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法律情報・デジタル化

Windows 11で半角/全角キーが効かずバッククォートが入力されるとき―日本語106/109配列への戻し方(AI作成)

目次

第1 結論第2 症状から分かること1 半角/全角キーでバッククォートが入力される場合2 ほかの記号も印字とずれる場合第3 IME・入力言語・キーボード配列の違い1 IME2 入力言語3 ハードウェアキーボードレイアウト第4 設定を変える前に確認すること1 症状を記録する2 別のアプリでも再現するかを確認する3 キーボード側の設定を確認する第5 日本語106/109配列へ戻す基本手順第6 差し直しで直らないときは再起動後に確かめる第7 基本手順で直らないときの切り分け1 入力言語を確認する2 IMEのキー設定を確認する3 Shiftキー等の状態を確認する4 専用設定アプリを確認する5 デバイスマネージャーを確認する6 レジストリ変更は最終手段とする第8 原因と発生契機を区別する第9 再発時の確認用チェックリスト第10 関連記事及び参考資料1 関連記事2 参考資料
第1 結論

Windows 11で日本語キーボードの「半角/全角」キーを押しても日本語入力に切り替わらず,バッククォート(`)など印字と異なる文字が入力される場合,Windowsが日本語106/109配列のキーボードを英語101/102配列として処理している可能性がある。

最初に,Windowsの「設定」から日本語のキーボードレイアウトを確認し,日本語キーボード(106/109キー)に戻してから,Windowsを完全に再起動する。
キーボードの抜き差しやデバイスの再起動だけでは直らないことがあるため,配列を変更した後はWindowsの再起動後に確かめる。

ただし,半角/全角キーが効かない原因は一つではない。
IMEがオフになっている場合,入力言語が英語になっている場合,Shiftキー等が論理的に押されたままになっている場合,キーボード側のキーマップが変更されている場合もある。
レジストリの変更は,設定画面と通常の切り分けで直らない場合の最終手段である。

第2 症状から分かること
1 半角/全角キーでバッククォートが入力される場合

日本語106/109配列と英語101/102配列では,同じ物理位置のキーに割り当てられる機能が異なる。
日本語キーボードの左上にある半角/全角キーの位置は,英語配列ではバッククォート及びチルダのキーとして扱われる。

そのため,半角/全角キーを押したときにバッククォートが入力される症状は,単にIMEの変換設定がおかしいというより,Windowsが物理キーボードを英語配列として解釈していることを疑う手掛かりになる。

2 ほかの記号も印字とずれる場合

「@」,「[」,「]」,「:」,「¥」,Shiftキーと数字キーの組合せなども印字と一致しない場合は,配列の不一致の可能性がさらに高くなる。

一方,一つのキーだけが反応しない場合は,キーボード本体の故障,専用ソフトによるキー割当て,又は個別のショートカット設定も確認する必要がある。

第3 IME・入力言語・キーボード配列の違い
1 IME

IMEは,ローマ字入力やかな入力から日本語へ変換する機能である。
Microsoft IME,日本語入力ソフト等の種類やキー設定を変更しても,Windowsが物理キーボードを英語配列として処理していれば,印字と入力のずれは残ることがある。

2 入力言語

タスクバーの入力表示が「ENG」等になっている場合は,英語入力が選択されている可能性がある。
Windowsキーを押しながらSpaceキーを押すと,登録済みのキーボードレイアウトが順に切り替わるため,日本語が選択されているかを確認する。

3 ハードウェアキーボードレイアウト

ハードウェアキーボードレイアウトは,物理キーの位置をどの配列として解釈するかという設定である。
Microsoftの資料では,PC/AT拡張キーボード(101/102キー)と日本語キーボード(106/109キー)が区別されている。

半角/全角キーを押してバッククォートが入力される場合は,IMEの設定だけでなく,このハードウェアキーボードレイアウトを確認する必要がある。

第4 設定を変える前に確認すること
1 症状を記録する

設定変更前に,次の事項を記録する。

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証券口座を乗っ取られたら―補償の確認,証拠保存と相談の進め方(AI作成)

目次

第1 最初に証券会社へ連絡し,口座の状態を確認する第2 ログイン履歴,取引記録と連絡の経過を残す第3 補償は申し合わせと各社の条件を分けて読む第4 不正な売買の総額を損失額と取り違えない第5 警察と相談窓口へ持参する情報を整理する第6 認証情報を見直し,補償を装う連絡にも注意する第7 関連する個別事案
第1 最初に証券会社へ連絡し,口座の状態を確認する

証券口座で身に覚えのない売買や出金を見つけたら,まず証券会社の公式窓口へ連絡し,被害拡大を防ぐ手続と,記録の保存を進める必要がある。
補償については,業界の申し合わせ,各社の個別の方針,自分の取引についての回答を分けて確認することが大切である。
本記事は令和8年10月30日を基準に,金融庁,日本証券業協会,警察庁等の公表に沿って対応を整理する。

不審なメールやSMSのリンクからではなく,あらかじめ登録した公式サイトや公式アプリなど,正規の経路で証券会社の連絡先を確認する。
金融庁の注意喚起も,メール等のリンクを使わず,公式サイトをブックマークして利用することを求めている。

連絡時には,身に覚えのない取引を発見した日時,口座,取引の内容,現在ログインできるかを伝えると整理しやすい。
取引や出金の停止,口座の保護,認証情報の変更について,利用できる手続とその影響を確認することを勧める。
ログインできない場合も,自力での復旧に時間を費やさず,証券会社へ連絡する。

口座から外部への出金がなくても,被害がないとは限らない。
金融庁は,保有株式等を勝手に売却し,その代金で国内外の小型株等を買い付ける手口を説明している。
出金履歴だけでなく,売買履歴,注文,保有銘柄の変化も確認する必要がある。

第2 ログイン履歴,取引記録と連絡の経過を残す

警察庁の不正アクセス対策は,確認できるログイン履歴の保存・印字と,サービス提供会社とのメール等の保存を案内している。
証券会社への連絡を遅らせず,手元で確認できる範囲の記録を並行して残しておく。

相談用の整理方法として,①不審なログインや通知,②身に覚えのない注文・約定・出金,③その前後の残高・保有銘柄,④証券会社との連絡,⑤被害前の認証設定や心当たりのあるメール,を時系列にまとめることを勧める。
これは相談を円滑にするための整理例であり,この資料が全てそろわなければ連絡や相談ができないという条件ではない。

画面を保存する際は,日時,対象口座,取引内容が分かる状態で残し,取引報告書等の原本データも保管するとよい。
電話については,連絡日時,担当部署,受付番号,伝えた内容と回答をメモしておくと,後の説明に役立つ。
推測した侵入原因と,自分が実際に確認した出来事は,分けて記載する。

第3 補償は申し合わせと各社の条件を分けて読む

日本証券業協会が令和7年5月2日に公表した10社の申し合わせは,同年1月以降の今般のフィッシング詐欺等による不正アクセス等について,約款等の定めにかかわらず,一定の被害補償を行う方針を示した。
一方,顧客のID・パスワード等の管理状況と,証券会社の注意喚起等を含む対策などを勘案し,個別の事情に応じて対応するとしている。
全ての証券会社が,あらゆる時期・原因の被害を無条件に全額補償するという内容ではない。

自分の利用する会社について,対象となる期間・取引・被害,申出の期限と方法,提出資料,損失の計算,補償の条件を,最新の公式案内で確認する。
回答が分かりにくい場合は,自分の取引のどの部分が対象又は対象外とされたのか,理由と計算の内訳を説明してもらうと,検討すべき点が具体的になる。

企業が任意に示す補償方針の紹介と,個別事件の法律上の請求が認められるかという判断は,分けて検討する必要がある。
本記事の一般的な手順だけから,証券会社の法的責任や,自分の請求額が確定するわけではない。
回答に納得できない場合は,契約・取引記録と会社の回答をそろえ,個別の相談へ進むことが考えられる。

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GMOサイバー攻撃は何罪か―恐喝未遂・不正アクセス・FX不正取引を分ける(AI作成)

目次

第1 公表事実,攻撃者の主張及び法律上の評価を分ける1 会社が認めたことと,まだ推定できないこと2 成立し得る罪の見取り図第2 金銭を払っていなくても恐喝未遂罪が問題になる1 情報公開を材料とする金銭要求2 脅迫罪・強要罪との関係第3 不正アクセスと認証情報の取得は別々に検討する1 不正アクセス禁止法の要件2 盗んだパスワードをまだ使っていない場合第4 マルウェアと業務妨害は,検出だけで決めない1 不正指令電磁的記録に関する罪2 電子計算機損壊等業務妨害罪第5 FX口座の不正取引と電子計算機使用詐欺罪1 損失の発生と,不法な利益の取得は別の要件2 取引記録の不正作成・供用第6 関与者,罪数及び情報拡散の評価1 関与した全員に同じ罪が成立するわけではない2 会社の警告と,個々の投稿の違法性第7 被害の記録と,今後の公表を読むときの確認事項

「お名前.com デスクトップクラウド」へのサイバー攻撃では,侵入,情報の取得,金銭の要求及びFX口座の不正取引を分けて犯罪の成立を検討する必要がある。
身代金を受け取っていなくても恐喝未遂罪が問題になり得るが,会社の公表だけから全ての罪の成立や実行者の身元を確定することはできない。

本記事は,令和8年10月30日を基準として,GMOインターネットの公表と日本の刑罰法規から,何が確認されればどの罪が問題になるかを整理する。
個別事件についての起訴内容や裁判所の認定を紹介するものではなく,以下の当てはめは公表事実を前提とする条件付きの検討である。

第1 公表事実,攻撃者の主張及び法律上の評価を分ける
1 会社が認めたことと,まだ推定できないこと

GMOインターネットは,第2報で悪意あるプログラムの検出とサーバー停止の経緯を説明し,第4報ではセキュリティ上の問題,不正アクセス及び顧客情報の外部流出を認めている。
第4報には,一部の利用者から不正取引の報告を受けたことも記載されているが,個々の取引の実行者,権限の使われ方及び利益の帰属は,別に確かめる必要がある。
出典:第2報,第4報。

2万6739台という数は,不正アクセスの影響を受けた可能性があるサーバーの数である。
全台の情報流出や,その数の利用者の被害が確認されたという意味ではない。
70社以上の証券・FX会社に関する記述も,攻撃者の要求・主張を紹介する文脈を外し,全社のシステムへの侵入が確認されたという意味に読み替えることはできない。

第14報は,調査を進めている利用者の手元のPCについて,マルウェアやランサムウェアの痕跡が確認されていないと説明している。
侵害されたクラウド環境と,調査した手元のPCは別の対象であり,クラウド側での検出と直ちに矛盾するものではない。
出典:第14報。

2 成立し得る罪の見取り図
行為主に検討する罪個別に確認すべきこと無断で認証を突破し,利用できる状態にする不正アクセス禁止法違反アクセス制御,ネットワーク経由の操作,承諾の有無金銭を払わなければ情報公開等をすると告げる恐喝罪・恐喝未遂罪要求と害悪告知の内容,相手への到達,財物・利益の交付との関係マルウェアを作成・提供・実行させる不正指令電磁的記録に関する罪プログラムの内容,目的,作成・提供・供用等の行為コンピューターの正常な処理を妨げる電子計算機損壊等業務妨害罪異常な処理,業務妨害,両者の因果関係無断の取引等により自分又は他人に財産上の利益を得させる電子計算機使用詐欺罪等不実の記録,財産上の利益の取得及び故意権利義務等の証明に使う記録を不正に作成・使用する電磁的記録不正作出・供用罪記録の性質,事務処理を誤らせる目的,作出・供用の事実

この表は,現在分かっている罪名を積み上げたものではない。
同じ事件でも,侵入した者,マルウェアを提供した者,金銭を要求した者及び不正取引をした者が同一かどうかを確認する必要がある。

第2 金銭を払っていなくても恐喝未遂罪が問題になる
1 情報公開を材料とする金銭要求

刑法249条は,人を恐喝して財物を交付させる行為や,財産上不法の利益を得る行為等を処罰し,250条は未遂も処罰する。
「払わなければ盗んだ情報を公開する」という金銭要求についても,要求の内容や態様,相手方に与える害悪などから恐喝に当たるかを検討する。
恐喝罪の法定刑は10年以下の拘禁刑である。

会社が支払わず,実際の交付や利益取得に至っていなくても,恐喝の実行に着手していれば未遂罪が成立し得る。
暗号化をしていないことだけで,情報の公開を材料とする恐喝の可能性がなくなるわけでもない。
ただし,第三者が見付けた投稿や要求らしい文言があるだけで,誰にどのような要求が届き,どの段階まで実行されたかを確かめずに成立を断定することはできない。

GMOインターネットの第12報は要求に応じない方針を示し,第16報は攻撃・脅迫行為への刑事告訴を含む法的対応の方針を説明している。
これらは会社の対応方針を示す資料であり,捜査機関や裁判所が恐喝罪の成立を認定した資料とは区別する。

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サイバー被害の公表と金融不安をあおる投稿の読み方―事実・時系列・補償・予測を分ける(AI作成)

目次

第1 数字より先に、誰が何を確認したかを読む第2 対象数と被害確認数、脅迫内容と実行済みの被害を分ける1 26,739件は何を数えた数字か2 70社超のシステムが侵害されたという意味か第3 公表の更新と出来事の順序をそろえる第4 見舞金、補償条件、被害拡大防止を別に確認する第5 被害情報から金融移行の予測へ進むときに確認すること第6 サイバー被害の統計は期間、母集団と単位をそろえる1 報告書の順位は何を観測したものか2 不正アクセス件数、不正取引件数と損失額を分ける第7 当局のリスク分析とアンケートを区別する1 リスクの指摘を危機の発生断定へ変えない2 FRB報告書の50%は危機の発生確率か3 ストレステストの22%は現在の破綻率か
第1 数字より先に、誰が何を確認したかを読む

サイバー被害のニュースに、銀行の停止、金融制度の変更、特定サービスの宣伝が結び付けられることがある。企業の被害公表に書かれた事実と、投稿者がそこから導いた予測を分けることが、判断の出発点になる。

例えば、GMOインターネットグループとGMOインターネットが公表した「お名前.com デスクトップクラウド」の不正アクセスでは、公表の更新とともに、把握された事実と説明の範囲が変わっている。
本稿は、令和8年10月の同社の公表等を例に、事実、調査中の事項、公表主体の評価と投稿者の推測を分ける読み方を整理する。
被害状況や補償手続の最新案内を網羅するものではない。

企業の公表を読む際には、①企業が調査で確認したこと、②利用者から申告を受けたこと、③攻撃者とみられる者が主張・要求していること、④調査中のこと、を別々に書き出すとよい。公表したという事実と、公表内容のすべてが第三者によって検証されたということも分けて扱う。

本稿の従前の整理に加え、令和8年10月30日時点の追補として、第12報・第14報・第16報を中心に、補償の区分、調査対象及び会社の法的対応方針を確認する。
以下の追補は会社の公表の読み方を示すもので、個別の被害や犯罪の成立を独立して認定するものではない。

令和8年10月27日の第12報は、一律5000円の見舞金、不正取引による損失の補償とは別に、流出情報の公開が確認された場合の特別見舞金を説明している。
具体的な条件と補償の区別は、お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスとFX損失の記事を参照されたい。

第2報のクラウド環境での悪意あるプログラムの検出と、第14報の調査中の利用者PCで痕跡が確認されていないという説明は、調査対象が異なる。
後者を全利用者PCの安全確認に広げたり、前者と矛盾するという理由だけでどちらかを虚偽と決めたりすることはできない。

第16報は、情報提供を受けて内容の確認・精査を進めていることや、攻撃・脅迫行為への刑事告訴を含む法的対応の方針を説明している。
情報提供の件数、捜査協力及び特定に役立つ情報の取得を、犯人の検挙や有罪認定と同一視しないことも必要である。

出典:GMOインターネット第2報、第12報、第14報及び第16報。
成立し得る罪と確認すべき事実は、GMOサイバー攻撃の刑事責任の記事で分けて検討する。

第2 対象数と被害確認数、脅迫内容と実行済みの被害を分ける
1 26,739件は何を数えた数字か

第3報は、影響の可能性があるサーバーを26,739件としている。その直後に、対象となり得るサーバー数であって、不正アクセスや情報取得が確認された件数ではないと説明している。したがって、この数字を漏えいが確定した利用者数や、不正取引の被害者数として扱うことはできない。

数値をメモするときは、件数だけでなく、単位、対象期間、確認段階を一緒に残す。「可能性がある」という限定を落とすと、公表の意味が変わる。

2 70社超のシステムが侵害されたという意味か

第4報には、国内外の70を超える証券会社・FX会社等に開設された利用者の取引口座に対する不正操作の継続、情報の不正公開、ランサムウェア攻撃の実行等が記載されている。これは、攻撃者とみられる者から受けた金銭要求と、要求に応じない場合の行為を説明する箇所に置かれている。

この記載だけで、70社超の証券会社・FX会社のシステム自体がすべて侵害されたことや、列挙された攻撃がすべて実行済みであることまでは示されない。取引口座への不正操作と、口座を提供する金融機関のシステムへの侵入は、区別して読む必要がある。

第3 公表の更新と出来事の順序をそろえる

10月21日の初報は、不正プログラムの設置と情報閲覧の可能性を述べる一方、その時点では個人情報漏えいや閲覧情報の悪用を確認していないとしていた。これに対し、10月24日の第4報は、サービス環境への不正アクセスと情報の外部持出しを確認したと公表している。初報だけで、その後も漏えい未確認だったと説明することはできない。

別の注意点は、報道日と取材対象の出来事の時期である。ITmediaの展示会取材記事は、10月21日から23日の展示会の初日に複数の出展企業へ話を聞き、9月下旬以降の問い合わせ増加や、経営層からの相談の増加を報じている。GMO事件の第4報が記す調査開始日は10月19日である。

9月下旬からの問い合わせ増加を、その後に公表されたGMO事件の脅迫報道だけによる変化と説明するには、根拠が足りない。取材先で観察された変化を、全国の企業や経営者全体の実態へ広げる際にも、別の裏付けが必要になる。

投稿にある「今日」「明日正午」「数週間前」は、元の投稿日と時刻、タイムゾーンが分からなければ、具体的な日時へ置き換えられない。転載や翻訳を読むときには、読む側の今日を基準に期限や出来事を判断しないことが大切である。

10月29日の第15報も、確認の段階を読む例になる。

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自社サーバーが乗っ取られて他社への攻撃に使われたら―不法行為責任,裁判例,警察からの通知及び事前の備え(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象と基準日2 結論第2 踏み台にされるとはどういうことか1 乗っ取られたサーバーの使われ方2 公的機関の資料の記載第3 被害を受けた他社への不法行為責任の枠組み1 民法709条2 過失の中身3 因果関係と損害4 契約関係がある相手との違い第4 裁判例1 東京地裁令和3年3月10日判決2 東京地裁平成29年9月15日判決3 責任を認めた裁判例は見当たらない第5 警察から命令・通知が届く場合1 警察官職務執行法6条の22 通知の方法3 通知を受けたときに確認すること第6 事前の備え1 法律上の努力義務2 社内規程と外部への義務を分けて考える3 ログを残す4 委託契約で役割を決める第7 関連記事第8 出典1 法令2 裁判例3 公的機関の資料4 脆弱性の修正の公式発表
第1 本記事の対象と結論
1 対象と基準日

ウェブサイトやサーバーが外部から乗っ取られ,他の組織への攻撃の中継地点として使われることがある。
このように,攻撃者が自分の身元を隠すために他人の機器を経由させることを,一般に「踏み台」という。
令和8年10月には,PHP,Node.js,Java及びGitLabで深刻度の高い脆弱性の修正が相次いで公表された。

本記事は,自社のサーバーが踏み台にされ,その結果として他社に損害が生じた場合に,サーバーの管理者が被害を受けた他社に対して損害賠償責任を負うかを,民法の条文,裁判例及び公的機関の資料から整理するものである。
基準日は令和8年10月25日である。
条文はe-Gov法令検索で現行の版を確認し,裁判例は判例秘書で本文を確認するとともに,裁判所ウェブサイトの裁判例検索で掲載の有無を調べた。

2 結論

①踏み台にされたサーバーの管理者が被害を受けた他社に負う責任は,契約関係がなければ,主に民法709条の不法行為の問題であり,乗っ取られたという事実だけで責任が決まるわけではない。
②責任が問われるのは,管理者に過失がある場合であり,後記の裁判例のように,被害を受けた側が,管理者の採るべきだった具体的な対策と,その対策を怠ったことと損害との因果関係を主張・立証することになる。
③東京地裁令和3年3月10日判決は,インターネット上に拡散されていた学生のID等を使って第三者がログインし,掲示板に原告の名誉を毀損するとされる記事を投稿した事案で,内部のセキュリティポリシーの違反は直ちに第三者に対する不法行為上の義務違反にならないとし,管理者の責任を否定した。
④本記事の基準日までに裁判所ウェブサイトと判例秘書で確認した範囲では,踏み台にされたサーバーの管理者に第三者への損害賠償責任を認めた裁判例は見当たらない。
⑤もっとも,国の資料は,取引先等の対策が不十分であると,そこを踏み台にして自社が攻撃され,その結果,他社の二次被害を誘発して加害者となるおそれがあると指摘しており,令和8年10月1日からは,一定の要件の下で,警察が攻撃に使われているサーバーの管理者に措置を命じ,又は自ら措置をとって通知する制度も始まっている。
⑥管理者としては,更新と監視を続けること,社内規程と委託契約で役割を決めておくこと,ログを残しておくことが,被害を防ぐとともに,後に責任を問われたときの説明の材料にもなる。

第2 踏み台にされるとはどういうことか
1 乗っ取られたサーバーの使われ方

攻撃者は,脆弱性を突いたり,流出したIDとパスワードを使ったりして,他人のサーバーに侵入する。
侵入したサーバーは,そのサーバーの情報を盗む目的だけでなく,別の組織への攻撃の中継やコンピュータウイルスの配布のために使われることがある。
攻撃を受けた側から見ると,攻撃の通信は乗っ取られたサーバーから来ているので,そのサーバーの管理者が加害者のように見える。

2 公的機関の資料の記載

情報処理推進機構(IPA)は,令和6年7月5日の注意喚起「PHPの脆弱性(CVE-2024-4577)を狙う攻撃について」で,国内の複数の組織のウェブサービスに不正な操作を行うプログラムが設置されていたとの指摘を紹介し,そこから組織内への侵入が試みられたり,他の組織への攻撃の踏み台として使われたりするおそれを説明している。
この注意喚起の対象は,Windows上で動作するPHPであり,踏み台の説明も攻撃の手口一般の説明である。

経済産業省とIPAの「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0」は,指示9の「対策を怠った場合のシナリオ」で,取引先等の対策が不十分であると,「これらの企業を踏み台にして自社が攻撃されることもある。その結果、他社の2次被害を誘発し、加害者となるおそれもある」としている。
国家サイバー統括室の「サイバーセキュリティ関係法令Q&Aハンドブック」Ver3.0のQ53も,サプライチェーンのリスクとして,他社の二次被害を誘発して加害者となるおそれを挙げている(296頁)。
いずれも,企業が想定すべきリスクの説明であり,踏み台にされた企業が法的にどのような要件で損害賠償責任を負うかを述べたものではない。

IPAの「ウェブサイト運営者のための脆弱性対応ガイド」(第3版第2刷,平成29年3月)も,運営者が利用者から訴訟の対象とされ得ることや,サイトを止めたことで取引先から契約により損害賠償を求められ得ることを説明する一方,コンピュータウイルスを撒き散らす「加害者」となった場合については,社会的責任を果たしていないと非難されるとするにとどまる(5頁)。

第3 被害を受けた他社への不法行為責任の枠組み
1 民法709条

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お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスでFX口座に損失が出たら―GMOの補償,FX会社との関係と利用規約の免責条項(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と基準日第2 GMOが公表した事実と,公表されていないこと1 経緯2 影響範囲の数字の読み方3 第4報で同社が認めたこと4 公表されていないこと第3 GMOの見舞金と損失補償の内容1 見舞金2 不正取引による損失の補償3 補償の範囲と法律上の損害賠償の範囲は同じではない4 補償を装う連絡に注意する第4 FX会社との関係―不正な取引は誰の取引か1 本人の意思によらない取引の効果2 本人に責任を負わせる外観法理3 FX会社の認証の仕組み4 FX会社の約款の免責条項5 海外のFX業者の口座だった場合第5 GMOに対する法的責任と利用規約1 利用規約の免責条項と責任の上限2 消費者である利用者の場合3 事業者会員の場合4 同社の責任を判断するために必要な事実第6 被害を受けた利用者が今すること第7 よくある質問1 被害がなくても見舞金は受け取れるか2 含み損や,取引で得られたはずの利益も補償されるか3 海外のFX業者の口座でも補償の対象になるか4 利用規約に「責任を負わない」とあれば請求できないか第8 出典
第1 本記事の対象と基準日

