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裁判制度・司法行政

最高裁判所の国会答弁資料

目次
1 最高裁判所の国会答弁資料
2 国会答弁資料が存在しないことに関する最高裁の説明
3 関連記事

1 最高裁判所の国会答弁資料
(1) 最高裁判所の国会答弁資料を以下のとおり掲載しています。
・ 第210回国会(令和4年10月3日から同年12月10日までの会期)の,最高裁の国会答弁資料
→ 衆議院法務委員会等での使用分,及び参議院法務委員会等での使用分があります。
・ 第208回国会(令和4年1月17日から同年6月15日までの会期)の,最高裁の国会答弁資料
→ 衆議院法務委員会等での使用分,及び参議院法務委員会等での使用分があります。
(2) 衆議院HPに「国会会期一覧」が載っています。

2 国会答弁資料が存在しないことに関する最高裁の説明
・ 令和元年度(最情)答申第53号(令和元年10月18日答申)には以下の記載があります(本件開示申出文書は「平成30年11月22日の参議院法務委員会における国会答弁資料のうち,裁判所の所持品検査に関するもの」です。)。
    苦情申出人は,特定日の参議院法務委員会における国会答弁の内容及び参議院インターネット審議中継の動画からすれば,最高裁判所において本件開示申出文書を保有している旨主張する(山中注:令和元年5月7日付の意見書に記載した主張です。)。しかし,当委員会において上記法務委員会の会議録を閲読し,出席者である長官代理者がした説明の内容を確認したところ,その内容を踏まえて検討すれば,議員の質問事項について,裁判所の基本的な見解を概括的に述べたものであり,上記法務委員会に係る国会答弁においては司法行政文書として長官代理者の説明案を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において,本件開示申出文書に該当する文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。
    したがって,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していないと認められる。
・ この答申は,特定日の参議院法務委員会における所持品検査に関する答弁の説明案という特定の文書について,最高裁判所事務総長が「司法行政文書として説明案を作成していない」と説明し(答申書1頁~2頁),情報公開・個人情報保護審査委員会が,会議録で確認した説明の内容から,その説明が不合理とはいえないと判断したもの(答申書2頁~3頁)です。上記1のとおり最高裁判所の国会答弁資料が開示される場合もあるため,この答申は,最高裁判所の国会答弁資料が一般に存在しないことを示すものではありません。

R050818 最高裁の不開示通知書(最高裁判所事務総局が使用している国会対応に関するマニュアル)を添付しています。 pic.twitter.com/oY9RFIJKI3

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) August 26, 2023

凄いな。答弁書はおろか更問まで公開とは。
なお、中央はこの答弁書をつくるだけで日をまたぐ。 https://t.co/hZdr4OuLHp

— 秋 (@aki2020809) February 22, 2023

3 関連記事
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 裁判所職員定員法と総定員法の違い―裁判所の定員を法律で定める理由と国会答弁

(続きを読む...)最高裁判所の国会答弁資料

裁判所をめぐる諸情勢について

目次
1 裁判所をめぐる諸情勢について
2 関連記事

1 裁判所をめぐる諸情勢について
(令和時代)
令和元年6月,令和2年8月,令和3年6月,
令和4年7月,令和5年8月,令和6年7月頃,
令和7年7月,
(平成時代)
平成23年7月,

2 関連記事
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 最高裁判所の国会答弁資料
・ 最高裁及び法務省から国会への情報提供文書
・ 裁判所職員の予算定員の推移
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
→ ①民事・行政事件の現状と課題,②刑事裁判最前線,及び③家庭裁判所の現状と課題といった資料が含まれています。
・ 毎年6月開催の長官所長会同
・ 高等裁判所事務局長事務打合せ

R041216 最高裁の不開示通知書(裁判所をめぐる諸情勢について(平成23年8月から平成31年4月までの分))を添付しています。 pic.twitter.com/KjTuvHBcLh

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) December 19, 2022

最高裁判所の経理局メールマガジン

目次
1 経理局メールマガジン
2 関連記事

1 経理局メールマガジン
令和6年:83号,
令和5年:80号,81号,82号,
令和4年:76号,78号,79号,
* 「最高裁判所の経理局メールマガジン80号(令和5年2月6日発行)→(主計課)~会計年度末における支払計画の示達について~」といったファイル名です。

R050515 最高裁の不開示通知書(経理局メールマガジン(1号から75号まで及び77号))を添付しています。 pic.twitter.com/qltT0ax9DH

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 17, 2023

2 関連記事
・ 最高裁判所事務総局経理局の事務分掌
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 最高裁判所庁舎
・ 最高裁判所裁判官等の公用車
・ 平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達
・ 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

裁判所職員の予算定員の推移

目次
第1 裁判官及び秘書官の予算定員の推移
1 裁判官の予算定員の推移
2 裁判官秘書官の予算定員の推移
第2 一般職俸給表準用職員の予算定員の推移
第3 一般職俸給表準用職員の予算定員の内訳の推移
1 指定職俸給表準用職員の予算定員の推移
2 行政職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移
3 行政職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移
4 医療職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移
5 医療職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移
6 医療職俸給表(三)準用職員の予算定員の推移
第4 裁判所の職種別の予算定員の推移
1 裁判所書記官
2 裁判所速記官(平成10年度に新規養成停止)
3 家庭裁判所調査官
4 裁判所事務官
5 その他一般職(技能労務職員,医師,栄養士,看護師等)
6 補足説明
第5 平成25年度以降の裁判所の非常勤職員
第6 令和3年度開始のデジタル人材の採用
1 令和4年度採用のデジタル人材
2 令和3年度採用のデジタル人材
3 補足説明及び関連記事
第7 平成25年度以降の裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書
第8 司法修習終了直後の判事補採用数の推移
第9 司法制度改革当時の裁判官の増員論
第10 予算書・決算書データベースに載ってある予算書へのリンク
第11 級別定数表の「職名」別の予算定員と裁判所データブックに記載されている書記官等の定員の対応関係
第12 最高裁から国会への情報提供文書

(続きを読む...)裁判所職員の予算定員の推移

裁判所の報道対応の基礎

目次
第1部 裁判所の報道対応の基礎
第2部 資料の法的位置付けと現在の補足
第3部 関連記事その他

第1部 裁判所の報道対応の基礎
・ 以下の記載は,最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)16頁ないし24頁を転載したものです。令和2年当時の裁判所職員向け参考資料であり,現在の新聞発行部数,放送ネットワーク又は記者組織の一般的な統計・定義として示すものではありません。

第1 報道機関についての基礎知識(原文の3-1)
1 新聞
(1) 全国紙,ブロック紙,県紙
    日本全域を配布エリアとする新聞を全国紙といい,朝日,毎日,読売,日経,産経の5紙がこれに当たる。これだけで新聞の総発行部数の5割以上を占めている。ブロック紙は,配布エリアが数県にわたる広いエリアにまたがっている新聞で,北海道新聞,中日新聞,西日本新聞がこれに当たる。県紙は,一つの県を主たる配布エリアとする新聞である。
(2) 本社,支局
    全国紙の場合,東京本社,大阪本社,名古屋本社等の本社があり,東京本社を中心に連携をとりながら,各本社ごとに新聞を発行している。本社には,政治部,社会部等の部署が置かれ,取材や紙面の編集活動が行われている。また,おおむね各都道府県の県庁所在地には支局が置かれ,支局に属する記者は,主に各都道府県内の事件等を取材している。
(3) 記者クラブ詰め記者と遊軍記者
    記者は,記者クラブ詰め記者と遊軍記者に分けられる。前者は,取材対象となる省庁や企業等に置かれた記者クラブを拠点に取材活動をしている記者であり,後者は,記者クラブに属さず,平素は自分の得意分野を中心に企画ものの取材等を行い,大事件が発生した場合などには社会部長やデスク等の下でチームを組んで取材に当たる記者である。
2 テレビ
(1) キー局,ネット局,独立局
    キー局は,東京や大阪などに本社を置き,契約を結んだネット局を通じ,制作した番組等を全国的な放送網に乗せることができる放送局で,東京では日本テレビ,TBS,フジテレビ,テレビ朝日,テレビ東京があり,日本テレビがNNN,TBSがJNN,フジテレビがFNN,テレビ朝日がANN,テレビ東京はTXNというネットワークを持っている。
    ネット局は,おおむね県単位で放送を行っており,基本的に独立した局である。独自に地方ニュース等の番組を制作することもあるが,全国的なニュース映像等やドラマなどの番組をキー局から受けて放送する。
    NHKは,キー局であるが,ネット局があるわけではなく,NHK自体が独自の全国的な放送網を持っている。独立局は,県単位で放送を行っているが,特にネットワークに入っておらず,独自の放送を行っている局である。
(2) 制作会社
    テレビの番組,特に特集番組やドキュメンタリー,ドラマなどをテレビ局の依頼等を受けて制作している会社である。テレビ局の放送記者とは別の角度で裁判所に取材や撮影の依頼をすることがある。
(3) 放送記者,プロデューサー,ディレクター
    放送記者も基本的に新聞記者と同様であるが,自分で取材したことを自分でカメラに向かって話すことが多く,レポーターを兼任しているような場合もある。また,記者クラブ詰め記者と遊軍記者がいるところも新聞と同様である。このほか,特定のテーマで報道番組が作られる場合などの,番組制作の責任者をプロデューサー,制作の実務担当者をディレクターと呼ぶ。
3 通信社
    新聞社やテレビ局等に内外のニュースや各種の記事,写真等を供給することを主な業務としている報道機関である。裁判所を日常的に取材している通信社は,共同通信社及び時事通信社の二社である。
4 記者クラブ
    日本新聞協会は,「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」(2002年(平成14年)1月17日第610回編集委員会,2006年(平成18年)3月9日第656回編集委員会一部改定)の中で,「記者クラブは,公的機関などを継続的に取材するジャーナリストたちによって構成される「取材・報道のための自主的な組織」です。・・・・記者クラブは,公権力の行使を監視するとともに,公的機関に真の情報公開を求めていく社会的責務を負っています。・・・・記者クラブ制度には,公的機関などが保有する情報へのアクセスを容易にするという側面もあります。・・・・記者クラブは,『開かれた存在』であるべきです。日本新聞協会には国内の新聞社・通信社・放送局の多くが加わっています。記者クラブは,こうした日本新聞協会加盟社とこれに準ずる報道機関から派遣された記者などで構成されます。外国報道機関に対しても開かれており,現に外国報道機関の記者が加入するクラブは増えつつあります。」としている。なお,詳細については,日本新聞協会のホームページに前記見解が掲載されているので,参照されたい。おって,同ホームページ上には,この見解についての解説も掲載され,記者クラブの「目的と役割」,「組織と構成」,「記者会見」,「協定と調整」,「記者室」及び「紛争処理」が説明されており,参考になる。
5 裁判所の記者クラブ

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裁判所の報道発表等

目次
第1部 裁判所の報道発表等
第1 報道発表等における一般的な留意事項(原文の4-1)
第2 資料提供(資料等の投げ込み)(原文の4-2)
第3 記者へのレクチャー(原文の4-3)
第4 所長等就任記者会見(原文の4-4)
第5 記者会見実施上の一般的な留意事項(原文の4-5)
第6 懲戒処分の公表(原文の4-6)
第2部 関連記事その他

第1部 裁判所の報道発表等
・ 以下の記載は,最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)25頁ないし33頁の記載を貼り付けたものです。
・ 平成25年4月版の4-6は,平成15年12月22日付けの人事局長通知だけを挙げていましたが,令和2年3月版は,平成16年3月4日付けで裁判所職員倫理審査会が定めた公表指針も挙げ,いずれも裁判所ウェブサイトで公開されているとしています(平成25年4月版30頁,令和2年3月版31頁)。
版の違いとハンドブック全体の構成は,最高裁判所の広報ハンドブックとは―総論・一般広報の内容と令和2年3月版の改訂点に整理しています。

第1 報道発表等における一般的な留意事項(原文の4-1)
    報道発表等は,おおむね,記者への資料の投げ込み,記者へのレクチャー,記者会見の方法で行われる。報道発表等を行うに当たっては,次のとおり,相手方(報道機関)があることを常に意識することが必要である。
1 報道発表等の内容
    具体的にどのような内容の報道発表等を行うか,明確に整理した上で対応する必要がある。裁判所が報道してもらいたいと考えても,報道機関にとっては報道に値するものと思われない場合もある。また,報道機関は,必ずしも裁判所の業務内容等をこと細かく知っているものでもない。裁判所として国民への説明責任をどのような形で果たすべきか,報道機関がどのようなことに関心を持っているのかなどをふだんから意識しておく必要がある。
2 報道発表等の時期・タイミング
    報道機関(記者)は,日々様々な取材活動等を行っている。報道発表等を行う際には,このことも意識する必要がある。著名事件の裁判が行われている中で報道発表等を行う,記者が記事原稿を社に送るまでの時間がほとんどない時刻に報道発表等を行うなどということは可能な限り避けるべきである。このような時期・タイミングで報道発表等を行うと,記者は時間に追われて記事をまとめることになるが,その結果,十分に報道発表等の内容が理解されないままに記事(誤報)になるおそれがあるからである。
3 報道発表等の準備
    報道発表等の内容によっては,記者に交付する簡潔な説明資料を準備する,更に問われた場合の補足説明事項等を用意する,ということが必要である。
報道発表等は,各社への情報伝達に漏れがないようにする必要がある。そのため,記者クラブの幹事社を通じて行うのが一般的であろう。
4 他庁等への影響等
    ある庁の報道発表等が他庁,関係機関等に影響を及ぼすことがある。報道発表等を行うに当たっては,他庁等にどのような影響,波及が生じるかについても考える必要がある。その上で必要に応じて,上級庁を含め,他庁等に情報提供等することも必要となろう。

第2 資料提供(資料等の投げ込み)(原文の4-2)
    資料等を報道機関に投げ込む方法での報道発表である。報道発表内容を簡潔に記載したペーパー(プレスリリースペーパー)を投げ込むことが多い。例えば,次のようなものがある。
① 人事の報道発表・・・人事異動についての情報提供である。報道の解禁日時を設定して発表することもある(「シバリ付きの報道発表」ともいう。)。

(続きを読む...)裁判所の報道発表等

裁判所の取材対応

目次
第1部 裁判所の取材対応
第1 取材対応において念頭に置くべきこと(原文の5-1)
第2 取材対応における一般的な留意事項(原文の5-2)
第3 取材事項について総務課で即答できない場合の対処(原文の5-3)
第4 休日等における取材対応(原文の5-4)
第5 緊急時における取材対応(原文の5-5)
第6 裁判官等の裁判所職員に対する取材への対応(原文の5-6)
第7 支部等に対する取材への対応(原文の5-7)
第8 検察審査会に対する取材への対応(原文の5-8)
第2部 現行法及び弁護士実務からの補足
第3部 関連記事その他

第1部 裁判所の取材対応
・ 以下の記載は,最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)34頁ないし48頁の記載を貼り付けたものです。

第1 取材対応において念頭に置くべきこと(原文の5-1)
    裁判所には,司法機関として,維持し,あるいは守らなければならない原理,原則がある。その中でも特に取材対応において常に念頭に置かなければならない主なものを以下に掲げる。
一方で,裁判所の説明責任も念頭におく必要があり,この点を考慮することなく,漫然と回答を控える対応とならないよう注意が必要である。

1 裁判所の独立,裁判運営の適正
    裁判所の主な職責は,様々な法的紛争を,法律の定めた手続に従って,適正かつ迅速に処理することである。こうした裁判事務は,裁判所にとってのいわば本体的業務であり,事務局の行う司法行政事務は,この裁判事務が円滑適正に行われることを側面からサポートするためにある。
    ところで,裁判事務は,司法行政事務と異なり,受訴裁判所を中心とする裁判部が,その権限に基づき独立に判断・処理することを原則としている。したがって,広報担当者においては,裁判部の行うこのような権限行使にいささかでも支障となるおそれのある言動は厳に慎む必要がある。例えば,ある判決について,広報担当者が,その当否に触れたと受け取られるコメントをすることは,その者の意図のいかんを問わず,事務局による裁判への干渉(すなわち裁判の独立の侵害)と誤解されかねない。また,そうしたコメントが原因となって訴訟が紛糾すれば,その後の訴訟の適正な運営の障害ともなる。
    広報事務は,前述したとおり,司法行政事務の一種であり,裁判事務をサポートすべきものである。広報担当者による不用意な言動が裁判事務の支障となるというようなことは,本末転倒であり,決してあってはならない。

2 裁判所の中立性,公平性の確保
    裁判所は,その職務の性質上,中立性,公平性を厳に維持しなければならない。実際に中立性,公平性を維持するとともに,この点で国民に疑念を抱かれることも避けねばならない。裁判所は,取材対応を含め,広報活動全般にわたって,裁判所の中立性,公平性と矛盾しないかどうかという観点から配慮しなくてはならないのである。
    例えば,事件の担当裁判官や裁判所書記官等が特定の事件について,法廷外,判決外で説明したり,論議したりすることは,手続の公正や判決の信頼性を傷つけ,ひいては裁判の中立性,公平性に疑念を抱かせることになる。司法行政部門であっても同様であり,裁判所にとって良かれと思ったとしても,このようなことは絶対にしてはならない(法廷内の裁判官の発言内容や判決内容についてコメントを出すなど。そもそも司法行政部門が裁判の内容等について発言することは,それだけで中立性,公平性に疑念を抱かせるおそれがある。)。
    そのほか,次のような例がある。
(1) 裁判所内で事故やトラブルが発生したような場合に,裁判所が当事者的立場に立たされることが起こり得る。裁判所は,今後,その事故等の関係者を裁判しなければならなくなる可能性があることを前提に,取材対応に当たっても,裁判所の中立性,公平性について誤解を与えないような配慮が必要である。

(続きを読む...)裁判所の取材対応

少年事件についての報道対応の留意事項

目次

第1 少年事件についての報道対応の留意事項第2 関連記事その他
第1 少年事件についての報道対応の留意事項

本記事は,令和2年3月版の裁判所向け広報資料の記載を紹介するものである。引用部分は特定少年の制度が施行される前の資料であり,現行法の説明としてそのまま読むことはできない。
令和4年4月1日施行の改正後は,18歳・19歳の時に犯した罪について起訴された場合,少年法68条による推知報道禁止の適用除外が問題となる。逮捕や逆送だけで禁止が外れるものではなく,略式手続については例外もある。現行の少年法61条・68条を確認されたい。
年齢・逆送・保護処分との関係は特定少年とは―18歳・19歳の少年事件,逆送・保護処分・実名報道,弁護士の取材対応は少年事件で弁護士が取材を受けるときの確認事項,一般的な手続は少年事件の流れと保護者の対応を参照されたい。

平成25年4月版の同じ項(59頁)は,具体的な対応を担当裁判官の了解を得た上で判断するとし,事件受理時や審理途中には外形的ないし客観的事実についてのみ公表するなどの配慮をするとしていた。
令和2年3月版では,担当裁判官の意見を踏まえた上で判断するとされ,外形的ないし客観的事実に限って公表するという例示はなくなった。
版の違いとハンドブック全体の構成は,最高裁判所の広報ハンドブックとは―総論・一般広報の内容と令和2年3月版の改訂点に整理している。

・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)62頁ないし63頁には,「6-7 少年事件についての報道対応の留意事項」として以下の記載があります。

1 少年事件の非公開性
    少年法は,少年事件を非公開手続とし(同法22条2項),少年の情操を保護し(少年審判規則1条),少年の更生及び社会復帰を期するため,秘密の保持に配慮している。報道対応の場面でも少年事件の非公開性には特に配慮しなくてはならない。
    同法61条には,「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については,氏名,年齢,職業,住居,容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」と規定されている。
    この少年事件の特殊性については,折りに触れ記者にも説明し,理解してもらうことが求められる。

