裁判所職員の予算定員の推移


目次第1 裁判官及び秘書官の予算定員の推移

1 裁判官の予算定員の推移
2 裁判官秘書官の予算定員の推移
第2 一般職俸給表準用職員の予算定員の推移
第3 一般職俸給表準用職員の予算定員の内訳の推移
1 指定職俸給表準用職員の予算定員の推移
2 行政職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移
3 行政職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移
4 医療職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移
5 医療職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移
6 医療職俸給表(三)準用職員の予算定員の推移
第4 裁判所の職種別の予算定員の推移
1 裁判所書記官
2 裁判所速記官(平成10年度に新規養成停止)
3 家庭裁判所調査官
4 裁判所事務官
5 その他一般職(技能労務職員,医師,栄養士,看護師等)
6 補足説明
第5 平成25年度以降の裁判所の非常勤職員
第6 令和3年度開始のデジタル人材の採用
1 令和4年度採用のデジタル人材
2 令和3年度採用のデジタル人材
3 補足説明及び関連記事
第7 平成25年度以降の裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書
第8 司法修習終了直後の判事補採用数の推移
第9 司法制度改革当時の裁判官の増員論

第10 予算書・決算書データベースに載ってある予算書へのリンク
第11 級別定数表の「職名」別の予算定員と裁判所データブックに記載されている書記官等の定員の対応関係
第12 最高裁から国会への情報提供文書
1 最高裁から衆議院への情報提供文書
2 最高裁から参議院への情報提供文書
第13 関連記事その他

第1 裁判官及び秘書官の予算定員の推移
1 裁判官の予算定員の推移
(1) 裁判官の予算定員の推移は,裁判所職員定員法のほか,昭和47年度から平成15年度まで存在していた沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(略称は「沖特法」です。)63条に基づく予算定員を含めて,以下のとおりです。
令和 4年度:3841人(判事は2155人,判事補は 857人)
令和 3年度:3881人(判事は2155人,判事補は 897人)
令和 2年度:3881人(判事は2155人,判事補は 897人)
平成31年度:3881人(判事は2125人,判事補は 927人)
平成30年度:3866人(判事は2085人,判事補は 952人)
平成29年度:3841人(判事は2035人,判事補は 977人)
平成28年度:3814人(判事は1985人,判事補は1000人)
平成27年度:3782人(判事は1953人,判事補は1000人)
平成26年度:3750人(判事は1921人,判事補は1000人)
平成25年度:3718人(判事は1889人,判事補は1000人)
平成24年度:3686人(判事は1857人,判事補は1000人)
平成23年度:3656人(判事は1827人,判事補は1000人)
平成22年度:3611人(判事は1782人,判事補は1000人)
平成21年度:3566人(判事は1717人,判事補は1020人)
平成20年度:3491人(判事は1677人,判事補は 985人)
平成19年度:3416人(判事は1637人,判事補は 950人)
平成18年度:3341人(判事は1597人,判事補は 915人)
平成17年度:3266人(判事は1557人,判事補は 880人)
平成16年度:3191人(判事は1517人,判事補は 845人)
平成15年度:3139人(判事は1450人,判事補は 829人)
→ うち,沖特法63条に基づく予算定員は,判事が25人,判事補が6人,簡裁判事が12人(合計43人)
平成14年度:3094人(判事は1420人,判事補は 819人)
→ うち,沖特法63条に基づく予算定員は,判事が25人,判事補が6人,簡裁判事が12人(合計43人)
平成13年度:3049人(判事は1415人,判事補は 805人)
→ うち,沖特法63条に基づく予算定員は,判事が25人,判事補が6人,簡裁判事が12人(合計43人)
(中略)
平成 3年度:2828人(判事は1385人,判事補は 614人)
→ うち,沖特法63条に基づく予算定員は,判事が25人,判事補が6人,簡裁判事が12人(合計43人)
(中略)
昭和26年度:1595人(判事は1000人,判事補は 472人)
(2) 15期の泉徳治裁判官が最高裁判所人事局長となった後の平成3年度から裁判官の増員が開始しましたところ,昭和53年度ないし平成2年度の判事補の予算定員は609人であり,昭和62年度ないし平成12年度の判事の予算定員は1385人でした。
(3)ア 沖特法63条に基づく予算定員に基づく予算定員を含めた場合,平成2年度ないし令和4年度の簡裁判事の定員は806人です。
イ 沖特法63条に基づく予算定員につき,昭和47年度の場合,判事補20人,判事補が21人,簡裁判事が12人であり(合計53人),平成15年度の場合,判事が25人,判事補が6人,簡裁判事が12人でした(合計43人)。
(4) 47期の小野寺真也最高裁判所総務局長は,令和4年4月3日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
 今般の判事補の状況につきまして、充員が困難な状況が続いていること、直近の事件動向、あるいは、令和三年三月十二日の衆議院法務委員会附帯決議等を踏まえて、総合的に今般検討した結果、本年度につきましては判事補を四十人減員するものとしたものでございます。
 昨年につきましては、昨年の段階での事件動向あるいは今後の充員の在り方ということを、当時の検討としてそれが誤っていたというふうには考えておりませんが、今回の充員状況の動向も踏まえまして、今般、四十人の減員ということを考えたというものでございます。
2 裁判官秘書官の予算定員の推移
(1) 昭和22年5月3日の裁判所法施行時は最高裁判所長官秘書官1人だけでしたが,昭和23年12月21日法律第260号による改正後の昭和24年度以降は23人です。
(2) 裁判官秘書官の内訳は最高裁判所裁判官秘書官が15人,高等裁判所長官秘書官が8人です。

