メインコンテンツへスキップ
       

公立図書館は少年の推知報道を載せた雑誌の閲覧を制限できるか―少年法61条,閲読の自由,公の施設の利用拒否をめぐる裁判例及び日本図書館協会の見解(AI作成)

第1 本記事の対象と結論

1 本記事の対象

少年事件の本人の実名や顔写真を載せた雑誌が発売されると,その雑誌を所蔵する公立図書館が住民の閲覧を制限できるかが問題になる。
少年法61条は推知報道の掲載を禁止しているが,図書館が既に受け入れた雑誌をどう扱うかを直接定めた規定はない。
本記事は,少年法61条の内容,住民が公立図書館で資料を読む自由の法的な位置付け,閲覧を制限する根拠規定,公の施設での閲覧拒否の適否を判断した裁判例及び日本図書館協会の見解の変遷を整理するものである。
調査基準日は令和8年9月27日であり,条文はe-Gov法令検索で,裁判所ウェブサイトに掲載された判決は同サイトの全文で,同サイトに掲載のない判決は判例秘書で,それぞれ全文を確認した。

2 結論

①少年法61条が禁止するのは推知報道を新聞紙その他の出版物に「掲載」することであり,違反に対する罰則はない。
②公立図書館は公の施設であり,正当な理由がない限り住民の利用を拒むことはできず(地方自治法244条2項),住民が図書館を利用する自由は憲法上の意義を有するとした第一審判決がある(控訴審は結論を取り消したが,住民の公立図書館利用権を重要な権利とした)。
③推知報道を載せた雑誌の閲覧制限そのものについて,本記事の調査の範囲では,最高裁判所の判断も,これを正面から判断した裁判例の全文も確認できなかった。
④公の施設での閲覧拒否については,美術館の図録をめぐり,第一審が知る権利の制限として厳格な基準で違法とし,控訴審が管理運営上の支障を生ずる蓋然性が客観的に認められれば正当な理由があるとして結論を覆した例がある。
⑤図書館の利用禁止を規則に基づいて行うことについては,第一審が地方自治法14条2項等に違反するとし,控訴審が規則を限定して解釈して適法とした例がある。
⑥日本図書館協会は,平成9年の見解では推知報道を載せた雑誌が提供制限の対象になり得るとしたが,平成19年に総会で承認された考え方では,推知報道も提供することを原則としている。

第2 少年法61条が禁止していること

1 条文と特定少年の例外

少年法61条は,「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」と定めている。
禁止されているのは出版物への「掲載」であり,同条には違反した場合の罰則が定められていない。

少年法68条本文は,「第六十一条の規定は、特定少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合における同条の記事又は写真については、適用しない。」と定めている。
特定少年とは18歳以上の少年をいう(同法62条1項)。
ただし,略式命令の請求(刑事訴訟法461条)がされた場合は,通常の規定に従い審判をすることとなった場合を除き,61条の適用は除外されない(少年法68条ただし書)。

2 推知報道に当たるかの判断基準

最高裁平成15年3月14日第二小法廷判決(長良川事件報道訴訟)は,「少年法61条に違反する推知報道かどうかは,その記事等により,不特定多数の一般人がその者を当該事件の本人であると推知することができるかどうかを基準にして判断すべき」であるとした。
同判決は,実名と類似する仮名を用いた週刊誌の記事について,本人と面識等のない不特定多数の一般人が本人であると推知することができるとはいえないとして,少年法61条違反を否定した。
その上で,記事の掲載による不法行為の成否は,「被侵害利益ごとに違法性阻却事由の有無等を審理し,個別具体的に判断すべきものである」とした。

3 少年法61条は実名で報道されない権利を与えるか

大阪高裁平成12年2月29日判決(平成11年(ネ)第2327号,判例秘書の判例番号 L05520125)は,いわゆる堺通り魔事件について,当時19歳の本人の実名と顔写真等を掲載した月刊誌『新潮45』の記事をめぐる損害賠償請求事件である。
同判決は,少年法61条を,少年の健全育成という少年法の目的を達成する「公益目的」と,少年の社会復帰を容易にし特別予防の実効性を確保する「刑事政策的配慮」に根拠を置く規定とした。
そして,同条が「少年時に罪を犯した少年に対し実名で報道されない権利を付与していると解することはできない」とし,罰則がないことについては,規定の遵守を「できる限り社会の自主規制に委ねたもの」とした。
同判決は,出版物の発行者の自己抑制とともに,「表現行為を享受する受け手の側にも」,同条の趣旨に反する出版物やその発行者への厳しい批判が求められるとした上で,実名報道を違法として損害賠償を認めた原判決を取り消し,請求を棄却した。

