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最高裁判所の概算要求書(説明資料)-入手先,構成,読み方及びバックナンバー(AIリライト)

第1 この記事の対象と結論

1 対象

この記事は,最高裁判所が毎年度の概算要求の際に作成する「概算要求書(説明資料)」について,裁判所ウェブサイトに掲載されている資料との関係,構成,読み方及び当ブログに掲載しているバックナンバーを整理するものである。
本記事の基準日は令和8年9月19日である。
本記事は,令和3年12月12日に公開した記事を,生成AIを用いて一次資料と照合し,書き直したものである。

2 結論

裁判所ウェブサイトの裁判所の予算には,毎年度の「一般会計歳出概算要求書(等)」が掲載されている。
概算要求書(説明資料)は,この歳出概算要求書の各項目を,最高裁判所の局課ごとに,要求の理由と円単位の積算に分けて説明した資料であり,令和8年度分で624頁ある。
説明資料は裁判所ウェブサイトには掲載されておらず,当ブログでは平成29年度分及び令和2年度分から令和8年度分までを掲載している。

第2 裁判所ウェブサイトの資料と説明資料

1 裁判所ウェブサイトに掲載されている資料

裁判所ウェブサイトの「裁判所の予算」には,年度ごとの頁があり,平成30年度から令和9年度までの頁が置かれている。
各年度の頁には,概算要求の段階で「概算要求の概要」「一般会計歳入予算概算見積書」「一般会計歳出概算要求書(等)」及び要望一覧が,予算の成立後に「予算の概要」及び「一般会計歳出予算各目明細書」が掲載される。

平成30年度から令和9年度までの各年度の頁を確認したところ,概算要求書(説明資料)はいずれの頁にも掲載されていなかった(令和8年9月19日確認)。
当ブログに掲載している説明資料は,裁判所ウェブサイト以外の経路で当ブログが取得したものである。

2 説明資料の表紙と構成

説明資料の表紙は,「令和4年度概算要求書(説明資料) 03 裁判所所管 最高裁判所」のようになっている。
「03」は裁判所所管を示す番号である。

令和4年度の説明資料(819頁)の目次では,本文が次の順に並んでいる。
①秘書課経費(1頁),②広報課経費(51頁),③情報政策課経費(67頁),④総務局経費(127頁),⑤人事局経費(191頁),⑥経理局経費(249頁),⑦民事局経費(381頁),⑧刑事局経費(443頁),⑨行政局経費(517頁),⑩家庭局経費(541頁),⑪図書館経費(625頁),⑫司法研修所経費(635頁),⑬裁判所職員総合研修所経費(695頁),⑭人件費(759頁),⑮施設費(797頁),⑯(参考)共通経費内訳(805頁)

つまり,歳出概算要求書が予算の科目(項・目)の順に並んでいるのに対し,説明資料は,要求を担当する最高裁判所事務総局等の局課の順に並んでいる。

3 「明細書頁」による歳出概算要求書との対応

説明資料の各項目の右欄には「明細書頁」の欄があり,歳出概算要求書の頁を示している。

例えば,令和4年度の説明資料160頁の「法令・判例等検索システム」の明細書頁は「33」である。
裁判所ウェブサイトの令和4年度一般会計歳出概算要求書の33頁の備考欄には,(総務局経費)の雑役務費として,法令・判例等検索システムが「40,185」(前年度「40,183」)千円と記載されている。
説明資料167頁は,同じ経費を単価4018万4125円(前年度4018万2577円),所要額4018万5千円と記載している。

したがって,歳出概算要求書で金額の大きさを確かめ,説明資料でその理由と積算を確かめるという使い方ができる。

4 要求要旨と経費積算内訳の読み方

説明資料の各項目は,おおむね「要求要旨」と「経費積算内訳」から成る。
要求要旨は,その経費が何のために必要かを文章で説明する部分である。
経費積算内訳は,品目等,員数等,単価(円)及び所要額(千円)を表にした部分である。

経費積算内訳の単価と所要額には,括弧書きの金額が併記されている。
括弧内の金額は前年度予算額であり,括弧の外の金額が当該年度の要求額である。
この読み方は,歳出概算要求書の「前年度予算額」の欄と突き合わせると確かめられる。

説明資料には,通常の要求のほかに「要望」として計上されている経費がある。
要望は,各年度の概算要求基準に基づいて設けられた特別の枠で要求されるものであり,経費積算内訳【要望】のように区別して記載されている。

5 頁番号の注意

説明資料の頁番号は,各頁の下部に印刷されたものであり,PDFの通し頁とは一致しないことがある。
例えば令和4年度の説明資料では,印刷された160頁はPDFの162枚目である。
引用するときは,印刷された頁番号を用いるのが適当である。