第2 一般職俸給表準用職員の予算定員の推移

1(1) 一般職俸給表準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
令和 4年度:21753人(最高裁1007人,下級裁20745人)
令和 3年度:21778人(最高裁 995人,下級裁20783人)
令和 2年度:21795人(最高裁 994人,下級裁20801人)
平成31年度:21812人(最高裁 984人,下級裁20828人)
平成30年度:21825人(最高裁 980人,下級裁20845人)
平成29年度:21860人(最高裁 983人,下級裁20877人)
平成28年度:21895人(最高裁 981人,下級裁20914人)
平成27年度:21931人(最高裁 982人,下級裁20949人)
平成26年度:21967人(最高裁 989人,下級裁20978人)
平成25年度:22003人(最高裁 992人,下級裁21011人)
(中略)
平成13年度:21017人(最高裁1064人,下級裁19953人)
(中略)
平成 3年度:20814人(最高裁1072人,下級裁19742人)
(2) 令和4年度につき,自動車運行体制整備のため,下級裁判所から最高裁判所に12人の技能労務職員が振り替えられています。
2 一般職俸給表準用職員は裁判官及び秘書官以外の裁判所職員であって,その内訳は以下のとおりです。
(1) 指定職俸給表準用職員
(2) 行政職俸給表(一)準用職員
(3) 行政職俸給表(二)準用職員
(4) 医療職俸給表(一)準用職員
(5) 医療職俸給表(二)準用職員
(6) 医療職俸給表(三)準用職員

