第1 この記事の対象と結論
本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第1問(憲法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本記事の評価項目,重み及び模範解答は,いずれもAI(Claude)が作成したものであり,法務省の公式の採点基準,配点又は解答ではない。
本問は,犬又は猫(以下「犬猫」という。)の販売業について,免許制を導入する規制①と,犬猫の販売の広告でイラスト,写真及び動画の使用を禁止する規制②を内容とする架空の法案骨子について,議員連盟から相談を受けた法律家の立場で,その憲法適合性を論じさせるものである。
公式資料から抽出できた評価項目は40項目である(採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,「〜しない」の形の項目にして同じ5段階に入れた。)。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,参考とすべき判例への言及と判旨の正確な理解,規制①が狭義の職業選択の自由の制約か職業遂行の自由の制約かの検討,規制目的が消極目的でも積極目的でもないことの指摘,許可制についての薬事法事件判決の枠組み,許可要件ごとの審査,主観的制限と客観的制限の要件を審査の段階で区別すること,及びあん摩師等法による灸の適応症広告事件判決への言及の7項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
なお,本記事の作成に当たっては,AIが公式資料を読む前に問題文と判決原文だけで答案を書いて固定し,その後に公式資料と照合した。
その照合では,読む前の答案は,重み付きで評価項目のおおむね8割を満たしていたが,選択と遂行の区別に伴う合憲性の推定の違い,比較判例の対比,既存業者の負担等を欠いていた(第5の3で触れる。)。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
評価項目は,本問の出題の趣旨(公法系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,頁と見出し番号で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
出題の趣旨の頁は法務省のPDFの頁であり,採点実感の「3⑶」は「3 狭義の職業選択の自由・職業遂行の自由に対する規制の合憲性について」の⑶を指す。
公式資料の文章は引用せず,根拠となる記述の趣旨を括弧内に要約して示している。
2 5段階の重み付けの基準
重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目とした事項(「しっかりとした記述をした答案のほとんどは、全体的に高得点」「低く評価せざるを得ない」「極めて少なかった」等と述べ,出題の趣旨も検討を求めるもの)
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,当てはめ又は優秀な答案の特徴
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成
採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点であれば「〜しない」の形の項目にして,同じ5段階で重みを付けた(典型的な誤りは原則として重み2)。
第3 本問の概要
法案骨子の第2は,犬猫の販売業を営もうとする者に,販売場ごとに都道府県知事の免許を受けさせ,①販売場ごとの犬猫飼養施設の状況,②都道府県内の犬猫の需給均衡,③犬猫シェルター収容能力のいずれかの観点から適当でないと認められるときは,免許を与えないことができるとする(規制①)。
骨子の第4は,免許を受けた犬猫販売業者が犬猫の販売に関して広告するときに,犬猫のイラスト,写真及び動画を用いることを禁止する(規制②)。
骨子の第3は,販売時に購入希望者へ対面で情報を提供し,犬猫の現在の状態を直接見せることを義務付けている。
問題文の会話では,本件法案は動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」という。)の特別法として人と動物の共生する社会の実現という目的を共有し,その目的は犬猫の販売業の経営安定でも感染症等による健康被害の防止でもないとされている。
また,犬を飼っている者は31パーセント,猫は29パーセントである一方,犬猫以外のペットを飼う人の割合が50パーセント近くまで増えていることも示されている。
設問は,法律家甲の立場で規制①及び規制②の憲法適合性を論じさせ,参考とすべき判例や自己の見解と異なる立場への言及を求める一方,既存業者の損失補償は論じる必要がないとしている。
