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裁判制度・司法行政

平賀書簡事件とは―長沼ナイキ訴訟への札幌地裁所長の書簡,札幌地裁の厳重注意,最高裁の注意処分及び訴追委員会の判断(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象と基準日2 結論第2 時系列第3 長沼ナイキ訴訟と執行停止決定1 事件の係属2 昭和44年8月22日の執行停止決定3 執行停止決定のその後第4 平賀書簡と平田メモ1 決定告知日の延期をめぐる協議2 8月14日の書簡3 8月4日の平田メモ4 福島裁判長による書簡の開示第5 札幌地裁の臨時裁判官会議と厳重注意1 9月13日の臨時裁判官会議2 テレビ放映・新聞掲載と決議内容の発表第6 最高裁判所の注意処分と所信1 注意処分と東京高裁への異動2 最高裁の所信3 注意処分の根拠と「干渉」についての説明4 石田長官の記者会見についての書籍の記述第7 国会と法曹界の受け止め1 昭和44年10月9日の衆議院法務委員会2 飯守重任鹿児島地裁所長の寄稿3 大津事件との対比をめぐる議論第8 裁判官訴追委員会の判断1 訴追請求2 昭和45年10月19日の決定第9 福島裁判官に対する注意処分とその後1 国による忌避の申立て2 札幌高裁の注意処分3 辞意の表明と撤回4 札幌地裁の注意処分5 法律時報への寄稿第10 日弁連の決議と「司法の危機」1 日弁連臨時総会の決議2 札幌弁護士会の裁判官アンケート3 青年法律家協会をめぐる問題への広がり第11 長沼ナイキ訴訟の結末1 札幌高裁昭和51年8月5日判決2 最高裁昭和57年9月9日判決第12 関連記事第13 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 国会会議録4 公的資料5 文献6 調査範囲
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象と基準日

本記事は,昭和44年に札幌地裁の平賀健太所長が長沼ナイキ訴訟の担当裁判長に書簡を届けた,いわゆる平賀書簡事件の経過と,その後の処分及び影響を時系列で整理する。
事実関係は,国会会議録,裁判所ウェブサイトに掲載された決定・判決,裁判官訴追委員会の公表資料及び日本弁護士連合会の決議で確認できる範囲で記載した。
書籍の記述は,出典を示して補足的に紹介した。
法令は,令和8年9月27日現在の条文をe-Gov法令検索で確認した。

2 結論

①昭和44年8月14日,平賀健太札幌地裁所長は,長沼ナイキ訴訟の執行停止申立事件を担当していた福島重雄裁判長の官舎に,事件についての自らの見解を記した書簡を届けた(平賀書簡)。
②これに先立つ8月4日には,事件の合議体に加わっていない平田浩判事にも,平賀所長からメモが渡されていた(平田メモ)。
③札幌地裁は8月22日に保安林解除処分の効力を停止する決定をし,9月13日の臨時裁判官会議で平賀所長に対する厳重注意を決定した。
④最高裁は,9月20日の臨時裁判官会議の決定に基づいて平賀所長を注意し,同日東京高裁判事に異動させ,書簡の交付は「節度を越えるもの」であるとする所信を公表した。
⑤もっとも,最高裁の事務当局は,国会で,平賀書簡は裁判に干渉したものとは考えないと説明した。
⑥裁判官訴追委員会は,昭和45年10月19日,平賀裁判官を不訴追とし,書簡の写しを東京の裁判官らに送るなどした福島裁判官を訴追猶予とした。
⑦札幌高裁は同月28日に福島裁判官を注意し,札幌地裁の裁判官会議も同年11月7日に福島裁判官を注意した。
⑧日弁連は,同年12月19日の臨時総会で,訴追委員会の決定と,札幌高裁の注意処分及びこれを支持する最高裁の態度を批判する決議をした。
⑨本案の長沼ナイキ訴訟は,札幌高裁昭和51年8月5日判決で訴えが却下され,最高裁昭和57年9月9日判決で上告が棄却された。

第2 時系列
年月日出来事昭和44年7月7日農林大臣が長沼町の国有保安林の指定解除を告示し,同日,住民らの取消訴訟及び執行停止申立事件が札幌地裁に係属昭和44年8月4日平賀所長が平田判事にメモを渡す(平田メモ)昭和44年8月10日所長官舎での協議で,8月10日から16日までの週には執行停止事件の決定を告知しないことで話がまとまる昭和44年8月14日平賀所長が書簡を福島裁判長の官舎に届ける(平賀書簡)昭和44年8月22日札幌地裁が保安林解除処分の効力を停止する決定昭和44年8月27日札幌地裁本庁の裁判官9名が臨時裁判官会議の招集を求める方向で相談昭和44年9月13日札幌地裁の臨時裁判官会議が平賀所長に対する厳重注意を決定昭和44年9月14日・15日書簡がテレビで放映され,翌朝の新聞に全文が掲載され,札幌地裁が決議内容を発表昭和44年9月20日最高裁が平賀所長を注意し,東京高裁判事に補する昭和44年10月9日衆議院法務委員会で最高裁が経過を説明昭和44年10月23日福島裁判官に対する訴追請求(新聞報道による)昭和45年1月23日札幌高裁が執行停止決定を取り消し,申立てを却下昭和45年5月7日札幌地裁が国による福島裁判長の忌避申立てを却下(同年7月10日に札幌高裁が抗告を棄却)昭和45年10月19日訴追委員会が平賀裁判官を不訴追,福島裁判官を訴追猶予とする昭和45年10月28日札幌高裁が裁判官会議の議決に基づき福島裁判官を注意昭和45年11月7日札幌地裁の裁判官会議が福島裁判官を注意昭和45年12月19日日弁連臨時総会が訴追委員会の決定等を批判する決議昭和51年8月5日札幌高裁が本案の一審判決を取り消し,訴えを却下昭和57年9月9日最高裁が上告を棄却
第3 長沼ナイキ訴訟と執行停止決定
1 事件の係属

昭和44年10月9日の衆議院法務委員会で,矢口洪一最高裁判所長官代理者は,事件の経過を次のように説明した。
農林大臣は,昭和44年7月7日,北海道夕張郡長沼町の馬追山付近にある約35ヘクタールの国有保安林について,高射教育訓練施設とするために保安林の指定を解除する告示をした。
これに対し,長沼町の住民173名が,農林大臣を被告として解除処分の取消しを求める本案訴訟を起こすとともに,処分の執行停止を申し立て,これらの事件は同日札幌地裁に係属した。
事件は札幌地裁の民事第一部に係属し,担当の裁判官は福島重雄裁判長,木谷明裁判官及び石川善則裁判官であった。
国は7月22日に意見書を提出し,住民側は8月1日に反論書を提出した。
矢口洪一最高裁判所長官代理者は,担当の裁判部で執行停止事件の決定をする段取りになったのは8月10日前後であったと説明した。

2 昭和44年8月22日の執行停止決定

札幌地方裁判所昭和44年8月22日決定(昭和44年(行ク)第11号)は,主文で,農林省告示第1023号による保安林解除処分の「効力を停止する。」とした。
同決定は,自衛隊の憲法適合性について,「少なくとも、自衛のために必要かつ相当な限度内にとどまるものであれば、いかなる軍事力も憲法の右条項にいう『戦力』にあたらないとすることには疑問があり」とした。

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ロッキード事件の嘱託証人尋問と最高裁判所の「不起訴宣明」―昭和51年の裁判官会議から最大判平成7年2月22日まで(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象と基準日2 結論第2 嘱託証人尋問に至る経緯1 刑事訴訟法226条に基づく証人尋問の請求2 検事総長と東京地方検察庁検事正の宣明3 ファーガソン判事の命令第3 最高裁判所の対応1 昭和51年7月14日の裁判官会議と職員の派遣2 検事総長の第二次宣明3 昭和51年7月24日の裁判官会議と宣明書4 米国の裁判所による解除と調書の送付第4 宣明書の法的性格1 最高裁判所刑事局長の答弁2 国会での疑問と法務省の答弁3 控訴審判決の判断第5 最高裁判所大法廷平成7年2月22日判決1 判決の概要2 宣明の経緯についての判示3 証拠能力を否定した理由4 大野正男裁判官の補足意見5 判決後の国会の質疑第6 平成28年改正による刑事免責制度1 刑事訴訟法157条の2・157条の32 昭和51年の措置との対比第7 関連記事第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 国会会議録4 文献5 調査範囲
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象と基準日

本記事は,ロッキード事件の捜査で行われた米国在住の証人に対する嘱託証人尋問について,昭和51年に最高裁判所が裁判官会議の決議に基づいて「最高裁判所宣明書」を出した経緯と,最高裁判所大法廷平成7年2月22日判決がその嘱託証人尋問調書の証拠能力を否定するまでを整理する。
経緯は,国会会議録の答弁,同判決及びその控訴審である東京高等裁判所昭和62年7月29日判決の判文,並びに東京高等裁判所平成17年2月9日判決の別紙に掲載された最高裁判所裁判官会議の議事録(開示部分)によって確認した。
山本祐司『最高裁物語(下巻)』の記述は,帰属を明示して補足に用いた。
法令は,令和8年9月27日現在の条文をe-Gov法令検索で確認した。

2 結論

①東京地方検察庁の検察官は,昭和51年5月22日,刑事訴訟法226条に基づく証人尋問を東京地方裁判所の裁判官に請求し,その裁判官が米国の裁判所に証人尋問を嘱託した。
②検事総長と東京地方検察庁検事正は,証人らを刑事訴訟法248条により起訴猶予とする旨の宣明書を発したが,米国の連邦地方裁判所の判事は,日本国の最高裁判所のオーダー又はルールが提出されるまで証言調書を伝達してはならないと命じた。
③最高裁判所は,昭和51年7月14日の裁判官会議でこの命令の真意を調査することとし,事務総局刑事局第二課長と刑事局付の2名を米国に出張させた。
④最高裁判所は,同月24日の裁判官会議で,検事総長の確約が将来にわたり検察官によって遵守され,証人らが公訴を提起されることはないことを宣明する書面を米国の連邦地方裁判所に送付することを決定した。
⑤当時の最高裁判所刑事局長は,国会で,この宣明書を裁判所法12条に基づく司法行政上の措置と説明し,受訴裁判所の裁判を拘束するものではないと答弁した。
⑥控訴審の東京高等裁判所昭和62年7月29日判決は,最高裁判所の宣明は事実認識を明らかにしたにすぎないもので,裁判所法12条による司法行政権の行使として許容される範疇の行為であるとした。
⑦最高裁判所大法廷平成7年2月22日判決は,検事総長らの宣明によっていわゆる刑事免責が付与されたものと解した上で,刑事訴訟法は刑事免責の制度を採用していないとして嘱託証人尋問調書の証拠能力を否定したが,これを除いても犯罪事実を認定できるとして被告人2名の上告を棄却した。
⑧その後,平成28年法律第54号による刑事訴訟法の改正で,裁判所の決定により証言等を証人に不利益な証拠とすることができないこととする刑事免責の制度(157条の2・157条の3)が設けられた。

第2 嘱託証人尋問に至る経緯
1 刑事訴訟法226条に基づく証人尋問の請求

昭和51年10月15日に衆議院ロッキード問題に関する調査特別委員会で行われた法務大臣の中間報告によれば,同年3月24日に法務省と米国司法省との間で,関係資料を捜査,調査及び裁判のみに使用し,秘密保持を厳守すること,相互に司法共助の実現に最善の努力をすること等を内容とする司法取り決めが締結された。
同報告によれば,東京地方検察庁は,米国在住の関係人の任意の取調べを試みたが,関係人がこれを拒否したため,「五月二十二日刑事訴訟法二百二十六条に基づく起訴前の証人尋問を東京地方裁判所裁判官に請求し、同裁判官の嘱託決定を得て、検事二名を米国に派遣するなど右嘱託尋問の実現に鋭意努力をしました。」とされている。
刑事訴訟法226条は,「犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、第二百二十三条第一項の規定による取調に対して、出頭又は供述を拒んだ場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。」と定める。
同法228条1項は,この請求を受けた裁判官は,証人の尋問に関し,「裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。」と定めている。

最高裁判所大法廷平成7年2月22日判決によれば,この請求は,被告人B外2名に対する贈賄及び氏名不詳者数名に対する収賄等を被疑事実とし,当時米国に在住していた証人らに対する証人尋問を,国際司法共助として同国の管轄司法機関に嘱託するよう求めるものであった。
嘱託先は,同判決では「カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所」,最高裁判所の裁判官会議の議事録では「中部カリフォルニア合衆国連邦地方裁判所」と表記されている。
国会の質疑では,証人はコーチャン,クラッター及びエリオットの3名とされている。

2 検事総長と東京地方検察庁検事正の宣明

東京高等裁判所昭和62年7月29日判決によれば,証人らが嘱託証人尋問の際も自己負罪拒否特権を行使して証言を拒否することが予想されたため,検事総長は昭和51年5月20日に,東京地方検察庁検事正は同月22日に,それぞれ宣明書を発した。
検事総長の宣明書は,「右各証人の証言内容及びこれに基づき将来入手する資料中に、仮に、日本国の法規に抵触するものがあるとしても、証言した事項については、右証人三名を日本国刑事訴訟法二四八条によって起訴を猶予するよう東京地方検察庁検事正に指示している。この意思決定は、当職の後継者を拘束するものである。」という趣旨のものであった。
東京地方検察庁検事正の宣明書も,同じ証人3名を同条によって起訴猶予とし,「この意思決定は、当職の後継者を拘束するものである。」という趣旨のものであった。
同判決によれば,東京地方裁判所の裁判官は,嘱託書に,検察官が起訴を猶予する意思がある旨を証人に告げた上で尋問されたいと希望しているので,「貴国国内法において許容される範囲内で右希望に添う措置をとるよう要請する。」旨を付記した。

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裁判所ウェブサイトの裁判例のURL―令和7年9月のリニューアル,旧形式リンクの読み替え方及び判決書原本との記載の違い(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象と基準日2 結論第2 令和7年9月のリニューアル1 裁判所の告知2 リニューアルから1年後の状況第3 新しいURLの形式1 詳細画面2 全文PDF3 旧形式との対応第4 検索画面の使い方1 六つのカテゴリー2 事件番号と裁判年月日3 全文検索4 掲載された判決等の加工第5 判決書原本との記載の違いに関する報告書1 報告書の概要2 調査の結果3 利用上の注意第6 関連記事第7 出典・参考資料1 裁判所の公表資料2 裁判例3 調査範囲
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象と基準日

本記事は,裁判所ウェブサイトの裁判例検索に掲載された判決・決定について,令和7年9月24日のウェブサイトのリニューアル後のURLの形式,リニューアル前の形式のリンクを新しい形式に読み替える方法,検索画面の使い方及び掲載された判決等の記載に関する注意点を整理するものである。
URLの応答は,令和8年9月27日に,ログインしない状態の通常のアクセスで確認した。
裁判所の公表資料は,同日に裁判所ウェブサイトで確認した。

2 結論

①裁判所ウェブサイトは令和7年9月24日にリニューアルされ,裁判所は,トップページ以外の一部のURLが変更になり,一定期間は主なページについて旧URLから新URLへ自動的に転送されると告知した。
②令和8年9月27日現在,裁判例の詳細画面は https://www.courts.go.jp/hanrei/(番号)/detail2/index.html,全文PDFは https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-(番号).pdf の形式である。
③リニューアル前の形式の詳細画面(/app/hanrei_jp/detail2?id=(番号))と全文PDF(/app/files/hanrei_jp/(下3桁)/(6桁の番号)_hanrei.pdf)は,同日に確認したところ,いずれも表示されなかった(HTTPステータス404)。
④旧形式の全文PDFのリンクは,6桁の番号から先頭の0を除いた番号を新形式に当てはめることで,同じ裁判例の全文PDFに読み替えることができた。
⑤ただし,読み替える前に,その番号がリンクを張った文章で紹介している裁判例と一致しているかを,新形式の詳細画面の裁判年月日・法廷名・事件番号で確かめる必要がある。
⑥最高裁判所事務総局は,令和7年7月,裁判所ウェブサイト及び最高裁判所民事・刑事判例集に掲載された判決等と判決書原本との記載の違いに関する報告書を公表しており,古い年代の判決等を一字一句引用するときは,この点にも注意を要する。

第2 令和7年9月のリニューアル
1 裁判所の告知

令和7年9月24日に裁判所ウェブサイトのお知らせ一覧に掲載された「裁判所ウェブサイトをリニューアルしました」のページは,ウェブサイトをリニューアルしたと告知している。
同ページによれば,今回のリニューアルでは,「裁判所ウェブサイト」,「知的財産高等裁判所ウェブサイト」及び「裁判員制度ウェブサイト」の三つのサイトが統合され,トップページのURLに変更はないものの,知的財産高等裁判所ウェブサイト及び裁判員制度ウェブサイトのURLが変更になったほか,裁判所ウェブサイトについてもトップページ以外の一部URLが変更になった。
同ページは,リニューアル後一定期間は,主なページについては,旧URLにアクセスした場合にも自動的に新URLのページに転送されるため閲覧は可能であるが,ブラウザの「お気に入り」等に登録されている場合には新URLへの登録変更をお願いするとしている。

2 リニューアルから1年後の状況

令和8年9月27日に確認したところ,旧形式の検索画面のURL(/app/hanrei_jp/search1)は,新形式の検索画面(/hanrei/search1/index.html)へ転送された。
これに対し,旧形式の詳細画面及び全文PDFのURLは転送されず,404となった。
知的財産高等裁判所の旧サイトのドメイン(www.ip.courts.go.jp)上の旧形式の全文PDFは,www.courts.go.jp/ip/ 以下の同じ形式のURLに転送されたが,転送先は404であった。
ブログや書面等に旧形式のリンクを残している場合は,リンク切れになっていることになる。

第3 新しいURLの形式
1 詳細画面

裁判例の詳細画面は,https://www.courts.go.jp/hanrei/(番号)/detail2/index.html の形式で表示される。
本記事の確認範囲では,同じ番号について,検索結果の種類に応じて detail2 から detail8 までの詳細画面が用意されており,例えば,最高裁判例として表示されるものは detail2,下級裁裁判例は detail4,行政事件裁判例は detail5,労働事件裁判例は detail6,知的財産裁判例は detail7,知財高裁裁判例は detail8 のリンクになっていた。
また,detail3 は,高等裁判所判例集の形式の詳細画面であった。
下級裁判所の裁判例の番号で detail2 を開いた場合にも,裁判年月日と法廷名等を表示する詳細画面が表示された。
詳細画面には,事件番号,事件名,裁判年月日,法廷名,裁判種別,結果,判例集等の巻・号・頁,原審裁判所名,判示事項,裁判要旨,参照法条及び全文へのリンク等が表示される(表示項目は判例の種類によって異なる。)。

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最高裁判所判事の裁判以外の職務―裁判官会議,長官所長会同,憲法週間の視察,外国出張,判例委員会及び宮中行事(AI作成)

目次第1 本記事の概要1 対象とする職務2 資料と基準日第2 裁判官会議と司法行政1 法的根拠2 開催の頻度と所要時間3 議題の中心4 原案が了承されやすい構造5 席次第3 長官所長会同1 出席者と日程2 判事の関与3 懇親会と裁判官会同第4 憲法週間の視察1 割振りの方法2 視察先で行うこと3 経費と行程4 視察後の報告第5 外国出張1 頻度と用務2 支援体制3 報告と配偶者の同行第6 判例委員会その他の委員会1 判例委員会2 図書館委員会と最高裁判所図書館3 その他の委員会第7 長官代行と皇室会議1 長官代行2 皇室会議3 長官が欠けた期間第8 宮中行事1 認証式と就任の挨拶2 年間の行事と出席の範囲3 天皇へのお話と午餐第9 日常の執務と庁内の行事1 一日の流れ2 裁判官室の体制3 庁内の会食4 就任と退官の行事第10 処遇と経費の規律第11 三つの回想から分かること1 司法行政への関与の実際2 時期による違い3 資料の限界第12 出典・参考資料1 法令2 文献3 国会会議録第13 関連記事
第1 本記事の概要
1 対象とする職務

最高裁判所判事の職務の中心は,上告事件,上告受理申立て事件及び抗告事件の審理である。
他方,裁判所法12条1項により,最高裁判所が行う司法行政事務は裁判官会議の議によるものとされているため,判事は,裁判官会議の構成員として司法行政にも関与する。
このほか,判事は,長官所長会同への出席,下級裁判所の視察,外国出張,各種委員会の委員,宮中行事への出席など,裁判以外の職務も担っている。

本記事は,最高裁判所判事を務めた3人の著作又は講演録を突き合わせ,こうした裁判以外の職務の実際を整理するものである。
持ち回り審議,期日審議,判例集登載等の審理の方式は「宇賀克也『管見 最高裁判所』から分かる最高裁判所の審理」で扱ったので,本記事では必要な範囲でのみ触れる。