GMOインターネット株式会社が提供するFX自動売買向けの仮想デスクトップサービス「お名前.com デスクトップクラウド」が第三者による不正アクセスを受け,利用者の取引口座で身に覚えのない取引が行われたとの報告が同社に寄せられている。
本記事は,この事案で取引口座に損失が出た利用者が,同社の補償,FX会社との関係,利用規約の免責条項をどう整理すればよいかを扱う。

初稿の基準日は令和8年10月25日であり,今回の追補の基準日は同月30日である。
以下の初稿の事実関係は,同社が令和8年10月21日から同月24日までに公表した第1報から第5報まで,同社の同月23日・24日の適時開示及びGMOの代表者の同月25日付公式ブログに基づいて記載する。
その後,同月27日の第12報と同月29日の第15報による追記を加え,従前の経緯・補償方針の説明と,その後に公表された特別見舞金等を,発表時点が分かる形で記載している。
補償の申請方法等について,第4報では同年11月6日までに案内する予定とされていたが,予定の記載と,その後に案内・支払が実施されたこととは区別する必要がある。

本記事は同社の調査・報告の内容を紹介するものであり,被害の全容,侵入経路又は個々の取引と不正アクセスとの因果関係を独立して認定したものではない。
能動的サイバー防御の要請については,能動的サイバー防御は企業の要請で発動するのか―GMOの公表事案と政府の判断を分けて読む(AI作成)で扱っている。

第2 GMOが公表した事実と,公表されていないこと
1 経緯

同社の第4報によれば,経緯は次のとおりである。

①令和8年10月19日,利用者からの問合せを受けて調査を開始した。
②同月20日,不正なプログラムの設置を確認し,新規申込みとコントロールパネルを停止した。
③同月21日午前4時,被害拡大防止のため全プランのサーバーを順次停止し,第1報を掲載した。
④同日以降,取引口座での身に覚えのない操作等の報告を受け付けた。
⑤同月22日,警察に相談した。

2 影響範囲の数字の読み方

同社は,影響の可能性があるサーバーを26,739件としている。
もっとも,第3報はこの数について「上記は対象となり得るサーバー数であり、不正アクセスまたは情報取得が確認された件数ではありません。」と注記している。
この数を,情報が流出した件数や被害者の数と読むことはできない。

同社は,決済情報(クレジットカード情報を含む。)を本サービスのサーバー上で保有していないと説明する一方,「他方、お客様ご自身がサーバー内に保存された情報は、影響範囲に含まれます。」としている。
同社は,影響の可能性がある情報として,取引ツール等に保存された取引口座のログイン情報等を挙げている。

3 第4報で同社が認めたこと

第1報(令和8年10月21日午前4時時点)は,同社が預かる個人情報の漏えいや,閲覧された情報が悪用された事実は確認されていないとしていた。
これに対し,第4報(同月24日午前11時50分時点)は,「本サービスのシステムにセキュリティ上の問題が存在し、本サービスの環境に対する不正なアクセスと、お客様の情報が外部に持ち出された事実を確認しております。」と述べている。
同じ第4報は,一部の利用者から取引口座での身に覚えのない取引の報告を受けているとしている。

同社は,10月27日の第12報で,自分の情報が公開されたことを同社が確認した利用者に対する特別見舞金を公表し,確認した対象者には個別に連絡すると説明した。
同社による確認・連絡の説明であり,全利用者の情報公開が確認されたことを意味しない。

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北朝鮮の紅星OSとは―写真・文書の透かしと監視機能を一次研究から読む(AI作成)

目次

第1 紅星OSについて何が確認されているか1 調査対象の版と時点2 監視という一語にまとめない第2 写真・文書への透かし1 見える画像とは別の場所に記録を加える2 複数の端末の記録が累積する第3 検査機能と自己保護1 複数の処理を組み合わせた構成2 外部送信が見付からないことの意味第4 透かしから人物を特定するまでの限界1 原研究が明記する制約2 技術的可能性と現実の運用第5 2026年のAI解析動画をどう読むか1 先行研究の紹介と今回の実験を分ける2 AIの説明と動作確認の役割第6 解析を依頼するときと証拠を受け取るとき1 対象を操作する前の保全2 解析する権限と外部AIの条件第7 出典
第1 紅星OSについて何が確認されているか
1 調査対象の版と時点

紅星OS(Red Star OS)の監視機能を考える際は,調査対象となった版と,確認された動作の範囲を先に押さえる必要がある。
2015年の研究者による報告は,紅星OS 3.0を対象に,ファイルへの透かし,パターン検査及び関連する処理の保護等を説明している。
旧版の調査結果から,現在の北朝鮮の全端末が同じ状態で動いていると判断することはできない。

本記事は,Niklaus Schiess及びFlorian Grunowの発表資料「Lifting the Fog on RedStar OS」,研究者本人の公開記事,並びにSchiessの論文「Governmental Control of Digital Media Distribution in North Korea: Surveillance and Censorship on Modern Consumer Devices」を主な根拠とする。
令和8年10月24日公開のAI解析動画については,先行研究の説明と動画作者自身の実験報告を分けて読む。

2 監視という一語にまとめない

ファイルの内容を検査すること,端末の識別情報をファイルに残すこと,関連する処理を停止・改変から保護すること,通信で外部へ送ることは,別の機能である。
ある機能を確認したことだけで,他の全機能の存在や,政府による実際の運用まで確認したことにはならない。

研究者自身の報告は次の公開記事と発表資料で確認できる。
https://insinuator.net/2015/07/redstar-os-watermarking/
https://insinuator.net/2015/12/dprks-redstar-os-on-32c3/
https://raw.githubusercontent.com/takeshixx/redstar-tools/master/RedStar_OS_32c3.pdf

第2 写真・文書への透かし
1 見える画像とは別の場所に記録を加える

発表資料PDF実頁23頁~24頁(スライド番号24~25)は,ファイルへの透かしと,ハードディスク由来の識別情報を用いる仕組みを説明している。
JPEGやAVIの末尾への追記,DOCXの先頭付近への挿入など,形式によって記録する場所が異なる。
見た目の写真や文書が同じでも,ファイル全体のビット列が同じとは限らない。

2015年7月の研究者本人の記事には,USB上のDOCXを紅星OSから利用可能な状態にした実験で,文書を開かずにファイルが変更されたとの報告がある。
したがって,「閲覧ソフトで開いていないから証拠対象は変わらない」という前提は置けない。
これは当該研究の対象版・条件での報告であり,全てのOSやファイル形式に同じ動作が生じるという意味ではない。

2 複数の端末の記録が累積する

発表資料PDF実頁28頁(スライド番号29)は,ファイルが異なる環境を経由した際に記録が累積する例を示している。
この仕組みは,通信による外部送信とは別に,ファイルそのものに経由した端末の手掛かりを残す方法として理解できる。

ただし,ファイルに記録があることと,その記録を誰がどの機会に回収・照合したかは別の問題である。
記録の存在だけから,特定の人物が実際に摘発されたという事実を補うことはできない。

第3 検査機能と自己保護
1 複数の処理を組み合わせた構成

(続きを読む...)北朝鮮の紅星OSとは―写真・文書の透かしと監視機能を一次研究から読む(AI作成)

CLOUD法とは―日本国内のクラウドデータも米国の開示命令の対象になるのか(AI作成)

目次

第1 国内サーバーという条件だけでは判断できない1 結論2 保存場所,契約相手及びデータへの支配は別である第2 CLOUD法による国外データの扱い1 対象事業者とデータの関係2 国内保存の意味がなくなるわけではない第3 開示手続と本人への通知1 情報の種類と手続を区別する2 必ず事前通知されるとは限らない第4 ガバメントクラウドの政府説明と評価の限界1 日本側の対策は公表資料に即して読む2 国産・外資の名称だけで結論を出さない第5 暗号化と学習オフは別の問題を扱う1 暗号化の有無から一歩進んで確認する2 生成AIの学習利用の停止と政府開示を分ける第6 導入・見直しの際に残す確認記録第7 関連記事と出典
第1 国内サーバーという条件だけでは判断できない
1 結論

日本国内のサーバーに保存したデータであっても,その所在だけを理由に米国の法的手続による開示対象から外れるとは限らない。
CLOUD法によって設けられた米国法18 U.S.C. §2713は,対象事業者の保有・管理・支配の下にある情報について,米国内外の所在にかかわらず,同章による保存,バックアップ又は開示の義務に従うと定めている。

もっとも,この規定は,米国政府があらゆる日本のデータへ自由にアクセスできるという意味ではない。
どの事業者が米国の管轄に服するか,その事業者が対象データを保有・管理・支配しているか,どの情報についてどの手続が用いられるかを分けて確認する必要がある。

条文の確認先は米国下院法制局が提供する合衆国法典である。
以下は,令和8年10月24日に確認した同サイトの条文と米司法省の説明等を基に,クラウドを利用する企業,自治体及び法律事務所の確認事項を整理するものである。
https://uscode.house.gov/us/usc/119-118/t18/s2713/

2 保存場所,契約相手及びデータへの支配は別である

クラウドサービスの契約相手が日本法人であること,サーバーが日本にあること,海外の関連会社が運用に関与することは,それぞれ異なる事情である。
導入時には,契約書に記載された相手方だけでなく,保存,運用,障害対応,再委託及び鍵管理に関与する主体を確認したい。

たとえば,顧客の画面で選ぶ保存地域が日本でも,国外の事業者が管理権限を持つ場合と,利用者だけが復号鍵を管理し事業者が内容へアクセスできない場合とでは,検討すべき条件が異なる。
これは契約・技術構成を調べるための例であり,特定のサービスの構成や法的結論を示したものではない。

第2 CLOUD法による国外データの扱い
1 対象事業者とデータの関係

§2713が対象とするのは,電子通信サービス又はリモートコンピューティングサービスの提供者である。
条文は,通信内容その他の記録・情報が事業者の「possession, custody, or control」にあることを条件としている。
単に同じ企業グループに属するという説明だけで,個々の法人とデータへの支配関係の検討を省略することはできない。

米司法省のFAQのQ24~Q25も,米国の管轄とデータへの支配を分けて説明している。
その説明によれば,米国本社企業だけを対象とする制度ではなく,逆に,米国との関係があるという一事だけで全ての法人・データが同じ扱いになるともいえない。
FAQは執行当局の説明であり,特定の事件での裁判所の判断と同一視しないことも必要である。
https://www.justice.gov/d9/pages/attachments/2019/04/10/cloud_act_white_paper_faqs_2.pdf

2 国内保存の意味がなくなるわけではない

§2713から導けるのは,保存場所だけで同章上の義務を免れられるとは限らないという点である。
国内保存が無意味であるという結論ではない。

保存地域は,運用体制,障害対応,国外からのアクセス,再委託及び契約上の管理条件と併せて評価する事項である。
「国内保存だから全て安全」「米国法の問題があるから国内保存に意味がない」という二択では,実際に減らせるリスクと残るリスクを見分けられない。

第3 開示手続と本人への通知

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書記官事務のデジタル化で何が変わるか―3つの検討視点と定型・非定型事務(AI作成)

目次

第1 書記官事務のデジタル化で見直すもの第2 書記官事務を検討する3つの視点1 よい裁判をするために必要・有益な事務か2 書記官でなければできない事務か3 書記官が行うことが相当な事務か第3 定型的な事務と非定型的な事務の違い1 システムを利用した定型的な事務2 審理運営に密接に関わる非定型的な事務第4 裁判官との協働と首席書記官の役割1 システムに合わせて従来の作業を移すだけでは足りない2 実践結果を共有し,継続して見直す第5 令和8年5月以降の制度・通達との関係1 検討資料と,実施された通達を読み分ける2 mintsの義務化はいつからか第6 書記官事務のデジタル化に関する疑問1 デジタル化すると書記官の仕事はなくなるのか2 事務官と書記官の違いは何か第7 出典・関連資料1 業務整理の検討資料2 現在の職務・制度・通達
第1 書記官事務のデジタル化で見直すもの

書記官事務のデジタル化は,紙の記録や従来の作業を,そのままシステムに置き換えるだけの問題ではない。
どの事務が裁判に必要か,誰が担当するのが適切か,裁判官と書記官がどう協働するかを,事務の目的から考え直す問題でもある。

当ブログで公開している令和6年度の開示資料は,検討の視点を3つ示した上で,事務を「システムを利用した定型的な事務」と「審理運営に密接に関わる非定型的な事務」に大別している。
本記事では,この整理の意味と,令和8年5月以降の制度・通達との関係を説明する。【資料1・PDF実頁2,4~6】

ここでいう令和6年度は掲載ファイル名の表示による。
資料に記された導入予定や整備目標は,当時の検討経過として読み,現在の実施状況とは区別する。

第2 書記官事務を検討する3つの視点
1 よい裁判をするために必要・有益な事務か

第1の視点は,その事務が,よい裁判のために必要又は有益かという点である。
資料は,合理性や効率性も含めて検討することを求めている。

従来から続いている作業でも,目的と効果を説明できるかを確かめる必要がある。
例えば,記録の確認や情報共有という目的が同じでも,電子記録を利用できる場面で,紙の取扱いと同じ工程を重ねる必要があるかは別に検討することになる。
この例は,資料の検討視点を実務に当てはめた説明であり,個々の作業の廃止を定めたものではない。

2 書記官でなければできない事務か

第2の視点は,その事務に,書記官の法的素養や,事件手続・実務慣行に関する知識と経験が必要かという点である。
システムの操作を伴うというだけで,書記官の専門性が不要になるとはいえない。

裁判所の公式説明でも,書記官は,調書作成等のほか,裁判官と連携して訴状の補正や期日の準備を促すなど,訴訟の進行を支える役割を担っている。
操作の手順と,その操作を行うための手続上の判断を分けて考えることが必要である。【資料1・PDF実頁2,4/資料2】

3 書記官が行うことが相当な事務か

第3の視点は,裁判官と書記官の役割を踏まえ,その事務を誰が行うのが相当かという点である。
書記官にできる作業であることと,書記官が担当するのが適切であることは,同じではない。

裁判官と書記官が,必要な情報,準備の内容,担当する範囲を話し合うことが重要になる。
協働を進めることによって,裁判内容の判断主体まで入れ替わるわけではない。【資料1・PDF実頁2,4~5】

第3 定型的な事務と非定型的な事務の違い
1 システムを利用した定型的な事務

資料は,受付,送達,通知,手数料,記録等の事務を,システムを利用した定型的な事務の例として挙げている。
これらについては,システムの機能を踏まえ,事務処理の流れや取扱いを整理し,共通の手順や執務要領につなげる方向が示されている。

ただし,「定型的」であることは,すべてを自動処理できることや,手続上の点検が不要になることを意味しない。

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Web制作・保守会社にPHPを更新する責任はあるか―保守契約の範囲,サポート終了版,責任制限条項と重過失(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象と基準日2 結論第2 前提となるPHPのサポート期間と今回の修正第3 制作・保守の契約の性質1 請負と準委任2 IPA・経済産業省のモデル契約第4 前橋地裁令和5年2月17日判決1 事案2 債務の内容の決め方3 構築時の設定の不備は債務不履行4 保守契約上の修正義務は認めなかった5 責任制限条項と重過失6 損害の範囲第5 東京地裁令和5年2月27日判決(新たな脆弱性への追従)第6 責任制限条項と重過失についてのモデル契約の考え方第7 PHP2Shellの場面への当てはめ1 保守契約にPHPの更新や脆弱性対応が含まれている場合2 保守の範囲が曖昧な場合3 サポート終了版を使い続けている場合4 レンタルサーバーのPHPの場合第8 契約で決めておくこと第9 関連記事第10 出典1 法令2 裁判例3 モデル契約とIPAのガイド4 PHPの資料
第1 本記事の対象と結論
1 対象と基準日

令和8年10月21日,PHPの開発チームは,認証を受けていない第三者による遠隔コード実行につながり得る二つの重大な脆弱性(CVE-2026-109618及びCVE-2026-109619)を修正した版を公開した。
本記事は,ウェブサイトを発注した事業者と,制作会社・保守会社との間で,PHPの更新や脆弱性への対応を誰が行う義務を負うか,放置して侵害された場合に損害賠償責任や責任制限条項がどう扱われるかを,民法,裁判例及び情報処理推進機構(IPA)と経済産業省のモデル契約から整理するものである。
基準日は令和8年10月23日である。
民法の条文はe-Gov法令検索で現行の版を確認し,裁判例は裁判所ウェブサイトの裁判例検索に掲載された判決の全文で確認した。
修正版への更新の手順は,PHPの緊急セキュリティ更新とWordPress保守―法律・税理士事務所の確認,バックアップ,互換性試験及び復旧手順で扱っている。

2 結論

①制作会社・保守会社がPHPの更新をする義務を負うかは,契約書だけでなく,提案書・仕様書・保守の手引書等を含めた合意の内容で決まる。
②前橋地裁令和5年2月17日判決は,構築を受託した会社がファイアウォールを全ての通信を許可する設定のまま引き渡したことを債務不履行とし,責任を契約金額までに限る条項は重過失があるときは適用されないとして,約1億4300万円の賠償を命じた。
③他方,同じ判決は,保守契約に基づく修正の義務については,契約や保守手引書を見てもその修正が保守契約の対象かどうか判然としないとして,債務不履行を認めなかった。
保守契約があるだけで,PHPの更新まで当然に保守会社の義務になるとはいえない。
④東京地裁令和5年2月27日判決(ベネッセの個人情報漏えい)は,システムの保守・運用を担う会社に,技術の進歩に伴って新たに生じた脆弱性に対応して設定を見直す注意義務を認めた。
⑤PHPの公式発表が直ちの更新を求めた今回のような場面で,更新が保守の範囲に入っていながら放置した場合は,重過失として責任制限条項が働かないと判断される可能性がある,と本記事では考える。
⑥発注者は,保守の範囲(ミドルウェアの更新,脆弱性情報の収集と対応,サポート終了版の移行)と対応の期限を契約で具体的に定めておく必要がある。

第2 前提となるPHPのサポート期間と今回の修正

PHP公式の「Supported Versions」によれば,各系列は最初の安定版の公開から2年間は全面的にサポートされ,その後の2年間は重大なセキュリティ問題についてだけサポートされ,合計4年でサポートが終了する。
令和8年10月22日時点の表では,8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日まで,8.3は2027年12月31日まで,8.4は2028年12月31日まで,8.5は2029年12月31日までとされている。
8.1は2025年12月31日にサポートが終了し,最終版は8.1.34である。

今回の修正版は,8.5.12,8.4.27,8.3.36及び8.2.35である。
PHP公式は,8.1以前はPHPプロジェクトからの更新を受けないとしつつ,今回は深刻さに鑑みて,ソースから構築する利用者等のために7.4,8.0及び8.1への最小限の修正を示した。
また,Linuxのディストリビューションや長期サポートを提供する事業者の中には,修正を取り込んだ独自の版を提供するものがある。
サポートの終了した版のPHPを使っているサイトでは,今回の修正を当てるだけでなく,サポート対象の版へ移行する作業が必要になる。

PHP Foundationが10月21日に公表した報告によれば,Linuxのディストリビューションや長期サポートを提供する事業者は,利用者が速やかに更新できるよう,修正を事前に受け取っていた。
他方で,同じ報告は,Chainguardが協調公開の6時間以上前に,公開前の情報の取扱いの取決め(エンバーゴ)を一方的に破って修正を含むイメージを公開したとしている。
保守を委託する側から見ると,委託先が脆弱性の情報を事前に受け取れる立場にあるか,受け取った情報をいつ,どの範囲で使えるかによって,対応を始められる時刻が変わる。
そのため,保守契約や秘密保持の取決めでは,事前通知の受領と利用の範囲,早期の公開を認める例外の条件及びその場合の通知の方法を,あらかじめ明文で定めておくことが望ましいと考えられる。

【令和8年10月24日追記】PHP公式の10月23日付追加告知には,特定のセッション設定とコードの組合せについての注意もある。
保守の範囲や対応期限を検討するときは,版番号だけで完了とせず,対象環境の条件とその後の公式情報も確認する。

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脆弱なPHPを使っていただけで漏えい等報告は必要か―PHP2Shellと個人情報保護法26条,施行規則7条3号の「おそれ」及び本人通知(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象と基準日2 結論第2 今回の脆弱性で報告の判断に関係する点第3 報告・通知の対象となる事態1 個人情報保護法26条と施行規則7条2 「おそれ」の意味3 サイバー攻撃について示された例4 マルウェアを検知しただけでは直ちに「おそれ」とはしない第4 PHP2Shellの場面への当てはめ1 調べても痕跡が見つからない場合2 侵入の痕跡が見つかった場合3 ログが残っておらず判定できない場合4 メモリーの開示とパスワード5 第三者から連絡を受けた場合第5 報告・通知の期限と内容1 速報2 確報3 本人への通知第6 レンタルサーバー・クラウド・保守会社が関わる場合1 サービス事業者側への攻撃も対象になり得る2 サービス事業者が個人データを取り扱わない場合3 保守会社とパッチの適用第7 報告とは別に問われる安全管理措置第8 事業者が確認すること第9 関連記事第10 出典1 法令2 個人情報保護委員会の資料3 PHPの脆弱性に関する資料
第1 本記事の対象と結論
1 対象と基準日

令和8年10月21日,PHPの開発チームは,認証を受けていない第三者による遠隔コード実行につながり得る二つの重大な脆弱性(CVE-2026-109618及びCVE-2026-109619。発見者等は「PHP2Shell」と呼んでいる)を修正した版を公開した。
本記事は,修正版を適用する前の期間に,脆弱な版のPHPで個人データを扱うウェブサイトを運営していた事業者が,個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)26条による個人情報保護委員会への報告と本人への通知をしなければならないかを整理するものである。
基準日は令和8年10月23日である。
条文はe-Gov法令検索で現行の版(個人情報保護法は令和8年10月1日施行の版,同法施行規則は令和8年6月14日施行の版)を確認し,個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は令和8年6月一部改正の版,Q&Aは令和7年7月1日更新の版によった。
PHPの修正版と更新手順は,PHPの緊急セキュリティ更新とWordPress保守―法律・税理士事務所の確認,バックアップ,互換性試験及び復旧手順で扱っている。

2 結論

①漏えい等報告の対象は,個人データの漏えい等が「発生し、又は発生したおそれがある事態」であり,脆弱なソフトウェアを使っていたことそのものではない。
②個人情報保護委員会がサイバー攻撃について「おそれ」に当たり得る例として挙げるのは,窃取の痕跡,情報を窃取するマルウェアの感染,指令サーバーへの通信,入力ページの改ざんの痕跡,第三者からの根拠のある連絡といった具体的な兆候である。
③したがって,本記事では,侵入の痕跡を調べても見つからず,第三者からの連絡もないときは,脆弱な版を使っていたことだけを理由に直ちに報告対象になるとまではいえないと考える。
ただし,今回の脆弱性は攻撃の痕跡が残らない場合があるとされているので,調べた範囲と判断の理由を記録しておく必要がある。
④侵入の痕跡がある場合は,不正の目的による行為による漏えい等のおそれ(施行規則7条3号)に当たり得るので,知った時点から概ね3~5日以内の速報,60日以内の確報及び本人への通知が必要になる。
⑤レンタルサーバーやクラウドの事業者が個人データを取り扱わない契約になっている場合でも,報告義務を負うのはサービスを利用してサイトを運営する事業者である。
⑥報告の要否とは別に,修正ソフトウェアを適用しなかったことは,安全管理措置(個人情報保護法23条)の問題になり得る。

第2 今回の脆弱性で報告の判断に関係する点

PHPの開発チームの発表によれば,二つの脆弱性はPHP本体にあり,ウェブのリクエストを処理する全てのPHPの環境が危険の対象とされている。
CVE-2026-109619のアドバイザリは,確認された影響として,遠隔コード実行のほかに,メモリーの内容の開示を挙げている。
発見者の一つであるWizは,開示されたメモリーにパスワード,認証用のトークン,APIキー及び証明書が含まれ得ると説明している。
また,Cloudflareは,脆弱性の情報が正式な公開日より前に流出し,攻撃の通信を観測したとしている。

JPCERT/CCは,令和8年10月22日の注意喚起で,攻撃を受けた可能性を調べるために,過去のHTTPの応答で不自然に長い又は異常な形式のセッションのCookieが設定されていないか,不審なmultipart/form-data形式のリクエストの前後にPHPのメモリー上限に関するエラーやHTTP 500のエラーがないか,PHPのワーカーの予期しない異常終了や頻繁な再起動の痕跡がないかを確認するよう挙げている。
そのうえで,「上述の痕跡が確認されない場合でも、本脆弱性を悪用した攻撃を受けていないと断定することはできません。」としている。
このように,今回の脆弱性では,痕跡が見つからないことと攻撃を受けていないことが同じではない点に注意を要する。

