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裁判制度・司法行政

裁判官の早期退職とは―50歳以上(簡易裁判所判事は55歳以上)の募集,応募と認定,退職手当の割増し及び関係資料(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象2 結論の要旨第2 早期退職募集の仕組み1 根拠規定と2つの類型2 対象となる年齢3 募集実施要項の記載事項4 応募の任意性と応募できない者5 認定,不認定及び認定の失効第3 裁判官向けの募集実施要項の読み方1 名義と作成の時期2 応募の手続3 募集人数,募集の期間及び退職すべき期間4 認定後の期日の変更第4 退職手当との関係1 支給率2 定年前早期退職特例3 任期終了前の依願退官との違い第5 情報公開で分かったこと1 早期退職の関係で開示されなかった文書2 退職準備等説明会第6 民間の早期退職優遇制度との違い第7 関連記事第8 出典1 法令2 募集実施要項3 内閣人事局の資料4 裁判例
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象

本記事は,裁判官の早期退職,すなわち国家公務員退職手当法8条の2に基づく「早期退職希望者の募集」に応じて定年前に退官する仕組みを,制度の全体像と関係資料の読み方の両面から整理するものである。
令和8年10月6日を基準日とし,法令の条文はe-Gov法令検索で取得した現行の本文によっている。

特定の回の募集実施要項の内容と前回との違いは,令和8年4月の裁判所の早期退職募集実施要項2通を読む―裁判官6人・一般職29人の募集,認定の順位,応募の締切及び退職手当の割増しで詳しく整理している。
平成25年以降の募集実施要項のPDFは,早期退職希望者の募集実施要項(裁判官向け)及び裁判官以外の裁判所職員の早期退職希望者の募集実施要項(一般職向け)に掲載している。
実際に50歳以上で依願退官した裁判官は,50歳以上の裁判官の依願退官の情報に早期退職の枠ごとにまとめている。

2 結論の要旨

①最高裁判所長官は,国家公務員退職手当法8条の2第1項1号に基づき,下級裁判所の裁判官(簡易裁判所判事を除く。)で50歳以上65歳未満の者と,簡易裁判所判事で55歳以上70歳未満の者を対象に,早期退職希望者の募集を行っている。
②裁判官向けの募集実施要項は平成26年以降おおむね年4回作成されており,募集人数は,平成29年2月6日付以降,11月頃の要項が12人,それ以外の要項が6人である。
③応募は任意であり,応募した裁判官は,不認定の事由に当たらない限り,退職が予定されている者として認定を受け,指定された退職すべき期日に退官する。
④懲戒処分に準ずる処分(裁判官については裁判官分限法2条の懲戒)を募集の開始の日に受けている者や募集の期間中に受けた者は,応募できない。
⑤勤続25年以上の裁判官が認定を受けて退職すべき期日に退官した場合,退職手当の基本額は定年退職と同じ規定で計算され,一定の要件の下で退職日の俸給月額が割り増される。

第2 早期退職募集の仕組み
1 根拠規定と2つの類型

国家公務員退職手当法(以下「法」という。)8条の2第1項は,各省各庁の長等は,定年前に退職する意思を有する職員の募集を行うことができると定める。
各省各庁の長等とは,財政法20条2項に規定する各省各庁の長及び行政執行法人の長並びにこれらの委任を受けた者をいい,財政法20条2項は最高裁判所長官を各省各庁の長に含めている。

募集には,職員の年齢別構成の適正化を図ることを目的とし,一定の年齢以上の職員を対象として行う募集(法8条の2第1項1号)と,組織の改廃又は官署若しくは事務所の移転を円滑に実施することを目的とする募集(同項2号)の2類型がある。
裁判官向けの募集実施要項は,いずれも冒頭で「第8条の2第1項第1号の規定により」募集を行うと述べており,年齢別構成の適正化を目的とする1号の募集である。

内閣官房内閣人事局の「早期退職募集制度について」によれば,この制度は平成25年11月1日から,制度に基づく退職(応募認定退職)が可能となったものである。
当ブログに掲載している裁判官向けの募集実施要項で最も古いものは,平成25年8月30日付のものである。

2 対象となる年齢

法8条の2第1項1号の募集の対象は,法5条の3の政令で定める年齢以上の職員である。
国家公務員退職手当法施行令(以下「施行令」という。)5条の3第3項は,この年齢を,退職の日において定められている定年から20年を減じた年齢とし,施行令附則4項は,当分の間,この「二十年」を「十五年」と読み替えている。

裁判所法50条は,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官の定年を65歳,最高裁判所及び簡易裁判所の裁判官の定年を70歳と定める。
定年から15年を減じると,下級裁判所の裁判官(簡易裁判所判事を除く。)は50歳,簡易裁判所判事は55歳となり,裁判官向けの募集実施要項の対象年齢の下限と一致する。
対象年齢の上限が65歳未満又は70歳未満とされているのは,退職すべき期間の末日までに定年に達する者は応募できないとされていること(法8条の2第3項3号)に対応していると考えられる。

3 募集実施要項の記載事項

法8条の2第2項は,募集を行うに当たり,1号・2号の別,認定を受けた場合に退職すべき期日又は期間,募集をする人数,募集の期間その他政令で定める事項を記載した要項(募集実施要項)を,募集の対象となるべき職員に周知しなければならないと定める。

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下級裁判所の裁判官の定員配置

目次
1 下級裁判所の裁判官の定員配置に関する文書
2 定員・現在員等内訳に関する文書
3 裁判官の号別在職状況と異なる理由
4 関連記事その他

1 下級裁判所の裁判官の定員配置に関する文書
(1) 下級裁判所の裁判官の定員配置に関する文書を以下のとおり掲載しています。
① 下級裁判所の裁判官の定員配置について(平成27年3月26日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
② 以下の日付の改正通達
(令和時代)
令和2年3月17日,令和3年3月19日,令和4年3月25日,
令和5年3月27日,令和6年3月22日,令和7年3月28日,
(平成時代)
平成28年3月25日,平成29年3月23日,平成30年3月19日,平成31年3月13日
* 「「下級裁判所の裁判官の定員配置について」の一部改正について(令和5年3月27日付の最高裁判所事務総長の通達)」といったファイル名です。
(2) 付加定員とは,未済事件の累積,特殊事件の係属その他の一時的な事由に基づき,暫定的に配置する定員をいいます(下級裁判所の裁判官の定員配置について(平成27年3月26日付の最高裁判所事務総長の依命通達))。

2 定員・現在員等内訳に関する文書
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成27年度から令和7年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成26年度から令和6年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成25年度から令和5年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成24年度から令和4年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成23年度から令和3年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成22年度から令和2年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成21年度から平成30年1月まで)

3 裁判官の号別在職状況と異なる理由
(1) 令和元年10月18日付の答申書の「委員会の判断の理由」には,裁判官の配置定員と裁判官の号別在職状況の数字が異なる理由として以下の記載があります(改行を追加しました。)。
    当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,平成30年度の高等裁判所裁判官及び地方・家庭裁判所裁判官の配置定員は, 当該年度において各庁の裁判事務に従事すべき判事等の数を定めたものであり,一方,裁判官の号別在職状況(平成30年7月1日現在)は,裁判事務に従事していない判事等を含め,当該基準日現在において判事等に発令されている者の数を表したものであるとのことである。

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裁判官の定年が70歳又は65歳とされた根拠

目次
1 最高裁判所裁判官の定年が70歳とされた理由
2 簡易裁判所判事の定年が70歳とされた理由
3 その他の裁判官の定年が65歳とされた理由
4 裁判官について定年制を導入した理由
5 平均寿命及び平均余命の変化
6 75歳から89歳までを高齢者とすべきとする,日本老年学会及び日本老年医学会の提言
7 老人ホーム・介護施設
8 関連記事その他