図書館は雑誌を発行する者ではないから,少年法61条の文言から,図書館が所蔵する雑誌を閲覧に供することまで禁止されると読むことは難しいと考えられる。
図書館が閲覧を制限できるかは,次に見る利用者の自由と公の施設の規律から検討することになる。

第3 公立図書館で雑誌を読む自由の位置付け

1 閲読の自由と情報を摂取する自由

最高裁昭和58年6月22日大法廷判決(よど号ハイジャック記事抹消事件)は,未決勾留により拘禁された者の新聞閲読の制限に関する事件で,「新聞紙、図書等の閲読の自由が憲法上保障されるべきことは、思想及び良心の自由の不可侵を定めた憲法一九条の規定や、表現の自由を保障した憲法二一条の規定の趣旨、目的から、いわばその派生原理として当然に導かれる」とした。
最高裁平成元年3月8日大法廷判決(いわゆるレペタ事件)は,同判決を引用して,「このような情報等に接し、これを摂取する自由は、右規定の趣旨、目的から、いわばその派生原理として当然に導かれるところである」とした。
同判決の多数意見は「知る権利」又は「知る自由」という語を用いておらず,憲法21条1項の派生原理として,情報等に接し,これを摂取する自由を認めたものである。

2 公の施設としての公立図書館と住民の利用権

地方自治法244条2項は,普通地方公共団体は「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」と定めている。
図書館法は,公立図書館を地方公共団体の設置する図書館とし(2条2項),公立図書館は入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならないとしている(17条)。

後記第4の2の土岐市図書館の事件で,第一審の岐阜地裁令和3年7月21日判決は,前記大法廷判決を引用して,意見,知識,情報に接する自由は憲法19条及び21条の趣旨,目的から派生原理として導かれるとした上で,公立図書館の利用者の自由は「憲法上の意義を有するものとして十分に尊重されるべきである」とした。
その控訴審の名古屋高裁令和4年1月27日判決は,第一審の結論を取り消したが,「個々の住民の公立図書館利用権が重要な権利であることは明らかであって,これをみだりに制限することは許されない」とした。

3 公立図書館は情報を提供する「公的な場」である

最高裁平成17年7月14日第一小法廷判決(船橋市西図書館蔵書廃棄事件)は,「公立図書館は,住民に対して思想,意見その他の種々の情報を含む図書館資料を提供してその教養を高めること等を目的とする公的な場ということができる」とした。
同判決は,図書館職員は「独断的な評価や個人的な好みにとらわれることなく,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務」を負うとし,職員が図書の廃棄について独断的な評価や個人的な好みによって不公正な取扱いをしたときは,著作者の人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となるとした。
ただし,同判決は蔵書の廃棄と著作者の利益に関するものであり,閲覧の制限と利用者の利益について判断したものではない。

第4 閲覧を制限する根拠規定―条例と教育委員会規則

1 条例で定めるべき事項と教育委員会規則

地方自治法14条2項は,普通地方公共団体は,義務を課し,又は権利を制限するには,法令に特別の定めがある場合を除くほか,条例によらなければならないと定めている。
同項の現在の文言は,地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第87号)1条による改正で置かれたものであり,平成12年4月1日から施行されている。
公の施設の設置及びその管理に関する事項は,法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか,条例で定めなければならない(地方自治法244条の2第1項)。
公立図書館の設置に関する事項も,当該図書館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない(図書館法10条)。

他方,図書館は,原則として教育委員会の所管に属する教育機関であり(地方教育行政の組織及び運営に関する法律30条,32条),教育委員会は,法令又は条例に違反しない限りにおいて,教育機関の施設,設備,組織編制その他の管理運営の基本的事項について必要な教育委員会規則を定めるものとされている(同法33条1項)。
ただし,地方公共団体は,条例の定めるところにより,図書館を地方公共団体の長が管理する特定社会教育機関とすることができ(同法23条1項1号),その場合の管理運営の基本的事項は長が定める規則によることになる(同法33条3項)。
図書館の利用を制限する基準を条例ではなく教育委員会規則で定めている場合に,それが地方自治法14条2項に反しないかは,この二つの規律の関係によって決まる。

