考えられる。

(2) 受診の早い段階で示す

東京高裁判決が受診当初に書面で患者の意思を確かめる措置を適当としていることからすると,方針文書は,手術の直前ではなく,入院や治療方針の決定の前の段階で示すことが考えられる。
方針に同意できない患者が転院を検討する時間を確保する意味もある。

2 拒む範囲は製剤ごとに確認する

(1) 「輸血」の中身が患者ごとに違う

輸血療法実践ガイド8頁は,輸血に関する説明の具体的内容として,赤血球製剤,血小板製剤,新鮮凍結血漿,血漿由来の分画製剤など,使用する製剤の種類と単位数や予測使用量を明確に提示することを挙げている。
宗教上の理由で輸血を拒む患者の場合,拒む範囲は人によって異なり得るし,エホバの証人は令和8年9月18日に主要な成分の使用を各信者の判断に委ねる変更を公表しているから,信仰の有無から拒否の範囲を推定することはできない。

(2) ガイドライン様式1の選択欄

宗教的輸血拒否に関する合同委員会の「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」(平成20年2月28日)7頁の様式1「輸血拒否と免責に関する証明書(例)」は,拒む輸血を,全血,赤血球,白血球,血小板,血漿,自己血(術前貯血式,術中希釈式,術中回収式及び術後回収式)並びに血漿分画製剤(アルブミン,免疫グロブリン,凝固因子製剤その他)から○で囲んで選ぶ形になっている。
同意書又は確認書にこの選択欄を設け,患者が選んだ範囲ごとに,受け入れる製剤と拒む製剤を記録しておくことが考えられる。

3 説明する事項

(1) 法令の定め

医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律68条の21は,特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者は,その有効性及び安全性その他適正な使用のために必要な事項について,使用の対象者に対し適切な説明を行い,その理解を得るよう努めなければならないと定めている。
医療法1条の4第2項も,医療の担い手は,医療を提供するに当たり,適切な説明を行い,医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないと定めている。
輸血療法実践ガイド35頁は,輸血用血液製剤が特定生物由来製品であることを前提に,輸血の必要性,使用する血液製剤の種類,輸血に伴うリスク及び代替治療法(自己血輸血など)について説明と同意を適切に行い,同意書を取得する必要があるとしている。

(2) 輸血を拒む患者に特有の説明事項

前記の裁判例に照らすと,輸血を拒む患者には,通常の説明事項に加えて,①予定する治療で出血が生じる可能性とその程度,②輸血をしない場合に高まる危険(死亡の可能性を含む。),③輸血をしないで出血に対応する方法(自己血回収等,病院が実施できるもの)とその限界,④他に選択できる治療方法とその利害得失,⑤病院の方針(相対的無輸血)と,輸血以外に救命手段がない事態になれば輸血すること,⑥方針に同意できない場合に転院できることを説明し,記録することが考えられる。
大阪地裁平成17年判決は,特に②及び④の説明を,輸血拒否のない患者の場合より詳細かつ正確に行うことを求めたものと読める。

(3) 合同委員会ガイドラインの説明項目は引用元の指針が廃止されている

合同委員会のガイドライン2頁は,説明と同意の項目として,平成17年の厚生労働省「輸血療法の実施に関する指針」に基づく8項目(輸血療法の必要性,使用する血液製剤の種類と使用量,輸血に伴うリスク,副作用・感染症救済制度と給付の条件,自己血輸血の選択肢,感染症検査と検体保管,投与記録の保管と遡及調査時の使用,その他の注意点)を挙げている。
しかし,同指針は令和8年3月24日付けの前記医薬局長通知で廃止され,他の通知等で引用している場合は輸血療法実践ガイドを参照することとされた。
院内の説明文書がガイドライン経由で旧指針の項目を引いている場合は,輸血療法実践ガイド8頁の項目(輸血の必要性と期待される効果,使用する製剤の種類と量,必要な輸血検査,リスクと副反応,リスク軽減策,代替療法,救済制度と情報管理)と突き合わせて見直すことが考えられる。

4 免責証書の位置付けと文言

(1) 免責証書は説明の代わりにならない

大阪地裁平成17年判決は,説明が不十分なまま差し入れられた免責証書によって,説明義務違反の責任が免れることにはならないとした。
免責証書は,十分な説明を受けた上で輸血を拒否した結果を患者自身が引き受けることを確認する書面であり,説明を省く根拠にはならないと考えられる。