第3 一般職俸給表準用職員の予算定員の内訳の推移
1 指定職俸給表準用職員の予算定員の推移
(1)ア 指定職俸給表準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
平成30年度ないし令和 4年度:44人(最高裁20人,下級裁24人)
平成25年度ないし平成29年度:43人(最高裁19人,下級裁24人)
(中略)
平成13年度:41人(最高裁19人,下級裁22人)
(中略)
平成 3年度:31人(最高裁17人,下級裁14人)
イ 平成30年度に最高裁判所審議官ポストが1つ増えてプロパーの裁判所事務官に割り当てられるようになりました。
(2) 令和3年度の指定職俸給表準用職員は以下のとおりです。
ア 最高裁判所20人
(ア) 裁判所事務官9人
8号棒:最高裁事務総長(プロパーの裁判官出身者が就任します。)
3号棒:最高裁大法廷首席書記官,最高裁審議官,最高裁家庭審議官
2号棒:最高裁訟廷首席書記官,最高裁小法廷首席書記官(3人),裁判所職員総合研修所事務局長
(イ) 裁判官の充て職11人
最高裁事務次長
最高裁の総務局長,人事局長,経理局長,民事局長,刑事局長,行政局長,家庭局長(7人)
最高裁審議官
司法研修所長,裁判所職員総合研修所長(2人)
イ 下級裁判所24人
(ア) 裁判所事務官16人
3号棒:東京及び大阪の高裁事務局次長(2人)
2号棒:名古屋,広島,福岡,仙台,札幌及び高松高裁の事務局次長(7人)
東京地裁事務局長
東京,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台及び札幌の首席家裁調査官(7人)
(イ) 裁判官の充て職8人
8高裁の事務局長(8人)
(3) ①東京高裁事務局次長は昭和時代から指定職であったところ,②平成2年度に大阪高裁事務局次長が指定職となり,③平成4年度に福岡高裁事務局次長が指定職となり,④平成5年度に名古屋高裁事務局次長が指定職となり,⑤平成6年度に広島高裁事務局次長が指定職となり,⑥平成7年度に仙台高裁事務局次長が指定職となり,⑦平成8年度に札幌高裁事務局次長が指定職となり,⑧平成9年度に高松高裁事務局次長が指定職となりました(最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成9年5月30日開催)における発言(全国裁判所書記官協議会会報第139号4頁)等参照)。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 首席書記官の職務
・ 首席家庭裁判所調査官の職務
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)

2 行政職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移
(1) 行政職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
令和 4年度:21267人(最高裁920人,下級裁20303人)
令和 3年度:21231人(最高裁920人,下級裁20311人)
令和 2年度:21223人(最高裁917人,下級裁20306人)
平成31年度:21203人(最高裁906人,下級裁20297人)
平成30年度:21166人(最高裁897人,下級裁20269人)
平成29年度:21138人(最高裁896人,下級裁20242人)
平成28年度:21102人(最高裁887人,下級裁20215人)
平成27年度:21067人(最高裁887人,下級裁20180人)