2 土岐市図書館の利用禁止処分をめぐる判断

岐阜県土岐市では,図書館設置条例に利用の禁止又は制限の規定がなく,教育委員会規則である図書館運営規則が,規則又は館長の指示に従わない者に対し,館長は図書館資料及び施設の利用を禁止することができると定めていた。
教育委員会は,図書館を日常的に利用していた住民に対し,同規則に基づき,期限を定めずに図書館の利用及び入館を禁止する処分をした。

岐阜地裁令和3年7月21日判決(令和元年(行ウ)第8号)は,規則への委任の範囲は図書館の管理運営上の基本的な事項に限られ,一時的な利用の制限はこれに含まれるが,全面的かつ無期限の利用禁止はこれに含まれないとした。
そして,条例にも法令にも全面的かつ無期限の利用禁止を許容する規定はないから,同規則に基づいて処分をすることは地方自治法14条2項,244条2項に違反するとして,処分を取り消し,国家賠償請求の一部を認容した。

控訴審の名古屋高裁令和4年1月27日判決(令和3年(行コ)第52号)は,同規則の利用禁止の規定は地方自治法244条2項の規律を具体化したものであるとした。
その上で,同規定は,指示に従わない者に引き続き利用を許したのでは図書館の管理運営に重大な支障を生ずるおそれが大きい場合に限り,その防止のために必要かつ合理的な範囲内で利用を禁止し得ることを定めたものと解する限り,関係法令に反せず,条例の委任の範囲も逸脱しないとした。
また,地方教育行政の組織及び運営に関する法律33条1項は,管理運営の基本的事項以外の事項に関する規則制定権を条例で教育委員会に与えることを禁ずる趣旨ではないとし,処分は違法ではないとして,原判決の請求認容部分を取り消した。

この事件は特定の利用者の行動を理由とする利用禁止であり,雑誌の内容を理由とする閲覧制限ではない。
もっとも,規則に基づく利用制限が許される範囲を,地方自治法244条2項の「正当な理由」と結び付けて限定的に解釈した点は,雑誌の閲覧を制限する規則の効力を考える際の参考になる。

第5 閲覧拒否の「正当な理由」の判断基準

1 富山県立近代美術館の図録をめぐる判断

富山県立近代美術館は,収蔵していたコラージュ作品と,これを収録した図録を非公開とし,住民による図録の閲覧を拒否した。
富山県立図書館も,同美術館から一般公開しないとの条件付きで送付を受けた同じ図録について,当分の間閲覧及び貸出しをしないことを決定して住民の閲覧請求を拒絶し,平成2年3月22日から閲覧に供するようになった。

富山地裁平成10年12月16日判決(平成6年(ワ)第242号,判例秘書の判例番号 L05350623)は,美術館が所蔵する図録を閲覧することは公の施設を利用することに当たり,県は正当な理由がない限り住民の閲覧を拒んではならないとした。
また,公の施設が住民に対する情報提供の場等に供することを目的として設置されている場合に,管理者が正当な理由なく利用を拒否するときは,「憲法の保障する知る権利を不当に制限することになる」とした。
そして,閲覧を拒否し得るのは,閲覧させることによって他者の基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られ,その判断は,「精神的自由に対する制限であるから、経済的自由に対する制限における以上に厳格な基準の下でなされなければならない」とした上で,閲覧の拒否には正当な理由がなく違法であるとした。

控訴審の名古屋高裁金沢支部平成12年2月16日判決(平成11年(ネ)第17号,判例秘書の判例番号 L05520087)も,図録の閲覧が公の施設の利用に当たり,正当な理由がない限り閲覧を拒めないとした点は同じである。
しかし,同判決は,「県立美術館の管理運営上の支障を生じる蓋然性が客観的に認められる場合」には,閲覧の拒否にも地方自治法244条2項の「正当な理由」があるとした。
第一審が用いた,明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることを要するという基準については,集会の自由を制約するおそれのある事案には相当であるが,美術品及び図録の観覧又は閲覧に関する事案については「厳格に過ぎて相当でない」とした。
同判決は,執ような抗議,街宣活動,県立図書館での図録の破棄事件等が相次いだ状況の下では,管理運営上の支障を生ずる蓋然性が客観的に認められるとして,県の敗訴部分を取り消し,請求を棄却した。