第4 評価項目と重み
1 規制①(犬猫販売業免許)について
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 22条1項の職業選択の自由に狭義の職業選択の自由と職業遂行の自由が含まれること(薬事法事件)を示す | 4 | 1頁「2.」 | 2⑵(多くの答案が適切に論述) |
| 2 | 規制①が狭義の職業選択の自由の制限か職業遂行の自由の制限かを検討している | 5 | 1頁「2.」(「動物の販売」と捉えれば遂行の制限とも見得る) | 1⑴・2⑴(検討しない答案は低評価。しっかり記述した答案のほとんどは高得点) |
| 3 | この検討の手掛かりとして,犬猫の飼養割合(約半数)と,犬猫以外のペットが規制対象外でそのシェアが50%近くまで拡大していることを評価している | 4 | 2頁「2.」(犬猫は飼養動物の約半数) | 2⑴(シェア50パーセント近くを手掛かりにした答案は評価) |
| 4 | 狭義の職業選択の自由と職業遂行の自由とで合憲性の推定の程度が異なることを述べ,具体的な審査に反映している | 4 | 2頁「2.」(遂行の制約なら合憲性の推定がより強い) | 2⑵(言及は少なく,審査への反映は更に少ない) |
| 5 | 職業遂行の自由の制約と捉えても制限の程度が甚だしいとして審査密度を上げる主張を,医薬品ネット販売事件(最判平成25年1月11日)・要指導医薬品事件(最判令和3年3月18日)との対比で示している(許容される別の構成) | 2 | 2頁「2.」(平成25年判決・令和3年判決が参考) | 記載なし |
| 6 | 当事者の行為をそのまま権利内容として細分化しない(「犬猫を販売する自由」「イラスト・写真・動画等を用いて宣伝する自由」のように設定せず,22条1項・21条1項の保障内容に行為が包摂されるかの形で論ずる) | 2 | 記載なし | 2⑷(過去にも累次指摘) |
| 7 | 本件法案の規制目的は消極目的でも積極目的でもないことを示し,規制目的のみに着目して審査基準を設定しない(無理に積極目的又は消極目的の規制と解して論述しない) | 5 | 1頁「2.」(目的のみで審査基準を設定できず,二分論の論理をそのまま用いることはできない) | 3⑵(無理に積極・消極に分類する答案が相当数。規制の趣旨を踏まえて基準を定立すべき) |
| 8 | 薬事法事件の出発点(規制の目的・必要性・内容・制限の程度の比較考量,第一次的には立法府の権限と責務,合理的裁量とその広狭)に言及している | 4 | 1頁「2.」(第一次的には立法府の権限と責務) | 3⑴(出発点の立法裁量論・許可制の態様に言及しない答案は評価できない) |
| 9 | 許可制は狭義の職業選択の自由そのものへの強力な制限であり,原則として重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要するとの薬事法事件の枠組みを踏まえる | 5 | 1頁「2.」(まずは求められる枠組み) | 3⑴ |
| 10 | 許可制(免許制)それ自体ではなく,許可要件(第2の1〜3)ごとに憲法適合性を検討している | 5 | 記載なし | 1⑴(許可要件ごとの検討が求められる。高得点答案の共通点) |
| 11 | 主観的制限(第2の1)と客観的制限(第2の2・3)を区別し,客観的制限はより高い審査密度で正当化すべきことを示す | 4 | 1頁「2.」(主観的制限と客観的制限) | 3⑶ |
| 12 | 具体的な審査の段階で,主観的制限の要件と客観的制限の要件を区別し,それぞれ丁寧に論じている | 5 | 記載なし | 3⑶(区別して丁寧に論じた答案は高く評価) |
| 13 | 薬事法事件の厳密な手段審査を距離制限が客観的制限であることと結び付けて理解し,第2の2・3も同様の基準で審査する(許容される別の構成) | 1 | 2頁「2.」(客観的制限と結び付けて理解する見方) | 記載なし |
| 14 | 本件法案が動物愛護管理法の特別法でその目的を共有することを,目的審査・手段審査で踏まえている | 3 | 1頁「2.」(人と動物の共生する社会の実現という目的) | 3⑷(看過した答案があった) |
| 15 | 第2の1(施設要件)の目的を適切な飼養の確保と読み,諸外国・専門家の意見を踏まえた基準で犬猫の適正な取扱いと関連することから適合性・必要性を認める(目的を需給均衡・供給制限と取り違えない) | 4 | 1頁「2.」(適合性・必要性を認めることは難しくない) | 3⑷(「適切な飼養の確保」と読み解く。需給均衡・供給制限と取り違えて実質的関連性なしとする答案もあった) |
| 16 | 施設要件が既存業者に施設の改修・変更を求め,負担次第で廃業も選択肢となる重い権利制限となり得ることを評価している | 3 | 1頁「2.」(改修負担で重い権利制限となり得る) | 記載なし |