平成26年度:21032人(最高裁886人,下級裁20146人)
平成25年度:21003人(最高裁886人,下級裁20117人)
(中略)
平成13年度:19163人(最高裁871人,下級裁18292人)
(中略)
平成 3年度:18662人(最高裁864人,下級裁17798人)
(2) 行政職俸給表(一)準用職員には裁判所書記官,裁判所速記官,家庭裁判所調査官及び裁判所事務官が含まれます。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 首席書記官の職務
 首席家庭裁判所調査官の職務
・ 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係

3 行政職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移
(1) 行政職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
令和 4年度: 361人(最高裁 58人,下級裁 303人)
令和 3年度: 379人(最高裁 46人,下級裁 333人)
令和 2年度: 404人(最高裁 48人,下級裁 356人)
平成31年度: 441人(最高裁 49人,下級裁 392人)
平成30年度: 491人(最高裁 54人,下級裁 437人)
平成29年度: 626人(最高裁 66人,下級裁 496人)
平成28年度: 626人(最高裁 66人,下級裁 560人)
平成27年度: 697人(最高裁 67人,下級裁 630人)
平成26年度: 768人(最高裁 75人,下級裁 693人)
平成25年度: 833人(最高裁 78人,下級裁 755人)
(中略)
平成13年度:1689人(最高裁165人,下級裁1524人)
(中略)
平成 3年度:1995人(最高裁180人,下級裁1815人)
イ 令和4年度につき,自動車運行体制整備のため,下級裁判所から最高裁判所に12人の技能労務職員が振り替えられています。
(2) 行政職俸給表(二)準用職員は技能労務職員だけでありますところ,技能労務職員というのは以下の職種です(「全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見」参照)。
① 庁舎清掃などを担当する庁務員
② 庁舎管理などを担当する守衛
③ 裁判所の声の窓口となる電話交換手
④ 庁外の尋問や検証、少年事件における身柄押送などを担当する自動車運転手
(3) 47期の小野寺真也最高裁判所総務局長は,令和4年3月4日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しています。)。
① 技能労務職員につきましては、庁舎の清掃や警備、電話交換といった庁舎管理等の業務や、自転車の運転等の業務を行っているところでございます。
 技能労務職員の定員の合理化は、定年等の退職に際し、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外注化による合理化が可能かを判断し、後任を不補充とすることにより生じた欠員について実施しているところであります。
 技能労務職員が担当してきた業務につきましては、必要に応じて既に外部委託による代替等が行われているところであり、今回、技能労務職員の定員を合理化することで裁判所の事務に支障を生じさせることはないものと考えております。
② 済みません、先ほど自転車と申し上げてしまいまして、自動車の運転等の業務でございます。失礼いたしました。