2 少年事件の報道対応
    一方,少年事件であっても,裁判所が全く報道対応をしないでいると,かえって不正確な報道を招く危険もある。少年事件の非公開性に十分な配慮をした上で,家庭裁判所の社会に対する説明責任を果たし,家庭裁判所に対する社会の信頼を確保することにも留意しながら報道対応を行う必要がある。捜査段階など,これまでの報道振りから,取材が予想されるような事件が係属している場合には,所長に報告して,あらかじめ今後の報道対応について検討をしておく。具体的な対応は,担当裁判官の意見を踏まえた上,事案ごとに判断することになるが,事件によっては,少年の特定に結び付かず,少年の情操保護,更生を妨げない限度で一定の情報を公表することが相当な場合もあり,その際,事件受理時や審理途中においては,調査や審判等に影響を及ぼさないよう配慮する必要がある。また,被害者等に関する取材についても,二次的被害を与えないように,その心情に十分配慮した対応が必要である。
    なお,少年の身柄に関する事項について報道対応する際には,その情報に基づき取材されることもあるので,観護措置決定の執行終了後に対応したり,関係機関と調整したりするなどの配慮が必要である。決定要旨原案の作成は,担当裁判官に依頼することになるが,記載をどの程度詳細にするかは,審判が非公開とされる趣旨及び少年や関係者のプライバシーに配慮しつつ,家庭裁判所の社会に対する説明責任が果たされているかという観点から判断することとなる。重大事件等においては,ある程度詳細な決定要旨が必要となる場合もあろう。
    おって,記者は少年事件の手続等について知識を持たないこともあるので,正確な報道をしてもらうために,記者に手続の流れなどの一般的知識を提供する等,適宜な措置を講じることも検討されたい。

第2 関連記事その他
1 最高裁判所の広報ハンドブック(少年事件編)(令和2年3月版)を掲載しています。
2 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所の報道対応の基礎
・ 裁判所の報道発表等
・ 裁判所の取材対応
・ 法廷内写真撮影
・ 裁判所の庁舎内(敷地内)写真撮影
・ 報道機関向けの判決要旨とは―裁判所が配る要旨・骨子の作成手順,分量の目安及び交付先(広報ハンドブック6-4)(決定等要旨の扱いを含む)
・ 法廷内記者席
・ 対象裁判が著名事件等である場合の留意事項
・ 所長等就任記者会見,及び記者会見実施上の一般的な留意事項(最高裁判所の広報ハンドブックからの抜粋)

(続きを読む...)少年事件についての報道対応の留意事項

対象裁判が著名事件等である場合の留意事項

目次
第1 対象裁判が著名事件等である場合の留意事項
第2 現行の公式資料による補足
第3 弁護士側の事前確認
第4 関連記事

第1 対象裁判が著名事件等である場合の留意事項
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)59頁ないし61頁には,「6-6 対象裁判が著名事件等である場合の留意事項」として以下の記載があります。
    全国的に注目を集めている著名事件の初公判や判決言渡しの際には,各報道機関とも大きく取り上げるため,様々な取材の申込み,便宜供与の依頼が予想される。そのような公判や判決言渡しが予定されているときには,広報担当は,あらかじめ報道対応等のやり方を検討し,必要があれば記者クラブと打ち合わせるなどして,当日混乱が生じないように準備する必要がある。
    著名事件等における主な検討項目は,次のとおりである。

1 法廷内記者席
    一般傍聴人も多数来訪することが予想される。記者席を多く取ると一般傍聴席が減って,抽選に列を作った傍聴希望者から苦情が出ることもある。逆に記者席が少ないと,十分に報道できないと記者側から苦情が出る。記者席と一般傍聴席とをいかに調整するかはなかなか難しいが,事前に記者クラブと打ち合わせして調整し,バランスを取る必要がある。
    記者席について,検討,調整する場合には,当然,裁判部と緊密に連絡し合わねばならない。その場合,広報担当者が得ている情報や予想される記者クラブの反応などを裁判部に十分伝えることが必要となる。

2 法廷内カメラ取材
    取材要領を作成の上,代表取材の担当となった社と,集合時間,集合場所等について打合せを行っておく必要がある。また,法廷以外でもカメラ取材が予定されることがあり,それぞれの場所でのカメラ取材に混乱が生じないよう,事前に裁判所からの指示を徹底させる必要がある。広報担当者を適切に配置するなど,混乱回避の手段を講じることも大切である。

3 判決要旨等
    通常,判決要旨・骨子を用意し,記者に配布することになる。事前に記者クラブと部数について打合せをし,裁判部に依頼して部数を用意してもらい,当日混乱なく配布できるように準備する。
    判決要旨・骨子は,原則,判決言渡しの終了後速やかに,広報担当者が記者クラブに配布する。判決言渡しに長時間を要する刑事事件の場合などに,記者クラブから,判決要旨・骨子を主文言渡し後速やかに配布してもらいたい旨の要望が出ることがある。言渡し終了まで待っていたのでは締切時間に間に合わず,かといって判決要旨・骨子なしには正確な報道をするのが困難であるという理由からのものである。裁判体と協議の上,具体的事情に応じた対応策を検討する必要がある。判決要旨等を分割して,段階的に交付する,ということもその対応の一つの方法といえよう。

4 臨時記者室
    極めて著名な事件の場合,通常使用している記者室が広くない庁では,記者クラブから,臨時の記者室として使うための会議室等を提供してもらいたい旨の要望が出ることがある。
    臨時に会議室等を提供するかどうかは,庁舎管理権の問題であり,庁舎管理権者である所長等が決めることになるが,そのためには,その事件ではどのくらいの規模の取材等が予想されるのか,既存の記者室で対処できそうなのかどうかといった点について,事前に広報担当から所長等に報告することが求められる。
    なお,臨時記者室を提供する場合,臨時の電話回線やファクシミリ回線の設置要望が出ることもあり,事前によく記者クラブ側と打ち合わせる必要がある。
おって,臨時記者室は報道のために便宜供与するものであり,当事者が報告集会を行うというような使い方ができないのは当然である。

5 中継車,中継テント
    極めて著名な事件の場合には,特に放送関係の記者から,裁判所構内の駐車場等に中継車を置かせてもらいたい,生中継をするためのテントを張らせてもらいたい旨の要望が出ることがある。このような要望についても庁舎管理権の問題であり,所長等が許否を決めることになるが,臨時記者室と同様に,予想される取材の規模等を広報担当から所長等に報告することが求められる。

(続きを読む...)対象裁判が著名事件等である場合の留意事項

法廷内記者席

目次
第1 法廷内記者席
第2 関連記事その他

第1 法廷内記者席
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)58頁には,「6-5 法廷内記者席」として以下の記載があります。

    記者クラブから法廷内に記者席を確保してもらいたいという要望がなされることがある。傍聴希望者が多く,傍聴席が一杯になるような著名な事件の場合,この要望が出されることが多いようである。
    法廷内に記者席を設けるか否かは,裁判長又は開廷をした一人の裁判官の法廷警察権に基づく判断に関わることである。したがって,まず,要望が出たことを裁判部に伝えた上,裁判体の判断を仰ぐことになる。裁判体の了解が得られた場合には,その旨を記者クラブに伝え,出席予定記者を確認する。法廷の規模にもよるが,一般傍聴人の傍聴席を確保する必要があることから,通常は,1社1席というのが原則であろう。裁判当日は,当該傍聴席が記者席であることが分かるように,傍聴席に「記者席」等と書かれたカバーを掛ける等の措置を執ることが相当である。記者は,法廷に出たり入ったりすることがあるので,記者席は,通路側の出入口に近い傍聴席に設けるのが一般的である。要警備事件である場合,傍聴券を交付する事件である場合等においては,事前に,裁判部との間で,開廷中の記者の出入りをどの程度認めるか,記者の交代を認めるかなど,よく調整しておく必要がある。
    要望に基づいて記者席を確保したにもかかわらず,何らかの理由で記者が法廷に来ない,ということもあり,傍聴券を交付した事件ではない場合においては,記者席カバーを外し,一般傍聴席に戻すといった措置を執ることもある。理由がどのようなものであれ,傍聴席確保を申し出た記者には,一般傍聴席を減らして記者席を確保しているのであるから,申し出た以上は,必ず法廷に来るように,今後,このようなことがあれば,記者席の確保はできなくなる旨伝えるなど,注意を促すことも必要となろう。
    記者クラブに所属していない報道機関から記者席の申出がされた場合には,記者クラブ所属記者からの申出の状況等を踏まえて対応を検討する必要がある。
    なお,記者席を確保するために,折りたたみ椅子等を法廷内に持ち込むことは相当でない。飽くまでも既存の設備の範囲内で可能な対応をとるというのが,便宜供与をする際の原則である。

・ 平成25年4月版の同じ項(55頁)は,記者席を設けるか否かを「裁判所(長)」の法廷警察権に基づく判断に関わることとし,記者が来なかったときは記者席カバーを外して一般の傍聴席に戻すとしていました。
令和2年3月版(58頁)は,「裁判長又は開廷をした一人の裁判官」の法廷警察権と改め,一般傍聴席に戻す措置を,傍聴券を交付した事件ではない場合のものとしています。
版の違いとハンドブック全体の構成は,最高裁判所の広報ハンドブックとは―総論・一般広報の内容と令和2年3月版の改訂点に整理しています。

第2 関連記事その他
1 裁判所HPの「大法廷web見学ツアー(傍聴席)」には以下の記載があります。
大法廷の傍聴席は,全部で166席あるんじゃ。さらに,新聞記者の人たちが座る記者席も,傍聴席の両側に42席あるんじゃよ。
最高裁判所の大法廷は,日本で一番大きい法廷じゃから,傍聴席も多いんじゃよ。
2 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所の報道対応の基礎
・ 司法記者クラブとは―司法記者の仕事,加盟社・所在地,法曹記者クラブとの違い
・ 裁判所の報道発表等
・ 裁判所の取材対応
・ 判決要旨等
・ 裁判所の庁舎内(敷地内)写真撮影
・ 法廷内写真撮影
・ 所長等就任記者会見,及び記者会見実施上の一般的な留意事項(最高裁判所の広報ハンドブックからの抜粋)

(続きを読む...)法廷内記者席

報道機関向けの判決要旨とは―裁判所が配る要旨・骨子の作成手順,分量の目安及び交付先(広報ハンドブック6-4)(AI作成)

目次
第1 この記事の対象
第2 広報ハンドブック(令和2年3月版)の「6-4 判決要旨等」
第3 報道機関向けの判決要旨の特徴
第4 判決書・判例集の要旨との違い
第5 弁護士・当事者等への交付
第6 資料の性格
第7 関連記事その他

第1 この記事の対象
1 この記事は,最高裁判所事務総局広報課の広報ハンドブック(令和2年3月版)のうち,報道機関向けの判決要旨・骨子と決定等要旨を扱う「6-4 判決要旨等」を掲載し,その内容を整理するものです。
判決要旨は,裁判所が報道機関の正確な報道のために作成して交付する資料であり,判決書そのものではありません。

2 弁護士が判決要旨の交付を申し出る場合の実務は判決要旨を弁護士が受け取るには―申出時期,便宜供与,静岡地裁令和7年11月27日判決,保存及び情報公開(AI作成)に,判決要旨の取扱いの変遷は判決要旨は誰に交付されるか―広報ハンドブック,平成28年・平成29年の事務連絡,美濃加茂市長事件及び情報公開答申(AI作成)に整理しています。

第2 広報ハンドブック(令和2年3月版)の「6-4 判決要旨等」
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)55頁ないし57頁には,「6-4 判決要旨等」として以下の記載があります。
1 判決要旨等の提供の理由等
    言渡し前に,記者クラブから広報担当に対して,判決言渡しの際,判決要旨・骨子を配布してほしい旨の要望が出されることがある。
    記者は,言渡し後ごく短期間のうちに記事を作成しなくてはならない。記事の予定稿を用意することもあるようであるが,それでも記事をまとめるまでには,非常に慌ただしい作業となる。そのような中で短時間に判決文を読みこなす,あるいは判決理由の朗読を聴いて正確に要点を抽出するということは極めて難しいといえよう。このような状況から,正確な報道のためには,裁判所の方で要旨・骨子を提供するのが有効であるとして,これまでも便宜供与してきたところである。

2 判決要旨等作成のための協力依頼
    判決要旨等の作成は広報事務であるが,実際には,事案や判断の内容に精通している裁判体の協力が不可欠である。判決を正確に報道してもらうためであり,記者クラブから要望があった場合には,広報担当者から速やかに裁判部(裁判官)に依頼することになる。
    裁判部に判決要旨等の原案作成を依頼する際には,次の点にも配慮を願うとよい。
(1) 長文にならないよう配慮
    紙面のスペースには限りがあるため,判決要旨が長文であると,一部がカットされて掲載されることになる。事件にもよるが,新聞に掲載される分量は,長くても3000字程度,骨子は300字程度とされている。これが要旨等の長さの目安になる。
(2) 分かりやすいよう配慮
    例えば,当事者複数の民事事件の場合,記者は主文を見て認容総額を把握できないこともある。判決要旨中に認容総額を盛り込むと誤報が防げる。当事者多数の損害賠償事件などでは,認容総額(連帯して支払が命じられたときは,全体で支払うべき額),判決時の原告数と認容した原告数,認容最高・最低額等が分かるような一覧表を用意するなどの工夫が求められる。また,判決要旨の各項目ごとに見出しなどを付けると判決要旨の全体像が分かりやすい。判決要旨は,報道のためのもので,判例集に載せるものではない。重要な法律論であっても,記者が関心を示さないようなものは省き,判決要旨等は,一般読者を想定した,分かりやすいものを作成すべきであろう。
(3) プライバシー情報への配慮
    判決要旨等の作成に当たっては,秘匿決定のされた事項等,関係者のプライバシーに関する情報に十分配慮することが求められる。

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法廷内写真撮影

目次
第1 法廷内写真撮影
第2 法廷内カメラ取材の標準的な運用基準
第3 令和8年5月21日施行後の民事訴訟規則77条
第4 関連記事

第1 法廷内写真撮影
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)50頁には,「6-2 法廷内写真撮影」として以下の記載があります。
    法廷内カメラ取材については,平成3年1月1日から,「法廷内カメラ取材の標準的な運用基準」を基に,各庁において運用要領が作成され,これに従って実施されており,全国的に運用が定着しているといえよう。
    ところで,法廷内カメラ撮影を許可するかどうかは,裁判長又は開廷をした一人の裁判官の法廷警察権の行使の範ちゅうに属するものであり,事件の性質・内容,その他諸般の事情を考慮して許可等の判断がされる(民事訴訟規則77条,刑事訴訟規則215条)。したがって,法廷内カメラ取材の申請がなされたとしても,裁判の適正な運営に支障を生じるなど特別の事情がある場合には,極めて例外的に裁判所等の判断により不許可とすることがある。
    なお,具体的に,特定の事案において不許可とすべきか,運用要領と異なった扱いをすべきかなどを検討するに当たっては,他庁の実情も参考にすべく,上級庁に相談することも一つの方法であろう。
    おって,法廷内カメラ取材の当日のカメラマン等への対応において,広報担当者として留意すべきと思われる事項は,次のとおりである。
1 法廷に誘導する前に,カメラマンに対して,改めてカメラ取材の際の注意点について説明することが必要である。腕章の着用,撮影時間,撮影場所,撮影方法,撮影対象,撮影中止の合図があれば中止すること,中止の合図の前後を問わず当事者や傍聴人が法廷の秩序を乱す行為に出たところは撮影できないことなどを確認する。
2 撮影中止の合図に従わないカメラマンを規制するような場合でも,カメラを手でふさぐなどの実力行使はしない。そのこと自体が二次的トラブルの種となる危険があるからである。
3 違反撮影をされてしまったような場合には,撮影後カメラマンを法廷外へ誘導してから,その写真を使用しないよう申し入れ,さらに記者に対しても同様の申し入れをして,違反撮影の写真が報道されないようにする。
4 当日の進行については,あらかじめ裁判部との間で緊密な打合せを行い,保釈された被告人が在廷しているなど,当日予定外の動きがあった場合には,裁判部の担当者からも直ちに連絡を受けられる態勢を確保しておく。

第2 法廷内カメラ取材の標準的な運用基準
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)51頁及び52頁に掲載されている,「法廷内カメラ取材の標準的な運用基準(平成3年1月1日)」は以下のとおりです。
1 法廷内カメラ取材の許可
法廷内カメラ取材は,裁判所又は裁判長が,事件の性質・内容,その他諸般の事情を考慮して,許可するものとする。
2 代表取材
撮影は,新聞・通信・放送各社間で話し合い,代表取材とする。
3 撮影機材
撮影機材は,1人で操作できる携帯用小型スチールカメラ1台,予備用スチールカメラ1台及びビデオカメラ1台とし,照明機材・録音機材・中継機材は使用しない。
4 撮影要員
(1) 入廷できる撮影要員は,スチールカメラにつき1人,ビデオカメラにつき1人とする。
(2) スチールカメラにつき1人,ビデオカメラにつき1人の撮影補助要員の入廷を認める。
5 撮影時期・時間
    撮影は,裁判官の入廷開始時からとし,裁判官全員の着席後開廷宣告前の間の2分以内とする。

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最高裁判所の概算要求書(説明資料)-入手先,構成,読み方及びバックナンバー(AIリライト)

目次第1 この記事の対象と結論1 対象2 結論第2 裁判所ウェブサイトの資料と説明資料1 裁判所ウェブサイトに掲載されている資料2 説明資料の表紙と構成3 「明細書頁」による歳出概算要求書との対応4 要求要旨と経費積算内訳の読み方5 頁番号の注意第3 バックナンバー第4 説明資料から分かることの例第5 概算要求から予算の成立まで1 概算要求の法令上の位置付け2 日程3 裁判所の予算だけに用意されている手続4 予算の規模第6 関連する資料1 公表資料2 当ブログに掲載している資料3 X(旧Twitter)で公開している資料第7 関連記事1 予算の仕組みと資料の読み方2 年度ごとの突合3 司法行政第8 出典1 法令2 裁判所ウェブサイト3 最高裁判所の概算要求書(説明資料)4 財務省
第1 この記事の対象と結論
1 対象

この記事は,最高裁判所が毎年度の概算要求の際に作成する「概算要求書(説明資料)」について,裁判所ウェブサイトに掲載されている資料との関係,構成,読み方及び当ブログに掲載しているバックナンバーを整理するものである。
本記事の基準日は令和8年9月19日である。
ただし,バックナンバーの掲載状況は令和8年10月21日に更新した。
本記事は,令和3年12月12日に公開した記事を,生成AIを用いて一次資料と照合し,書き直したものである。

2 結論

裁判所ウェブサイトの裁判所の予算には,毎年度の「一般会計歳出概算要求書(等)」が掲載されている。
概算要求書(説明資料)は,この歳出概算要求書の各項目を,最高裁判所の局課ごとに,要求の理由と円単位の積算に分けて説明した資料であり,令和9年度分で620頁ある。
説明資料は裁判所ウェブサイトには掲載されておらず,当ブログでは平成29年度分及び令和2年度分から令和9年度分までを掲載している。

第2 裁判所ウェブサイトの資料と説明資料
1 裁判所ウェブサイトに掲載されている資料

裁判所ウェブサイトの「裁判所の予算」には,年度ごとの頁があり,平成30年度から令和9年度までの頁が置かれている。
各年度の頁には,概算要求の段階で「概算要求の概要」「一般会計歳入予算概算見積書」「一般会計歳出概算要求書(等)」及び要望一覧が,予算の成立後に「予算の概要」及び「一般会計歳出予算各目明細書」が掲載される。

平成30年度から令和9年度までの各年度の頁を確認したところ,概算要求書(説明資料)はいずれの頁にも掲載されていなかった(令和8年9月19日確認)。
当ブログに掲載している説明資料は,裁判所ウェブサイト以外の経路で当ブログが取得したものである。

2 説明資料の表紙と構成

説明資料の表紙は,「令和4年度概算要求書(説明資料) 03 裁判所所管 最高裁判所」のようになっている。
「03」は裁判所所管を示す番号である。

令和4年度の説明資料(819頁)の目次では,本文が次の順に並んでいる。
①秘書課経費(1頁),②広報課経費(51頁),③情報政策課経費(67頁),④総務局経費(127頁),⑤人事局経費(191頁),⑥経理局経費(249頁),⑦民事局経費(381頁),⑧刑事局経費(443頁),⑨行政局経費(517頁),⑩家庭局経費(541頁),⑪図書館経費(625頁),⑫司法研修所経費(635頁),⑬裁判所職員総合研修所経費(695頁),⑭人件費(759頁),⑮施設費(797頁),⑯(参考)共通経費内訳(805頁)