1 最高裁判所裁判官の定年が70歳とされた理由
(1) 裁判所法逐条解説中巻155頁によれば,最高裁判所裁判官の定年が70歳とされた理由は以下のとおりです。
① 経験の豊富な識見の高い一流の人物をなるべく年齢に制限されずに広く求めうる余地を存することが望ましいこと。
② 最高裁判所は,法律審で,事実審ではないから,肉体的負担が下級裁判所の裁判官に比べて比較的少ないこと。
③ 定員が少ないので,高齢に達するまで心身ともに健康な人物を採用しうること。
(2) 司法省民事局が昭和22年3月頃に作成した,(第十一次)裁判所法案質疑応答(「終戦後の司法制度改革の経過」に掲載されている資料です。)にも同趣旨のことが書いてあります。
2 簡易裁判所判事の定年が70歳とされた理由
(1) 裁判所法逐条解説中巻156頁によれば,簡易裁判所判事の定年が70歳とされた理由は以下のとおりです。
① 簡易裁判所判事は,国民ともっとも密接に接触する裁判官であり,特に老練熟達な法曹が任命されることが望ましいこと。
② 一般の裁判官の定年は65歳,一般の検察官の定年は63歳であるから,これにより定年に達して退官した裁判官又は検察官をもさらに簡易裁判所判事として任命しうることとなること。
③ 簡易裁判所で取り扱う事件は,事案が比較的軽微なものが多いから,一般の裁判官の激務に比べれば,老齢者にとりそれほどの負担とならないこと。
(2) 伊藤義男司法大臣は,昭和22年11月29日の参議院司法委員会において以下の趣旨説明をしています(①及び②の理由と同趣旨のことを述べています。)。
 裁判所法は、御承知のごとく、本年五月三日から施行されておりますが、その後半歳の間に情勢も変化し、その上裁判所法施行の実績に徴しまして、同法を若干改正する必要が生ずるに至りした。そこで政府はこの法律案を提出いたした次第でありまして、改正の要点は、次の四点であります。
(中略)
 第四点は、簡易裁判所判事の定年を、年齢六十五年から七十年に引上げた点でありまして、第五十條の改正がそれであります。御承知の通り、簡易裁判所判事は、國民と最も密接に接触する裁判官であり、特に老熟練達な法曹が任命されることが望ましいのでありますが、定年が六十五歳であるために、多くの老練な退職判檢事弁護士が簡易裁判所判事に任命されることを躊躇しておられる事実が、裁判所法施行後次第に判明して参りました。そこで、定年を年齢七十年に引上げることにいたしましたが、この改正によつて、政府は老練な退職判檢事弁護士が続々簡易裁判所判事に任命されることを期待している次第であります。
 以上がこの法律案提案の理由であります。どうぞ愼重御審議の上速やかに可決されんことをお願い申上げます。
(3) 昭和23年1月1日法律第1号に基づき,昭和23年1月1日以降,簡易裁判所判事の定年が70歳となりました。

3 その他の裁判官の定年が65歳とされた理由
(1) 奥野健一司法省民事局長は,昭和22年3月15日の衆議院裁判所法案委員会において以下の答弁をしています。

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職務代行裁判官の制度,発令権限及び裁判例(AIリライト)

第1 職務代行裁判官の意味1 法令上の位置付け2 常てん補との違い第2 裁判所別の発令権限と要件第3 特例判事補による高裁職務代行1 要件及び合議体での制限2 昭和32年改正の目的と現在の運用3 弁護士任官者に対する判断第4 発令期間,申請及び報告1 最高裁が命ずる職務代行2 高裁が命ずる職務代行の報告3 発令期間中の職務権限第5 公告,告知及び裁判書の表示第6 発令の欠缺と裁判所の構成1 最高裁昭和42年7月5日大法廷決定2 最高裁平成19年7月10日第三小法廷判決3 最高裁昭和48年4月26日第一小法廷判決4 東京高裁昭和54年5月14日判決5 刑事訴訟及び民事訴訟への影響第7 出典・参考資料1 法令・国会会議録2 裁判例3 公文書・通達4 文献第1 職務代行裁判官の意味

1 法令上の位置付け

裁判所法19条,28条及び36条は「裁判官の職務の代行」を定め,同法31条の5は地方裁判所に関する28条を家庭裁判所に準用している。
本記事では,これらの規定又は判事補の職権の特例等に関する法律1条の2に基づき,本務庁と異なる裁判所の裁判官の職務を行う裁判官を「職務代行裁判官」という。

職務代行は,裁判事務の取扱いに必要が生じた場合に,裁判官の配置を機動的に補う制度である。
職務代行によって本務庁が直ちに変わるわけではなく,発令を受けた裁判官は,定められた裁判所及び期間について他庁の裁判官の職務を行う権限を有する。
裁判官の官名及び基本的な区分については,裁判官の種類で整理している。

2 常てん補との違い

令和7年度(情)答申第101号は,本務庁と異なる裁判所で常に勤務を行っている場合を,裁判所の慣例上「常てん補」というと説明している。
「常てん補」は勤務の実態を表す慣例上の用語であるのに対し,職務代行は裁判所法等に基づいて他庁の裁判官の職務を行わせる人事措置であるため,両者は同じ概念ではない。

もっとも,常てん補という勤務実態と,個別の法令に基づく職務権限の有無とは別に確認する必要がある。
したがって,「本庁の裁判官が支部で勤務する場合は常てん補,異なる種類の裁判所で勤務する場合は職務代行」という勤務場所だけの区別では足りない。

第2 裁判所別の発令権限と要件

裁判所法上の職務代行は,原則として「裁判事務の取扱上さし迫った必要」がある場合に,近い範囲の裁判官を用いる仕組みである。
その方法では必要を満たせない特別の事情がある場合に限り,より広い範囲の裁判官を用いる第二段階の発令が認められる。

職務を行う裁判所
第一段階の発令
第一段階で必要を満たせない場合
根拠

高等裁判所
当該高裁が,同じ高裁管内の地裁又は家裁の判事に命ずる。
最高裁が,他の高裁又はその高裁管内の地裁若しくは家裁の判事に命ずる。
裁判所法19条

地方裁判所

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愛媛玉串料訴訟最高裁判決の事前報道と漏えい疑惑―国会答弁と訴追委員会の結論(AIリライト)

第1 事前報道と漏えい疑惑について確認できる結論

1 判決予測報道があったこと

2 漏えいが確認されたわけではないこと

3 評議の秘密との関係

第2 平成9年2月9日の事前報道

1 朝日新聞及び共同通信の報道

2 愛媛新聞の見出し

第3 最高裁の内部調査と報道機関への抗議

1 五十人弱を対象とした調査

2 平成9年2月19日の調査結果と抗議

第4 六つの国会会議録から分かること

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検察官と裁判官の法廷外での面談(AIリライト)

目次

第1 結論

1 一律禁止ではないが,内容と方法が問題となる

2 公表資料から確認できる範囲

第2 平成28年11月24日の国会答弁

1 質問の内容

2 法務省刑事局長の答弁

3 答弁の射程

第3 刑事訴訟法上の判断枠組み

1 裁判官の独立と公平な裁判所

2 除斥及び忌避

3 訴訟指揮と立証の促し

4 証拠調べにおける双方の手続保障

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「匿名裁判官」と題するツイッターアカウント(平成31年1月に登録されたもの)に関する文書の存否は明らかにできないこと

1(1) 令和元年8月6日付の理由説明書の「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。
ア 本件申出に係る文書は,裁判官である可能性のある者の私的領域における活動についての文書であり,そのような文書の作成,取得等の目的や方法は様々であり得るものであって,必ずしも人事管理のためだけに保有するものとはいえないものの,仮に裁判官であった場合,裁判官の私的領域における活動については,その内容次第では服務規律に違反するものとなり得ることから,人事上の措置等に関する文書となり得る性質を有するものである。そのような性質を有する文書の保有の有無を明らかにすると,人事上の措置の必要性から作成,取得,管理,保存される文書の存否や内容を推認ないし憶測させることになり,人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,取得,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある(行政機関情報公開法第5条第6号二,平成31年度(情)答申第4号参照) 。
   なお,苦情申出人は,本件ツイッターアカウントが匿名であることから,現職の裁判官の言動そのものと異なると主張するが,裁判官である可能性のある者の私的領域における活動についての文書であることには変わりがないがら,上記の主張は理由がない。
イ よって,裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱記第5に基づき,当該文書の存否を明らかにしないで不開示とした原判断は相当である。
(2) 本件申出に係る文書は,「最高裁が,「匿名裁判官」 と題するツイッターアカウント (平成31年1月に登録されたもの)に関して作成し,又は取得した文書」です。