4 医療職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移
(1) 医療職俸給表(一)準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
平成25年度ないし令和4年度:50人(最高裁0人,下級裁50人)
(中略)
平成13年度:50人(最高裁0人,下級裁50人)
(中略)
平成 3年度:50人(最高裁0人,下級裁50人)
(2) 医療職俸給表(一)準用職員は医師だけです。

5 医療職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移
(1) 医療職俸給表(二)準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
平成25年度ないし令和4年度:3人(最高裁3人,下級裁0人)
(中略)
平成13年度:3人(最高裁3人,下級裁0人)
(中略)
平成 3年度:5人(最高裁5人,下級裁0人)
(2) 医療職俸給表(二)準用職員は栄養士だけです。

6 医療職俸給表(三)準用職員の予算定員の推移
(1) 医療職俸給表(三)準用職員の予算定員の推移は以下のとおりです。
平成25年度ないし令和4年度:71人(最高裁6人,下級裁65人)
(中略)
平成13年度:71人(最高裁6人,下級裁65人)
(中略)
平成 3年度:71人(最高裁6人,下級裁65人)
(2) 医療職俸給表(三)準用職員は看護師(以前の看護婦)だけです。

第4 裁判所の職種別の予算定員の推移
1 裁判所書記官

令和 3年度:9878人 令和 2年度:9876人
平成31年度:9868人 平成30年度:9853人
平成29年度:9834人 平成28年度:9810人
平成27年度:9771人 平成26年度:9732人
平成25年度:9688人 平成24年度:9640人
平成23年度:9560人 平成22年度:9480人
平成21年度:9405人 平成20年度:9280人
平成19年度:9160人 平成18年度:9030人
平成17年度:8882人 平成16年度:8692人
平成15年度:8500人 平成14年度:8278人
平成13年度:8033人
 裁判所速記官(平成10年度に新規養成停止)
令和 4年度:205人(予定)
令和 3年度:207人 令和 2年度:209人
平成31年度:211人 平成30年度:213人
平成29年度:215人 平成28年度:220人
平成27年度:225人 平成26年度:230人
平成25年度:235人 平成24年度:240人
平成23年度:245人 平成22年度:260人
平成21年度:270人 平成20年度:285人
平成19年度:305人 平成18年度:325人
平成17年度:355人 平成16年度:385人
平成15年度:435人 平成14年度:485人
平成13年度:535人 平成12年度:635人
平成11年度:735人 平成10年度:835人
平成 9年度:935人
3 家庭裁判所調査官
令和 4年度:1598人(予定)
平成21年度ないし令和3年度:1596人
平成18年度ないし平成20年度:1591人
平成17年度:1588人 平成16年度:1583人
平成15年度:1568人 平成14年度:1538人
平成13年度:1533人
4 裁判所事務官
令和 4年度:9394人(予定)
令和 3年度:9392人 令和 2年度:9384人
平成31年度:9370人 平成30年度:9346人
平成29年度:9334人 平成28年度:9317人
平成27年度:9316人 平成26年度:9315人
平成25年度:9325人 平成24年度:9335人
平成22年度及び平成23年度:9345人
平成19年度及び平成20年度:9355人
平成17年度:9408人 平成16年度:9508人
平成15年度:9629人 平成14年度:9779人
平成13年度:9929人
5 その他一般職(技能労務職員,医師,栄養士,看護師等)
令和 3年度: 728人 令和 2年度: 753人
平成31年度: 790人 平成30年度: 840人
平成29年度: 904人 平成28年度: 975人
平成27年度:1046人 平成26年度:1117人
平成25年度:1182人 平成24年度:1248人
平成23年度:1343人 平成22年度:1408人
平成21年度:1473人 平成20年度:1575人
平成19年度:1675人 平成18年度:1755人
平成17年度:1850人 平成16年度:1905人
平成15年度:1931人 平成14年度:1974人
平成13年度:2017人
6 補足説明
(1)ア 職種別の予算定員及び級別定数は一般会計予算参照書に記載されています。
イ 裁判所速記官の予算定員は,(項)下級裁判所の主任速記官及び速記官の合計です。
ウ 家庭裁判所調査官の予算定員は,(項)下級裁判所の首席家庭裁判所調査官7人(指定職俸給表)のほか,首席家庭裁判所調査官,次席家庭裁判所調査官,主任家庭裁判所調査官,家庭裁判所調査官及び家庭裁判所調査官補の合計です。
(2) 元データは裁判所データブックのバックナンバーです。