つまり,歳出概算要求書が予算の科目(項・目)の順に並んでいるのに対し,説明資料は,要求を担当する最高裁判所事務総局等の局課の順に並んでいる。

3 「明細書頁」による歳出概算要求書との対応

説明資料の各項目の右欄には「明細書頁」の欄があり,歳出概算要求書の頁を示している。

例えば,令和4年度の説明資料160頁の「法令・判例等検索システム」の明細書頁は「33」である。
裁判所ウェブサイトの令和4年度一般会計歳出概算要求書の33頁の備考欄には,(総務局経費)の雑役務費として,法令・判例等検索システムが「40,185」(前年度「40,183」)千円と記載されている。
説明資料167頁は,同じ経費を単価4018万4125円(前年度4018万2577円),所要額4018万5千円と記載している。

したがって,歳出概算要求書で金額の大きさを確かめ,説明資料でその理由と積算を確かめるという使い方ができる。

4 要求要旨と経費積算内訳の読み方

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令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容

目次
1 令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容
2 関連記事その他

1 令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)434頁ないし438頁には,「情報通信技術を活用した裁判手続等の運用に必要な経費」として以下の記載があります。
(1) 民事訴訟手続のIT化のためのライセンス利用料等
<要求要旨>
    国民生活に関わる様々な分野でオンライン申請を始めとして,手続のIT化が進められ,それが広く受け入れられている状況にあることを踏まえれば,裁判所においても,民事訴訟手続のIT化を見据えて検討を進めていくことが必要であるところ,内閣官房における「裁判手続等のIT化検討会」の取りまとめを受けて,令和元年度から令和2年度にかけて,ウェブ会議等のITツールを積極的に利用した,より効果的・効率的な争点整理の運用(以下「フェーズ1の運用」という。)が第一次実施庁及び第二次実施庁において,順次開始されている。令和3年度には,IT化を更に推進するため,フェーズ1の運用を開始する庁を地方裁判所支部(第三次実施庁)の一部に拡大し,令和4年度には順次残りの地方裁判所支部に拡大していく必要がある。また,現在,法制審議会において民訴法の改正に向けた調査審議が進められており,令和4年中に法改正が実現した場合には,ウェブ会議を用いた非対面での和解期日等の運用(以下「フェーズ2の運用」という。)を同年度中に開始する必要があることから,少なくとも最高裁判所及び高等裁判所(支部を含む。)においてフェーズ1の運用やフェーズ2の運用(以下これを合わせて「ウェブ会議等の運用」という。)を開始する必要がある。
    そこで,最高裁判所及び高等裁判所(支部を含む。)におけるウェブ会議等の運用を開始するために必要となるLAN配線の敷設工事費用の経費を要求する。
    また,第一次実施庁,第二次実施庁及び第三次実施庁におけるウェブ会議等の運用のほか,最高裁判所及び高等裁判所(支部を含む。)でのウェブ会議等の運用開始に伴って,各庁において必要となるウェブ会議用ソフトのライセンス等の経費を要求する。さらに,ウェブ会議等の運用に当たっては,インターネット上で実際の事件情報を取り扱うところ,事件当事者の個人情報等を保護するため,適切な情報セキュリティ対策を施す必要があることから,必要なセキュリティ対策を徹底するための経費を要求する。

(2) ウェブ会議等の円滑な運用を進めるための支援業務費用
<要求要旨>
    令和元年度より,Microsoft365 を用いて,ウェブ会議等のITツールを活用した争点整理の運用(以下「フェーズ1の運用」という。)を開始しているが,令和4年中の民訴法改正が実現した場合にはウェブ会議を用いた非対面での和解期日等の運用(以下「フェーズ2の運用」という。)も同年度中に開始する必要があり,フェーズ1の運用やフェーズ2の運用(以下これを合わせて「ウェブ会議等の運用」という。)においてウェブ会議等を活用していく中では,不正アクセスや回線の故障のほかソフトウェアの不具合などに起因する,単なる使用方法の不明点の照会だけでは解消しない様々な障害が生じることが予想される。ウェブ会議等の運用を円滑かつ安定的に進めていくためには,障害発生時における原因の切り分けやその後の復旧対応等を迅速に行うことが重要であるところ,専門的な知識を有しない裁判所の職員がそれらの対応を行うことは不可能である。
    そこで,ウェブ会議等の運用を円滑かつ安定的に進めるために,専門業者に対し,障害発生時の対応等を行う運用支援の各業務を委託するための経費を要求する。

(3) 民事訴訟手続のIT化のためのウェブ会議用機器等の購入【要望】
<要求要旨>
    国民生活に関わる様々な分野でオンライン申請を始めとして,手続のIT化が進められ,それが広く受け入れられている状況にあることを踏まえれば,裁判所においても,民事訴訟手続のIT化を見据えて検討を進めていくことが必要であるところ,内閣官房における「裁判手続等のIT化検討会」の取りまとめを受けて,令和元年度から令和2年度にかけて,ウェブ会議等のITツールを積極的に利用した,より効果的・効率的な争点整理の運用(以下「フェーズ1の運用」という。)が第一次実施庁及び第二次実施庁において,順次開始されている。令和3年度には,IT化を更に推進するため,フェーズ1の運用を開始する庁を地方裁判所支部(第三次実施庁)の一部に拡大し,令和4年度には順次残りの地方裁判所支部に拡大していく必要がある。また,現在,法制審議会において民訴法の改正に向けた調査審議が進められており,令和4年中に法改正が実現した場合には,ウェブ会議を用いた非対面での和解期日等の運用(以下「フェーズ2の運用」という。)を同年度中に開始する必要があることから,少なくとも最高裁判所及び高等裁判所(支部を含む。)においてフェーズ1の運用やフェーズ2の運用(以下これを合わせて「ウェブ会議等の運用」という。)を開始する必要がある。
    そこで,運用開始となる裁判所のうち高等裁判所(支部を含む。)においてウェブ会議等の運用に必要となる機器等を整備するための経費を要求する。

(4) 民事訴訟手続のIT化に係るシステム(e 事件管理)開発等
<要求要旨>
    「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ ―「3つのe」の実現に向けて― 」における内閣官房の取りまとめ結果によると,「3つのeの検討・準備にいずれも着手した上で,そのうち実現可能なものから速やかに,段階的に導入していき,柔軟な見直しを図りつつ,IT化の全面実現に向けた環境整備を順次,かつ確実に進めていくのが相当」との提言があるところ,このうち,職員向けのe 事件管理システムの大部分については,法改正を経ることなく実現することが可能であり,法改正後のフェーズ3への対応を意識し,IT化の全面実現に向けた環境整備を進めていくためにも,クラウド環境への移行を前提としたe 事件管理システムを速やかに設計・開発して段階的に導入していくことが相当である。
    また,このように,e 事件管理部分について先行開発を行って段階的に導入していくことは,法改正後のフェーズ3への円滑な移行に資するものであることから,本システムの開発等に係る経費を要求する。

(5) 民事訴訟手続のIT化に係るシステム開発のための法改正等に伴う要件定義及び調達支援業務並びに移行設計方針策定
<要求要旨>
    未来投資戦略2017等を踏まえ,最高裁判所では,平成30年度に,様々な選択肢が考えられるIT化の範囲,手段又は費用の大枠を把握するためのコンサルティングを実施し,令和2年度には,全面IT化後の民事訴訟の業務フローの整理,システム構想の全体像と全体計画の明確化及び具体的なシステムの開発手法や導入展開方法を策定するためのコンサルティングを実施した。

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新任の地家裁所長等を対象とする実務協議会―平成30年度以降の資料一覧(AI作成)

目次

第1 実務協議会とは
第2 平成30年度以降の資料一覧
 1 平成30年度
 2 令和元年度
 3 令和2年度
 4 令和3年度
 5 令和4年度
 6 令和5年度
 7 令和6年度
 8 令和7年度
第3 配布資料の主な種類
第4 分野別に読むための記事
第5 資料を読む際の注意点
第6 関連記事

第1 実務協議会とは

実務協議会は,新たに地方裁判所長,家庭裁判所長又は高等裁判所事務局長を命ぜられた者(就任予定者を含む。)を対象として,原則として年2回,夏季と冬季に開催されている研修である。対象者と開催時期は,各年度の裁判官研修実施計画で確認できる。

配布資料には,日程表及び出席者名簿のほか,民事・行政事件,刑事裁判,家庭裁判所,予算・施設,裁判官研修及び裁判所職員研修に関する資料が含まれる。個別年度の記事は資料を探す入口,本記事は年度をまたいで探すための索引として位置付ける。

第2 平成30年度以降の資料一覧
1 平成30年度

①平成30年度冬季

2 令和元年度

①令和元年度夏季

②令和元年度冬季

3 令和2年度

①令和2年度夏季

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地家裁所長等の就任記者会見―準備資料・撮影録音・報道対応(AI作成)

目次

第1 所長等の就任記者会見の位置付け
第2 就任記者会見までの準備
 1 日程の調整
 2 過去記事と想定質問の確認
 3 撮影・録音の取扱い
 4 略歴等の配布資料
第3 一般の記者会見を実施する場合
 1 実施の必要性と役割分担
 2 発言上の留意点
 3 会場と説明資料
第4 資料の射程
第5 関連記事

第1 所長等の就任記者会見の位置付け

最高裁判所広報課の「広報ハンドブック(令和2年3月版)」は,高等裁判所長官又は地家裁所長等が新たに就任した際の記者会見について,国民に裁判所を身近に感じてもらう機会と位置付けている。

同ハンドブックは,報道機関から就任記者会見の要請があった場合,特段の事情がない限り応じるべきであるとし,日程調整,想定質問,撮影・録音及び配布資料の準備を挙げている。

第2 就任記者会見までの準備
1 日程の調整

人事の報道発表後,記者クラブの幹事社等と連絡し,各社の記者が出席しやすい日時を設定する。着任前から調整が必要となる場合もあるため,本人と事務局の連絡が必要である。

2 過去記事と想定質問の確認

所長等の参考資料として,過去の就任記事及び直近の話題事項を集め,予想される質問を整理する。必要に応じ,記者クラブの幹事社等から質問事項の提出を受けることも想定されている。

3 撮影・録音の取扱い

カメラ取材については,従来の例を参考に取材要領を作成する。撮影及び録音を,会見冒頭の就任の感想又は抱負等に関する最初の一,二問に限る運用もあるとされる。

これは就任記者会見の運用例であり,法廷内のカメラ取材又は庁舎一般の撮影ルールと同一ではない。対象となる会見,場所及び取材要領を確認する必要がある。

4 略歴等の配布資料

会見開始まで,所長等の略歴を記載した簡潔な資料を記者へ配布する。経歴のほか,会見の趣旨に応じた基本説明を用意することも考えられる。

(続きを読む...)地家裁所長等の就任記者会見―準備資料・撮影録音・報道対応(AI作成)

憲法週間とは―期間・沿革・裁判所の行事と「法の日」週間との違い(AI作成)

目次

第1 憲法週間の期間・目的第2 憲法週間の沿革第3 「法の日」週間との違い第4 広報行事の内容と参加前の確認1 見学・模擬裁判・裁判傍聴2 開催情報・申込み・撮影第5 憲法週間における最高裁判所判事の視察第6 出典・関連記事1 出典2 関連記事
第1 憲法週間の期間・目的

憲法週間は,5月3日の憲法記念日を中心とする5月1日から7日までの1週間である。
憲法の精神や司法の役割を国民に理解してもらうため,裁判所が法務省,検察庁,弁護士会等と協力して広報行事を実施する。

広島地方・家庭裁判所の「憲法週間行事」も,この期間と目的を説明し,裁判所,検察庁,法務局,弁護士会及び法テラスによる協力を紹介している。

憲法記念日は5月3日の1日を指すのに対し,憲法週間は前後を含めた1週間を指す。
さらに,週間にちなんだ見学会等の開催日が5月1日から7日までに限られるわけではない。
個々の行事の日時は,主催者の案内で確認する必要がある。

第2 憲法週間の沿革

最高裁判所事務総局広報課の広報ハンドブック(令和2年3月版)13頁「憲法週間実施経過」は,次の経過を記載している。

年月・時期実施経過昭和22年(1947年)5月3日日本国憲法が施行された。昭和24年(1949年)5月1日~31日憲法普及月間が実施された。昭和25年(1950年)5月1日~7日憲法記念週間となり,以後,毎年5月1日から7日まで実施することとなった。昭和27年(1952年)まで衆議院,参議院,内閣,最高裁判所などの政府関係機関が協議して行事内容を打ち合わせていた。昭和28年(1953年)から最高裁判所が憲法記念週間を定め,法務省,検察庁及び弁護士会の協力を得て行事を実施することとなった。昭和31年(1956年)5月1日~7日名称が「憲法週間」に改められた。

したがって,日本国憲法の施行と同時に現在の名称・期間で憲法週間が始まったという経過ではない。
月間から週間への変更と,実施体制・名称の変化を区別して読む必要がある。

この年表は広報ハンドブックに記載された沿革の整理であり,各年の行事の全体像を示すものではない。
本記事の改訂前の版は,同じ沿革を最高裁の広報ハンドブック(平成25年4月版)に基づいて掲載していた。
同版は改訂前の歴史資料として掲載を続けるものであり,本記事の年表は令和2年3月版に基づいている。

第3 「法の日」週間との違い

「法の日」は毎年10月1日であり,10月1日から7日までが「法の日」週間である。
法務省「『法の日』とは」は,昭和35年6月24日の閣議了解により定められたことを説明している。

比較項目憲法週間「法の日」週間期間5月1日~7日10月1日~7日中心となる日憲法記念日(5月3日)「法の日」(10月1日)理解を深める対象憲法の精神や司法の役割法の役割,法の尊重,基本的人権の擁護等沿革憲法普及月間・憲法記念週間を経て,昭和31年に現在の名称へ変更司法記念日・司法週間等を経て,昭和35年に「法の日」を創設行事の確認地域・年度ごとの主催機関の公式案内地域・年度ごとの主催機関の公式案内

いずれも裁判所や法を身近に知る機会であり,見学会,模擬裁判,講演等の内容には共通するものがある。
一方,実施時期と沿革は異なる。

10月1日の由来,司法記念日からの制定経過及び「法の日」の行事については,「法の日」と「法の日」週間の解説を参照されたい。

第4 広報行事の内容と参加前の確認
1 見学・模擬裁判・裁判傍聴

広報ハンドブック(令和2年3月版)12頁は,出前講義,法廷傍聴,模擬裁判,映像上映,資料展示を伴う庁舎見学会等を広報企画の例として挙げている。
同ハンドブックの目次末尾にある「裁判所の広報活動のイメージ」も,一般広報の取組の一つとして,憲法週間や法の日などに実施する広報企画(法廷見学や模擬裁判等)を挙げている。

上の図は,広報ハンドブック(令和2年3月版)の目次末尾に掲載された「裁判所の広報活動のイメージ」である。
裁判所の広報活動を一般広報と報道対応に分けて示した令和2年3月時点の資料であり,各年度の行事の内容や日程を示すものではない。

(続きを読む...)憲法週間とは―期間・沿革・裁判所の行事と「法の日」週間との違い(AI作成)

裁判官の早期退職とは―50歳以上(簡易裁判所判事は55歳以上)の募集,応募と認定,退職手当の割増し及び関係資料(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 本記事の対象2 結論の要旨第2 早期退職募集の仕組み1 根拠規定と2つの類型2 対象となる年齢3 募集実施要項の記載事項4 応募の任意性と応募できない者5 認定,不認定及び認定の失効第3 裁判官向けの募集実施要項の読み方1 名義と作成の時期2 応募の手続3 募集人数,募集の期間及び退職すべき期間4 認定後の期日の変更第4 退職手当との関係1 支給率2 定年前早期退職特例3 任期終了前の依願退官との違い第5 情報公開で分かったこと1 早期退職の関係で開示されなかった文書2 退職準備等説明会第6 民間の早期退職優遇制度との違い第7 関連記事第8 出典1 法令2 募集実施要項3 内閣人事局の資料4 裁判例
第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象

本記事は,裁判官の早期退職,すなわち国家公務員退職手当法8条の2に基づく「早期退職希望者の募集」に応じて定年前に退官する仕組みを,制度の全体像と関係資料の読み方の両面から整理するものである。
令和8年10月6日を基準日とし,法令の条文はe-Gov法令検索で取得した現行の本文によっている。

特定の回の募集実施要項の内容と前回との違いは,令和8年4月の裁判所の早期退職募集実施要項2通を読む―裁判官6人・一般職29人の募集,認定の順位,応募の締切及び退職手当の割増しで詳しく整理している。
平成25年以降の募集実施要項のPDFは,早期退職希望者の募集実施要項(裁判官向け)及び裁判官以外の裁判所職員の早期退職希望者の募集実施要項(一般職向け)に掲載している。
実際に50歳以上で依願退官した裁判官は,50歳以上の裁判官の依願退官の情報に早期退職の枠ごとにまとめている。

2 結論の要旨

①最高裁判所長官は,国家公務員退職手当法8条の2第1項1号に基づき,下級裁判所の裁判官(簡易裁判所判事を除く。)で50歳以上65歳未満の者と,簡易裁判所判事で55歳以上70歳未満の者を対象に,早期退職希望者の募集を行っている。
②裁判官向けの募集実施要項は平成26年以降おおむね年4回作成されており,募集人数は,平成29年2月6日付以降,11月頃の要項が12人,それ以外の要項が6人である。
③応募は任意であり,応募した裁判官は,不認定の事由に当たらない限り,退職が予定されている者として認定を受け,指定された退職すべき期日に退官する。
④懲戒処分に準ずる処分(裁判官については裁判官分限法2条の懲戒)を募集の開始の日に受けている者や募集の期間中に受けた者は,応募できない。
⑤勤続25年以上の裁判官が認定を受けて退職すべき期日に退官した場合,退職手当の基本額は定年退職と同じ規定で計算され,一定の要件の下で退職日の俸給月額が割り増される。

第2 早期退職募集の仕組み
1 根拠規定と2つの類型

国家公務員退職手当法(以下「法」という。)8条の2第1項は,各省各庁の長等は,定年前に退職する意思を有する職員の募集を行うことができると定める。
各省各庁の長等とは,財政法20条2項に規定する各省各庁の長及び行政執行法人の長並びにこれらの委任を受けた者をいい,財政法20条2項は最高裁判所長官を各省各庁の長に含めている。

募集には,職員の年齢別構成の適正化を図ることを目的とし,一定の年齢以上の職員を対象として行う募集(法8条の2第1項1号)と,組織の改廃又は官署若しくは事務所の移転を円滑に実施することを目的とする募集(同項2号)の2類型がある。
裁判官向けの募集実施要項は,いずれも冒頭で「第8条の2第1項第1号の規定により」募集を行うと述べており,年齢別構成の適正化を目的とする1号の募集である。

内閣官房内閣人事局の「早期退職募集制度について」によれば,この制度は平成25年11月1日から,制度に基づく退職(応募認定退職)が可能となったものである。
当ブログに掲載している裁判官向けの募集実施要項で最も古いものは,平成25年8月30日付のものである。

2 対象となる年齢

法8条の2第1項1号の募集の対象は,法5条の3の政令で定める年齢以上の職員である。
国家公務員退職手当法施行令(以下「施行令」という。)5条の3第3項は,この年齢を,退職の日において定められている定年から20年を減じた年齢とし,施行令附則4項は,当分の間,この「二十年」を「十五年」と読み替えている。

裁判所法50条は,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官の定年を65歳,最高裁判所及び簡易裁判所の裁判官の定年を70歳と定める。
定年から15年を減じると,下級裁判所の裁判官(簡易裁判所判事を除く。)は50歳,簡易裁判所判事は55歳となり,裁判官向けの募集実施要項の対象年齢の下限と一致する。
対象年齢の上限が65歳未満又は70歳未満とされているのは,退職すべき期間の末日までに定年に達する者は応募できないとされていること(法8条の2第3項3号)に対応していると考えられる。

3 募集実施要項の記載事項

法8条の2第2項は,募集を行うに当たり,1号・2号の別,認定を受けた場合に退職すべき期日又は期間,募集をする人数,募集の期間その他政令で定める事項を記載した要項(募集実施要項)を,募集の対象となるべき職員に周知しなければならないと定める。

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新型コロナウイルス感染症への対応に関する最高裁判所作成の文書