2 資料と基準日

本記事が用いる資料は,次の3点である。
いずれの著者も,在任中は第三小法廷に所属していた。

資料著者の出身在任期間藤田宙靖『最高裁回想録―学者判事の七年半』(有斐閣,2012年)行政法学者平成14年9月30日から平成22年4月5日まで田原睦夫「最高裁生活を振り返って」金融法務事情1978号6頁~36頁(平成25年)弁護士平成18年11月1日から平成25年4月22日まで宇賀克也『管見 最高裁判所』(有斐閣,2026年)行政法学者平成31年3月20日から令和7年7月20日まで

在任期間は,藤田宙靖『最高裁回想録―学者判事の七年半』(有斐閣,2012年)3頁,田原睦夫「最高裁生活を振り返って」金融法務事情1978号(平成25年)6頁及び宇賀克也『管見 最高裁判所』(有斐閣,2026年)2頁の記載による。
田原氏の講演録は,平成25年7月13日に行われた講演を基に加筆・修正したものであり,本文は6頁~32頁,別表は33頁~36頁に掲載されている(田原・前掲6頁)。
以下,各資料は「藤田・前掲」「田原・前掲」「宇賀・前掲」と略し,頁は各資料に印刷された頁で示す。

これらは,いずれも一人の判事が在任中に見聞きしたことの回想である。
在任時期が異なるため,同じ事項でも運用が変わっている部分があり,本記事ではその都度時期を示して並べる。
法令の規定は令和8年9月26日にe-Gov法令検索で確認したが,回想に記載された運用は,最高裁判所の公表資料で一つ一つ裏付けたものではない。

第2 裁判官会議と司法行政
1 法的根拠

裁判所法12条1項は,「最高裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、最高裁判所長官が、これを総括する。」と定め,同条2項は,裁判官会議が全員の裁判官で組織され,長官がその議長となることを定めている。
同法13条は,最高裁判所の庶務を掌らせるために事務総局を置き,同法53条2項は,最高裁判所事務総長が長官の監督を受けて事務総局の事務を掌理することを定める。
したがって,法律上の決定主体は15人の裁判官から成る裁判官会議であり,事務総局はそれを補佐する組織である。
裁判官会議の規程,議事録及び事前検討の仕組みは「最高裁判所裁判官会議」で,事務総長の地位は「最高裁判所事務総長とは」で説明している。

2 開催の頻度と所要時間

藤田氏の在任当時,裁判官会議は原則として毎週水曜日の午前10時30分から,裁判官棟4階の会議室で開かれ,事務総長,秘書課長及び議題を担当する局長が同席していた(藤田・前掲31頁)。
会議の時間は通常30分から1時間程度で,議題がないとして取りやめになることもあったという(藤田・前掲33頁)。

宇賀氏の在任当時も,裁判官会議は原則として毎週1回開かれ,議題がないために開かれないことが年に数回あった(宇賀・前掲100頁)。
事務総長と秘書課長は必ず出席し,人事案件がほぼ毎回議題となるため,人事局長も常に出席して説明していたとされる(宇賀・前掲100頁~101頁)。
案件が多いと1時間ほど,議題以外の出張報告等が続くと1時間半以上かかることもあった(宇賀・前掲102頁)。

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宇賀克也『管見 最高裁判所』から分かる最高裁判所の審理―事件の分配,持ち回り審議,期日審議,口頭弁論及び判例集登載(AI作成)

目次第1 本書の概要と本記事の範囲1 書誌と著者2 本書の構成3 本記事の範囲と出典の区別第2 事件の分配と調査官1 小法廷への機械的な分配2 最高裁判所調査官第3 審議の方式1 持ち回り審議2 軽審議3 期日審議4 案文審議第4 個別意見1 個別意見の種類と表示義務2 起案・審議・記載の順序3 共同で執筆する個別意見第5 上告受理と不受理(要点)1 受理の判断要素2 不受理決定の意味第6 大法廷1 回付の要件と違憲判断の要件2 在任中の大法廷事件と「小法廷の壁」第7 口頭弁論と判決の言渡し1 口頭弁論を開くかどうか2 口頭弁論期日の運営3 判決の言渡しと口頭弁論の配信第8 判例集・裁判集と判例委員会1 登載の決定と判例委員会2 判例集登載と裁判集登載の差3 判決の公開と民事裁判情報のデータベース化第9 最高裁判事の構成と国民審査1 出身別の構成の慣行2 国民審査の課題と著者の提言第10 第2部の個別意見38件1 第2部の構成と意見の種別2 38件の一覧第11 出典第12 関連記事
第1 本書の概要と本記事の範囲
1 書誌と著者
(1) 書誌

宇賀克也『管見 最高裁判所』は,有斐閣が2026年に刊行した書籍であり,はしがきの日付は2026年3月,奥付の発行日は同年5月30日(初版第1刷)である。
著者は,最高裁判所の情報はキャリア裁判官の方が多く持っているという自覚などから,書名を「管見」としたと説明している(宇賀克也『管見 最高裁判所』(有斐閣,2026年)2頁)。

(2) 著者

著者は,宇賀克也最高裁判所判事(当時。令和7年7月定年退官)である。
本書によれば,著者は,平成31年2月22日の閣議決定を経て,約41年間勤務した東京大学を同年3月19日に退職し,翌20日の認証を受けて最高裁判所判事に就任した(宇賀・前掲2頁)。
その後,令和7年7月20日に定年退官しており,在任期間は6年4か月である(宇賀・前掲2頁)。
在任中は第三小法廷に所属し,在任期間の後半の約3年間は同小法廷で最も早く着任した最先任裁判官を務めた(宇賀・前掲10頁,78頁)。

2 本書の構成
(1) 第1部「管見最高裁判所」

第1部(1頁~116頁)は,就任前後の経緯(第1章),最高裁判所における審議(第2章),最高裁判所を構成する人と組織(第3章)及び裁判以外の活動(第4章)を扱い,本記事が主に取り上げるのは第2章と第3章の前半である。
著者は,裁判は公権力の行使であって説明責任を伴うという考えを示した上で,評議の秘密に触れない範囲で,在任中に見聞きした最高裁判所の運用を記述している(宇賀・前掲3頁~6頁)。

(2) 第2部「個別意見」

第2部(117頁~370頁)は,著者が最高裁判所判事として付した個別意見38件を,憲法,行政法,民事実体法,労働法,民事訴訟法関係及び刑事法の分野に分けて収録している。
各項目は,事案の概要,決定・判決の要旨,個別意見の本文及び著者による解説の順に構成されている(宇賀・前掲118頁以下)。
著者は,判例集登載判例について担当調査官が書く解説は調査官の受け止めであって,個別意見を書いた裁判官の真意と一致する保証はないから,意見を書いた本人が趣旨を敷衍する方が有意義であると考えたことを,第2部を設けた理由として挙げている(宇賀・前掲5頁~6頁)。

3 本記事の範囲と出典の区別

本記事は,本書第1部のうち最高裁判所の審理に関する部分を手続の順に整理し,第2部の個別意見38件を一覧にしたものであり,生成AIを用いて作成した。
第1部の記述の多くは,著者が主として第三小法廷で経験した運用であって公表資料で裏付けられるものではないため,本記事では出所が本書であることを示し,著者の意見や提言は運用の説明と区別して記載する。
条文は令和8年9月25日にe-Gov法令検索で確認した現行の条文により,裁判例は裁判所HPの裁判例検索で書誌を確認したものに限って記載した。
最高裁判所規則である民事訴訟規則及び最高裁判所裁判事務処理規則はe-Gov法令検索に収録されていないため,これらの条項は本書の記載によるものとして示す。
本記事で示す本書の頁は,いずれも本書に印字された頁である。

第2 事件の分配と調査官
1 小法廷への機械的な分配
(1) 受付順の分配と分配比

本書によれば,著者の在任中の新受件数は毎年1万件を超えており,令和6年は民事・行政事件7838件,刑事事件3855件の合計1万1693件であった(宇賀・前掲12頁~13頁)。

事件は,専門分野によらず,最高裁判所での受付順に第一,第二,第三小法廷へと機械的に分配される(宇賀・前掲14頁)。

(続きを読む...)宇賀克也『管見 最高裁判所』から分かる最高裁判所の審理―事件の分配,持ち回り審議,期日審議,口頭弁論及び判例集登載(AI作成)

判決要旨を弁護士が受け取るには―申出時期,便宜供与,保存及び情報公開(AI作成)

目次
第1 結論
第2 判決要旨の法的位置付け
第3 申出の時期及び申出事項
第4 静岡地裁令和7年11月27日判決
第5 保存及び司法行政文書開示の限界
第6 入手後の使い方
第7 一次資料及び関連記事

第1 結論
1 裁判所が報道機関向けの判決要旨を作成している事件では,民事事件の当事者又は刑事事件の訴訟関係人その他その事件に密接な関係を有する者が,要望により同じ要旨の交付を受けることがあります。
2 ただし,交付は司法行政上の便宜供与であり,報道機関にも当事者等にも,当然の交付請求権があるとは確認できません。作成の有無,交付先,部数,交付時期及び方法は事件ごとに異なります。
3 必要な場合は,判決言渡しの直前ではなく,作成の可能性が分かった段階で,担当部又は総務課に,立場,利用目的,希望部数,希望時期及び個人情報処理の方法を具体的に伝えるのが実務的です。
4 正式な裁判内容は判決書に記載されます。判決要旨は判決書そのものではなく,情報公開手続で後から必ず取得できる資料でもありません。

第2 判決要旨の法的位置付け
1 広報ハンドブック(令和2年3月版)は,報道機関が言渡し後の短時間で正確な記事を作るため,裁判所が要旨又は骨子を提供する便宜供与を説明しています。
2 令和7年度(情)答申第95号は,判決要旨が主として迅速かつ正確な報道のために報道機関へ交付されるものである一方,事件との特別な関係性に照らし,民事事件の当事者又は刑事事件の訴訟関係人等にも,要望を受けて便宜供与として交付されることがあると認定しました。
3 同答申は,報道機関への交付と当事者等への交付が常に連動するわけではないとも説明しています。報道機関に交付されたから当事者等にも当然に交付される,またはその逆であるとは限りません。

第3 申出の時期及び申出事項
1 申出時期
・ 言渡し直前では作成,仮名処理,部数及び裁判体との調整が間に合わないことがあります。著名事件,長時間の判決言渡し又は複雑・長大な判決が予想される場合は,判決期日が指定された後,できるだけ早く相談します。
2 申出先
・ 事件担当部と総務課のどちらが窓口かは庁により異なり得ます。まず担当書記官に,判決要旨の作成予定の有無を断定的に求めるのではなく,交付申出の窓口及び期限を確認するのが安全です。
3 明示する事項
・ 事件番号及び事件名
・ 当事者,代理人,弁護人その他の事件との関係
・ 判決要旨を必要とする理由
・ 希望部数

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裁判の迅速化に係る検証に関する報告書と検討会―第1回から第11回までの報告書と第12クールの論点(AI作成)

目次第1 検証の仕組み1 裁判の迅速化に関する法律2 検証に関する規則と検討会第2 第1回から第11回までの報告書1 各回の概要2 統計数値の訂正第3 検証の方法の変化1 第1回から第5回まで2 第6回以降のフォローアップ型の検証第4 第11回報告書の要点第5 第12クールの検証の方針1 第74回検討会で示された方針2 日程と委員第6 報告書を読むときの注意第7 関連記事第8 出典1 法令・規則2 裁判所の資料
第1 検証の仕組み
1 裁判の迅速化に関する法律

裁判の迅速化に関する法律(平成15年法律第107号)は,平成15年7月16日に公布され,同日に施行された(附則1項)。
同法2条1項は,第一審の訴訟手続については「二年以内のできるだけ短い期間内に」終局させることを目標として,充実した手続の実施と,これを支える制度及び体制の整備を図ることを定めている。

同法8条1項は,最高裁判所が,裁判所における手続に要した期間の状況,その長期化の原因その他必要な事項の調査及び分析を通じて,裁判の迅速化に係る総合的,客観的かつ多角的な検証を行い,その結果を「二年ごとに」国民に明らかにするため公表すると定めている。
最初の公表は施行の日から2年以内に行うものとされ(附則2項),政府は,施行後10年を経過した場合に施行の状況について検討を加えるものとされていた(附則3項)。

2 検証に関する規則と検討会

最高裁判所は,裁判の迅速化に係る検証に関する規則(平成15年最高裁判所規則第26号)を定めている。
同規則1条は,検証を行うに当たり,最高裁判所事務総長が検討会を開催して,裁判官,検察官,弁護士及び学識経験のある者の意見を聴くものとし,3条は,検証結果をインターネットの利用その他の適切な方法で公表するものとしている。

この規則に基づく「裁判の迅速化に係る検証に関する検討会」は,平成15年12月22日に第1回が開かれ,令和7年10月2日の第74回まで開かれている。
裁判所ウェブサイトの説明によれば,委員は11人で,その内訳は学識経験者6人,弁護士2人,検察官1人,裁判官2人であり,合計15人の範囲で増やすことも考えているとされている。

第2 第1回から第11回までの報告書
1 各回の概要

報告書は,平成17年7月から2年ごとに,いずれも7月に公表されてきた(第11回報告書「はじめに」1頁)。
各回の公表時期,統計の対象,民事第一審訴訟全体の平均審理期間及び主な特色は次のとおりである。
「主な特色」は,各回の報告書の「はじめに」又は概要を本記事で要約したものである。

回(公表)統計の対象民事第一審の平均審理期間主な特色第1回(平成17年7月)民事は平成16年4月~12月,刑事は平成16年8.2月統計により民事・刑事の第一審の審理期間の全体像を初めて示し,長期化要因の仮説を提示第2回(平成19年7月)平成18年7.8月控訴審の分析を加え,裁判官からの聴取を基に事件類型ごとに長期化要因を考察第3回(平成21年7月)平成20年6.5月弁護士からの聴取も行い長期化要因を実証的に分析。過払金等を除いた統計の併用と遺産分割事件の検証を開始第4回(平成23年7月)平成22年6.8月長期化要因を解消するための施策を示し,裁判員裁判と上告審も検証第5回(平成25年7月)平成24年7.8月紛争の動向に影響する社会的要因と外国の実情を検証第6回(平成27年7月)平成26年8.5月統計分析を中心とするフォローアップ型の検証へ移行第7回(平成29年7月)平成28年8.6月争点整理での認識共有,合議体の活用,家事調停の運営第8回(令和元年7月)平成30年9.0月刑事事件で初めて実情調査を実施(公判前整理手続の長期化要因)第9回(令和3年7月)令和2年9.9月新型コロナウイルス感染症の影響と裁判所の対応第10回(令和5年7月)令和4年10.5月10回目の節目として迅速化検証の現在地を振り返る第11回(令和7年7月)令和6年9.2月裁判手続のデジタル化の現状と今後を章として検証

平均審理期間は各回の報告書に掲載された値であり,第1回の8.2月は平成16年4月から12月までの9か月分の値である。
第3回から第5回までの値は,過払金返還請求訴訟の急増により短く出ており,過払金等を除いた値は,平成20年8.1月,平成22年8.3月,平成24年8.9月とされている。
第11回報告書は,第9回報告書から過払金等を除く処理をやめ,全体の統計だけを分析している(第11回報告書45頁注2)。

2 統計数値の訂正

裁判所ウェブサイトの「裁判の迅速化検証」のページには,第2回から第9回までの報告書について,統計数値を訂正するお知らせが掲載されている。
過去の報告書の数値を引用するときは,訂正のお知らせの対象になっていないかを確かめる必要がある。

第3 検証の方法の変化
1 第1回から第5回まで

第1回から第5回までは,手続全体の審理期間の検証を一巡させる期間であった。
第11回報告書の「はじめに」は,この間に,長期化要因の分析(第3回),長期化要因を解消するための施策の提示(第4回),社会的要因の検証(第5回)が行われたと整理している(第11回報告書「はじめに」1頁~2頁)。

2 第6回以降のフォローアップ型の検証

施行後10年の節目には,附則3項に基づく政府の検討会が開かれ,法律の基本的な枠組みと最高裁判所による検証・公表を維持すべきであるとされた(第11回報告書「はじめに」1頁~2頁)。

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裁判所の予算はいつ決まるか-概算要求基準の閣議了解から国会での成立まで(令和2年度~令和9年度の日程)(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 年度別の日程1 概算要求まで2 政府予算案から成立まで第3 日程から外れた年度1 令和3年度予算——送付期限の延長2 令和7年度予算——国会での修正3 令和8年度予算——暫定予算第4 日程を定める法令1 財政法及び予算決算及び会計令2 詳しい解説第5 裁判所側の資料が公表される時期1 概算要求2 成立予算第6 関連記事第7 出典1 法令2 財務省3 国会会議録4 裁判所ウェブサイト
第1 この記事の対象と結論
1 対象と資料

この記事は,裁判所の予算が,概算要求から国会での成立まで,毎年どのような日程で進んでいるかを,令和2年度予算から令和9年度予算までの実際の日付で整理するものである。
日付は,財務省ウェブサイトの各年度の「予算」の頁に掲載された日付によった。
令和5年度予算の頁は財務省ウェブサイトから外れているため,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)に保存された同頁によった。

本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は生成AIを用いて資料を照合し,資料に書かれた事実と,資料から考えられることを区別して整理したものである。

2 結論

裁判所の予算は,おおむね,夏に概算要求の基準が閣議了解され,8月31日までに最高裁判所が見積りを内閣に送付し,9月上旬に各省各庁の概算要求が公表され,12月下旬に政府予算案が閣議決定され,翌年1月に国会に提出され,3月下旬に成立するという日程で進む。

もっとも,この日程は毎年同じではない。
令和3年度予算は,送付期限が政令で9月30日に延ばされ,各省各庁の概算要求の公表は10月7日であった。
令和8年度予算は,概算要求の基準の閣議了解が8月8日,国会提出が2月20日であり,年度内に成立せず,暫定予算を経て4月7日に成立した。

第2 年度別の日程
1 概算要求まで
予算の年度概算要求の基準各省各庁の概算要求の公表令和2年度令和元年7月31日閣議了解令和元年9月5日令和3年度令和2年7月21日(「具体的な方針」についての閣議での財務大臣発言)令和2年10月7日令和4年度令和3年7月7日閣議了解令和3年9月7日令和5年度令和4年7月29日閣議了解令和4年9月5日令和6年度令和5年7月25日閣議了解令和5年9月5日令和7年度令和6年7月29日閣議了解令和6年9月4日令和8年度令和7年8月8日閣議了解令和7年9月3日令和9年度令和8年7月30日閣議了解令和8年9月4日

概算要求の基準の名称は,多くの年度で「令和○年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」である。
ただし,令和3年度は「令和3年度予算の概算要求の具体的な方針について」(閣議での財務大臣発言要旨)であり,令和8年度は「令和8年度予算の概算要求について」である。

2 政府予算案から成立まで
予算の年度政府予算案の閣議決定国会提出成立令和2年度令和元年12月20日令和2年1月20日令和2年3月27日令和3年度令和2年12月21日令和3年1月18日令和3年3月26日令和4年度令和3年12月24日令和4年1月17日令和4年3月22日令和5年度令和4年12月23日令和5年1月23日令和5年3月28日令和6年度令和5年12月22日令和6年1月26日令和6年3月28日令和7年度令和6年12月27日令和7年1月24日令和7年3月31日令和8年度令和7年12月26日令和8年2月20日令和8年4月7日

令和3年度予算の成立日は,財務省の頁に記載がないため,国会会議録(第204回国会参議院本会議,令和3年3月26日)によった。
令和6年度予算は,令和5年12月22日の閣議決定の後,令和6年1月16日に概算の変更が閣議決定されている。

第3 日程から外れた年度
1 令和3年度予算——送付期限の延長

令和三年度予算に係る歳入歳出等の見積書類の送付期限の特例を定める政令(令和2年政令第230号)は,令和3年度予算に係る財政法17条各項の見積書類の送付期限を,予算決算及び会計令8条1項及び3項の規定にかかわらず,令和2年9月30日とした。
この政令は,最高裁判所長官が内閣に送付する見積書類(財政法17条1項)と,各省大臣が財務大臣に送付する見積書類(同条2項)の両方に適用された。
各省各庁の概算要求の公表が令和2年10月7日と例年より約1か月遅くなったのは,この延長に対応したものと考えられる。

2 令和7年度予算——国会での修正

令和7年度予算は,令和7年3月4日に衆議院で修正の上可決され,同月31日に参議院で修正の上可決されて衆議院が同意し,成立した。
財務省の頁は,成立した予算を「衆議院修正+参議院修正後」のものとして掲載している。