2 「匿名裁判官」と題するツイッターは,2019年2月23日のツイートの後,2020年8月14日にツイートを再開しています。

でも,私,誰からも何も言われてないですし,所長面談でも何も聞かれてないので,当局も私の中の人が誰だか分かってないのでは?それか分かってても放置してるか。というか当局って誰だ?笑

— 匿名裁判官 (@courts_jp) August 14, 2020

東京高裁が平成30年3月15日付で岡口基一裁判官を厳重注意処分とした 際に作成した文書の一部は不開示であること

1 令和元年8月5日付の理由説明書の「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。
ア 苦情申出人に開示された注意書(以下「本件注意書」という。)には,厳重注意の内容が記載されており, これは行政機関情報公開法(以下「法」という。)第5条第1号に規定する個人識別情報に相当する。
   また,本件注意書の不開示部分は,当該裁判官に対する分限裁判の決定において明らかにされていない部分であるところ,同部分を開示すると,人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある情報を開示することになる(法第5条第6号二) 。
   なお,苦情申出人は,本件注意書の不開示部分がインターネットで公表されている可能性を主張するが,裁判所において同部分を公表したことはない。
イ 苦情申出人は,本件注意書に関する決裁文書が別に存在すると主張するが,東京高等裁判所が平成30年3月15日付けで行った厳重注意は,下級裁判所事務処理規則21条に基づき,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的な効果を伴わない措置であると解される。そして,同条によれば,その主体は,高等裁判所においては,高等裁判所長官とされており,専ら高等裁判所長官の責任において,注意の要否やその態様等を決することが予定されている。また,同条には,注意の方法等についての規定はなく,他に,注意の方法や文書の作成の要否等に関する定めも見当たらない。
   したがって,東京高等裁判所長官が下級裁判所事務処理規則21条に基づく厳重注意に係る意思決定を行うに際し,本件注意書以外の文書の作成が必ず求められるものではない(平成29年度(情)答申第1号参照)から,本件注意書以外の文書を作成又は取得していない。
ウ よって,原判断は相当である。

2 46期の岡口基一裁判官は,「分限裁判の記録」と題するブログを運営しており,ご自身の分限裁判のことを色々と公表されています。

3 46期の岡口基一裁判官に対する,平成30年3月15日付の注意書の文言は以下のとおりです。
   あなたは,裁判官であることを他者から認識できる状態で,性的な内容の文章や写真等を繰り返し投稿しているツイツターのアカウントを利用し,平成29年12月13日頃,特定の性犯罪事件についての判決を閲覧できる裁判所ウェブサイトのURLとともに, 「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に,無惨にも殺されてしまった17歳の女性」との投稿をインターネット上に公開して,被害者遺族の感情を傷つけ,(不開示部分)
このことは,裁判官として不適切であるとともに,裁判所に対する国民の信頼を損なう行為であって,誠に遺憾である。
   よって,今後再びこのようなことのないよう,下級裁判所事務処理規則第21条に基づき,厳重に注意する。

4 下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準等について(平成29年2月17日付の最高裁判所広報課長等の事務連絡)によれば,以下の刑事事件の判決書は裁判所HPに掲載しないこととなっています(ナンバリングを変更しています。)。
① 憲法第82条第2項により公開停止とされた事件
② 性犯罪(起訴罪名は性犯罪ではなくても,実質的に性犯罪と同視できる事件を含む。),犯行態様が凄惨な殺人事件など,判決書を公開することにより被害者・遺族などの関係者に大きな精神的被害を与えるおそれがある事件
③ 少年の刑事事件(判決時成人を含む。)
④ 名誉毀損罪や秘密漏示罪など,判決書を公開することにより再び被害を生じさせるおそれがある事件
⑤ その他,上記①から④までに準ずる事件

判事補及び検事の弁護士職務経験制度

目次
1 総論
2 弁護士職務経験判事補の名簿
3 弁護士職務経験に従事している判事補又は検事の地位
4 弁護士職務経験判事補の事務所訪問の体験談
5 弁護士職務経験判事補の勤務条件の例
6 弁護士職務経験と懲戒手続
7 関連記事その他

1 総論
(1) 判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律(平成16年6月18日法律第121号)(略称は「弁護士職務経験法」です。)に基づき,平成17年度から,任官10年以内の判事補及び検事の一部について,弁護士職務経験制度(他職経験制度)が実施されています。
(2)ア 首相官邸HPの「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律の概要」で図示されています。
イ 日弁連HPの「基礎的な統計情報」における「弁護士の活動領域の拡大」において,判事補・検事の弁護士職務経験制度の状況が載っています。
ウ 日弁連は,法律事務所に対し,弁護士職務経験受入事務所への応募を呼びかけています(日弁連パンフ「判事補・検事の弁護士職務(他職)経験   受入事務所に応募しませんか」参照)。
(3)ア 弁護士職務経験判事補になる裁判官は通常,3月25日付で入会予定の弁護士会に対応する地裁の判事補(地「家」裁の判事補ではないです。)に異動しています。
イ 判事補の弁護士職務経験制度については,東弁リブラ2007年12月号に掲載されている「判事補からの弁護士職務経験者との懇談会」が参考になります。
(4) 法務省HPに「検事の弁護士職務経験制度について」が載っていますところ,例えば,以下の資料があります。
・ 検事の弁護士職務経験制度の 運用に関する取りまとめ(平成16年6月23日付)
・ 検事の弁護士職務経験制度に関する運用要領(平成16年11月19日付)

裁判官が弁護士職務経験をしてみて、気が付いたこと。
・依頼者に厳しい見通しを伝えることは難しい。
・依頼者が納得するためその気持ちに配慮した主張書面を作成すべき場合がある。
・尋問は難しい。
・当事者側からみて裁判官の発言の意図が分かりづらいときがある。 pic.twitter.com/ekcsYEWKC7

— 光 の 射 す 地 平 線 へ (@sunrise_3uphika) July 24, 2021

ただ、無料相談のように時間が厳格に決まっているときは、最初に「時間が限られている関係上、話を遮ってしまうかもしれない。ただそれは法的問題点を迅速正確に見つけるためなので、ご容赦ください」的なアナウンスをしています。

— ノーネクタイのマイクロス (@nise_mike_ross) May 26, 2022

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行政機関等への出向裁判官―身分,勤務先,人数及び判検交流との関係(AIリライト)

裁判官は裁判所だけで勤務するわけではなく,法務省,金融庁,外務省その他の行政省庁等で勤務することがある。

もっとも,最高裁判所の説明によれば,裁判官から法務省等の行政省庁へ出向する場合には検事に転官し,裁判官の定員の枠外となるため,「出向裁判官」という通称だけでは出向中の身分を正確に表せない。

本記事では,最高裁判所の開示資料を基礎として,出向中の身分,令和7年12月1日現在の勤務先及び人数,判検交流や訟務検事との関係,国会で問題とされた点を整理する。あわせて,出向中に検察官として作成され得る人事評価資料と,裁判官への復帰資料との関係を区別して説明する。

目次

第1 行政機関等への出向と出向中の身分

1 本記事における「出向裁判官」の意味
2 外部経験制度の中での位置付け

第2 最高裁判所の官職一覧表と最新人数

1 令和7年12月1日現在の人数
2 年次資料の読み方

(1) 平成29年以後の官職一覧表
(2) 平成28年以前の機関別人数表

3 平成15年資料との比較

第3 判検交流及び訟務検事との関係

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判検交流に関する内閣答弁書・国会答弁・裁判例(AIリライト)

第1 本記事の対象と判検交流の範囲

1 本記事と「出向裁判官」記事の役割分担
2 答弁を読むために必要な四つの類型
3 身分上の取扱いと関係法令
4 制度の是非と個別事件の公正は別の問題であること

第2 判検交流の沿革

1 正確な開始時期は確認できないこと
2 昭和49年前後の協議
3 訟務分野の拡大

第3 平成24年に廃止された交流と継続した交流

1 廃止された刑事分野の往復交流
2 継続した訟務・法令立案分野
3 「判検交流は廃止」の正確な意味

第4 判検交流に関する5件の内閣答弁書

1 平成21年の2件の答弁書
2 平成22年12月7日答弁書
3 平成24年5月11日答弁書
4 平成28年2月12日答弁書

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判事補の海外留学状況―制度・選考・人数・予算・公表資料(AIリライト)