その後,米国のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャー安全保障庁(CISA)は,10月23日に改訂した警報で,実環境での悪用の成功は観測していないとしつつ,直ちに更新できない組織にはPHPを使うシステムを修正又は更新までオフラインにするよう求めた。
米国連邦捜査局(FBI)も,同日の公共広告(I-102326-PSA)で,機密データやネットワークが侵害されるおそれがあると警告している。
これらは米国の機関による一般的な評価であり,個々のサイトで漏えい等が発生したおそれがあるかは,前記の痕跡の調査を含め,その時点で判明している事実関係に基づいて判断することになる。

第3 報告・通知の対象となる事態
1 個人情報保護法26条と施行規則7条

個人情報保護法26条1項は,個人データの漏えい,滅失,毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって,個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときに,個人情報保護委員会への報告を義務付けている。

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PHP2Shell(CVE-2026-109618・109619)とは―公式発表で確かめられること,深刻度9.2と「インターネットの7割」の意味及び国内のサイト停止(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象と基準日2 結論第2 PHP2Shellとは1 PHPとは2 二つの脆弱性3 影響を受ける環境第3 発見から公開までの経過1 発見と報告2 予告と公開3 公開前の情報流出と攻撃第4 よくある疑問を公式資料で確かめる1 深刻度は最高の10点か2 インターネットの7割に影響するのか3 PHPでは毎年のことか4 AIが攻撃したのか5 設定を変えれば防げるか第5 悪用の状況第6 各国政府と日本国内の対応1 米国と英国2 日本政府3 国内のサイト停止第7 ウェブサイトの運営者が確かめること第8 関連記事第9 出典1 PHPの公式資料2 政府機関等の資料3 発見者・セキュリティ企業の資料4 報道
第1 本記事の対象と結論
1 対象と基準日

本記事は,令和8年10月21日にPHPの開発チームが修正版を公開した二つの重大な脆弱性(CVE-2026-109618及びCVE-2026-109619。発見者等が「PHP2Shell」又は「php2shell」と呼んでいるもの)について,公式発表から確認できる事実と,深刻度や影響の範囲についての疑問を分けて整理するものである。
基準日は令和8年10月22日であり,その後に公式発表が更新されることがある。
PHP,米国・英国の政府機関,JPCERT/CC及びIPAの公表資料は原文で確認し,国内のサイト停止と政府関係者の発言は報道によった。

ウェブサイトの管理者が行う更新手順,バックアップ及び更新後の確認は,PHPの緊急セキュリティ更新とWordPress保守―法律・税理士事務所の確認,バックアップ,互換性試験及び復旧手順で扱っている。

2 結論

①二つの脆弱性は,PHP本体の中で,リクエストの処理が途中で打ち切られた後の後始末に関する欠陥であり,認証を受けていない第三者による遠隔コード実行につながり得る。
②公式の深刻度はCVSS v4.0で9.2であり,最高点の10ではない。
③PHPが使われているウェブサイトの割合が約7割であることは統計で確認できるが,発見者の発表の題名にある,インターネットの7割に影響するという趣旨の表現を,その全部が同じ程度に乗っ取られ得るという意味に読むのは言い過ぎである。
④修正版の公開前に情報が流出し,攻撃の通信も観測されたが,被害の範囲は資料によって評価が分かれており,基準日の時点で確定していない。
⑤対策の中心は修正版への更新であり,PHP公式は完全な代替策はないとしている。

第2 PHP2Shellとは
1 PHPとは

PHPは,ウェブサーバーの側で動き,データベースから情報を取り出して画面を組み立てるためのプログラミング言語である。
WordPress等の広く使われるシステムもPHPで動いている。
W3Techsの統計(令和8年10月22日)によれば,サーバー側の言語が判明しているウェブサイトのうち69.3%がPHPを使っている。

2 二つの脆弱性

PHP公式の発表と,PHPの開発リポジトリに掲載された二つのアドバイザリによれば,脆弱性の要点は次のとおりである。

①CVE-2026-109618(アドバイザリの題名は「RCE via OOM corruption」)は,メモリー不足の処理によって,内部のリクエストデータが初期化の途中の状態でPHPの処理が中断され,その後の終了処理が無効なデータを有効なものとして扱ってしまうおそれに関するものである。
②CVE-2026-109619(題名は「RCE via stale global state」)は,あるリクエストに属する内部の状態が,その記憶領域の解放後も残り,同じワーカーが処理する後続のリクエストが,通常の初期化の前にその古い状態を使ってしまうおそれに関するものである。

いずれもCVSS v4.0で9.2(Critical)と評価され,影響を受ける版は8.2.35,8.3.36,8.4.27及び8.5.12より前の各版である。
CVE-2026-109619のアドバイザリは,確認された影響として,遠隔コード実行のほかに,メモリーの内容の開示を挙げている。
発見者の一つであるWizは,開示されたメモリーにパスワード,認証用のトークン,APIキー及び証明書が含まれ得ると説明している。

3 影響を受ける環境

PHP公式は,PHP-FPM,Apacheのmod_php,php-cgi,FrankenPHP及びLiteSpeedを含め,ウェブのリクエストを処理する全てのPHPの環境が危険にさらされているとしている。
そのうえで,危険が最も高いのはmod_phpであり,アプリケーションのコードが動く前の段階で,認証のないリクエストによって攻撃が成立することが実証されたとしている。
CVE-2026-109618のアドバイザリは,mod_phpについて,入力とメモリーの上限を既定値のままにした環境でHTTP経由の遠隔コード実行を検証したと述べる一方,PHP-FPMについては完全な攻撃が実証されていないこと,LiteSpeedの接続方式(LSAPI)についてはアプリケーションに依存した攻撃が成立する可能性が高いが検証されていないことを書いている。
これに対し,CVE-2026-109619のアドバイザリは,セッションの処理を使った遠隔コード実行をmod_phpとPHP-FPMの双方で検証したとしている。

(続きを読む...)PHP2Shell(CVE-2026-109618・109619)とは―公式発表で確かめられること,深刻度9.2と「インターネットの7割」の意味及び国内のサイト停止(AI作成)

PHPの緊急セキュリティ更新とWordPress保守―法律・税理士事務所の確認,バックアップ,互換性試験及び復旧手順(AI作成)

目次

第1 結論第2 緊急通知の真偽と影響範囲の確認1 提供者の公式情報へ遡ること2 系列,ポイントリリース及びサポート期間を分けること3 確認済み事項,提供者の説明,推測及び不明点を分けること第3 更新前に作る構成表1 少なくとも記録する項目2 担当範囲を明らかにすること
3 保守会社への照会文例第4 WordPressサイトヘルスの読み方1 「致命的な問題」は侵害確定を意味しないこと2 自動更新を別の管理手段が制御している場合3 おすすめ項目を一括で消そうとしないこと第5 バックアップと復旧可能性1 ファイルとデータベースの双方が必要であること2 バックアップの存在と復旧できることは別であること第6 安全な更新順序1 変更を分けること2 検証環境と本番環境の違いを記録すること3 自動更新と手動更新の役割を決めること第7 更新後の検証1 管理画面だけで完了としないこと2 異常がないことの証拠を限定すること第8 法律・税理士事務所の業務継続と事故対応第9 令和8年10月21日のPHP緊急セキュリティ更新1 公式発表で確定した影響版と修正版2 二つの脆弱性の概要3 直ちに行う確認と更新4 直ちに更新できない場合の限定的措置5 メール通知の評価第10 確認用チェックリスト第11 出典
第1 結論

PHPの重大な脆弱性に関する通知を受けたときは,メールに書かれた対象バージョン又は危険度をそのまま事実として扱わず,PHP公式発表,利用中の正確な版,レンタルサーバーの提供状況及びWordPressの構成を対応させて判断する必要がある。

緊急性が高くても,確認せずにPHPの系列だけを切り替えると,テーマ,プラグイン又は独自コードとの互換性問題により,公開画面,管理画面,問合せフォーム,メール送信,予約,検索又は定期処理が停止することがある。他方,互換性を理由に更新を無期限に延期すれば,既知の脆弱性を残すことになる。

実務上は,①公式情報と現在値の確認,②ファイル及びデータベースの一体的なバックアップ,③復旧経路と責任者の確保,④影響の大きい変更を分けた実施,⑤管理画面と匿名の公開画面の双方による検証,⑥ログ,版及び判断理由の記録,という順序で進めるのが安全である。

第2 緊急通知の真偽と影響範囲の確認
1 提供者の公式情報へ遡ること

緊急通知を受けた場合,差出人の名称,リンク先のドメイン,公表日時及び原典を確認する。PHP本体の脆弱性であればPHP公式サイト,WordPress本体であればWordPress公式サイト,テーマ又はプラグインであれば配布元の公式情報を優先する。

保守事業者又は販売事業者のメールは,注意を促す契機として有用である。しかし,営業上の案内,危険性の一般化及び個別サイトの事実認定を含むことがあるため,公式発表の内容,個別環境の測定値及び事業者の推測を分けて読む必要がある。

2 系列,ポイントリリース及びサポート期間を分けること

「PHP 8.3を利用している」という情報だけでは足りない。同じ8.3系列でもポイントリリースが異なれば,修正の有無が異なることがある。管理画面に表示された完全な版番号,確認日時及びサーバー名を記録する。

PHP公式サイトは,各リリース系列について,通常の不具合とセキュリティ問題を修正する積極的サポート期間,重大なセキュリティ問題だけを修正する期間及びサポート終了後を分けている。サポート対象系列であることは,その時点の全ポイントリリースに未修正の脆弱性がないことを意味しない。反対に,事前通知だけから特定の系列を影響対象と断定することもできない。

3 確認済み事項,提供者の説明,推測及び不明点を分けること

緊急対応記録では,次の区分を用いるとよい。

①確認済み事項―公式発表,管理画面の完全な版番号,バックアップの完了表示,更新後の試験結果等
②提供者の説明―保守事業者,レンタルサーバー又はプラグイン作者が公表した対象範囲及び対応予定
③推測―攻撃の開始時刻,個別サイトが既に狙われているか,障害原因等についての仮説
④不明点―影響版,修正版,悪用の有無,ホスティング側の配備時刻等,まだ確認できない事項

第3 更新前に作る構成表
1 少なくとも記録する項目

更新前に,次の構成を一つの表へまとめる。

①PHPの完全な版番号,実行方式及び変更画面
②WordPress本体の版
③有効なテーマ,子テーマ及び独自変更
④有効・無効を含むプラグインと版
⑤WPCodeその他のコードスニペット,mu-plugin及びサーバー側の追加設定
⑥データベースの種類及び版
⑦キャッシュ,CDN,WAF,DNS及びメール送信の経路
⑧バックアップ先,保存世代,最終成功時刻及び復旧担当者

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Windows 11のポイントインタイム リストアを法律・税理士事務所で使う前後の確認事項―システムの復元,バックアップ,証拠保全及び期限管理(AI作成)

目次

第1 結論第2 ポイントインタイム リストアの仕組み1 何が巻き戻るか2 保存期間・空き容量・実行条件第3 システムの復元・バックアップ・同期との違い第4 実行前に判断すること1 通常の不具合で使う場合2 サイバー事故が疑われる場合第5 法律事務所の確認事項第6 税理士事務所の確認事項第7 復元後の確認事項第8 空き容量不足とストレージ センサー第9 平時に管理表へ記録する事項第10 関連記事と出典
第1 結論

Windows 11のポイントインタイム リストアは,直近の復元ポイントへ端末全体を短時間で戻す機能であり,更新やドライバー,アプリ又は設定の不具合から早く復旧する場面で有用である。
しかし,従来の「システムの復元」と異なり,ローカルの利用者ファイル,アプリ,設定,パスワード,証明書及び鍵も復元ポイントの時点へ戻り,その後の変更は失われる。
復元ポイントは端末内に保存され,保持期間は最大72時間であり,空き容量が不足すれば古いものから削除されるため,独立したバックアップの代わりにはならない。
法律・税理士事務所では,復元前に失われる差分,裁判・申告等の期限,電子提出の成否,メール,会計・給与データ,電子証明書及びクラウド同期の状態を記録し,復元後に照合する必要がある。
マルウェア,サポート詐欺その他のサイバー事故が疑われる場合は,復旧を急いで本機能を実行する前に,端末の隔離,時刻入り記録,ログその他の証拠保全及び専門家への相談の要否を判断する。
本記事は,令和8年10月21日に確認したMicrosoft及びIPAの公表資料に基づく一般的な運用上の確認事項である。

第2 ポイントインタイム リストアの仕組み
1 何が巻き戻るか

Microsoftは,ポイントインタイム リストアについて,Windows,インストール済みアプリ,システム及びアプリの構成,設定並びにローカルの利用者ファイルを含む端末の完全な状態を復元すると説明している(出典⑤・⑥)。
選んだ復元ポイントより後に作成・更新したローカルファイル,変更した設定,導入したアプリ,変更したパスワード,証明書及び鍵は,復元前の状態から失われ,又は古い状態へ戻る。
OneDrive等のクラウドサービス上のデータは復元対象外であり,複数のボリュームがある端末ではOSがあるボリュームだけが復元される。
したがって,端末のローカル状態,クラウド側の状態及び別ドライブの状態が,互いに異なる時点になることがある。
復元ポイントを独立したイメージとして書き出し,又はマウントして一部のファイルだけを取り出すことはできない。

2 保存期間・空き容量・実行条件

復元ポイントはVSSを用いて端末内に自動作成され,既定の作成間隔はおおむね24時間,保持期間は最大72時間であるが,設定した時刻どおりに必ず作成又は削除されるわけではない(出典⑤)。
最大使用量の既定値はディスクの2%であり,設定可能範囲は最小2GB・最大50GB相当である。
空き容量が20GB以下になると,Windowsは古い復元ポイントから削除して20GBを超える空きを確保しようとする。
復元の完了には,復元ポイント全体が使っている容量以上の追加空き容量が必要とされる。
実行はWindows回復環境から行い,暗号化されたボリュームではBitLocker回復キーが必要になる。
復元中の電源断は起動不能又は不整合の原因となり得るため,電源へ接続し,回復キーと復旧担当者を確保してから実行する。

第3 システムの復元・バックアップ・同期との違い
機能主な目的対象・保持代替できないものポイントインタイム リストア端末全体を直近の正常時点へ戻すOSボリュームの完全な状態,最大72時間,端末内長期・遠隔バックアップ,証拠保全,クラウド又は別ボリュームの復元システムの復元システムファイル・設定・プログラム等を以前の状態へ戻す個人用ファイルへの影響は通常ない削除・暗号化された利用者ファイルの復元バックアップ重要データを事故・故障・災害等から復旧する対象,頻度,保存先,世代,保管期間及び復元手順を設計する実施していない時点又は対象外データの復元同期複数の保存場所へ変更を反映する誤削除又は破損も反映され得る独立した履歴,切離し保管及び復元試験

ポイントインタイム リストアは,端末の短期的な巻戻し手段である。
IPAは,適切なバックアップについて,対象・頻度,遠隔地を含む保管方法,複数世代及びリストア手順を定めるよう求めている(出典⑩)。
このため,ポイントインタイム リストアが有効であっても,切り離した保存先,必要な世代数及び定期的な復元試験を含むバックアップ設計は別に必要である。

第4 実行前に判断すること
1 通常の不具合で使う場合

更新,ドライバー,アプリ又は設定変更の直後に端末が不安定になった場合は,最後に正常動作を確認した時刻と原因候補の変更時刻を記録する。

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法律・税理士事務所の情報セキュリティ自社診断と「サイバーセキュリティお助け隊」の選び方―IPAの6か条・25項目,監視,駆付け及び保険(AI作成)

目次

第1 本記事の結論第2 公的な自己点検の使い方1 情報セキュリティ6か条2 25項目の自社診断3 民間の簡易診断及び監査との違い第3 サイバーセキュリティお助け隊サービスの制度1 登録制度の対象2 監視方式3 駆付け,初動支援及び保険第4 法律事務所及び税理士事務所で優先する事項1 共通する情報資産2 法律事務所3 税理士事務所第5 比較と契約のチェック項目第6 導入から運用までの手順1 導入前2 契約時3 導入後第7 法令・職業規範との関係第8 提供文書と一次資料の区別第9 出典・参考資料1 一次資料・公的資料2 二次資料
第1 本記事の結論

法律事務所及び税理士事務所が情報セキュリティ対策を見直す場合,最初から特定の製品を選ぶのではなく,守る業務と情報を洗い出し,IPAの公的な自己点検で不足を把握し,不足を補うサービスの範囲を決めるという順序が分かりやすい。
IPAの「情報セキュリティ6か条」及び「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」は,その出発点として利用できる。

「サイバーセキュリティお助け隊サービス」は,相談窓口,異常監視,事案発生時の初動対応及び簡易サイバー保険等をワンパッケージにした民間サービスについて,IPAの基準への適合性を審査して登録する制度である。
もっとも,登録は,個々の事務所の全端末・クラウド・認証基盤を網羅すること,個人情報保護法,弁護士又は税理士の守秘義務その他の法令・会規への適合性,事故時の損害が全額補償されることまで保証するものではない。

したがって,導入時には,①何を監視するか,②誰がアラートを判定するか,③駆付けを含む初動支援の条件,④ログ及び証拠の保全,⑤簡易サイバー保険の補償範囲,⑥バックアップと復元試験,⑦再委託先・データ保存場所・契約終了時のデータ取扱いを,見積書だけでなく契約書及びサービス仕様書で確認する必要がある。

第2 公的な自己点検の使い方
1 情報セキュリティ6か条

IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」は,企業規模にかかわらず実行すべき基本対策として,①ソフトウェアを最新に保つ,②ウイルス対策ソフトを導入する,③パスワードを強化する,④共有設定を見直す,⑤バックアップを取得する,⑥脅威や攻撃の手口を知るという「情報セキュリティ6か条」を示している。
これは法令の条文ではなく,中小企業等が具体的な対策を始めるための公的な実務資料である。

第5のバックアップについて,同ガイドラインは,対象,取得方法及び取得間隔を決めるだけでなく,保管場所,世代,保管期間並びに復旧計画及び復元確認まで検討するよう示している。
法律・税理士事務所では,事件記録又は申告資料がコピーされているというだけでなく,通常のクラウド認証や事務所ネットワークが使えない状況でも,期日管理表,依頼者又は顧客の連絡先,預り金又は納税関係資料及び直近の作業データを必要な時間内に取り出せるかを試す必要がある。

バックアップ,完全性及び可用性を個人情報保護法との関係で点検する方法は,「個人情報保護法の安全管理措置は機密性に偏っているか――情報セキュリティ3要素のバランスと報告義務の構造(AI作成)」を参照されたい。

2 25項目の自社診断

同ガイドラインの「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」は,基本方針,電子メール,パスワード,機器・ソフトウェア,データ保管,従業者教育,取引先その他の項目を25問で点検する仕組みである。
回答は,「実施している」を4点,「一部実施している」を2点,「実施していない」を0点,「わからない」をマイナス1点として集計する。

点数は,事務所の安全性を第三者が保証する認証ではない。
とりわけ「わからない」は,単なる低得点ではなく,契約,設定,管理者又は委託先の役割を事務所が把握できていないことを示すため,優先的に調べる対象となる。

3 民間の簡易診断及び監査との違い
種類位置付け結果の使い方IPAの自社診断公的ガイドラインに基づく自己点検未実施・一部実施・不明の項目を改善計画へ移す民間事業者の簡易診断質問回答に基づく課題整理又はサービス提案質問,評価基準及び提案との利害関係を確認する外部監査・技術診断契約した範囲で第三者が証跡又はシステムを検証対象範囲,基準,検証方法,除外事項及び再試験を確認する

民間サイトの診断結果は,対策のきっかけにはなるが,個人情報保護法上の安全管理措置が十分であること又は弁護士・税理士の職業上の義務を満たすことを証明するものではない。
診断を受ける際には,依頼者又は顧客の氏名,事件・申告内容,システムの詳細構成,認証情報その他の機密情報を,必要性と送信先を確認しないまま入力しないことも重要である。

第3 サイバーセキュリティお助け隊サービスの制度
1 登録制度の対象

IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービス基準2.1版」は,1類のサービスについて,相談窓口,異常の監視,事案発生時の初動対応,簡易サイバー保険その他の要求をワンパッケージで提供することを求めている。
利用者から要請があった場合の駆付け支援,契約書及び分かりやすい説明資料における保険の補償内容・支払限度額・免責金額等の明示,提供地域及び価格の上限等も基準に含まれる。

2類は,1類の要件を基礎に,より広い機能又は支援を追加する類型である。
1類か2類かという名称だけで選ばず,事務所が必要とする端末,ネットワーク,クラウド及び拠点が実際の契約範囲に含まれるかを確認する必要がある。

2 監視方式

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二段階認証とは?設定方法・二要素認証との違い・スマホ紛失への備え(AI作成)

目次

第1 二段階認証の意味と必要性1 二段階認証とは何か2 二段階認証をしないとどうなる?第2 二段階認証と二要素認証は何が違うか第3 二段階認証のやり方は?1 Googleの二段階認証はやるべきか?2 iPhoneの二段階認証はどこで設定する?第4 SMS・認証アプリ・パスキーはどう選ぶか第5 確認コードが届かない・スマホをなくしたとき1 確認コードが届かないとき2 スマホを紛失してログインできないとき第6 機種変更前に準備すること第7 法律事務所でmints等を使う場合第8 出典・参考資料
第1 二段階認証の意味と必要性
1 二段階認証とは何か

二段階認証は,サービスへログインする際の本人確認を二つの段階に分ける仕組みである。
例えば,パスワードの入力後に,登録したスマートフォンへ届いた確認コードの入力を求める方法がある。
サービスによって「2段階認証」「2ステップ認証」「2ファクタ認証」等の名称を使うため,名称だけでなく実際の確認方法を把握する必要がある。

本記事は,令和8年10月16日に確認した公式案内に基づき,一般利用者が設定先と回復手段を確認するための入口を説明する。
画面の表示,利用できる認証方法及び組織の設定はサービスやアカウントによって異なる。

2 二段階認証をしないとどうなる?

パスワードだけで入れる設定では,そのパスワードを盗まれた場合に,追加の本人確認で不正ログインを阻む機会が減る。
二段階認証を設定したうえで,認証端末を使えなくなった場合の回復方法も準備しておくことが大切である。
設定していないことだけで,既に乗っ取られたと断定するものではない。

二段階認証にも方式ごとの限界がある。
確認コードを偽サイトへ入力したり,自分が開始していないログインを承認したりしないことが必要であり,設定したことだけで全ての被害を防げるとはいえない。

第2 二段階認証と二要素認証は何が違うか

二段階認証は本人確認の段階数に着目し,二要素認証は異なる種類の認証要素を二つ使うことに着目する。
認証要素は,本人が知っている情報,所持している機器等,指紋等の生体情報という種類に分けられる。
IPAの用語解説は,パスワードと秘密の質問の答えは,いずれも記憶に属する要素であると説明している(出典①・PDF55頁)。

組合せの例確認するポイントパスワードと秘密の質問二段階でも,いずれも知識に属するため,異なる二要素を使うとは限らない。パスワードと登録電話へのSMSパスワードの知識に加え,その電話で受信できることを確認する。コードを第三者に渡さない。パスキーによるログインサービスと端末の仕組みに応じて認証する。画面が二つ出ないことだけで,保護が無効とは判断しない。

アカウント,Windows HelloのPIN,多要素認証及びパスキーの詳しい違いは,アカウント・パスワード・PIN・多要素認証の違いと安全な管理を参照されたい。

第3 二段階認証のやり方は?

