第1 この記事の対象と結論
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 令和7年度 公法系第1問 |
| 資料 | 出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。 |
| 評価項目 | 40項目(重み5:6項目) |
| 重みの合計 | 117(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。) |
| 答案の字数 | 5994字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数) |
| 年度別の案内 | 令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成) |
本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第1問(憲法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本問は,国政選挙における投票の義務化(施策①⒜),連続3回の不投票者の国政選挙権を5年間停止する措置(施策①⒝)及び街頭演説における聴衆の不穏当な行為の禁止(施策②)という架空の法案骨子について,法律家の立場からその憲法適合性を論じさせるものである。
公式資料から抽出できた評価項目は40項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,選挙権の二元説,在外国民選挙権訴訟の大法廷判決の参照,同判決の「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」という例外への該当性,戸別訪問判決の伊藤正己裁判官補足意見の「選挙のルール」論,主催者の要請による実質的な内容規制及び事案の分析に基づく判断枠組みの設定の6項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
評価項目は,本問の出題の趣旨(公法系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,頁と見出し番号(採点実感の「3⑷」は「3 施策①⒜について」の⑷を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
2 5段階の重み付けの基準
重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が「大きな差がついた」「評価の一つの分かれ目」「無視し得ない」等と明言した事項,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項
3 本問で補った点
重み4の付与では,出題の趣旨の検討要求と採点実感の評価の双方を根拠としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。
第3 本問の概要
1 問題文と事実関係
本問の法案骨子は,施策①として国政選挙の投票を義務付け(⒜),連続3回にわたり投票しなかった者の国政選挙権を3回目の投票日の翌日から5年間停止する(⒝)ものであり,施策②として,選挙運動中の街頭演説の演説者から半径25メートル以内にいる聴衆が,主催者の指定する30分以内の間,演説者が圧迫感を覚えて演説を続けづらくなるような不穏当な行為をすることを禁止し,主催者の要請に基づいて選挙管理委員会の派遣者が中止命令・退去命令を出し,退去命令違反に5万円以下の罰金を科すものである。
設問は,法律家甲の立場で施策①及び施策②の憲法適合性を論じさせ,参考とすべき判例や自己の見解と異なる立場への言及を求める一方,施策②の規制対象行為の不明確性及び過度広汎性は論じる必要がないとしている。
問題文の会話では,高齢者・障がい者の取扱いと5年という停止期間の相当性も,検討の対象から外されている。
2 設問が求めること
| 設問 | 立場・対象 | 指定・仮定・除外 | 答えるべき到達点 |
|---|---|---|---|
| 施策①⒜ | 法律家甲/投票の義務化 | 判例及び自己と異なる立場に言及 | 選挙権の性格と判断枠組みを示し,憲法適合性を論じる。 |
| 施策①⒝ | 法律家甲/選挙権の停止 | 高齢者・障がい者の扱いと5年という停止期間の相当性は対象外 | 義務化と選挙権停止を区別し,判例の枠組みを踏まえて論じる。 |
| 施策② | 法律家甲/街頭演説における規制 | 不明確性・過度広汎性は論じない | 規制の性質と判例との関係を示し,憲法適合性を論じる。 |
第4 評価項目と重み
