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最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方(AI作成)

第1 最高裁判所とは

最高裁判所は,日本の裁判所の頂点に位置する裁判所である。日本国憲法76条は,司法権が最高裁判所と法律により設置される下級裁判所に属することを定め,同81条は,最高裁判所を違憲審査権を持つ終審裁判所と位置付けている。

「最高裁判所」を調べるときは,裁判所という組織,そこで判断する裁判官,個別事件の判決・決定,庁舎の見学・裁判の傍聴を分けて考えると,必要な資料へたどり着きやすい。本記事では制度の全体像を説明した上で,目的別に詳しい記事と公式情報を案内する。

第2 高等裁判所・地方裁判所との違い

1 裁判所の種類と三審制

裁判所法2条は,下級裁判所として高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所を定めている。最高裁判所はこれらとは別に,日本全体を管轄する一つの裁判所として設置されている。

地方裁判所を第一審とする通常の民事訴訟を例にすると,第一審判決への不服は高等裁判所への控訴,さらに高等裁判所の判決への不服は最高裁判所への上告等という順序で扱われる。ただし,第一審の裁判所や不服申立ての種類は事件によって異なる。「どの事件も必ず3回,同じ範囲で裁判をやり直してもらえる」という意味ではない。

裁判所全体の種類と役割は,裁判所とはで説明している。

2 最高裁判所は主に法律上の問題を審査する

最高裁判所は,上告と訴訟法が特に定める抗告について裁判権を持つ(裁判所法7条)。公式案内は,最高裁判所を法律審と説明している。第一審で行われるように,証人や証拠を一から調べ直すことを通常の役割とする裁判所ではない。

民事・行政事件では,上告理由と上告受理の申立てを区別する必要がある。上告理由は憲法違反や法が列挙する重大な手続違反に限られる一方,法令の解釈に関する重要な事項を含む事件は,申立てにより上告審として受理されることがある。刑事事件では,憲法違反や判例違反が上告理由となる。具体的な要件は事件の種類と適用される訴訟法によって確認する必要がある。

第3 裁判官は15人―長官と判事

1 長官1人と判事14人

最高裁判所は,最高裁判所長官1人と最高裁判所判事14人で構成される(裁判所法5条)。15人の中で,長たる裁判官が長官であり,その他の裁判官が判事である。

長官は,内閣の指名に基づいて天皇が任命する。判事は内閣が任命し,天皇が認証する。長官も裁判を担当する裁判官であり,長官一人の判断が当然に合議体の結論になるわけではない。

2 任命資格・定年・国民審査

裁判所法41条は,識見が高く,法律の素養がある40歳以上の者を任命することと,15人のうち少なくとも10人について所定の法律関係職の経験要件を満たすことを定めている。裁判官・弁護士などの出身分野ごとの人数を,法律がそのまま固定しているわけではない。

最高裁判所裁判官の定年は70歳である(裁判所法50条)。また,任命後初めての衆議院議員総選挙の際に国民審査を受け,その後10年を経過した後初めての総選挙の際に再び審査を受ける(憲法79条)。現在の構成と各裁判官の経歴は裁判官一覧の記事に,投票方法等は国民審査の記事にまとめている。

第4 大法廷と三つの小法廷

1 構成員数と定足数の違い

区分構成定足数
大法廷全裁判官15人9人
第一・第二・第三小法廷各5人各3人

構成員数は合議体を組織する人数,定足数は審理・裁判に必要な出席人数である。大法廷が15人で構成されることと,常に15人全員が出席して裁判することは同じではない。構成と定足数は最高裁判所の裁判手続の公式案内でも確認できる。

2 どの事件が大法廷で扱われるか

事件はまず小法廷で審理する。裁判所法10条は,次の場合には小法廷では裁判できないと定めている。

① 当事者の主張に基づき,法律・命令・規則・処分が憲法に適合するかを判断するとき。ただし,従前の大法廷による合憲・違憲判断と同じ意見の場合は除かれる。
② ①の場合以外に,法律・命令・規則・処分が憲法に適合しないと認めるとき。
③ 憲法その他の法令の解釈・適用について,前の最高裁判所の裁判と異なる意見をとるとき。

したがって,当事者が「違憲」と主張したことだけで,必ず大法廷に回付されるとはいえない。条文の例外と判断の内容を確認する必要がある。具体的な裁判例と回付資料は大法廷の判決・決定一覧に,裁判官の配置と事件分配は小法廷への配置・代理順序・事件分配の記事に掲載している。

第5 審理・評議・判決と決定

1 通常は書面で審理する

最高裁判所の審理は通常,書面で行われる。上告理由がないと判断される事件では,口頭弁論を経ずに上告が棄却されることもある。口頭弁論が開かれる事件では,当事者が意見を述べる機会が設けられる。

裁判所調査官は,裁判官の命を受けて事件の審理・裁判に必要な調査を行う職員である(裁判所法57条)。調査官の報告と裁判官による判断は区別しなければならない。最高裁判所調査官の記事と判決を決める過程の記事で詳しく説明している。