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裁判所の予算はいくらか-国家予算に占める割合,人件費・物件費・施設費の内訳及び令和9年度概算要求(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 国の一般会計予算に占める割合1 年度別の割合2 読み方第3 昭和23年度以降の長期推移1 資料と数値の性質2 年度別の割合3 読み方第4 人件費・物件費・施設費の内訳1 年度別の内訳2 人件費3 物件費4 施設費第5 令和9年度概算要求1 要求・要望額2 国の概算要求の中での割合第6 予算額についての見方1 弁護士会の意見2 予算編成の過程について公表されていること3 執務環境との関係第7 関連記事第8 出典1 裁判所ウェブサイト2 財務省3 その他
第1 この記事の対象と結論
1 対象と資料

この記事は,裁判所の予算の規模を,国の一般会計予算に占める割合と,人件費・物件費・施設費の内訳から,平成31年度から令和8年度までの当初予算と令和9年度の概算要求で整理するものである。
裁判所の予算額と内訳は,裁判所ウェブサイトの各年度の「予算の概要」及び「概算要求の概要」によった。
国の一般会計予算の総額と裁判所所管の金額は,財務省の予算書・決算書データベースに掲載されている各年度の一般会計予算(当初)の歳出データを千円単位で合計して求めた。

本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は生成AIを用いて資料を照合し,資料に書かれた事実と,資料から考えられることを区別して整理したものである。

2 結論

令和8年度の裁判所予算は3495億円であり,国の一般会計予算122.3兆円の約0.29%である。
この割合は,平成31年度の約0.32%から少しずつ下がっており,国の予算が増える一方で,裁判所の予算は3200億円台から3500億円弱の間で推移してきた。
補正予算を反映した後の予算で昭和23年度以降を見ると,割合は昭和30年度の0.906%が最も高く,その後はおおむね低下を続け,令和2年度には0.186%となった。

内訳では人件費が大部分を占めるが,その比率は令和4年度の84%から令和8年度の80%へ下がり,令和9年度の要求・要望額では74%である。
他方,物件費は令和4年度の384億円から令和8年度の579億円に増え,令和9年度の要求・要望額では800億円である。

第2 国の一般会計予算に占める割合
1 年度別の割合

各年度の一般会計予算(当初)について,裁判所所管の金額と一般会計の総額を比べると,次のとおりである。

年度裁判所一般会計総額割合平成31年度3256億円101.5兆円0.321%令和2年度3266億円102.7兆円0.318%令和3年度3254億円106.6兆円0.305%令和4年度3228億円107.6兆円0.300%令和5年度3222億円114.4兆円0.282%令和6年度3310億円112.6兆円0.294%令和7年度3352億円115.2兆円0.291%令和8年度3495億円122.3兆円0.286%

割合は,予算書の歳出データの千円単位の合計から計算し,小数点以下第4位を四捨五入した。
裁判所の金額は億円未満を四捨五入しており,裁判所ウェブサイトの各年度の「予算の概要」の予算額(百万円単位)と一致する。
令和7年度の一般会計総額は,衆議院及び参議院で修正された後の成立予算の金額である。

2 読み方

裁判所予算の割合が下がっているのは,裁判所予算が減ったからではなく,国の一般会計予算が裁判所予算より大きく増えたためである。
平成31年度から令和8年度までに,裁判所予算は約7%増えたのに対し,一般会計総額は約21%増えている。

一般会計総額には,国債費,地方交付税交付金及び社会保障関係費が含まれている。
そのため,この割合は,裁判所の予算が他の行政分野と比べて多いか少ないかを直接示すものではない。
国の予算の中での位置付けを示す一つの目安として読むのが適当である。

なお,日弁連委員会ニュース2022年1月1日号15頁の「もっと知ってください、裁判所予算」も,令和3年度当初予算について,裁判所予算の国家予算に占める割合を「0・305%」とし,昭和40年度は「0・761%程度」であったと述べている。
上の表の令和3年度の0.305%は,この記載と一致する。

第3 昭和23年度以降の長期推移

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裁判所の判例検索システムの予算と契約-法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システム(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 三つのシステムの内容1 法令・判例等検索システム2 法律雑誌等検索システム3 Web版図書情報システム第3 概算要求上の年額の推移1 年度別の要求額2 要求と要望の区別3 成立予算との関係第4 令和2年度から令和6年度までの契約1 三つの契約書2 Web版図書情報システムの初期費用3 国庫債務負担行為第5 令和7年度以降の変化1 要求の記載の変化2 確認できていないこと第6 資料の読み方1 歳出概算要求書との対応2 読むときの注意第7 関連記事第8 出典1 最高裁判所の概算要求書(説明資料)2 契約書3 裁判所ウェブサイト
第1 この記事の対象と結論
1 対象と資料

この記事は,裁判官や裁判所書記官が執務で使う有料の検索サービスについて,最高裁判所が毎年度の概算要求でいくらを要求し,どのような契約を結んでいたかを,公表資料と当ブログ掲載の資料で整理するものである。
対象は,最高裁判所の概算要求書(説明資料)で「裁判運営の改善経費」に並んでいる,法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システムの三つである。

使った資料は,令和2年度から令和8年度までの最高裁判所の概算要求書(説明資料),裁判所ウェブサイトに掲載されている令和4年度の一般会計歳出概算要求書,及び令和2年4月1日付けの契約書3通である。
本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は生成AIを用いて資料を照合し,資料に書かれた事実と,資料から考えられることを区別して整理したものである。

2 結論

三つのシステムは,いずれも最高裁判所が一括して契約し,全国の裁判所の職員が端末から利用する有料サービスである。
令和2年度から令和6年度までは5年間の契約が結ばれており,法令・判例等検索システムは第一法規株式会社,法律雑誌等検索システムは株式会社エル・アイ・シー,Web版図書情報システムは株式会社OPACが受注者であった。

概算要求上の年額は,令和3年度から令和6年度まで,法令・判例等検索システムが4026万円,法律雑誌等検索システムが2942万5000円で毎年同じであった。
これに対し,令和7年度の要求は4818万円弱と4356万円に増え,令和8年度の要求は4593万6000円と3960万円である。
令和7年度以降の契約の相手方及び契約期間は,本記事では確認できていない。

第2 三つのシステムの内容
1 法令・判例等検索システム

令和4年度の概算要求書(説明資料)160頁は,法令・判例等検索システムを「法令,判例及び文献情報を検索閲覧するシステム」と説明している。
同頁によれば,裁判官や書記官が各自の端末からアクセスし,裁判執務に必要な法規,判例,法律判例文献の著者名及び雑誌名等を入手するためのものであり,知的財産高等裁判所用のものが別に計上されている。

令和2年度からの契約書によれば,利用できるクライアント端末は2万6000台まで,サーバへの同時アクセス数は500台までとされていた。

2 法律雑誌等検索システム

同じ説明資料161頁は,法律雑誌等検索システムを,判例や法律雑誌に掲載された論文,評釈及び解説等を収録したデータベースであり,主要法律雑誌の判例評釈及び解説を原本性を保持したPDFデータとして収録し,判例と関連付けて検索閲覧できるものと説明している。
同頁は,これが法令・判例等検索システムにない機能であり,二つのシステムは相互に補完して利用するものと位置付けている。

令和2年度からの契約書によれば,利用できるクライアント端末は1万8000台まで,サーバへの同時アクセス数は500台までとされていた。

3 Web版図書情報システム

Web版図書情報システムは,下級裁判所の資料室や裁判官室等で管理している図書資料の情報を運営会社の蔵書検索サービスにアップロードし,職員がインターネット経由で図書の有無や配架場所を検索できるようにするものである。
管理対象の図書資料は,令和6年度までの説明資料では約230万冊,令和7年度以降の説明資料では約500万冊とされている。

第3 概算要求上の年額の推移
1 年度別の要求額

各年度の概算要求書(説明資料)の経費積算内訳に記載された単価を,知的財産高等裁判所用を合算して示すと,次のとおりである。
単価の欄は円単位であり,いずれも「一式」として計上されている。

(続きを読む...)裁判所の判例検索システムの予算と契約-法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システム(AI作成)

少年事件で弁護士が取材を受けるときの確認事項―少年法61条・特定少年・被害者情報(AI作成)

目次
第1 結論
第2 参照資料とその位置付け
第3 少年事件の報道対応で検討される六つの要素
第4 少年法61条と特定少年
第5 弁護士が報道対応前に確認する事項
第6 被害者及び家族の情報への配慮
第7 一次資料及び関連記事

第1 結論
1 本記事が扱うのは,少年本人,保護者,被害者その他の関係者から依頼を受けた弁護士が報道機関の取材に対応する場面です。裁判所職員側の取材対応は,「裁判所の取材対応」及び「裁判所の報道対応の基礎」で扱います。
2 少年審判は非公開であり,弁護士は,依頼者の意思,守秘義務,少年本人の推知可能性,被害者その他の関係者のプライバシー及び手続への影響を分けて確認する必要があります。報道やSNSですでに流通している情報であっても,弁護士が確認又は提供してよい情報であるとは限りません。
3 少年法61条は,少年本人を推知できる記事又は写真の掲載を原則として禁止しています。ただし,18歳又は19歳の「特定少年」がその時に犯した罪について逆送後に起訴された場合は,略式手続を除き,その段階から同条の適用除外となります。
4 この適用除外は,少年審判の記録やそれまでの非公開手続が公開に変わることを意味せず,被害者,家族その他の第三者のプライバシーまで失わせるものでもありません。

第2 参照資料とその位置付け
1 広報ハンドブック(少年事件編)(令和2年3月版)は,最高裁判所事務総局広報課が,家庭裁判所の広報担当者向けに報道対応の考慮要素を整理した司法行政実務上の参考資料です。法令ではなく,個々の取材に対する回答義務や情報提供請求権を定めるものではありません。
2 同ハンドブックは,令和4年4月1日に施行された特定少年の制度より前の資料です。そのため,現在の報道対応では,同ハンドブックに加えて,改正後の少年法及び公式Q&Aを確認する必要があります。
3 本文でいう「ハンドブックの説明」は資料の記載内容であり,「現行法」はe-Gov法令検索等で確認した条文です。両者を区別します。

第3 少年事件の報道対応で検討される六つの要素
・ 広報ハンドブック(少年事件編)は,裁判所側が回答するか,どこまで回答するか,いつ回答するかを決める際の主な考慮要素として,次の六つを挙げています。弁護士に直接適用される規則ではありませんが,取材対応のリスクを点検するための逆向きのチェック項目として参照できます。
1 正確な報道のために回答する必要性
2 少年及びその家族等に与える影響
3 被害者その他の関係者に与える影響
4 事件の調査及び審判に与える影響
5 護送,鑑別その他の関係機関に与える影響
6 模倣性による非行の伝搬,周辺住民の安全確保等の事件固有の事情
・ これは機械的な点数表ではありません。同ハンドブックも,事件,周囲の状況及び取材事項が毎回異なるため,個別に総合考量すべきであるとしています。

(続きを読む...)少年事件で弁護士が取材を受けるときの確認事項―少年法61条・特定少年・被害者情報(AI作成)

最高裁判例に下級審裁判官は反する判断をできるか―判例の拘束力と下級審判決の位置付け(AI作成)

目次第1 最高裁判例の実務上の位置付け1 同種事件の法解釈を統一する機能2 すべての判示が同じ重みではない第2 法的な拘束力が明文で生じる場面1 差戻し・移送後の拘束力2 刑事事件第3 最高裁判例と異なる判断1 理論上の可能性と実務上の例外性2 検討すべき事情第4 下級審判決を引用する方法1 法源としてではなく説得資料として扱う2 事案比較を行う第5 根拠資料及び注意
第1 最高裁判例の実務上の位置付け
1 同種事件の法解釈を統一する機能

最高裁判例は,同種事件における法解釈の統一に大きな役割を持つ。下級審は通常,最高裁が示した法解釈を踏まえて判断する。

2 すべての判示が同じ重みではない

結論に必要な判示か,傍論か,大法廷か小法廷か,その後に同趣旨の判例が反復されたかを区別する。事案の差異を無視して一文だけを一般化してはならない。

第2 法的な拘束力が明文で生じる場面
1 差戻し・移送後の拘束力

民事訴訟法325条3項等により,差戻し又は移送を受けた裁判所は,その事件について上級審が示した判断に拘束される。これは一般的な先例性とは別の,個別事件における拘束力である。

2 刑事事件

刑事訴訟法413条等にも破棄差戻し後の拘束に関する規律がある。どの判断が拘束力を持つかは,破棄理由と不可分な判断の範囲を個別に検討する。

第3 最高裁判例と異なる判断
1 理論上の可能性と実務上の例外性

社会状況又は法制度の変化により判例変更が問題となることはある。しかし,下級審が単に最高裁判例に納得できないというだけで異なる判断をするのは相当でない。

2 検討すべき事情

判例の時期,大法廷・小法廷の別,少数意見,その後の立法,関連判例との整合性及び学説・下級審裁判例の展開を検討する。

第4 下級審判決を引用する方法
1 法源としてではなく説得資料として扱う

下級審判決は,事案と理由付けが近いときに重要な説得資料となるが,同順位の裁判所を一般に拘束するものではない。

2 事案比較を行う

裁判所名,裁判年月日,事件番号,掲載誌又は公開URLを示し,事実関係・争点・規範・当てはめのどこが自分の事件と共通するかを書く。

第5 根拠資料及び注意

裁判所法(e-Gov法令検索),民事訴訟法(e-Gov法令検索)及び刑事訴訟法(e-Gov法令検索)を確認した。
本記事は「最高裁判例に反する判断が常に許される」ことを意味しない。個別事件の拘束力と一般的な先例性を区別する必要がある。

令和7年度実務協議会(冬季)

目次

1 令和8年2月5日及び6日に開催された実務協議会の資料
2 「家庭裁判所の現状と課題」から分かること
3 資料を利用する際の基準日と法的性格
4 関連記事その他

1 令和8年2月5日及び6日に開催された実務協議会の資料

① 日程表
② 出席者名簿
③ 民事・行政事件の現状と課題
④ 刑事裁判官の支援
⑤ 家庭裁判所の現状と課題
⑥ 裁判所職員総合研修所(総研)の概要
* 令和7年度実務協議会(冬季)に関する文書として一本化した資料も掲載している。

2 「家庭裁判所の現状と課題」から分かること

① 令和6年の家事事件及び人事訴訟事件の新受件数は合計121万7392件であり、内訳は家事審判事件104万2229件、家事調停事件12万8472件等である。
② 夫婦関係調整調停の令和6年平均審理期間は6.8か月、平均期日間隔は1.9か月であり、平成20年の4.3か月、1.4か月から長期化している。
③ 令和6年に終局した人事訴訟事件の平均審理期間は14.8か月である。離婚事件では、財産分与の申立てがある事件が19.2か月、ない事件が12.9か月である。
④ 同資料は、家族法改正への対応、家事調停の合理的な運営、家庭裁判所調査官の専門性、成年後見事件の適正処理、デジタル化等を家庭裁判所の課題として挙げている。
⑤ これらの数値は既済事件等の全国集計であり、個別事件の処理期間又は結果を予測する基準ではない。

3 資料を利用する際の基準日と法的性格

① 「家庭裁判所の現状と課題」は最高裁判所事務総局家庭局作成の司法行政資料であり、裁判所自身の統計及び課題認識を知る一次的資料である。ただし、法令又は判例ではない。
② 資料作成後、令和6年法律第33号による家族法改正は令和8年4月1日に施行された。資料中の「施行に向けた準備」との記述は、令和8年9月現在、そのまま現状を示すものではない。
③ 令和8年法律第45号及び第46号による成年後見制度の見直しは令和8年6月24日に公布されたが、成年後見関係の主要部分は令和8年9月現在未施行である。現行の後見・保佐・補助制度と将来制度を区別する必要がある。
④ 本記事は特定の判例命題を根拠としていないため、判例秘書による判例本文の確認は行っていない。

4 関連記事その他

① 実務協議会は、新たに地方裁判所長、家庭裁判所長又は高等裁判所事務局長を命ぜられた者を対象に、年2回開催される研修である(裁判官研修実施計画参照)。

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裁判所の定員が減ると,現場の人も減るのか―定員・現在員・欠員・振替・再任用の読み方(AI作成)

目次第1 定員の減少と現場の人数は分けて確認する1 令和9年度概算要求で分かること2 資料の時点と確認範囲第2 六つの数字を区別する1 法定員,予算定員及び配置定員2 級別定数,現在員及び勤務に充てられる人員第3 20人,101人及び71人の関係1 下級裁判所192人減と裁判所全体121人減は両立する2 71人の具体的な内訳3 101人の職種別内訳は別に確認する第4 欠員があれば定員削減の影響はないのか1 判事補の842人,660人及び182人2 直ちに20人の退職を意味しないことと,影響がないことは異なる第5 再任用短時間勤務職員の別表を落とさない1 121人減とは別に示された73人増2 頭数の差と常勤換算を混同しない第6 現場への影響を調べる資料の組合せ1 同じ対象と時点をそろえる2 同時に起きたことだけで原因を決めない第7 今後さらに確認すべき事項1 101人の配分と71人の実施内容2 要求,成立後の措置及び実施後の実態第8 出典・参考資料1 一次資料2 関連するブログ記事
第1 定員の減少と現場の人数は分けて確認する
1 令和9年度概算要求で分かること

裁判所の「定員が減る」という情報だけでは,翌年度に窓口,法廷又は調査業務を担当する職員が何人減るかは分からない。
定員は制度上又は予算上の人数の枠であり,実際に在職する現在員や,勤務時間・休業・応援体制を考慮した業務を担える人数とは区別する必要がある。
他方,現時点で欠員があるからといって,定員の削減が採用や将来の配置に影響しないとも断定できない。

令和9年度一般会計歳出概算要求書等の資料上73頁(PDF77頁)の予算定員表では,裁判所全体が121人減,下級裁判所が192人減,最高裁判所が71人増となっている。
この71人は,下級裁判所から最高裁判所への予算定員の振替である。資料に示された理由は,営繕組織の見直し,共済組合の組織統合・給与等事務の集約及び執務機構整備であり,裁判の現場から71人が実際に転勤することまで示した数字ではない。

2 資料の時点と確認範囲

本記事は,令和8年9月14日時点で確認した法令,最高裁判所の概算要求書及び国会会議録に基づき,数字の読み方を説明するものである。
令和9年度の数字は概算要求段階のものであり,成立予算,改正後の法定員,実施後の配置又は実際の現在員を示すものではない。

予算要求の内容は,最高裁判所作成の原資料で確認する。国会答弁は,答弁された人数や最高裁判所の説明を確認する一次資料であるが,答弁だけで個々の裁判所の勤務実態まで確認できるわけではない。
本記事の数値及び因果関係の説明に判例秘書掲載判例は用いていない。判例秘書の検索・収録本文照合も行っておらず,関係判例が存在しないとの判断を示すものではない。

第2 六つの数字を区別する
1 法定員,予算定員及び配置定員

裁判所職員定員法1条は,下級裁判所の裁判官の員数を,高等裁判所長官,判事,判事補及び簡易裁判所判事に分けて定めている。
同法2条は裁判官以外の裁判所職員の員数を定めるが,執行官,非常勤職員,2か月以内の期間を定めて雇用される者及び休職者を対象から除いている。法定員を,雇用形態等を問わない全職員の総人数と読むことはできない。

数字主に確認できることその数字だけでは分からないこと法定員法律が定める員数と対象範囲各庁の実際の配置,欠員及び勤務状況予算定員予算資料に計上された年度別・組織別の人数の枠実際の在職者数,個人の異動及び稼働時間配置定員通達等による各庁への人数の配分基準日現在の在職者,担当部・係及び応援の実績

法定員は全国の区分に関する数字であり,各庁の人数を確認するには配置定員資料が必要となる。予算定員表についても,対象年度,年度末か年度当初か,裁判官を含むか,再任用職員を含むかを表題と注記で確認する。
裁判官の配置定員と基礎定員・付加定員の具体例は,下級裁判所の裁判官の配置定員(令和7年4月)―平成28年との比較と現在員との違い(AIリライト)で扱っている。

2 級別定数,現在員及び勤務に充てられる人員
数字主に確認できること読み違えやすい点級別定数組織,俸給表,職名及び職務の級ごとの枠実際の在職者数や昇格率とは異なる。職名が複数の官職をまとめる場合もある現在員ある基準日に在職する人数休業・休暇,短時間勤務,兼務等の取扱いは資料ごとに確認が必要である勤務に充てられる人員・時間現在員に勤務時間,休業,応援及び担当業務を対応させた業務遂行能力頭数だけでは計算できず,集計方法を明示する必要がある

級別定数の推移は,裁判官以外の裁判所職員の級別定数に関する最高裁判所事務総局の本音の説明(AI作成)で扱っている。
例えば,ある級の定数が減っていても,その級に在職する職員が同じ人数だけ退職したとはいえない。昇格の難しさを論じる場合も,定数だけでなく候補者数,発令数及び選考条件が必要である。