| 17 | 規制対象が犬猫に限られ他の動物の販売は規制されないこと,犬猫の市場占有率に触れて評価している | 4 | 1頁「2.」(規制対象は犬猫に限定) | 3⑸(触れない答案が相当数) |
| 18 | 同じ動物でも管理の仕方や必要な施設が異なることを指摘して説得的に論じている | 3 | 記載なし | 3⑸(高く評価) |
| 19 | 第2の2(需給均衡)・3(収容能力)を客観的制限としてより厳密な審査で検討している(より緩やかな手段の有無等) | 4 | 1頁「2.」~2頁(より厳密な審査) | 3⑶ |
| 20 | 第2の3(収容能力要件)は第2の2と異なり犬猫の販売業に直接関係のない要件であることを指摘している | 3 | 2頁「2.」(販売業に直接関係のない要件) | 記載なし |
| 21 | 問題視されている社会的状況と規制の不存在との間に合理的な因果関係があるかを,審査密度に応じて論じている(薬事法事件の因果関係の検討を参考に) | 3 | 2頁「2.」(薬事法事件の因果関係の検討が参考) | 記載なし |
| 22 | 客観的制限という特定の要素だけで結論を導かず,制約の程度・権利の内容等を総合して審査している | 2 | 2頁「2.」(特定の要素のみで結論を導出しない) | 記載なし |
| 23 | 新規参入業者と既存業者を,検討内容に有意な差がないのに区別したり,説得力のない理由で結論を分けたりしない | 2 | 記載なし | 2⑶(高く評価できない) |
2 規制②(広告でのイラスト・写真・動画の禁止)について
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 24 | 規制②は営利広告の規制であり,販売方法の規制として22条1項,表現として21条1項の問題とも捉え得ることを示す(職業の自由の問題としてだけ検討しない) | 4 | 2頁「3.」(22条1項とも21条1項とも捉え得る) | 4⑴(営利的表現の自由に全く触れない答案が散見された) |
| 25 | 営利的表現を表現の自由として保護すべき理由として,消費者の知る権利に資することを指摘している | 3 | 記載なし | 4⑵(指摘できない答案が一定数) |
| 26 | 営利的表現は自己統治の価値との関連が希薄で,萎縮効果に乏しく,裁判所の審査能力の点からも必ずしも厳格な審査を要しないことを示す(特性を丁寧に説明して基準を設定) | 4 | 2頁「3.」 | 4⑶・5⑴(特性を説明して基準を設定した答案は相対的に良い評価) |
| 27 | あん摩師等法による灸の適応症広告事件判決(最大判昭和36年2月15日)に言及している | 5 | 2頁「3.」(先例として挙げられる) | 5⑶(言及できた答案は極めて少ない) |
| 28 | 同判決の規制目的(誇大広告等による弊害の防止)と規制②の目的が異なることを示し,真実の表現の規制の正当化を慎重に検討している | 4 | 2頁~3頁「3.」(真実の表現の規制を慎重に検討) | 4⑶(真実の表現についても問題になることを理解している答案は極めて少ない) |
| 29 | 真実で誤解を生まない合法的活動の表現について,規制利益が実質的で,規制がその利益を直接促進し,必要以上に広汎でないことを求める基準(又は同等の中間審査)を設定している | 2 | 2頁「3.」(学説上有力な基準) | 記載なし |
| 30 | 営利的表現の制約の可否は誇大・虚偽広告だけでなく真実の表現についても問題となることを理解している | 3 | 記載なし | 4⑶(理解している答案は極めて少ない) |
| 31 | 規制②の審査密度を,内容規制か内容中立規制かの二分論で決めない | 2 | 記載なし | 5⑴(残念であった) |
| 32 | 規制②を,一般的な行為禁止であるのに「事前規制」と性格付けない | 2 | 記載なし | 5⑵(評価できなかった) |
| 33 | 飼い主個人の意識改革だけでは限界があるという立法事実に言及している | 2 | 記載なし | 5⑷(言及できた答案は極めて少ない) |
| 34 | 規制②の対象にECサイトが含まれ,経済活動の自由の制約の側面が強く表れることに言及している | 2 | 記載なし | 5⑷(言及できた答案は極めて少ない) |
| 35 | 目的審査で,規制②がパターナリスティックな側面を含むことに言及している | 2 | 記載なし | 5⑸(言及できた答案はかなり少ない) |
| 36 | 手段審査で,骨子第3(販売時の対面情報提供・現物確認)の存在を検討している | 3 | 記載なし | 5⑸(検討していない答案がかなり多い) |
3 答案全体