2 「判決」と「決定」を区別して読む

最高裁判所の裁判には,判決だけでなく決定もある。報道や検索結果の短い見出しだけで内容を判断せず,裁判年月日,事件番号,大法廷・小法廷の別,裁判の形式,主文,理由を確認するとよい。裁判書に個別意見がある場合は,法廷意見と各裁判官の補足意見・意見・反対意見を区別して読む。

違憲判断も,形式が常に判決であるとは限らない。最高裁判所における違憲判決の一覧では,法令違憲の集計基準と,決定による判断を分けて整理している。

第6 違憲審査・規則制定・司法行政

1 憲法に適合するかを最終的に判断する

憲法81条は,最高裁判所に,法律・命令・規則・処分の憲法適合性を判断する終審裁判所としての権限を与えている。「最高裁判所の判断」と聞いたときは,その判断が個別事件のどの争点について示されたかを裁判書で確認することが大切である。

2 裁判官会議と事務総局

最高裁判所には,裁判する仕事に加えて,規則を定め,裁判所の運営に関する事務を行う仕事がある。規則制定権の根拠は憲法77条であり,司法行政事務は裁判官会議の議により行い,長官が総括する(裁判所法12条)。

裁判官会議と大法廷は,いずれも最高裁判所の裁判官で構成されるが,扱う仕事が異なる。大法廷は事件を裁判する合議体であり,裁判官会議は司法行政を扱う。事務総局は裁判官会議を補佐し,最高裁判所の庶務を担当する機関である。

具体的な議決事項等は裁判官会議の記事に,組織の根拠資料は事務総局の法令・通達の記事に掲載している。

第7 判例の調べ方と見学・傍聴

1 裁判例検索で原文を確認する

裁判所の裁判例検索で「最高裁判所」の区分を選び,裁判年月日,事件番号,事件名や全文中の語句などを用いて探す。裁判年月日や事件番号が分かる場合は,キーワードだけの検索より対象を絞りやすい。

結果一覧で裁判所名,裁判年月日,事件番号を照合し,全文PDFで主文と理由を読む。細かい入力条件は判例検索システムの使い方で確認できる。

この検索システムにすべての裁判が掲載されているわけではない。また,掲載版では当事者表示の省略や固有名詞の置換等が行われることがある。見つからないことだけを理由に,その裁判が存在しないと判断してはならない。

判例集と調査官解説の位置付けは,最高裁判所判例解説の読み方・探し方で説明している。

2 庁舎見学と裁判の傍聴は別のもの

最高裁判所の所在地は東京都千代田区隼町4番2号である。庁舎見学は大法廷等を見学するツアーであり,実際に開廷中の裁判を見る傍聴とは異なる。見学・傍聴の公式案内から目的に合う案内へ進む。

庁舎見学には学校見学コースと一般見学コースがある。対象者,実施日,予約の条件は,参加する時点の庁舎見学の案内と各コースのページで確認する。

傍聴の場合は,開廷期日情報で日時,法廷,抽選・先着順,整理券の締切時刻を確認する。最高裁判所は毎日開廷しているわけではなく,予定が変更されることもある。当日の流れは初めての傍聴ガイドを,建物の配置と沿革は最高裁判所庁舎の記事を参照されたい。

第8 よくある質問

1 最高裁判所と最高裁は同じか

「最高裁」は「最高裁判所」の略称であり,日本の裁判所について述べる通常の文脈では同じ裁判所を指す。本記事では正式名称を用いている。

2 長官と15人の判事がいるのか

長官を含めて15人である。内訳は長官1人と判事14人であり,長官を別に数えて16人とするものではない。

3 小法廷の裁判に不服なら大法廷に上訴できるか

大法廷と小法廷は同じ最高裁判所の内部の合議体である。下級裁判所から上級裁判所への上訴という関係にはない。大法廷で扱うべき場合は裁判所法10条等により定められる。

4 見学を予約すれば裁判を傍聴できるか

庁舎見学と裁判の傍聴は別の案内である。傍聴を希望する場合は,開廷期日情報と傍聴条件を確認する必要がある。

第9 主な出典

1 e-Gov法令検索・日本国憲法(6条,76条,77条,79条,81条)。
2 e-Gov法令検索・裁判所法(2条,5条,6条,7条,9条,10条,12条,13条,41条,50条,57条)。
3 裁判所HP最高裁判所の概要,最高裁判所の組織,最高裁判所の裁判手続。
4 裁判所HP判例検索システムの使い方及び裁判例検索の掲載判例の説明。
5 最高裁判所HP見学・傍聴案内,最高裁判所の庁舎見学,最高裁判所開廷期日情報。

法令及び公式案内は2026年10月11日に確認した。裁判官の現職情報や見学・傍聴の実施条件は変更されるため,利用する時点の公式情報を確認する必要がある。

最高裁判所事務総局の全体像と各局の役割については,最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係も参照してください。