第3 20人,101人及び71人の関係
1 下級裁判所192人減と裁判所全体121人減は両立する

令和9年度概算要求書の資料上73頁の予算定員表を,令和8年度末と令和9年度末の要求で比較すると,次のようになる。
「判事補20人減」は「下級裁判所全体で20人減」という意味ではない。

組織令和8年度末の予算定員令和9年度末の要求定員増減最高裁判所1183人1254人+71人下級裁判所2万4183人2万3991人-192人裁判所全体2万5366人2万5245人-121人

下級裁判所の192人減は,定員合理化101人,判事補減員20人及び最高裁判所への振替71人の合計である。

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令和9年度概算要求-裁判所職員101人の定員合理化と家裁調査官の増員の有無(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料の範囲2 結論第2 令和9年度概算要求の定員1 予算定員表では裁判所全体で121人減の要求である2 101人は俸給表及び級別にしか示されていない3 再任用短時間勤務職員は別表で73人増となっている第3 予算額は要求と要望を分けて読む必要がある1 概算要求本体は前年度予算を下回る2 家裁関係経費とデジタル関係経費は増額要求である第4 令和9年度概算要求書で家裁調査官の増員を確認できない背景として考えられる事情1 直前2年間に合計15人を増員している2 既存人員の事務分担を見直している3 改正家族法施行後の事件動向を見極める段階であった第5 事件統計から増員不要とは断定できない1 家事事件は件数だけでも増加要因がある2 少年事件は長期減少と直近増加の双方を見る必要がある3 203支部のうち調査官配置支部は113支部である第6 公表資料から導ける説明とその限界1 最も説明力のある三つの事情2 定員合理化の官職別理由はなお分からない第7 今後の検証に必要な資料1 令和9年度の最終定員を確認する資料2 家裁調査官の必要人数を検証する資料第8 出典・参考資料1 公文書・国会会議録2 統計・データ
第1 この記事の対象と結論
1 対象,基準日及び資料の範囲

この記事は,最高裁判所が公表した令和9年度概算要求について,裁判所職員101人の定員合理化と公表資料上における家庭裁判所調査官の増員の有無を,令和8年度までの定員措置,国会答弁及び事件統計と照合するものである。
調査の基準日は令和8年9月14日であり,令和9年度予算は概算要求の段階にあるため,政府予算案,成立予算又は令和9年度末の確定定員を扱うものではない。

本記事は生成AIを用いて公表資料を照合し,確認できた事実と資料からの推測を区別して整理したものである。
裁判所書記官の減員人数並びに家庭裁判所調査官の職種別定員の増減及びその理由を直接説明する最高裁判所の公表文書は確認できなかったため,公表資料で確認できる範囲を超えて理由を断定しない。

2 結論

令和9年度概算要求書の資料上73頁の予算定員表から直接確認できるのは,①同表の新規増員は0人,②下級裁判所の定員合理化は101人,③判事補の減員は20人,④下級裁判所から最高裁判所への振替は71人,⑤同表の裁判所全体の差引きは121人減という内容である。
同75頁には再任用短時間勤務職員の73人増が別に示されているため,これらをすべての任用形態における採用者数又は実働人員の増減と読むことはできない。
101人について示されているのは俸給表及び級別の内訳であり,裁判所書記官,家庭裁判所調査官又は裁判所事務官という官職別の内訳ではない。

令和8年度概算要求書には「速記官から家裁調査官へ振替 10人」と明記されている一方,令和9年度概算要求書には同様の職種間振替の記載がない。したがって,公表された令和9年度概算要求書からは家裁調査官の増員を確認できない。
もっとも,この記載の違いだけで,最高裁判所が家裁調査官の追加増員を「見送った」とする政策判断又はその理由まで確定することはできない。

第2 令和9年度概算要求の定員
1 予算定員表では裁判所全体で121人減の要求である

令和9年度一般会計歳出概算要求書等の資料上73頁(PDF77頁)によれば,令和8年度末の予算定員2万5366人に対し,新規増員0人,定員合理化101人減,判事補20人減及び組織間振替を反映した令和9年度末の要求定員は2万5245人である。
最高裁判所は71人増の1254人となる一方,下級裁判所は定員合理化,判事補減員及び最高裁判所への振替によって192人減の2万3991人となる。

71人の振替は,営繕組織の見直し,裁判所共済組合の組織統合及び給与等事務の集約並びに共済組合の執務機構整備に伴うものである。
これは裁判所全体の予算定員を増減させる措置ではなく,組織間で定員枠を移す措置である。
実際に71人が転勤するか,執務場所が変わるか,裁判を担当する部門から移るかは,予算定員表だけでは確認できない。

同頁の71人の内訳は,次のとおりである。
資料に記載された振替の事由と,実施後の人事異動・勤務実態を区別する必要がある。

振替の事由人数内訳上の留意点営繕組織の見直し1人営繕関係の組織見直しに伴うもの共済組合の組織統合及び給与等事務の集約68人専門職6級1人,同5級1人,係長4級6人,主任3級60人共済組合の執務機構整備2人下級裁判所側は課長6級2人,最高裁判所側は専門職6級2人

下級裁判所の192人減は101人+20人+71人であり,最高裁判所の71人増と相殺すると裁判所全体では121人減となる。
「判事補20人減」を下級裁判所全体の減少数と読んだり,裁判所全体の121人減に71人をさらに加えたりしてはならない。

2 101人は俸給表及び級別にしか示されていない

同概算要求書の資料上42頁(PDF46頁)は,101人の内訳を,行政職俸給表(一)4級5人,同2級30人,同1級48人及び行政職俸給表(二)2級18人と記載している。
しかし,同頁には官職名が書かれていないため,行政職俸給表(一)2級の30人をそのまま裁判所書記官30人と読み替えることはできない。

したがって,令和9年度概算要求が「裁判所書記官を何人減らす要求」であるかは,公開された概算要求書だけでは確認できない。
本記事では,裁判所書記官の減員を含むという情報の当否と人数を確定せず,公式資料で確認できる「裁判所職員101人の定員合理化」を起点に検討する。

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裁判所の令和6年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料の対象期間2 結論3 この記事が扱わない範囲第2 4つの数字を並べる1 総額2 項別に見ると像が変わる3 決算による検算第3 補正予算で積んだ金は,その年度には使われていない1 「裁判手続等のデジタル化等」169億円2 目レベルで見た繰越3 繰越の可否を分けるのは繰越明許費の指定である4 3つの金額を混同しない第4 満額で計上されたことと,使われたことは別である1 (項)裁判費の目別執行率2 満額の目は令和7年度から崩れる3 低執行は「どの目」を決めるが「いつ」を決めていない第5 流用の理由は決算報告書に書かれている第6 歳入は予算の1.85倍である第7 定員1 総数と事務官の増員2 定員法の説明と予算の説明第8 同じ表を自分で作る手順第9 未確認事項第10 出典・参考資料1 法令2 予算書,決算書及び概算要求書3 国会会議録4 関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,基準日及び資料の対象期間

本記事は,裁判所所管の令和6年度予算について,概算要求額,当初予算額,補正後予算額及び決算額という4つの数字を同じ表に並べ,金額がどこで動いたかを確認するものである。
調査の基準日は令和8年9月6日であり,資料の対象期間は令和2年度から令和8年度までである。
中心に置くのは令和6年度であり,前後の年度は比較のために用いる。
金額は,特記しない限り千円単位である。
本記事の数値は,裁判所ウェブサイトに掲載された公式PDFと,財務省「予算書・決算書データベース」のCSVから取得したものであり,条文はe-Gov法令検索の本文によっている。
記事の作成にはAIを用いている。

2 結論

令和6年度の概算要求等額は340,893,828千円であり,当初予算額は330,979,009千円である。
要求等額に対する当初予算額の割合は97.09%となる。
しかし,この2つだけを比べて「約3%削られた」と書くと,二重に不正確になる。

第1に,その年度の予算は当初予算では終わらない。
令和6年度は補正予算第1号で23,470,369千円が追加され,補正後予算額は354,449,378千円になった。
これに前年度からの繰越13,238,876千円が加わり,予算現額は367,688,254千円である。

第2に,実際に支出された額は332,296,053千円である。
概算要求等額と比べれば97.48%,補正後予算と比べれば93.75%,予算現額と比べれば90.37%になる。
分母をどこに置くかで数字の印象は逆転する。

そして,本記事が最も強調したいのは次の点である。
要求どおり満額で計上された経費が,そのまま使われているとは限らない。
(項)裁判費のうち保証金は,令和6年度も1円も支出されていない。

3 この記事が扱わない範囲

裁判所の予算がどのような手続で決まるか,財政法19条の附記(二重予算)が令和2年度から令和8年度まで0件であること,及び8月末という送付期限の根拠については,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
本記事は,その手続を前提として,令和6年度の金額が実際にどう動いたかだけを追う。

したがって,要求額と予算額の差についても,本記事では「内閣が減額した」とは書かない。
財政法19条の附記が0件である以上,公表資料から減額の事実を確認することはできず,他方で最高裁判所が納得していたことも確認できないからである。
本記事では,この差を単に「差」と呼ぶ。

第2 4つの数字を並べる
1 総額

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裁判所の令和4年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間
2 四つの数字は別のものである
3 結論

第2 四系列の全体像

1 総額の比較
2 決算は三つに分かれる
3 二つの等式で拾い落としを検算する

第3 概算要求から当初予算へ

1 項別の充足率
2 主要経費別の充足率
3 落ちたのは三件だけである

第4 当初予算から補正予算へ

1 補正は二本あり,裁判所所管は第二号だけである
2 補正第二号の中身
3 補正で付いた金は年度内に使われていない

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裁判所の令和5年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料の対象期間2 四つの系列3 この記事で新たに示すこと第2 決算はどの欄でできているか1 金額の欄2 執行率92.89%第3 (項)別の執行率1 執行率は項によって割れる2 裁判所予備経費は全額が不用である第4 補正予算で積んだ35億円は,その年度に1円も使われていない1 令和5年度の補正は第1号だけである2 繰越の区分で確定する3 繰越明許費が年度をまたいで連鎖している4 退職手当が32億円繰り越された理由第5 (目)別に見ると実務に近い数字が出る1 翌年度繰越がある目は六つだけである2 不用額の大きい目3 刑事補償金は,4年続けて大きく余った後に一転している4 委員手当は,予算額が動かないまま不用率だけが振れる5 (目)別の不用理由は公表されていない第6 この記事の数値をどこから取ったか第7 未確認事項第8 出典・参考資料1 法令2 裁判所が公表する予算・決算資料3 財務省が公表する予算書・決算書4 関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,基準日及び資料の対象期間

この記事は,裁判所所管の一般会計について,令和5年度の①概算要求,②当初予算,③補正予算及び④決算の四つを並べ,どこで金額が動き,最終的にいくらが使われずに終わったのかを整理するものである。
対象期間は令和5年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日まで)であり,経年の比較に必要な範囲で令和2年度から令和6年度までの決算を用いる。
調査の基準日は令和8年9月6日であり,数値は同日から翌7日までに取得した。
本記事は,公表資料をAIで機械的に集計し,その結果を整理したものである。

金額は原則として千円単位で示し,決算の欄については財務省の原表に合わせて円単位で示す。
(項)別及び(目)別の数値は,裁判所ウェブサイトの「決算の概要」には掲載されていないため,財務省の歳出決算報告書によった。

裁判所の予算がどのような手続で決まるのか,内閣が最高裁判所の要求を減額したときにどうなるのか(二重予算),そして令和2年度から令和8年度まで財政法19条の附記が0件であることについては,別の記事で詳しく扱っている。
本記事は手続論には立ち入らず,令和5年度に実際に動いた金額を追うことに絞る。
手続の全体像は裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことを参照されたい。

2 四つの系列

令和5年度の裁判所所管の金額は,次のとおり動いた。

系列金額(千円)概算要求等額に対する割合① 概算要求等額329,816,061-② 当初予算額322,216,78097.70%③ 補正後の改予算額326,876,43799.11%④ 決算(支出済歳出額)309,396,12293.81%

①の概算要求等額は,要求本体321,123,794千円に「重要政策推進枠」の要望額8,692,267千円を加えたものである。
要望額は要求本体の枠外に置かれるものであるから,両者を区別せずに一つの「要求額」として扱うと,充足率が実際より低く見える。

②と①の差は7,599,281千円である。
もっとも,この差を「内閣が最高裁判所の要求を削った」と書くことはできない。
理由は前記の別記事で述べたとおりであり,本記事では差があるという事実の記述にとどめる。

3 この記事で新たに示すこと

要求と当初予算だけを並べると,令和5年度は要求の97.70%が付いた年ということになる。
しかし決算まで見ると,実際の支出は要求の93.81%にとどまる。
そして,使える予算333,066,464千円のうち,13,238,876千円が翌年度に繰り越され,10,431,466千円が使われずに終わっている。

とりわけ,補正予算で(項)裁判費に積まれた3,555,186千円は,その年度に1円も執行されていない。
この金額は,決算に記載された財政法14条の3第1項の繰越明許費の額と1円単位で一致する。

第2 決算はどの欄でできているか
1 金額の欄

決算の金額の欄は,次の九つである。

区分金額(円)歳出予算額(=補正後の改予算額)326,876,437,000前年度繰越額6,190,027,235予備費使用額0流用等増△減額0予算決定後移替増△減額0歳出予算現額333,066,464,235支出済歳出額309,396,122,470翌年度繰越額13,238,876,033不用額10,431,465,732

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裁判所の令和8年度予算-概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の範囲2 結論第2 四つの数字1 令和8年度に作られた予算書2 四つの数字3 「要求額」という欄は三か所にあり,意味が違う第3 概算要求と当初予算の突合1 項別の突合2 差が集中している項(1) 差の約9割は(項)裁判費にある(2) (項)下級裁判所は要求を上回っている(3) (項)裁判所施設費は要望を含めるかで20ポイント動く(4) (項)裁判所予備経費は裁判所法83条2項による3 要望枠の扱い第4 暫定予算1 期間は11日間である2 目別の配分は日割りではない第5 補正予算1 裁判所所管は計上されていない2 補正の中身3 補正に載らない年は珍しくない第6 「削られた」と書けない理由1 前年度補正が要求の中身を先に措置している(1) (目)裁判庁費でみた場合(2) 政策区分でみた場合2 二つの読み方(1) 一体で措置したという読み方(2) 当初予算の額を抑えたという読み方(3) どちらとも決められない3 財政法19条の「減額」第7 確認できていないこと第8 関連する記事1 同じ型で各年度を扱った記事2 資料の読み方を扱った記事出典1 法令2 予算書及び予算参考書類3 最高裁判所が公表した資料4 国会会議録

第1 この記事の対象と結論

1 対象,調査の基準日及び資料の範囲

本記事は,令和8年度の一般会計のうち裁判所所管について,概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の四つを同じ土俵で並べ,どこに差が生じているかを確認するものである。
調査の基準日は令和8年9月7日であり,同日に財務省の予算書・決算書データベース及び裁判所ウェブサイトで確認できた資料に基づく。
金額は,特に断らない限り千円単位である。

決算は対象外である。
財政法39条は歳入歳出決算を翌年度の11月30日までに会計検査院へ送付すべきものとし,同40条1項は会計検査院の検査を経た決算を翌年度開会の常会において国会に提出するのを常例とする。
この常例によれば令和8年度の決算が国会に提出されるのは令和10年の常会であるが,同項は「常例とする」と定めるにとどまり,提出時期を条文から確定することはできない。
いずれにせよ令和8年度は基準日の時点で年度の途中であり,執行額を確認できない。

なお本記事は,生成AIを用いて公表資料を突合し,その結果を整理したものである。

2 結論

令和8年度の裁判所所管について,公表資料から次の四点が確認できる。
①概算要求は要求359,169,102千円であり,「重要政策の推進」のための要望5,839,315千円を加えた要求・要望額は365,008,417千円である。
②当初予算は349,473,805千円であり,要求に対して97.3%,要求・要望額に対して95.7%,令和7年度当初予算に対して104.3%である。
③令和8年度には暫定予算があり,その期間は令和8年4月1日から4月11日までの11日間である。
裁判所所管は21,727,136千円である。
④令和8年度補正予算(第1号)に,裁判所所管は計上されていない。

もっとも,②の差を「概算要求が削られた」と評価することはできない。
令和7年度補正予算(第1号)が,令和8年度の概算要求に含まれていた事項を先に措置しているからである。
(目)裁判庁費についていえば,令和7年度補正の追加12,508,863千円と令和8年度当初予算26,200,292千円を合わせると38,709,155千円になり,令和8年度の要求39,402,151千円の98.2%に達する。

(続きを読む...)裁判所の令和8年度予算-概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

裁判所の令和2年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料2 結論-4つの数字と,分母によって変わる割合3 この記事が扱わない範囲第2 4つの数字を並べる1 総額2 項別に見る3 検算第3 最終予算が当初予算を下回った年1 補正は3回あるが,裁判所所管は2回2 補正第3号は差引で減額である3 海外派遣の停止が数字に出ている4 9兆円の予備費が使われた年に,裁判所には配分がない第4 満額で計上されても,使われるとは限らない1 裁判費の13目で要求と予算が違うのは1目だけである2 執行率は0.0%から99.99%まで割れる3 この形は令和7年度から崩れる第5 要求の組み方-本体を絞って要望枠で取りに行く1 要求本体は前年度予算を下回っている2 要望枠の3事業3 要望枠が乗ったことが見える箇所第6 デジタル化の予算は当初予算ではなく補正で付いた第7 検察審査会は止まっていた1 要求と予算が一致したまま4分の1が不用になった2 目別の執行率3 「法定の回数を割った」とは書けない第8 事故繰越-司法修習の遅れ1 繰越の法的根拠別の内訳2 事故繰越は6目すべてが司法修習関係である第9 不用額の理由は国が決算に書いている1 決算に記載された4項の理由2 検察審査費の理由は歳出決算報告書にある第10 手続の時系列1 令和2年度の各段階の日付2 決算が国会で議決されるまでに2年6か月かかっている3 「概算要求」の公表日と送付期限は別の日である4 令和3年度予算書の「前年度予算額」欄の正体第11 実務に使える数字1 日当の積算単価は上限額に比例しない2 無罪事件の費用補償の内訳3 指定弁護士の手当には幅がある4 補正予算まで見ないと年度の姿が分からない第12 定員-裁判官は振替で,職員は17人の減である第13 未確認事項第14 出典・参考資料1 法令2 最高裁判所規則3 概算要求書及び各目明細書4 予算書,決算及び統計5 官報及び閣議了解6 国会会議録7 議案情報8 関連記事第1 この記事の対象と結論1 対象,基準日及び資料

対象は日本の一般会計のうち裁判所所管であり,対象年度は令和2年度である。
比較のため令和元年度及び令和6年度から令和8年度までを補助的に用いる。
金額は,特記しない限り千円単位である。
「決算」は支出済歳出額を指す。

本記事の調査の基準日は令和8年9月6日であり,法令の適用時点も同日である。
条文はいずれも同日にe-Gov法令検索で確認した本文による。
令和2年度の予算及び決算は確定した過去の記録であるから,本記事の金額は同日以降に変動しない。

本記事の金額は,裁判所ウェブサイトの令和2年度予算の頁に掲載された概算要求書及び各目明細書,裁判所の決算の頁に掲載された決算の概要,財務省の予算書・決算書データベースの令和2年度予算書・決算書関連情報が公表する予算書,決算及び科目別内訳のCSV並びにインターネット版官報を直接取得して算出したものである。

2 結論-4つの数字と,分母によって変わる割合

令和2年度の裁判所所管について,概算要求から決算までを並べると次のようになる。
概算要求等額は329,283,576千円,当初予算は326,624,181千円,補正後の最終予算は326,294,809千円,決算(支出済歳出額)は312,451,170千円である。

「要求のどれだけが認められたか」という問いには,一つの答えがない。
当初予算を概算要求等額で割ると99.19%になる。
決算を概算要求等額で割ると94.89%,最終予算で割ると95.76%,前年度からの繰越を含む予算現額で割ると94.12%になる。
どの分母を選ぶかで印象が変わるため,割合を示すときは分母を先に決めておく必要がある。

前年度との比較で見ると,別の顔が出る。
概算要求等額は前年度予算より3,709,268千円多いのに対し,当初予算の増は1,049,873千円にとどまる。
増額要求のうち認められたのは28.3%である。

3 この記事が扱わない範囲

裁判所の予算が内閣に送付される手続,財政法19条の附記,二重予算の仕組み,8月末という期限の根拠及び附記が0件であることの読み方は,別の記事で詳しく扱っている。
本記事はそれらを繰り返さず,令和2年度の金額そのものを追う。
手続の側については裁判所の予算は誰が決めているのかを参照されたい。