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 37 | 立法過程で憲法上の疑義を払拭し,より憲法適合的な法案とする視点(違憲部分の修正方向の提示を含む)で論じている | 2 | 1頁「1.」(立法過程で疑義を払拭し,より憲法適合的な法案とする憲法論) | 記載なし |
| 38 | 参考とすべき判例に言及し,その判旨を正確に理解して本問との関係・異同に着目して論じている(薬事法事件判決のキーワードをつまみ食いして順序を入れ替えた切り貼りにしない) | 5 | 1頁「1.」(参照に値する事例への言及が必要) | 1⑸(判例への言及がない答案は低評価。判旨を正確に理解し異同に着目した答案はほとんどなく,キーワードの切り貼りが大半) |
| 39 | 審査基準の定立段階で個別具体的な当てはめをして基準を導かない(当てはめを同じ内容の繰り返しや「前記のとおり」で済ませない) | 2 | 記載なし | 1⑶(評価が伸びない) |
| 40 | 当てはめで,規範の考慮要素に係る事項を摘示した上でそれをどう評価したかを示している(事実を列挙して直ちに「重要」「合理的」としない) | 3 | 記載なし | 1⑷(評価過程を示すことが高評価に結び付く) |
4 重みの分布
40項目の内訳は,重み5が7項目,重み4が11項目,重み3が9項目,重み2が12項目,重み1が1項目であり,重みの合計は131点である。
本問は小問に分かれていないため配点の割合は示されていないが,規制①が23項目(重みの合計81点),規制②が13項目(同38点),答案全体が4項目(同12点)であり,規制①に重みが集まっている。
重み5の7項目は,選択と遂行の検討(番号2),目的が消極目的でも積極目的でもないこと(番号7),許可制の枠組み(番号9),許可要件ごとの審査(番号10),主観的制限と客観的制限の要件を審査の段階で区別すること(番号12),あん摩師等法による灸の適応症広告事件判決への言及(番号27)及び判例への言及と判旨の正確な理解(番号38)である。
いずれも出題の趣旨が検討の筋道として示し,かつ採点実感が高得点の答案の共通点として挙げ,又は言及できた答案が極めて少なかったとした事項である。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,法律家甲の立場で,試験の実施時の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。
答案は,法律家甲が議員連盟の担当者に対して行う立法段階の助言であり,法律の規定そのものの憲法適合性を論ずるものである。
そのため,特定の人への適用の違憲は論じず,違憲と評価した規定については,どのように改めれば憲法に適合するかも一言示した。
法令と判例は,試験の実施日(令和6年7月10日)を基準とした。
動物愛護管理法の条文は,e-Gov法令検索の時点指定で,試験日当時の本文を確認した。
答案は,見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起,規範の定立(「思うに,~。よって,~と解する。」),当てはめ及び結論の順に書き,反対の立場は「確かに,~とも思える。しかし,~。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型によっている。
字数の配分は,おおむね問題提起と結論が1割,規範が3割,当てはめが5割である。
答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
字数は約5,000字である。
2 答案
1 規制①について
(1) 規制①は,犬猫の販売業を営もうとする者に販売場ごとの犬猫販売業免許を要求し,①犬猫飼養施設の状況,②都道府県内の需給均衡,③犬猫シェルター収容能力のいずれかの観点から適当でないと認められるときは,知事が免許を与えないことができるとするものである(以下,それぞれ「施設要件」「需給要件」「収容能力要件」という。)。規制①は22条1項に反しないか。
職業は,人が自己の生計を維持するための継続的活動であるとともに,社会的機能分担の活動であり,各人が自己の個性を全うすべき場として個人の人格的価値とも不可分の関連を有する。そのため,22条1項は,狭義の職業選択の自由のみならず,職業活動(遂行)の自由をも保障していると解される(判例同旨・最大判昭和50年4月30日)。犬猫の販売業も職業であるから,その開始・継続は同項により保障される。
(2) では,規制①は狭義の職業選択の自由の制約か,職業遂行の自由の制約か。両者では合憲性の推定の強さが異なるから,問題となる。
確かに,規制の対象は犬猫に限られ,うさぎや鳥,観賞魚等の販売は自由であり,犬猫以外のペットを飼う人の割合は50パーセント近くまで増加している。そうすると,職業を「動物の販売」と捉え,規制①はその遂行の一部の制限にすぎないとも思える。