設定する対象は,原則として利用しているサービスのアカウントである。
スマートフォンに認証アプリを入れただけで,全てのサービスの二段階認証が有効になるわけではない。
対象サービスの公式設定画面で登録を完了し,利用できる回復手段を確認する。

1 Googleの二段階認証はやるべきか?

Googleは,パスワードが盗まれた場合に備えてアカウント保護を強化する機能として,2段階認証プロセスを案内している。
メールや保存資料を守るため,現在の設定と利用できる認証方法を確認することを勧める。

公式案内では,Googleアカウントを開き,「セキュリティとログイン」から「Googleにログインする方法」に進み,2段階認証プロセスを有効にする項目を選ぶ。
画面の指示に従って設定を完了する(出典②)。
Google Workspace等の組織アカウントで設定できない場合は,管理者に確認する。

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検察庁の弁護人選任届・証拠開示等システムとは―一括登録,事件単位登録及び事件別サイト(AI作成)

目次

第1 検察庁のシステムで何が変わるか第2 二つのサイトを区別する1 弁護人選任届提出用サイト2 事件別サイト第3 一括登録と事件単位登録第4 一括登録の日程第5 登録できるメールアドレス第6 すべての証拠がオンラインになるわけではない第7 法律上の証拠開示とシステム操作を分ける第8 受領・提出時の確認事項第9 よくある質問1 一括登録をすれば全国の証拠を閲覧できますか2 事件単位登録はいつから利用できますか3 すべての証拠をダウンロードできますか4 裁判所のLinKageCourtsと同じアカウントですか第10 関連記事第11 出典
第1 検察庁のシステムで何が変わるか

検察庁は,刑事手続のデジタル化に対応するため,Microsoft SharePointを用いた「弁護人選任届提出及び証拠開示等システム(仮称)」を準備している。
このシステムは,弁護人選任届をオンラインで提出する入口と,個別事件について証拠を受領し,弁護側の意見書・証拠等を提出する入口を分けている。

日弁連会員向け資料によれば,弁護士の登録方法には,日弁連を通じてあらかじめ全国利用のアカウントを登録する一括登録と,個別事件の発生後に担当検察庁で登録する事件単位登録が予定されている。
もっとも,アカウント登録が済んだことと,特定事件の事件別サイトを利用できることは同じではない。

第2 二つのサイトを区別する
1 弁護人選任届提出用サイト

弁護人選任届提出用サイトは,検察庁へ弁護人選任届を電子的に提出するための入口である。
一括登録を済ませた弁護士は,全国の検察庁に対する選任届提出用サイトを利用できる予定である。

ただし,選任届の提出に利用できることから,直ちに個別事件の証拠へアクセスできるわけではない。
選任届を提出した事件について,検察官又は検察事務官による確認と事件別サイトへの招待が必要となる。

2 事件別サイト

事件別サイトは,個別事件ごとに開設されるSharePoint上の領域である。
弁護人は,招待を受けた事件別サイトで,開示証拠の受領・閲覧・ダウンロード,弁護側の意見書・証拠その他の資料の提出等を行う予定である。

事件別サイトは,検察官又は検察事務官からの招待によって利用できる。
一括登録済みであっても,全事件の事件別サイトが一覧で自動的に利用可能になるわけではない。

第3 一括登録と事件単位登録
項目日弁連を通じた一括登録担当検察庁での事件単位登録利用開始の考え方施行前に登録を準備する事件発生後に個別登録する利用範囲全国の弁護人選任届提出用サイト原則として登録対象の事件申請先日弁連当該事件を担当する検察庁本人確認日弁連が登録情報を確認する弁護士記章その他の本人確認資料による事件別サイト個別事件ごとに別途招待が必要登録対象事件について招待を受ける所要期間月次処理のため余裕が必要原則として当日又は翌開庁日の処理が想定される

一括登録は,今後の事件に備えて共通アカウントを準備する手続である。
事件単位登録は,必要な事件が生じた後に,その事件について利用できる状態を整える手続である。

緊急事件で一括登録の反映を待てない場合には,事件単位登録を利用し,併せて一括登録情報の変更・更新を行うことが想定されている。
登録方法と事件への招待は別工程として記録する必要がある。

第4 一括登録の日程

日弁連会員向け案内では,令和8年10月から一括登録の受付が開始されている。
令和8年11月30日までの初回受付分については,令和9年1月以降,検察庁から招待メールを順次送る予定とされている。

初回期限後も一括登録を申し込むことはできる。
その場合,毎月1日までの申込分を日弁連が同月15日頃に検察庁へ提供し,検察庁が月末までに登録する流れが示されており,申込みから利用可能となるまで最大約2か月を要する場合がある。

したがって,一括登録を選ぶ場合は,事件の期限が迫ってから申し込むのではなく,利用開始前に余裕をもって登録する必要がある。
登録完了予定だけでなく,実際に招待メールを受信し,ログインできることまでを確認する。

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LinKageCourtsとは―刑事・少年事件の電子申立て,利用者登録,GビズIDとLinKageID(AI作成)

目次

第1 LinKageCourtsの位置付け第2 LinKageCourtsで予定されている手続第3 二つの利用者登録方法第4 GビズIDを利用する場合1 GビズIDプライムを事前に取得する2 事務職員へ権限を付与する第5 LinKageIDを利用する場合第6 mints・TreeeS及び検察庁システムとの違い1 mints・TreeeSとの違い2 検察庁システムとの違い3 警察システムとの違い第7 法律事務所で準備する事項第8 よくある質問1 LinKageCourtsはいつから登録できますか2 GビズIDは必須ですか3 GビズIDを持っていれば直ちに利用できますか4 mintsと同じシステムですか第9 関連記事第10 出典
第1 LinKageCourtsの位置付け

LinKageCourtsは,刑事事件及び少年事件について,裁判所への電子申立て,裁判所からの通知・送達,証拠等のデータ提出,訴訟記録の閲覧・謄写その他の手続をオンラインで行うための裁判所の利用者向けシステムである。
日弁連会員向け資料によれば,弁護士の利用者登録は令和9年3月上旬から開始される予定である。

刑事手続デジタル化の主要規定が施行されても,利用者登録,弁護士資格の確認及び個別事件の対象判定が完了しなければ,直ちにすべての機能を利用できるわけではない。
法令上の施行日,対象事件の拡大時期,システムの利用者登録及び個別事件へのアクセス権限を分けて確認する必要がある。

第2 LinKageCourtsで予定されている手続

LinKageCourtsでは,刑事・少年事件に関する次の手続が予定されている。

① 裁判所への申立書その他の書類の電子提出。
② 証拠その他の資料のデータ提出。
③ 裁判所からの通知,送達及び文書の受領。
④ 許可された訴訟記録のオンライン閲覧・謄写。
⑤ 証明書の交付申請その他の事件関係手続。

これらは同じシステム上の機能であっても,個別の法的根拠,利用開始時期及び対象事件は同一とは限らない。
例えば,記録が電子化されていることと,その記録を特定の利用者がオンラインで閲覧できることは別の問題である。

改正後の刑事訴訟法40条の2は,裁判所のファイルに記録された訴訟に関する書類又は証拠物について,弁護人が裁判長の許可を受けて,裁判所の規則で定める電磁的方法により閲覧・謄写する制度を設けている。
LinKageCourtsの利用者登録,個別事件へのアクセス権限及び記録の閲覧・謄写の許可は,同じものではない。
改正後の40条3項の謄写禁止は40条の2による謄写にも準用されるため,画面で閲覧できる記録をすべてダウンロードできるとは限らない。

また,裁判書の内容を閲覧・謄写することと,改正後の46条2項により内容と同一であることの証明がされた裁判書の提供を請求することも別の手続である。
証明付きの電子データによる提供の費用(1件8400円)と紙の謄本との違いは,刑事判決書の電子交付は8400円?―閲覧・謄写,紙の謄本との違い(AI作成)で説明している。

第3 二つの利用者登録方法

弁護士がLinKageCourtsを利用するための登録方法には,GビズIDを連携する方法と,LinKageIDを直接取得する方法が予定されている。

項目GビズIDを利用する方法LinKageIDを利用する方法登録の入口GビズIDプライムを取得し,LinKageCourtsと連携するLinKageCourtsへ直接利用者登録する登録開始予定令和9年3月上旬令和9年3月上旬事務職員による代理操作GビズIDメンバーを利用して可能となる予定予定されていない弁護士資格の確認GビズIDとは別に必要登録時に必要事前準備GビズIDプライムは事前取得できるLinKageCourtsの登録開始後に手続する

GビズIDを取得しただけでは,弁護士資格の確認が完了したことにはならない。
また,令和8年10月15日現在,GビズIDのサービス一覧にLinKageCourtsが表示されていなくても,利用者登録開始前であることと矛盾しない。

第4 GビズIDを利用する場合
1 GビズIDプライムを事前に取得する

GビズIDは,複数の行政サービスへ共通してログインするための認証基盤である。
LinKageCourtsでは,GビズIDプライムを取得した弁護士が,サービスとの連携を行う方法が予定されている。

マイナンバーカードを利用するオンライン申請と,書面を用いる申請では,発行までに要する期間が異なる。

(続きを読む...)LinKageCourtsとは―刑事・少年事件の電子申立て,利用者登録,GビズIDとLinKageID(AI作成)

刑事手続デジタル化はいつから始まるか―令和9年3月から7月までの地域・罪名別スケジュール(AI作成)

目次

第1 刑事手続デジタル化は一斉には始まらない第2 法律の施行日と対象事件の拡大日は異なる第3 令和9年3月から7月までの四段階第4 誰の電子申立てが義務になるか1 検察官2 司法警察職員3 弁護人及び被告人第5 個別事件で確認する順序第6 よくある質問1 刑事手続のデジタル化はいつからですか2 令和9年3月から全国の事件が対象になりますか3 紙で提出することはできなくなりますか4 すべての証拠をオンラインで受け取れますか第7 関連記事第8 出典
第1 刑事手続デジタル化は一斉には始まらない

刑事手続のデジタル化を定める「情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第39号)は,令和7年5月16日に成立し,同月23日に公布された。
しかし,同法の規定は一度に全面施行されるのではなく,規定ごとに施行時期が異なる。

書類の電子化,電子令状,電子的な申立て・通知・送達及び証拠のオンライン授受等の主要規定は,令和9年3月31日までの間において政令で定める日に施行される。
さらに,主要規定の施行後も,電子的な方法の対象となる事件は,地域と罪名に応じて令和9年7月12日まで段階的に拡大される予定である。

したがって,「刑事手続デジタル化はいつからか」という質問には,法律上の施行日だけでなく,当該事件が対象事件となる日も確認しなければ答えられない。
本記事は,令和8年10月15日現在の日弁連会員向け資料に基づき,その判断順序を整理する。

第2 法律の施行日と対象事件の拡大日は異なる

法律の施行日は,改正規定が法的効力を持つ日である。
これに対し,対象事件の拡大日は,施行された規定のうち電子的な方法に関する部分が,どの地域・罪名の事件へ適用されるかを判断するための日である。

令和9年3月までに主要規定が施行される予定であっても,その日から全国の全事件で弁護人が同じ方法により電子申立てを行うわけではない。
施行段階,事件の地域,罪名,起訴前か起訴後か,公訴提起が紙でされたか電子的にされたかを分けて確認する必要がある。

また,裁判所の事件管理システム,検察庁の弁護人選任届・証拠開示等システム及び警察の告訴告発等システムは別のシステムである。
一つのシステムで利用者登録が済んだことから,他のシステムも利用できるとは限らない。

第3 令和9年3月から7月までの四段階

日弁連会員向け資料が示す段階的施行の予定は,次のとおりである。
第1段階の開始日は「令和9年3月」とされているため,具体的な政令日が公表されたときは,その日を改めて確認する必要がある。

段階期間全事件が対象となる地域覚醒剤単純使用・所持事件が対象となる地域第1段階令和9年3月の主要規定施行日から同年5月9日までなし東京・神奈川・埼玉・千葉第2段階令和9年5月10日から同年6月13日まで東京・神奈川・埼玉・千葉大阪・愛知・広島・福岡・宮城・北海道・香川を追加第3段階令和9年6月14日から同年7月11日まで前記11地域全国第4段階令和9年7月12日以降全国全国

第2段階では,東京都,神奈川県,埼玉県及び千葉県の全事件が対象となる。
これに加え,大阪府,愛知県,広島県,福岡県,宮城県,北海道及び香川県では,覚醒剤の単純使用・所持事件が対象となる。

第3段階では,これら11地域の全事件が対象となり,それ以外の地域でも覚醒剤の単純使用・所持事件が対象となる。
第4段階に入る令和9年7月12日以降は,全国の全事件が対象となる予定である。

第4 誰の電子申立てが義務になるか
1 検察官

対象事件については,検察官による裁判所への申立て等は電子的な方法によることが原則となる。
対象事件かどうかは,前記の段階,地域及び罪名によって判断する。

2 司法警察職員

司法警察職員による裁判所への申立て等については,電子的な方法を利用できるとしても,検察官と同じ範囲で直ちに電子的方法が義務になるわけではない。
警察のシステムの詳細は令和8年10月15日現在では十分に公表されていないため,実際の受付方法は対象事件と担当機関の案内を確認する必要がある。

(続きを読む...)刑事手続デジタル化はいつから始まるか―令和9年3月から7月までの地域・罪名別スケジュール(AI作成)

BIOS更新の必要性と危険性―更新すべき場合・見送れる場合,失敗対策及びBitLocker回復キー(AI作成)

目次

第1 結論及び本記事の対象1 BIOS更新は必要な場合に限って行う2 本記事が扱わないこと第2 BIOS・UEFIとWindows Updateの違い1 BIOS・UEFIはOSより前に動くファームウェアである2 Windows Updateに表示される場合もある第3 BIOSを更新すべき場合1 メーカーが重要又は推奨の更新として案内している場合2 現在の不具合を修正することが更新履歴で確認できる場合3 対応CPU・メモリその他の部品を追加する場合第4 BIOS更新を見送れる場合及び中止すべき場合1 正常動作し,更新目的が明確でない場合2 対象機種又は更新ファイルを確認できない場合3 電源,回復キー又はバックアップを確保できない場合第5 BIOS更新の危険性1 更新中断による起動不能2 BIOS設定が既定値へ戻る危険3 BitLocker回復キーを求められる危険4 データ及び周辺機器への影響5 旧版へ戻せない危険第6 更新前チェックリスト1 機種,現在版及び更新目的を固定する2 暗号化と回復手段を確認する3 データ,電源及び作業時間を確保する4 復旧手順と連絡先を別端末へ用意する第7 更新中及び更新後の注意点1 メーカーの手順を省略しない2 更新後は版,設定及び業務動作を確認する第8 よくある質問1 BIOSは更新した方がよいか2 BIOS更新は怖いか3 BIOS更新に失敗する確率は何%か4 BIOS更新でデータは消えるか5 BIOS更新にはどれくらい時間がかかるか6 Windows 11でBIOSを更新するにはどうすればよいか7 パソコン販売店又は保守業者へ任せればよいか8 業者へ依頼した場合の作業時間と再発観察第9 更新が失敗し,又は起動しない場合1 更新中に止まったように見える場合2 Windowsが起動しない場合第10 法律事務所等の業務用PCで追加する管理1 期限業務の直前に更新しない2 回復キーと秘密情報を分けて管理する3 更新の証跡を端末ごとに残す第10の2 古いBIOSと現在の不具合の因果関係を分ける第11 関連記事第12 出典・参考資料1 メーカー及びMicrosoftの公式資料2 資料の位置付け
第1 結論及び本記事の対象
1 BIOS更新は必要な場合に限って行う

BIOS更新は,Windows Updateや通常のアプリ更新と同じ感覚で常に行う作業ではない。
パソコン又はマザーボードのメーカーが対象機種について更新を推奨し,セキュリティ問題,既知の不具合,安定性又は新しい部品との互換性を改善する場合には,更新する必要性がある。
他方,パソコンが正常に動作し,メーカーから重要又は推奨の案内がなく,解決したい問題も更新履歴に書かれていない場合は,更新を急がず見送れることがある。

更新の要否は,新しい版が存在するという一事だけで決めず,①対象機種との完全一致,②現在のBIOS又はUEFIの版,③更新履歴に記載された修正内容,④現在の症状との対応,⑤電源,暗号化及び復旧手段を確認して判断する。
本記事では,現在のパソコンで一般にBIOSと呼ばれるUEFIファームウェアも含め,便宜上「BIOS」と表記する。

2 本記事が扱わないこと

BIOSの更新方法は,メーカー,機種及び更新版ごとに異なる。
本記事は,特定機種の更新ファイル又はキー操作を指示するものではなく,更新前の判断と安全確認を整理するものである。

個別機種については,製造元の公式サポートページで型番又はサービスタグを特定し,その機種用の説明書と更新履歴を確認する必要がある。
掲示板,動画又は別機種の手順だけを根拠に更新してはならない。

第2 BIOS・UEFIとWindows Updateの違い
1 BIOS・UEFIはOSより前に動くファームウェアである

BIOS又はUEFIは,パソコンの電源投入後にメモリ,ストレージ,キーボードその他の機器を初期化し,Windows等のOSを起動させるためのファームウェアである。
更新に失敗して起動処理が壊れると,Windowsの修復画面まで到達できない場合がある。

画面に「UEFI BIOS Utility」等と表示される機種も多いが,一般の案内ではUEFIを含めてBIOS更新と呼ぶことがある。
BIOS設定には起動順序,Secure Boot,仮想化,ストレージ方式,ファン制御等が含まれ,更新後に既定値へ戻ることがある。

2 Windows Updateに表示される場合もある

機種によっては,メーカーの更新アプリ又はWindows Updateからファームウェア更新が配信される。
Windows Updateに表示されたからといって,通常の月例更新と同じ危険度になるわけではなく,電源,BitLocker,更新履歴及び再起動後の確認は必要である。

反対に,Windows UpdateにBIOS更新が表示されない機種もある。
「Windows 11なら同じ手順で更新できる」とは限らないため,OSの名称より先にメーカーと正確な機種を確認する。

第3 BIOSを更新すべき場合
1 メーカーが重要又は推奨の更新として案内している場合

メーカーが対象機種について,重大なセキュリティ修正,起動不能への対策,安定性の修正又は重要な互換性改善として更新を案内している場合は,業務への影響を計画した上で更新を検討する。
更新履歴には,重要度,対象機種,対象となる旧版及び適用上の前提が記載されることがある。

「最新」という表示だけでなく,その版が自分の機種と現在版に適用できるかを確認する。
法人向けPCでは,メーカーの管理ツール,保守契約又は組織の端末管理方針が更新経路を指定している場合がある。

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司法書士が生成AIを登記・裁判書類作成に使うときの検証手順―本人確認,登記原因,業務範囲及び最終判断(AI作成)

目次

第1 生成AIを使っても司法書士の確認対象は変わらない
第2 利用前に資料・目的・業務範囲を分ける

1 資料と処理先を確認する
2 AIを見る前の短いメモを残す
3 AI出力を三つに分ける

第3 不動産登記で確認すること

1 本人,意思,目的及び登記原因
2 OCR・抽出結果を原資料へ戻す
3 特別委任方式では確認事実と確認方法を記録する

第4 商業・法人登記で確認すること
第5 裁判書類作成及び簡裁訴訟代理等で確認すること

1 本人訴訟支援と最終的な実質判断
2 一次資料と事件記録で検証する
3 AIは業務範囲を広げない

第6 秘密情報,個人データ及び補助者を管理する
第7 完成前の確認項目
第8 資料の位置付けと本記事の限界
第9 関連記事
出典・参考資料

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クイック実行更新サポート(KB5002907)でOffice 2016・2019が「ライセンスのない製品」になったとき―購入時のMicrosoftアカウントの探し方,プロダクトキー及び試用版の扱い(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 対象と基準日2 結論第2 何が起きたか1 KB5002907の本来の対象2 マイクロソフトが認めた不具合と提供の一時停止3 ライセンスのない製品になると何ができなくなるか第3 マイクロソフトが示す解決策1 ライセンス認証をし直す2 再インストールする3 公式の解決策として挙げられていない操作第4 ライセンスの付いたMicrosoftアカウントを探す1 買い切り版はMicrosoftアカウントに結び付いている2 職場又は学校のアカウントとの区別3 候補のアドレスを洗い出す4 「サービスとサブスクリプション」で確かめる5 Officeで認証し直す6 パソコンの中の記録から確かめる第5 プロダクトキーがない場合1 アカウントが見つかれば足りる2 アカウントもプロダクトキーも見つからない場合第6 画面の選択肢の扱い1 購入と試用版のボタン2 新しいMicrosoftアカウントを作らない第7 業務を止めないための手当て1 当面の入力手段2 保守業者に対応を依頼するとき3 サポート終了への対応4 平時の備え第8 関連記事第9 出典1 マイクロソフトの案内2 その他の資料
第1 本記事の対象と結論
1 対象と基準日

本記事は,Windows Updateを通じて提供された更新プログラム「KB5002907」の後に,買い切り版のOffice 2016又はOffice 2019が「ライセンスのない製品」と表示され,又はOfficeが見当たらなくなった場合の復旧の手順を整理する。
マイクロソフトの案内は,令和8年9月29日に同社のサポートページで原文を確認したものである。
同社の日本語版のページには機械翻訳とみられる文言があるため,本記事では日本語版の文言をそのまま引用し,必要に応じて意味を補って説明する。
会社や組織がボリュームライセンス等でOfficeを一括管理している場合は,組織のIT管理者の指示が優先する。

2 結論

①マイクロソフトは,KB5002907をインストールした後に,Office 2016又はOffice 2019の一部の端末で予期しない結果が生じたとの報告を受け,この更新プログラムの提供を一時停止している。
この更新プログラムは,Windows Updateの更新の履歴に「クイック実行更新サポート」という名前で表示されたとの報告がある。

②同社が示す解決策は,製品がライセンスのないように見える場合は購入した製品のライセンス認証をし直すこと,製品が削除された場合は購入した製品を再インストールすることの2つである。
新たにMicrosoft 365を購入することは,解決策として示されていない。

③小売店等で購入した買い切り版のOfficeは,プロダクトキーを使った時点でMicrosoftアカウントに関連付けられ,パソコンに最初から入っていたOfficeも,関連付けられたMicrosoftアカウントで再インストールする仕組みである。
ただし,日本で企業向けに販売された「Office プレインストール済み PC (企業向け)」のOfficeは,ライセンス認証に個人用のMicrosoftアカウントを必要とせず,プロダクトキー又はMicrosoft Storeのデジタル製品で再インストールする仕組みである。
認証し直すときは,Officeを購入し,又は最初に設定したときに関連付けたMicrosoftアカウントでサインインする。
Officeの画面に別のアドレスでサインインしていると表示されていても,そのアドレスにライセンスが付いているとは限らない。

④どのアカウントにライセンスが付いているかは,Microsoftアカウントのページの「サービスとサブスクリプション」で,候補のアドレスごとに確かめられる。
候補が見つからないときは,パソコンの中の記録(レジストリ)にライセンスの持ち主のアドレスが残っていることもある。
新しいMicrosoftアカウントを作っても,そのアカウントに以前のライセンスは付いていない。

⑤関連付けたアカウントが見つかれば,25文字のプロダクトキーが手元になくても,サインインによる認証や再インストールができる見込みが高い。
企業向けのプレインストール版では,逆に,プロダクトキーのカード又はMicrosoft Storeのデジタル製品が手掛かりになる。
アカウントもプロダクトキーも見つからない場合は,購入の記録を用意してマイクロソフトのサポート等に相談することになる。

⑥システムの復元,更新プログラムの削除及びOfficeの修復は,マイクロソフトがKB5002907の解決策として挙げたものではない。

⑦Office 2016とOffice 2019のサポートは,令和7年10月14日に終了している。
今回の不具合を直すことと,サポート終了に対応することは,分けて考える。

第2 何が起きたか
1 KB5002907の本来の対象

マイクロソフトの説明によれば,KB5002907は,古くなったMicrosoft 365 Appsを最新の状態にするための任意の更新プログラムである。
同社は,「このオプションの更新プログラムは、90 日以上経過しており、最新チャネルまたは月次エンタープライズ チャネルを使用している、Microsoft 365 Apps がインストールされている Windows PC でのみ利用可能です。」と説明している。
また,「Windows オペレーティング システムの更新プログラムではなく、自動的にインストールされません。」とも説明している。

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刑事手続のデジタル化はいつから?―令和7年法律第39号,電子令状・証拠開示とLinKage(AI作成)

目次

第1 この記事の結論1 刑事手続のデジタル化はいつから始まるか2 刑事手続のデジタル化で何が変わるか3 刑事手続はすべてオンラインになるか第2 改正法の三つの柱1 書類・証拠・令状の電子化2 ビデオリンク方式の拡大3 情報通信技術の進展に伴う犯罪への対応第3 施行時期を三段階で確認する1 令和7年6月12日に施行された規定2 令和8年5月21日に施行された規定3 令和9年3月31日までの政令日4 令和9年3月から7月までの段階的な対象拡大第4 電子令状と電磁的記録提供命令1 電子令状2 電磁的記録提供命令3 電子令状と夜間・休日の一般令状事務の集約第5 オンライン証拠開示は一律ではない第6 個別事件への適用を決める事項第7 裁判所・検察庁・警察の三つのシステム第8 弁護士事務所の準備1 事件ごとの入口を固定する2 送信と期限の証拠を残す3 証拠データの権限を絞る第9 公開資料で確認できることと確認できないこと第10 関連記事第11 出典
第1 この記事の結論

刑事手続のデジタル化を定める「情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第39号)は,令和7年5月16日に成立し,同月23日に公布された。
同法は一度に全面施行されるのではなく,規定ごとに段階的に施行される。