なお,本記事でも「削られた」「査定された」という表現は用いない。
内閣が最高裁判所の歳出見積を減額したのであれば歳入歳出予算にその詳細が附記されるところ,令和2年度の当初予算書及び補正予算書にその附記は1件もないからである。
もっとも,補正予算(第1号)には裁判所所管の計上そのものがない。
裁判所が一行も現れない予算書に裁判所の附記が無いことは,減額が無かったことを示さない。
附記の有無を語れるのは,裁判所所管の計上がある当初予算書と補正予算(第2号)及び(第3号)である。
本記事は,要求額と予算額の差を差として記述するにとどめる。

第2 4つの数字を並べる1 総額系列金額(千円)概算要求等額329,283,576当初予算326,624,181最終予算(補正第3号後)326,294,809(予算現額)331,960,372決算(支出済歳出額)312,451,170

概算要求等額の内訳は,概算要求本体321,099,826千円に「新しい日本のための優先課題推進枠」の要望8,183,750千円を加えたものである。
前年度からの繰越額は5,665,563千円,翌年度への繰越額は10,944,695千円,不用額は8,564,506千円である。

分母を変えると,割合は次のように動く。

比較割合当初予算÷概算要求等額99.19%決算÷概算要求等額94.89%決算÷最終予算95.76%決算÷予算現額94.12%2 項別に見る項要求本体当初予算最終予算決算決算÷最終最高裁判所80,347,70780,917,36278,977,11375,069,73795.05%下級裁判所206,932,648208,654,957207,217,212204,135,51898.51%検察審査費302,934302,934302,934228,88775.56%裁判費20,241,12919,716,45421,133,38018,022,41185.28%裁判所施設費13,267,40817,024,47418,656,17014,994,61580.37%裁判所予備経費8,0008,0008,00000.00%合計321,099,826326,624,181326,294,809312,451,17095.76%

要求の列を「要求本体」としているのは,要望枠を項別に配分できないからである。
要望一覧は「暮らしの安全・安心」「防災・減災」「裁判手続等のIT化の推進」という事業単位で記載されており,項への割付けは記載されていない。
このうち裁判所施設費については,要求本体13,267,408千円に要望「防災・減災」4,462,683千円を加えると17,730,091千円となり,概算要求の概要の「裁判所施設の整備」17,730百万円と一致するから,対応を確認できる。
他の2事業については同様の確認ができていない。

要求本体を下回った項は,裁判費だけである。
検察審査費と裁判所予備経費は,要求額と当初予算額が1円も違わない。

項別の決算額を合計すると312,451,168千円となり,表示値312,451,170千円と2千円ずれる。
決算の「計数は単位未満を切り捨てた」という注記によるものである。

3 検算

財務省の決算の科目別内訳から裁判所所管の79行を合算すると,次の2つの恒等式がいずれも1円の差なく成立する。

歳出予算額326,294,809,000円に前年度繰越額5,665,563,000円を加え,予備費使用額,流用等増減額及び予算決定後移替増減額がいずれも0円であるから,歳出予算現額は331,960,372,000円となる。

歳出予算現額を構成する9つの欄と,この2本の恒等式そのものは,決算はどの欄でできているかで扱っている。
本記事は,令和2年度の裁判所所管について値が閉じることの確認にとどめる。

流用等増減額の0円は,(目)の段階の4組8件が相殺された結果である。

減った目増えた目金額(円)決算報告書に記載された理由(項)最高裁判所(目)国家公務員共済組合負担金(目)公務災害補償費22,813,000障害補償年金等に不足を生じたため(項)最高裁判所(目)職員旅費(目)赴任旅費40,652,000赴任旅費の支給額が増加したため(項)下級裁判所(目)職員基本給(目)児童手当4,950,000支給対象児童が増加したため(項)裁判費(目)委員等旅費(目)特別送達料3,452,000召喚状等の送達件数が増加したため

4組とも同じ項の中で閉じており,増減の合計は0円である。
令和2年度の裁判所所管には項の間の移用がない。

上の表の理由は,歳出決算報告書の備考欄から引いた。
理由がどの冊に載るかは,決算に書かれている「理由」の探し方で扱っている。

支出済歳出額312,451,170,774円に翌年度繰越額10,944,695,125円と不用額8,564,506,101円を加えると,同じく331,960,372,000円となる。

歳出予算額326,294,809,000円は,補正予算(第3号)各目明細書の改予算額と一致する。
支出済歳出額312,451,170,774円は,裁判所ウェブサイトが公表する令和2年度決算の312,451,170千円(千円未満切捨て)と一致する。

第3 最終予算が当初予算を下回った年1 補正は3回あるが,裁判所所管は2回

令和2年度の一般会計には補正予算が第1号から第3号まである。
もっとも,裁判所所管に計上があるのは第2号と第3号だけである。

補正予算(第1号)の予算書281頁には,「裁判所」「最高裁判所」「下級裁判所」「衆議院」「参議院」「会計検査院」のいずれの語も現れない。
同じ予算書で「法務省」は25頁に現れるから,抽出の漏れではない。
同号の歳出の科目別内訳は884行あるが,そのうち裁判所所管の行は0行であり,内閣及び13の府省庁だけで構成されている。

補正予算(第2号)各目明細書の「令和2年度成立予算額」欄は326,624,181千円で,当初予算額と一致する。
この欄はそれ以前の補正を反映した額であるから,第2号より前に裁判所所管の補正がなかったことは,この一致からも確認できる。

2 補正第3号は差引で減額である補正国会増減(千円)補正後(千円)第2号第201回+1,259,066327,883,247第3号第204回△1,588,438326,294,809

第3号は,追加2,118,249千円に対し修正減少3,706,687千円で,差引1,588,438千円の減である。
その結果,最終予算326,294,809千円は当初予算326,624,181千円を329,372千円下回った。
補正で予算が増えるのではなく減った年である。

減額の中心は人件費の不用減である。
最高裁判所では退職手当771,447千円,国家公務員共済組合負担金1,014,522千円が減額されている。
下級裁判所では職員基本給493,583千円,職員諸手当968,536千円が減額されている。

3 海外派遣の停止が数字に出ている

最高裁判所の外国留学旅費は26,880千円の減であり,当初予算62,197千円の43.2%にあたる。
国際裁判官連合分担金は109千円の減であり,当初予算391千円の27.9%にあたる。
下級裁判所の委員手当も26,696千円が減額されている。

4 9兆円の予備費が使われた年に,裁判所には配分がない

令和2年度は,新型コロナウイルス感染症対策予備費の予算額が9,650,000,000,000円,その使用額が9,142,049,687,000円であった年である。
通常の予備費の使用額283,867,094,000円と合わせると9,425,916,781,000円であり,一般会計の歳出決算総額147,597,358,991,702円の6.4%に当たる。

この予備費から裁判所所管への配分は無い。
決算の予備費使用の一覧((9)頁から(11)頁まで)に,裁判所所管の項目は無い。
裁判所所管の予備費使用額の欄も0円である。

欄が0円であることだけでは足りない。
決算は移替額について「移替額には、新型コロナウイルス感染症対策予備費の使用額1,628,854,246,000円及び流用増した額171,473,000円が含まれる」と注記しており((6)頁),予備費が移替として現れる経路があるからである。
裁判所所管の予算決定後移替増減額も0円であるから,この経路からの配分も無い。

補正で1,259,066千円が付き,別の補正で1,588,438千円が引かれた年に,予備費からの上積みは無かったことになる。

第4 満額で計上されても,使われるとは限らない1 裁判費の13目で要求と予算が違うのは1目だけである目要求額(千円)当初予算(千円)充足率決算執行率諸謝金2,152,8442,152,844100.0%88.5%裁判旅費272,942277,277101.6%46.5%執行官旅費43,63643,636100.0%74.2%委員等旅費1,499,3661,499,366100.0%73.4%証人等旅費202,356202,356100.0%70.7%裁判庁費14,381,19513,852,18596.3%86.8%特別送達料575,945575,945100.0%99.99%身柄拘束者食糧費424424100.0%10.3%少年補導委託費173,679173,679100.0%32.4%賠償償還及払戻金277,694277,694100.0%86.7%保証金10,00010,000100.0%0.0%刑事補償金641,027641,027100.0%56.7%少年補償金10,02110,021100.0%35.3%

目細のレベルまで一致している。
諸謝金の国選弁護人等報酬59,947千円,委員等旅費の国選弁護人等2,648千円及び証人等旅費の証人59,719千円は,いずれも要求額と当初予算額が同じである。

2 執行率は0.0%から99.99%まで割れる

はじめに,この表の決算執行率は支出済歳出額を歳出予算現額で割ったものであることを断っておく。
13目のうち翌年度繰越があるのは裁判庁費だけで,1,332,855千円を令和3年度へ繰り越している。
繰越は使わなかった額ではないから,裁判庁費の執行率86.8%を,繰越が0円の目の執行率と同じ意味で読むことはできない。

使われなかった額の割合(不用額÷歳出予算現額)で並べ直すと,順序が変わる。

目決算執行率翌年度繰越不用率特別送達料100.0%00.0%裁判庁費86.8%1,332,855千円4.6%諸謝金88.5%011.5%賠償償還及払戻金86.7%013.3%

執行率では諸謝金が裁判庁費を上回るが,使われなかった額の割合では裁判庁費のほうが小さい。
以下で挙げる目は,いずれも翌年度繰越が0円であるから,執行率がそのまま使われなかった程度を表す。

身柄拘束者食糧費の執行率は10.3%である。
予算424千円に対し,支出済は44千円である。
身柄同行が激減したことが表れている。

裁判旅費の執行率は46.5%である。
裁判官及び裁判所書記官が法廷外で行う検証,出張尋問等の旅費である。

破産法23条の国庫仮支弁である保証金は,支出済が0円である。
予算10,000千円が全額不用になっている。
平成30年度の支出実績も0円であり,令和2年度は新規事項として10,000千円を要求して満額認められた費目である。
制度が事実上使われていないことを,決算という一次資料で確認できる。

例外は特別送達料で,不用額は44,642円にとどまる。
執行率は99.99%である。
期日は止まっても,送達は止まらなかったことになる。
この目には流用で3,452千円が積み増されており,それでも使い切っている。

したがって,「満額で計上された」ことと「予算どおり使われた」ことは切り分けて読む必要がある。
年度をまたいで実態を比べるのであれば,要求額でも予算額でもなく決算額を並べるのが実態に近い。

3 この形は令和7年度から崩れる

令和8年度では,保証金が50.0%,裁判庁費が66.5%,執行官旅費が71.5%,裁判旅費が73.5%に減額されており,要求額と予算額が一致しない目が複数ある。
なお,満額の目の数を年度間で並べるときは,分母に(目)裁判庁費を含めるかどうかで数が動く。
令和2年度の(項)裁判費は13目で構成されている。
令和2年度で成り立っていた形を,そのまま現在の話として用いることはできない。

第5 要求の組み方-本体を絞って要望枠で取りに行く1 要求本体は前年度予算を下回っている

令和2年度の概算要求本体321,099,826千円は,前年度予算325,574,308千円を4,474,482千円下回っている。
前年度より低い額を要求していることになる。
そのうえで,増分を「新しい日本のための優先課題推進枠」の要望8,183,750千円で取りに行く組み方になっている。

2 要望枠の3事業事業要望額(千円)暮らしの安全・安心3,537,085防災・減災4,462,683裁判手続等のIT化の推進183,982合計8,183,750

裁判手続等のIT化の推進は,要望枠の2.2%にすぎない。
令和2年度の時点では,デジタル化は金額の上では小さな事業であった。

3 要望枠が乗ったことが見える箇所事項令和元年度予算要求本体当初予算予算÷要求本体最高裁判所・裁判運営の充実に必要な経費1,145,433197,1001,094,045555.07%下級裁判所・裁判運営の充実に必要な経費8,385,4447,234,6568,280,777114.46%裁判所施設費17,480,34613,267,40817,024,474128.32%

最高裁判所の「裁判運営の充実に必要な経費」は,要求本体197,100千円に対し当初予算1,094,045千円である。
前年度予算1,145,433千円とほぼ同じ水準に戻っている。
最高裁判所の概算要求書(説明資料)でこの事項に属する項目の多くに「要望」の札が付いていたことと対応する。

したがって,説明資料の「要望」の札が付いた項目について,要求額が小さいことを理由に重視されていないと読むのは適切でない。
本体に載せられないものを要望枠へ回した結果であり,予算では前年度並みに戻っている。

項別に対応を確認できる裁判所施設費で計算すると,当初予算と要求本体の差は3,757,066千円であり,要望「防災・減災」4,462,683千円の84.2%にあたる。

第6 デジタル化の予算は当初予算ではなく補正で付いた

補正予算(第2号)の内容は,次の2項目だけである。

項・目当初(千円)追加(千円)補正後(千円)下級裁判所・法廷等器具整備費577,708+152,600730,308裁判費・裁判庁費13,852,185+1,106,46614,958,651

裁判庁費の追加1,106,466千円の内訳は,消耗品費85,344千円,通信運搬費273,353千円及び雑役務費747,769千円である。
このうち繰越明許費として「司法情報システム緊急整備費」592,392千円が立っている。

当初予算の要望枠に載っていた「裁判手続等のIT化の推進」は183,982千円であった。
補正で付いた592,392千円は,その3.2倍である。
令和2年度のデジタル化の予算は,当初予算ではなく補正予算で一気に付いたことになる。
その後の経過は令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求にある。

もっとも,補正で積んだ額がその年度に使われたかどうかは,令和2年度については分離できない。
裁判所ウェブサイトの決算のページには「補正予算の執行状況の公表について」という区分があるが,令和8年9月7日の時点で掲載されているのは令和7年度分(令和7年度決算時点)及び令和6年度分(令和6年度決算時点及び令和7年度決算時点)の3件だけである。
令和2年度については,当初分と補正分を分けた執行状況の公表資料が同ページにない。

分かるのは次のことまでである。
裁判費は補正で1,416,926千円を積んだが,決算18,022,411千円は当初予算19,716,454千円すら下回っている。
裁判費の翌年度繰越1,332,855千円は全額が裁判庁費であるが,前年度繰越245,578千円も混ざるため,補正の追加額との1円単位の対応は取れない。

補正で積んだ分が翌年度へ回るという読み方を一般化することもできない。
同じ補正第2号で152,600千円を積んだ下級裁判所の法廷等器具整備費は,決算では翌年度繰越が0円で,不用額が128,859千円である。
分かれ目は繰越明許費の指定があるかどうかであり,令和2年度補正第2号の同じ目には繰越明許費の記載がない。

第7 検察審査会は止まっていた1 要求と予算が一致したまま4分の1が不用になった

項の検察審査費は,要求額,当初予算額及び最終予算額のいずれも302,934千円で,1円も動いていない。
それにもかかわらず,決算は228,887千円で,24.4%が不用になっている。
繰越は0円であるから,差の全額が不用である。

2 目別の執行率目予算額(円)支出済(円)執行率検察審査員旅費241,725,000182,544,59775.52%庁費55,782,00044,214,23179.26%委員手当(審査補助員手当)4,329,0001,826,30042.19%職員旅費(審査業務旅費)527,0005100.10%諸謝金248,000247,50099.80%委員等旅費(審査補助員旅費)181,00045,69725.25%証人等旅費142,0008,4905.98%

職員旅費の執行率は0.10%である。
予算527,000円に対し,支出済は510円である。
この旅費は実地見分及び所在尋問への検察審査会事務官の立会いのためのものであるから,令和2年度はこれらがほとんど行われなかったことになる。

証人等旅費の執行率は5.98%である。
検察審査会議での証人尋問もほとんどなかったことになる。

審査補助員手当の執行率は42.19%である。
審査補助員は,検察審査会が,審査を行うに当たり法律に関する専門的な知見を補う必要があると認めるときに,弁護士の中から事件ごとに委嘱することができるものである(検察審査会法39条の2第1項)。
委嘱するかどうかは検察審査会の判断によるから,手当の執行が予算の4割強にとどまったことは,委嘱件数が見込みを下回ったことを示す。

3 「法定の回数を割った」とは書けない

検察審査員旅費は,概算要求書(説明資料)によれば,会議1回当たりの必要額122,145円に令和2年度の会議回数見込み1,979回を乗じて積算されている。
支出済182,544,597円を積算単価122,145円で割ると,約1,494回となる。
見込み1,979回に対して約1,494回である。
もっとも,実際の1回当たりの費用が積算単価どおりであったとは限らないから,1,494回は換算値であって実測の開催回数ではない。

そのうえで,「法定の回数を割った」と書くことはできない。
検察審査会法21条1項は,毎年3月,6月,9月及び12月にそれぞれ検察審査会議を開かなければならないと定めており,年4回である。
同法15条1項は,各群の検察審査員及び補充員のいずれかの任期が開始したときに,その都度速やかに検察審査会議を開いて検察審査会長を互選しなければならないと定めるところ,同法14条により第1群は2月1日,第2群は5月1日,第3群は8月1日,第4群は11月1日と3か月ずつずれて任期が開始するから,これも年4回である。

両者を合わせて年8回になるという合成であって,法律に「年8回」という数字が書かれているわけではない。
概算要求書(説明資料)が,15条1項及び21条1項を根拠として年8回としているものである。

検察審査会は全国で165ある。
165庁に8回を乗じた1,320回が法定の下限であり,換算値の約1,494回はこれを上回っている。
言えるのは「見込み回数1,979回に届かなかった」までである。

もっとも,開催回数が予定を下回ったこと自体は,換算値によらずに確認できる。
歳出決算報告書は,検察審査費の不用額の理由として「不用額を生じたのは、検察審査会議の開催回数が予定を下回ったこと等により、検察審査員旅費を要することが少なかったこと等のため」と記載している。
本記事の換算値は,下回った程度を測るための数字であって,下回ったという事実そのものは決算に書かれている。
なお,同法21条2項の随時招集及び41条の2の再審査があるから,8回を超える開催もあり得る。

第8 事故繰越-司法修習の遅れ1 繰越の法的根拠別の内訳種別項金額(円)財政法14条の3(繰越明許費)裁判費1,332,855,312同上裁判所施設費8,145,063,813財政法42条ただし書(事故繰越)最高裁判所1,466,776,000合計10,944,695,125

下級裁判所及び検察審査費の繰越は0円である。

2 事故繰越は6目すべてが司法修習関係である目繰越額(円)修習給付金1,110,165,000修習資金貸与金299,920,000諸謝金(講師等謝金)25,916,000司法修習生研修委託費19,654,000職員旅費(研修等旅費)6,672,000研修費4,449,000合計1,466,776,000

財政法42条ただし書は,「歳出予算の経費の金額のうち、年度内に支出負担行為をなし避け難い事故のため年度内に支出を終らなかつたもの」について翌年度への繰越しを認めている。
令和2年度の裁判所で事故繰越になったのは司法修習だけであり,司法修習の開始が遅れたことが財政法上の「避け難い事故」として処理されたことが読める。
あらかじめ繰越しを予定する繰越明許費とは性質が異なる。

修習給付金は,予算額3,314,835千円に対し,支出済2,071,492千円,翌年度繰越1,110,165千円,不用133,178千円である。
執行率は62.5%である。
この目の内容は司法修習生研修委託費と同じ項に属する。

第9 不用額の理由は国が決算に書いている1 決算に記載された4項の理由

財務省の一般会計歳入歳出決算には,主要な不用額について理由が記載されている。
裁判所所管の4項について,記載は次のとおりである。

項不用額(円)記載された理由最高裁判所2,451,599,312定年退職者数及び応募認定退職者数が予定を下回ったこと等により、退職手当を要することが少なかったこと等のため下級裁判所3,142,083,322調停事件の処理件数及び家庭裁判所委員会の出席者数が予定を下回ったこと等により、委員手当を要することが少なかったこと等のため裁判費2,023,690,873契約価格が予定を下回ったこと、業務内容の見直しによる業務計画の変更をしたこと等により、裁判庁費を要することが少なかったこと等のため裁判所施設費865,085,919契約価格が予定を下回ったので、施設整備費を要することが少なかったこと等のため

下級裁判所の理由には,「調停事件の処理件数……が予定を下回った」と記載されている。
令和2年度に調停事件の処理件数が落ちたことを,決算という一次資料で示すことができる。

他方で,裁判費の理由には事件数の減少が記載されていない。
記載されているのは「契約価格が予定を下回った」ことと「業務内容の見直しによる業務計画の変更」であり,物件費である裁判庁費に関する説明である。
目別の執行率から期日の停止を読み取ることは本記事の整理であって,決算に記載された項レベルの理由とは別のものである。
両者は矛盾しないが,区別して読む必要がある。

2 検察審査費の理由は歳出決算報告書にある

上の表は歳入歳出決算のものであり,検察審査費の不用額74,046,675円は載っていない。
歳入歳出決算が理由を示す範囲を「1項5億円以上のもの」と自ら定めているためである。

