目次第1 月末の収支だけでは分からない資金不足1 家賃や転居費用は給付金より先に出ることがある2 計算例は本人の入出金予定に置き換える第2 支給予定日と入金の確実性を確認する1 第79期の初回支給予定日の例2 未確定の入金を確定した残高に足さない第3 入金前に5万円不足する計算例1 日付順の残高表を作る2 最も低い日の残高から必要額を求める第4 入金が遅れる場合を別に計算する1 同じ月末残高でも必要な資金は変わる2 税金等の取置き資金を二重に数えない第5 転居と修習終了後の支払を表に加える1 契約日・引越し日・返金日を別々に記録する2 修習終了後から就職先の初回入金まで計算する第6 不足額を確認した後の順序と出典1 確認できた資金と許可の問題を分けて検討する2 出典と資料の時点
第1 月末の収支だけでは分からない資金不足
1 家賃や転居費用は給付金より先に出ることがある
司法修習生の生活費を考えるときは,1か月の収入と支出の合計だけでなく,お金が入る日と支払う日を並べる必要がある。
月末には残高があっても,賃貸借契約の初期費用,引越し代又は家賃の支払日が入金日より早ければ,途中で残高が不足することがある。
本記事は,入金前と転居月の不足額を日付順に計算するためのものである。
制度の全体像は司法修習生とは,毎月及び修習期間全体の費目と予算は司法修習の生活費と資金計画を参照されたい。
2 計算例は本人の入出金予定に置き換える
以下の金額は,残高計算の方法を示すための架空の例である。実際の家賃,引越し相場又は全員共通の必要貯金額を示すものではない。
預金残高,契約書・請求書にある支払日,当期の給付案内及び個別の認定・支給連絡を使って,本人の数字に置き換える必要がある。
第2 支給予定日と入金の確実性を確認する
1 第79期の初回支給予定日の例
第79期司法修習生向け「修習給付金の給付について」の本文3頁では,令和8年3月19日から4月18日までの初回の給付期間に対応する基本給付金の支給予定日は4月15日,住居給付金の支給予定日は5月15日とされている。
基本給付金と住居給付金の初回支給予定日が同じでない点は,入金前の残高を計算する際に注意が必要である。
これは第79期の案内に記載された例である。他の期へ,この日付をそのまま当てはめることはできない。
同案内の本文1頁では,申請書等の提出が遅れた場合などに,支給日に支給されないことがあると説明されている。移転給付金も,転居した日や申請した日に直ちに入金されることを前提とせず,認定・支給の連絡を確認する必要がある。
2 未確定の入金を確定した残高に足さない
確認できた状態残高表への入れ方通帳等で入金済みである実際の入金日と金額を記録する。当期の案内と個別の手続状況から支給予定を確認できた予定として記録し,後述する入金遅れの場合も計算する。制度の一般的な額又は過去の期の予定日だけ分かる本人への入金日が確認できるまで,確定した入金として扱わない。申請・認定の結果又は借入れの実行日が未定である通常の計算から外すか,別の仮定として明示する。
住居と移転の支援については,住居給付金及び移転給付金の記事と,最高裁判所の修習給付金の案内を併せて確認されたい。
契約や引越しを決める際には,制度の対象となるか,必要書類を出せるか,いつ入金される見込みかを分けて確認する。
第3 入金前に5万円不足する計算例
1 日付順の残高表を作る
仮にA月初めの利用可能な預金が30万円であり,5日に契約初期費用22万円,8日に引越し代8万円,12日に生活費5万円を支払い,15日に基本給付金13万5000円が入金されるとする。
入金予定額の13万5000円も計算用の仮定である。日割り,申請状況及び当期の予定は別途確認する必要がある。
日付・内容入金(万円)支出(万円)計算上の残高(万円)A月初め――30A月5日・契約初期費用0228A月8日・引越し代080A月12日・生活費05−5A月15日・基本給付金の入金13.508.5
この例では15日の残高は8万5000円であるが,12日に5万円不足する。
マイナスの残高は,現実にそのまま支払えるという意味ではない。入金前に用意する資金又は支払時期・金額の調整が必要となる額を示している。
2 最も低い日の残高から必要額を求める
前記の条件だけを前提にすれば,12日までに少なくとも5万円の追加資金が必要となる。
例えば予備資金を2万円残すという本人の方針を加えるなら,7万円を追加で用意する計算となる。2万円は本記事が推奨する標準額ではなく,計算方法を示すための仮定である。