令和8年10月15日現在,情報通信技術の進展等に伴う犯罪への対応に関する一部規定は令和7年6月12日に,電磁的記録提供命令,ビデオリンク方式による証人尋問及び特定電子移転財産権の没収等に関する一部規定は令和8年5月21日に施行されている。
書類の電子化,電子令状,オンラインによる書類・証拠の授受その他の主要規定は,令和9年3月31日までの間において政令で定める日に施行される。

もっとも,法令上の施行日と,個別事件で電子的な方法を利用できる日とは同じとは限らない。
経過措置,事件の係属時期,電子公訴提起の有無,対象地域・事件及び最高裁判所の指定等を確認する必要がある。

1 刑事手続のデジタル化はいつから始まるか

主要規定は令和9年3月31日までの政令日から施行される予定であり,対象事件は同年3月から7月12日まで地域・罪名別に段階的に拡大される予定である。
全国の全事件が対象となる予定日は令和9年7月12日である。

2 刑事手続のデジタル化で何が変わるか

裁判書類・証拠の電子化,電子令状,オンラインによる申立て・通知・送達・証拠授受及び裁判記録の電子的な閲覧等が段階的に導入される。
ただし,利用するシステムと開始時期は,裁判所,検察庁及び警察で異なる。

3 刑事手続はすべてオンラインになるか

紙の手続や対面での閲覧が直ちにすべてなくなるわけではない。
施行段階,行為者,紙起訴か電子起訴か,証拠の内容・性質及び個別事件の案内によって,電子的方法の義務又は利用可否が異なる。

第2 改正法の三つの柱
1 書類・証拠・令状の電子化

第一の柱は,刑事手続で取り扱う書類を電磁的記録として作成・管理・発受するための規定である。
裁判所,検察官,司法警察職員及び弁護人等の間の申立て・通知・送達,令状の請求・発付・執行並びに証拠の閲覧・謄写等を電子的に行う法的基盤が整備される。

2 ビデオリンク方式の拡大

第二の柱は,勾留質問,弁解録取,裁判所の手続への出頭・出席及び証人尋問等について,映像と音声を相互に送受信する方法の利用範囲を広げることである。
遠隔化は移動負担を減らし得る一方,被疑者・被告人と弁護人の秘密交通,供述状況の把握及び防御権の実質的保障を損なわない運用が必要である。

なお,裁判所等の手続を映像と音声の送受信により行うことと,身体を拘束された被疑者・被告人が弁護人とオンラインで打合せをすることは別の問題である。
改正法附則41条は,刑事訴訟法39条1項の規定による接見の「ほかに」,身体の拘束を受けている被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について,政府が必要な取組を推進するものとしている。
同条は,地域の実情を踏まえ,秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ取組を推進するという,政府の取組を定める規定である。

したがって,この附則だけから,全国の施設で,39条1項の接見と同じ条件のオンラインでの通話が直ちに利用できるとはいえない。
家族等とのオンライン面会の案内を,弁護人との通話へそのまま当てはめることもできない。
実際に利用する場合は,収容施設,対象となる本人と弁護人,申込方法,通話場所,時間・回数,立会い・録音録画の扱い及び資料を示す方法を,その施設と弁護士会の最新の案内で確認する必要がある。

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Windowsの基本操作とサポート期限―画面,印刷,32bit・64bit及びESU(AI作成)

目次第1 操作方法はOS・アプリ・機器を分けて確認する第2 画面表示とスクリーンショット1 拡大率と解像度を区別する2 画面の切取りは証拠の全部ではない第3 印刷・PDF・ファイルの場所第4 32bit・64bitとドライバー第5 Windows 10の終了とESU1 通常サポートの終了と追加のセキュリティ更新2 事務所の業務用パソコンは商用条件を確認する3 移行計画はアプリと周辺機器を含める4 Officeのサポート期限は別に確認する第6 関連記事と出典
第1 操作方法はOS・アプリ・機器を分けて確認する

Windowsのトラブルを調べる際は,Windowsの版,アプリの版,接続機器の型番を確認する。
同じ名前の機能でも,Windows 10とWindows 11,デスクトップアプリとウェブアプリでは画面や機能が異なる場合がある。
本記事は基本的な切分けとサポート期限の確認方法を扱い,具体的な変更は事務所の管理ルールに従うことを前提とする。

第2 画面表示とスクリーンショット
1 拡大率と解像度を区別する

文字が小さい場合,画面の解像度を下げる方法と,表示の拡大率を変える方法は同じではない。
複数ディスプレイでは,配置,主画面,拡大率をそれぞれ確認する。
WindowsキーとPキーによる投影設定では,複製と拡張の違いに注意する。
具体的な接続方法はディスプレイの接続・拡張・画面共有で説明する。

2 画面の切取りは証拠の全部ではない

Windowsキー・Shiftキー・Sキーによる切取り等は,画面を記録する手段である。
操作結果がクリップボードにあるだけなのか,ファイルとして保存されているのかを確認する。
画面外の文脈,URL,取得日時,元のファイルは,切取り画像とは別に残す。

第3 印刷・PDF・ファイルの場所

印刷時は,出力先,部数,片面・両面,ページ範囲,用紙サイズ及び拡大縮小を確認する。
別の事件のプリンター出力を取り違えないよう,実際の出力物まで確認する。
PDFプリンターを選んだ場合は,保存画面と保存先を確認し,紙が出ないことだけを障害と判断しない。

ファイルが見つからない場合は,アプリの最近使った項目だけでなく,実際の保存場所と拡張子を確認する。
デスクトップやドキュメントがクラウド同期の対象であることもある。
同名ファイルについては,更新日時だけでなく内容と版を確かめる。

第4 32bit・64bitとドライバー

OS,アプリ及びドライバーのbit数は別の確認事項である。
64bit Windows上で32bitアプリが動く場合でも,連携部品の互換性まで保証されるわけではない。
特にスキャナーは,アプリが要求するTWAIN等の方式とbit数を確認する。

また,64bitという表現だけでは,x64とARM64等のCPU構成の違いまで説明できない。
古い周辺機器を新しいパソコンへ移す際は,OS名だけでなく,機器メーカーの現行動作環境を確認する。
詳細は裁判書類のPDF化とスキャナー設定を参照されたい。

Windows,アプリ及びドライバーの更新と,BIOS又はUEFIファームウェアの更新は,対象,更新方法及び失敗時の影響が異なる。
BIOS更新は,メーカーが対象機種について更新を推奨し,又は現在の問題を修正すると確認できる場合に必要性を判断し,機種・版,BitLocker回復キー,電源,バックアップ及び復旧方法を確認してから行う。
詳しくは,BIOS更新の必要性と危険性―更新すべき場合・見送れる場合,失敗対策及びBitLocker回復キー(AI作成)を参照されたい。

キーボードの印字と入力が一致しない場合は,IMEの種類だけでなく,Windowsが物理キーボードを日本語106/109配列又は英語101/102配列のどちらとして処理しているかを確認する。
半角/全角キーでバッククォートが入力される場合の確認順序は,Windows 11で半角/全角キーが効かずバッククォートが入力されるとき―日本語106/109配列への戻し方(AI作成)で説明する。

第5 Windows 10の終了とESU
1 通常サポートの終了と追加のセキュリティ更新

Windows 10の通常サポートは令和7年(2025年)10月14日に終了した。
Microsoftが令和8年(2026年)9月15日時点で公表するコンシューマー向けESUの終了日は,令和9年(2027年)10月12日である(出典①)。
以前の案内で示された期限と混同せず,契約・対象機器に対応する現行案内を確認する。

ESUは,対象となる重要なセキュリティ更新を提供する制度であり,通常サポート全体の延長ではない。
新機能,一般的な修正,技術サポートまで受けられるという意味ではない。

2 事務所の業務用パソコンは商用条件を確認する

Microsoftは,コンシューマー向けESUを商用シナリオでは使用できないと案内している。
個人事務所であることや,Windows Homeを使用していることだけで,個人向け条件を満たすと判断しない。
組織での利用については,商用ESUの案内及び販売元に確認する。

対象OS・版,更新適用,登録状態を確認し,登録できたという画面だけで利用条件の検討を終えない。
本記事は,いずれのESU契約の購入や利用資格も保証するものではない。

3 移行計画はアプリと周辺機器を含める

① 利用OS,機器,業務アプリ及び担当者を一覧にする。
② Windows 11への移行要件とメーカーの対応を確認する。
③ データ・設定・回復情報を保全する。
④ 少量の実データに代わるテスト資料で動作を確認する。
⑤ 移行日と旧機器の利用終了日を決める。

ウイルス対策ソフトを入れていても,OSやアプリのサポート終了が解消されるわけではない。
複数の対策製品の併用可否は構成によるため,一律に追加又は削除せず,製品の案内を確認する。

OSの移行とは別に,インストール済みのアプリも定期的に一覧で確認する。
使っていないアプリほど更新が忘れられ,サポートが終了しても気付かれにくい。
個人情報保護委員会の個人情報保護法ガイドライン(通則編)10-6は,技術的安全管理措置の手法の例示として,機器やソフトウェア等に標準装備されている自動更新機能等の活用により,ソフトウェア等を最新状態とすることを挙げている(出典④)。
使っていないアプリは削除し,使い続けるアプリは自動更新が実際に働いているかを版数で確かめる。

使われなくなったアプリの例として,Adobe Flash Playerがある。
Adobeは,Flashのサポートを令和2年(2020年)12月31日に終了し,令和3年(2021年)1月12日以降はFlash PlayerでのFlashコンテンツの実行をブロックした上で,すべての利用者に対し,システムを保護するためにFlash Playerを直ちにアンインストールすることを強く推奨している(出典⑪)。
サポートが終わったアプリは更新されないため,動かなくなったから無害になったとは考えず,一覧から外して削除する。

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Wi-Fiの規格・周波数・SSID・暗号化方式―つながらない場合の確認順序(AI作成)

目次第1 Wi-Fiで確認する四つの項目第2 規格と周波数帯1 世代名と通信規格2 2.4GHz・5GHz・6GHz第3 SSIDと安全な認証・暗号化1 SSIDはネットワーク名である2 WEP・WPA・WPA2・WPA3第4 障害を切り分ける手順第5 中継機・メッシュ・ホームルーター第6 関連記事と出典
第1 Wi-Fiで確認する四つの項目

Wi-Fiを選び,又は接続障害を調べる際には,①規格,②周波数帯,③SSID,④認証・暗号化方式を区別する。
新しいルーターに替えるだけで,回線や設置環境の問題まで解消するわけではない。
本記事では,事務所内の無線接続を安全に確認するための基礎を整理する。

第2 規格と周波数帯
1 世代名と通信規格

Wi-Fiの世代名とIEEEの規格名は,例えばWi-Fi 4がIEEE 802.11n,Wi-Fi 5が802.11ac,Wi-Fi 6が802.11ax,Wi-Fi 7が802.11beという対応である。
Wi-Fi 6Eは6GHz帯の利用に対応したWi-Fi 6を示す呼称である。
世代名は,実際の通信速度や,すべての端末で使える機能を保証するものではない。

ルーター,パソコン,スマートフォンの対応規格が異なる場合には,共通して利用できる条件で接続する。
「Wi-Fi 7対応」という表示だけで判断せず,対応帯域・端末・設置国の条件を製品仕様で確認する。

2 2.4GHz・5GHz・6GHz

2.4GHz帯は障害物越しの接続に有利な場合がある一方,他の機器の電波と干渉することがある。
5GHz帯や6GHz帯は,対応端末や距離・壁等の条件を確認して使う。
電波が弱いときは,まず機器を近付け,利用可能な別の周波数帯で比較する。

5GHz帯のWi-Fiと,携帯電話の第5世代通信である5Gは別の意味である。
規格上の最大速度,無線区間の接続速度,インターネットへの実効速度も同じ数値ではない。

第3 SSIDと安全な認証・暗号化
1 SSIDはネットワーク名である

SSIDは,接続先の無線ネットワークを識別する名称である。
同名のネットワークを他人が設けることもできるため,名前が見慣れたものという理由だけで信用してはならない。
接続用パスワードと,ルーターの管理画面へ入るためのパスワードも分けて管理する。

SSID非表示やMACアドレスによる接続制限だけを,十分な認証・暗号化の代わりにしない。
来客用ネットワークを設ける場合には,事務所のNAS・プリンター等へアクセスできるかどうかも確認する。

2 WEP・WPA・WPA2・WPA3

WEPや古いWPA・TKIPを,新規の業務用設定の標準にすべきではない。
対応機器ではWPA3を検討し,既存機器との互換性からWPA2を使う場合はAES系の設定を確認する(出典②)。
混在モードで古い機器を接続できても,最新方式だけで接続していることにはならない。

ルーターのファームウェア更新,管理パスワード,サポート期間も重要である。
つながらないことだけを理由に,暗号化を解除して公開ネットワークにするべきではない。

第4 障害を切り分ける手順

① 正しいSSIDか,Wi-Fiが有効か,機内モードでないかを確認する。
② ルーターの近くで接続し,別端末でも同じ現象か比較する。
③ 対応する周波数帯・暗号化方式・保存済みパスワードを確認する。
④ Wi-Fi接続後にインターネットだけ使えない場合は,回線側の障害を確認する。
⑤ 公衆Wi-Fiでは利用条件への同意画面や利用時間制限を確認する。
⑥ 一つずつ変更し,結果を記録する。初期化は復旧手段を確保してから判断する。

NASが見えない場合は,インターネット障害とは別に,ゲストネットワークや端末間通信の分離設定を確認する。
オンライン会議中だけ不安定になる場合は,上り通信,接続台数,電波環境を調べ,有線LANや別回線との比較を行う。

第5 中継機・メッシュ・ホームルーター

中継機やメッシュは,電波の届く範囲や機器間の接続を改善する選択肢である。
しかし,回線契約自体の障害や混雑を解消するものではない。
EasyMesh等の対応表記があっても,製品・ファームウェア・組合せによる条件を確認する。

携帯電話網を使うホームルーターは,宅内のWi-Fi区間と,基地局までのモバイル通信区間がある。
パソコンのWi-Fi表示が良好でも,モバイル通信側で速度低下が起こることがある。
導入前には実際の利用場所・時間帯で必要な上り通信やオンライン会議を確認する。

第6 関連記事と出典

インターネット接続の基礎は回線側を,テザリングとMACアドレスは外出先の接続と端末識別を扱う。
弁護士情報セキュリティ規程も参照されたい。

① バッファロー「Wi-Fi 6とは?」(世代・端末対応等の説明。掲載時の「最新」という表現を現在の最新世代の意味では用いない。)
https://www.buffalo.jp/contents/topics/knowledge/wi-fi6/

② バッファロー「Wi-Fiの安全を守るセキュリティー」
https://www.buffalo.jp/topics/select/detail/wifi-security.html

③ 総務省「令和6年版 情報通信白書」(Wi-Fi 7の制度整備)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd223410.html

ウェブ上のリンク・YouTube・X埋込みと著作権―リツイート最高裁判決を含む(AI作成)

目次第1 リンク・埋込み・転載を分けて検討する第2 操作と権利の対応第3 YouTube・Xの公式埋込み機能1 現在のXの表示を確認する方法第4 リツイート最高裁判決1 事案と多数意見2 補足意見・反対意見との区別3 判決を一般化しすぎない4 大阪地裁平成25年6月20日判決との違い第5 スクリーンショットと引用第6 公開前の確認と関連記事第7 出典
第1 リンク・埋込み・転載を分けて検討する

ウェブ記事に他人の資料を紹介する際は,URLへの通常のリンク,公式プレーヤー等による埋込み,画像や文章を自分のサーバーへ保存して公開する転載を区別する必要がある。
技術的な操作が異なる以上,著作権法上の評価も同じとは限らない。
本記事は,日本法上の基本的な区別と,最高裁令和2年7月21日第三小法廷判決の射程を説明する。

第2 操作と権利の対応

操作
主な確認事項

文字の通常リンク
リンク先,紹介文,違法な利用への関与の有無

公式機能による埋込み
投稿元の権限,サービス条件,画面上の表示態様

画像を保存して再掲載
複製・公衆送信についての許諾又は権利制限

スクリーンショットの掲載
写り込んだ著作物,引用の要件,氏名・プライバシー

著作権法21条は複製権を,23条は公衆送信権等を定める。
単にリンクであるという呼称だけで,何も複製していない,又はいかなる責任も生じないと判断してはならない。
画像の保存場所,表示の仕組み及び自分が行った操作を確認することが出発点となる。

第3 YouTube・Xの公式埋込み機能

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登記情報提供サービスの使い方―地番検索,家屋番号,当日明細及びPDF保存(AI作成)

目次第1 登記事項証明書との違い1 法務局で登記簿の閲覧はできるか第2 住所・地番・家屋番号第3 不動産を指定して請求する第4 PDFの表示・保存と再請求1 取得期限までに実ファイルを保存する2 再請求は新たな課金になり得る第5 当日明細・日付別明細と費用整理第6 関連記事と出典
第1 登記事項証明書との違い

登記情報提供サービスは,登記所の保有する登記情報を,インターネット経由で確認する有料サービスである。
情報はPDFで提供されるが,登記事項証明書と異なり,証明文や公印等は付されない(出典①)。
提出先が登記事項証明書を求めている場合に,取得したPDFを当然にその代わりにできるわけではない。

照会番号を利用できる手続もあるが,対応の有無を提出先へ確認する必要がある。
本記事は不動産の特定からPDF保存・利用明細確認までを扱い,所有権や担保権の法律上の判断そのものを説明する記事ではない。

1 法務局で登記簿の閲覧はできるか

法務局で登記内容を確認したいときは,何を取得・閲覧したいのかを分ける必要がある。
登記事項証明書,登記事項要約書,登記情報提供サービス及び登記申請書等の附属書類の閲覧は,それぞれ手続と用途が異なる。

目的主な方法注意点提出用の登記の証明書を取得する登記事項証明書の交付請求窓口・郵送・オンライン請求が案内されている。オンライン請求でも証明書の交付は郵送又は窓口受取となる登記内容を確認する登記情報提供サービス,登記事項要約書本サービスのPDFには証明文・公印等がない。要約書は管轄登記所の窓口で請求し,郵送・オンラインでは請求できない登記申請書や添付書面を調べる不動産登記簿の附属書類の閲覧請求自分が登記申請人である場合と第三者の場合を区別し,第三者は正当な理由を証明する書面などを準備する

証明書と情報確認用PDFのどちらが必要かは,提出先の指定を確認して決める。
登記申請書や添付書面まで見たい場合に,本サービスで当然に取得できると考えない。

公式の請求方法は,法務局「各種証明書請求手続」で案内されている。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html
不動産登記簿の附属書類の閲覧条件は,次の公式案内を参照されたい。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000001_00021.html

法務局の業務全体と窓口の選び方は,法務局とは何をするところか,来庁前の確認は,法務局の予約・登記手続案内・証明書取得の違いで整理している。

第2 住所・地番・家屋番号

住居表示としての住所と,土地の地番,建物の家屋番号は異なる。
マンションの部屋番号も,家屋番号と常に一致するわけではない。
住所をそのまま入力して情報が出ないことをもって,登記がないと結論付けない。

① 固定資産税関係資料,契約書,既存の登記資料等を確認する。
② 土地は所在・地番,建物は所在・家屋番号を特定する。
③ 地番検索や土地からの建物検索等を補助的に用いる。
④ 表示された物件が目的の物件か,図面や既存資料と照合する。

地番検索の地図は物件の絞込みに役立つが,境界や権利関係を確定する資料として単独で扱うべきではない。
同じ敷地の別棟,附属建物,区分建物の取り違えに注意する。

第3 不動産を指定して請求する

公式操作案内では,不動産請求に「所在指定」「不動産番号指定」「土地からの建物検索指定」が設けられている(出典②)。
目的に合う方法を選び,全部事項・所有者事項・地図・図面等の請求内容を確認する。
共同担保目録や信託目録の選択も,調査目的に照らして確認する。

所在地の選択が似ていても,登記上の所在が別である場合がある。
検索結果がない場合は,入力条件,コンピュータ化前の記録,閉鎖記録,サービス対象外の情報等を切り分ける。
制度上の取得範囲は不動産登記のコンピュータ化に関する記事を参照されたい。

請求ボタンを押すことは,単なる検索条件の保存と同じではない。
料金が発生する確認画面で,対象物件と請求内容を再確認する。

第4 PDFの表示・保存と再請求
1 取得期限までに実ファイルを保存する

マイページの「請求済」表示と,パソコンへの保存完了は別である。
令和8年(2026年)9月15日に確認した公式案内では,取得日及びその翌通常業務日から3通常業務日の間に表示・保存を行うこととされている(出典③)。
一覧に履歴が残る期間と,PDFを取得できる期間を混同しない。

保存後は,ファイルを開き,物件,取得日,請求した事項及びページの欠落がないことを確認する。
ファイル名には,物件を識別できる情報と取得日を付けると整理しやすい。
保存先は,事件ごとのアクセス制限された場所とする。

2 再請求は新たな課金になり得る

既に取得した情報の表示・保存と,最新情報の再請求は異なる。
公式案内は,再請求すると新しい情報を取得し,課金されることを説明している(出典③)。
過去のPDFが必要なだけなのか,現在の内容を改めて取得する必要があるのかを判断する。

第5 当日明細・日付別明細と費用整理

(続きを読む...)登記情報提供サービスの使い方―地番検索,家屋番号,当日明細及びPDF保存(AI作成)

Thunderbirdの設定・バックアップ・メール移行―POP・IMAP・プロファイルの実務(AI作成)

目次第1 移行前に保存場所を確認する第2 アカウント設定の確認1 POP・IMAPと送信サーバー2 ローカルフォルダーを見落とさない第3 プロファイルのバックアップ1 プロファイルとは2 エクスポートの容量制限第4 新端末への移行手順1 切替の検収は「受信できた」だけで終えない第5 不調・破損が疑われる場合第6 関連記事と出典
第1 移行前に保存場所を確認する

Thunderbirdの引越しでは,ソフトをインストールし直す作業と,メール・設定を移す作業を区別する。
とりわけ,POPで取得したメールやローカルフォルダーは,旧端末だけに残っていることがある。
新端末で受信できたことだけで,過去のメールも移行できたと判断してはならない。

第2 アカウント設定の確認
1 POP・IMAPと送信サーバー

アカウントごとに,受信方式,サーバー名,ユーザー名,ポート,接続の保護,認証方式を記録する。
送信サーバーも別に確認し,複数アカウントでは差出人と送信サーバーの対応を点検する。
設定の記録を共有する際には,パスワード・認証情報を含めない。

IMAPはサーバーとの同期であり,削除も反映され得る。
「このコンピューターにメッセージを保存する」等の同期設定を確認し,必要なフォルダーの本文・添付ファイルが取得済みか点検する(出典①)。

2 ローカルフォルダーを見落とさない

ローカルフォルダーは,通常,特定のメールサーバーとの同期対象ではない。
過去の事件メールをここへ移している場合は,サーバーに再接続しても戻らない可能性がある。
受信トレイだけでなく,送信済み,アーカイブ,下書き,フィルター,アドレス帳も対象とする。

第3 プロファイルのバックアップ
1 プロファイルとは

プロファイルは,Thunderbirdの利用データ・設定をまとめて保持する領域である。
プログラム本体のインストール先とは異なる。
公式ヘルプに従って使用中のプロファイルを開き,フォルダー名だけで推測せず,実際の保存先を確認する(出典②)。

手作業で複製する場合は,Thunderbirdを終了してから行う。
別の場所に保存先を変更しているメール等があれば,標準のプロファイルだけのコピーで足りるかを確認する。
作業中のプロファイルを複数端末で同時に書き換える運用は避ける。

2 エクスポートの容量制限

公式のエクスポートツールは,アカウント情報・メッセージ・アドレス帳・設定をZIP形式で保存する。
令和8年9月15日確認の公式ヘルプでは,バックアップファイルの対応サイズは2GBまでとされている(出典③)。
大きなプロファイルでは,公式の手動バックアップ手順を用いる。

バックアップが作成されたことと,必要なメールを復元できることは別である。
別の保管媒体を用意し,アクセス制限を設定した上で,代表的な古いメールと添付ファイルの復元を試す。

第4 新端末への移行手順

① 旧端末でアカウント・フォルダー・ローカル保存先・容量を記録する。
② 同期が必要なメールを取得し,Thunderbird終了後にバックアップする。
③ 新端末へ対応するThunderbirdを導入し,公式のインポート又はプロファイル復元手順を使う。
④ 既に新端末で使っているプロファイルがある場合は,その内容も別に保全する。
⑤ 受信・送信,差出人,送信済みの保存先,過去メール,添付ファイルを確認する。
⑥ 移行の確認が終わるまで,旧端末・元バックアップを消去しない。

POPからIMAPへの変更は,単なるソフトの引越しとは別である。
大量のローカルメールをIMAPへコピーすると,サーバーへのアップロードや容量増加が生じるため,少量で試してから進める。
移動とコピーを取り違えないことも重要である。