2 集会施設の利用拒否の基準との違い

最高裁平成7年3月7日第三小法廷判決(泉佐野市民会館事件)は,市民会館の使用を許可してはならない事由とされた「公の秩序をみだすおそれがある場合」を限定して解釈し,その危険性の程度について,「単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要である」とした。
前記の名古屋高裁金沢支部判決は,この基準を集会の自由に関する事案のものと位置付け,資料の閲覧には直ちに当てはめなかった。
公の施設での資料の閲覧拒否について,どの程度の危険があれば正当な理由があるとするかは,第一審と控訴審で判断が分かれており,本記事の調査の範囲では,この点についての最高裁判所の判断は確認できなかった。

3 推知報道を載せた雑誌に当てはめるときの考慮要素

前記の図録の事件で問題になったのは,抗議活動等による施設の管理運営上の支障であった。
これに対し,推知報道を載せた雑誌の閲覧制限は,記事の内容が少年の名誉,プライバシー及び更生を害するおそれを理由とするものであり,施設の平穏を理由とするものではない点で,事情が異なる。

本記事では,これらの判決を踏まえ,推知報道を載せた雑誌の閲覧制限の適否を考える際の考慮要素を次のとおり整理する(判決を踏まえた本記事の整理である)。
①制限の理由が記事の内容にある以上,利用者の閲読の自由に対する制約の程度は重いと考えられる。
②保護しようとする少年の利益の侵害の有無は,長良川事件報道訴訟判決のとおり,推知可能性や被侵害利益ごとに個別に判断されるものであり,少年法61条に違反する記事であることから直ちに定まるものではない。
③雑誌全体の閲覧禁止か,該当記事に限った制限か,期間を区切るかといった制限の範囲及び方法が,必要かつ合理的な範囲にとどまっているか。
④誰がどのような基準で判断するのか,その基準が条例又は規則のどこに定められているか。

第6 日本図書館協会の見解の変遷

1 図書館の自由に関する宣言(1979年改訂)

日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」は,すべての図書館資料は原則として国民の自由な利用に供されるべきであるとした上で,提供の自由が制限されることがある場合を三つに限っている。
その一つが「人権またはプライバシーを侵害するもの」であり,残りの二つは,わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの,及び寄贈者又は寄託者が公開を否とする非公刊資料である。
同宣言は,これらの制限も極力限定して適用し,時期を経て再検討すべきものとしている。

2 平成9年の見解(『フォーカス』の記事)

平成9年7月4日,日本図書館協会は,神戸市の事件で逮捕された14歳の少年の顔写真を掲載した写真週刊誌について見解を示した。
その内容は,写真が少年法61条に抵触する可能性が高く,宣言の提供制限の場合のうち人権又はプライバシーを侵害するものに当たると考えられるとしつつ,資料を保存する責任に留意し,受入れや保存を控えることや原資料に図書館が手を加えることは首肯し難いとするものであった。
同協会の機関誌掲載の解説によれば,当時の図書館の対応は,返品,廃棄,購入した上での非公開,該当頁の非公開,制限付きの提供など様々であった。

3 平成10年の「参考意見」(『文藝春秋』の記事)

平成10年2月13日,日本図書館協会は,同じ事件の供述調書を掲載した月刊誌について「参考意見」を示した。
同協会の図書館の自由に関する調査委員会の委員長による解説によれば,図書館から寄せられた意見が分かれていたことに加え,前年の見解が同協会から各図書館への指示と一部で受け取られたことから,「参考意見」という形にとどめたとされる。
そこでは,公刊物の表現に名誉毀損やプライバシー侵害の可能性がある場合に図書館が提供制限を行い得るのは,頒布差止めの司法判断があり,そのことが図書館に通知され,被害者が図書館に提供制限を求めた場合であるとの考え方が示された。
同じ時期に,堺通り魔事件の19歳の本人の顔写真と実名を掲載した『新潮45』が発売されたが,同じ解説は,年齢が刑事裁判の可能な16歳以上であるという点を除けば,同協会としては基本的に前記の平成9年の見解と同じであると考えるとした。

4 平成19年の総会承認(提供を原則とする考え方)

日本図書館協会は,平成18年10月の常務理事会を経て,平成19年5月の総会で,加害少年の推知記事の提供についての考え方を承認した。
その骨子は,資料を提供したことを理由に図書館が処罰され又は損害賠償を命じられるような場合でない限り,加害少年の推知報道も提供を原則とし,その上で各図書館の自主的な判断を尊重するというものである。
同協会の図書館の自由委員会による説明では,少年法61条は報道機関に関する規制であり出版物の流通や頒布を行う主体を規制・処罰する法ではないこと,前記の大阪高裁判決が実名で報道されない権利を否定的に判示したこと,長良川事件報道訴訟判決が推知報道の範囲を限定したこと,図書館の提供制限には知る自由を狭める萎縮との批判があることが挙げられている。

