少年事件についての報道対応の留意事項

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目次
第1 少年事件についての報道対応の留意事項
第2 関連記事

第1 少年事件についての報道対応の留意事項
・ 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)62頁ないし63頁には,「6-7 少年事件についての報道対応の留意事項」として以下の記載があります。

1 少年事件の非公開性
    少年法は,少年事件を非公開手続とし(同法22条2項),少年の情操を保護し(少年審判規則1条),少年の更生及び社会復帰を期するため,秘密の保持に配慮している。報道対応の場面でも少年事件の非公開性には特に配盧しなくてはならない。
    同法61条には,「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については,氏名,年齢,職業,住居,容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」と規定されている。
    この少年事件の特殊性については,折りに触れ記者にも説明し,理解してもらうことが求められる。

2 少年事件の報道対応
    一方,少年事件であっても,裁判所が全く報道対応をしないでいると,かえって不正確な報道を招く危険もある。少年事件の非公開性に十分な配慮をした上で,家庭裁判所の社会に対する説明責任を果たし,家庭裁判所に対する社会の信頼を確保することにも留意しながら報道対応を行う必要がある。捜査段階など,これまでの報道振りから,取材が予想されるような事件が係属している場合には,所長に報告して,あらかじめ今後の報道対応について検討をしておく。具体的な対応は,担当裁判官の意見を踏まえた上,事案ごとに判断することになるが,事件によっては,少年の特定に結び付かず,少年の情操保護,更生を妨げない限度で一定の情報を公表することが相当な場合もあり,その際,事件受理時や審理途中においては,調査や審判等に影響を及ぼさないよう配慮する必要がある。また,被害者等に関する取材についても,二次的被害を与えないように,その心情に十分配慮した対応が必要である。
    なお,少年の身柄に関する事項について報道対応する際には,その情報に基づき取材されることもあるので,観護措置決定の執行終了後に対応したり,関係機関と調整したりするなどの配盧が必要である。決定要旨原案の作成は,担当裁判官に依頼することになるが,記載をどの程度詳細にするかは,審判が非公開とされる趣旨及び少年や関係者のプライバシーに配盧しつつ,家庭裁判所の社会に対する説明責任が果たされているかという観点から判断することとなる。重大事件等においては,ある程度詳細な決定要旨が必要となる場合もあろう。
    おって,記者は少年事件の手続等について知識を持たないこともあるので,正確な報道をしてもらうために,記者に手続の流れなどの一般的知識を提供する等,適宜な措置を講じることも検討されたい。

第2 関連記事その他
1 最高裁判所の広報ハンドブック(少年事件編)(令和2年3月版)を掲載しています。
2 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所の報道対応の基礎
・ 裁判所の報道発表等
・ 裁判所の取材対応
・ 法廷内写真撮影
・ 裁判所の庁舎内(敷地内)写真撮影
・ 判決要旨等
・ 法廷内記者席
・ 対象裁判が著名事件等である場合の留意事項
・ 所長等就任記者会見,及び記者会見実施上の一般的な留意事項(最高裁判所の広報ハンドブックからの抜粋)
・ 司法修習生による,司法研修所構内の写真撮影禁止に関する文書は存在しないこと
・ 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領
・ 寺田逸郎最高裁判所長官の就任に伴う写真取材の要領

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