1 施策①⒜(投票の義務化)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 選挙権の公務性又は権利・公務の二元説に触れる | 5 | 1頁「2.」⒜の段落(公務性を重視する立場からは義務化の合憲性が説かれる) | 3⑷(触れたか否かで大きな差がついた) |
| 2 | 自由選挙の原則(任意投票)に触れる | 4 | 1頁「2.」⒜の段落(自由選挙原則に任意投票を含めるか否かで見解が分かれる) | 3⑷(自由選挙の原則とその趣旨に触れた答案を高く評価) |
| 3 | 選挙原則・選挙権の法的性格から,義務化の可否をどう導くかを示す | 3 | 記載なし | 3⑷後段(導き方が明らかでない答案が多かった) |
| 4 | 選挙制度の形成に関する立法裁量(44条)に触れる | 3 | 間接(1頁「2.」冒頭の統治機構論) | 3⑸(高く評価) |
| 5 | 低投票率がひっ迫した状況に限って強制投票が正当化されるかを検討する | 3 | 1頁「2.」⒜の段落末尾 | 記載なし |
| 6 | 人権論だけでなく,議会制民主主義・国民主権という統治機構論の観点から論じる | 3 | 1頁「1.」「2.」冒頭 | 1⑴,3⑴後段 |
| 7 | 「投票の自由」を自由権として制約審査するだけの型どおりの答案にしない | 2 | 記載なし | 3⑴ |
| 8 | 13条又は19条を義務化の根拠条文・補強根拠にしない | 1 | 記載なし | 3⑵ |
| 9 | 選挙権を社会権と説明しない | 1 | 記載なし | 3⑶ |
| 10 | 義務化が投票の秘密を害すると論じない(投票の秘密は誰に投票したかの問題) | 2 | 記載なし | 3⑹ |
2 施策①⒜と⒝の区別
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 11 | ⒜と⒝を区別して別々に論じる | 3 | 間接(1頁「2.」で⒜と⒝を分けて論点を示す) | 2⑴ |
| 12 | ⒝を「投票しない自由」の制約ではなく,選挙権(その行使)の制限として構成し,⒜と同じ基準で済ませない | 3 | 間接(1頁⒝の段落:選挙権の停止は強い権利制限) | 4⑵,2⑵ |
| 13 | ⒜を違憲としながら,「仮に合憲であるとしても」との仮定を置かずに⒝を合憲とする矛盾をしない | 2 | 記載なし | 2⑶ |
3 施策①⒝(国政選挙権の停止)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 14 | 在外国民選挙権訴訟の大法廷判決(平成17年)の判断枠組みを参照する | 5 | 1頁⒝の段落(同判決が参照されるべき) | 4⑴(同判決の存在は無視し得ない) |
| 15 | 同判決の枠組みと学説上の違憲審査基準との関係を意識し,厳格審査基準に置き換えるなら理由を示す | 3 | 記載なし | 4⑴後段 |
| 16 | 同判決の「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」という例外に当たるかを論証する | 5 | 1頁⒝の段落(まず例外に当たるかを考える必要) | 4⑶(言及・論証した答案は少数) |
| 17 | 「選挙の公正」の内容を本問に即して論じる(買収等の不正に限るのか,低投票率が民主主義を空洞化させる場面を含むのか) | 4 | 1頁⒝の次の段落(投票率の向上と選挙の公正の確保が結び付くか) | 4⑶後段(本問に即して丁寧に論じた答案を高く評価) |
| 18 | 議員定数不均衡の判例を先例として参照しない(平等選挙の問題である) | 2 | 記載なし | 4⑷ |
| 19 | 罰金ではなく選挙権の停止という手段が採られたことを,単純な軽重比較に終わらせずに検討する | 4 | 1頁⒝の次の段落末尾 | 4⑺(丁寧な比較を高く評価し,1回ごとの罰金が常に軽いといえるかの検討を求める) |
| 20 | 世論調査の7割という問題文の事実を,特段の論証なく否定しない | 2 | 記載なし | 4⑹ |
| 21 | 学校教育の充実や民間との連携等を,立法目的にそぐわない代替手段として挙げない | 1 | 記載なし | 4⑸ |
4 施策②(聴衆の不穏当な行為の禁止)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 22 | 施策②が聴衆の表現の自由(21条1項)を制約するという構図を,問題文から拾う | 3 | 2頁冒頭 | 5⑶(最低限のポイント) |
| 23 | 候補者,聴衆,ヤジを飛ばす聴衆など,誰の自由がどう影響を受けるかを区別する | 3 | 間接(2頁の失われる利益の段落) | 5⑷ |
| 24 | 聴衆が候補者に直接意見を届けることの意義(その場でしか実現できない双方向性)を評価する | 3 | 間接(2頁の失われる利益の段落) | 5⑸,5⑻ |
| 25 | 規制される表現を低価値表現と即断しない | 2 | 記載なし | 5⑻ |