1 切替の検収は「受信できた」だけで終えない

以下は検収方法の提案であり,特定の事務所で復元・送受信試験を実施したという結果ではない。
まず現用プロファイルを保全し,保全コピーから別プロファイル等へ復元して,通信を伴わない確認を行う。
復元したアカウントがサーバーへ接続すると同期や送信等が発生し得るため,オフラインでの確認と,承認を得た送受信試験を分ける。

確認項目
合格条件の例

保存メール

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スマートフォンのテザリングとMACアドレス―接続設定,端末識別及びトラブル対応(AI作成)

目次第1 テザリングを予備回線として使う第2 Wi-Fi・USB・Bluetoothの使い分け第3 安全に接続する順序第4 MACアドレスは何を示すか第5 MAC制限と接続トラブル第6 関連記事と出典
第1 テザリングを予備回線として使う

テザリングは,スマートフォン等の通信接続を,パソコンやタブレット等と共有する機能である。
事務所回線の障害や外出先で役立つが,通信契約,端末の電池,電波及び情報管理の条件を確認する必要がある。
元記事にあった特定の旧機種の設定例は,現在のすべての機種に共通する手順ではない。

第2 Wi-Fi・USB・Bluetoothの使い分け

方式
確認する点

Wi-Fi
アクセスポイント名,パスワード,周波数,接続台数

USB
データ通信対応ケーブル,OS・端末の対応,接続許可

Bluetooth
ペアリングする相手,対応機能,通信速度

Apple及びGoogleは,対応端末でこれらの方式による共有を案内しているが,機種・OSによる制限がある(出典①・②)。
Wi-Fi接続が成立しても,携帯回線側に通信制限や障害があればインターネットには接続できない。
接続台数や追加料金は通信事業者の契約条件も確認する。

第3 安全に接続する順序

① スマートフォン単体でインターネットにつながるかを確認する。
② 契約上テザリングが利用できるか,容量制限がないかを確認する。
③ 共有機能を有効にし,接続先名と十分な強さのパスワードを確認する。
④ 接続する端末で目的のアクセスポイントを選ぶ。
⑤ 通信できることを確認し,不要になったら共有を終了する。

接続先名に依頼者名や事件名を使用しない。
OSやクラウドの大容量更新が始まると通信量が急増することがあるため,予備回線で行う作業を絞る。
接続不良への対処として,安易にパスワードをなくしたり,事務所の保護設定を解除したりしない。

第4 MACアドレスは何を示すか

MACアドレスは,LAN等で通信インターフェースを識別するために使われる値である。
一般的には6組の16進数で表示されるが,これを人の本人確認情報と同視してはならない。
一つの端末でも,有線と無線で異なるインターフェースを持つことがある。

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裁判書類のPDF化とスキャナー設定―Word変換,A3・A4,TWAIN・ISIS及び提出前確認(AI作成)

目次第1 読めるPDFと提出できるPDFを区別する第2 WordからPDFへ変換する1 元のWordファイルを残す2 A3・A4と縮小を確認する第3 紙をスキャンする際の確認第4 TWAIN・ISISと32bit・64bit第5 ScanSnap Managerのサポート終了と移行第6 提出前の最終確認第7 関連記事と出典
第1 読めるPDFと提出できるPDFを区別する

裁判書類のPDF化では,原資料を欠落なく読み取ることと,提出先の形式・容量等に適合させることの両方が必要である。
本記事は,Wordからの変換,紙の読み取り,スキャナーとドライバーの選択を扱う。
mintsの提出形式・一括アップロードの制限等は,mints提出用PDFの作り方と裁判所の最新案内で確認されたい。

第2 WordからPDFへ変換する
1 元のWordファイルを残す

編集可能なWordファイルと提出用PDFは別に保管する。
変換後は,ページ数,改ページ,表,脚注,外字,画像,ページ番号を確認する。
変更履歴やコメントを表示しない設定で出力しても,元ファイルにそれらがなくなるわけではない。

保存・エクスポートによるPDF化と,印刷機能を介したPDF化では,リンクや文書構造等の保持が異なる場合がある。
目的に応じた方法を選び,最終成果物を開いて確認する。
機密資料を,契約・保存先・利用条件の確認できないオンライン変換サイトへ送信してはならない。

2 A3・A4と縮小を確認する

元資料がA3である場合,単純なA4縮小では細字や図面の数値が読めなくなることがある。
用紙サイズ,縦横,余白を確認し,提出先の指定に従う。
分割や縮小をしたときは,どの原資料のどの部分かが分かるようにする。

第3 紙をスキャンする際の確認

① ホチキスや付箋,折り込み,裏面記載を確認する。
② 両面読み取り,白紙除去,傾き補正,自動回転等の設定を確認する。
③ 薄い印影,鉛筆書き,色分けされた部分が失われない設定を選ぶ。
④ 読み取った全ページを原資料と照合する。
⑤ 保存先・事件名・証拠番号等を確認して保存する。

白紙除去は便利であるが,薄い記載のあるページまで落ちる可能性を考慮する。
OCRは検索やコピーに役立つ一方,画像の文字と認識結果が一致するとは限らない。
OCR結果だけを引用せず,金額,日付,固有名詞等を画像と照合する。

解像度を高くすれば,常に提出用PDFとして適切になるわけではない。
可読性と容量を両立させ,圧縮後にも細字・写真・印影が判読できるかを確認する。

fi-7460及びfi-7480のブレーキローラとピックローラの推奨交換周期は20万枚であり,それぞれ原稿の分離と搬送を担う(出典④)。
消耗品カウンターの警告だけから,Windows上の装置認識やTWAINソースの表示不良の原因であるとは判断できないため,給紙状態の確認とソフトウェア認識の確認を分ける。

第4 TWAIN・ISISと32bit・64bit

TWAIN及びISISは,スキャン用アプリケーションとスキャナー側のソフトウェアを連携させるために使われる仕組みである。
アプリが要求する方式と,機器が提供するドライバーが対応している必要がある。
ScanSnapと業務用fiシリーズ等では利用方法が異なるため,製品名だけで互換性を推測しない。

PFUのPaperStream IPに関するFAQは,Windowsが64bitでも,32bitアプリには32bitのTWAINドライバーを使うことを案内している(出典①)。
OSのbit数だけでドライバーを選ぶのではなく,アプリのbit数も確認する。
ARM版Windowsへの対応も製品・ドライバー・アプリごとに異なるため,現行の動作環境を確認する(出典②)。

Windowsの設定にスキャナーが表示されることと,利用するスキャンアプリが必要なドライバー経由で読み取れることは別である。
PFUのFAQも,Windowsには装置が認識されているのにスキャンアプリではスキャナーが見つからない事象を案内している(出典⑤)。
切り分けの際は,デバイスマネージャー上の認識だけでなく,スキャンアプリのソース選択画面に利用予定のPaperStream IP(TWAIN)が表示されるかを確認する。WIAのソースだけが表示される場合,必要なTWAINソースまで使用可能であるとは限らない。

fi-7460及びfi-7480のWindows 11向け公式ダウンロードページでは,令和8年9月16日現在,PaperStream IP(TWAIN)3.40.2が掲載されている。
同ページも,OSが64bitであっても,32bitアプリを使用する場合はPaperStream IP(TWAIN)を使用するよう案内している(出典⑥)。

第5 ScanSnap Managerのサポート終了と移行

PFUのScanSnapサイトの公式案内によれば,ScanSnap Managerの提供及びサポートは令和6年(2024年)11月7日に終了した(出典③)。
ただし,fiシリーズで利用される「ScanSnap Manager for fi Series」は,同じ扱いと決め付けず,別途,機種・OS・版の対応を確認する必要がある。PFUの現行Windows対応表では,同ソフトウェアはレガシーアプリケーションとして掲げられ,fi-7460及びfi-7480は対応機種に含まれ,Windows 11の最小対応版は1.0.14とされている(出典⑦)。
この終了及びScanSnap Homeへの移行案内を,そのままfiシリーズに適用してはならない。
古い操作記事に掲載された画面だけを頼りにせず,機種が現行ソフトウェアに対応するかを確認する。
更新前には,読み取り設定,保存先,命名規則,連携アプリを控えておく。

移行後は,少量のテスト資料で両面,白紙除去,OCR,ファイル名,保存場所を確認する。
旧設定を消した後に不足が判明しないよう,必要な設定と原資料を残して検証する。
PFUの対応表はレガシーアプリケーションのダウンロードサービス終了も注記しているため,再インストールを始める前に,必要なインストーラーを確保できるかも確認する。

第6 提出前の最終確認

PDFを作成したことと,裁判所への提出が完了したことは別である。
ファイル選択,送信処理,受付・提出済み表示を区別して確認する。
提出後に訂正が必要となった場合は,元の提出物を取り違えないよう,版と提出日時を記録する。

証拠保全用のデータは,加工・圧縮した提出用コピーと分ける。
黒塗りは見た目だけでなく,PDFのマスキングで扱う文字情報等の除去も確認する。

第7 関連記事と出典

電子証拠の原本保全とハッシュ値,Windowsの基本操作とサポート期限,IT関係のメモ書きも参照されたい。

① PFU「Is there the PaperStream IP for 64-bit Windows?」
https://fi-faq.pfu.ricoh.com/hc/en-us/articles/13322763972121-Is-there-the-PaperStream-IP-for-64-bit-Windows

② PFU「PaperStream IP 動作環境」
https://www.pfu.ricoh.com/fi/software/paperstream-ip/environment.html

③ PFU「ScanSnap Manager」
https://www.pfu.ricoh.com/scansnap/feature/ss-manager.html

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Zoom・Teams・リモートデスクトップを弁護士業務で使う際の設定と注意点(AI作成)

目次第1 会議参加・画面共有・遠隔操作は別である第2 Zoomの時間制限と会議前の準備第3 Teamsのアカウントと参加経路第4 共有前に閉じるもの・確認するもの第5 リモートデスクトップと遠隔サポート第6 遠隔操作時の表示停止とPC全体の停止を分ける第7 関連記事と出典
第1 会議参加・画面共有・遠隔操作は別である

ウェブ会議に参加すること,資料を画面共有すること,別のパソコンを遠隔操作することでは,相手に見せる情報と与える権限が異なる。
法律事務所では,操作の便利さと守秘上の制約を一緒に確認する必要がある。
本記事は機器・アプリの準備を扱い,裁判手続上の実施要件や録音録画の取扱いは裁判所の指示と関係法令に従う。

第2 Zoomの時間制限と会議前の準備

Zoomの現行サポート案内では,ベーシックの無料ライセンスが主催する通常の会議は,1対1を含め原則40分の制限がある(出典①)。
古い「1対1なら無制限」という説明を現在の標準条件として用いるべきではない。
有料アカウントに所属していても,主催者へどのライセンスが割り当てられているかを確認する。

① 主催者と参加者を確認し,会議URLを必要な相手にだけ伝える。
② 待機室,参加時認証及び画面共有権限を確認する。
③ カメラ,マイク,スピーカー,表示名をテストする。
④ 時間制限と中断時の連絡方法を確認する。
⑤ 終了後に会議・共有が停止していることを確認する。

契約プランの上限値や例外は変わり得るため,重要な会議では開催時点の公式案内を確認する。
本記事は,アカウントの購入や有料化を推奨するものではない。

第3 Teamsのアカウントと参加経路

Teamsでは,個人用アカウント,職場・学校アカウント,ゲストとしての参加を区別する。
会議によってはブラウザー等から参加できるが,主催組織の設定によってサインイン等を求められる場合がある(出典②)。
「Teamsには必ず個人用Microsoftアカウントが必要」と一律に説明するのは適切ではない。

複数のアカウントを使っている場合は,予定の組織・アカウントで入室しているかを確認する。
裁判所の招待で指定された参加方法を,一般のオンライン会議の方法へ勝手に置き換えない。
入室待機中に送ったチャットが,相手へ既に伝わったと推測しない。

第4 共有前に閉じるもの・確認するもの

共有する資料は,必要なページをあらかじめ開く。
メール通知,他事件のタブ,ファイル名,最近使用した項目,クリップボード等が見えないかを確認する。
画面全体の共有よりアプリ単位の共有が適する場面でも,そのアプリ内の別タブやウィンドウには注意が必要である。

録画,文字起こし,AIによる要約を利用する場合は,参加者への説明,必要な同意や許可,保存先,アクセス権及び保存期間を先に確認する。
裁判所での尋問等は,一般的なアプリの録画機能があることをもって自由に記録できるわけではない。
手続の解説は民事訴訟におけるウェブ尋問を参照されたい。

オンラインセミナー又はWeb会議の最中にAIを操作する場合は,画面共有による秘密情報の表示だけでなく,PCの負荷も分けて考える。
ブラウザーで回答を読む程度と,AIエージェントに大量の検索,PDF・画像変換,ビルド又はテストをさせる場合とでは手元の処理量が異なるため,重要な会議中は不要な重い処理を止める。

会議中のフリーズが会議アプリ,通信,表示系又はWindows全体のどこで生じたかを分ける方法は,「オンラインセミナー・Web会議中にWindows 11がフリーズする原因と対策-Zoom・TeamsとAIの同時利用(AI作成)」を参照されたい。

第5 リモートデスクトップと遠隔サポート

リモートデスクトップは,別のパソコンへ接続して操作する仕組みである。
GoogleのChromeリモートデスクトップ案内は,自分の端末へのアクセスと,他人からのサポートを受ける接続を区別している(出典③)。
サポート相手は,画面を見るだけでなく,アプリ,ファイル,メール等へアクセスできる場合がある。

① 相手が正規の担当者であることを,既知の連絡先で確認する。
② 支援範囲と見せてよい情報を確認する。
③ パスワードや回復コードを伝えない。
④ 作業中に何が行われているかを確認する。
⑤ 終了時に接続を切り,継続的なアクセス権が残っていないかを確認する。

相手が正規の保守業者であることと,提案された操作がメーカーの公式な解決策であることは別に確認する。
作業前に,症状を確認した日時,製品名と版,アカウントとライセンスの種類,直前の更新,提案された操作,根拠となる公式資料,見込まれる効果,所要時間,データへの影響及び元に戻す方法を記録する。
作業後には,開始・終了時刻,実行した操作,変更した設定,インストール又は削除したアプリ,確認結果及び未解決事項を残す。

パソコンとOffice等の購入・納品時の記録及び保守作業の記録は,法律事務所がパソコン・Office等を購入・納品してもらうときの確認事項で整理している。Office 2016・Office 2019が「ライセンスのない製品」になった場合は,KB5002907後の復旧手順も参照されたい。

突然表示された警告や電話の指示で遠隔操作を許可することは避ける。
不審な送金画面や認証要求が現れた場合は,作業を中断して事務所の責任者へ連絡する。

使っていない遠隔操作ソフトや,更新されないまま残った会議アプリは,それ自体が攻撃の入口になり得る。
インストール済みアプリの一覧を定期的に見て,使っていない遠隔操作ソフトは削除し,使い続けるものは常駐や自動起動の有無と,無人でも接続を受け付ける設定になっていないかを確認する。
Zoom等の会議アプリも,自動更新が実際に働いているかを版数で確かめる(出典④)。
偽の警告画面から電話をかけ,遠隔操作を許してしまった後の対応は,サポート詐欺(偽のセキュリティ警告)に遭ったときで整理している(出典⑤)。

第6 遠隔操作時の表示停止とPC全体の停止を分ける

自宅PCの遠隔画面だけが止まっても,事務所PCのWindows及びアプリが動き続けている場合がある。
別の許可済み経路又は現地で,時計,マウスポインター,キーボード入力及びネットワーク応答を確認できるときは,遠隔セッションだけの障害か,表示系の停止か,Windows全体の停止かを分ける。

MicrosoftのDesktop Duplication APIは,遠隔アクセス等のためにデスクトップ画像をフレーム単位で取得し,GPU上の画面データを処理する仕組みを説明している(出典⑥)。
そのため,遠隔操作は表示系の追加要因にはなり得るが,遠隔接続中にフリーズしたという一回の同時発生だけで原因とは断定できない。

直接操作日と遠隔操作日について,遠隔ソフト,接続時刻,画面数,解像度,同時タスク数,CPU,利用可能メモリ,ディスク待ち及び表示系ログを同じ条件で比較する。
Windows全体が正常に終了できず再起動した場合のEvent 41も,異常終了の事実を示すだけで原因を単独では確定しない(出典⑦)。

表示リセット用のキー操作,ドライバー更新又はBIOS更新等を提案された場合は,対象機種・対象版,公式資料,見込まれる効果及び元に戻す方法を確認し,正常時に安易に反復しない。
フリーズ時の期限管理,送信成否及び再開手順は,弁護士・税理士のAI業務用PCがフリーズしたときの初動-期限管理,送信成否,ログ保全及び安全な再開(AI作成)を参照されたい。

第7 関連記事と出典

ディスプレイの接続・拡張・画面共有,弁護士情報セキュリティ規程,法律事務所がパソコン・Office等を購入・納品してもらうときの確認事項及びIT関係のメモ書きも参照されたい。

(続きを読む...)Zoom・Teams・リモートデスクトップを弁護士業務で使う際の設定と注意点(AI作成)

サーバー・NAS・クラウドストレージ・DNSの違い―法律事務所のIT基礎(AI作成)

目次第1 保存場所と通信の役割を分ける第2 サーバーとNAS1 サーバーは役割を示す言葉である2 NASもファイルサービスを提供する第3 クラウドストレージと同期1 クラウドとローカルファイルは同じ状態とは限らない2 共有は必要な相手と範囲に限定する第4 DNSとウェブ・メールの障害第5 事務所で作っておく管理表第6 関連記事と出典
第1 保存場所と通信の役割を分ける

サーバー,NAS,クラウドストレージ及びDNSは,同じ種類の製品を四つ並べたものではない。
サーバーはサービスを提供する役割,NASはネットワーク経由でファイルを保存・共有する装置等,クラウドストレージは外部サービスとして提供される保存領域,DNSは名前に対応する情報を問い合わせる仕組みである。
法律事務所では,便利さだけでなく,誰がアクセスでき,誰が復旧できるかを確認して使い分ける必要がある。国内にサーバーがあることだけで安全性を判断せず,契約主体,再委託先,管理者アクセス,ログ,事故通知及び終了時のデータ取扱いまで確認する。
本記事の記載は,令和8年9月28日時点の公表資料に基づく。

第2 サーバーとNAS
1 サーバーは役割を示す言葉である

ウェブサーバーはウェブページを,メールサーバーはメールの送受信等を,ファイルサーバーはファイルの共有等を提供する。
同じ機器が複数の役割を担う場合もある。
高価な専用機器だけがサーバーなのではなく,機能・運用形態を見て区別する。

2 NASもファイルサービスを提供する

NASは,ネットワークに接続して利用するストレージであり,ファイルサーバーとしての機能を持つ。
したがって,「NASはサーバーではない」と一律に説明するのは適切ではない。
共有フォルダーの権限,管理者のアカウント,更新方法,ディスク故障時の交換手順を確認することが重要である。

複数ディスクを使うRAIDは,可用性の確保に役立つ構成であるが,独立したバックアップの代わりにはならない。
利用者による削除,ランサムウェアによる暗号化,装置全体の故障等は,別に備える必要がある。重要データは複数の媒体又は保存先に保ち,少なくとも一つは通常の端末・ネットワークから切り離す。バックアップは存在確認だけでなく,定期的な復元試験まで行う。

IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」は,バックアップを「情報セキュリティ6か条」の一つに位置付け,対象・取得方法・取得間隔,保管場所・世代・保管期間及び復旧計画・復元確認を検討事項としている。
法律事務所では,事件記録,期限管理表,依頼者連絡先,預り金関係資料その他の業務継続に必要な情報ごとに,許容できる停止時間と欠落期間を決め,通常のクラウド認証や事務所ネットワークが使えない場合にも復元できるかを試す必要がある。
自社診断から監視・駆付け・保険を含むサービス選定へ進む手順は,別記事「法律・税理士事務所の情報セキュリティ自社診断と「サイバーセキュリティお助け隊」の選び方」を参照されたい。

Windowsの「システムの復元」も,バックアップの代わりにはならない。
Microsoftによれば,システムの復元は,システムファイル,レジストリ設定及びインストールされているプログラムを復元ポイントの作成時の状態に戻す機能であり,個人用ファイルには影響を与えない(出典⑥)。
そのため,誤って削除した文書や暗号化された文書を取り戻す手段にはならない。
ソフトウェアの障害でも,提供元が解決策として示していない場合は,システムの復元を試す前に提供元の案内を確認する(例として,Office 2016・2019が「ライセンスのない製品」になったときの対応)。

第3 クラウドストレージと同期
1 クラウドとローカルファイルは同じ状態とは限らない

パソコン上にファイル名が見えても,中身はクラウドにあり,必要なときだけ取得する設定の場合がある。
オフラインの期日や出張先で必要な資料は,事前に端末へ保存されているかを確認する。
一方,端末にコピーすれば,その端末の紛失・盗難時の漏えい対策も必要になる。

同期は,変更を他の保存場所へ反映させる機能である。
誤削除まで反映されることがあるため,同期済みという表示だけでバックアップ済みと判断してはならない。
Googleの容量に関する案内でも,容量超過によりアップロードや同期等が停止する場合が示されている(出典②)。

同期中の高負荷又は不具合が疑われる場合でも、直ちにアカウントの切断、キャッシュの削除又は再インストールを行うべきではない。まず同期状態、エラー表示、未同期ファイル及びローカルにだけ残るデータを確認し、必要なログと作業時刻を保存する。Google Drive for desktopの案内でも、再インストール又はアカウント切断の前に、未同期ファイルやLost and Foundの内容を確認する必要がある。同期サービスの修復と原因調査は、データ保全の後に一つずつ行う。

2 共有は必要な相手と範囲に限定する

事件単位のフォルダーを分け,閲覧のみか編集も必要かを決める。
「リンクを知っている全員」と「指定した相手」の共有範囲を混同しない。
共同受任の終了,職員の退職,外部委託の終了時には,アクセス権とローカルコピーの取扱いを見直す。

個人用アカウントに事務所資料を集約すると,担当者の退職・死亡・認証不能が事業継続上の問題となり得る。
契約名義,管理者,回復手段,データの持出し方法を事務所として把握しておく。さらに,データの保存・処理国,再委託先,提供者側の管理者アクセス,暗号化,操作ログ,侵害時の通知,バックアップ,契約終了時の削除及び一括エクスポートの可否を確認する。
ISMAPは,政府のクラウド調達におけるセキュリティ評価制度として参考になるが,登録サービスであることだけで弁護士業務又は個別事件への適合性が保証されるものではない。

保存期間は,事件ファイル,版履歴,ごみ箱及び閲覧・操作ログを分けて把握する。プラン変更,解約又はアカウントの停止により,過去のデータやログを取得できなくなる条件がないか確認する。サービス終了や障害時に,誰がどの形式で,いつまでに一括取得できるかも管理表に残す。

エクスポート機能があることと,必要なデータを利用可能な形で取得できることは同じではない。重要な事件資料は,契約中に代表的なファイル・版履歴・ログを書き出し,別の端末で読めること,必要な日時・作成者等の情報が残ることを試す。紛争対応のため保全するデータは,通常の削除ルールから区別し,必要性,対象,保管者及び見直し時点を記録する。これらは本記事が提案する運用上の確認事項である。

第4 DNSとウェブ・メールの障害

DNSは,ドメイン名に対応するIPアドレスなどの情報を問い合わせる仕組みであり,ウェブ本文や事件ファイルの保管庫ではない(出典①)。
独自ドメインの更新失念,DNS設定の変更,ウェブサーバーの停止,メールの容量超過は別々の問題である。

① ドメインの契約先と更新期限を確認する。
② ウェブとメールの双方が止まっているかを確認する。
③ 直前に変更したDNS・メール・サーバー設定を確認する。
④ 管理担当者又は契約先に,障害発生時刻と影響範囲を伝える。

DNSの設定変更はメール配送にも影響し得る。
復旧を急ぐ場合でも,現状の記録と変更の目的を確認せずに値を置き換えない。復旧後は,メールを受信できなかった可能性のある期間を特定し,裁判所,相手方,依頼者その他の送信者に未達連絡の有無を確認するとともに,その期間中又は直後に期限が来る事件を監査する。

第5 事務所で作っておく管理表
対象管理表に記録する事項NAS・ファイル共有機種,管理者,共有範囲,更新・復旧担当クラウド契約主体,保存・処理国,再委託先,管理者アクセス,利用者・権限,データ・ログの保存期限,侵害通知,バックアップ,プラン変更・終了時の削除条件,エクスポート期限と試験結果バックアップ対象,取得間隔,世代,保管期間,保存先,暗号化,切離しの有無,復旧担当,復元テストの実施日・対象・結果ドメイン・DNS契約先,更新期限,管理担当,変更履歴ソフトウェアのライセンス製品名・版,買い切りかサブスクリプションか,ライセンスを関連付けたアカウント,プロダクトキーの保管場所,購入記録,サポート終了日

