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下級裁判所の裁判官の配置定員(令和7年4月)―平成28年との比較と現在員との違い(AIリライト)

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※以下はAIが生成した要約です。内容の正確性は保証されません。本文をあわせてご確認ください。

本記事は、最高裁判所事務総長が発出した「下級裁判所の裁判官の定員配置について」と題する平成28年通達及び令和7年通達の内容を比較・分析したものである。通達は各裁判所の基礎定員と付加定員を定めるが、記載された「定員」はあくまで予算上の枠であり、出向・育休・欠員等で実働人員と乖離することに注意が必要だとする。

東京地裁は約9年間で基礎定員が232から243へ11名増加したが、現場裁判官からは「事件の複雑化に比べて焼け石に水」との声が想定される。また同地裁の付加定員は13から26へ倍増しており、激務の滞留を示すシグナルとして機能している。対照的に、札幌地裁では基礎定員が25から24に1名減少し、地方の中規模庁では1名の減員が合議体(裁判官3名)の維持を危うくすると指摘する。

弁護士の訴訟戦略の観点からは、定員1名の一人支部では裁判官の当たり外れを回避する術がなく、小規模支部では合議事件化による審理長期化リスクが高まるため、定員配置表が管轄選択のリスク管理指標になると論じる。家裁は9年で5名増にとどまり、質的に複雑化した事件の増加に追いついていないと評価する。

さらに補論として、未特例判事補(任官5年未満)の東京への集中を取り上げる。令和7年通達では東京地裁に55名が配置される一方、四国4県の地裁本庁合計はわずか9名であり、大規模庁偏重の育成が裁判官の均質化を招き、地方の人間臭い紛争への対応力を低下させる懸念があると結論づける。

第1 この記事が扱う資料

令和7年3月28日付最高裁判所事務総長通達は,令和7年4月1日以降の下級裁判所裁判官の配置定員を,高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所,支部及び簡易裁判所ごとに示している。本記事では,「下級裁判所の裁判官の定員配置」に掲載している平成28年通達令和7年通達の原表を照合し,東京地裁・東京家裁・立川支部及び札幌地家裁管内を中心に,9年間の変化を整理するものである。

配置定員表から直接確認できるのは,各庁に設定された定員枠である。そこから,実際に勤務する人数,個々の裁判官の担当,事件数,審理期間又は裁判官・書記官等の負担感を直ちに読み取ることはできない。本記事は,通達から確認できる数値と,別の資料を確認しなければ分からない事項を区別するため,生成AIを用いて原表の数値を再計算し,法令,裁判所公表資料及び国会会議録と照合した。

なお,令和8年4月実施の配置定員改正通達及び別表は,令和8年8月9日までに確認した裁判所ウェブサイト及び公開検索の範囲では確認できなかった。したがって,本記事は令和7年通達を対象とし,令和8年度の法定員や現在員と混同しないよう,それぞれの確認時点を明示する。

第2 配置定員表の読み方

1 法定員,配置定員及び現在員の違い

裁判所職員定員法1条は,令和8年8月9日現在,下級裁判所の裁判官について,高等裁判所長官8人,判事2155人,判事補842人及び簡易裁判所判事806人という全国の法定員を定めている。これに対し,配置定員通達は,全国の定員枠を個々の高裁・地裁・家裁・支部・簡裁へ配分する司法行政上の資料であり,現在員は,ある時点で実際に在職している人数である。

令和7年3月14日の衆議院法務委員会における最高裁判所の説明によれば,定員案は最高裁判所事務総局が立案し,最高裁判所裁判官会議の議決により決定される。財務省とは定員合理化について意見交換をするものの,裁判所は政府の定員合理化計画に直ちに拘束されず,自主的・自律的に判断すると説明されている。したがって,配置定員を単なる「予算上の枠」とだけ説明するのは十分でない。

裁判官増員の経緯について,泉徳治ほか『一歩前へ出る司法』122頁~130頁は,判事補を平成9年及び平成10年に各20人,平成12年に70人増員した当時の経緯を,財政当局との折衝,採用,養成及び施設整備の制約と併せて説明している。この回顧は,裁判官の定員を増やす場合にも採用・養成・施設等を一体として考える必要があることを示すが,令和7年の個別庁の配置理由を直接証明する資料ではない。