しかし,犬を飼う者は31パーセント,猫は29パーセントを占め,犬猫の販売はペット販売の中心部分である。また,犬猫は体長・体高に応じたケージや運動スペース等の専用の飼養施設と管理を要し,他の動物の販売とは必要な施設・技能が異なるから,犬猫の販売業は社会的に独立した一個の職業といえる。そして,免許を得られない者は,新規参入者であれ既存業者であれ,犬猫の販売業を開始・継続できない。よって,規制①は狭義の職業選択の自由の制約と解する。
なお,仮に職業遂行の自由の制約とみても,合憲性の推定はより強く働くものの,犬を飼う者が31パーセント,猫を飼う者が29パーセントに上り,犬猫の販売が事業の柱である以上,その柱を失わせる重い制限である。規制の対象の市場規模が1パーセントに満たないことから制限の程度は大きくないとした判例(最判令和3年3月18日)とは異なり,事業の柱とされてきた販売方法の規制を職業活動の自由の相当程度の制約とした判例(最判平成25年1月11日)に近い。したがって,いずれにせよ審査密度を緩めるべきではない。
(3) そこで,いかなる基準で審査すべきかが問題となる。
この点,職業の自由の規制の目的,必要性,内容,制限される職業の自由の性質,内容及び制限の程度を比較考量するのは第一次的には立法府の権限と責務であり,その裁量の範囲には事の性質上おのずから広狭がある(前掲最大判昭和50年4月30日)。
確かに,積極的な社会経済政策の規制について明白性の原則を採った判例(最大判昭和47年11月22日)に倣い,動物愛護の在り方は政策判断であるから緩やかに審査すべきとの立場もある。しかし,本件法案の目的は,犬猫の販売業の経営安定でも,感染症等による健康被害の防止でもなく,動物愛護管理法の特別法として,動物の愛護と人と動物の共生する社会の実現という目的を共有するものである。骨子第1が同法1条のうち人の生命,身体及び財産に対する侵害の防止の部分を含まないこともこれを裏付ける。とすれば,規制①は積極目的・消極目的のいずれにも分類できず,目的だけから審査基準を定めることはできない。
思うに,規制①は許可制であり,狭義の職業選択の自由そのものに制約を課する強力な制限である。そして,許可条件のうち,施設の整備のように本人の努力で満たし得る主観的制限と異なり,需給や収容能力のように本人の資質や能力と関わらない客観的制限は,本人がいかに努力しても職業に就けない点で,最も重大な制限である。
よって,規制①は,原則として重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し(前掲最大判昭和50年4月30日),この審査は個々の許可条件ごとに行う(同判決同旨)。そして,客観的制限については,さらに,より緩やかな職業活動の内容・態様に対する規制ではその目的を十分に達成できないこと,及び規制がないと害悪が生ずるという因果関係が確実な根拠に基づくことを要すると解する。
(4)ア 本件法案の目的は,販売業者や飼い主による犬猫の遺棄や大量廃棄を防ぎ,人と動物の共生する社会を実現する点にあると思われる。売れ残った犬猫が殺されて山野に大量廃棄されたことが大きな社会問題となったことに照らせば,命ある犬猫の遺棄等の防止は重要な公共の利益といえる。
イ 施設要件の目的は,犬猫の適切な飼養の確保にある。確かに,基準は現行の登録制より厳しく,既存業者には施設の改修が必要となり,その負担次第では廃業もあり得る点で,重い制限となり得る。しかし,施設の整備は本人の努力で満たし得る主観的制限であり,基準は諸外国の制度や専門家の意見を踏まえた国際的に認められた範囲内のもので,販売頭数に応じた施設やケージ,照明・温度の基準は適切な飼養に直結する。よって,施設要件は必要かつ合理的であり,合憲である。もっとも,既存業者の改修のための猶予期間を設けることが望ましい。
ウ 需給要件は,需給均衡という客観的制限である。
確かに,子犬・子猫は生後2,3か月の人気が高く,生後6か月を過ぎると値引きしても売れなくなるといわれている。売れ残りは長期の飼養負担を生んで遺棄や無理な販売の誘因となり,現に遺棄が社会問題化している以上,この因果関係は単なる観念上の想定ではないとも思える。
しかし,遺棄等の害悪は,売れ残りが生じること自体ではなく,売れ残った犬猫を適切に扱わないことから生ずる。前掲最大判昭和50年4月30日も,競争の激化から経営の不安定,法規違反を経て不良医薬品の供給に至る因果について,行政上の監督と制裁を背後に控えた業者があえて法規違反に出ることは異例であるとして,確実な根拠に基づくものとは認めなかった。本件でも,販売業者には現行法上も終生飼養の確保が求められているから(動物愛護管理法22条の4),これを前提に,販売が困難となった犬猫の頭数と引渡先の定期報告を義務付け,不適切な引渡しや報告義務違反に免許の取消しや罰則を科せば,長期の飼養負担による遺棄の誘因にも対処できる。