| 26 | 機会の限られた街頭演説であることから演説者側の表現の自由を重く見る立場も検討する(許容される分岐) | 2 | 間接(2頁の失われる利益の段落) | 5⑻ |
| 27 | 間接的・付随的制約か直接的制約かを論じる(場所・時間の指定は直接的規制である) | 3 | 2頁「第1に」 | 5⑺ |
| 28 | 選挙運動規制の一環という側面に着目し,戸別訪問判決等と本問の場面の異同を考慮する | 4 | 2頁「第1に」「第2に」 | 5⑴(高く評価) |
| 29 | 伊藤正己裁判官補足意見の「選挙のルール」論を参照する | 5 | 2頁「第2に」 | 5⑵(評価の一つの分かれ目) |
| 30 | 「選挙のルール」論を誤った理解で使わない | 2 | 記載なし | 5⑵後段 |
| 31 | 文言上は内容中立でも,主催者の要請に基づく仕組みにより実質的に内容(見解)規制となり得ることを論じる | 5 | 2頁「第3に」,3頁冒頭 | 5⑹(制度の立て付けと実質的効果を踏まえたものとして評価) |
| 32 | 選挙の自由妨害罪に至らない聴衆の行為を規制する必要性を検討する | 3 | 2頁の失われる利益の段落 | 5⑻ |
| 33 | 30分以内の演説なら演説全体にわたって聴衆の発言を制限できる等,限定の実質的な強さを検討する | 2 | 2頁の失われる利益の段落末尾 | 記載なし |
| 34 | 特定の見解が排除された街頭演説が議会制民主主義を支える健全な選挙運動といえるか,という根本の問いに触れる | 2 | 3頁冒頭 | 記載なし |
5 答案全体
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 35 | 判断枠組みを,権利の性質・判例・制度という事案の分析から理由付きで設定し,理由のない中間審査基準を置かない | 5 | 2頁(説得力ある判断枠組みを示して具体的に審査する),1頁⒝の段落 | 1⑷ |
| 36 | 参照すべき判例を想起し,汎用的な違憲審査基準だけで解決しない | 3 | 1頁「1.」(参照すべき判例を踏まえた論述) | 1⑶ |
| 37 | 判例に言及し,どの判例かを特定できる形で示す | 3 | 記載なし | 1⑵ |
| 38 | 判断基準で挙げたキーワードを当てはめでも使い,基準と当てはめを一致させる | 3 | 記載なし | 1⑸ |
| 39 | 問題文の事情を写しただけで直ちに「重要」「合理的」と結論付けない | 2 | 記載なし | 1⑹ |
| 40 | 専門用語の誤字をしない | 1 | 記載なし | 6 |
6 重みの分布
40項目の内訳は,重み5が6項目,重み4が4項目,重み3が15項目,重み2が11項目,重み1が4項目であり,重みの合計は117点である。
重み5の6項目は,施策①⒜の二元説(番号1),施策①⒝の平成17年大法廷判決と例外への該当性(番号14・16),施策②の「選挙のルール」論と実質的な内容規制(番号29・31)及び判断枠組みの設定(番号35)であり,いずれも出題の趣旨が検討の筋道として示し,かつ採点実感が特に取り上げた事項である。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,法律家甲の立場で,試験の実施時(令和7年7月)の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。
答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜に反しないか。」「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる(①)。」)及び結論(「よって」「したがって」「以上より」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。
もっとも,現行の司法試験では,採点実感が事案の分析と結び付けた判断枠組みの設定や,基準と当てはめの一致を求めているため(第4の番号35・38),規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。
字数の配分は,おおむね問題提起が1割,規範が3割,当てはめが5割である。
答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示し,補足意見は法廷意見と区別して「〜における伊藤正己裁判官の補足意見参照」と示した。
字数は見出しを含めて約6,000字である。
実際の答案で分量を減らす場合は,重み5の評価項目(番号1・14・16・29・31・35)に対応する部分を残し,その他の部分を短くすることになる。
2 答案
1 施策①⒜について
(1) 施策①⒜(以下「本件義務化」という。)は,国政選挙の選挙権を有する者に投票を義務付けるものである。そこで,本件義務化は,選挙人の投票しない自由を侵害し,15条1項・3項・4項に反しないか。