目次第1 判事補の海外留学の位置付け1 外部経験制度の一つであること2 制度の目的第2 令和8年通知による選考の概要1 2つの留学制度2 募集人数と応募対象3 帰国後の取扱いと公務への還元第3 人数と予算の読み方1 混同してはならない3種類の数字2 平成31年3月22日の国会答弁3 令和8年度歳出概算要求第4 制度の沿革1 昭和47年に始まった特別留学制度2 外部経験制度の中での位置付け第5 公表資料から留学命令と研究先を調べる方法1 年度別の裁判官海外出張者名簿2 年度別の選考通知3 資料を読む際の注意点4 国・大学・期間の比較第6 留学経験に関する公表資料1 裁判所が公表している外部経験の説明2 個別の留学経験第7 公費留学と留学費用の償還1 国家公務員の留学費用の償還に関する法律2 人事院の最新統計とその射程第8 関連記事第9 出典
第1 判事補の海外留学の位置付け

判事補の海外留学は,原則として全ての判事補に機会を与えるとされる外部経験の一つであり,外国の大学,ロースクール又は裁判所等で外国の司法制度や裁判実務を研究する制度である。
令和8年1月20日付の選考通知では,最高裁判所が直接実施する制度と人事院の行政官長期在外研究員制度を合わせて30人程度を募集している。

もっとも,「募集人数」,概算要求書の「積算人数」及び海外出張者名簿に掲載された「命令行」は,それぞれ別の数字である。
この記事では,現行の選考,人数と予算,制度の沿革,公表済みの名簿,留学費用の償還を区別して整理する。

1 外部経験制度の一つであること
最高裁判所は,多様で豊かな知識や経験を備えた裁判官を確保するため,原則として全ての判事補に外部経験の機会を与えるとしている。
外部経験の派遣先等には,民間企業,弁護士事務所,海外留学,行政官庁及び在外公館等が含まれる(最高裁判所「外部経験制度の利用(その2)」)。

したがって,海外留学だけが判事補の経験多様化の手段ではない。
判事補の任官後おおむね10年以内に,裁判所内部の職務とは異なる環境で経験を積む複数の仕組みのうち,在外研究を中心とするものが判事補の海外留学である。

判事補の任官後の研修,外部経験及び判事への任命資格の基本は「判事補とは」を参照してください。

2 制度の目的
判事補の海外留学では,外国の法制度及び裁判実務を現地で研究するとともに,異なる文化,社会及び組織に接することが想定されている。
外国法の知識だけでなく,幅広い視野,柔軟な思考及び多角的なものの見方を裁判実務へ還元することが制度の目的である。

もっとも,個々の留学がどの事件処理にどのような効果をもたらしたかを数量的に示す公表資料は確認できない。
制度の目的に関する説明と,個別の留学成果に対する評価は分けて読む必要がある。
第2 令和8年通知による選考の概要
1 2つの留学制度
令和8年1月20日付の最高裁判所事務総局人事局長通知は,判事補海外留学研究員の選考について,最高裁判所が直接実施する制度と,人事院が実施する行政官長期在外研究員制度を区別している。
(1) 最高裁判所が直接実施する制度
研究期間は,原則として令和9年7月頃から令和10年6月頃までの約1年間である。
ミュンヘン知的財産法センターについては,令和9年9月頃から令和10年8月頃までとされている。

外国の大学,ロースクール又は裁判所等で,外国の司法制度,裁判実務その他の研究を行う。
派遣国,研究先及び研究テーマは,選考後の調整を経て具体化するため,応募時点の希望がそのまま派遣先を決めるとは限らない。
大学等への派遣にも裁判所等での司法運営の調査研究が含まれ,裁判所派遣にも派遣先によって大学研究を併せ得る。一般の大学等派遣は修士課程に相当する研究を行うものであり,全員が修士号を取得するとは限らない。ミュンヘン知的財産法センターでは修士号取得が明記され,同センター及びルーベン大学は英語による受験者の派遣先として掲げられている。
(2) 人事院の行政官長期在外研究員制度

(続きを読む...)判事補の海外留学状況―制度・選考・人数・予算・公表資料(AIリライト)

裁判所の所持品検査が必要とされた理由―金属探知機・X線装置と平成30年度概算要求(AIリライト)

第1 資料の位置付け
第2 庁舎入口のゲート式金属探知機
第3 X線手荷物検査装置
第4 入廷前の検査と棒状金属探知機
第5 「庁舎入口」と「入廷前」の違い
第6 財務省の文書探索結果
第7 関連記事
第8 出典

第1 資料の位置付け

最高裁判所が財務省に提出した平成30年度の概算要求関係資料には,ゲート式金属探知機,X線検査装置及び棒状金属探知機を整備する必要性が記載されている。

この資料は,予算要求の理由を説明するものであり,個々の庁舎における検査の法的根拠,現在の実施状況又は具体的な検査手順を網羅する文書ではない。
本記事では,資料の記載から確認できる必要性と,そこからは直ちに分からない事項を区別する。

第2 庁舎入口のゲート式金属探知機

平成30年度新しい日本のための優先課題推進枠説明資料1/249頁は,当事者又は傍聴人等が法廷内に凶器を持ち込み,事件関係者又は傍聴人に危害を加える事件が現実に発生していると説明する。

その上で,刃物又は銃器等を庁舎内へ持ち込ませないため,庁舎入口で所持品検査を実施し,効率的かつ迅速に検査するためゲート式金属探知機を整備する必要があるとしている。

第3 X線手荷物検査装置

同資料50頁は,ゲート式金属探知機と併せて,手荷物をまとめて迅速に検査できるX線検査装置を整備することにより,裁判所のセキュリティチェックを十全化すると説明する。

人が金属を身に着けているかを確認する装置と,手荷物の内部を確認する装置とでは,検査対象と機能が異なる。
資料は,両者を組み合わせることを予算上の整備方針として示している。

第4 入廷前の検査と棒状金属探知機

同説明資料2/2106頁は,入廷前に凶器を持ち込ませないため,ゲート式金属探知機を使用する必要があると説明する。
とりわけ裁判員裁判では,一般人である裁判員等の安全を守るために必要な機器を整備することを裁判所の責務と位置付ける。

棒状金属探知機については,ゲート式に反応した来庁者に直ちに触れて身体検査をすることはトラブルを招くおそれがあること,手荷物の内容物をすべて開披させることはプライバシー保護上の問題があり時間も要することを理由としている。
同資料では,整備内訳として,ゲート式26台及び棒状80式が記載されている。

第5 「庁舎入口」と「入廷前」の違い

49頁及び50頁は「庁舎入口」での検査を,106頁は「入廷前」の検査を説明している。
前者は庁舎へ入る来庁者を対象とする入口検査,後者は特定の法廷へ入る者を対象とする法廷警備として読める。

この2つは,対象範囲,実施場所及び検査を必要とする危険の具体性が異なり得る。
現在の常時検査の実施庁舎については,全国の下級裁判所における所持品検査―実施庁舎,開始時期及び法的根拠(AIリライト)を参照されたい。

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会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

目次
1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
2 関連資料
3 関連記事その他

1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
(1) 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表として以下の検査年次のものを掲載しています(ファイル名は「会計検査院第1局司法検査課の令和6検査年次実地検査日程表」といったものです。)。
(令和時代)
令和2検査年次,令和3検査年次,令和4検査年次,
令和5検査年次,令和6検査年次,令和7検査年次,

(平成時代)
平成24検査年次,平成25検査年次,平成26検査年次
平成27検査年次,平成28検査年次,平成29検査年次
平成30検査年次,平成31検査年次
(2) 会計検査院第1局司法検査課は,裁判所,会計検査院,国家公安委員会,法務省及び日本司法支援センターを担当しています(会計検査院HPの「第1局」参照)。

予算には関心高いけど、決算には清々しいほどに無関心な人大杉。
確定検査のお作法が旧態依然のままなのは、検査の合理化が偉い人の関心事項ではないから。
検査する側が未だに紙の証憑に拘り、検査される側は電子データがあるのにプリントアウトして渡す優しい世界。
電卓忘れずに持って行かなきゃ!