また,最高裁判所が平成14年7月現在の人事概況として公表した説明は,裁判官の一部が最高裁判所調査官,事務総局の局課長・局付及び研修所教官等に充てられ,その余が配置定員に従って下級裁判所に配置されるとしている。この説明によれば,中央勤務に充てる人員と下級裁判所の配置定員は区別されており,東京地裁の配置定員に最高裁判所事務総局勤務者や司法研修所教官の人数が当然に含まれると理解すべきではない。

2 基礎定員と付加定員

平成27年3月26日付最高裁判所事務総長依命通達は,付加定員を「未済事件の累積,特殊事件の係属その他の一時的な事由に基づき,暫定的に配置する定員」と定義する。これに対する基礎定員は,一時的な事由によらない基本部分と読むことができる。

もっとも,個々の付加定員について,どの未済事件,特殊事件又は政策課題を理由に何人を付したのかは,定員表自体には記載されていない。例えば,東京地裁の判事・職権特例判事補の付加定員が平成28年の13人から令和7年の26人へ増えたことは確認できるが,この増加だけから,特定の事件の滞留,勤務負担又は異動の困難さを認定することはできない。

3 配置定員と事件処理体制

同じ配置定員であっても,採用・退官・出向等により現在員は変動する。また,裁判官の担当部・係,事務分配,職務代行及び合議体の構成は,配置定員表とは別の資料で確認する必要がある。実際の担当は各裁判所の担当裁判官一覧で,事件数及び審理期間は司法統計又は裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第11回)で確認するのが適切である。

第3 平成28年と令和7年の数値比較

次の「総数」は,判事・職権特例判事補の基礎定員と付加定員,その他の判事補の基礎定員と付加定員を合算した数値である。平成28年通達はPDF実頁4頁及び48頁,令和7年通達はPDF実頁3頁及び99頁の原表により照合した。

庁・区分平成28年令和7年増減
東京地裁本庁・判事及び職権特例判事補の基礎定員232人243人+11人
東京地裁本庁・同付加定員13人26人+13人
東京地裁本庁・その他の判事補58人55人-3人
東京地裁本庁・裁判官総数303人324人+21人
東京家裁本庁・判事及び職権特例判事補の基礎定員31人36人+5人
東京家裁本庁・裁判官総数33人42人+9人
立川支部・裁判官総数42人43人+1人
札幌地裁本庁・裁判官総数37人34人-3人
札幌家裁本庁・裁判官総数8人11人+3人
札幌地家裁管内・裁判官総数53人53人0人

1 東京地裁,東京家裁及び立川支部

東京地裁本庁では,判事・職権特例判事補の基礎定員が232人から243人へ11人増え,同付加定員が13人から26人へ13人増えた。他方,その他の判事補は58人から55人へ3人減っており,裁判官総数は303人から324人への21人増である。基礎定員の増加だけを取り出すよりも,付加定員及びその他の判事補を含めた全体を示す方が,通達の変化を正確に表す。

東京家裁本庁では,判事・職権特例判事補の基礎定員だけを比べると31人から36人への5人増である。しかし,令和7年には同付加定員5人及びその他の判事補1人があるため,裁判官総数は33人から42人へ9人増えている。立川支部の総数は42人から43人へ1人増である。

2 札幌地裁本庁及び札幌家裁本庁

札幌地裁本庁では,判事・職権特例判事補の基礎定員が25人から24人へ1人減り,その他の判事補も9人から7人へ2人減ったため,総数は37人から34人へ3人減った。他方,札幌家裁本庁は8人から11人へ3人増えており,札幌地家裁管内の裁判官総数は平成28年も令和7年も53人である。

この比較から確認できるのは,管内総数を維持しながら地裁本庁から家裁本庁へ3人分の定員が移った形になっていることである。札幌地裁本庁の合議体が実際に不足しているか,審理期間が延びたかを判断するには,現在員,事務分配,合議事件数,職務代行及び審理期間を確認する必要があり,配置定員の3人減だけでは結論を出せない。

3 小田原支部及び龍ケ崎支部

令和7年通達では,小田原支部の判事・職権特例判事補が10人,龍ケ崎支部が2人とされている。しかし,10人であれば複雑事件を迅速に処理でき,2人であれば本庁の応援待ちで長期化する,という関係は定員表からは導けない。例えば,横浜地裁の担当裁判官一覧は小田原支部の民事・刑事の合議係と単独係を,水戸地裁の担当裁判官一覧は龍ケ崎支部の実際の担当を示しており,配置定員とは別に確認する必要がある。