しかし,理由が公表されていないわけではない。
歳出決算報告書の備考欄には検察審査費にも理由が付いており,その文言は検察審査会について述べた箇所で引用した。

裁判所所管で理由の記載が無いのは,裁判所予備経費8,000,000円だけである。

二つの冊で収録の範囲が違うことは,決算に書かれている「理由」の探し方で扱っている。

第10 手続の時系列1 令和2年度の各段階の日付段階日付概算要求基準の閣議了解令和元年7月31日各省各庁の概算要求額の公表令和元年9月5日政府案の閣議決定令和元年12月20日国会提出・審議開始令和2年1月20日当初予算の成立令和2年3月27日補正予算(第1号)案の閣議決定令和2年4月7日概算の変更の閣議決定令和2年4月20日補正予算(第1号)の成立令和2年4月30日補正予算(第2号)案の閣議決定令和2年5月27日補正予算(第2号)の成立令和2年6月12日補正予算(第3号)案の閣議決定令和2年12月15日補正予算(第3号)の国会提出令和3年1月18日補正予算(第3号)の成立令和3年1月28日決算の国会提出(第207回国会)令和3年12月6日参議院本会議の是認令和4年6月15日衆議院本会議の議決令和6年6月18日

補正予算(第1号)だけ,「補正予算案の閣議決定」と「概算の変更の閣議決定」が別の日になっている。
他の補正にはこの2段がない。
もっとも,同号には裁判所所管の計上がないから,令和2年度の裁判所について実害のある論点ではない。

なお,この表の日付は政府案の閣議決定日であって,最高裁判所長官が内閣に見積書類を送付した日ではない。
その送付は公表されない。

2 決算が国会で議決されるまでに2年6か月かかっている

令和2年度の決算は,令和3年12月6日に国会へ提出された。
提出先は第207回国会(臨時会)で,同国会は同日に召集され,同月21日に閉会している。
つまり決算は,会期16日の臨時会の初日に提出された。

その後の経過は,両院で分かれる。

院委員会委員会の議決本会議結果参議院決算委員会令和4年6月13日令和4年6月15日是認衆議院決算行政監視委員会令和6年6月17日令和6年6月18日議決

参議院は,提出から約6か月後の令和4年6月15日に是認している。
これに対し衆議院は,第207回国会から第212回国会まで継続審査を重ね,第213回国会の令和6年6月18日に議決した。

提出から衆議院の議決まで2年6か月である。
当初予算が年度の開始前に成立していることと対比すると,同じ年度の数字でも,入口と出口で国会の扱う速さがまったく違う。

本記事が用いた決算の数字は,令和3年12月6日に提出された決算そのものの値である。
その後の審議で数字が変わるものではない。

3 「概算要求」の公表日と送付期限は別の日である

上の表の「各省各庁の概算要求額の公表」令和元年9月5日は,財務省が各省各庁の要求額を取りまとめて公表した日である。
これは,予算決算及び会計令8条が定める送付期限である令和元年8月31日とは別の日である。
同じ「概算要求」という語で別の日を指すため,時系列に並べるときは分ける必要がある。

令和2年度予算については,この送付期限を動かす特例政令はない。
令和元年5月から9月までの官報337号の目次を「送付期限」「見積書類」「見積に関する書類」「概算要求」の4語で走査して0件であり,同じ方法を令和2年7月に当てると令和2年政令第230号を検出する。
なお,令和3年度予算についてはこの政令によって期限が動いており,その経緯は裁判所の予算は誰が決めているのかで扱っている。

4 令和3年度予算書の「前年度予算額」欄の正体

令和3年度予算書の裁判所所管の「前年度予算額」欄は327,883,247千円であり,令和2年度の当初予算額とも最終予算額とも一致しない。
これは補正予算(第2号)後の額である。

令和3年度予算が国会に提出された令和3年1月18日の時点で,令和2年度予算として成立していたのは第2号後の額であった。
補正予算(第3号)は同じ日に提出されたばかりで,成立は10日後の令和3年1月28日である。
前年度予算額欄に当てるべき値は,当初予算額でも最終予算額でもなく,提出の時点で成立していた額であると読める。
もっとも,これは令和2年度から令和3年度への1組についての観測であるから,他の年度でも同じ規則で説明できるかは確認していない。

第11 実務に使える数字1 日当の積算単価は上限額に比例しない区分規則の上限額積算単価比率証人・参考人・少年8,050円以内4,025円50.0%鑑定人・通訳人・国選弁護人・国選代理人7,650円以内4,110円53.7%司法委員・参与員10,350円以内5,730円55.4%鑑定委員6,060円以内6,060円100%

上限額は証人8,050円が鑑定人7,650円より高いのに,積算単価は証人4,025円が鑑定人4,110円より低く,大小が逆転している。
鑑定委員に至っては上限額そのものを積んでいる。
「上限額のおおむね半額」という一般則は立たない。

当事者の日当は,民事訴訟費用等に関する規則2条2項により1日3,950円の定額である。
証人の日当が「以内」の上限であるのとは,性質が異なる。
単価表の詳細は司法研修所の概算要求書単価表にもある。

2 無罪事件の費用補償の内訳

刑事補償金641,027千円の内訳は,拘禁補償507,779千円と費用補償133,248千円である。
費用補償(刑事訴訟法188条の2)133,248千円は8項目に分かれており,被告人の鉄道賃2,543千円,日当4,633千円,宿泊料61千円,私選弁護人の鉄道賃2,099千円,日当5,346千円,宿泊料25千円,報酬106,684千円及び謄写料11,857千円である。

費用補償の8割は私選弁護人の報酬である。
平成30年度の実績は,私選弁護人報酬75,294千円,謄写料8,400千円である。

3 指定弁護士の手当には幅がある

刑事訴訟法268条5項は,同条1項の指定を受けた弁護士に政令で定める額の手当を給すると定める。
これを受けた昭和24年政令第372号は,その指定により公訴を維持すべき事件の審級ごとに50万円以上315万円以下(上訴審及びその後の審級については19万円以上315万円以下)の範囲内で,裁判所が相当と認める額とする。

概算要求書(説明資料)の積算単価は1名当たり1,713,872円である。
上限315万円まで出る余地があることは,指定弁護士の職務を検討する場面で意味を持つ。

4 補正予算まで見ないと年度の姿が分からない段階金額(千円)対要求要求20,241,129100.0%当初予算19,716,45497.41%補正第2号後20,822,920102.87%補正第3号後21,133,380104.41%決算18,022,41189.04%

項の裁判費を通しで見ると,当初予算だけを見れば要求の97.41%に減っているが,補正まで見れば要求を4.41%上回っている。
そして決算では要求の89.04%にとどまる。
どの段階を見るかで,結論が3通りに分かれる。

第12 定員-裁判官は振替で,職員は17人の減である

令和2年度の裁判所職員定員法の一部を改正する法律は,第201回国会で成立した。
その内容は,同法律案の趣旨説明及び質疑から確認できる。

区分改正前改正後増減判事2,1252,155+30判事補927897△30裁判官の合計3,0523,0520

裁判官については,判事補の定員から判事の定員へ30人を振り替えたものであり,裁判官の総数は変わっていない。
法務大臣は,第201回国会衆議院法務委員会第5号(令和2年3月18日)で,判事補の定員から判事の定員に30人の振替を行うことにより執務体制の強化を図るものであると説明している。

裁判官以外の職員は,次のとおりである。

区分増減(人)裁判所書記官+8裁判所事務官+34技能労務職員等△59差引△17

8人と34人の増に対し59人の減であるから,差引17人の減である。
最高裁判所事務総局総務局長は,第201回国会衆議院法務委員会第6号(令和2年3月31日)で,59人の減員の中に裁判所速記官の定員2人分が含まれると述べている。

この17人は,裁判所職員定員法2条の員数の差としても確認できる。
同条の員数は改正前が21,835人,改正後が21,818人である。
ただし,同条の員数は「執行官、非常勤職員、二箇月以内の期間を定めて雇用される者及び休職者を除く」ものであるから,裁判所で働く人の総数ではない。
本記事が扱う執行官旅費や委員等旅費は,この員数の外にいる人に係る経費である。

年度の途中で員数が変わっている点に注意を要する。
令和2年度の改正法(令和2年法律第20号)は令和2年4月24日に公布され,同日に施行された。
したがって令和2年4月1日から同月23日までの員数は改正前の21,835人であり,「令和2年度の員数は21,818人である」というときの値は年度当初のものではない。

現在員は,同委員会で示された令和2年1月16日の時点で,判事が定員2,125人に対し2,073人,判事補が定員927人に対し772人である。
判事補には155人の欠員がある。

金額の側では,最高裁判所の項が要求本体78,712,096千円に対し当初予算78,977,113千円であり,下級裁判所の項が要求本体206,979,930千円に対し当初予算207,217,212千円である。
定員が差引で減っている年に,人件費を含む両項の予算額は要求本体を上回っている。
定員と予算額は連動しないから,どちらか一方から他方を推すことはできない。

第13 未確認事項

補正で積んだ額のうち令和2年度中に実際に支出された額は確認できていない。
裁判所ウェブサイトの決算のページの「補正予算の執行状況の公表について」に掲載されているのは令和6年度分以降であり,令和2年度については当初分と補正分を分けた公表資料が同ページにない。

「司法情報システム緊急整備費」592,392千円の執行状況も確認できていない。
繰越明許費として計上されているため,令和2年度中に全額が支出されたとは限らない。

項の検察審査費の実際の会議開催回数は確認できていない。
本記事の約1,494回は,支出済額を積算単価で割った換算値である。

補正予算(第1号)における「概算の変更の閣議決定」(令和2年4月20日)について,財政法18条2項の意見聴取が行われたかどうかは確認できていない。
同項は「前項の決定」すなわち概算の閣議決定について意見聴取を義務付けているが,変更の閣議決定が同条1項の決定そのものであるかは条文からは決まらない。

要望枠のうち「暮らしの安全・安心」及び「裁判手続等のIT化の推進」については,項別の配分を確認できていない。

概算要求の段階で何人の増員を要求していたかは確認できていない。
本記事の定員は,成立した改正法とその審議で示された数だけであり,要求と成立を対比したものではない。

第14 出典・参考資料1 法令

財政法(昭和22年法律第34号)14条の3,18条,19条,42条
予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)8条
検察審査会法(昭和23年法律第147号)14条,15条,21条,39条の2,41条の2
刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)188条の2,268条
破産法(平成16年法律第75号)23条
裁判所職員定員法(昭和26年法律第53号)1条,2条
検察官の職務を行う弁護士に給すべき手当の額を定める政令(昭和24年政令第372号)1条
令和2年政令第230号(令和三年度予算に係る歳入歳出等の見積書類の送付期限の特例を定める政令。官報令和2年7月28日号外第155号19頁)

以上はいずれも令和8年9月6日にe-Gov法令検索で確認した本文による。

2 最高裁判所規則

民事訴訟費用等に関する規則(昭和46年最高裁判所規則第5号)2条,6条,7条,8条

最高裁判所規則はe-Gov法令検索に収録されていないため,裁判所ウェブサイトの規則集により確認した。

3 概算要求書及び各目明細書

最高裁判所「令和2年度一般会計歳出概算要求書」(129頁。紙面の標題は「令和2年度歳出概算要求書」)
最高裁判所「令和2年度概算要求の概要」
最高裁判所「新しい日本のための優先課題推進枠 要望一覧」
最高裁判所「令和2年度概算要求書(説明資料Ⅰ・Ⅱ)」(461頁及び449頁。裁判所ウェブサイト未掲載)
最高裁判所「令和2年度予算の概要」
最高裁判所「令和2年度一般会計歳出予算各目明細書」(18頁。紙面の標題は「令和2年度裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書 第201回国会(常会)提出」)
最高裁判所「令和2年度一般会計歳出予算補正(第2号)各目明細書」
最高裁判所「令和2年度一般会計歳出予算補正(第3号)各目明細書」

以上の名称は,裁判所ウェブサイトの「令和2年度予算」の頁のリンク文言による。
紙面の標題が異なるものは括弧内に併記した。

4 予算書,決算及び統計

財務省「令和2年度 一般会計歳入決算明細書及び歳出決算報告書(科目別内訳)」(CSV)
財務省「令和2年度 一般会計歳入決算明細書及び歳出決算報告書」(862頁。裁判所所管の不用理由は78頁から82頁まで)
財務省「令和2年度 一般会計歳入歳出決算」(106頁)
財務省「令和2年度 一般会計当初予算」(1,117頁)
財務省「令和2年度 一般会計補正予算(第1号)」(281頁),同「(第2号)」(216頁),同「(第3号)」(693頁)
裁判所「令和2年度裁判所決算」
裁判所「裁判所データブック2020」別表「証人等日当等」

5 官報及び閣議了解

インターネット版官報(令和元年5月から9月まで及び令和2年7月)
「令和2年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(令和元年7月31日閣議了解)

6 国会会議録

第201回国会衆議院法務委員会第5号(令和2年3月18日)及び同第6号(令和2年3月31日)並びに同参議院法務委員会第6号(令和2年4月14日)及び同第7号(令和2年4月16日)
いずれも裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審議であり,国会会議録検索システムにより確認した。

7 議案情報

参議院議案情報「令和二年度一般会計補正予算(第3号)」(第204回国会(常会)提出番号1。提出日令和3年1月18日,参議院議決令和3年1月28日)
参議院議案情報「令和二年度一般会計歳入歳出決算、令和二年度特別会計歳入歳出決算、令和二年度国税収納金整理資金受払計算書、令和二年度政府関係機関決算書」(第207回国会提出番号1。提出日令和3年12月6日。参議院の是認及び衆議院の議決は,第208回国会及び第213回国会の同じ議案の頁による)
衆議院「国会会期一覧」(第204回及び第207回の召集日及び会期終了日)

8 関連記事

同じ型で各年度を扱った記事は次のとおりである。
突き合わせた系列は年度によって異なり,令和7年度及び令和8年度は決算を含まず,令和8年度は暫定予算を含む。

裁判所の令和3年度予算
裁判所の令和4年度予算
裁判所の令和5年度予算
裁判所の令和6年度予算
裁判所の令和7年度予算
裁判所の令和8年度予算

予算・決算の数値をどこから取るか
裁判所の予算は誰が決めているのか
決算はどの欄でできているか――9つの欄と2本の恒等式
決算に書かれている「理由」の探し方
最高裁判所の概算要求書(説明資料)
令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求
司法修習生研修委託費
司法研修所の概算要求書単価表

裁判所の令和7年度予算-概算要求,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間2 結論第2 四つの数字は互いに別物である1 概算要求2 当初予算3 補正予算4 決算5 どこで入手できるか第3 令和7年度の四つの数字1 総額2 要望を分母に入れるかどうか3 歳出予算現額の推計4 令和7年度決算が未公表であること第4 (項)別に見ると,落ちているのは裁判費だけである1 概算要求と当初予算2 人件費の項が要求を上回る理由3 補正後の姿4 補正予算を読むときの二つの注意(1) 差引額だけを見ない(2) 修正減少は実績に合わせた落とし込みであることが多い第5 裁判手続等のデジタル化関連経費1 要求の半分しか付いていない2 補正予算で戻る第6 補正予算は,計上した年度には使われていない1 執行状況2 繰越先の年度まで追える例3 年度の実力の測り方4 令和6年度決算の執行率第7 「削られた」と書けるかどうか第8 予納郵券の廃止が,予算の(目)に現れている1 (目)の新設と改称2 民事訴訟費用等に関する法律の改正との対応3 実務上の意味第9 歳入-相続人不存在で国庫に帰属する金銭1 歳入の補正は歳出の補正より大きい2 (目)雑収とは何か3 実務上の意味第10 定員第11 未確認事項第12 出典・参考資料1 法令2 裁判所の予算・決算資料3 統計・データ第13 関連記事1 同じ型で各年度を扱った記事2 資料の読み方を扱った記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間

この記事は,令和7年度の裁判所所管の一般会計について,概算要求,当初予算,補正予算及び決算という四つの数字を並べ,どこで金額が動いたのかを追ったものである。
調査の基準日は令和8年9月7日であり,金額の取得日は同月6日である。
資料の対象期間は,比較のために令和3年度から令和8年度までを含む。
本文の金額は,特記しない限り千円単位であり,決算の数値だけは円単位である。

裁判所の予算がどのような手続で決まるのか,財政法19条の二重予算の制度がどうなっているのかについては,別の記事である裁判所の予算は誰が決めているのか-二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
この記事は,手続そのものではなく,四つの数字の突合せに絞る。

2 結論

令和7年度の概算要求額は,要望を含めて3479億3262万4000円であった。
これに対する当初予算額は3351億9243万9000円であり,要求・要望計に対する割合は96.3%である。
ところが,同年度の補正予算(第1号)で261億9977万2000円が追加され,補正後の改予算額は3613億9221万1000円となった。
要求・要望計に対する割合は103.9%になり,逆転する。

総額だけを見ると「ほぼ要求どおり」に見えるが,内訳は均一ではない。
(項)裁判費だけが要求377億2937万8000円に対して当初予算263億6090万1000円(69.9%)と大きく落ち,最高裁判所,下級裁判所及び裁判所施設費はいずれも当初予算が要求を上回っている。
落ちているのは人件費ではなく,裁判手続のデジタル化を含む事件処理の実費である。

もっとも,その裁判費も補正予算で386億9494万円まで戻り,要求比102.6%になる。
当初予算で落ち,補正予算で戻るという往復が起きている。

そして,その補正予算は,計上した年度にはほとんど使われていない。
令和6年度補正予算の「裁判手続等のデジタル化等」169億円は,令和6年度中の支出済額が1億円で,167億円が令和7年度へ繰り越され,令和7年度に164億円が支出された。
令和7年度補正予算の210億円も,令和7年度中の支出済額は6億円で,200億円が令和8年度へ繰り越されている。
したがって,ある年度に裁判所が実際に使える金は,当初予算そのものではなく,当初予算に前年度補正からの繰越額を足した額である。

第2 四つの数字は互いに別物である
1 概算要求

正確には,財政法17条1項の見積書類である。
同項は,衆議院議長,参議院議長,最高裁判所長官及び会計検査院長が,毎会計年度,その所掌に係る「歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積に関する書類」を作製し,これを内閣における予算の統合調整に供するため内閣に送付しなければならないと定めている。
「概算要求」は法令上の用語ではなく,この見積書類の通称にすぎない。

なお,内閣総理大臣及び各省大臣の見積書類は,同条2項により財務大臣へ送付される。
1項の四者だけが内閣へ送付する点が,各省庁との違いである。

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裁判所の令和3年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間2 4系列の総額3 この記事で新たに示すこと第2 令和3年度は概算要求の作り方が違う年である1 要求額は「基本的に対前年度同額」とされた2 送付期限も政令で9月30日に変更された3 令和3年度予算の時系列第3 概算要求と当初予算-(項)裁判費を目まで突き合わせる1 総額の差は4,786,906千円である2 13の目のうち11の目が1円まで一致する3 差が出た2つの目4 【要望】42億9575万2000円の行方第4 当初予算が政府案どおり成立したことの確かめ方第5 補正予算(第1号)で動いた額1 差引は33,904千円の減である2 追加6目と修正減少11目3 補正予算のCSVには符号の罠がある4 補正で積んだ額は令和3年度には使われていない第6 決算-現額,支出済,繰越及び不用1 歳出予算現額は当初予算額と一致しない2 (項)裁判費の目別執行率3 保証金は5年連続で執行実績がない4 令和3年度の不用額の理由第7 定員-要求段階の据置きと予算定員の変動は別である第8 未確認事項第9 出典・参考資料1 法令2 官報3 予算書,決算書及び概算要求書4 閣議資料5 国会会議録6 関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 対象,調査の基準日及び資料の対象期間

裁判所の予算については,概算要求額と成立した予算額の差が語られることが多いが,その差がどの費目でどれだけ生じ,補正予算でどう動き,最終的にいくら使われたのかを,一つの年度について通しで並べた資料は見当たらない。
本記事は,裁判所所管の令和3年度予算について,概算要求,当初予算,補正予算及び決算の4系列を,(項)裁判費については目のレベルまで突き合わせたものである。
資料の読取り,計数及び突合はいずれもAIを用いて行い,金額はすべて公表資料の実数をそのまま用いた。

本記事の調査の基準日は令和8年9月6日であり,法令の適用時点も同日である。
資料の対象期間は,令和2年7月の概算要求の方針から令和3年度決算までであり,執行率の比較のために令和2年度から令和6年度までの決算を用いた。
令和7年度の決算は基準日の時点で公表されていない。

制度そのもの,すなわち裁判所の予算だけが通る手続と,財政法19条の附記(二重予算)が令和2年度から令和8年度まで0件であることの意味については,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
同記事の計数には令和3年度分も含まれており,令和3年度についても附記は0件である。
本記事は,そこで示した枠組みを前提として,令和3年度という一つの年度の実額を追う。

2 4系列の総額

単位は千円である。

系列金額①概算要求等額(要求本体325,859,066+要望4,295,752)330,154,818②当初予算額(成立。国会修正なし)325,367,912③改令和3年度予算額(補正第1号後。以下「改予算額」という。)325,334,008④歳出予算現額336,278,703⑤支出済歳出額319,675,693