まず,選挙権に投票しない自由が含まれるかが,選挙権の法的性格と関連して問題となる。
思うに,選挙権は,国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利として,議会制民主主義の根幹を成す点で権利としての性格があるものの,公務員という国家機関を選定する点で公務としての性格もある(二元説)。
確かに,公務としての性格を重視すれば,公務の履行として投票を義務付けることも許されるとも思える。
しかし,15条4項後段は「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない」と定め,選挙が選挙人の自由な意思の表明によって行われるべきこと(自由選挙の原則)を示している。そして,支持すべき候補者がいないことを示す棄権は,政治的意思の表明という側面も持つ。
よって,自由選挙の原則は任意投票を原則とし,投票しない自由も15条1項・4項により保障されると解する。
(2) では,本件義務化による制約はどの程度であれば許されるであろうか。
思うに,選挙人の資格は法律で定めるとされ(44条本文),投票の方法その他選挙に関する事項も法律で定めるとされている(47条)から,選挙制度の形成は第一次的には国会の裁量に委ねられている。もっとも,本件義務化は自由選挙の原則の中核に関わるから,その裁量も無限定ではない。
よって,①議会制民主主義の基盤が差し迫って損なわれる状況にあり,②義務化がその状況に対処するために合理的かつ必要な範囲にとどまる場合に限り,本件義務化は国会の裁量の範囲内として許されると解する。
なお,本件義務化は選挙権の行使そのものを制限するものではないから,選挙権の行使の制限について「やむを得ない事由」を求める判例(最大判平成17年9月14日)の枠組みは直ちには及ばない。
(3)ア 本問では,国政選挙の投票率が近い将来「30パーセントを下回る」と予想されている。
この状況が続けば,多数の有権者の支持を受けていない議員が恒常的に出現し,「全国民を代表する」議員(43条1項)によって国民の意思を国政に反映させるという議会制民主主義の前提そのものが揺らぐ。
確かに,低投票率は有権者の選択の結果であり,平時であれば任意投票制を尊重すべきであるとも思える。
しかし,本問のようにひっ迫した状況に限っては,議会制民主主義の維持という憲法自体が予定する価値のために選挙人に参加を求めることにも正当な理由があるといえる(①)。
イ 次に,本問では,世界には投票の義務化で高い投票率を維持する国があるとされているから,本件義務化は投票率の向上に資するといえる。
また,本問でも投票の秘密(15条4項前段)は維持されるから,本件義務化が求めるのは投票所で投票用紙を投函するという外形的行為にとどまり,白票を投じることも妨げられない。とすれば,誰に投票するかという選択の自由の核心は侵されないといえる。
さらに,本問の【資料】第1の1は違反に対する制裁を定めておらず,選挙人の自発的な意思形成が損なわれる程度は小さいといえる。
確かに,制裁のない義務は実効性を欠き,自由の制約だけが残るとも思える。
しかし,本問では制裁の当否は施策①⒝で別に問題となるのであって,本件義務化単独では,国家が主権者に国政への参加を求める規範を定めるものにすぎない。
よって,本件義務化は,合理的かつ必要な範囲にとどまるといえる(②)。
(4) したがって,本件義務化は,投票の秘密を維持し白票等による選択の自由を妨げない限り,15条1項・3項・4項に反せず,合憲である。
2 施策①⒝について
(1) 次に,本件義務化が合憲であるとしても,施策①⒝(以下「本件停止」という。)は,国政選挙で連続3回投票しなかった者の国政選挙権を5年間停止するものであり,15条1項・3項,43条1項及び44条ただし書に反しないか。
本件停止は,本件義務化のように投票しない自由を制約するものではなく,普通選挙の保障(15条3項)の下で選挙権の行使そのものを制限するものであるから,本件義務化とは別の枠組みで検討すべきである。
思うに,選挙権は,前述したとおり議会制民主主義の根幹を成す基本的権利であり,これを奪われた者は国政に参加する機会そのものを失う。
よって,自ら選挙の公正を害する行為をした者等の選挙権について一定の制限をすることは別として,選挙権又はその行使を制限するためにはやむを得ないと認められる事由がなければならず,そのような制限をすることなしには選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認められる場合でない限り,やむを得ない事由があるとはいえないと解する(判例同旨・最大判平成17年9月14日)。
この枠組みは,制限をしなければ選挙の公正の確保が事実上不能ないし著しく困難かという観点から制限の必要性を問うものであり,一般的な違憲審査基準に置き換えずにそのまま用いる。