第4 「その他の判事補」と大規模庁への配置

1 「その他の判事補」の意味

配置定員表は,判事補を「職権特例判事補」と「その他の判事補」に分けている。裁判所法27条1項によれば,判事補は他の法律に特別の定めがある場合を除き,一人で裁判をすることができない。判事補の職権の特例等に関する法律1条1項は,法曹資格に関係する一定の職の年数が通算5年以上となる判事補のうち,最高裁判所が指名した者は職権の制限を受けないと定めている。

したがって,「その他の判事補」は職権特例の指名を受けていない判事補を意味するが,これを一律に「任官5年未満の判事補」と定義するのは正確でない。5年という要件を満たしても最高裁判所の指名を受けていない者があり得る上,年数の計算は判事補在職年数だけに限られないからである。

2 東京地裁55人と四国4県本庁9人

令和7年通達では,東京地裁本庁のその他の判事補が55人であるのに対し,高松・徳島・高知・松山の各地裁本庁はそれぞれ2人・2人・2人・3人で,合計9人である。東京地裁1庁が四国4県の地裁本庁合計の約6倍という計算自体は正しいが,東京地裁は平成28年に58人であったため,この比較だけから東京集中が近年加速したとはいえない。

最高裁判所が平成14年当時の人事運用として公表した説明では,新任判事補は最初の2年半を東京・大阪等の比較的大規模な地裁で勤務し,主として合議事件の陪席を務めた後,全国の地家裁へ異動するとされていた。大規模庁への初任者配置には研修上の理由がある一方,この説明は平成14年時点のものであり,令和7年の個々の配置理由を直接示すものではない。また,大規模庁勤務の経験だけから,裁判官の和解能力,人間理解又は地方勤務への適性を評価することはできない。

3 配置定員より先に問題となる判事補の欠員

令和8年4月14日の衆議院法務委員会で,最高裁判所は,令和7年12月1日時点の判事補について,定員842人,現在員660人,欠員182人と説明した。近年5年の新任判事補任官者数は66人,73人,76人,81人,90人と増えていたが,なお相当数の欠員があるとされている。

同日の説明では,司法修習終了者の減少,大規模法律事務所等との競合,大都市志向の強まり,配偶者が有職であることの一般化に伴う異動・転勤への不安等が,採用数が伸び悩む要因として挙げられた。また,全国に均質な司法サービスを提供し,赴任希望者が少ない地方都市にも裁判官を配置する必要があるため,全国的な異動が避けられないのが実情であるとする一方,本人の希望,健康状態及び家族の状況等に配慮し,異動負担の軽減に努めると説明している。配置定員の地域差を論じる際には,この採用・全国配置の制約を併せて見る必要がある。

第5 小規模庁と総合配置

1 総合配置は管轄権の共有ではない

令和7年通達には,簡裁について「佐久支部と総合配置」「諏訪支部と総合配置」「新宮支部と総合配置」等の記載がある。平成27年基本通達は,複数の裁判所について配置定員を一括して定める場合,各裁判所の業務量に対応して執務できるようにすると定めている。また,昭和42年6月6日の衆議院法務委員会における最高裁判所の説明では,事務量の少ない複数の簡裁について,二庁で一人を配置し,又は一方の庁に配置した裁判官を他方へ填補する方法として説明されていた。

総合配置は裁判官の配置方法に関する仕組みであり,簡裁間で管轄区域を共有又は変更する制度ではない。令和7年の各庁で誰がどの頻度で移動しているか,書記官・事務官が随行しているか,移動時間がどの程度かは配置定員表から分からないため,これらを事実として記載するには個別庁の運用資料が必要である。

2 地域司法アクセスは別のデータで確認する

地域司法アクセスを評価するには,裁判官の配置定員だけでなく,常駐職員,開廷日,出張処理,当事者の移動距離及び事件数を確認する必要がある。令和8年4月14日の衆議院法務委員会における最高裁判所の説明では,家庭裁判所の出張所は全国77庁で,うち57庁は家事審判・家事調停等を自庁で処理し,20庁は受付出張所である。令和7年に受付出張所20庁で行われた出張は合計221回,出張調停等は399回,受付事件は1873件であったが,出張処理の実績には地域差があるとされた。

これらは家裁出張所のデータであり,裁判官配置定員表そのものから導かれる事実ではない。しかし,小規模庁の司法サービスを検討する際に,定員の「1」又は「総合配置」という表示だけで負担や利便性を推測するのではなく,実際の出張処理実績まで確認すべきことを示している。