第3 バックナンバー

当ブログに掲載している最高裁判所の概算要求書(説明資料)は,次のとおりである。

年度資料頁数
令和8年度令和8年度概算要求書(説明資料)624頁
令和7年度令和7年度概算要求書(説明資料)645頁
令和6年度令和6年度概算要求書説明資料713頁
令和5年度令和5年度概算要求書(説明資料)694頁
令和4年度令和4年度概算要求書(説明資料)819頁
令和3年度令和3年度概算要求書(説明資料)781頁
令和2年度説明資料Ⅰ,説明資料Ⅱ461頁,449頁
平成29年度説明資料Ⅰ,説明資料Ⅱ,新しい日本のための優先課題推進枠説明資料353頁,375頁,196頁

頁数はPDFの枚数である。
令和9年度の説明資料は,基準日現在,当ブログに掲載していない。
令和9年度の歳出概算要求書及び概算要求の概要は,裁判所ウェブサイトの「令和9年度」の頁に掲載されている。

第4 説明資料から分かることの例

説明資料は,裁判所の予算のうち,公表されている予算書や各目明細書には出てこない経費の中身を知る手掛かりになる。
当ブログでは,説明資料を使って次の記事を作成している。

①判例検索システムの要求額と契約:裁判所の判例検索システムの予算と契約-法令・判例等検索システム,法律雑誌等検索システム及びWeb版図書情報システム(AI作成)
②民事訴訟手続のIT化:令和4年度概算要求書における,民事訴訟手続のIT化に関する最高裁判所の財務省に対する説明内容
③裁判手続のデジタル化:令和8年度概算要求に基づく,裁判手続のデジタル化-要求額,令和8年度予算及び令和9年度概算要求(AI作成)
④司法研修所の単価:司法研修所の概算要求書単価表
⑤予算定員:裁判所職員の予算定員の推移
⑥増員の説明:平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
⑦所持品検査:所持品検査の必要性に関する,最高裁判所の財務省に対する説明内容

第5 概算要求から予算の成立まで

1 概算要求の法令上の位置付け

最高裁判所長官は,毎会計年度,その所掌に係る歳入,歳出,継続費,繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積に関する書類を作製し,内閣に送付しなければならない(財政法17条1項)。
各省大臣の見積書類は財務大臣に送付される(同条2項)のに対し,裁判所の見積書類は内閣に送付される。
もっとも,予算決算及び会計令8条2項は「内閣は、前項の書類の送付を受けたときは、これを遅滞なく財務大臣に回付しなければならない。」と定めており,財務大臣に届く点は各省と変わらない。

送付の期限は,予算決算及び会計令8条1項が「前年度の八月三十一日までに、これを内閣に送付しなければならない。」と定めており,各省の見積書類の期限(同条3項)も同じである。
令和3年度予算については,令和三年度予算に係る歳入歳出等の見積書類の送付期限の特例を定める政令(令和2年政令第230号)により,いずれの期限も令和2年9月30日とされた。

財政法及び予算決算及び会計令の条文には,「概算要求」「概算要求書」という語は出てこない。
条文上の語は,「見積に関する書類」(財政法17条1項),「概算」(同法18条1項)及び「予定経費要求書」(同法20条2項)である。
なお,「概算要求」という語自体は,財務省組織規則217条に,主計課等の所掌事務として「予算の概算要求又は予備費の使用要求に係る事項の調査に関すること」と現れる。

2 日程

各省各庁の概算要求は,例年9月上旬に財務省ウェブサイトの「予算」に掲載され,政府予算案は例年12月下旬に閣議決定される(財政法18条1項)。
予算は,前年度の1月中に国会に提出するのを常例とする(同法27条)。

もっとも,令和8年度予算は,概算要求の基準の閣議了解が令和7年8月8日,国会提出が令和8年2月20日であり,暫定予算を経て同年4月7日に成立した。
令和2年度予算から令和9年度予算までの実際の日付は,裁判所の予算はいつ決まるか-概算要求基準の閣議了解から国会での成立まで(令和2年度~令和9年度の日程)(AI作成)で整理している。

3 裁判所の予算だけに用意されている手続

内閣は,裁判所に係る歳出の概算を閣議決定しようとするときは,あらかじめ最高裁判所長官に意見を求めなければならない(財政法18条2項)。
内閣が裁判所の歳出見積を減額した場合は,その詳細を歳入歳出予算に附記するとともに,国会が修正する場合の財源も明記しなければならない(同法19条)。
これは二重予算と呼ばれる仕組みであり,裁判所の経費を独立して国の予算に計上すべきものとする裁判所法83条1項を受けたものである。