目次
1 裁判業務に関する新型コロナウイルス感染症への対応
2 最高裁判所裁判部の新型インフルエンザ等対応業務継続計画細則
3 司法修習に関する新型コロナウイルス感染症への対応
4 予防接種等に関する判例
5 関連資料
6 関連記事その他

1 裁判業務に関する新型コロナウイルス感染症への対応
・ 令和5年度裁判所職員採用試験(人物試験を除く。)における新型コロナウイルス感染症への対応等について(令和5年5月8日付の最高裁人事局総務課長の通知)
・ 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けの変更に伴う同感染症に係る特別休暇等の取扱いについて(令和5年4月28日付の最高裁人事局総務課長の事務連絡)
・ 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け変更後の裁判所における感染防止対策の取扱いについて(令和5年4月28日付の最高裁総務局参事官の事務連絡)
・ 裁判所におけるマスク着用の考え方の見直し等について(令和5年2月22日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡)
・ 新型コロナウイルス感染症への対応について(令和4年5月10日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡)
(令和3年9月30日(木),すべての都道府県で緊急事態宣言が解除された。)
・ 新型コロナウイルス感染症への対応について(令和3年8月31日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡)
(8月25日(火),北海道,宮城県,岐阜県,愛知県,三重県,滋賀県,岡山県及び広島県について,8月27日からの緊急事態宣言が発令された。)
(8月17日(月),茨城県,栃木県,群馬県,静岡県,京都府,兵庫県及び福岡県について,8月20日からの緊急事態宣言が発令された。)
(7月30日(木),埼玉県,千葉県,神奈川県及び大阪府について,8月2日からの緊急事態宣言が発令された。)
(7月8日(水),東京都について,7月12日からの緊急事態宣言が発令された。)
(6月20日(日),沖縄県を除く9都道府県で緊急事態宣言が解除された。)

【WHO発表】コロナ変異株に新名称、国名使わずギリシャ文字にhttps://t.co/KTwOSIBahe

「最初に確認された場所の名前で呼ばれがちだが、蔑称や差別に当たる」と指摘。「事態を避けつつ広報活動を簡素化するため、これらの新呼称を採用するよう求める」と述べた。 pic.twitter.com/qTqyoLrlCV

— ライブドアニュース (@livedoornews) June 1, 2021

(5月21日(木),沖縄県について,5月23日からの緊急事態宣言が発令された。)
(5月14日(木),北海道,岡山県及び広島県について,5月16日からの緊急事態宣言が発令された。)
(5月7日(木),愛知県及び福岡県について,5月12日からの緊急事態宣言が発令された。)

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下級裁判所の裁判官の定員配置

目次
1 下級裁判所の裁判官の定員配置に関する文書
2 定員・現在員等内訳に関する文書
3 裁判官の号別在職状況と異なる理由
4 関連記事その他

1 下級裁判所の裁判官の定員配置に関する文書
(1) 下級裁判所の裁判官の定員配置に関する文書を以下のとおり掲載しています。
① 下級裁判所の裁判官の定員配置について(平成27年3月26日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
② 以下の日付の改正通達
(令和時代)
令和2年3月17日,令和3年3月19日,令和4年3月25日,
令和5年3月27日,令和6年3月22日,令和7年3月28日,令和8年3月24日
令和8年4月1日実施の別表については,東京・大阪・札幌の内訳と令和7年との比較で解説しています。
(平成時代)
平成28年3月25日,平成29年3月23日,平成30年3月19日,平成31年3月13日
* 「「下級裁判所の裁判官の定員配置について」の一部改正について(令和5年3月27日付の最高裁判所事務総長の通達)」といったファイル名です。
(2) 付加定員とは,未済事件の累積,特殊事件の係属その他の一時的な事由に基づき,暫定的に配置する定員をいいます(下級裁判所の裁判官の定員配置について(平成27年3月26日付の最高裁判所事務総長の依命通達))。

2 定員・現在員等内訳に関する文書
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成27年度から令和7年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成26年度から令和6年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成25年度から令和5年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成24年度から令和4年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成23年度から令和3年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成22年度から令和2年1月まで)
・ 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成21年度から平成30年1月まで)

3 裁判官の号別在職状況と異なる理由
(1) 令和元年10月18日付の答申書の「委員会の判断の理由」には,裁判官の配置定員と裁判官の号別在職状況の数字が異なる理由として以下の記載があります(改行を追加しました。)。

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業務の再開に関するQ&A(令和2年5月1日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡添付の文書)

目次
第1 業務の再開に関するQ&A(令和2年5月1日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡添付の文書)
第2 関連記事その他

第1 業務の再開に関するQ&A(令和2年5月1日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡添付の文書)
・ 新型コロナウイルス感染症への対応について(令和元年5月1日付の最高裁判所総務局参事官の事務連絡)添付の,業務の再開に関するQ&Aは以下のとおりです。

業務の再開に関するQ&A

   5月7日以降の情勢は現時点では明らかではないが,緊急事態宣言が延長される可能性もあるところ,緊急事態宣言の対象地域に存する裁判所は,国の一機関として,国民の命と健康を守るため,人の接触の機会を可能な限り減らし,感染拡大防止に最大限協力することを基本的な姿勢とするべきであり,裁判所利用者に一定の不便をおかけすることにはなるが,裁判官,裁判所職員としては,緊急事態宣言の趣旨に即した行動をとることが現時点における最大の責務といえる状況にあることに変わりはない。
   したがって,緊急事態宣言の対象地域にある裁判所は,新型インフルエンザ等対応業務継続計画(BCP)に基づいて,引き続き,継続業務だけを行う縮小態勢として,その業務に必要な人員が在庁して職務を行うことが原則となるが,事態が長期化してきている中での迅速な裁判の要請や早期の権利実現の必要性等を踏まえ,事件や手続の性質,早期に判断を示す必要性等を考慮した上,現状においては実施を見送っている裁判手続のうち一定程度を再開することが考えられるところ,現在の縮小態勢を維持しつつも,一部業務の再開を検討していく上で考慮すべき基本的な事項について, Q&Aを作成したので,参考にされたい(以下は,主として民事通常部を念頭においたものであるが,その他の部署についても,各担当事件の性質及び早期実施の必要性の異同を踏まえつつ, これらを参考にして,業務の再開について検討することが考えられる。)。
   
(総論)
問1 引き続き緊急事態宣言の対象地域にある裁判所において,現在の縮小態勢を維持したうえで,一部業務の再開を検討する場合に, どのような検討が必要となるのか。
答 緊急事態宣言及び外出自粛要請が現在のレベルで継続するような場合には,現在の執務態勢を維持することが基本となるが,その場合であっても,裁判官を含む庁全体の現在の登庁人数(多くの庁では8割ないし6割減少している。)を原則としては増加させないことを前提に,可能な範囲で,縮小していた事件を一部再開することが考えられる。
   まず,庁全体でどのような種類の事件を再開すべきかを検討すべきことになるが,執行事件や破産事件,新型コロナウイルスの影響に関連して緊急性が増している事件等の再開を検討し, そのうえで,BCP上第2順位である民事訴訟事件の一部再開を検討することになる。民事訴訟事件については,次回期日に判決言渡し,和解成立,弁論終結が予定あるいは見込まれる事件などのうち,緊急性の高い事件が考えられるが(被告への意思表示を含む訴状の送達なども緊急性の高い場合があろう。) ,裁判官を含む庁全体の現在の登庁人数を原則としては増加させないことを前提に, どのような形で民事訴訟事件の一部再開を行っていくかについては,庁規模等の実情により異なるところであり,様々な方法が想定される。例えば一つの例を挙げれば,単独事件については担当裁判官の週の登庁日を1日に固定したり,隔週で週に2日登庁することとしたりするなどし(担当書記官はその日に登庁し),各庁・各部内において各裁判官の登庁する曜日等を調整した上で,登庁日にのみ再開業務を行うとすることなどが考えられる。各裁判官は,複数事件の当事者が重なることのないよう,期日の枠を30分程度以上の刻みとなるよう期日を指定することなどが考えられるが,登庁日においては,期日を開くのみならず,今後実施する予定の期日における審理・協議等のために必要となる事前準備や釈明等の当事者に対する連絡等も完了できるよう計画的に業務を処理する必要がある。また,担当書記官の登庁頻度の増加を避ける観点から,期日指定した事件の処理に係る調書作成等の書記官事務を勤務時間内に処理できるようにしなければならず,期日の終了時間等に配慮することが必要であるし, 当該登庁日に期日を実施できる件数はかなり限定する必要があると考えられるが,その範囲の中で,登庁日に緊急性の高い事件の期日を指定ができるよう調整し,期日を開くことになる。
   合議事件については,受命裁判官を活用し,必要な裁判官(例えば,裁判長と左陪席)のみが登庁して期日を行うにとどめ,期日前合議には電話会議を活用するなどして,登庁する裁判官数を減らすための工夫を最大限行うことが必要である。また,複数の合議体がある部や合議事件の比率の高い専門部・集中部において, 口頭弁論期日を開く場合など合議体の全員が登庁する日を設ける場合には,同一日に,合議の弁論準備や和解の期日,合議や単独事件の相談又は部の運営等についての意見交換を行うなどして,裁判官全員が登庁する機会を有効に活用し,トータルで登庁する裁判官の数を最少とするよう工夫することが考えられる。
   各庁・各部・各裁判体において, これらの点を十分議論したうえで,再開する具体的な事件を検討し,具体的な執務態勢を検討することが必要である。
   簡裁民事訴訟及び民事調停事件についても概ね同様の考え方によることになるが,庁によって,事件数の規模も異なり,緊急性の高い事件の状況も様々であり,人的態勢も様々であるから,庁の実情に沿った検討が必要である。緊急事態宣言や外出自粛要請の趣旨を踏まえて,単独調停の積極的な活用が考えられ,調停委員の登庁頻度等にも配慮しつつ業務の再開を検討することが考えられる。
   

「例えば一つの例を挙げれば,単独事件については担当裁判官の週の登庁日を1日に固定したり,隔週で週に2日登庁することとしたりするなどし(担当書記官はその日に登庁し)」

期日調整や書面の受領・記録管理をどうやってると思ってるの?バカなの?

— 心の貧困 (@mental_poverty) July 13, 2020

問2 引き続き緊急事態宣言の対象地域であるが,仮に平日の外出自粛要請が緩和される場合には, どのような検討が必要となるのか。
答 緊急事態宣言は継続するが,平日日中の外出自粛要請が緩和されるような場合には,部署ごとに少なくとも2班に分けて交替で登庁する執務態勢をとって,問1に記載した業務を再開していくことが考えられる(なお,司法行政事務についても,再開する裁判事務を継続するために必要な範囲の事務については再開することになる。)。この場合であっても,登庁日に期日を実施できる件数はかなり限定する必要があると考えられるのは,問1に記載したとおりであり,民事訴訟事件の期日指定は,その範囲の中で検討していくことになる。
   
問3 緊急事態宣言が解除されても,都道府県の知事が独自に平日日中の外出自粛要請を続けている場合には, どのような検討が必要となるのか。

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昭和20年8月15日,長崎控訴院が福岡に移転して福岡控訴院となり,高松控訴院が設置されたこと等(AI作成)

目次
1 時系列の経緯
2 裁判所構成法戦時特例中改正法律に関する政府答弁(昭和20年6月9日)
3 地方行政協議会及び地方総監府
4 長崎市への原子爆弾の投下
5 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する政府答弁(昭和22年3月28日)
6 関連記事その他
7 出典

1 時系列の経緯
(1) 明治憲法下でも,裁判所の設立・廃止及び管轄区域の変更は法律事項であった(裁判所構成法(明治23年法律第6号)4条)。
しかし,裁判所構成法戦時特例中改正法律(昭和20年法律第36号)によって同特例に1条ノ2が設けられ,昭和20年6月20日以降,これらの事項を勅令で定めることができるようになった。
(2)ア 高松控訴院ノ設立等ニ関スル件(昭和20年勅令第443号)は昭和20年8月1日に公布され,同月15日に施行された。
① 高松市に高松控訴院を設置し,高松・徳島・高知・松山各地裁をその管轄区域に属させること。
② 長崎控訴院を福岡市へ移転し,福岡控訴院とすること。
③ 静岡地裁を名古屋控訴院の管轄区域に属させること。
④ 福井地裁を大阪控訴院の管轄区域に属させること。
イ 最高裁判所事務総局編『裁判所百年史』(大蔵省印刷局,1990年)156頁も,この勅令によって高松控訴院が設立され,長崎控訴院が福岡へ移転したと記載している。
ウ 福岡市議会史の掲載資料によれば,福岡控訴院は同日,福岡市大名町の大名国民学校内に本庁を,福岡地裁内に分室を開いた。
エ 同日正午には,大東亜戦争終結ノ詔書(昭和20年8月14日付)の音読放送(いわゆる玉音放送)が行われた。
なお,日本政府が降伏文書に調印したのは同年9月2日である。
(3) 裁判所構成法戦時特例廃止法律(昭和20年法律第45号)により同特例は廃止されたが,同法附則2項により,勅令第443号の効力は維持された。
(4)ア 高松控訴院ノ廃止等ニ関スル件(昭和21年勅令第3号)は昭和21年1月9日に公布され,同月10日に施行された。
① 高松控訴院を廃止すること。
② 福井地裁を名古屋控訴院の管轄区域に属させること。
③ 静岡地裁を東京控訴院の管轄区域に属させること。
④ 徳島・高松・高知各地裁を大阪控訴院の,松山地裁を広島控訴院の管轄区域に属させること。
イ 同勅令は福岡控訴院を長崎市へ戻す規定を置かなかったため,福岡移転は維持された。
確認できた公的資料には,その維持理由を長崎への原爆投下とする記載は見当たらない。
(5) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律(昭和22年法律第63号)に基づき,日本国憲法及び裁判所法が施行された昭和22年5月3日,従前の控訴院所在地7か所に高等裁判所が置かれ,さらに高松市にも高松高裁が設置された。

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最高裁判所裁判官の少数意見―反対意見・意見・補足意見の違いと読み方(AIリライト)

目次

第1 最高裁の少数意見を読むときの要点第2 反対意見・意見・補足意見の違い第3 意見表示の根拠と評議の秘密第4 判決書・決定書の読み分け方第5 実例で見る法廷意見と個別意見1 松川事件の証拠評価と破棄差戻し2 参院選の一票の格差と九人・六人の意見3 刑の廃止を理由とする免訴と二系統の理由4 外国人の生活保護と上告理由の判断5 応急仮設住宅と金銭請求の判断第6 出典と参考資料第7 関連記事1 本記事と関係する記事2 関連する投稿
第1 最高裁の少数意見を読むときの要点

最高裁の裁判書では,まず主文で事件の結論を確かめ,次に法廷意見で裁判所が示した理由を読む。
各裁判官の個別意見を読むときは,その裁判官がどの論点で法廷意見に賛成し,どの論点で異なる見解を示したかを確かめる。

個別意見の頁数が多い場合でも,裁判所が採った結論と理由は,主文と法廷意見から確かめる。
同じ主文を支持する裁判官の間でも,理由付けが分かれる場合がある。

本記事では,個別意見の種類と表示の根拠を説明した上で,松川事件,参院選の一票の格差等の判決・決定を例に,法廷意見と個別意見の読み分け方を紹介する。

第2 反対意見・意見・補足意見の違い
判文の表示法廷意見との関係反対意見主文又は当該論点について,法廷意見の結論に反対する。意見主文の結論に賛成しつつ,理由の全部又は一部について異なる見解を示す。補足意見法廷意見に加わった上で,その理由を補い,又は関連する点について見解を述べる。

この三つは,裁判書で使われる主な表示である。
表題の「少数意見」は,反対意見に加え,意見及び補足意見を含む個別意見を扱う趣旨である。
実際の読み分けでは,標題に加え,その裁判官がどの結論と理由に賛成しているかを本文で確認する。

最高裁大法廷令和6年7月3日判決(令和4年(受)第1411号)のPDF10頁では,草野耕一裁判官の補足意見と宇賀克也裁判官の意見を同じ判決書で比較できる。
草野裁判官は多数意見の結論及び理由の全てに賛成した上で理由を補い,宇賀裁判官は多数意見の結論を支持しつつ,改正前民法724条後段の期間を除斥期間と解する点について異なる見解を示し,同条後段は消滅時効を定めるものと考えるとした。

個別意見は,一人で述べる場合と,複数の裁判官が共同で述べる場合がある。
共同意見に加わった裁判官がさらに追加の意見を述べる場合もあるため,追加意見の執筆者を別の票として数えないようにする。

第3 意見表示の根拠と評議の秘密

裁判所法11条は,最高裁判所の裁判書又は電子裁判書に,各裁判官の意見を表示しなければならないと定めている。
最高裁判所裁判事務処理規則13条は,裁判書又は電子裁判書に各裁判官の意見を表示するには,理由を明らかにしなければならないと定めている。
電子裁判書は,裁判所が法律の定めるところにより作成した裁判の内容を記録した電磁的記録をいい,裁判所ウェブサイトで閲覧するPDFとは区別して考える。

裁判所法75条は,合議体でする裁判の評議を公行しないとし,司法修習生の傍聴を許すことができると定めている。
また,同法に特別の定めがない限り,評議の経過並びに各裁判官の意見及びその多少の数は秘密とされる。
同法76条は評議において意見を述べる義務を,77条は評決を定めており,11条は最高裁判所の裁判書上の意見表示を定めている。
裁判書に現れた個別意見から,評議中の発言の順序や議論の経過までは分からない。

最高裁判所の裁判官については,日本国憲法79条2項の国民審査がある。
関与した裁判の主文と個別意見は,国民審査で各裁判官の判断を知る資料になる。

第4 判決書・決定書の読み分け方

裁判所の裁判例を調べるページで事件番号や裁判年月日を手掛かりに詳細ページを開き,掲載されている全文を読む。
裁判例詳細の判示事項や裁判要旨に個別意見の論点が掲げられることもあるため,全文でどの意見に書かれているかを確認する。

主文を読んだ後は,法廷意見が実体を判断したのか,上告理由に当たるかなどの手続の要件を判断したのかを確かめる。

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裁判官の定年が70歳又は65歳とされた根拠

目次

第1 現在の定年と根拠条文第2 裁判所法50条の制定と改正第3 最高裁判所の裁判官の定年が70歳とされた理由1 裁判所法逐条解説の説明2 昭和22年3月の帝国議会での政府の説明3 臨時法制調査会の答申との違い第4 簡易裁判所の裁判官の定年が70歳に引き上げられた理由1 裁判所法逐条解説の説明2 改正法案の提案理由と委員長報告3 改正法の施行第5 高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所の裁判官の定年が65歳とされた経緯1 制定時の政府委員の答弁2 家庭裁判所の追加第6 裁判官について定年制が設けられた理由1 昭和21年6月28日の衆議院本会議2 昭和21年7月22日の衆議院帝国憲法改正案委員会第7 裁判官の定年を70歳にそろえることをめぐる令和3年の国会審議第8 定年と任期の関係第9 関連資料・関連記事1 掲載資料2 関連記事第10 出典
第1 現在の定年と根拠条文
裁判所定年年齢を法律に委ねる憲法の規定最高裁判所(長官を含む。)70歳憲法79条5項高等裁判所65歳憲法80条1項ただし書地方裁判所65歳憲法80条1項ただし書家庭裁判所65歳憲法80条1項ただし書簡易裁判所70歳憲法80条1項ただし書

憲法79条5項は,最高裁判所の裁判官は法律の定める年齢に達した時に退官すると定め,憲法80条1項ただし書は,下級裁判所の裁判官について同じことを定めている。
これを受けて,裁判所法50条は,最高裁判所の裁判官は年齢70年,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は年齢65年,簡易裁判所の裁判官は年齢70年に達した時に退官すると定めている(日本国憲法(e-Gov法令検索),裁判所法(e-Gov法令検索))。

本記事では,裁判所法の制定時と改正時の帝国議会・国会の審議を中心に,最高裁判所と簡易裁判所が70歳,高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所が65歳とされた理由を説明する。

第2 裁判所法50条の制定と改正
施行日裁判所法50条の定め法律昭和22年5月3日最高裁判所の裁判官は年齢70年,下級裁判所(当時は高等裁判所,地方裁判所及び簡易裁判所)の裁判官は年齢65年裁判所法(昭和22年法律第59号)昭和23年1月1日簡易裁判所の裁判官を年齢70年に引上げ昭和23年法律第1号昭和24年1月1日新設の家庭裁判所の裁判官を,高等裁判所及び地方裁判所の裁判官と同じ年齢65年の区分に追加昭和23年法律第260号