(2) もっとも,本問の連続3回投票しなかった者は「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」に当たり,前述した枠組みが及ばないのではないか。
確かに,選挙権の公務としての性格を重視すれば,公務を3回怠った者を選挙から排除することも44条の立法裁量の範囲内であるとも思える。また,選挙犯罪の処刑者の選挙権停止について,選挙の公正を確保すると共に「本人の反省を促す」ことは相当であるとした判例(最大判昭和30年2月9日)があり,本件停止も不投票者に選挙権の重要性の再認識を促すものであるとも思える。
しかし,同判例は,選挙犯罪の処刑者が「現に選挙の公正を害したもの」であることを制限の基礎としており,「本人の反省を促す」ことも,選挙の公正を害した者であることを前提とするものと解される。
また,本問のように投票率が著しく低下した状況では,棄権が民主主義を空洞化させ,「選挙の公正」を脅かすとの見方もあり得る。
しかし,「選挙の公正」とは,選挙が買収等の不正なく選挙人の自由な意思に基づいて行われることをいうと解される。本問の不投票者の棄権は選挙権の保障の範囲内の行動であり,低投票率は議会の民主的正統性の問題であって,個々の不投票が選挙の公正を害するものではない。
よって,本問の連続3回投票しなかった者は「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」に当たらず,本件停止には前述した枠組みが及ぶと解する。
(3)ア 本問では,Xが述べる本件停止の意図は,漫然と投票を放棄する者に「選挙権の重要性」を再認識させることにあり,選挙の公正の確保とは関係がない。
したがって,本件停止をしなければ選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難になるという事情はないといえる。
イ 本問の目的を投票率の向上による民主的正統性の確保と捉え直しても,同様である。
第一に,選挙権を停止された者は有権者から除かれるから,投票率の上昇には分母の縮小による見かけ上のものが含まれる。これは,多数の有権者の支持による正統性の確保という目的からかえって遠ざかるものといえる。
第二に,本問の世論調査で7割程度の人々が「行く。」と回答していることからすれば,停止の予告が投票率の向上に一定の効果を持つことは認められる。
しかし,効果があることは制限が不可欠であることを意味しない。かえって,残る約3割からは多数の選挙権喪失者が生じ得るうえ,選挙権を失った者は選挙への関心そのものを失いかねない。
第三に,本問では,諸外国では罰金を伴う強制投票制度により90パーセント程度の投票率が維持されているとされる。
確かに,1回ごとの罰金が,連続3回の不投票で初めて科される本件停止より常に軽いとはいい切れないとも思える。しかし,罰金は金銭的負担にとどまり次の選挙には参加できるのに対し,本件停止は5年間,国政に参加する機会そのものを奪うもので,不利益の質が異なる。
また,Xが罰金を採らない理由として挙げるペナルティとしての側面や無責任投票の懸念は,選挙権の停止にも同様に当てはまるから,本件停止を選ぶ理由にならない。
ウ よって,本件停止には「やむを得ない事由」があるとはいえない。
(4) したがって,本件停止は,15条1項・3項,43条1項及び44条ただし書に反し,違憲である。
3 施策②について
(1) 施策②(以下「本件規制」という。)は,選挙運動中の街頭演説において,演説者から半径25メートル以内の聴衆が,主催者の指定する30分以内の間,演説者が圧迫感を覚え,萎縮して演説を続けづらくなるような不穏当な行為をすることを禁止し,中止命令・退去命令と罰金によってこれを担保するものである。そこで,本件規制は,聴衆の表現の自由を侵害し,21条1項に反しないか。
本問の聴衆が大声で声援を送り,ヤジを飛ばし,プラカードを掲示することは,候補者及び周囲の聴衆に向けて政治的意見を表明する行為であり,表現の自由として21条1項により保障される。
とりわけ,聴衆が候補者に直接意見を届け,その場で応答を求めることができる双方向性は,街頭演説の場でしか実現できない価値を持つから,これを価値の低い表現とみることはできない。
また,道路や広場などの街頭は表現の場として役立つ場所であり,その利用を制約する場合には表現の自由の保障を可能な限り配慮する必要がある(最判昭和59年12月18日における伊藤正己裁判官の補足意見参照)。
他方,本件規制が守ろうとするのは,演説をする候補者の選挙運動の自由と,他の聴衆が候補者の主張を聞く利益である。本件規制は,演説する候補者,これを聴く聴衆,ヤジ等を行う聴衆のそれぞれに異なる形で影響する。
(2) では,本件規制の合憲性はどのような基準で判断すべきであろうか。本件規制の性質が問題となる。