②と①の差は4,786,906千円である。
③と②の差は33,904千円の減である。
④は③に前年度からの繰越額10,944,695,125円を加えた336,278,703,125円であり,1円まで一致する。
⑤は319,675,693,505円であり,④に対する執行率は95.06%である。
残りは翌年度繰越額8,117,773,222円と不用額8,485,236,398円であり,⑤との合計は④に1円まで戻る。

3 この記事で新たに示すこと

①(項)裁判費の13の目のうち11の目で,概算要求額と当初予算額が1円まで一致していること。
②その一致が査定の緩さを示すものではなく,令和3年度に固有の要求ルールの結果であること。
③補正予算で追加された額が,令和3年度中には支出されず,翌年度繰越額と1円まで一致すること。
④要求額と予算額が一致した目の多くが,決算では半分前後しか執行されていないこと。
⑤要求段階で定員が据え置かれたことと,予算定員が据え置かれたことは別であること。

第2 令和3年度は概算要求の作り方が違う年である
1 要求額は「基本的に対前年度同額」とされた

令和3年度の概算要求の方針は,「令和3年度予算の概算要求の具体的な方針について」(令和2年7月21日閣議 財務大臣発言要旨)という形で示されている。
その第2項は,要求期限を延ばすことに続けて,「概算要求の段階で予算額を決めることはせず、その仕組みや手続きをできる限り簡素なものとします」とする。

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決算に書かれている「理由」の探し方-一般会計歳入歳出決算と決算参照で収録範囲が違う(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 二つの冊に同じ理由が載り,収録範囲だけが違う2 調査の基準日,対象期間及び適用時点3 この記事が扱わない範囲第2 冊は二つあり,作成者が違う1 一般会計歳入歳出決算2 一般会計決算参照3 裁判所所管の歳出決算報告書を作るのは最高裁判所長官である4 二つの冊の対照第3 不用額の理由-歳入歳出決算は5億円,決算参照は約1,000万円1 歳入歳出決算は掲載の基準を本文に書いている2 決算参照に掲載の基準の記載はない3 件数では2.7倍だが,金額では1.2ポイントしか違わない4 裁判所所管で実際に何が起きたか第4 法律が唯一「理由を書け」と命じたものは,歳入歳出決算にない1 財政法第33条第4項2 実際に決算参照にしかない3 裁判所所管の流用の理由第5 繰越しの事由は,どちらの冊にもない1 法令は繰越計算書に事由の記載を求めている2 しかし決算には綴られていない3 条文の構造どおりである4 予備費は第三の冊にある5 もっとも,予算の段階には事由の欄がある第6 歳入の増減理由も粒度が違う第7 収録範囲の差を定めた規範は辿れない1 法律は理由の記載をほとんど求めていない2 歳入歳出決算は自分で範囲を宣言している3 辿れないのは決算参照の側である4 言えるのはここまでである第8 実務的な探し方1 決算参照を「理由」で全文検索してはならない2 決算参照で使う検索語3 資料の取得経路(1) 年度別アーカイブ(2) 直接のリンク(3) 語句検索(4) CSV4 決算が公表される時期5 会計検査院の資料は,年度別の決算検査報告ではない第9 実務上の意味と,本記事で確認できなかったこと1 実務上の意味2 本記事で確認できなかったこと出典法令決算書(財務省予算書・決算書データベース)会計検査院関連記事
第1 この記事の対象と結論
1 二つの冊に同じ理由が載り,収録範囲だけが違う

国の決算で「なぜその予算が使われなかったのか」という理由の文章を読める資料は,財務省の予算書・決算書データベースに二つある。
一つは決算の本体である「一般会計歳入歳出決算」であり,もう一つはその添付書類を綴った「一般会計決算参照」である。
この二つは,同じ不用額の理由を載せながら,収録する範囲が大きく違う。

令和6年度でいえば,歳入歳出決算に載っている不用額の理由は232件であり,決算参照に載っているそれは634件である。
歳入歳出決算には「このうち、1項5億円以上のものについて」という限定が本文に書かれている。
決算参照には,そのような限定の記載がない。

さらに,財政法が唯一「理由を記載しなければならない」と命じている移用及び流用の理由は,歳入歳出決算には1件も載っておらず,決算参照にしかない。
したがって,歳入歳出決算だけを見て「国は理由を説明していない」と判断してはならない。
他方で,繰越しの事由は,法令上は書面の作成が義務づけられているのに,どちらの冊にも載っていない。

2 調査の基準日,対象期間及び適用時点

この記事は,令和8年9月7日を調査の基準日として作成した。
資料の対象期間は,令和2年度から令和6年度までの一般会計の決算である。
令和7年度の決算は,本記事の作成時点で公表されていない。

法令は,同日現在のe-Gov法令検索で確認した現行の財政法及び予算決算及び会計令による。
本記事は,決算書の原本PDFを機械で読み取り,決算CSVと突き合わせて作成したものであり,作成には人工知能を用いている。

3 この記事が扱わない範囲

対象は一般会計に限る。
特別会計及び政府関係機関の決算は,同じ体系の冊が別に用意されているが,本記事では確認していない。

裁判所の予算がどのように編成されるかについては,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったことで扱っている。
本記事は,その先の段階である決算の読み方を対象とする。

本記事が扱うのは,二つの冊に理由がどう載るかである。
決算の欄そのものがどう組まれているかは決算はどの欄でできているか――9つの欄と2本の恒等式で,概算要求書から決算検査報告までの数値の取得先の使い分けは予算・決算の数値をどこから取るか-概算要求書,予算書,各目明細書,決算書及び決算検査報告の使い分けで,それぞれ扱っている。

第2 冊は二つあり,作成者が違う
1 一般会計歳入歳出決算

財政法第38条第1項は,「財務大臣は、歳入決算明細書及び歳出の決算報告書に基いて、歳入歳出の決算を作成しなければならない」と定めている。
これが決算の本体であり,作成者は財務大臣である。

令和6年度版は117頁で,構成は,歳入歳出決算の総額,歳入歳出決算説明及び歳入歳出決算及び各事項の計算の三部である。

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決算はどの欄でできているか――9つの欄と2本の恒等式

第1 結論第2 前提第3 9つの欄1 欄の一覧2 条文が定めているのは7つだけである3 残る2つはどこから来るか(1) ⑥歳出予算現額(2) ⑤予算決定後移替増△減額第4 2本の恒等式1 恒等式①(入口側)2 恒等式②(出口側)3 全行で成立することの実測第5 3本目の等式――年度をまたぐ連鎖第6 動く3つの欄は,それぞれ違う階層でゼロになる1 ④流用等増△減額――所管の中でゼロ2 ⑤予算決定後移替増△減額――一般会計全体でゼロ3 ③予備費使用額――一般会計全体でゼロ第7 ⑤欄がゼロでも移替が無かったとは言えない第8 裁判所所管の9欄1 数値2 執行率3 ⑨不用額の理由が読める範囲4 ⑧翌年度繰越額の内訳――明許繰越と事故繰越第9 令和7年度の決算がまだ無いこと第10 実務上の使い方第11 未確認事項第12 出典1 法令(e-Gov法令検索・令和8年9月7日確認)2 予算書・決算書(財務省 予算書・決算書データベース)3 関連記事
第1 結論

国の歳出の決算は,9つの欄でできている。

①歳出予算額,②前年度繰越額,③予備費使用額,④流用等増△減額,⑤予算決定後移替増△減額,⑥歳出予算現額,⑦支出済歳出額,⑧翌年度繰越額及び⑨不用額である。

この9欄は,2本の恒等式で結ばれている。

恒等式①(入口側) ①+②+③+④+⑤=⑥

恒等式②(出口側) ⑥=⑦+⑧+⑨

⑥歳出予算現額は,この2本の式の結節点である。

上から積み上げた結果であると同時に,下へ配分される元になっている。

本記事では,令和2年度から令和6年度までの一般会計歳出決算報告書(科目別内訳)の全行を計算し,この2本の式が1円の狂いもなく成立することを確かめた。

破れた行は,5年度分合計約3万5000行のうち0行である。

もっとも,この9欄のうち,財政法が明文で列挙しているのは7つだけである。

⑤予算決定後移替増△減額と⑥歳出予算現額は,財政法38条2項の列挙に無い。

「移替」という語は,財政法にも予算決算及び会計令にも一度も出てこない。

その根拠は,毎年度の予算総則にある。

そして,9つの欄がどの科目についても揃って立つのは,実は決算参照のCSV版及びExcel版だけである。

印刷された決算書は,冊によって,また頁によって,欄の数が違う。

第2 前提

1 調査基準日は,令和8年9月7日である。

2 対象法域は日本,対象は国の一般会計の歳出決算である。

3 主な資料は,財務省の予算書・決算書データベース(bb.mof.go.jp)で公開されている令和2年度から令和6年度までの「一般会計歳入歳出決算」(PDF),「一般会計決算参照」(PDF)及び「歳入決算明細書及び歳出決算報告書(科目別内訳)」(CSV)である。

数値の集計は,5年度分のCSV(合計34,843行)を全行計算した。

4 条文は,e-Gov法令検索で調査基準日現在の本文を確認した。

5 地方公共団体の決算(地方自治法)及び特別会計の決算は対象外である。

6 裁判所の予算がどのように決まるかという手続の側面は,別稿「裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったこと」で扱った。

本記事は,その後段,すなわち成立した予算が決算としてどう表示されるかを扱う。

第3 9つの欄
1 欄の一覧

歳出決算報告書(科目別内訳)のCSVは,所管・組織・項名・目名などの区分欄に続けて,次の9つの金額欄を持つ。

①歳出予算額

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予算・決算の数値をどこから取るか-概算要求書,予算書,各目明細書,決算書及び決算検査報告の使い分け(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 対象,調査の基準日及び資料の範囲2 結論第2 予算の数値がどこにあるか1 要求段階(1) 根拠となる規定(2) どこで読めるか(3) 枠の名称は毎年変わる2 成立段階(1) 予算書の構成(2) 提出版と成立版が別にある(3) 「要求額」という欄名は成立予算額を指すことがある3 各目明細書は予算書に入っていない(1) 根拠となる規定(2) データベースには収録されていない(3) 予算定員は予算書の側に載る4 補正予算第3 決算の数値がどこにあるか1 財務省の決算書及びCSV(1) 科目別内訳のCSVが検算には最も扱いやすい(2) CSVでは取れない層は決算参照のPDFにある(3) 移替は,欄が0でも起きていることがある2 裁判所ウェブサイトの「裁判所決算の概要」3 決算検査報告4 省庁別財務書類5 最新年度の執行額は「補正予算の執行状況」で読める第4 同じ数値が三つの粒度で公表されている第5 決算の欄は七・八・九で数が違う第6 繰越の三区分と,三つの繰越の金額1 明許繰越,事故繰越及び逓次繰越2 三つの金額は別の資料にある(1) 事項の指定-予算書の丙号繰越明許費(2) 金額-各目明細書の「うち繰越明許費」(3) 実際に繰り越した額-決算(4) 三つは一対一で対応しない第7 「前年度予算額」は当初予算額と補正後の額に分かれる1 同じ欄名で中身が違う2 三つの資料は閉じる第8 いつ公表されるか1 根拠となる規定2 実際の提出日3 資料ごとの公表時期第9 実際の取り方1 予算及び決算の本体2 語句検索3 各省各庁の資料4 決算検査報告5 注意点6 年度ごとに突き合わせた例第10 確認できていないこと第11 出典・参考資料1 法令2 予算書及び決算書3 最高裁判所が公表した資料4 会計検査院

第1 この記事の対象と結論

1 対象,調査の基準日及び資料の範囲

本記事は,国の一般会計の予算及び決算の数値を,二次資料や報道によらずに一次資料から取るための手順を整理するものである。

対象は,概算要求書,予算書,各目明細書,補正予算書,歳入歳出決算,決算参照,決算検査報告,省庁別財務書類及び補正予算の執行状況の九種類である。

調査の基準日は令和8年9月7日であり,同日に財務省の予算書・決算書データベース,裁判所ウェブサイト,会計検査院検査報告データベース及びe-Gov法令検索で確認できた資料に基づく。

具体例には裁判所所管を用いる。
裁判所所管は歳出が令和6年度決算で78行と小さく,同じ数値を複数の資料で追いやすいためである。
もっとも,資料の構造が全所管に共通するとは限らない。
決算参照の科目別内訳のように,同じ一冊の中で所管によって欄の数が違うものがある(第5)。
以下では,一つの所管で見たことを冊全体の性質として一般化しないよう,観測した範囲を都度示す。

特別会計,政府関係機関及び地方公共団体の予算・決算は対象外である。

予算の額が誰の判断で決まるのかという問題は,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったこと(AIリライト)で扱った。
本記事は,額そのものではなく,額が載っている資料の側を扱う。

2 結論

① 同じ「支出済歳出額」が,円単位,千円単位及び百万円単位の三つの粒度で別々の資料に載っている。
円単位まで必要なら財務省の決算CSVを取るほかない。

② 決算の欄の数は,法令が七つ,歳入歳出決算の項別表が八つ,決算参照の科目別内訳が所管によって八つ又は九つ,決算CSVが九つで一致しない。
恒等式を組む前に,どの資料の欄を使っているかを確定させる必要がある。

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裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったこと(AIリライト)

第1 この記事が扱う範囲と結論1 対象,基準日及び資料の対象期間2 令和8年度の概算要求額と予算額3 公表資料から書けること4 公表資料からは書けないこと5 両側とも書けない理由第2 裁判所の予算だけが通る手続1 裁判所法83条2 財政法17条から21条まで3 予算決算及び会計令が定める期限と経路4 8月末という期限を定めているのは政令である5 内閣は政令でこの期限を動かせる(1) 令和3年度予算で実際に動かした例(2) 令和8年度予算については同種の政令を確認できない6 8月31日が休日に当たる年――行政機関の休日に関する法律7 裁判所の休日に関する法律及び民法142条も及ばない第3 二重予算――附記に至る道筋1 減額は閣議決定の通知の段階で明示される2 附記は最高裁判所が動いて初めて作られる3 附記に至る4段階4 唯一の実例――昭和27年度予算の営繕費第4 令和2年度から令和8年度まで,附記は0件1 どこを数えたか2 当初予算7本の結果3 補正予算も数える必要がある4 裁判所所管を計上していない3冊は判定に用いない5 対照の置き方6 数え直した結果7 この0をどう読むか(1) どの読み方をしても言えること(2) 読み方が分かれる理由――附記の引き金が条文によって違う(3) 第1の読み――附記は明細書が出たときに限られる(4) 第2の読み――19条の義務は減額があれば発生する(5) どちらとも決まらないが,実務上の見え方は変わらない8 この0から読めないこと第5 差はどこで生まれているのか――国会答弁1 時期は答弁で特定できる2 財務省の説明3 「三十九人」という数字の出どころ4 最高裁判所の説明5 同じ委員会にある正反対の評価6 令和6年度の同じ構図7 両論を併記する理由第6 予算書の金額欄の読み方1 「要求額」欄は概算要求額ではない2 「前年度予算額」欄は前年度の当初予算額ではない3 「要求額」という見出しは三か所にある第7 条文と予算資料の対応1 所管と見積書類の送付2 閣議決定,減額の通知及び附記3 予算書の体裁,提出及び補正4 配賦,移用・流用及び決算5 決算に現れる財政法33条6 決算に現れる裁判所法83条2項の予備金第8 「減額」と「差」の使い分け第9 出典・参考資料1 法令2 予算書・決算書及び概算要求書3 国会会議録4 閣議了解5 関連記事
第1 この記事が扱う範囲と結論
1 対象,基準日及び資料の対象期間

裁判所の概算要求額と,成立した予算額には差がある。
この差を「最高裁判所の要求が削られた」と書きたくなるが,裁判所の予算には各省庁とは異なる手続が用意されており,その手続を前提にすると,誰がどの段階でその差を作ったのかは公表資料からは分からない。
本記事は,裁判所法,財政法及び予算決算及び会計令の条文を確認した上で,令和2年度から令和8年度までの一般会計予算書を実際に数えた結果を整理するものである。

本記事の調査の基準日は令和8年9月6日であり,法令の適用時点も同日である。
条文はいずれも同日にe-Gov法令検索で確認した本文による。
予算書の計数の対象期間は令和2年度から令和8年度までの一般会計予算(当初及び補正)であり,決算については令和6年度分を用いた。
国会答弁は,令和4年4月14日及び令和6年4月4日の各参議院法務委員会の会議録による。

2 令和8年度の概算要求額と予算額

裁判所所管の令和8年度歳出概算要求書の総表によれば,概算要求額は359,169,102千円であり,前年度予算額335,192,439千円に対して23,976,663千円の増である。
これに「重要政策推進枠」としての要望額を加えた金額は,財務省が令和7年9月3日に公表した令和8年度一般会計概算要求・要望額の表では,裁判所所管につき概算要求額3,592億円・要望額58億円・計3,650億円と示されている。
他方,成立した令和8年度予算額は349,473,805千円である。
概算要求額との差は9,695,297千円であり,要望額を含めた要求・要望額との差は約155億円である。

「概算要求額」と「要求・要望額」は別の数字であるから,差を論じるときはどちらを指しているのかを先に決めておく必要がある。
以下では,条文上の手続を追う場面では概算要求額を,最高裁判所が公表する概算要求の概要の記載に即して述べる場面では要求・要望額を用いる。

なお,令和9年度概算要求の概要は本記事の基準日の時点で既に公表されており,要求・要望額は3,776億円(377,633百万円),令和8年度予算額349,474百万円に対して28,160百万円(8.1%)の増である。
この要求・要望額には,要望5,696百万円及び「強く豊かな日本」投資枠23,188百万円が含まれている。
令和9年度予算は基準日の時点で成立していないから,後述する附記の有無を数えることはできない。

3 公表資料から書けること

令和8年度の概算要求額359,169,102千円に対し,成立した予算額は349,473,805千円であり,その差は9,695,297千円である。

財政法19条の附記は,令和2年度から令和8年度までの一般会計予算書に1件もない。
裁判所所管が計上されている当初7本・補正7本の計14本・12,733頁を数えた結果である(補正のうち3本は裁判所所管を計上していないので判定に用いない)。
すなわち,この7年度に,附記を伴う事態,つまり二重予算は生じていない。
もっとも,これは制度が一度も使われたことがないという意味ではなく,昭和27年度予算の営繕費については実際に附記に至っている(第3の4)。

ただし,附記が0件であることが「最高裁判所長官が予定経費増額要求明細書を出さなかった」ことを意味するのか,「内閣が減額しなかった」ことを意味するのかは,条文の文言だけでは決まらない(第4の7)。

4 公表資料からは書けないこと

「内閣が削減した」「最高裁判所の要求が削られた」とは書けない。
誰がどの段階で差を作ったのかは,公表資料からは分からないからである。

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司法制度改革審議会意見書の実現状況―実現した改革と実現しなかった目標(AI作成)

第1 この記事の対象と結論
1 検証の対象と基準日
2 結論

第2 制度として実現した主要な改革
1 民事・行政事件の専門化及び手続整備
2 法テラス,民事法律扶助及び公的弁護
3 刑事手続及び検察審査会
4 裁判員制度その他の国民参加
5 裁判官の指名,人事評価及び外部経験

第3 期限どおりに実現しなかった数値目標
1 司法試験合格者年間3,000人
2 実働法曹人口5万人規模
3 法曹人口の地域的偏在
4 民事事件の平均審理期間のおおむね半減

第4 制度は実現したが当初構想の修正を要した法科大学院
1 制度創設と当初の成果像
2 組織見直しと5年累積合格率
3 制度変更後の位置付け

第5 現在も実現していない主要提言
1 特例判事補制度の解消
2 弁護士報酬の敗訴者負担

第6 未実現と誤解しやすい事項及び評価上の限界
1 取調べの録音・録画は意見書の最終提言ではないこと
2 制度の存在と制度の成果を分けること

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最高裁判所は判決をどう決めるか-大法廷・小法廷・評議・多数意見・少数意見(AI作成)

第1 最高裁判所の判決・決定ができるまでの全体像

1 この記事が扱う範囲

2 決定過程の順序

3 個別事件の裁判と裁判官会議による司法行政の違い

第2 小法廷への事件分配と最高裁判所調査官の調査

1 三つの小法廷と定足数

2 小法廷の裁判長と主任裁判官

3 事件分配は毎年の基準による

4 最高裁判所調査官の法的役割

第3 評議の秘密,各裁判官の意見及び多数決

1 評議は公開されない

2 すべての裁判官に意見陳述義務がある

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非常勤裁判官(民事調停官及び家事調停官)―任命,権限及び調停委員との違い(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