制定時の裁判所法50条は,「最高裁判所の裁判官は、年齢七十年、下級裁判所の裁判官は、年齢六十五年に達した時に退官する。」と定めており,同法の附則により,日本国憲法の施行の日(昭和22年5月3日)から施行された(制定時の裁判所法(名古屋大学法令データベース))。
昭和23年法律第1号は,50条の「下級裁判所の裁判官は、年齢六十五年」を「高等裁判所又は地方裁判所の裁判官は、年齢六十五年、簡易裁判所の裁判官は、年齢七十年」に改め,公布の日である昭和23年1月1日から施行された(昭和23年法律第1号(衆議院HP))。
昭和23年法律第260号は,50条の「高等裁判所又は地方裁判所」を「高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所」に改め,同法附則10条により昭和24年1月1日から施行された(昭和23年法律第260号(衆議院HP))。

第3 最高裁判所の裁判官の定年が70歳とされた理由
1 裁判所法逐条解説の説明

裁判所法逐条解説中巻155頁によれば,最高裁判所の裁判官の定年が70歳とされた理由は以下のとおりである。
① 経験の豊富な識見の高い一流の人物をなるべく年齢に制限されずに広く求めうる余地を存することが望ましいこと。
② 最高裁判所は,法律審で,事実審ではないから,肉体的負担が下級裁判所の裁判官に比べて比較的少ないこと。
③ 定員が少ないので,高齢に達するまで心身ともに健康な人物を採用しうること。

司法省民事局が昭和22年3月頃に作成した(第十一次)裁判所法案質疑応答(「終戦後の司法制度改革の経過」に掲載されている資料である。)にも,同じ趣旨のことが書いてある。

2 昭和22年3月の帝国議会での政府の説明

昭和22年3月15日の衆議院裁判所法案委員会で,磯田正則委員は,最高裁判所の裁判官が70歳まで勤まるならば下級裁判所の裁判官も70歳まで勤まるはずであり,年齢に差を設ける必要はないのではないかと質問した(第76発言)。
これに対し,奥野健一政府委員(司法省民事局長)は,「最高裁判所の裁判官は、一流の人物を廣くとり得る範圍を擴める必要がありまする關係上、なるべく年齡の制限を置かない方が適當であろうと考えまして、年齡七十以下の人の、廣く人材を求め得る途を特に加えたわけであります。」と答弁した(第77発言)。

同じ委員会で,田万廣文委員が,最高裁判所の裁判官は65歳,下級裁判所の裁判官は60歳くらいが適当ではないかと質問した(第88発言)。
木村篤太郎司法大臣は,最高裁判所の長官及び判事には天下第一流の人材を求めなければならず,70歳近くの適任者が定年が低いためにその地位につけないことは遺憾であるとして,定年を70歳と決めたと答弁した(第89発言)。

同月28日の貴族院検察庁法案特別委員会では,木村司法大臣が,新憲法の下で最高裁判所の地位が非常に高められ,その長官となる判事は国民の極めて厚い信頼を得なければならず,そのような人を得るのは容易でないことから,最高裁判所の判事を70歳にしたと説明した(第55発言)。
木村大臣は,同じ発言で,「關係筋では六十八歳と云ふ議論も出たのであります」,「我々は七十五歳でも宜いのぢやないかと云ふ氣持を持つて居つたのでありますが、まあ七十歳に落附いたのであります」と述べている。

3 臨時法制調査会の答申との違い

臨時法制調査会の答申の裁判所法案要綱は,最高裁判所について,長官は年齢75年,その他の裁判官は年齢70年に達したときに退官するものとしていた(臨時法制調査会の答申書(国立国会図書館「日本国憲法の誕生」))。
制定された裁判所法50条は,長官を含む最高裁判所の裁判官の定年を一律に70歳とした。

第4 簡易裁判所の裁判官の定年が70歳に引き上げられた理由
1 裁判所法逐条解説の説明

(続きを読む...)裁判官の定年が70歳又は65歳とされた根拠

職務代行裁判官の制度,発令権限及び裁判例(AIリライト)

第1 職務代行裁判官の意味1 法令上の位置付け2 常てん補との違い第2 裁判所別の発令権限と要件第3 特例判事補による高裁職務代行1 要件及び合議体での制限2 昭和32年改正の目的と現在の運用3 弁護士任官者に対する判断第4 発令期間,申請及び報告1 最高裁が命ずる職務代行2 高裁が命ずる職務代行の報告3 発令期間中の職務権限第5 公告,告知及び裁判書の表示第6 発令の欠缺と裁判所の構成1 最高裁昭和42年7月5日大法廷決定2 最高裁平成19年7月10日第三小法廷判決3 最高裁昭和48年4月26日第一小法廷判決4 東京高裁昭和54年5月14日判決5 刑事訴訟及び民事訴訟への影響第7 出典・参考資料1 法令・国会会議録2 裁判例3 公文書・通達4 文献第1 職務代行裁判官の意味

1 法令上の位置付け

裁判所法19条,28条及び36条は「裁判官の職務の代行」を定め,同法31条の5は地方裁判所に関する28条を家庭裁判所に準用している。
本記事では,これらの規定又は判事補の職権の特例等に関する法律1条の2に基づき,本務庁と異なる裁判所の裁判官の職務を行う裁判官を「職務代行裁判官」という。

職務代行は,裁判事務の取扱いに必要が生じた場合に,裁判官の配置を機動的に補う制度である。
職務代行によって本務庁が直ちに変わるわけではなく,発令を受けた裁判官は,定められた裁判所及び期間について他庁の裁判官の職務を行う権限を有する。
裁判官の官名及び基本的な区分については,裁判官の種類で整理している。

2 常てん補との違い

令和7年度(情)答申第101号は,本務庁と異なる裁判所で常に勤務を行っている場合を,裁判所の慣例上「常てん補」というと説明している。
「常てん補」は勤務の実態を表す慣例上の用語であるのに対し,職務代行は裁判所法等に基づいて他庁の裁判官の職務を行わせる人事措置であるため,両者は同じ概念ではない。

もっとも,常てん補という勤務実態と,個別の法令に基づく職務権限の有無とは別に確認する必要がある。
したがって,「本庁の裁判官が支部で勤務する場合は常てん補,異なる種類の裁判所で勤務する場合は職務代行」という勤務場所だけの区別では足りない。

第2 裁判所別の発令権限と要件

裁判所法上の職務代行は,原則として「裁判事務の取扱上さし迫った必要」がある場合に,近い範囲の裁判官を用いる仕組みである。
その方法では必要を満たせない特別の事情がある場合に限り,より広い範囲の裁判官を用いる第二段階の発令が認められる。

職務を行う裁判所
第一段階の発令
第一段階で必要を満たせない場合
根拠

高等裁判所
当該高裁が,同じ高裁管内の地裁又は家裁の判事に命ずる。
最高裁が,他の高裁又はその高裁管内の地裁若しくは家裁の判事に命ずる。
裁判所法19条

地方裁判所

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愛媛玉串料訴訟最高裁判決の事前報道と漏えい疑惑―国会答弁と訴追委員会の結論(AIリライト)

第1 事前報道と漏えい疑惑について確認できる結論

1 判決予測報道があったこと

2 漏えいが確認されたわけではないこと

3 評議の秘密との関係

第2 平成9年2月9日の事前報道

1 朝日新聞及び共同通信の報道

2 愛媛新聞の見出し

第3 最高裁の内部調査と報道機関への抗議

1 五十人弱を対象とした調査

2 平成9年2月19日の調査結果と抗議

第4 六つの国会会議録から分かること

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検察官と裁判官の法廷外での面談(AIリライト)

目次

第1 結論

1 一律禁止ではないが,内容と方法が問題となる

2 公表資料から確認できる範囲

第2 平成28年11月24日の国会答弁

1 質問の内容

2 法務省刑事局長の答弁

3 答弁の射程

第3 刑事訴訟法上の判断枠組み

1 裁判官の独立と公平な裁判所

2 除斥及び忌避

3 訴訟指揮と立証の促し

4 証拠調べにおける双方の手続保障

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「匿名裁判官」と題するツイッターアカウント(平成31年1月に登録されたもの)に関する文書の存否は明らかにできないこと

1(1) 令和元年8月6日付の理由説明書の「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。
ア 本件申出に係る文書は,裁判官である可能性のある者の私的領域における活動についての文書であり,そのような文書の作成,取得等の目的や方法は様々であり得るものであって,必ずしも人事管理のためだけに保有するものとはいえないものの,仮に裁判官であった場合,裁判官の私的領域における活動については,その内容次第では服務規律に違反するものとなり得ることから,人事上の措置等に関する文書となり得る性質を有するものである。そのような性質を有する文書の保有の有無を明らかにすると,人事上の措置の必要性から作成,取得,管理,保存される文書の存否や内容を推認ないし憶測させることになり,人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,取得,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある(行政機関情報公開法第5条第6号二,平成31年度(情)答申第4号参照) 。
   なお,苦情申出人は,本件ツイッターアカウントが匿名であることから,現職の裁判官の言動そのものと異なると主張するが,裁判官である可能性のある者の私的領域における活動についての文書であることには変わりがないがら,上記の主張は理由がない。
イ よって,裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱記第5に基づき,当該文書の存否を明らかにしないで不開示とした原判断は相当である。
(2) 本件申出に係る文書は,「最高裁が,「匿名裁判官」 と題するツイッターアカウント (平成31年1月に登録されたもの)に関して作成し,又は取得した文書」です。

2 「匿名裁判官」と題するツイッターは,2019年2月23日のツイートの後,2020年8月14日にツイートを再開しています。

でも,私,誰からも何も言われてないですし,所長面談でも何も聞かれてないので,当局も私の中の人が誰だか分かってないのでは?それか分かってても放置してるか。というか当局って誰だ?笑

— 匿名裁判官 (@courts_jp) August 14, 2020

東京高裁が平成30年3月15日付で岡口基一裁判官を厳重注意処分とした 際に作成した文書の一部は不開示であること

1 令和元年8月5日付の理由説明書の「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。
ア 苦情申出人に開示された注意書(以下「本件注意書」という。)には,厳重注意の内容が記載されており, これは行政機関情報公開法(以下「法」という。)第5条第1号に規定する個人識別情報に相当する。
   また,本件注意書の不開示部分は,当該裁判官に対する分限裁判の決定において明らかにされていない部分であるところ,同部分を開示すると,人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある情報を開示することになる(法第5条第6号二) 。
   なお,苦情申出人は,本件注意書の不開示部分がインターネットで公表されている可能性を主張するが,裁判所において同部分を公表したことはない。
イ 苦情申出人は,本件注意書に関する決裁文書が別に存在すると主張するが,東京高等裁判所が平成30年3月15日付けで行った厳重注意は,下級裁判所事務処理規則21条に基づき,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的な効果を伴わない措置であると解される。そして,同条によれば,その主体は,高等裁判所においては,高等裁判所長官とされており,専ら高等裁判所長官の責任において,注意の要否やその態様等を決することが予定されている。また,同条には,注意の方法等についての規定はなく,他に,注意の方法や文書の作成の要否等に関する定めも見当たらない。
   したがって,東京高等裁判所長官が下級裁判所事務処理規則21条に基づく厳重注意に係る意思決定を行うに際し,本件注意書以外の文書の作成が必ず求められるものではない(平成29年度(情)答申第1号参照)から,本件注意書以外の文書を作成又は取得していない。
ウ よって,原判断は相当である。

2 46期の岡口基一裁判官は,「分限裁判の記録」と題するブログを運営しており,ご自身の分限裁判のことを色々と公表されています。

3 46期の岡口基一裁判官に対する,平成30年3月15日付の注意書の文言は以下のとおりです。
   あなたは,裁判官であることを他者から認識できる状態で,性的な内容の文章や写真等を繰り返し投稿しているツイツターのアカウントを利用し,平成29年12月13日頃,特定の性犯罪事件についての判決を閲覧できる裁判所ウェブサイトのURLとともに, 「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に,無惨にも殺されてしまった17歳の女性」との投稿をインターネット上に公開して,被害者遺族の感情を傷つけ,(不開示部分)
このことは,裁判官として不適切であるとともに,裁判所に対する国民の信頼を損なう行為であって,誠に遺憾である。
   よって,今後再びこのようなことのないよう,下級裁判所事務処理規則第21条に基づき,厳重に注意する。

4 下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準等について(平成29年2月17日付の最高裁判所広報課長等の事務連絡)によれば,以下の刑事事件の判決書は裁判所HPに掲載しないこととなっています(ナンバリングを変更しています。)。
① 憲法第82条第2項により公開停止とされた事件
② 性犯罪(起訴罪名は性犯罪ではなくても,実質的に性犯罪と同視できる事件を含む。),犯行態様が凄惨な殺人事件など,判決書を公開することにより被害者・遺族などの関係者に大きな精神的被害を与えるおそれがある事件
③ 少年の刑事事件(判決時成人を含む。)
④ 名誉毀損罪や秘密漏示罪など,判決書を公開することにより再び被害を生じさせるおそれがある事件
⑤ その他,上記①から④までに準ずる事件

判事補及び検事の弁護士職務経験制度

目次

第1 制度の対象と開始までの手続1 判事補と検事の違い2 取決め・同意・雇用契約・登録3 従事期間第2 実施状況と判事補の名簿1 検事の令和8年度の運用状況2 判事補の年度別資料第3 従事中の身分,給与及び退職手当1 元の官を離れ,別の公務員の身分を保有する2 給与と勤務条件3 退職手当・共済第4 受入先と担当できる事件1 受入先の種類と事件の担当方法2 公務上取り扱った事件,地位の利用,報告と秘密第5 受入れを検討する際の確認事項第6 職務経験の終了,登録取消し及び復帰1 期間満了と途中終了2 弁護士登録の取消しと任命3 懲戒の手続に付された場合第7 よくある質問1 本人が希望すれば参加できるか2 従事期間は何年か3 給与はどこから支払われるか4 一人で事件を受任できるか5 期間が終われば元の職に戻るか第8 資料と関連記事1 法令・運用資料2 制度の経緯と当時の運用3 関連記事
第1 制度の対象と開始までの手続

弁護士職務経験制度は,判事補と法律で定める検事が,一定期間その官を離れ,弁護士登録をして,受入先との雇用契約に基づき弁護士の職務を経験する制度である。
従事期間は2年以内であり,特に必要がある場合は,本人と受入先の同意を得て,弁護士職務経験を開始した日から引き続き3年を超えない範囲内で延長できる。
従事中は裁判所事務官又は法務省職員の身分を保有するが,その職務には従事せず,国から給与は支給されない。

1 判事補と検事の違い

判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律(平成16年法律第121号。以下「弁護士職務経験法」という。)は,判事補及び検事が弁護士としての職務を経験することを通じて,裁判官及び検察官としての能力及び資質の一層の向上並びにその職務の一層の充実を図ることを目的とする(1条)。

項目判事補検事参加の対象判事補司法修習生の修習を終え,最初に検事に任命された日から10年を経過していない検事参加の相当性を判断し,受入先と取決めをする者最高裁判所法務大臣従事に伴い任命される官職裁判所事務官法務省(検察庁を除く。)に属する官職職務経験終了時の任命に関する手続・措置(第6参照)判事補又は判事への任命に関し必要な手続検事への任命に関し必要な措置

最高裁判所は,平成16年6月23日の裁判官会議で「判事補の経験多様化に関する基本方針」を議決した。
同方針は,事件処理態勢の確保,適切な受入先の確保・拡充等の環境・条件を整備した上で,原則としてすべての判事補に,弁護士職務経験,行政機関・在外公館等での勤務,民間企業等への派遣又は海外留学等の多様な経験を積む機会を与えるとしている。
もっとも,個々の弁護士職務経験には本人の同意が必要である(弁護士職務経験法2条1項・4項)。

2 取決め・同意・雇用契約・登録

最高裁判所又は法務大臣は,弁護士職務経験の必要性,これに伴う事務の支障その他の事情を勘案して相当と認めるときに,受入先との取決めに基づき,期間を定めて,判事補又は検事に弁護士の職務を行わせることができる。
本人の同意を得るに当たっては,あらかじめ取決めの内容を本人に明示しなければならず,同意には,元の官を離れて裁判所事務官又は法務省の官職に任命されることについての同意も含まれる(弁護士職務経験法2条1項から6項まで)。
取決めの内容を変更しようとするときも,あらかじめ変更後の内容を明示した上で,本人の同意を得なければならない(同条8項)。

取決めをするのは最高裁判所又は法務大臣と受入先であり,雇用契約を結ぶのは本人と受入先である。
従事者は,取決めに定められた内容に従って受入先と雇用契約を締結し,弁護士法の定めるところにより弁護士登録を受け,その雇用契約に基づいて弁護士の業務に従事する(同法2条7項,4条1項)。
登録手続の概要は,弁護士登録の請求を参照されたい。

3 従事期間

従事期間は2年を超えることができない。
ただし,最高裁判所又は法務大臣が特に必要があると認めるときは,本人と受入先の同意を得て,弁護士職務経験を開始した日から引き続き3年を超えない範囲内で延長できる(弁護士職務経験法3条)。

裁判官が弁護士職務経験をしてみて、気が付いたこと。
・依頼者に厳しい見通しを伝えることは難しい。
・依頼者が納得するためその気持ちに配慮した主張書面を作成すべき場合がある。
・尋問は難しい。
・当事者側からみて裁判官の発言の意図が分かりづらいときがある。 pic.twitter.com/ekcsYEWKC7

— 光 の 射 す 地 平 線 へ (@sunrise_3uphika) July 24, 2021

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行政機関等への出向裁判官―身分,勤務先,人数及び判検交流との関係(AIリライト)

裁判官は裁判所だけで勤務するわけではなく,法務省,金融庁,外務省その他の行政省庁等で勤務することがある。

もっとも,最高裁判所の説明によれば,裁判官から法務省等の行政省庁へ出向する場合には検事に転官し,裁判官の定員の枠外となるため,「出向裁判官」という通称だけでは出向中の身分を正確に表せない。

本記事では,最高裁判所の開示資料を基礎として,出向中の身分,令和7年12月1日現在の勤務先及び人数,判検交流や訟務検事との関係,国会で問題とされた点を整理する。あわせて,出向中に検察官として作成され得る人事評価資料と,裁判官への復帰資料との関係を区別して説明する。

目次

第1 行政機関等への出向と出向中の身分

1 本記事における「出向裁判官」の意味
2 外部経験制度の中での位置付け

第2 最高裁判所の官職一覧表と最新人数

1 令和7年12月1日現在の人数
2 年次資料の読み方

(1) 平成29年以後の官職一覧表
(2) 平成28年以前の機関別人数表

3 平成15年資料との比較

第3 判検交流及び訟務検事との関係

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判検交流に関する内閣答弁書・国会答弁・裁判例(AIリライト)

第1 本記事の対象と判検交流の範囲

1 本記事と「出向裁判官」記事の役割分担
2 答弁を読むために必要な四つの類型
3 身分上の取扱いと関係法令
4 制度の是非と個別事件の公正は別の問題であること

第2 判検交流の沿革

1 正確な開始時期は確認できないこと
2 昭和49年前後の協議
3 訟務分野の拡大

第3 平成24年に廃止された交流と継続した交流

1 廃止された刑事分野の往復交流
2 継続した訟務・法令立案分野
3 「判検交流は廃止」の正確な意味

第4 判検交流に関する5件の内閣答弁書

1 平成21年の2件の答弁書
2 平成22年12月7日答弁書
3 平成24年5月11日答弁書
4 平成28年2月12日答弁書

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勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)―平成元年春~令和7年秋(AI作成)

目次

第1 この記事の内容第2 年別の名簿1 令和時代2 平成時代3 名簿の記載事項第3 内定者名簿と不開示第4 関連資料・関連記事1 関連資料2 関連記事
第1 この記事の内容

本記事は,最高裁判所が情報公開で開示した裁判所関係者の春秋叙勲の勲章受章者名簿を,平成元年春から令和7年秋まで年別にまとめるものである。
名簿は,ファイル名のとおり,裁判官,簡易裁判所判事,一般職の裁判所職員,弁護士及び調停委員の区分ごとに作られている。
基準日は令和8年10月18日であり,令和8年春の名簿は掲載していない。