令和2年度から令和8年度までの一般会計予算書のうち,裁判所所管が計上されている当初7本・補正7本を全文検索したところ,附記は1件もなかった。
もっとも,これは減額がなかったことを意味しないし,最高裁判所が納得していたことを意味するものでもない。
これらの点は,裁判所の予算は誰が決めているのか――二重予算制度と,令和2年度から令和8年度まで附記が0件だったこと(AIリライト)で詳しく扱っている。

4 予算の規模

裁判所の予算の規模,国の一般会計予算に占める割合及び人件費・物件費・施設費の内訳は,裁判所の予算はいくらか-国家予算に占める割合,人件費・物件費・施設費の内訳及び令和9年度概算要求(AI作成)で扱っている。

第6 関連する資料

1 公表資料

昭和22年度以降の予算書及び決算書が,財務省の予算書・決算書データベースに掲載されている。
特例公債法案と予算の議決日等は,三角政勝「戦後初となった大規模な予算の執行抑制」(立法と調査2012年12月号)に記載されている。

日弁連委員会ニュース2022年1月1日号15頁の「もっと知ってください、裁判所予算」には,裁判所予算の概括的な説明が,同年12月1日号16頁の「もっと知ってください、裁判所予算(その2)」には,最高裁判所の概算要求に関する説明が載っている。
執筆者は,いずれも志摩恭臣弁護士(徳島)である。

2 当ブログに掲載している資料

令和4年度歳出概算要求の作成手順が書いてある文書(財務省の開示文書)
令和4年度機構・定員及び級別定数設定・改定の要求について(令和3年7月7日付けの内閣官房内閣参事官(内閣人事局),人事院給与局給与第二課長及び財務省主計局給与共済課長の文書)
最高裁判所の令和3年度概算要求書729頁「職員諸手当」の積算根拠が書いてある文書

3 X(旧Twitter)で公開している資料

最高裁判所が財務省に対し,概算要求書(説明資料)を電子データで提供するようになった時期が分かる文書についての不開示通知書(令和5年3月6日付け)
裁判所が必要とする人員を確保できるよう,裁判所の予算獲得について努力すべきではないかという質問に関する国会答弁資料(令和4年4月14日)

第7 関連記事

1 予算の仕組みと資料の読み方

予算・決算の数値をどこから取るか-概算要求書,予算書,各目明細書,決算書及び決算検査報告の使い分け(AI作成)
決算はどの欄でできているか――9つの欄と2本の恒等式
決算に書かれている「理由」の探し方-一般会計歳入歳出決算と決算参照で収録範囲が違う(AI作成)

2 年度ごとの突合

次の記事は,各年度の概算要求,当初予算,補正予算及び決算の金額を突き合わせている。
令和7年度及び令和8年度は決算を含まず,令和8年度は暫定予算を含む。
裁判所の令和2年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)
裁判所の令和3年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)
裁判所の令和4年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)
裁判所の令和5年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)
裁判所の令和6年度予算-概算要求,当初予算,補正予算及び決算の突合(AI作成)
裁判所の令和7年度予算-概算要求,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)
裁判所の令和8年度予算-概算要求,暫定予算,当初予算及び補正予算の突合(AI作成)
令和9年度概算要求-裁判所職員101人の定員合理化と家裁調査官の増員の有無(AI作成)

3 司法行政

最高裁判所の国会答弁資料
最高裁及び法務省から国会への情報提供文書
裁判所をめぐる諸情勢について
級別定数の改定に関する文書
新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
長官所長会同(原則として毎年6月開催)―法的位置付け・運営・開催日(AIリライト)
高等裁判所事務局長事務打合せ
司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
下級裁判所事務局の係の事務分掌
東京高裁及び大阪高裁事務局,並びに東京地裁,大阪地裁及び大阪家裁事務局に設置されている係
裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達

第8 出典

1 法令

財政法(昭和22年法律第34号)17条,18条,19条,20条及び27条
予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)8条
裁判所法(昭和22年法律第59号)83条
令和三年度予算に係る歳入歳出等の見積書類の送付期限の特例を定める政令(令和2年政令第230号)
財務省組織規則(平成13年財務省令第1号)217条
いずれもe-Gov法令検索で令和8年9月19日時点の本文を確認した。

2 裁判所ウェブサイト

裁判所の予算及び平成30年度から令和9年度までの各年度の頁
令和4年度一般会計歳出概算要求書33頁

3 最高裁判所の概算要求書(説明資料)

令和4年度概算要求書(説明資料)の表紙,目次,160頁及び167頁

4 財務省

予算
令和8年度予算
予算書・決算書データベース