他方,需給の基準は各都道府県が人口に対する飼育頭数の割合や取引量等を考慮して定める予定にとどまり,「適当でないと認められるとき」との文言と相まって免許拒否の範囲は不明確である。しかも,免許数の限定は新規参入を阻んで既存業者を競争から守り,本件法案が目的としないとした経営安定を実質的にもたらす。
よって,需給要件は必要かつ合理的とはいえず,22条1項に反する。
エ 収容能力要件は,需給要件と異なり,犬猫の販売業には直接関係のない客観的制限である。
確かに,販売業者の無理な販売も飼い主による持込み増加の要因となり,多くの都道府県から,シェルターの収容頭数を現在の引取頭数以下に抑える方策の要望がある。
しかし,シェルターに犬猫を持ち込むのは飼い主であり,シェルターは販売業者からの引取りを拒否でき,販売業者は売れ残った犬猫を自ら終生飼養するか代わりの者を探す責任を負う。とすれば,仮に持込みが増加しても,それは販売業者の行為の結果ではなく,規制がないことと持込み増加との間に合理的な因果関係があるとはいえない。しかも,持込み増加の懸念は,殺処分の禁止により飼い主の心理的ハードルが下がるという国の政策の副作用であり,収容能力は公費助成の規模等で左右される。かかる行政運営上の事情を理由に職業選択を否定することは許されない。無理な販売の抑止は,販売時の対面による情報提供・現物確認(骨子第3)の徹底等の態様の規制で足りる。
よって,収容能力要件も22条1項に反する。
(5) したがって,規制①のうち施設要件は合憲であるが,需給要件及び収容能力要件は22条1項に反し違憲であるから,これらを削り,売れ残った犬猫の取扱いに関する報告義務と制裁に置き換えるべきである。
2 規制②について
(1) 規制②は,犬猫販売業者が犬猫の販売に関して広告するときに,犬猫のイラスト,写真及び動画の使用を禁止するものである。
規制②は販売方法の規制として22条1項の問題でもあり,ECサイトを含むインターネット広告に及ぶ点で経済活動の制約の側面が強い。もっとも,広告は商品に関する情報を伝達するものであるから,21条1項の問題として検討する。
確かに,広告は取引の誘引にすぎず,21条1項の「表現」に当たらないとの見方もある。しかし,営利広告も,商品やサービスに関する情報を消費者に伝え,消費者の知る権利に資する。よって,営利的表現の自由も21条1項により保障されると解する。
(2) では,いかなる基準で審査すべきか。
この点,あん摩師等の広告を一定事項以外禁止する規制を,虚偽誇大に流れ一般大衆を惑わすおそれがあるとして,公共の福祉を維持するためやむを得ない措置とした判例がある(最大判昭和36年2月15日)。これに倣い緩やかに審査すべきとの立場もある。しかし,同判決は誇大広告等による弊害の防止を目的とする規制の事案である。これに対し,規制②は,実際に販売する犬猫の写真を含む真実で誤解を生まない情報を,それが購買意欲を刺激することを理由に禁止する点で,事案を異にする。
思うに,営利的表現は,自己統治の価値との関連が希薄であり,利益の動機に支えられて萎縮しにくく,真実性の判断も比較的容易であるから,政治的表現ほど厳格な審査は要しない。もっとも,真実の情報の流通を,受け手がそれに説得されること自体を理由に断つことは,受け手の自律的判断を否定するもので,慎重な正当化を要する。
よって,規制②は,規制利益が実質的であり,規制がその利益を直接促進し,かつ,必要以上に広汎でない場合に限り,合憲と解する。
(3)ア 規制②の目的は,犬猫の安易な購入を防ぎ,飼い主による遺棄やシェルターへの持込みを防止する点にあると思われる。飼い主個人の意識改革だけでは限界があるという立法事実に照らせば,この利益は実質的といえる。もっとも,その手段は購入者本人の判断を国が先回りして制約するパターナリスティックな性格を持つから,その分だけ手段の正当化は厳密に行う必要がある。
イ 確かに,愛らしい犬猫の姿態は視覚に訴えて購買意欲を刺激し得るから,画像の禁止は安易な購入の抑制に一定の寄与をするとも思える。
しかし,第一に,規制される画像は真実の情報であり,犬猫の外見や大きさを正確に伝え,むしろ購入希望者の適切な選択に資する。品種や月齢等の文字情報では外見は伝わらず,代替経路として十分ではない。第二に,犬猫販売業者は,販売の段階で購入希望者に対面で適正な飼養に関する情報を提供し,現物を直接見せることが義務付けられているから(骨子第3),十分な準備と覚悟のない購入は販売の段階で防止できる。広告の画像を禁止することが目的を直接促進する度合いは小さい。第三に,規制②はウェブサイトやSNSを含む全ての媒体で例外なく画像を禁止し,適正な飼養を促す画像まで禁止するうえ,「犬猫の販売に関して」の範囲が明確でなく,店舗の看板の犬猫のイラストまで禁止されかねない点で,必要以上に広汎である。