(2) 文言が曖昧だと意思が明確と扱われないおそれがある

東京高裁判決は,患者側の免責証書が「どんな損傷」という表現を用いていたことについて,死の結果をも許容する趣旨かどうか疑いの生ずる余地があり,絶対的無輸血の意思を明確にしているとは解されないおそれがあるとした。
免責証書又は確認書には,拒む製剤の範囲,輸血をしなければ死亡する可能性があることの理解,病院が相対的無輸血の方針を採っていることの理解(又は病院が絶対的無輸血を引き受けること)を,それぞれ具体的に書くことが考えられる。
ガイドラインの様式1も,説明を受けた血液製剤の種類・投薬量を記載する欄と,拒む輸血の選択欄を置いている。

(3) 病院の方針と矛盾しない書面にする

相対的無輸血の方針を採る病院が,「いかなる事態でも輸血しないよう依頼する」旨の患者の書面をそのまま受け取ると,病院が絶対的無輸血を引き受けたのかどうかが曖昧になる。
東京高裁判決は,医師が明示に承諾した場合でなければ患者の注文と抵触する合意は成立しないとしているが,紛争を避けるには,受け取った書面について病院の方針との関係を説明し,その説明をしたことを記録しておくことが考えられる。

5 説明の時期・担い手・記録

東京高裁判決に照らすと,説明は,無輸血で治療を行う見込みが確実でないと判断した時点で,遅くとも手術の説明の際に,担当医師団の方針として責任者又は主治医が行うことが考えられる。
主治医の一人だけが方針を告げて患者が納得しなかった場合は,その情報を医師団で共有し,方針を統一した上で改めて説明することになる。
説明した内容,患者が受け入れる製剤と拒む製剤,病院の方針を説明したこと及び患者の選択(その病院で治療を受けるか,転院するか)は,診療録と書面の両方に残しておくことが考えられる。

6 意思表示できない救急の場面

(1) 指針と医療機関の実務

輸血療法実践ガイド11頁は,相対的無輸血の立場を取る医療機関の多くは,患者が意識不明で意思表示ができない状況で輸血が唯一の救命手段と判断された場合は,同意が十分でなくても緊急避難的に輸血を実施するとしていると紹介している。
東京高裁判決も,一般論として,転医すれば救命の余地がないような救急治療の必要のある場合には医師の治療方針が優先されると述べている。

(2) 事前指示書がある場合は未解決の部分が残る

もっとも,意識のない成人の患者が輸血を拒む事前指示書を携帯していた場合の扱いを正面から判断した最高裁判例は見当たらない(判例秘書で「相対的無輸血」を含む裁判例を検索したところ,最高裁平成12年判決とその原審の2件だけであった。)。
方針文書にこの場面の扱いを明記し,患者の事前指示書がある場合の確認手順(作成時期,拒む製剤の範囲,代理人の有無)を定めておくことが考えられる。

7 未成年の患者

未成年の患者については,合同委員会のガイドラインが18歳以上,15歳以上18歳未満,15歳未満に分けて対応を整理しており,15歳未満等で親権者が輸血を拒む場合には,児童相談所への通告,親権停止の審判及びその保全処分,児童相談所長等の緊急の措置が問題になる。
これらの手続と行政機関の通知は別稿で扱っているので,方針文書には,未成年者については別の手順によることと,児童相談所への連絡体制を記載しておくことが考えられる。

第5 出典・参考資料

1 法令

医師法19条(e-Gov法令検索)
医療法1条の4(e-Gov法令検索)
医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律68条の21(e-Gov法令検索)

2 裁判例

最高裁判所第三小法廷平成12年2月29日判決(平成10年(オ)第1081号,民集54巻2号582頁,裁判所ウェブサイト)
東京高等裁判所平成10年2月9日判決(平成9年(ネ)第1343号,高民集51巻1号1頁,裁判所ウェブサイト)
③大阪地方裁判所平成17年1月28日判決(平成14年(ワ)第5697号,判例タイムズ1209号218頁。裁判所HP未掲載。判例秘書により全文確認)

3 行政機関の通知

①厚生労働省医政局長通知「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」(令和元年12月25日医政発1225第4号)記2(1)・(2)
②厚生労働省医薬局長通知「「血液製剤の使用指針」,「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」の廃止並びに「輸血療法実践ガイド」の周知について」(令和8年3月24日医薬発0324第2号)

4 医学会等の指針

①日本輸血・細胞治療学会ガイドライン委員会「輸血療法実践ガイド」(令和8年2月)8頁,10頁~11頁,35頁
②宗教的輸血拒否に関する合同委員会「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」(平成20年2月28日)1頁~2頁,7頁