— 霞が関一般職 (@NonCareer55) March 15, 2022

1 RoootSの導入計画の見直し(令和5年11月16日付の最高裁判所事務総局会議議事録)を添付しています。
RoootSの先行導入の時期を令和6年1月から令和6年5月以降にするというものです。

2 RoootSは,裁判所職員向けのe事件管理システムのことです。https://t.co/V1BykBYYhW pic.twitter.com/CM77H1Zave

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 19, 2024

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平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達

目次
1 裁判所会計事務規程及び関連通達
2 関連記事その他

1 裁判所会計事務規程及び関連通達
・ 平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達を以下のとおり掲載しています。

以下の資料は,リンク先に表示した制定・発出日又は掲載版の記録として参照してください。
後年の日計の検閲に関する資料も含まれますが,この一覧だけで各規程・通達の現行性を確認したものではありません。
個別の手続を行う際は,改正後の規程と当該裁判所の最新案内を確認する必要があります。
保管金の処理を調べるときは⑥と⑧,検査員の取扱いは⑤,会計検査は⑦,日計の検閲は⑨と⑩が資料探索の入口になります。
これらを担当者が用いる現行様式と直ちに同一視しないでください。
現在の電子納付と還付については,裁判所「保管金の電子納付について」を確認してください。
同案内は,電子納付では保管金受領証書を交付しないこと,還付口座の変更では新たな利用者登録と係属事件のある各裁判所への連絡が必要であることを説明しています。
制度の使い分けと事件別精算は,裁判所の保管金・予納金の還付―電子納付,口座名義・変更と法律事務所の事件別精算(AI作成)を参照してください。

① 裁判所会計事務規程(平成29年3月15日最高裁判所規程第4号)
② 用途廃止等の承認申請を必要としない場合について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
③ 経理計画について(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
④ 裁判所会計事務規程に基づく指定等について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑤ 裁判所会計事務規程に基づく検査員の任命方法等に関する取扱いについて(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
⑥ 裁判所会計事務規程等に規定する保管金等の処理に関する書類及び帳簿諸票の様式について(平成7年3月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑦ 会計検査の実施に関する事務の取扱いについて(平成7年3月30日付の最高裁判所経理局長依命通達)
⑧ 保管金事務処理システムを利用した保管金に関する事務処理の運用について(平成29年3月31日付の最高裁判所経理局長通達)
⑨ 裁判所会計事務規程に基づく日計の検閲等に関する取扱いについて(平成30年9月18日付の最高裁判所経理局長の通達)
⑩ 裁判所会計事務規程に基づく日計の検閲等に関する取扱いについて(令和3年11月30日付けの最高裁判所経理局監査課長の事務連絡)

2 関連記事その他
(1) ①修習資金貸与要綱4条等の支出負担行為担当官,及び②修習資金貸与要綱16条2項等の歳入徴収官は,最高裁判所事務総局経理局長のことです(裁判所会計事務規程別表第二参照)。
(2) 法廷の椅子の管理者は告訴権を有します(最高裁昭和29年7月14日決定)。

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裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議

目次
第1 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
10 令和 8年4月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
9 令和 7年3月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第217回国会)
8 令和 6年3月15日の衆議院法務委員会の付帯決議(第213回国会)
7 令和 5年3月10日の衆議院法務委員会の付帯決議(第211回国会)
6 令和 4年3月 9日の衆議院法務委員会の付帯決議(第208回国会)
5 令和 3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議(第204回国会)
4 令和 2年4月 3日の衆議院法務委員会の付帯決議(第201回国会)
3 平成29年3月31日の衆議院法務委員会の付帯決議(第193回国会)
2 平成28年3月18日の衆議院法務委員会の付帯決議(第190回国会)
1 平成25年3月26日の衆議院法務委員会の付帯決議(第183回国会)
第2 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する参議院法務委員会の附帯決議
1 令和 8年4月23日の参議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
第3 69期以降の司法修習生組別志望等調査表は存在しないこと
第4 法曹の質の検証
第5 関連記事その他

* 附帯決議は,法律案の可決に際して政府及び最高裁判所に配慮を求める委員会の決議であり,裁判官等の員数そのものは裁判所職員定員法の改正によって変わります。法律で員数を定める理由と総定員法との違いは,裁判所職員定員法と総定員法の違い―裁判所の定員を法律で定める理由と国会答弁を参照してください。

第1 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
10 令和8年4月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組むとともに、産業の高度化や国際化に対応できるよう裁判官の能力及び職責の重さの自覚の一層の向上に努めること。
二 当委員会においてこれまでに付されてきた附帯決議の趣旨を尊重し、最高裁判所において、判事補の定員の充足に努めるとともに、その実員の増減の見通しを着実に立てた上で、定員の在り方について不断の検討を行うこと。
三 判事補を安定的に確保することが重要であることに鑑み、裁判官の全体的な処遇改善に向けた必要な検討を行うこと。
四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の数について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を引き続き国会に示すとともに、同制度や法改正の趣旨を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
五 裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、合理化・効率化が可能な事務と注力すべき事務をそれぞれ考慮した上で裁判官・裁判所職員の適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。
六 両親の離婚時における子どもの利益確保の要請等への対応、その他価値観の多様化に伴う家事事件の複雑化・困難化の動向等に対して、家庭裁判所における多角的な対応が適切かつ十分に行われるよう、裁判官・家庭裁判所調査官の充実を含め、家庭裁判所の人的・物的体制の強化を進めること。

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全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見

