最高裁判所判例解説

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1(1) 最高裁判所判例解説は最高裁判所調査官が作成してるものであり,最高裁判所の判例集に搭載された判例について,その要旨と参考条文を掲げ,事案の概要,一審及び二審の要旨,上告理由の概要並びに判決についての論点ごとの解説をしたものです。
(2) 最高裁判所判例解説は,単に「調査官解説」とか「判例解説」ともいわれますところ,法曹会で販売されています(法曹会HP「最高裁判所判例解説」参照)。

2 法曹時報第6巻第2号(昭和29年2月1日発行)55頁には,最高裁判所調査官室名義で作成された「最高裁判所判例」の「まえがき」として以下の記載があります。
    このたび、多数読者の御要望にこたえて、最高裁判所判例欄を新設し、昭和二十八年十二月以降の最高裁判所判例のうち重要と思われるものを紹介することとした。
    収載については、読者の理解、利用等の便宜を考えて、裁判書の全文をそのまま掲載する方式を採らず、とくに当該事件についての調査を担当された最高裁判所調査官をわずらわして、判示事項、裁判の要旨等を摘示し、かつ当該裁判についての解説を掲げることとした。愛読を希望する。

3 滝井繁男 元最高裁判所判事が執筆した「最高裁判所判事の任を終えて-調査官の仕事について思うこと」(法の支配147号(2007年10月発行))には以下の記載があります。
    当初,調査官は最高裁におかれている判例委員会で,前月の判例のうち判例集への登載(原文ママ)するものとその判断事項,要旨を決めてから二週間以内に解説を書いて提出するということになっていたらしい。既に事件の報告書ができており,近時は審議にも調査官が立ち上がっているのだから,このような短期間に解説を書き上げることが不可能とは思えない。現に昭和46年頃までは,この解説はほぼ判決の順に公表され,各年度ごとに合本された判例解説もその翌年には出されていたのである。それが昭和47年度には合本の発刊が翌々年になり始め,その後は遅れた年度には4年から5年後になるということもあった。その原因の多くは,発足当初のものに比べてその解説が詳細にわたるものが多くなって,解説が全て揃うのに時間がかかるようになってきたことにある。

4 「憲法裁判における調査官の役割」(藤田宙靖 元最高裁判所判事へのインタビュー)7頁及び8頁(リンク先の末尾301頁及び302頁)には,最高裁判所調査官解説に関して以下の記載があります。

・ 一般論としては、よくできている。
・ 自分が関与した事案について、重点の置き所が、自分が考えていた点とややずれていると感じる例も無いではない。また、他の小法廷が判断した事案については、読んでも、それが小法廷でなされた審議の正確な解説かどうかはわからない。
・ (多数意見等を正確に説明し,その背景も正確にしているものが多いかどうかは)調査官による。客観的な説明が多いが(上記一般論)、中には、私見を出すものもある。
・ 調査官解説を頭から信じてはいけない。
・ 判決文で書くべきと考えられることが多くなっているから、最近の最高裁判決は、長文化している。
・ 審議の際、どこまで判決で書くべきかを審議することがある。例えば、多数意見では○○まで書く、補足意見では△△まで書き、調査官解説では××まで書かせる、というような配分を考えることがある。
・ 裁判官は調査官解説を事前に見ていない。
・ 首席調査官が事前に見ているかどうかはわからない。
・ 調査官室が関与しているかどうかはわからない。
・ 調査官解説は、調査官から転任後に公表されるケースもあることからわかる ように、基本的にはあくまで個人的見解である。

5(1) 
平成31年3月4日付の理由説明書には以下の記載があります。
    最高裁判所内において,本件開示申出に係る文書を探索したが,該当文書は存在しなかった。なお,最高裁判所判例解説は,各最高裁判所調査官が個人として執筆・投稿しているものである。よって,最高裁判所として,最高裁判所調査官が最高裁判所判例解説に記事を投稿する際の注意事項を記載した文書を作成し,交付する必要はない。
(2) 本件開示申出に係る文書は,最高裁判所調査官が最高裁判所判例解説に記事を投稿する際の注意事項が書いてある文書です。

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