裁判所の内部で叙勲候補者がどのように推薦されるかは裁判所関係者の叙勲・褒章の推薦手続―最高裁判所人事局長通達と情報公開の答申(AI作成)で,役職ごとの勲章の傾向は裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場(AIリライト)で扱っている。
名簿のうち裁判官の分は,経歴記事へのリンク付きで叙勲を受けた裁判官の一覧(令和時代)(AI作成)及び叙勲を受けた裁判官の一覧(平成時代)(AI作成)にまとめている。

第2 年別の名簿
1 令和時代
年春秋令和7年受章者名簿受章者名簿令和6年受章者名簿受章者名簿令和5年受章者名簿受章者名簿令和4年受章者名簿受章者名簿令和3年受章者名簿受章者名簿令和2年受章者名簿受章者名簿令和元年受章者名簿受章者名簿
2 平成時代
年春秋平成30年受章者名簿受章者名簿平成29年内定者名簿受章者名簿平成28年内定者名簿内定者名簿平成27年内定者名簿内定者名簿平成26年内定者名簿内定者名簿平成25年内定者名簿内定者名簿平成24年内定者名簿内定者名簿平成23年内定者名簿内定者名簿平成22年内定者名簿内定者名簿平成21年内定者名簿内定者名簿平成20年内定者名簿内定者名簿平成19年内定者名簿内定者名簿平成18年内定者名簿内定者名簿平成17年内定者名簿内定者名簿平成16年内定者名簿内定者名簿平成15年内定者名簿内定者名簿平成14年内定者名簿内定者名簿平成13年内定者名簿内定者名簿平成12年内定者名簿内定者名簿平成11年内定者名簿内定者名簿平成10年内定者名簿内定者名簿平成9年内定者名簿内定者名簿平成8年内定者名簿内定者名簿平成7年内定者名簿内定者名簿平成6年内定者名簿内定者名簿平成5年内定者名簿内定者名簿平成4年内定者名簿内定者名簿平成3年内定者名簿内定者名簿平成2年内定者名簿内定者名簿平成元年内定者名簿内定者名簿
3 名簿の記載事項

名簿は,区分ごとに人数を示した上で,受章者の勲等,主要経歴及び氏名を記載している。
例えば,令和7年秋の名簿は,裁判官17名,簡裁判事16名,一般職17名,弁護士20名及び調停委員30名の総計100名を掲げ,別紙として調停委員の藍綬褒章受章者名簿23名を付けている。
調停委員の主要経歴は,発令日現在の所属(退任している者は退任時の所属)と注記されている。

平成元年春から平成29年春までの名簿は,表題に「(内定)」と付いた内定者名簿であり,平成29年秋以降の名簿は受章者名簿である。

第3 内定者名簿と不開示

令和4年度(最情)答申第13号(令和4年7月27日)は,昭和46年4月の最高裁判所裁判官会議(第14回)の議事録に含まれる春の叙勲及び賜杯内定者名簿について,登載者の氏名のほか,官職及び内定者数等の不開示も妥当とした。
その理由として,実際の受章者数は内定者の辞退や推薦取消等により内定者数から減少する場合があり,官職及び内定者数を公にすると,受章に至らなかった者の有無及び人数が明らかになるとの判断が示されている。
推薦基準の不開示を含む情報公開の答申は,裁判所関係者の叙勲・褒章の推薦手続で整理している。

第4 関連資料・関連記事
1 関連資料

栄典事務の手引(平成30年・内閣府賞勲局)
造幣局「【Web工場見学】勲章の製造工程①概要説明編」(YouTube)
『新版 勲章と褒章』(全国官報販売協同組合)は,写真が多く,勲章と褒章の説明も正確である。

2 関連記事

裁判所関係者の叙勲・褒章の推薦手続―最高裁判所人事局長通達と情報公開の答申(AI作成)
裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場(AIリライト)
叙勲を受けた裁判官の一覧(令和時代)(AI作成)

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判事補の海外留学状況―制度・選考・人数・予算・公表資料(AIリライト)

目次第1 判事補の海外留学の位置付け1 外部経験制度の一つであること2 制度の目的第2 令和8年通知による選考の概要1 2つの留学制度2 募集人数と応募対象3 帰国後の取扱いと公務への還元第3 人数と予算の読み方1 混同してはならない3種類の数字2 平成31年3月22日の国会答弁3 令和8年度歳出概算要求4 令和9年度概算要求第4 制度の沿革1 昭和47年に始まった特別留学制度2 外部経験制度の中での位置付け第5 公表資料から留学命令と研究先を調べる方法1 年度別の裁判官海外出張者名簿2 年度別の選考通知3 資料を読む際の注意点4 国・大学・期間の比較第6 留学経験に関する公表資料1 裁判所が公表している外部経験の説明2 個別の留学経験第7 公費留学と留学費用の償還1 国家公務員の留学費用の償還に関する法律2 人事院の最新統計とその射程第8 関連記事第9 出典
第1 判事補の海外留学の位置付け

判事補の海外留学は,原則として全ての判事補に機会を与えるとされる外部経験の一つであり,外国の大学,ロースクール又は裁判所等で外国の司法制度や裁判実務を研究する制度である。
令和8年1月20日付の選考通知では,最高裁判所が直接実施する制度と人事院の行政官長期在外研究員制度を合わせて30人程度を募集している。

もっとも,「募集人数」,概算要求書の「積算人数」及び海外出張者名簿に掲載された「命令行」は,それぞれ別の数字である。
この記事では,現行の選考,人数と予算,制度の沿革,公表済みの名簿,留学費用の償還を区別して整理する。

1 外部経験制度の一つであること
最高裁判所は,多様で豊かな知識や経験を備えた裁判官を確保するため,原則として全ての判事補に外部経験の機会を与えるとしている。
外部経験の派遣先等には,民間企業,弁護士事務所,海外留学,行政官庁及び在外公館等が含まれる(最高裁判所「外部経験制度の利用(その2)」)。

したがって,海外留学だけが判事補の経験多様化の手段ではない。
判事補の任官後おおむね10年以内に,裁判所内部の職務とは異なる環境で経験を積む複数の仕組みのうち,在外研究を中心とするものが判事補の海外留学である。

判事補の任官後の研修,外部経験及び判事への任命資格の基本は「判事補とは」を参照してください。

2 制度の目的
判事補の海外留学では,外国の法制度及び裁判実務を現地で研究するとともに,異なる文化,社会及び組織に接することが想定されている。
外国法の知識だけでなく,幅広い視野,柔軟な思考及び多角的なものの見方を裁判実務へ還元することが制度の目的である。

もっとも,個々の留学がどの事件処理にどのような効果をもたらしたかを数量的に示す公表資料は確認できない。
制度の目的に関する説明と,個別の留学成果に対する評価は分けて読む必要がある。
第2 令和8年通知による選考の概要
1 2つの留学制度
令和8年1月20日付の最高裁判所事務総局人事局長通知は,判事補海外留学研究員の選考について,最高裁判所が直接実施する制度と,人事院が実施する行政官長期在外研究員制度を区別している。
(1) 最高裁判所が直接実施する制度
研究期間は,原則として令和9年7月頃から令和10年6月頃までの約1年間である。
ミュンヘン知的財産法センターについては,令和9年9月頃から令和10年8月頃までとされている。

外国の大学,ロースクール又は裁判所等で,外国の司法制度,裁判実務その他の研究を行う。
派遣国,研究先及び研究テーマは,選考後の調整を経て具体化するため,応募時点の希望がそのまま派遣先を決めるとは限らない。
大学等への派遣にも裁判所等での司法運営の調査研究が含まれ,裁判所派遣にも派遣先によって大学研究を併せ得る。一般の大学等派遣は修士課程に相当する研究を行うものであり,全員が修士号を取得するとは限らない。ミュンヘン知的財産法センターでは修士号取得が明記され,同センター及びルーベン大学は英語による受験者の派遣先として掲げられている。
(2) 人事院の行政官長期在外研究員制度

(続きを読む...)判事補の海外留学状況―制度・選考・人数・予算・公表資料(AIリライト)

我が国の裁判官制度に関する,平成12年4月当時の説明

目次
1 我が国の裁判官制度に関する,平成12年4月当時の説明
2 関連記事

1 我が国の裁判官制度に関する,平成12年4月当時の説明
・ 司法制度改革審議会HPに載ってある「法曹一元について(参考説明)」(平成12年4月25日付)には以下の記載があります。
第2 わが国の裁判官制度
    法曹一元の制度は、一般的に、簡易裁判所の裁判官を除いた下級裁判所の裁判官を対象として議論されていることから、以下では、そのような下級裁判所の裁判官を中心にわが国の裁判官制度の概要を論じる。
(1) 任命手続(資料1~2-2) 
    判事の資格としては、10年以上法曹又は法律学者としての経験が必要とされており(裁判所法42条1項)、判事補となるためには、司法修習を修了した者、すなわち司法試験に合格して司法修習生に採用され、少なくとも1年6月の修習後に二回試験に合格した者であることを要する(同法43条、66条1項、67条1項)。
    いずれも最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命することになっている(憲法80条1項、裁判所法40条1項)。これは、内閣が恣意的に情実によりまたは党派的な人事を行うことによって、司法の独立公正を害する危険を防止するため最高裁判所に推薦権を認めることとし、他方、裁判所内部だけで任命することによる司法の独善化を避けるために、内閣に拒否権を留保する趣旨とされている。具体的な手続としては、最高裁判所が人選を行い、任命すべき裁判官の官ごとに名簿を作成して、内閣に送付する。名簿に掲げる者の指名は、司法行政事務であるから、裁判官会議の議による。内閣は、閣議によって任命を決定する(内閣法4条1項)。
    なお、判事補は、原則として一人で裁判をすることができないなどの職権に関する制限があるが(裁判所法27条)、5年以上の法曹としての経験のある者について、判事と同等の権限を有するものとする、いわゆる特例判事補の制度がある(判事補の職権の特例に関する法律 昭和23年)。

(2) 裁判官の地位(報酬、昇給、任期、転勤、服務、身分保障等) 
    裁判官が、法以外の勢力や権力の影響を受けずに独立の立場で裁判が行えるように、裁判官の独立が保障されている(憲法76条3項、78条、79条6項、80条2項、裁判所法48条参照)。
    報酬について、定期に相当額が保障され、減額されないとの保障が定められている(憲法79条6項、80条)。任期については、10年とされているが、再任は妨げないとされている(憲法80条1項、裁判所法40条3項)。転勤については、裁判官は、その意思に反して転所されることはない(裁判所法48条)。裁判官の服務規律としては、「職務専念義務」(裁判所法52条2号、3号等)、「守秘義務」(同法75条2項等)、「積極的政治運動の禁止」(同法52条1号)、「信用失墜行為の禁止」(裁判所法49条等)などがある。その他の身分保障として、憲法上一定の手続で罷免される場合を除いては、その意に反して、免官、転官、転所、停職または報酬の減額を受けないものとされており(裁判所法48条)、罷免される場合としては「心身の故障のために職務を執ることができない」場合及び「公の弾劾によ」る場合に限られる。

(3) 弁護士からの任官(資料4-1、4-2) 
ア 昭和63年以前の状況
    戦前の昭和13年から15年にかけて、約200人の弁護士が判事、検事に任官した。また、戦後施行された裁判所法では、わが国の判事任命資格について、10年間判事補の職にあった者のみならず、10年以上弁護士、検察官、法律学者としての経験を有する者にも認めているが、現行制度発足当時の昭和23から24年にかけて約100人の弁護士が裁判官に任官した。
    しかし、昭和30年代を境に、弁護士からの任官者が減少し、判事は、司法研修所終了後直ちに判事補に採用され、判事補として10年在職した者から任命されるのが通例であり、10年の任期を終えた判事補は、大部分が判事に任命されるのが現実となり、わが国の裁判官任用制度は、その運用の実際においてキャリア・システムであった。
イ いわゆる「弁護士任官制度」の導入
    昭和63年3月、最高裁判所は、裁判所として社会の高度化、それに伴う紛争の複雑・多様化に対応するためには、裁判官に多様な経験を有する者がいることが望ましいとして、「判事選考要領」(旧要領)を定めて、経験年数15年以上、年齢55歳未満の弁護士から毎年20名程度の判事を採用する、との方針を打ち出し、平成3年9月には、従来の「判事選考要領」を改正して新しく「裁判官選考要領」(新要領)を定め、「5年以上弁護士の職にあり、裁判官として少なくとも5年程度は勤務しうる者であって、年齢55歳位までのもの」を選考対象とし、日弁連を通じて任官希望者を募ることとなった。初任地は、本人の希望、家族状況、充員状況等を考慮して決定し、その後は、同期の裁判官の例に準じて異動を行う。ただし、15年以上弁護士の職にあった者については、本人の希望により、住居地又はその周辺の裁判所を任地とするものとされている。
    なお、これまで、このいわゆる弁護士任官制度で裁判官に任官したのは、平成11年11月1日現在で46人である。

2 関連記事
・ 平成11年11月までの弁護士任官の状況
・ 平成13年2月当時の,弁護士任官に対する最高裁判所の考え方
・ 弁護士任官等に関する協議の取りまとめ(平成13年12月7日付)

裁判所時報マニュアル(平成31年4月に開示されたもの)

目次
第1 裁判所時報マニュアル
第2 令和4年1月1日以降の裁判所時報
第3 関連記事その他
第1 裁判所時報マニュアル
・ 平成31年4月に開示された裁判所時報マニュアルは以下のとおりです(「裁判所時報編集マニュアル(平成27年9月9日)」の更新版と思います。)。

(裁判所時報)
1 体裁: 2段横組,題字も横書き
編集は偶数頁で,空白部分が生じないようにし,製本は中綴じとする。
行間調整をしたうえで空白が生じる場合には,「裁判所だより」を掲載して調整する。

2 活字等
① 書体:「リュウミン」体
② 文字の大きさ等;基本文字は12. 5級原則として27字57行2段組
1頁目は題字部分が7行分使用する。
空白部分を作らず,偶数頁とするため,原稿の量によって行数を調節する。

3 柱,頁数等
① 柱には「裁判所時報」「平成○年○月○日」「第○号(ゴシック体)」「頁(ゴシック体) 」を入れる。
② ノンブルには,当該年度の通し頁(ゴシック体)を入れる。
③ 最終頁下余白に発行元の住所・連絡先を表示する。
④ ゲラには,法務省分の裁判所時報に載る文言が印刷されている(1頁余白及び最終頁余白)が,裁判所納品分には載らない。

4 横組み・縦組み
原則は横組み
法律,政令,告示,規則,規程は縦組みで,後方頁からの編集となる。
縦組み頁が複数頁になる場合には,縦組み頁の頁数を(1) (2)として下部余白中央に付ける。

5 使用用紙

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裁判所の所持品検査が必要とされた理由―金属探知機・X線装置と平成30年度概算要求(AIリライト)

第1 資料の位置付け
第2 庁舎入口のゲート式金属探知機
第3 X線手荷物検査装置
第4 入廷前の検査と棒状金属探知機
第5 「庁舎入口」と「入廷前」の違い
第6 財務省の文書探索結果
第7 関連記事
第8 出典

第1 資料の位置付け

最高裁判所が財務省に提出した平成30年度の概算要求関係資料には,ゲート式金属探知機,X線検査装置及び棒状金属探知機を整備する必要性が記載されている。

この資料は,予算要求の理由を説明するものであり,個々の庁舎における検査の法的根拠,現在の実施状況又は具体的な検査手順を網羅する文書ではない。
本記事では,資料の記載から確認できる必要性と,そこからは直ちに分からない事項を区別する。

第2 庁舎入口のゲート式金属探知機

平成30年度新しい日本のための優先課題推進枠説明資料1/249頁は,当事者又は傍聴人等が法廷内に凶器を持ち込み,事件関係者又は傍聴人に危害を加える事件が現実に発生していると説明する。

その上で,刃物又は銃器等を庁舎内へ持ち込ませないため,庁舎入口で所持品検査を実施し,効率的かつ迅速に検査するためゲート式金属探知機を整備する必要があるとしている。

第3 X線手荷物検査装置

同資料50頁は,ゲート式金属探知機と併せて,手荷物をまとめて迅速に検査できるX線検査装置を整備することにより,裁判所のセキュリティチェックを十全化すると説明する。

人が金属を身に着けているかを確認する装置と,手荷物の内部を確認する装置とでは,検査対象と機能が異なる。
資料は,両者を組み合わせることを予算上の整備方針として示している。

第4 入廷前の検査と棒状金属探知機

同説明資料2/2106頁は,入廷前に凶器を持ち込ませないため,ゲート式金属探知機を使用する必要があると説明する。
とりわけ裁判員裁判では,一般人である裁判員等の安全を守るために必要な機器を整備することを裁判所の責務と位置付ける。

棒状金属探知機については,ゲート式に反応した来庁者に直ちに触れて身体検査をすることはトラブルを招くおそれがあること,手荷物の内容物をすべて開披させることはプライバシー保護上の問題があり時間も要することを理由としている。
同資料では,整備内訳として,ゲート式26台及び棒状80式が記載されている。

第5 「庁舎入口」と「入廷前」の違い

49頁及び50頁は「庁舎入口」での検査を,106頁は「入廷前」の検査を説明している。
前者は庁舎へ入る来庁者を対象とする入口検査,後者は特定の法廷へ入る者を対象とする法廷警備として読める。

この2つは,対象範囲,実施場所及び検査を必要とする危険の具体性が異なり得る。
現在の常時検査の実施庁舎については,全国の下級裁判所における所持品検査―実施庁舎,開始時期及び法的根拠(AIリライト)を参照されたい。

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寺田逸郎最高裁判所長官の就任に伴う写真取材の要領

目次
第1 寺田逸郎最高裁判所長官の就任に伴う写真取材の要領
第2 関連記事

第1 寺田逸郎最高裁判所長官の就任に伴う写真取材の要領
・ 平成26年3月20日付の最高裁判所事務総局広報課の文書によれば,寺田逸郎最高裁判所長官の就任に伴う写真取材の要領は以下のとおりでした(文中の図面は省略しています。)。

1 日時
   4月1日(火)午後8時00分

2 場所
   最高裁判所大応接室

3 取材方法
(1) カメラは1社につき1台です。
(2) 撮影は,スチルカメラ及びビデオカメラともに,長官の着席後1分間,談話発表の間及び記者会見の第1問の部分に限り行うことができます。
(3) 録音は,談話発表の間及び記者会見の第1問の部分に限り行うことができます。
(4) 撮影位置は,別紙図面に表示したとおりです。
    なお,長官の着席後1分間は,スチルカメラに限り記者席前部(別紙図面に網線で表示した部分)から撮影することができますが,1分間経過後はその場から退出し,以後は記者席の両側又は後部から撮影してください。
(5) 大応接室以外での撮影は,一切できません。
(6) 三脚を使用することはできますが,脚立は使用しないでください。
(7) 取材中及び取材後に退室する際は,静粛かつ円滑に行われるよう広報課員の指示に従ってください。
(8) 取材に当たっては広報課員の指示に従ってください。

4 集合時刻等
(1) 取材カメラマンは,午後7時30分までに記者会室(1階)にお集まりください。広報課員が記者会見場に案内します。
(2) ビデオカメラは,午後7時55分までにセットアップしてください。
(3) カメラマン及びその補助者等は,必ず自社腕章を着用してください。
(4) 当日は,新最高裁長官,新最高裁判事の順で記者会見が行われる予定ですので,長官の記者会見における撮影が終了した後は,カメラ,マイク等を会見場に残したままいったん記者会見場から退出し,広報課員の指示に従って待機してください。

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最高裁判所は大審院の法律上の承継者ではない―最大判昭和23年7月19日と制度移行(AIリライト)

目次

第1 「大審院の後身ではない」という判示の意味
第2 最高裁大法廷昭和23年7月19日判決

1 事件と争点
2 大法廷の結論
3 判決の射程
4 個別意見

第3 大審院から最高裁判所への制度転換

1 大審院の成立と廃止
2 憲法上の位置付けと司法行政
3 裁判官数と審理体制

第4 法令が定めた個別の連続性

1 旧係属事件は東京高等裁判所へ移管されたこと
2 裁判官の身分と緊急処理
3 大審院判例の先例上の扱い
4 既存法令中の「大審院」の読替え

第5 大審院から最高裁判所への移行に関する裁判例

1 旧係属事件の東京高等裁判所への移管
2 選挙訴訟の移管
3 大審院判決に対する再審の管轄

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最高裁判所における違憲判決の一覧(AIリライト)