目次
第1 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
第2 関連記事

第1 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
○全司法本部の中矢正晴中央執行委員長は,参考人として招致された平成29年3月24日の衆議院法務委員会において以下の意見を述べています(ナンバリングを追加しました。)(全司法新聞2017年4月号(2262号)の「中矢委員長 衆議院参考人招致 裁判所の職場実態を国会で述べる」参照)。
1 おはようございます。私は、裁判所職員でつくっております全司法の中央執行委員長をやっております中矢と申します。
  最初に、このような機会を与えていただいたことに対して、皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
  私は、裁判所職員の職員団体ということでありますし、私自身、昭和六十三年から、全司法の委員長に就任しますまで二十七年間、裁判所書記官として仕事をしてまいりましたので、その裁判所職員の立場から、今般提出されております裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、私なりの考え方をお話ししたいと思っております。
2(1)  最初に結論を申し上げますと、大変失礼な言い方になって恐縮ではありますが、あえて申し上げるなら、十分なものではないと言わざるを得ないと思っております。その理由は、次に述べる三点であります。
  第一点目でありますが、裁判官、裁判所書記官について、今年度の増員を下回る増員数となっている点であります。
  定員振りかえを除く実質的な増員数で見ますと、今年度の増員数は、裁判官三十二人、書記官三十九人でしたが、平成二十九年度の増員数として示されているものは、裁判官が二十七人、書記官が二十四人となっております。職場実態からしますと、本来はもっと多くの増員が必要だと考えておりますが、少なくとも、今年度と比較してその増員数を下回る理由はないのではないかと思っております。
  裁判官の増員も重要ですが、私のきょうの立場でありますので、職員のことを中心にお話をさせていただきたいと思います。
(2)ア  現在、裁判所の中でとりわけ増員の必要性が高いのが家庭裁判所であります。事件数も増加傾向にあることに加えて、三点申し上げます。
  一つ目として、離婚や子供をめぐる問題など家庭を取り巻く社会環境が複雑になっているもとで、裁判所に求められる役割も大きくなっております。
  また、二つ目ですが、平成二十五年から家事事件手続法が施行され、これまで以上にきめ細かな事件の処理が求められるようになっている点であります。
  第三点目に、成年後見制度でありますが、認知症などの方に裁判所が後見人や保佐人をつけるシステムでありますので、高齢化社会が進むもとで、今後ますます重要になります。昨年四月には成年後見利用促進法が成立をし、今月中にも政府における基本計画が策定されて、これに従った取り組みが実施されていくというふうに承知をしておりますので、これを踏まえた人的体制の整備が必要であります。
  この成年後見のように、家庭裁判所の手続には、民事や刑事の訴訟、いわゆる争いとは違って、申し立てに基づいて裁判所が事実を調査し決定をする、いわゆる非訟事件と呼ばれる手続が多く存在します。こういう手続では、裁判官の指示を受けて実際の実務を担当する書記官が、当事者との調整を行ったり判断に必要な資料をそろえたりと、大きな役割を果たします。また、家庭裁判所においては、弁護士を頼まずに当事者御本人が申し立てをする事件も多いことから、手続を進めていく上で、書記官が時間をかけて丁寧に説明するという必要性も大きくなっております。
イ  家裁の体制が実際に必要だということで、この数年間、全国の家庭裁判所に一定数の書記官が増配置をされてきました。しかし、毎年の増員数が家庭裁判所に増配置するだけの人数に足りないために、その大部分は地方裁判所や簡易裁判所からの配置がえ、私どもは人員シフトと呼んでおりますが、この人員シフトによって行われております。
(3)  それでは、人員が減らされている地方裁判所の方はどうかというふうに見ますと、民事事件では、昨今の社会経済情勢を受けて、ますます複雑困難化する事件について適正迅速に処理することが必要であります。
  刑事事件でありますが、このところ、準抗告といいまして、勾留など、被告人などの身柄の決定に対する不服申し立ての手続ですとか、医療観察といいまして、心神喪失等の状態で重要な行為を行った者に対して入院を決定するような手続が増加をしております。また、国対被告人の関係で、犯罪を犯した者を処罰するというのが刑事手続の基本的な構造でありますが、近年は、被害者保護のためのさまざまな手続が導入をされ、事件関係者の情報の秘匿ということも求められるということであります。
  敷衍しておきますと、裁判の公開という基本的な考え方がありますので、かつては、裁判所に出されたものは公開されるものだという考え方が主流でありましたが、現在では、個人情報の秘匿については、刑事事件だけではなく、民事や家事の事件においても厳格になってきておりまして、その分、慎重さが求められ、事務量もふえているという問題もございます。
  このように、従来の刑事裁判という枠におさまり切らない事務もふえてきており、それに従って、事件数にあらわれない現場の負担も増加をしているところであります。とりわけ、昨年五月に刑事訴訟法が改正をされ、順次施行されておりますことから、今後これに対する対応も必要になります。
  地方裁判所についていいましても、これまでにお話ししてきましたとおり、家裁へのシフトの受け皿ということではなくて、むしろ、それぞれの分野について人的体制の整備を図る必要があると考えております。
  また、人員シフトという問題では、地方から都市への人員シフトという問題もあります。家裁を中心に大都市の人員が必要であることから、この間、毎年地方の庁の職員が減員をされており、今年度でいえば、札幌高裁管内で七名、広島高裁管内で十一名、高松高裁管内で七名、福岡高裁管内で十五名が削減をされました。決して地方の職場に余裕があるわけではありませんし、人数の少ない小規模庁において人員を削減するということの影響は、大規模庁と比較しても大きいものがあります。また、地方における国民の司法アクセスという観点からも、地方へのしわ寄せは限界があります。
  以上のことから、法案の数にとどまらない、大幅増員が必要であると考えております。この点が一点目であります。
3(1)  第二点目として、家庭裁判所調査官の増員がない点であります。
  家裁調査官は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学などの専門的知識を活用し、調査、調整活動を行う専門職であります。本日お配りをしてあります資料の最初がレジュメになっておりますが、開いていただきますと、三ページ、四ページあたりのところに、現場の家裁調査官からの聞き取りをもとに作成をしました家裁調査官の役割と昨今の職場実態について記載してありますので、ごらんをいただければ幸いに思います。
  ここでは、家裁調査官の仕事について簡単に説明をさせていただきますと、少年事件でいいますと、未成年者が引き起こした事件は、まず、原則として全件家庭裁判所にやってきます。その中で、家庭裁判所調査官が最初に面談を行って、非行の原因や背景、少年の状況などを調査し、それを踏まえて処分に対する意見を述べています。調査官の取り組みは、単なる事実の調査ではなく、少年の立ち直りや再犯防止のために大きな役割を果たしております。家事事件について申しますと、夫婦関係を調整する事件における子供の意思を調査したり、子供と離れて暮らしている親との面会交流をコーディネートしたりする。あるいは、成年後見において、成年後見を受ける本人の調査や、複雑困難な事件の調査をするといった役割を担っております。
  このように、家庭裁判所における調査官の役割は極めて大きく、かつ、調査官の調査の対象になっております少年や子供、家庭をめぐる状況がどんどん複雑になっているわけですから、その仕事も年を追うごとに複雑になり繁忙になっております。人と向き合う仕事でありますので、時間で区切ることも難しく、きちんと行おうとすればするほど非常に時間と労力を要する仕事であることを御理解いただきたい、こういうふうに考えております。

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平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明

目次
1 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
2 関連記事その他

1 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
・ 最高裁が作成した平成27年8月31日付の「全司法本部との応答メモ」にある記載を,以下のとおり抜粋します(全司法とは,全司法労働組合のことです。)。

(1) 平成28年度概算要求(増員関係)について
    国家公務員の定員について,政府は,平成26年7月25日,業務改革を推進して定員の合理化に強力に取り組むこと等を内容とする「国家公務員の総人件費に関する基本方針」を閣議決定し,同日,毎年2%(5年10%)以上を合理化すること等を内容とする「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を閣議決定しており,国の財政状況が逼迫している中,既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど,増員を取り巻く情勢は非常に厳しい状況になっている。
    他方,司法制度改革については,法制度の枠組みが完成し,裁判員制度をはじめとして実施・運用の段階に入っているところ,裁判所としては,これらの制度改革をより実効性のあるものとするため,引き続き種々の見直しを行うとともに,裁判所の人的態勢についても国民の負託に応えていく裁判を実現するための充実強化を図っていく必要がある。具体的には,社会経済情勢の変化等を背景として個々の事件がより一層複雑困難化している民事訴訟事件の審理を充実させるとともに,家事事件について,平成25年1月に施行された家事事件手続法の趣旨に沿った適正な手続を実現するとともに,引き続き増加する成年後見関係事件に適切に対応するためには,裁判部門の処理態勢を更に強化する必要がある。
    そこで,平成28年度は,極めて厳しい財政状況の下ではあるが,裁判官(判事)32人,書記官39人,合計71人の増員要求を行うとともに,速記官から書記官へ5人の振替要求を行った。
   なお,平成28年度については,先に述べた閣議決定を踏まえた協力要請を受けて,裁判所では,定員合理化計画に協力するため,71人の定員削減を予定している。

(2) 質疑応答部分
(増員要求数)
① 裁判官の増員要求数を昨年と同じ判事32人としたのはなぜか。
→ 現在の事件動向を踏まえた上で,より一層複雑困難化する事件に適切に対処するとともに,今後の裁判部門の充実強化という観点から検討した結果,判事32人の増員を要求することとしたものである。

② 裁判官の増員要求数は昨年と同じであるのに,書記官の振替を含めた増員要求数は昨年よりも1人減ったのはなぜか。
→ 書記官は,裁判所の基幹官職として,適正迅速な裁判を実現していく中で重要な役割を果たしていると認識しており,これまでも事件動向等を踏まえながら,必要な人員の確保に努めてきたものである。具体的には,平成9年からの15年間で振替を含めて2600人を超える大幅な増員を行ったほか,平成24年度に80人,平成25年度に48人,平成26年度に44人,平成27年度に39人の増員をして,繁忙庁を中心に配置し,必要な体制整備を行ってきたところであり,平成28年度については,書記官44人を増員すれば,現有人員の有効活用と併せて,より適正かつ迅速な事件処理を行っていけると判断したものである。

③ 司法制度改革審議会で大幅に増員すべきである旨意見されたのであるから,更に大幅な増員要求を行うべきである。
→ 司法制度改革審議会において,裁判官については大幅な増員,裁判所書記官等の裁判所職員については,その質,能力の向上を一層推し進めるとともに,その適正な増加を図っていく必要があると意見されたことはそのとおりであるが,これまでも繰り返し説明しているとおり,国家財政は極めて厳しく,行政省庁は既存業務の増大への対応を定員の再配置により対処するよう求められている状況にある。国家公務員の定員を巡る情勢は,これまでにない極めて厳しいものであり,人員増に対する風当たりはますます強くなっている。
    さらに,書記官については,財政当局から,ここ数年にわたる定員振替による増員効果を指摘されており,事件数の動向の上でも,成年後見関係事件を除いて各種事件で減少又は横ばいとなっているものの,司法制度改革審議会において意見を述べた裁判部門の充実強化に向けた必要な人員の確保という観点を踏まえた要求を行うこととしたものである。