他方,広告に飼養に必要な費用,寿命及び終生飼養の責任を明示させる表示義務を課し,子犬期の愛らしさだけを強調する誇張的な表示を禁止すれば,真実の情報の流通を残しつつ,目的を同程度に達成できる。
よって,規制②は,目的を直接促進するとはいえず,必要以上に広汎である。
(4) したがって,規制②は21条1項に反し違憲であるから,前述の表示義務等に改めるべきである。
3 以上より,規制①のうち施設要件は合憲であるが,需給要件及び収容能力要件は22条1項に,規制②は21条1項に反し,いずれも違憲である。
以上
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 許可制そのものではなく,許可要件ごとに審査する
採点実感は,許可制(免許制)それ自体ではなく,許可要件ごとの憲法適合性の検討が求められているとし,この点をしっかり論じた答案のほとんどが高得点だったとしている。
薬事法事件判決(最高裁昭和50年4月30日大法廷判決)も,許可制の採用自体が是認される場合でも,個々の許可条件ごとに適否を判断すべきであるとしている。
答案では,施設要件(主観的制限)と,需給要件及び収容能力要件(客観的制限)とを段落を分けて審査した。
(2) 狭義の職業選択の自由の制約か,職業遂行の自由の制約かを検討する
出題の趣旨は,規制①を狭義の職業選択の自由の制限と見る構成と,職業を「動物の販売」と捉えて職業遂行の自由の制限と見る構成の双方を示している。
採点実感は,両者で合憲性の推定の程度が異なることを審査に反映した答案が少なかったとしている。
答案では,犬猫の飼養割合(量)と,犬猫に専用の施設・管理が必要であること(質)から狭義の職業選択の自由の制約とした上で,遂行の制約と見る場合でも,要指導医薬品の対面販売規制についての最高裁令和3年3月18日判決(市場規模が1パーセントに満たない)とは異なり,医薬品のインターネット販売規制についての最高裁平成25年1月11日判決(事業の柱を相当程度制約する)に近いことを示した。
(3) 規制目的を無理に消極目的又は積極目的に分類しない
問題文は,本件法案の目的が経営安定でも健康被害の防止でもないことを明示している。
出題の趣旨は,規制目的のみに着目して審査基準を設定することはできないとし,採点実感は,無理に積極目的又は消極目的に落とし込んだ答案を評価しなかった。
答案では,目的の性質から審査基準を導かず,許可制という制約の態様と,客観的制限という制約の強さから審査基準を導いた。
読む前の答案は,規制①が「社会公共に対する弊害を防止する規制と構造を共通にする」として消極目的用の基準を借りており,この点を改めた。
(4) 規制②は真実の表現の規制として審査する
出題の趣旨は,あん摩師等法による灸の適応症広告事件判決(最高裁昭和36年2月15日大法廷判決)が誇大広告等の弊害の防止を目的とする規制の事案であったのに対し,規制②は実際に販売する犬猫の写真まで禁止するものであって,真実の表現の規制がどこまで正当化されるかを慎重に検討する必要があるとしている。
採点実感は,営利広告の規制にはそもそも内容規制が含まれるから,内容規制か内容中立規制かの区別で審査密度が決まるものではないとしている。
答案では,営利的表現の特性から審査基準を立て,目的審査でパターナリスティックな性格に触れ,手段審査で骨子第3(販売時の対面での情報提供・現物確認)の存在を検討した。
(5) 立法段階の助言として,憲法に適合させる方向まで示す
出題の趣旨は,訴訟ではなく立法過程で憲法上の疑義を払拭し,より憲法適合的な法案とするための憲法論を求めている。
答案では,違憲とした要件と規制について,売れ残った犬猫の取扱いの報告義務と制裁への置換え,及び広告への表示義務への改正を一言示した。
第6 関連記事
1 同じ年度の司法試験の別の模範解答
①令和6年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した52項目と5段階の重み付け(AI作成)
②令和6年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)
③令和6年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した63項目と5段階の重み付け(AI作成)
④令和6年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した55項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑤令和6年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑥令和6年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑦令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)