第5 平成25年度以降の裁判所の非常勤職員
1 最高裁判所の非常勤職員

令和4年度:16人(医員4人,看護師2人,デジタル人材10人)
平成25年度ないし令和3年度:6人(医員4人,看護師2人)
2 下級裁判所の非常勤職員
令和4年度:81人(医員51人,看護師30人)
平成31年度ないし令和 3年度:61人(医員51人,看護師10人)
平成25年度ないし平成30年度:79人(医員58人,看護師21人)
3 補足説明
(1) 裁判所職員定員法2条は「裁判官以外の裁判所の職員(執行官、非常勤職員、二箇月以内の期間を定めて雇用される者及び休職者を除く。)の員数は」という文言を使っていますから,非常勤職員は裁判所職員の定員外となります。
(2) 裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書において(項)最高裁判所の「非常勤職員手当」の「積算内容」(PDF4頁辺り)を見れば最高裁判所の非常勤職員の内訳が分かり,(項)下級裁判所の「非常勤職員手当」の「積算内容」(PDF11頁辺り)を見れば下級裁判所の非常勤職員の内訳が分かります。

第6 令和3年度開始のデジタル人材の採用
1 令和4年度採用のデジタル人材
(1)ア 令和3年度の(項)最高裁判所の「非常勤職員手当」の予算要求額(医員4人,看護師2人)は850万7000円であり,令和4年度の(項)最高裁判所の「非常勤職員手当」の予算要求額(医員4人,看護師2人,デジタル人材10人)は6068万円ですから,差額の5217万3000円がデジタル人材10人のための予算であると思います。
イ 令和4年度の概算要求では,(項)最高裁判所の「非常勤職員手当」の要求額は7232万7000円でしたから,財務省の予算査定で1164万7000円削減されて6068万円になったことになります。
(2) 令和4年度の最高裁判所の概算要求書(説明資料)251頁には「(1) 非常勤職員手当」として以下の記載があります。
<要求要旨>
    最高裁判所及び下級裁判所における裁判所職員の健康の保持及び増進を図るため,非常勤職員たる医師及び看護師の確保に必要な経費を要求する。また,裁判所における情報システムの開発や業務改革,サイバーセキュリティ対策等を適切に実施し,裁判所のデジタル化の推進を図るため,非常勤職員としてIT・セキュリティ知識を有する人材を確保するために必要な経費を要求する。
(3) 以下の資料を掲載しています。
・ 非常勤職員(デジタル推進室)の採用手続に関する実施要領(令和4年4月1日付の採用)
→ DX戦略アドバイザー,情報セキュリティ対策アドバイザー,プロジェクトマネージャー(クラウド移行)及びプロジェクトマネージャー(アプリ開発・UI/UXデザイン)の4職種について1人ずつ非常勤職員を募集するというものであり,勤務日数は1週間当たり29時間を超えない範囲内で定められるとのことです。
・ 令和4年1月に裁判のDXを推進する中核メンバーの募集広告を出すために株式会社ビズリーチとの間で授受した文書
2 令和3年度採用のデジタル人材
(1)ア 令和3年度採用のデジタル人材として,デジタル推進室専門官1人及び情報政策課兼民事局専門官1人が採用されました(ビズリーチの「司法府の最高機関でDXを推進し、日本の裁判を変革する」参照)。
イ 任期付職員としての採用のためであると思いますが,令和3年度の最高裁判所の概算要求書(説明資料)には関連する記載が見当たりません。
(2) 以下の資料を掲載しています。
・ 令和3年度任期付採用職員(デジタル推進室)選考採用手続実施要領
→ 情報基盤関係業務について任期付の裁判所事務官1人の募集(令和3年8月1日付の採用)であって,非常勤職員ではありません。
・ 令和3年度情報通信ネットワーク専門官(デジタル推進室)の選考結果
→ 296人の応募者のうち,書類選考者が31人,1次試験合格者が14人,2次試験合格者が5人,採用者が2人でした。
3 補足説明及び関連記事
(1) 毎年度の裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書には,「(備考) この各目明細書の積算内訳に記載している各俸給表の予算定員には、「一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律」第7条第1項の俸給表を適用する特定任期付職員が含まれる。」と記載されています。
    そのため,任期付職員の採用予定は歳出概算要求書を見るだけではわかりません。
(2) 以下の資料を掲載しています。
・ 中村慎最高裁判所事務総長と,デジタル専門官及び最高裁職員との対談記事(令和4年3月18日実施)
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容
 裁判所の情報化の流れ

第7 平成25年度以降の裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書

1 裁判所所管一般会計歳出予算各目明細書は以下のとおりです。
(令和時代)
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度
令和6年度
(平成時代)
平成25年度平成26年度平成27年度平成28年度
平成29年度平成30年度平成31年度
2 裁判所HPの「裁判所の予算」における掲載期間が10年だけみたいですから,裁判所HPに載ってあるものを転載しています。