第2 非常勤裁判官と調停委員の違い

第3 制度の沿革

1 平成15年改正による創設

2 家事調停官の根拠規定の移管

第4 任命資格,任命権者及び任期

第5 権限

1 民事調停官の権限

2 家事調停官の権限

3 独立してその職権を行う旨の規定

第6 身分保障並びに除斥及び忌避

第7 手当その他の給付

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名古屋高裁の裁判官会議議事録

名古屋高裁の裁判官会議議事録を以下のとおり掲載しています。

令和元年 6月21日,令和元年12月20日,令和2年 6月26日,
令和2年12月18日,令和3年 6月25日,令和3年12月17日,
令和4年 6月24日,令和4年12月16日,令和5年 6月23日,
令和5年12月25日,令和6年 6月28日,令和6年12月23日,
令和7年 6月27日,令和7年12月12日,

首席家裁調査官事務打合せ

1 首席家裁調査官事務打合せに関する文書を以下のとおり掲載しています。

平成30年:家庭局説明事項,協議結果,
平成31年:家庭局説明事項,協議結果,
令和 4年:家庭局説明事項,協議結果,
令和 5年:家庭局説明事項,協議結果

2 ファイル名は,①令和5年度首席家庭裁判所調査官事務打合せにおける家庭局説明事項,及び②令和5年度首席家庭裁判所調査官事務打合せにおける協議の結果について,といったものです。

後見関係事件事務打合せ

後見関係事件事務打合せを以下のとおり掲載しています。

令和元年度,令和2年度,令和3年度,令和4年度,

家事事件担当裁判官等協議会

家事事件担当裁判官等協議会に関する文書を以下のとおり掲載しています。

平成29年度,平成30年度(後見)
令和2年度(後見,調停),令和3年度(後見,調停)
令和4年度(後見,調停),令和5年度,令和7年度,

判事補・検事の初任給調整手当―支給額・対象及び制度趣旨(AI作成)

目次

第1 結論
第2 令和8年4月1日現在の支給額
第3 誰が対象となるか
1 判事補
2 検事
第4 制度趣旨
1 任官者を確保するための待遇改善
2 昭和46年4月に導入されたこと
第5 報酬月額・年収との関係
第6 よくある質問
1 すべての判事補に支給されるか
2 判事にも支給されるか
3 判事補と検事で金額は同じか
第7 関連記事
第8 出典

第1 結論
初任給調整手当は、判事補及び検事のうち一定の号にある者に、報酬・俸給月額とは別に毎月支給される手当である。

令和8年4月1日現在、判事補5号から12号まで及び同じ給与月額の行にある検事について、月額1万9200円から8万7800円までが定められている。

判事補12号又は検事20号の手当が最も高く、号が上がって報酬・俸給月額が増えるにつれて手当は段階的に減り、判事補4号以上には表示されていない。
第2 令和8年4月1日現在の支給額

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裁判官・検察官の給与月額表―最新版と平成30年以降の過去資料

目次

第1 結論
第2 令和8年4月1日現在の給与月額表
1 最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官等
2 判事・判事補・簡易裁判所判事、検事・副検事
第3 初任給調整手当は月額表の別枠である
第4 平成30年以降の給与月額表
第5 給与月額表の読み方
1 「号」は在職年数そのものではない
2 月額と年収は異なる
3 判事1号から5号までと指定職俸給表
第6 よくある質問
1 裁判官の給料は一律か
2 表の金額は手取りか
3 退職金は給与月額表から分かるか
第7 出典

第1 結論

裁判官及び検察官の基本となる月額は、裁判官については「報酬月額」、検察官については「俸給月額」として法律で定められている。

裁判所データブック2026「裁判官の報酬等」によれば、令和8年4月1日現在、最高裁判所長官の報酬月額は209万5000円、判事1号及び検事1号は122万4000円、判事補1号及び検事9号は45万9000円である。

ここでいう月額は、地域手当、初任給調整手当、期末手当及び勤勉手当などを加える前の基礎額であり、手取り額又は年収そのものではない。

第2 令和8年4月1日現在の給与月額表
1 最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官等

裁判官検察官報酬・俸給月額

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裁判官の報酬月額と指定職俸給表の比較―判事1号から5号までの位置付け(AI作成)

目次

第1 結論
第2 判事1号から5号までの同額関係
第3 指定職俸給表の令和8年現在の月額
第4 「対応官職」と断定できない理由
1 裁判官の報酬月額は裁判官報酬法の別表で定まる
2 裁判官報酬法9条は「報酬以外の給与」を準用対象とする
3 指定職の官職と号俸は年度ごとに確認を要する
第5 司法行政部門の指定職との関係
第6 年収を比較するときの注意点
第7 よくある質問
1 判事1号は事務次官と同じ役職か
2 判事2号は指定職7号俸と同額か
3 判事5号より低い判事の号も指定職と同額か
第8 出典

第1 結論
令和8年4月1日現在、判事1号から5号までの報酬月額は、一般職の指定職俸給表8号俸、6号俸、5号俸、3号俸及び1号俸とそれぞれ同額である。

ただし、これは月額の同額関係を示すものであり、判事の各号と特定の行政官職とが法令上、一対一で対応するという意味ではない。

具体的な行政官職への指定職号俸の割当ては、年度ごとの人事院の意見等で確認する必要がある。
第2 判事1号から5号までの同額関係

判事の号

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裁判官の退職金(退職手当)はいくらか―推定額・計算方法・税金(AI作成)

目次

第1 裁判官の退職金はいくらか
1 結論
2 個人ごとの正確な金額を出せない理由
第2 下級裁判所の裁判官の退職手当の計算方法
1 基本額と調整額
2 支給率
第3 下級裁判所の裁判官の推定額
1 判事1号で勤続35年の場合
2 判事4号で勤続35年の場合
3 試算を見る際の注意点
第4 最高裁判所裁判官の退職手当
1 特例法の計算式
2 最高裁判所長官として6年間在職した場合
3 最高裁判所判事として6年間在職した場合
第5 早期退職、任期終了及び支給制限
1 早期退職
2 任期終了前後の退官
3 支給制限等
第6 裁判官の退職金にかかる税金
1 退職所得控除
2 勤続5年以下の場合の注意
3 源泉徴収と確定申告
第7 よくある質問
1 裁判官の退職金は平均いくらか
2 裁判官の退職金は報酬月額の何か月分か
3 退職時の号が分かれば正確に計算できるか
4 裁判官の年収と退職金の関係は何か

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神戸地裁事務分配等規程における引用条文の改め忘れ――一時保護状導入による条番号のずれ(AI作成)

第1 対象と記事の射程
第2 条文引用のずれの内容

1 令和7年6月1日改正で新設された第28条
2 繰り下がった条番号と繰り下がらなかった引用
3 もう一つの誤り――第35条

第3 条文どおりに読んだ場合に生じる不整合
第4 民事編との対比
第5 令和8年度版でも修正されていない
第6 事務分配等規程の位置付けと入手方法
出典

第1 対象と記事の射程
神戸地方裁判所は,毎年度,本庁及び伊丹支部・尼崎支部・明石支部における事件の配点方法を定める「神戸地方裁判所事務分配等規程」を策定しており,山中弁護士のブログの別記事では令和2年度分から令和8年度分までの規程原本のPDFが掲載されている。この規程の刑事編について,令和5年度版から令和8年度版までの原本PDFを条文単位で照合したところ,令和7年6月1日に施行された改正児童福祉法(一時保護開始時の司法審査の導入)に対応して第28条が新設された結果,後続する条文の番号が1つずつ繰り下がったにもかかわらず,2箇所の引用条文が旧条番号である「第29条」のまま改められていないことが判明した。この状態は令和7年度版で生じ,令和8年度版(現行)でも修正されていない。

以下では,山中弁護士に開示された規程原本のPDFを比較する形で,条番号のずれの内容,これが生じた経緯及び民事編との違いを整理する。個別の事件における配点の帰結を論じるものではなく,神戸地裁の事務分配等規程という開示資料そのものを対象とする。
第2 条文引用のずれの内容
1 令和7年6月1日改正で新設された第28条
児童福祉法33条は,児童相談所長又は都道府県知事が児童の一時保護を開始する場合,原則として一時保護を開始した日から起算して7日以内に,これらの者の所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所,家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に一時保護状を請求しなければならないと定める(同条3項)。同条7項ただし書は,裁判官が一時保護状の請求を却下する裁判をした場合に,児童相談所長又は都道府県知事がその裁判の取消しを請求できる場合を定め,同条8項は「前項ただし書の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は,合議体で決定をしなければならない。」と定めている。

この一時保護開始時の司法審査の仕組みは,令和4年法律第66号による児童福祉法改正で設けられたものである。こども家庭庁が公表した資料は,「令和4年6月に成立した児童福祉法改正法において,一時保護の開始時の司法審査を導入(令和7年6月1日施行)。」としている。厚生労働省が公表した改正法の概要でも,この部分の施行期日は「公布後3年以内で政令で定める日」とされ,同じ改正法の他の多くの事項(原則令和6年4月1日施行)とは別に扱われていた。

神戸地裁の事務分配等規程(刑事編)は,この改正に対応して第28条を新設し,「児童福祉法に規定する一時保護状の請求却下の裁判に対する取消請求事件の配付については,本庁刑事部所属の裁判官の協議による。」と定めた。令和5年度版及び令和6年度版の規程原本には「一時保護」という語自体が1件も出現しないのに対し,令和7年度版(令和7年6月1日現在)及び令和8年度版(令和8年4月1日現在)ではこの第28条から一時保護状関係の記載が現れる。なお,神戸地裁の事務分配の原本PDFのうち,令和7年度版のみが「令和7年4月1日現在」ではなく「令和7年6月1日現在」という他の年度とは異なる基準日で山中弁護士に開示されており,この基準日は一時保護状関連規定の施行日と一致する。
2 繰り下がった条番号と繰り下がらなかった引用
第28条の新設により,旧規程で第28条以下であった各条は,令和7年度版及び令和8年度版でそれぞれ1つずつ後ろの番号に繰り下がった。次の表は,令和5年度版・令和6年度版(一時保護状導入前)と令和7年度版・令和8年度版(導入後,現行)の対応関係を,規程原本のPDFに基づいて整理したものである。

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執行官数の推移

1(1) 執行官数推移(昭和42年度~平成29年度)を掲載しています。
(2) 平成29年4月1日現在,大阪地裁本庁の執行官は20人であり,堺支部の執行官は5人であり,岸和田支部の執行官は3人です。

2 全国の地方裁判所の本庁支部における執行官数を記載した文書(執行官配置一覧)を以下のとおり掲載しています(「執行官等配置一覧(R7.4.1現在)→執行官の総数は238人」といったファイル名です。)。
・ 令和 7年4月1日現在のもの(総数は238人)
・ 令和 6年4月1日現在のもの(総数は245人)
・ 令和 5年4月1日現在のもの(総数は246人)
・ 令和 4年4月1日現在のもの(総数は258人)
・ 令和 3年4月1日現在のもの(総数は259人)
・ 令和 2年4月1日現在のもの(総数は270人)
・ 平成31年4月1日現在のもの(総数は286人)
・ 平成30年4月1日現在のもの(総数は318人)
・ 平成29年4月1日現在のもの(総数は338人)

3 執行官につき,ピーク時の平成16年度は650人いました。

文書提出命令(AI作成)

目次

第1 制度の位置付けと本記事の範囲

1 独立した証拠探索手続ではないこと
2 最高裁判例記事との役割分担
3 作業を四段階に分けること

第2 文書提出義務の法的構造

1 四つの提出義務原因
2 一般的提出義務の除外事由
3 提出義務と証拠調べの必要性
4 任意開示請求権との区別

第3 申立て前の低負担調査

1 証明目的,経済的利益及び期限
2 文書の存在,保存及び現在の所持
3 任意取得及び嘱託を先行させる場合
4 文書提出命令へ進む条件

第4 申立書の作成と提出

1 法定の記載事項

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調停委員に対する最高裁判所長官表彰の被表彰者名簿

1 調停委員に対する最高裁判所長官表彰の被表彰者名簿は以下のとおりです。
(令和時代)
令和元年度,令和2年度,令和3年度,令和4年度,
令和5年度,令和6年度,令和7年度,
(平成時代)
平成25年度,平成26年度,平成27年度
平成28年度,平成29年度,平成30年度
* 「令和4年度民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰被表彰者名簿」といったファイル名です。

2 令和2年1月31日付の司法行政文書不開示通知書によれば,平成24年度以前の最高裁判所長官表彰被表彰者名簿は,令和2年1月31日までに廃棄されました。

3 「民事・家事調停委員の表彰制度―最高裁・高裁・地家裁の基準と名簿(AIリライト)」も参照してください。

最高裁判所長官の地位,権限及び選任―任命の仕組み,国民審査及び実務上の留意点(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と根拠資料の扱い

1 対象とする論点
2 根拠資料の優先順位

第2 最高裁判所長官の地位

1 任命の非対称―天皇が任命する官職
2 最高裁判所の構成員としての地位と任命資格
3 三権の長としての地位

(1) 報酬の均衡
(2) 皇室会議の構成員

第3 最高裁判所長官の権限

1 司法行政事務の総括
2 裁判における役割と大法廷への回付

第4 選任及び退任の仕組みと慣行

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最高裁判所事務総長とは――法的根拠・組織・実務上の意味(AI作成)

目次

第1 最高裁判所事務総長の法的位置づけ

1 事務総局と事務総長の設置根拠
2 司法行政権の所在――裁判官会議と事務総局
3 事務総長の身分の特殊性

(1) 在任中は裁判官の身分を離れること
(2) 認証官ではないこと

第2 事務総局の組織

1 事務総長・事務次長と各局・課
2 附属機関と局付判事

第3 事務総長・事務総局が実務に現れる場面

1 事務総長依命通達
2 国会答弁――「最高裁判所長官代理者」
3 司法行政文書の情報公開

(1) 情報公開法が裁判所に適用されないこと
(2) 開示申出の手続と不服申立て

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高等裁判所事務局長(AI作成)

◯ 司法行政の担い手を,最高裁判所裁判官会議・最高裁判所事務総長・下級裁判所事務局長まで横断的に整理した司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長も参照してください。本記事は,そのうち「高等裁判所事務局長」という一つの職に対象を絞ったものです。

目次

第1 本記事の対象と,総論記事との役割分担

1 対象と結論の要旨
2 既存の総論記事との棲み分け

第2 設置の根拠と職務権限

1 事務局と事務局長の設置(裁判所法21条・59条1項)
2 職務——事務の掌理と職員の指揮監督(裁判所法59条2項)
3 勤務裁判所の指定の対象から除かれること(裁判所法65条)

第3 高裁事務局長には誰が就くか——判事と裁判官以外の職員の非対称

1 高裁は判事,地裁・家裁は裁判官以外の職員
2 「裁判所事務官の中から補する」との整合(裁判所法59条1項・64条)
3 事務局次長・課長の任用(下級裁判所事務処理規則24条)

第4 格付けとキャリア上の位置

1 高裁事務局長は裁判官の報酬による職
2 一般職の到達点としての事務局次長(指定職の序列)

第5 事務局の内部組織と事務分掌

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榎本光宏 最高裁判所デジタル審議官「裁判所のデジタル化の現状と将来(民事訴訟を中心に)」の論評(AI作成)

◯本ブログ記事は,榎本光宏・最高裁判所デジタル審議官「裁判所のデジタル化の現状と将来(民事訴訟を中心に)」(司法研修所令和7年度民事通常専門研究会4,令和8年2月19日)をAIで論評したものである。

◯従前の紙記録を前提とした処理をそのまま電子化することができない理由の詳細は「従前の紙記録を前提とした実務をそのままでは電子化できない理由」を,mintsを用いた電子申立て・証拠提出・送達の具体的な運用については「mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&A」を参照されたい。

目次

第1 本件文書の位置づけと論評の視点

1 本件文書の性格と射程
2 論評に当たり確認した一次資料

第2 本件文書の要旨

1 システム開発が難航した4つの要因
2 業務再構築(BPR)の理想と現実

第3 本件文書が前提とする現行法と施行日程

1 民事訴訟手続の全面デジタル化
2 民事訴訟以外の手続と今後の施行

第4 本件文書の説明の正確性と客観資料との整合

1 「紙記録を作り続けている」という指摘の裏付け
2 公共調達・時間的制約という要因の位置づけ
3 TreeeSが全面施行に間に合わなかったこと
4 mintsとTreeeSと紙の併存

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書記官事務の査察(AI作成)

裁判所書記官の事務(記録の作成保管,送達,保管金や収入印紙の取扱い等)が適正かつ能率的に処理されているかは,司法行政監督権を背景とする内部の点検によって担保されている。本記事は,この「書記官事務の査察」の法的根拠と実施構造を,法令,最高裁判所規則,事務総長依命通達,情報公開により開示された査察結果報告書及び国会答弁に基づいて整理し,弁護士が書記官事務の取扱いに疑義を持ったときにどの手続を選び得るかを検討する。個別の事務処理の当否は,具体的な経過及び資料によって異なる。

目次

第1 本記事の対象と射程

1 書記官事務とその適正確保の必要
2 「監督」「査閲」「査察」「監査」「巡閲」の区別

第2 査察の法的根拠

1 司法行政監督権とその限界(裁判所法80条・81条・82条)
2 首席書記官による査閲と査察の授権

(1) 査閲の内容と重点事項
(2) 高等裁判所首席書記官による管内査察

第3 査察の実施構造

1 高等裁判所による管内庁への会計事務査察
2 最高裁判所事務総局による重点事項の指導

第4 弁護士実務との接点

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幹部裁判官の事務の引継ぎに際しては,メモ程度のものが作成されるに過ぎないこと(AI作成)

◯この記事は専らAIで作成したものです。

目次

第1 この記事の対象と射程
第2 裁判所の司法行政文書開示制度と法的枠組み

1 開示の申出制度と争訟上の位置づけ
2 「司法行政文書」の定義と「組織的に用いる」要件
3 情報公開法・公文書管理法との関係と文書作成義務の不在

第3 幹部の事務引継ぎに関する委員会答申の判断

1 答申が繰り返し示す3つの結論
2 所長から最高裁判所長官までの各階層への適用
3 「メモは組織共用性を欠く」ことの最新の定式化

第4 組織共用文書該当性の一般法理と電子メール

1 「組織的に用いる」の3要素と個人メモの位置づけ
2 電子メールの公文書該当性を認めた裁判例
3 引継メモと当該メールとで結論が分かれる理由

第5 開示を求める側の実務

1 手続の選択と分岐

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SNSやネットで名誉毀損やプライバシー侵害があったときの法的対応(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と射程
第2 適用される法令の全体像

1 実体法上の根拠(民法・刑法)
2 手続法──情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)

第3 権利侵害の有無の判断枠組み

1 名誉毀損(社会的評価の低下と事実・意見の区別)
2 名誉感情の侵害
3 プライバシー侵害と前科・逮捕歴

第4 手続の選択

1 削除請求(任意の請求と仮処分)
2 発信者情報開示命令
3 検索結果の削除と投稿の削除の判断枠組みの差異

第5 主張立証責任と証拠

1 主張立証責任の分配
2 証拠の収集と保全

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裁判官の地域手当の合憲性(AI作成)

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。

目次

第1 結論と本記事の射程

1 結論

(1) 制度一般の合憲性
(2) なお残る憲法上の問題
(3) 最大の訴訟上の障害

2 本記事の前提

(1) 一般論であること
(2) 検討の順序

第2 地域手当制度と係属中訴訟

1 法令上の仕組み

(1) 裁判官報酬法の二分法
(2) 地域手当までの法令の連鎖
(3) 提訴時の支給割合

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平成21年度から令和6年度までの最高裁民事破棄判決の分析(AI作成)

◯本記事はAIで作成したものであり,最高裁判所調査官が毎年『判例時報』に寄稿している「最高裁民事破棄判決等の実情」を素材に,平成21年度から令和6年度までの16年間の破棄の実情を分析するものです。
単なる統計の紹介にとどめず,「最高裁で原判決の破棄を勝ち取りたい弁護士」の視点から,どの分野で破棄が生じ,どのような主張が破棄に結び付くのかという実践的な地図を描くことを狙いとしています。第5では,この16年間の各年度の分野内訳を個別に確認した結果を踏まえて,反復して現れる破棄分野を網羅的に取り上げます。
◯以下の記事も参照してください。
・ 最高裁の破棄判決等一覧表(平成25年4月以降の分),及び最高裁民事破棄判決等の実情
・ (AI作成)平成21年度から令和6年度までの許可抗告事件の分析

目次

第1 本記事の狙いと結論

1 分析の対象と資料
2 結論の先取り——狭き門をこじ開けるための視点

第2 「最高裁民事破棄判決等の実情」という資料

1 資料の性格
2 読み方の約束事(執筆要領)

(1) 登載記号(◎・○・△)
(2) 破棄の根拠(論旨破棄・職権破棄)
(3) 破棄の結果(差戻し・自判)
(4) 件数の数え方

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