2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事
①広告の規制と表現の自由―あん摩師等の広告制限を合憲とした昭和36年大法廷判決と,景品表示法の不実証広告規制を合憲とした令和4年判決(AI作成)
②許認可・参入規制の合憲性―小売市場判決,薬局距離制限判決及び令和4年あん摩養成施設判決(AI作成)
③令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
法務省「令和6年司法試験問題」(論文式試験問題集[公法系科目])
法務省「令和6年司法試験の論文式試験出題の趣旨」(公法系科目第1問は1頁~3頁)
法務省「令和6年司法試験の採点実感(公法系科目第1問)」(公法系科目のPDFの1頁~4頁)
法務省「令和6年司法試験の実施日程等について」
2 法令
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)(e-Gov法令検索)(試験日当時の本文は,法令APIの時点指定(2024年7月10日)で確認した。)
3 裁判例
最高裁昭和50年4月30日大法廷判決(昭和43年(行ツ)第120号,民集29巻4号572頁)(薬事法事件)
最高裁昭和47年11月22日大法廷判決(昭和45年(あ)第23号,刑集26巻9号586頁)(小売市場事件)
最高裁平成25年1月11日判決(平成24年(行ヒ)第279号,民集67巻1号1頁)(医薬品ネット販売事件)
最高裁令和3年3月18日判決(令和元年(行ツ)第179号,民集75巻3号552頁)(要指導医薬品事件)
最高裁昭和36年2月15日大法廷判決(昭和29年(あ)第2861号,刑集15巻2号347頁)(あん摩師等法広告制限事件)
いずれも裁判所ウェブサイトの判決全文で,本記事で用いた判示を確認した。
4 確認状態
本記事は,法務省の公式資料を出題者が何を求めたかを示す資料として用い,判例の判示と法令の本文は,それぞれの原文で別に確認した。
| 公式資料の記述(要旨) | 一次資料による確認 | 確認状態 |
|---|---|---|
| 職業選択の自由には狭義の職業選択の自由と職業遂行の自由が含まれる(薬事法事件) | 判決は「職業活動の自由」の語を用いる(同じ意味) | 確認済み |
| 許可制は重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要する(薬事法事件) | 判決の文言と一致 | 確認済み |
| 薬事法事件は不良医薬品の供給の危険について因果関係の合理的な裏付けを検討した | 判決は,競争の激化から法規違反に至る因果を単なる観念上の想定にすぎないとした | 確認済み |
| 平成25年判決は,規制が事業の柱としてきた者の職業活動の自由を相当程度制約するとした | 判決の文言と一致(判決自体は省令の委任の範囲の逸脱を認めた事案) | 確認済み |
| 令和3年判決は,市場規模が1パーセントに満たないことなどから制限の程度が大きくないとした | 判決の文言と一致 | 確認済み |
| 灸の適応症広告事件判決は,誇大広告等の弊害の未然防止のためやむを得ない措置として合憲とした | 判決の多数意見と一致(「精緻な審査基準を示すことなく」は公式資料の評価) | 確認済み |
| 主観的制限と客観的制限を区別し,後者により高い審査密度を求める学説がある | 学説の原典は確認していない | 公式資料の記述 |
| 真実で誤解を生まない営利的表現について,規制利益の実質性・直接の促進・必要以上に広汎でないことを求める学説が有力である | 学説の原典は確認していない | 公式資料の記述 |
なお,出題の趣旨は設問の指示を「参照に値する事例」と言い換えているが,問題文の設問は「参考とすべき判例」と書いている(趣旨は同じである。)。
残る不確実性は,次のとおりである。
①評価項目の切り分け,重み及び一致の判定は本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
②公式資料は,各要件・規制の合憲・違憲の結論を指定していない。
模範解答の結論(施設要件は合憲,需給要件・収容能力要件・規制②は違憲)は一つの考え方であり,理由付け次第で別の結論も許容され得る。
③主観的制限・客観的制限に関する学説,及び営利的表現の審査基準に関する学説は,原典を確認していない。
④本記事の作成に用いたAIの学習データに,令和6年の公式資料又はその解説が含まれている可能性は否定できない。
⑤規制①・②の違反に対する制裁の内容は法案骨子に記載がなく,答案では前提にしていない。