ア まず,本件規制は,本問の聴衆の声援,ヤジ,プラカードの掲示等そのものを禁止し,命令と刑罰をもって制止するものである。とすれば,本件規制は,行動がもたらす弊害の防止の結果として表現が制約されるにすぎない間接的・付随的制約(最判昭和56年6月15日参照)ではなく,表現行為に対する直接的制約といえる。場所と時間の指定も,この性質を変えない。
イ 確かに,本件規制は選挙運動に関する規制であり,選挙運動においては各候補者は選挙の公正を確保するために定められたルールに従って運動するのであって,その内容は立法政策に委ねられている範囲が広い(最判昭和56年7月21日における伊藤正己裁判官の補足意見参照)から,合理性があれば足りるとも思える。
しかし,この「選挙のルール」論は,候補者が公平な条件の下で競争するために選挙運動をする者に課されるルールを念頭に置くものである。本件規制は,選挙運動をする者ではなく,一般の有権者である本問の聴衆の政治的表現を規制するものであるから,「選挙のルール」論は及ばない。
ウ また,本件規制は,文言上は表現の内容に中立的であるが,本問の中止命令は候補者陣営である主催者の要請に基づいて出される。主催者には,支援者の声援は問題視せず,反対者のヤジやプラカードについてのみ要請する誘因がある。
確かに,Xは,支援者と反対者の双方に命令を出すよう主催者が要請することも考えられるとする。しかし,それは主催者の任意の選択にとどまり,本問の仕組みには中立的な発動を担保するものがない。
とすれば,本件規制は,候補者を支持しない見解の表明のみを国家の命令と刑罰によって排除し得るものであり,実質的には見解に基づく内容規制と同視すべきである。
エ 思うに,見解に基づく規制は,国家が特定の見解を公共の討論の場から排除するものであり,民主政の過程そのものをゆがめる。
よって,本件規制は,①目的がやむにやまれぬ利益の実現にあり,②手段がそのための必要最小限度のものである場合に限り,合憲と解する。
(3)ア 本問では,演説の妨害は既に選挙の自由妨害罪(公職選挙法225条2号)により処罰され,演説自体が継続されても聴衆がこれを聴き取ることを不可能又は困難にする所為は演説の妨害に当たる(旧衆議院議員選挙法115条2号につき,最判昭和23年12月24日参照)。
本件規制が新たに対象とするのは,そこに至らず,演説者が「圧迫感を覚え、萎縮して演説を続けづらくなる」にとどまる行為である。
確かに,街頭演説は機会が限られているから,演説者の表現の自由を重く見て,これを守ることが他の聴衆の聞く利益の保護にもつながるとも思える。
しかし,公開の場で政治的主張を訴える候補者は,批判的な反応を当然に予定すべき立場にあり,批判には言論で応答するのが民主政の基本である。そして,選挙の自由妨害罪に至らない行為まで規制しなければ候補者の主張の発信ができなくなるとはいえない。
よって,演説者を圧迫感から保護することは,やむにやまれぬ利益とはいえない(①)。
イ 仮に目的の重要性を認めても,本問の手段は必要最小限度とはいえない。
第一に,本問の聴衆が肉声やプラカードで候補者に意思を伝えられる範囲はおおむね半径25メートル内にとどまり,30分以内の演説であれば,演説全体にわたって聴衆の発言等を封じることができる。演説中こそが候補者に直接意見を届けられるほぼ唯一の機会であるから,場所・時間の限定は制約を実質的に弱めるものではないといえる。
第二に,本問では段階的な命令の手続が置かれ,罰金が5万円以下で選挙の自由妨害罪より大幅に軽いことは,確かに緩和事情である。
しかし,退去命令は演説を聞く機会まで奪い,刑罰である以上萎縮効果も否定できない。刑の軽重の比較は,妨害に至らない表現を処罰する必要性を基礎付けない。
第三に,本問の主催者の要請の要件を外し,選挙管理委員会が支持・不支持を問わず中立に判断する仕組みとする方法や,対象を拡声器の使用や物理的な接近など内容と関係のない態様に限定する方法といった,より制限的でない手段がある。
よって,本件規制は必要最小限度の手段とはいえない(②)。
(4) そもそも,特定の見解に基づく言動のみを排除し得る仕組みの下の街頭演説は,議会制民主主義を支える健全な選挙運動とはいい難い。
したがって,本件規制は,本法案骨子のままでは聴衆の表現の自由を過度に制約し,21条1項に反し,違憲である。もっとも,前述した第三の修正を加えれば,合憲とする余地がある。
4 以上より,施策①⒜は合憲であるが,施策①⒝及び施策②は違憲である。
以上
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 答案と評価項目の対応
答案の1は第4の番号1〜10(施策①⒜),2は番号11〜21(⒜と⒝の区別及び施策①⒝),3は番号22〜34(施策②)に対応し,番号35〜40(答案全体)は各項目の規範と当てはめの書き方で満たすようにした。