目次

第1 法令違憲14類型の数え方1 本記事の集計基準2 判決ではなく決定で示された2類型3 法令違憲,適用違憲及び処分違憲の区別第2 最高裁判所の法令違憲判決・決定一覧1 昭和期の5類型2 平成期の5類型3 令和期の4類型第3 一覧を読む際の注意点1 同日複数判決を1類型としている事件2 平成27年12月16日に違憲判決が2件あったわけではない3 性別取扱変更決定が違憲としたのは4号要件である4 旧警備業法判決と国家賠償の結論は異なる5 再婚禁止期間の違憲判断と国家賠償第4 法令違憲に数えられていない主要な違憲判断等1 分類上の限界2 主要裁判例の一覧第5 違憲判決の効力1 個別的効力説2 官報公告と国会・内閣への送付3 実務上の一般的影響と過去の法律関係第6 関連資料第7 出典1 法令・規則2 裁判例・公的資料3 文献

最高裁判所大法廷が法令の規定を憲法に違反すると判断したものは,令和8年2月18日の旧警備業法欠格条項違憲判決までで14類型である。

本記事では,14類型の裁判年月日,事件番号,判例集,違憲とされた規定,憲法上の根拠及び裁判所ウェブサイトの判決・決定本文を時系列で整理する。

また,法令違憲には数えられていない主要な違憲判断等と,違憲判決の効力も区別して掲載する。

本記事は法令違憲の判断を集計基準付きで整理する資料集であり,最高裁判所の全裁判例を網羅するものではない。違憲審査権,大法廷と小法廷及び裁判例原文の調べ方は,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。

第1 法令違憲14類型の数え方
1 本記事の集計基準

本記事では,最高裁判所大法廷の法令違憲判断について一般に用いられている14の区分に従い,同一日に同一規定の同一の憲法問題について複数の裁判書が作成された場合は1類型として数える。

同じ日に同じ規定について複数の裁判書が作成された場合も1類型とするため,14類型は判決書及び決定書の通数を意味しない。

資料によって違憲判決の件数表記が異なることがあるのは,同日複数判決を別々に数えるか,適用違憲又は処分違憲を含めるかなど,集計基準が同一でないためである。

2 判決ではなく決定で示された2類型

14類型のうち,裁判形式が「決定」であるものは,平成25年9月4日の婚外子法定相続分差別規定違憲決定と,令和5年10月25日の性別取扱変更の生殖不能要件違憲決定である。

その余の12類型は判決である。

3 法令違憲,適用違憲及び処分違憲の区別

法令違憲は,法令の規定自体又は規定の一定部分を違憲とする判断である。

これに対し,法令を特定の事件類型へ適用する限度で違憲とする判断を「適用違憲」と呼ぶ場合や,行政処分,公金支出,刑事手続等の具体的な国家行為を違憲とする判断を「処分違憲」と呼ぶ場合がある。

もっとも,これらの用語法及び個々の裁判例の分類は文献によって一致しないため,本記事では法令違憲14類型とその他の主要な違憲判断等を分けて掲載する。

第2 最高裁判所の法令違憲判決・決定一覧
1 昭和期の5類型

No.裁判年月日・事件番号・判例集違憲とされた法令又は規定憲法上の根拠及び判断の要点

1昭和48年4月4日大法廷判決・昭和45年(あ)第1310号・刑集27巻3号265頁刑法200条(尊属殺重罰規定)刑法199条の普通殺人と比べた加重の程度が著しく不合理であり,憲法14条1項に違反するとした。
2昭和50年4月30日大法廷判決・昭和43年(行ツ)第120号・民集29巻4号572頁当時の薬事法6条2項・4項及び26条2項による薬局の距離制限薬局開設の距離制限が職業選択の自由を保障する憲法22条1項に違反するとした。
3昭和51年4月14日大法廷判決・昭和49年(行ツ)第75号・民集30巻3号223頁昭和47年12月10日の衆議院議員総選挙に用いられた議員定数配分規定規定全体が憲法14条1項,15条1項・3項及び44条ただし書に違反するとしたが,事情判決の法理により選挙は無効としなかった。
4昭和60年7月17日大法廷判決・昭和59年(行ツ)第339号・民集39巻5号1100頁昭和58年12月18日の衆議院議員総選挙に用いられた議員定数配分規定規定全体が憲法14条1項に違反するとしたが,事情判決の法理により選挙は無効としなかった。
5昭和62年4月22日大法廷判決・昭和59年(オ)第805号・民集41巻3号408頁森林法186条本文による共有林分割請求の制限共有持分価額が2分の1以下の者による分割請求を一律に禁じることが,憲法29条2項に違反するとした。

(続きを読む...)最高裁判所における違憲判決の一覧(AIリライト)

会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

目次
1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
2 関連資料
3 関連記事その他

1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
(1) 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表として以下の検査年次のものを掲載しています(ファイル名は「会計検査院第1局司法検査課の令和6検査年次実地検査日程表」といったものです。)。
(令和時代)
令和2検査年次,令和3検査年次,令和4検査年次,
令和5検査年次,令和6検査年次,令和7検査年次,

(平成時代)
平成24検査年次,平成25検査年次,平成26検査年次
平成27検査年次,平成28検査年次,平成29検査年次
平成30検査年次,平成31検査年次
(2) 会計検査院第1局司法検査課は,裁判所,会計検査院,国家公安委員会,法務省及び日本司法支援センターを担当しています(会計検査院HPの「第1局」参照)。

予算には関心高いけど、決算には清々しいほどに無関心な人大杉。
確定検査のお作法が旧態依然のままなのは、検査の合理化が偉い人の関心事項ではないから。
検査する側が未だに紙の証憑に拘り、検査される側は電子データがあるのにプリントアウトして渡す優しい世界。
電卓忘れずに持って行かなきゃ!

— 霞が関一般職 (@NonCareer55) March 15, 2022

1 RoootSの導入計画の見直し(令和5年11月16日付の最高裁判所事務総局会議議事録)を添付しています。
RoootSの先行導入の時期を令和6年1月から令和6年5月以降にするというものです。

2 RoootSは,裁判所職員向けのe事件管理システムのことです。https://t.co/V1BykBYYhW pic.twitter.com/CM77H1Zave

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 19, 2024

(続きを読む...)会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領

目次
第1 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領
第2 通知の時点及び射程
第3 関連記事その他

第1 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領
・ 「最高裁判所における法廷内カメラ取材について(通知)」(平成2年12月6日付の最高裁判所広報課長通知)によれば,平成3年1月1日から,裁判所又は裁判長が相当と認める事件につき,以下の運用要領でカメラ取材が認められるようになっています。

運用要領

1    許可申請
   法廷内カメラ取材を希望する社は,取材希望事件の開廷期日のおおむね2日(休日及び土曜日を除く。)前までに,広報課に許可申請をする。
2   取材人員
   カメラ取材のため入廷できる人員は,1社1人とする。
3   撮影機材
   1社が使用できる撮影機材は, 1人で操作できる携帯用小型のビデオカメラ(1台)又はスチールカメラとし,ビデオ撮影用照明機材,録音機材,中継機材等の補助機材は使用できない。
4   撮影時期・時間
   撮影は,裁判官の入廷開始時からとし,裁判官全員の着席後で開廷宣告前の間における2分以内とし,その開始及び終了は裁判長の命を受けた裁判所職員の合図による。
5   撮影位置
   撮影位置は,傍聴席後部の裁判長が指定する場所とする。
6   撮影対象
   撮影対象は,入廷中の裁判官並びに裁判官席及び当事者席とし(傍聴席が付随的に入ることは可),次に掲げる撮影は認めない。
(1) 音声を録音すること。
(2)   特定の人物(裁判官を除く。)の拡張・拡大写真を撮影すること (トリミング等の方法により,これらの特定人物を際立たせることを含む。)。
(3)   傍聴席にいる特定の者を個別的に撮影対象とすること。
(4)   弁護人,代理人又は傍聴人が宣伝的行為や法廷の秩序を乱す行為に出た場合に,これを撮影対象とすること(退廷命令の執行を撮影対象とすることを含む。)。
7   撮影中止
   取材要員は,裁判長又はその命を受けた裁判所職員から撮影中止の指示があった場合には,直ちに撮影を中止し,退廷しなければならない。
8   条件違反の取材に対する措置
   この要領又は裁判長の命じた事項に違反する取材が行われた場合には,裁判長の権限に基づく処置,一定期間の取材停止その他必要な措置を執ることがある。

(続きを読む...)最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領

平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達

目次
1 裁判所会計事務規程及び関連通達
2 関連記事その他

1 裁判所会計事務規程及び関連通達
・ 平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達を以下のとおり掲載しています。

以下の資料は,リンク先に表示した制定・発出日又は掲載版の記録として参照してください。
後年の日計の検閲に関する資料も含まれますが,この一覧だけで各規程・通達の現行性を確認したものではありません。
個別の手続を行う際は,改正後の規程と当該裁判所の最新案内を確認する必要があります。
保管金の処理を調べるときは⑥と⑧,検査員の取扱いは⑤,会計検査は⑦,日計の検閲は⑨と⑩が資料探索の入口になります。
これらを担当者が用いる現行様式と直ちに同一視しないでください。
現在の電子納付と還付については,裁判所「保管金の電子納付について」を確認してください。
同案内は,電子納付では保管金受領証書を交付しないこと,還付口座の変更では新たな利用者登録と係属事件のある各裁判所への連絡が必要であることを説明しています。
制度の使い分けと事件別精算は,裁判所の保管金・予納金の還付―電子納付,口座名義・変更と法律事務所の事件別精算(AI作成)を参照してください。

① 裁判所会計事務規程(平成29年3月15日最高裁判所規程第4号)
② 用途廃止等の承認申請を必要としない場合について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
③ 経理計画について(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
④ 裁判所会計事務規程に基づく指定等について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑤ 裁判所会計事務規程に基づく検査員の任命方法等に関する取扱いについて(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
⑥ 裁判所会計事務規程等に規定する保管金等の処理に関する書類及び帳簿諸票の様式について(平成7年3月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑦ 会計検査の実施に関する事務の取扱いについて(平成7年3月30日付の最高裁判所経理局長依命通達)
⑧ 保管金事務処理システムを利用した保管金に関する事務処理の運用について(平成29年3月31日付の最高裁判所経理局長通達)
⑨ 裁判所会計事務規程に基づく日計の検閲等に関する取扱いについて(平成30年9月18日付の最高裁判所経理局長の通達)
⑩ 裁判所会計事務規程に基づく日計の検閲等に関する取扱いについて(令和3年11月30日付けの最高裁判所経理局監査課長の事務連絡)

2 関連記事その他
(1) ①修習資金貸与要綱4条等の支出負担行為担当官,及び②修習資金貸与要綱16条2項等の歳入徴収官は,最高裁判所事務総局経理局長のことです(裁判所会計事務規程別表第二参照)。
(2) 法廷の椅子の管理者は告訴権を有します(最高裁昭和29年7月14日決定)。

(続きを読む...)平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達

裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議

目次
第1 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
10 令和 8年4月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
9 令和 7年3月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第217回国会)
8 令和 6年3月15日の衆議院法務委員会の付帯決議(第213回国会)
7 令和 5年3月10日の衆議院法務委員会の付帯決議(第211回国会)
6 令和 4年3月 9日の衆議院法務委員会の付帯決議(第208回国会)
5 令和 3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議(第204回国会)
4 令和 2年4月 3日の衆議院法務委員会の付帯決議(第201回国会)
3 平成29年3月31日の衆議院法務委員会の付帯決議(第193回国会)
2 平成28年3月18日の衆議院法務委員会の付帯決議(第190回国会)
1 平成25年3月26日の衆議院法務委員会の付帯決議(第183回国会)
第2 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する参議院法務委員会の附帯決議
1 令和 8年4月23日の参議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
第3 69期以降の司法修習生組別志望等調査表は存在しないこと
第4 法曹の質の検証
第5 関連記事その他

* 附帯決議は,法律案の可決に際して政府及び最高裁判所に配慮を求める委員会の決議であり,裁判官等の員数そのものは裁判所職員定員法の改正によって変わります。法律で員数を定める理由と総定員法との違いは,裁判所職員定員法と総定員法の違い―裁判所の定員を法律で定める理由と国会答弁を参照してください。

第1 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
10 令和8年4月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組むとともに、産業の高度化や国際化に対応できるよう裁判官の能力及び職責の重さの自覚の一層の向上に努めること。
二 当委員会においてこれまでに付されてきた附帯決議の趣旨を尊重し、最高裁判所において、判事補の定員の充足に努めるとともに、その実員の増減の見通しを着実に立てた上で、定員の在り方について不断の検討を行うこと。
三 判事補を安定的に確保することが重要であることに鑑み、裁判官の全体的な処遇改善に向けた必要な検討を行うこと。
四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の数について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を引き続き国会に示すとともに、同制度や法改正の趣旨を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
五 裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、合理化・効率化が可能な事務と注力すべき事務をそれぞれ考慮した上で裁判官・裁判所職員の適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。
六 両親の離婚時における子どもの利益確保の要請等への対応、その他価値観の多様化に伴う家事事件の複雑化・困難化の動向等に対して、家庭裁判所における多角的な対応が適切かつ十分に行われるよう、裁判官・家庭裁判所調査官の充実を含め、家庭裁判所の人的・物的体制の強化を進めること。

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全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見

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第1 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
第2 関連記事

第1 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
○全司法本部の中矢正晴中央執行委員長は,参考人として招致された平成29年3月24日の衆議院法務委員会において以下の意見を述べています(ナンバリングを追加しました。)(全司法新聞2017年4月号(2262号)の「中矢委員長 衆議院参考人招致 裁判所の職場実態を国会で述べる」参照)。
1 おはようございます。私は、裁判所職員でつくっております全司法の中央執行委員長をやっております中矢と申します。
  最初に、このような機会を与えていただいたことに対して、皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
  私は、裁判所職員の職員団体ということでありますし、私自身、昭和六十三年から、全司法の委員長に就任しますまで二十七年間、裁判所書記官として仕事をしてまいりましたので、その裁判所職員の立場から、今般提出されております裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、私なりの考え方をお話ししたいと思っております。
2(1)  最初に結論を申し上げますと、大変失礼な言い方になって恐縮ではありますが、あえて申し上げるなら、十分なものではないと言わざるを得ないと思っております。その理由は、次に述べる三点であります。
  第一点目でありますが、裁判官、裁判所書記官について、今年度の増員を下回る増員数となっている点であります。
  定員振りかえを除く実質的な増員数で見ますと、今年度の増員数は、裁判官三十二人、書記官三十九人でしたが、平成二十九年度の増員数として示されているものは、裁判官が二十七人、書記官が二十四人となっております。職場実態からしますと、本来はもっと多くの増員が必要だと考えておりますが、少なくとも、今年度と比較してその増員数を下回る理由はないのではないかと思っております。
  裁判官の増員も重要ですが、私のきょうの立場でありますので、職員のことを中心にお話をさせていただきたいと思います。
(2)ア  現在、裁判所の中でとりわけ増員の必要性が高いのが家庭裁判所であります。事件数も増加傾向にあることに加えて、三点申し上げます。
  一つ目として、離婚や子供をめぐる問題など家庭を取り巻く社会環境が複雑になっているもとで、裁判所に求められる役割も大きくなっております。
  また、二つ目ですが、平成二十五年から家事事件手続法が施行され、これまで以上にきめ細かな事件の処理が求められるようになっている点であります。
  第三点目に、成年後見制度でありますが、認知症などの方に裁判所が後見人や保佐人をつけるシステムでありますので、高齢化社会が進むもとで、今後ますます重要になります。昨年四月には成年後見利用促進法が成立をし、今月中にも政府における基本計画が策定されて、これに従った取り組みが実施されていくというふうに承知をしておりますので、これを踏まえた人的体制の整備が必要であります。
  この成年後見のように、家庭裁判所の手続には、民事や刑事の訴訟、いわゆる争いとは違って、申し立てに基づいて裁判所が事実を調査し決定をする、いわゆる非訟事件と呼ばれる手続が多く存在します。こういう手続では、裁判官の指示を受けて実際の実務を担当する書記官が、当事者との調整を行ったり判断に必要な資料をそろえたりと、大きな役割を果たします。また、家庭裁判所においては、弁護士を頼まずに当事者御本人が申し立てをする事件も多いことから、手続を進めていく上で、書記官が時間をかけて丁寧に説明するという必要性も大きくなっております。
イ  家裁の体制が実際に必要だということで、この数年間、全国の家庭裁判所に一定数の書記官が増配置をされてきました。しかし、毎年の増員数が家庭裁判所に増配置するだけの人数に足りないために、その大部分は地方裁判所や簡易裁判所からの配置がえ、私どもは人員シフトと呼んでおりますが、この人員シフトによって行われております。
(3)  それでは、人員が減らされている地方裁判所の方はどうかというふうに見ますと、民事事件では、昨今の社会経済情勢を受けて、ますます複雑困難化する事件について適正迅速に処理することが必要であります。
  刑事事件でありますが、このところ、準抗告といいまして、勾留など、被告人などの身柄の決定に対する不服申し立ての手続ですとか、医療観察といいまして、心神喪失等の状態で重要な行為を行った者に対して入院を決定するような手続が増加をしております。また、国対被告人の関係で、犯罪を犯した者を処罰するというのが刑事手続の基本的な構造でありますが、近年は、被害者保護のためのさまざまな手続が導入をされ、事件関係者の情報の秘匿ということも求められるということであります。
  敷衍しておきますと、裁判の公開という基本的な考え方がありますので、かつては、裁判所に出されたものは公開されるものだという考え方が主流でありましたが、現在では、個人情報の秘匿については、刑事事件だけではなく、民事や家事の事件においても厳格になってきておりまして、その分、慎重さが求められ、事務量もふえているという問題もございます。
  このように、従来の刑事裁判という枠におさまり切らない事務もふえてきており、それに従って、事件数にあらわれない現場の負担も増加をしているところであります。とりわけ、昨年五月に刑事訴訟法が改正をされ、順次施行されておりますことから、今後これに対する対応も必要になります。
  地方裁判所についていいましても、これまでにお話ししてきましたとおり、家裁へのシフトの受け皿ということではなくて、むしろ、それぞれの分野について人的体制の整備を図る必要があると考えております。
  また、人員シフトという問題では、地方から都市への人員シフトという問題もあります。家裁を中心に大都市の人員が必要であることから、この間、毎年地方の庁の職員が減員をされており、今年度でいえば、札幌高裁管内で七名、広島高裁管内で十一名、高松高裁管内で七名、福岡高裁管内で十五名が削減をされました。決して地方の職場に余裕があるわけではありませんし、人数の少ない小規模庁において人員を削減するということの影響は、大規模庁と比較しても大きいものがあります。また、地方における国民の司法アクセスという観点からも、地方へのしわ寄せは限界があります。
  以上のことから、法案の数にとどまらない、大幅増員が必要であると考えております。この点が一点目であります。
3(1)  第二点目として、家庭裁判所調査官の増員がない点であります。
  家裁調査官は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学などの専門的知識を活用し、調査、調整活動を行う専門職であります。本日お配りをしてあります資料の最初がレジュメになっておりますが、開いていただきますと、三ページ、四ページあたりのところに、現場の家裁調査官からの聞き取りをもとに作成をしました家裁調査官の役割と昨今の職場実態について記載してありますので、ごらんをいただければ幸いに思います。
  ここでは、家裁調査官の仕事について簡単に説明をさせていただきますと、少年事件でいいますと、未成年者が引き起こした事件は、まず、原則として全件家庭裁判所にやってきます。その中で、家庭裁判所調査官が最初に面談を行って、非行の原因や背景、少年の状況などを調査し、それを踏まえて処分に対する意見を述べています。調査官の取り組みは、単なる事実の調査ではなく、少年の立ち直りや再犯防止のために大きな役割を果たしております。家事事件について申しますと、夫婦関係を調整する事件における子供の意思を調査したり、子供と離れて暮らしている親との面会交流をコーディネートしたりする。あるいは、成年後見において、成年後見を受ける本人の調査や、複雑困難な事件の調査をするといった役割を担っております。
  このように、家庭裁判所における調査官の役割は極めて大きく、かつ、調査官の調査の対象になっております少年や子供、家庭をめぐる状況がどんどん複雑になっているわけですから、その仕事も年を追うごとに複雑になり繁忙になっております。人と向き合う仕事でありますので、時間で区切ることも難しく、きちんと行おうとすればするほど非常に時間と労力を要する仕事であることを御理解いただきたい、こういうふうに考えております。