第7 司法試験での出題

平成14年度の旧司法試験論文式試験の憲法第1問は,少年法61条に違反すると判断したときは閲覧用の定期刊行物を閲覧禁止にできると定める市の図書館運営規則に基づき,図書館長が雑誌の閲覧を認めなかった事例について,憲法上の問題点を問うものであった。
法務省が公表した出題趣旨は,市民が公立図書館で所蔵の雑誌を閲覧する権利が憲法上保障されるか,保障されるとしてどう位置付けるか,その制約が正当化される事情は何か,及び具体的にどのような方法で解決を図るべきかを問うものであるとしている。
問題と出題趣旨は,法務省ウェブサイトの論文式試験問題・出題趣旨のページに掲載されている。

第8 関連記事

①少年事件で弁護士が取材を受けるときの確認事項―少年法61条・特定少年・被害者情報
②名誉毀損・プライバシー侵害が民事上違法となる要件-判断順序と主要判例
③条例は法律より厳しい規制を定められるか―自主条例・委任条例・上乗せ・横出し規制
④公文書に関する日弁連の立場等
⑤法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在―年度別の実施・結果・出題趣旨・採点実感のページ一覧

第9 出典

1 法令

①e-Gov法令検索「少年法」61条,62条1項及び68条
②e-Gov法令検索「地方自治法」14条2項,244条及び244条の2第1項
③e-Gov法令検索「図書館法」2条,10条及び17条
④e-Gov法令検索「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」23条1項1号,30条,32条並びに33条1項及び3項
⑤e-Gov法令検索「刑事訴訟法」461条
(いずれも令和8年9月27日確認)
⑥衆議院「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第87号)」1条(地方自治法14条2項の改正)及び附則1条(施行期日)

2 裁判例

①最高裁昭和58年6月22日大法廷判決・昭和52年(オ)第927号・民集37巻5号793頁(裁判所ウェブサイト)
②最高裁平成元年3月8日大法廷判決・昭和63年(オ)第436号・民集43巻2号89頁(裁判所ウェブサイト)
③最高裁平成7年3月7日第三小法廷判決・平成元年(オ)第762号・民集49巻3号687頁(裁判所ウェブサイト)
④最高裁平成15年3月14日第二小法廷判決・平成12年(受)第1335号・民集57巻3号229頁(裁判所ウェブサイト)
⑤最高裁平成17年7月14日第一小法廷判決・平成16年(受)第930号・民集59巻6号1569頁(裁判所ウェブサイト)
⑥岐阜地裁令和3年7月21日判決・令和元年(行ウ)第8号(裁判所ウェブサイト)
⑦名古屋高裁令和4年1月27日判決・令和3年(行コ)第52号(裁判所ウェブサイト)
⑧富山地裁平成10年12月16日判決(平成6年(ワ)第242号,判例秘書の判例番号 L05350623)(裁判所ウェブサイト未掲載。判例秘書で全文を確認した)
⑨名古屋高裁金沢支部平成12年2月16日判決(平成11年(ネ)第17号,判例秘書の判例番号 L05520087)(裁判所ウェブサイト未掲載。判例秘書で全文を確認した)
⑩大阪高裁平成12年2月29日判決(平成11年(ネ)第2327号,判例秘書の判例番号 L05520125)(裁判所ウェブサイト未掲載。判例秘書で全文を確認した)

3 日本図書館協会の資料

①日本図書館協会「図書館の自由に関する宣言」(1954年採択,1979年改訂)第2の1
②日本図書館協会「『フォーカス』(1997.7.9号)の少年法第61条に係わる記事の取り扱いについて(見解)」(平成9年7月4日。国立国会図書館インターネット資料収集保存事業による保存版)
③日本図書館協会「『文藝春秋』(1998年3月号)の記事について」(平成10年2月13日。同保存版)
④日本図書館協会「加害少年推知記事の扱い(提供)について」(2007年5月総会承認。同保存版)

4 試験問題

①法務省「論文式試験問題・出題趣旨」のうち平成14年度の問題及び出題趣旨(令和8年9月27日閲覧)