パスワードや回復コードは,一般の管理表に平文で書くのではなく,アクセスを制限した別の方法で管理する。
復元テストでは,ファイルが存在することに加えて,開けること,必要な版であることを確認する。

(続きを読む...)サーバー・NAS・クラウドストレージ・DNSの違い―法律事務所のIT基礎(AI作成)

iPad・Chromebook・AirDropの業務利用―画面ロック,同期及びデータ共有(AI作成)

目次第1 端末の違いとデータの所在を確認する第2 iPadの画面ロックと通信第3 ChromebookとMicrosoft Office第4 AirDropで相手を確認して送る第5 同期・紛失・初期化の注意第6 関連記事と出典
第1 端末の違いとデータの所在を確認する

iPadとChromebookは,Windowsパソコンと同じ画面・機能を持つものではない。
持ち運びや閲覧に便利である一方,業務アプリの対応,保存場所,オフライン利用及び情報管理を確認する必要がある。
本記事は,外出・会議・資料共有で迷いやすい点を整理する。

第2 iPadの画面ロックと通信

画面ロックのパスコードとApple Accountのパスワードは別である。
自動ロックを設定し,通知に依頼者名や本文が表示される範囲も確認する。
短時間の離席でも,資料を開いた端末を放置しない。

Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルでは利用できる通信経路が異なる。
電話番号の表示やSIMの有無だけで,通常の携帯電話と同じSMS認証ができると判断してはならない。
利用するサービスの認証方法と通信契約を確認し,認証用端末を失った場合の回復方法を別に用意する。

第3 ChromebookとMicrosoft Office

Chromebookでは,Microsoft 365のウェブアプリ等を利用できるが,Windows用デスクトップアプリと同じ機能がすべて利用できるという意味ではない(出典①)。
複雑な書式,マクロ,外字,電子署名関連のアプリ,スキャナーの連携等は個別に確認する。
裁判書類は,作成した端末で表示できるだけでなく,最終的なPDFの体裁も確認する。

Googleアカウントの同期が有効でも,端末上のすべてのファイルがクラウドへ保存されるわけではない。
Googleは,Chromebookの「ダウンロード」フォルダー等のローカルファイルが設定同期の対象ではないことを説明している(出典②)。
初期化や端末交換の前には,実際の保存先を調べる必要がある。

第4 AirDropで相手を確認して送る

AirDropは,対応するApple製デバイス間で写真や書類等を共有する機能である。
AppleはWi-FiとBluetoothを有効にすること等を案内し,インターネット共有との関係にも注意を促している(出典③)。
受信範囲や相手確認の画面は,OSの版・連絡先登録等で異なる。

① 送るファイルを開き,事件名・版・内容を確認する。
② 相手と対面又は既知の連絡方法で送信先の端末を確認する。
③ 共有画面の候補名だけで同一人物と断定しない。
④ 相手の受信完了とファイルの内容を確認する。
⑤ 不要な受信許可や共有範囲を残さない。

「すべての人」等の広い受信設定を常用する必要はない。
近くにいる第三者や似た端末名への誤送信に注意する。
相手が受領したことと,相手の保存先が適切に管理されていることは別の問題である。

第5 同期・紛失・初期化の注意

同期,バックアップ及び端末の遠隔消去は別の機能である。
紛失時にアカウントからログアウトさせても,端末内のコピーがすべて消えるとは限らない。
端末の暗号化,ロック,管理者による対応,保存されたファイルの範囲を事前に整理する。

初期化は,トラブル時の最初の操作ではない。
証拠や業務資料が端末にしかない可能性を確認し,保存・復元方法を確保してから行う。
業務用と私用のデータが混在する端末では,遠隔消去の対象範囲にも注意する。

第6 関連記事と出典

アカウント・パスワード・PIN・多要素認証,画像・動画の形式と位置情報,Appleアカウントの相続及びIT関係のメモ書きも参照されたい。

① Google「ChromebookでMicrosoft Officeを使用する」
https://support.google.com/chromebook/answer/2481498?hl=ja

② Google「アカウント設定を同期する」
https://support.google.com/chromebook/answer/2914794?hl=ja

③ Apple「iPhoneやiPadでAirDropを使う方法」
https://support.apple.com/ja-jp/119857

インターネット接続の基礎―回線事業者,プロバイダ,ONU,ルーター及びIPアドレス(AI作成)

目次第1 インターネット接続は役割ごとに確認する第2 回線事業者とプロバイダ1 物理的な回線とインターネット接続サービス2 電話サービスやADSLとの区別第3 ONU・ルーター・ハブの違い第4 IPアドレス・DHCP・DNS1 IPアドレスは通信上の宛先である2 DHCPは設定の配布,DNSは名前の問合せである第5 つながらないときの確認順序第6 関連記事と出典
第1 インターネット接続は役割ごとに確認する

インターネットにつながらない場合には,回線契約,接続サービス,宅内機器,端末の設定を分けて確認することが重要である。
Wi-Fiにつながることと,インターネットに到達できることは同じではない。
法律事務所では,復旧作業に加えて,裁判期日・提出期限・連絡手段への影響を先に確認する必要がある。

本記事は,光回線を中心とする基本用語と障害の切分けを扱う。
機器ごとのランプ表示や設定値は異なるため,契約書・機種名・公式マニュアルを確認して適用する。

第2 回線事業者とプロバイダ
1 物理的な回線とインターネット接続サービス

回線事業者は光ファイバーなどの通信回線を提供し,プロバイダはインターネットへの接続サービスを提供する。
両者が別契約となる場合も,一つの事業者からセットで提供される場合もある。
請求書の名義だけで契約相手を判断せず,障害連絡先,接続方式,契約ID,料金の支払状況を確認する。

回線契約の変更,プロバイダの変更,Wi-Fiルーターの交換,メールサーバーの変更は別の作業である。
事務所の独自ドメインメールが使えない場合も,回線全体が止まっているのか,メールだけの障害なのかを切り分ける。

2 電話サービスやADSLとの区別

固定電話網のIP網移行と,利用者が光回線のインターネット契約をすることは別である。
電話番号を維持するための条件や,FAX・警備装置等への影響は,電話サービスの契約先に確認する。
ADSLなど旧サービスの説明は歴史的なものを含むため,古い設定例を現在の光回線へそのまま当てはめない。

第3 ONU・ルーター・ハブの違い

用語
主な役割
確認する点

ONU
光回線の信号と宅内側の電気信号との変換
光回線側の状態,電源,機種名

ルーター
異なるネットワーク間の通信の中継
WAN側とLAN側,接続方式,管理設定

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インターネットバンキングの不正払戻し―補償要件,過失及び被害発生時の対応(AI作成)

目次第1 被害の拡大防止を先に行う第2 個人向けと法人向けを区別する第3 個人向けの補償1 個人向け4行の公表条件を比較する2 「30日」の起算点と役割を分ける第4 法人向けの補償1 法人・個人事業主向けの具体例―楽天銀行第5 残すべき記録第6 補償判断と法的請求は分けて検討する1 自ら振り込んだ被害と,回収手段を分ける第7 関連記事と出典
第1 被害の拡大防止を先に行う

身に覚えのない送金や払戻しに気付いた場合は,補償されるかどうかの検討だけで対応を遅らせず,銀行の正規窓口へ直ちに連絡する。
インターネットバンキングの停止,送金への対応,認証情報の保護等について銀行の案内を受け,警察にも相談する。
連絡先は,不審なメールやSMSのリンクではなく,銀行の公式サイト,通帳等から確認する。

本記事は,全国銀行協会の公表資料と銀行別の規定に基づき,補償の基本構造,具体的な条件及び初動対応を扱う。
個別の銀行の約款,契約,被害時点の運用及び事実関係によって結論が異なるため,補償を保証するものではない。

第2 個人向けと法人向けを区別する

区分
確認する基本資料

個人向けインターネットバンキング
全銀協の平成20年申し合わせ,各行の補償規定・約款

法人向けインターネットバンキング
全銀協の平成26年の考え方,各行の具体的な制度

偽造・盗難カードによる被害
カードの制度・法律と契約。オンライン送金と混同しない

自然人名義であっても事業用サービスを利用している場合がある。
個人事業主や弁護士の事務所口座は,名義だけでなく利用契約の種類を確認する。
銀行預金と,証券・暗号資産・決済サービスの被害も同じ制度ではない。

証券口座やFX口座で第三者が認証情報を使って行った取引では,その取引の効果が本人に帰属するかという点も問題となる。
FX自動売買向けの仮想デスクトップサービスへの不正アクセスの事案を例に,お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスでFX口座に損失が出たら(AI作成)で扱っている。

第3 個人向けの補償

全銀協は平成20年2月19日,インターネットバンキングによる不正払戻しについて,銀行に過失がない場合でも,顧客に過失がないときは原則として補償する旨を公表した(出典①)。
公表資料は,速やかな通知,事情説明及び捜査への協力等も補償の要件として整理している。

顧客に過失又は重過失がある場合の補償は,インターネットバンキングの手口・状況を加味した個別判断とされている(出典②)。
盗難通帳の参考欄にある補償割合を,インターネットバンキングへそのまま当てはめてはならない。

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画像・動画ファイルの形式と位置情報―PNG・JPEG・MP4・EXIFの確認と証拠保存(AI作成)

目次第1 形式の変換と証拠の保全を分ける第2 画像形式の違い第3 MP4と動画の再生1 再生上の相対時刻と,撮影した日時を分ける第4 EXIF・位置情報・表示時刻1 日時の種類を区別する2 「Exifなし」と「メタデータなし」を同一視しない第5 公開用コピーと保全用データ1 保全用は取得した状態を維持する2 公開用には必要な処理を別に行う第6 関連記事と出典
第1 形式の変換と証拠の保全を分ける

画像や動画を扱う際は,閲覧・提出しやすい形式にする作業と,取得したデータを保全する作業を分ける必要がある。
変換,圧縮,切取り,位置情報の削除等は,ファイルの内容や付随情報を変えることがある。
証拠となり得るデータは取得した状態で残し,公開・提出用のコピーを別に作ることが基本である。

第2 画像形式の違い

形式
特徴と確認事項

JPEG・JPG
写真で広く使われる。再圧縮により細部が変化し得る

PNG
可逆圧縮を用い,文字・図や透明部分のある画像等で使われる

GIF
色数等の制約があり,簡単な図やアニメーション等で使われる

TIFF
複数の圧縮方法等があり,拡張子だけでは中身を確定できない

BMP
ビットマップ画像の形式。対応や容量は保存方法等による

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GmailとGoogle Workspaceのアカウント・容量・端末管理(AI作成)

目次第1 個人用Gmailと組織の管理を区別する1 個人アカウントから業務環境へ段階的に移す第2 保存容量はGmailだけで使うものではない第3 Gmailアドレスは変更できるか第4 2027年1月の外部メール機能の変更1 対象となる機能2 対象外の経路を区別する3 移行時の確認事項4 経路別に,終了対象と継続するものを確認する5 代替方法を五つの選択肢から検討する第5 端末確認と紛失時の対応1 Googleの二段階認証は必要か,どこで設定するか2 端末とセッションの確認3 アカウントを乗っ取られた疑いがある場合第6 関連記事と出典
第1 個人用Gmailと組織の管理を区別する

Gmailはメールのサービスであり,GoogleアカウントはGmail以外の各種サービスにも用いられる。
個人用Googleアカウントと,組織の管理者が管理するGoogle Workspaceのアカウントでは,変更権限,保存容量,端末管理等が異なる。
法律事務所で利用する際は,誰の契約で,誰が回復・引継ぎを行えるかを明確にする必要がある。

1 個人アカウントから業務環境へ段階的に移す

個人Googleアカウントにメール,資料及び予定が集まっている場合,すべてを同時に移すことだけを選択肢にしない。
顧客情報を扱う業務を先に業務環境へ移し,過去の資料等は項目ごとに移行・共有・残置を決める方法がある。
ただし,併用中も個人側に残る業務資料と共有権限を管理する必要がある。

対象移行前後に照合することメール・添付対象期間,受信・送信済み,件数の目安,重要メール,添付,ラベル及び新しい送受信経路連絡先・カレンダー重複,予定の時刻・参加者,共有相手,編集権限及び新規登録先Driveの資料正本の所在,所有者,外部共有,リンクの到達先及び移行しない旧コピーAI履歴・投入資料履歴やファイルの保存場所,利用アカウント,適用契約,保持・共有条件及び残置の理由Chrome・拡張・自動化同期するアカウント,保存先,拡張機能の権限,接続先及び旧設定に依存する処理

共有は移行と同じではない。
個人側が所有するファイルを業務アカウントから開けても,所有者や個人側のコピーが変わったとは限らない。
機能ごとの正式な移行方法と制限を確認し,旧アカウントを終了してよい条件を決める。
予定・連絡先・資料が開くことと,権限や正本の所在が予定どおりであることを別々に検収する。

Googleの「Gmailアカウントからメールを移行する」は,移行元の認可と管理者の手続,移行先の条件,期間・除外,実行結果のレポート及び差分移行を説明する。
移行レポートで成功・失敗・除外を確認し,件数だけでなく重要なメールと添付を標本照合する。
移行終了の操作でレポートが利用できなくなるため,必要なレポートは先に保存し,完了後に当該移行で付与した認可の終了も確認する。

これはメール移行の手順であり,Googleの全サービスが一括して移った証明にはならない。
アカウントを間違えて入力・共有しないようにし,権限を変える操作とDNS・MXの切替えは,担当者の承認,事前保存,試験及び戻し方を定めて行う。
生成AIの契約条件は,法律事務所が生成AIのDPAを確認するときのチェックリストを参照されたい。

第2 保存容量はGmailだけで使うものではない

通常の個人用Googleアカウントの無料容量は,Googleドライブ,Gmail及びGoogleフォトで共有される最大15GBである(出典①)。
Gmailの添付ファイルだけでなく,写真・動画等が容量を使っている場合もある。
Google Workspaceの容量はエディション等によるため,一律に15GB又は無制限とはいえない。

容量を使い切ると,メールの送受信やファイルの同期等に影響が生じる場合がある。
容量不足に気付いたら,利用状況,ごみ箱,迷惑メール,管理者側の割当てを確認する。
証拠資料や保存義務のあるデータを,容量確保のために無計画に削除してはならない。

第3 Gmailアドレスは変更できるか

Googleの現行案内は,変更の選択肢が利用できるアカウントについて,Gmailアドレスを別のGmailアドレスへ変更する手順を示している(出典②)。
したがって,「Gmailアドレスは一切変更できない」と断定する説明は改める必要がある。
すべてのアカウントで同時に同じ選択肢が出るとは限らず,実際のアカウント設定を確認する。

変更は単なる表示名の変更とは異なる。
旧アドレスの扱い,外部サービスのログイン,連絡先への通知,ChromebookやChromeリモートデスクトップへの影響を確認する。
事務所の業務用メールは,試しに変更してから影響を調べるのではなく,先に関連サービスを洗い出す。

第4 2027年1月の外部メール機能の変更
1 対象となる機能

令和8年(2026年)9月15日時点のGoogle公式案内は,令和9年(2027年)1月に,第三者メールアドレスからの送信,Gmailify及びウェブ版Gmailによる外部POPメール取得を終了する予定としている(出典③~⑤)。
新規設定と既存利用の移行時期は区別して確認する必要がある。
「Gmailそのものが使えなくなる」という意味ではない。

2 対象外の経路を区別する

スマートフォンのGmailアプリで外部アカウントを直接利用する方法,外部メール事業者からの転送,Thunderbird等からGmailへ直接接続する方法は,ウェブ版Gmailの外部POP取得とは別である。
Google Workspaceの機能やGmailのエイリアスについても,第三者アドレスからの送信終了と混同しない。
既に取り込んだメールが,この変更だけで直ちに消えるという案内ではない。

3 移行時の確認事項

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電子メールの仕組みと安全対策―POP・IMAP・SMTP・メールヘッダー・STARTTLS・PPAP(AI作成)

目次第1 メールサービスとメールソフトを区別する第2 POP・IMAP・SMTPの役割第3 ヘッダーから分かることと限界1 画面表示と原メール2 Received・Message-ID・認証結果第4 TLS・STARTTLSとポート番号第5 PPAPとファイル共有第6 不達・異常時の確認1 エラーメールと到達確認2 不審な添付ファイルと証拠保全第7 関連記事と出典
第1 メールサービスとメールソフトを区別する

メールが送れない,過去のメールが見つからないという場合には,メールサーバーと,閲覧・送信に使うソフトを分けて考える。
ThunderbirdやOutlookはメールソフトであり,アカウントを追加しただけでメールの保管場所や契約先がそのソフトの提供者に移るわけではない。
本記事は通信と安全管理の基礎を扱い,個別の設定値は契約先の公式案内に従うものとする。

第2 POP・IMAP・SMTPの役割

方式
基本的な役割
実務上の注意

POP
サーバーからメールを取得する
サーバーに残すか削除するかは設定による

IMAP
サーバー上のフォルダー・メッセージ等を同期する
削除も他端末へ反映され得る

SMTP
メールを送信・中継する
受信設定とは別に送信認証等を確認する

IMAPでも,本文を端末へ同期してオフラインで読む設定がある。
逆に,件名が表示されていても本文や添付ファイルがすべて保存済みとは限らない(出典①)。
POPとIMAPの違いを「必ず端末だけに保存」「必ずサーバーだけに保存」と単純化しない。

第3 ヘッダーから分かることと限界

(続きを読む...)電子メールの仕組みと安全対策―POP・IMAP・SMTP・メールヘッダー・STARTTLS・PPAP(AI作成)

ディスプレイの接続・拡張・画面共有―Google CastとMiracastの違い(AI作成)

目次第1 画面をどう使いたいかを先に決める第2 有線接続と拡張表示1 出力側・入力側・ケーブルを確認する2 複製と拡張を使い分ける第3 Google Cast第4 MiracastとWindowsの無線投影第5 映らない・音が出ない場合第6 関連記事と出典
第1 画面をどう使いたいかを先に決める

外部画面の利用には,同じ画面を映す「複製」,作業領域を広げる「拡張」,映像を受信機で再生する「キャスト」等がある。
いずれも画面を別の場所に表示するが,接続方式や音声,操作権限は同じではない。
法律相談や会議では,必要な資料以外の通知・事件名が表示されないかも確認する。

第2 有線接続と拡張表示
1 出力側・入力側・ケーブルを確認する

パソコンの映像出力とディスプレイの映像入力を,双方が対応するケーブルで接続する。
一般的なパソコンのHDMI出力に別の機器をつないでも,そのパソコンが映像入力用モニターになるわけではない。
必要に応じてキャプチャー機器等の対応を確認する。

USB Type-Cは端子形状であり,すべてのポート・ケーブルが映像出力に対応するわけではない。
電源供給,データ転送,映像出力の対応を別々に調べる。
配線の詳細はケーブル及びUSB等に関するメモ書きを参照されたい。

2 複製と拡張を使い分ける

説明相手と同じ内容を見る場合は複製,手元で資料を参照しながら別画面へ説明資料を出す場合は拡張が候補となる。
Windowsでは投影設定やディスプレイ設定で配置を確認する。
拡張にしただけで通知や非公開資料が漏れなくなるわけではなく,実際に相手側へ映る画面を確認する必要がある。

第3 Google Cast

Google Castに対応する受信機等へ,対応アプリのコンテンツやChromeのタブ・画面を送ることができる。
Chrome公式案内は,同じWi-Fiへの接続等の要件と,タブ又は画面を選ぶ操作を示している(出典①)。
すべてのテレビや無線画面がGoogle Castに対応しているわけではない。

対応サイトのキャストボタンを使う方法と,Chromeのタブ全体を送る方法では,映像の再生方法等が異なる(出典②)。
音声も,タブ・画面・OS・受信機の組合せによって扱いが異なるため,会議前に確認する。
画面共有を終えるときは,キャストの停止と受信機側の表示まで確認する。

第4 MiracastとWindowsの無線投影

Microsoftは,WindowsからMiracast対応のテレビ・プロジェクター等へ接続する方法として,WindowsキーとKキーによる選択を案内している(出典③)。
送信側と受信側の双方が対応していることが前提となる。
Google CastとMiracastは別の方式であり,名前や無線接続という共通点だけで互換性を判断してはならない。

Fire TV,Android端末,iPhone,iPad等についても,製品名だけでMiracast対応を断定しない。
機種・OS・アプリの現行仕様を調べる。
iPad等を追加画面として使う第三者アプリでは,導入権限,通信先及び利用条件も確認する。

第5 映らない・音が出ない場合

症状
最初に確認する事項

有線で映らない
入力切替,ケーブル,出力対応,アダプターの方向

無線の候補に出ない
両機器の方式,接続条件,受信待機状態

(続きを読む...)ディスプレイの接続・拡張・画面共有―Google CastとMiracastの違い(AI作成)

アカウント・パスワード・PIN・多要素認証の違いと安全な管理(AI作成)

目次第1 何の本人確認をしているか第2 Microsoftアカウント等の区別1 個人用・職場又は学校用・ローカル2 事務所で残す管理台帳第3 パスワードとWindows HelloのPIN第4 二段階認証と多要素認証1 段階と要素を分ける2 パスキーと端末移行第5 機種変更前と紛失時の対応1 機種変更前2 紛失・不正アクセスの疑い第6 関連記事と出典
第1 何の本人確認をしているか

アカウントはサービスや端末を利用するための登録・権限の単位であり,パスワードそのものではない。
安全に管理するためには,サービスのアカウント,端末のロック解除,認証用の機器,紛失時の復旧手段を分けて把握する必要がある。
パスキーなど,通常のログインでパスワードを入力しない方式もある。

第2 Microsoftアカウント等の区別
1 個人用・職場又は学校用・ローカル

Microsoftの個人用アカウントと,組織が管理する職場又は学校アカウントは別のものである。
同じメールアドレスに見える場合でも,ログイン先・管理者・利用権限が同じとは限らない。
ローカルアカウントは,基本的にはそのWindows端末で管理されるアカウントである。

裁判所の会議,事務所のMicrosoft 365,個人のOneDriveを使う際には,どのアカウントで参加・保存しているかを確認する。
会議の招待が届いたことだけで,資料を別の組織のクラウドへ保存してよいことにはならない。

小売店等で購入した買い切り版のOffice(Office 2016・Office 2019等)は,プロダクトキーを使った時点でMicrosoftアカウントに関連付けられ,再インストールには,そのアカウントでのサインインが必要になる(出典⑤)。
Officeの画面に事務所や会社のアドレスでサインインしていると表示されていても,そのアドレスにライセンスが付いているとは限らない。
ライセンス認証が外れた場合に新しいMicrosoftアカウントを作っても,そのアカウントに以前のライセンスは付いていない。
Officeの画面にサインインしていると表示されるアカウントと,ライセンスを結び付けたアカウントが別になっている例もあり,パソコンの中の記録から確かめる方法をOffice 2016・2019が「ライセンスのない製品」になったときの対応の第4の6で説明する。

2 事務所で残す管理台帳

台帳には,サービス名,管理対象者,管理者,登録メール,認証方式,復旧連絡先,退職時の停止方法を記録する。
買い切りのソフトウェアについては,ライセンスを関連付けたアカウント,プロダクトキーのカードの保管場所及び購入記録(購入日,購入先,機種名,製造番号)も記録する。
通常の共有台帳にパスワードやバックアップコードを並べて置かない。
職員個人の電話だけが唯一の認証手段になっていないかも確認する。

職員個人のアカウントで業務用のライセンスを登録すると,その職員の退職や異動の後に,事務所がアカウントを把握できなくなるおそれがある。
業務用のライセンスは,事務所が管理するアカウントに関連付けるのが望ましい。
パソコンの購入時に販売店や保守業者がアカウントを作成した場合は,作成者と,回復用の連絡先(電話番号や予備のメールアドレス)が誰に届く設定になっているかを書面で出してもらい,事務所が受け取れる連絡先にしておく。
Officeのライセンス認証が外れた場合の手順は,Office 2016・2019が「ライセンスのない製品」になったときの対応で説明する。

第3 パスワードとWindows HelloのPIN

Windows HelloのPINは,設定した端末に結び付いた認証鍵の利用を解除するために用いられる。
オンラインサービスに送信するパスワードと同じものではない(出典①)。
ただし,すべての「PIN」と呼ばれる暗証番号が同じ構造を持つわけではなく,SIMや金融サービスの暗証番号へ一律に説明を広げない。

パスワードはサービスごとに使い回さず,十分な長さを確保する。
管理ツールを使う場合には,その管理ツール自身の認証・復旧・共有範囲も点検する。
PINが端末内で扱われることは,端末の盗難・覗き見・マルウェアへの対策が不要という意味ではない。