第8 司法修習終了直後の判事補採用数の推移
1 裁判所データブックによれば,司法修習終了直後の判事補採用数の推移は以下のとおりです。
令和 4年度(75期) 75人(うち,女性は28人)
令和 4年度(74期) 73人(うち,女性は24人)
令和 2年度(73期) 66人(うち,女性は23人)
令和 元年度(72期) 75人(うち,女性は28人)
平成30年度(71期) 82人(うち,女性は21人)
平成29年度(70期) 65人(うち,女性は18人)
平成28年度(69期) 78人(うち,女性は30人)
平成27年度(68期) 91人(うち,女性は38人)
平成26年度(67期)101人(うち,女性は29人)
平成25年度(66期) 96人(うち,女性は38人)
平成24年度(65期) 92人(うち,女性は28人)
平成23年度(64期)102人(うち,女性は34人)
→ うち旧64期が4人,新64期が98人
平成22年度(63期)102人(うち,女性は32人)
→ うち旧63期が4人,新63期が98人
平成21年度(62期)106人(うち,女性は34人)
→ うち旧62期が7人,新62期が99人
平成20年度(61期) 99人(うち,女性は36人)
→ うち旧61期が24人,新61期が75人
平成19年度(60期)118人(うち,女性は43人)
→ うち旧60期が52人,新60期が66人
平成18年度(59期)115人(うち,女性は35人)
平成17年度(58期)124人(うち,女性は34人)
平成16年度(57期)109人(うち,女性は35人)
平成15年度(56期)101人(うち,女性は29人)
平成14年度(55期)106人(うち,女性は30人)
平成13年度(54期)112人(うち,女性は31人)
平成12年度(52期+53期) 87人(うち,女性は22人)+82人(うち,女性は26人)=169人(うち,女性は48人)
平成11年度(51期) 97人(うち,女性は18人)
平成10年度(50期) 93人(うち,女性は21人)
平成 9年度(49期)102人(うち,女性は26人)
平成 8年度(48期) 99人(うち,女性は26人)
平成 7年度(47期) 99人(うち,女性は34人)
平成 6年度(46期)104人(うち,女性は18人)
平成 5年度(45期) 98人(うち,女性は20人)
平成 4年度(44期) 65人(うち,女性は16人)
平成 3年度(43期) 96人(うち,女性は20人)
平成 2年度(42期) 81人(うち,女性は16人)
平成 元年度(41期) 58人(うち,女性は10人)
2(1) 週刊東洋経済2023年9月9日号51頁には以下の記載があります。
     形式的なものとはいえ諮問委での審査があるため、裁判官の内定が出るのは年末近くになってからになる。そこで内定が出た途端に内定辞退者が続出する。なぜか。裁判官の内定を得るような優秀な修習生に対しては、大手事務所が審査期間中にもう一段、採用条件の上乗せをすることがあるためだという。
(2) 下級裁判所裁判官指名諮問委員会の以下の議事録を見る限り,「判事補に任命されるべき者として指名することが適当」と答申された人の数及び指名留保者の数の合計と現実の任官者数はすべて一致していますから,「内定が出た途端に内定辞退者が続出」しているわけではないと思います(指名留保者は56期で1人,57期で1人いただけです,)。
5回(56期)11回(57期)18回(58期)24回(59期)
29回(旧60期)31回(新60期)34回(旧61期)36回(新61期)
39回(旧62期)41回(新62期)44回(旧63期)46回(新63期)
49回(旧64期)51回(新64期)56回(65期)61回(66期)
66回(67期)72回(68期)77回(69期)82回(70期)
87回(71期)92回(72期)97回(73期)103回(74期)107回(75期)
3 15期の泉徳治裁判官へのインタビューが載ってある一歩前へ出る司法127頁には,平成6年に判事補採用が100人を超えた理由として以下の記載があります(改行を追加しました。)。
     司法修習終了者が六○○人程度になるには一九九四年四月まで待たなければなりませんが、私は五○○人時代にも判事補採用一○○人を目指したいと考え、一九九一年に九六人まで採用できました。
    翌一九九二年には六五人に落ち込んだものの、一九九三年には九八人採用しました。そして、一九九四年四月に司法修習終了者が五九四人となったところで、判事補一○四人の採用を実現させました。
    ともかく三桁三桁と言い続けて、そこまで行ったんです。また、定員の方も、一九九一年から判事補の定員を増やすということを始めました。毎年、五人、七人、七人、一〇人、一二人と、徐々にではありますが、判事補の定員増を図りました。
    毎年一〇〇人前後の判事補を採用すれば、その人たちが判事になる一〇年後には判事の定員が足りなくなるでしょう。そのことは当然に分かっておりますが、一〇年後に事務総局にいる人たちが汗をかいて増員すればよいことですし、汗をかくべきだと思っておりました。
    矢口さん(山中注:矢口洪一 元最高裁判所長官のこと。)は、毎年六〇人程度を採用すればよい、そうすれば定員増も必要ないし、処遇の面でも楽であると言っておられました。しかし、それでは発展がありませんね。

第9 司法制度改革当時の裁判官の増員論

1 平成13年4月当時の最高裁判所事務総局の考えが,首相官邸HPの「裁判所の人的体制の充実について(司法制度改革審議会からの照会に対する回答)」(平成13年4月16日付)に書いてあります。
    5頁には「現在の事件数を前提に,迅速化と専門化への対応,裁判官制度改革への対応を図るために,約500人の裁判官の増員が必要である。」と書いてあります。
2 日弁連は,平成15年10月23日,裁判官及び検察官の倍増を求める意見書を発表しました。