第6 家庭裁判所及び裁判官以外の職員

1 東京家裁の増員と家裁調査官の体制

東京家裁本庁の裁判官総数は,平成28年の33人から令和7年の42人へ9人増えている。これとは別に,最高裁判所は,改正家族法への対応等のため,家裁調査官を令和7年度に5人,令和8年度に10人増員したと説明している。令和8年4月の国会答弁は,改正法施行後の事件動向には増加要因と減少要因があり,現時点で具体的な予測は困難であるとも述べており,増員数と将来の事件数を単純に対応させてはいない。

裁判官の配置定員と家裁調査官の配置は別の制度であるため,東京家裁の裁判官が増えたという事実だけから,調査官の業務量,調査報告書を読む時間又は調停における裁判官の関与状況を推測することはできない。家裁の体制は,裁判官,家裁調査官,書記官,調停委員等の職種ごとに資料を分けて確認する必要がある。

2 裁判所書記官等の体制

令和7年通達は裁判官の配置定員を定める文書であり,裁判所書記官及び裁判所事務官の各庁別配置を示していない。このため,裁判官の定員増から,法廷数,調書作成量又は書記官の負担が同じ割合で増えると断定することはできない。

令和8年の裁判所職員定員法改正により,裁判官以外の裁判所職員の法定員は2万1666人から2万1540人へ126人減った。他方,令和8年4月14日の国会答弁では,育児休業等による欠員に臨時的任用や退職書記官等の経験者を活用し,比較的余裕のある部署から多忙な部署への応援や事務分担の見直しを行うと説明されている。裁判所職員の実際の負担を論じるには,法定員の増減だけでなく,各庁の現在員,欠員,勤務時間及び応援体制を確認する必要がある。

第7 配置定員表を実務で使うための資料の順序

配置定員表には,各庁の規模と司法行政上の配分を一覧できる独自の資料価値がある。ただし,訴訟の提起時期又は合意管轄を,特定の裁判官への配点を避ける目的で決める資料ではなく,支部の定員だけから審理の迅速性又は判断傾向を予測する資料でもない。

確認したい事項ごとの資料の順序は,次のように整理できる。

①各庁に設定された定員枠は,配置定員通達で確認する。
②実際の担当裁判官及び部・係の構成は,各裁判所の担当裁判官一覧又は勤務地別の現職裁判官一覧で確認する。
③新受・既済・未済事件数及び審理期間は,司法統計及び裁判の迅速化に係る検証で確認する。
④裁判官以外の職員又は家裁調査官の体制は,裁判所職員定員法,予算資料及び国会答弁で確認する。
⑤公表資料だけでは把握できない個別庁の勤務負担又は移動実態は,確認できないものとして残し,配置定員の増減から事実認定しない。

第8 出典・参考資料

1 法令・通達

裁判所法(昭和22年法律第59号)27条(e-Gov法令検索)
裁判所職員定員法(昭和26年法律第53号)1条・2条(e-Gov法令検索)
判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年法律第146号)1条(e-Gov法令検索)
④最高裁判所事務総長「下級裁判所の裁判官の定員配置について(依命通達)」(平成27年3月26日,資料記載1頁~2頁・PDF実頁1頁~2頁)
⑤最高裁判所事務総長「『下級裁判所の裁判官の定員配置について』の一部改正について」(平成28年3月25日,東京地家裁はPDF実頁4頁,札幌地家裁管内はPDF実頁48頁)
⑥最高裁判所事務総長「『下級裁判所の裁判官の配置定員について』の一部改正について」(令和7年3月28日,東京地家裁はPDF実頁3頁,札幌地家裁管内はPDF実頁99頁)

2 公的資料

第217回国会衆議院法務委員会議録第3号(令和7年3月14日,裁判所の定員決定過程,判事補の定員・現在員及び家裁調査官の増員)
第221回国会衆議院法務委員会議録第3号(令和8年4月14日,判事補の欠員,全国的異動,家裁調査官,家裁出張所及び裁判所職員の体制)
第55回国会衆議院法務委員会議録第17号(昭和42年6月6日,簡易裁判所裁判官の総合配置に関する最高裁判所の説明)
④最高裁判所「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」(平成14年7月現在の定員・実員・配置及び人事運用に関する説明)
⑤最高裁判所事務総局「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第11回)」(令和7年7月11日公表)

3 文献

泉徳治・渡辺康行・山元一・新村とわ『一歩前へ出る司法―泉徳治元最高裁判事に聞く』(日本評論社,2017年)122頁~130頁