定期変更と,漏えい時の変更は分ける。
NIST SP 800-63B-4(https://pages.nist.gov/800-63-4/sp800-63b.html)3.1.1.2は,検証者に対し,一定期間ごとのパスワード変更を要求しないことと,漏えいの証拠がある場合に変更を求めることを区別している。
同節は,パスワード設定・変更時に,よく使われるもの,予測可能なもの又は漏えい済みのものを拒否する照合も定める。
単語の先頭を大文字にし末尾に数字・記号を加えるだけの規則的な変更を,各サービスで使い回す運用は避ける。

事務所では,十分な長さとサービスごとの独立性を確保し,漏えい通知,不正利用又は認証情報の侵害が疑われる場合の変更・失効手順を別に定めるとよい。
NISTの技術基準を,日本の全事業者に直接適用される一律の法的義務と扱うものではない。
サービス固有の条件,契約及び組織の規程も確認する必要がある。

第4 二段階認証と多要素認証
1 段階と要素を分ける

二段階認証は,本人確認を行う段階の数に着目した呼び方である。
二要素認証は,知識,所持,生体情報等の異なる種類の要素を二つ使う方法であり,多要素認証は異なる種類の要素を組み合わせる考え方である。
例えば,パスワードと秘密の質問の答えは,いずれも知識に属するため,二段階で尋ねても異なる二要素を使うとは限らない。
IPAの用語解説(PDF55頁)もこの違いを説明しており,サービス上の名称と実際の認証構成を分けて確認する必要がある。

SMS,認証アプリ,セキュリティキー,パスキーには,利用条件・復旧方法・フィッシングへの耐性に違いがある。
認証コードを第三者へ伝えたり,自分が開始していない承認通知を許可したりしてはならない。

認証要素の数と,偽サイトへの耐性は別に確認する。
NIST SP 800-63B-4(https://pages.nist.gov/800-63-4/sp800-63b.html)3.2.5は,人が読み取って入力するワンタイムコードを,フィッシング耐性のある方式とは扱っていない。

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デジタル証拠の原本保全とハッシュ値-弁護士が解析前に残すべき記録(AI作成)

目次第1 結論第2 「原本」を媒体,データ及び来歴に分けて考える1 デジタルデータでは同じ内容の複製を作ることができる2 ファイルコピーと物理イメージは同じではない第3 解析前に端末を操作する危険1 単に接続又は起動しただけでも変化し得る2 電源を切ることも常に正解ではない第4 弁護士が解析前に残すべき記録1 取得対象と権限2 取得作業3 写真及び画面4 受渡し第5 ハッシュ値の計算方法と記録方法1 SHA-256を実務上の基準にする2 Windowsで外部ツールを使う例3 ハッシュ記録を別に保存する第6 ハッシュ値で分かることと分からないこと1 同一性を検証するための基準値である2 内容の真実性及び作成者は別の問題である第7 ImHexは保全後の作業用複製に使う1 ImHexは書込み可能な解析ツールである2 解析結果は端緒と検証済み事実を分ける第8 裁判例に見る変換説明と同一性1 大阪地裁令和8年6月4日判決2 この判決から一般化できる範囲第9 受領から提出までの実務フロー1 四つのデータを分ける2 最小限の作業順序3 提出段階の確認第10 出典・参考資料1 法令・最高裁判所規則2 裁判例3 裁判所の解説・運用資料4 官公庁の技術資料5 民間団体・ソフトウェア開発者の技術資料
第1 結論

本記事は,令和8年9月9日を調査の基準日として,デジタル証拠を受領した弁護士が解析又は形式変換の前に残す記録を,法令,裁判所資料,技術資料及び裁判例をAIで照合して整理したものである。
端末,スマートフォン及びクラウドでは最初の操作による影響が異なるため,個別の取得手順を一律に示すものではない。

本記事では,最初の実務対応を,受領時点の状態,取得元,取得者,取得日時,取得方法及び対象範囲の記録と,解析に使わない保全用複製の確保とする。
重要なデータでは,解析又は形式変換の前にSHA-256のハッシュ値を外部ツールで計算し,対象ファイルとは別の安全な場所にも記録した上で,解析は作業用複製に対して行うのが基本形である。

もっとも,ハッシュ値が一致することから分かるのは,比較した二つのビット列が同じであることにとどまる。
ハッシュ値だけで,取得前に編集されていなかったこと,記録内容が真実であること,作成者,作成日時又は操作した人物まで証明できるわけではない。

本記事では,データの保管管理という技術上の意味で「原本保全」という表現を用いる。
これは,裁判所があらかじめ証拠調べをする民事訴訟法234条の「証拠保全」とは別のものである。

第2 「原本」を媒体,データ及び来歴に分けて考える
1 デジタルデータでは同じ内容の複製を作ることができる

紙の契約書では,署名又は押印のある物理的な一通を原本と呼びやすい。
これに対し,デジタルデータは同一のビット列を複製できるため,「原本」という語だけでは,元の端末,その端末から最初に取得したファイル,記録媒体全体のイメージ又は解析前に固定した保全用複製のどれを指すのかが明らかにならない。

デジタル証拠については,①どの機器,アカウント又はサービスに存在したデータか,②誰がどの権限で取得したか,③どの方法で何を取得したか,④取得後にどの複製を保全し,どの複製を解析したかという来歴を一体として記録する。
本記事では,このうち解析に使わず保存する基準データを「保全用複製」,実際の閲覧,検索,変換又は解析に使うものを「作業用複製」,裁判所へ提出する形式に変換又は切り出したものを「提出用複製」と呼ぶ。

2 ファイルコピーと物理イメージは同じではない

NIST IR 83876頁は,フォレンジックにおけるイメージを,利用者から見えないデータ,書式情報,削除された文字及び日時等を含むビット単位の正確な複製と説明している。
通常のファイルコピーは,必要な個別ファイルを取得する方法として有用であるが,未割当領域,削除データ,ファイルシステムの構造又は一部のメタデータまで取得できるとは限らない。

そのため,削除の有無,USB接続履歴,ファイルの作成・変更・アクセス時刻,アクセス権限又は記録媒体全体の利用状況が争点になり得る事件では,個別ファイルだけをコピーしてから専門家へ相談しても,必要な情報が既に失われていることがある。
他方で,あらゆる案件で端末全体を物理イメージ化すればよいわけではなく,本記事では,取得権限,調査目的,個人情報の範囲,費用及び業務停止の影響を踏まえて取得範囲を決めることを基本形とする。

第3 解析前に端末を操作する危険
1 単に接続又は起動しただけでも変化し得る

NIST IR 835431頁~32頁は,記録媒体をコンピュータに接続すると,OSがファイルを確認してアクセス時刻を変更することがあると説明している。
書込み防止装置は変更を生じさせるコマンドを抑制するために用いられるが,媒体自身の内部処理による変化まで一切生じないことを保証するものではない。

デジタル・フォレンジック研究会「証拠保全ガイドライン第10版」24頁~28頁も,原本への書込み防止,対象物全領域の複製,同一性検証及び作業ログを証拠保全機器に求められる主要機能として挙げている。
弁護士が自ら簡易ツールを使う場合も,本記事では,ツールを差し込む前に,その操作が対象端末へ何を書き込み,どのログ又は時刻を変える可能性があるかを確認することを基本形とする。
会社PCへUSB型の解析ツールを接続する場面の取得権限,個人情報及び労務上の論点は,USB型フォレンジックツールを労務管理で利用する場合の法的注意点で説明している。

OSがファイル自体へ記録を加える例として,紅星OSを調査した研究者は,USB上のDOCXを開かず,OSから利用可能な状態にしただけでファイルが変更されたと報告している。
これは当該版・試験条件の研究報告であり,全てのOSに同じ機能があるという意味ではないが,「閲覧していないから変更されない」とは限らないことを示す例である。

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民事訴訟規則はe-Gov法令検索に載っていない-最高裁判所規則の条文を確認する方法(AI作成)

目次

第1 e-Gov法令検索に最高裁判所規則は収録されていない

1 実際に検索して確かめた結果
2 収録されていない理由

第2 裁判所ウェブサイトの規則集で確認する
第3 その他の確認経路

1 官報
2 商用データベースの現行法令アーカイブ

第4 実務上の注意
第5 関連記事
出典・参考資料

第1 e-Gov法令検索に最高裁判所規則は収録されていない
1 実際に検索して確かめた結果
民事訴訟規則の条文を確認しようとしてe-Gov法令検索を開き,見つからずに戸惑うことがある。
これは検索語の選び方の問題ではなく,e-Gov法令検索が最高裁判所規則を収録していないことによる。

2026年9月6日,e-Gov法令検索が提供する法令一覧のAPIにより,①全法令8995件,②政令・勅令2377件,③府省令・規則4514件の各一覧を取得し,法令名が「民事訴訟規則」又は「刑事訴訟規則」であるものを機械的に検索したところ,いずれの一覧にも存在しなかった。
民事訴訟法及び刑事訴訟法はe-Gov法令検索で読めるため,規則も同じように読めるはずだと考えて探し続けることになりやすいが,探し方の問題ではない。

2026年9月12日にも全法令の一覧を取得して検索したが,「民事訴訟規則」,「刑事訴訟規則」及び「民事訴訟費用等に関する規則」はいずれも見当たらなかった。
同じ一覧で「民事訴訟法」は見つかったから,検索の方法に問題があったわけではない。

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AIで作成・加工された証拠と民事訴訟の対応――偽造とエンハンスの区別,証拠説明書の実務(AI作成)

◯AIで作成・加工された証拠は,単に「AIらしい」かを判定するのではなく,①取得元・由来,②取得後のビット完全性,③作成名義・真正成立,④記載内容の真実性・証明力を分けて検討する必要があります。
◯ハッシュ値は原則として算出後のファイル同一性を確認する手段であり,人間が作成したこと,取得前に加工されていないこと又は内容が真実であることを単独で証明するものではありません。
◯AI生成判定器の結果又は「デジタルデータは改変できる」という一般論だけで偽造を認定せず,具体的な異常,原データ,作成・編集履歴,周辺事情及び競合する説明を突き合わせます。

目次

第1 この記事の位置付け
第2 偽造等とエンハンスの区別
第3 文書と電磁的記録の手続を分ける
第4 デジタル証拠を四つの層に分ける
第5 偽造等の主張に対する現在の判断方法
第6 AI判定器及び来歴信号の限界
第7 提出する側の実務対応
第8 争う側の実務対応
第9 証拠説明書にAI加工を記載する提案
第10 研究会資料の位置付けと今後の課題
第11 関連記事
出典

第1 この記事の位置付け

公益社団法人商事法務研究会は,令和8年8月,「AI時代における民事司法を考える研究会」の取りまとめを公表した。同取りまとめは,AIを利用して作成された証拠への対応を独立の章で検討し,偽造等とエンハンスを分け,現行制度内での対応及び将来の課題を整理している。

本記事は,同取りまとめの内容に加え,令和8年5月21日施行後の民事訴訟法及び民事訴訟規則,裁判所のフェーズ3運用資料,デジタル写真の真正が争われた裁判例並びにNISTの生成コンテンツ検知に関する技術整理を踏まえ,証拠を提出する側と争う側の実務を整理するものである。
研究会の提案,現行法令,裁判例の判断及び本記事の実務上の提案は,根拠の性質が異なるため区別して記載する。

第2 偽造等とエンハンスの区別
1 偽造等

取りまとめは,契約書の署名欄又は公印をAIで再現すること,特定の人物が作成したかのような文書・音声・映像を生成すること,真正に成立した文書又はドライブレコーダー映像を書き換えることなどを「偽造等」として扱う。作成名義を偽る問題,内容を偽る問題及び真正に成立した資料を権限なく変更する問題を区別しつつ,証拠評価では,誰が何をどの段階で作成又は変更したかを具体化する必要がある。

2 エンハンス

エンハンスは,画像又は動画の解像度若しくは鮮明さの向上,ノイズ除去,明るさ・色調の調整その他の処理により内容を見やすくすることをいう。単純な拡大又は可逆的な表示調整と,生成AIが存在しない細部を補完する処理とでは,原資料との距離が異なる。処理名だけで安全性を判断せず,入力,アルゴリズム又はモデル,設定,出力及び目視確認結果を残す必要がある。

エンハンスされた資料を提出するときは,加工後資料だけを独立した「原本」のように扱わない。加工前資料を保全し,両者を対応付け,加工の目的及び範囲を説明することが重要である。

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事件特定情報提供書面と民事訴訟法91条の3―記録事項証明との違い(AI作成)

第1 この記事が扱う三つの制度

1 正式名称と記事の射程

2 三つの制度の対応関係

第2 民事訴訟法91条の3の訴訟に関する事項の証明

1 請求できる者と証明対象

2 紙の証明書と電子証明

3 確定証明との関係

第3 記録事項証明との違い

1 原記録との同一性を証明する制度

2 手数料の違い

3 電子署名の確認

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民事訴訟におけるウェブ尋問―実施要件・所在場所・証拠提示・宣誓

目次第1 本記事の位置付け第2 証人尋問のウェブ実施(ウェブ尋問)1 ウェブ尋問の実施要件の拡大2 証人の所在場所に関する要件3 書証等の提示方法4 宣誓手続の変更第3 出典

第1 本記事の位置付け

カメラ・マイクの事前確認,画面共有時の誤表示防止,Teamsの参加経路及び遠隔操作との違いは,Zoom・Teams・リモートデスクトップを弁護士業務で使う際の設定と注意点で整理している。
本記事の手続上の実施要件と,一般の会議アプリで利用できる機能は別である。
アプリに録画・文字起こし・AI要約機能があることをもって,裁判所での尋問等を自由に記録できると判断してはならず,裁判所の指示と関係法令を確認する必要がある。

本記事は,民事訴訟におけるウェブ尋問の実施要件,証人の所在場所,証拠提示及び宣誓を扱う分割記事である。

mintsの全体像と論点別の入口は,mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&Aにまとめている。

画面上のクリック,入力,アップロード,ダウンロードその他の操作手順は,mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~の解説を参照されたい。

証拠の提出方法,証拠説明書の作成及び証拠原本の取扱いは,mints後の証拠説明書を参照されたい。

第2 証人尋問のウェブ実施(ウェブ尋問)
1 ウェブ尋問の実施要件の拡大

令和8年5月21日の改正民事訴訟法の全面施行により,証人尋問をウェブ会議の方法で実施できる場合が広がった。
改正前の遠隔地居住等の要件が見直され,民事訴訟法第204条は,次のいずれかに該当し,かつ,裁判所が相当と認める場合にウェブ尋問を認めている。

①証人の住所,年齢又は心身の状態その他の事情により,証人が受訴裁判所に出頭することが困難であると認める場合
②証人が裁判長及び当事者の在席する場所で陳述すると,圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合
③当事者に異議がない場合

①では,証人の住所は出頭の困難性を判断する事情の一つであり,遠隔地に居住している場合だけに限られない。
③についても,当事者に異議がないだけで必ず実施されるのではなく,裁判所が相当と認める必要がある。

裁判所の準備の手引は,手元のメモ等を見て回答するおそれや,表情・声・動作等の判別に関する制約などと,ウェブ尋問を実施する必要性を比較する考え方を示している。
実施に当たっては当事者の意見を聴き,②の圧迫のおそれを理由とする場合には,証人の意見も聴く(民事訴訟規則第123条第1項)。

ウェブ尋問に関する第204条の改正後の定めは,令和8年5月21日より前に係属した旧法事件にも適用される。
ただし,後記の宣誓の方式や調書の作成方法まで一律に新方式になるわけではなく,それぞれの経過措置を確認する必要がある。

鑑定人が口頭で意見を述べる場合についても,同じ令和8年5月21日の施行により,民事訴訟法第215条の3から遠隔地居住に関する例示文言が削除された。
もっとも,改正前も遠隔地に居住している場合のほか,相当と認められる場合には映像と音声の送受信による意見陳述が認められていた。
医療訴訟で鑑定人質問を求めるときの実情は,医療訴訟の鑑定人はどう選ばれるかで紹介している。

当事者本人の尋問にも,民事訴訟法第210条により第204条が準用される。
証人尋問と本人尋問の一般的な違いは,証人尋問及び当事者尋問を参照されたい。

2 証人の所在場所に関する要件

ウェブ尋問では,証人を,裁判所が相当と認める場所に出頭させる必要がある。
その場所は,原則として当事者本人又はその代理人が在席する場所であってはならず,証人の陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがあると裁判所が認める者が在席する場所であってもならない(民事訴訟規則第123条第1項)。

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従前の紙記録を前提とした裁判実務をそのままでは電子化できない理由(AI作成)

目次第1 本記事の対象と従前の紙記録実務1 本記事が扱う範囲2 従前の紙記録を前提とした処理第2 紙記録を前提とした事務の構造1 記録の編成――3分類による物理編綴2 保存期間――媒体を前提とした管理第3 電子記録で前提が変わる局面1 記録の一体性・作成者の真正・到達2 閲覧・複製・送達第4 そのままでは電子化できない理由1 紙という単一物で各事務が接続していること2 書記官事務の再構築という課題3 争点と判決の道筋を早い段階で共有する第5 電子化に伴い設計し直された規律1 記録の閲覧と当事者・第三者の別2 閲覧等の制限の実効性第6 弁護士実務への影響と確認事項1 電子提出義務と障害時の救済2 送達の効力発生と事務所内の管理第7 出典・参考資料
◯裁判記録の受付・編成・保存・廃棄を規律する規程・通達の全体像については「裁判文書の文書管理に関する規程及び通達」を参照されたい。
◯mintsを用いた電子申立て・証拠提出・送達の具体的な運用については「mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&A」を参照されたい。
第1 本記事の対象と従前の紙記録実務
1 本記事が扱う範囲
民事訴訟手続の全面デジタル化は,民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)により令和8年5月21日に全面施行された(同改正法附則1条)。
本記事は,この全面施行を踏まえ,従前の紙記録を前提とした裁判所の処理を,なぜそのまま電子化することができないのかを,現行の民事訴訟法の条文,記録の編成・保存を定める最高裁判所の規程・通達,及び法制審議会の審議資料に即して整理する。

本記事は,法令・規程通達・公的資料に基づき,記録と手続の制度の構造を扱う。
特定の裁判例の判断を根拠とする解説ではなく,分析にわたる部分はその旨を文末で示す。
2 従前の紙記録を前提とした処理
従前の民事訴訟では,原告が訴状を紙媒体で持参又は郵送して手続が開始され,当事者は準備書面や証拠書類の写しを紙媒体で裁判所と相手方に提出・送付し,裁判所は提出された紙媒体を記録として保存管理し,当事者は原則として裁判所に出頭していた。書面の提出方法は持参・郵便・ファクシミリであった。
この点は,最高裁判所の「裁判手続のデジタル化の今とこれからⅡ」が,従前の手続の姿として整理している。

この紙媒体を軸として,事件記録の受付,記録の編成,閲覧・謄写,保管,保存,廃棄という各段階の事務が組み立てられている。
次章のとおり,これらの事務は,物理的に一綴りの単一物としての記録を前提として精緻に規律されており,記録の媒体が電子データに変われば,その前提が失われる。
第2 紙記録を前提とした事務の構造
1 記録の編成――3分類による物理編綴
紙の民事訴訟記録の綴じ方は,事務総長通達「民事訴訟記録の編成について」(平成9年7月16日総三第77号,その後累次改正)が定めている。
同通達は,訴訟に関する書類を,第1分類(弁論関係書類),第2分類(証拠関係書類),第3分類(その他の書類)に分け,各群を編年体でつづり込むものとする。

各分類は,更に群に細分される。第1分類は,調書群・判決書群・訴状群の3群を,その順につづる。第2分類は,目録群・証拠説明書群・書証群・証拠調べ調書群・嘱託回答書群・証拠申出書群の6群を,その順につづり,書証の写しは甲・乙・丙等の号証の順かつ番号の順につづり込む。第3分類には,代理及び資格証明関係書類,訴訟費用関係書類その他が入る。
上訴審では,原審の事件記録を上訴審記録の第1分類の直前に一括してつづり込む。

ここで重要なのは,記録が「どの書類を,どの群に,どの順序で,一綴りにするか」という論理構造をもって編成される点である。
紙記録を単に画像として読み取っても,この群分け・順序・編年体という編成の論理は自動的には再現されない。編成は裁判所書記官の事務の一つであり,媒体が電子データに変われば,この事務そのものを組み替える必要が生じる。
2 保存期間――媒体を前提とした管理
紙記録の保存期間は,事件記録等保存規程(昭和39年12月12日最高裁判所規程第8号)の別表が定めている。
通常訴訟事件その他の事件について,記録は5年,判決の原本は50年,和解・請求の放棄又は認諾を記載した調書は30年とされている。事件の種類や書類の性質によって期間は異なるため,個別の保存期間は同規程の別表で確認する必要がある。

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裁判手続で使うTeamsアカウント復旧までの山中弁護士の作業記録(AI作成)

◯本稿は,山中理司弁護士(大阪弁護士会所属)が,裁判手続に伴うウェブ会議で使用しているMicrosoft Teamsのアカウントが突然使用不能となり,新しいアカウントを構築して復旧するに至るまでの一連の作業記録を,AIが整理したものである。
◯個人を特定し得るアカウント名及び具体的な係属裁判所の名称は,いずれも伏せて記載している。

目次

第1 はじめに

1 本稿の趣旨
2 本稿における表記上の留意点

(1) 「旧アカウント」及び「新アカウント」の意味
(2) 係属裁判所の表記について
3 本件と,より多くの実務家が遭遇し得る類型との違い

第2 発端

1 認証アプリの移行手続を確認していた際の不具合
2 管理者アカウントが1つしかなかったという構造的な弱点

第3 状況の切り分け

1 試した対処とその結果

(1) 別の登録端末での試行
(2) 認証アプリの再インストールによる状況の悪化

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民事裁判情報の活用の促進に関する法律――対象情報・仮名加工・施行状況(AIリライト)

第1 令和8年8月28日現在の施行状況

1 本法は部分施行の段階にあること

2 公布から現在までの経過

3 民事訴訟手続のIT化との違い

第2 法律の目的と制定経緯

1 法律の目的

2 民事判決情報データベース化検討会

第3 対象となる民事裁判情報

1 民事訴訟・行政事件訴訟の電子裁判書

2 電子判決書と電子調書

3 施行規則が定める電子決定書

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デジタル化された民事裁判手続における本人サポートに関する最高裁判所事務総局の本音(AI作成)

◯「(AI作成)全司法労働組合との令和6年度交渉記録から見える最高裁判所事務総局の本音」も参照してください。

目次
第1 はじめに:デジタル化の波と最高裁判所事務総局の深層心理

第2 「ITヘルプデスク」化の回避と「任意制」という防波堤
1 現場からの悲鳴と労働組合との交渉記録に見る実情
2 制度的防波堤としての「利用の任意化」

第3 予算要求から分かることと分からないこと
1 機器整備の要求と支援人員の確保は別の問題です
2 効率化と定員管理について断定できる範囲

第4 「本人サポート」への期待とリスク転嫁の構造
1 本人サポートの法的性質と事務総局の狙い
2 弁護士会・司法書士会への「連携」要請の政治的意味
3 裁判所自身が用意したサポート態勢とその限界

第5 「本人サポート」の実務的実態と弁護士が抱えるリスク
1 「法律事務」と「事実行為」の境界線
2 具体的な業務内容とシステム操作の実際
3 看過できない実務上のリスクと留意点

第6 【海外事例】「責任の所在」を明確にするアジア近隣諸国の先進事例
1 シンガポール:徹底した「IT隔離」と「有償アウトソーシング」
2 韓国:国家主導の「徹底サポート」と「専用インターフェース」
3 中国:徹底した「モバイル統合」と「AIによる人的遮断」
4 台湾:「訴訟輔導科」という強力な緩衝地帯
5 日本への示唆:第三の道「責任の空中分解」

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民事裁判手続のデジタル化(IT化)-mints・ウェブ会議・電子訴訟(AIリライト)

第1 令和8年5月21日以後の民事訴訟

1 民事訴訟手続は全面的にデジタル化された
2 新法事件と旧法事件の区別
3 「3つのe」の現在地
4 法定審理期間訴訟手続は自動的に適用されるか

第2 mintsによる電子提出と費用納付

1 mintsとは
2 電子提出をできる者としなければならない者
3 手数料と郵便費用

第3 システム送達・電子記録・証拠

1 システム送達と1週間の経過
2 紙の書証と電磁的記録の証拠調べ
3 訴訟記録・判決書・強制執行

第4 ウェブ会議等による期日

1 弁論準備手続・和解・口頭弁論
2 参加場所は無条件に自由ではない
3 証人尋問等
4 和解に関する二つの規定

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