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平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明

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1 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
2 関連記事その他

1 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
・ 最高裁が作成した平成27年8月31日付の「全司法本部との応答メモ」にある記載を,以下のとおり抜粋します(全司法とは,全司法労働組合のことです。)。

(1) 平成28年度概算要求(増員関係)について
    国家公務員の定員について,政府は,平成26年7月25日,業務改革を推進して定員の合理化に強力に取り組むこと等を内容とする「国家公務員の総人件費に関する基本方針」を閣議決定し,同日,毎年2%(5年10%)以上を合理化すること等を内容とする「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を閣議決定しており,国の財政状況が逼迫している中,既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど,増員を取り巻く情勢は非常に厳しい状況になっている。
    他方,司法制度改革については,法制度の枠組みが完成し,裁判員制度をはじめとして実施・運用の段階に入っているところ,裁判所としては,これらの制度改革をより実効性のあるものとするため,引き続き種々の見直しを行うとともに,裁判所の人的態勢についても国民の負託に応えていく裁判を実現するための充実強化を図っていく必要がある。具体的には,社会経済情勢の変化等を背景として個々の事件がより一層複雑困難化している民事訴訟事件の審理を充実させるとともに,家事事件について,平成25年1月に施行された家事事件手続法の趣旨に沿った適正な手続を実現するとともに,引き続き増加する成年後見関係事件に適切に対応するためには,裁判部門の処理態勢を更に強化する必要がある。
    そこで,平成28年度は,極めて厳しい財政状況の下ではあるが,裁判官(判事)32人,書記官39人,合計71人の増員要求を行うとともに,速記官から書記官へ5人の振替要求を行った。
   なお,平成28年度については,先に述べた閣議決定を踏まえた協力要請を受けて,裁判所では,定員合理化計画に協力するため,71人の定員削減を予定している。

(2) 質疑応答部分
(増員要求数)
① 裁判官の増員要求数を昨年と同じ判事32人としたのはなぜか。
→ 現在の事件動向を踏まえた上で,より一層複雑困難化する事件に適切に対処するとともに,今後の裁判部門の充実強化という観点から検討した結果,判事32人の増員を要求することとしたものである。

② 裁判官の増員要求数は昨年と同じであるのに,書記官の振替を含めた増員要求数は昨年よりも1人減ったのはなぜか。
→ 書記官は,裁判所の基幹官職として,適正迅速な裁判を実現していく中で重要な役割を果たしていると認識しており,これまでも事件動向等を踏まえながら,必要な人員の確保に努めてきたものである。具体的には,平成9年からの15年間で振替を含めて2600人を超える大幅な増員を行ったほか,平成24年度に80人,平成25年度に48人,平成26年度に44人,平成27年度に39人の増員をして,繁忙庁を中心に配置し,必要な体制整備を行ってきたところであり,平成28年度については,書記官44人を増員すれば,現有人員の有効活用と併せて,より適正かつ迅速な事件処理を行っていけると判断したものである。

③ 司法制度改革審議会で大幅に増員すべきである旨意見されたのであるから,更に大幅な増員要求を行うべきである。
→ 司法制度改革審議会において,裁判官については大幅な増員,裁判所書記官等の裁判所職員については,その質,能力の向上を一層推し進めるとともに,その適正な増加を図っていく必要があると意見されたことはそのとおりであるが,これまでも繰り返し説明しているとおり,国家財政は極めて厳しく,行政省庁は既存業務の増大への対応を定員の再配置により対処するよう求められている状況にある。国家公務員の定員を巡る情勢は,これまでにない極めて厳しいものであり,人員増に対する風当たりはますます強くなっている。
    さらに,書記官については,財政当局から,ここ数年にわたる定員振替による増員効果を指摘されており,事件数の動向の上でも,成年後見関係事件を除いて各種事件で減少又は横ばいとなっているものの,司法制度改革審議会において意見を述べた裁判部門の充実強化に向けた必要な人員の確保という観点を踏まえた要求を行うこととしたものである。

④ 東日本大震災からの復興においては法的紛争が増加すると思われるが,これに対応するための増員要求はしないのか。
→ 復興に関連して様々な法的紛争が提起されることを想定し,これらの紛争を適切に解決できるよう人的態勢を整備しておく必要があると考えており,平成24年4月に,被害の大きかった沿岸部に所在する庁を中心に書記官等の増配置を行ったところである。一方,阪神淡路大震災の経験を踏まえると,震災に伴う法的紛争の増加は一時期に集中し,一定期間経過後には収束に向かうと予想されることから,今回の増員を含めて,現有人員を有効活用することにより,震災による法的紛争の増加に対応することとし,震災を理由とした増員要求を行わないこととしたものである。

⑤ 成年後見関係事件の増加が著しいにもかかわらず,なぜ,家裁調査官の増員を要求しないのか。
→   家事事件は,後見関係事件が引き続き増加傾向にあるものの,少年事件については長期的に見た場合,減少傾向が続いており,平成26年の新受事件数は,近年のピークであった昭和58年に比べて約6分の1程度まで減少しており,家事,少年の事件全体を通じても,平成26年の新受件数の合計は,近年のピークであった昭和59年のそれを約7万件下回っている状況にある。これだけの減少は,財政当局との折衝に当たってかなり大きなインパクトを持つものと言わざるを得ない。その上,家裁調査官については,平成12年度から平成16年度まで毎年5人ずつ増員するとともに,平成15年度から平成18年度まで合計43人の事務官からの振替を行い,平成21年度については,5人の増員を行っており,平成28年度においては,現有人員の有効活用をすることによって,家事事件の適正迅速な処理を図ることができると判断したものである。

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裁判所法第82条に基づき裁判所の事務の取扱方法に対して最高裁判所に申し出がなされた不服の処理状況

目次
1 不服の処理状況に関する文書
2 裁判所法の関係条文
3 詳細な取扱いが書いてある文書
4 関連記事その他

1 不服の処理状況に関する文書
   「裁判所法第82条に基づき裁判所の事務の取扱方法に対して最高裁判所に申出がなされた不服の処理状況(令和5年4月1日から令和6年3月31日までの分)」といったファイル名で以下のとおり掲載していますであって(不服の内容等は真っ黒です。)。
    なお,少なくとも平成27年6月9日以降に監督権が行使された事例は1件もありません。
◯ 令和6年4月1日から令和7年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は224件であり,長官決裁による処理件数は2件であり,局長等による専決処理件数は219件であり,課長等による専決処理件数は0件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数219件のうち,裁判事務関係が延べ172件であり,司法行政事務関係が延べ61件でした。
◯ 令和5年4月1日から令和6年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は147件であり,長官決裁による処理件数は5件であり,局長等による専決処理件数は141件であり,課長等による専決処理件数は1件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が106件であり,司法行政事務関係が35件でした。
◯ 令和4年4月1日から令和5年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は108件であり,長官決裁による処理件数は0件であり,局長等による専決処理件数は108件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が91件であり,司法行政事務関係が17件でした。
◯ 令和3年4月1日から令和4年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は124件であり,長官決裁による処理件数は0件であり,局長等による専決処理件数は124件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が107件であり,司法行政事務関係が17件でした。
・ 申出人の類型としては,事件当事者からのものが約94%を占めていました。
◯ 令和2年4月1日から令和3年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は146件であり,長官決裁による処理件数は1件であり,局長等による専決処理件数は145件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が122件であり,司法行政事務関係が23件でした。
・ 申出人の類型としては,事件当事者からのものが約94%を占めていました。
◯ 平成31年4月1日から令和2年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は103件であり,長官決裁による処理件数は3件であり,局長等による専決処理件数は100件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が71件であり,司法行政事務関係が29件でした。
・ 申出人の類型としては,事件当事者からのものが約95%を占めていました。

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裁判所における一般職の職員―職種・身分・定員・採用(AIリライト)

目次

第1 「一般職」という呼称と記事の対象1 本記事で扱う職員2 国家公務員法上は特別職であること3 裁判所職員と司法手続への参加者の違い第2 裁判官以外の主な裁判所職員1 裁判所書記官と裁判所事務官2 裁判所調査官と家庭裁判所調査官3 裁判所速記官,裁判所技官及び秘書官4 司法行政,研修及び図書館の法定職5 執行官と廷吏第3 令和8年度の定員と平成29年度からの変化1 令和8年度の職種別定員2 平成29年度との比較3 令和8年度改正の内訳第4 採用,養成,給与及び人事異動1 裁判所事務官の採用2 裁判所書記官と家庭裁判所調査官の養成3 給与,昇進及び服務4 人事異動で考慮される事情第5 関連する資料記事第6 出典・参考資料1 法令2 裁判所資料3 国会資料
第1 「一般職」という呼称と記事の対象
1 本記事で扱う職員

裁判所には,裁判官のほか,裁判所書記官,裁判所事務官,家庭裁判所調査官,裁判所速記官,裁判所調査官,裁判所技官,秘書官及び執行官等が勤務している。本記事では,最高裁判所が作成した「裁判所における一般職の職員」の資料価値を残しつつ,裁判所法上の職,令和8年度の定員及び現在の採用・養成制度を整理する。

ここでいう「一般職」は,裁判官以外の職員を便宜上まとめる呼称であり,国家公務員法上の一般職を意味しない。裁判所の公表資料でも「一般職(秘書官含)」という集計上の表現が用いられることがあるが,法令上の身分区分とは分けて読む必要がある。

2 国家公務員法上は特別職であること

国家公務員法2条3項13号は,「裁判官及びその他の裁判所職員」を特別職としている。したがって,裁判所書記官,裁判所事務官及び家庭裁判所調査官等も,国家公務員法上は一般職ではなく,特別職の国家公務員である。

もっとも,裁判所職員臨時措置法は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員について,採用試験,任免,給与,人事評価,分限,懲戒,服務及び退職管理等に関する一般職の国家公務員の法律を,必要な読替えをして準用している。法的身分は特別職である一方,勤務条件には一般職の制度が広く準用されるという関係である。

3 裁判所職員と司法手続への参加者の違い

裁判所データブック2026は,裁判所の職員に続けて,調停官,調停委員,司法委員,参与員,鑑定委員,専門委員,精神保健審判員,精神保健参与員,労働審判員並びに裁判員・補充裁判員を掲載している。これらは司法手続に参加する者であるが,裁判所書記官や裁判所事務官等の常勤職員とは制度上の位置付けが異なる。

労働審判員は,このうち労働審判委員会の構成員として,調停だけでなく労働審判の評議及び議決にも参加する非常勤の裁判所職員である。任命,事件ごとの指定,除斥,守秘義務及び裁判例については,「労働審判員の任命,役割,権限及び裁判例(AI作成)」で整理している。

特に,裁判所調査官と専門委員を混同してはならない。裁判所調査官は裁判所法57条に基づく裁判所職員であるのに対し,専門委員は,民事事件等に関与して専門的知見に基づく説明等を行う司法手続への参加者であり,令和8年4月1日現在1795人のうち知的財産権関係は249人である。

第2 裁判官以外の主な裁判所職員
1 裁判所書記官と裁判所事務官
(1) 裁判所書記官

裁判所法60条は,各裁判所に裁判所書記官を置くと定める。裁判所書記官は,事件記録その他の書類又は電磁的記録の作成・保管,法令及び判例調査の補助等を担当し,裁判所の採用案内によれば,裁判所書記官が立ち会わなければ法廷を開くことができない。

裁判所書記官には裁判手続の進行を支える固有の役割があり,法廷立会いや調書作成だけでなく,当事者や訴訟代理人等との連絡・調整,書面・証拠の提出に関する働き掛け等を行う。書類だけでなく電磁的記録も職務の対象であることは,裁判手続のデジタル化を踏まえた現在の条文上も明記されている。

裁判所書記官の仕事内容,裁判所事務官・家庭裁判所調査官・裁判所速記官との違い及び採用から養成・任命までの通常の経路は,裁判所書記官とはでまとめている。

(2) 裁判所事務官

裁判所法58条は,各裁判所に裁判所事務官を置くと定める。裁判所事務官は,裁判部では裁判所書記官の下で裁判事務を担当し,事務局では総務,人事,会計等の司法行政事務を担当する。

事務局長は,裁判所法59条に基づき,各高等裁判所,各地方裁判所及び各家庭裁判所に置かれ,裁判所事務官の中から補される。事務局長は,裁判所長等の監督を受けて事務局の事務を掌理し,職員を指揮監督する。

2 裁判所調査官と家庭裁判所調査官
(1) 裁判所調査官

裁判所法57条は,最高裁判所,各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官を置くと定める。裁判所調査官は,裁判官の命を受けて事件の審理及び裁判に必要な調査等を行い,地方裁判所では知的財産事件だけでなく,租税事件も職務の対象となる。

したがって,裁判所調査官を「一部の高裁及び地裁に配置され,知的財産事件を担当する職員」とだけ説明するのは正確でない。法律上の配置先と,個々の庁における実際の勤務配置は区別して記載する必要がある。

(2) 家庭裁判所調査官と家庭裁判所調査官補

裁判所法61条の2は,各家庭裁判所及び各高等裁判所に家庭裁判所調査官を置くと定める。家庭裁判所調査官は,家事事件,人事訴訟事件及び少年事件等について,心理学,社会学,社会福祉学,教育学等の行動科学の知見を用いて調査・調整を行う。

もっとも,法律上の配置と支部への常駐状況は一致しない。令和8年4月14日の衆議院法務委員会における最高裁判所の説明では,全国203か所の家庭裁判所支部のうち家庭裁判所調査官が配置されている支部は113か所,約55%であり,未配置庁では近隣庁の調査官が出向くなどして対応している。

3 裁判所速記官,裁判所技官及び秘書官
(1) 裁判所速記官

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指定職を除く裁判所職員の級別定数――令和8年度予算と主要官職(AIリライト)

目次

第1 この記事で扱う「級別定数」1 対象とする職員2 裁判所職員は国家公務員法上の特別職であること3 行政職の「級」と指定職の「号俸」第2 令和8年度の裁判所職員の予算定員1 裁判所全体の俸給表別定員2 最高裁判所と下級裁判所の内訳第3 下級裁判所の主要官職と級1 行政職俸給表(一)の主要官職2 下級裁判所の指定職24人第4 高裁・地裁・家裁の主要官職1 高等裁判所2 地方裁判所3 家庭裁判所4 事務局次長の複数配置と兼務第5 級別定数表の読み方1 年度末の予算定員であること2 個々の官職との対応資料は公表されていないこと第6 過去の指定職号俸と級別定数1 平成30年の指定職号俸2 平成31年度級別定数表3 「退職までに誰でも5級」という問題提起第7 主要官職と瑞宝小綬章の関係1 官職だけで受章が決まるものではないこと2 公開受章者名簿で確認できる例第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 予算・裁判所組織・情報公開答申3 指定職・叙勲・過年度資料4 文献
第1 この記事で扱う「級別定数」
1 対象とする職員

本記事は,令和8年度予算に基づき,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員について,行政職俸給表(一)の級別定数と主要官職の関係を整理するものである。指定職俸給表と行政職俸給表(一)は別の俸給表であり,「指定職未満」は厳密な制度用語ではないため,本記事では「指定職を除く裁判所職員」と表現する。

2 裁判所職員は国家公務員法上の特別職であること

国家公務員法2条3項13号は,裁判官及びその他の裁判所職員を特別職とする。他方,裁判所職員臨時措置法は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の給与等について,一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用する。このため,裁判所の予算書等では「一般職の俸給表の準用職員」として整理されているが,国家公務員法上の一般職という意味ではない。

3 行政職の「級」と指定職の「号俸」

初任給や給与収入を知りたい場合は,裁判所事務官の給料・年収を参照されたい。本記事の級別定数は,予算定員と主要官職の配分を読むための資料であり,個人の年齢別年収又は昇進時期を示すものではない。

裁判所書記官の役職と給与資料の読み方は,裁判所書記官とはの第5も参照されたい。
書記官という官名,首席・次席・主任等の役職,級・号俸及び予算上の配置枠を区別して説明している。

一般職の職員の給与に関する法律6条3項は,職員の職務を,その複雑,困難及び責任の度に基づいて職務の級に分類し,指定職俸給表の適用職員については同表の号俸に分類すると定める。したがって,行政職俸給表(一)の1級から10級までと,指定職俸給表の号俸とは別の分類である。また,行政職の給与月額は級だけでなく,その級の中の号俸によって決まる。

第2 令和8年度の裁判所職員の予算定員
1 裁判所全体の俸給表別定員

財務省の令和8年度一般会計予算書では,一般職の俸給表の準用職員は2万1517人である。その内訳は次のとおりであり,指定職俸給表と行政職俸給表(一)の定員だけを合計して裁判所職員全体と扱うことはできない。

適用又は準用を受ける俸給表予算定員
指定職俸給表44人行政職俸給表(一)2万1132人行政職俸給表(二)289人医療職俸給表(一)11人医療職俸給表(三)41人合計2万1517人

行政職俸給表(一)2万1132人の級別内訳は,10級34人,9級143人,8級264人,7級532人,6級2380人,5級4331人,4級5010人,3級4817人,2級2077人,1級1544人である。裁判所職員について11級の予算定員は置かれていない。

2 最高裁判所と下級裁判所の内訳

行政職俸給表(一)の定員は,最高裁判所が1069人,下級裁判所が2万63人である。指定職は,最高裁判所が20人,下級裁判所が24人である。

組織指定職俸給表行政職俸給表(一)
最高裁判所20人1069人下級裁判所24人2万63人合計44人2万1132人

第3 下級裁判所の主要官職と級
1 行政職俸給表(一)の主要官職

令和8年度予算書に掲げられた下級裁判所の主要官職について,行政職俸給表(一)の定数を級別に整理すると次のとおりである。これは当該官職群に配分された予算定員であり,特定の裁判所又は特定の職員の級を示すものではない。

(続きを読む...)指定職を除く裁判所職員の級別定数――令和8年度予算と主要官職(AIリライト)

最高裁判所事務総局経理局の事務分掌

資料の時点と現在の組織
現行の分課規程17条では,総務課・主計課・営繕課・用度課・監査課・管理課・厚生課を置いています。国有財産,予算・決算,工事,物品・役務の調達,会計監査,庁舎管理,共済等が所掌事務です(同18~24条)。下記の旧資料の厚生管理官等の職名・係の分担は,現行の厚生課や令和8年組織通達の構成と区別して確認してください。

現在の組織・所掌事務は,現行の最高裁判所事務総局分課規程及び令和8年までの改正を反映した組織通達で確認できます。事務総局全体の役割と7局の比較は,最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係を参照してください。以下の資料は平成26年4月1日時点の事務分掌としてご覧ください。

◯最高裁判所事務総局の各係の事務分掌に関する文書(平成26年4月1日時点)によれば,最高裁判所事務総局経理局の事務分掌は以下のとおりです。

1 総務課
(1) 庶務係
① 公印の保管に関する事項
② 文書の授受,発送及び配付に関する事項
③ 人事に関する事項
④ 局議に関する事項
⑤ 経理局の他の係及び厚生管理官の所掌に属しない事項
⑥ 課の他の係に属しない事項

(2) 施設総括係
① 施設関係事項の総合立案に関する事項
② 施設関係予算の編成及び執行に関する事項
③ 施設関係予算の支出委任に関する事項
④ 施設関係事項に関する関係諸機関との連絡調整に関する事項

(3) 国有財産係
① 国有財産事務の総括に関する事項
② 特定国有財産整備計画に関する事項
③ 最高裁判所所属の国有財産の管理及び処分に関する事項
④ 国有財産事務に関する関係諸機関との連絡調整に関する事項

(4) 公務員宿舎第一係
① 宿舎事務の総括に関する事項
② 宿舎の設置計画,維持及び配分に関する事項
③ 宿舎事務に関する関係諸機関との連絡調整に関する事項

(続きを読む...)最高裁判所事務総局経理局の事務分掌