④ 東日本大震災からの復興においては法的紛争が増加すると思われるが,これに対応するための増員要求はしないのか。
→ 復興に関連して様々な法的紛争が提起されることを想定し,これらの紛争を適切に解決できるよう人的態勢を整備しておく必要があると考えており,平成24年4月に,被害の大きかった沿岸部に所在する庁を中心に書記官等の増配置を行ったところである。一方,阪神淡路大震災の経験を踏まえると,震災に伴う法的紛争の増加は一時期に集中し,一定期間経過後には収束に向かうと予想されることから,今回の増員を含めて,現有人員を有効活用することにより,震災による法的紛争の増加に対応することとし,震災を理由とした増員要求を行わないこととしたものである。

⑤ 成年後見関係事件の増加が著しいにもかかわらず,なぜ,家裁調査官の増員を要求しないのか。
→   家事事件は,後見関係事件が引き続き増加傾向にあるものの,少年事件については長期的に見た場合,減少傾向が続いており,平成26年の新受事件数は,近年のピークであった昭和58年に比べて約6分の1程度まで減少しており,家事,少年の事件全体を通じても,平成26年の新受件数の合計は,近年のピークであった昭和59年のそれを約7万件下回っている状況にある。これだけの減少は,財政当局との折衝に当たってかなり大きなインパクトを持つものと言わざるを得ない。その上,家裁調査官については,平成12年度から平成16年度まで毎年5人ずつ増員するとともに,平成15年度から平成18年度まで合計43人の事務官からの振替を行い,平成21年度については,5人の増員を行っており,平成28年度においては,現有人員の有効活用をすることによって,家事事件の適正迅速な処理を図ることができると判断したものである。

(続きを読む...)平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明

裁判所における一般職の職員―職種・身分・定員・採用(AIリライト)

目次

第1 「一般職」という呼称と記事の対象1 本記事で扱う職員2 国家公務員法上は特別職であること3 裁判所職員と司法手続への参加者の違い第2 裁判官以外の主な裁判所職員1 裁判所書記官と裁判所事務官2 裁判所調査官と家庭裁判所調査官3 裁判所速記官,裁判所技官及び秘書官4 司法行政,研修及び図書館の法定職5 執行官と廷吏第3 令和8年度の定員と平成29年度からの変化1 令和8年度の職種別定員2 平成29年度との比較3 令和8年度改正の内訳第4 採用,養成,給与及び人事異動1 裁判所事務官の採用2 裁判所書記官と家庭裁判所調査官の養成3 給与,昇進及び服務4 人事異動で考慮される事情第5 関連する資料記事第6 出典・参考資料1 法令2 裁判所資料3 国会資料
第1 「一般職」という呼称と記事の対象
1 本記事で扱う職員

裁判所には,裁判官のほか,裁判所書記官,裁判所事務官,家庭裁判所調査官,裁判所速記官,裁判所調査官,裁判所技官,秘書官及び執行官等が勤務している。本記事では,最高裁判所が作成した「裁判所における一般職の職員」の資料価値を残しつつ,裁判所法上の職,令和8年度の定員及び現在の採用・養成制度を整理する。

ここでいう「一般職」は,裁判官以外の職員を便宜上まとめる呼称であり,国家公務員法上の一般職を意味しない。裁判所の公表資料でも「一般職(秘書官含)」という集計上の表現が用いられることがあるが,法令上の身分区分とは分けて読む必要がある。

2 国家公務員法上は特別職であること

国家公務員法2条3項13号は,「裁判官及びその他の裁判所職員」を特別職としている。したがって,裁判所書記官,裁判所事務官及び家庭裁判所調査官等も,国家公務員法上は一般職ではなく,特別職の国家公務員である。

もっとも,裁判所職員臨時措置法は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員について,採用試験,任免,給与,人事評価,分限,懲戒,服務及び退職管理等に関する一般職の国家公務員の法律を,必要な読替えをして準用している。法的身分は特別職である一方,勤務条件には一般職の制度が広く準用されるという関係である。

3 裁判所職員と司法手続への参加者の違い

裁判所データブック2026は,裁判所の職員に続けて,調停官,調停委員,司法委員,参与員,鑑定委員,専門委員,精神保健審判員,精神保健参与員,労働審判員並びに裁判員・補充裁判員を掲載している。これらは司法手続に参加する者であるが,裁判所書記官や裁判所事務官等の常勤職員とは制度上の位置付けが異なる。

労働審判員は,このうち労働審判委員会の構成員として,調停だけでなく労働審判の評議及び議決にも参加する非常勤の裁判所職員である。任命,事件ごとの指定,除斥,守秘義務及び裁判例については,「労働審判員の任命,役割,権限及び裁判例(AI作成)」で整理している。

特に,裁判所調査官と専門委員を混同してはならない。裁判所調査官は裁判所法57条に基づく裁判所職員であるのに対し,専門委員は,民事事件等に関与して専門的知見に基づく説明等を行う司法手続への参加者であり,令和8年4月1日現在1795人のうち知的財産権関係は249人である。

第2 裁判官以外の主な裁判所職員
1 裁判所書記官と裁判所事務官
(1) 裁判所書記官

裁判所法60条は,各裁判所に裁判所書記官を置くと定める。裁判所書記官は,事件記録その他の書類又は電磁的記録の作成・保管,法令及び判例調査の補助等を担当し,裁判所の採用案内によれば,裁判所書記官が立ち会わなければ法廷を開くことができない。

裁判所書記官には裁判手続の進行を支える固有の役割があり,法廷立会いや調書作成だけでなく,当事者や訴訟代理人等との連絡・調整,書面・証拠の提出に関する働き掛け等を行う。書類だけでなく電磁的記録も職務の対象であることは,裁判手続のデジタル化を踏まえた現在の条文上も明記されている。

裁判所書記官の仕事内容,裁判所事務官・家庭裁判所調査官・裁判所速記官との違い及び採用から養成・任命までの通常の経路は,裁判所書記官とはでまとめている。

(2) 裁判所事務官

裁判所法58条は,各裁判所に裁判所事務官を置くと定める。裁判所事務官は,裁判部では裁判所書記官の下で裁判事務を担当し,事務局では総務,人事,会計等の司法行政事務を担当する。

事務局長は,裁判所法59条に基づき,各高等裁判所,各地方裁判所及び各家庭裁判所に置かれ,裁判所事務官の中から補される。事務局長は,裁判所長等の監督を受けて事務局の事務を掌理し,職員を指揮監督する。

2 裁判所調査官と家庭裁判所調査官
(1) 裁判所調査官

裁判所法57条は,最高裁判所,各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官を置くと定める。裁判所調査官は,裁判官の命を受けて事件の審理及び裁判に必要な調査等を行い,地方裁判所では知的財産事件だけでなく,租税事件も職務の対象となる。

したがって,裁判所調査官を「一部の高裁及び地裁に配置され,知的財産事件を担当する職員」とだけ説明するのは正確でない。法律上の配置先と,個々の庁における実際の勤務配置は区別して記載する必要がある。

(2) 家庭裁判所調査官と家庭裁判所調査官補

裁判所法61条の2は,各家庭裁判所及び各高等裁判所に家庭裁判所調査官を置くと定める。家庭裁判所調査官は,家事事件,人事訴訟事件及び少年事件等について,心理学,社会学,社会福祉学,教育学等の行動科学の知見を用いて調査・調整を行う。

もっとも,法律上の配置と支部への常駐状況は一致しない。令和8年4月14日の衆議院法務委員会における最高裁判所の説明では,全国203か所の家庭裁判所支部のうち家庭裁判所調査官が配置されている支部は113か所,約55%であり,未配置庁では近隣庁の調査官が出向くなどして対応している。

3 裁判所速記官,裁判所技官及び秘書官
(1) 裁判所速記官

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指定職を除く裁判所職員の級別定数――令和8年度予算と主要官職(AIリライト)