重み5の6項目は,1(1)の二元説(番号1),2(1)の平成17年大法廷判決の判断枠組み(番号14),2(2)の「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」への該当性(番号16),3(2)イの「選挙のルール」論(番号29),3(2)ウの実質的な内容規制(番号31)並びに1(2),2(1)及び3(2)エで理由を付けて設定した判断枠組み(番号35)に当たる。
第4の重み5・4の項目及び条件付きの項目について,模範解答との対応を次の表に示す。
| 番号 | 重み | 評価項目 | 答案の該当箇所・留保 |
|---|---|---|---|
| 1 | 5 | 選挙権の公務性又は権利・公務の二元説に触れる | 答案1 |
| 2 | 4 | 自由選挙の原則(任意投票)に触れる | 答案1 |
| 14 | 5 | 在外国民選挙権訴訟の大法廷判決(平成17年)の判断枠組みを参照する | 答案2 |
| 16 | 5 | 同判決の「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」という例外に当たるかを論証する | 答案2 |
| 17 | 4 | 「選挙の公正」の内容を本問に即して論じる(買収等の不正に限るのか,低投票率が民主主義を空洞化させる場面を含むのか) | 答案2 |
| 19 | 4 | 罰金ではなく選挙権の停止という手段が採られたことを,単純な軽重比較に終わらせずに検討する | 答案2 |
| 28 | 4 | 選挙運動規制の一環という側面に着目し,戸別訪問判決等と本問の場面の異同を考慮する | 答案3 |
| 29 | 5 | 伊藤正己裁判官補足意見の「選挙のルール」論を参照する | 答案3 |
| 31 | 5 | 文言上は内容中立でも,主催者の要請に基づく仕組みにより実質的に内容(見解)規制となり得ることを論じる | 答案3 |
| 35 | 5 | 判断枠組みを,権利の性質・判例・制度という事案の分析から理由付きで設定し,理由のない中間審査基準を置かない | 答案全体 |
(2) 施策①⒜(投票の義務化)
施策①⒜について,出題の趣旨は,選挙権の権利性や自由選挙原則の中の任意投票を重視する立場からは違憲説が,公務性を重視する立場からは合憲説が説かれることが多いとし,相反する見解を踏まえた論述と,ひっ迫した状況に限って強制投票制度が正当化されるかの検討を求めている。
答案は,二元説と自由選挙の原則から投票しない自由の保障を導いた上で,44条・47条の立法裁量を基礎に,ひっ迫した状況を要件とする判断枠組みを立て,制裁がなく白票も妨げられないことから合憲とした。
違憲とする結論も十分に成り立つが,その場合には,施策①⒝を「仮に合憲であるとしても」との仮定を置いて論じる必要がある(番号13)。
また,投票所へ行くかどうかは投票の秘密の問題ではないから(番号10),答案は,投票の秘密を義務化の障害としてではなく,選択の自由の核心が保たれる根拠として使った。
(3) 施策①⒝(国政選挙権の停止)
施策①⒝について,出題の趣旨と採点実感は,平成17年大法廷判決を参照し,まず「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」という例外に当たるかを論じ,当たらないのであれば「やむを得ない事由」の有無を判断するという順序を示している。
採点実感によれば,例外に言及しないまま同判決を引用した答案が相当数あり,該当性を論証した答案は更に少数であったため,答案は2(2)でこの点を独立の問題提起として扱い,選挙犯罪者の選挙権停止を合憲とした昭和30年大法廷判決との違いを示した。
採点実感は,「選挙の公正」を害する場合を買収等の不正行為をした者に限るとした記述と,低投票率の下では棄権が民主主義を空洞化させ「公正な選挙」を脅かすとした記述をいずれも評価しており,答案は後者を反対の見方として取り上げた上で前者を採った。
また,採点実感は,平成17年大法廷判決の基準を,説得的な理由を示さずに厳格審査基準に準じたものへ置き換える答案が多かったとしているため(番号15),答案は同判決の枠組みをそのまま当てはめに使った。
罰金との比較(番号19)では,1回ごとの罰金が常に軽いとはいえないことを認めた上で,不利益の質の違いによって区別した。
平成17年大法廷判決の「やむを得ない事由」の枠組みは,最高裁判所裁判官の国民審査の審査権の制限についても,最大判令和4年5月25日(在外国民審査権訴訟)が同判決を参照して用いている。
採点実感は,権利の行使そのものが不可能になる場合と,権利の行使は可能な場合とで判例の判断枠組みが異なるとしており,本問の選挙権の停止は前者に当たるから,議員定数不均衡の判例ではなく,これらの判例の系列を参照することになる(番号18)。
(4) 施策②(聴衆の不穏当な行為の禁止)
施策②について,出題の趣旨は,間接的・付随的制約か直接的制約か,選挙運動のルールとしての側面(伊藤正己裁判官の補足意見),内容規制か内容中立規制か,の3点を判断枠組みの設定に密接に関わる点として挙げている。