第10 予算書・決算書データベースに載ってある予算書へのリンク

1 予算書・決算書データベースに載ってある予算書につき,以下のとおりリンクを張っています。
(令和時代)
令和元年度令和2年度令和3年度令和4年度
(平成時代)
平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度
2 一般会計【PDF版】に含まれる「令和◯年度一般会計各省各庁予定経費要求書等」(一般会計予算参照書の一部です。)の「予算定員及び俸給額表」の中身は,級別定数表と同じであって,例えば,令和3年度予算の場合,リンク先のPDF287頁ないし291頁に,「裁判所所管 令和3年度裁判所職員予算定員及び俸給額表」が載っています。
3 リンク先につき,昭和44年度以降に関しては予算書と決算書が分けて掲載されています。

第11 級別定数表の「職名」別の予算定員と裁判所データブックに記載されている書記官等の定員の対応関係
1 令和4年9月9日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には以下の記載があります。
    裁判所データブックとは、最高裁判所が裁判所に関する各種データを一般に公表することを目的として毎年度作成している文書であり、その中に官職名等別に定員が記載されている表(以下「裁判所データブックの表」という場合はこの表を指す。)が存在する。
    裁判所データブックの表は、予算定員表に定められた職名別の定員の数値を参考としつつ、裁判所職員定員法改正による定員の増減数を反映するなどして一般に公表するために作成しているものである。
2 令和4年度(最情)答申第30号(令和5年2月27日答申)には以下の記載があります。
  当委員会庶務を通じた確認の結果は、次のようなものである。まず、級別定数表とは、最高裁判所が予算の範囲内で職務の級の定数を設定することを目的として毎年度作成されている文書であり、職名別に職務の級ごとの定数が記載されている。級別定数表の定数は、各年度の一般予算参照書の予算定員表に定められた職名別の定員の数値を基礎資料として作成され、級別定数表の職名は、予算定員表の職名と一致する。一方、裁判所データブックとは、最高裁判所が裁判所に関する各種データについて、各種資料等を総合し、一般に公表することを目的として毎年度作成されている文書である。裁判所データブックの表には「裁判所職員(執行官を除く。)の定員」として、「官職名等」欄の「一般職」の項目に「書記官」、「速記官」、「家庭裁判所調査官」、「事務官」及び「その他」の項目ごと定員の記載がある。裁判所データブックの表の定員の数値は、予算定員表に定められた総数及び裁判所職員定員法改正による法律定員の増減数を把握するなど各種資料を総合して作成されている。
    上記確認結果を踏まえれば、裁判所データブックの表を作成するに当たっては、級別定数表を参考にするのではなく、予算定員表に定められた職名別の定員の数値を参考にしつつ、裁判所職員定員法改正による法律定員の増減数などを反映して作成されていることが推認される。したがって、級別定数表と裁判所データブックの表は、異なる目的に応じて作成されたものであり、それぞれに記載された各数値の間に直接的な対応関係はないということができるから、その対応関係が分かる文書を作成し、又は取得する必要がないとする最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。

第12 関連記事その他

1 内閣官房HPの「国の行政機関の定員」「令和2年度から令和6年度までの定員合理化目標数について」(令和元年6月28日付の内閣人事局長通知)が載っています。
2 以下の記事も参照してください。
(概算要求から級別定数の配布まで)
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 最高裁判所の国会答弁資料
・ 最高裁及び法務省から国会への情報提供文書
・ 裁判所をめぐる諸情勢について
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置
(その他)
 最高裁から国会への情報提供文書
 令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容
 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
 毎年6月開催の長官所長会同
・ 高等裁判所事務局長事務打合せ
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
・ 下級裁判所事務局の係の事務分掌
・ 東京高裁及び大阪高裁事務局,並びに東京地裁,大阪地裁及び大阪家裁事務局に設置されている係
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達


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