目次

第1 この記事で扱う「級別定数」1 対象とする職員2 裁判所職員は国家公務員法上の特別職であること3 行政職の「級」と指定職の「号俸」第2 令和8年度の裁判所職員の予算定員1 裁判所全体の俸給表別定員2 最高裁判所と下級裁判所の内訳第3 下級裁判所の主要官職と級1 行政職俸給表(一)の主要官職2 下級裁判所の指定職24人第4 高裁・地裁・家裁の主要官職1 高等裁判所2 地方裁判所3 家庭裁判所4 事務局次長の複数配置と兼務第5 級別定数表の読み方1 年度末の予算定員であること2 個々の官職との対応資料は公表されていないこと第6 過去の指定職号俸と級別定数1 平成30年の指定職号俸2 平成31年度級別定数表3 「退職までに誰でも5級」という問題提起第7 主要官職と瑞宝小綬章の関係1 官職だけで受章が決まるものではないこと2 公開受章者名簿で確認できる例第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 予算・裁判所組織・情報公開答申3 指定職・叙勲・過年度資料4 文献
第1 この記事で扱う「級別定数」
1 対象とする職員

本記事は,令和8年度予算に基づき,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員について,行政職俸給表(一)の級別定数と主要官職の関係を整理するものである。指定職俸給表と行政職俸給表(一)は別の俸給表であり,「指定職未満」は厳密な制度用語ではないため,本記事では「指定職を除く裁判所職員」と表現する。

2 裁判所職員は国家公務員法上の特別職であること

国家公務員法2条3項13号は,裁判官及びその他の裁判所職員を特別職とする。他方,裁判所職員臨時措置法は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の給与等について,一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用する。このため,裁判所の予算書等では「一般職の俸給表の準用職員」として整理されているが,国家公務員法上の一般職という意味ではない。

3 行政職の「級」と指定職の「号俸」

初任給や給与収入を知りたい場合は,裁判所事務官の給料・年収を参照されたい。本記事の級別定数は,予算定員と主要官職の配分を読むための資料であり,個人の年齢別年収又は昇進時期を示すものではない。

裁判所書記官の役職と給与資料の読み方は,裁判所書記官とはの第5も参照されたい。
書記官という官名,首席・次席・主任等の役職,級・号俸及び予算上の配置枠を区別して説明している。

一般職の職員の給与に関する法律6条3項は,職員の職務を,その複雑,困難及び責任の度に基づいて職務の級に分類し,指定職俸給表の適用職員については同表の号俸に分類すると定める。したがって,行政職俸給表(一)の1級から10級までと,指定職俸給表の号俸とは別の分類である。また,行政職の給与月額は級だけでなく,その級の中の号俸によって決まる。

第2 令和8年度の裁判所職員の予算定員
1 裁判所全体の俸給表別定員

財務省の令和8年度一般会計予算書では,一般職の俸給表の準用職員は2万1517人である。その内訳は次のとおりであり,指定職俸給表と行政職俸給表(一)の定員だけを合計して裁判所職員全体と扱うことはできない。

適用又は準用を受ける俸給表予算定員
指定職俸給表44人行政職俸給表(一)2万1132人行政職俸給表(二)289人医療職俸給表(一)11人医療職俸給表(三)41人合計2万1517人

行政職俸給表(一)2万1132人の級別内訳は,10級34人,9級143人,8級264人,7級532人,6級2380人,5級4331人,4級5010人,3級4817人,2級2077人,1級1544人である。裁判所職員について11級の予算定員は置かれていない。

2 最高裁判所と下級裁判所の内訳

行政職俸給表(一)の定員は,最高裁判所が1069人,下級裁判所が2万63人である。指定職は,最高裁判所が20人,下級裁判所が24人である。

組織指定職俸給表行政職俸給表(一)
最高裁判所20人1069人下級裁判所24人2万63人合計44人2万1132人

第3 下級裁判所の主要官職と級
1 行政職俸給表(一)の主要官職

令和8年度予算書に掲げられた下級裁判所の主要官職について,行政職俸給表(一)の定数を級別に整理すると次のとおりである。これは当該官職群に配分された予算定員であり,特定の裁判所又は特定の職員の級を示すものではない。

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最高裁判所事務総局経理局の事務分掌

資料の時点と現在の組織
現行の分課規程17条では,総務課・主計課・営繕課・用度課・監査課・管理課・厚生課を置いています。国有財産,予算・決算,工事,物品・役務の調達,会計監査,庁舎管理,共済等が所掌事務です(同18~24条)。下記の旧資料の厚生管理官等の職名・係の分担は,現行の厚生課や令和8年組織通達の構成と区別して確認してください。

現在の組織・所掌事務は,現行の最高裁判所事務総局分課規程及び令和8年までの改正を反映した組織通達で確認できます。事務総局全体の役割と7局の比較は,最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係を参照してください。以下の資料は平成26年4月1日時点の事務分掌としてご覧ください。

◯最高裁判所事務総局の各係の事務分掌に関する文書(平成26年4月1日時点)によれば,最高裁判所事務総局経理局の事務分掌は以下のとおりです。

1 総務課
(1) 庶務係
① 公印の保管に関する事項
② 文書の授受,発送及び配付に関する事項
③ 人事に関する事項
④ 局議に関する事項
⑤ 経理局の他の係及び厚生管理官の所掌に属しない事項
⑥ 課の他の係に属しない事項

(2) 施設総括係
① 施設関係事項の総合立案に関する事項
② 施設関係予算の編成及び執行に関する事項
③ 施設関係予算の支出委任に関する事項
④ 施設関係事項に関する関係諸機関との連絡調整に関する事項

(3) 国有財産係
① 国有財産事務の総括に関する事項
② 特定国有財産整備計画に関する事項
③ 最高裁判所所属の国有財産の管理及び処分に関する事項
④ 国有財産事務に関する関係諸機関との連絡調整に関する事項

(4) 公務員宿舎第一係
① 宿舎事務の総括に関する事項
② 宿舎の設置計画,維持及び配分に関する事項
③ 宿舎事務に関する関係諸機関との連絡調整に関する事項

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裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等

目次
第1 国会答弁資料及び法律案審議録
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 8年5月 7日法律第14号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 7年4月18日法律第23号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 6年4月12日法律第14号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 5年4月14日法律第10号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 4年4月22日法律第30号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 3年4月14日法律第20号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 2年4月24日法律第20号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成31年4月26日法律第15号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成30年4月18日法律第14号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成29年4月21日法律第17号)
第2 裁判所職員の定員の推移
1 裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)に基づく定員の推移
2 沖特法63条に基づく別枠の定員
3 補足説明
第3 技能労務職員の削減に関する国会答弁
第4 令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議,及び日本共産党の反対討論
1 令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議
2 令和3年3月12日の日本共産党の反対討論
第5 定員をめぐる状況に関する最高裁の認識(令和3年6月時点)
第6 定員法に関する国会答弁
第7 国政調査権と国会答弁義務
第8 最高裁判所長官代理者の場合,国会答弁資料が存在しない場合があること
第9 関連記事その他

*1 「衆議院の議案情報」を見れば,裁判所職員定員法の一部を改正する法律が分かります。
*2 ①裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和4年4月22日法律第30号)に関する国会答弁資料(令和4年3月4日の衆議院法務委員会),②令和4年の裁判所職員定員法の改正に関する法律案審議録(法務省開示分),及び③裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(第208回国会提出分)の説明資料(②の文書に含まれています。)といったファイル名で掲載しています。
*3 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等も参照してください。
*4 国会答弁資料は,審議に備えて作成された資料であり,実際の質問・答弁の内容は国会会議録で確認する必要があります。また,法律で定める法定定員,予算書に記載される予算定員及び特定の時点の現在員は,それぞれ異なります。裁判所職員定員法と行政機関の総定員法との違いは,裁判所職員定員法と総定員法の違い―裁判所の定員を法律で定める理由と国会答弁を参照してください。

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裁判所における主なシステム―J・NET,RoootS,TreeeS,mints,NAVIUS及びKEITAS(AIリライト)

第1 本記事の対象と結論

1 「裁判所における主なシステム」の範囲

2 現行システムの見取り図

第2 共通情報基盤及び司法行政のシステム

1 J・NET(司法情報通信システム)

2 GSS,courtsクラウド及びMicrosoft 365への移行

3 司法行政・共通事務の主なシステム

第3 民事裁判及び民事関係手続のシステム

1 RoootS

2 TreeeSとmintsは同義ではないこと

3 令和8年5月21日以後のmints

4 e法廷,Webex及びcourts Wi-Fi

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