答案は,3(2)のア〜ウでこの3点を順に検討し,場所・時間の指定を間接的・付随的制約とする誤り(番号27)を避け,「選挙のルール」論は聴衆には及ばないとし,主催者の要請という仕組みから実質的な見解規制と同視して,厳格な基準を導いた。
出題の趣旨は「選挙のルール」論に依拠した判断枠組みを示して議論を進める方法もあるとしているから,これを採って緩やかな審査を行う答案もあり得る。
もっとも,出題の趣旨は,いずれにせよ,特定の見解が排除された街頭演説が健全な選挙運動といえるかという根本の問いを意識することを求めており(番号34),答案は3(4)でこれに触れた。
採点実感は,誰の自由がどう影響を受けるかを区別すること(番号23)や,候補者に直接意見を届けることの意義を掘り下げること(番号24)を求め,又は高く評価しているため,答案は3(1)で候補者,聴衆及びヤジ等を行う聴衆を分け,その場でしか実現できない双方向性を評価した。
当てはめでは,選挙の自由妨害罪に至らない行為を規制する必要性(番号32)と,30分以内の演説であれば演説全体にわたって聴衆の発言等を制限できるという限定の実質的な強さ(番号33)を,いずれも問題文の事実に即して検討した。
(5) 答案の弱点と扱わなかった事項
答案の弱点は次の2点である。
第一に,見解に基づく規制に「やむにやまれぬ利益」と「必要最小限度」の基準を当てはめることは学説上の枠組みによるものであり,これを正面から述べた最高裁判所の判例は,本記事では確認できていない。
第二に,「選挙のルール」論の射程を選挙運動をする者に限る理解は答案の解釈であり,同補足意見の射程については別の読み方もあり得る。
設問が論じる必要がないとした規制対象行為の不明確性及び過度広汎性と,問題文の会話で検討の対象から外された高齢者・障がい者の取扱い及び5年という停止期間の相当性は,答案では扱っていない。
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第7 出典及び確認状態
1 公式資料
①法務省「令和7年司法試験の実施について」
②法務省「令和7年司法試験問題」
③令和7年司法試験論文式試験問題(公法系科目)
④法務省「令和7年司法試験の結果について」
⑤令和7年司法試験論文式試験出題の趣旨
⑥法務省「令和7年司法試験の採点実感」
⑦令和7年司法試験の採点実感(公法系科目)
2 法令
①日本国憲法(e-Gov法令検索)
②公職選挙法(e-Gov法令検索)
3 裁判例
①最高裁判所大法廷平成17年9月14日判決(平成13年(行ツ)第82号,民集59巻7号2087頁)
②最高裁判所大法廷昭和30年2月9日判決(昭和29年(あ)第439号,刑集9巻2号217頁)
③最高裁判所第二小法廷昭和56年6月15日判決(昭和55年(あ)第874号,刑集35巻4号205頁)
④最高裁判所第三小法廷昭和56年7月21日判決(昭和55年(あ)第1472号,刑集35巻5号568頁)
⑤最高裁判所第三小法廷昭和59年12月18日判決(昭和59年(あ)第206号,刑集38巻12号3026頁)
⑥最高裁判所昭和23年12月24日判決(昭和23年(れ)第1324号,刑集2巻14号1910頁)
⑦最高裁判所大法廷令和4年5月25日判決(令和2年(行ツ)第255号,民集76巻4号711頁)
4 確認状態
| 資料 | 状態 | 確認範囲・留保 |
|---|---|---|
| 出題の趣旨 | 実読済み | 第7の4の確認記録に示す,当該科目の版・対象範囲による。 |
| 採点実感 | 実読済み | 第7の4の確認記録に示す版・対象範囲による。版の対応等の未確認部分に関する留保も,同記録のとおりである。 |
出題の趣旨は,公法系科目第1問の部分を全て読み,法務省掲載のPDFとファイルサイズが一致することを確認した。
採点実感は,公法系科目第1問の部分を,全科目を収めたPDFで読んだ。
上記⑦の公法系科目のPDFとの対応は確認しておらず,本記事の採点実感の見出し番号は全科目版の記載による(採点実感の欄は頁を示さず見出し番号だけで示している)。
裁判例は,いずれも裁判所ウェブサイトの判決全文で,引用した判示の文言を確認した。
上記⑥の判決は,同サイトの詳細画面の法廷名と判決書の署名の法廷名が一致しないため,法廷名を記載していない。
上記⑦の判決は,第5の3の解説で触れるだけで,答案では用いていない。
第5は,令和8年9月28日に,答案の型に合わせて書き直し,答案の前提と表記及び解説を加えた。
結論(施策①⒜は合憲,施策①⒝及び施策②は違憲)と答案で用いた判例は,書き直しの前と同じである。
条文は,e-Gov法令検索で確認した。
公職選挙法225条の法定刑は,試験の実施前の令和7年6月1日に「拘禁刑」へ改められているが,模範解答は問題文の記載を前提としており,法定刑の文言には触れていない。